説明

インキ供給径路の洗浄方法及び洗浄装置

【課題】インキ洗浄性が互いに異なる複数の洗浄液を共に用いてインキ供給径路の洗浄を行なえるようにし、インキ供給径路の洗浄作業が短時間のものとなるようにする。
【解決手段】インキ供給径路Eを洗浄する際して、インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用い、インキ洗浄能力が異なる洗浄液a,b,cのインキ供給径路Eへの通液時を互いに異ならせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット方式により被印刷物に塗工するインクジェット印刷装置のインキ供給径路の洗浄方法と洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年において、カラー液晶表示装置のカラーフィルタなどの精細パターンをインクジェット方式の塗工により形成するインクジェット印刷装置は、形成するパターンに必要とされる色のインキそれぞれが収容されたタンクからの前記インキを、ポンプなどのインキ供給手段によって塗工手段側に送り込み、その塗工手段側にあって多数のインクジェットヘッドを備えていて、送り込まれたインキがインクジェットヘッドそれぞれでの制御された吐出動作によってインキ液滴状態にして吐出されるようにしている。
このようなインクジェット印刷装置においては定期的な清掃時や、前記インクジェット印刷装置でのインキを交換する場合などにおいて、上記タンクなどのインキ供給源への接続部分をインキ供給方向での経路上流とし、上記インクジェットヘッドをインキ供給方向での経路下流とするインキ供給径路をその都度、洗浄している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−146224
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
印刷機器のインキ汚れなどに対応できる洗浄液としてはインキ洗浄性(インキ洗浄能力)の高い高洗浄性洗浄液があり、この高洗浄性洗浄液をインキ供給径路に通液すれば、インキ供給径路を構成している配管内面などからのインキ除去が比較的短時間で行なえる点で有利であるが、この高洗浄性洗浄液のインキに対する相溶性が極めて悪く、高洗浄性洗浄液を通液し続けるとソルベントショック(インキ起因の凝集物やゲル物)が発生し、インキ供給径路に入れられた高洗浄性洗浄液をインクジェットヘッドから排出させる場合にノズル詰まりを生じさせるという欠点がある。そのため、インキに対する相溶性に優れた洗浄液をインキ供給径路に通液して洗浄を行なうようにしている。しかし、インキに対する相溶性が高いとソルベントショックが発生しないが、経路内面に対してはインキ洗浄性が低いものであるため、通液時間を長くする必要があり、よって洗浄工程が長くなるという不都合があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、インキ洗浄性が互いに異なる複数の洗浄液を共に用いてインキ供給径路の洗浄を行なえるようにすることを課題とし、インキ供給径路の洗浄作業が短時間のものとなるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(請求項1)
請求項1の発明は、タンクなどのインキ供給源への接続部分をインキ供給方向での経路上流とするとともに、ガラス基板などの被印刷体に対してインキを微細なインキ液滴状にして吐出するインクジェットヘッドをインキ供給方向での経路下流とし、前記インキ供給源のインキが前記インクジェットヘッドから吐出されるようにポンプなどからなるインキ供給手段によって経路上流から経路下流に送り出されるインキ供給径路に洗浄液を通液させて、前記インキ供給径路を洗浄する方法であって、インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用い、インキ洗浄能力が異なる洗浄液のインキ供給径路への通液時を互いに異ならせることを特徴とするインキ供給径路の洗浄方法であり、このインキ供給径路の洗浄方法を提供して上記課題を解消するものである。
(請求項2)
上記発明において、洗浄液の通液と不活性ガスの通気とを交互に行なうものとすることが可能である。
(請求項3)
上記発明において、不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、同一の洗浄液であるとすることが可能である。
(請求項4)
上記発明において、不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液とすることが可能である。
(請求項5)
上記発明において、上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における初期段階にインキ相溶性が高くインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液を通液させ、終了段階にインキ洗浄能力が高い高洗浄性洗浄液を通液するものとすることが可能である。
(請求項6)
上記発明において、上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における終了段階に、不活性ガスの通気を行なってインキ供給経路を乾燥させるものとすることが可能である。
【0005】
(請求項7)
また、もう一つの発明は、タンクなどのインキ供給源への接続部分をインキ供給方向での経路上流とするとともに、ガラス基板などの被印刷体に対してインキを微細なインキ液滴状にして吐出するインクジェットヘッドをインキ供給方向での経路下流とし、前記インキ供給源のインキが前記インクジェットヘッドから吐出されるようにポンプなどからなるインキ供給手段によって経路上流から経路下流に送り出されるインキ供給径路に洗浄液を通液させて、前記インキ供給径路を洗浄する装置であって、インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液それぞれをインキ供給径路への通液時を異ならせて通液する洗浄液通液手段を備えていることを特徴とするインキ供給径路の洗浄装置であり、このインキ供給径路の洗浄装置を提供して上記課題を解消するものである。
(請求項8)
上記発明において、上記洗浄液通液手段はインキ供給径路への不活性ガスの通気が可能に設けられ、洗浄液の通液と不活性ガスの通気とを交互に行なう構成を備えているものとすることが可能である。
(請求項9)
上記発明において、不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、同一の洗浄液とすることが可能である。
(請求項10)
上記発明において、不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液とすることが可能である。
(請求項11)
上記発明において、上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における初期段階にインキ相溶性が高くインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液を通液させ、終了段階にインキ洗浄能力が高い高洗浄性洗浄液を通液する構成を備えるものとすることが可能である。
(請求項12)
上記発明において、上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における終了段階に、不活性ガスの通気を行なってインキ供給経路を乾燥させる構成を備えるものとすることが可能である。
【発明の効果】
【0006】
(請求項1の効果)
上記請求項1の発明によれば、インキ洗浄能力(インキ洗浄性)が高い高洗浄性洗浄液の通液時間をこの高洗浄性洗浄液のみで洗浄する場合に比べて短くしてインキの凝集物やゲル物を生じさせない状態で経路内面からインキの除去を行ない、そしてインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液はインキとの相溶性が高いことから経路内面で残存しているインキをその表面側から徐々に除去するようになり、経路内面に残るインキの量を減らして前記高洗浄性洗浄液を通液する際のソルベントショックを生じさせ難くしながらそのインキの除去が行なわれるようになる。よって、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液を通液時を異ならせてインキ供給径路に通すので、経路内面に残っているインキを短時間で経路外に排出することができるようになる。
(請求項2の効果)
請求項2の発明によれば、不活性ガスの通気と洗浄液の通液とが交互に行なわれるので、インキ供給径路の経路内面をガス部分と洗浄液部分との界面が通過する度に発生する気液分配平衡によってその経路内面に付着しているインキが洗浄液部分に溶出され、洗浄液側へのインキの溶け出しがより一層向上するようになる。
(請求項3の効果)
請求項3の発明によれば、インキ供給径路の経路内面をガス部分と洗浄液部分との界面が通過する度に発生する気液分配平衡によってその経路内面に付着しているインキが洗浄液部分に溶出され、不活性ガスの通気で前後に分けられる同一の洗浄液へのインキの溶け出しがより一層向上するようになる。
(請求項4の効果)
請求項4の発明によれば、インキ洗浄能力が異なる洗浄液が不活性ガスを間にしてインキ供給径路を通るようになり、そのインキ洗浄能力が異なる洗浄液が互いに交じり合わないようになる。
(請求項5の効果)
請求項5の発明によれば、洗浄工程の初期に低洗浄性洗浄液が通液するので、ソルベントショックを生じさせることがなく、また、この低洗浄性洗浄液の洗浄によりインキ供給径路中で残存するインキの絶対量が少なくなってから終了段階に高洗浄性洗浄液を通液するので、やはりソルベントショックが生じず、そして、その高洗浄性洗浄液の高いインキ洗浄能力によりインキ供給径路をより確実に洗浄できる。
(請求項6の効果)
請求項6の発明によれば、洗浄工程が終了すればインキ供給径路の内部が乾燥しており、前塗工工程で使用していた同一のインキや異なる色彩のインキをインキ供給経路に送り込みしてもソルベントショックを生じさせることがない。
【0007】
(請求項7の効果)
上記請求項7の発明によれば、インキ洗浄能力が高い高洗浄性洗浄液の通液時間をこの高洗浄性洗浄液のみで洗浄する場合に比べて短くしてインキの凝集物やゲル物を生じさせない状態で経路内面からインキの除去を行ない、そしてインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液はインキとの相溶性が高いことから経路内面で残存しているインキをその表面側から徐々に除去するようになり、経路内面に残るインキの量を減らして前記高洗浄性洗浄液を通液する際のソルベントショックを生じさせ難くしながらそのインキの除去が行なわれるようになる。よって、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液を通液時を異ならせてインキ供給径路に通すので、経路内面に残っているインキを短時間で経路外に排出することができるようになる。
(請求項8の効果)
請求項8の発明によれば、不活性ガスの通気と洗浄液の通液とが交互に行なわれるので、インキ供給径路の経路内面をガス部分と洗浄液部分との界面が通過する度に発生する気液分配平衡によってその経路内面に付着しているインキが洗浄液部分に溶出され、洗浄液側へのインキの溶け出しがより一層向上するようになる。
(請求項9の効果)
請求項9の発明によれば、インキ供給径路の経路内面をガス部分と洗浄液部分との界面が通過する度に発生する気液分配平衡によってその経路内面に付着しているインキが洗浄液部分に溶出され、不活性ガスの通気で前後に分けられる同一の洗浄液へのインキの溶け出しがより一層向上するようになる。
(請求項10の効果)
請求項10の発明によれば、インキ洗浄能力が異なる洗浄液が不活性ガスを間にしてインキ供給径路を通るようになり、そのインキ洗浄能力が異なる洗浄液が互いに交じり合わないようになる。
(請求項11の効果)
請求項11の発明によれば、洗浄工程の初期に低洗浄性洗浄液が通液するので、ソルベントショックを生じさせることがなく、また、この低洗浄性洗浄液の洗浄によりインキ供給径路中で残存するインキの絶対量が少なくなってから終了段階に高洗浄性洗浄液を通液するので、やはりソルベントショックが生じず、そして、その高洗浄性洗浄液の高いインキ洗浄能力によりインキ供給径路をより確実に洗浄できる。
(請求項12の効果)
請求項12の発明によれば、洗浄工程が終了すればインキ供給径路の内部が乾燥しており、前塗工工程で使用していた同一のインキや異なる色彩のインキをインキ供給経路に送り込みしてもソルベントショックを生じさせることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
つぎに本発明を図1から図3に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1はインキ供給径路の洗浄装置で、該洗浄装置1はインキをインクジェット方式により被印刷物に吐出して詳細なパターンを形成するインクジェット印刷装置Aに接続して用いられるものであり、図1に示すように、インクジェット印刷装置Aでは、インクを収容したタンクからなるインキ供給源Bへの配管による接続部分Cをインキ供給方向での経路上流とするとともに、インキを吐出するインクジェットヘッドDをインキ供給方向での経路下流とするインキ供給径路Eに切り換えバルブFが介装され、この切り換えバルブFに前記洗浄装置1が接続されている。
なお、インキ供給径路E中、GはインキをインクジェットヘッドDから吐出されるように経路上流から経路下流にインキを送り出すポンプなどからなるインキ供給手段であり、Hはストレーナである。そして、上記切り換えバルブFは前記ストレーナHよりインキ供給方向上流側の経路位置に配置されている。
【0009】
上記洗浄装置1は、それぞれインキ洗浄性が異なる洗浄液を収容し、図示しない送り出し手段によって洗浄液を送り出すことができるようにした三つの洗浄液供給部2a,2b,2cと、フッ素などの不活性ガスを加圧状態で収容し、その不活性ガスを送り出すことができる不活性ガス供給部3と、前記三つの洗浄液供給部2a,2b,2cと前記不活性ガス供給部3とがそれぞれ接続されて、これら三つの洗浄液供給部2a,2b,2cからの三種類の洗浄液a、b、cと不活性ガス供給部3からの不活性ガスdとを混合させることなく上記インキ供給径路Eに送り出す洗浄液通液手段である送出手段4とからなるものであり、送出手段4はインキ供給径路Eの上記切り換えバルブFに接続されている。三種類の洗浄液中、洗浄液aはインキ洗浄性が低くインキに対する相溶性が良好な低洗浄性洗浄液であり、洗浄液bは前記洗浄液aよりインキ洗浄性が高くインキに対する相溶性が低い中洗浄性洗浄液、さらに洗浄液cは、三種類の洗浄液中一番インキ洗浄性が高く、反面、インキに対する相溶性が低くなっている高洗浄性洗浄液である。
ここで、インキ洗浄性が高いものとは、インキ供給配管内壁に付着したインキを溶解、剥離する作用が強く、色残りさせないものをいう。そして、面粗度Ra=0.5μmのインキ供給配管内壁に付着したインキを色残りさせることなく洗浄可能な洗浄液である。
インキ洗浄性が中となるものとは、インキ供給配管内壁に付着したインキを溶解、剥離する作用が中程度で、多少の色残りがあるものをいう。そして、面粗度Ra=0.5μmのインキ供給配管内壁に付着したインキを洗浄した場合、多少の色残りが発生する洗浄液である。
インキ洗浄性が低いものとは、インキ供給配管内壁に付着したインキを溶解、剥離する作用が弱く、色残りするものをいう。そして、面粗度Ra=0.5μmのインキ供給配管内壁に付着したインキを洗浄した場合、色残りが発生する洗浄液である。
なお、実施の形態では用いる洗浄液の種類は三種類であるが、用いる洗浄液の種類が三種類に限定されるものではなく、インキの種類により洗浄液の種類が増減してもよい。
【0010】
洗浄装置1は、メンテナンスやインキ交換のために被印刷物へのインキ吐出を停止したインクジェット印刷装置Aのインキ供給径路Eを洗浄するため、洗浄液a,b,cを送り出してインキ供給径路Eに通液させるとともに、不活性ガスdを送り出してインキ供給径路Eに通気させるものであり、送出手段4はインキ供給径路E中での洗浄液a,b,cの通液と不活性ガスdの通気とに際して圧力、流量、通液時、通気時などを制御しながらより、インキ洗浄性が互いに異なる洗浄液a,b,cと不活性ガスdとを送り出すように設けられている。
【0011】
洗浄工程中における上記洗浄装置1を用いた洗浄は、上記送出手段4の働きによって上述したようにインキ供給径路を通液させるタイミングを互いに異ならせるようにして洗浄液を通すようにするものであればよい。以下に例を示す。
例えば、図2(イ)に示すように洗浄工程Iの初期段階に洗浄液aを連続通液させ、中期段階に洗浄液cを連続通液させ、終了段階に洗浄液aを連続通液させることができる。この場合、洗浄液の切り換えは連続させている。
また、図2(ロ)に示すように、洗浄工程Iを四段階に分け、洗浄液a、洗浄液b、洗浄液c、洗浄液aの順に通液するようにしてもよい。この場合も、洗浄液の切り換えは連続させている。
さらに、洗浄工程Iの一部の工程I′を示している図2(ハ)のように洗浄工程Iの全体を通じて、また一部分において各通液時間を短くして洗浄液a、洗浄液b、洗浄液cの順で繰り返しながら通液させることもできる。
いずれの場合も、洗浄工程の始めに低洗浄性洗浄液aを通液させ、終わりにおいても低洗浄性洗浄液aを通液させることがソルベントショックを生じさせない上で有利である。勿論、後述する乾燥などによってインキ供給径路から洗浄液を除去する場合には、洗浄工程の終了段階に高洗浄性洗浄液cを通液することも可能である。
【0012】
また、図3に示すように洗浄液の通液を切り換えるときの間や、同一の洗浄液の通液を複数に分けた間に上記不活性ガスの通気を行なうようにしてもよい。例えば図3(イ)に示すように、洗浄工程Iを初期段階、中期段階、終了段階に分けた場合の洗浄液切り換え時に不活性ガスdの通気を行なうことができる。
また、洗浄工程Iの一部の工程I′を示している図3(ロ)のように洗浄工程Iの全体を通じて、また一部分において各通液時間を短くして洗浄液a、洗浄液b、洗浄液cの順で繰り返しながら通液させ、かつ洗浄液の切り換えの間に不活性ガスdの通気を行ない、不活性ガスdの通気の前後に通液する洗浄液が、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液となるようにすることもできる。
また、洗浄工程Iの一部の工程I′を示している図3(ハ)のように洗浄工程Iの全体を通じて、また一部分において各通液時間を短くして洗浄液a、洗浄液b、洗浄液cの順で繰り返しながら通液させ、かつ同種の洗浄液の通液を複数に分けてその間に不活性ガスdの通気を行なうこともできる。
さらに、洗浄工程における終了段階や洗浄作業後に、不活性ガスの通気を行なってインキ供給経路を乾燥させるようにすることも可能であり、このインキ供給径路を乾燥させることはインキ送り込み時のソルベントショックを回避する上で、また、洗浄前に塗工に用いたインキとは異なる色彩のインキを送り込む時に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るインキ供給径路の洗浄装置の一例を示す説明図である。
【図2】洗浄工程における洗浄液の通液を示す説明図である。
【図3】洗浄工程における洗浄液の通液と不活性ガスの通気とを示す説明図である。
【符号の説明】
【0014】
1…洗浄装置
2…洗浄液供給部
3…不活性ガス供給部
4…送出手段
a…低洗浄性洗浄液
b…中洗浄性洗浄液
c…高洗浄性洗浄液
d…不活性ガス
A…インクジェット印刷装置
B…インキ供給源
D…インクジェットヘッド
E…インキ供給径路
F…切り換えバルブ
I…洗浄工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクなどのインキ供給源への接続部分をインキ供給方向での経路上流とするとともに、ガラス基板などの被印刷体に対してインキを微細なインキ液滴状にして吐出するインクジェットヘッドをインキ供給方向での経路下流とし、前記インキ供給源のインキが前記インクジェットヘッドから吐出されるようにポンプなどからなるインキ供給手段によって経路上流から経路下流に送り出されるインキ供給径路に洗浄液を通液させて、前記インキ供給径路を洗浄する方法であって、
インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用い、インキ洗浄能力が異なる洗浄液のインキ供給径路への通液時を互いに異ならせることを特徴とするインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項2】
洗浄液の通液と不活性ガスの通気とを交互に行なう請求項1に記載のインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項3】
不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、同一の洗浄液である請求項2に記載のインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項4】
不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液である請求項2に記載のインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項5】
上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における初期段階にインキ相溶性が高くインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液を通液させ、終了段階にインキ洗浄能力が高い高洗浄性洗浄液を通液する請求項1から4に記載のインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項6】
上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における終了段階に、不活性ガスの通気を行なってインキ供給経路を乾燥させる請求項1から4に記載のインキ供給径路の洗浄方法。
【請求項7】
タンクなどのインキ供給源への接続部分をインキ供給方向での経路上流とするとともに、ガラス基板などの被印刷体に対してインキを微細なインキ液滴状にして吐出するインクジェットヘッドをインキ供給方向での経路下流とし、前記インキ供給源のインキが前記インクジェットヘッドから吐出されるようにポンプなどからなるインキ供給手段によって経路上流から経路下流に送り出されるインキ供給径路に洗浄液を通液させて、前記インキ供給径路を洗浄する装置であって、
インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液それぞれをインキ供給径路への通液時を異ならせて通液する洗浄液通液手段を備えていることを特徴とするインキ供給径路の洗浄装置。
【請求項8】
上記洗浄液通液手段はインキ供給径路への不活性ガスの通気が可能に設けられ、洗浄液の通液と不活性ガスの通気とを交互に行なう構成を備えている請求項1に記載のインキ供給径路の洗浄装置。
【請求項9】
不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、同一の洗浄液である請求項8に記載のインキ供給径路の洗浄装置。
【請求項10】
不活性ガスの通気の前後に通液する洗浄液は、インキ洗浄能力が互いに異なる洗浄液である請求項8に記載のインキ供給径路の洗浄装置。
【請求項11】
上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における初期段階にインキ相溶性が高くインキ洗浄能力が低い低洗浄性洗浄液を通液させ、終了段階にインキ洗浄能力が高い高洗浄性洗浄液を通液する構成を備える請求項7から10に記載のインキ供給径路の洗浄装置。
【請求項12】
上記インキ洗浄能力が互いに異なる複数の洗浄液を用いた洗浄工程における終了段階に、不活性ガスの通気を行なってインキ供給経路を乾燥させる構成を備える請求項7から10に記載のインキ供給径路の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−83210(P2007−83210A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278294(P2005−278294)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】