説明

めっき処理方法及び半導体装置の製造方法

【課題】電解めっき処理法に用いられるアノード電極の乾燥を抑制する技術を提供する。
【解決手段】めっき浴槽に設けられた開口部を覆ってめっき処理対象物を配置する段階、当該めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象物の表出部ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、前記めっき電極を用いて前記めっき処理対象物にめっき処理を施す段階、前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、前記めっき浴槽の前記開口部を覆ってめっき処理非対象物を配置する段階、前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき処理方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高機能化、高速動作化に伴い、当該電子機器に搭載される半導体装置に対しても、より高機能化、高速動作化が求められている。このため、当該半導体装置に於ける半導体集積回路素子(以下半導体素子とする)の高集積化が図られ、当該半導体素子に於ける外部接続用端子数も増加しつつある。
【0003】
多数の外部接続用端子を具備する半導体素子を、配線基板などの支持基板へ実装する方法の一つとして、当該半導体素子と配線基板との間を、半導体素子に於ける電極パッド上或いは配線基板上の電極端子上に配設されたバンプと称される突起電極をもって接続する方法がとられている。
【0004】
当該バンプは、半導体素子の主面(電子回路形成面)に於ける広い領域に対して配設することができ、外部接続用端子数の増加に対応することができる。当該バンプは、電極パッド或いは電極端子上に、所謂はんだ材を、例えば転写法或いはめっき(鍍金)法などにより被着し、被着されたはんだ材を再溶融(リフロー)して、電極パッドに固着すると共にその外形を略球状とすることにより形成される。
【0005】
当該はんだ材をめっき法により被着してバンプを形成する方法にあっては、半導体素子が複数個形成された半導体基板に対して、個々の半導体素子に於ける電極パッド上に、下地金属層を介してはんだ材を、所謂電解めっき法(電気めっき法)により被着する処理が施される。
【0006】
即ち、当該半導体基板の一方の主面(複数個の半導体素子が形成された面)を、めっき液(電解液)を介して陽極板(アノード電極板)と対向せしめ、当該陽極板と半導体基板の前記主面に配設された下地金属層との間に直流電源を接続して、当該半導体基板の主面に於ける各半導体素子の電極パッド上に於ける下地金属層上にはんだ材を被着する。
【0007】
この時、当該電極パッド以外の領域は、フォト・レジストなどの絶縁物によって被覆される。この様な電解めっき法を実施する際、被処理半導体基板と陽極板(アノード電極板)とを、めっき液(電解液)を介してほぼ垂直に立てた状態で対向せしめることが、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−140099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
半導体装置の製造工程にあっては、前記めっき処理にあっても、複数枚の被処理半導体基板を一組とする処理単位(1ロット)毎のめっき処理が実施される。従って、一つの製造ロットに於けるめっき処理が終了し、次なる製造ロットに対するめっき処理が開始されるまでの間、めっき処理装置が休止状態とされることが生ずる場合がある。かかる休止状態に於いては、めっき浴槽中に充填されていためっき液は、組成の変動を防止する為、通常、めっき液タンクに回収・収容され、保持される。
【0010】
この為、当該めっき浴槽中に配置された陽極板(アノード電極板)は、めっき液に濡れることなく大気中に曝され、少なくともその表面が乾燥した状態となる場合がある。そして、かかる状態が長時間(例えば、室温で60分間以上)に及ぶと、陽極板(アノード電極板)材料によっては、その表面に酸化膜を生じてしまう場合がある。当該酸化膜が生じた陽極板(アノード電極板)を用いて電解めっき処理を行なうと、生成されるめっき層に不均一な膜厚を生じてしまう。これは、当該酸化膜の存在により、当該酸化膜の存在する部位に対向する被めっき処理体に於ける部位に対するめっき電流が制限されてしまうことによる。
【0011】
前記はんだバンプを、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ(半田)のめっき処理により形成する場合には、陽極板(アノード電極板)として錫(Sn)鉛(Pb)はんだ材が用いられるが、その表面に酸化膜が形成されることにより、半導体基板に於ける電極パッド上に形成されるはんだめっき層に、膜厚の不均一(バラツキ)を生じてしまう。
【0012】
一方、当該バンプの下地金属層、或いは所謂再配線層として適用される銅(Cu)層を、めっき法により形成する場合には、陽極板(アノード電極板)として銅(Cu)が用いられる。かかる銅(Cu)のめっき処理工程に於いては、銅(Cu)からなる陽極板(アノード電極板)の表面に所謂ブラックフィルムが形成される。当該ブラックフィルムは、銅(Cu)とめっき液中の元素との化合物であるといわれている。
【0013】
当該ブラックフィルムが形成された銅(Cu)からなる陽極板(アノード電極板)が長時間大気中に曝されると、銅(Cu)電極表面からのブラックフィルムの剥離を生じ、剥離したブラックフィルム片はめっき浴槽中に落下するか、導入されためっき液中に取り込まれる。この為、当該めっき浴槽中にめっき液を導入してめっき処理を行なう際、ブラックフィルム片が被めっき処理半導体基板の表面、或いはめっき層の表面などに付着して、当該めっき処理の歩留りの低下を招く一因となる。また、当該ブラックフィルムが剥離した部位に対応する半導体基板に於ける銅(Cu)めっき層に、膜厚のバラツキを生じてしまう。
【0014】
従って、この様な陽極板(アノード電極板)材料を用いて電解めっき処理を実施する場合、そのめっき処理工程にあっては、陽極板(アノード電極板)がめっき液に触れずに大気中に晒されてしまう時間を、できるだけ短くすることが必要である。尚、前記錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ、或いは銅(Cu)は、それ自体がめっき液中に溶け込む、所謂溶解性アノード電極を構成している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一観点によるめっき処理方法は、めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象物を配置する段階、当該めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象物の表出部ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、前記めっき電極を用いて前記めっき処理対象物にめっき処理を施す段階、前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階を具備する。
【0016】
本発明の他の観点による半導体装置の製造方法は、めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象半導体基板を配置する段階、前記めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象半導体基板の表出部ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、前記めっき電極を用いて、前記めっき処理対象半導体基板にめっき処理を施す段階、前記めっき浴槽内の前記めっき液
を排除する段階、前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階を具備する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電解めっき処理工程中に於いて、陽極板(アノード電極板)の乾燥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の側面図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に適用されるめっき処理装置の上面図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に適用されるめっき処理装置の側断面図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その1)である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その2)である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その3)である。
【図17】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その4)である。
【図18】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その5)である。
【図19】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その6)である。
【図20】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その7)である。
【図21】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その8)である。
【図22】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その9)である。
【図23】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に於けるめっき処理工程を示すめっき処理装置の側断面図(その10)である。
【図24】本発明に係るめっき処理装置の制御装置の構成を示す図である。
【図25】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図26】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図27】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図28】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図29】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図30】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図31】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るめっき処理方法について、実施の形態をもって説明する。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態に係るめっき処理方法について、半導体装置の製造工程と共に、図1乃至図24を参照して説明する。図1乃至図10は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す。
【0020】
所謂ウエハープロセス工程を経て、半導体基板1の一方の主面には、複数個の半導体素子が形成されており、当該複数個の半導体素子のそれぞれに於いて、アルミニウム(Al)からなる電極パッドが複数個配設されている。尚、当該電極パッドとして、ウエハープロセス工程を経て形成された配線層上に、所謂再配線層(図示せず。これは再配置配線層とも称される。)をもって形成された電極パッドも相当する。
【0021】
本第1の実施の形態にあっては、当該電極パッド上に、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材からなる突起電極(バンプ)を、電解めっき法により形成する。半導体基板1の一方の主面に配設された電極パッド2を選択的に覆って、無機絶縁層3ならびに有機絶縁層4が被覆された状態を、図1に示す。かかる構成は、所謂ウエハープロセス工程或いは再配線工程により形成される。本第1の実施の形態にあっては、当該電極パッド2の表出部に、はんだ材からなる突起電極(バンプ)が形成される。
【0022】
当該半導体基板1は、シリコン(Si)基板であり、その一方の主面に形成された複数個の半導体素子領域のそれぞれには、素子分離領域を介して、Pチャネル型MOSトランジスタ、Nチャネル型MOSトランジスタ或いはバイポーラトランジスタなどの能動素子、容量素子或いは抵抗素子などの受動素子が配設されている。
【0023】
そして当該半導体基板1上にはこれらの能動素子、受動素子間を相互に接続するアルミニウム(Al)或いは銅(Cu)からなる配線層、及び当該配線層間を絶縁する層間絶縁層などが選択的に形成されて、所望の電子回路が形成されている。(図示せず)尚、半導体基板1として、ガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体が適用される場合もある。
【0024】
前記電極パッド2は、例えば厚さ1μm程のアルミニウム(Al)を主体とする材料から構成され、無機絶縁層3は、厚さ1μm程の窒化シリコン(SiN)或いは酸化シリコン(SiO)から構成されている。また、有機絶縁層4は、厚さ2μm以上のポリイミドから構成されている。
【0025】
本第1の実施の形態にあっては、当該有機絶縁膜4の表面ならびに電極パッド2の表出部に、半導体基板1側より、チタン(Ti)層5ならびに銅(Cu)層6を積層形成する。当該チタン(Ti)層5は、例えば100nmの厚さを有し、一方、銅(Cu)層6は、例えば250nmの厚さを有する。かかる状態を、図2に示す。
【0026】
当該チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、スパッタリング法或いは化学気相成長(CVD)法により形成される。当該チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、突起電極(バンプ)の下地金属層となるものであるが、当該突起電極(バンプ)を電解めっき法により被着する際の電極(負極)としても機能する。即ち、当該当該チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、半導体基板1の主面に於ける複数個の半導体素子領域上を覆って
配設され、電解めっき法を実施する際には、半導体素子領域間に於ける共通の負電極(共通電極)として機能する。
【0027】
次いで、前記銅(Cu)層6上に、フォト・レジスト層を選択的に形成する。即ち、前記電極パッド2に対応する位置に開口7Aを有するフォト・レジスト層7を形成する。当該フォト・レジスト層7は、30μm程の厚さを有する。かかる状態を、図3に示す。
【0028】
当該フォト・レジスト層7は、例えば回転塗布法により被着された後、フォトリソグラフィ技術により選択的に開口7Aが形成される。そして、当該開口7A内に表出された銅(Cu)層6の表面を、例えば希硫酸(H2SO4)を用いて洗浄する。
【0029】
本第1の実施の形態にあっては、次いで、前記フォト・レジスト層7の開口7A内に表出された前記銅(Cu)層6の表面に、ニッケル(Ni)層8を形成する。当該ニッケル(Ni)層8は、4μm程の厚さを有する。かかる状態を、図4に示す。
【0030】
当該ニッケル(Ni)層8は、電解めっき法により形成される。この時、前記チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、直流電源(図示せず)の負極に接続されて、一方のめっき電極として機能する。当該ニッケル(Ni)の電界メッキ処理にあっては、めっき液として硫酸(H2SO4)系のものが適用され、陽極板(アノード電極板)として白金(P
t)が被覆されたチタン(Ti)が適用される。
【0031】
次いで、前記フォト・レジスト層7の開口7A内に表出されているニッケル(Ni)層8の表面に、はんだ層9を形成する。当該はんだ層9は、フォト・レジスト層7の開口7A内を埋め、更に当該フォト・レジスト層7の上面にまで延在する様に被着される。当該はんだ層9は、50μm程の厚さを有する。かかる状態を、図5に示す。
【0032】
当該はんだ層9も、電解めっき法により形成される。この時、前記チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、直流電源(図示せず)の負極に接続されて、めっき電極として機能する。当該はんだ層9は、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだであって、その電界メッキ処理にあっては、めっき液としてアルカンスルフォン酸を適用し、陽極板(アノード電極板)として錫(Sn)鉛(Pb)系はんだが適用される。当該錫(Sn)鉛(Pb)系はんだは、それ自体がめっき液中に溶解する、所謂可溶性めっき電極を構成している。しかる後、前記フォト・レジスト層7を除去し、はんだ層9の周囲に前記銅(Cu)層6を表出せしめる。かかる状態を、図6に示す。当該フォト・レジスト層7は、レジスト剥離液或いはアッシング処理により、除去される。
【0033】
次いで、前記ニッケル(Ni)層8の周囲に表出している銅(Cu)層6を選択的に除去する。かかる状態を、図7に示す。銅(Cu)層6は、エッチャントとして過酸化水素(H22)系エッチャントを用いた所謂湿式(ウェット)エッチング処理により除去することができる。
【0034】
次いで、前記ニッケル(Ni)層8及び銅(Cu)層6の周囲に表出した前記チタン(Ni)層5を選択的に除去する。これにより、ニッケル(Ni)層8及び銅(Cu)層6の周囲には、前記有機絶縁層4が表出される。かかる状態を、図8に示す。チタン(Ti)層5は、フッ酸(HF)系エッチャントを用いた湿式エッチング処理により除去することができる。かかる工程により、電極パッド2の表出部上に、半導体基板1側より、チタン(Ti)層5、銅(Cu)層6、ならびにニッケル(Ni)層8を介して、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9が配設される。
【0035】
しかる後、半導体基板1を、前記錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9を構成するはんだ
材の融点以上の温度に加熱して、当該錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9を再溶融(リフロー)する。これにより当該錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9は、球状を呈するに至る。かかる状態を、図9に示す。即ち、前記ニッケル(Ni)層8上に、略球状を有する錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなるバンプ10が形成される。前記チタン(Ti)層5、銅(Cu)層6、ならびにニッケル(Ni)層8の積層体は、当該バンプ10の下(即ち、半導体基板1側)に配置されることから、UBM(Under Bump Metal)層とも称される。
【0036】
かかる錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9の再溶融(リフロー)処理の際、当該UBM(Under Bump Metal)層に於けるニッケル層8は、はんだ材が電極パッド2の方向へ浸透することを阻止するバリヤ層として機能する。
【0037】
この様にして、個々の電極パッド2に錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなるはんだバンプ10が配設され、更に半導体基板1に対するダイシング処理によって分割(個片化)された半導体素子100が、配線基板120上に搭載されてなる半導体装置150を、図10に示す。即ち、半導体素子100は、配線基板120の上面に配設された電極端子(図示せず)に対して、バンプ10を介して接続される、所謂フリップチップボンディング法により搭載されている。従って、当該半導体素子100の一方の主面(電子回路形成面)は、当該配線基板120の上面に対向している。
【0038】
尚、当該配線基板120の下面には、前記はんだバンプ10を構成するはんだ材料よりも低融点のはんだ材からなるバンプが複数個配設され、外部接続用端子121を構成している。当該バンプからなる外部接続用端子121は、半導体装置150を、電子機器の所謂マザーボードなどに於ける電極端子に接続する際に適用される。
【0039】
また、当該半導体素子100と配線基板120との間の接続を高い信頼性をもって維持するために、当該半導体素子100と配線基板120との間に所謂アンダーフィル材を充填すること、或いは当該半導体素子100に於いて生ずる熱の放散のために、当該半導体素子100の背面に放熱部材を配設することなどは、必要に応じて実施される。(図示せず)
本発明にあっては、この様な半導体装置の製造工程に於けるめっき処理に於いて、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材の電解めっき処理が、以下の様に実施される。
【0040】
当該第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法に於ける電解めっき処理に適用されるめっき処理装置を、図11、図12に示す。図12は、図11に於ける線X1−X1に沿う断面を示している。
【0041】
当該めっき処理装置200は、めっき処理槽21、基板設置ステージ24、基板固定ステージ25、直流電源31、めっき液タンク41、ポンプ42、半導体基板格納室51、ダミー基板格納室52、搬送用ロボットアーム53、ならびに制御装置61などを具備している。
【0042】
めっき処理槽21は、矩形状の平面形状を有する箱型であって、その内部に配設された隔壁22により、横方向に、第1の浴23Aと第2の浴23Bとに分割されている。当該隔壁22の高さは、めっき処理槽21の外壁21Wの高さよりも低い高さに設定されている。当該めっき処理槽21に於いて、第1の浴23Aは、被処理半導体基板71に対するめっき処理がなされるめっき浴槽であって、その外側面21W1には、被処理半導体基板71の主面(被めっき処理面)に対応する開口、即ち被処理半導体基板71が例えば直径300mmφを有する円形である場合には、これに対応する円形の開口21Sが配設されている。
【0043】
そして、当該第1の浴23A内には、前記被処理半導体基板71の主面(被めっき処理面)に対向し、且つ当該被処理半導体基板71の当該主面と平行する如く、陽極板(アノード電極板)32が配設される。前述の如く、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材のめっき処理に於いては、当該陽極板(アノード電極板)32として、板状の錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材が適用され、少なくとも被処理半導体基板71と同等の形状、面積を有している。
【0044】
当該陽極板(アノード電極板)32は、直流電源31の正(+)極接続される。即ち、電気めっき処理の際には、当該陽極板(アノード電極板)32に対して前記直流電源31の正(+)電位が印可され、被処理半導体基板71に於ける下地金属層(共通電極)に対しては当該直流電源31の負(−)電位が印可される。
【0045】
一方、めっき液タンク41は、めっき処理用電解液(以下めっき液とする)81としてアルカンスルフォン酸を収容し、当該めっき液(アルカンスルフォン酸)81は、ポンプ42により、パイプ43を介してめっき処理槽21の第1の浴23A内へ供給される。
【0046】
前記めっき液81は、当該第1の浴23A内に於いて、前記隔壁22の高さまで導入されると、当該隔壁22を越えて第2の浴23Bへと流れる(オーバーフロー)。即ち、電気めっき処理の際には、隔壁22によって、第1の浴23A内に於けるめっき液81の高さが一定に保たれる。これにより、後述する如く、被処理半導体基板71の表面ならびに陽極板(アノード電極板)32は、その表面がめっき液81に接した状態が維持される。
【0047】
当該第1の浴23Aならびに第2の浴23Bは、それぞれの底部或いは底部近傍に配設されたバルブ44、45ならびにパイプ46、47を介して、前記めっき液タンク41に接続されている。従って、当該第1の浴23Aならびに第2の浴23Bに供給されためっき液81は、それぞれのバルブ44、45を開放することにより、パイプ46、47を介してめっき液タンク41に流動し、回収することができる。
【0048】
また、前記半導体基板格納室51内には、複数枚の被処理半導体基板71が収容され、一方、ダミー基板格納室52には、被処理半導体基板71と同等の形状、面積を有するダミー基板72が収容される。
【0049】
被処理半導体基板71は、前述の如く、所謂ウエハープロセス工程を経たシリコン(Si)基板或いは化合物半導体基板であって、めっき処理対象物である。一方、ダミー基板72は、めっき処理非対象物であって、被処理半導体基板71と同様の半導体基板、或いは無機絶縁性材料から形成された基板などから適宜選択される。当該ダミー基板72は、めっき処理非対象物であることから、めっき液81に接する主表面について導電性を有する状態とする必要は無い。即ち、当該ダミー基板72の主表面は、絶縁性とされる。
【0050】
そして、搬送用ロボットアーム53は、半導体基板格納室51内に収容されている被処理半導体基板71の一枚を、基板設置ステージ24に搬送し、当該被処理半導体基板71を基板設置ステージ24上に配置された基板固定ステージ25上に載置する。この時、当該被処理半導体基板71は、その被めっき処理面即ち電子回路形成面が、上面(表出面)とされて載置される。
【0051】
そして、めっき処理後、当該搬送用ロボットアーム53は、被処理半導体基板71を、基板設置ステージ24上に在る基板固定ステージ25上から、半導体基板格納室51内へ搬送する。また、当該搬送用ロボットアーム53は、ダミー基板格納室52内に収容されているダミー基板72を、基板設置ステージ24に搬送し、当該ダミー基板72を基板設
置ステージ24上に配置された基板固定ステージ25上に載置する。
【0052】
そして、当該搬送用ロボットアーム53は、当該ダミー基板72を、基板設置ステージ24上に在る基板固定ステージ25上から、ダミー基板格納室52内へ搬送することも行う。
【0053】
当該基板固定ステージ25には、真空吸引孔が配設されており(図示せず)、当該基板固定ステージ25上に載置された被処理半導体基板71或いはダミー基板72は、当該真空吸引孔を介して当該基板固定ステージ25上に吸着保持される。尚、当該真空吸引孔にパイプなどを介して接続される真空ポンプ等の吸引装置についても、図示しない。そして、当該基板固定ステージ25自体も、係止ピンなどの機械的係止機構或いは真空吸着機構(図示せず)などによって、基板設置ステージ24上に、離脱可能に固定される。
【0054】
当該基板設置ステージ24は、前記めっき処理槽21の第1の浴23Aに於ける外側面21W1の近傍に位置して配置された回転機構26によって、矢印Qの如く回動可能に支持されている。これにより、その上面に載置された基板固定ステージ25に吸着・保持されている被処理半導体基板71或いはダミー基板72を、当該第1の浴23Aに於ける外側面21W1に在る開口21Sに対して移動せしめることができる。
【0055】
即ち、基板固定ステージ25に吸着・保持された被処理半導体基板71或いはダミー基板72は、当該基板設置ステージ24の回動によって、第1の浴23Aに於ける外側面21W1に在る開口21Sに対して搬送・移動され、当該開口21S内に挿入・配置される。
【0056】
めっき処理槽21の第1の浴23Aに於ける開口21S内に挿入された被処理半導体基板71或いはダミー基板72は、その主面の外周縁部が、当該第1の浴23Aの内壁に於いて開口21Sの縁部に沿って配設された絶縁性シールパッキン21SPに当接する。かかる当接状態に於いて、基板固定ステージ25は、前記係止ピンなどの機械的係止機構或いは真空吸着機構が開放されることにより、基板設置ステージ24から分離されると共に、その裏面がシリンダ(図示せず)などにより第1の浴23Aに於ける外側面21W1方向に押圧される。
【0057】
これにより、被処理半導体基板71或いはダミー基板72の、開口21S内への配置が維持され、且つ、当該被処理半導体基板71或いはダミー基板72の外周縁部が前記絶縁性シールパッキン21SPに当接した状態が維持されて、第1の浴23Aに於ける外側面21W1に在る開口21Sは閉じられる。
【0058】
この様に、被処理半導体基板71が、第1の浴23Aに於ける開口21S内に挿入・配置されることにより、被処理半導体基板71に於ける下地金属層(共通電極)に対して、直流電源31の負極に接続された電極端子33が接触する。当該電極端子33は、前記絶縁性シールパッキン21SPを貫通して配設されている。
【0059】
一方、基板固定ステージ25が取り外された基板設置ステージ24は、反対方向に回動して、第1の浴23Aに於ける外側面21W1から離間する。かかる状態に於いて、予めめっき液タンク41に収容されためっき液81は、ポンプ42により、パイプ43を介してめっき処理槽21の第1の浴23A内へ供給され、隔壁22の高さ、即ち、陽極板(アノード電極板)32と被処理半導体基板71の上端を越えた位置まで充填される。
【0060】
この時、被処理半導体基板71或いはダミー基板72の外周縁部が前記絶縁性シールパッキン21SPに当接していることから、当該めっき液81は、被処理半導体基板71、
或いはダミー基板72の側面、更にはその裏面に流出しない。
【0061】
この結果、当該陽極板(アノード電極板)32と、被処理半導体基板71の一方の主面(被めっき処理面)或いはダミー基板72の主面は、めっき液81を介して、且つ互いにほぼ垂直に立てられた状態をもって対向する。かかる状態において、直流電源31から、陽極板(アノード電極板)32と被処理半導体基板71に於ける下地金属層との間を流れる直流電流が供給されて、当該被処理半導体基板71の一方の主面に配設された電極パッド上に対して、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材の電解めっき処理が実施される。
【0062】
尚、ダミー基板72が、第1の浴23Aに於ける開口21S内に挿入・配置された場合、当該ダミー基板72はその主表面に金属層などを有しないことから、電極端子33の接触を生じても、ダミー基板72に対するめっき処理は実行されない。
【0063】
被処理半導体基板71へのめっき処理が行われている間、第1の浴23Aに導入され、隔壁22をオーバーフローして第2の浴23Bに流れるめっき液81は、バルブ45ならびにパイプ47を介してめっき液タンク41へ戻される。めっき液タンク41に戻されためっき液81は、ポンプ42によって第1の浴23Aに送出される。即ち、被処理半導体基板71に対するめっき処理が行われている間、めっき液81は、めっき処理槽21とめっき液タンク41との間を循環する。
【0064】
この様な構成を有する電解めっき処理装置に於いて、めっき処理を実行する際には、前記制御装置61によって各部位の動作が制御される。所定の電解めっき処理が終了した後には、めっき処理槽21内に導入されているめっき液81を、バルブ44,45、ならびにパイプ46,47を介して、めっき液タンク41に回収する。
【0065】
しかる後、基板設置ステージ24を回動して基板固定ステージ25の裏面に当接させ、当該基板固定ステージ25を基板設置ステージ24上に固定した後、逆方向へ回動して、基板固定ステージ25上に保持された被処理半導体基71を、第1の浴23Aに於ける外側面21W1から引き離す。
【0066】
尚、前記第1の浴23Aに於ける開口21Sに対して被処理半導体基板71或いはダミー基板72を配設するにあたり、これらの基板を当該開口21S内に挿入・配置せず、当該開口21Sを覆う如く配設することもできる。即ち、当該開口21Sの寸法を、被処理半導体基板71或いはダミー基板72の外形寸法よりも小として、当該被処理半導体基板71或いはダミー基板72の主面の周縁部を、開口21Sの縁部周囲に於ける外側面21W1に当接せしめる。かかる構成は図示しないが、この様な構成によっても、めっき液81が、被処理半導体基板71或いはダミー基板72の側面、更にはその裏面に流出することを防止することができる。
【0067】
尚、この様な構成を有するめっき処理装置に於いて、電解めっき処理を実行する際には、被着される金属の種類に対応して、陽極板(アノード電極板)32の材料ならびにめっき液の組成が選択される。
【0068】
本第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程に於ける電解めっき処理方法を、図13に於ける工程フロー、ならびに図14乃至図23に示すところのめっき処理装置に於ける各部位の動作状態をもって説明する。
【0069】
先ず被処理半導体基板71に対する所望のめっき処理が開始される迄、即ち待機状態(図13、ステップS01)にあっては、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aは、その開口21Sがダミー基板72により閉じられ、当該第1の浴23A中にはめっき液81
が導入されている。当該ダミー基板72は、その裏面が基板固定ステージ25に吸着されて保持されている。
【0070】
この結果、当該第1の浴23A内に配置された陽極板(アノード電極板)32は、めっき液81中に位置して配置されている。かかる状態を図14に示す。即ち、めっき処理槽21に於ける隔壁22の存在により、めっき液81は当該第1の浴23A中に所定の深さをもって収容されており、陽極板(アノード電極板)32は当該めっき液81中に浸漬されて、外気(大気)に晒されることのない状態とされている。
【0071】
そして、当該隔壁22をオーバーフローして第2の浴23Bへ流れためっき液81は、バルブ45、パイプ47を介してめっき液タンク41へ送られ、更にポンプ42により第1の浴23Aへと循環して送出される。めっき液81は、循環されることにより、その濃度がほぼ一定に保たれ、組成の変動を招来しない。
【0072】
この様に、第1の実施の形態にあっては、待機時間中、即ち、例えば最初の製造ロットに於ける被処理半導体基板71に対してめっき処理が開始される迄の間、或いは次なる製造ロットに於ける被処理半導体基板71が準備され、当該被処理半導体基板71に対するめっき処理が開始される迄の間、図14に示す状態が維持される。
【0073】
即ち、本第1の実施の形態にあっては、めっき処理が待機状態に於いても、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなる陽極板(アノード電極板)32は乾燥状態に至らず、その表面に酸化膜が生成されることが防止される。これにより、所望のめっき処理工程に於いて、生成されるはんだめっき層に、膜厚の異常を生ずることがない。
【0074】
当該待機状態の後、所定枚数の被処理半導体基板71を含む製造ロットに対するめっき処理を開始する際には、先ず前記めっき処理槽21に導入され循環しているめっき液81を、めっき液タンク41へ回収する。(図13、ステップS02)
かかる一つの製造ロットに対するめっき処理は、例えば当該ロットに含まれる被処理半導体基板71が、半導体基板格納室51に収容されることにより開始される。即ち、当該ロットに含まれる被処理半導体基板71が半導体基板格納室51に収容されたならば、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aならびに第2の浴23Bに導入され循環しているめっき液81を、バルブ44、45、パイプ46、47を介してめっき液タンク41へ回収する。即ち、めっき浴槽21内のめっき液81を排除する。かかる状態を図15に示す。
【0075】
めっき液81をめっき液タンク41へ回収した後、回転機構26により前記基板設置ステージ24を回動して、基板固定ステージ25の裏面に当接させる。そして、当該基板固定ステージ25を基板設置ステージ24に固定した後、当該基板設置ステージ24を逆方向に回動せしめ、前記ダミー基板72をめっき処理槽21に於ける第1の浴23Aの側面から取り外す。(図13、ステップS03)かかる状態を図16に示す。
【0076】
そして、当該ダミー基板72を、基板固定ステージ25による吸着保持から開放し、搬送用ロボットアーム53によってダミー基板格納室52内へ搬送する。しかる後、当該搬送用ロボットアーム53を用い、半導体基板格納室51に収容されている被処理半導体基板71を、前記基板設置ステージ24上に在る基板固定ステージ25上に搬送し、当該基板固定ステージ25上に載置する。(図13、ステップS04)かかる状態を図17に示す。この時、当該被処理半導体基板71は、その主面(半導体素子形成面)を上として、基板固定ステージ25上に載置される。
【0077】
そして、当該被処理半導体基板71を基板固定ステージ25上に吸着保持した状態を保
ちつつ、基板固定ステージ25をめっき処理槽21の第1の浴23Aの外側面21W1方向に回動させて、当該被処理半導体基板71を第1の浴23Aの外側面21W1に在る開口21Sに対して搬送する。これにより、当該被処理半導体基板71は、開口21S内に挿入・配置される。(図13、ステップS05)
かかる挿入状態に於いて、基板固定ステージ25は、前記係止ピンなどの機械的係止機構或いは真空吸着機構が開放されることにより、基板設置ステージ24から分離可能とされると共に、その裏面がシリンダ(図示せず)などにより第1の浴23Aに於ける外側面21W1方向に押圧される。これにより、被処理半導体基板71の開口21S内への配置が維持される。
【0078】
この様に、被処理半導体基板71が、第1の浴23Aに於ける開口21S内に挿入・配置されることにより、当該被処理半導体基板71に於ける下地金属層に対して、直流電源31の負極に接続された電極端子33が接触した状態とされる。一方、基板固定ステージ25が取り外された基板設置ステージ24は、反対方向に回動して、第1の浴23Aに於ける外側面21W1から離間する。かかる状態を図18に示す。この結果、被処理半導体基板71は、その主面(半導体素子形成面)を、第1の浴23A内に向けて配置され、当該第1の浴23A内に配置されている陽極板(アノード電極板)32と対向する。
【0079】
当該被処理半導体基板71が、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aの開口21S内に配置されて当該開口21Sが閉じられた状態に於いて、めっき液タンク41に収容されているめっき液81が、ポンプ42により、パイプ43を介してめっき処理槽21の第1の浴23A内へ供給される。そして当該めっき液81は、前記隔壁22の高さ、即ち、陽極板(アノード電極板)32と被処理半導体基板71の上端を越えた位置まで導入される。(図13、ステップS06)かかる状態を図19に示す。
【0080】
この結果、陽極板(アノード電極板)32と被処理半導体基板71の主面(半導体素子形成面)は、当該めっき液81を介して対向する。かかる状態に於いて、直流電源31から、陽極板(アノード電極板)32と被処理半導体基板71に於ける下地金属層との間に直流電流を供給して、当該被処理半導体基板71の一方の主面に在る電極パッド2上にはんだ材の電解めっき処理を実施する。(図13、ステップS07)
被処理半導体基板71のめっき処理が行われている間、第1の浴23Aに導入され、隔壁22をオーバーフローして第2の浴23Bに流れるめっき液81は、バルブ45ならびにパイプ47を介してめっき液タンク41へ戻される。即ち、被処理半導体基板71のめっき処理が行われている間、めっき液81は、めっき処理槽21とめっき液タンク41との間を循環する。
【0081】
かかる電解めっき処理にあっては、陽極板(アノード電極板)32と、被処理半導体基板71に於ける下地金属層との間を流れる直流電流により、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなる陽極板(アノード電極板)32がめっき液81中に溶出して生じたところの錫(Sn)イオンならびに鉛(Pb)イオンが、被処理半導体基板71の表面にある電極パッド上にはんだ層として析出される。
【0082】
即ち、前記図5に示すはんだめっき工程にあっては、陽極板(アノード電極板)32の材料として錫(Sn)鉛(Pb)系はんだを用い、めっき液81としてアルカンスルフォン酸を用いることにより、ニッケル(Ni)層8の表面に、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ層9が被着される。
【0083】
当該被処理半導体基板71に対する当該錫(Sn)鉛(Pb)系はんだ材のめっき処理が終了したならば、めっき処理槽21に収容されているめっき液81を、めっき液タンク41へ回収する。(図13、ステップS08)即ち、被処理半導体基板71に対する所定
のめっき処理が終了したならば、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aならびに第2の浴23Bに収容されているめっき液81を、バルブ44、45ならびにパイプ46、47を介してめっき液タンク41に回収する。かかる状態を図20に示す。
【0084】
当該めっき液81をめっき液タンク41へ回収した後、回転機構26により前記基板設置ステージ24を回動して、基板固定ステージ25の裏面に当接させる。そして、当該基板固定ステージ25を基板設置ステージ24に固定した後、当該基板設置ステージ24を逆方向に回動せしめ、前記被処理半導体基板71をめっき処理槽21に於ける第1の浴23Aの外側面21W1から取り外す。(図13、ステップS09)かかる状態を図21に示す。
【0085】
しかる後、当該被処理半導体基板71を、基板固定ステージ25による吸着保持から開放し、搬送用ロボットアーム53により半導体基板格納室51内へ搬送する。そして、当該搬送用ロボットアーム53を用い、半導体基板格納室51に収容されている次なる被処理半導体基板71を、前記基板設置ステージ24上に在る基板固定ステージ25上に搬送し、当該基板固定ステージ25上に載置する。
【0086】
そして、当該被処理半導体基板71に対して、前記図17乃至図21に示されるめっき工程、即ちステップS04乃至ステップS09をもって説明した電解めっき処理を行う。この様なめっき処理を、一つのロットに含まれる半導体基板1(被処理半導体基板71)に対して順次実施する。(図13、線L1)
当該一つのロットに対するめっき処理工程中に於いては、被処理半導体基板71の交換の際、陽極板(アノード電極板)32はめっき液81に触れない状態が生ずるが、当該被処理半導体基板71の交換に要する時間は短く、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなる陽極板(アノード電極板)32が乾燥する状態は生じない。
【0087】
当該ロットに含まれる半導体基板1(被処理半導体基板71)の全てに対してめっき処理が施されたならば、当該半導体基板1は、半導体基板格納室51から取り出され、キャリアに収容されるなどして次の処理工程へ搬送される。
【0088】
前述の如く、半導体装置の製造工程にあっては、他の製造工程の進捗状況などにより、ある一つのロットに於ける所定枚数の半導体基板1(被処理半導体基板71)に対するメッキ処理が終了した状態に於いて、次なる被処理ロットが到着していない状態、即ち待機状態が発生する場合がある。
【0089】
本発明にあっては、かかる場合にあっても、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aについて、その開口21Sをダミー基板72によって閉じ、当該第1の浴23A中へのめっき液81の導入を可能とすることにより、陽極板(アノード電極板)32が当該めっき液81中に浸された状態を保持する。
【0090】
即ち、搬送用ロボットアーム53を用い、ダミー基板格納室52に収容されているダミー基板72を、前記基板設置ステージ24上に在る基板固定ステージ25上に搬送し、当該基板固定ステージ25上に載置する。(図13、ステップS10)かかる状態を図22に示す。
【0091】
そして、当該ダミー基板72を基板固定ステージ25上に吸着保持した状態を保ちつつ、基板固定ステージ25をめっき処理槽21の第1の浴23Aの外側面21W1方向に回動させて、当該ダミー基板72を第1の浴23Aの外側面21W1に在る開口21Sに対して搬送・移動する。これにより、当該ダミー基板72は、当該開口21Sを閉じて配置される。(図13、ステップS11)
当該ダミー基板72が、めっき処理槽21に於ける第1の浴23Aの開口21S内に挿入・配置されることにより当該開口21Sが閉じられた状態に於いて、予め、めっき液タンク41に収容されているめっき液81が、ポンプ42により、パイプ43を介してめっき処理槽21の第1の浴23A内へ導入される。(図13、ステップS12)導入されためっき液81により、当該第1の浴23A内に配置された陽極板(アノード電極板)32は、めっき液81中に位置して配置される。かかる状態を図23に示す。
【0092】
即ち、処理対象ロット間に於ける待機状態に於いても、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなる陽極板(アノード電極板)32は、めっき液81中に保持される。(図13、線L2)当該めっき液81は、めっき処理槽21とめっき液タンク41との間を循環する。
【0093】
一方、当該処理対象ロット間に於ける待機状態に於いては、当該陽極板(アノード電極板)32に対する電圧の印可は行われない。直流電源31の電圧を零(0)Vとするか、或いは当該直流電源31と陽極板(アノード電極板)32との間のスイッチ(図示せず)を開くことにより、めっき浴中に浸漬され、保持されている陽極板(アノード電極板)32に対して、電圧が印可されない状態とする。
【0094】
そして、次なる処理対象ロットが、半導体基板格納室51に搬入されることが検知されると、前述の如くめっき処理槽21に於けるめっき液81の回収が行われ(図13、ステップS02)、次なる処理対象ロットに対するめっき処理が実施される。
【0095】
ここで、前記電解めっき処理装置200に於ける制御装置61の構成の一例を、図24に示す。当該制御装置61は、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)60
1と共に、入力装置602、表示装置603、ハードディスク装置604、メモリ605、インターフェース606、ならびに可読媒体装置607などを具備する。
【0096】
CPU601は、ハードディスク装置604に格納されている制御プログラムを実行することにより、めっき処理装置200全体を制御する。入力装置602は、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、或いはワイヤレスリモコン等である。また、表示装置603は、CPU601で処理されるデータ及び/或いはメモリ605に記憶されるデータを表示する。当該表示装置603は、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、CRT(Cathode Ray Tube)、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
【0097】
ハードディスク装置604は、制御プログラム他各種プログラム、ならびに各種データを格納している。そして、メモリ605は、CPU601に於いて実行される各種プログラム及び/或いはCPU601が処理する各種データを記憶する。当該メモリ605は、揮発性のRAM(Random Access Memory)、書き換え可能であって且つ不揮発性のROM(Read Only Memory)等から構成される。
【0098】
一方、インターフェース606は、当該めっき処理装置200をインターネット或いはLAN(Local Area Network)等の外部ネットワークに接続する。当該インターフェース606は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェース、或いは、PCI(Peripheral Component Interconnect)等のパラレルインターフェースのいずれで
もよい。
【0099】
そして、可読媒体装置607は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、HD−DVD、BD(Blue-ray Disc)等のコンピュータ可読媒体の読み取り/
書き込み装置、或いは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有するコンピュータ可読媒体の読み取り/書き込み装置であってもよい。当該可読媒体装置607に挿入又は装着するコンピュータ可読媒体から各種プログラム及び各種データを、ハードディスク装置6
04に格納してもよい。
【0100】
また、CPU601が、可読媒体装置607に挿入又は装着するコンピュータ可読媒体に格納されている制御プログラムを実行することにより、制御装置61がめっき処理装置200を制御することとしてもよい。
【0101】
前述の如く、前記第1の実施の形態に於いては、陽極板(アノード電極板)32として錫(Sn)鉛(Pb)系はんだを用い、はんだめっき処理を行う工程について示した。しかしながら、本発明にかかるめっき処理は、陽極板(アノード電極板)32の材質ならびにめっき液を変更することにより、他の金属材料のめっき処理に適用することができる。これを、第2の実施の形態として、以下に説明する。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図25乃至図31を参照して説明する。尚、前記第1の実施の形態に於ける部位に対応する部位には、同一の符号を付している。
【0102】
本第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法にあっては、銅(Cu)層を、電解めっき法により被着する。半導体基板1の一方の主面に配設された電極パッド2を選択的に覆って、無機絶縁層3ならびに有機絶縁層4が被覆された状態を、図25に示す。かかる構成は、ウエハープロセス工程に於いて形成される。
【0103】
本第2の実施の形態にあっては、電極パッド2の表出部及びその周辺領域上に、銅(Cu)配線層が配設される。前記第1の実施の形態と同様、半導体基板1は、シリコン(Si)基板であり、その一方の主面に形成された複数個の半導体素子領域のそれぞれには、素子分離領域を介してPチャネル型MOSトランジスタ、Nチャネル型MOSトランジスタ或いはバイポーラトランジスタなどの能動素子、容量素子あるいは抵抗素子などの受動素子が配設される。
【0104】
そして当該半導体基板1上にはこれらの能動素子、受動素子間を相互に接続するアルミニウム(Al)或いは銅(Cu)からなる配線層、及び当該配線層間を絶縁する層間絶縁層などが形成されて、所望の電子回路が形成されている。(図示せず)尚、半導体基板1として、ガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体が適用される場合もある。
【0105】
そして、前記電極パッド2は、アルミニウム(Al)を主体とする材料から構成され、無機絶縁層3は、窒化シリコン(SiN)或いは酸化シリコン(SiO)から構成されている。また、有機絶縁層4は、ポリイミドから構成されている。
【0106】
本第2の実施の形態にあっても、当該有機絶縁膜4の表面ならびに電極パッド2の表出部に、半導体基板1側より、チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6を積層形成する。当該チタン(Ti)層5は、例えば100nmの厚さを有し、一方、銅(Cu)層6は、例えば250nmの厚さを有する。かかる状態を、図26に示す。
【0107】
当該チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、突起電極(バンプ)の下地金属層となるものであるが、当該突起電極(バンプ)を電解めっき法により被着する際の電極(負極)として機能する。当該チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、スパッタリング法或いは化学気相成長(CVD)法により形成される。
【0108】
次いで、前記銅(Cu)層6上に、フォト・レジスト層を選択的に形成する。即ち、前記電極パッド2に対応し且つその周辺に広がる開口7Bを有するフォト・レジスト層7を形成する。かかる状態を、図27に示す。
【0109】
当該フォト・レジスト層7は、例えば回転塗布法により被着された後、フォトリソグラフィ技術により選択的に開口7Bが形成される。そして、当該開口7B内に表出された銅(Cu)層6の表面を、例えば希硫酸(H2SO4)を用いて洗浄する。
【0110】
本第2の実施の形態にあっては、次いで前記フォト・レジスト層7の開口7B内に表出された銅(Cu)層6の表面に、銅(Cu)層91を形成する。当該銅(Cu)層91は、4μm程の厚さを有する。かかる状態を、図28に示す。
【0111】
当該、銅(Cu)層91は、電解めっき法により形成される。この時、前記チタン(Ti)層5及び銅(Cu)層6は、直流電源(図示せず)の負極に接続されて、めっき電極として機能する。当該銅(Cu)めっき処理の際には、陽極板(アノード電極板)32の材料として銅(Cu)を用い、めっき液81としてアルカンスルフォン酸を用いる。当該メッキ処理工程に於いて、銅(Cu)からなる陽極板(アノード電極板)32の表面には、ブラックフィルムが生成される。
【0112】
しかる後、前記フォト・レジスト層7を除去し、銅(Cu)層91の周囲に前記銅(Cu)層6を表出せしめる。かかる状態を、図29に示す。当該フォト・レジスト層7は、レジスト剥離液或いはアッシング処理により、除去される。
【0113】
次いで、前記銅(Cu)層91の周囲に表出している銅(Cu)層6を選択的に除去する。かかる状態を、図30に示す。当該銅(Cu)層6は、銅(Cu)層91をエッチングマスクとし、過酸化水素(H22)系エッチャントを用いた所謂湿式エッチング処理により除去することができる。この時、銅(Cu)層91は、銅(Cu)層6に対して十分な膜厚差を有することから、エッチングマスクとして機能し、当該エッチング処理後にも残される。
【0114】
次いで、前記銅(Cu)層91周囲に表出したチタン(Ni)層5を選択的に除去する。これにより、ニッケル(Ni)層8の周囲には、前記有機絶縁層4が表出される。かかる状態を、図31に示す。当該チタン層5は、銅(Cu)層91、銅(Cu)層6をエッチングマスクとし、フッ酸(HF)系エッチャントを用いた湿式エッチング処理により除去することができる。
【0115】
かかる工程により、電極パッド2上に、チタン層5及び銅層6を介して、銅(Cu)層91が形成され、当該チタン層5、銅(Cu)層6及び銅(Cu)層91からなる配線層は、前記有機絶縁層4上に延在して配設される。当該配線層は、所謂再配線層(再配置配線層)に相当するものである。当該配線層は、必要に応じて、絶縁層(図示せず)により選択的に被覆される。
【0116】
この様な銅(Cu)層の電解めっき処理工程についても、前記図13に於ける工程フロー、ならびに図14乃至図23に示すところのめっき処理装置に於ける処理形態を適用することができる。即ち、製造ロット間などに於ける待機状態に際して、めっき浴槽21の開口21Sをダミー基板72によって閉じ、当該第1の浴23A中へのめっき液81の導入を可能とすることにより、銅(Cu)からなる陽極板(アノード電極板)32を当該めっき液81中に保持する。
【0117】
これにより、当該銅(Cu)からなる陽極板(アノード電極板)32、ならびにその表面に形成されるブラックフィルムの乾燥を防止することができ、もって当該ブラックフィルムの剥離を防止することができる。従って、当該銅(Cu)めっき処理を、高い製造歩留りをもって実施することができる。
【0118】
尚、前記銅(Cu)層91を配線層として半導体基板1上に於いて延在させず、電極パッド2上に選択的に配設することにより、当該銅(Cu)層91を前記第1の実施の形態に於けるニッケル(Ni)層と同様に、はんだバンブを配設する際の下地金属層(UBM)の一部として適用することもできる。
【0119】
即ち、前記第1の実施の形態に於けるはんだ材の電解めっき法を適用し、フォト・レジスト層7をマスクとして、当該銅(Cu)層91上に、はんだ層を被着する。これにより、チタン(Ti)層5、銅(Cu)層6、ならびに銅(Cu)層91の積層体は、バンプの下に配置され、UBM(under bump metal)層を構成する。当該UBM(under bump metal)層に於ける銅(Cu)層91は、はんだ層の再溶融(リフロー)処理の際、はんだ材が電極パッド2の方向へ浸透することを阻止するバリヤ層として機能する。
【0120】
かかる銅(Cu)層91上へのはんだバンブを配設工程に於いても、当該バンプを構成するはんだ材として錫(Sn)鉛(Pb)系はんだを適用する場合には、前記図13に於ける工程フロー、ならびに図14乃至図23に示すところのめっき処理形態を適用することができる。これにより、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだからなる陽極板(アノード電極板)32の乾燥を防止することができ、もってその酸化を防止することができる。
【0121】
尚、前記本発明の第1の実施の形態、ならびに本第2の実施の形態にあっては、半導体装置の製造工程に於いて、半導体素子に於ける電極端子を形成する際の電解めっき処理を対象として掲げている。しかしながら、本発明思想はこれに限られるものではなく、陽極板(アノード電極板)が大気中などに置かれる時間を短くする必要がある電解めっき(電気めっき)処理が適用される他のメッキ処理に対しても適用することができる。例えば、前記半導体素子100に於ける多層配線層の少なくとも一部を銅(Cu)の埋め込み配線層をもって形成する工程、或いは前記配線基板120の主面に、銅(Cu)配線、或いははんだバンプを形成する場合にも適用することができる。
【0122】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0123】
(付記1)
めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象物を配置する段階、
当該めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象物の表出部、ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、
前記めっき電極を用いて、前記めっき処理対象物にめっき処理を施す段階、
前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、
前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階
を含むことを特徴とするめっき処理方法。
【0124】
(付記2)
さらに、前記めっき浴槽内のめっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽に設けられた開口部に、第2のめっき処理対象物を配置する段階
を含むことを特徴とする付記1記載のめっき処理方法。
【0125】
(付記3)
前記めっき処理対象物が、一方の主面に複数の半導体素子が形成された半導体基板であることを特徴とする付記1又は2記載のめっき処理方法。
【0126】
(付記4)
前記めっき浴槽の開口部は、当該めっき浴槽の側面に配設され、めっき処理対象物に対応した形状ならびに面積を有することを特徴とする付記1又は2記載のめっき処理方法。
【0127】
(付記5)
前記めっき電極は、めっき液に対して可溶性であることを特徴とする付記1又は2記載のめっき処理方法。
【0128】
(付記6)
前記めっき電極は、錫(Sn)鉛(Pb)系はんだであることを特徴とする付記5記載のめっき処理方法。
【0129】
(付記7)
前記めっき電極は、銅(Cu)であることを特徴とする付記5記載のめっき処理方法。
【0130】
(付記8)
第1のめっき処理ロットに対する第1のめっき処理工程と、第2のめっき処理ロットに対する第2のめっき処理工程との間に於いて、めっき浴槽内に配置されためっき電極をめっき液中に浸す段階を含むことを特徴とするめっき処理方法。
【0131】
(付記9)
めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象半導体基板を配置する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象半導体基板の表出部、ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、
前記めっき電極を用いて、前記めっき処理対象半導体基板にめっき処理を施す段階、
前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、
前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0132】
(付記10)
さらに、前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽に設けられた開口部に、第2のめっき処理対象半導体基板を配置する段階、
を含むことを特徴とする付記9記載の半導体装置の製造方法。
【0133】
(付記11)
前記めっき処理非対象物は、半導体基板或いは無機絶縁物からなる基板から選択されることを特徴とする付記9又は10記載の半導体装置の製造方法。
【0134】
(付記12)
前記めっき処理非対象物は、めっき処理対象物に対応した形状ならびに面積を有することを特徴とする付記9又は10記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0135】
1 半導体基板
2 電極パッド
3 無機絶縁層
4 有機絶縁膜
5 チタン層
6、91 銅層
7 フォト・レジスト層
8 ニッケル層
9 はんだ層
10 はんだバンプ
21 めっき処理槽
22 隔壁
23 浴
24 基板設置ステージ
25 基板固定ステージ
26 回転機構
31 直流電源
32 陽極板(アノード電極板)
33 電極端子
41 めっき液タンク
42 ポンプ
44、45 バルブ
51 半導体基板格納室
52 ダミー基板格納室
53 搬送用ロボットアーム
61 制御装置
71 被処理半導体基板
72 ダミー基板
120 配線基板
121 外部接続用端子
150 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象物を配置する段階、
当該めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象物の表出部、ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、
前記めっき電極を用いて、前記めっき処理対象物にめっき処理を施す段階、
前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、
前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階
を含むことを特徴とするめっき処理方法。
【請求項2】
さらに、
前記めっき浴槽内のめっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽に設けられた開口部に、第2のめっき処理対象物を配置する段階
を含むことを特徴とする請求項1記載のめっき処理方法。
【請求項3】
前記めっき処理対象物が、一方の主面に複数の半導体素子が形成された半導体基板であることを特徴とする請求項1又は2記載のめっき処理方法。
【請求項4】
前記めっき浴槽の開口部は、当該めっき浴槽の側面に配設され、めっき処理対象物に対応した形状ならびに面積を有することを特徴とする請求項1又は2記載のめっき処理方法。
【請求項5】
第1のめっき処理ロットに対する第1のめっき処理工程と、第2のめっき処理ロットに対する第2のめっき処理工程との間に於いて、めっき浴槽内に配置されためっき電極をめっき液中に浸す段階を含むことを特徴とするめっき処理方法。
【請求項6】
めっき浴槽に設けられた開口部を覆って、めっき処理対象半導体基板を配置する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部に於ける前記めっき処理対象半導体基板の表出部、ならびに当該めっき浴槽内に配置されためっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階、
前記めっき電極を用いて、前記めっき処理対象半導体基板にめっき処理を施す段階、
前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽の前記開口部を覆って、めっき処理非対象物を配置する段階、
前記めっき浴槽内に配置された前記めっき電極を浸す様に、当該めっき浴槽内にめっき液を導入する段階
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記めっき浴槽内の前記めっき液を排除する段階、
前記めっき浴槽に設けられた開口部に、第2のめっき処理対象半導体基板を配置する段階、
を含むことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−17064(P2011−17064A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163823(P2009−163823)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】