説明

インターネット接続制限機能を持つ表示装置

【課題】 利用者により接続条件を入力する必要がなく、複数のレベルに分けて接続制限を行うことが可能なインターネット接続制限機能を持つ表示装置の提供する。
【解決手段】 放送受信部から番組情報とデータ情報を分離する分離部と、分離部により分離されたデータ情報から複数のレベル毎に分類されたURLのテーブルを記憶する記憶部と、分離部により分離された番組情報をデコードするデコード部と、インターネットに接続するためのインターネット接続インターフェースと、デコード部からの映像信号及びインターネット接続インターフェースからのブラウザ信号を表示する表示部とを具備し、URLが入力されたとき、URLのテーブルを参照し、このテーブルに存在する場合、そのレベルに対応する暗証番号の入力を即し、暗証番号が一致したらインターネット接続インターフェースを介して所望のURLに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット接続制限機能を持つ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの情報がインターネットを介して利用者に提供されるようになってきている。現在、利用者は、インターネットサービスプロバイダと契約してインターネットを利用することが最も一般的である。この場合、利用者が所持するパソコンなどの端末は、例えば、モデムを使い、電話回線などの公衆回線を介してプロバイダに接続し、インターネットに接続される、いわゆるダイヤルアップ接続が行われる。ダイヤルアップ接続のほかにも、専用線接続、ADSL接続、CATV接続、さらに無線系のモバイル接続、衛星接続もある。
【0003】
これらの接続により利用者は、インターネット上の情報提供者から各種の情報を売ることができる。
【0004】
しかしながら、インターネットは誰とでも通信できる開放されたネットワークであるため、例えば、子供には好ましくない情報(性的なものや、暴力的なもの等)が提供されてしまう場合も考えられる。このような場合、何らかの手段によって、子供がその情報を配信する情報提供サイトにアクセスできないように制限することができれば、親にとっては非常に望ましい。また、その情報の内容に問題が無い場合であっても、子供が長時間インターネットを利用することは、電話料金や接続料金などの高騰は勿論のこと、子供の健康を害する恐れもある。
【0005】
このため、子供がインターネット上の好ましくない情報提供サイトにアクセスできないようにするソフトウエアが提供されている。しかしながら、このようなソフトウエアは、通常、個別にパソコンにインストールする必要があり、その手間隙からほとんど家庭には普及していない。また、複数の利用者が同一のパソコンを利用する環境では、利用者ごとにアクセス条件を変更・設定することもできない。
【0006】
そこで引用文献1には、親の端末に、子供のインターネット接続条件を設定するための画面を提供し、親による画面の入力操作によって、子供のインターネット接続条件を親の端末から受け取り、受け取ったインターネット接続条件を子供の識別情報に関連付けてデータベースに保存し、子供の端末からのインターネット接続要求があった場合に、読み出されたインターネット接続条件に従って、子供のインターネット接続を制御する方法が記載されている。
【非特許文献1】特開2002−215488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなインターネット接続を制御する方法では、子供のインターネット接続条件を全て親が入力しなければならず、日に日に増えて行く情報サイトを網羅することは不可能である。
【0008】
そこで本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、利用者により接続条件を入力する必要がなく、日に日に増えて行く情報サイトにおいても、複数のレベルに分けて接続制限を行うことが可能となるインターネット接続制限機能を持った表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、放送波を受信する放送受信部と、
前記放送受信部から番組情報とデータ情報を分離する分離部と、
前記分離部により分離された前記データ情報から複数のレベル毎に分類されたURLのテーブルを記憶する記憶部と、
前記分離部により分離された番組情報をデコードし、映像信号を生成するデコード部と、
インターネットに接続するためのインターネット接続インターフェースと、
前記デコード部からの映像信号及び前記インターネット接続インターフェースからのブラウザ信号を表示する表示部とを具備し、
URLが入力されたとき、前記記憶部に記憶されているURLのテーブルを参照し、このテーブルに存在する場合、そのレベルに対応する暗証番号の入力を即し、暗証番号が一致したら前記インターネット接続インターフェースを介して所望のURLに接続をすることを特徴とするインターネット接続制限機能を持つ表示装置を提供する。
【0010】
このとき、前記入力された暗証番号が一致しない場合、接続権限がないことを前記表示部に表示させることもできる。
【0011】
また、高次のレベルは、それよりも低次のレベルに対応するURL全てに接続可能とすることもできる。
【0012】
また、前記入力されたURLが前記URLのテーブルに存在しなかった場合、最高レベルの暗証番号の入力を即すこともできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、放送波から複数のレベル(年齢など)に応じて接続制限を設けたURLのテーブルを暗証番号と共に設定しておき、表示装置にて接続要求があった場合、暗証番号の入力を催促する。入力された暗証番号が正しい場合そのレベルに対応する利用者の接続要求であると認識して接続を行う。放送事業者は、日に日に増えていくサイトの中からレベルに応じてそのURLを登録する。このようにすることで利用者はURLの更新など特別な操作などを必要とせずレベルに応じた接続制限を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、種々選択して用いることができる。
【0015】
図1は、本発明のデジタルテレビジョン放送受信装置11の主要な信号処理系を示しているブロック図である。
【0016】
図1に示すように、BS/CS或いは地上デジタル放送受信用のアンテナ13で受信したデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子を介してデジタル放送用の放送受信部21に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0017】
そして、この放送受信部21で選局された放送信号は、MPEGデコーダとMPU部23にて、PSK(Phase Shift Keying)復調器に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調される。このとき映像信号及び音声信号と別にデータ信号が分離部にて分離されそのなかから複数のレベル毎に分類されたURLのテーブルが抽出される。
【0018】
次に、前記映像信号と音声信号はAVデコーダとグラッフィック部26に入力され映像信号及び音声信号を生成し、表示部16に入力されて番組を表示する。
【0019】
一方分離された複数のレベル毎に分類されたURLのテーブルは、EEPROM24にて記憶される。URLのテーブルは、例えば図3に示すようなものであり、5つのレベルに分類されている。
【0020】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、各種の受信動作を含むその全ての動作をMPEGデコーダとMPU部23のMPU部によって統括的に制御されている。このMPU部は、入力装置14からの操作情報を受け、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0021】
この場合、MPU部は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納した不揮発性メモリ25と、該MPUに作業エリアを提供するメモリ19と、各種の設定情報及び制御情報等が格納されるEEPROM24とを利用している。
【0022】
また、このMPUは、ICカードI/F(Interface)18を介して、ICカード17が装着可能なカードホルダに接続されている。これによって、MPU部は、カードホルダに装着されたICメモリカード17と、カードホルダを介して情報伝送を行なうことができる。
【0023】
また、MPU部は、インターネット接続I/F20を介してインターネット12に接続されている。これにより、MPU部は、インターネット12と、インターネット接続I/F20を介して情報伝送を行なうことができる。
【0024】
また、映像部16は、インターネットと接続した場合、ブラウザ15を表示可能にできている。
【0025】
次に、放送事業者が放送波を用いて複数のレベルに分類したURLのテーブルを送り、この表示装置において、利用する方法について説明する。
【0026】
先ず、限定放送などの利用契約の際、ユーザは家族構成のうち親が接続可能なレベルと子供たちが接続可能なレベルを選択する。放送事業者は、サイトに応じて性的な表現、暴力的な表現などを考慮し例えば5、4、3、2、1の5段階を用意しておく。
【0027】
利用者は、そのレベルに応じて例えばお父さんとお母さんはレベル5(全てのコンテンツを接続可)、高校生の長男にはレベル4、中学生の長女にはレベル3、小学生の次女にはレベル1というようにそれぞれ接続できるサイトの制限を選べる。
【0028】
それぞれのレベルに対する暗証番号は、利用者が契約時にそれぞれ設定してもよいし、予め決められたものでもよい。
【0029】
次に、放送事業者は、契約に応じて番組を提供するわけだが、そのなかで接続制限のレベルに応じて独自に分類したURLのテーブルを放送波に含ませて放送する。このURLのテーブルは、日々増え続けている各サイト管理者の申請により、或いは放送事業者の任意基準により接続制限のレベルに応じて更新する。
【0030】
次に、放送事業者が放送にて送ってきた複数のレベルに分類したURLのテーブルを用いてURLのアクセス制限を行う方法について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0031】
図2に示すように、先ず利用者は、番組内のURLをクリックしたり、キーボードから直接URLの入力を行う(S11)。
【0032】
次に、MPU部は、EEPROM24からURLテーブルを読み出し、ステップS11にて入力されたURLが登録済みのURLであるかチェックを行う(S12)。登録済みのURLであれば、そのレベルに応じた暗証番号の入力を要求し(S15)、登録されていないURLであれば、最高レベルの暗証番号の入力を要求する(S14)。このとき登録されていないURLの場合は、そのURLはアクセス管理情報に登録されていない旨の表示を行うかまたはエラーの表示を行ってもよい。
【0033】
次に、MPU部は、ステップS14及びステップS15に応じて入力された暗証番号が正しい場合は、インターネット接続インターフェース20を介してインターネットに接続し、そのURLのサイトのページ情報を表示装置16にブラウザ15として表示する。暗証番号が間違っている場合は、アクセス権限が無い旨の表示を行う。
【0034】
このようなシステムによって、利用者は、日々増え続けるサイトの情報をいちいち更新しなくとも、限定放送などの番組利用制限を利用することで、子供に好ましくない情報を提供するサイトの閲覧を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態にかかる表示装置のブロック図。
【図2】本発明の実施形態にかかる表示装置の動作を説明するためのフロー。
【図3】複数のレベルに分類されたURLのテーブル。
【符号の説明】
【0036】
11・・・受信機
12・・・インターネット
13・・・アンテナ
14・・・入力装置
15・・・ブラウザ
16・・・表示部
17・・・ICカード
18・・・ICカードインターフェース
19・・・メモリ
20・・・インターネット接続インターフェース
21・・・放送受信部
22・・・入力インターフェース
23・・・MPEGデコーダとMPU
24・・・EEPROM
25・・・不揮発性メモリ
26・・・AVデコーダとグラッフィック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を受信する放送受信部と、
前記放送受信部から番組情報とデータ情報を分離する分離部と、
前記分離部により分離された前記データ情報から複数のレベル毎に分類されたURLのテーブルを記憶する記憶部と、
前記分離部により分離された番組情報をデコードし、映像信号を生成するデコード部と、
インターネットに接続するためのインターネット接続インターフェースと、
前記デコード部からの映像信号及び前記インターネット接続インターフェースからのブラウザ信号を表示する表示部とを具備し、
URLが入力されたとき、前記記憶部に記憶されているURLのテーブルを参照し、このテーブルに存在する場合、そのレベルに対応する暗証番号の入力を即し、暗証番号が一致したら前記インターネット接続インターフェースを介して所望のURLに接続をすることを特徴とするインターネット接続制限機能を持つ表示装置。
【請求項2】
前記入力された暗証番号が一致しない場合、接続権限がないことを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載のインターネット接続制限機能を持つ表示装置。
【請求項3】
高次のレベルは、それよりも低次のレベルに対応するURL全てに接続可能とする請求項1記載のインターネット接続制限機能を持つ表示装置。
【請求項4】
前記入力されたURLが前記URLのテーブルに存在しなかった場合、最高レベルの暗証番号の入力を即すことを特徴とする請求項1記載のインターネット接続制限機能を持つ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−108745(P2006−108745A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288456(P2004−288456)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】