インヒビタスイッチ及びその製造方法
【課題】接点板の分断部を複数箇所で分断することにより、製造コストを抑制しつつ、オイル中の導電性異物による意図しない導通を回避することができ、且つ、分断孔の成形時にバリが生じてもそのバリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができるインヒビタスイッチ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】端子台2と、該端子台2に形成された接点板3、4と、操作部5と、可動接点5bとを具備し、電気的回路からセレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチ1において、接点板3、4には、分断されて導通の遮断が図られる分断部8、9が形成され、1つの分断部8、9が複数箇所で分断されるとともに、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bが1次成形にて形成され、2次成形により分断部8、9が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成るものである。
【解決手段】端子台2と、該端子台2に形成された接点板3、4と、操作部5と、可動接点5bとを具備し、電気的回路からセレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチ1において、接点板3、4には、分断されて導通の遮断が図られる分断部8、9が形成され、1つの分断部8、9が複数箇所で分断されるとともに、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bが1次成形にて形成され、2次成形により分断部8、9が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成るものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に配設され、セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車における自動変速機には、セレクトレバーの変速位置を検出すべく、通常、そのミッションケース内にインヒビタスイッチが配設されている。かかるインヒビタスイッチは、自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備していた。
【0003】
しかして、インヒビタスイッチはミッションケース内に満たされたオイル中で動作することとなり、その可動接点の接点板との接触位置に応じて形成される電気的回路から、セレクトレバーの変速位置を検知することができ、当該検知に基づき自動変速機の動力伝達経路をセレクトレバーの変速位置に対応させて制御することができるよう構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このようなインヒビタスイッチにおいては、並行して延設された複数列の接点板が端子台に形成されるのであるが、従来より、製造過程においてそれら複数列の接点板がばらばらに分離しないよう、隣り合う列同士を連結する分断部が形成されている。そして、分断部により一体とされた接点板を端子台の所定位置に配設した後、当該分断部をパンチなどにより分断し、電気的導通を遮断すれば、製造過程において列毎に分離してしまうのを回避するとともに、分断後は列毎の所望の電気的導通を図ることができるのである。
【特許文献1】特開2002−175743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のインヒビタスイッチにおいては、各々の分断部の分断が1カ所のみ行われていたため、以下の如き問題があった。即ち、ミッションケース内のオイルには、微小な金属粉など導電性異物が浮遊していることが多く、かかる導電性異物が接点板の分断部に跨って付着しまうと意図しない導通がなされ、ショート等電気的不具合が生じてしまう可能性があるという問題があった。
【0006】
また、端子台の成形時、当該分断孔の成形時に分断部縁部等にバリが生じてしまうと、そのバリが剥がれ落ちてミッションケース内のオイルに混入し、浮遊してしまう虞があるという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、接点板の分断部を複数箇所で分断することにより、製造コストを抑制しつつ、オイル中の導電性異物による意図しない導通を回避することができ、且つ、分断孔の成形時にバリが生じてもそのバリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができるインヒビタスイッチ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチにおいて、前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、2次成形により前記分断部が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成ることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインヒビタスイッチにおいて、前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチの製造方法において、前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部を複数箇所で分断するとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、前記分断部を分断した後、2次成形を行って当該分断孔を塞ぐことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のインヒビタスイッチの製造方法において、前記分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のインヒビタスイッチの製造方法において、前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成され、各分断孔に前記切除手段を嵌入して複数段それぞれの接点板の分断部を複数箇所で分断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は請求項3の発明によれば、接点板における1つの分断部に複数の分断箇所を形成することができる。それと同時に、端子台における分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、2次成形により分断部が分断された状態で当該分断孔を塞ぐので、オイル中の導電性異物による意図しない導通を回避することができるとともに、1次成形における分断孔の成形時にバリが生じてもそのバリが2次成形にて埋められることとなり、当該バリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができる。
【0014】
請求項4の発明は、分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断するので、例えばパンチ等の切除手段を当該分断孔に嵌入させれば、精度よく且つ簡易に分断部を分断させることができる。
【0015】
請求項2又は請求項5の発明は、接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたので、複数の分断孔に例えばパンチ等の切除手段を同時に嵌入させれば、複数段に亘る各接点板の複数の分断部を同時に複数箇所で切除して分断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るインヒビタスイッチは、自動車の自動変速機のミッションケース内に配設され、セレクトレバーの変速位置を検知するためのものであり、図1及び図2に示すように、樹脂成形品などから成る端子台2と、金属製の接点板3、4と、可動接点5bが形成された操作部5と、金属製のケース6とから主に構成されている。
【0017】
端子台2は、その表面側(図1及び図2における上面側)にその長手方向に延びる複数の溝部2aを有するとともに、側面の所定部位にコネクタ部2bが一体的に形成されたものである。かかる端子台2には、上下2段の接点板3、4がインサート成形にて取り付けられ、その上段側の接点板3の一部表面が端子台2の溝部2a内で外部に臨むよう構成されており、後述する可動接点5bが摺動し得るよう構成されている。
【0018】
これら接点板3、4は、それぞれ例えば導電性の金属板をプレス等で抜き及び折り曲げ加工して所定形状とされたものから成る。また、上下2段の接点板3、4には、それら端部にそれぞれ端子部3a、4aが形成されており、これら端子部3a、4aがコネクタ部2bに位置するよう設定されている。これにより、外部機器等(例えばミッションケース内に配設されたコントローラ等)に形成されたコネクタ(不図示)をコネクタ部2bの端子部3a、4aに接続すれば、インヒビタスイッチ1の検知信号を外部機器等に送信し得るようになっている。
【0019】
ケース6は、端子台2の表面側を覆って取り付けられるとともに、フランジ部6bが一体的に形成されており、該フランジ部6bに形成されたボルト孔6baに図示しないボルトを挿通させることにより、ケース6及び端子台2をミッションケース(不図示)内の所定位置に固定させ得るよう構成されている。更に、ケース6には、その長手方向に直線状の長孔6aが形成され、当該長孔6aに操作部5のレバー部5aが挿通されるよう構成されている。
【0020】
一方、操作部5は、自動車のセレクトレバーと連動して接点板5bに沿って動作し得るもので、図2及び図3に示すように、当該セレクトレバーの操作と連動するレバー部5aと、接点板3上を摺動し得る可動接点5bとが形成されて成る。即ち、操作部5は、ケース6と端子台2との間に収容されつつ、突設されたレバー部5aを介してセレクトレバーの操作が伝達され、その操作に応じて接点板3上を摺動可能とされている。尚、可動接点5bは、端子台2に形成された溝部2aと対応して形成されているため、操作部5が動作すると、可動接点5bが当該溝部2a内における接点板3上を摺動することとなる。
【0021】
然るに、操作部5が接点板3上を摺動することにより、可動接点5bと接点板3とが接触して電気的接続が図られるとともに、その接触位置に応じて所定の電気的回路が形成されるよう構成されている。従って、所定の電気的回路からセレクトレバーの変速位置を検知することができ、当該検知に基づき自動変速機の動力伝達経路をセレクトレバーの変速位置に対応させて制御することができるよう構成されている。尚、接点板3と4とは所定箇所にて電気的に接続されており、これら2つの接点板3、4を含んで電気的所定回路が形成されるようになっている。
【0022】
ところで、接点板3、4には、図4に示すように、端子台2の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部8、9が形成されている。かかる分断部8、9は、専ら製造過程において複数列又は複数部位から成る接点板3又は4がばらばらに分離しないよう、隣り合う列又は部位同士を連結するためのもので、完成後のインヒビタスイッチ1においては、導通を遮断すべく切除される部位である。
【0023】
また、端子台2における分断部8、9に対応する位置には、図5及び図6に示すように、パンチ等の切除手段7(図8参照)を嵌入可能な分断孔10が1次成形にて形成されている。かかる分断孔10は、端子台2の表裏に亘って貫通して形成されたものであり、図7に示すように、1箇所の分断部8又は9につき2つの孔(分断孔10a、10b)を有している。そして、図8に示すように、各分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段7を嵌入させることにより、1つの分断部8又は9を2箇所(複数箇所)で切除し得るよう構成されている。
【0024】
これにより、接点板3においては、図5に示すように、1つの分断部9に複数の分断箇所9a、9bを有するとともに、接点板4においては、図6に示すように、1つの分断部8に複数の分断箇所8a、8bを有することとなる。
【0025】
また、端子台2における分断部8、9に対応する位置に、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bが1次成形にて形成されたので、パンチ等の切除手段7を当該分断孔10a、10bに嵌入させれば、精度よく且つ簡易に分断部8、9を分断させることができる。更に、パンチ等の切除手段7を複数の分断孔10a、10bに対して同時に嵌入し得るものとすれば、多数ある各分断部8、9を同時に複数箇所で分断することができ、製造工程を更に簡素化することができる。
【0026】
また更に、接点板3、4は、端子台2に対して上下複数段で形成されるとともに、分断孔10a、10bはそれぞれの接点板3、4の分断部8、9に対応した位置に形成されたので、複数の分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段を同時に嵌入させれば、複数段に亘る各接点板3、4の複数の分断部8、9を同時に複数箇所で切除して分断させることができる。
【0027】
上記インヒビタスイッチ1によれば、運転者がセレクトレバーを操作すると、その操作と連動してレバー部5aが操作され、操作部5が接点板3上を直線状に摺動し、その接触位置に応じた所定の電気的回路が形成される。このとき、分断部8、9の導通の遮断が複数の分断箇所8a、8b(9a、9b)によって確実に維持されるので、ショート等の電気的不具合を確実に防止し、インヒビタスイッチ1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
ここで本実施形態において、1次成形にて端子台2を成形する際に形成された分断孔10a、10bは、分断部8、9が分断された状態で2次成形樹脂が充填されることにより塞がれて成るよう構成されている。即ち、パンチ等の切除手段で分断部8、9が分断された後、2次成形において所定の樹脂材料(2次成形樹脂)が分断孔10a、10bに充填されるので、最終製品としてのインヒビタスイッチ1においては、図11に示すように、当該分断孔10a、10bが2次成形樹脂により塞がれた状態となっているのである。
【0029】
従って、端子台2における分断部8、9に対応する位置に、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bを1次成形にて形成し、分断部8、9が分断された状態で当該分断孔10a、10bを2次成形にて塞ぐので、1次成形における分断孔10a、10bの成形時にバリが生じてもそのバリが2次成形における2次成形樹脂で埋められることとなり、当該バリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができる。
【0030】
次に、上記インヒビタスイッチ1の製造方法について説明する。
まず、端子台2を1次成形するための成形型における所定位置に、分断部8、9によりそれぞれ連結された接点板3、4を位置決め固定しておく。そして、当該1次成形用型内に1次成形樹脂を流し込み、接点板3、4をインサート成形しつつ端子台2を成形する。このとき、図9に示すように、1つの分断部9(分断部8も同様、以下同じ)に対して複数の分断孔10a、10bを形成することにより、当該分断孔10a、10bを介して分断部9を複数箇所で外部に臨ませた状態とする。
【0031】
上記の如く接点板3、4が端子台2に固定された後、分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段7を嵌入させることにより、図10に示すように、分断部9を複数箇所(分断箇所9a、9b)で同時に分断する。そして、分断部9を複数箇所で分断した状態の端子台2を2次成形するための成形型における所定位置に位置決め固定し、図11に示すように、当該2次成形用型内に2次成形樹脂11を流し込むことにより、分断孔10a、10bに当該2次成形樹脂11を充填させる。
【0032】
こうして、接点板3、4をインサート成形するとともに、分断部10a、10bが分断された状態で2次成形により当該分断孔10a、10bが塞がれた端子台2が得られるので、これに操作部5及びケース6等を取り付ければ本実施形態に係るインヒビタスイッチ1が得られることとなる。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば1つの分断部を3箇所以上で分断し、3箇所以上の分断箇所を形成するようにしてもよい。また、本実施形態においては、分断部を有した接点板が上下2段に配設されているが、1段のものであってもよく或いは3段以上のものであってもよい。更に、本実施形態においては、操作部がセレクトレバーの操作と連動して接点板上を直線状に摺動するものであるが、これに代えて、例えば固定接点を弧状(又は円周状)に形成するとともに、操作部を弧状(円周状)に摺動させるものとしてもよい。また更に、1次成形で用いられる1次成形樹脂と2次成形で用いられる2次成形樹脂とは互いに異なる性質の樹脂であってもよく、或いは同質の樹脂であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、端子台における分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、分断部が分断された状態で2次成形により当該分断孔が塞がれて成るインヒビタスイッチ及びその製造方法であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のインヒビタスイッチの外観を示す全体斜視図
【図2】同インヒビタスイッチの内部構成を示すための分解斜視図
【図3】同インヒビタスイッチにおける操作部を示す斜視図
【図4】同インヒビタスイッチにおいて上下複数段に配設される接点板を示す斜視図
【図5】同インヒビタスイッチにおける上段に配設された接点板を示す平面図及びその分断部の分断箇所を示す拡大図
【図6】同インヒビタスイッチにおける下段に配設された接点板を示す平面図及びその分断部の分断箇所を示す拡大図
【図7】同インヒビタスイッチにおける分断部を分断する方法について説明する図であって、分断前を示す平面図
【図8】同インヒビタスイッチにおける分断部を分断する方法について説明する図であって、分断後を示す平面図
【図9】同インヒビタスイッチにおける1次成形で形成された分断孔及び分断前の分断部を示す図であって、(a)平面模式図(b)A−A線断面模式図
【図10】同インヒビタスイッチにおける1次成形で形成された分断孔及び分断後の分断部を示す図であって、(a)平面模式図(b)B−B線断面模式図
【図11】同インヒビタスイッチにおける2次成形により分断孔が塞がれた状態を示す図であって、(a)平面模式図(b)C−C線断面模式図
【符号の説明】
【0036】
1 インヒビタスイッチ
2 端子台
3 接点板(上段)
4 接点板(下段)
5 操作部
5b 可動接点
6 ケース
7 切除手段(パンチ)
8 分断部
8a、8b 分断箇所
9 分断部
9a、9b 分断箇所
10(10a、10b) 分断孔
11 2次成形樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に配設され、セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車における自動変速機には、セレクトレバーの変速位置を検出すべく、通常、そのミッションケース内にインヒビタスイッチが配設されている。かかるインヒビタスイッチは、自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備していた。
【0003】
しかして、インヒビタスイッチはミッションケース内に満たされたオイル中で動作することとなり、その可動接点の接点板との接触位置に応じて形成される電気的回路から、セレクトレバーの変速位置を検知することができ、当該検知に基づき自動変速機の動力伝達経路をセレクトレバーの変速位置に対応させて制御することができるよう構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このようなインヒビタスイッチにおいては、並行して延設された複数列の接点板が端子台に形成されるのであるが、従来より、製造過程においてそれら複数列の接点板がばらばらに分離しないよう、隣り合う列同士を連結する分断部が形成されている。そして、分断部により一体とされた接点板を端子台の所定位置に配設した後、当該分断部をパンチなどにより分断し、電気的導通を遮断すれば、製造過程において列毎に分離してしまうのを回避するとともに、分断後は列毎の所望の電気的導通を図ることができるのである。
【特許文献1】特開2002−175743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のインヒビタスイッチにおいては、各々の分断部の分断が1カ所のみ行われていたため、以下の如き問題があった。即ち、ミッションケース内のオイルには、微小な金属粉など導電性異物が浮遊していることが多く、かかる導電性異物が接点板の分断部に跨って付着しまうと意図しない導通がなされ、ショート等電気的不具合が生じてしまう可能性があるという問題があった。
【0006】
また、端子台の成形時、当該分断孔の成形時に分断部縁部等にバリが生じてしまうと、そのバリが剥がれ落ちてミッションケース内のオイルに混入し、浮遊してしまう虞があるという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、接点板の分断部を複数箇所で分断することにより、製造コストを抑制しつつ、オイル中の導電性異物による意図しない導通を回避することができ、且つ、分断孔の成形時にバリが生じてもそのバリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができるインヒビタスイッチ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチにおいて、前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、2次成形により前記分断部が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成ることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインヒビタスイッチにおいて、前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、該端子台に形成された接点板と、車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点とを具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチの製造方法において、前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部を複数箇所で分断するとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、前記分断部を分断した後、2次成形を行って当該分断孔を塞ぐことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のインヒビタスイッチの製造方法において、前記分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のインヒビタスイッチの製造方法において、前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成され、各分断孔に前記切除手段を嵌入して複数段それぞれの接点板の分断部を複数箇所で分断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は請求項3の発明によれば、接点板における1つの分断部に複数の分断箇所を形成することができる。それと同時に、端子台における分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、2次成形により分断部が分断された状態で当該分断孔を塞ぐので、オイル中の導電性異物による意図しない導通を回避することができるとともに、1次成形における分断孔の成形時にバリが生じてもそのバリが2次成形にて埋められることとなり、当該バリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができる。
【0014】
請求項4の発明は、分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断するので、例えばパンチ等の切除手段を当該分断孔に嵌入させれば、精度よく且つ簡易に分断部を分断させることができる。
【0015】
請求項2又は請求項5の発明は、接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたので、複数の分断孔に例えばパンチ等の切除手段を同時に嵌入させれば、複数段に亘る各接点板の複数の分断部を同時に複数箇所で切除して分断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るインヒビタスイッチは、自動車の自動変速機のミッションケース内に配設され、セレクトレバーの変速位置を検知するためのものであり、図1及び図2に示すように、樹脂成形品などから成る端子台2と、金属製の接点板3、4と、可動接点5bが形成された操作部5と、金属製のケース6とから主に構成されている。
【0017】
端子台2は、その表面側(図1及び図2における上面側)にその長手方向に延びる複数の溝部2aを有するとともに、側面の所定部位にコネクタ部2bが一体的に形成されたものである。かかる端子台2には、上下2段の接点板3、4がインサート成形にて取り付けられ、その上段側の接点板3の一部表面が端子台2の溝部2a内で外部に臨むよう構成されており、後述する可動接点5bが摺動し得るよう構成されている。
【0018】
これら接点板3、4は、それぞれ例えば導電性の金属板をプレス等で抜き及び折り曲げ加工して所定形状とされたものから成る。また、上下2段の接点板3、4には、それら端部にそれぞれ端子部3a、4aが形成されており、これら端子部3a、4aがコネクタ部2bに位置するよう設定されている。これにより、外部機器等(例えばミッションケース内に配設されたコントローラ等)に形成されたコネクタ(不図示)をコネクタ部2bの端子部3a、4aに接続すれば、インヒビタスイッチ1の検知信号を外部機器等に送信し得るようになっている。
【0019】
ケース6は、端子台2の表面側を覆って取り付けられるとともに、フランジ部6bが一体的に形成されており、該フランジ部6bに形成されたボルト孔6baに図示しないボルトを挿通させることにより、ケース6及び端子台2をミッションケース(不図示)内の所定位置に固定させ得るよう構成されている。更に、ケース6には、その長手方向に直線状の長孔6aが形成され、当該長孔6aに操作部5のレバー部5aが挿通されるよう構成されている。
【0020】
一方、操作部5は、自動車のセレクトレバーと連動して接点板5bに沿って動作し得るもので、図2及び図3に示すように、当該セレクトレバーの操作と連動するレバー部5aと、接点板3上を摺動し得る可動接点5bとが形成されて成る。即ち、操作部5は、ケース6と端子台2との間に収容されつつ、突設されたレバー部5aを介してセレクトレバーの操作が伝達され、その操作に応じて接点板3上を摺動可能とされている。尚、可動接点5bは、端子台2に形成された溝部2aと対応して形成されているため、操作部5が動作すると、可動接点5bが当該溝部2a内における接点板3上を摺動することとなる。
【0021】
然るに、操作部5が接点板3上を摺動することにより、可動接点5bと接点板3とが接触して電気的接続が図られるとともに、その接触位置に応じて所定の電気的回路が形成されるよう構成されている。従って、所定の電気的回路からセレクトレバーの変速位置を検知することができ、当該検知に基づき自動変速機の動力伝達経路をセレクトレバーの変速位置に対応させて制御することができるよう構成されている。尚、接点板3と4とは所定箇所にて電気的に接続されており、これら2つの接点板3、4を含んで電気的所定回路が形成されるようになっている。
【0022】
ところで、接点板3、4には、図4に示すように、端子台2の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部8、9が形成されている。かかる分断部8、9は、専ら製造過程において複数列又は複数部位から成る接点板3又は4がばらばらに分離しないよう、隣り合う列又は部位同士を連結するためのもので、完成後のインヒビタスイッチ1においては、導通を遮断すべく切除される部位である。
【0023】
また、端子台2における分断部8、9に対応する位置には、図5及び図6に示すように、パンチ等の切除手段7(図8参照)を嵌入可能な分断孔10が1次成形にて形成されている。かかる分断孔10は、端子台2の表裏に亘って貫通して形成されたものであり、図7に示すように、1箇所の分断部8又は9につき2つの孔(分断孔10a、10b)を有している。そして、図8に示すように、各分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段7を嵌入させることにより、1つの分断部8又は9を2箇所(複数箇所)で切除し得るよう構成されている。
【0024】
これにより、接点板3においては、図5に示すように、1つの分断部9に複数の分断箇所9a、9bを有するとともに、接点板4においては、図6に示すように、1つの分断部8に複数の分断箇所8a、8bを有することとなる。
【0025】
また、端子台2における分断部8、9に対応する位置に、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bが1次成形にて形成されたので、パンチ等の切除手段7を当該分断孔10a、10bに嵌入させれば、精度よく且つ簡易に分断部8、9を分断させることができる。更に、パンチ等の切除手段7を複数の分断孔10a、10bに対して同時に嵌入し得るものとすれば、多数ある各分断部8、9を同時に複数箇所で分断することができ、製造工程を更に簡素化することができる。
【0026】
また更に、接点板3、4は、端子台2に対して上下複数段で形成されるとともに、分断孔10a、10bはそれぞれの接点板3、4の分断部8、9に対応した位置に形成されたので、複数の分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段を同時に嵌入させれば、複数段に亘る各接点板3、4の複数の分断部8、9を同時に複数箇所で切除して分断させることができる。
【0027】
上記インヒビタスイッチ1によれば、運転者がセレクトレバーを操作すると、その操作と連動してレバー部5aが操作され、操作部5が接点板3上を直線状に摺動し、その接触位置に応じた所定の電気的回路が形成される。このとき、分断部8、9の導通の遮断が複数の分断箇所8a、8b(9a、9b)によって確実に維持されるので、ショート等の電気的不具合を確実に防止し、インヒビタスイッチ1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
ここで本実施形態において、1次成形にて端子台2を成形する際に形成された分断孔10a、10bは、分断部8、9が分断された状態で2次成形樹脂が充填されることにより塞がれて成るよう構成されている。即ち、パンチ等の切除手段で分断部8、9が分断された後、2次成形において所定の樹脂材料(2次成形樹脂)が分断孔10a、10bに充填されるので、最終製品としてのインヒビタスイッチ1においては、図11に示すように、当該分断孔10a、10bが2次成形樹脂により塞がれた状態となっているのである。
【0029】
従って、端子台2における分断部8、9に対応する位置に、当該分断部8、9を分断するための複数の分断孔10a、10bを1次成形にて形成し、分断部8、9が分断された状態で当該分断孔10a、10bを2次成形にて塞ぐので、1次成形における分断孔10a、10bの成形時にバリが生じてもそのバリが2次成形における2次成形樹脂で埋められることとなり、当該バリがミッションケース内に混入してしまうのを回避することができる。
【0030】
次に、上記インヒビタスイッチ1の製造方法について説明する。
まず、端子台2を1次成形するための成形型における所定位置に、分断部8、9によりそれぞれ連結された接点板3、4を位置決め固定しておく。そして、当該1次成形用型内に1次成形樹脂を流し込み、接点板3、4をインサート成形しつつ端子台2を成形する。このとき、図9に示すように、1つの分断部9(分断部8も同様、以下同じ)に対して複数の分断孔10a、10bを形成することにより、当該分断孔10a、10bを介して分断部9を複数箇所で外部に臨ませた状態とする。
【0031】
上記の如く接点板3、4が端子台2に固定された後、分断孔10a、10bにパンチ等の切除手段7を嵌入させることにより、図10に示すように、分断部9を複数箇所(分断箇所9a、9b)で同時に分断する。そして、分断部9を複数箇所で分断した状態の端子台2を2次成形するための成形型における所定位置に位置決め固定し、図11に示すように、当該2次成形用型内に2次成形樹脂11を流し込むことにより、分断孔10a、10bに当該2次成形樹脂11を充填させる。
【0032】
こうして、接点板3、4をインサート成形するとともに、分断部10a、10bが分断された状態で2次成形により当該分断孔10a、10bが塞がれた端子台2が得られるので、これに操作部5及びケース6等を取り付ければ本実施形態に係るインヒビタスイッチ1が得られることとなる。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば1つの分断部を3箇所以上で分断し、3箇所以上の分断箇所を形成するようにしてもよい。また、本実施形態においては、分断部を有した接点板が上下2段に配設されているが、1段のものであってもよく或いは3段以上のものであってもよい。更に、本実施形態においては、操作部がセレクトレバーの操作と連動して接点板上を直線状に摺動するものであるが、これに代えて、例えば固定接点を弧状(又は円周状)に形成するとともに、操作部を弧状(円周状)に摺動させるものとしてもよい。また更に、1次成形で用いられる1次成形樹脂と2次成形で用いられる2次成形樹脂とは互いに異なる性質の樹脂であってもよく、或いは同質の樹脂であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、端子台における分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、分断部が分断された状態で2次成形により当該分断孔が塞がれて成るインヒビタスイッチ及びその製造方法であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のインヒビタスイッチの外観を示す全体斜視図
【図2】同インヒビタスイッチの内部構成を示すための分解斜視図
【図3】同インヒビタスイッチにおける操作部を示す斜視図
【図4】同インヒビタスイッチにおいて上下複数段に配設される接点板を示す斜視図
【図5】同インヒビタスイッチにおける上段に配設された接点板を示す平面図及びその分断部の分断箇所を示す拡大図
【図6】同インヒビタスイッチにおける下段に配設された接点板を示す平面図及びその分断部の分断箇所を示す拡大図
【図7】同インヒビタスイッチにおける分断部を分断する方法について説明する図であって、分断前を示す平面図
【図8】同インヒビタスイッチにおける分断部を分断する方法について説明する図であって、分断後を示す平面図
【図9】同インヒビタスイッチにおける1次成形で形成された分断孔及び分断前の分断部を示す図であって、(a)平面模式図(b)A−A線断面模式図
【図10】同インヒビタスイッチにおける1次成形で形成された分断孔及び分断後の分断部を示す図であって、(a)平面模式図(b)B−B線断面模式図
【図11】同インヒビタスイッチにおける2次成形により分断孔が塞がれた状態を示す図であって、(a)平面模式図(b)C−C線断面模式図
【符号の説明】
【0036】
1 インヒビタスイッチ
2 端子台
3 接点板(上段)
4 接点板(下段)
5 操作部
5b 可動接点
6 ケース
7 切除手段(パンチ)
8 分断部
8a、8b 分断箇所
9 分断部
9a、9b 分断箇所
10(10a、10b) 分断孔
11 2次成形樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、
該端子台に形成された接点板と、
車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、
該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点と、
を具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチにおいて、
前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、2次成形により前記分断部が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成ることを特徴とするインヒビタスイッチ。
【請求項2】
前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたことを特徴とする請求項1記載のインヒビタスイッチ。
【請求項3】
車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、
該端子台に形成された接点板と、
車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、
該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点と、
を具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチの製造方法において、
前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部を複数箇所で分断するとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、前記分断部を分断した後、2次成形を行って当該分断孔を塞ぐことを特徴とするインヒビタスイッチの製造方法。
【請求項4】
前記分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断することを特徴とする請求項3記載のインヒビタスイッチの製造方法。
【請求項5】
前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成され、各分断孔に前記切除手段を嵌入して複数段それぞれの接点板の分断部を複数箇所で分断することを特徴とする請求項4記載のインヒビタスイッチの製造方法。
【請求項1】
車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、
該端子台に形成された接点板と、
車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、
該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点と、
を具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチにおいて、
前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部が複数箇所で分断されるとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置には、当該分断部を分断するための複数の分断孔が1次成形にて形成され、2次成形により前記分断部が分断された状態で当該分断孔が塞がれて成ることを特徴とするインヒビタスイッチ。
【請求項2】
前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成されたことを特徴とする請求項1記載のインヒビタスイッチ。
【請求項3】
車両の自動変速機のミッションケース内に固定される端子台と、
該端子台に形成された接点板と、
車両のセレクトレバーと連動して接点板に沿って動作する操作部と、
該操作部に形成され、前記接点板上を摺動してその接触位置に応じた所定の電気的回路を形成し得る可動接点と、
を具備し、前記電気的回路から前記セレクトレバーの変速位置を検知するためのインヒビタスイッチの製造方法において、
前記接点板には、端子台の所定位置に配設された後、分断されて導通の遮断が図られる分断部が形成され、1つの分断部を複数箇所で分断するとともに、前記端子台における前記分断部に対応する位置に、当該分断部を分断するための複数の分断孔を1次成形にて形成し、前記分断部を分断した後、2次成形を行って当該分断孔を塞ぐことを特徴とするインヒビタスイッチの製造方法。
【請求項4】
前記分断孔に切除手段を嵌入することにより当該分断部を複数箇所で分断することを特徴とする請求項3記載のインヒビタスイッチの製造方法。
【請求項5】
前記接点板は、端子台に対して複数段で形成されるとともに、前記分断孔はそれぞれの接点板の分断部に対応した位置に形成され、各分断孔に前記切除手段を嵌入して複数段それぞれの接点板の分断部を複数箇所で分断することを特徴とする請求項4記載のインヒビタスイッチの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−93980(P2009−93980A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265250(P2007−265250)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
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