説明

アシル尿素誘導体の製造方法、該アシル尿素誘導体の塩、及び、殺虫剤としてのそれらの使用

本発明は、式(I)


[式中、記号及び添え字は、明細書中で記載されている意味を有する]で表されるアシル尿素誘導体の製造方法に関する。該方法では、式(II)[式中、記号及び添え字は、明細書中で記載されている意味を有する]で表される化合物を、塩基の存在下で、式(III):X−CO−NR[式中、Xは、(IV)、(V)又は−O−Rを表し;Rは、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール又はヘテロシクリルであり、その際、これらの基は、置換されていないか、又は、ハロゲン、CN及びNOの基で置換されており;R及びRは、式(I)について示されている意味を有する]で表される化合物と反応させる。式(I)で表される化合物の一部は新規であり、また、式(I)で表される化合物は、害虫の防除に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシル尿素誘導体の調製方法、該調製方法で得ることができるアシル尿素誘導体の塩、それらを含んでいる組成物、及び、殺虫剤(pesticide)としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫活性を有するアシル尿素誘導体は、WO2003/097604において提案されている。
【0003】
これらの化合物は、適切なカルボキサミドを塩化オキサリルと反応させて、イソシアネートを生成させることにより調製している。そのイソシアネートをさらにアミンと反応させることにより、N−アシル尿素誘導体が得られる。該イソシアネートは、該アミンを塩化オキサリルと反応させることによってのみ形成させることが可能であり、ホスゲンを用いて形成させることはできない。これにより、この調製方法はコスト高なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、目的は、アシル尿素誘導体の有利な新規合成方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、4−ハロアルキルピリ(ミ)ジンカルボキサミドをカルバメート又は同様の反応性を有する化合物と反応させことにより、容易な方法で、高純度のN’−[4−ハロアルキルピリ(ミ)ジニル]カルボニル尿素類が良好な収率で得られるということが見いだされた。
【0006】
従って、本発明は、式(I):
【0007】
【化8】

[式中、
Aは、CH又はNであり;
は、(C−C)−ハロアルキルであり;
は、H又はMであり;
Mは、有機又は無機のカチオンであり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル若しくはO−CH−(C−C)−シクロアルキルであり、その際、ここで挙げた9種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−CH−アリール、−O−CH−アリール、−CH−ヘテロシクリル若しくは−O−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた8種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル若しくは(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルであり、その際、ここで挙げた5種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、−CH−アリール若しくは−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた4種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており;
あるいは、
とRは、隣接しているN原子と一緒に、3〜8員の飽和、不飽和又は芳香族のヘテロ環式環を形成しており、その際、該ヘテロ環式環は、場合により、N、S及びOからなる群から選択される3個以下のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該ヘテロ環式環は、置換されていないか、又は、1以上の(C−C)−アルキル、(C−C)ハロアルキル若しくはR基で置換されており;
は、ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、S(O)−(C−C)−アルキル、S(O)−(C−C)−ハロアルキル、CN、COO(C−C)−アルキル、NO、N[(C−C)−アルキル]又はフェノキシであり、その際、これらは、置換されていないか、又は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されており;
は、Rであるか、又は、(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−ハロアルキルであり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2である]
で表されるN−二置換N’−[4−ハロアルキルピリ(ミ)ジニル]カルボニル尿素類を調製する方法に関し、ここで、該方法は、式(II):
【0008】
【化9】

[式中、A、R、R及びmは、式(I)について示されている意味を有する]
であらわされる4−ハロアルキルピリ(ミ)ジニルカルボキサミドを、塩基の存在下で、式(III):
【0009】
【化10】

[式中、
Xは、
【0010】
【化11】

であり、
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C−C)−アルキル又はヘテロシクリル−(C−C)−アルキルであり、その際、これらの基は、置換されていないか、又は、ハロゲン、CN及びNOからなる群から選択される1以上の基で置換されており;
及びRは、式(I)について示されている意味を有する]
で表される化合物と反応させることによる。
【0011】
本発明の調製方法により、経済学的及び生態学的に有利な条件下で、アシル尿素誘導体を簡易な方法で調製することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
式(II)で表される出発化合物の4−ハロアルキルピリ(ミ)ジルカルボキサミドは、既知化合物であり、その調製方法と一緒に、例えば、WO−02/148111、ドイツ特許出願第10223274.1号及びEP−A−0580374などに記載されている。
【0013】
式(III)で表される化合物は、ホスゲン又は別の炭酸誘導体を化合物(HX)と反応させ、次いで、適切な窒素化合物(例えば、第二級アミン又はヒドロキシルアミン)と反応させることにより、当業者にはよく知られている既知方法により調製することができる。
【0014】
これらの種類の調製方法は、例えば、以下の文献に記載されている:Houben−Weyl, Methoden der Organischen Chemie, volume E4。
【0015】
式(III)で表されるカルバメートは、例えば、クロロギ酸エステル又はカルボナートから、適切な窒素化合物(例えば、アミン又はヒドロキシルアミン)との反応により調製することができる。
【0016】
【化12】

【0017】
この調製方法は、例えば、以下の文献に記載されている:Coll.Czech.Chem.Comm. 48,3,1983,900−905 及び EP−A−0577167。
【0018】
式(III)で表される好ましい化合物においては、
Xは、−ORであり、
は、置換されていないか又はハロゲン(好ましくは、F及び/又はCl)で一置換若しくは多置換されている(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−アルケニル、フェニル又はベンジルであり、特に好ましくは、CH、C、i−C、−CH−CH=CH、−CH−CF、CH−CF−CFH、CCl、フェニル又はベンジルであり、特に、−CH−CH=CH;AIkOAlk−;CH又はCである。
【0019】
アミド(II)と化合物(III)のモル比は、一般に、1:1〜1.1であり、好ましくは、1:1〜1.05であり、特に好ましくは、約1:1である。
【0020】
塩基として好ましいものは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、アミド、水酸化物及び(C−C)−アルコラート、アルキルリチウム化合物、金属水素化物、炭酸及び酢酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、C−C−アルキル基を有する第三級アミン、並びに、立体障害型窒素塩基である。特に好ましいものは、Na(OCH)、K(OCH)、Na(OC),K(OC)、Na(O−t−C)、K(O−t−C)、Na(O−n−C11)、K(O−n−C11)、Na(O−i−C11)、K(O−i−C11)、NaH、LiN(i−C(LDA)、NaOH、KOH、NaCO、KCO、酢酸Na、酢酸K、トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBU)である。極めて特に好ましいのものは、Na(OCH)、KO(CH)、Na(O−t−C)、NaH及びNaOHである。
【0021】
好ましい変形態様では、上記塩形成は、減圧下、好ましくは、20〜200mbarの圧力下、特に好ましくは、30〜150mbarの圧力下、特に、50〜150mbarの圧力下で実施する。それと同時に、好ましくは、反応混合物から低沸点生成物を留去させる。それにより、完全なアミド塩形成が可能となる。上記減圧は、有利には、HO、CHOH、tButOH又はEtOHなどの排除する化合物の沸点が当該反応温度よりも低くなり、且つ、溶媒の沸点が当該反応温度よりも高くなるように、選択する。
【0022】
複数種の塩基の混合物を用いることも可能である。一般に、上記アミド1当量当たり、1〜1.1当量の塩基を使用し、好ましくは、1〜1.05当量の塩基を使用する。
【0023】
上記調製方法は、一般に、溶媒中で実施する。極性非プロトン性溶媒が好ましい。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタン、スルホラン及びテトラヒドロフラン(THF)が特に好ましく、DMF及びNMPが極めて特に好ましい。
【0024】
溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0025】
一般に、重量基準で、アミド1当量当たり、1〜20当量の溶媒を使用する。
【0026】
反応温度は、一般に、0〜100℃であり、好ましくは、30〜75℃である。
【0027】
好ましい変形態様では、上記反応は、減圧下、好ましくは、20〜200mbarの圧力下、特に好ましくは、30〜150mbarの圧力下、特に、50〜150mbarの圧力下で実施する。それと同時に、好ましくは、反応混合物から低沸点生成物を留去させる。それにより、完全な反応が可能となる。上記減圧は、有利には、CHOH、tButOH、EtOH又はCH=CH−CHOHなどの排除する化合物ROHの沸点が当該反応温度よりも低くなり、且つ、溶媒の沸点が当該反応温度よりも高くなるように、選択する。
【0028】
該反応は、一般に、1〜4時間かかる。
【0029】
後処理は、例えば、濾過又は抽出、洗浄及び乾燥を行い、適切な場合には、その後、クロマトグラフィー精製を行うことにより、当業者にはよく知られている既知方法により実施する。
【0030】
=Hである式(II)のアミドの場合、上記調製方法により、最初に、対応する塩(R=M)が得られ、これは、有利には、濾過により反応混合物から特に高い純度で除去することができる。その後の後処理は、当業者にはよく知られている方法で行うことができる。例えば、沈澱した生成物を濾過し、洗浄し、乾燥させる。R=Hである式(I)の化合物は、式(I)の上記塩から、例えば、HCl、HSO、CHCOH及びHPOなどの酸と反応させることにより、当業者にはよく知られている既知方法で遊離させることができる。
【0031】
式(I)〜式(III)で用いられている用語について、以下で、さらに詳細に説明する。
【0032】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味し、好ましくは、フッ素及び塩素、特に好ましくは、フッ素を意味する。
【0033】
「(C−C)−アルキル」は、1個、2個、3個又は4個の炭素原子を有する非分枝鎖又は分枝鎖の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基又はt−ブチル基などである。
【0034】
同様に、さらに多い範囲の炭素原子を有するアルキル基は、その明示されている範囲に相当する数の炭素原子を有する非分枝鎖又分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。従って、用語「(C−C)−アルキル」は、上記アルキル基、及び、例えば、ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及びt−オクチル基を包含する。
【0035】
「(C−C)−ハロアルキル」は、「(C−C)−アルキル」について挙げたアルキル基のうち、1個以上の水素原子が同じ数の同一であるか又は異なっているハロゲン原子(好ましくは、塩素又はフッ素)で置き換えられている、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、クロロメチル、トリクロロメチル又は1,1,2,2−テトラフルオロエチル基などである。
【0036】
接頭辞として示されている範囲の炭素原子を有する「アルケニル」及び「アルキニル」は、明示されている範囲に相当する数の炭素原子を有し、また、1つ以上の多重結合を含んでいる、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を意味し、その際、該多重結合は、関連する不飽和基内の任意の位置に存在し得る。
【0037】
従って、「(C−C)−アルケニル」は、例えば、アリル基、2−メチルプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、2−メチルペンテニル基又はヘキセニル基などである。
【0038】
「(C−C)−アルキニル」は、例えば、プロパルギル基、2−メチルプロピニル基、2−ブチニル基、ペンチニル基、2−メチルペンチニル基又はヘキシニル基などである。
【0039】
「(C−C10)−シクロアルキル」は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基若しくはシクロオクチル基などの単環式アルキル基、又は、ノルボルニル基若しくはビシクロ[2.2.2]オクチル基などの二環式アルキル基、又は、デカヒドロナフチル基などの縮合環系を意味する。
【0040】
用語「(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル」は、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基及びシクロヘキシルブチル基などを意味する。
【0041】
「(C−C)−アルコキシ」及び「(C−C)−アルコキシ」は、その炭化水素基が用語「(C−C)−アルキル」及び「(C−C)−アルキル」で示される意味を有するエーテル基である。
【0042】
「(C−C)−アルケニルオキシ」、「(C−C)−アルキニルオキシ」、「(C−C)−シクロアルコキシ」及び「(C−C10)シクロアルケニルオキシ」は、その炭化水素基が用語「(C−C)−アルケニル」、「(C−C)−アルキニル」、「(C−C)−シクロアルキル」及び「(C−C10)−シクロアルケニル」で示される意味を有するエーテル基である。
【0043】
用語「ヘテロシクリル」は、好ましくは、完全に飽和していてもよいか若しくは部分的に不飽和でもよいか若しくは完全に不飽和でもよいか又は芳香族であってもよく、また、窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される同一であるか又は異なっている1個以上の原子で中断されていてもよい(但し、2個の酸素原子は直接隣接することはできず、また、該環内に1個以上の炭素原子が存在していなくてはならない)環状基を意味する。用語「ヘテロシクリル」は、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,4−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、インドール、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾ[c]フラン、イソインドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、1,8−ナフチリジン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、フタラジン、ピリドピリミジン、プリン、プテリジン、4H−キノリジン、ピペリジン、ピロリジン、オキサゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、イソオキサゾリジン又はチアゾリジンなどの基を意味する。
【0044】
ヘテロシクリルは、特に好ましくは、3〜6の環員を有し、O、S及びNからなる群から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する、飽和しているか又は部分的に飽和しているか又は芳香族の環系を意味し、その際、該環内に1個以上の炭素原子が存在していることが必要である。
【0045】
ヘテロシクリルは、極めて特に好ましくは、ピリジン、ピリミジン、(1,2,4)−オキサジアゾール、(1,3,4)−オキサジアゾール、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリダジン、オキサゾリン、チアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、オキシラン及びオキセタンの基を意味する。
【0046】
「アリール」は、好ましくは、6個〜12個の炭素原子を有するアリール基、特に好ましくは、6個〜10個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル基又はナフチル基などを意味し、極めて特に好ましくは、フェニル基を意味する。
【0047】
式(I)〜式(III)における記号及び添え字は、好ましくは、以下の意味を有する:
Aは、好ましくは、CHである;
は、好ましくは、F及び/又はClで1回以上置換されている(C−C)−アルキル基であり、特に好ましくは、CF、CHF又はCFCl、特に、CFである;
は、好ましくは、M又はHである;
Mは、好ましくは、酸化されない無機カチオン又は有機カチオンであり、特に好ましくは、Li、Na、K、Cs若しくはCa2+/2であるか、又は、N[(C−C)−アルキル](例えば、N(CH若しくはN(C)であり、極めて特に好ましくは、Naである;
は、好ましくは、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル若しくはO−CH−(C−C)−シクロアルキルであり、その際、ここで挙げた9種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−CH−アリール、−O−CH−アリール、−CH−ヘテロシクリル若しくは−O−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた8種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されている;
は、好ましくは、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル若しくは(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルであり、その際、ここで挙げた5種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、−CH−アリール若しくは−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた4種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されている;
は、好ましくは、ハロゲン(特に、F、Cl)、(C−C)−アルコキシ又は(C−C)ハロアルコキシである;
は、好ましくは、Rであるか、又は、(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−ハロアルキルである;
は、好ましくは、置換されていない又はハロゲン(好ましくは、F及び/又はCl)で一置換若しくは多置換されている(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−アルケニル、フェニル又はベンジルであり、特に好ましくは、CH、C、i−C、−CH−CH=CH、−CH−CF、CH−CF−CFH、CCl、フェニル又はベンジルであり、特に、CH又はCである;
Xは、好ましくは、−O−Rである;
mは、好ましくは、0である;
nは、好ましくは、0、1又は2である。
【0048】
式(I)〜式(III)で表される好ましい化合物は、全ての記号及び添え字が好ましい意味を有している化合物である。
【0049】
式(I)で表される化合物は、場合によっては既知であり、また、場合によっては新規である。
【0050】
従って、本発明は、式(I)’で表される化合物、即ち、式(Ia)、式(Ib)及び式(Ic)で表される化合物にも関する。
【0051】
【化13】

[式中、R、R及びmは、式(I)について示されている意味を有する]。
【0052】
本発明は、同様に、式(Ib):
【0053】
【化14】

[式中、
11は、CF以外の(C−C)−ハロアルキル、好ましくは、CHF又はCFClであり;
A、R、R及びmは、式(I)について示されている意味を有する]
で表される化合物にも関する。
【0054】
本発明は、さらに、式(Ic):
【0055】
【化15】

[式中、
Mは、有機又は無機のカチオン、好ましくは、Li、Na、K、Cs若しくはCa/2であるか、又は、N[(C−C)−アルキル](例えば、N(CH若しくはN(C)であり、極めて特に好ましくは、Na、K及びLiであり;
A、R、R、R及びmは、式(I)について示されている意味を有する]
で表される化合物にも関する。
【0056】
式(Ia)〜式(Ic)で表される好ましい化合物は、記号及び添え字が、式(I)について好ましいものとして示されている意味を有する化合物である。
【0057】
「殺虫剤(insecticide)」は、以下、特に文脈から別途明らかでない限り、昆虫類及びクモ形類動物などの有害な節足動物、並びに、線虫類などの蠕虫に対する活性を意味する。
【0058】
式(I)’で表される化合物は、害虫(animal pest)、特に、昆虫、クモ形類動物及び蠕虫を防除するのに適しており、好ましくは、農業において、家畜の飼育において、森林で、貯蔵生産物や材料物質(materials)の保護において、及び、公衆衛生の分野において見られる昆虫及びクモ形類動物を防除するのに適している。該化合物は、植物が良好な耐性を示し且つ温血動物に対する毒性が望ましい程度である。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての発育段階又は特定の発育段階に対して活性を示す。上記した害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0059】
ダニ目の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アルガス spp.(Argas spp.)、オルニトドロス spp.(Ornithodoros spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エリオフィエス・リビス(Eriophyes ribis)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ボオフィルス spp.(Boophilus spp.)、リピセファルス spp.(Rhipicephalus spp.)、アンブリオンマ spp.(Amblyomma spp.)、ヒアロンマ spp.(Hyalomma spp.)、イクソデス spp.(Ixodes spp.)、プソロプテス spp.(Psoroptes spp.)、コリオプテス spp.(Chorioptes spp.)、サルコプテス spp.(Sarcoptes spp.)、タルソネムス spp.(Tarsonemus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、パノニクス spp.(Panonychus spp.)、テトラニクス spp.(Tetranychus spp.)、エオテトラニクス spp.(Eotetranychus spp.)、オリゴニクス spp.(Oligonychus spp.)、エウテトラニクス spp.(Eutetranychus spp.);
等脚目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus aselus)、アルマジウム・ブルガレ(Armadium vulgare)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
ディプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス・カルポファグス(Geophilus carpophagus)、スクチゲラ spp.(Scutigera spp);
シンフィラ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニチウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
直翅目(Orthoptera)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、グリロタルパ spp.(Gryllotalpa spp.)、ロクスタ・ミグラトリア・ミグラトリオイデス(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプルス spp.(Melanoplus spp.)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス spp.(Reticulitermes spp.);
シラミ目(Anoplura)の、例えば、フィロエラ・バスタトリクス(Phylloera vastatrix)、ペムフィグス spp.(Pemphigus spp.)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ハエマトピヌス spp.(Haematopinus spp.)、リノグナツス spp.(Linognathus spp.);
ハジラミ目の例えば、トリコデクテス spp.(Trichodectes spp.)、ダマリネア spp.(Damalinea spp.);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、トリプス・タバシ(Thrips tabaci);
異翅目(Heteroptera)の、例えば、エウリガステル spp.(Eurygaster spp.)、ジスデルクス・インテルメジウス(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、シメキス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクス(Rhodnius prolixus)、トリアトマ spp.(Triatoma spp.);
同翅目(Homoptera)の、例えば、アレウロデス・ブラシカエ(Aleurodes brassicae)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドラリス・ファバエ(Doralis fabae)、ドラリス・ポミ(Doralis pomi)、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、ミズス spp.(Myzus spp.)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi)、エムポアスカ spp.(Empoasca spp.)、エウスセルス・ビロバツス(Euscelus bilobatus)、ネフォテッチキス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、サイセチア・オレアエ(Saissetia oleae)、ラオデルファキス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、アオニジエラ・アウランチイ(Aonidiella aurantii)、アスピジオツス・ヘデラエ(Aspidiotus hederae)、プセウドコックス spp.(Pseudococcus spp.)、プシラ spp.(Psylla spp.);
鱗翅目(Lepidoptera)の、例えば、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、プルテラ・マクリペンニス(Plutella maculipennis)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、エウプロクチス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、リマントリア spp.(Lymantria spp.)、ブクラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、アグロチス spp.(Agrotis spp.)、エウキソア spp.(Euxoa spp.)、フェルチア spp.(Feltia spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、ヘリオチス spp.(Heliothis spp.)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、スポドプテラ spp.(Spodoptera spp.)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ピエリス spp.(Pieris spp.)、キロ spp.(Chilo spp.)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アムビグエラ(Clysia ambiguella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana);
甲虫目(Coleoptera)の、例えば、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、ブルチジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、ジアブロチカ spp.(Diabrotica spp.)、プシロイデス・クリソセファラ(Psylloides chrysocephala)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、アトマリア spp.(Atomaria spp.)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、アントノムス spp.(Anthonomus spp.)、シトフィルス spp.(Sitophilus spp.)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、コスモポリテス・ソルジズス(Cosmopolites sordidus)、セウトリンクス・アシミリス(Ceuthorrynchus assimilis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、デルメステス spp.(Dermestes spp.)、トロゴデルマ(Trogoderma)、アントレヌス spp.(Anthrenus spp.)、アタゲヌス spp.(Attagenus spp.)、リクツス spp.(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、プチヌス spp.(Ptinus spp.)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、トリボリウム spp.(Tribolium spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、アグリオテス spp.(Agriotes spp.)、コノデルス spp.(Conoderus spp.)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica);
膜翅目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン spp.(Diprion spp.)、ホプロカンパ spp.(Hoplocampa spp.)、ラシウス spp.(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ spp.(Vespa spp.);
双翅目(Diptera)の、例えば、アエデス spp.(Aedes spp.)、アノフェレス spp.(Anopheles spp.)、クレキス spp.(Culex spp.)、ドロソフィラ・メラノガステル(Drosophila melanogaster)、ムスカ spp.(Musca spp.)、ファニア spp.(Fannia spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、ルシリア spp.(Lucilia spp.)、クリソミイア spp.(Chrysomyia spp.)、クテレブラ spp.(Cuterebra spp.)、ガストロフィルス spp.(Gastrophilus spp.)、ヒポボスカ spp.(Hyppobosca spp.)、ストモキス spp.(Stomoxys spp.)、オエストルス spp.(Oestrus spp.)、ヒポデルマ spp.(Hypoderma spp.)、タバヌス spp.(Tabanus spp.)、タニア spp.(Tannia spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、フォルビア spp.(Phorbia spp.)、ペゴミイア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、セラトフィルス spp.(Ceratophyllus spp.);
クモ目(Arachnida)の、例えば、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans);
蠕虫綱(helminth)の、例えば、ハエモンクス(Haemonchus)、トリコストロンギルス(Trichostrongylus)、オステルタギア(Ostertagia)、コオペリア(Cooperia)、カベルチア(Chabertia)、ストロンギロイデス(Strongyloides)、オエソファゴストムム(Oesophagostomum)、ヒオストロンギルス(Hyostrongylus)、アンシロストマ(Ancylostoma)、アスカリス(Ascaris)及びヘテラキス(Heterakis)、さらに、ファスシオラ(Fasciola);
腹足綱(Gastropoda)の、例えば、デルコセラス spp.(Deroceras spp.)、アリオン spp.(Arion spp.)、リムナエア spp.(Lymnaea spp.)、ガルバ spp.(Galba spp.)、スクシネア spp.(Succinea spp.)、ビオムファラリア spp.(Biomphalaria spp.)、ブリヌス spp.(Bulinus spp.)、オンコメラニア spp.(Oncomelania spp.);
双殻綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ spp.(Dreissena spp.)。
【0060】
さらに、アイメリア(Eimeria)などの原生動物(Protozoa)も防除することができる。
【0061】
本発明により防除可能な植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:根寄生性土壌線虫(root-parasitic soil-dwelling nematode)、例えば、メオイドギネ属(Meloidogyne)の根寄生性土壌線虫(ネコブセンチュウ、例えば、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)及びジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)など)、ヘテロデラ属及びグロボデラ属(Heterodera and Globodera)の根寄生性土壌線虫(シスト線虫(cyst-forming nematode)、例えば、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)、クローバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)など)、ラドホルス属(Radopholus)の根寄生性土壌線虫、例えば、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)など、プラチレンクス属(Pratylenchus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)及びプラチレンクス・クルビタツス(Pratylenchus curvitatus)など、ティレンクルス属(Tylenchulus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)など、ティレンコイリンクス属(Tylenchorhynchus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ティレンコイリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)及びナミイシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)など、ロチレンクス属(Rotylenchus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ロチレンクス・ロブスツス(Rotylenchus robustus)など、ヘリオコチレンクス属(Heliocotylenchus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ヘリオコチレンクス・ムルチシンクツス(Haliocotylenchus multicinctus)など、ベロノアイムス属(Belonoaimus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ベロノアイムス・ロンギカウダツス(Belonoaimus longicaudatus)など、ロンギドルス属(Longidorus)の根寄生性土壌線虫、例えば、ロンギドルス・エロンガツス(Longidorus elongatus)など、トリコドルス属(Trichodorus)の根寄生性土壌線虫、例えば、トリコドルス・プリミチブス(Trichodorus primitivus)など、及び、キシフィネマ属(Xiphinema)の根寄生性土壌線虫、例えば、キシフィネマ・インデクス(Xiphinema index)など。
【0062】
本発明の化合物を用いてさらに防除可能な線虫の属は、ジチレンクス属(Ditylenchus)(茎線虫、例えば、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)及びイモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)など)、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)(葉線虫(foliar nematode)、例えば、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)など)、及び、アングイナ属(Anguina)(花線虫及び葉こぶ線虫(flower and leaf-gall nematode)、例えば、コムギツブセンチュウ(Anguina tritici)など)である。
【0063】
本発明の化合物は、好ましくは、吸汁性昆虫(sucking insect)、例えば、アブラムシ(例えば、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、アフィス・ナスツルチイ(Aphis nasturtii)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、エリオソマ spp.(Eriosoma spp.)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ペムヒグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ミズス・ニコチアナエ(Myzus nicotianae)、ミズス・エウホルビアエ(Myzus euphorbiae)、ピロキセラ spp.(Phylloxera spp.)、トキソプテラ spp.(Toxoptera spp)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helychrysii)又はホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)など)、セミ(cicadas)(イジオスコプス・クリペアリス(Idioscopus clypealis)、スカホイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onuki)、エムポアスカ・ビチス(Empoasca vitis)、エムポアスカ・デバスタンス(Empoasca devastans)、エムポアスカ・リビカ(Empoasca libyca)、エムポアスカ・ビグツラ(Empoasca biguttula)、エムポアスカ・ファシアリス(Empoasca facialis)又はエリスロネウラ spp.(Erythroneura spp)など)、アザミウマ(クリバネアザミウマ(Hercinothrips femoralis)、スシロトトリプス・アウランチイ(Scirtothrips aurantii)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、フランクリニエラ・シュルツゼイ(Frankliniella schultzei)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリチシ(Frankliniella tritici)、カコトリプス spp.(Kakothrips spp.)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)など)、又は、コナジラミ(アレウロデス・ブラシカエ(Aleurodes brassicae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、アレウロデス・プロレテラ(Aleurodes proletella)など)、及び、コナカイガラムシ(ジスミコックス spp.(Dysmicoccus spp.)、プラノコックス spp.(Planococcus spp.)、フェナコックス(Phenacoccus spp.)など)などを防除するのに適している。
【0064】
本発明は、さらに、組成物、例えば、殺虫剤に関し、好ましくは、殺昆虫剤組成物、殺ダニ剤組成物及び殺線虫剤組成物、特に好ましくは、殺昆虫剤組成物及び殺ダニ剤組成物に関し、ここで、該組成物は、適切な製剤補助剤と式(I)で表される1種類以上の化合物を含んでいる。
【0065】
本発明の組成物を調製するために、該活性化合物と他の添加剤を合して、適切な使用形態とする。
【0066】
一般に、本発明の組成物は、1〜95重量%の式(I)で表される活性化合物を含有する。それらは、主要な生物学的パラメータ及び/又は物理化学的パラメータに応じて、さまざまな方法で製剤することができる。以下に示してあるのは、可能な製剤に例である:水和剤(WP)、乳剤(EC)、水溶液剤(SL)、エマルション剤、噴霧可能な溶液剤、油系又は水系の分散液剤(SC)、サスポエマルション剤(SE)、粉剤(DP)、種子粉衣用製品、微粒剤の形態にある粒剤、噴霧粒剤(spray granule)の形態にある粒剤、被覆粒剤の形態にある粒剤、吸着粒剤の形態にある粒剤、顆粒水和剤(WG)、微量散布剤、マイクロカプセル剤、ワックス剤、及び、ベイト剤。
【0067】
これらの個々の製剤型は、基本的に既知であり、例えば、以下の文献に記載されている: Winnacker−Kuchler, “Chemische Technologie”[Chemical Technology], Volume 7, C.Hanser Verlag Munich, 4th Edition 1986; van Falkenberg, “Pesticides Formulations”, Marcel Dekker N.Y.,2nd Ed. 1972−73; K.Martens, “Spray Drying Handbook”, 3rd Ed. 1979, G.Goodwin Ltd. London。
【0068】
必要な製剤補助剤、即ち、不活性物質、界面活性剤、溶媒及び他の添加剤など担体物質及び/又は表面活性化合物も、既知であり、例えば、以下の文献に記載されている: Watkins, “Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”, 2nd Ed., Darland Books, Caldwell N.J.; H.v.Olphen, “Introduction to Clay Colloid Chemistry”, 2nd Ed., J.Wiley & Sons, N.Y.; Marsden, “Solvents Guide”, 2nd Ed., Interscience, N.Y. 1950; McCutcheon’s, “Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.; Sisley and Wood, “Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964; Schonfeldt, “Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte”[Surface−active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1967; Winnacker−Kuechler, “Chemische Technologie”, Volume 7, C.Hanser Verlag Munich, 4th Edition 1986。
【0069】
これらの製剤に基づいて、他の殺虫活性化合物、肥料及び/又は成長調節剤との、例えば、レディーミックス製剤の形態又はタンクミックスの形態にある組合せを調製することも可能である。水和剤は、水中に均質に分散させることが可能な調製物であり、希釈剤又は不活性物質に加えて、該活性化合物の他に、湿潤剤(例えば、ポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪アルコール、アルキルスルホナート又はアルキルフェノールスルホナートなど)及び分散剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム又は2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウムなど)も含んでいる。
【0070】
乳剤は、該活性化合物を有機溶媒(例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、又は、高沸点芳香族物質若しくは高沸点炭化水素など)に溶解させ、1種類以上の乳化剤を添加して調製する。乳化剤としては、例えば、以下のものを使用することができる:アルキルアリールスルホン酸カルシウム、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなど、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビトールエステルなど。
【0071】
粉剤は、微粉化固体物質、例えば、タルク、天然クレー、例えば、カオリン、ベントナイト、パイロフィライト又はケイ藻土などと一緒に該活性物質を粉状化することにより得られる。粒剤は、吸着性の粒状化不活性物質に該活性化合物を噴霧することにより調製することができるか、又は、担体物質(例えば、砂又はカオリナイトなど)若しくは粒状化不活性物質の表面上に接着剤(例えば、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸ナトリウム)若しくは鉱油を用いて活性化合物の濃厚物を適用することにより調製することができる。適する活性化合物は、粒状肥料の調製に慣習的に用いられている方法にで、必要に応じて肥料との混合物として、造粒することも可能である。
【0072】
水和剤における活性化合物の濃度は、通常、約10〜90重量%であり、100重量%までの残りは、製剤用の慣習的な成分からなる。乳剤の場合は、活性化合物の濃度は、約5〜80重量%であり得る。粉剤の形態にある製剤は、通常、5〜20重量%の活性化合物を含有し、噴霧可能な溶液剤は、約2〜20重量%の活性化合物を含有する。粒剤の場合は、活性化合物の含有量は、部分的に、活性化合物が液体形態であるか又は固体形態であるかに依存し、また、どの造粒補助剤及び増量剤などが使用されているかに依存する。
【0073】
この他に、上記活性化合物の製剤は、適切な場合には、それぞれの場合において慣習的な粘着付与剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、溶媒、増量剤又は担体を含有する。
【0074】
例えば、水和剤、乳剤及び分散液剤の場合、また、場合によっては微粒剤の場合、使用に際しては、市販されている形態にある濃厚物を、必要に応じて、慣習的な方法で水を用いて希釈する。粉剤及び粒剤及び噴霧可能な溶液剤の形態にある調製物は、通常、別の不活性物質を用いて使用する前にそれ以上希釈することはない。
【0075】
必要な施用量は、外部条件、例えば、特に、温度及び湿度などによって変わる。必要な施用量は、広い範囲で、例えば、0.0005kg/haから10.0kg/haまたはそれ以上の活性化合物の範囲で変わり得るが、好ましくは、0.001〜5kg/haの活性化合物である。
【0076】
市販されている製剤中の本発明の活性化合物、又は、そのような製剤から調製された使用形態中の本発明の活性化合物は、殺昆虫剤、誘引剤、不妊剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤又は薬害軽減剤などの別の活性化合物と混合した状態で存在することができる。
【0077】
好ましい混合成分は、例えば、以下のものである:
殺菌剤
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンスルフェート;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アンプロピルホス;アンプロピルホス−カリウム;アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブイソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン−S;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;ポリ硫化カルシウム;カプシマイシン(capsimycin);キャプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオネート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン(clozylacon);シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;ダガーG;デバカルブ(debacarb);ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾクソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモール;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;ファーバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトベル(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオルイミド(fluoromide);フルオキサストロビン;フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;ホルペット;ホセチル−アルミニウム;ホセチル−ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジンアルベシル酸塩;ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム−メチル;マンゼブ;マンネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル−M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルフォバックス;ミルディオマイシン;ミクロブタニル;ミクロゾリン;ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタル−イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモール;オフラセ;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキシポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthiin);パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フタリド;ピコキシストロビン;ピペラリン(piperalin);ポリオキシン;ポリオキソリム;プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン−ナトリウム(propanosine-sodium);プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジド;プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;キンコナゾール(quinconazole);キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン(thicyofen);チフルザミド;チオファネート−メチル;チウラム;チオキシミド;トルクロホス−メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニルル)−ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール;1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;炭酸一カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;テトラチオ炭酸ナトリウム;
並びに、
銅塩及び銅調製物、例えば、ボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅;塩基性塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;酸化第一銅;マンコッパー;オキシン銅。
【0078】
殺細菌剤
ブロノポール;ジクロロフェン;ニトラピリン;ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル;カスガマイシン;オクチリノン;フランカルボン酸;オキシテトラサイクリン;プロベナゾール;ストレプトマイシン;テクロフタラム;硫酸銅及び別の銅調製物。
【0079】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
アバメクチン;ABG−9008;アセフェート;アセキノシル;アセタミプリド;アセトプロール;アクリナトリン;AKD−1022;AKD−3059;AKD−3088;アラニカルブ;アルジカルブ;アルドキシカルブ;アレトリン;アルファ−シペルメトリン(アルファメトリン);アミドフルメト;アミノカルブ;アミトラズ;アベルメクチン;AZ−60541;アザディラクチン;アザメチホス;アジンホス−メチル;アジンホス−エチル;アゾシクロチン;
バシルス・ポピリアエ(Bacillus popilliae);バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus);バシルス・スブチリス(Bacillus subtilis);バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis);バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)EG−2348株;バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)GC−91株;バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)NCTC−11821株;バキュロウイルス;ベアウベリア・バシアナ(Beauveria bassiana);ベアウベリア・テネラ(Beauveria tenella);ベンクロチアズ(benclothiaz);ベンジオカルブ;ベンフラカルブ;ベンスルタップ;ベンゾキシメート;ベータ−シフルトリン;ベータ−シペルメトリン;ビフェナゼート;ビフェントリン;ビナパクリル;ビオアレトリン;ビオアレトリン−S−シクロペンチル−異性体;ビオエタノメトリン(bioethanomethrin);ビオペルメトリン;ビオレスメトリン;ビストリフルロン;BPMC;ブロフェンプロックス(brofenprox);ブロモホス−エチル;ブロモプロピレート;ブロムフェンビンホス(−メチル);BTG−504;BTG−505;ブフェンカルブ;ブプロフェジン;ブタチオホス;ブトカルボキシム;ブトキシカルボキシム;ブチルピリダベン(butylpyridaben);
カズサホス;カンフェクロール;カルバリル;カルボフラン;カルボフェノチオン;カルボスルファン;カルタップ;CGA−50439;キノメチオネート;クロルダン;クロルジメホルム;クロエトカルブ;クロルエトキシホス;クロルフェナピル;クロルフェンビンホス;クロルフルアズロン;クロルメホス;クロロベンジレート;クロロピクリン;クロルプロキシフェン(chlorproxyfen);クロルピリホス−メチル;クロルピリホス(−エチル);クロバポルトリン(chlovaporthrin);クロマフェノジド;シス−シペルメトリン;シス−レスメトリン;シス−ペルメトリン;クロシトリン(clocythrin);クロエトカルブ;クロフェンテジン;クロチアニジン;クロチアゾベン(clothiazoben);コドレモン(codlemone);クマホス;シアノフェンホス;シアノホス;シクロプレン(cycloprene);シクロプロトリン;シフルトリン;シハロトリン;シヘキサチン;シペルメトリン;シフェノトリン(1R−トランス異性体);シロマジン;
DDT;デルタメトリン;ジメトン−S−メチル;ジメトン−S−メチルスルホン;ジアフェンチウロン;ジアリホス;ダイアジノン;ジクロフェンチオン;ジクロルボス;ジコホル;ジクロトホス;ジシクラニル;ジフルベンズロン;ジメフルトリン;ジメトエート;ジメチルビンホス;ジノブトン;ジノカップ;ジノテフラン;ジオフェノラン;ダイスルホトン;ドクサト−ナトリウム(docusat-sodium);ドフェナピン(dofenapyn);DOWCO−439;
エフルシラネート(eflusilanate);エマメクチン;エマメクチン安息香酸塩;エムペントリン(1R異性体);エンドスルファン;エントモプトラ spp.(Entomopthora spp.);EPN;エスフェンバレレート;エチオフェンカルブ;エチプロール;エチオン;エトプロホス;エトフェンプロックス;エトキサゾール;エトリムホス;
ファムフール;フェナミホス;フェナザキン;酸化フェンブタスズ;フェンフルトリン(fenfluthrin);フェニトロチオン;フェノブカルブ;フェノチオカルブ;フェノキサクリム;フェノキシカルブ;フェンプロパトリン;フェンピラド;フェンピリトリン;フェンピロキシメート;フェンスルホチオン;フェンチオン;フェントリファニル(fentrifanil);フェンバレレート;フィプロニル;フロニカミド;フルアクリピリム;フルアズロン;フルベンジミン;フルブロシトリネート(flubrocythrinate);フルシクロクスロン;フルシトリネート;フルフェネリム;フルフェノクスロン;フルフェンプロックス;フルメトリン;フルピラゾホス;フルテンジン(flutenzin)(フルフェンジン(flufenzine));フルバリネート;ホノホス;ホルメタネート;ホルモチオン;ホスメチラン;ホスチアゼート;フブフェンプロックス(fubfenprox)(フルプロキシフェン);フラチオカルブ;
ガンマ−シハロトリン;ガンマ−HCH;ゴシプルレ(gossyplure);グランドルレ(grandlure);グラニュローシスウイルス;
ハロフェンプロックス;ハロフェノジド;HCH;HCN−801;ヘプテノホス;ヘキサフルムロン;ヘキシチアゾクス;ヒドラメチルノン;ハイドロプレン;
IKA−2002;イミダクロプリド;イミプロトリン;インドキサカルブ;ヨードフェンホス(iodofenphos);イプロベンホス;イサゾホス;イソフェンホス;イソプロカルブ;イソキサチオン;イベルメクチン;
ジャポニルレ(japonilure);
カデトリン;ケルノポリエデルビレン(kernpolyederviren);キノプレン;
ラムダ−シハロトリン;リンダン;ルフェヌロン;
マラチオン;メカルバム;メスルフェンホス;メタアルデヒド;メタム−ナトリウム;メタクリホス;メタミドホス;メタリジウム・アニソプリアエ(Metharhizium anisopliae);メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride);メチダチオン;メチオカルブ;メソミル;メトプレン;メトキシクロル;メトキシフェノジド;メトフルトリン;メトルカルブ;メトキサジアゾン;メビンホス;ミルベメクチン;ミルベマイシン;MKI−245;MON45700;モノクロトホス;モキシデクチン;MTI−800;
ナレド;NC−104;NC−170;NC−184;NC−194;NC−196;ニクロサミド;ニコチン;ニテンピラム;ニチアジン;NNI−0001;NNI−0101;NNI−0250;NNI−9768;ノバルロン;ノビフルムロン;
OK−5101;OK−5201;OK−9601;OK−9602;OK−9701;OK−9802;オメトエート;オキサミル;オキシジメトン−メチル;
パエシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus);パラチオン−メチル;パラチオン(−エチル);ペルメトリン(シス−,トランス−);石油;PH−6045;フェノトリン(1R−トランス異性体);フェントエート;ホレート;ホサロン;ホスメット;ホスファミドン;ホスホカルブ(phosphocarb);ホキシム;ピペロニルブトキシド;ピリミカーブ;ピリミホス−メチル;ピリミホス−エチル;オレイン酸カリウム;プラレトリン;プロフェノホス;プロフルトリン;プロメカルブ;プロパホス;プロパルギット;プロペタムホス;プロポクスル;プロチオホス;プロトエート;プロトリフェンブテ(protrifenbute);ピメトロジン;ピラクロホス;ピレスメトリン;ピレトルム;ピリダベン;ピリダリル;ピリダフェンチオン;ピリダチオン(pyridathion);ピリミジフェン;ピリプロキシフェン;
キナルホス;
レスメトリン;RH−5849、リバビリン;RU−12457;RU−15525;
S−421;S−1833;サリチオン;セブホス(sebufos);SI−0009;シラフルオフェン;スピノサド;スピロジクロフェン;スピロメシフェン;スルフラミド;スルホテップ;スルプロホス;SZI−121;
タウ−フルバリネート;テブフェノジド;テブフェンピラド;テブピリミホス(tebupirimifos);テフルベンズロン;テフルトリン;テメホス;テミビンホス;ターバム;テルブホス;テトラクロロビンホス;テトラジホン;テトラメトリン;テトラメトリン(1R異性体);テトラサル;シータ−シペルメトリン(theta-cypermethrin);チアクロプリド;チアメトキサム;チアプロニル;チアトリホス(thiatriphos);チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate);チオジカルブ;チオファノックス;チオメトン;チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap−sodium);チューリンギエンシン(thuringiensin);トルフェンピラド;トラロシトリン(tralocythrin);トラロメトリン;トランスフルトリン;トリアラセン;トリアザメート;トリアゾホス;トリアズロン;トリクロフェニジン(trichlophenidine);トリクロルホン;トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride);トリフルムロン;トリメタカルブ;
バミドチオン;バニリプロール(vaniliprole);ベルブチン(verbutin);ベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii);
WL−108477;WL−40027;
YI−5201;YI−5301;YI−5302;
XMC;キシリルカルブ;
ZA−3274;ゼータ−シペルメトリン;ゾラプロホス;ZXI−8901;
化合物 3−メチルフェニルプロピルカルバメート(ツマサイドZ);
化合物 3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS Reg. No. 185982−80−3)及び対応する3−エンド異性体(CAS Reg. No. 185984−60−5)(cf. WO−96/37494,WO−98/25923);
及び、殺昆虫活性を有する植物抽出物、線虫、菌類又はウイルスを含んでいる調製物。
【0080】
組み合わせるための上記化合物は、既知活性化合物であり、その多くは、以下の文献に記載されている:C.D.S. Tomlin(Ed.), The Pesticide Manual, 12th Edition, British Crop Protection Council, Farnham 2000。
【0081】
市販されている製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、0.00000001〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.00001〜1重量%の活性化合物の」範囲で変えることができる。
【0082】
施用は、その使用形態に合うように適合させた慣習的な方法で行う。
【0083】
従って、本発明は、さらにまた、害虫、好ましくは、有害な節足動物(例えば、昆虫類及びクモ形類動物)及び蠕虫(例えば、線虫)を防除するための、式(I)’で表される化合物及びその塩の使用も提供する。
【0084】
本発明は、さらに、有害な昆虫類、クモ形類動物及び/又は蠕虫を防除する方法も提供し、ここで、該方法は、当該害虫又は作用を施すのが望まれる場所に有効量の式(I)’で表される化合物又はその塩を施用することを含む。
【0085】
本発明の活性化合物は、さらにまた、獣医学分野及び/又は動物飼育分野において、内部寄生虫及び外部寄生虫を防除するのにも適している。本発明の活性化合物は、本発明では、例えば、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤又は粒剤などの形態における経口投与、例えば、浸漬、噴霧、ポアオン(pouring on)及びスポットオン(spotting on)並びに散粉などの形態における皮膚施用、並びに、注射などの形態における非経口投与などにより、既知方法で施用する。
【0086】
従って、本発明は、特に、内部寄生虫及び/又は外部寄生虫を防除するための、ヒト用医薬及び/又は獣医薬(好ましくは、獣医薬)を調製するための、式(I)’で表される化合物又はその塩の使用も提供する。
【0087】
従って、本発明の式(I)’で表される化合物は、有利には、動物の飼育(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、並びに、家禽類、例えば、ニワトリ及びガチョウなど)においても用いることができる。本発明の好ましい実施形態では、該化合物(適切な場合には、適切な製剤中に含まれている該化合物)は、該動物に対して、適切な場合には飲料水又は飼料と一緒に、経口投与する。糞中に効率よく排出されるので、上記方法により、動物の糞中における昆虫の成長を極めて容易に防止することができる。それぞれの場合において、適切な投与量及び製剤は、特に、家畜の種類及び成育段階に依存し、さらに、害虫の発生のリスクにも依存するが、そのような適切な投与量及び製剤は、慣習的な方法により、容易に決定し、確立することができる。例えば、本発明の化合物は、ウシでは、体重1kg当たり、0.01〜1mgの投与量で用いることができる。
【0088】
上記施用方法に加えて、本発明の式(I)’で表される活性化合物は、優れた浸透移行性を示す。従って、本発明の活性化合物を液体又は固体の形態で植物のすぐ近傍に施用すれば(例えば、粒剤による土壌施用、又は、冠水しているイネ水田への施用など)、該活性化合物を地下及び地上にある植物の一部分(根、茎、葉)を介して植物に導入すること可能である。
【0089】
さらに、本発明の活性化合物は、植物の栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖増殖器官(generative propagation material)の処理、例えば、禾穀類、野菜類、ワタ、イネ、シュガービート及び他の作物並びに観賞植物などの種子などの処理に特に有用であり、また、栄養繁殖する他の作物及び観賞植物などの球根、実生及び塊茎などの処理に特に有用である。そのような処理は、播種前若しくは移植前に(例えば、特別な種子コーティング技術によるか、又は、液体形態若しくは固体形態における粉衣処理によるか、又は、種子箱処理として)実施することが可能であるか、又は、播種中若しくは移植中に実施することが可能であるか、又は、特別な施用技術(例えば、畝間処理(furrow treatment))により播種後若しくは移植後に実施することが可能である。活性化合物の使用量は、施用に応じて比較的広い範囲で変わり得る。一般に、該施用量は、土壌表面1ヘクタール当たり、1g〜10kgの活性化合物である。
【0090】
式(I)’で表される活性化合物は、さらにまた、既知遺伝子組換え植物又はまだ開発段階にある遺伝子組換え植物の作物における害虫を防除するのにも用いることができる。一般に、トランスジェニック植物は、特に有利な特性、例えば、特定の作物保護剤に対する抵抗性、又は、植物病害若しくは植物病害の病原体(例えば、特定の昆虫、又は、微生物、例えば、菌類、細菌類又はウイルス)に対する抵抗性を特徴としている。特定の他の特性は、例えば、収穫物(harvested material)の量、質、貯蔵性、組成及び特定成分などに関する。かくして、デンプン含量が増大しているか若しくはデンプンの質が変えられているトランスジェニック植物や、収穫されたものが異なった脂肪酸組成を有しているトランスジェニック植物が知られている。
【0091】
有用な植物及び観葉植物の経済的に重要なトランスジェニック作物における使用が好ましく、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、アワ、イネ、キャッサバ及びトウモロコシなどの禾穀類の経済的に重要なトランスジェニック作物、又は、シュガービート、ワタ、ダイズ、アブラナ、ジャガイモ、トマト、エンドウ及び他のタイプの野菜などのトランスジェニック作物における使用が好ましい。
【0092】
トランスジェニック作物で使用する場合、特に、昆虫類に対して抵抗性を有するトランスジェニック作物で使用する場合、他の作物で観察される有害生物に対する効果に加えて、しばしば、当該トランスジェニック作物における施用に特異的な効果(例えば、防除可能な害虫のスペクトルの変化、若しくは、特にスペクトルの拡大、又は、施用に用い得る施用量の変化など)が観察される。
【0093】
従って、本発明は、トランスジェニック作物植物において有害生物を防除するための、式(I)’で表される化合物の使用も提供する。
【0094】
本発明による該化合物の使用には、上記害虫への直接的な施用に加えて、式(I)’で表される化合物を該害虫に作用させる他の任意の施用が包含される。例えば、そのような非直接的な施用は、例えば土壌中で、分解するか又は植物若しくは害虫により分解されて式(I)の化合物となる化合物の使用などであり得る。
【0095】
式(I)’で表される化合物又はその塩は、害虫に対する致死性の効果に加えて、強い忌避効果も有している。
【0096】
本記載の目的についての忌避物質は、他の生物(特に、有害な害虫及び迷惑な害虫)を追い払うか又は寄せ付けない効果を有する物質又はそのような物質の混合物である。該用語には、さらにまた、飼料の摂取が阻害若しくは防止される摂食抑制効果(摂食阻害効果)、産卵抑制、又は、個体数増加への影響などの効果も包含される。
【0097】
従って、本発明は、上記効果を達成するための、特に、生物学的な例示において挙げた害虫の場合において上記効果を達成するための、式(I)’で表される化合物の使用も提供する。
【0098】
有害生物をそこから追い払うか又はそこに寄せ付けないようにする場所に式(I)’で表される1種類以上の化合物又はそれらの塩を施用する、有害生物を追い払うか又は寄せ付けない方法も提供する。
【0099】
植物の場合、施用は、例えば、当該植物の処理を意味するのみではなく、種子を処理することも意味する。
【0100】
個体数に対する影響については、個体数が増加している間に効果が連続して観察され得るということについて言及することは興味深く、そこでは、加重が起こり得る。そのような場合、個々の影響自体は100%よりも著しく小さな効力しか有し得ないが、それでも、全体では、最後には100%の効力が達成される。
【0101】
さらに、式(I)で表される化合物又はその塩は、上記効果を利用する場合、一般に、該組成物を直接的な防除の場合よりも早く施用するという事実により区別される。その効果は、しばしば、長期間にわたって継続し、その結果、2ヶ月にわたる作用の持続期間が達成される。
【0102】
そのような効果は、昆虫類、クモ形類動物及び他の上記害虫で観察される。
【0103】
ドイツ特許出願第10346245.7号(本出願はこの特許の優先権を主張する)の内容及び該特許に含まれている要約が特に参照される。該特許は、参照により本明細書に組み入れる。
【0104】
以下の実施例により、本発明につて詳細に説明するが、本発明は、該実施例により限定されることはない。
【実施例】
【0105】
A 化合物実施例
一般的方法
1当量のアミド及び1当量のナトリウムメトキシド及び1当量の式(III)の化合物を、NMP中で、60℃〜70℃、100mbarで、1〜3時間加熱する。
【0106】
実施例1
エトキシ−N−エチルカルバミン酸アリルの調製
600mLの水の中に、1.0molのヒドロキシルアンモニウムクロリドを入れた。15℃〜20℃で、pHが7.5になるまで、1.1molのNaOHを45%溶液として滴下して加えた。次いで、15℃〜25℃、pH7〜8で、1.0molのクロロギ酸アリルと1.0molのNaOHを同時に滴下して加えた。その添加が完了した後、pHを調節して11とした。次いで、NaOHを添加することによりpHを11に維持しながら3.0molの硫酸ジエチルを3時間かけて添加した。その添加が完了した後、得られた混合物を、30℃〜35℃、pH11で、2時間撹拌した。有機相を分離除去し、水相を酢酸エチル3回抽出した。有機相を合して脱水し、次いで、濃縮した。
収率 理論値の93%, 青白い油状物。
【0107】
表1及び表2の化合物の調製
pHが5になるまで、10重量%の塩酸をゆっくりと滴下して加える。その反応混合物を水で希釈し、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相をHOで洗浄し、脱水し、減圧下に溶媒を除去する。
【0108】
(a)表3の化合物の調製
生じた沈澱物を濾過し、メタノールで洗浄する。
【0109】
上記一般的方法により、以下のものが得られる。
【0110】
【表1】










【0111】
【表2】










【0112】
【表3】











【0113】
B 製剤実施例
(a) 10重量部の活性化合物と不活性物質としての90重量部のタルクを混合し、得られた混合物をハンマーミルで粉砕することにより、粉剤が得られる。
【0114】
(b) 25重量部の活性化合物と不活性物質としての65重量部のカオリン含有石英と10重量部のリグノスルホン酸カリウムと湿潤剤及び分散剤としての1重量部のオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムを混合し、得られた混合物をピンディスクミル(pinned-disk mill)で粉砕することにより、水中に容易に分散可能な水和剤が得られる。
【0115】
(c) 40重量部の活性化合物を、7重量部のスルホコハク酸モノエステル及び2重量部のリグノスルホン酸ナトリウム及び51重量部の水と混合し、得られた混合物をボールミルで粉砕して5ミクロン未満の粒度とすることにより、水中に容易に分散可能な分散液剤が調製される。
【0116】
(d) 15重量部の活性化合物と溶媒としての75重量部のシクロヘキサンと乳化剤としての10重量部のオキシエチル化ノニルフェノール(10EO)から、乳剤を調製することができる。
【0117】
(e) 2〜15重量部の活性化合物と不活性顆粒状担体物質(例えば、アタパルジャイト、軽石顆粒及び/又はケイ砂など)から、粒剤を調製することができる。例(b)の水和剤を懸濁させた固体含有量30%の懸濁液を使用するのが都合がよい。その懸濁液をアタパルジャイト顆粒の表面に噴霧し、乾燥させ、充分に混合する。該水和剤の量は、調製された粒剤の約5重量%であり、不活性担体物質の量は、調製された粒剤の約95重量%である。
【0118】
C 生物学的実施例
実施例1
幼根を有している発芽したソラマメ(Vicia faba)の種子を、水道水を満たしてある褐色のガラス製ボトルの中に移し、次いで、約100匹のマメクロアブラムシ(Aphis fabae)を接種する。次いで、植物とアブラムシを製剤した被験化合物の水溶液の中に5秒間浸漬する。その溶液が流れ落ちた後、植物とアブラムシを気象制御チャンバー(climatized chamber)(16時間照明/日,25℃,相対大気湿度40〜60%)の中に保持する。3日間保持した後、及び、6日間保持した後、該化合物のアブラムシに対する効果を決定する。300ppm(活性化合物の濃度を基準とする)の濃度の本発明化合物により、アブラムシの90〜100%が死亡する。
【0119】
実施例2
幼根を有している発芽したソラマメ(Vicia faba)の種子を、水道水を満たしてある褐色のガラス製ボトルの中に移す。製剤した被験化合物の4mLの水溶液をピペットで褐色の上記ガラス製ボトルの中に移す。次いで、ソラマメに、約100匹のマメクロアブラムシ(Aphis fabae)を重度に群がらせる。次いで、植物とアブラムシを気象制御チャンバー(climatized chamber)(16時間照明/日,25℃,相対大気湿度40〜60%)の中に保持する。3日間保持した後、及び、6日間保持した後、該化合物のアブラムシに対する根−浸透移行性効果を決定する。300ppm(活性化合物の濃度を基準とする)の濃度の本発明化合物による根−浸透移行活性により、アブラムシの90〜100%が死亡する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Aは、CH又はNであり;
は、(C−C)−ハロアルキルであり;
は、H又はMであり;
Mは、有機又は無機のカチオンであり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル若しくはO−CH−(C−C)−シクロアルキルであり、その際、ここで挙げた9種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−CH−アリール、−O−CH−アリール、−CH−ヘテロシクリル若しくは−O−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた8種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル若しくは(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルであり、その際、ここで挙げた5種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、−CH−アリール若しくは−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた4種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており;
あるいは、
とRは、隣接しているN原子と一緒に、3〜8員の飽和、不飽和又は芳香族のヘテロ環式環を形成しており、その際、該ヘテロ環式環は、場合により、N、S及びOからなる群から選択される3個以下のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該ヘテロ環式環は、置換されていないか、又は、1以上の(C−C)−アルキル、(C−C)ハロアルキル若しくはR基で置換されており;
は、ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、S(O)−(C−C)−アルキル、S(O)−(C−C)−ハロアルキル、CN、COO(C−C)−アルキル、NO、N[(C−C)−アルキル]又はフェノキシであり、その際、これらは、置換されていないか、又は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されており;
は、R、(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−ハロアルキルであり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2である]
で表されるN−二置換N’−[4−ハロアルキルピリ(ミ)ジニル]カルボニル尿素類を調製する方法であって、式(II):
【化2】

[式中、A、R、R及びmは、式(I)について示されている意味を有する]
であらわされる4−ハロアルキルピリ(ミ)ジニルカルボキサミドを、塩基の存在下で、式(III):
【化3】

[式中、
Xは、
【化4】

であり、
は、置換されていないか又はハロゲン(好ましくは、F及び/又はCl)で一置換若しくは多置換されている(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−アルケニル、フェニル又はベンジルであり、特に好ましくは、CH、C、i−C、−CH−CH=CH、−CH−CF、CH−CF−CFH、CCl、フェニル又はベンジルであり、特に、CH又はCであり;
及びRは、式(I)について示されている意味を有する]
で表される化合物と反応させることによる、前記方法。
【請求項2】
式(I)における記号及び添え字が以下の意味:
Aは、CHである;
は、CFである;
は、M又はHである;
Mは、Li、Na、K、Cs若しくはCa2+/2であるか、又は、N[(C−C)−アルキル]、例えば、N(CH若しくはN(Cである;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル若しくはO−CH−(C−C)−シクロアルキルであり、その際、ここで挙げた9種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−CH−アリール、−O−CH−アリール、−CH−ヘテロシクリル若しくは−O−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた8種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されている;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル若しくは(C−C)−シクロアルキル−(C−C)、(C−C)−アルキルであり、その際、ここで挙げた5種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されており、又は、Rは、アリール、ヘテロシクリル、−CH−アリール若しくは−CH−ヘテロシクリルであり、その際、ここで挙げた4種類の基は置換されていないか若しくは1以上のR基で置換されている;
は、ハロゲン、(C−C)−アルコキシ又は(C−C)−ハロアルコキシである;
は、R、(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−ハロアルキルである;
mは、0である;
nは、0、1又は2である;
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(III)における記号が以下の意味:
Xは、O−Rであり;
は、置換されていない又はハロゲン(好ましくは、F及び/又はCl)で一置換若しくは多置換されている(C−C)−アルキル若しくは(C−C)−アルケニル、フェニル又はベンジルである;
を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
式(II)のアミドと式(III)の化合物のモル比が、1:1〜1.1である、請求項1から3の1項以上に記載の方法。
【請求項5】
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び(C−C)−アルコラート、アルキルリチウム化合物、金属水素化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸及び酢酸塩、C−C−アルキル基を有する第三級アミン、並びに、立体障害型窒素塩基からなる群から選択される1から1.1当量(式(II)のアミド基準)の塩基を使用する、請求項1から4の1項以上に記載の方法。
【請求項6】
式(Ia):
【化5】

[式中、R、R及びmは、式(I)について請求項1で示されている意味を有する]
で表される化合物。
【請求項7】
式(Ib):
【化6】

[式中、
11は、CF以外の(C−C)−ハロアルキルであり;
A、R、R及びmは、式(I)について請求項1で示されている意味を有する]
で表される化合物。
【請求項8】
式(Ic):
【化7】

[式中、
Mは、有機又は無機のカチオンであり;
A、R、R、R及びmは、式(I)について請求項1で示されている意味を有する]
で表される化合物。
【請求項9】
有害な節足動物及び蠕虫を防除するための組成物であって、当該用途に慣習的な添加剤又は補助剤と一緒に、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の式(Ia)、式(Ib)又は式(Ic)で表される少なくとも1種類の有効量の化合物を含んでいる、前記組成物。
【請求項10】
殺節足動物活性及び/又は殺蠕虫活性を有する少なくとも1種類の別の化合物も含んでいる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
有害な節足動物及び/又は蠕虫を防除するための、請求項6から8のいずれかに記載の化合物又は請求項9若しくは10に記載の組成物の使用。
【請求項12】
有害な節足動物及び/又は蠕虫を防除する方法であって、当該害虫を、請求項6から8のいずれかに記載の化合物又は請求項9若しくは10に記載の組成物に直接的又は間接的に接触させる、前記方法。
【請求項13】
殺節足動物剤及び/又は殺蠕虫剤として有効な量の請求項6から8のいずれかに記載の化合物又は請求項9若しくは10に記載の組成物で被覆されているか、あるいは、該化合物又は組成物を含んでいる種子。
【請求項14】
獣医薬を製造するための、請求項6から8のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−507442(P2007−507442A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529999(P2006−529999)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010562
【国際公開番号】WO2005/035508
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(501311960)バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】