説明

インジウム、ビスマス及び/またはカドミウムを含有する低温活性半田を用いて形成した電子パッケージ

活性半田合金、電子装置を基板に結合する前記活性半田合金を含有する電子装置パッケージ及び前記半田合金を用いる半田付けによって高強度接合部を形成する方法。前記合金は、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1‐5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01‐1重量%のガリウム;約10重量%までの銀;約2重量%までのマグネシウム;及び錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余を含有する。前記合金は、比較的狭い溶融範囲(約10℃未満)内で低温(約180℃未満)半田付けを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して半田合金を用いて形成した電子パッケージに関し、より詳細には、180℃以下で加工部材の無融剤接合を可能とする活性及び他の元素を含有する活性半田合金組成物に関する。本発明は、セラミックスを接合する方法及び前記組成物からの恩恵を被るための用途も包含する。
【背景技術】
【0002】
半田付け法は、最も広く用いられている接合技術の一つである。加工部材を接合するために半田付けのさらに広い使用は、従来の半田法に固有の幾らかの制限をなくすことが可能であろう。代表的に、従来の半田法は、次のような場合だけ、首尾よく用いることができる。(1)接合すべき加工部材の表面が、綺麗にされ、また酸化物、窒化物または他の半田の付与前に存在する安定化合物層がなく、半田と加工部材表面との良好な接触を確実にする場合、(2)融剤の下塗りを、半田と同時に使用する場合、または(3)加工部材表面が、綺麗にされ、そして融剤の下塗りが用いられている場合。これらの制限は、半田付けすべき加工部材表面が、複雑な予備処理を必要とすること、半田付け操作が、添加融剤の使用によってより複雑にされること、またはその両方を意味する。さらに、半田付け工程後に、融剤残渣が、半田付けされた加工部材表面に残る危険がある。残存融剤は、更なる加工工程において問題を生じるかもしれないし、また半田付け接合部の長期耐久性を損なうかもしれない。
【0003】
他の従来の半田付け法は、加熱に際し安定な酸化物または化合物を生成しない金属(例えば、Au)あるいは融剤によって容易に除去される酸化物を生成する金属(例えば、CuまたはNi)での鍍金を含む。これらの方法は、半田付けすべき加工部材表面が、多段予備処理または鍍金を受け入れること、また半田付け操作が、鍍金、融剤またはその両方の追加の使用を含む多段手順を包含することを必要とする。これらの従来の半田付け法のあるものは、健康、環境またはその両方に危険なものである。
【0004】
他の商業的な半田付け法は、錫及び/または鉛及び/または銀を含むソフト半田合金を使用し、そして約180−280℃の操作温度を有している。そのような方法は、多くの物質を全く濡らさないか非常に不十分にしか濡らさない更なる制限がある。従って、これらの方法は、セラミック等の湿潤性の乏しいまたは全く湿潤性のない物質からなる加工部材を接合するのに使用することができない。
【0005】
ある半田付け法は、活性化されたソフト半田を用いることによってこの制限を克服することを試みている。「活性」金属としてある割合のチタンを有する活性化されたソフト半田は、湿潤性の乏しい表面にさえ意義深く改善された濡れを示す。しかし、活性半田を用いる方法の一つの意義深い制限は、それらが600℃−900℃の操作温度を必要とし、また高真空または純遮蔽ガス等の保護雰囲気を必要とすることである。高い操作温度は、半田可能な物質の選択を厳格に制限する。さらに、真空または遮蔽ガスの必要は、半田付け操作を複雑にし、また多くの場合、方法の適用を全く実現不可能にする。
【0006】
最近開発された活性半田は、チタン(または元素の周期表のIVA及び/またはVa亜族の他の元素)及び従来の半田金属(即ち、錫、銀、インジウム等)と組合わせてある一定量の反応性元素、希土類あるいはランタノイド元素(La、Ce、Ga等)を含んでいる。このような半田合金は、通常未改質半田より広範な様々の物質を濡らしかつ結合する。これらの組成物は、アルミニウム等の銅またはチタンに似ていない物質を炭化珪素に結合するのに、またはタングステンあるいはチタン等の結合困難な物質を接合するのに一般に使用されている。これらの物質は、シリコンをアルミナ、銅−タングステン合金、銅−モリブデン−銅合金、及びアルミニウム炭化珪素等の金属−セラミック複合体等の電子パッケージ材に結合するのにも有効に使用することができる。
【0007】
最近開発された活性半田は、200℃より高い融点(代表的なSn−Ti−Ag−Ce−Ga合金で233℃)を有し、250−400℃の温度で首尾よく接合に尽くす。しかしながら、これらの活性半田を用いる半田付け法は、接合温度が250℃以上になることが許される接合対象に限定される。マイクロエレクトロニックス、センサー、超小形電気機械装置(MEM)及び任意に180℃以下で接合する半田を必要とするポリマー被覆光学または金属被覆ポリマー装置には、多くの明らかな適用箇所がある。
【0008】
半導体装置の従来のパッケージングは、充填材入り有機ポリマー、充填材入りシリコーンポリマーまたは充填材入りグリース材を用いて、装置とパッケージ蓋との間で熱路を創生している。これらの材料は、典型的に接合または結合能を有していないが、装置の正常な使用中決まった場所に留まらねばならない。これらの有機材料の半田等の金属への置換は、装置からの熱伝達速度を実質的に改善し、そしてパッケージング材料をシリコンに付着するのを手助けすることもできる。金属で分かった熱伝導率の約10倍の増加は、装置が、高速で操作することが可能となることによってより良好に機能することを可能として、トランジスタ数の増大を可能とし、または発生する熱を除去するための複雑なシステムを少なくすることを可能とする。
【0009】
しかしながら、上記のように、表面を予備処理して、基板材料の表面に自然に存在する酸化物をできる限り少なくした場合のみ、従来の半田は、半導体材料、セラミックス及び金属類に結合する。最も一般的な処理は、半田の基板への付着を妨げることなく表面上に存在する酸化物類を低減するのに選定される薬剤である融剤の使用である。汚染が操作に対し破壊的である半導体装置において、融剤類の使用は、望ましくない。その代わりに、金の層が、パッケージング材と共に装置の表面にしばしば加えられる。これは、スパッタリングまたは化学蒸着のような幾つかの従来の方法の一つによってなされる。
【0010】
金は、材料中に拡散することができる、そして半導体装置に損害を与える可能性があり、またはある種の材料には強固に付着することが困難でありうるので、接着及びバリヤー層も、金皮膜と基板表面との間に加える。一般的な組合わせは、装置、即ち基板に直接接着層としてのニッケル、金が基板中に拡散するのを防止するバリヤー層としてのチタンまたはパラジウム及び最後に金層である。金層が正確に処理されて、過剰の酸化物の生成がなく保持されている場合、ある種の従来の半田は、融剤を使用することなく金に直接結合する。
【0011】
あいにく、追加層の生成は、製造方法に多段工程を付加して、コストを増大し、工程中の部分的失敗の危険を増大し、そして装置とそのパッケージとの間に得られた比較的厚い金属層のために全パッケージの熱性能を改善しない可能性がある。ある特別な場合に、共融銅ボンディングを使用することができるが、この方法は、さらにより高価であり、また複雑である。
【0012】
既存の活性半田合金組成物及び操作方法の欠点に鑑み、より高い強度の接合を作るために新規の合金組成物及び操作方法の必要がある。この必要は、電子パッケージング、光学パッケージング、コールドプレート及びヒートスプレッダーの分野で特に急務である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、ソフト半田技術のより多方面にわたる適用を可能にする、加工部材を接合するための半田付け法を提供することにある。本発明のより具体的な目的は、不活性及び他の保護雰囲気だけでなく、例えば、空気中等の酸素含有雰囲気においてさえ機能し、比較的低い操作温度を有し、また湿潤性に乏しい表面でさえ濡らす半田付け法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、融剤の必要を排除する方法を提供することにある。
【0014】
特に、本発明の目的は、低温(約180℃より低い)活性半田合金を提供することにある。関連目的は、このような低温活性半田を用いて、セラミック、シリコン、複合体または耐腐食性金属を接合する方法を導入することにある。他の関連目的は、そのような低温活性半田を用いる適用対象を確認することにある。他の活性半田同様、本発明の組成物は、空気中で操作することができ、またセラミックス、シリコン、複合体またはセラミック層表面を有する金属等のそれら自体湿潤性に乏しい表面を濡らす。
【0015】
〔発明の要約〕
これら及び他の目的を達成するために、またその目的に鑑みて、本発明は、合金、特に、180℃より低い温度での活性ソフト半田接合のより多方面にわたる適用を可能にする低温活性半田合金を提供する。本発明は、現下の活性半田組成物によって予期し得ない程度にインジウム、ビスマスまたはカドミウムを添加する。本発明の一利点は、以下に具体的に述べる他の活性元素と組合わせた高濃度のインジウム、ビスマスまたはカドミウムが、湿潤性を有し、かつ融剤または鍍金を使用することなくセラミックス及び他のセラミック様表面皮膜に接合することにある。本発明の他の利点は、これらの温度低下元素が活性半田の活性を保持し、かつ元素の組合わせに依存して40−180℃の活性半田付け温度の全く新しい範囲を提供することにある。
【0016】
本発明は、活性半田合金、基板に電子装置を結合する活性半田合金を含む電子装置パッケージ及び該半田合金を用いる半田付けによって高強度、高熱伝導性接合部を形成する方法を包含する。該合金は、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀;約2重量%までのマグネシウム;及び錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余を含有している。該合金は、比較的狭い溶融範囲(約10℃未満)内で低温(約180℃未満)半田付けを可能とする。
【0017】
上記概要説明及び以下の詳細な説明は、共に本発明の模範であり、本発明を制限するものではないことを理解すべきである。
【0018】
〔発明の詳細な説明〕
この特許出願は、電子パッケージングに使用するための一連のより低温活性半田を説明する。公知の活性半田組成物(例えば、ラグシェイダー(Lugscheider)等に付与された米国特許第6,231,693号によって教授されるSn−Ag−Ti−Ga−Ce組成物)と対比して、より低温活性半田を創造する理由は、220℃より低い温度、より重要には183℃より低い温度でさえ接合する必要があるからである。後者の温度は、ダイレクトマウント、ボールグリッドアレイ類(BGA’s)において半田相互接続部としてなお使用されているPb−Sn半田の共融融解温度である。
【0019】
溶解曲線が、液体中の固体の溶解限界(過飽和のない最大溶質添加)を定義する。2溶解曲線が相中で交差する点、または平衡状態図(合金が平衡にある、即ち、全ての可能な反応が完了した場合、特定の温度で存在する相または組成を読むことができる地図)は、共融温度、即ち、溶液が液体のままである最低温度及び共融組成、即ち、この低融点液体の組成の両方を定義する。共融組成物の溶液は、一般的な共融反応、L≪S+S3(右に向かう矢印は冷却を表す)に従って共融温度を通って冷却されると、単一の液体溶液から2固体相に変化する。加熱によって、反応は逆行する(左に向かう矢印は加熱を表す)。下に記した数字は、成分の一つの次第に高くなる量を意味する。
【0020】
液相線温度は、全ての組成物が液体である(即ち、液体だけが安定である)温度の軌跡である。固相線温度は、全ての組成物が固体である(即ち、固体だけが安定である)温度の軌跡である。2種またはそれ以上の成分の各状態図は、液相線及び固相線並びに介在凝固範囲を示さねばならない。液相線及び固相線は、共融で出会い、またその場合単一相が溶融する。
【0021】
A. 電子パッケージング
電子パッケージは、相互接続部、ヒートスプレッダー基材に対する接合部及びパッケージを封止する蓋に対する接合部を含む階層接合部を有している。パッケージにおけるマイクロプロセッサーチップがより速くまたより小さくなるに連れて、それらの出熱が、より高くなりまたより集中する。パッケージから熱を除去するために、製造業者は、BGAアタッチを用いる直接実装チップにより依存している。プロセッサーチップの背部に直接実装される追加のヒートスプレッダー蓋の使用が、標準として出現している。熱グリース及び銀充填エポキシを使用した場合、それらの低い熱伝導率が、接合部の熱排出能力を限定する。従って、マイクロプロセッサー製造業者は、半田でプロセッサーチップ(通常、Siダイ)を直接付着するのに注目した。
【0022】
これらの半田は、チップ及び相互接続部に損傷を与えることなしにプロセッサーチップの背部及び熱放出蓋に結合できねばならない。この要件は、これらの半田が、相互接続半田より低い、また実装用半田より低い温度で溶融するのを好ましくする。目標の半田付け温度は、115−180℃である。この活性半田加工温度範囲は、活性半田を広範の電子パッケージに使用可能にする。おそらくより重要には、この温度範囲の半田の範囲は、階層半田接合として知られる電子パッケージの段付き半田組立てを規定すると思われる。
【0023】
B. 候補半田基材
候補活性半田基材には、180℃より低い融点範囲のインジウム、錫−インジウム、錫−ビスマス及び錫−カドミウム合金がある。本発明の目的は、活性及び電子パッケージングプロセッサー材料(シリコン、GaAS及びSiCを含む)の表面と直接反応し、それらを濡らしかつそれらに接着することができる、並びに基材または蓋材料(銅、銅タングステン複合体、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、Al−SiC、ダイヤモンド、ダイヤモンド複合体、熱分解グラファイト、グラファイトフォーム及び他の低発泡高導電物質等)と反応するこれらの半田を作成することにある。ラグシェイダー等によって特許されたものの様な従来の半田は、典型的にガリウム、チタン(またはHf、Zr、Ta等の他の反応性IVA族あるいはVA族元素)及びCe、La、Lu、Er、Y等の希土類(ランタノイド)元素を含む元素添加剤を有している。850℃以下で活性であるが、これらの従来の半田は、目標の半田操作温度にかなうことができない。従って、115−180℃の望ましい温度範囲で溶融する活性半田の必要がある。
【0024】
低温半田として理想的なインジウムは、157℃で溶融する。錫−インジウム合金は、157℃以下で、錫−インジウム合金が他の半田基材となる単一の温度で溶融する120℃までの共融温度で溶融する。錫−ビスマス合金は、錫−インジウム合金の共融温度とインジウム半田の融解温度の間で溶融する他の半田基材を提供する139℃の共融温度を有している錫−カドミウム合金は、鉛−錫の共融温度以下かつインジウム半田の融解温度以上で溶融する半田基材を提供する177℃の共融温度を有している。インジウムは、単一の温度で溶融し、その融点以上で非常に流動的である。錫−インジウム及び錫−ビスマスの共融組成物は、単一温度またはその近くで溶融し、また非常に流動的であるという点で純インジウムに類似の特性を示す。
【0025】
本発明の合金は、少なくとも6種の成分を有している。第一の成分は、元素の周期表のIVa及び/またはVa亜族の元素または元素混合物である。元素の周期表のIVa及び/またはVa亜族の元素は、特に、元素チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルを含み、そのうち、チタンが好ましい。第二の成分は、ランタノイド族の元素または元素混合物である。ランタノイド族の元素は、特に、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、イッテルビウム及びルテチウムを含み、そのうち、セリウムが好ましい。第三の成分は、ガリウムである。第四の成分は、銀または銅である。第五の成分は、マグネシウムである。第六の残余成分は、錫、インジウム、ビスマス、カドミウムまたはこれらの元素の2種またはそれ以上の混合物である。
【0026】
C. 半田組成物元素の役割
本発明の合金は、融剤、予備金属化または鍍金必要なしに多くの電子パッケージング材料の濡れ及び接合を可能とするそれら独自の特性を発現するために以下の群の付加物を有しているのが好ましい。個々の合金成分の機能は、次の通り説明することができる。
【0027】
1. チタニウム. 第一の成分は、元素の周期表のIVa及び/またはVa亜族の元素または元素混合物であり、特にチタンである。チタンは、ある条件下にまた希土類元素同様に、溶融金属半田フィラーの湿潤及び反応力を高めることを見出した。従って、第一の成分は、特に酸化物、窒化物または炭化物セラミック表面に対する合金の湿潤力を増大する。第一の成分は、さらに溶融状態で合金の表面張力低減するのに役立つ。
【0028】
チタン及び他のIVA及びVA族の反応性遷移金属(Hf、Zr、Ta)は、史実的に高温接合用のロウ付けフィラーに添加された。チタンは、これらのフィラー中850℃以上で、Al、AlN、SiC及びSi等の多くの酸化物及び窒化物を反応及び還元することが知られている。これらの高温で、反応性IVA及びVA族元素は、高活性を有し、かつ反応して、溶融フィラーによって濡らされかつそれに接着して表面皮膜を形成する。
【0029】
活性半田フィラー金属の独特な特性は、該活性半田フィラー中のガリウム及び希土類元素の組合わせが、チタンが表面化合物を還元する温度を低下することである。上記文献は、チタンが、850℃以上で単に「活性」となり、高真空中でチタン付加物と共にフィラーがロウ付けされることを教えている。しかしながら、ガリウム及びセリウムと組合わせると、チタンの活性が、溶融活性半田の表面に拡散し、かつ表面化合物と相互作用することができるのに十分に高められ、さらに活性半田がセラミックス、アルミニウム複合体(AlSiC)、グラファイト、ダイヤモンド、ステンレス鋼等の物質及びチタンにさえ結合する能力を高める。
【0030】
それが使用される場合、第一の成分の好ましい組成範囲は、1−10重量%である。0.1%までのより少ない量も有益である。チタンのインジウム、錫−インジウム及び錫−ビスマス合金への10%より多い量での合金化は、操作性フィラー材が生じるかどうかが問題となる。
【0031】
2. セリウム. 第二の成分は、ランタノイド(希土類)族の元素または元素混合物であり、特にセリウムである。セリウムは、酸素に対し高い親和力を有するので、この成分は、第一の成分(例えば、チタン)の酸化を防止する。セリウムと酸素との高い親和力は、環境から、接合すべき材料の酸化物層から、または他の表面から酸素を刺激して、チタンとではなくセリウムと優先的に化合物を生成する。従って、チタンが、少なくとも十分に非酸化形態で残存し、またその明確な効果を展開することができる。
【0032】
セリウムは、活性半田を約それらの固相線温度に加熱し、次にそれらの液相線以上に加熱すると、該活性半田の表面で急激に濃縮することが、X−線光子分光(XPS)分析によって見出された。ランタノイド元素の小さな原子サイズが、それらが表面に急激に拡散することを可能とする。この特徴が、それが反応性元素の活性を増大した場合に、溶融半田フィラーの表面でセリウムが濃縮する。
【0033】
セリウム及びその関連ランタノイド元素は、それらの高い活性及び能力のために酸化物及び窒化物の両方と反応することが知られている。酸化セリウムは、形成した場合に、さらなる酸化に対するバリヤーとなる頑強で、付着力のある保護酸化物である。この特徴が、それらの層を介して酸素を容易に輸送するNiO及びFe等の他の金属酸化物からセリウムを区別する。
【0034】
セリウム及び他の希土類元素は、還元しかつ酸化物及び窒化物皮膜に置換できることが知られており、従って、溶融活性半田フィラーは、多くの異なる物質の表面と反応し、そしてそれらを濡らす能力を有している。多くの表面化合物と反応するセリウムの化学活性は、化学的融剤処理を行って、安定な酸化物または窒化物を除去し、かつ新鮮な基材を露出する必要、あるいは安定な酸化物を形成しない金属(例えば、Au、CuまたはNi)で鍍金する必要を排除する重要な特徴である。希土類元素は、物質表面と直接反応し、また直接湿潤及び付着を可能にする。
【0035】
希土類元素の好ましい組成範囲は、0.1−5%である。その上限は、インジウム、錫−インジウム及び錫−ビスマス基材半田に対するこれらの元素の限られた溶解性によって指図される。
【0036】
3. ガリウム. 第三の成分のガリウムは、半田が加熱されて溶融し始める場合に、それらの表面の酸化挙動を改質するために活性半田に添加される低温(28℃)融解元素である。さらに、Ga及びGa酸化物は、その表面で相互作用し、また溶融活性半田フィラーの湿潤挙動を改質し、よってそれらが基材の表面と親密に接触することが可能となり、またGaは、多くの金属及びそれらの酸化物の粒界に容易に置換することが知られているので、要衝の粒界点に付着する。この湿潤挙動は、形成する表面層との反応における重要な第一の段階である。多過ぎるGaは、固相線を下げ、また多くの金属の粒界を攻撃する傾向があるので(液−金属脆化を生じる)、比較的低濃度(0.01−1.0重量%)のGaが好ましいことを見出した。
【0037】
本発明の合金組成物におけるガリウムとセリウムの組合わせは、セラミックス、シリコン、複合体類及び金属類の活性半田接合に相乗的かつ有益であることを見出した。XPSによる結果は、溶融の初期の段階で、ガリウムが、酸化して保護的酸化物スケールを形成する加熱活性半田フィラーの表面に即座に到着することを示した。この酸化物スケールは、下にある基材(例えば、Sn、Ag及び/またはTi)のさらなる酸化を保護する。ある種の液分を発生する固相線温度以上に加熱すると、ランタノイド元素のセリウムは、酸化ガリウム層を介して表面に急激に拡散し、そこで酸化セリウムがさらにより頑強かつ保護的な酸化物を形成する。活性半田フィラーの液体状態において、酸化セリウムは、溶融フィラー中に残存する活性元素(例えば、Ti)の保護を高める。酸化セリウム皮膜の分裂に際し、ガリウムが放出され、表面粒界に侵入して相互作用し、よってフィラー金属がさらに加熱され、また機械的に活性化されると、粒界を改質し、かつそれらをランタノイド元素、セリウム、及びチタンとの反応のより活性部位にする。
【0038】
かくして、XPS分析及び実際の結合実験によって、ガリウムのセリウム等のランタノイド元素との組合せを有することが有利であることを見出した。組合せにおいて、それらの湿潤及びセラミック、シリコン、複合体、及び金属表面への結合の準備で、それらが機械的に活性化される前に、それらは、下にある半田フィラーが過度に酸化されるのを保護するように相乗的に作用する。活性化に際し、ガリウムは、ランタノイド元素がさらにより速い速度で反応することができる活性部位を作成することによって表面を準備する。本質的に、ガリウムは、ランタノイド元素の存在下に湿潤及び付着の触媒として作用する。
【0039】
4. 銀. 銀及び銅は、半田材の強度、延性またはそれらの強度及び延性の両方を改質するために通常添加される元素である。それを使用する場合、この第四の成分の好ましい組成範囲は、1−10重量%である。より少ない量も有益である。銀及び銅は、溶融範囲を増大し、また一般に大半のインジウム、錫−インジウム、錫−カドミウム、及び錫−ビスマス合金の液相線を上げる。しかしながら、これらの元素のそのような添加は、要求される最終フィラー特性(例えば、操作性)及び最終接合特性を得るために賢明にされる。銀及び銅の間で、前者は、操作性のために好ましい(銅は、強度のために添加する)。
【0040】
5. マグネシウム. マグネシウムは、少量(約2重量%まで)で溶融半田フィラーに添加して特定の酸化物、例えば、SiOとの反応性を高めることができる他の強力な酸化剤である。最近終了した研究から、0.1−1.0重量%のマグネシウムの添加によって、マグネシウム改質活性半田のシリコンに対する濡れを高めさせることを見出した。空気の存在下の、特に、溶融半田フィラー温度に加熱した場合に、シリコンは、バリヤー被膜としてSiOを形成することが知られている。この酸化物は、非常に安定であり、そして大抵の場合、さらなる酸化及び多くの酸化剤との反応に抵抗する。最近終了した評価は、活性半田基材中の低濃度のマグネシウムは、反応能力及び凝固半田とシリコン表面とのより頑強な結合を発現する能力を高めることを示している。従って、シリコンダイに対するインダイまたはリッドアタッチのようなシリコン接合を含みうる用途には、半田合金へのマグネシウムの添加が有利である。接合は、マグネシウムを含まない半田合金組成物を用いても可能であるが、マグネシウムを含有することが、接合操作をより容易かつより有効にすることによってこの接合操作を促進する。
【0041】
6. 残余. 第六(残余の)成分を構成するインジウム、ビスマス、またはカドミウム元素は、これらの元素が半田付け温度を180℃以下に下げるゆえに、重要である。ある組成物において、本発明の半田合金は、40℃と低い液相線温度を有している。この成分は、合金の他の活性元素によって達成される半田の活性を可能とする。
【0042】
本発明の合金の操作温度は、40℃から180℃の間であるのが好ましい。従って、公知の活性ソフト半田に対比して、本発明の合金の操作温度は、意義深く低減される。上に述べた銀(または銅)及びガリウム等のさらに他の成分の添加のために、合金の特性を各特定の用途のために望ましい値の特性に合わせることができる。合金は、共融するように(単一融点)設計しても、または接合中溶融半田の挙動に影響を与える小さな設計温度範囲に亘って溶融するように設計してもよい。錫と組合わせたインジウム、ビスマスまたはカドミウム等の元素の組成範囲は、成分会合の手助けをする半田溶融範囲を生じるように選択することができる。
【0043】
電子パッケージング用途において、毛管流れ及び精密の要求が、半田が特定のレオロジー特性に使用されていないならば、狭い温度範囲(即ち、10−15℃未満)で溶融する半田合金を必要とする。従って、本発明の好ましい実施態様の活性低温半田は、そのような狭い温度範囲で溶融する。好ましい実施態様の融解温度範囲は、純インジウム(159℃)、錫−インジウム(51重量%インジウム含有)共融(120℃)、錫‐カドミウム(33.5重量%カドミウム含有)共融(177℃)及び錫−ビスマス(57重量%)共融(139℃)組成物の融解温度の±10℃である。
【0044】
本発明の合金組成物を用いて達成される接合機構は、活性半田挙動を維持しながらのより低い液相線温度に基づくものである。この機構は、多くの重要な利点を提供する。これらの利点の中には、反応性合金成分が、接合すべき加工部材の表面に存在するいかなる酸化物、窒化物または炭化物層と反応及び/または相互作用することがある。溶融状態での表面張力は、合金成分とその周囲の媒体との間の相互作用の結果として改質され、また溶融半田合金が接合すべき表面を濡らすことを可能とする。さらに、合金は、物理力によってセラミックス、シリコンまたは他の耐腐食性金属等の基材に付着し、また活性化金属学的反応によって他の金属に付着する。
【0045】
D. XPSによって測定した溶融及び操作における活性元素の役割
活性半田は、従来の錫、錫−銀及び錫−鉛半田とは異なる酸化及び相互作用特性を有している。これらの特性は、融剤または基材の金属化あるいは鍍金の必要を排除するそれらの独特な挙動に至る。XPS表面分析によって、この独特な挙動及び、活性元素の各々の個々の及び特定の役割を確認した。第一に、ガリウムは、インジウム、錫−インジウム及び錫−ビスマス基材半田の湿潤及び酸化からの保護を助成する重要な元素付加物であることが示された。室温から合金の固相線温度直前までの加熱に際し、XPS測定は、ガリウム元素が、活性半田の固相線温度に加熱されると、活性半田の表面に急激に拡散し、かつそこで濃縮することを示した。半田表面で、ガリウムは、酸素含有雰囲気中で酸化し、そして活性半田中に存在する錫、インジウム、ビスマスまたはガリウム元素のさらなる酸化を防止する堅く付着するガリウム酸化物被膜を形成した。活性半田の低減された酸化が、融剤なしにこれらの半田が容易に分裂しかつ湿潤することを可能とした。
【0046】
第二に、活性半田が溶融し始める固相線温度以上に加熱すると、セリウム(及び他のランタノイド元素)は、ガリウムに富む層を介して急激に拡散する。ここで、セリウムは、空気、即ち、酸素と相互作用し、そして半田基材中に見られる錫、インジウムまたはビスマス元素の酸化をさらに遅くする保護酸化セリウム層を形成することが、XPSによって分かった。この保護酸化セリウムは、溶融半田を保護し、半田の更なる酸化を防止した。従って、ガリウムとセリウム(または他のランタノイド元素)との組合せは、半田基材中の活性元素を保護し、かつ通常融剤によって除去される酸化を低減するのに重大であることが認められた。ガリウム及びセリウムによってもたらされる保護は、セリウム及び、添加されていれば、チタン及び他のIVA及びVA族元素を含む他の活性元素も保護し、それらが溶融活性半田の表面でより高い濃度で存在することを可能とし、かくしてより高い活性、よって基材表面層と反応する高い親和性を生じる。
【0047】
第三に、XPS分析は、チタンまたは他のIVA及びVA族元素が存在する場合、それらの液相線温度以上に十分に加熱すると、さらなる加熱が、活性半田の表面でチタン元素が濃縮したことを示した。このチタンの特別な濃縮が、活性半田の活性をさらに増大し、また活性半田の銅、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、シリコン、さらには窒化アルミニウム等の基材との反応をさらに高める役割を演じ得る。しかしながら、ガリウム及びセリウムは、活性半田の液相線温度への加熱中チタンの過剰な表面損失を防止するのに重大である。これらの元素、即ち、ガリウム及びセリウムは、従って、チタンが適当な時期に溶融活性半田基材界面で濃縮するのを可能とした。
【0048】
E. 好ましい活性半田基材
本発明の全特質をより明確に実証するために、以下の例を挙げる。これらの例は、本発明を例示するものであり、限定するものではない。
【0049】
広義に、本発明の低温活性半田合金は、10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;0.01−1重量%のガリウム;10重量%までの銀;2重量%までのマグネシウム;及び錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余を含有している。もちろん、組成物は、当業者の知識内の典型的な不純物を含んでいてもよい。この合金組成物は、3種の特定の残余元素、インジウム単独、インジウム−錫及びビスマス−錫の一つを有しているのが好ましい。カドミウム−錫残余も可能である。
【0050】
インジウム単独の残余を有する好ましい合金について、この組成物も、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタル(即ち、この成分は随意である)から成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀(即ち、この成分は随意である);及び約2重量%までのマグネシウム(即ち、この成分は随意である)を有している。この合金組成物の融解温度範囲は、約150−170℃である。インジウム単独の残余を有する合金の最も好ましい組成は、約0.1重量%のランタノイド元素の群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のガリウム;及び約0.1重量%のマグネシウムである。この最も好ましい合金組成物の融解温度範囲は、約155−160℃である。
【0051】
残余中に少なくともインジウムと錫を有する好ましい合金について、残余は、残分が錫であって、約40−70重量%のインジウム及び約10重量%までのビスマス(即ち、この成分は随意である)を有している。この組成物も、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタル(即ち、この成分は随意である)から成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀(即ち、この成分は随意である);及び約2重量%までのマグネシウム(即ち、この成分は随意である)を有している。この合金組成物の融解温度範囲は、約110−160℃である。残余中に少なくともインジウムと錫を有する合金の最も好ましい組成は、残余が約51重量%のインジウムと残りの錫を有して、約2重量%のチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のランタノイド元素の群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のガリウム;約2重量%の銀;及び約0.1重量%のマグネシウムである。この最も好ましい合金組成物の融解温度範囲は、約118−122℃である。
【0052】
残余中に少なくともビスマスと錫を有する好ましい合金について、残余は、残分が錫であって、約40−70重量%のビスマス及び約10重量%までのインジウム(即ち、この成分は随意である)を有している。この組成物も、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタル(即ち、この成分は随意である)から成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀(即ち、この成分は随意である);及び約2重量%までのマグネシウム(即ち、この成分は随意である)を有している。この合金組成物の融解温度範囲は、約130−170℃である。残余中に少なくともビスマスと錫を有する合金の最も好ましい組成は、残余が約57重量%のビスマスと残りの錫を有して、約2重量%のチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のランタノイド元素の群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のガリウム;約2重量%の銀;及び約0.1重量%のマグネシウムである。この最も好ましい合金組成物の融解温度範囲は、約139−141℃である。
【0053】
好ましい活性半田基材を表1に示す。元素は、好ましい呼称組成及び望ましい範囲としての割合で添加する。これらの好ましい組成を支持する理由は、次の通りである。
【0054】
1. インジウム. インジウムは、関心事(157℃)の温度範囲内で溶融する電気的かつ熱的に伝導性の純元素(金属)であり、優れた流動性を有し、そして多くの金属、セラミックス及びガラスを濡らすという点で幾分活性である。しかしながら、あいにく、インジウム単独では、シリコンを濡らすことができない。このシリコンを濡らすことができないことは、電子パッケージ組み立て用途及び熱管理のための基材及び蓋に対する関連シリコンダイアタッチには主たる障害となる。従って、上記したものの様な活性元素が、実質的に純なインジウムがある用途のために、金(Au)を予備鍍金することなくシリコンを濡らしまたそれに付着させるのに必須である。
【0055】
2. In−Sn合金. インジウムを含有させると、錫合金の液相線温度が低下する。錫と合金化し、結局、約51重量%で存在する場合、インジウムは、約120℃で溶融する共融合金を生じる。この共融組成(50.9重量%インジウム)のいずれの側でも、インジウム‐錫合金は、固相線が、共融温度(120℃)によって固定されたまま、組成物の液相線温度を増大する。インジウム濃度を増大または減少すると、液相線温度が増大するに連れて、溶融範囲が大きくなる。
【0056】
溶融温度の正常に狭い範囲(0−10℃)は、電子パッケージング接合用途に好ましい。従って、実用的かつ好ましい(約40−70重量%インジウム)この共融点のいずれの側でもインジウム濃度の範囲がある。上で述べたように、シリコン及び他の典型的な電子パッケージング材を濡らすこれらのインジウム−錫合金には、インジウム−錫合金が濡らしかつ付着することを可能とさせるためにガリウム、セリウム、及びある場合に、チタンを添加せねばならない。ガリウム、セリウム、及びある場合に、チタンと組合わせて、この組成範囲が、鉛−錫及び/または錫−銀半田で作成された半田接合部及び/または相互接続部を既に有するパッケージを接合するために非常に実用的であるのに十分に低い範囲である110−160℃で接合することができる活性半田を生じる。
【0057】
3. Bi−Sn合金. ビスマスは、錫と合金化した場合、錫合金の液相線温度を低下する。結局、ビスマスが約57重量%で存在する場合、約139℃で溶融する共融合金を生じる。この共融組成(57重量%ビスマス)のいずれの側でも、ビスマス−錫合金は、固相線が、共融温度(139℃)によって固定されたまま、組成物の液相線温度を増大する。
【0058】
インジウムの添加に勝るビスマスの利点は、ビスマスの原価が、インジウムより実質的に低く、また代価が半田の材料費によって操作される電子パッケージング用途に使用することができることである。高性能、高価値付加プロセッサーで使用される電子パッケージには、代価は、材料の選択を操作しない。しかしながら、低価フィラーが、強い選択基準である場合、ビスマスの添加がインジウムより好ましい。一方、ビスマス−錫合金は、延性が要件である場合、ビスマス−錫合金より好ましいこれらの合金組成物を作成するインジウムかまたはインジウム−錫合金のいずれより実質的に延性が低い。
【0059】
インジウム‐錫合金と同じように、錫中のビスマス濃度が増大または減少すると、合金の溶融範囲並びに液相線温度が増大する。溶融温度の正常に狭い範囲(0−10℃)は、電子パッケージング接合用途に好ましい。従って、実用的かつ好ましい(約40−70重量%ビスマス)この共融点のいずれの側でもビスマス濃度の範囲がある。上で述べたように、シリコン及び他の典型的な電子パッケージング材を濡らすこれらのビスマス‐錫合金には、ビスマス−錫合金が濡らしかつ付着することを可能とさせるためにガリウム、セリウム、及びある場合に、チタンを添加せねばならない。ガリウム、セリウム、及びある場合に、チタンと組合わせて、この組成範囲が、鉛‐錫及び/または錫−銀半田で作成された半田接合部及び/または相互接続部を既に有するパッケージを接合するために非常に実用的であるのに十分に低い範囲である130−170℃で接合することができる活性半田を生じる。
【0060】
4. Cd−Sn合金. カドミウムは、錫と合金化した場合、錫合金の液相線温度を低下する他の元素である。結局、カドミウムが約33.5重量%で存在する場合、約177℃で溶融する共融合金を生じる。この共融組成(33.5重量%カドミウム)のいずれの側でも、カドミウム‐錫合金は、固相線が、共融温度(177℃)によって固定されたまま、組成物の液相線温度を増大する。
【0061】
F. 使用方法
本発明は、セラミックス、シリコン、複合体、及び例えば、チタン及びステンレス鋼を含むある種の金属上により高い強度の接合部を生じることができる方法も包含する。本発明の活性半田組成物を用いる接合方法の一例は、以下の工程を含む。
【0062】
1. 従来の層(例えば、従来の活性半田)が半田によって接合すべき表面上に置いて、真空または保護雰囲気中高温(半田中の活性元素と基材との金属学的反応得るのに十分な温度によって限定される)でセラミックまたは金属を予備処理する;
2. 予備処理後、本発明の活性低温(110−180℃)合金半田を予備処理層が設けられた接合部中に置く;
3. 接合部を110−180℃(保護雰囲気または空気中で)に加熱することによって、半田接合を完了して、活性低温合金半田を溶融(または再溶融)し、また溶融半田層上に再形成する酸化物スケールを分裂する;
・ ブラシ、スクレーパまたは他の工具を用いて、溶融半田をシリコン表面にすり込み、半田を活性化し、表面を完全に濡らし、そして均一な被膜を確保する;そして
5. 冷却して、半田合金を再凝固する。
組立て体は、次にさらに完全電子成分に加工し、そして最終的に従来のように装置または製品中に組み込むことができる。
【0063】
最終接合工程(工程4)中の半田の活性化は、中心のいずれかの側に少なくとも約0.0127mm(千分の5インチ)振動して、他方に相対して一方の成分を滑らせることによって(例えば、蓋の一方の縁をダイの一方の縁に対して置き、そしてダイの長さに渡って蓋を滑らせることによって蓋を適切に滑らせることによって)行うことができる。全長に渡って滑らせる技術は、従来の半田より流動し難い、従って、半田ボンド中に空隙を形成することに至る、より多くの空気を捕らえる傾向にある活性半田を用いる場合に、好ましい。部品の全長に渡って押すことは、せん断力が閉じ込められた空気をより小さな領域に解体することを手助けして、半田から空気を押し出すことによって空隙の量を最小限度にする。ポケット付き蓋またはチップがはまり込む凹部を有するものを用いる場合に、ポケットの一方の側部を除去して、U形状を作ることによって、ポケット付き蓋の機械強さ及び熱移動の利点の一部を保持しながらダイの全長に渡ってチップを滑らせることを可能にする。
【0064】
活性半田は、シリコン、砒化ガリウム、炭化珪素及び他の半導体装置をそれらのパッケージングに直接接合するのに使用することができる。結合法の詳細は、部品幾何学形状の細部及び含まれる基板によって決まるが、溶融半田上の酸化物被膜を破壊して正味半田と基板表面との反応を可能とする一つまたはそれ以上の活性化工程を必要とする。方法の必要な工程は、連続的に完了することができ、またはあるものを一度に行い、そして残りを後で完了してもよい。活性半田およびそれらの特性は、固定状態での保管中安定であり、従って、例えば、表面上に被覆し、そして部品を再加熱して半田を活性化することによって接合を後で完了することができる。
【0065】
活性半田合金は、半導体装置をそれらのパッケージングに接合するのに使用することができ、その結果、従来の有機ポリマー系のサーマルインターフェース材に対するパッケージの熱伝導率を改善することができる。活性半田は、多層金属化層の付着の必要及び従来の半田材で必要な融剤の使用を避けるので、従来の半田より使用するのが簡単であり、また安価である。活性半田は、こすり、スクラビング、部品を振り動かす超音波の使用、または基板の一つまたはそれ以上の上に永久に結合する層を生じる別個の金属化処理によって基材表面に結合させることができる。構成部品を結合する方法は、これらの部品を互いに重ね合わせ、部品間の界面を振り動かす超音波を使用し、または一方の部品を他方の長さに渡って滑らせることによって行うことができる。
【0066】
活性半田は、酸素の存在下に溶融した場合に、頑強な金属酸化物被膜を形成する傾向があるので、この層を押し通るある程度の機械的エネルギーを付与して、酸化されていない正味の半田材を接合すべき表面に接触させる必要がある。このエネルギーは、通常、機械的操作または接合すべき部品への超音波の付与のいずれかによって部品を動かすことによって付与する。一旦、正味の溶融半田を基材表面に接触させると、組成物の成分と表面との反応が生じて、商業的に有益な結合を得る。この結合の正確な機構は、基板の材料によって異なるが、結合は、真の共有化学結合または水素結合に似た会合結合であり得、または表面酸化物層の部分的破壊によって、半田成分を下にある物質に接近させることから成る。
【0067】
機械的エネルギーを付与する方法は、構成部品の形状に依存する。接合領域の長さに渡って一方の部品を他方を通して滑らせる作用は、活性半田の活性化と接合部から閉じ込められた空気の大部分を排除することになる。結合部における空気の閉じ込みを最小限度にする、または避けることは、熱移動の改善を与え、そして空隙が、系における異なる熱膨張によって誘導される応力のために基板からの半田の脱結合の開始剤として作用するので、熱サイクル中の接合部の寿命を改善する。
【0068】
本発明の組成を有する活性半田合金は、多くの金属及び非金属材料、さらには酸化物及び非酸化物セラミック材をそれら自体または他の材料に接合するのに使用することができる。半田付けによる接合は、酸素含有雰囲気、例えば、空気中で有利に行うことができる。さらに、一般に、接合には、融剤または予備鍍金を使用する必要はない。
【0069】
G. 適用例
本発明の低温半田合金組成物の開発は、シリコン、砒化ガリウム(GaAs)、炭化珪素(SiC)、アルミナ、窒化アルミニウム、グラファイト、ダイヤモンド、アルミニウム複合体、コバール(Kovar;登録商標)及びインバール(Invar;登録商標)合金、Cu−W複合体、及びニッケル及び金メッキ金属を含む一連の電子材料に接合することができる低温活性半田合金の必要によって促進された。従って、本発明は、コンピュータチップ、超小形電子機械系(MEMS)装置、またはシリコン、砒化ガリウム、炭化珪素あるいは類似物質からなる他の電気活性物をそれを収容するのに使用されるセラミック、複合体または金属パッケージングに直接付着するための活性半田組成物の使用に関する。直接ダイアタッチメントは、活性電子系からの熱移動に対する抵抗を減じ、よってそれがより速い速度で動作し、より多くの動作回路を含み、さもなければ、回路に発生する自然熱が、その材料の特性または従来の半田を使用する必要のある追加の鍍金から生じる熱移動路の増加のためにより低い熱伝導率のサーマルインターフェース材を最初に通過せねばならない場合に、その可能より高いレベルで実行することを可能とするための技術である。
【0070】
低温活性半田(120−180℃)を使用する用途には、それらに限定されないが、(1)セラミック、金属及び複合体基板に対する電子ダイアタッチ;(2)電子密封パッケージ;(3)ガラス繊維をパッケージに固定及び/または封止し、密封パッケージを封止し、熱管理基材を接合し、及び/または階層的な半田フィラーを設けて逐次半田接合を支持するオプトエレクトロニックパッケージ;(4)180℃を超えることができない他の超小形電子または光子装置;(5)それらの被膜を溶融させることができない錫被覆または他の被覆成分;(6)光学被膜が180℃を超えることができない光学素子及びレンズ;(7)熱膨張の不一致のために180℃を超えて加熱することができないセラミック対金属接合部;及び(8)ポリマーが180℃を超えることができないポリマー/金属相互接続リードがある。
【0071】
より具体的に、ダイアタッチは、シリコン、GaAs及びSiC等の材料から成るプロセッサーチップのそれらのアタッチメント式型に熱管理及び/または熱膨張率(CTE)管理基金属を組み入れるための異なる基材への接合である。
【0072】
電子パッケージ、オプトエレクトロニックパッケージ、レーザダイオード、及び電力変調の熱管理は、一要件である。チップパッケージからの熱の流れを管理することは、高速、高性能、高密度及び高出力プロセッサーの動作に重大である。これらのチップパッケージにおいて、シリコン、GaAsまたはSiCプロセッサー材料は、蓋、ヒートシンク、及びフィン、多孔質金属またはグラファイト等の対流素子に、またはコールドプレート表面に結合される。従来、耐熱グリース及び金属充填エポキシ樹脂が結合材として十分であった。しかしながら、これらの高出力及び高速装置の熱流速出力が増大するに連れて、半田を用いる固体金属アタッチメントが、より抜きの方法及び材料として出現した。リッドアタッチ、ヒートシンク及びスプレッダー等の構成部材、対流素子、発泡グラファイト、及びコールドプレートに使用される範囲の材料に結合することができ、また化学的融剤なしにそして予備金属化なしに結合することができる活性半田は、熱管理の独特な解決法を提供する。
【0073】
最も具体的に、集積回路(IC)チップまたはダイを半田ボール、ワイヤボンドなどによってセラミックチップキャリヤーに電気的に接続した、延いては、追加の半田ボールによって印刷回路基板組立て体等の他の電子成分に電気的に接続した電子パッケージまたは成分は、当業界で周知である。この種のパッケージは、しばしば「ボールグリッドアレイ」または「BGA」と呼ばれている。従来のBGAパッケージにおいて、チップ及びセラミックチップキャリヤーは、しばしば、銅または他の金属シンクまたはスプレッダーに結合される。これによって、ダイから熱を除去してダイをできるだけ冷たく保っている。
【0074】
図1は、BGAパッケージ30を例示している。パッケージ30において、集積回路チップ32は、パッケージ30に亘って熱を分散するので、時にはヒートスプレッダーと呼ばれる金属板またはヒートシンク34に本発明の活性半田合金組成物の層33によって結合される。ヒートシンク34は、銅から成るのが好ましい。チップ32は、4つの台形回路化セラミックチップキャリヤー36における伝導路(図1において、その2つの概略を48として示している)にワイヤボンド35によって接続されている。これらのチップキャリヤー36の各々は、接着剤37によって金属ヒートシンクに結合されている。チップキャリヤー36における及び伝導路及びワイヤボンド35によって集積回路チップ32に接続されている半田ボール38は、印刷回路基板44または他の構成上の金属コンタクト42にも接続されている。これらの半田ボール38は、従来の半田材から成る。
【0075】
金属ヒートシンク34は、セラミックチップキャリヤー36の膨張を制御し、そして典型的な装置においては、印刷回路基板44の膨張特性により密に調和している。金属ヒートシンク34及び印刷回路基板は、共に16×10‐6から21×10‐6cm/cm℃までの範囲の膨張率を有する傾向にある。セラミックキャリヤー36は、6×10‐6から8×10‐6cm/cm℃までの範囲の膨張率を有する傾向にある。
【0076】
電子パッケージの形にかかわらず、BGAダイレクトマウント技術であろうとなかろうと、鉛−錫半田をパッケージに使用するならば、操作温度は、183℃の鉛−錫共融温度以下でなければならない。このことは、インジウム−錫合金が好ましいことを意味する。しかしながら、基板相互接続の多くは、今も無鉛(Sn−Ag−Cu)半田で成されているので、プロセッサーチップセットの再処理は、ダイ−蓋接合部を260℃以上の再溶融温度にさらすことが必要である。従って、たとえ液体でも、これらの活性半田は、流れに抵抗するので、さらに高温の活性半田を、これらの用途のために特定することができる。
【0077】
対照的に、PGA(ピンガイドアレイ)マウントプロセッサーセットに対しては、ピン相互接続が、蓋‐ダイアタッチ中183℃以下で十分に留まらねばならず、そしてそれがピンマウントされているので、蓋‐ダイセットは、後リッドアタッチリフロー処理温度にさらせない。これらの用途には、インジウム(157℃)またはビスマス−錫(139℃)活性半田が適用できる。活性半田組成物の選択は、目的の用途、後リッドアタッチ処理温度及び最終熱サイクルによって影響される。
【0078】
光学及び電子変調モジュールをほこり及び湿気から保護せねばならない場合、密閉封止されるパッケージ、遮蔽されるRFI/EMIまたはその両方を、オプトエレクトロニックパッケージのために必要としている。本発明の半田合金は、そのようなパッケージへの用途がある。他の用途は、漂遊RFI/EMIがパッケージ機能を減少または破壊する場合に、防衛、航空宇宙及び電気通信エレクトロニクスのためである。これらのパッケージにおいて、金属及び金属複合体箱が上記エレクトロニックスを収容し、そして他のパッケージにおいて、封入物から熱を除去することが重要である。低温からより高温の溶融温度の階層を提供する活性半田が、これらの用途に必要である。本発明の低温活性半田は、使用されているまたは出現している一連の材料を接合することができる。さらに、無融剤活性半田アタッチは、後半田融剤洗浄を完了することができない場合に、化学融剤が封止パッケージ中に入る問題を解決する。これらの封止電子及びオプトエレクトロニックパッケージにおいて、本発明の活性半田は、従来の半田及び接着剤封止に無比の解決をもたらす。
【0079】
本発明の活性半田組成物は、融剤または金属層を使用することなく半導体装置並びに全てのパッケージング材の表面に結合することができ、そして得られる接合部の厚さを金属化層接合に見られるものより小さくしてそのようにすることができる。他に採りうることは、活性半田を使用して装置及び基板の表面に被膜を作成し、そして次に非活性半田で成分を接合することである。
【0080】
半導体装置をそれらのパッケージに接合するのに活性半田材を使用することによって、従来のサーマルインターフェース材と比べて装置から環境までより高性能の熱伝導路を与えることができる。この利点は、装置が高速に動作することを可能とし、または装置がより大きな密度で構成要素を有することを可能とする。熱性能の改善は、サーマルインターフェース材に使用される金属粒子を充填した有機ポリマーまたはグリースを置き換えることから生じる熱導電度の増大あるいは装置とパッケージとの間の接続の厚さの減少のいずれかに起因する。追加の恩恵は、製造のコスト及び複雑さの低減である;活性半田による接合は、従来の半田での接合を加えた金属化より少ない工程を必要とする。
【0081】
電子パッケージング内で、本発明は高性能マイクロプロセッサーにおける半田ダイアタッチに集中した。これらは、従来のパッケージング技術を用いる操作中に発生した熱の全てを除去することができない高高速ペンチウム(Pentium)IVチップ類、チタニウムクラスサーバーチップ類、スーパーコンピューター類、ビデオプロセッサー類、ビデオゲーム類等である。低性能部品は、シリコンダイとパッケージ蓋との間に金属充填ポリマーパッドを用いて作られて、熱コンダクタンス路(「TIM1」と呼ぶ)を生じるサーマルインターフェース材(「TIM」)を提供し、かつ回路基板上にマウントされたソケットに押し込まれるピンアレイを使用する傾向がある。高性能チップは、半田ボールグリッド(BGA)によって回路基板に直接マウントされる傾向がある。この形状は、全てが金属接続であるので、部品の底部を介する熱除去を改善するが、部品が、基板へのアタッチメントを可能とする半田リフローサイクルにさらされる。PGAチップは、それらの熱性能試験中125℃を超えることに遭遇しない。なぜならば、ソケットが、基板及び後に挿入される部品上でリフローされるからである。従来、リフロー温度は、185−190℃であったが、ヨーロッパ及び日本によって指令された(及び全工業の無鉛への転換を強いる)新規の無鉛合金は、約260℃のリフロー温度を必要としている。
【0082】
従来のTIM1材は、ある種の新製品には10W/m−Kまで要求して、約5W/m−Kの熱伝導率を有している。ラグシェイダー等によって教授された公知の活性半田組成物(例えば、Sn−Ag−Ti−Ga−Ce組成物)の熱伝導率は、約50W/m−Kであり、純インジウムは、約80W/m−Kである。従って、ダイと蓋間に固体金属路を設けることは、約10倍熱移動を増進する。基板結合線でのインターフェーシャル抵抗及び全接合部の厚さが、実質的にこの相違を低減する。現在の「技術の水準」は、ダイの裏側及びダイの下側を多段金属層、典型的にTi、Ni次にAuで金属化することである。部品は、次にたぶん清浄でない融剤を用いて、より一般には融剤なしに約175℃で純インジウム金属で接合する。それで、これがPGA部品の125℃を耐えることができる。
【0083】
本発明の低温活性半田の目的は、ダイ及び蓋を予備金属化するのを避けるための異なる方法を提供することにある。全結合は、活性半田で作ることができ、また活性半田は、一方または両方の表面及び活性または従来の半田で完成された接合部上の被膜として使用することができる。上記で強調した3種の特定組成物(Bi−Sn、In−Sn及びIn残余)は、全て正常なインジウムの溶融温度でまたはそれ以下で接合し、従ってそれが遭遇すると既に指摘された温度より高いいかなる温度にも部品をさらさない。インジウム系半田は、高価であるので、全ての実用目的で、それらはあるエレクトロニックス市場でだけ有用である。ビスマス‐錫半田は、銅ヒートパイプのアルミニウムへの結合等の他の市場で用途を有するのに十分安価であるが、使用し易さに関し従来の錫−銀半田から有意の競争を受けている。
【0084】
ある種の特定の実施態様及び実施例に関し上記に例証、説明してきたけれど、それでも本発明は、示した詳細に限定するものではない。むしろ、種々の改変を請求の範囲に相当する範囲内で本発明の精神から逸脱することなくこれらの詳細に成すことができる。例えば、本明細書で広く規定された全ての範囲がより広い範囲内にある全ての狭い範囲をそれらの範囲内に含むことを、明確に意図するものである。
【0085】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0086】
本発明は、添付図面と関連して読んだ場合に以下の詳細な説明から最もよく理解される。普通の習わしによれば、図面の種々の特徴は、縮尺ではないことを強調する。これに反して、種々の特徴の寸法は、明快にするために独断的に拡大または縮小している。単一図が、図面に含まれる。
【0087】
【図1】図1は、BGAパッケージの断面正面図である。
【その他】
【0088】
〔関連出願〕
本出願は、2004年5月4日に出願された「インジウム、ビスマス及び/またはカドミウムを含有する低温活性半田」と言う名称の米国仮特許出願番号第60/568,037号及び2005年1月13日に出願された「電子パッケージングへの活性半田組成物類の使用」と言う名称の米国仮特許出願番号第60/643,640号からの優先権を請求するものであり、それらの内容を引用してこの出願の一部とするものである。
【0089】
関連出願の欄は、国際出願における明細書の冒頭に記載されていたが、末尾に記載した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物
約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;
約0.01−1重量%のガリウム;
約10重量%までの銀;
約2重量%までのマグネシウム;及び
錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余
から成ることを特徴とする活性半田合金。
【請求項2】
約2重量%の、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物を含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項3】
約0.1重量%のランタノイド元素群から選択される元素または元素混合物を含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項4】
約0.1重量%のガリウムを含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項5】
約2重量%の銀を含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項6】
約0.1重量%のマグネシウムを含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項7】
約0.1重量%のランタノイド元素の群から選択される元素または元素混合物;約0.1重量%のガリウム;及び約0.1重量%のマグネシウムを含有する請求項1に記載の半田合金。
【請求項8】
約2重量%の、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物、並びに、約2重量%の銀を含有する請求項7に記載の半田合金。
【請求項9】
前記残余が、約40−70重量%のビスマス、約10重量%までのインジウム及び錫残分から成る請求項1に記載の半田合金。
【請求項10】
前記残余が、約57重量%のビスマスを含有する請求項9記載の半田合金。
【請求項11】
前記残余が、約10重量%までのビスマス、約40−70重量%のインジウム及び錫残分から成る請求項1に記載の半田合金。
【請求項12】
前記残余が、約51重量%のインジウムを含有する請求項11記載の半田合金。
【請求項13】
前記残余が、インジウム単独から成る請求項1に記載の半田合金。
【請求項14】
基板;
電子装置;及び
前記電子装置を前記基板に結合する活性半田合金から成る、
電子装置パッケージであって、
前記合金が、約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀;約2重量%までのマグネシウム;及び錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余を含有することを特徴とする電子装置パッケージ。
【請求項15】
前記残余が、約40−70重量%のビスマス、約10重量%までのインジウム及び錫残分から成る請求項14に記載の半田合金。
【請求項16】
前記残余が、約10重量%までのビスマス、約10重量%までのインジウム及び錫残分から成る請求項14に記載の半田合金。
【請求項17】
前記残余が、インジウム単独から成る請求項14に記載の半田合金。
【請求項18】
セラミック、シリコン、複合体または金属成分を含む高強度、高熱伝導率の接合部を形成する方法であって、前記方法が、
(a)約10重量%までのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択される元素または元素混合物;約0.1−5重量%のランタノイド元素(希土類元素)の群から選択される元素または元素混合物;約0.01−1重量%のガリウム;約10重量%までの銀;約2重量%までのマグネシウム;及び錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、またはこれらの元素の2種以上の混合物から成る残余を有する活性低温半田合金を接合部に置き;
(b)前記接合部を約110−180℃に加熱し;
(c)前記半田合金を活性化し;及び
(d)冷却して前記半田合金を再凝固する
工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
初期工程として、予備処理層を接合すべき表面上に置き、そして前記予備処理層の元素と前記成分の材料との金属学的反応を得るのに十分な高温で真空または保護雰囲気中で加熱することによって前記セラミックまたは金属成分を予備処理することをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記活性化工程が、ブラシ、スクレーパまたは他の工具を用いて、溶融半田をすり込むことを含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−536088(P2007−536088A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511566(P2007−511566)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015534
【国際公開番号】WO2005/122252
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PENTIUM
【出願人】(506367560)エス−ボンド テクノロジーズ、エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】S−BOND TECHNOLOGIES,LLC
【住所又は居所原語表記】811 W.Fifth Street,Unit 2,Lansdale,PA 19446(US).
【Fターム(参考)】