説明

アイオノマー樹脂を含有する水性分散体及びそれから製造された防錆性アイオノマー塗膜

本発明は、(A)少なくとも1つの二価金属イオンと少なくとも1つのアンモニウムイオンとを含むイオンの混合物で中和されたエチレン−不飽和カルボン酸アイオノマー樹脂と、(B)非水溶性の気相腐食防止剤と、(C)水とを含む水性分散体組成物に関する。本分散体は、良好な貯蔵寿命および優れた防錆性を示す。金属表面に塗布され、そして焼成されたときに、金属表面およびオーバーコート塗料の両方への優れた塗膜密着性を示す防錆性塗膜層を形成することができる、耐久性のある耐腐食性アイオノマー塗膜を、それから容易に形成することができる。かかる塗膜は、車体またはその部品に塗布されたときに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイオノマー樹脂を含有する水性分散体組成物およびその製造方法と、それから製造された防錆性塗膜と、それで処理された車体またはそれらの部品などの処理品とに関する。
【背景技術】
【0002】
金属自動車基材上への防錆性プライマーの電着は自動車産業で広く用いられている。この方法では、車体または自動車部品などの導電性物品はフィルム形成ポリマーの水性エマルジョンを含む電着性コーティング組成物の浴に浸漬され、そしてこの物品は電着法で電極としての機能を果たす。高電圧電流が次に、所望の厚さの塗膜が物品上に沈着されるまで物品とコーティング組成物に電気接触したカウンター電極との間に流される。典型的な陰極エレクトロコーティング法では、コートされるべき物品が陰極であり、カウンター電極が陽極である。
【0003】
電着法が完了した後、生じた被覆物品は浴から取り出され、脱イオン水でリンスされ、次に典型的には物品上に架橋仕上げを形成するのに十分な温度でオーブン中硬化させられる。いったん電着防錆性プライマーが自動車基材に塗布されたら、車両は次に多層自動車外装剤でトップコートされて耐衝撃性と光沢および像の明瞭さなどの魅力的な美的外観とを提供する。
【0004】
従来の電着法に関連した一つの欠点は、電着フィルムの腐食防止性を損ないそして粗いフィルム表面などの他の有害な影響を生成し得る、ピンホールおよび亀裂などの塗膜欠陥が被覆物品の表面上に形成する傾向があることである。電着コーティング法に必要とされる高電圧浴は大量の電気を使い果たし、そしてまた維持するのに高くつく。さらに、多数の脱イオン水リンスは、かなりの廃棄物処理と水処理の問題をもたらすので望ましくない。
【0005】
従って、高度の耐腐食性と金属表面上でその下にある防錆性前処理剤および自動車外装仕上げ作業中にその上に塗布される塗料の両方への塗料密着性とのような自動車防錆性プライマー仕上げに所望の塗膜特性を依然として維持しながら、エレクトロコーティング法を完全に除外し、そして電着法に取って代わることができる新しいコーティング法および組成物を発見することが求められている。
【0006】
例えば、アキモト(Akimoto)らへの特開2000−198949号公報、ナカタ(Nakata)らへの国際公開第00/50473 A1号パンフレット、および2002年10月1日に発行されたトキタ(Tokita)らに付与された米国特許第6,458,897号明細書に開示されているように、イオン中和エチレン−アクリル酸またはエチレン−メタクリル酸コポリマーから製造されたアイオノマー樹脂の水性分散体を含む様々なアイオノマーコーティング組成物が金属表面の防錆処理のために提案されてきた。
【0007】
しかしながら、アイオノマー樹脂分散体が電気コート浴の好適な商業的代替品であるためには様々な特性がそれから形成された塗膜に必要とされる。従来のアイオノマー水性分散体が試みられるとき、生じる塗膜は、自動車品質の高性能防錆性塗膜を生成するために必要とされる浴安定性および均一性および耐腐食性のレベルと、水不透過性と、フィルム滑らかさと使用の容易さとを提供することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、自動車仕上げの高性能要件に十分に応え、それ故自動車組立て工場で現在使用されている従来の電着プライマーの商業的代替品として好適である良好な安定性および防錆特性を有するアイオノマー樹脂の均一な水性分散体を提供する。本発明はまた、めっきされていない金属上に直接塗布して直接接触腐食防止を提供することができ、それは、現在、ほとんどの車体が屋根区域を除いてどこにも高価なZnめっき(亜鉛めっきされた)鋼で構築されているので、自動車メーカーにはかなりの節約になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の安定で均一な水性分散体は、
(A)アンモニウムイオンとアルカリ土類金属およびZnからなる群から選択された少なくとも1つの二価金属陽イオンとの混合物で中和されたアイオノマー樹脂と、
(B)非水溶性の気相腐食防止剤と、
(C)水と
を含む。
【0010】
上記の水性分散体組成物の製造方法と、それから製造された防錆性塗膜と、それで処理された車体またはそれらの部品などの処理品とがまた本発明の一部を形成する。
【0011】
用いられるアイオノマー樹脂は好ましくは、5〜40重量パーセントの酸含量を有するエチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本開示では、多くの用語および省略形が用いられる。以下の定義が提供される。
【0013】
「アイオノマー」または「アイオノマー樹脂」は、金属水酸化物もしくは酸化物もしくは酢酸塩、水酸化アンモニウム、またはアミンなどの塩基で部分的にまたは完全に場合により中和されたエチレンとアクリルまたはメタクリル酸とのポリマーまたはコポリマーである。生じたポリマーは、あたかも架橋が硬化条件下にポリマー鎖間に形成されるかのように、形成されるかまたは挙動し、強靱な可撓性フィルムを生成することができる。
【0014】
「コポリマー」は、2つ以上のモノマーを含有するポリマーを意味する。
【0015】
「非水溶性の」は、2%以下、好ましくは1%以下、さらにより好ましくは0.5%以下の25℃での水溶解度を有する物質を意味する。
【0016】
水性分散体組成物およびその製造方法と、それから製造された防錆性塗膜と、それで処理された車体またはそれらの部品などの処理品とが以下に詳細に説明される。
【0017】
本発明の水性分散体組成物は、水中の少なくとも1つのフィルム形成アイオノマー樹脂(A)の分散体を含む。この水性分散体組成物を形成するアイオノマー樹脂(A)は、主に炭化水素からなるポリマー主鎖を含み、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーであって、カルボキシル基の少なくとも一部が二価金属陽イオンおよび/またはアンモニウム(NH4+)イオンなどの1つ以上の陽イオン中和剤で中和されているポリマーである。好ましくは、本発明に用いられるアイオノマー樹脂(A)は、コポリマーに含有されるカルボキシル基の少なくとも一部をアンモニウムイオンと二価金属陽イオンとの混合物で中和することによって得られた部分中和生成物を含むエチレン−不飽和カルボン酸コポリマー(「エチレン−酸コポリマー」)である。
【0018】
アイオノマー樹脂の主要骨格を構成するエチレン−不飽和カルボン酸コポリマーは、エチレンと不飽和カルボン酸とのランダムコポリマーかまたは不飽和カルボン酸がポリエチレンを含む主鎖にグラフト結合しているグラフトコポリマーであってもよい。特に、エチレン−不飽和カルボン酸ランダムコポリマーが好ましい。さらに、このエチレン−不飽和カルボン酸コポリマーは、一種類の不飽和カルボン酸のみか、または2種類以上の不飽和カルボン酸を含有してもよい。
【0019】
エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーの成分である不飽和カルボン酸には、3〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸などが含まれる。3〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸の具体的な例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナディック酸(nadic acid)、メチルナディック酸、テトラヒドロフタル酸、およびメチルヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。それらのうち、アクリル酸およびメタクリル酸がフィルム形成特性の観点から好ましい。
【0020】
さらに、エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーは、エチレンおよび不飽和カルボン酸に加えて軟化モノマーなどの第3成分を主要骨格中に含有してもよい。この第3成分には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートおよびイソブチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル、ならびに酢酸ビニルなどのビニルエステルが含まれる。これらのモノマーが含まれる場合、より多い量はコーティングフィルムの融点を低下させ、耐熱性を許容できないものにする傾向があるので、含量は20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲にセットされることが一般に望ましい。好ましくは、エチレン酸コポリマーはダイポリマー(第3コモノマーなし)である。
【0021】
エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーに関しては、水性分散体の製造可能性、分散体安定性および水性分散体で得られるコーティングフィルムの物理的特性を考慮するとき、エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーが5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜25重量%の不飽和カルボン酸含量を有することが一般に望ましい。上述の範囲より少ない量で不飽和カルボン酸を含有するコポリマーを使用する場合には、良好な分散体安定性を有する組成物を得ることは困難である。上述の範囲より多い量で不飽和カルボン酸を含有するコポリマーを使用する場合には、安定な分散体組成物を得ることはできるが、被覆フィルムの防水性(水の不透過性)および機械的強度は両方とも低下する。
【0022】
エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーが側鎖上に有するカルボキシル基の少なくとも一部は、本発明では中和剤としてイオンの混合物、特に二価金属陽イオンとアンモニウムイオンとの混合物を一般に含む塩基で中和されてカルボン酸陰イオンと様々な二価金属陽イオンおよびアンモニウムイオンとの会合を含む架橋結合を形成する。フィルムが焼成された後にフィルム中に残る二価金属イオンは、それから形成された塗膜に所望の耐腐食性を提供する。アンモニウムイオンは、加熱時にアンモニアとして消失し、こうして、特にアルカリ金属イオンと比較して、所望の水不透過性を提供する。
【0023】
二価金属陽イオンに関しては、MgおよびCaなどのアルカリ土類金属、ならびにZnを使用することができる。それらのうち、二価金属陽イオンとしてZnを有するアイオノマー樹脂が、製造が容易である点で好ましい。二価金属陽イオンを含有する化合物は、本明細書で望ましいレベルで使用されるとき、水性分散体を典型的には凝固させるであろう。それ故、例えば、亜鉛が使用されるとき、凝固を回避するために、それをアンモニア(またはアミン)錯体として好ましくは過剰の水性アンモニアの存在下に(すなわち、カルボン酸基を中和するために必要とされるであろう量を超えた量のアンモニアを使用して)分散体に導入することが望ましい。アイオノマー樹脂との接触(すなわち、混合)前に二価陽イオンを錯体化できないと、一般に混合物に凝固させ、不安定で劣った塗膜を形成させるであろう。
【0024】
このように、所望の二価金属(好ましくは二価酸化亜鉛)/アンモニア錯体を形成するために、二価金属酸化物(例えば、酸化亜鉛)は好ましくは、大量の(すなわち、過剰の)水性アンモニア(各モルの酸化亜鉛に対して10〜50モルのアンモニア)と、室温で数時間、好ましくは少なくとも5時間ボールミルにかけられるなど、ミルにかけられる。生じたスラリーを次に、水性アンモニアであらかじめ分散されていてもされていなくてもよいアイオノマー樹脂に加えることができる。当然ながら、他の技法もまた、当業者に明らかであろうように、凝固なしに二価金属を分散体に導入するために用いられてもよい。
【0025】
金属陽イオンは最終フィルム中に残るので、金属イオンの点から中和のレベルを検討することが好ましい。当業者によって理解されるであろうように、金属による中和の好ましい程度、すなわち、金属イオン対カルボン酸陰イオンの好ましい比は、当然ながら、エチレン−酸コポリマーと用いられるイオンと所望の特性とに依存するであろう。しかしながら、二価金属陽イオンで中和されるカルボキシル基対エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーが側鎖上に有するカルボキシル基の全ての好ましい割合、すなわち、金属による中和の程度は一般に、優れた耐腐食性を有する塗膜が得られるように、約20〜100%、好ましくは25〜50%である。過剰のアンモニアが好ましくは使用されるので、これは、一般に約2〜100、好ましくは10〜20の最終混合物での金属陽イオン対アンモニアのモル比に典型的には変えられる。
【0026】
本明細書での教示に基づき当業者によって理解されるであろうように、中和の好ましいレベルは、エチレン−酸コポリマーと用いられるイオンと所望の特性とに依存するであろう。特に、本発明の水性分散体組成物が防錆処理剤として使用される場合、上記の範囲が、優れた耐腐食性と耐水性とを有する防錆性層が形成され得る点から有効である。
【0027】
本明細書で使用されるアイオノマー樹脂の製造は、当該技術分野で周知の様々な方法、例えば、エチレンと、不飽和カルボン酸と、必要に応じて使用される第3成分とを高圧ラジカル重合法によって共重合させ、得られたエチレン−不飽和カルボン酸コポリマーのカルボキシル基を二価金属陽イオンとアンモニウムイオンとを有する化合物で中和する方法か、またはポリエチレン上へ不飽和カルボン酸をグラフト重合させ、得られたグラフトコポリマーのカルボキシル基を二価金属陽イオンとアンモニウムイオンとを有する化合物で中和する方法に従って行うことができる。さらに、この製造は、所定の成分を押出機中へ供給し、溶融混練して反応を行うことによって行われてもよく、または水もしくは適切な有機溶媒中で行われてもよい。
【0028】
エチレン−不飽和カルボン酸コポリマーを製造するよりもむしろ、デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont,Wilmington,Delaware)によって販売される、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)コポリマーである、ヌクレル(Nucrel)(登録商標)を出発原料として使用することができる。この材料は典型的にはアンモニア水中にあらかじめ分散されて販売されている。
【0029】
他の成分に関して、樹脂を中和するために使用することができる所望の二価金属陽イオンを有する化合物には、二価金属酸化物もしくは水酸化物または亜鉛、カルシウム、もしくはマグネシウムの酢酸塩、硫酸塩および硝酸塩などの水溶性単塩が含まれる。
【0030】
樹脂を中和するために使用することができる、所望のアンモニウムイオンを有する化合物は、アンモニア(NH3)または水性アンモニア(本明細書では「水酸化アンモニウム」または「アンモニア水」とも呼ばれる)である。
【0031】
前述の材料に加えて、自動車用途に十分な耐水性を有する(すなわち、金属の腐食を引き起こし得る試剤を通さない)コーティングフィルムを得るために、本水性分散体はまた、非水溶性の気相腐食防止剤(B)を含有する。
【0032】
本発明に使用される気相腐食防止剤(B)は、周囲条件下に気化可能であり、本明細書から形成された塗膜によって包まれた金属表面に腐食防止を提供する。本明細書で用いるところでは、用語「気化可能な」およびその変形は、加熱せずに少なくとも周囲条件で蒸気に変化することができる固体または液体を意味する。例えば、本発明の腐食防止剤は、大気圧および室温(20℃)の典型的な周囲条件でその蒸気へ昇華することができる気化可能な固体であってもよく、またはその蒸気へ蒸発することができる気化可能な液体であってもよい。必要に応じて、気化を開始させるまたは加速するために、熱が加えられてもよいが、防止剤の蒸気圧が十分に高い場合には一般に必要とされない。
【0033】
エチレン−不飽和カルボン酸コポリマー材料と相溶性であり、かつ、コポリマーが塗布される金属表面内に放出できるように含有される実質的にいかなる腐食防止剤も使用され、ただし、本防止剤はまた、この物質が大気水分と接触するときに分散体から形成されたコーティングフィルムから浸出しないように非水溶性である。
【0034】
本発明の腐食防止組成物は、有機および無機窒素化合物、スルホネート、ホスフェート化合物およびそれらの組み合わせなどの、ある種のタイプの腐食防止剤を含むことによって陽極および陰極反応の両方を阻害することができる。本発明の腐食防止剤は、腐食性金属表面の水分への暴露を最小限にするために望ましくは実質的に無水である。腐食防止剤は望ましくは約20℃で約10-2〜10-5mmHgの蒸気圧を有する。かかる蒸気圧により、送達媒体が腐食防止剤を放出して腐食性品目の近位金属表面を生じさせる。
【0035】
望ましくは、本発明の腐食防止組成物はまた、2つ以上の気相腐食防止剤を含むこともできる。例えば、異なる蒸気圧を有する腐食防止剤が、長期にわたって組成物からの気相防止剤の放出制御を提供するために好適に選択されてもよい。このようにして、高い蒸気圧腐食防止剤は、その高い放出速度のために初期腐食防止を物品に提供するが、低い蒸気圧腐食防止剤は、そのより低い放出速度のために持続される腐食防止を提供する。
【0036】
本発明のある種の有用な腐食防止剤には、ジシクロヘキシルアミン、ヨウ化ヘキサデシルピリジニウム、臭化ドデシルベンジルキノリニウム、臭化プロパルギルキノリニウム、安息香酸シクロヘキシルアンモニウム、硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、ベンゾトリアゾール、ジノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンジノニルナフタレンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム、エチレンジアミンジノニルナフタレンスルホネート、ジエチレントリアミンジノニルナフタレンスルホネート、および2−メチルペンタンジアミンジノニルナフタレンスルホネート、またはそれらの塩およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0037】
追加の有用な腐食防止剤には、水蒸気の存在下に表面に移行し、そして腐食防止を提供すると考えられるトリアゾール、無機および有機亜硝酸塩、硝酸塩、ホスフェート、カーボネート、ならびに脂肪族および芳香族アミンが含まれる。これらの腐食防止剤は本発明に好適に使用され得る。かかる組成物は、例えば米国特許第4,973,448号明細書(カールソン(Carlson))、同第4,051,066号明細書(ミックシック(Miksic))、同第4,275,835号明細書(ミックシック)、および同第5,139,700号明細書(ミックシック)に記載されている。
【0038】
腐食防止剤として有効である亜硝酸塩化合物の例には、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウムおよび亜硝酸ニトロナフタレンアンモニウムが挙げられる。
【0039】
様々な異なるクラスの有用な腐食防止剤には、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、ジアミン、脂肪族ポリアミン、アルデヒド、有機酸、芳香族有機酸の塩、第四級アンモニウム化合物の塩。非芳香族複素環アミン、複素環アミン、チオール(メルカプタン)、チオエーテル、スルホキシド、チオウレアおよび置換チオウレア、置換チオカルボニルエステル、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0040】
本発明に有用な第一級アミンの例には、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびシクロヘキシルアミンが挙げられる。本発明に有用な第二級アミンの例には、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジ−n−オクチルアミン、3−イソプロピルアミノ−1−ブチン、3−ベンジルアミノ−1−ブチン、およびジシクロヘキシルアミンが挙げられる。本発明に有用な第三級アミンの例には、トリブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、およびジピペリジノメタンが挙げられる。
【0041】
本発明に有用なジアミンの例には、n−ヘキサデシルプロピレンジアミンおよびn−ドデシルb−メチレンジアミンが挙げられる。
【0042】
本発明に有用なアルデヒドの例には、桂皮アルデヒドおよびフルフルアルデヒドが挙げられる。
【0043】
本発明に有用な有機酸の例には、カプロン酸、n−カプリル酸、9,11−オクタジエン酸およびニコチン酸エステルまたはアミドが挙げられる。
【0044】
本発明に有用な複素環アミンの例には、6−n−エチルプリン、1−エチルアミノ−2−オクタデシルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−オクタデシルイミダゾリン、ジエチルチオホスフェート、キノリン、2,6−ジメチルキノリン、アクリジン、4,5−ジフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、1−メチルベンズイミダゾール、1−フェニルベンズイミダゾールおよび2−フェニルベンズイミダゾールが挙げられる。
【0045】
本発明に有用なチオール(メルカプタン)の例には、2−メルカプトベンゾチアゾールが挙げられる。
【0046】
本発明に有用なチオエーテルの例には、ジデシルスルフィド、エチル−n−オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、フェニルベンジルスルフィド、ジベンジルスルフィドおよびキシレノールポリスルフィドが挙げられる。
【0047】
本発明に有用なスルホキシドの例には、ジフェニルスルホキシド、ジ−p−トリルスルホキシドおよびジベンジルスルホキシドが挙げられる。
【0048】
本発明に有用なチオウレアおよび置換チオウレアの例には、フェニルチオウレアおよび1,3−ジフェニルチオウレアが挙げられる。
【0049】
本発明に有用なホスフェートの例には、ジオクチルチオホスフェートおよびトリブチルセレノホスフェートが挙げられる。
【0050】
非水溶性の気相腐食防止剤は一般に、所望レベルの耐腐食性をある特定の用途に与えるのに十分な量で用いられる。それ故、この量は、意図される使用に応じて変わってもよい。典型的には、本分散体に用いられる腐食防止剤の量は、中和された樹脂の総重量を基準として、約0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲であろう。
【0051】
本水性分散体の製造のために使用される水(C)の量に関しては、製造の容易さ、安定性、および経済効率を考慮するとき、水性分散体中の固形分濃度を約2〜60重量%、好ましくは約5〜50重量%、最も好ましくは10〜40重量%に調整することが一般に望ましい。
【0052】
本発明の水性分散体組成物は、当該技術分野で周知の様々な方法によって製造することができる。典型的には、防錆性コーティング組成物として最終的に使用することができる本水性分散体は、アイオノマー樹脂(A)と、アンモニアおよび1つ以上の二価金属陽イオン錯体などの中和剤、ならびに非水溶性の気相腐食防止剤(B)と、水とを容器へ導入し、次にそれらを、アイオノマー樹脂の溶融温度より上、典型的には約100〜200℃の温度で、アイオノマー樹脂(A)を加熱溶融させ、そして均一に分散させるのに十分な時間、好ましくは約10分〜2時間撹拌することによって製造される。
【0053】
自動車車体の防錆性塗膜のために本発明によって使用することができる好適な水性分散体は、コポリマーのカルボキシル基を基準として18〜30重量%、25〜50モル%二価金属陽イオンおよび75〜600モル%アンモニアの酸含量を有する好ましくはエチレン−アクリル酸コポリマーである、分散体の総重量を基準として約5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%のフィルム形成アイオノマー樹脂と、中和されたコポリマーの総重量を基準として約1〜5重量%、好ましくは約2〜3重量%の量での非水溶性の気相腐食防止剤とを含む。
【0054】
防錆性塗膜のための好適な水性分散体は好ましくはまた、約0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下の範囲の分散粒子のその平均直径と10〜45重量%、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%の範囲のその固体含量濃度とを有する。
【0055】
好適な水性分散体は典型的にはまた、良好な作業性のために塗布時に7以上のpHと約30〜2,000mPa・s、特に約50〜1,500mPa・sの粘度とを有する。
【0056】
様々な他の添加剤を、本発明の目的が損なわれない範囲内で、必要に応じて、追加の塗膜特質を提供するために本分散体へブレンドすることができる。例えば、水溶性ポリエステルポリオール、アクリル樹脂、およびアミノ樹脂などのような水溶性の共有結合性硬化剤などの様々な他のフィルム形成および/または架橋樹脂。水溶性アミノ樹脂は、塗膜の強度を向上させるために特に使用され、その例には、水溶性メラミン樹脂、ヘキサメトキシメラミン、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂およびメチロール化尿素樹脂が挙げられる。他の成分の例には、粘度を調整するための有機および無機増粘剤、安定性を向上させるための界面活性剤、水溶性の多価または一価金属塩および他の防錆助剤、かび防止剤、殺菌剤、殺生物剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、発泡剤、他のレオロジー調整剤、顔料、充填剤、ならびに増量剤が挙げられる。
【0057】
本発明の水性分散体組成物は防錆処理方法での使用のための防錆処理剤として特に好適であり、その方法では本組成物は金属表面に塗布されて優れた耐腐食性と自動車プライマーなどのオーバーコート塗料、充填剤またはソリッドカラーのもしくはフレーク顔料入りの有色素ベースコート塗料への良好な密着性とをも有する防錆性層を形成し、その上に透明な保護クリアコートが典型的には塗布されて自動車ベースコート/クリアコート仕上げを形成する。
【0058】
かかる塗膜は様々な形態の様々な種類の金属材料に塗布できる。本防錆処理方法が適用される金属の例には、亜鉛めっき鋼、亜鉛ベース合金めっき鋼、アルミニウムめっき鋼、アルミニウムベース合金めっき鋼、冷間圧延鋼および熱間圧延鋼などの様々な金属が挙げられる。本コーティングが塗布される金属表面は、クロメート処理、リン酸処理などのような表面処理剤などのわずかな量の追加要素を含有してもよい。本発明の防錆方法は、金属が自動車およびトラック車体などの、自動車車体を構築するために使用されるときに自動車および航空機産業で特に望ましい、亜鉛、アルミニウムおよびアルミニウム合金などのような、めっきされていない金属上で特に有用である。
【0059】
本発明の防錆処理方法では、防錆処理剤のコーティングは、スプレー、カーテン、フローコーター、ロールコーター、ブラシコーティング、浸漬などの任意の方法によって行うことができる。自動車用途では、浸漬法が好ましくは用いられる。自動車およびトラックの防錆処理では、車体またはその部品を浸漬タンク中に、大気圧で、18〜60℃の浴温で、約1〜300秒間、より好ましくは約1〜60秒間保つことが一般に望ましい。防錆処理剤を基材上にコートした後、試剤は自然乾燥させられてもよいが、焼成を行うことが好ましい。焼成温度は一般に約60〜250℃であり、約1秒〜30分間加熱することによって、揮発性成分を追い出すことが一般に十分であり、その結果、良好な耐腐食性を有する塗膜を含む防錆性層を形成することができる。
【0060】
基材上に形成される防錆性層の厚さは、防錆処理金属製品の使用の目的、使用される防錆処理剤、オーバーコート塗料の種類、厚さなどに応じて適切に選択され、それらに特に限定されない。一般に、コーティング後の防錆処理剤の乾燥時に防錆性層での破損を引き起こすことなく十分な防錆剤能力を示すために、約0.3〜2.5ミル(7〜60μm)、好ましくは0.5〜1.5ミル(12〜36μm)の厚さにコートすることが好ましい。
【0061】
本発明の防錆処理方法では、防錆処理剤による処理で形成される防錆性層上にコートされるオーバーコート塗料は好ましくは、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フタル酸樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂または塩化ビニル樹脂を含む塗料である。それらのうち、ウレタン樹脂、メラミン樹脂またはアクリル樹脂を含む塗料が、本発明の防錆処理剤を含む防錆性層への特に優れた密着性のために好ましい。
【0062】
さらに、このオーバーコート塗料は、チタンホワイトまたはカーボンブラックなどの着色顔料、タルクなどの増量剤、アルミニウム粉または銅粉などの金属顔料、被覆雲母などの真珠光沢顔料、および鉛丹または硫酸鉛などの防錆性顔料を含有してもよい。塗料はさらに、分散剤、乾燥剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、安定剤、皮張り防止剤、かび防止剤、腐敗防止剤、凍結防止剤などを含有してもよい。
【0063】
オーバーコート塗料の塗膜の形成は典型的には、オーバーコート塗料を従来のコーティング法によって防錆性層上にコートし、乾燥させ、硬化させることによって行われる。典型的には、自動車用途向けのオーバーコーティング法には、吹き付け、静電塗装、および高回転静電気ベルの使用などが含まれる。乾燥時間および温度は、コートされるオーバーコート塗料の種類、塗膜の厚さなどに応じて適切に調節される。一般には、特に自動車用途で、乾燥温度が50〜160℃の範囲にあるとき、オーバーコート塗料の各層について5〜120分の乾燥時間が適切である。
【0064】
本発明の防錆処理方法によって製造された防錆処理金属製品で、オーバーコート塗料の塗膜の厚さは、防錆処理金属製品の使用の目的、使用されるオーバーコート塗料の種類などに応じて適切に決定され、それに特に限定されない。例えば、自動車車体またはそれらの部品をコートするときに、本発明の防錆性プライマーコーティング層が乾燥した後に、それをプライマー・サーフェーサーでオーバーコートして表面欠陥のない滑らかなフィルムを提供し、その上に、焼成および研摩後に、着色ベースコート/クリアコート仕上げ剤などの自動車トップコート仕上げ剤が、好ましくはウェット−オン−ウェット方式で塗布され、次にオーブン中で同時に硬化させられることが一般に望ましい。乾燥し、硬化した複合多層仕上げの全厚は一般に約40〜150μm(1.5〜6ミル)、好ましくは60〜100μm(2.5〜4ミル)である。
【0065】
本発明の防錆処理方法によって得られた防錆処理金属製品は、優れた耐水性および防錆特性を有する防錆性層を有し、それ故自動車、家庭用機器、建材など用の部品として好適に使用することができる。
【0066】
本水性分散体組成物は、粒度も粘度もどちらも1年以上までの長期にわたって有意に変化しないような、良好な安定性および良好な貯蔵寿命を有する。
【0067】
それらから形成された塗膜は、優れた防錆特性を有し、処理または未処理金属への高レベルの密着性を提供し、強靱で、可撓性で、耐ストーン・チップ性であり、水分および他の腐食剤を比較的通さず、自動車仕上げに望ましい特性を有する防錆性塗膜を提供することができる。
【0068】
以下の実施例は本発明を例示する。全ての部および百分率は、特に明記しない限り重量基準である。
【実施例】
【0069】
実施例1
水性分散体の調製
1000mlボトル中へ8.6gの酸化亜鉛と、20gの濃水酸化アンモニウムと、2.0gのジシクロヘキシルアミンと、10個の0.5インチ長さ×0.5インチ直径の高密度アルミナ(ブルンダム(Burundum)(登録商標))セラミック砥石(U.S.ストーンウェア、オハイオ州イースト・パレスタイン(U.S.Stoneware,East Palestine,OH)によって製造された)とを装入する。ボトルを密閉し、ローラーミル(U.S.ストーンウェア、オハイオ州イースト・パレスタインによって製造された)上に置き、53rpmで18時間圧延した。次に、800gのミケム・プライム(Michem Prime)(登録商標)4983R(マイケルマン社、オハイオ州シンシナティ(Michelman,Inc.,Cincinnati,OH)によって製造されたアンモニア水中25%固形分でのエチレン/21%アクリル酸(ヌクレル(登録商標)コポリマー)と、10gの水酸化アンモニウムと、70gの水とをボトルに加えた。内容物をローラーミル上に置き、24時間圧延した。分散体を、ナイロン・ストッキングを通して濾過して23%固形分および亜鉛によるカルボン酸基の38%中和を有するアイオノマー分散体を与えた。
【0070】
実施例2
防錆処理金属プレートの製造
冷間圧延鋼板、3インチ×5インチ(32ゲージ)(ACTラボラトリーズ社、ミシガン州ヒルスデール(ACT Laboratories,Inc,Hillsdale MI)によって製造された)を、ジクロロメタンおよびアセトンから調製した1:1v/v溶液にそれらを浸漬することによって清浄化した。清浄化溶媒を風乾によって除去した後、板を実施例1の分散体に浸漬し、次に95℃オーブン中で25〜30分間加熱した。板を次にオーブンから取り出し、室温に放冷した。塗膜の厚さは、パーマスコープ(Permascope)(登録商標)ES厚さ計(ツイン・シティ・テスティング社(ニューヨーク州ノース・トナワンダ(Twin City Testing Corp.,North Tonawanda,NY)によって製造された)を用いて約1.0ミル(約24μm)であることが分かった。
【0071】
試験結果
塗膜密着性(Coating Adhesion)は、塗膜をかみそりでカットして2mmの間隔で配置されたカットラインの斜交平行模様を生成することによって測定した。5ラインを各方向にカットして16正方形を形成した。スコッチ(Scotch)テープの一片を斜交平行模様の上にしっかりと押し付け、90度の角度で引き離した。完全な密着性により、16正方形内で塗膜の損失がなくなり、16/16のスコアが与えられる。全ての正方形の損失は0/16のスコアを与えられる。実施例2の塗膜は16/16の密着性スコアを有した。
【0072】
耐腐食性は、実施例2で製造した被覆スチールシートを3%塩化ナトリウム溶液中に10日間入れ、錆の出現に注目することによって測定した。腐食試験前に、被覆鋼板のエッジをオイル−ベースのアルキド塗料で塗装した。厚さが0.5ミル以上である実施例2におけるように製造した塗膜は腐食を全く示さなかった。
【0073】
本発明の方法および組成物の構成要素の様々な他の修正、変更、追加または置き換えは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者に明らかであろう。本発明は、本明細書に記載された例示的実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)二価金属イオンとアンモニウムイオンとの混合物で中和されたまたは部分中和されたアイオノマー樹脂と、(B)非水溶性の気相腐食防止剤と、(C)水とを含む水性分散体組成物。
【請求項2】
前記アイオノマー樹脂が5〜40重量%の酸含量を有するエチレン−不飽和カルボン酸コポリマーである請求項1に記載の水性分散体。
【請求項3】
前記アイオノマー樹脂が10〜35重量%の酸含量を有するエチレン−アクリルまたはメタクリル酸コポリマーである請求項1に記載の水性分散体。
【請求項4】
前記二価金属イオンがZnからなる群から選択される請求項1に記載の水性分散体。
【請求項5】
10〜45重量%の固形分含量を有する請求項1に記載の水性分散体。
【請求項6】
(A)少なくとも1つの二価金属イオンと少なくとも1つのアンモニウムイオンとを含むイオンの混合物で中和されたアイオノマー樹脂と、(B)少なくとも1つの非水溶性の気相腐食防止剤と、(C)水とを混合する工程と、混合物を、アイオノマー樹脂を溶融させそして水中に均一に分散させるのに十分な時間および温度に加熱する工程とを含む水性分散体組成物の製造方法。
【請求項7】
前記アイオノマー樹脂が10〜35重量%の酸含量を有するエチレン−不飽和カルボン酸コポリマーである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アイオノマー樹脂が10〜35重量%の酸含量を有するエチレン−アクリルまたはメタクリル酸コポリマーである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記二価金属イオンがZnからなる群から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記分散体が10〜45重量%の固形分含量を有する請求項6に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散体を含むアイオノマーコーティング組成物。
【請求項12】
顔料、充填剤、増量剤、および/または通常の他の添加剤をさらに含有する、請求項11に記載のアイオノマーコーティング組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の組成物の乾燥および硬化した層でコートされた防錆処理金属基材。
【請求項14】
亜鉛めっき鋼板、亜鉛ベース合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、冷間圧延鋼板、アルミニウム板、またはアルミニウム合金板を含む、請求項13に記載の防錆処理金属製品。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物の乾燥および硬化した層でコートされた車体またはその部品。

【公表番号】特表2009−516773(P2009−516773A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542352(P2008−542352)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/044530
【国際公開番号】WO2007/061767
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】