説明

アルコキシル化ポリアルカノールアミンを有する洗浄組成物

N−(ヒドロキシアルキル)アミンを縮合させることと、並びに縮合生成物の残りのヒドロキシ及び/又は第二級アミノ基をアルキレンオキシド及び/又は前記ポリマーの四級化、プロトン化、硫酸化、及び/又はリン酸化によって得ることができる誘導物と反応させること、によって得ることができる、アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む洗濯洗剤又は洗浄組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含有する洗濯組成物及び洗浄組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
洗剤配合者は、布地から広範の汚れ及びしみを除去するための製品を考案する任務に絶え間なく直面している。化学的に及び物理化学的に、汚れ及びしみの種類は、タンパク、粘土、及び無機汚れなどの極性汚れから、煤煙、カーボンブラック、炭化水素の不完全燃焼の副産物、及び有機汚れなどの非極性汚れまでの範囲におよぶ。環境的持続性及びコストの理由から、洗浄洗剤における界面活性剤濃度を低減するということに、近年の興味及び意欲が高まり、処方における課題が強調されてきた。。界面活性剤濃度の低減は、必然的に、汚れ除去及び脂染み除去の低減をもたらす。更に、低温度での洗浄条件を利用するという世界的な傾向は、典型的な洗剤の洗浄能力を更に弱める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの傾向の結果として、疎水性及び親水性の汚れ洗浄及び白さの維持をもたらす新しい洗濯及び洗浄成分に対する必要性が存在する。材料は、良好な汚れ剥離能力を呈するべきである。これらは、表面上にくすんだ外観をもたらす、繊維製品の表面又は硬表面への再堆積からの浮遊汚れ及び乳化汚れの量も最少化すべきである。新しい成分は、芝生などのプロテアーゼ感受性の染みを除去するための、プロテアーゼとの相乗作用も見せるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、低い界面活性剤濃度又は低温度でも、改善された再付着防止効果及び脂洗浄効果をもたらす新しいアルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む新規の洗濯洗剤及び洗浄組成物に関する。洗濯洗剤又は洗浄組成物は、a)式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物を縮合する工程であって、
【化1】

式中、Aは独立して、C〜C−アルキレンから選択され、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよく、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよい、工程と、b)残りのヒドロキシ基の少なくとも一部分及び/又は、存在する場合は、工程a)でもたらされるポリエーテルの第二級アミノ基の少なくとも一部分を、少なくとも1つのアルキレンオキシド又は前記アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーの誘導体であって、追加の工程c)前記ポリマーの四級化、プロトン化、硫酸化及び/又はリン酸化によって得られることができる誘導体と反応させる工程と、を含むプロセスによって得ることができる、アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書で、用語アルコキシが使用されるとき、用語「アルキル」は、飽和直鎖又は分枝状炭化水素ラジカルを指す。C〜C−アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、及び1,1−ジメチルエチルなどの1〜4の炭素原子を有する飽和直鎖又は分枝状炭化水素ラジカルを指す。任意に置換されたアルキルは、非置換された、又は水素原子の一部分若しくは全てが、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、若しくはC〜C−アルコキシで置き換えられるアルキルラジカルを指す。好ましくは、アルキルは非置換である。
【0006】
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、飽和又は部分的に不飽和の単環式又は二環式の炭化水素ラジカルを指す。好ましくは、用語シクロアルキルは、3〜8、特に3〜6の炭素原子を有する単環式炭化水素ラジカル(C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル)に関する。このような好ましいシクロアルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルである。任意に置換されたシクロアルキルは、非置換された、又は水素原子の一部分若しくは全てが、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C〜C−アルキル若しくはC〜C−アルコキシで置き換えられるシクロアルキルラジカルを指す。好ましくは、シクロアルキルは、非置換であるか、又は1、2、又は3つのC〜C−アルキルラジカルを持つ。
【0007】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」は、フェニル又はナフチル、好ましくはフェニルを指す。任意に置換されたアリールは、非置換された、又は水素原子の一部分若しくは全てが、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C〜C−アルキル若しくはC〜C−アルコキシによって置き換えられるアリールラジカルを指す。好ましくは、シクロアルキルは、非置換であるか、又は1、2、又は3つのC〜C−アルキルラジカルを持つ。
【0008】
本明細書で使用されるとき、用語「C〜C−アルキレン」は、2、3、4、5、又は6つの炭素基の飽和二価直鎖又は分枝状炭化水素鎖を指し、例としては、メチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、2−メチルプロパン−1,2−ジイル、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイル(=1−メチル−プロパン−1,3−ジイル)、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、2−メチル−ブタン−1,3−ジイル、3−メチル−ブタン−1,3−ジイル(=1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジイル)、ペンタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−2,5−ジイル、2−メチルペンタン−2,5−ジイル(=1,1−ジメチルブタン−1,3−ジイル)及びヘキサン−1,6−ジイルが挙げられる。
【0009】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキレンオキシド」は、化合物のアルキル部分において、少なくとも1つ、好ましくは1つ又は2つ、特に1つのエポキシ基を持つ、アルキル又はアルキルアリール化合物に関する。1つのエポキシ基を持つアルキル化合物の例は、エポキシ−エタン(=エチレンオキシド)、エポキシプロパン(=プロピレンオキシド)、1,2−エポキシブタン(=αブチレンオキシド)、2,3−エポキシブタン(=βブチレンオキシド)、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン(=イソブチレンオキシド)、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−2−メチルブタン、2,3−エポキシ−2−メチルブタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、及び3,4−エポキシヘキサンである。1つのエポキシ基を持つアルキルアリール化合物の例は、任意に置換された(1,2−エポキシエチレン)ベンゼン(=スチレンオキシド)化合物である。
【0010】
本明細書で使用されるとき、用語「縮合」は化学反応を指し、水などの小分子のホルマールの損失と共に、2つの対応する官能基の間の共有結合が形成される。好ましくは、縮合という用語は、脱水反応を伴うエーテル化を指す。
【0011】
洗濯洗剤及び洗浄組成物
本発明の洗濯洗剤又は本発明の洗浄組成物は、新しいアルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む。アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーは、
a)式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物を縮合する工程であって、
【化2】

式中、Aは独立して、C〜C−アルキレンであり、
、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよく、
は水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよい、工程と、
b)残りのヒドロキシ基の少なくとも一部分及び/又は、存在する場合は、工程a)でもたらされるポリエーテルの第二級アミノ基の少なくとも一部分を、少なくとも1つのアルキレンオキシド又は前記アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーの誘導体であって、追加の工程c)前記ポリマーの四級化、プロトン化、硫酸化及び/又はリン酸化によって得られることができる誘導体と反応させる工程と、
を含むプロセスによって得ることができる。
【0012】
N−(ヒドロキシアルキル)アミン(I.a)の例は、N−トリ−(2−ヒドロキシアルキル)−アミンである。N−トリ−(2−ヒドロキシアルキル)−アミンは、アンモニアを3つのアルキレンオキシド同等物と反応させることによって得ることができる(アンモノリシス)。そのような化合物(I.a)の好ましい例は、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びトリブタン−2−オラミンである。
【0013】
N−(ヒドロキシアルキル)アミン(I.b)の例は、例えば、式HN−Rの一級アミンを反応させることによって得ることができるN−ジ−(2−ヒドロキシアルキル)−アミンであり、式中、Rは、2つのアルキレンオキシド同等物を伴う上述の意味の1つを有する(アミノリシス)。そのような化合物(I.b)の好ましい例は、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−N−メチルアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシブチル)−N−メチルアミン、N−イソプロピルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−sec−ブチルジエタノールアミン、N−シクロへキシルジエタノールアミン、N−ベンジルジエタノールアミン、N−4−トリルジエタノールアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アニリンなどである。
【0014】
式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される化合物から得ることができる本発明によるポリマーが好ましく、ここでAはメチレン基であり、これは非置換であるか、又はC−アルキルから選択される1つの置換基を持つ。より好ましいのは、Aがメチレン、又は1つのメチル基を持つメチレンである、化合物(I.a)及び/又は(I.b)から得ることができるポリマーである。特に好ましいのは、Aが非置換のメチレンである、化合物(I.a)及び/又は(I.b)から得ることができるポリマーである。
【0015】
更に、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される化合物から得ることができる本発明によるポリマーが好ましく、式中、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は互いに独立して、水素及びC〜C−アルキル、すなわち水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルから選択される。より好ましくは、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は互いに独立して、水素及びメチルから選択される。
【0016】
好ましい一実施形態では、本発明は、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから得ることができるポリマーに関し、式中、R1*、R2*、R3*、R4*、及びR5*は、水素であり、R、R、R、R、及びRは互いに独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択される。より好ましくは、R1*、R2*、R3*、R4*、及びR5*は、水素であり、R、R、R、R、及びRは互いに独立して、水素及びメチルから選択される。
【0017】
本発明によるポリマーは、存在する場合、Rが、好ましくは水素及びC〜C−アルキルから選択される、式(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから得ることができる。
【0018】
本発明によるポリマーは、工程b)において、少なくとも1つのアルキレンオキシドが、エポキシエタン、エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−2−メチルブタン、2,3−エポキシ−2−メチル−ブタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、及び1,2−エポキシエチレンベンゼンから選択されるプロセスによって得ることができるのが好ましい。少なくとも1つのアルキレンオキシドが、エポキシエタン及び/又はエポキシプロパンから選択されるのが、より好ましい。
【0019】
本発明によるポリマーは、1〜100モル、好ましくは2〜80モルの少なくとも1つのアルキレンオキシドを、式(I.a)及び/又は(I.b)の少なくとも1つの化合物の縮合により得ることができるポリエーテルの1モルの残りのヒドロキシ基、及び存在する場合は第二級アミノ基と反応させることによって得ることができるのが好ましい。
【0020】
本発明によるポリマーは、好ましくは、500〜100,000g/モルの範囲、より好ましくは1000〜80,000g/モルの範囲、特に2,000〜50,000g/モルの範囲の数平均分子量を有する。本発明によるポリマーは、好ましくは、1〜10の範囲、特に1〜5の範囲の多分散性(Mw/Mn)を有する。
【0021】
特定の一実施形態では、本発明によるポリマーは、工程a)において、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして5重量%未満、好ましくは1重量%未満の、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物とは異なる共縮合可能な化合物、より好ましくは共縮合可能な化合物が実質的にない、すなわち0.1重量%未満の共縮合可能な化合物が使用(共縮合)されるプロセスによって得ることができる。
【0022】
本明細書で使用されるとき、用語「共縮合可能な化合物」は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの酸性水素原子、例えばジオール又はジアミンを持つ化合物を含む。そのような共縮合可能な化合物の例は、以下に記載される。
【0023】
別の特定の実施形態では、本発明によるポリマーは、工程a)において、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物が、式Y(OH)のポリオールから選択される少なくとも1つの化合物と共縮合されているプロセスによって得ることができ、式中、nは2〜4の整数であり、Yは2〜10の炭素原子を有する二価、三価、又は四価の脂肪族、脂環族、又は芳香族のラジカルを示す。
【0024】
式(OH)の好適なポリオールは、脂肪族ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリ(ヒドロキシメチル)エタン、トリ(ヒドロキシメチル)プロパン又はペンタエリスリット(pentaerythrit)、脂環族ポリオール、例えば1,4−ジヒドロキシチクロヘキサン、及びアリール脂肪族ポリオール、例えば1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどである。
【0025】
存在する場合、式Y(OH)のポリオールは、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして50重量%以下の量で、すなわち0.1〜50重量%の量、より好ましくは1〜25重量%の量で、一般に共縮合される。
【0026】
本発明の更に別の特定の実施形態では、ポリマーは、工程a)において、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物が、式Y’(NHRのポリアミンから選択される少なくとも1つの化合物と共縮合されているプロセスによって得ることができ、式中、mは2〜4の整数であり、Y’は2〜10の炭素原子を有する二価、三価、又は四価の脂肪族、脂環族、又は芳香族のラジカルを示し、RはRに与えられた意味のうちの1つを有し、又は2つのラジカルRは共にC〜C−アルキレン基を形成し得る。
【0027】
式Y’(NHRの好適なポリアミンは、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジンなどである。
【0028】
存在する場合、式Y’(NHRのポリアミンは、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして50重量%以下の量で、すなわち0.1〜50重量%の量、より好ましくは1〜25重量%の量で、一般に共縮合される。
【0029】
本発明によるポリマーを調製するためのプロセスは、
(a)上述のように、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物の縮合によってポリエーテルを得る工程であって、式中、A、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R、R5*、R及びR6*が、上述の意味の1つを有する、工程と、
(b)本プロセスの工程(a)でもたらされる残りのヒドロキシの少なくとも一部分及び/又は、存在する場合は、ポリエーテルの残りの第二級アミノ基の少なくとも一部分を、少なくとも1つのアルキレンオキシドと反応させる工程と、を含む。
【0030】
本発明によるプロセスのためのラジカルA、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R、R5*、R及びR6*の好ましい出発物質及び定義に関して、上に概説された明細事項について述べる。
【0031】
工程a)
この少なくとも1つの、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンの縮合は、例えば欧州特許第0441198号又は米国特許第5,393,463号に記載される条件下で行うことができる。N−(ヒドロキシアルキル)アミンポリエーテルは、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンを、酸、好ましくは亜リン酸(HPO)及び/又は次亜リン酸(HPO)の存在下で縮合することによって調製される。酸、特に亜リン酸及び/又は次亜リン酸は、縮合されるN−(ヒドロキシアルキル)アミンの0.05〜2重量%(100%酸として計算)、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0032】
通常、反応による縮合は、反応の水を留出させるなどの、当業者によく知られている水抜取条件(water withdrawing condition)を使用してもたらされる。一般に、縮合に使用される温度は、120〜280℃、好ましくは150〜260℃、より好ましくは180〜240℃の範囲である。反応は通常、1〜16時間、好ましくは2〜8時間にわたって行われる。有利にも、縮合の程度は、温度及び反応時間を変えることによって制御される。
【0033】
縮合生成物の粘度は、1,000〜50,000mPa.s、好ましくは2,000〜20,000mPa.s、より好ましくは3,000〜10,000mPa.sの範囲である(全ての場合において、20℃の希釈されていない生成物にて測定)。
【0034】
得られる縮合生成物の数平均分子量は、250〜50,000g/モルの範囲、好ましくは500〜25,000g/モルの範囲、より好ましくは1,000〜15,000g/モルの範囲である。
【0035】
得られる縮合生成物のヒドロキシル数は、通常、200〜1,500mg(KOH)/g、好ましくは300〜1,000g/モルの範囲である。
【0036】
N−(ヒドロキシアルキル)アミンの縮合は、有効量の追加の触媒、例えば米国特許第4,505,839号に記載されるように、ハロゲン化亜鉛又は硫酸アルミニウム又はハロゲン化亜鉛/カルボン酸又はAl(SO/カルボン酸の存在下において、上で定義されるように式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物並びに酸を加熱することによってももたらされることができる。好ましい追加の触媒は、ZnCl/酢酸及びAl(SO/酢酸である。一般に、追加の触媒が存在する場合は、縮合されるN−(ヒドロキシアルキル)アミンを基準にして0.01〜5.0重量%、好ましくは約0.01〜1,25重量%の量で使用される。
【0037】
本発明の特定の一実施形態は、工程a)のポリエーテルが、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物の縮合によってもたらされるプロセスであって、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして5重量%未満、好ましくは1重量%未満の、式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物とは異なる共縮合可能な化合物、より好ましくは共縮合可能な化合物が実質的にない、すなわち0.1重量%未満の共縮合可能な化合物が使用されるプロセスに関する。
【0038】
本発明の別の特定の実施形態は、工程a)のポリエーテルが、上で定義されるように、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物と、式Y(OH)のポリオールから選択される少なくとも1つの化合物との共縮合によってもたらされるプロセスであって、n及びYが上述の意味の1つを有するプロセスに関する。プロセスに関する。
【0039】
本実施形態では、式Y(OH)のポリオールは、一般に式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして50重量%以下の量、すなわち式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして0.1〜50重量%の量、より好ましくは1〜25重量%の量で共縮合される。縮合反応に好ましい条件は、上に概説されたものである。酸、特に亜リン酸及び/若しくは次亜リン酸、並びに/又はこの場合は追加の触媒の量は、式(I.a)及び/若しくは(I.b)の、並びに/又は式Y(OH)のポリオールの化合物の累積量をもとに計算される。
【0040】
本発明の更に別の特定の実施形態は、工程a)のポリエーテルが、上で定義されるように、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物と、式Y’(NHRのポリアミンから選択される少なくとも1つの化合物との共縮合によりもたらされるプロセスであって、m、Y’、及びRが上述の意味の1つを有するプロセスに関する。
【0041】
本実施形態では、式Y’(NHRのポリアミンは、一般に式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして50重量%以下の量、すなわち式(I.a)及び/又は(I.b)の化合物の量を基準にして0.1〜50重量%の量、より好ましくは1〜25重量%の量で共縮合される。縮合反応に好ましい条件は、上に概説されたものである。酸、特に亜リン酸及び/若しくは次亜リン酸、並びに/又はこの場合は追加の触媒の量は、式(I.a)及び/若しくは(I.b)の、並びに/又は式Y’(NHRのポリアミンの化合物の累積量をもとに計算される。
【0042】
工程b)
本発明によるプロセスの工程a)で得られた縮合生成物とその少なくとも1つのアルキレンオキシドとの反応は、当該技術分野において既知の一般的なアルコキシル化方法により影響され得る。通常、本発明によるプロセスの工程b)は、好適な塩基の存在下で行われる。好適な塩基は、例えばアルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物、アルカリ水酸化物、アルカリ土類水酸化物、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、アルカリ水素炭酸塩、アルカリ土類水素炭酸塩、並びにこれらの混合物である。好ましい塩基は、アルカリ水酸化物及びアルカリ土類水酸化物、例えばNaOH、KOH又はCa(OH)である。
【0043】
塩基は通常、工程a)で得られた縮合生成物の残りのヒドロキシル基の量を基準にして5〜30重量%の量で使用される。
【0044】
本発明によるプロセスの工程b)から得られるポリマーのアルコキシル化度は、使用される少なくとも1つのアルキレンオキシドの量、並びに反応温度などの反応条件によって決まる。
【0045】
したがって、工程b)において、1〜100モル、好ましくは2〜80モルの少なくとも1つのアルキレンオキシドを、工程a)において得られたポリエーテルの1モルの残りのヒドロキシ基、及び存在する場合は第二級アミノ基と反応させる。工程b)で使用されるこの少なくとも1つのアルキレンオキシドは、5〜60重量%の量の不活性ガスが混ざって含まれていてもよい。
【0046】
通例、工程b)の反応は、好ましくは40℃〜250℃、より好ましくは80℃〜200℃、特に100℃〜150℃の高温で行われる。
【0047】
1つを超えるアルキレンオキシドが本発明によるプロセスの工程b)で使用される場合、得られるポリマーのアルキレンオキシ単位は任意の順序で互いに結合され得る。このように、統計コポリマー、段階コポリマー(gradedcopolymers)、交互コポリマー、又はブロックコポリマーを得ることができる。
【0048】
工程c)
本発明の更なる態様は、c)本発明によるポリマーの四級化、プロトン化、硫酸化、及び/又はリン酸化によって得ることができる誘導体に関する。本発明によるプロセスの工程b)で得られたポリマーに誘導体化が行われてもよく、又はこのようにして得られた誘導体に更なる誘導体化が行われてもよい。誘導体化される好ましいポリマーに関して、上に記載された好ましい実施形態について述べる。したがって、本発明の更なる態様は、上に概説されたようなプロセスの工程a)及び工程b)によって調製されたポリマーに四級化、プロトン化、硫酸化、及び/又はリン酸化を行うことを含む、誘導体を調製するためのプロセスに関する。
【0049】
四級アンモニア基、すなわち荷電カチオン基を含有する本発明によるポリマーの誘導体は、アルキル化剤で四級化することによってアミン窒素原子から生成することができる。これらには、C〜C−ハロゲン化アルキル又は硫酸アルキル、例えば塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル、及び硫酸ジエチルが挙げられる。
【0050】
好ましい四級化剤は、硫酸ジメチルである。荷電カチオン基(四級アンモニア基とは異なる)を含有する本発明によるポリマーの誘導体は、酸でプロトン化することによってやはりアミン窒素原子から生成することができる。好適な酸は、例えば、乳酸などのカルボン酸、又はリン酸、硫酸、及び塩酸などの鉱酸である。
【0051】
本発明によるポリマーの硫酸化は、硫酸又は硫酸の誘導体との反応によってもたらされ得る。このように、酸性アルキルエーテルサルフェートが得られる。好適な硫酸化剤は、例えば、硫酸(好ましくは75〜100%強度、より好ましくは85〜98%強度)、油剤、SO、クロロ硫酸、塩化スルフリル、アミド硫酸などである。塩化スルフリルが硫酸化剤として使用される場合、残りの塩素は、硫酸化の後の加水分解によって交換される。
【0052】
硫酸化剤は、等モル若しくは等量又は超過にて、例えば本発明によるポリマーに存在するOH基1モルあたり1〜1.5モルで使用されることが多い。しかし、硫酸化剤は、等モルを下回る量で使用されてもよい。
【0053】
硫酸化は、溶媒又は添加溶剤の存在下でもたらされ得る。好適な溶媒又は添加溶剤は、例えばトルエンである。硫酸化後、反応混合物は通常、従来の方式で中和され仕上げられる。
【0054】
本発明によるポリマーのリン酸化は、リン酸又はリン酸の誘導体との反応によってもたらされ得る。このように、酸性アルキルエーテルホスフェートが得られる。
【0055】
本発明によるポリマーのリン酸化は一般に、前述された硫酸化に似た方法で行われる。好適なリン酸化剤は、例えば、リン酸、ポリリン酸、五酸化リン、POClなどである。POClが硫酸化剤として使用される場合、残りの塩素は、硫酸化の後の加水分解によって交換される。
【0056】
本発明によるアルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーは、特定の組成物全体を基準として一般に0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.25〜2.5重量%の量で洗濯洗剤及び洗浄組成物に加えることができる。
【0057】
更に、洗濯洗剤及び洗浄組成物は、一般に、界面活性剤及び適切な場合、洗浄物質としての他のポリマー、ビルダー及び更に常習的な成分、例えば、コビルダー、錯化剤、漂白剤、標準化剤、灰色化阻害剤、移染阻害剤、酵素及び香料を含む。
【0058】
本発明のアルコキシル化ポリアルカノールアミンは、C10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び非イオン性、カチオン性、アニオン性又はこれらの混合物から選択される1つ以上の共界面活性剤を含む界面活性剤系を含む洗濯洗剤及び洗浄組成物中で利用することができる。共界面活性剤の選択は、所望の利益により決められてよい。1つの実施形態において、共界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましくはC12〜C18アルキルエトキシレートとして選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である)として選択される。他の実施形態では、共界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、又は約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%の範囲の濃度で用いられる。
【0059】
界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性共界面活性剤、カチオン性共界面活性剤、アニオン性共界面活性剤及びこれらの任意の混合物から選択される共界面活性剤を含んでよい。
【0060】
非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、シェル(shell)製ネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC12〜C18アルキルエトキシレート;C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製プルロニック(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE(xは1〜30);Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられるようなアルキル多糖類;特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号で論じられるようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0061】
半極性非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。
【0062】
陽イオン性共界面活性剤の非限定例としては、米国特許第6,136,769号に議論されるようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号に議論されるようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドを包含する26個までの炭素原子を有してよい四級アンモニウム界面活性剤;国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号に議論されるようなポリアミン陽イオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号に議論されるような陽イオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号に議論されるようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0063】
本明細書で有用な陰イオン性共界面活性剤の非限定例としては、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18第二級(2、3)アルキルサルフェート;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号及び同第99/05244号に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0064】
本発明はまた、本発明のアルコキシル化ポリアルカノールアミン並びにC〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤及び共界面活性剤を含む界面活性剤系を含む組成物に関する。組成物は、任意の形態、すなわち液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体;エマルション;二区画容器を有する形式;飛沫又は泡洗剤;予めしめらせた拭取り布(すなわち、米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)等)に記載されているもの等の不織布材を組み合わせた洗浄組成物);消費者により水で活性化される乾燥拭取り布(すなわち、米国特許第5,980,931号(フォーラー(Fowler)等)に記載されているもの等の不織布材を組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品の形態であってよい。
【0065】
1つの実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であり、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用するとき、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを示す。洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスのような、様々な表面を洗浄するカーケア組成物に利用してもよい。この洗浄組成物はまた、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体石鹸及び界面活性剤が遊離硬度(freehardness)に接触する他の洗浄組成物のようなパーソナルケア及びペットケア組成物、並びに石油掘削組成物のような硬度耐性界面活性剤系を必要とするすべての組成物に使用されるように設計されてよい。
【0066】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い用組成物、及び自動食器洗い用組成物のタブ/単位用量型のような食器洗浄組成物である。
【0067】
非常に典型的には、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質面クリーナー、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、柔軟仕上げ剤及び布地処理液、固体及びすべての種類の処理物品のような本明細書中の洗浄組成物は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書中に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。好適な洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、国際公開第99/05242号中に見出すことができる。
【0068】
通常の洗浄補助剤としては、上で既に定義した任意の物質を除く、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられる。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)など、各種の活性成分若しくは特殊な物質、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えばBASF社(BASF Corp.)若しくはローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から得られるもの)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに、液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号、及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
【0069】
使用方法
本発明は、対象とする表面を洗浄する方法を含む。本明細書で使用するとき、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品、及び他の料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚のようなかかる表面を挙げることができる。本明細書で使用するとき、「硬質表面」としては、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスのような、典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。かかる方法は、非希釈形態又は洗浄液で希釈した、変性ポリオール化合物を含む組成物を、少なくとも対象とする表面の一部と接触させ、次いで所望により対象とする表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程に供される。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0070】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途での使用に適している。
【0071】
組成物溶液のpHは、pH約5〜約11の広い範囲にわたり洗浄される、対象とする表面に対して最も相補的になるように選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、かかる組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃の範囲である。
【0072】
洗濯洗浄組成物で使用する場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜10000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約60℃にわたる。水の布地に対する比は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0073】
前記方法は、本発明の組成物の実施形態を含浸した不織布基材に接触する工程を含む。本明細書で使用するとき、「不織布基材」は、適した坪量、キャリパー(厚さ)、吸収力及び強度特性を有するすべての従来通りに作られた不織布シート又はウェブを含んでよい。好適な市販の不織布基材の例としては、デュポン(DuPont)より商品名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)として販売されるもの、及びジェームス・リバー社(James River Corp.)より商品名ポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0074】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗い用組成物で使用するのに適している。本発明の液体食器組成物を使用する方法は、汚れた皿を、有効量、典型的には約0.5mL〜約20mL(処理される皿25枚あたり)の、水で希釈した本発明の液体食器洗い用組成物と接触させる工程を含む。
【0075】
分析方法
アミン数
アミン数は、DIN53176に従って、酢酸中ポリマー溶液を過塩素酸で滴定(titratation)することによって測定された。
【0076】
ヒドロキシ数
ヒドロキシ数は、DIN53240にしたがって、試料をピリジン中で酢酸無水物及び酢酸と共に加熱し、続いて水酸化カリウムで滴定することによって測定された。
【0077】
数平均分子量
分子量(Mn)は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶離剤としてサイズ排除クロマトグラフィーによって測定された。
【0078】
粘度
純粋ポリマーの粘度は、20℃において回転粘度計(ハーケ(Haake))で測定された。
【実施例】
【0079】
ポリマー例
アルコキシル化ポリアルカノールアミンは、文献(例えば欧州特許第0441198号、米国特許第5,393,463号)に記載される方法と同様に、次亜リン酸の存在下での縮合又は共縮合によって合成されてきた。アルコキシル化は、従来の条件の下でKOH、NaOHなどの触媒剤の存在下で行われた。
【0080】
実施例1:エトキシル化トリエタノールアミン縮合体の調製
1.a)トリエタノールアミンの縮合(3.5時間)−トリエタノールアミン(1499.7g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、9.75g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。3.5時間後、混合物は室温まで冷却された。3145mPa.sの粘度及び723.7mg(KOH)/gのヒドロキシル数を有する僅かに黄色の液体が得られた。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=5,700g/モル;多分散性:Mw/Mn=1.8。
【0081】
1.b)ポリトリエタノールアミンのエトキシル化−1.a)で得られたポリエタノールアミン(77.52g)及び水酸化カリウムの水溶液(40%強度、2.9g)をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌する。混合物を120℃で少しずつ加えてエチレンオキシド(1,056g、24当量EO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。0.4007ミリモル/gのアミン数を有する茶色の油状固形物(1,110g)が得られた。平均エトキシル化度は、ヒドロキシル基あたり付加されたエチレンオキシド単位が23.4であった。
【0082】
実施例2:トリエタノールアミンの縮合(4.5時間)
トリエタノールアミン(1491.9g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、9.7g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。4.5時間後、混合物は室温まで冷却された。4490mPa.sの粘度及び587.1mg(KOH)/gのヒドロキシル数を有する黄色の液体が得られた。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=7,800g/モル;多分散性:Mw/Mn=2.1。
【0083】
実施例3:エトキシル化トリエタノールアミン縮合体の調製
3.a)トリエタノールアミンの縮合(7.0時間)−トリエタノールアミン(1491.1g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、9.7g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。7.0時間後、混合物は室温まで冷却された。8,260mPa.sの粘度及び489.8mg(KOH)/gのヒドロキシル数を有する黄色の油が得られた。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=13,500g/モル;多分散性:Mw/Mn=3.1。
【0084】
3.b)ポリトリエタノールアミンのエトキシル化−3.a)で得られたポリエタノールアミン(114.5g)及び水酸化カリウムの水溶液(40%強度、4.3g)をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌する。混合物を120℃で少しずつ加えてエチレンオキシド(1,056g、24当量EO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。0.9158ミリモル/gのアミン数を有する茶色の油状固形物(1,143.1g)が得られた。平均エトキシル化度は、1ヒドロキシル基あたり、付加されたエチレンオキシド単位が23.1であった。
【0085】
実施例4:プロポキシル化エトキシル化トリエタノールアミン縮合体の調製
4.a)トリエタノールアミンの縮合(7.5時間)−トリエタノールアミン(1506g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、9.8g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。7.5時間後、混合物は室温まで冷却された。9,432mPa.sの粘度及び463mg(KOH)/gのヒドロキシル数を有する黄色の油が得られた。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=13,600g/モル;多分散性:Mw/Mn=3.2。
【0086】
4.b)ポリトリエタノールアミンのエトキシル化−4.a)で得られたポリエタノールアミン(109.2g)と水酸化カリウムの水溶液(40%強度、7.2g)との混合物をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌した。混合物を120℃で少しずつ加えてエチレンオキシド(960.2g、24当量EO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。0.9885ミリモル/gのアミン数を有する茶色の油状固形物(1054.3g)が得られた。平均エトキシル化度は、1ヒドロキシル基あたり付加されたエチレンオキシド単位が23.6であった。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=43,000g/モル;多分散性:Mw/Mn=1.5。
【0087】
4.c)ポリトリエタノールアミンのエトキシル化のプロポキシル化−4.b)で得られたエトキシル化ポリエタノールアミン(603.4g)をオートクレーブ内に導入し、120℃で少しずつ加えてプロピレンオキシド(483.3g、16当量PO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。0.453ミリモル/gのアミン数を有する茶色の油状固形物(1087.0g)が得られた。平均プロポキシル化度は、1ヒドロキシル基あたり付加されたプロピレンオキシドが16.0モルであった。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=54,000g/モル;多分散性:Mw/Mn=1.9。
【0088】
実施例5:エトキシル化ジエタノールアミン縮合体の調製
5.a)ジエタノールアミンの縮合−ジエタノールアミン(1078.9g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、10.16g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。7.0時間後、混合物は室温まで冷却された。803.5mg(KOH)/gのアミン数を有する黄色の油状液体が得られた。
【0089】
5.b)ポリジエタノールアミンのエトキシル化−5.a)で得られたポリエタノールアミン(69.8g)及び水酸化カリウムの水溶液(40%強度、2.6g)をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌した。混合物を120℃で少しずつ加えてエチレンオキシド(1,056g、24当量EO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。1.913ミリモル/gのアミン数を有する茶色の油状固形物(1,126.1g)が得られた。
【0090】
実施例6:トリエタノールアミンとグリセリンとの共縮合
トリエタノールアミン(746.0g)とグリセリン(460.5g)と次亜リン酸の水溶液(50%強度、9.7g)との混合物を、窒素の弱流下で攪拌しながら227℃にて加熱した。反応の水は、留出された。7.0時間後、混合物は室温まで冷却された。830mg(KOH)/gのヒドロキシル数を有する黄色の液体が得られた。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定された。重量平均分子量:Mw=7,000g/モル;多分散性:Mw/Mn=1.9。
【0091】
実施例7:トリエタノールアミンとグリセリンとの縮合生成物のエトキシル化
6)で得られた縮合生成物(67.6g)及び水酸化カリウムの水溶液(40%強度、2.5g)をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌する。混合物を120℃で少しずつ加えてエチレンオキシド(約1,056g、約24当量EO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。茶色の油状固形物(1,154.5g)が得られた。平均エトキシル化度は、1ヒドロキシル基あたり付加されたエチレンオキシド単位が24.7であった。
【0092】
実施例8:ポリトリエタノールアミンのプロポキシル化
4.a)で得られたポリエタノールアミン(132.0g)及び水酸化カリウムの水溶液(40%強度、8.4g)をオートクレーブ内に導入し、真空下において100℃にて2.0時間攪拌する。混合物を120℃で少しずつ加えてプロピレンオキシド(966.8g、16当量PO/OH)と反応させた。反応を完了させるために、混合物を圧力下で2時間の後反応をさせた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を80℃にて真空で除去した。茶色の油状固形物が得られた。平均プロポキシル化度は、1ヒドロキシル基あたり付加されたプロピレンオキシド単位が16であった。
【0093】
実施例9:エトキシル化ポリトリエタノールアミンの四級化
硫酸ジメチル(41.5g)を、4.b)で得られたエトキシル化ポリトリエタノールアミン(350g)に、70〜75℃にて窒素雰囲気下で滴下して加える。反応混合物を70℃にて5時間攪拌し、室温に冷却する。OH基1モルあたり24モルのエチレンオキシド単位でアルコキシル化されたメチル化ポリトリエタノールアミンが、0.0ミリモル/gのアミン数を有する茶色の固形物(384g)として得られた。四級化度は100%であった。
【0094】
実施例10:硫酸化
硫酸(96%、4.4g)を、60℃にて窒素雰囲気下で、実施例9)で得られたエトキシル化された完全四級化ポリトリエタノールアミンに加えた。反応混合物は、90℃の温度及び10mbarの圧力で3時間維持された。反応混合物を60℃まで冷却した後、水酸化ナトリウムの水溶液(50%、21.0g)を加えることによって、pH値を8〜8.6に調節した。4.9%の水を含有する茶色の固形物が得られた(215g)。
【0095】
組成物の配合
実施例11−顆粒洗濯洗剤
【表1】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
【0096】
実施例12−顆粒洗濯洗剤
【表2】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
【0097】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成物を有する、含水率が25.89%である水性スラリーを調製する。水性スラリーを、72℃に加熱し、高圧(5.5×10Nm−2〜6.0×10Nm−2)下で、空気入り口温度270℃〜300℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込む。水性スラリーを噴霧化し、この噴霧化されたスラリーを乾燥して固体混合物を生成し、次にこれを冷却して、大きすぎる物質(>1.8mm)を篩分けして取り除き、噴霧乾燥された自由流動性粉末を形成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸されて、後の塔(post tower)の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、1.0重量%の含水率、427g/Lの嵩密度、及び噴霧乾燥された粉末の95.2重量%の粒径が150〜710マイクロメートルであるような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【表3】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
【0098】
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1は、Tilt−A−Pin、続いてTilt−A−Plowミキサー(Processall製)を使用して、520gのバッチベースで作製される。供給された108gの硫酸ナトリウムが、244gの炭酸ナトリウムと共にTilt−A−Pinミキサーに加えられる。168gの70%活性のC25Sペースト(C12/15アルコール及びエチレンオキシドを基にしたエトキシ硫酸ナトリウム)をTilt−A−Pinミキサーに加える。次いで構成成分を1200rpmで10秒間混合する。得られた粉末を、次に、Tilt−A−Plowミキサーに移して、200rpmで2分間混合し粒子を形成する。粒子を、次に、該粒子の平衡相対湿度が15%未満になるまで、2500L/分の速度で120℃にて流動床乾燥機内で乾燥させる。乾燥した粒子を、次いでふるいにかけ、1180μmを通過し250μm上に残る画分を保持する。アニオン性洗浄界面活性剤粒子1の組成物は以下の通りである。
25Sエトキシ硫酸ナトリウム(25.0重量%)
硫酸ナトリウム18.0重量%
炭酸ナトリウム57.0重量%
【0099】
カチオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
カチオン性界面活性剤粒子1は、モートンFM−50レーディゲミキサー(Morton FM-50 Loedige mixer)において14.6kgのバッチベースで作製される。4.5kgの微粉化された硫酸ナトリウム及び4.5kgの微粉化された炭酸ナトリウムを、モートンFM−50レーディゲミキサー内で予混合する。4.6kgの40%活性のモノ−C12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド(カチオン性界面活性剤)の水溶液を、主駆動及びチョッパーの両方を作動させながら、モートンFM−50レーディゲミキサーに加える。約2分間混合した後、微粉化硫酸ナトリウムと微粉化炭酸ナトリウムとの重量比1:1の混合物1.0kgをミキサーに追加する。得られた凝集体を集めて、100〜140℃で2500L/分の空気ベースで、30分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。その結果得られた粉末を篩分けして、1400μmまでの分画をカチオン性界面活性剤粒子1として集める。カチオン性界面活性剤粒子1の組成物は、次の通りである:
モノC12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド15重量%
炭酸ナトリウム40.76重量%
硫酸ナトリウム40.76重量%
湿分及びその他3.48重量%
【0100】
粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例12の噴霧乾燥された粉末を10.84kg、アニオン性洗浄界面活性剤粒子12を4.76kg、カチオン性洗浄界面活性剤粒子1を1.57kg、及びその他の個別に与えられ、乾燥状態で追加された物質7.83kg(総量)を、24rpmで作動している直径1mのコンクリートバッチミキサーに加える。材料全てを前記ミキサー内に加えた後、混合物を5分間混合し、粒状洗濯洗剤組成物を形成する。粒状洗濯洗剤組成物の配合を以下に示す。
【表4】

【0101】
実施例13−液体洗濯洗剤
【表5】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
ジエチレントリアミンペンタキス(pentakis)メチレンホスホン酸、ナトリウム塩
エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
アクゾール(Acusol)OP 301
【表6】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
【表7】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位あたり1グラフト点を超えない。
アルコ(Alco)725(スチレン/アクリレート)
【0102】
実施例14−液体食器手洗い用洗剤
【表8】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
非イオン性とは、9個のエトキシル基を含有するC11アルキルエトキシル化界面活性剤であってもよい。
1,3BACは1,3ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0103】
実施例15−自動食器洗い用洗剤
【表9】

アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマー又は実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10のいずれかによるポリマーの混合物、あるいはこれらの混合物
ローム&ハース社(Rohm & Haas)から入手可能なアキュゾール(Acusol)(登録商標)445N、又はアルコ社(Alco)からのアルコスパース(Alcosperse)(登録商標)など
オーリン社(Olin Corporation)からのSLF−18ポリ・タージェント(POLY TERGENT)など
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、構成成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源に存在する可能性がある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除く。
【0104】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0105】
本明細書を通じて記載されているあらゆる最大数値限定は、それよりも小さいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたそれよりも小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含すると理解すべきである。本明細書を通じて記載されているあらゆる最小数値限定は、それよりも大きいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書を通じて記載されているあらゆる数値範囲は、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲を、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含するであろう。
【0106】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を示すことを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を示すものとする。
【0107】
「発明を実施するための形態」において引用される全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0108】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは500〜100,000g/モルの数平均分子量を有するアルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む洗濯洗剤又は洗浄組成物であって、
a)式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物を縮合する工程であって、
【化1】

式中、
Aは独立して、C〜C−アルキレンから選択され、
、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールから独立して選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよく、
は水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールから選択され、前記ラジカルのうち最後の3つは任意に置換されてもよい、工程と、
b)残りのヒドロキシ基の少なくとも一部分及び/又は、存在する場合は、工程a)でもたらされるポリエーテルの第二級アミノ基の少なくとも一部分を、少なくとも1つのアルキレンオキシド又は前記アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーの誘導体であって、追加の工程c)前記ポリマーの四級化、プロトン化、硫酸化及び/又はリン酸化によって得られることができる誘導体と反応させる工程と、を含むプロセスによって得ることができる、洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項2】
洗濯洗剤又は洗浄組成物が、液体洗濯洗剤組成物、固体洗濯洗剤組成物、硬質表面洗浄組成物、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い及びタブ/単位用量型自動食器洗い用組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項3】
前記洗剤又は洗浄組成物が、前記洗剤又は洗浄組成物の0.05〜10重量%の前記アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーを含む、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項4】
前記アルコキシル化ポリアルカノールアミンポリマーが、工程b)が塩基の存在下で行われるプロセスによって得られる、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項5】
前記ポリマーが、工程a)において式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される前記少なくとも1つの化合物が式Y(OH)のポリオールから選択される少なくとも1つの化合物と縮合されているプロセスによって得られることができ、式中、nは2〜4の整数であり、Yは2〜10の炭素原子を有する二価、三価又は四価の脂肪族、脂環族又は芳香族のラジカルを示す、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項6】
前記ポリマーが、工程a)において式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される前記少なくとも1つの化合物が式Y’(NHRのポリアミンから選択される少なくとも1つの化合物と縮合されているプロセスによって得られることができ、式中、mは2〜4の整数であり、Y’は2〜10の炭素原子を有する二価、三価又は四価の脂肪族、脂環族又は芳香族のラジカルを示し、RはRに与えられた意味のうちの1つを有し、又は2つのラジカルRは共にC〜C−アルキレン基を形成し得る、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項7】
式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される前記少なくとも1つの化合物の前記Aが、置換されるか又はC〜Cアルキルから選択される1つの置換基を持つメチレン基である、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項8】
式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される前記少なくとも1つの化合物のR、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R、R5*及びRが独立して、水素及びC〜Cアルキルから選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアルキレンオキシドが、エポキシエタン、エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−2−メチルブタン、2,3−エポキシ−2−メチルブタン、1,2−エポキシへキサン、2,3−エポキシへキサン、3,4−エポキシへキサン及び1,2−エポキシエチレンベンゼンから選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項10】
工程b)において、1〜100モルの前記少なくとも1つのアルキレンオキシドが、1モルの前記残りのヒドロキシ及び、存在する場合は、工程a)でもたらされる前記ポリエーテルの第二級アミノ基と反応される、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項11】
前記洗剤又は組成物が、界面活性剤系を更に含み、好ましくは前記洗剤又は組成物が、洗浄補助添加剤を更に含む、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項12】
前記界面活性剤系が、C10〜C16アルキルベンゼンスルホネートを含み、好ましくは前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を更に含む、請求項11に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤系が、C〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤を含み、好ましくは前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を更に含む、請求項11に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項14】
不織布基材と請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物とを含む、洗浄用具。

【公表番号】特表2011−503284(P2011−503284A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532696(P2010−532696)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054647
【国際公開番号】WO2009/060409
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】