説明

アルツハイマー病の治療のためのβ−セクレターゼ阻害剤として有用な2,3,4,6−置換ピリジル誘導体化合物

本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤であり、β−セクレターゼ酵素が関与する疾病、例えばアルツハイマー病、の治療に有用である、2,3,4,6−置換ピリジル誘導体化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにβ−セクレターゼ酵素が関与するこのような疾病の治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、合衆国法典35巻119条(e)項の下、2004年11月23日出願の米国特許仮出願第60/630,539号、2005年2月15日出願の米国特許仮出願第60/653,037号、および2005年6月23日出願の米国特許仮出願第60/693,271号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用である新規2,3,4,6−置換ピリジル誘導体化合物の一類、およびβ−セクレターゼ酵素が関与する疾病、例えばアルツハイマー病、の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病は、細胞外プラークの形態のアミロイドの脳内異常沈着および細胞内神経原線維変化を特徴とする。アミロイド蓄積速度は、形成速度、凝集速度および脳からの出現速度の組み合わせである。アミロイドプラークの主成分が、4kDアミロイドタンパク質(βA4;Aβ、β−タンパク質およびβAPとも呼ばれる)であり、これが、これよりずっと大きいサイズの前駆体タンパク質のタンパク質分解産物であることは、一般に認められている。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は、大きな細胞外ドメイン、膜貫通領域および短い細胞質側末端(cytoplasmic tail)を伴う受容体様構造を有する。Aβドメインは、APPの細胞外ドメインと膜貫通ドメイン両方の部分を含み、このため、この放出は、このNH−およびCOOH−末端を生じさせる2つの別のタンパク質分解事象の存在を意味する。膜からAPPを放出し、APPの可溶性COOH−トランケート形を生じさせる、少なくとも2つの分泌メカニズムが存在する。膜からAPPおよびこのフラグメントを放出するプロテアーゼは、「セクレターゼ」と呼ばれる。大部分のAPPは、Aβタンパク質内で切断してα−APPを放出し無傷Aβの放出が起こらないようにする、推定α−セクレターゼによって放出される。APPのNH−末端付近で切断し、全Aβドメインを含むCOOH−末端フラグメント(CTF)を生じさせるβ−セクレターゼ(「β−セクレターゼ」)によって放出されるAPPタンパク質も少しある。
【0004】
このため、β−セクレターゼまたはβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)の活性は、APPの異常切断、Aβの生産、およびアルツハイマー病の特徴である脳内でのβアミロイドプラークの蓄積を導く(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.、vol.59、Sep 2002、pp.1367−1368;H.Fukumotoら、Arch.Neurol.、vol.59、Sep 2002、pp.1381−1389;J.T.Huseら、J.Biol.Chem.、vol 277、No.18、2002年5月3日発行、pp.16278−16284;K.C.Chen and W.J.Howe、Biochem.Biophys.Res.Comm、vol.292、pp 702−708、2002参照)。従って、β−セクレターゼまたはBACEを阻害することができる治療薬は、アルツハイマー病の治療に有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害すること、例えば、不溶性Aβの形成を防止し、Aβの生産を阻止することによるアルツハイマー病の治療に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用である、一般式(I):
【0007】
【化8】

によって表される新規大環状第三アミン化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーに関する。
【0008】
本発明は、式(I)の化合物またはこの医薬的に許容される塩の有効量と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物にも関する。本発明は、β−セクレターゼ酵素が関与する疾病、例えばアルツハイマー病についての哺乳動物の治療方法、ならびにこのような疾病の治療における本発明の化合物および医薬組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、式(I):
【0010】
【化9】

の化合物
(式中、
Xは、
【0011】
【化10】

から成る群より選択され;
Yは、
(1)ハロゲン、
(2)シアノ、
(3)−C1−6アルキル、および
(4)−C6−10アリール
から成る群より選択され;
Aは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、および
(3)−C2−10アルケニル
から成る群より選択され、この場合、前記アルキルまたはアルケニルは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)C3−12シクロアルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)フェニル、または
(g)ヘテロアリール
で置換されており、ならびに前記フェニルおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、または
(vi)−C3−12シクロアルキル
で置換されており;
Qは、−C0−3アルキルであり、この場合、前記アルキルは、非置換であるか1つ以上の
(1)ハロ、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)−OH、
(4)−CN、
(5)−O−C1−10アルキル、または
(6)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、
(2)ヘテロアリール、
(3)−C1−10アルキル、および
(4)−C3−8シクロアルキル(前記シクロアルキルは、場合によりC6−10アリール基と縮合している)
から成る群より選択され、この場合、前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるかハロゲンで置換されている)、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル、または
(g)−NR1011
(この式中のR10およびR11は、
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、および
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されており;
およびRは、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、および
(3)C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択され;
は、
(1)−C1−10アルキル、
(2)ヘテロアリール、および
(3)−NR1213
から成る群より選択され、この場合、
12およびR13は、
(a)水素、
(b)C1−10アルキル、および
(c)C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択されるか、
12およびR13は、CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5または6個の環原子を表し、これらは、これらが結合している窒素と共に、非芳香族環を形成し、ここで、
前記アルキル、アルキレンおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル
(g)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、
(h)ヘテロアリール、または
(i)−C(=O)−C1−10アルキル
で置換されており、ならびに前記アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(3)−C6−10アリール、および
(4)ヘテロアリール
から成る群より選択され、この場合、前記アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル
(f)CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5もしくは6個の環原子から成る非芳香族環基、
(g)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、または
(h)−C5−12ヘテロアリール
で置換されており、ここで、前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール
で置換されており;または
およびRは結合して、−CHCHCH−基を形成することがあり;
およびRは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、および
(5)−C1−10アルキレン−C3−12シクロアルキル
から成る群より独立して選択され、この場合、前記アルキル、アルキレン、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニルは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル
(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)
(g)ヘテロアリール(この場合、前記ヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(A)ハロゲン、または
(B)−C1−10アルキル
で置換されている)、
(h)フェニル、
(i)−NR1415(この式中のR14およびR15は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキル−C6−10アリール
から成る群より選択される)、
(j)−C(=O)−OR16(この式中のR16は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)、
(k)−C(=O)−NR1718(この式中のR17およびR18は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択されるか、
17およびR18は、CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5または6個の環原子を表し、これらは、これらが結合している窒素と共に、非芳香族環を形成する)、または
(l)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(A)−C1−10アルキル、
(B)−C3−7シクロアルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されており;または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、4から6員環を形成し、前記環は、非置換であるか、1つ以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C3−12シクロアルキル、
(c)−(CH−フェニル、
(d)−C2−10アルケニル、または
(e)−C2−10アルキニル
で置換されており、この場合、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、非置換であるか、1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、または
(v)−C3−12シクロアルキル
で置換されており、ならびに前記シクロアルキルおよびフェニルは、非置換であるか、1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−OH、
(iv)−CN、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
、RおよびRは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、および
(4)−C(=O)−C1−6アルキル
から成る群より、各々、独立して選択され;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4である)
の化合物、およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーに関する。
【0012】
さらに、本発明は、ヒトおよび動物においてβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するための医薬品または組成物の製造方法に関し、この方法は、本発明の化合物と医薬用担体または希釈剤を併せることを含む。本発明は、ヒトにおいてアルツハイマー病を治療するための医薬品または組成物の製造方法にも関し、この方法は、本発明の化合物を医薬用担体または希釈剤と併せることを含む。
【0013】
1つの実施形態において、Xは、
【0014】
【化11】

から成る群より選択されるオキサジアゾールである。
【0015】
1つの実施形態において、Yは、ハロゲン、好ましくはクロロである。
【0016】
1つの実施形態において、本発明は、式中のRが、非置換であるか置換されているフェニルであり、Qが、好ましくはCHである、式(I)の化合物に関する。好ましくは、Rは、非置換フェニルまたは4−フルオロフェニルである。
【0017】
他の実施形態において、Rは、ヘテロアリールである。好ましいRヘテロアリール基としては、ピリジル、フラニル、オキサゾリルおよびベンゾジオキソリルが挙げられる。
【0018】
他の実施形態において、Rは、C1−12アルキルまたはC3−8シクロアルキル基である。好ましいC1−12アルキルR基としては、C1−6アルキル(好ましくは、メチルおよびイソプロピルをはじめとする非置換C1−6アルキル)が挙げられる。好ましいC3−8シクロアルキル基としては、好ましくは非置換である、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。シクロアルキル基からの2つの環炭素原子が連結して、C6−12アリールを形成する場合もある。この実施形態の具体例としての縮合基は、
【0019】
【化12】

である。
【0020】
もう1つの実施形態において、本発明は、式中のRとRの両方が水素である、式(I)の化合物に関する。
【0021】
式(I)の化合物のもう1つの実施形態において、Aは、非置換であるか置換されている(好ましくは非置換である)C1−10アルキル、好ましくは、非置換であるか置換されている(好ましくは非置換である)C1−6アルキル、さらにいっそう好ましくは、メチルである。
【0022】
別の実施形態において、Aは、水素である場合がある。
【0023】
1つの実施形態において、Rは、−C1−10アルキレン−C3−12シクロアルキルであり、この場合のシクロアルキルは、好ましくは、C1−10アルキルで置換されている。好ましい実施形態において、Rは、−C1―3アルキレン−C3−6シクロアルキルであり、この場合のシクロアルキルは、好ましくは、C1―3アルキルで置換されている。
【0024】
1つの実施形態において、Rは、1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、または
(e)ヘテロアリール
で場合により置換されているC1−10アルキルである。
【0025】
式(I)の化合物のもう1つの実施形態において、RおよびRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する。
【0026】
式(I)の化合物のもう1つの実施形態において、RおよびRは、C1−10アルキル、好ましくはC1−6アルキルである。さらに好ましくは、Rは、メチルまたはイソプロピルであり、Rは、メチルである。
【0027】
もう1つの実施形態において、Rは、−C0−3アルキレン−ヘテロアリールである。好ましいRヘテロアリール基としては、ピリジル、イソオキサゾリル、イミダゾリルおよびオキサゾリルが挙げられる。
【0028】
もう1つの実施形態において、Rは、−C0−3アルキレン−ヘテロアリールである。好ましいRヘテロアリール基としては、ピリジル、イソオキサゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる。
【0029】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(II):
【0030】
【化13】

(式中、Yは、ハロゲンであり、A、X、Q、R、R、R、R、RおよびRは、上で定義したとおりである)
の化合物、およびこれらの医薬的に許容される塩、ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーに関する。
【0031】
1つの実施形態において、Xは、オキサゾリル基
【0032】
【化14】

である。
【0033】
1つの実施形態において、Yは、ハロゲン、好ましくはクロロである。
【0034】
式(II)の化合物の1つの実施形態において、Rは、フェニルであり、Qは、CHである。好ましくは、Rは、非置換フェニルまたは4−フルオロフェニルである。
【0035】
もう1つの実施形態において、本発明は、式中のRおよびRが水素である、式(II)の化合物に関する。
【0036】
式(II)の化合物のもう1つの実施形態において、Aは、C1−10アルキル、好ましくはC1−6アルキル、さらに好ましくはメチルである。
【0037】
式(II)の化合物のもう1つの実施形態において、RおよびRは、C1−10アルキル、好ましくはC1−6アルキルである。さらに好ましくは、Rは、メチルまたはイソプロピルであり、Rは、メチルである。
【0038】
1つの実施形態において、Rは、1つ以上の
(a)−O−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)、
(b)ヘテロアリール、または
(c)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C3−7シクロアルキル、および
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で場合により置換されているC1−10アルキルである。
【0039】
別の実施形態において、Rは、水素である。
【0040】
式(II)の化合物の好ましい実施形態において、Xは、下の(III)に描くような、オキサジアゾールおよびこの医薬的に許容される塩、ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーである。
【0041】
【化15】

(式中、Yは、ハロゲンであり、A、Q、R、R、R、R、R、RおよびRは、上で定義したとおりである)。
【0042】
式(III)の化合物の1つの実施形態において、Yは、クロロである。
【0043】
式(III)の化合物の1つの実施形態において、Rは、フェニルであり、Qは、CHである。
式(III)の化合物のもう1つの実施形態において、RおよびRは、両方とも水素である。
【0044】
式(III)の化合物のもう1つの実施形態において、Aは、メチルである。
【0045】
式(III)の化合物のもう1つの実施形態において、RおよびRは、C1−10アルキル、好ましくはC1−6アルキルである。さらに好ましくは、Rは、メチルまたはイソプロピルであり、Rは、メチルである。
【0046】
1つの実施形態において、Rは、1つ以上の
(a)−O−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)、
(b)ヘテロアリール、または
(c)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C3−7シクロアルキル、および
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で場合により置換されているC1−10アルキルである。
【0047】
別の実施形態において、Rは、水素である。
【0048】
式(II)および(III)の化合物の好ましいエナンチオマー配置は、下の式(II’)および(III’)に描くように、メチル−シクロプロピル−メチル部分にトランス−S,S配置を有する。
【0049】
【化16】

【0050】
本発明のもう1つの実施形態は、以下の実施例の表題化合物およびこれらの医薬的に許容される塩から選択される化合物を含む。
【0051】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「アルキル」は、指定された炭素原子数を有する、飽和直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C1−10アルキルは、1から10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明において使用するために好ましいアルキル基は、1から6個の炭素原子を有するC1−6アルキル基である。具体例としてのアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0052】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「アルキレン」は、指定された炭素原子数を有する、飽和直鎖または分枝鎖二価炭化水素ラジカルを意味する。用語Cアルキレン(例えば、ラジカル「−Cアルキレン−C6−10アリール」におけるもの)は、アルキレン基が不在であることを意味する。
【0053】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「アルケニル」は、単一の炭素−炭素二重結合を有するとともに、指定された炭素原子数を有する、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルケニルは、2から10個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する)。本発明において使用するために好ましいアルケニル基は、2から6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。具体例としてのアルケニル基としては、エテニルとプロペニルが挙げられる。
【0054】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「アルキニル」は、単一の炭素−炭素三重結合および指定された炭素原子数を有する、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルキニルは、2から10個の炭素原子を有するアルキニルを意味する)。本発明において使用するために好ましいアルキニル基は、2から6個の炭素原子を有するC2−6アルキニル基である。具体例としてのアルケニル基としては、エチニルおよびプロピニルが挙げられる。
【0055】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「シクロアルキル」は、指定された炭素原子数を有する、飽和単環式、多環式または架橋環式炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは、3から12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する)。好ましいシクロアルキル基としては、C3−8シクロアルキル基、特にC3−8単環式シクロアルキル基が挙げられる。具体例としての単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。具体例としての架橋シクロアルキル基としては、アダマンチルおよびノルボルニルが挙げられる。
【0056】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「アリール」は、指定された炭素原子数を有する、芳香族または環状ラジカルを意味する(例えば、C6−10アリールは、6から10個の炭素原子を有するアリール基を意味する)。本発明において使用するために好ましいアリール基としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0057】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
【0058】
ここで用いる、それ自体または別の置換基の一部としての用語「ヘテロアリール」は、環炭素原子および少なくとも1つの環ヘテロ原子(O、NまたはS)を有する、芳香族環基を意味する。好ましいヘテロアリール基は、5から12個の環原子を有する。さらに好ましいヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。本発明において使用するための具体例としてのヘテロアリール基としては、クロメニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
【0059】
用語「ヘテロアリール」は、部分的に芳香族である縮合芳香族環基(すなわち、一方の縮合環が芳香族であり、他方が非芳香族である)も含む。部分的に芳香族である、具体例としてのヘテロアリール基としては、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾフラニルおよびジヒドロインドリルが挙げられる。
【0060】
ここで定義するヘテロアリール基が置換されているとき、この置換基は、ヘテロアリール基の環炭素原子に結合している場合があり、または置換が可能な原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素)上にある場合もある。好ましくは、置換基は、環炭素原子に結合している。同様に、ヘテロアリール基が、ここで置換基として定義されているとき、この結合点は、ヘテロアリール基の環炭素原子である場合があり、または置換が可能な原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)上にある場合もある。
【0061】
本発明の化合物の一部は、少なくとも1つの不斉中心を有する。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在する場合もある。不斉中心を有する化合物は、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)または両方を生じさせる。混合物での、および純粋なまたは部分精製化合物としての可能なエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲内に含まれると意図される。本発明は、これらの化合物のすべてのこのような異性体形を包含することになる。
【0062】
エナンチオマー的にもしくはジアステレオマー的に富化された化合物の独立した合成、またはこれらのクロマトグラフ分離は、本明細書に開示する方法論の適切な変法により、当分野で公知のように達成することができる。これらの絶対立体化学は、結晶性生成物または結晶性中間体(これらは、必要な場合、公知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬で誘導体化される)のX線結晶学により決定することができる。
【0063】
所望される場合には、本化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、当分野において周知の方法、例えば、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物とをカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、その後、標準的な方法、例えば分別結晶またはクロマトグラフィーにより個々のジアステレオマーに単離することによって行うことができる。このカップリング反応は、多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。その後、付加されたキラル残基の切断により、ジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに転化させることができる。本化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法により直接分離することもでき、これらの方法は、当分野では周知である。
【0064】
または、当分野では周知の方法による光学的に純粋な出発原料または公知の立体配置の試薬を使用する立体選択液合成により化合物の任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0065】
式(I)および(II)の化合物において、R、AおよびQが結合している炭素原子は、一般にキラル炭素である。結果として、式(I)および(II)の化合物は、ラセミ体として、または立体化学的に純粋な(R)もしくは(S)形で、存在する場合がある。式(I)の化合物についての異性体形を下に描く:
【0066】
【化17】

【0067】
上に描いた最初の立体配置(これは、一般には(R)配置であり、例えば、AがCHであり、RがNHであり、Qが−CH−であり、Rがフェニルであるときのものである)が好ましい。
【0068】
本発明における特許請求の範囲に記載の化合物は、以下の一般手順方法および具体的な実施例に従って調製することができる。
【0069】
本発明における特許請求の範囲に記載の化合物は、以下の一般手順に従って調製することができる。
【0070】
図式1では、タイプ1.1のアミノ酸誘導体を対応するBoc−酸1.2に転化させる。市販されていないアミノ酸誘導体を入手するために、グリシンシッフ塩基1.3の二段階アルキル化を用いることができる。シッフ塩基脱保護、Boc保護およびエステル加水分解は、化合物1.2への別経路となる。1.4を合成するための1.3のアルキル化は、文献に記載されているようなエナンチオ選択的手法で行うことができる(K.Maruokaら,J.Am.Chem.Soc.2000,122,5228−5229、およびM.Northら,Tetrahedron Lett.2003,44,2045−2048参照)。
【0071】
【化18】

【0072】
図式2では、インサイチューでのBHの発生を伴うアミノ酸1.1の還元により、対応するアミノアルコールが得られ、その後、これをN−保護して、化合物2.1を得ることができる。2.1の酸化により、アルデヒド2.2を得る。2.2のエポキシ化、その後のアンモニアでの開環により、アミノアルコール2.3が得られる。
【0073】
【化19】

【0074】
図式3は、以下の図式で使用するシクロプロピルメチルアミン誘導体(NR)の合成の概要を示すものである。タイプ3.1のシクロプロピルカルボン酸から出発して、EDCカップリングおよびボラン還元を経て、ベンジルアミン3.2を生じさせる。水素化により第一アミン3.3が得られる。還元的メチル化、その後の水素化により、メチルアミン3.3に至る。アミドカップリング、ボラン還元およびこのベンジル基の水素化による3.2のさらなる産生によって、タイプ3.6の置換アミンが得られ、これは、カップリングパートナーとしても使用する。または、様々なアルデヒドでの3.2の還元的アミノ化、その後の水素化により、タイプ3.7のアミンが生じる。
【0075】
【化20】

【0076】
図式4は、様々な複素環の産生の際に使用する、中間体4.2aからcおよび4.3aからcの調製を記載するものである。タイプcの中間体は、十分に産生されたRNSOおよびRN部分を適所に有するが、タイプaおよびbの中間体は、これらの部分を複素環産生後に導入することができる。
【0077】
【化21】

【0078】
図式5は、タイプ1.2のアミノ酸誘導体とアシルヒドラジド4.3aからcのカップリング、その後のトリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素での脱水環化による、タイプ5.1aからcおよび5.2aからcのオキサジアゾールの産生を記載するものである。塩化物5.1a、bは、パラジウム化および脱保護により、5.1cおよび5.2cに転化される。
【0079】
【化22】

【0080】
図式6は、タイプ6.2のオキサゾールの調製(アミノアルコール2.3と酸4.2のカップリング、その後のケトアミド6.1への酸化および脱水環化)を記載するものである。
【0081】
【化23】

【0082】
図式7は、タイプ7.5のフランの調製を記載するものである。
【0083】
【化24】

【0084】
図式8は、誘導体8.1から4をもたらすための、オキサジアゾール、オキサゾールおよびフラン誘導体のNCS媒介塩素化を記載するものである。
【0085】
【化25】

【0086】
図式9は、タイプ9.2から4の化合物に至る、オキサジアゾール誘導体のフッ素化およびシアノ化(臭素化およびPd媒介シアノ化経由)を記載するものである。中間体9.3が、Pd媒介官能化により広範な3−置換ピリジンの入手手段となって、タイプ9.5の3−アルキルおよび3−アリール置換誘導体をもたらすことに留意すること。
【0087】
【化26】

【0088】
図式10は、アルキル化により−Q−Rを後で導入することができる、タイプ10.2のオキサジアゾール−シッフ塩基の調製を記載するものである。
【0089】
【化27】

【0090】
用語「実質的に純粋な」は、単離された物質が、当分野において公知の分析法により検定して、少なくとも純度90%、好ましくは純度95%、さらにいっそう好ましくは純度99%であることを意味する。
【0091】
用語「医薬的に許容される塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物は、遊離塩基形態の化合物中に存在する酸官能基数に依存して、モノ、ジまたはトリス塩であり得る。無機塩基から誘導される遊離塩基および塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩が、特に好ましい。固体形態の塩は、1つより多くの結晶構造で存在する場合があり、水和物の形態である場合もある。医薬的に許容される非毒性の有機塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなど)の塩が挙げられる。本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。このような酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸が、特に好ましい。
【0092】
本発明は、β−セクレターゼ酵素活性またはβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)活性の阻害剤として本明細書に開示する化合物の患者または被験者(例えば、このような阻害の必要がある哺乳動物)における使用に関し、これは、前記化合物の有効量の投与を含む。用語「β−セクレターゼ酵素」、「β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素」および「BACE」は、本明細書では同義で用いられる。ヒトに加え、様々な他の哺乳動物を、本発明の方法に従って治療することができる。
【0093】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療、改善、制御、またはアルツハイマー病のリスクの低減に有用である。例えば、本化合物は、アルツハイマー型認知症の予防に、ならびに早期、中期または後期アルツハイマー型認知症の治療に有用であり得る。本化合物は、アミロイド前駆体タンパク質(APPとも呼ばれる)の異常切断により媒介される疾病、およびβ−セクレターゼの阻害により治療もしくは予防することができる他の状態の治療、改善、制御、または前記疾病および状態のリスクの低減にも有用であり得る。このような状態としては、軽度認知障害、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA−D)、クロイツフェルト−ヤコブ病、プリオン障害、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、ダウン症候群、膵臓炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイドーシス、糖尿病およびアテローム硬化症が挙げられる。
【0094】
本発明の化合物を投与する被験者または患者は、一般には、β−セクレターゼ酵素活性の阻害が望まれる人間の男性または女性であるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上述の疾患の治療が望まれる他の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたは他の類人猿もしくは霊長類も包含し得る。
【0095】
本発明の化合物が有用である疾病または状態の治療において、本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と併用することができ、この場合の薬物の併用は、いずれかの薬物単独より安全で有効である。加えて、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療、予防、制御もしくは改善する、または前記副作用または毒性のリスクを低減する1つ以上の他の薬物と併用することができる。このような他の薬物は、これらが一般に使用される経路により、これらが一般に使用される量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。この併用薬は、単位剤形併用製品の一部として投与することができ、または1つ以上の追加薬物が治療計画の一部として別個の剤形で投与されるキットもしくは治療プロトコルとして投与することができる。
【0096】
単位用量形またはキット形のいずれかでの本発明の化合物と他の薬物の併用の例としては、抗アルツハイマー病薬、例えば他のβ−セクレターゼ阻害剤もしくはγ−セクレターゼ阻害剤;タウ・リン酸化阻害剤;M1受容体ポジティブアロステリックモジュレータ;Aβオリゴマー形成の遮断薬;5−HTモジュレータ、例えばPRX−03140、GSK 742467、SGS−518、FK−962、SL−65.0155、SRA−333およびキサリプロデン;p25/CDK5阻害剤;NK1/NK3受容体拮抗薬;COX−2阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンをはじめとするNSAID;ビタミンE;抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体をはじめとする抗アミロイド抗体;抗炎症化合物、例えば、(R)−フルルビプロフェン、ニトロフルルビプロフェン、ロシグリタゾン、ND−1251、VP−025、HT−0712およびEHT−202;CB−1受容体拮抗薬もしくはCB−1受容体逆作動薬;抗生物質、例えばドキシサイクリンおよびリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体拮抗薬、例えばメマンチンおよびネラメキサン;コリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリン、フェンセリン、ラドスチギルおよびABT−089;成長ホルモン分泌促進物質、例えばイブタモレン、イブタモレンメシレートおよびカプロモレリン;ヒスタミンH拮抗薬、例えばABT−834、ABT 829およびGSK 189254;AMPA作動薬もしくはAMPAモジュレータ、例えばCX−717、LY−451395およびS−18986;PDE IV阻害剤;GABA逆作動薬;ニューロン性ニコチン様作動薬;選択的M1作動薬;微小管親和性調節キナーゼ(MARK)リガンド;または本発明の化合物の効力、安全性、利便性を増大させるか、本発明の化合物の望ましくない副作用もしくは毒性を低減する受容体もしくは酵素に作用する他の薬物、との併用が挙げられる。上述の併用リストは、単なる例示であり、いかなる点においても限定と解釈しない。
【0097】
本発明の化合物は、多くのプロテアーゼ阻害剤と同様に、シトクロムP−450モノオキシゲナーゼによりインビボで代謝されると考えられる。シトクロムP−450は、薬物代謝に影響を及ぼすアイソザイムの一科である。シトクロムP−450アイソザイム(CYP3A4アイソザイムを含む)は、一般には酸化により、薬物分子をインビボで変換する。シトクロムP−450による代謝は、多くの場合、好ましくない薬物動態を導き、望ましいものより高頻度で多い用量が必要となる。このような薬物をシトクロムP−450による代謝を阻害する薬剤と共に投与することにより、この薬物の薬物動態を改善する(すなわち、半減期を増す、ピーク血漿中濃度への時間を増す、血中レベルを上昇させる)ことができる。
【0098】
1つの実施形態において、本発明は、本発明の化合物とシトクロムP−450阻害剤の併用または共同投与に関する。本発明は、シトクロムP−450モノオキシゲナーゼにより代謝される本発明の化合物の薬物動態を改善するための方法にも関し、この方法は、本発明の化合物と共にシトクロムP−450阻害剤を投与することを含む。
【0099】
P−450阻害剤と本発明の化合物の併用は、単位剤形併用製品の一部として投与することができ、または1つ以上のP450阻害剤が治療計画の一部として別の剤形で投与されるキットもしくは治療プロトコルとして投与することができる。
【0100】
具体例としてのP450阻害剤としては、ケトコナゾール、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、イソニアジド、フルオキセチン、ミダゾラム、デラビルジン、インジナビル、リトナビル、ジヒドララジン、ベラパミル、トロレアンドマイシン、タモキシフェンおよびイリノテカンが挙げられる。他のp450阻害剤は、Peaら,Clin Pharmacokinet 2001,40(11),833−868;Zhouら,Current Drug Metabolism 2004,5,415−442;およびWienkers,J.Pharm Toxicol Methods 2001,45:79−84に開示されている。好ましいp450阻害剤は、リトナビルである。
【0101】
ここで用いる用語「組成物」は、所定の量または割合で指定の成分を含む製品、ならびに指定の量での指定の成分の併用の結果、直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関して、この用語は、1つ以上の活性成分と不活性成分を含む任意の担体とを含む製品、ならびに任意の2つ以上の成分の併用、複合もしくは凝集の結果、または1つ以上の成分の解離の結果、または1つ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用の結果、直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含すると考える。一般に、医薬組成物は、活性成分を液状担体もしくは微粉固体担体または両方と均一、および、均質に会合させ、その後、必要に応じてこの生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。本医薬組成物には、本活性目的化合物が、疾病の経過または状態に対して望ましい効果を生じさせるために十分な量で含まれる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することにより製造されるあらゆる組成物を包含する。
【0102】
経口用である医薬組成物は、医薬組成物製造のための当分野では公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、医薬的にエレガントで味のよい製剤を生じさせるために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つ以上の物質を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物で活性成分を含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、未コーティングであってもよいし、胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、これによって長期にわたる持続作用をもたらすように公知の技法によりコーティングされていてもよい。
【0103】
経口用組成物は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合する硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分を水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合する軟質ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0104】
他の医薬組成物としては、水性懸濁液が挙げられ、これは、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物で活性材料を含有する。加えて、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ごま油もしくはヤシ油に、または鉱物油、例えば流動パラフィンに活性成分を懸濁させることにより油性懸濁液を調合することができる。油性懸濁液は、様々な賦形剤も含有し得る。本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態である場合もあり、この乳剤は、賦形剤、例えば甘味剤および着香剤も含有し得る。
【0105】
本医薬組成物は、公知の技術に従って調合することができる滅菌注射用水性もしくは油脂性懸濁液の形態である場合があり、または薬物の直腸内投与のために坐剤の形態で投与される場合もある。
【0106】
本発明の化合物は、当業者には公知の吸入器具による吸入により、または経皮パッチにより投与される場合もある。
【0107】
「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、この受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0108】
化合物「の投与」または「を投与すること」という用語は、本発明の化合物を、この必要がある個体に、治療に有用な形態および治療に有用な量でこの個体の身体に導入することができる形態で提供することを意味すると理解すべきであり、このような形態としては、経口剤形、例えば錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液など;注射用剤形、例えば、IV、IMまたはIPなど;クリーム、ゼリー、粉末またはパッチをはじめとする経皮剤形;口腔内剤形;吸入用粉末、噴射剤、懸濁液など;および肛門坐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
用語「有効量」または「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家によって探索し続けられる、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する対象化合物の量を意味する。
【0110】
ここで用いる用語「治療」または「治療すること」は、本発明の化合物の任意の投与を意味し、ならびに(1)罹病した病状または総体的症状を経験または示している動物における疾病の抑制(すなわち、この病状および/もしくは総体的症状のさらなる進展の阻止)、または(2)罹病した病状または総体的症状を経験または示している動物における疾病の改善(すなわち、この病状および/もしくは総体的症状の逆行)を包含する。用語「制御すること」は、予防すること、治療すること、根絶すること、改善すること、または制御される状態の重症度を別様に軽減することを含む。
【0111】
本発明の化合物を含有する組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学技術分野では周知の任意の方法により調製することができる。用語「単位剤形」は、患者また患者に薬物を投与する人が、全用量が中に入っている単一の容器またはパッケージを開けることができ、2つ以上の容器またはパッケージからのいずれの成分も混ぜ合わせる必要がないような、適するシステムの中にすべての活性および不活性成分が併せられている単一用量を意味すると解釈する。単位剤形の典型例は、経口投与のための錠剤もしくはカプセル、注射のための1回量バイアル、または直腸内投与のための坐剤である。単位剤形のこのリストは、いかなる点においても限定と解釈せず、単に単位剤形の典型例を表すと解釈する。
【0112】
本発明の化合物を含有する組成物は、活性成分であってもよいし不活性成分であってもよい2つ以上の成分、担体、希釈剤などが、患者または患者に薬物を投与する人による実際の剤形の準備のためのインストラクションとともに提供されるキットとして、適便に提供することができる。このようなキットは、すべての必要材料および成分がこの中に収容されている状態で提供される場合もあり、または患者もしくは患者に薬物を投与する人が独自に入手しなければならない材料または成分を使用もしくは製造するためのインストラクションを収容している場合もある。
【0113】
アルツハイマー病または本発明の化合物が指示される他の疾病を治療、改善、制御、またはこれらの疾病のリスクを低減するとき、本発明の化合物が動物の体重のキログラム当たり約0.1mgから約100mgの日用量で投与される(好ましくは、単一の日用量として、または1日2から6回の分割量で、または持続放出形態で与えられる)と、一般に満足な結果が得られる。全日用量は、体重のkg当たり約1.0mgから約2000mg、好ましくは約0.1mgから約20mgである。70kgの成人の場合、全日用量は、一般に約7mgから約1,400mgである。この薬剤投与計画は、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。本化合物は、1日に1から4回、好ましくは1日に1回または2回の計画で投与することができる。
【0114】
本発明の化合物、またはこれらの医薬的に許容される塩の具体的な投薬量としては、1mg、5mg、10mg、30mg、80mg、100mg、150mg、300mgおよび500mgが挙げられる。本発明の医薬組成物は、約0.5mgから1000mgの活性成分を含む;さらに好ましくは約0.5mgから500mgの活性成分;または0.5mgから250mgの活性成分;または1mgから100mgの活性成分を含む、調合物で提供することができる。治療に有用な具体的な医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、30mg、80mg、100mg、150mg、300mgおよび500mgの活性成分を含む場合がある。
【0115】
しかし、あらゆる個々の患者のための具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変化させることができ、ならびに利用する具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用長、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の方式および回数、排泄率、薬物の組み合わせ、個々の状態の重症度、ならびにこの宿主が受けている療法をはじめとする様々な因子に依存することは理解される。
【0116】
β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤としての本発明の化合物の有用性は、当分野では公知の方法論により実証することができる。酵素阻害は、次のように判定することができる。
【0117】
ECLアッセイ:ビオチン化BACE基質を使用する均一エンドポイント電気化学発光(ECL)アッセイを利用する。前記基質のKmは、100μMより大きく、また前記基質の溶解限界のため判定することができない。典型的な反応系は、100μLの全反応容量で、約0.1nMの酵素、0.25μMの基質およびバッファ(50mM NaOAc(pH4.5)、0.1mg/mL BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTAおよび1mM デフェロキサミン)を含有する。反応は30分間進行し、その後、25μLの1M Tris−HCl(pH8.0)の添加により停止させる。得られた酵素的産物を、この産物のC末端残基を特異的に認識するルテニル化抗体の付加によりアッセイする。ストレプタビジン被覆磁性ビーズをこの溶液に添加し、これらのサンプルをM−384(メリーランド州、ゲーザーズバーグ(Gaithersburg)のIgen Inc.)分析に付す。これらの条件下で10%未満の基質がBACE 1によってプロセッシングされる。これらの試験で使用する酵素は、バキュロウイルス発現系で生産された可溶性(膜貫通ドメインおよび細胞質内伸張を含まない)ヒトタンパク質である。化合物の阻害効力を測定するために、DMSO中の阻害剤の溶液(100μMから出発する3倍系列稀釈で12の阻害剤濃度を調製する)を反応混合物に含める(最終DMSO濃度は、10%である)。すべての実験は、上で説明した標準的な反応条件を用いて室温で行う。化合物のIC50を決定するために、4パラメータ方程式を用いて曲線に当てはめる。解離定数の再現性に関する誤差は、典型的には2倍未満である。
【0118】
HPLCアッセイ:BACE 1により切断されて、クマリンが付いているN末端フラグメントを放出する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)での均一エンドポイントHPLCアッセイを用いる。前記基質のKmは、100μMより大きく、また前記基質の溶解限界のため決定することができない。典型的な反応系は、100μLの全反応容量で、約2nMの酵素、1.0μMの基質およびバッファ(50mM NaOAc(pH4.5)、0.1mg/mL BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTAおよび1mM デフェロキサミン)を含有する。反応を30分間進行させ、25μLの1M Tris−HCl(pH8.0)の添加により反応を停止させる。得られた反応混合物をHPLCにローディングし、生成物を5分の線形勾配で基質から分離する。これらの条件下で10%未満の基質がBACE 1によってプロセッシングされる。これらの試験で使用する酵素は、バキュロウイルス発現系で生産された可溶性(膜貫通ドメインおよび細胞質内伸張を含まない)ヒトタンパク質である。化合物の阻害効力を測定するために、DMSO中の阻害剤の溶液(12の阻害剤濃度を調製し、この濃度範囲は、FRETにより予測される効力に依存する)を反応混合物に含める(最終DMSO濃度は、10%である)。すべての実験は、上で説明した標準的な反応条件を用いて室温で行う。化合物のIC50を決定するために、4パラメータ方程式を用いて曲線に当てはめる。解離定数の再現性に関する誤差は、典型的には2倍未満である。
【0119】
詳細には、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイの一方または両方において、一般に約1nMから100μMのIC50で、β−セクレターゼ酵素を阻害する活性を有した。このような結果は、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する際の化合物の固有活性の指標となる。
【0120】
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を、本明細書中の図式および実施例で例示する。出発原料は、当分野において公知の手順または本明細書において例示する手順に従って製造する。以下の実施例は、本発明をより十分に理解できるように提供する。これらの実施例は、単なる実例であり、いかなる点においても本発明の制限と解釈すべきではない。
【0121】
中間体1.2.1:N 2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸(図式1)
【0122】
【化28】

【0123】
段階A:シッフ塩基形成
100mL CHCl中の塩酸アラニンメチルエステル(10.0g、71.6mmol)の溶液に、ベンゾフェノンイミン(12.0mL、71.6mmol)を添加した。15時間、室温で反応を進行させると、白色の沈殿が徐々に溶液に出現した。反応物をHOおよびCHClで稀釈し、層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、N−(ジフェニルメチレン)アラニン酸メチルを粘稠油として得、これをさらに精製せずに使用した。
【0124】
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.62(m,2H),7.47−7.29(m,6H),7.19−7.16(m,2H),4.16(q,J=6.8Hz,1H),3.7(s,3H,1.40(d,J=6.8Hz,3H)。
【0125】
段階B:アルキル化
0℃で60mL DMF中の段階AからのN−(ジフェニルメチレン)アラニン酸メチル(9.78g、36.6mmol)の溶液に、THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(45.72mL、45.72mmol)を20分間かけて添加した。30分後、40mL DMF中の塩化4−ピコリル塩酸塩(3.00g、18.29mmol)の溶液を、カニューレにより、25分間かけてこの反応物に添加した。この反応物を室温に温め、5時間攪拌した。NHCl飽和水溶液で反応を停止させ、EtOAc(3×)で抽出した。併せた有機層を3M LiCl(2×)およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0から40%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、2−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチルを白色の固体として得た(5.28g、81%)。
【0126】
LCMS[M+H]=359.2。H NMR(d−MeOH)δ8.51(dd,J=4.5,1.5Hz,2H),7.56(dd,J=8.4,1.4Hz,2H),7.40−7.37(m,4H),7.34−7.30(m,2H),7.26−7.23(m,2H),7.10−7.07(m,2H),3.33(ABのA,d,J=13.0Hz,1H),3.27(s,3H),3.18(ABのB,d,J=12.9Hz,1H),1.32(s,3H)。
【0127】
段階C:シッフ塩基の除去
75mLの1:1 MeOH/THF中の段階Bからの2−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチル(5.28g、14.73mmol)の懸濁液に、6N HCl(3.68mL、22.10mmol)を添加した。この反応物を、1.5時間、室温で攪拌した後、減圧濃縮した。イオン交換クロマトグラフィー(SCXカートリッジ)を用いる精製によって、2−アミノ−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチルを黄色の油として得た(2.76g、97%)。
【0128】
LCMS[M+H]=195.3。H NMR(d−MeOH)δ8.43(dd,J=4.6,1.6Hz,2H),7.24(dd,J=4.6,1.5Hz,2H),3.70(s,3H),3.09(ABのA,d,J=12.9Hz,1H),2.90(ABのB,d,J=13.0Hz,1H),1.39(s,3H)。
【0129】
段階D:Boc保護
0℃で70mL THF中の段階Cからの2−アミノ−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチル(2.76g、14.21mmol)の懸濁液に、二炭酸ジ−t−ブチル(4.03g、18.47mmol)を添加した。30分後、この反応物を室温に温め、一晩反応を進行させた。この反応物をEtOAcで稀釈し、NHCl飽和水溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0から60%EtOAc/CHCl)による精製によって、2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチルを黄色の固体として得た(3.22g、77%)。
【0130】
LCMS[M+H]=295.2。H NMR(400MHz,d−MeOH)δ8.43(d,J=5.1Hz,2H),7.21(d,J=5.9Hz,2H),3.73(s,3H),3.44(ABのA,d,J=13.2Hz,1H),3.12(ABのB,d,J=13.2Hz,1H),1.46(s,9H),1.30(s,3H)。
【0131】
段階E:鹸化
4.25mLの1:1 MeOH/THF中の段階Dからの2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸メチル(0.25g、0.85mmol)の溶液に、3N NaOH(0.43mL、1.27mmol)を添加した。50℃で1時間、反応を進行させ、この時点でこれを室温に冷却し、6N HCl(0.21mL、1.27mmol)で反応を停止させた。この反応物を減圧濃縮して、2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−ピリジン−4−イルプロパン酸NaClを白色の固体として得た。
【0132】
LCMS[M+H]=281.3。H NMR(400MHz,d−MeOH)δ8.44(d,J=5.3Hz,2H),7.28(d,J=5.9Hz,2H),3.43(ABのA,d,J=12.6Hz,1H),3.33(ABのB,d,J=12.3Hz,1H),1.47(s,9H),1.41(s,3H)。
【0133】
中間体1.2.2:N−(t−ブトキシカルボニル)−2,5−ジメチルノルロイシン(図式1)
【0134】
【化29】

【0135】
N−(t−ブトキシカルボニル)−2,5−ジメチルノルロイシンは、ヨウ化イソブチルおよびアラニンシッフ塩基から、中間体1.2.1の調製について説明したとおりに調製した。
【0136】
中間体2.3.1:(3R−アミノ−1−ベンジル−2RS−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)カルバミン酸t−ブチル(図式2)
【0137】
【化30】

【0138】
段階A:還元
室温で30mL THF中のD−α−メチル−フェニルアラニン(1.74g、9.71mmol)の溶液に、NaBH(0.92g、24.27mmol)を一度に添加した。この溶液を0℃に冷却した。5mL THF中のヨウ素(2.46g、9.71mmol)を30分かけて1滴ずつ添加した。添加が完了した後、この反応物を加熱して2日間還流させた。その後、反応物を0℃に冷却し、泡立ちが治まるまでメタノールの添加により反応を停止させた。この反応混合物を、6N HClの添加によりpH1まで酸性化し、50℃で30分間攪拌し、減圧濃縮した。イオン交換クロマトグラフィー(SCXカートリッジ)を用いる精製により、2R−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オールを白色の固体として得た。
【0139】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35−7.18(m,5H),3.36(ABのA,d,J=10.4Hz,1H),3.31(ABのB,d,J=10.4Hz,1H),2.70(s,2H),1.04(s,3H)。
【0140】
段階B:Boc保護
2R−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(4.14g、25mmol)および二炭酸ジ−t−ブチル(7.1g、32.5mmol)の溶液を室温で16時間攪拌し、濃縮して、(1−ベンジル−2R−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カルバミン酸)t−ブチルを白色の固体として得た。
【0141】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35−7.15(m,5H),4.48(brs,1H),4.17(brs,1H),3.76−3.62(m,2H),3.19(ABのA,d,J=13.6Hz,1H),2.81(ABのB,d,J=13.6Hz,1H),1.47(s,9H),1.07(s,3H)。
【0142】
段階C:酸化
DCM(100mL)およびDMSO(25mL)中の(1−ベンジル−2R−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カルバミン酸t−ブチル(6.7g、25.2mmol)の溶液に、トリエチルアミン(10.5mL、75.7mmol)および三酸化硫黄−ピリジン(10g、63.1mmol)を添加した。この反応混合物を室温で、3.5時間攪拌し、EtOAcで稀釈し、10%KHSO、飽和NaHCO、水、ブラインおよびLiCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0から20%EtOAc/ヘキサン)により精製して、(1−ベンジル−1−メチル−2R−オキソエチル)カルバミン酸t−ブチルを白色の固体として得た。
【0143】
H NMR(400MHz,CDCl)δ9.53(s,1H),7.35−7.22(m,3H),7.12−7.00(m,2H),4.84(brs,1H),3.17(ABのA,d,J=13.6Hz,1H),3.08(ABのB,d,J=13.6Hz,1H),1.51(s,9H),1.27(s,3H)。
【0144】
段階D:エポキシ化
アセトニトリル(15mL)中のN−(t−ブチル(1−ベンジル−1−メチル−2R−オキソエチル)カルバメート(1g、3.80mmol)の溶液に、6滴の水、ヨウ化トリメチルスルホニウム(775mg、3.80mmol)および水酸化カリウム(511mg、9.11mmol)を添加した。この反応物を、封止して1.5時間、60℃で攪拌し、追加のヨウ化トリメチルスルホニウム(775mg、3.80mmol)および水酸化カリウム(511mg、9.11mmol)を添加し、この反応物を、封止して3時間、60℃で攪拌した。この反応混合物をEtOAcで稀釈し、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、(1−メチル−1−オキシラン−2R−イル−2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチルを油として得た。MS(ES,M+H)278。
【0145】
段階E:エポキシド開環
EtOH(35mL)およびNHOH(35mL)中の(1−メチル−1−オキシラン−2R−イル−2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル(986mg、3.56mmol)の溶液を、封止して60℃で16時間攪拌し、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0から30%(10%NHOH/MeOH)/CHCl)により精製して、(3R−アミノ−1−ベンジル−2RS−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)カルバミン酸t−ブチルを濃稠油として得た。H NMR(400MHz,CDOD、1:1 ジアステレオマー混合物)δ7.30−7.14(m,5H),4.01(brd,J=9.2Hz,0.5H),3.54(dd,J=10.0,2Hz,0.5H),3.39(brs,0.5H),3.36(brs,0.5H),2.94−2.56(m,4H),1.47(s,9H),1.03(s,1.5H),0.99(s,1.5H)。
【0146】
中間体3.2.1:N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミン(図式3)
【0147】
【化31】

【0148】
段階A:カップリング
2−メチルシクロプロパンカルボン酸(77.74g、777mmol)、ベンジルアミン(93.3mL、854mmol)およびDIPEA(141.5mL、854mmol)の溶液を1200mLのジクロロメタンに溶解した。室温で、この溶液に、EDC−HCl(163.7g、854mmol)を固体として少しずつ添加し、一晩攪拌した。この反応混合物を0.3M HClに注入した。層を分離し、もう一度0.3M HClおよびNaHCO飽和水溶液で洗浄した。その後、有機層をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、残留物をEtOAc/ヘキサンから再結晶させて、カップリングした付加体を白色の結晶として得た。
【0149】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.28(m,5H),5.81(brs,1H),4.43(dd,J=5.6,2.4Hz,2H),1.37(m,1H),1.17(m,1H),1.07(d,J=6.0Hz,3H),1.04(オーバーラップしているm,1H),0.56(m,1H)。
【0150】
好ましいエナンチオマー トランス−S,Sを得るために、場合により分取キラルHPLCを行う。以下の中間体および実施例では、好ましいエナンチオマー(トランス−S,S)またはラセミ混合物(トランス−S,Sとトランス−R,R)を区別なく用いた。簡略化のために、メチル−シクロプロピル−メチル部分をトランス−ラセミ体として描く。
【0151】
段階B:還元
500mLフラスコにTHF(80mL)中のN−ベンジル−トランス−2−メチルシクロプロパンカルボキサミド(段階Bからのもの、3.9g、20.6mmol)を充填した。BH−THF(1.0M、105mL、105mmol)を添加漏斗により1滴ずつ添加した。添加完了(10分)後、この混合物を5時間還流させた。この混合物を放置して室温に冷却し、MeOH(15mL)で注意深く反応を停止させた。この混合物を濃縮乾固させ、ジクロロメタンに溶解し、3M KOHで洗浄した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させた。この粗製材料をジオキサン中1NのHClで1時間、50℃で処理した。この混合物を濃縮して、塩酸塩を白色の固体として得た。この固体をNaHCO飽和水溶液(80mL)に溶解し、CHCl(2×150mL)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去して、減圧乾燥後、N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミンをオフホワイトの半固体として得た(定量収率)。
【0152】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.28(m,5H),3.80(s,2H),2.50(d,J=6.8Hz,2H),2.4(brs,1H),1.02(d,J=6.0Hz,3H),0.69(m,1H),0.52(m,1H),0.23(m,2H)。
【0153】
中間体3.3.1:N−メチル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミン(図式3)
【0154】
【化32】

【0155】
DCE(240mL)およびMeOH(120mL)中のN−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メテナミン(8g、45.6mmol、中間体VI)の溶液に、ホルムアルデヒド(34mL、456mmol、37%水溶液)およびNaBH(OAc)(19.3g、91mmol)を添加した。この反応混合物を室温で1時間攪拌し、NaHCO飽和水溶液で処理し、濃縮してほぼ乾固させ、水で稀釈し、EtOAc(3×)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、HCl(50mL、50mmol、1M EtO)で処理し、減圧濃縮して、N−ベンジル−メチル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミンを塩酸塩として得、これを、EtOH(400mL)中、20%Pd(OH)/C(616mg)の存在下、2時間、1気圧のHのもとで水素化した。濾過および減圧濃縮により、N−メチル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミンを塩酸塩として得た。
【0156】
H NMR(400MHz,CDOD)δ2.88(d,J=7.3Hz,2H),2.69(s,3H),1.09(d,J=5.7Hz,3H),0.78−0.70(m,2H),0.52−0.50(m,1H),0.50−0.40(m,1H)。
【0157】
中間体3.4.1:2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミン(図式3)
【0158】
【化33】

【0159】
EtOH(20mL)中のN−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミン(中間体3.2.1、255mg、1.46mmol)の溶液に、1N HCl(1.53mL、1.53mmol)を添加した。この溶液をアルゴンで脱気し、Pd(OH)を添加した(30mg)。この反応混合物を1気圧の水素のもと、60℃で16時間攪拌した。セライトでの濾過および濃縮により、2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミンを塩酸塩として得た。
【0160】
H NMR(400MHz,CDOD+CDCl)δ2.90−2.60(m,2H),1.09(bs,3H),0.90−0.70(m,2H),0.60−0.35(m,2H)。
【0161】
中間体3.6.1:(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン(図式3)
【0162】
【化34】

【0163】
段階A:カップリング
CHCl(150mL)中の塩酸N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミン(中間体3.2.1、10g、47.2mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(9.87mL、56.7mmol)、メトキシ酢酸(4.35mL、56.7mmol)、HOAt(1.29g、9.5mmol)およびEDC(10.87g、56.7mmol)を添加し、この反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、EtOAcで稀釈し、10%KHSO、NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、トランスN−ベンジル−2−メトキシ−N−[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アセトアミドを得、これをこのまま次の段階で使用した。
【0164】
段階B:還元
0℃に冷却したTHF(100mL)中のトランス N−ベンジル−2−メトキシ−N−[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アセトアミド(12.18g、49.2mmol)の溶液に、ボラン−THF(123.1mL、123.1mmol、1M THF)をゆっくりと添加した。この反応混合物を70℃で2時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、MeOHで注意深く反応を停止させた。追加のMeOH(20mL)を添加し、得られた混合物を0.5時間、還流させながら攪拌した。減圧濃縮して約200mLにした後、HCl(気体)で飽和させたMeOH(25mL)を添加し、この混合物を50℃で1時間攪拌した。追加のHCl(気体)飽和MeOH(25mL)を添加し、この混合物を50℃で1時間攪拌した。この反応混合物を減圧濃縮し、EtOH、MeOHおよびDCMから数回、再濃縮して、塩酸トランスN−ベンジル−2−メトキシ−N−[(2−メチルシクロプロピル)メチル]エタナミンを無色の濃稠油として得、これをこのまま次の段階で使用した。
【0165】
段階C:水素化
アルゴンで脱気した、EtOH(400mL)中の塩酸トランスN−ベンジル−2−メトキシ−N−[(2−メチルシクロプロピル)メチル]エタナミン(16g、59.3mmol)の溶液に、Pd(OH)(830mg、20%)を添加し、この混合物を1気圧のHのもと、室温で4時間攪拌した。この反応混合物をNでパージし、N下、セライトで濾過し、減圧濃縮し、真空下、Pで乾燥させて、塩酸トランス(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミンを白色のフォームとして得た。
【0166】
H NMR(400MHz,CDCl)δ9.46(bs,2H),3.84(t,J=5.1Hz,2H),3.40(s,3H),3.23(bt,J=5.1Hz,2H),3.08−2.88(m,2H),1.09(d,J=6.1Hz,3H),1.02−0.91(m,1H),0.86−0.78(m,1H),0.65−0.57(m,1H),0.50−0.42(m,1H)。
【0167】
中間体3.6.2:(2,2−ジフルオロエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン
【0168】
【化35】

【0169】
中間体3.6.1の調製において説明したのと同様の手順を用いて、塩酸N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタナミンおよびジフルオロ酢酸から調製した。
【0170】
H NMR(400MHz,CDOD)d6.35(tt,48,3Hz,1H),3.56(td,J=15.6,3.1Hz,2H),3.03(m,2H),1.11(d,J=5.9Hz,3H),0.83(m,2H),0.60(m,1H),0.50(m,1H)。
【0171】
中間体3.6.3:(2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン
【0172】
【化36】

【0173】
中間体3.2.1について説明したのと同様の手順を用いて、(t−ブチル(ジメチル)シリルオキシ)エチルアミンおよび2−メチルシクロプロパンカルボン酸から調製した。
【0174】
H NMR(400MHz,CDOD)δ3.74(t,J=5.3Hz,2H),2.76(m,2H),2.52(m,2H),1.04(d,J=6.0Hz,3H),0.90(s,9H),0.68(m,1H),0.55(m,1H),0.29(m,1H),0.24(m,1H),0.07(s,6H)。
【0175】
中間体3.6.4:{(1S)−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}アミン
【0176】
【化37】

【0177】
段階A:(2E)−1,1−ジエトキシブト−2−エン
クロトンアルデヒド(23.64mL、285.35mmol)、オルトギ酸トリエチル(57.02mL、342.42mmol)および硝酸アンモニウム(2.28g、28.54mmol)を60mL EtOH中で併せた。周囲温度で22時間後、この反応物をEtOAc(60mL)で稀釈し、重炭酸ナトリウム飽和溶液(40mL)で洗浄した。水層をEtOAc(20mL)で抽出した。併せた有機部分をブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、36.5g(89%)の1,1−ジエトキシブト−2−エンを得た。
【0178】
H NMR(CDCl,400MHz)5.84(m,1H);5.54(m,1H);4.82(d,J=5.7Hz,1H);3.64(m,2H);3.49(m,2H);1.73(m,3H);1.21(m,6H)。
【0179】
段階B:(4S,5S)−2−[(1E)−プロプ−1−エニル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピル
100mL ベンゼン中の(2E)−1,1−ジエトキシブト−2−エン(32.20g、223.27mmol)、D−酒石酸(−)−ジイソプロピル(64.64mL、245.60mmol)およびトシル酸ピリジニウム(2.24g、8.93mmol)の溶液を95℃に加熱して、溶媒および生成したEtOHを蒸留除去した。95℃で7時間後、この反応物を室温に冷却し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(10−>30%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、35.37g(55%)の(4S,5S)−2−[(1E)−プロプ−1−エニル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピルを橙色の油として得た。
【0180】
H NMR(CDCl,400MHz)6.03(m,1H);5.86(m,2H);5.12(m,2H);4.71(d,J=3.84Hz,1H);4.63(d,J=3.84Hz,1H);1.78(m,3H);1.30(d,J=6.23Hz,12H);LC/MS[M+H]=287。
【0181】
段階C:(4S,5S)−2−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピル
60mL ヘキサン中の中間体(4S,5S)−2−[(1E)−プロプ−1−エニル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピル(4.10g、14.32mmol)の−20℃溶液に、ヘキサン中1Mのジエチル亜鉛(42.96mL、42.96mmol)を添加した。激しく攪拌しながら、ジヨードメタン(6.92mL、85.92mmol)を1滴ずつ添加した。−20℃で1時間後、この反応物を−5℃で冷凍した。−5℃で17時間後、この反応物をさらに5時間、0℃で攪拌し、その後、冷却塩化アンモニウム飽和溶液(100mL)で反応を停止させ、EtO(100mL×3)で抽出した。併せた有機部分をチオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、濾過し、NaSOで乾燥させ、再び濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(10−>30%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、3.85g(89%)の(4S,5S)−2−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピルを黄色の油として得た。
【0182】
H NMR(CDCl,400MHz)5.12(m,2H);4.78(d,J=6.41Hz,1H);4.66(d,J=4.21Hz,1H);4.57(d,J=4.22Hz,1H);1.30(m,12H);1.09(d,J=5.68Hz,3H);0.94(m,2H);0.67(m,1H);0.39(m,1H);LC/MS[M+H]=301。
【0183】
段階D. 2−メチル−N−{(1E)−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチリデン}プロパン−2−スルフィンアミド
5mL CHCl/200uL HO中の(4S,5S)−2−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピル(0.450g、1.50mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(0.071g、0.38mmol)を添加した。反応物を加熱して50℃で還流させた。50℃で16時間後、この反応物を室温に冷却した。反応容器の頂部にある水滴を除去した。硫酸銅(II)(0.507g、2.85mmol)およびR−(+)−t−ブタンスルフィンアミド(0.173g、1.43mmol)を添加した。周囲温度で5.5時間後、この反応物をセライトのパッドで濾過した。このセライトをCHCl(200mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(0−>50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、0.245g(92%)の2−メチル−N−{(1E)−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチリデン}プロパン−2−スルフィンアミドを透明、無色の残留物として得た。
【0184】
H NMR(CDCl,400MHz)7.46(d,J=7.69Hz,1H);1.62(m,1H);1.25(m,2H);1.10(m,12H);0.82(m,1H);LC/MS[M+H]=188。
【0185】
段階E:2−メチル−N−{(1S)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド
5mL CHCl中の2−メチル−N−{(1E)−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチリデン}プロパン−2−スルフィンアミド(0.300g、1.60mmol)の−78℃溶液に、EtO中3Mの臭化メチルマグネシウム(1.07mL、3.20mmol)を添加した。−78℃で2時間後、この反応物を室温に温めた。周囲温度で1時間後、塩化アンモニウム飽和溶液(15mL)で反応を停止させ、EtOAc(30mL×2)で抽出した。併せた有機部分をブライン(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(0−>80%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、0.224g(69%)の−メチル−N−{(1S)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミドを透明、無色の残留物として得た。
【0186】
H NMR(CDCl,400MHz)2.77(m,1H);1.31(d,J=6.50Hz,3H);1.21(s,9H);1.03(d,J=5.77Hz,3H);0.54(m,3H);0.30(m,1H);LC/MS[M+H]=204。
【0187】
段階F:塩化(1S)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エタナミニウム
4mL MeOH中の2−メチル−N−{(1S)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド(0.210g、1.03mmol)の0℃溶液に、EtO中2MのHCl(0.52mL、1.03mmol)を添加した。0℃から室温まで18時間にわたって反応物を攪拌し、その後、減圧濃縮した。得られた材料をEtO(4mL)に吸収させ、2回、減圧濃縮して、塩化(1S)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エタナミニウムを白色の固体として得た。
【0188】
H NMR(CDCl,400MHz)2.60(m,1H);1.37(d,J=6.59Hz,3H);1.08(d,J=6.04Hz,3H);0.77(m,1H);0.64(m,2H);0.42(m,1H);LC/MS[M+H]=100。
【0189】
中間体3.6.5:{(1R)−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}アミン
【0190】
【化38】

【0191】
中間体3.6.4について説明したとおりのプロトコルを用いて調製したが、段階DでS−(+)−t−ブタンスルフィンアミドの変更を用いた。LC/MS[M+H]=100。
【0192】
中間体3.6.6:(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン
【0193】
【化39】

【0194】
中間体3.6.1の合成について説明した手順における段階AおよびBを用いて、2−(2−メトキシエトキシ)エタナミンおよびトランス−2−メチルシクロプロパンカルボン酸から調製した。
【0195】
中間体3.6.7:(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン
【0196】
【化40】

【0197】
中間体3.6.1の合成について説明した手順における段階AおよびBを用いて、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタナミンおよびトランス−2−メチルシクロプロパンカルボン酸から調製した。MS(ES,M+H)232。
【0198】
中間体3.6.8:(1−(トランス−2−メチルシクロプロピル)−N−[(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル]メタナミン
【0199】
【化41】

【0200】
中間体3.6.1の合成について説明した手順における段階AおよびBを用いて、中間体3.4.1および1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸から調製した。
【0201】
中間体3.6.9:1−(トランス−2−メチルシクロプロピル)−N−[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]メタナミン
【0202】
【化42】

【0203】
中間体3.6.1の合成について説明した手順における段階AおよびBを用いて、中間体3.4.1および1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸から調製した。
【0204】
中間体3.6.10:1−(トランス−2−メチルシクロプロピル)−N−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]メタナミン
【0205】
【化43】

【0206】
中間体3.6.1の合成について説明した手順における段階AおよびBを用いて、中間体3.4.1および1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸から調製した。
【0207】
中間体3.7.1:N−[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]グリシン酸エチル
【0208】
【化44】

【0209】
段階A:還元的アミノ化
塩酸塩としての中間体3.2.1(2.0g、9.45mmol)のDCE溶液(50mL)を0℃に冷却し、グリオキシル酸エチル(1.01g、2.2mL、9.92mmol、50%トルエン溶液)、続いてNaHB(OAc)(2.83g、13.2mmol)で処理した。この溶液を室温に温め、一晩攪拌した。この時点で重炭酸塩水溶液を添加し、この溶液を20分間攪拌した。この混合物をEtOAcで繰り返し抽出し、併せた有機層をブラインで洗浄した。NaSOでの乾燥、溶媒除去および減圧下でのさらなる乾燥により、2.0gのN−ベンジル−N−[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]グリシン酸エチルを白色の半固体として得た。LC/MS[M+H]=262.2。
【0210】
段階B:水素化
75mLのEtOH中の上記基質(2.0g、7.6mmol)を充填した250mLフラスコをNで10分間パージした。この溶液に、10%Pd(OH)(80mg)、続いてHCl(2.0mL、7.6mmol、4.0N ジオキサン溶液)を添加した。バルーンを用いて内容物を水素雰囲気下に置いた。一晩攪拌した後、この混合物をセライトで濾過した。追加当量のHClを添加し、この混合物を濃縮し、減圧乾燥させて、1.6gの上記表題生成物を塩酸塩として得た(オフホワイトの固体)。
【0211】
H NMR(CDOD,400MHz)δ4.28(q,J=7.2Hz,2H);3.95(s,2H);2.95(m,2H);1.29(t,J=7.2Hz,3H);1.07(d,J=5.6Hz,3H);0.82(m,2H);0.55(m,1H);0.45(m,2H);LC/MS[M+H]=176.3。
【0212】
中間体4.2a.1:2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0213】
【化45】

【0214】
2,6−ジクロロイソニコチン酸メチルおよびメチル(メチルスルホニル)アミンから、中間体4.2c.1の調製、段階AおよびBにおいて説明したとおりに調製した。
【0215】
中間体4.2b.1:2−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4)
【0216】
【化46】

【0217】
中間体4.2c.1の調製、段階Cについて説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸および中間体3.6.1から調製した。MS M+1=299。
【0218】
中間体4.2b.2:2−クロロ−6−{(2−メチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4)
【0219】
【化47】

【0220】
中間体4.2c.1の調製、段階Cについて説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸および中間体3.3.1から調製した。MS M+1=255。
【0221】
中間体4.2c.1:2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0222】
【化48】

【0223】
段階A:スルホンアミド組み込み
2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル(25g、121.3mmol)、メチル(メチルスルホニル)アミン(3.18g、29.12mmol)、リン酸カリウム(38.6g、182mmol)、Xantphos(4.2g、7.28mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.22g、2.43mmol)を、アルゴンでフラッシュした乾燥フラスコに添加した。ジオキサン(1200mL)を添加し、この溶液をアルゴンで脱気し、この反応物を16時間、100℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトに通して濾過し、減圧蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中、0から50% 0から40%のEtOAc)により、2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチルを黄色の油として得た。
【0224】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.88(s,1H),7.68(s,1H),3.96(s,3H),3.44(s,3H),3.11(s,3H)。
【0225】
段階B:加水分解
1:1 THF:MeOH(1L)中の2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチル(90.2g、323.6mmol)の溶液にNaOH(388mL、388mmol、1N)を添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、1N HClでpH3から4に酸性化し、ジクロロメタン(×2)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(中間体4.2c.1)を白色の固体として得た。
【0226】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.88(s,1H),7.63(s,1H),3.39(s,3H),3.13(s,3H)。
【0227】
段階C:アミン組み込み
DMA(300mL)中の2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(20g、75.6mmol)、塩酸トランス(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン(17.65g、98.2mmol)、リン酸カリウム(48.12g、226.7mmol)の懸濁液をアルゴンで10分間脱気した。Pd(PtBu(1.93g、3.78mmol)を添加し、この反応混合物をアルゴンで10分間脱気した。反応混合物を110℃で24時間攪拌した。この反応物を室温に冷却し、セライトに通して濾過し、EtOAcですすぎ、水で稀釈し、1N HClでpHを3から4に調整し、EtOAc(×3)で抽出した。有機層をLiCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸を得た。
【0228】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.05(s,1H),7.02(s,1H),3.76(t,J=6.3Hz,2H),3.60(t,J=6.3Hz,2H),3.52−3.43(m,1H),3.39(s,3H),3.36(s,3H),3.38−3.30(m,1H),3.18(s,3H),1.23(d,J=6.1Hz,3H),0.82−0.64(m,2H),0.46−0.39(m,1H),0.32−0.25(m,1H)。
【0229】
中間体4.2c.2:2−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0230】
【化49】

【0231】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.2.1から調製した。
【0232】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.88(s,1H),7.63(s,1H),3.39(s,3H),3.13(s,3H)。
【0233】
中間体4.2c.3:2−{メチル[2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0234】
【化50】

【0235】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.3.1から調製した。
【0236】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.02(s,1H),6.96(s,1H),3.55(ABXのA,dd,J=14.4,6.0Hz,1H),3.29(ABXのB,dd,J=14.4,7.2Hz,1H),3.35(s,3H),3.15(s,3H),3.12(s,3H),1.03(d,J=6.0Hz,3H),0.82−0.66(m,2H),0.48−0.41(m,1H),0.28−0.22(m,1H)。
【0237】
中間体4.2c.4:2−{(2,2−ジフルオロエチル)[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(2−メトキシエチル)(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0238】
【化51】

【0239】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、2−メトキシエチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.6.2から調製した。MS M+1=422。
【0240】
中間体4.2c.5:2−{(2−メトキシエチル)[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(2−メトキシエチル)(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0241】
【化52】

【0242】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、2−メトキシエチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=416。
【0243】
中間体4.2c.6:2−{(2−メトキシエチル)[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(2−メトキシエチル)(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0244】
【化53】

【0245】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、2−メトキシエチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.3.1から調製した。MS M+1=372。
【0246】
中間体4.2c.7:2−(1,1−ジオキシドイソチアゾリジン−2−イル)−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4)
【0247】
【化54】

【0248】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、イソチアゾリジン1,1−ジオキシドおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=384。
【0249】
中間体4.2c.8:2−{ベンジル[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−(1,1−ジオキシドイソチアゾリジン−2−イル)イソニコチン酸(図式4)
【0250】
【化55】

【0251】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、イソチアゾリジン1,1−ジオキシドおよび中間体3.2.1から調製した。MS M+1=416。
【0252】
中間体4.2c.9:2−{(2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0253】
【化56】

【0254】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.6.3から調製した。MS M+1=472。
【0255】
中間体4.2c.10:2−({(1R)−1−[(2S)−2−メチルシクロプロピル]エチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0256】
【化57】

【0257】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.6.5から調製した。MS M+1=328。
【0258】
中間体4.2c.11:2−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(イソプロピルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0259】
【化58】

【0260】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(イソプロピルスルホニル)アミンおよび中間体3.2.1から調製した。MS M+1=432。
【0261】
中間体4.2c.12:2−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(エチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0262】
【化59】

【0263】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、メチル(エチルスルホニル)アミンおよび中間体3.2.1から調製した。MS M+1=418。
【0264】
中間体4.2c.13:2−[ベンジル(メチルスルホニル)アミノ]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4)
【0265】
【化60】

【0266】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、ベンジル(メチルスルホニル)アミンおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=448。
【0267】
2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチル
【0268】
【化61】

【0269】
段階A:メチルアミンカップリング
52mL 水中の2,6−ジクロロイソニコチン酸(25g、130.2mmol)の溶液に、水中の40%メチルアミン(60mL)を添加した。反応物を加熱して100℃で還流させた。16時間後、反応物を室温に冷却した。反応物を1N HCl(200mL)で酸性化し、EtOAc(300mL×4)で抽出した。併せた有機部分をブライン(150mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、24.2g(100%)の2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸を褐色の固体として得た。LC/MS[M+H]=187.0。
【0270】
段階B:エステル化
600mL MeOH中の2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸(18.1g、97mmol)の溶液に、塩化チオニル(7.783mL、107mmol)を非常にゆっくりと添加した(HClガスを激しく放出する)。反応物を2時間、65℃で還流させた。2時間後、反応物を減圧濃縮した。残留物をEtOAc(400mL)に溶解し、NaHCO飽和溶液(300mL)で中和した。この水溶液をEtOAc(150mL×3)で抽出した。併せた有機部分をブライン(150mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン、その後、20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、11.3g(58%)の2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチルを黄褐色の固体として得た。
【0271】
H NMR(CDCl,400mHz)7.08(d,J=0.91Hz,1H);6.84(d,J=0.73Hz,1H);5.09(s,NH);3.92(s,3H);2.96(d,J=5.31Hz,3H);LC/MS[M+H]=201.0。
【0272】
中間体4.2c.14:2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(ピリジン−3−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸
【0273】
【化62】

【0274】
段階A:スルホニル化
3:1 CHCl:ピリジン(合計100mL)中の2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチル(2.00g、9.97mmol)の溶液に、塩化3−ピリジンスルホニル・塩酸塩(6.40g、29.9mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.609g、4.98mmol)を添加した。反応物を加熱して50℃で還流させた。36時間後、反応物を室温に冷却した。反応物をCHCl(200mL)で稀釈し、1N HCl(150mL)溶液で洗浄した。この水溶液をCHCl(100mL×2)で抽出した。併せた有機部分をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(20−>40%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、3.12g(92%)の2−クロロ−6−[メチル(ピリジン−3−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチルを黄色の残留物として得た。
【0275】
H NMR(CDCl,400MHz)8.95(d,J=0.64Hz,1H);8.82(m,1H);8.03(m,2H);7.67(m,1H);7.45(m,1H);3.99(s,3H);3.39(s,3H);LC/MS[M+H]=341.9。
【0276】
段階B:加水分解
1:1 MeOH:THF(合計60mL)中の2−クロロ−6−[メチル(ピリジン−3−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチル(3.12g、9.13mmol)の溶液に、1N NaOH溶液(27mL、27.4mmol)を添加した。1時間後、反応物を減圧濃縮した。反応物をEtOAc(100mL)で稀釈し、1N HCl溶液(50mL)で酸性化した。この水溶液をEtOAc(100mL×3)で抽出した。併せた有機部分をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、2.63g(88%)の2−クロロ−6−[メチル(ピリジン−3−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸を白色の固体として得た。LC/MS[M+H]=328.1。
【0277】
中間体4.2c.15:2−[[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)スルホニル](メチル)アミノ]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸
【0278】
【化63】

【0279】
2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチルおよび塩化3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−スルホニルから、中間体4.2c.14の調製において説明したとおりに調製した。MS M+1=453。
【0280】
中間体4.2c.16:2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−{メチル[(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル]アミノ}イソニコチン酸
【0281】
【化64】

【0282】
2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチルおよび塩化1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルから、中間体4.2c.14の調製において説明したとおりに調製した。MS M+1=438。
【0283】
中間体4.2c.17:2−[({4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペラジン−1−イル}スルホニル)(メチル)アミノ]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4)
【0284】
【化65】

【0285】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、4−[(メチルアミノ)スルホニル]ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=576。
【0286】
中間体4.2c.18:2−[[(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル](メチル)アミノ]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸
【0287】
【化66】

【0288】
2−クロロ−6−(メチルアミノ)イソニコチン酸メチルおよび塩化1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルから、中間体4.2c.14の調製において説明したとおりに調製した。MS M+1=576。
【0289】
中間体4.2c.19:2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(モルホリン−4−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4)
【0290】
【化67】

【0291】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、N−メチルモルホリン−4−スルホンアミドおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=443。
【0292】
中間体4.2c.20:2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−(メチル{[(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)メチル]スルホニル}アミノ)イソニコチン酸
【0293】
【化68】

【0294】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、N−メチル−1−(3−メチルイソオキサゾール)−5−イル)メタンスルホンアミドおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=453。
【0295】
中間体4.2c.21:2−[[(ジメチルアミノ)スルホニル](メチル)アミノ]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸
【0296】
【化69】

【0297】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、N,N,N’−トリメチルスルファミドおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=401。
【0298】
中間体4.2c.22:2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(ピロリジン−1−イルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸
【0299】
【化70】

【0300】
中間体4.2c.1の調製について説明したのと同様の手順に従って、2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル、N−メチルピロリジン−1−スルホンアミドおよび中間体3.6.1から調製した。MS M+1=427。
【0301】
中間体4.3c.1:N−(4−(ヒドラジノカルボニル)−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式4)
【0302】
【化71】

【0303】
段階A:カップリング
DCM(150mL)中の2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(14.05g、37.8mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(7.91mL、45.4mmol)、Boc−ヒドラジン(6g、45.4mmol)、HOAt(1.03g、7.6mmol)およびEDC(8.7g、45.4mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで稀釈し、10%KHSO、NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中30%から70%のEtOAc)により精製して、2−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジンカルボン酸t−ブチルを得た。MS M+1=486。
【0304】
段階B:Boc除去
0℃に冷却したDCM(50mL)中の2−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジンカルボン酸t−ブチル(13.6g、28mmol)の溶液をHCl(気体)でバブリングした。LCによる反応完了の後、この反応混合物を減圧濃縮して、N−(4−(ヒドラジノカルボニル)−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドを塩酸塩として得た。
【0305】
H NMR(400MHz,CDOD)δ6.89(s,1H),6.88(s,1H),3.79(t,J=6.1Hz,2H),3.62(t,J=6.3Hz,2H),3.52−3.48(m,1H),3.42−3.35(m,1H),3.33(s,3H),3.31(s,3H),3.16(s,3H),1.04(d,J=5.9Hz,3H),0.85−0.70(m,2H),0.51−0.42(m,1H),0.31−0.23(m,1H)。
【0306】
タイプ4.2cのすべての酸中間体を、タイプ4.3cの対応するアシルヒドラジドに転化させることができることに留意すること。
【0307】
中間体5.2c.1:N−(4−[5−(1R−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式5)
【0308】
【化72】

【0309】
段階A:カップリング
DMF(100mL)中の塩酸N−(4−(ヒドラジノカルボニル)−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(中間体4.3c.1、11.81g、28mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(9.75mL、56mmol)、Boc−D−アルファメチル−フェニルアラニン(8.6g、30.8mmol)、HOAt(1.9g、14mmol)およびEDC(8.05g、42mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで稀釈し、10%KHSO、NaHCO水溶液およびLICl水溶液(×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中30%から70%のEtOAc)により精製して、[(1R)−1−ベンジル−2−オキソ(2−{2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルを得た。MS M+1=647。
【0310】
段階B:脱水環化
0℃に冷却したDCM(150mL)中の[(1R)−1−ベンジル−2−オキソ(2−{2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチル(16.2g、25mmol)、トリフェニルホスフィン(7.88g、30.1mmol)およびイミダゾール(2.05g、30.1mmol)の溶液に、四臭化炭素(9.97g、30.1mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20%から50%のEtOAc)により精製して、[(1R)−1−(5−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルを得た。MS M+1=629。
【0311】
段階C:Boc除去
0℃に冷却したDCM(95mL)中の[(1R)−1−(5−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(14.65g、23.3mmol)の溶液に、TFA(35mL)を添加し、この反応混合物を室温で3時間攪拌し、減圧濃縮し、再びMeOHおよびその後DCMから数回濃縮して、N−(4−[5−(1R−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドをTFA塩として得た。MS M+1=529。
【0312】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.32−7.26(m,3H),7.21(s,1H),7.09(s,1H),7.08−7.02(m,2H),3.82(t,J=5.5Hz,2H),3.75(t,J=5.5Hz,2H),3.54−3.47(m,2H),3.45(s,3H),3.42(s,3H),3.42−3.36(m,2H),3.16(s,3H),1.96(s,3H),1.05(d,J=5.8Hz,3H),0.79−0.70(m,2H),0.50−0.44(m,1H),0.42−0.35(m,1H)。
【0313】
中間体5.2c.2:N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式5)
【0314】
【化73】

【0315】
段階A:カップリング
DMF(240mL)中の塩酸N−(4−(ヒドラジノカルボニル)−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(中間体4.3c.1、10.16g、24.1mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(8.39mL、48.2mmol)、Boc−D−アルファメチル−4−フルオロフェニルアラニン(7.88g、26.5mmol)、HOAt(1.64g、12.0mmol)およびEDC(6.92g、36.1mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで稀釈し、10%KHSO、NaHCO水溶液およびLiCl水溶液(×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、[(1R)−1−(4−フルオロフェニルメチル)−2−オキソ(2−{2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルを得た。MS M+1=665。
【0316】
段階B:脱水環化
0℃に冷却したDCM(150mL)中の[(1R)−1−(4−フルオロフェニルメチル)−2−オキソ(2−{2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}ヒドラジノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチル(16.64g、25.0mmol)、トリフェニルホスフィン(7.89g、30.1mmol)およびイミダゾール(2.05g、30.1mmol)の溶液に、四臭化炭素(9.98g、30.1mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20%から50%のEtOAc)により精製して、[(1R)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(5−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルを得た。MS M+1=647。
【0317】
段階C:Boc除去
0℃に冷却したDCM(75mL)中の[(1R)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(5−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(11.58g、17.9mmol)の溶液に、TFA(25mL)を添加し、この反応混合物を室温で16時間攪拌し、減圧濃縮し、再びDCMから数回濃縮して、N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドをTFA塩として得た。MS M+1=547。
【0318】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.10(m,5H),7.01(s,1H),3.82(t,J=5.86Hz,2H),3.64(t,J=5.86,2H),3.50(ABオーバーラップしているm,4H),3.39(s,3H),3.35(s,3H),3.18(s,3H),1.88(s,3H),1.05(d,J=5.86,3H),0.78(m,2H),0.49(m,1H),0.30(m,1H)。
【0319】
Xがオキサジアゾールであるさらなる中間体を、表1に記載するとおり調製した。
【0320】
【表1】





【0321】
中間体6.2.1:[(1R)−1−(2−{2−(ベンジル{[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバメート
【0322】
【化74】

【0323】
段階A:カップリング
12mL DMF中の中間体4.2c.2(0.452g、1.121mmol)および中間体2.3.1(0.300g、1.019mmol)の溶液に、EDC(0.240g、1.253mmol)およびHOAt(0.153g、1.121mmol)を添加した。15時間後、この反応物をHOおよびEtOAcで稀釈し、10%KHSO、飽和NaHCO、3M LiCl(3×)およびブラインで洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、[(1R)−1−ベンジル−3−({2−(ベンジル{[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}アミノ)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]カルバミン酸t−ブチルを2つのジアステレオマーの混合物として得、これをさらに精製せずに使用した。LCMS(M+H)=680。
【0324】
段階B:酸化
10mL CHCl中の段階Aからの[(1R)−1−ベンジル−3−({2−(ベンジル{[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}アミノ)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]カルバミン酸t−ブチル(0.693g、1.019mmol)およびトリエチルアミン(0.426mL、3.058mmol)の溶液に、2.5mL DMSO中の三酸化硫黄・ピリジン複合体(0.406g、2.55mmol)を添加した。15時間後、この反応物をEtOAcで稀釈し、その後、10%KHSO水溶液、飽和NaHCO、3M LiClおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。順相シリカゲルクロマトグラフィー(10−>40%EA/hex)を用いて残留物を精製して、[(1R)−1−ベンジル−3−({2−(ベンジル{[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}アミノ)−1−メチル−2−オキソプロピル]カルバミン酸t−ブチルを白色のフォームとして得た。
【0325】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.32−7.26(m,5H),7.23−7.19(m,3H),7.10(d,J=11.7Hz,2H),6.81(s,1H),6.80(s,2H),4.86(m,2H),4.62(m,2H),4.48(m,2H),3.56(m,2H),3.33−3.28(m,5H),3.05(d,J=13.7Hz),2.84(s,3H),1.55(s,3H),1.31(s,9H),0.98(d,J=5.9Hz,3H),0.62(m,1H),0.60(m,1H),0.36(m,1H),0.26(m,1H)。LCMS(M+H)=678。
【0326】
段階C:脱水
4mL 1,2−ジクロロエタン中の[(1R)−1−ベンジル−3−({2−(ベンジル{[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチニル}アミノ)−1−メチル−2−オキソプロピル]カルバミン酸t−ブチル(0.230g、0.339mmol)の溶液に、水酸化メトキシカルボニルスルファモイルトリエチルアンモニウム(0.485g、2.04mmol、バージェス試薬)を添加した。この反応物を100℃で40分間、マイクロ波処理し、その後、順相シリカゲルクロマトグラフィー(10−>%EtOAc/ヘキサン)により直接精製して、[(1R)−1−(2−{2−(ベンジル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルを白色のフォームとして得た。
【0327】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.31−7.19(m,9H),7.05−7.02(m,3H),6.93(s,1H),4.89(m,2H),3.57(dd,J=14.8,5.9Hz,1H),3.47(m,1H),3.34−3.30(m,4H),3.11(d,J=13.2Hz,1H),2.88(s,3H),1.59(s,3H),1.34(s,9H),0.98(d,J=5.9Hz,3H),0.82(m,1H),0.61(m,1H),0.36(m,1H),0.27(m,1H)。LCMS(M+H)=660。
【0328】
中間体6.2.2:[(1R)−1−(2−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル
【0329】
【化75】

【0330】
中間体6.2.1の調製において説明したのと同様の手順を用いて、中間体4.2c.1および2.3.1から調製した。MS M+1=628。
【0331】
中間体8.4.1:N−{4−(5−{(1R)−1−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−メチル−2−フェニルエチル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−2−イル}−N−[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]グリシン(図式8)
【0332】
【化76】

【0333】
段階A:塩素化
室温でDCM(34mL)中の中間体5.2c.22(1.9g、3.41mmol)を充填したフラスコに、N−クロロスクシンイミド(455mg、3.41mmol)を添加した。この反応物を、LC/MSにより出発原料の消失が明白になるまで、攪拌した。この時点で、この混合物を濃縮乾固させ、AcCN/HO線形勾配を用いるRP−HPLCにより精製した。生成物含有画分をプールし、凍結乾燥させて、780mgの3−クロロ生成物を得た。
【0334】
H NMR(CDOD,400MHz)δ7.27(m,3H);7.13(s,1H);7.08(m,2H);4.37(s,2H);4.17(q,J=7.1Hz,2H);3.55(dd,J=14.8,5.9Hz,2H);3.35(m,2H);3.20(s,3H);3.18(s,3H);1.60(s,3H);1.41(s,9H),1.24(t,J=7.1Hz,3H);1.05(d,J=6.7,3H);0.80(m,2H);0.47(m,1H);0.32(m,1H);LC/MS[M+H]=691.0
段階B:加水分解
段階Aからの上記中間体(750mg、1.09mmol)を11mL THFに溶解した。この5mLに、4.0N LiOHを添加した。一晩攪拌した後、この混合物を1N HClでpH4.0に中和した。この混合物を繰り返しEtOAc(3×25mL)で抽出し、併せた層を重炭酸塩水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。NaSOで乾燥し、減圧下で溶媒を除去した後、表題中間体を黄色のフォームとして得た。
【0335】
H NMR(CDOD,400MHz)δ7.27(m,3H);7.18(m,3H);4.32(s,2H);3.50(m,2H);3.35(m,2H);3.20(s,3H);3.18(s,3H);1.60(s,3H);1.41(s,9H);1.09(d,J=6.3,3H);0.80(m,2H);0.47(m,1H);0.32(m,1H);LC/MS[M+H]=663.0。
【0336】
中間体8.4.2:[(1R)−1−(5−{2−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(図式8)
【0337】
【化77】

【0338】
NCSを使用し、中間体5.1c.2から、中間体8.4.1の調製において説明したとおりに調製した。MS M+1=615。
【0339】
中間体9.1.1:3−フルオロ−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式9)
【0340】
【化78】

【0341】
アセトニトリル(3mL)中の2−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(中間体4.2c.1、0.05g、0.135mmol)の溶液を、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・二(テトラフルオロホウ酸)塩(0.047g、0.134mmol)で処理し、周囲温度で16時間攪拌した。この反応物を逆相LCにより精製して、3−フルオロ−6−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸を淡黄色の固体として得た。LCMS[M+H]=390.3。
【0342】
中間体9.1.2:6−{ベンジル[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−3−フルオロ−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式9)
【0343】
【化79】

【0344】
中間体9.1.1の調製について説明したのと同様の手順を用いて、中間体4.2c.2から調製した。MS M+1=422。
【0345】
中間体9.3.1:[(1R)−1−(5−{3−ブロモ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(図式9)
【0346】
【化80】

【0347】
8mL CHCl中の[(1R)−1−メチル−1−(5−{2−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(Boc除去前の中間体5.2c.3、250mg、0.438mmol)の溶液に、NBS(78mg、0.438mmol)を添加した。2時間後、この反応物を濃縮し、順相シリカゲルクロマトグラフィー(20−>40%EtOAc/ヘキサン)により精製して、[(1R)−1−(5−{3−ブロモ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルを黄色の固体として得た。
【0348】
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.31−7.26(m,3H),7.06−7.04(m,2H),6.90(s,1H),4.94(m,1H),3.57(d,J=13.2Hz,1H),3.42(d,J=13.1Hz,1H),3.24(s,3H),3.23(s,3H),3.18(m,1H),3.07(m,1H),1.71(s,3H),1.43(s,9H),1.09(d,J=6.0Hz,3H),0.80(m,1H),0.70(m,1H),0.41(m,1H),0.33(m,1H)。LCMS(M+H)=649,651(Brパターン)。
【0349】
中間体10.2.1:N−[3−クロロ−4−(5−{1−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−6−((3−メトキシプロピル){トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド(図式10)
【0350】
【化81】

【0351】
段階A:塩素化
100mL CHCl中のN−[4−[5−(1−アミノエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド・トリフルロロ酢酸塩(中間体10.1.1、3.600g、6.51mmol)の溶液に、N−クロロスクシンイミド(0.870g、6.51mmol)を添加した。12時間後、この反応物を濃縮し、得られた残留物(望ましい塩素位置異性体:望ましくない塩素位置異性体の3:1混合物を含有)を、分取HPLC(Sunfire C18 Prep OBDカラム、30×150mm、35mL/分)を用いて精製して、所望の生成物を得た。望ましい塩素位置異性体を含有する画分をEtOAcと飽和NaHCOとで分配し、層を分離し、有機部分をブラインで洗浄し、濃縮して、N−[4−[5−(1−アミノエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色のフォームとして得た。
【0352】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.12(s,1H),4.40(brs,1H),3.71(m,2H),3.54(m,2H),3.43(dd,J=14.8,6Hz,1H),3.33−3.28(m,4H),3.24(s,3H),3.19(s,3H),1.61(d,J=5.9Hz,3H),1.02(d,J=5.9Hz,3H),0.74−0.64(m,2H),0.41(m,1H),0.29(m,1H)。LCMS[M+H]=473(塩素パターン)。
【0353】
段階B:塩酸塩形成
0℃で1mL CHCl中のN−[4−[5−(1−アミノエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド(0.060g、0.102mmol)の溶液に、ジオキサン中4MのHCl(0.038mL、0.153mmol)を添加した。この反応物を濃縮して、塩酸N−[4−[5−(1−アミノエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色のフォームとして得た。LCMS[M+H]=473(塩素パターン)。
【0354】
段階B:シッフ塩基形成
CHCl中の段階Bからの生成物(0.720g、1.413mmol)の溶液にベンゾフェノンイミン(0.356mL、2.12mmol)を添加した。15時間、室温で反応を進行させ、その後、HOで稀釈し、EtOAc(3×)で抽出した。併せた有機部分をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5−>50%EtOAc/hex)により残留物を精製して、N−[4−(5−{1−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色のフォームとして得た。
【0355】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.62(d,J=7.1Hz,2H),7.52−7.45(m,2H),7.40−7.37(m,2H),7.33−7.24(m,4H),7.14(s,1H),4.93(q,J=6.4Hz,1H),3.71(m,2H),3.54(t,J=6.1Hz,2H),3.45−3.42(m,1H),3.34−3.27(m,4H),3.24(s,3H),3.20(s,3H),1.68(d,J=6.6Hz,3H),1.01(d,J=5.9Hz,3H),0.89−0.64(m,2H),0.40(m,1H),0.26(m,1H)。LCMS[M+H]=637(塩素パターン)。
【0356】
(実施例1)
N−(4−[5−(1R−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−クロロ−6−{(トランス−2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式8)
【0357】
【化82】

【0358】
DCM(145mL)中のトリフルオロ酢酸N−(4−[5−(1R−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルプロパン−2−スルホンアミド(中間体5.2c.1、10.77g、16.75mmol)の溶液をNCS(2.35g、17.6mmol)で処理し、この溶液を周囲温度で24時間攪拌した。追加の115mgのNCSを添加し、この反応物を周囲温度で8時間攪拌した。反応物を減圧蒸発させ、逆相HPLCにより精製して、トリフルオロ酢酸N−(4−[5−(1R−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドを淡黄色の固体として得た。
【0359】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.34(t,J=3.11,3H),7.12(s,1H),7.08(m,2H),3.79(t,J=5.9Hz,2H),3.62(t,J=5.7Hz,2H),3.53(dd,J=14.8,5.9Hz,1H),3.44(s,2H),3.40(dd,J=15.0,7.0Hz,1H),3.34(s,3H),3.26(s,3H),3.24(s,3H),1.87(s,3H),1.05(d,J=5.9Hz,3H),0.79(m,2H),0.49(m,1H),0.31(m,1H)。LCMS[M+H]=563.3。
【0360】
中間体3.2.1、段階Aからの好ましいエナンチオマー トランス−S,Sを使用することにより、エナンチオピュアな好ましいS,S,R例を調製することができる。
【0361】
(実施例2)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式8)
【0362】
【化83】

【0363】
DCM(250mL)中のトリフルオロ酢酸N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(中間体5.2c.2、9.79g、17.9mmol)の溶液をNCS(2.39g、17.9mmol)で処理し、この溶液を周囲温度で60時間攪拌した。追加の360mgのNCSを72時間にわたって3度で添加し、この間、反応物を周囲温度で攪拌した。この反応物を減圧蒸発させ、逆相HPLCにより精製して、所望の塩素異性体を単離した。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、CHCl中0%から3%のイソプロパノール)によってさらに精製して、N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドを得た:
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.13(s,1H),7.02(m,2H),6.93(m,2H),3.74(t,J=6.05,2H),3.57(t,J=6.04,2H),3.41(ABオーバーラップしているm,5H),3.28(m,4H),3.22(s,3H),3.07(ABのBオーバーラップしているm,1H),1.86(s,2H),1.64(s,3H),1.05(d,J=5.86,3H),0.78−0.67(m,2H),0.43(m,1H),0.31(m,1H)。LCMS[M+H]=581.0。
【0364】
オキサジアゾール基を有する、さらなる3−Cl置換ピリジル誘導体を、下の表2に記載するとおり調製した。
【0365】
【表2】





【0366】
(実施例37)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチル−1−ピリジン−2−イルメタンスルホンアミド
【0367】
【化84】

【0368】
段階A:ミツノブ
0℃でトルエン(1mL)中の(1R)−1−(5−{3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチルカルバミン酸t−ブチル(中間体8.4.2、0.028g、0.043mmol)の溶液に、2−(ヒドロキシメチル)ピリジン(0.004mL、0.043mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.011g、0.043mmol)を添加し、その後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.008mL、0.043mmol)を添加した。氷浴を取り外し、この溶液を室温で一晩攪拌した。翌日、この溶液を減圧濃縮し、DMFに吸収させ、濾過した。この生成物を逆相HPLCにより精製することによって、0.015gの(1R)−1−(5−{3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−2−[(メチルスルホニル)(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチルカルバミン酸t−ブチルを得た。LCMS[M+H]740.2。
【0369】
段階B:Boc除去
CHCl中の(1R)−1−(5−{3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−2−[(メチルスルホニル)(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチルカルバミン酸t−ブチルの溶液(1mL)にTFA(0.5mL)を添加し、30分間、室温で攪拌した。溶媒を蒸発させることにより、0.008gのN−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−(ピリジン−2−イルメチル)メタンスルホンアミドを得た。LCMS[M+H]640.2。C3138ClNSについて計算した正確な質量:640.2468;実測値640.2484。
【0370】
【表3】


【0371】
(実施例49)
N−(4−{5−[1−アミノ−2−(3,5−ジブロモフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式10)
【0372】
【化85】

【0373】
0℃で2mL DMF中のN−[4−(5−{1−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−6−((2−メトキシエチル){[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド(0.106g、0.162mmol)の溶液に、THF中1MのNaHMDS(0.211mL、0.211mmol)を添加した。5分後、この濃青色溶液に1mL DMF中の臭化3,5−ジブロモベンジル(0.072g、0.219mmol)をカニューレにより添加した。カニュレーション完了後、この溶液は黄色に変わった。1mLの1N HClを添加し、15時間、反応を進行させて、シッフ塩基加水分解を完了させた。この反応物を10g SCXイオン交換カートリッジに注入し、これをMeOH(150mL)、続いてMeOH中2MのNH(150mL)で溶出して、純粋なN−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−2−(3,5−ジブロモフェニル)−1−メチルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−((2−メトキシエチル){[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色のフォームとして得た。このアルキル化の結果として生じたジアステレオマーは、Chiral Pak AD キラル固定相を使用して分離することができた。
【0374】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.55(s,J=7.1Hz,1H),7.17(s,2H),7.04(s,1H),3.71(m,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.42(dd,J=14.8,5.7Hz,1H),3.33−3.29(m,4H),3.24(s,3H),3.19(s,3H),1.80(s,3H),1.01(d,J=5.9Hz,3H),0.72−0.65(m,2H),0.40(m,1H),0.28(m,1H)。
【0375】
LCMS[M+H]=721(複合パターン)。C2634BrClNSについて計算した正確な質量:719.0412;実測値719.0446。
【0376】
オキサジアゾール基および別のQ−R基を有する、さらなる3−Cl置換ピリジル誘導体を、適切なアルキル化剤を使用して、下の表3に記載するとおり調製した。
【0377】
【表4】


【0378】
(実施例66)
−{4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−5−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−2−イル}−N,N−ジメチル−N−[(トランス−2−メチルシクロプロピル)エチル]グリシンアミド
【0379】
【化86】

【0380】
段階A:カップリング
DMF(0.2mL)中の中間体8.4.1(25mg、0.04mmol)、ジメチルアミン(5.1mg、0.11mmol)、HOAt(2.6mg、0.02mmol)が入っている13×100mm スクリューキャップ試験管に、EDC−HCl(10.2mg、0.05mmol)を添加した。3時間攪拌した後、この反応物をKHSO水溶液で稀釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させて、粗製Boc−保護アミドを得た。LC/MS[M+H]=689.1(塩素パターン)。
【0381】
段階B:Boc除去
段階Aからの上記アミドを0.3mL CHClに溶解し、氷浴で冷却し、TFA(16μL、0.2mmol)で処理した。出発原料が消失したら、この反応物を窒素流下で濃縮し、RP−HPLCにより精製した。生成物含有画分を凍結乾燥させて、表題化合物を白色の固体として得た。
【0382】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.32(m,3H),7.10(s,1H),7.08(m,2H),4.54(s,2H),3.55(dd,J=(brs,1H),3.71(m,2H),3.54(m,2H),3.45(s,3H),3.33−3.28(m,2H),3.19(s,3H),3.13(s,3H),3.14(s,3H),2.92(s,3H),1.87(s,3H),1.05(d,J=5.9Hz,3H),0.80(m,2H),0.48(m,1H),0.32(m,1H);LC/MS[M+H]=590.0
【0383】
【表5】


【0384】
(実施例71)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−シクロプロピル−2−オキソエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0385】
【化87】

【0386】
段階A:ワインレブアミド形成
実施例66において説明したものに類似した条件を用いて、中間体8.4.1をN,O−ジメチルヒドロキシルアミンとカップリングさせることにより、ワインレブアミドを得た:LC/MS[M+H]=706.0。
【0387】
段階B:グリニャール付加
室温でトルエン(0.5mL)中の段階Aからのワインレブ基質(40mg、0.06mmol)が入っているフラスコに、5当量のシクロプロピルグリニャール試薬(0.29mmol、1.0M エーテル)を一度に添加した。20分後、2mLのNHCl水溶液を添加し、その後、HOおよびEtOAcを添加した。有機層を単離し、ブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗製物をRP−HPLCにより精製して、保護ケトンを得た:LC/MS[M=H]=687.0。
【0388】
段階C:Boc除去
段階Bからの中間体(10mg、0.01mmol)を1.0mL CHClに溶解し、氷浴で冷却し、TFA(10μL)で処理した。出発原料が消失したら、この反応物を窒素流下で濃縮し、RP−HPLCにより精製した。生成物含有画分を凍結乾燥させて、表題化合物を白色の固体として得た。
【0389】
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.31(m,3H),7.06(m,3H),4.65(s,2H),3.52(m,2H),3.42(brs,2H),3.17(s,3H),3.13(s,3H),2.16(m,1H),1.85(s,3H),1.02(d,J=6.0Hz,3H),0.98(m,4H),0.70(m,2H),0.45(m,1H),0.30(m,1H);LC/MS[M+H]=587.0。
【0390】
(実施例72)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル][2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0391】
【化88】

【0392】
段階A:8.4.1と酢酸ヒドラジドのカップリング
実施例66において説明したものに類似した条件を用いて、中間体8.4.1を酢酸ヒドラジドとカップリングさせることにより、ビスアシル化ヒドラジドを得た。LC/MS[M+H]=719.0。
【0393】
段階B:脱水環化
段階Aからの基質(60mg、0.08mmol)、ポリスチレン結合トリフェニルホスフィン(100mg、0.13mmol、1.3mmol/g、200メッシュ)およびイミダゾール(8mg、0.12mmol)を含有する0℃のCHCl溶液に、CBr(39mg、0.12mmol)を一度に添加した。この反応物を48時間攪拌した。この時点で、この混合物を濾過し、濃縮し、RP−HPLCにより精製した。生成物含有画分をプールし、重炭酸ナトリウム水溶液/EtOAc処理後に単離した。最終的な有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、環化した中間体を得た:LC/MS[M+H]=701.0
段階C:Boc除去
段階Bからの中間体(56mg、0.08mmol)を6.0mL CHClに溶解し、氷浴で冷却し、TFA(100μL)で処理した。出発原料が消失したら、この反応物を窒素流下で濃縮し、RP−HPLCにより精製した。生成物含有画分を凍結乾燥させて、表題化合物を白色の固体として得た。LC/MS[M+H]=600.9(塩素パターン)。
【0394】
(実施例73)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル][2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0395】
【化89】

【0396】
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル][2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(実施例72)の調製において説明したとおりに、中間体8.4.1およびホルミルヒドラジドから調製した。MS M+1=587。
【0397】
(実施例74)
N−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}−3−クロロ−6−({[トランス−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド
【0398】
【化90】

【0399】
段階A:脱ベンジル化
5mL EtOH中の[(1R)−1−(2−{2−(ベンジル{[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(中間体6.2.1、0.050g、0.076mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.006mL、0.076mmol)および炭素担持20%Pd(OH)(0.011g)を添加した。Hのバルーンを取り付け、このフラスコを排気し、Hに対して開口した(3×)。15時間後、この反応容器を排気し、Arに対して開口し(3×)、セライトのパッドに通して濾過し、濃縮して、[(1R)−1−メチル−1−(2−{2−({[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルを得た。
【0400】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.31−7.26(m,4H),7.12(s,1H),7.04−7.03(m,2H),6.98(s,1H),3.50(m,1H),3.43−3.34(m,4H),3.23−3.13(m,4H),3.11(d,J=13.2Hz,1H),1.60(s,3H),1.41(s,9H),1.09(d,J=5.9Hz,3H),0.85(m,1H),0.72(m,1H),0.48(m,1H),0.39(m,1H)。LCMS(M+H)=570。
【0401】
段階B:Boc脱保護
0.5mL CHCl中の[(1R)−1−メチル−1−(2−{2−({[トランス−(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3−オキサゾール−5−イル)−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(0.040g、0.070mmol)の溶液に、0.5mL トリフルオロ酢酸を添加した。1時間後、この反応物を凍結乾燥させて、N−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}−6−({[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル}−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色の固体を得た。
【0402】
H NMR(400MHz,d−MeOH)δ7.29−7.26(m,3H),7.22(s,1H),7.06(d,J=1.1Hz,1H),7.03−7.01(m,2H),6.95(d,J=1.1Hz,1H),3.47(d,J=13.4Hz,1H),3.37(s,3H),3.28−3.23(m,3H),3.19(s,3H),1.72(s,3H),1.06(d,J=5.9Hz,3H),0.85(m,1H),0.71(m,1H),0.43(m,1H),0.27(m,1H)。LCMS(M+H)=470。
【0403】
段階C:塩素化
0.3mL CHCl中のN−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}−6−({[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル}−N−メチルメタンスルホンアミド(0.009g、0.015mmol)の溶液に、CHCl中のNCSの0.15M保存溶液(0.09mL)を添加した。15時間後、さらなるCHCl(0.10mL)およびCHCl中のNCSの0.15M保存溶液(0.1mL)を添加した。24時間後、この反応物を濃縮し、DMFに再び溶解し、分取HPLCにより精製して、N−[4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}−3−クロロ−6−({[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルメタンスルホンアミドを黄色の固体として得た。
【0404】
H NMR(400MHz,d−MeOH)δ7.30−7.29(m,3H),7.24(s,1H),7.04−7.02(m,3H),3.47(d,J=13.3Hz,1H),3.28(s,3H),3.26−3.20(m,5H),1.71(s,3H),1.06(d,J=5.9Hz,3H),0.85(m,1H),0.71(m,1H),0.43(m,1H),0.27(m,1H)。LCMS(M+H)=505(塩素パターン)。
【0405】
(実施例75)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}−3−クロロ−6−{(2−メトキシエチル)[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0406】
【化91】

【0407】
中間体6.2.2から、次の順序により、上で説明したように調製した:Boc除去およびNCS塩素化。MS M+1=562。
【0408】
(実施例76)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−フルオロ−6−{(2−メトキシエチル)[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式9)
【0409】
【化92】

【0410】
中間体5.2c.1の調製において説明したのと同様の手順を用いて、中間体9.1.1およびBoc−D−α−メチル−フェニルアラニンから調製した。MS M+1=547。
【0411】
(実施例77)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−フルオロ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式9)
【0412】
【化93】

【0413】
中間体5.2c.1の調製において説明したのと同様の手順(Boc除去前に水素化媒介脱ベンジル化を含む)を用いて、中間体9.1.2およびBoc−D−α−メチル−フェニルアラニンから調製した。MS M+1=489。
【0414】
(実施例78)
N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−シアノ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(図式9)
【0415】
【化94】

【0416】
[(1R)−1−(5−{3−ブロモ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(中間体9.3.1、18mg、0.028mmol)に、Zn(CN)(7mg、0.055mg)、Zn末(スパチュラチップ、−1mg、−0.014mmol)およびPd(t−Bu(3mg、0.006mmol)を添加した。脱気したジメチルアセトアミド(0.3mL)を添加し、この反応物をさらにArで脱気し、その後、130℃で90分間、マイクロ波処理した。この反応物を濾過し、逆相分取HPLCにより精製して、[(1R)−1−(5−{3−シアノ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−メチル−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチルと最終化合物N−(4−{5−[(1R)−1−アミノ−1−メチル−2−フェニルエチル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}−3−シアノ−6−{[(トランス−2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドの混合物を得た。前者は、TFA/CHClの1:1溶液を使用して、後者の誘導体に産生した。
【0417】
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.34−7.32(m,3H),7.15(brs),7.10−7.07(m,3H),3.45(s,,2H),3.34(s,3H),3.33(m,2H),3.27(s,3H),1.87(s,3H),1.06(d,J=5.9Hz,3H),0.83(m,1H),0.71(m,1H),0.46(m,1H),0.31(m,1H);LCMS(2M+H)=991
2430Sについて計算した正確な質量:496.2126;実測値:496.2149。
【0418】
本文を通して以下の略記を用いる。
【0419】
Me:メチル
Bu:ブチル
i−Bu:イソブチル
t−Bu:t−ブチル
Et:エチル
Pr:プロピル
i−Pr:イソプロピル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Py:ピリジン
Ac:アセチル
NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシアジド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Boc:t−ブチルオキシカルボニル
BOP:ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
CHAPS:3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート
TFA:トリフルオロ酢酸
NCS:N−クロロスクシンイミド
DCE:ジクロロエタン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DCM:ジクロロメタン
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
aq:水性
rt:室温
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
一定の特別な実施形態を参照しながら本発明を説明し、例示したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、変形、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解される。従って、本発明は、特許請求の範囲によって定義され、このような特許請求の範囲は、妥当なかぎり広く解釈されるものと考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
Xは、
【化2】

から成る群より選択され;
Yは、
(1)ハロゲン、
(2)シアノ、
(3)−C1−6アルキル、および
(4)−C6−10アリール
から成る群より選択され;
Aは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、および
(3)−C2−10アルケニル
から成る群より選択され、この場合、前記アルキルまたはアルケニルは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)C3−12シクロアルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)フェニル、または
(g)ヘテロアリール
で置換されており、ならびに前記フェニルおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、または
(vi)−C3−12シクロアルキル
で置換されており;
Qは、−C0−3アルキルであり、この場合、前記アルキルは、非置換であるか1つ以上の
(1)ハロ、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)−OH、
(4)−CN、
(5)−O−C1−10アルキル、または
(6)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、
(2)ヘテロアリール、
(3)−C1−10アルキル、および
(4)−C3−8シクロアルキル(前記シクロアルキルは、場合によりC6−10アリール基と縮合している)
から成る群より選択され、この場合、前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるかハロゲンで置換されている)、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル、または
(g)−NR1011
(この式中のR10およびR11は、
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、および
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されており;
およびRは、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、および
(3)C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択され;
は、
(1)−C1−10アルキル、
(2)ヘテロアリール、および
(3)−NR1213
から成る群より選択され、この場合、
12およびR13は、
(a)水素、
(b)C1−10アルキル、および
(c)C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択されるか、
12およびR13は、CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5または6個の環原子を表し、これらは、これらが結合している窒素と共に、非芳香族環を形成し、ここで、
前記アルキル、アルキレンおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル
(g)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、
(h)ヘテロアリール、または
(i)−C(=O)−C1−10アルキル
で置換されており、ならびに前記アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(3)−C6−10アリール、および
(4)ヘテロアリール
から成る群より選択され、この場合、前記アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル
(f)CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5もしくは6個の環原子から成る非芳香族環基、
(g)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール、または
(h)−C5−12ヘテロアリール
で置換されており、ここで、前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)フェニルおよびナフチルから成る群より選択されるアリール
で置換されており;または
およびRは結合して、−CHCHCH−基を形成することがあり;
およびRは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、および
(5)−C1−10アルキレン−C3−12シクロアルキル
から成る群より独立して選択され、この場合、前記アルキル、アルキレン、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニルは、非置換であるか1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル
(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)
(g)ヘテロアリール(この場合、前記ヘテロアリールは、非置換であるか1つ以上の
(A)ハロゲン、または
(B)−C1−10アルキル
で置換されている)、
(h)フェニル、
(i)−NR1415(この式中のR14およびR15は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキル−C6−10アリール
から成る群より選択される)、
(j)−C(=O)−OR16(この式中のR16は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)、
(k)−C(=O)−NR1718(この式中のR17およびR18は、
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択されるか、
17およびR18は、CR、S、NRおよびOから成る群より選択される4、5または6個の環原子を表し、これらは、これらが結合している窒素と共に、非芳香族環を形成する)、または
(l)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(A)−C1−10アルキル、
(B)−C3−7シクロアルキル、および
(C)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されており;または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、4から6員環を形成し、前記環は、非置換であるか、1つ以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C3−12シクロアルキル、
(c)−(CH−フェニル、
(d)−C2−10アルケニル、または
(e)−C2−10アルキニル
で置換されており、この場合、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、非置換であるか、1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、または
(v)−C3−12シクロアルキル
で置換されており、ならびに前記シクロアルキルおよびフェニルは、非置換であるか、1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−OH、
(iv)−CN、
(v)−C3−12シクロアルキル、または
(vi)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
、RおよびRは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、および
(4)−C(=O)−C1−6アルキル
から成る群より、各々、独立して選択され;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4である)
の化合物、およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項2】
Xが、オキサジアゾール基
【化3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが、ハロゲンである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、フェニルであり、Qが、CHであり、RおよびRが、水素であり、Aが、C1−6アルキルである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
およびRが、C1−10アルキルである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、メチルまたはイソプロピルであり、Rが、メチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式(II):
【化4】

(式中、A、X、Y、Q、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである)
の化合物である請求項1に記載の化合物、およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項8】
Xが、オキサジアゾール基
【化5】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、フェニルであり、Qが、CHであり、RおよびRが、水素であり、Aが、C1−10アルキルである、請求項7または8に記載の化合物。
【請求項10】
が、水素またはC1−10アルキルであり、前記C1−10アルキルが、非置換であるか1つ以上の
(a)−O−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)、
(b)ヘテロアリール、または
(c)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C3−7シクロアルキル、または
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されている、請求項7から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
式(III):
【化6】

(式中、A、X、Y、Q、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである)
の化合物である請求項1に記載の化合物、およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項12】
が、フェニルであり、Qが、CHであり、RおよびRが、水素であり、Aが、C1−10アルキルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、水素またはC1−10アルキルであり、前記C1−10アルキルが、非置換であるか、1つ以上の
(a)−O−C1−10アルキル(この場合、前記アルキルは、非置換であるか、−O−C1−10アルキル−(−O−C1−10アルキル)で置換されている)、
(b)ヘテロアリール、または
(c)−C(=O)−R19(この式中のR19は、
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C3−7シクロアルキル、および
(iii)−C0−6アルキレン−C6−10アリール
から成る群より選択される)
で置換されている、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項14】
【化7】



から成る群より選択される、請求項13に記載の化合物、およびこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項16】
P−450阻害剤をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記P−450阻害剤が、リトナビルである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、アルツハイマー病の治療をこの必要がある患者において行う方法。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物が、P−450阻害剤と共に投与される、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2008−520718(P2008−520718A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543330(P2007−543330)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/042087
【国際公開番号】WO2006/057945
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】