説明

イオン性UV−Aサンスクリーンおよびそれを含有する組成物

本発明は、新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体、これらの誘導体を含有する新規な化粧用または皮膚用サンスクリーン組成物、ならびにヒトの皮膚および/または毛髪を紫外線、特に日射から光保護するための、これらの誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体、これらの誘導体を含有する新規な化粧用または皮膚用サンスクリーン組成物ならびに紫外線、特に日射からヒトの皮膚および/または毛髪を光防護するための、これらの誘導体の使用に関するものである。
【0002】
増加する量の有害な日光に曝露される個体群において、サンスクリーン保護剤に対する要求が絶えず高まりつつある。反復的な日光曝露は、光老化皮膚として既知である皮膚変化を引き起こす可能性がある。光老化皮膚に見られる臨床変化は、体の日光保護部位での正常に老化した皮膚の臨床変化とは異なる。皮膚の大規模な日光曝露の有害な結果としては、皺の増加、弾性線維症、色素変化、前癌性、および癌性皮膚病変がある。
【0003】
UV−A(320〜400nm)および/またはUV−B(290〜320nm)波長、ならびになお短い波長(UV−C)の有害な影響から保護する、多くのサンスクリーン化学薬品が過去に開発されている。これらの化学薬品は通常、単独でまたは相互に組合されて、幅広く知られ使用されている化粧用または医薬調製物に配合される。
【0004】
特にUV−A放射は、急速で軽度の直接皮膚色素沈着を引き起こす。UV−A線は、より深い皮膚層まで透過して、皮膚の老化プロセスを加速させる場合がある。より短いUV−AII波放射は、日焼けを助長する。UV−A放射は、更に、光緊張または光アレルギー皮膚反応を引き起こすことがある。UV−A曝露と皮膚癌のリスク増加との間に関係がある。
【0005】
多数の安全および有効なUV−B吸収剤が存在するが、ヒトの皮膚の保護に適したUV−A吸収剤の数は、むしろ限定されている。良好なUV−A吸収剤は、優れた光安定性、毒性および皮膚許容性、優れた熱安定性、化粧用溶媒、特に油または水への極めて良好な溶解性、化粧用ベースとの適合性、4〜9の範囲でのpH安定性、化粧用処方品への加工性、化粧用処方品の他の成分および包装材料との適合性、織物への非汚染性を有するべきであり、それは無色で、当たり障りがない香りまたは快い香りであるべきであり、そして粘着性がなく、低揮発性を有するべきである。ヘアスプレー、シャンプー、毛髪ケア製品などの毛髪の用途では特に、高度の要件を満たす必要があり、UV吸収剤は、毛髪に十分な保護効果を与えるために毛髪に付着する必要がある。
【0006】
UV−A範囲で吸収する油溶性サンスクリーンは、例えば国際公開公報第03/068183号に開示されている。
【0007】
先の要件の少なくとも一部を満たす入手可能なUV−A吸収剤の数は、既に不足しているが、水溶性であるかまたは毛髪用途に適したUV−A吸収剤の数は、さらに不足している。水溶性UV−Aサンスクリーンは、通常の水中油型または油中水型エマルジョンの水相へ包含させることができる利点を有する。通常、これらのエマルジョンでは、油相よりも水相が多いため、より多くのサンスクリーンが、油相よりも水相中に包含可能であり、このことは、より高い日焼け防止指数を有する組成物をもたらす。更に、水溶性UV−Aサンスクリーンは、2相エマルジョン油相中の既知の油溶性UV−Aサンスクリーンと組合せることが可能である。これは再び日焼け防止指数の上昇をもたらす。
【0008】
水溶性UV−Aサンスクリーンは、例えば、水溶性および油溶性サンスクリーンの両方について開示する欧州特許第669 323号に開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている水溶性UV−Aサンスクリーン、例えば化合物ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホナートは、335nmの吸収極大および比較的低い僅か745の吸光値Eを有する。350〜370nmの吸収極大が好ましい。更に、サンスクリーンの有効性を改善するより高い吸光度Eを有し、水溶性であり、および/または毛髪に好都合に付着するUV−Aサンスクリーンを有することが好ましい。900を超える、好ましくは1000を超える、例えば1000〜1200のE値が極めて好都合である。
【0009】
UV−Aサンスクリーンは、ドイツ特許第33 24 735号にも開示され、本明細書に開示されているサンスクリーンの一部も水溶性である。そのような水溶性UV−Aサンスクリーンの例は、テレフタリリデンジカンファースルホン酸であるが、この化合物は、僅か866の吸光係数Eしか有さず、吸収極大は、345nmである。
【0010】
先に示したようなサンスクリーンへの要件を満たすだけでなく、むしろ高い波長にて、好ましくは約350〜370nmで吸収極大を有し、好ましくは900以上、更に好ましくは1000以上の優れたE値も有し、水溶性であり、および/または毛髪に付着する、更なるUV−Aサンスクリーンへの要求がなお存在する。
【0011】
本目的は、一般式(I)
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、
1およびR2は、同じまたは異なる電子求引基であるか、あるいはR1およびR2の一方が水素であり、R1およびR2の他方が電子吸引基であり、
3、R4、R5、およびR6は、水素原子、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10シクロアルキル基、C6〜C10アリール基から独立して選択され、上記の基は非置換であるかまたはC1〜C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、およびC1〜C6アルコキシ基から選択される1〜3個の置換基によって場合により置換されるか、あるいはR3およびR5、および/またはR4およびR6は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5または6員環を形成し、これは場合によりC1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ヒドロキシ、またはハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換され、
Xは、1〜20個の炭素原子および場合により1〜10個のヘテロ原子を含有し、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含む炭化水素基であり、そして
Yは、対イオンである)の化合物によって達成される。
【0014】
本明細書で使用するように、「電子求引基」という用語は、多重結合を含有する基、例えば好ましくは、シアノまたはニトリロ基(−CN基)であり、あるいは−COOR8、−COR8、または−CONR82基を指し、ここで各R8は、独立して水素、C1〜C21アルキル(好ましくはC1〜C6アルキル)、C2〜C21アルケニル(好ましくはC2〜C6アルケニル)、C2〜C21アルキニル(好ましくはC2〜C6アルキニル)、C3〜C21シクロアルキル(好ましくはC3〜C8シクロアルキル)またはC6〜C10アリール(好ましくはフェニル)であり、これらの基または好ましい基は各々、非置換であるか、あるいは場合によりC1〜C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、およびC1〜C6アルコキシ基より選択される1〜3個の置換基によって置換される。好ましくは残基R1および残基R2の少なくとも一方がシアノ基であり、最も好ましくは、残基R1および残基R2の両方が各々、シアノ基(CN基)である。一方の残基がシアノ基であり、他方の残基が−COOR8基であることも好ましい。
【0015】
3、R4、R5、およびR6は、水素原子、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10シクロアルキル基、およびC6〜C10アリール基から独立して選択される。これらの基は各々、非置換であるか、またはC1〜C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、およびC1〜C6アルコキシ基から選択される1〜3個の置換基によって置換できる。あるいはR3およびR5、および/またはR4およびR6が、それらが結合する炭素原子と一緒になって5または6員環を形成することも可能であり、これは場合によりC1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ヒドロキシ、またはハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換される。好ましくはR3、R4、R5、およびR6は、水素原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C5〜C8シクロアルキル基、およびフェニル基から独立して選択され、それらは各々、先に定義した、1〜3個の置換基によって、更に好ましくは1個の置換基によって場合により置換される。R3、R4、R5、およびR6が、水素原子および非置換C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C5〜C8シクロアルキル基、およびフェニル基から独立して選択されることも好ましい。R3およびR5、および/またはR4およびR6が、それらが結合する炭素原子と一緒になって5または6員環を形成する場合、6員環が好ましく、環は、好ましくは非置換であるか、または先に定義した1個の置換基によって置換される。
【0016】
最も好ましくはR3、R4、R5、およびR6の少なくとも1つ、更に好ましくはR3、R4、R5、およびR6の2つが水素原子であり、残りの基R3、R4、R5、およびR6が、C1〜C6アルキル基またはC2〜C6アルケニル基である。最も好ましくはR3およびR4が、水素原子であり、R5およびR6が、C1〜C6アルキル基またはC2〜C6アルケニル基、更に好ましくはC1〜C3アルキル基である。
【0017】
アルキル基は、分岐または直鎖であることができる。C1〜C10アルキル基の好ましい例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、およびオクチル基である。
【0018】
3〜C10シクロアルキル基の好ましい例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基である。
【0019】
2〜C6アルケニル基の好ましい例は、エテニルおよびn−プロペニル基である。
【0020】
6〜C10アリール基の好ましい例は、フェニルおよびナフチル基である。
【0021】
Xは、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、更に好ましくは1〜6個の炭素原子、および場合により1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1〜6個のヘテロ原子を含有する、直鎖、分岐、環状、または芳香族炭化水素基である。本明細書によって、ヘテロ原子を含有する炭化水素基は、ヒドロキシル基などの官能基も含有できる。ヘテロ原子は、好ましくはO、N、S、およびP原子から選択される。本発明では、残基Xが正または負に帯電した少なくとも1個の、好ましくは1、2、または3個の基を含むことが重要である。Xは、好ましくは、1〜20個の炭素原子、および場合により1〜10個のヘテロ原子を含有する、アルキル、アリール、アルキルアリール、またはアルキルシクロアルキル基であり、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含む。「アルキルアリール」または「アルキルシクロアルキル」という用語は、1個以上のアルキル置換基を含有するアリールまたはシクロアルキル基を指す。基Xは、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含むため、通常、正電荷または負電荷を持つ少なくとも1個のヘテロ原子を含有する。残基Xは、好ましくは、1〜6個のヘテロ原子を含有し、ヘテロ原子は、好ましくは、窒素、酸素、硫黄、およびリン原子から選択される。残基Xが正に帯電している場合、好ましくは正に帯電した少なくとも1個の窒素原子を含有し、そのため、正電荷を持つ基は、4級アンモニウム基である。4級アンモニウムイオンを含むそのような化合物は、毛髪用途に特に好ましい。残基Xが負に帯電した基を含有する場合、負電荷を持つ基は、好ましくは、リン酸または硫酸またはカルボン酸の残基などの酸残基である。
【0022】
残基Xは、1〜4個の不飽和炭素間結合、好ましくは二重結合を含有することも可能である。残基X中の各炭素原子は、官能基によって、特にヒドロキシルまたはアミノ基によって、好ましくはヒドロキシル基によって場合により置換できる。残基Xの好ましくは3個以下の、更に好ましくは2個以下の炭素原子が、先に定義したように置換される。もちろん残基X中の炭素原子がアミノ基によって置換される場合、炭素原子と窒素原子との間に不飽和結合、好ましくは二重結合もありうる。残基Xおよび残基Yが、共に両性イオン構造を形成することも可能である。
【0023】
残基X中で正または負に帯電した基が、負に帯電している場合、残基Xは、好ましくは1個の負電荷を担持し、最も好ましくは基−O−SO3-、−COO-、−O−PO3-、−O−PO32-、−SO3-、−PO3-、または−PO32-などの酸残基である。最も好ましいのは、基−O−SO3-、−SO3-、および基−O−PO3-である。負に帯電した少なくとも1個の基を含む残基Xの典型的な例は、シクロアルキル基またはアリール基によって場合により置換された、あるいはシクロアルキル基またはアリール基によって中断された、そして先に定義したような酸残基を含有する、アルキレン基である。好ましい実施態様において、アルキレン基は、酸素および窒素原子から選択される1〜3個のヘテロ原子によって中断される。アルキレン基は、好ましくは1〜10個の炭素原子、更に好ましくは1〜6個の炭素原子を含有する。アルキレン基が窒素原子によって中断される場合、窒素原子は、先に定義したような更なる基R8を持つ。
【0024】
1個の負電荷を有する残基Xの好ましい例は、残基
【0025】
【化4】

【0026】
(式中、R9は、独立して、ヒドロキシまたは先の残基R8と同様に定義され、好ましくは水素原子、ヒドロキシまたはC1〜C3アルキル基であり、VおよびUは、各々独立してヘテロ原子、好ましくは酸素原子または窒素原子(先に定義したような、更なる基を担持する)、更に好ましくは酸素原子であり、nは、0〜6(好ましくは1〜6)の整数であり、mは、0または1であり、oは、0〜6(好ましくは1〜6)の整数であり、pは、0または1であり、qは、0〜6(好ましくは1〜6)の整数であり、Wは、負電荷を持つ残基、好ましくは先に定義したような酸残基、最も好ましくは残基−O−PO3-、残基−SO3-、または残基−O−SO3-であり、ただし、炭素原子の総数は20個以下、好ましくは10個以下、最も好ましくは1〜6個であり、残基X中のヘテロ原子の総数は、官能基Wのヘテロ原子を含めて1〜10個であり、添字mおよび添字pがいずれも1である場合、添字oは0でない)である。好ましくは4個以下の残基R9、更に好ましくは2個以下の残基R9が、水素とは異なり、最も好ましくはすべての残基R9が水素である。
【0027】
1個の負電荷を有する残基の別の好ましい例は、残基
【0028】
【化5】

【0029】
(式中、Arは、芳香族基、好ましくはC6〜C10芳香族基、例えばフェニレンまたはナフチレン基、あるいは複素環式基、好ましくは4〜10環員を備えた環であり、それらの1個以上、好ましくは1または2個の環員は、ヘテロ原子、好ましくはN、OまたはS原子である)である。複素環式基は、飽和または不飽和のいずれもが可能であり、ピリジニレン基などのヘテロ芳香族基も含まれる。Wは、先に定義したとおりである。
【0030】
残基X中の正または負に帯電した少なくとも1個の基が、1個の正電荷を有する基であることも好ましい。最も好ましくは、1個の正電荷を有するこの基は、4級アンモニウムイオンである。この場合、残基Xは、好ましくは式
【0031】
【化6】

【0032】
〔式中、各R10は、独立して水素またはR11であり、各R11は、独立して先の残基R8のように定義され、好ましくは水素、C1〜C10、好ましくはC1〜C6アルキル基(これは、1〜4個のヘテロ原子によって、好ましくは1または2個のヘテロ原子によって、好ましくは酸素原子によって中断されていてもよく、かつヒドロキシ基、アミノ基、およびC1〜C6アルキル、好ましくはC1〜C3アルキル基から選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)であり、添字rは、1〜10、好ましくは1〜6の整数であり、ただし、残基X中の炭素原子の総数は20個以下、好ましくは1〜10個であり、窒素原子と官能基のすべてのヘテロ原子とを含むヘテロ原子の総数は1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜4個である〕の残基である。先に定義したように、少なくとも1個の4級アンモニウムイオンを含む化合物は、毛髪用途、例えば毛髪ケア製品、シャンプー、毛髪スプレーなどに特に有用である。本発明の一実施態様において、残基R11は、負電荷を含有し、それゆえ残基Yを含んでもよく、例えば1個の残基R11は、−SO3-基または類似の基などの負電荷を持つ官能基によって置換されるアルキル基でありうる。
【0033】
好ましい実施態様において、残基XYは、正電荷および負電荷を有する両性イオンであり、炭素原子、ヘテロ原子、および官能基の数は、先に定義したとおりである。
【0034】
残基Xの正確な構造は、分子を水溶性にする、および/または毛髪への良好な付着性を与える、少なくとも1個の正電荷または負電荷を含有する限り、関係しない。Xは、好ましくは、1、2、または3個の正電荷または負電荷を含有する。
【0035】
残基Yは、残基Xの電荷を平衡にする対イオンである。対イオンYの正確な化学的性質は、対イオンYがUV−A吸収剤の有利な特性を否定的方向に妨害しない限り、特にYが皮膚科学的および美容上許容される限り、本発明にとっては重要でない。残基Xが負に帯電している場合、残基Yは、好ましくは、4級アンモニウムイオン、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属イオン、更に好ましくはナトリウム、カリウム、カルシウム、またはマグネシウムイオンであるが、残基Yが正に帯電した有機残基、例えばトリエタノールアンモニウムイオンなどのアンモニウムイオン、アミノメチルプロパノールイオン、またはトロメタミンイオンであることも可能である。残基Xが有する負電荷よりも多くの正電荷を、残基Yが有する場合、残基Yは追加の電荷を平衡にする更なる対イオンを含有するか、または1個を超える残基Xが1個の残基Yによって平衡にされる。例えば残基Yは、1/S (Ms+)またはMs+(A-s-1であり、式中、Ms+は、s個の正電荷を備えたイオンであり、A-は、1個の負電荷を備えたイオン、例えばハロゲン原子であり、sは、1〜3、好ましくは1または2、更に好ましくは1である。
【0036】
残基Xが正に帯電している場合、残基Yは、負に帯電しており、残基Yは、好ましくは、塩素、臭素、またはヨウ素原子などのハロゲン原子である。残基Xが有する正電荷よりも多くの負電荷を、残基Yが有する場合、残基Yは追加の電荷を平衡にする更なる対イオンを有するか、または1個を超える残基Xが1個の残基Yによって平衡にされる。例えば残基Yは、1/S(Ms-)またはMs-(A+s-1であり、式中、Ms-は、s個の負電荷を備えたイオンであり、A+は、1個の正電荷を備えたイオン、例えばアルカリ金属イオンであり、sは、1〜3、好ましくは1または2、更に好ましくは1である。
【0037】
残基Xが1個を超える電荷を担持する場合、1個を超える対イオンYが存在可能になるか、あるいは残基Yは1個を超える反対電荷を担持する。式Iの分子全体が帯電しないように、残基Yを選択することが重要である。
【0038】
−(CH2+(R112−(CH2SO3-などの部分において、XおよびYが共に化学的に結合することも可能であり、ここで、rは、先に定義したとおりであり、tは、1〜10、好ましくは1〜5の整数、例えば2である。そのような実施態様において、残基XおよびYは、一緒になって両性イオン構造を形成する。
【0039】
好ましくは残基R1〜R6、XおよびYは、分子が少なくとも10g/l、好ましくは少なくとも50g/l、更に好ましくは少なくとも100g/lの水溶性を有するように選択される。式Iの化合物の水溶性が十分に高くない場合、置換パターンは変更可能であり、例えば残基R3〜R6中の炭素原子の数を減少させることができ、水溶性を低下させることができるアリールまたはシクロアルキル残基は、残基の一部または全部から除去可能であり、ヒドロキシ基などの親水性置換基を含むことができる。
【0040】
毛髪に対して特に高い付着性を有する化合物、例えば先に定義した式−C(R102−N+(R113の4級アンモニウムイオンは、水溶性がより低くなる場合がある。
【0041】
本発明の好ましい化合物は、
【0042】
【化7】







【0043】
ならびに多様な構造要素の組合せまたは交換である。
【0044】
化合物
【0045】
【化8】

【0046】
は、高い水溶性を有さないが、それらは毛髪ケア用途に特に好ましい。
【0047】
式(I)の化合物は、それ自体既知である方法によって調製できる。一部の方法は実施例に開示され、当業者であれば、式(I)の他の化合物を調製するためにこれらの方法を容易に採用できる。
【0048】
【化9】

【0049】
式中、X’は、XYの前駆体構造である。
【0050】
タイプ−O−PO32-のホスファート残基は、例えば、対応するアルコール官能基から、例えばPOCl3を例えばトリエチルアミンなどの塩基と共に使用して[例えばM.-Z.Liuら, Carbohydr.Res.330(3), 413-420(2001)を参照]、P25およびH3PO4[例えばK.Bussら, J.Med.Chem.44(19), 3166-3174(2001)を参照]と共に使用して、または酵素方法によって調製できる。
【0051】
タイプ−O−SO3-のサルファート残基は、例えば、対応するアルコール官能基から、例えばSO3xピリジン[例えばW.J.Sandersら, Tetrahedron 53(48), 16391-16422(1997)を参照]、SO3xNEt3[例えばB.Ferlaら, Tetrahedron 55(32), 9867-9880(1999)を参照]、クロロスルホン酸[例えばG. Dekanyら, J.Carbohydr.Chem.16(1), 11-24(1997)を参照]、またはH2SO4[例えばS.P.Gaurら, Indian J.Chem.Sect.B21(1), 46-51(1982)を参照]を使用して調製できる。
【0052】
本発明の一部の更なる好ましい化合物およびその一般的な生成方法を以下に示す:
【0053】
工程a)
【化10】

【0054】
工程b)
【化11】

【0055】
工程C)
【化12】

【0056】
工程d)
【化13】

【0057】
工程e)
【化14】

【0058】
工程f)
【化15】

【0059】
工程g)
【化16】

【0060】
工程h)
【化17】

【0061】
工程i)
【化18】

【0062】
工程j)
【化19】

【0063】
実施例2と同様:
【化20】

【0064】
実施例1と同様:
【化21】

【0065】
以下の式(I)の化合物は、特に好ましい:
残基R1およびR2は、いずれもシアノ基であり、残基R3、R4、R5、およびR6は、水素原子およびC1〜C6アルキル基から独立して選択され、Yは、残基Xの電荷を平衡させる対イオン、好ましくはXの電荷によってアルカリ金属イオンまたはハロゲンイオンであり、
【0066】
a)Xは、残基
【化22】


であり、式中、各R9は、独立して水素、ヒドロキシ、またはC1〜C3アルキルであり、VおよびUは、酸素原子であり、nは、1〜3の整数であり、mは、0または1であり、pは、0または1であり、ここでmおよびpの少なくとも1方は1であり、oは、1〜3の整数であり、そしてqは、1〜3の整数であり、そしてWは、残基−O−PO3-または残基−O−SO3-であり、あるいは
【0067】
b)Xは、残基
【化23】


であり、式中、残基R10は、水素原子、ヒドロキシル基、およびC1〜C3アルキル基から独立して選択され、そして残基R11は、水素原子およびC1〜C6アルキル基(これは、1〜2個のヘテロ原子によって場合により中断され、かつ1〜3個のヒドロキシル基によって場合により置換される)から独立して選択され、そしてrは、1〜6の整数であり、あるいは
【0068】
c)Xは、残基
【化24】


であり、式中、R9は、独立して水素またはメチルであり、VおよびUは、酸素原子であり、nは、1〜3の整数であり、mは、0または1であり、pは、0または1であり、ここでmおよびpの少なくとも1方は1であり、oは、1〜3の整数であり、そしてqは、1〜3の整数であり、そしてWは、残基−O−PO3-または残基−O−SO3-であり、あるいは
【0069】
d)Xは、残基
【化25】


であり、式中、残基R10は、水素原子、ヒドロキシル基、およびC1〜C3アルキル基から独立して選択され、そして残基R11は、水素原子およびC1〜C6アルキル基(これは、1〜2個の酸素原子によって場合により中断され、かつ1〜3個のヒドロキシル基によって場合により置換される)から独立して選択され、そしてrは、1〜3の整数であり、あるいは
【0070】
e)Xは、残基
【化26】


であり、式中、各R9は、独立して水素またはメチルであり、Vは、酸素原子であり、nは、1〜3の整数であり、mは、1であり、oは、1〜3の整数であり、そしてWは、残基−O−PO3-または残基−OSO3-であり、あるいは
【0071】
f)Xは、残基
【化27】


であり、式中、残基R10は、水素原子およびC1〜C3アルキル基から独立して選択され、残基R11は、水素原子およびC1〜C6アルキル基(これは、1〜2個のヘテロ原子によって場合により中断され、かつ1〜3個のヒドロキシル基によって場合により置換される)から独立して選択され、そしてrは、1〜3の整数であり、あるいは
【0072】
g)Xは、残基
【化28】


であり、式中、各R9は、独立して水素、ヒドロキシ、またはC1〜C3アルキルであり、そしてnは、1〜6の整数であり、そしてWは、残基−O−PO3-または残基−O−SO3−であり、あるいは
【0073】
h)Xは、残基
【化29】


であり、式中、残基R10は、水素原子、ヒドロキシル基、およびC1〜C3アルキル基から独立して選択され、2個の残基R11は、C1〜C3アルキル基であり、そして1個の残基R11は、C1〜C6アルキル基(これは、1〜2個の酸素原子によって中断され、かつ1〜3個のヒドロキシル基によって場合により置換される)であり、そしてrは、1〜3の整数であり、あるいは残基R11は、窒素原子と一緒になって、ピリジニル基(これは、非置換であるか、または先に定義した1〜5個の、好ましくは1〜3個の置換基R8によって置換されている)を形成する。
【0074】
i)先の項目a)〜h)で定義した残基の1つであり、式中、1個の残基R9またはR10は、5個までの炭素原子と1個または2個の窒素原子とを含有する炭化水素を含有する飽和または不飽和の窒素である。
【0075】
残基
【化30】


(これは、非置換であるか、または先に定義した1〜5個の、好ましくは1〜3個の置換基R8によって置換されている)を含む、本発明のこれらの化合物は、特に高い水溶性であり、式(I)のこれらの化合物が特に好ましい。
【0076】
本発明は、適切な支持体または基材中へ配合される式(I)の化合物を含む組成物にも関する。通例、本発明の組成物は、紫外線、特に日射に感受性である材料を保護するために採用され、式(I)の化合物の少なくとも1つの有効な光保護量を含む。本発明の好ましい一実施態様において、そのような組成物は、紫外線の悪影響から皮膚および/または毛髪を保護するのに適している。この場合、本発明による組成物は、局所利用可能な、化粧用途においてまたは医薬的に許容されるビヒクルおよび希釈剤を担体として含む、化粧用または医薬組成物である。本発明の別の実施態様では、式(I)の化合物をプラスチック基材に含めることができる。式(I)の化合物は、局所処方品中の光感受性成分、特に着色剤、例えばFD&CおよびD&C着色剤、クルクミン、リボフラビン、ラクトフラビン、タートラジン、キノリンイエロー、コチニール、アゾルビン、アマランス、ポンソー4R、エリトロシン、インジゴチン、クロロフィル、クロロフィリン、カラメル、薬用炭、カロチノイド、ビキシン、ノルビキシン、アナトー、オーリアン、カプサンチン、カプソルビン、リコピン、キサントフィル、フラボキサンチン、ルテイン、クリプトアキサンチン、ルビキサンチン、ビオラキサンチン、ロドキサンチン、カンタキサンチン、ベタニン、アントシアン、ビタミン、例えばビタミンA、ビタミンK1、ビタミンC、または他の活性成分を安定化させるためにも使用できる。
【0077】
式(I)の化合物は、UV−A領域に吸収極大を有する。光スクリーン剤の調製、特に日常用化粧品のための皮膚保護およびサンスクリーン製剤などの皮膚用および/または化粧用用途の製剤の調製では、式(I)の化合物を、従来、そのような製剤に使用されている補助剤、例えば化粧用ベースに配合することができる。好都合な場合には、他の従来のUV−Aおよび/またはUV−Bスクリーン剤、好ましくは顔料も添加できる。UVフィルタの組合せは、相乗効果を示してもよい。前記光スクリーン剤の調製は、当技術分野の当業者に周知である。UVフィルタの濃度は、広範囲で変えられる。例えば、式Iの化合物の量および場合により式(I)の化合物以外の追加の親水性および/または親油性UV−AまたはUV−Bスクリーン剤の量は、全組成物の0.5〜12重量%の範囲内にあってもよい。これらの追加のスクリーン剤は、以下に示した化合物から、それらに限定することなく、好都合に選択される。
【0078】
本発明の化合物との組合せが考慮される、UV−Bまたは広域スペクトルスクリーン剤、すなわち約290〜340nmに吸収極大を有する物質は、例えば、以下の有機および無機化合物である:
−−−アクリラート、例えば2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート(オクトクリレン、PARSOL(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラートなど;
−−−カンファー誘導体、例えば4−メチルベンジリデンカンファー(PARSOL(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンズアルコニウムメトサルファート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸など;
−−−シンナマート誘導体、例えばオクチルメトキシシンナマート(PARSOL(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナマート、ジエタノールアミンメトキシシンナマート(PARSOL(登録商標)Hydro)、イソアミルメトキシシンナマートなど、ならびに同様に、シロキサンに結合した桂皮酸誘導体;
−−−p−アミノ安息香酸誘導体、例えばp−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾアート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾアート、グリセリルpアミノベンゾアート、
−−−ベンゾフェノン、例えばベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなど;
−−−ベンザルマロン酸のエステル、例えばジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロナート;
−−−2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパンジオン酸のエステル、例えば欧州特許第0895 776号に記載されている、2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパンジオン酸ジエチルエステル;
−−−欧州特許第0358584B1号、欧州特許第0538431 B1号、および欧州特許第0709080 A1号に記載されている、ベンズマロナート基を含有するオルガノシロキサン化合物;
−−−ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL);
−−−顔料、例えば微粒子化TiO2など。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。TiO2粒子は、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物によって、または、例えばポリオール、メチコン、ステアリル酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティング剤によってもコーティングできる。そのようなコーティングは、当技術分野において周知である。
−−−イミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸およびその塩(PARSOL(登録商標)HS)。2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の塩は、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などの1級、2級、および3級アミンの塩など。
−−−サリチラート誘導体、例えばイソプロピルベンジルサリチラート、ベンジルサリチラート、ブチルサリチラート、オクチルサリチラート(NEO HELIOPAN OS)、イソオクチルサリチラート、またはホモメンチルサリチラート(ホモサラート、HELIOPAN)など。
−−−トリアジン誘導体、例えばオクチルトリアゾン(UVINUL T-150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(UVASORB HEB)、ビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(Tinosorb S)など。
【0079】
本発明の化合物との組合せが考慮される広域スペクトルまたはUV Aスクリーン剤、すなわち約320〜400nmに吸収極大を有する物質の例は、例えば、以下の有機および無機化合物である:
−−−ジベンゾイルメタン誘導体、例えば4−tert.ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(PARSOL(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなど;
−−−ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(TINOSORB M)など;
−−−フェニレン−1,4−ビス−ベンゾイミダゾールスルホン酸または塩、例えば2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(Neoheliopan AP);
−−−アミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン、例えば欧州特許第1046391号に記載されている、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル;
−−−顔料、例えば微粒子化ZnOまたはTiO2など。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。TiO2粒子は、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物によって、または、例えばポリオール、メチコン、ステアリル酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティング剤によってもコーティングできる。そのようなコーティングは、当技術分野において周知である。
【0080】
ジベンゾイルメタン誘導体は、限定された光安定性を有するため、これらのUV−Aスクリーン剤を光安定化させることが望ましい。このように、「従来のUV−Aスクリーン剤」という用語は、例えば
−−−欧州特許第0 514 491 B1号および欧州特許第0 780 119 A1号に記載されているような、3,3−ジフェニルアクリラート誘導体;
−−−米国特許第5,605,680号に記載されているような、ベンジリデンカンファー誘導体;
−−−欧州特許第0358584B1号、欧州特許第0538431 B1号および欧州特許第0709080A1号に記載されているような、ベンズマロナート基を含有するオルガノシロキサン
によって安定化される、例えばPARSOL(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体も指す。
【0081】
本発明の組成物は、通常の化粧用アジュバントおよび添加剤、例えば、保存料/抗酸化剤、脂質物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、追加のサンスクリーン、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、フィラー、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性もしくは両性ポリマーまたはそれらの混合物、噴射剤、酸性化または塩基性化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料、特に紫外線を物理的に遮断することによって追加の光保護効果を提供するのに適したもの、あるいはサンスクリーン/抗日光組成物の生産のために化粧品中へ通常配合される他の成分を含有することもできる。化粧用および皮膚科用アジュバントおよび添加剤の必要量は、所望の製品に基づいて、当技術分野の当業者が容易に選択でき、実施例で例示されるがこれに限定されない。
【0082】
抗酸化剤/保存料の追加量が一般的に好ましい。本発明に基づいて、通常、化粧品中へ配合される既知の抗酸化剤すべてを使用できる。特に好ましいのは、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−およびラウリル−、パルミトイル−;オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−およびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに、極めて低い適合用量(例えばpmol または μmol/kg)でのスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、更に、(金属)−キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パーム酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、β−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、没食子抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビルパルミタートおよびアスコルビルテトライソパルミタート、Mg−アスコルビルホスファート、Na−アスコルビルホスファート、アスコルビルアセタート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンE−アセタート)、天然ビタミンEの混合物、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンA−パルミタートおよび−アセタート)、ならびにコニフェリルベンゾアート、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングリシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよび誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)、ならびに指定された活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)から成る群より選択される抗酸化剤である。1つ以上の保存料/抗酸化剤が、本発明の組成物の総重量の約0.01〜約10重量%の量で存在してもよい。好ましくは、一種以上の保存料/抗酸化剤が、約0.1〜約1重量%の量で存在する。
【0083】
通例、製剤は、乳化剤、可溶化剤などの表面活性成分も含有する。乳化剤は、2つ以上の不混和性成分を均質に混合させる。その上、乳化剤は組成物を安定化させるように作用する。O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/Wのエマルジョン/マイクロエマルジョンを生成するために本発明で使用される乳化剤にはソルビタンオレアート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタンイソステアラート、ソルビタントリオレアート、ポリグリセリル−3−ジイソステアラート、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセリル−6ヘキサリシノラート、ポリグリセリル−4−オレアート、ポリグリセリル−4オレアート/PEG−8プロピレングリコールココアート、オレアミドDEA、TEAミリスタート、TEAステアラート、マグネシウムステアラート、ナトリウムステアラート、カリウムラウラート、カリウムリシノレアート、ナトリウムココアート、ナトリウムタロワート、カリウムカストラート、ナトリウムオレアート、およびそれらの混合物が挙げられる。更なる適切な乳化剤は、ホスファートエステルおよびその塩、例えばセチルホスファート(Amphisol(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスファート(Amphisol(登録商標))、カリウムセチルホスファート(Amphisol(登録商標)K)、ナトリウムグリセリルオレアートホスファート、水素化植物グリセリドホスファートおよびそれらの混合物である。更に、1つ以上の合成ポリマーは、乳化剤として使用できる。例えばPVPエイコセンコポリマー、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、アクリラート/ステアレス−20メタクリラートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびそれらの混合物である。好ましい乳化剤は、セチルホスファート(Amphisol(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスファート(Amphisol(登録商標))、カリウムセチルホスファート(Amphisol(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、PEG−20ソルビタンイソステアラート、ソルビタンイソステアラート、およびそれらの混合物である。1つ以上の乳化剤は、本発明の組成物の総重量の約0.01〜約20重量%の総量で存在する。好ましくは約0.1〜約10重量%の乳化剤を使用する。
【0084】
脂質相は:
鉱油および鉱ろう;
カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、好ましくはヒマシ油;
油またはワックスおよび天然または合成の油、好ましい実施態様において、脂肪酸と、アルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンとのエステル、または脂肪アルコールと炭酸または脂肪酸とのエステル;
アルキルベンゾアート;および/または
シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコン、およびそれらの混合物
から好都合に選択できる。
【0085】
本発明のエマルジョン,マイクロエマルジョン、オレオゲル、水分散物または脂肪分散物の油相に含ませることができる脂質物質の例は、3〜30個の炭素原子を持つ飽和および/または不飽和の直鎖または分岐アルキルカルボン酸と、3〜30個の炭素原子を持つ飽和および/または不飽和の直鎖および/または分岐アルコールとのエステル、ならびに芳香族カルボン酸と、3〜30個の炭素原子の飽和および/または不飽和の直鎖または分岐アルコールとのエステルから好都合に選択される。そのようなエステルは、オクチルパルミタート、オクチルココアート、オクチルイソステアラート、オクチルドデシルミリスタート、セテアリルイソノナノアート、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、イソプロピルステアラート、イソプロピルオレアート、n−ブチルステアラート、n−ヘキシルラウレアート、n−デシルオレアート、イソオクチルステアラート、イソノニルステアラート、イソノニルイソノナノアート、2−エチルヘキシルパルミタート、2−エチルヘキシルラウラート、2−ヘキシルデシルステアラート、2−オクチルドデシルパルミタート、ステアリルヘプタノアート、オレイルオレアート、オレイルエルカート、エルシルオレアート、エルシルエルカート、トリデシルステアラート、トリデシルトリメリタート、ならびにそのようなエステルの合成、半合成、または天然の混合物、例えばホホバ油から好都合に選択できる。
【0086】
本発明の製剤での使用に適切な他の脂肪成分には、極性油、例えばレシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を持つ飽和および/または不飽和の直鎖または分岐カルボン酸のトリグリセロールエステルが挙げられるが、脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは、合成、半合成、または天然の油(例えばココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ナタネ油、スイートアーモンド油、パーム油、ココナッツ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、コムギ油、グレープシード油、マカデミアナッツ油、他);非極性油、例えば直鎖および/または分岐の炭化水素およびワックス、例えば鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブチレンおよびイソヘキサデカン(好ましいポリオレフィンは、ポリデセンである)、ジカプリリルエーテルなどのジアルキルエーテル;直鎖または環状シリコーン、例えば好ましくは、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、およびそれらの混合物から選択される。
【0087】
本発明の製剤に好都合に含まれる他の脂肪成分は、イソエイコサン;ネオペンチルグリコールジヘプタノアート;プロピレングリコールジカプリラート/ジカプラート;カプリル/カプリン/ジグリセリルスクシナート;ブチレングリコールカプリラト/カプラト;C12〜13−アルキルラクタート;ジ−C12〜13アルキルタートラート;トリイソステアリン;ジペンタエリスリチルヘキサカプリラト/ヘキサカプラート;プロピレングリコールモノイソステアラート;トリカプリン;ジメチルイソソルビッドである。特に有益なものは、混合物C12〜15−アルキルベンゾアートおよび2−エチルヘキシルイソステアラート、混合物C12〜15−アルキルベンゾアートおよびイソトリデシルイソノナノアート、ならびにC12〜15−アルキルベンゾアート、2−エチルヘキシルイソステアラート、およびイソトリデシルイソノナノアートの混合物の使用である。
【0088】
本発明の製剤の油相は、天然の植物性または動物性のワックス、例えばミツロウ、チャイナワックス、マルハナバチロウ、および昆虫の他のワックス、ならびにシアバターおよびココアバターも含有できる。
【0089】
保湿剤は、水分を維持するために、または皮膚に水分補給させるために、本発明の組成物に含めることができる。保護コーティングを提供することによって皮膚から水分が蒸発するのを防止する保湿剤を、エモリエントと呼ぶ。更に、エモリエントは、皮膚表面に軟化および鎮静効果を提供して、局所用途で一般的に安全であると見なされる。好ましいエモリエントには、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリン/カプリルトリグリセルアルデヒド、コレステロール、ジメチコン、シクロメチコンなどのシリコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナッツ油およびグレープシード油、ココアバター、オリーブ油、K−アロエ抽出物、オレイン酸およびステアリル酸などの脂肪酸、セチルおよびヘキサデシルなどの脂肪アルコール(ENJAY)、ジイソプロピルアジペート、ヒドロキシベンゾアートエステル、C9〜15−アルコールの安息香酸エステル、イソノニルイソノナノアート、ポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのエーテル、ならびにC12〜15−アルキルベンゾアート、ならびにそれらの混合物が挙げられる。最も好ましいエモリエントは、ヒドロキシベンゾアートエステル、アロエベラ、C12〜15−アルキルベンゾアート、およびそれらの混合物である。エモリエントは、組成物の総重量の約1〜約20重量%の量で存在する。エモリエントの好ましい量は、約2〜約15重量%、最も好ましくは約4〜約10重量%である。
【0090】
水に結合して、それにより水を皮膚表面上に保持する保湿剤を湿潤剤と呼ぶ。グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびそれらの混合物などの適切な湿潤剤を、本発明の組成物に含めることができる。追加の適切な保湿剤は、一群の水溶性および/または水膨潤性/および/または水ゲル化多糖類のポリマー性保湿剤、例えば、ヒアルロン酸、キトサンおよび/またはSOLABIA SによってFucogel(登録商標)1000(CAS-Nr.178463-23-5)として入手できるフコースが豊富な多糖類などである。1つ以上の湿潤剤は、場合により、本発明の組成物中に、約0.5〜約8重量%、好ましくは約1〜約5重量%で存在する。
【0091】
本発明の組成物の水相は、通常の化粧用添加剤、例えばアルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級ジオールまたはポリオールおよびそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−、または−モノエチル−、または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−、またはモノエチルエーテルおよび類似生成物、ポリマー、気泡安定剤;電解質および特に1つ以上の増粘剤を含有できる。生成物の稠度を適切にするのに役立つ、本発明の製剤で使用できる増粘剤には、カルボマー、シリシウムジオキシド、マグネシウムおよび/またはアルミニウムシリケート、ミツロウ、ステアリル酸、ステアリルアルコール多糖類、およびそれらの誘導体、例えばキサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリラートクロスポリマー、好ましくはカルボマー、例えばタイプ980、981、1382、2984、5984のカルボポール(登録商標)単独またはそれらの混合物が挙げられる。例えば乳化剤または発泡剤/気泡安定剤などの成分を中和するために本発明の組成物に含まれてもよい適切な中和剤には、これに限定されるわけではないが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物;ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノールなどの有機塩基、およびそれらの混合物;アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸、ならびに上記のいずれかの組合せが挙げられる。中和剤は、本発明の組成物中に約0.01〜約8重量%、好ましくは1〜約5重量%の量で存在できる。
【0092】
本発明の組成物への電解質の添加は、疎水性乳化剤の挙動を変化させるために必要であってもよい。そのため、本発明のエマルジョン/マイクロエマルジョンは、好ましくは、クロライド、サルファート、カルボネート、ボラートおよびアルミナートなどのアニオンなどの1つ以上の塩の電解質を、それに限定されることなく含有できる。他の適切な電解質は、これに限定されるわけではないが、ラクタート、アセタート、ベンゾアート、プロピオナート、タートラート、およびシトラートなどの有機アニオンをベースにできる。カチオンとして、好ましくはアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属、マグネシウムイオン、鉄イオンまたは亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、およびそれらの混合物である。電解質は、本発明の組成物中に約0.01〜約8重量%の量で存在できる。
【0093】
本発明の化粧用組成物は、紫外線の有害な影響からヒトの皮膚および毛髪を光保護するための組成物として、サンスクリーン組成物として有用である。そのような組成物は、特に、ローション、濃縮ローション、ゲル、クリーム、ミルク、軟膏、パウダーまたは固体チューブスティックの形で提供可能であり、場合によりエアゾールとして包装されて、ムース、フォーム、またはスプレーの形で提供できる。本発明による化粧用組成物が紫外線からヒトの皮膚を保護するために、またはサンスクリーン組成物として提供される場合、それらは、溶媒または脂質物質中の懸濁物または分散物の形、あるいはエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特にO/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)、例えばクリームまたはミルク、小胞状分散物の形、軟膏、ゲル、固体チューブスティック、またはエアゾールムースの形が可能である。エマルジョンは、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤も含有できる。
【0094】
本発明の化合物は、危険なUV−A放射から皮膚および毛髪を保護する。それらは、有機相中で他のUV−Aサンスクリーンによって補充され、それにより、高い日焼け防止効果をもたらすことができる。化合物を別の化粧用組成物に容易に含ませることが可能であり、それらは、他の既知のUV−Aサンスクリーンよりも、特に他の市販の水溶性UV−Aサンスクリーンよりも長い波長に対する保護作用を示し、そのため、真のUV−Aフィルタであり、UV−A/UV−Bギャップフィルタではなく、着色することなく皮膚を可視光線まで遮蔽する。更に、新規な式(I)の化合物の重要な利点は、それらが他の既知の水溶性UV−Aサンスクリーンより高い吸光度、特に現在の市販の水溶性UV−Aサンスクリーンよりなお優れた吸光度を示し、それゆえ、より良好な保護を提供することである。式(I)の化合物は更に、優れた光安定性を示す。驚くべきことに、式(I)の化合物は、エマルジョンも安定化させて、したがって、これらがエマルジョンの形である場合は、本発明の組成物用の共乳化剤として作用できる。式(I)の化合物は、極めて低い皮膚浸透性を示し、皮膚および毛髪への優れた付着性を有する。
【0095】
以下の実施例を、本発明の方法および組成物を更に説明するために提供する。これらの実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0096】
4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシ−エチルオキシホスファートエステルモノナトリウム塩):
【0097】
【化31】

【0098】
a)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシ−エタノール)
温度計、還流冷却器、および磁気スターラー付き油浴を装備した350ml 3口反応フラスコに、n−ブタノール150ml中の4−ジシアノメチレン−4H−ピラン(Helv.Chim.Acta 1962, 1908-1917に従って調製)30.1g(175mmol)および2−(2−アミノエトキシ)−エタノール(Fluka)20.2g(192mmol)を投入し、アルゴン雰囲気下で90分間加熱した。冷却後、塊状の懸濁物を濾過して、フィルタ残留物をエチルアセタート、ジイソプロピルエーテル、およびペンタンにより連続して洗浄して、乾燥後に淡黄褐色の結晶20.3gを得た。融点157〜158℃。UV(THF)360および372nm(32’332)
【0099】
b)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシ−エチルオキシホスファートエステルモノナトリウム塩)
温度計、滴下漏斗、還流冷却器、pH電極、および磁気スターラー付き冷浴を装備した750ml 4口反応フラスコにアルゴン雰囲気下で、THF 250ml中で調製した4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシ−エタノール)19.5g(75mmol)およびトリエチルアミン(Fluka)13.6ml(97.5mmol)を投入して、10℃まで冷却した。次にTHF 50mlによるPOCl3 13.8g(90mmol)の溶液を滴下漏斗によって15分以内に添加した。この混合物を室温にて16時間攪拌して、反応物をHPLCによって追跡し、沈殿を濾過して生成したNEt3xHClを除去した。濾液を10℃まで再度冷却して、18−クラウン−6 1mgを添加し、続いて2.0n NaOH水溶液97.5mlを、pHを確認しながら添加した。反応物を更に90分間攪拌して、追加の2.0n NaOH水溶液を20℃にて、pH=4に達するまで添加した。この時点で水相を分離して、エチルアセタート100mlを洗浄した。飽和NaCl水溶液50mlの添加により、生成物を沈殿させ、濾過することが可能であり、アセトン200mlによって洗浄した。乾燥後、無色結晶18.2gを得た。溶解度 168g/l水。この塩をDMFから再結晶させた。融点158−159℃;UV(水)350nm(E=979)。この生成物の光安定性を、Bersetら, Internat.J.CosmeticScience 98:167-177(1996)に従って、水/グリセロール=7:3の混合物の溶液を液相として使用して測定した。生成物は、光安定性であることが判明した。
【実施例2】
【0100】
4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシサルファートエステルモノナトリウム塩):
【0101】
【化32】

【0102】
a)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−エタン−2−オール
温度計、還流冷却器、および磁気スターラー付き油浴を装備した350ml 3口反応フラスコに、エタノールアミン(Fluka)100ml中の4−ジシアノメチレン−4H−ピラン(Helv.Chim.Acta 1962, 1908-1917に従って調製)25.8g(150mol)を投入して、アルゴン雰囲気下で80℃まで30分間加熱した。開始直後に、発熱反応を確認した。冷却後、混合物をn−ブタノール100mlで希釈して、濾過した。フィルタ残留物を冷水2×10ml、およびアセトン2×100mlで連続して洗浄した。乾燥後、やや黄色がかった結晶17.5gを得た。融点267〜268℃。UV(THF)360および372nm(26’305)。
【0103】
b)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシサルファートエステルモノナトリウム塩)
スターラー、還流冷却器、温度計、油浴を装備した100ml 反応フラスコにアルゴン雰囲気下で、iアセトニトリル/ピリジン=9:1の混合物30ml中の、上の4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−エタン−2−オール2.15g(10mmol)および三酸化硫黄−ピリジン錯体(Fluka)1.91g(12mmol)を投入した。この混合物を強く攪拌しながら60℃まで30分間加熱した。既に10分後には、実際には、開始物質はHPLCによって検出できなかった。室温にて、混合物をアセトン30mlで希釈して、濾過した。残留物をアセトン、ジイソプロピルエーテル、およびペンタンで洗浄して、乾燥させて無色結晶3.1gを得た。融点209〜210℃。この物質を水30mlに溶解させた。1n NaOH水溶液1当量を添加して、混合物を15分間攪拌して、高真空を使用して回転蒸発器で濃縮した。残留物に水50mlを再度添加して、それを先と同様の工程で濃縮した。ピリジン臭が追跡できなくなるまで、この工程を2回繰り返した。乾燥物質をその重量の5倍の水に再度溶解させ、THF 200mlを添加して沈殿させ、残留物をTHFおよびアセトンを用いて洗浄して、無色結晶2.9gを得た。融点198℃。分解;UV(水)352nm(E=1261)。溶解度≧25g/l水。この生成物の光安定性を、Bersetら, Internat.J.CosmeticScience 98:167-177(1996)に従って、水/グリセロール=7:3の混合物の溶液を液相として使用して測定した。生成物は、光安定性であることが判明した。
【実施例3】
【0104】
4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−[3−(N,N−ジメチル−N−(エトキシ−エトキシエタノール−イル)−プロピル−アンモニウムヨウ化物]
【0105】
【化33】

【0106】
a)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(3−[N,N−ジメチルアミノ]−プロパン)
温度計、還流冷却器、および磁気スターラー付き油浴を装備した250ml 3口反応フラスコに、n−ブタノール145ml中の4−ジシアノメチレン−4H−ピラン(Helv.Chim.Acta 1962, 1908-1917に従って調製)14.5g(82.2mmol)および3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピルアミン(Fluka)10.1g(99mmol)を投入して、アルゴン雰囲気下で2時間加熱した。冷却後、懸濁物を濾過して、フィルタ残留物を冷n−ブタノールで洗浄して、乾燥後にやや黄色がかった結晶10.4gを得た。融点187〜188℃。UV(エタノール)360nm(37’287)。
【0107】
b)2−[2−(2−ヨードエトキシ)−エトキシ]−エタノール
還流冷却器、油浴および磁気スターラーを装備した25ml反応フラスコに、アセトン20ml中の2−[2−(2−クロロエトキシ)−エトキシ]−エタノール(Fluka)2g(11.9mmol)、ナトリウムヨージド4gおよび炭酸水素ナトリウム3gを投入した。反応混合物を一晩還流させ、冷却後に濾過した。濾液を回転蒸発器で濃縮して、CH2Cl2 5mlに溶解させて、再度濾過した。次に濾液を回転蒸発器で再度濃縮して、黄色油2.5gを得た。NMRは、純物質(CDCl3)2.58s broad(1H/OH);3.22t(2H/CH2−J);3.53〜3.77m(10H/CH2−O)を示した。
【0108】
c)4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−[3−(N,N−ジメチル−N−(エトキシ−エトキシエタノール−イル)−プロピル−アンモニウムヨージド]
還流冷却器、油浴、および磁気スターラーを装備した50ml反応フラスコに、DMF 15ml中の、上で調製した4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(3−[N,N−ジメチルアミノ]−プロパン)1.28g(5mmol)、上に記載した2−[2−(2−ヨードエトキシ)−エトキシ]−エタノール1.34g(5.5mmol)を投入した。反応混合物を一晩還流させたが、TLCによって開始物質は示されなかった。反応混合物を回転蒸発器で濃縮し、その後、HV乾燥を行った。残留物をシクロヘキサン、次にエチルアセタートで洗浄して、その後、エタノールからの再結晶を行った。収量 褐色結晶2.09g。融点130〜180℃分解;UV(エタノール)362nm(37’946)。
【実施例4】
【0109】
1−{2−[2−(4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−4H−ピリジン−1−イル)−エトキシ]−エチル}−ピリジニウムクロライド
【0110】
【化34】

【0111】
a)2−{1−[2−(2−クロロ−エトキシ)−エチル]−2,6−ジメチル−1H−ピリジン−4−イリデン}−マロノニトリル
温度計、滴下漏斗、還流冷却器、磁気スターラー付きの冷浴および熱浴を装備した750ml 4口反応フラスコにアルゴン雰囲気下で、THF 250ml中の、上で調製した4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−N−(エチルオキシ−エタノール)(実施例6.1.a)19.5g(75mmol)およびトリエチルアミン(Fluka)微量を投入して、10℃まで冷却した。次にTHF 50mlによるSOCl2 10.7g(90mmol)の溶液を滴下漏斗によって15分間以内に添加した。この混合物を室温にて1時間攪拌して、次に還流まで4時間加熱した。反応物をHPLCによって追跡した。混合物を氷に注入し、生成物を濾過して、エチルアセタートから再結晶させた。白色結晶を得た、融点148〜149℃。
【0112】
b)1−{2−[2−(4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−4H−ピリジン−1−イル)−エトキシ]−エチル}−ピリジニウムクロライド
還流冷却器、熱浴、および磁気スターラーを装備した50ml反応フラスコにアルゴン雰囲気下で、ピリジン25ml中の、上の2−{1−[2−(2−クロロ−エトキシ)エチル]−2,6−ジメチル−1H−ピリジン−4−イリデン}−マロノニトリル1.4g(5mmol)を投入して、還流まで5時間加熱した。重い懸濁物が生成し、これを濾過して、少量の冷ピリジン、続いてTHFで洗浄した。乾燥後、微結晶1.69gを得た、融点248〜251℃/分解。UV(水)352nm(E=1149)。水への溶解度>>200g/l。
【実施例5】
【0113】
3−[3−(4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−4H−ピリジン−1−イル)−フェノキシ]プロパン−1−スルホン酸
【0114】
【化35】

【0115】
a)2−[1−(3−ヒドロキシ−フェニル)−2,6−ジメチル−1H−ピリジン−4−イリデン]−マロノニトリル
還流冷却器、磁気スターラー、および油浴を装備した10ml反応フラスコに、4−ジシアノメチレン−4H−ピラン(Helv.Chim.Acta 1962, 1908-1917に従って調製)0.86g(5mmol)、および3−アミノフェノール(Fluka)2.8g(25mmol)をアルゴン雰囲気下で投入し、140℃まで5時間加熱した。まだ熱い状態で、混合物を2n HCl 100mlに注入して、エチルアセタート100mlによって2回抽出した。合せた有機相を2n HClで逆洗して、回転蒸発器で濃縮して、乾燥させた。結晶を温エチルアセタートおよびMeOHで洗浄して、再度乾燥させて、白色結晶460mgを得た。融点>300℃、TLC(シリカゲル上でEtOAc:ヘキサン=1:1)Rf=0.15。
【0116】
b)3−[3−(4−ジシアノメチレン−2,6−ジメチル−4H−ピリジン−1−イル)−フェノキシ]−プロパン−1−スルホン酸
温度計、還流冷却器、磁気スターラー、および熱浴を装備した50ml 3口反応フラスコにアルゴン雰囲気下で、無水THF 20mlおよび無水DMF 0.1mlの混合物中に懸濁させた上の2−[1−(3−ヒドロキシ−フェニル)−2,6−ジメチル−1H−ピリジン−4−イリデン]−マロノニトリル263mg(1mmol)および無水NaH(95%)26.5mg(1.05mmol)を投入した。水素形成を観察した。45分後、1,3−プロパンスルトン134mg(1.1mmol)を懸濁物に添加し、反応混合物を70℃まで5時間加熱し、その後、HPLCを行った。冷却して、混合物を濾過して、残留物を少量のTHFで洗浄して、白色粉末260mgを得た。これをMeOH/CH2Cl2 から再結晶して、CH2Cl2 で洗浄して、乾燥させて、無色結晶190mgを得た。融点200℃/分解。UV(水)352nm(E=1150)水への溶解度>50g/l。
【実施例6】
【0117】
O/WサンスクリーンローションUV−BおよびUV−Aの調製:
実施例1の化合物を2%含有する広域スペクトルサンスクリーンローション。
【表1】


A部をリアクター内で85℃まで加熱した。B部を10分以内にゆっくり添加し、KOHの添加し、その後、エマルジョンの冷却および脱気を行う。
【実施例7】
【0118】
【表2】

【実施例8】
【0119】
【表3】


手順:
A)部を攪拌しながら85℃まで加熱した。均質になったら、B)部(80℃)を攪拌しながら添加した。次にC)部(40℃)を攪拌しながら添加した(PARSOL HSが完全に溶解したことを確認して、微量が残っている場合は、溶液がpH>7で透明になるまで、少量の中和塩基を添加する)。最後に、pHを最低7.0まで調整して、室温まで冷却する。
供給元:
1)DSM Nutritional Products, CH-4002 バーゼル/スイス
2)COGNIS, D-40551 デュッセルドルフ/ドイツ
3)BASF AG, D-67056 ルートウィヒスハーフェン/ドイツ
4)GOODRICH COMPANY,クリーブランド−オハイオ州44141-3247/米国
5)Fluka CHEMIE AG, CH-9471 ブクス/スイス
6)DOW CORNING CORP., ミッドランド−ミシガン州48686-0994/米国
7)ISP TECHNOLOGIES INC., ウェイン−ニュージャージー州07470/米国
8)NIPA LABORATORIES LTD,ミッドグラモーガン州-CF38 2SN/英国
【実施例9】
【0120】
【表4】


手順:
A)部を攪拌しながら85℃まで加熱した。均質になったら、B)部およびC)部を攪拌しながら75℃まで予備加熱した。75℃まで予備加熱したD)部を添加した(PARSOL HSが完全に溶解したことを確認して、微量が残っている場合は、溶液が透明になるまで少量の中和塩基を添加する)。11000rpmにて30秒間ホモジナイズした。室温まで冷却する。
物理データ:
pH:7.20
粘度(Brookfield RVT、25℃、スピンドル6、10rpm):約12350cP
SPF:Colipaプロトコルによるインビボ判定、対象5名、Laboratoire Dermscan, Lyon Ref.98098(02.98)
供給元:
9)ROCHE VITAMINS LTD,CH-4070 バーゼル/スイス
10)BASF AG,D-67056 ルートウィヒスハーフェン/ドイツ
11)NIPA LABORATORIES LTD, ミッドグラモーガン州−CF38 2SN/英国
12)ISP TECHNOLOGIES INC., ウェイン−ニュージャージー州07470/米国
13)GOLDSCHMIDT AG,D-45127/ドイツ
14)COGNIS,D-40551 デュッセルドルフ/ドイツ
15)B.F.GOODRICH COMPANY;クリーブランド−オハイオ州44141/米国
16)UNICHEMA CHEMIE GmbH, D-46446 エンメリヒ/ドイツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】


(式中、
1およびR2は、同じまたは異なる電子求引基であるか、あるいはR1およびR2の一方が水素であり、R1およびR2の他方が電子吸引基であり、
3、R4、R5、およびR6は、水素原子、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10シクロアルキル基、C6〜C10アリール基から独立して選択され、上記の基は非置換であるかまたはC1〜C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、およびC1〜C6アルコキシ基から選択される1〜3個の置換基によって場合により置換されるか、あるいはR3およびR5、および/またはR4およびR6は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5または6員環を形成し、これは場合によりC1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ヒドロキシ、またはハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換され、
Xは、1〜20個の炭素原子および場合により1〜10個のヘテロ原子を含有し、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含む炭化水素基であり、そして
Yは、対イオンである。)で示される化合物。
【請求項2】
Xが、1〜20個の炭素原子および場合により1〜10個のヘテロ原子を含有し、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含む、アルキル、アルキルアリール、またはアルキルシクロアルキル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Xが、場合により1〜10個のヘテロ原子を含有し、正または負に帯電した少なくとも1個の基を含むC1〜C10アルキレン基である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Xが、1〜6個のヘテロ原子を含有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、およびリン原子から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
正または負に帯電した基が、1個の正電荷を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
1個の正電荷を有する基が、4級アンモニウム基である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
Yが、ハロゲン原子である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
正または負に帯電した基が、1個の負電荷を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
1個の負電荷を有する基が、−COO-、−O−SO3-、および−O−PO3-から成る群より選択される、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
Yが、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、トリエタノールアンモニウムイオン、アミノメチルプロパノールイオン、またはトリストロメタミンイオンである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
残基R3およびR4が、各々水素原子である、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
残基R5およびR6が、水素原子およびC1〜C6アルキル基から独立して選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
残基R1およびR2が、いずれもシアノ基である、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
すなわち
【化2】












である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に定義したとおりの化合物を含む、UV−Aスクリーン組成物。
【請求項17】
UV−A放射から皮膚または毛髪を保護するための化粧用組成物である、請求項16記載のUV−Aスクリーン組成物。
【請求項18】
微粉化顔料およびポリマー性UVサンスクリーンから成る群より選択される1つ以上の追加のサンスクリーンを含む、請求項16または17記載のUV−Aスクリーン組成物。
【請求項19】
微粉化顔料が、粒径約5nm〜約200nmの微粒子化TiO2である、請求項18記載のUV−Aスクリーン組成物。
【請求項20】
ポリマー性UVサンスクリーンが、オルガノシロキサンである、請求項18記載のUV−Aスクリーン組成物。
【請求項21】
オルガノシロキサンが、ベンズマロナート基を含有するオルガノシロキサンである、請求項20記載のUV−Aスクリーン組成物。
【請求項22】
UV−Aスクリーン剤としての、請求項1〜15のいずれか一項に定義したとおりの化合物の使用。

【公表番号】特表2007−523078(P2007−523078A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552555(P2006−552555)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001379
【国際公開番号】WO2005/080341
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】