説明

アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤及びオメガ−3脂肪酸を用いた治療、並びにそれらの併用品

【課題】1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、オメガ−3脂肪酸の混合物との組み合わせ、かかる組み合わせを投与する方法、及びかかる組み合わせの単位調剤を提供すること。
【解決手段】医薬組成物であって、a.天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物、並びに任意に可溶化剤を含む単位投薬形態と、b.該単位投薬形態上の、1種以上の外側コーティング(少なくとも1種の外側コーティングは、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む)と、c.任意成分として、該単位投薬形態と1種以上の外側コーティングの間の1種以上のバリアコーティングと、d.任意成分として、該単位投薬形態上のシールコーティングと、を含む医薬組成物による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年7月18日に出願された仮特許出願第60/699866号の非仮出願である。先の出願の開示内容は、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0002】
本発明は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との組み合わせに関し、かかる組み合わせを投与する方法、並びにかかる組み合わせの単位調剤に関する。本発明はまた、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、オメガ−3脂肪酸の混合物との組み合わせの、異脂肪血症及び関連症状、腎疾患、高コレステロール血症、総コレステロール(総−C)上昇、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)上昇、及びアポリポタンパク質(アポB)上昇、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)低下、シトステロール上昇、カンペステロール上昇、シトステロール血症、コレステロールに関連する良性及び悪性腫瘍、並びに/又は前記組み合わせでの治療が利するであろう他の何れかの症状の1種以上の患者を治療するための利用にも関する。本発明はまた、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、Omacor(登録商標)オメガ−3酸との単回投与併用品にも関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトにおいて、コレステロール及びトリグリセリドは血流中のリポタンパク質複合体の一部であり、超遠心によって高密度リポタンパク質(HDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び超密度リポタンパク質(VLDL)画分に分離できる。コレステロール及びトリグリセリドは肝臓で合成され、VLDLに取り込まれて血漿中に遊離される。高レベルの総コレステロール(総−C)、LDL−C、及びアポリポタンパク質B(LDL−Cに対する膜複合体)は、ヒトアテローム性動脈硬化症、並びにアテローム性動脈硬化症の進行に関わるHDL−C及びその輸送複合体、アポリポタンパク質Aのレベルの低下を促進する。更に、ヒトでの心血管系罹患率及び死亡率は、総−C及びLDL−Cのレベルに伴って直接的に、またHDL−Cのレベルとは逆に変動する可能性がある。
【0004】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤は既知である(例えば、Rosenblum,S.B.,et al.、J.Med.Chem.、41(6):973−80(1998)参照)。アゼチジノン系化合物は、コレステロール吸収の阻害剤であることができる(Bioorg.Med.Chem.、7(10):2199−202(1999)参照)。アゼチジノン系化合物の1つが、エゼチミブ(1−(4−フルオロフェニル)−(3R−)−[3−(4−フルオロフェニル)−(3S)−ヒドロキシプロピル]−(45)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノン)(SCH 58235又はZETIA(登録商標)としても知られる)、及びそのフェノール性グルクロニド、SCH 60663(Br.J.Pharmacol.、129(8):1748−54(2000)参照)である。米国特許出願公開第US2004/0116358A1号明細書は、エゼチミブの組成物、並びにコレステロールに関連する良性及び悪性腫瘍を治療する方法を開示している。
【0005】
一般に魚油とも称されるマリンオイルは、脂質代謝を調節することがわかっている2種のオメガ−3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)の良好な供給源である。オメガ−3脂肪酸は、心血管系疾患、特に軽い高血圧、高トリグリセリド血症に対する危険因子に、そして凝固因子VIIリン脂質複合体活性に有益な効果を有することがわかっている。オメガ−3脂肪酸は、血清トリグリセリドを低減し、血清HDL−コレステロールを増加させ、収縮期及び拡張期血圧並びに脈拍数を低下させ、そして血液凝固因子Vll−リン脂質複合体の活性を低下させる。更に、オメガ−3脂肪酸は、重篤な副作用を何ら引き起こすことなく、良好な耐容性を示すと考えられる。
【0006】
オメガ−3脂肪酸の一つの型は、DHA及びEPAを含有する魚油からのオメガ−3、長鎖、多価不飽和脂肪酸の濃縮物であり、商標名OMACOR(登録商標)で販売されている。このような型のオメガ−3脂肪酸は、例えば、米国特許第5502077号、5656667号、及び5698594号明細書に記載されており、これらの各々の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0034815号明細書(この開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)は、オメガ−3油及びスタチンの1種以上の塩を含む医薬組成物を開示し、ここでは少なくとも約80重量パーセントのスタチンが、不均一懸濁液中にて固体粒子として存在する。別の実施形態で、前記公開公報は、オメガ−3油及びスタチンの1種以上の塩を含む医薬組成物を提供し、ここではスタチンの量の15重量パーセントまでが溶液中にあり、スタチンの残量は不均一懸濁液中に存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との併用投与に対し、当該技術分野で未だ満たされていない要求がある。更に、オメガ−3脂肪酸(例えば、Omacor(登録商標)オメガ−3酸)と、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤との単回投与を提供する併用品、例えば、単位調剤の併用品に対して、未だ満たされていない要求がある。また、単回投与の投与方法、又は単位調剤品に対しても、当該技術分野で未だ満たされていない要求がある。更に、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤とOmacor(登録商標)オメガ−3酸とで、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤をOmacor(登録商標)オメガ−3酸と組み合わせて特異的治療特性をもたらすことに対して、当該技術分野で未だ満たされていない要求がある。長期間にわたり有意な分解を回避できる、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤とオメガ−3脂肪酸との単位調剤を提供することに、更なる要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との単位調剤の投与又は同時併用投与で、異脂肪血症及び関連症状、腎疾患、高コレステロール血症、総コレステロール(総−C)上昇、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)上昇、及びアポリポタンパク質(アポB)上昇、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)低下、シトステロール上昇、カンペステロール上昇、シトステロール血症、コレステロールに関連する良性及び悪性腫瘍、並びに/又は前記組み合わせでの治療が利するであろう他の何れかの症状、例えば冠動脈心疾患、血管疾患、及び関連障害、異変、並びに/又は病徴の1種以上の効果的な薬剤治療をもたらすことができるものを提供することによって、当該技術分野やその他の分野での未だ満たされていない要求を満たす。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との併用品を利用する方法、又は併用投与する方法であって、異脂肪血症及び関連症状、腎疾患、高コレステロール血症、総コレステロール(総−C)上昇、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)上昇、及びアポリポタンパク質(アポB)上昇、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)低下、シトステロール上昇、カンペステロール上昇、シトステロール血症、コレステロールに関連する良性及び悪性腫瘍、並びに/又は前記組み合わせでの治療が利するであろう他の何れかの症状の1種以上の治療における方法、更には、高トリグリセリド血症、血管疾患、アテローム硬化性疾患及び関連症状の患者、心血管性及び血管性異変の予防又は低減、並びにトリグリセリドレベル、インスリン抵抗性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減を必要としている患者の処置における方法を提供する。好ましい実施形態は、混合型異脂肪血症、複合型高脂血症、及び非HDL−Cの低減の治療を含む。
【0011】
本発明の他の実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)を含む併用品、例えば、単位調剤に関する。実施形態の一つの態様で、前記併用品は、異脂肪血症及び関連症状、腎疾患、高コレステロール血症、総コレステロール(総−C)上昇、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)上昇、及びアポリポタンパク質(アポB)上昇、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)低下、シトステロール上昇、カンペステロール上昇、シトステロール血症、コレステロールに関連する良性及び悪性腫瘍、並びに/又は前記組み合わせでの治療が利するであろう他の何れかの症状の1種以上の治療に、更には高トリグリセリド血症、血管疾患、アテローム硬化性疾患及び関連症状の患者、心血管性及び血管性異変の予防又は低減、並びにトリグリセリドレベル、インスリン抵抗性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減を必要としている患者の処置に使用する。好ましい態様は、混合型異脂肪血症、複合型高脂血症、及び非HDL−Cの低下の治療を含む。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、以下を精査すること、又は本発明の実施により習熟することで当業者に明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の組成物及び方法での使用に特に好ましいアゼチジノン系化合物は、エゼチミブ若しくはその立体異性混合物、ジアステレオ異性的に純粋な、鏡像異性的に濃縮した、若しくは鏡像異性的に純粋なその異性体、又はかかる化合物のプロドラッグ、その混合物若しくは異性体、又は当該化合物、混合物、異性体若しくはプロドラッグの薬学的に許容できる塩である。別の好ましいアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブのフェノール性グルクロニド若しくはその立体異性混合物、ジアステレオ異性的に濃縮した、ジアステレオ異性的に純粋な、鏡像異性的に濃縮した、若しくは鏡像異性的に純粋なその異性体、又はかかる化合物のプロドラッグ、その混合物若しくは異性体、又は当該化合物、混合物、異性体若しくはプロドラッグの薬学的に許容できる塩である。本発明の組成物及び方法で使用するための他の2種のエゼチミブ関連類似体及びコレステロール吸収阻害剤は、例えば、1)SCH 58053すなわち(+)−7−(4−クロロフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−3R−(4−ヒドロキシフェニル)2−アザスピロ[3,5]ノナン−1−オン)(J.Lipid Res.、43:1864−1873(2002)参照)、及び2)SCH 48461すなわち(3R)−3フェニルプロピル)−1,(4S)−ビス(4−メトキシフェニル)−2−アゼチジノン(J.Med.Chem.、41:973−980(1998)参照)と文献で示されている。
【0014】
エゼチミブの作用態様には、腸管でのコレステロール吸収及び再吸収の阻害が関わっている。この作用機構には、コレステロール、及び腸内で産生されるその代謝物が、糞便と共に排出されるのを高めることにも関わっている。このエゼチミブの効果の結果、体内コレステロールレベルの低下、コレステロール合成の増加、及びトリグリセリド合成の減少が引き起こされる。コレステロール合成の増加は、最初にコレステロール循環レベルの維持をもたらし、最終的にこのレベルはコレステロール吸収及び再吸収の阻害が継続するに伴って減退する。薬物作用の全体的な効果は、身体のコレステロールの循環及び組織レベルの低下である。
【0015】
本願明細書の「プロドラッグ」の表現は、投与後に、化学的又は物理的プロセス(例えば、生理的pHに導かれるとプロドラッグが所望の薬物形態に変換する)を介してインビボで薬物を遊離する、薬物前駆体である化合物を指す。典型的なプロドラッグは、例えば、その化合物の加水分解できるエステル形成残基により、切断に伴い対応する遊離酸を遊離する。
【0016】
本発明の組成物は、基本的には、有効な用量又は薬学的に有効な量又は治療上有効な量のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)、及び/又はそのフェノール性グルクロニド若しくは少なくとも1種のエゼチミブの薬理学的に活性な類似体を含む。
【0017】
本願明細書で、「オメガ−3脂肪酸」の用語は、天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸、又は薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体(例えば、Zaloga et al.、米国特許出願公開第2004/0254357号明細書、及びHorrobin et al.、米国特許第6245811号明細書(これらの開示内容は各々、援用によって本明細書の内容の一部をなす)参照)、その前駆体又は塩、及びそれらの混合物を含む。オメガ−3脂肪酸油の例として、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、及びα−リノレン酸などの、オメガ−3多価飽和、長鎖脂肪酸;モノ−、ジ−及びトリグリセリドなどの、グリセロールとオメガ−3脂肪酸のエステル;並びに脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸エチルエステルなどの、オメガ−3脂肪酸と一級、二級又は三級アルコールのエステルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいオメガ−3脂肪酸油は、EPA又はDHAなどの長鎖脂肪酸、そのトリグリセリド、そのエチルエステル及びそれらの混合物である。オメガ−3脂肪酸又はそれらのエステル、誘導体、接合体、前駆体、塩、及びそれらの混合物は、それらの純品にて、又は魚油、好ましくは精製魚油濃縮物などの油の成分としての何れかで使用できる。本発明での使用に好適なオメガ−3脂肪酸の市販品の例として、Incromega F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525及びE5015(Croda International PLC、Yorkshire、England)、及び EPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、K85TG、K85EE、K80EE及びEPAX7010EE(Pronova Biocare a.s.、1327 Lysaker、Norway)が挙げられる。
【0018】
好ましい組成物として、米国特許第5502077、5656667及び5698694号明細書(これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載のオメガ−3脂肪酸が挙げられる。
【0019】
別の好ましい組成物は、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、更に一層好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%、又は更には、少なくとも90重量%の濃度で存在するオメガ−3脂肪酸を含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、更に一層好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも80%、約84重量%などのEPA及びDHAを含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、約5〜約100重量%、より好ましくは約25〜約75重量%、更に一層好ましくは約40〜約55重量%、最も好ましくは約46重量%のEPAを含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、約5〜約100重量%、より好ましくは約25〜約75重量%、更に一層好ましくは約30〜約60重量%、最も好ましくは約38重量%のDHAを含む。以上のパーセントはすべて、別途示さない限り、組成物中の総脂肪酸含有量に対する重量パーセントである。重量パーセントは、遊離酸又はエステル型に基づくものであってもよいが、本発明に従って他の型が利用されない場合であっても、オメガ−3脂肪酸のエチルエステル型に基づくものであるのが好ましい。
【0020】
EPA:DHA比は、99:1〜1:99、好ましくは4:1〜1:4、より好ましくは3:1〜1:3、最も好ましくは2:1〜1:2であってもよい。オメガ−3脂肪酸は、純粋なEPA又は純粋なDHAを含んでもよい。
【0021】
オメガ−3脂肪酸組成物は、任意に、アルファ−トコフェノールなどの化学的抗酸化剤、大豆油及び部分的水素化植物油などの油、並びに分画ヤシ油、レシチン及びこれらの混合物などの滑沢剤を含む。
【0022】
オメガ−3脂肪酸の最も好ましい型は、Omacor(登録商標)オメガ−3酸(K85EE、Pronova Biocare A.S.、Lysaker、Norway)であり、好ましくは(投薬形態ごとに)以下の特性を有する。
【0023】
【表1】

【0024】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤及び/又はオメガ−3脂肪酸は、当該技術分野で知られた如何なる方法で投与されてもよい。かかる形態として、経口、経直腸、経鼻、局所(口腔内及び舌下を含む)又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含む)投与が挙げられる。これらの組成物は、好ましくは経口投与される。
【0025】
本発明の組成物中の活性成分の用量は変動してもよいが、活性成分の量を好適な投薬形態が得られるようにすることは必要である。調剤は、所望の治療効果、投与経路、及び治療期間によって選択する。本発明のいくつかの実施形態の組成物は、基本的には、有効な用量、薬学的に有効な量、又は治療上有効な量の、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む。
【0026】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との併用品は、当該技術分野で知られるように、カプセル、錠剤や、飲料、液剤、軟質ゼラチンカプセル、又はカプセル中の経口液剤など、他の簡便な投薬形態に分散させることのできる粉末にて投与してもよい。いくつかの実施形態で、カプセルは硬質ゼラチンで構成される。併用品は、注射又は注入に好適な液剤に含ませてもよい。
【0027】
本発明の活性成分である、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)とは、1種以上の不活性医薬成分(本願明細書で、一般に「賦形剤」としても知られる)の組み合わせと共に投与してもよい。不活性成分は、例えば、活性成分を、適用可能且つ有効な製剤で、安全、便利であり、その他の点で使用に認容性のものへと、可溶化、懸濁、高粘度化、希釈、乳化、安定化、保存、保護、着色、着香、及び創出するのに役立つ。よって、不活性成分は、コロイド状二酸化珪素、クロスポビドン、乳糖一水和物、レシチン、微結晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン及びキサンタンガムを含んでもよい。
【0028】
ほとんどの実施形態で、賦形剤には主に、プロピレングリコールモノカプリレート、グリセロールと長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステルとの混合物、ポリエトキシル化ヒマシ油、グリセロールエステル、オレオイルマクロゴールグリセリド、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの界面活性剤、エタノール、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールなどの共溶媒、並びにヤシ油、オリーブ油又はサフラワー油などの油が含まれる。界面活性剤、共溶媒、油、又はそれらの組み合わせの使用は、製薬技術分野で一般的に知られており、当業者が理解するであろう通り、何れの好適な界面活性剤でも、本発明及びその実施形態に関連して使用してもよい。
【0029】
オメガ−3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約0.5g〜約8g、最も好ましくは約0.75g〜約4gの一日量で投与できる。好ましくは、単位投薬形態で、オメガ−3脂肪酸は、約0.1g〜約2g、好ましくは約0.5g〜約1.5g、より好ましくは約1gの量で存在するようにする。
【0030】
本発明の一実施形態で、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)は通常、約2mg〜150mg、より好ましくは約5mg〜約100mg、より一層好ましくは約10mg〜約50mgの量を投与できる。
【0031】
本発明のいくつかの変形形態で、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物(好ましくはOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸)との組み合わせは、単回投与又は単位調剤に製剤化される。
【0032】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物の調剤は、1〜10の調剤にて、1日に1〜4回の好ましい回数の調剤で共に投与できる。
【0033】
いくつかの好ましい実施形態では、軟質ゼラチンカプセルを使用する。軟質ゼラチンカプセルの製造は、当業者によって一般的に知られている。例えば、Ebert(1978)、”Soft Elastic Gelatin Capsules:A Unique Dosage Form”、Pharmaceutical Technology 1(5)(この開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)を参照のこと。いくつかの実施形態で、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)、及び/又はオメガ−3脂肪酸の混合物を、軟質ゼラチンカプセルに入れる。特定の実施形態で、軟質ゼラチンカプセル中の活性成分は、可溶化剤と組み合わせられる。可溶化剤として、界面活性剤、親水性又は疎水性溶媒、油又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
使用してもよい可溶化剤の1つのタイプは、ビタミンE物質である。この群の可溶化剤には、α−、β−、γ−、δ−、ζ1−、ζ2−及びη−トコフェロールの群に属する物質、それらのdl、d及びl型、並びにそれらの構造的類似体(トコトリエノール、対応する誘導体、例えば、有機酸で生成するエステルなど);並びにそれらの混合物が含まれる。好ましいビタミンE物質可溶化剤として、トコフェロール、トコトリエノール、並びに酢酸、プロピオン酸、胆汁酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ポリエチレングリコールコハク酸及びサリチル酸などの有機酸とのトコフェロール誘導体が挙げられる。特に好ましいビタミンE物質可溶化剤として、アルファ−トコフェロール、アルファ−トコフェリルアセテート、アルファ−トコフェリル酸スクシネート、アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
別の群の可溶化剤は、有機酸の一価アルコールエステルである。一価アルコールは、例えば、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、脂肪アルコール、フェノール、クレゾール、ベンジルアルコール又はシクロアルキルアルコールであることができる。有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、炭素数6〜22の脂肪酸、胆汁酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸及びサリチル酸であることができる。この群の好ましい可溶化剤として、クエン酸トリアルキル、低級アルコール脂肪酸エステル及びラクトンが挙げられる。好ましいクエン酸トリアルキルとして、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、及びそれらの混合物が挙げられ、クエン酸トリエチルが特に好ましい。特に好ましい低級アルコール脂肪酸エステルとして、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、カプロン酸エチル、カプリン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びそれらの混合物が挙げられる。ラクトンは、可溶化剤としても働くことがある。例として、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、その異性体、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0036】
可溶化剤は、含窒素溶媒であってもよい。好ましい含窒素溶媒として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム及びそれらの混合物(ここで、アルキルは、C1−12分枝状又は直鎖状アルキルである)が挙げられる。特に好ましい含窒素溶媒としては、N−メチル2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドン又はそれらの混合物が挙げられる。或いは、含窒素溶媒は、ポリビニルピロリドンなどのポリマーの形態であってもよい。
【0037】
可溶化剤の別の群には、リン脂質が含まれる。好ましいリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、レシチン、リゾレシチン、リゾホスファチジルコリン、ポリエチレングリコール化リン脂質/リゾリン脂質、レシチン/リゾレシチン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
好ましい可溶化剤の別の群は、グリセロールアセテート及びアセチル化グリセロール脂肪酸エステルである。好ましいグリセロールアセテートとして、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、及びそれらの混合物が挙げられ、トリアセチンが特に好ましい。好ましいアセチル化グリセロール脂肪酸エステルとして、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0039】
更に、可溶化剤はグリセロール脂肪酸エステルであってもよい。脂肪酸成分は、炭素数約6〜22である。グリセロール脂肪酸エステルは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、又はそれらの混合物であることができる。好ましいグリセロール脂肪酸エステルとして、モノグリセリド、ジグリセリド、炭素数約6〜12の脂肪酸の中鎖トリグリセリド、及びそれらの混合物が挙げられる。特に好ましいグリセロール脂肪酸エステルとして、炭素数約6〜12の脂肪酸の中鎖モノグリセリド、炭素数約6〜12の脂肪酸の中鎖ジグリセリド、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0040】
可溶化剤は、プロピレングリコールエステルであってもよい。好ましいプロピレングリコールエステルとして、プロピレンカーボネート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アセチル化プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びそれらの混合物が挙げられる。或いは、プロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコール脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸ジエステル、又はそれらの混合物であってもよい。脂肪酸は、約6〜22の炭素原子を有する。プロピレングリコールエステルがプロピレングリコールモノカプリレート(CAPRYOL(登録商標))であることが、特に好ましい。他の好ましいプロピレングリコールエステルとして、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプレート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート及びそれらの混合物が挙げられる。
【0041】
別の群の可溶化剤は、エチレングリコールエステルである。エチレングリコールエステルとして、モノエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。更なる例として、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコール脂肪酸モノエステル、エチレングリコール脂肪酸ジエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。或いは、エチレングリコールエステルは、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル、又はそれらの混合物であってもよい。脂肪酸成分はやはり、約6〜22の炭素原子を含むであろう。特に好ましいエチレングリコールエステルは、商標名、Labrafil(登録商標)及びLabrasol(登録商標)で市販されているものである。
【0042】
例えば4〜25アルキレン部分のポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル(ポリソルベートとも称される)、例えばモノ−及びトリ−ラウリル、パルミチル、ステアリル及びオレイルエステルで、既知のタイプのもの、また商品名Tween(登録商標)の市販品も、界面活性剤として好適である。
【0043】
使用してもよい親水性溶媒として、アルコール、例えば、水に混和可能なアルコール、例えば、絶対エタノール、又はグリセロールが挙げられる。他のアルコールとして、グリコール、例えば、エチレンオキシドなどのオキシドから得られる何れかのグリコール、例えば、1,2−プロピレングリコールが挙げられる。他の例としてポリオール、例えば、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(C2−3)アルキレングリコールが挙げられる。代表的な例は、ポリエチレングリコールである。或いは、親水性成分は、好ましくはN−アルキルピロリドン、例えば、N−(C1−14アルキル)ピロリドン、例えば、N−メチルピロリドン、クエン酸トリ(C1−4アルキル)、例えば、クエン酸トリエチル、ジメチルイソソルビド、(C−C13)アルカン酸、例えば、カプリル酸、又はプロピレンカーボネートを含んでよい。
【0044】
親水性溶媒は、例えば、アルコール(例えばC1−4−アルコール(例えばエタノール))などの主成分又は単独成分、或いは併用成分(例えば、部分低級エーテル又は低級アルカノールから選択してもよい)を含んでもよい。好ましい部分エーテルは、例えば、Transcutol(登録商標)(式C−[O−(CH−OHを有する)、Glycofurol(登録商標)(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテルとしても知られる)、又はエタノールなどの低級アルカノールである。
【0045】
1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、濃縮したオメガ−3脂肪酸との併用品は、オメガ−3脂肪酸油中の1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の溶解性により補助される。本発明のいくつかの実施形態で、単位投薬形態の医薬組成物は、天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系の中に本質的に溶解された1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(約10%未満の、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、溶媒系中で不溶である)を含む、本質的に均一な溶液を含む。1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を、オメガ−3脂肪酸油に実質的に溶解させ、実質的に均一な組成物を提供する。好ましくは、本発明の本態様は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を溶解させるのに、多量の可溶化剤を含んでいない。好ましくは、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、大量の可溶化剤(オメガ−3脂肪酸以外)を用いることなく医薬組成物に含められ、且つ実質的に溶解している(すなわち、10%未満、好ましくは5%未満が、溶媒系中で溶解せずに残る)。
【0046】
好ましい実施形態で、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤は完全に溶解している。好ましい実施形態で、オメガ−3脂肪酸以外の可溶化剤が多少とも存在するなら、投薬形態中の溶媒系の総重量に基づき50%(重量/重量)以下の量、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より一層好ましくは20%以下、更に一層好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下の量にて存在する。いくつかの実施形態で、溶媒系はオメガ−3脂肪酸以外の可溶化剤を含有しない。本願明細書の、「溶媒系」には、通常は油の形態のオメガ−3脂肪酸が含まれる。他の好ましい実施形態で、他の可溶化剤(1種又は複数種)に対するオメガ−3脂肪酸の重量比は、少なくとも0.5〜1、より好ましくは少なくとも1〜1、より一層好ましくは少なくとも5〜1、最も好ましくは少なくとも10〜1である。
【0047】
好ましい実施形態で、オメガ−3脂肪酸は、投薬形態中の溶媒系の総重量に基づき少なくとも30%(重量/重量)、より好ましくは少なくとも40%、より一層好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%の量にて存在する。特定の実施形態で、前記の量は、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%であることができる。
【0048】
本質的に均一な溶液を含む投薬形態は、室温(約23℃〜27℃、好ましくは約25℃)にて相対湿度60%で、少なくとも1カ月、好ましくは少なくとも6カ月、より好ましくは少なくとも1年、最も好ましくは少なくとも2年の期間、安定であるべきである。「安定な」で出願人が含意するのは、可溶化した1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、幾らか相当な程度、例えば10%未満、好ましくは5%未満の量、溶液から析出すべきでないことである。
【0049】
更に、本質的に均一な溶液を含む投薬形態は、前記1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が分解しないように保つべきである。いくつかの実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤とオメガ−3脂肪酸との単位投薬形態を含み、ここで、室温で相対湿度60%にて1カ月保管した後、最初の測定時間(t)に、投薬形態中、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の初期量の少なくとも90%が維持されるべきである。
【0050】
併用品は、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(1種又は複数種)とオメガ−3脂肪酸(1種又は複数種)と、任意に親水性溶媒(1種又は複数種)、界面活性剤(1種又は複数種)、他の可溶化剤、及び/又は他の賦形剤を組み合わせることにより、当業者によって知られる何れの方法によって製造してもよい。
【0051】
本発明の他の実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の、オメガ−3脂肪酸中の懸濁液に関する。いくつかの実施形態で、懸濁液は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の固体結晶粒子、固体非晶質粒子、又はそれらの混合物を、オメガ−3脂肪酸中に含む。他の実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の、オメガ−3脂肪酸中の懸濁液を含む医薬組成物を包含し、ここで1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の一部は、オメガ−3脂肪酸に、又は組成物の別の成分に可溶化されている。例えば、いくつかの実施形態で、本発明は、オメガ−3脂肪酸及び1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む医薬組成物を提供し、ここで1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の約1−15重量%は溶液中に、残りの1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤は懸濁液中に存在する。
【0052】
他の実施形態で、本発明は、オメガ−3脂肪酸、及び1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む医薬組成物を提供し、ここで1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の重量の少なくとも約80%、好ましくは約85%、より好ましくは約90%、より一層好ましくは約95%、最も好ましくは約99%は、懸濁液中に固体粒子として存在する。
【0053】
本発明の別の実施形態は、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤でコーティングされた軟質ゼラチンカプセルに関する。かかる実施形態で、軟質ゼラチンカプセルの外側に適用されるコーティングの少なくとも1つは、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、被膜形成材料及び/又は結合剤などのコーティング材料、並びに滑沢剤、充填剤及び抗付着剤などの任意成分としての他の従来の添加物を含む。好ましいコーティング材料は、抗酸化剤、可溶化剤、キレート剤、及び/又は吸収促進剤を含むであろう。界面活性剤は、可溶化剤及び吸収阻害剤の両方として作用してもよい。
【0054】
コーティング(1種又は複数種)は、パンコーティング、流動床コーティング又はスプレーコーティングなどの従来技術の何れによって適用してもよい。コーティング(1種又は複数種)は、懸濁液、スプレー、粉塵又は粉末として適用してもよい。コーティング(1種又は複数種)は、当該技術分野でよく知られた方法に従って、第二API(医薬活性成分)の即時放出、遅延/腸溶放出又は徐放用に製剤化してもよい。従来のコーティング技術は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(1990)に記載されており、この開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0055】
即時放出コーティングは、製品のエレガンスを向上するためや、防湿バリア、並びに味及び臭気の遮蔽のために、通常使用される。胃液中での被膜の迅速な分解が重要であり、これで有効な崩壊及び溶解がもたらされる。Eudragit RD100(Rohm)は、かかるコーティングの一例である。これは、水に不溶の陽イオン性メタクリレート共重合体と、水溶性セルロースエーテルとの組み合わせである。これは粉末形態で、乾燥して平滑な被膜を残す、容易にスプレー可能な懸濁液へと、簡単に調合できる。かかる被膜は、pH及び膜厚に非依存的な速度にて、水生媒体中で速やかに崩壊する。
【0056】
水若しくは好適な有機溶媒中のポリマーの溶液を使用し、パンコーティング若しくは流動床コーティングなどの従来のコーティング技術によって、又は水性ポリマー懸濁液を使用することによって、保護コーティング層(すなわち、シールコート)を必要に応じて適用してもよい。保護層に好適な材料として、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース水性懸濁液等のセルロース誘導体が挙げられる。保護コーティング層は、抗酸化剤、キレート剤、着色剤又は色素を含んでもよい。
【0057】
水若しくは好適な有機溶媒中のポリマーの溶液を使用し、パンコーティング若しくは流動床コーティングなどの従来のコーティング技術によって、又は水性ポリマー懸濁液を使用することによって、シールコートして、又はシールコートせずに、腸溶コーティング層を核心に適用してもよい。あらゆる市販のpH感受性ポリマーが含まれる。医薬活性成分は、およそ4.5を下回る酸性の胃の環境では放出されないが、この数値に限定されることはない。医薬活性成分は、更に高いpHでpH感受性層が溶解する際;所定の遅延時間経過後;又は単位が胃を通過した後に、利用可能となるべきである。好ましい遅延時間は、2〜6時間の範囲にある。
【0058】
腸溶性ポリマーとして、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、共重合メタクリル酸/メタクリル酸メチルエステル、例えば、商品名EUDRAGIT L12.5、L100、若しくはEUDRAGIT S12.5、S100にて知られる材料など、又は腸溶コーティングを得るのに用いられる類似の化合物が挙げられる。水性コロイド状ポリマー懸濁液又は再懸濁液、例えば、EUDRAGIT L30D−55、EUDRAGIT L100−55、EUDRAGIT S100、EUDRAGIT製剤4110D(Rohm Pharma);AQUATERIC、AQUACOAT CPD 30(FMC);KOLLICOAT MAE 3OD及び30DP(BASF);EASTACRYL 3OD(Eastman Chemical)を適用することもできる。
【0059】
徐放性フィルムコートは、ロウ若しくはロウ状物質、脂肪アルコール、シェラック、ゼイン、水素化植物油、水に不溶なセルロース、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のポリマー、並びに当該技術分野で知られた他の何れかの緩徐消化可能又は分散性の固体などの、水に不溶な材料を含んでもよい。疎水性コーティング材料用の溶媒は、有機性又は水性のいずれかであってもよい。好ましくは、疎水性ポリマーは、(i)アルキルセルロース(好ましくはエチルセルロース)などの、水に不溶なセルロース系ポリマー;(ii)アクリル系ポリマー;又は(iii)それらの混合物から選択される。本発明の他の好ましい実施形態で、徐放性コーティングを含む疎水性材料は、アクリル系ポリマーである。薬学的に許容できるアクリル系ポリマーの何れでも、本発明の目的に使用できる。アクリル系ポリマーは、陽イオン性、陰イオン性又は非イオン性ポリマーであってもよく、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルで形成されるメタクリレート、アクリレートであってもよい。好適なアクリル系ポリマーの例として、アクリル酸及びメタクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート、シアノ(cynao)エチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合体、メタクリル酸共重合体、アミノアルキルメタクリレート共重合体、メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミン共重合体、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、メチルメタクリレート、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)共重合体、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸無水物)、及びグリシジルメタクリレート共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
バリアコートを、外側コーティングと軟質ゼラチン殻との間に含ませてもよい。バリアコートは、腸溶/遅延放出コーティング(前記の通り)、又はバリア(非機能性)層で、保護コートとして働き、外のAPI成分に殻から浸出する(又はその逆)ことを防ぐもので構成されてもよい。
【0061】
本発明の一実施形態で、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤(好ましくはエゼチミブ)は、オメガ−3脂肪酸の混合物と共に、第一部分と第二部分とに分割され、一方の部分はコーティングに配置され、そして第二部分は軟質ゼラチンカプセル内に配置される。この投薬形態では、第一部分の投与と第二部分の投与との間に、例えば、バリア層として提供する腸溶コーティングによってラグタイムが設けられる。他の実施形態では、第一部分の即時放出と、第二部分の遅延放出又は徐放を伴うようにする。更なる実施形態では、第一部分の遅延放出と、第二部分のボーラス投与を伴うようにする。
【0062】
コーティング技術は医薬産業にて幅広く使用されているが、例えば、単回投薬形態への機能性又は非機能性コートの適用のため、及びシュガービーズへのAPIの沈着のために、軟質ゼラチンカプセルのコーティングに際して遭遇する可能性のある課題がいくつか存在する。これらの課題は、投薬形態及びゼラチンの性質によると考えられる場合が多い。軟質ゼラチンカプセルは、通常、油又は親水性液剤(充填液)中に溶解又は分散した薬剤を含む。軟質ゼラチンカプセルの固有の可撓性は、カプセル殻中の残留水分及び可塑剤の存在によるものである。よって、軟質ゼラチンカプセルは、従来の錠剤又は硬質ゼラチンカプセルよりも動的な系である。外界の水分が、カプセル殻に、又は充填液内に透過することがある。薬物又は充填液は、カプセル殻内に転位することがあり、一方可塑剤又は残留水ゼラチンは充填液内に転位し得る潜在性がある。軟質ゼラチンカプセル内の揮発性成分は、大気に逃散することがある。
【0063】
前記の通り、ポリマーのコーティングは通常、水系溶液、有機系溶液又は懸濁液として適用するが、この際ポリマー含有液滴は空気を用いて霧状にし、基質に噴霧する。溶媒の蒸発と被膜形性を促進すべく、コーティング装置に熱を加えてもよい。軟質ゼラチンカプセルの場合、スプレー速度及び床温度の処理パラメータを制御しなければならない。ゼラチンは水に可溶性であるから、水系ポリマー材料を高速でスプレーすると、ゼラチンの可溶化とカプセルの凝集を導く可能性がある。高い床温度は、カプセル殻からの残留水の蒸発を引き起こすことがあり、その結果カプセルの脆弱化がもたらされることにもなる。従って、本発明は、このような結果が回避される、軟質ゼラチンカプセルをコーティングする方法を含む。
【0064】
更に、低用量の1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の、軟質ゼラチンカプセルの表面への高精度での沈着は、いくつかの因子によって影響を受ける可能性がある。沈着の精度は、コーティングしたカプセルの質量の分散、及びコーティングした1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の含有量の分散を含む、コーティング均一性を評価することによって立証される必要がある。
【0065】
本発明は、オメガ−3脂肪酸の混合物を含む軟質ゼラチンカプセルを、コーティング材料及び1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含むコーティングを用いてコーティングする方法であって、当該方法が、軟質ゼラチンカプセルへのコーティングの沈着速度を制御すること、及びコーティングプロセスの間の温度を制御して物理的及び化学的に安定なコーティングされた軟質ゼラチンカプセルを作製することを含む方法を提供する。
【0066】
他の実施形態で、本発明のコーティングは、硬質ゼラチンカプセル又は錠剤に適用してもよい。硬質ゼラチンカプセルは、液剤に代えて、粉末、ビーズ又は微小錠剤を含んでもよい(例えば、米国特許第5681588号明細書(この開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に類似のシステム)。
【0067】
本発明の更に他の実施形態に含まれるのは、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤とオメガ−3脂肪酸との単位調剤で、室温で相対湿度60%にて1カ月保管した後、最初の測定時間(t)に、投薬形態中、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の初期量の少なくとも90%が維持されるべきものである。
【0068】
いくつかの実施形態で、本発明の組み合わせにより、片方又は両方を従来の最高強度用量で投与した場合に、従来技術の剤形と比較して、各活性成分の有効性の向上を可能にしてもよい。他の実施形態で、本発明の剤形により、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤及び/又はオメガ−3脂肪酸の調剤を、各活性成分の有効性をなお維持するか、又は一層向上させるかしつつ、従来技術の剤形と比較してその量の低減を可能にしてもよい。
【0069】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物との本発明の組み合わせで、この2種の薬物単独から期待される併用又は相加的な如何なる効果よりも強い効果を可能にしてもよい。こうして、2つの活性成分を、別々に、又は本発明の新規併用品により組み合わせた治療によって、活性成分の効果の予想外な増加を引き起こすこともあり、標準の調剤で有効性を高めること、又は2つの活性成分の調剤の量を低減しても有効性を維持することが可能になる。薬物又は他の活性成分の生物学的利用性又は有効性の向上で、毎日の投薬量の適切な低減が可能になることは、実際に充分認容されている。投薬量の低下、及び賦形剤(例えば、界面活性剤)の低減の結果、望ましくない副作用の何れも低減され得る。
【0070】
アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤と、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物との組み合わせの単回投与の利用で、アゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤とエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ−3脂肪酸の混合物との有効性を高めることにより従来技術の限界が克服され、そして従来技術におけるよりも少量の賦形剤で高い有効性の治療を実現し得る。
【0071】
本明細書で参照する引用文献の開示内容は全て、援用によって本明細書の内容の一部をなす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a.天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物、並びに任意に可溶化剤を含む単位投薬形態と、
b.該単位投薬形態上の、1種以上の外側コーティング(少なくとも1種の外側コーティングは、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む)と、
c.任意成分として、該単位投薬形態と1種以上の外側コーティングの間の1種以上のバリアコーティングと、
d.任意成分として、該単位投薬形態上のシールコーティングと、を含む医薬組成物。
【請求項2】
1種以上の外側コーティングが、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の即時放出、遅延/腸溶放出又は徐放のために製剤化される請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
1種以上のバリアコーティングが、天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物の腸溶/遅延放出のために、又は非機能性の保護層として製剤化される請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
単位投薬形態が、軟質ゼラチンカプセル、硬質ゼラチンカプセル、又は錠剤である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、エゼチミブである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
オメガ−3脂肪酸が、少なくとも約70%のEPA及びDHAを含有する請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
約0.1g〜約10gのオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物を含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
約2mg〜約150mgの、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤を含む少なくとも1種の外側コーティングが、物理的及び化学的に安定なコーティングされた単位投薬形態を作製するコーティングプロセスの間に、温度を制御しつつ、且つコーティング沈着の速度を制御しつつ、単位投薬形態にスプレーされる請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
単位投薬形態の医薬組成物であって、天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系中の、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の均一な懸濁液又は本質的に均一な溶液を含む単位投薬形態の医薬組成物。
【請求項11】
オメガ−3脂肪酸が、少なくとも約70%のEPA及びDHAを含有する請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬組成物が、均一な懸濁液を含む請求項10記載の医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも約80%の、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、懸濁液中の固体粒子として存在する請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬組成物が、本質的に均一な溶液を含む請求項10記載の医薬組成物。
【請求項15】
1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤の約10%未満が、溶媒系に溶解していない請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
溶媒系が更に、少なくとも1種の可溶化剤を、溶媒系の総重量に基づき50重量/重量%以下の量で含む請求項14記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬組成物を室温で相対湿度60%にて少なくとも1カ月間保管すると、10%以下の溶解した1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤が、本質的に均一な溶液から沈殿する請求項14記載の医薬組成物。
【請求項18】
異脂肪血症又は関連症状、腎疾患、高コレステロール血症、高血圧、総コレステロール(総−C)上昇、高低密度リポ蛋白質コレステロール(LDL−C)、アポリポタンパク質(アポB)上昇、低高密度リポ蛋白質コレステロール(HDL−C)、シトステロール上昇、カンペステロール上昇、シトステロール血症、コレステロールに関連する良性、悪性腫瘍、冠動脈心疾患、血管疾患、並びに関連障害、異変、及び/又は病徴、高トリグリセリド血症、アテローム硬化性疾患及び関連症状からなる群より選択される1種以上の症状の患者や、心血管性及び血管性異変の予防又は低減、並びにトリグリセリドレベル、インスリン抵抗性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減を必要としている患者を治療する方法であって、有効な量の、1種以上のアゼチジノン系コレステロール吸収阻害剤及び天然若しくは合成のオメガ−3脂肪酸、又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体若しくは塩、又はそれらの混合物を該患者に投与することを含む方法。
【請求項19】
患者が、混合型異脂肪血症、複合型高脂血症、又は高非HDL−Cを有する請求項18記載の方法。

【公表番号】特表2009−515815(P2009−515815A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522866(P2008−522866)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/027726
【国際公開番号】WO2007/011886
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(507185428)レリアント ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】