説明

アムロジピンベシレート及びベナゼプリル塩酸塩の安定した組合わせ

本発明は、ベナゼプリル及びアムロジピンを含んで成る医薬組成物(前記ベナゼプリル及びアムロジピンはお互い物理的接触下にある)、及びその製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アムロジピン(amlodipine)とベナゼプリル(benazepril)との組合わせ療法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
心血管疾患に対する戦いにおいては、我々の現在の兵器は、アンギオテンシン転換酵素インヒビター(ACEI)及びカルシウムチャネル遮断薬(CCB)を包含する。ACEIとCCBとの組合わせ療法は、高血圧、うっ血性心不全、狭心症、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎障害、糖尿病性心筋症、腎不全、周囲の血管系疾患、左室肥大、認知機能障害、卒中、及び頭痛を包含する種々の病状の処理において効果的な相乗結果を達成することができる。ACEIベナゼプリル及びCCBアムロジピンの組合わせは、アメリカ特許第6,162,802号(’802号特許)により記載されている。
【0003】
ベナゼプリルは、3−〔〔1−(エトキシカルボニル)−3−フェニル−(1S)−プロピル〕アミノ〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−(3S)−ベンズアゼピン−1−酢酸一塩酸塩(C24H28N2O5 ・HCl)として化学的に同定されるベナゼプリル塩酸塩として投与され得る。アムロジピンは、(R. S.)3−エチル−5−メチル−2−(2−アミノエトキシメチル)−4−(2−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロ−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボキシレートベンゼンスルホネート(C20H25ClN2O5.AC6H6O3S)として化学的に同定されるアムロジピンベシレートとして投与され得る。
【0004】
ベナゼプリル塩酸塩及びアムロジピンベシレートの組合わせは、経口投与のためのカプセルとして、商品名LOTREL(商標)としてNovartisによりアメリカ合衆国で市販されている。カプセルは、2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピン遊離塩基に等しい量のアムロジピンベシレート、及び10mg又は20mgのベナゼプリル塩酸塩を用いて、4種の異なった強度で配合され、次の利用できる組合わせを提供する:2.5/10mg、5/10mg、5/20mg及び10/20mg. LOTREL(商標)は、高血圧の処理のために示されている。
【0005】
'802号特許は、ベナゼプリル及びアムロジピンが物理的に不相溶性物質であり;従って、単一投与形中に組込まれる場合、それらは物理的に分離されて維持されるべきであることを教授する(第3頁、48−50行)。
本発明者は驚くべきことには、アムロジピン及びベナゼプリルの両者を含む医薬組成物の製造方法(前記2種の薬剤成分の物理的分離を必要としない)を発見した。そのような医薬組成物及びその製造方法が本明細書に提供される。
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
1つの態様においては、本発明は、ベナゼプリル、その溶媒化合物、エステル又は医薬的に許容できる塩、及びアムロジピン、その溶媒化合物、エステル又は医薬的に許容できる塩を含んで成る安定した医薬組成物を提供する。医薬組成物は安定し、すなわち約75%の相対温度で約40℃での約3ヶ月の貯蔵の後、それは、ベナゼプリルに関して、2.5重量%以下の(s, s)−二酸、及び/又はアムロジピンに関して、0.3重量%以下の不純物Dを含む。好ましくは、ベナゼプリルはベナゼプリル塩酸塩であり、そしてアムロジピンはアムロジピンベシレートである。
【0007】
好ましい態様においては、ベナゼプリル及びアムロジピンは、お互い物理的接触下にある。
もう1つの態様においては、前記ベナゼプリル塩酸塩が湿式粒質化により調製され、そして前記アムロジピンベシレートが乾式加工により調製される。
もう1つの態様においては、本発明は、湿式粒質化によりベナゼプリル組成物を調製し;乾式加工によりアムロジピン組成物を調製し;そして前記ベナゼプリル組成物及びアムロジピン組成物を接触し、組合せ医薬組成物を得ることを含んで成る方法を提供する。
【0008】
湿式粒質化は好ましくは、ベナゼプリル塩酸塩と、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、及び微晶性セルロースから成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤とを組合し;湿潤粒質物を得るために粒質化溶液を添加し、ここで前記粒質化溶液が水、及び任意には、ポリソルベート80、ポビドン又は両者を含んで成り;乾燥粒質物を得るために前記湿潤粒質物を乾燥し;そして前記乾燥粒質物を微粉砕する段階を包含する。
【0009】
乾式加工は好ましくは、アムロジピンベシレート、及び第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、コロイド状二酸化珪素から成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤の混合物を篩分けし;そして前記混合物をブレンドする段階を包含する。
【0010】
1つの態様においては、乾式加工はさらに、1又は複数の追加の医薬賦形剤、好ましくはクロスポビドン及び/又はステアリン酸マグネシウムを篩い分けし;そして前記追加の医薬賦形剤を、前記混合物と共にブレンドすることを包含する。
もう1つの態様においては、前記方法は、組合わせ医薬組成物を封入する段階を包含する。
【0011】
1つの態様においては、本発明は、合計ベナゼプリル組成物に対して、約5〜約20重量%のベナゼプリル塩酸塩;約15〜約20重量%の予備ゲル化された澱粉;約25〜約35重量%のラクトース一水和物;約10〜約15重量%の澱粉;約5重量%のクロスポビドン;約15〜約25重量%の微晶性セルロース;約0.1〜約2重量%のポリソルベート80;及び約5重量%のポビドンを含んで成るベナゼプリル組成物を提供する。
【0012】
もう1つの態様においては、本発明は、合計アムロジピン組成物に対して、約2〜約10重量%のアムロジピンベシレート;約25〜約30重量%の第二リン酸カルシウム;約1〜約2重量%のグリコール酸ナトリウム澱粉;約50〜約60重量%の微晶性セルロース; 約1重量%のコロイド状二酸化珪素;約5重量%のクロスポビドン;及び約0.2〜約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含んで成るアムロジピン組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明の特定の記載
1つの態様においては、本発明は、ベナゼプリル、その溶媒化合物、エステル又は医薬的に許容できる塩、及びアムロジピン、その溶媒化合物、エステル又は医薬的に許容できる塩を含んで成る安定した医薬組成物を提供する。本明細書において使用されるような一般的用語アムロジピンは、遊離塩基形を言及する。本発明の安定した医薬組成物においては、ベナゼプリルは好ましくは、ベナゼプリル塩酸塩であり、そしてアムロジピンは好ましくは、アムロジピンベシレートである。
【0014】
医薬組成物は安定しており、すなわち医薬組成物は低レベルの分解生成物を含む。一部、組成物は活性成分の分解を遅延し、そして/又は回避し、それにより、貯蔵の後、活性成分に存在する不純物の量を低める。ベナゼプリルの主要分解生成物は、ベナゼプリルの活性代謝物である(s, s)−二酸(ベナゼプリラット)である。アムロジピンの主要分解生成物は、不純物D(−エチル5−メチル2−〔(2−アミノエトキシ)メチル〕−4−(2−クロロフェニル)−6−メチルピリジン−3,5−ジカルボキシレート)である。ベナゼプリル及びアムロジピンの分解生成物についての規格が表1に要約される。
【0015】
【表1】

【0016】
1つの態様においては、約40℃で約75%の相対温度での約3ヶ月後、医薬組成物は、ベナゼプリルに関して、2.5重量%以下の(s,s)−二酸;及び/又はアムロジピンに関して、0.3重量%以下の不純物Dを含む。
【0017】
好ましい態様においては、ベナゼプリル及びアムロジピンは、お互い物理的接触下にある。物理的接触の例は、錠剤層間の被覆されていない界面での物理的接触、液体経口又は注射形の流体媒体内での物理的触媒、及び2種の活性成分のブレンドされた混合物間での物理的接触を包含する。好ましい態様においては、2種の活性成分を含んで成るブレンドされた混合物は、カプセル充填剤としても使用される。
【0018】
医薬組成物は好ましくは、約10〜約20mg、より好ましくは約10〜約20mgのベナゼプリル塩酸塩を含む。好ましくは、アムロジピンベシレートの量は、約2.5〜約10mgのアムロジピン遊離塩基に対応する。より好ましくは、アムロジピンベシレートの量は、約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピン遊離塩基に対応する。好ましくは、ベナゼプリル:アムロジピンの比率は、約2:1〜約4:1、より好ましくは約2:1又は約4:1の重量比に対応する。
【0019】
1つの態様においては、ベナゼプリル塩酸塩は湿式粒質化により調製され、そしてアムロジピンベシレートが乾式加工により調製される。湿式粒質化及び乾式加工は、さらに下記に詳細に説明される。
【0020】
1つの態様においては、本発明は、ベナゼプリル及びアムロジピンの両者を含んで成る医薬組成物の製造方法を提供する。ベナゼプリル及びアムロジピンの両者を含んで成る医薬組成物は、組合わせ医薬組成物として言及される。前記方法は、湿式粒質化によりベナゼプリル組成物を調製し;乾式加工によりアムロジピン組成物を調製し;そして前記ベナゼプリル組成物及びアムロジピン組成物を接触し、組合せ医薬組成物を得る段階を包含する。図1は、この方法の好ましい態様を示す。
【0021】
湿式粒質化は好ましくは、ベナゼプリル塩酸塩と、1又は複数の医薬賦形剤とを組合し;湿潤粒質物を得るために粒質化溶液を添加し、ここで前記粒質化溶液が水、及び任意には、1又は複数の医薬賦形剤を含んで成り;乾燥粒質物を得るために前記湿潤粒質物を乾燥し;そして前記乾燥粒質物を微粉砕する段階を包含する。医薬賦形剤は、さらに下記に詳細に説明される。ベナゼプリル組成物に関しては、好ましい医薬賦形剤は、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、微晶性セルロース、ポリソルベート80及びポビドンを包含する。
【0022】
乾式加工は好ましくは、アムロジピンベシレート、及び1又は複数の医薬賦形剤の混合物を篩分けし;そして前記混合物をブレンドする段階を包含する。必要なら、篩い分け段階は、凝集物及び異質物質の封入を回避するために実施される。アムロジピン組成物に関しては、好ましい医薬賦形剤は、第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、及びコロイド状二酸化珪素を包含する。好ましくは、混合物は30メッシュを通して篩い分けされる。
【0023】
1つの態様においては、乾式加工はさらに、1又は複数の追加の医薬賦形剤を篩い分けし;そして前記追加の医薬賦形剤を、前記混合物、すなわちとアムロジピン組成物共にブレンドすることを包含する。好ましい態様においては、追加の医薬賦形剤は、それがベナゼプリル組成物と組合された後、アムロジピン組成物とブレンドされる。好ましい追加の医薬賦形剤は、クロスポビドン及びステアリン酸マグネシウムを包含する。好ましくは、クロスポビドンは、30メッシュを通して篩い分けされる。好ましい、ステアリン酸マグネシウムは、50メッシュを通して篩い分けされる。
【0024】
1つの態様においては、前記方法は、組合わせ医薬組成物を封入する段階を包含する。好ましい態様においては、前記方法は、ベナゼプリル塩酸塩と、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、及び微晶性セルロースから成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤とを組合し;湿潤粒質物を得るために粒質化溶液を添加し、ここで前記粒質化溶液が水、ポリソルベート80及びポビドンを含んで成り;乾燥粒質物を得るために前記湿潤粒質物を乾燥し; 前記乾燥粒質物を微粉砕し;アムロジピンベシレート、及び第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、コロイド状二酸化珪素から成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤の混合物を、30メッシュの篩を通して篩い分けし;前記混合物と前記乾燥粒質物とをブレンドし、組合された医薬組成物を形成し;30メッシュの篩を通してクロスポビドンを篩い分けし、;前記クロスポビドンと前記組合された医薬組成物とをブレンドし;50メッシュの篩を通してステアリン酸マグネシウムを篩い分けし;前記ステアリン酸マグネシウムと前記組合された医薬組成物とをブレンドし;そして前記組合された医薬組成物を封入する段階を包含する。
【0025】
1つの態様においては、本発明は、合計ベナゼプリル組成物に対して、約5〜約20重量%のベナゼプリル塩酸塩;約15〜約20重量%の予備ゲル化された澱粉;約25〜約35重量%のラクトース一水和物;約10〜約15重量%の澱粉;約5重量%のクロスポビドン;約15〜約25重量%の微晶性セルロース;約0.1〜約2重量%のポリソルベート80;及び約5重量%のポビドンを含んで成るベナゼプリル組成物を提供する。
【0026】
もう1つの態様においては、本発明は、合計アムロジピン組成物に対して、約2〜約10重量%のアムロジピンベシレート;約25〜約30重量%の第二リン酸カルシウム;約1〜約2重量%のグリコール酸ナトリウム澱粉;約50〜約60重量%の微晶性セルロース; 約1重量%のコロイド状二酸化珪素;約5重量%のクロスポビドン;及び約0.2〜約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含んで成るアムロジピン組成物を提供する。
【0027】
本発明の組成物は、経口投与されるべき薬剤として調製され得る。経口投与のための適切な形は、錠剤、粉末、顆粒、カプセルのような固体形を包含する。
活性成分の他に、本発明の組成物は、1又は複数の賦形剤又はアジュバントを含むことができる。賦形剤は、それを希釈するためには、又はそれを形成するか又はコンシステンシーを付与するために、医薬組成物に添加される不活性成分である。アジュバントは、活性成分の作用を助ける。賦形剤及びアジュバントの選択、及び使用する量は、この分野における経験、及び標準方法及び参照研究の考慮に基づいて、配合科学者により容易に決定され得る。
【0028】
希釈剤は、固体医薬組成物の嵩を高め、そして前記組成物を含む医薬用量形を患者及び取り扱うケアー供与者を、より容易にすることができる。固体組成物のための希釈剤は、例えば微晶性セルロース(例えば、AVICEL(商標))、微小セルロース、ラクトース、澱粉、予備ゲル化された澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、第二リン酸カルシウム・二水和物、第三リン酸カルシウム、マンニトール、粉末化されたセルロース、及びソルビトールを包含する。
【0029】
投与量形、例えば錠剤に圧縮される固体医薬組成物は、圧縮の後、活性成分及び他の賦形剤を一緒に結合することを助ける効用を持つ賦形剤を含むことができる。固体医薬組成物のための結合剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、KLUCEL(商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、METHOCEL(商標))、メチルセルロース、ポビドン(例えば、KOLLIDON(商標)、PLASDONE(商標))、予備ゲル化された澱粉、及び澱粉を包含する。
【0030】
患者の胃における圧縮された固体医薬組成物の溶解速度は、組成物への砕解剤の添加により高められ得る。砕解剤は、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(商標))、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON(商標), POLYPLASDONE(商標))、微晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、予備ゲル化された澱粉、ナトリウム澱粉グリコレート(例えば、EXPLOTAB(商標))及び澱粉を包含する。
【0031】
潤滑剤は、圧縮されていない固体組成物の流動性を改良するために、及び投与量の精度を改良するために添加され得る。潤滑剤として機能することができる賦形剤は、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、粉末化されたセルロース、澱粉、及びタルクを包含する。
【0032】
用量形、例えば錠剤が、粉末化された組成物の圧縮により製造される場合、その組成物は、パンチ及び染料からの圧縮にゆだねられる。いくつかの賦形剤及び活性成分は、ピット及び他の表面不規則性の生成物による獲得を引起すことができる、パンチ及び染料の表面への付着傾向を有する。滑剤は、付着性を低め、そして染料からの生成物の開放を容易にするために組成物に添加され得る。滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレート、グリセリルパルミトステアレート、水素化されたヒマシ油、水素化された植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛を包含する。
【0033】
本発明の用量は、組成物、好ましくは本発明の粉末化された又は顆粒化された固体組成物を含むカプセル(ハード又はソフトシェルのいずれか)であり得る。シェルは、ゼラチンから製造され、そして任意には、可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、及び不透明剤又は着色剤を含む。
【0034】
いずれかの所定の場合、最も適切な投与は、処理される病状の性質及び重症度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は、経口である。投与量は、単位投与量形で便利には、提供され、そして医薬業界において良く知られているいずれかの方法により調製され得る。
【0035】
錠剤化又はカプセル充填のための組成物は、湿式顆粒化により調製され得る。湿式顆粒化においては、粉末形での活性成分及び賦形剤のいくらか又はすべてが、ブレンドされ、そして次に、液体、典型的には粉末の顆粒への凝集を引起す水の存在下で、さらに混合される。顆粒はスクリーンされ、そして/又は微粉砕され、乾燥され、そして次に、所望する粒度にスクリーンされ、そして/又は微粉砕される。次に粒質物は、任意には他の成分と共にカプセル中に充填され得る。この工程は、本発明のベナゼプリル成分のために好ましい工程である。
【0036】
粒質組成物は、乾式粒質化により便利には調製され得る。例えば、活性剤及び賦形剤のブレンドされた組成物が、スラッジ又はシートに圧縮され、そして次に圧縮された粒質物に微粉砕される。続いて、圧縮された粒質物は、錠剤中に圧縮されるか、又はカプセル中に充填される。この技法は、本発明のアムロジピン成分のためにより適切であり、そしてアムロジピン及び賦形剤のブレドされた粉末組成物の使用がより好ましい。
【0037】
本発明のカプセル充填物は、前述のブレンド及び上記に記載される粒質物のいずれかを含んで成ることができるが、しかしながら、アムロジピン及び賦形剤の乾燥ブレンドされた粉末組成物と共に混合された、湿式粒質化により調製されたベナゼプリル粒質物を含むカプセルが最も好ましい。
一定の好ましい態様に関して本発明を記載してきたが、本発明は現在、次の非制限的な例によりさらに例示されるであろう。
【実施例】
【0038】
例1:アムロジピンベシレート/ベナゼプリル塩酸塩カプセル
ベナゼプリル塩酸塩及びアムロジピンベシレートの両者を含むカプセルを、次の方法により製造した。
【0039】
ベナゼプリル塩酸塩粒質物の調製−パートI
次の材料を、グラニュレーターミキサーにおいて混合した:予備ゲル化された澱粉(澱粉STA−RX−1500)、ラクトース一水和物NF(100メッシュ)、ベナゼプリル塩酸塩、澱粉NF、クロスポビドンNF及び微晶性セルロースNF(Avicel PH 101)。粒質化溶液を、ポリソルベート80NF及びPVP K-30(ポビドンUSP)の混合物に、精製された水USPを、混合しながら添加し、そして溶解まで混合を続けることにより調製した。次に粒質化溶液を、グラニュレーターミキサーに添加し、そして粒質物が得られるまで、混合した。次に、粒質物を、流動層ドライヤーにおいて乾燥した。次に、乾燥された粒質物を、振盪のグラニュレーターにおいて微粉砕し、そして容器に配置した。
【0040】
ドライブレンド(アムロジピン)−パートII
次の材料を篩い分けした:アムロジピンベシレート、第二リン酸カルシウムUSP無水物(粉末)及びグリコール酸ナトリウム澱粉NF。次に、篩い分けされた材料を、ブレンダーに移し、そしてブレンドした。微晶性セルロース及びコロイド状二酸化珪素を篩分けし、ブレンダーにおける混合物に添加し、そして混合した。次に、その混合物を、容器に移した。
【0041】
アムロジピン及びベナゼプリル塩酸塩の組合わせ−パートIII
パートIから粒質物及びパートIIからの乾燥混合物をブレンダーに配置し、そしてブレンドした。クロスポビドンを篩い分けし、そしてブレンダーに添加し、そしてその混合物をブレンドした。次に、ステアリン酸マグネシウムを篩分けし、そしてブレンダーに添加し、そしてその混合物をブレンドした。
【0042】
封入−パートIV
パートIII の最終ブレンドを、カプセル中に満たした。特定の組成物が表2に記載される。
【0043】
【表2】

【0044】
例2:安定性の研究
40℃及び75%の相対湿度での3ヶ月にわたって、アムロジピンベシレート/ベナゼプリル塩酸塩カプセルの分解生成物をHPLCにより測定した。結果は、下記表3に要約される。
【0045】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ベナゼプリル及びアムロジピンの混合物を含んで成るカプセルの製造方法についてのフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ベナゼプリル(Benazepril)又はその溶媒化合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び
b)アムロジピン(Amlodipine)又はその溶媒化合物、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る医薬組成物であって、前記ベナゼプリル及びアムロジピンはお互い物理的に分離されず、そして約40℃で約75%の相対温度での約3ヶ月後、
i) ベナゼプリルに関して、2.5重量%以下の(s,s)−二酸;及び/又は
ii) アムロジピンに関して、0.3重量%以下の不純物Dを含む医薬組成物。
【請求項2】
前記ベナゼプリル及びアムロジピンが、お互い物理的接触下にある請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物が封入される請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ベナゼプリルが、ベナゼプリル塩酸塩である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記アムロジピンが、アムロジピンベシレートである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ベナゼプリルが湿式粒質化により調製され、そして前記アムロジピンが乾式加工により調製される請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
a)湿式粒質化によりベナゼプリル組成物を調製し;
b)乾式加工によりアムロジピン組成物を調製し;そして
c)前記ベナゼプリル組成物及びアムロジピン組成物を接触し、そして任意には、賦形剤を添加し、組合せ医薬組成物を得ることを含んで成る方法。
【請求項8】
前記ベナゼプリル組成物が、ベナゼプリル塩酸塩及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記ベナゼプリル組成物が、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、微晶性セルロース、ポリソルベート80及びポビドンから成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ベナゼプリル組成物が、合計ベナゼプリル組成物に対して、
a)約5〜約20重量%のベナゼプリル塩酸塩;
b)約15〜約20重量%の予備ゲル化された澱粉;
c)約25〜約35重量%のラクトース一水和物;
d)約10〜約15重量%の澱粉;
e)約5重量%のクロスポビドン;
f)約15〜約25重量%の微晶性セルロース;
g)約0.1〜約2重量%のポリソルベート80;及び
h)約5重量%のポビドンを含んで成る請求項9記載の方法。
【請求項11】
湿式粒質化によるベナゼプリル組成物の調製が、
a)ベナゼプリル塩酸塩と、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、及び微晶性セルロースから成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤とを組合し;
b)湿潤粒質物を得るために粒質化溶液を添加し、ここで前記粒質化溶液が水、及び任意には、ポリソルベート80、ポビドン又は両者を含んで成り;
c)乾燥粒質物を得るために前記湿潤粒質物を乾燥し;そして
d)前記乾燥粒質物を微粉砕することを含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記アムロジピン組成物が、アムロジピンベシレート及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項13】
前記アムロジピン組成物が、第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、コロイド状二酸化珪素から成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項14】
前記アムロジピン組成物が、合計アムロジピン組成物に対して、
a)約2〜約10重量%のアムロジピンベシレート;
b)約25〜約30重量%の第二リン酸カルシウム;
c)約1〜約2重量%のグリコール酸ナトリウム澱粉;
d)約50〜約60重量%の微晶性セルロース;及び
e)約1重量%のコロイド状二酸化珪素を含んで成る請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記任意に添加される賦形剤が、クロスポビドン及びステアリン酸マグネシウムを含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項16】
前記任意に添加される賦形剤が、合計のアムロジピン組成物に対して、約1〜約5重量%のクロスポビドン及び約0.2〜約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項17】
乾式加工によるアムロジピン組成物の調製が、
a)アムロジピンベシレート、及び第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、コロイド状二酸化珪素から成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤の混合物を篩分けし;そして
b)前記混合物をブレンドすることを含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項18】
a)クロスポビドン及びステアリン酸マグネシウムから成る群から選択された1又は複数の追加の医薬賦形剤を篩い分けし;そして
b)前記追加の医薬賦形剤を、前記混合物と共にブレンドすることをさらに含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項19】
前記組合された医薬組成物を封入することをさらに含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項20】
a)ベナゼプリル塩酸塩と、予備ゲル化された澱粉、ラクトース一水和物、澱粉、クロスポビドン、及び微晶性セルロースから成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤とを組合し;
b)湿潤粒質物を得るために粒質化溶液を添加し、ここで前記粒質化溶液が水、ポリソルベート80及びポビドンを含んで成り;
c)乾燥粒質物を得るために前記湿潤粒質物を乾燥し;
d)前記乾燥粒質物を微粉砕し;
e)アムロジピンベシレート、及び第二リン酸カルシウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、微晶性セルロース、コロイド状二酸化珪素から成る群から選択された1又は複数の医薬賦形剤の混合物を、30メッシュの篩を通して篩分けし;
f)前記混合物と前記乾燥粒質物とをブレンドし、組合された医薬組成物を形成し;
g)30メッシュの篩いを通してクロスポビドンを篩い分けし、;
h)前記クロスポビドンと前記組合された医薬組成物とをブレンドし;
i)50メッシュの篩いを通してステアリン酸マグネシウムを篩い分けし;
j)前記ステアリン酸マグネシウムと前記組合された医薬組成物とをブレンドし;そして
k)前記組合された医薬組成物を封入することを含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項21】
合計ベナゼプリル組成物に対して、
a)約5〜約20重量%のベナゼプリル塩酸塩;
b)約15〜約20重量%の予備ゲル化された澱粉;
c)約25〜約35重量%のラクトース一水和物;
d)約10〜約15重量%の澱粉;
e)約5重量%のクロスポビドン;
f)約15〜約25重量%の微晶性セルロース;
g)約0.1〜約2重量%のポリソルベート80;及び
h)約5重量%のポビドンを含んで成るベナゼプリル組成物。
【請求項22】
合計アムロジピン組成物に対して、
a)約2〜約10重量%のアムロジピンベシレート;
b)約25〜約30重量%の第二リン酸カルシウム;
c)約1〜約2重量%のグリコール酸ナトリウム澱粉;
d)約50〜約60重量%の微晶性セルロース;
e)約1重量%のコロイド状二酸化珪素;
f)約5重量%のクロスポビドン;及び
g)約0.2〜約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含んで成るアムロジピン組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−508948(P2009−508948A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532202(P2008−532202)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/034930
【国際公開番号】WO2007/040511
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】