説明

エアバッグ

【課題】骨盤を保護し、さらに乗員の膝に沿ったシートベルトの予張力を与えることができる、側面衝突エアバッグと一体化されるシートベルトに関する。
【解決手段】シートベルトアンカー118と、シートベルトアンカー118に結合されるシートベルト114と、エアバッグ142がシートベルト114と別個に設けられるようにシートベルトアンカー118に搭載されるエアバッグ142とを含む、車両用シートベルトシステムで、車両の乗員の骨盤領域のための側面エアバッグである。このシートベルトシステムは、短時間かつエアバッグ142が所望の位置に展開される改善された確実性を伴う正確な方式で、所望の位置に展開させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月8日に出願された米国特許仮出願第61/282,253号、および2010年2月22日に出願された米国特許仮出願第61/306,799号の優先権および利益を主張する。前述の両方の仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本出願は一般に自動車内で使用するためのエアバッグの分野に関する。より詳しくは、本出願は、骨盤を保護し、さらに乗員の膝に沿ったシートベルトの予張力を与えることができる、側面衝突エアバッグと一体化されるシートベルトに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、車両用のシートベルトシステムは、シートベルトアンカーと、このシートベルトアンカーに結合されるシートベルトと、シートベルトとは別個に設けられるように、シートベルトアンカーに搭載されるエアバッグとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】自動車の例示的な実施形態の斜視図である。
【0005】
【図2】従来型のシートベルトシステムと共に構成される従来型のシートシステムの斜視図である。
【0006】
【図3】折り畳まれたまたは非展開の状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0007】
【図4】展開されたまたは広げられた状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0008】
【図5】展開されたまたは広げられた状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの別の例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0009】
【図6】展開されたまたは広げられた状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの別の例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0010】
【図7】展開されたまたは広げられた状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの別の例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0011】
【図8】展開されたまたは広げられた状態で示される、シートベルト搭載骨盤エアバッグの別の例示的な実施形態を含む、安全ベルトシステムと共に構成されるシートシステムの斜視図である。
【0012】
【図9】図4のシステムなどのシート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの例示的な実施形態の正面図である。
【0013】
【図10】シート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0014】
【図11】シート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0015】
【図12】シート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0016】
【図13】図6のシステムなどのシート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0017】
【図14】図8のシステムなどのシート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0018】
【図15】シートベルト搭載側面衝突エアバッグシステムをシートベルトアセンブリのアンカー部材に連結する、エアバッグ保持機構の例示的な実施形態の斜視図である。
【0019】
【図16】シートベルト搭載側面衝突エアバッグシステムをシートベルトアセンブリのアンカー部材に連結する、エアバッグ保持機構の別の例示的な実施形態の斜視図である。
【0020】
【図17】シート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0021】
【図18】シート安全システム内で使用するための、展開されたまたは広げられた状態で図示される、エアバッグアセンブリの別の例示的な実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
側面衝突エアバッグモジュールは、動的な車両衝突または転覆事象中に、乗員を負傷から保護するのを助けるために車両内に配置される。側面衝突エアバッグモジュールまたはシステムは、動的な車両側面衝突事象または転覆事象中に展開し、それによって膨張ガスがエアバッグシステムの膨張可能なクッション内に迅速に押し込まれる、エアバッグクッションを含むことができる。側面衝突エアバッグモジュールはさらにインフレータ(inflator)を含むことができ、インフレータは膨張ガスをほとんど瞬間的に発生させ、このガスをエアバッグシステムの膨張可能なクッション内に高体積流量で押し込む花火装置(pyrotechnic device)および/または圧縮ガスを使用することができる。側面衝突エアバッグは通常、シートバックの側面、または車両ドアまたは側面構造体の内部プラスチック装備の後ろなどの、車両の天井レール、シートシステムの側面内に格納され、そこから展開される。側面衝突エアバッグは通常、エアバッグを小さな格納体積内に収めるためにコンパクトにするために、折り畳みおよび巻き工程を介してまとめられる。側面衝突エアバッグは、展開するとき、車両の任意の座席列(例えば、第1列、第2列、第3列)に位置する乗員に対する保護を与えるために使用することができ、通常外側寄りの乗員に対する保護を与える。
【0023】
図1を参照すると、自動車10の例示的な実施形態が示され、乗客区画12を含む。この乗客区画12は、安全システムを組み込んだシートシステムを含むことができ、シートシステムは、側面衝突エアバッグ14などのエアバッグの展開の引き金となり得る急速な車両減速中、車両側面衝突事象中、車両転覆事象中または車両の別の事象中に、座っている乗員に対する保護および拘束を与えることができる。当業者は、本明細書で開示されるエアバッグシステムは任意の乗客車両内に含むことができ、どのような乗員(例えば、運転者、前部の乗客、後部の乗客)も保護するために使用することができ、本明細書の図示によって限定されないことを認識するであろう。
【0024】
図2を参照すると、従来型のシートシステム16の例示的な実施形態が図示され、シートクッション22と、シートバック18と、従来型の安全またはシートベルトシステム24とを含む。このシートベルトシステム24は、帯ひも(webbing)28と、タング部材(図示せず)と、バックル機構26と、アンカー部材20またはブラケットと、Dリング38と、引き込み器機構34とを含むように構成することができる。この帯ひも28は、乗員36の膝の上で延在した部分などの第1の端部30と、乗員36の肩または胸部の上で延在した部分などの第2の端部32とを含むように構成することができる。帯ひも28のこの第2の端部32は引き込み器34に連結することができ、それによって帯ひも28は、引き込み器34に巻き付き、引き込み器34から巻き戻すように構成することができる。帯ひも28の第1の端部30は、図2の例に示すように部分39のところなどで、アンカー部材20に連結することができる。第1の端部と第2の端部の間の帯ひもは、車両に固定して連結することができるDリング38内のスロットを通過するように構成することができる。タング部材はDリング38とアンカー部材20の間を帯ひも28に沿って摺動可能であることができ、車両減速中座席の乗員の胴体または胸部を拘束するための帯ひもの肩部分32と、車両減速中座席乗員36の腹部および骨盤を拘束するための帯ひもの膝部分30を形成するように、バックル機構26に着脱式に連結するように構成することができる。
【0025】
乗員からある距離のところに配置される、車両およびシート装備内の従来型の側面エアバッグ(side airbag)の位置決めに起因して、従来型の側面エアバッグは、乗員の骨盤および/または胸部を拘束するために膨張させ、所望の位置に展開させるためにある一定量の時間が必要である。
【0026】
1つの目的は、より短い時間で展開するシートベルトシステムを提供することである。例えばエアバッグクッションは、装備または他の車両構成部品によって遅らされずに、またはそのような構成部品がエアバッグの展開する位置に影響を及ぼすことなく展開することができる。結果として、このエアバッグクッションの展開時間は、既存の側面エアバッグに対して短縮させることができる。
【0027】
その上、このエアバッグは、乗員のH点に対して近接して通ることができる帯ひもの経路に沿って展開するように構成することができ、所望の位置に対するエアバッグの展開をより信頼性高く、再現性高くすることができる。従来型の側面衝突エアバッグクッションは、クッションが中に格納される装置を破るために、乗員から離れる方向に、または離れる位置から最初に展開する場合があり、展開を乗員に向かって戻し、最終の展開位置に導くために、繋ぎ綱、クッションの折り畳み、または他の展開軌跡改変装置に頼る可能性がある。例えば、シートバックアセンブリ(seat back assembly)内に格納され、シートバックアセンブリから展開するように構成される従来型の側面衝突エアバッグクッションは、シートバックアセンブリを破り、そこを通過するために最初に乗員から離れる方向に、車両の前後方向に対して実質的に直角な方向に展開する場合がある。その上、このエアバッグモジュールは、シートベルトアンカー(anchor)の一部に連結し、または一部として設けられる場合があり、それはエアバッグの展開のための軌跡経路(trajectory path)としてアンカーが中に突起する角度を有利に使用することができる。
【0028】
別の目的は、シートベルトまたは他の車両アセンブリをほとんどまたは全く改変せずに、任意の車両に使用するための現行のシートベルトアセンブリと容易に一体化することができるエアバッグモジュールを提供することである。エアバッグモジュールをシートシステムの外部に配置するように構成することによって、シートシステムの内側でより少ない空間しか使用しないことになり、より多くの発泡体を加えることによって、または顧客によって所望される他の機構を組み込むことによって、このシートシステムはより大きな乗員の快適性を提供できるようになる。さらにこのエアバッグは、エアバッグモジュールの自立的な性質に起因して、他の車両構成部品との干渉がほとんどまたは全くなしに改変することができ、したがって、このエアバッグモジュールは、取り囲むシステムおよびアセンブリに対する変更を生じさせずに、様々な顧客の要求に合致するように適応させることができる。同様に、その自立的な設計に起因して、このエアバッグモジュールはより容易に設計することができ、破壊事象中の乗員の必要性に合わせるように適合させることができる。
【0029】
その上、このエアバッグクッションは、シートベルト帯ひもの膝部分に予張力(pretensioning)を与えるように構成することができ、これによってアンカー搭載予張力装置に対する必要性をなくすことができる。
【0030】
図3は車両用のシートシステム100の例示的な実施形態を示し、シートシステム100はシートクッション104と、シートバック102と、シートベルトシステム108とを含むことができる。このシートベルトシステム108は、帯ひも114と、タング部材(図示せず)と、バックル機構110と、アンカー部材118またはブラケットと、Dリング122と、引き込み器機構120とを含むことができる。この帯ひも112は、乗員106の膝の上を延びる部分などの第1の端部114と、乗員106の肩または胸部の上を延びる部分などの第2の端部116とを含むように構成することができる。帯ひも112のこの第2の端部116は引き込み器120に連結することができ、これによって帯ひも112は引き込み器120に巻き付き、引き込み器120から巻き戻すように構成することができる。帯ひも112の第1の端部114は、アンカー部材118に連結することができる。第1の端部と第2の端部の間の帯ひもは、車両に固定して連結することができるDリング122内のスロットを通過するように構成することができる。このタング部材は、Dリング122とアンカー部材118の間を帯ひも112に沿って摺動可能であることができ、車両減速中座席の乗員の胴体または胸部を拘束するための帯ひもの肩部分116と、車両減速中座席の乗員106の腹部および骨盤を拘束するための帯ひもの膝部分114を形成するように、バックル機構110に着脱式に連結するように構成することができる。
【0031】
このシートベルトシステム108は、エアバッグクッションと、インフレータと、少なくとも1つのエアバッグ保持機構とを含む、エアバッグモジュール130を含むことができる。図3に示す例では、このエアバッグは折り畳まれた、非展開の状態にある。このエアバッグクッションは、例えば、乗員の胸部および/または骨盤区域を拘束するように構成される単一チャンバのエアバッグ、または乗員の胸部および/または骨盤区域を拘束するように構成される複数チャンバのエアバッグなどの、単一チャンバのクッションまたは複数チャンバのクッションであることができる。別の例では、このエアバッグは、シートベルト搭載骨盤側面衝突エアバッグ(SMPSAB)モジュールであることができる。このエアバッグクッションは乗員の骨盤区域のみ拘束するように構成することができ、これは、エアバッグが所望の位置に展開するであろう正確性を増した状態でより短い時間で展開するために、エアバッグクッションが必要とする時間を有利に短縮することができる。
【0032】
例示的な実施形態によれば、エアバッグ保持機構132は、エアバッグクッションがそこから展開することができる構造的な固定点を提供するために、エアバッグモジュール130をシートベルトシステム108のアンカー部材118に直接連結するように構成することができる。アンカー部材118に連結されているこのエアバッグ保持機構132は、折り畳まれたエアバッグクッションを乗員106のH点(腰の点)に近接して位置決めし、これはいくつかの利点を提供し、そのうちのいくつかは以下で開示する。別の例では、本明細書で説明されるこのエアバッグモジュールは、エアバッグモジュールおよびアンカー部材が一緒に複合ユニットとして、または単一の部片として設計することなどによって、アンカー部材の一部として設けることができる。
【0033】
本明細書で説明されるこの実施形態の利点のうちのいくつかは、以下の通りである。第1に、このエアバッグがシートまたは他の車両構成部品(例えば、天井レール)の外部に配置されるので、このエアバッグクッションは、装備または他の車両構成部品によって遅らされる、または実質的に遅らされることなく短時間で、あるいはそのような構成部品がエアバッグの展開する位置に影響を及ぼすことなく展開することができる。第2に、このエアバッグクッションの展開時間は、既存の側面エアバッグに対して短縮させることができる、何故ならこのクッションは最早装備構成部品を通り展開せず、乗員のH点(または骨盤区域)に対して正しい位置にあるように、展開するためのより短い距離を有するからである。第3に、このエアバッグクッションの所望の展開位置は、より信頼性が高く、再現性が高くなる、何故ならこのエアバッグクッションは、乗員のH点に近接して移動することができる帯ひもの経路に沿って展開するように構成することができるからである。従来型の側面衝突エアバッグクッションは、クッションが中に格納される装置を破るために、乗員から離れる方向に、または乗員から離れる位置から最初に展開する場合があり、展開を乗員に向かって戻し、最終の展開位置に導くために、繋ぎ網(tether)、クッション折り畳み、または他の展開軌跡改変装置に頼る可能性がある。例えば、シートバックアセンブリ内に格納され、シートバックアセンブリから展開するように構成される従来型の側面衝突エアバッグクッションは、シートバックアセンブリを破り、そこを通過するために最初に乗員から離れる方向に、車両の前後方向に対して実質的に直角な方向に展開する場合がある。第4に、このエアバッグクッションは、シートベルトまたは他の車両アセンブリをほとんどまたは全く改変せずに、任意の車両に使用するための現行のシートベルトアセンブリと一体化することができ、破壊事象中などの乗員の必要性に合致させるエアバッグモジュールの能力に高められた柔軟性を与えることができる。第5に、シートシステムの外部にあるこのエアバッグモジュールは、シートシステム内の実装空間の制限を解くことによって、より多くの発泡体を加えることによって、または他の顧客所望の機構を組み込むことによってより大きな乗員の快適性を提供できるようになる。第6に、このエアバッグクッションは、帯ひもの膝部分に予張力を与えるように構成することができ、これによってアンカー搭載予張力装置に対する必要性をなくすことができる。第7に、このエアバッグは、エアバッグモジュールの自立的な性質に起因して、他の車両構成部品との干渉がほとんどまたは全くなしに改変することができ、したがって、このSMPSABは、取り囲むシステムおよびアセンブリに対する変更を余儀なくさせずに、様々な顧客の要求に合致するように適応させることができる。
【0034】
エアバッグモジュールは、控えめな、審美的な格納を実現するように比較的小さな体積にまとめることができ、エアバッグクッションは、格納体積を減少させるために折り畳みまたは巻きの工程を介して格納用に構成することができる。一例によれば、折り畳まれ、巻かれた後、このエアバッグクッションは、クッションの格納される形態を保持するための1つまたは複数の非構造的な縫い合わせ目または他の連結方法を含むことができる。これらの縫い合わせ目は、最初のエアバッグ展開中に、適切な、効率的なエアバッグクッション展開ができるようになどの、比較的低い力で裂けるように構成することができる。別の例によれば、この折り畳まれ、巻かれたエアバッグクッションは、プラスチックハウジングまたは布包みなどの格納装置内に配置することができる。
【0035】
このエアバッグクッションは、任意の適切な材料(例えば、織られた高分子重合体)から作ることができ、クッション材料の多孔性のために膨張ガスが逃げるのを防止するために適切な封止剤(例えば、シリコン)で被覆することができる。このエアバッグクッションは、任意の有用な形状に構成することができる。例示的な一実施形態によれば、このエアバッグクッションは、広げられた状態で実質的に円形の形状を取ることができる。別の例示的な実施形態によれば、このエアバッグクッションは、広げられた状態で実質的に涙滴の形状を取ることができる。当業者は、このエアバッグクッションは任意の適切な形状および任意の適切なサイズを有するように適応させることができ、このエアバッグアセンブリは、様々な顧客の要求に合致するように任意の形態のインフレータを含むことができ、本明細書での図示は限定を意味しないことを理解するであろう。
【0036】
図4は、車両シートのアンカー118に連結され、図3に示すエアバッグモジュール130の一部を構成することができるエアバッグアセンブリ140の一例を示す。このエアバッグアセンブリ140は、エアバッグクッション142と、第1のエアバッグ保持機構144と、インフレータ148とを含むことができる。図4に示す例ではこのエアバッグクッション142は、エアバッグクッション142が膨張し、エアバッグアセンブリ140の位置から外向きに突起した、展開された状態にある。この第1のエアバッグ保持機構144は、エアバッグクッションがそこから展開できる構造的固定点を形成することができるアンカー(anchor)にエアバッグアセンブリを直接結合させることなどによって、エアバッグアセンブリ140をアンカー118に結合させるように構成することができる。この第1のエアバッグ保持機構144はさらに、帯ひもの膝部分114の少なくとも一部に沿ってなどの、アンカー118によって突起されるある角度に沿ってエアバッグクッション142が展開するように、エアバッグアセンブリ140を位置決めするように構成することができる。
【0037】
このエアバッグアセンブリ140はさらに、シートベルト帯ひもの膝部分114などのシートベルトにエアバッグクッション142を結合させるための第2のエアバッグ保持機構146を含むことができる。この第2のエアバッグ保持機構146は、エアバッグ展開のための案内部としての役目を果たすことによってエアバッグクッション142の適切な、一貫した展開をさらに確実にすることができる。展開中、このエアバッグは広がり、固定されるアンカー位置から離れて拡大し、エアバッグクッション142が拡大するとき、この第2のエアバッグ保持機構146は、固定されるアンカー位置から離れて帯ひもに沿って、エアバッグクッション142と共に摺動することができる。したがって、この帯ひもは、エアバッグの展開のための案内経路としての役目を務める。このことが信頼性を改善し、適切な展開位置を確実にする、何故ならこの帯ひもは、乗員の骨盤領域およびH点に近接して通るように構成され、したがって展開されたエアバッグによる乗員の腰または骨盤区域の保護を高めるからである。
【0038】
そのような第2のエアバッグ保持機構146は、エアバッグが展開されるとき、エアバッグクッション142がシートベルトの外表面に沿って、乗員の骨盤区域内などの所望の位置に迅速に展開されるように、エアバッグのための案内部としての役目を務めることができる。シートベルトのそのような外表面は、乗員に面し、乗員に近傍して隣合うことができる、シートベルト帯ひもの内部側に対して反対側にある。この第2のエアバッグ保持機構146は、例えば、この分野で使用される繋ぎ網、ストラップ(strap)、縫い目、または他の結合装置、およびこれらの機構の組み合わせを含むものであることができる。図4に示す例では、このエアバッグモジュール140は、エアバッグクッション142が乗員に対してシートベルトの外側表面上で展開されるように構成されるが、エアバッグモジュールの他の形態およびエアバッグクッションの他の展開形態も利用することができる。その上、この第2のエアバッグ保持機構146は、図4の例に示すように、エアバッグクッション142の膨張部分の中央の近くまたは実質的な中央などの、クッションの周囲内に位置決めすることができ、あるいはエアバッグクッションの周囲または縁部などの、エアバッグクッションの他の膨張部分または非膨張部分内に配置することができる。
【0039】
図5は、図3に示すエアバッグモジュール130の一部として構成することができるエアバッグアセンブリ150の別の例を示す。このアセンブリ150は、エアバッグクッション152と、このアセンブリをアンカー118に結合させるための第1のエアバッグ保持機構154と、インフレータ158とを含む。エアバッグアセンブリ150はさらに、エアバッグクッション152が展開されるときシートベルトによって案内されるように、エアバッグクッション152をシートベルト帯ひもの膝部分などの、シートベルトに結合させる第2のエアバッグ保持機構156を含むことができ、第2のエアバッグ保持機構156は展開時間を短縮させ、エアバッグクッション152が所望の位置内に正確に展開するのをさらに確実にすることができる。この第2のエアバッグ保持機構156は、エアバッグクッション152をシートベルトに結合させるためにシートベルトが通ることができる、例えば、繋ぎ網159または他の結合装置を含むことができる。
【0040】
図5に示す例では、エアバッグアセンブリ150は、エアバッグクッション152がシートベルト帯ひもの膝部分114などのシートベルトと乗員の間で展開されるように、エアバッグクッション152がシートベルトの内側表面に沿って展開されるように構成される。エアバッグ展開の引き金を引く車両事象中、シートベルトシステムの引き込み器は、引き込み器からのシートベルトの帯ひもの回収(または巻き戻し)を防止するためにロックすることができる。このエアバッグクッション152は、インフレータ158からの膨張ガスのために拡大し、シートベルトと乗員の間に展開し、拡大することができ、膨張するエアバッグクッション152が乗員およびシートベルトの表面上を圧すことに起因するシートベルト上に加えられるべき力を生じさせる。エアバッグクッション152によってシートベルト上に加えられるそのような追加の圧力は、乗員と帯ひもの間の隙間を取り除くための役目を務めることができ、隙間が取り除かれた後、引き続き存在するエアバッグの展開が、帯ひもに張力が掛っている状態にする力を帯ひもに与える。このエアバッグの構成によって与えられる張力は、シートベルトアセンブリに予張力を与え、アンカーアセンブリおよび/またはバックルアセンブリが予張力装置を含む必要性をなくすことができ、このことがシートベルトシステムの設計を簡単化し、そのコストを減少させる。このシートベルトの予張力付加は、乗員と拘束装置または安全装置との間の隙間またはたるみを減少させることにより突然の車両減速中に乗員が被る可能性がある偏向または変位の量を減少させることによって乗員の安全性を高めるが、それは乗員によって形成される慣性力または運動エネルギを減少させ、乗員に付与される拘束力を減少させるからである。
【0041】
図6は、図3に示すエアバッグモジュール130の一部として構成することができるエアバッグアセンブリ160の別の例を示す。このアセンブリ160は、エアバッグクッション162と、第1のエアバッグ保持機構164とを含むことができる。図6の例に示すように、このエアバッグクッション162は、シートベルトの外表面に沿って展開するように構成することができる。このエアバッグアセンブリ160はさらに、エアバッグクッション162の周囲または縁部上に配置される、エアバッグクッション162をシートベルト帯ひもの膝部分114などのシートベルトに結合するための第2のエアバッグ保持機構166を含むことができる。図6の例に示すように、この第2のエアバッグ保持機構166は、エアバッグクッション162の縁部または周囲のところなどの、エアバッグクッション162の膨張部分の外側に配置することができる。この第2のエアバッグ保持機構166は、エアバッグクッション162をシートベルトに結合するための、繋ぎ網168、またはこの分野で使用される他の結合装置などの、結合装置であることができる。
【0042】
図7は、図3に示すエアバッグモジュール130の一部として構成することができるエアバッグアセンブリ170の別の例を示す。このアセンブリ170は、エアバッグクッション172と、第1のエアバッグ保持機構174とを含むことができる。このエアバッグアセンブリ170はさらに、エアバッグクッション172をシートベルト帯ひもの膝部分114などのシートベルトの一部に結合させる結合装置178などの、第2のエアバッグ保持機構176を含むことができ、したがって、このエアバッグは、展開に際してエアバッグがシートベルトによって案内され、エアバッグアセンブリ170は、エアバッグクッション172がシートベルトの内側表面に沿って、乗員とシートベルトの間で展開されるように構成される。エアバッグがそのような位置で展開するように構成される、本明細書の例で論じるように、乗員とシートベルトの間のエアバッグの展開は、張力をシートベルトに有利に与え、これが乗員と拘束装置または安全装置との間の隙間またはたるみを減少させることによって、突然の車両減速中乗員が行うことができる偏向または変位の量を減少させることによって、乗員の安全を改善することができ、シートベルトシステム内の予張力装置のための必要性をなくすことができる。
【0043】
図3に示すエアバッグモジュール130の一部として構成することができるエアバッグアセンブリ180の別の例を図8に示す。このアセンブリ180は、エアバッグクッション182と、エアバッグ保持機構184とを含むことができる。図8に示す例では、このエアバッグアセンブリは、エアバッグクッション182をシートベルトに結合するための第2のエアバッグ保持機構を含まず、このエアバッグアセンブリ180は、エアバッグクッション182がシートベルトの外表面に沿って展開するように構成される。この構成では、このエアバッグクッション182は、座席の乗員の腰部分などの、乗員に対する保護を与えるように、相対的に固定されるアンカー位置186から帯ひもの膝部分114に実質的に沿った方向に展開する。
【0044】
図9から図14を参照すると、展開されたまたは広げられた状態のエアバッグクッションを有するエアバッグアセンブリまたはモジュールの例が図示され、示されている。図9は、エアバッグクッション202と、エアバッグアセンブリ200をシートベルトシステムのアンカー118に結合するための第1のエアバッグ保持機構204と、インフレータ208とを含むことができるエアバッグアセンブリ200の一例を示す。このエアバッグアセンブリ200はさらに、エアバッグクッション202をシートベルト帯ひもの膝部分114などのシートベルトに結合するための第2のエアバッグ保持機構206を含むことができ、この第2のエアバッグ保持機構206は、エアバッグクッション202の膨張部分内などの、エアバッグクッション202の周囲内に設けられる。図10に示す例は、エアバッグクッション212と、第1のエアバッグ保持アセンブリ214と、インフレータ218と、エアバッグクッション212をシートベルトに結合するための第2のエアバッグ保持機構216とを含むことができるエアバッグアセンブリ201を示し、この第2のエアバッグ保持機構216は、エアバッグクッションの非膨張区域内などの、エアバッグクッション212の縁部または周囲に配置される。図11は、エアバッグクッション222と、エアバッグアセンブリ220をシートベルトシステムのアンカー118に結合するためのエアバッグ保持機構224と、インフレータ226とを含むことができる、エアバッグアセンブリ220の一例を示す。
【0045】
図12は、エアバッグクッション232と、第1のエアバッグ保持機構234と、エアバッグクッション232をシートベルトに結合するための、繋ぎ網または他の結合装置などの結合装置239を含むことができる第2のエアバッグ保持機構236と、インフレータ238とを含むことができるエアバッグアセンブリ230の一例を示す。図13はエアバッグクッション242と、第1のエアバッグ保持機構244と、エアバッグクッション242の非膨張区域内などのエアバッグクッション242の周囲または縁部に配置される、繋ぎ網または他の結合装置などの結合装置249を含むことができる第2のエアバッグ保持機構246とを含むことができる、エアバッグモジュール240の一例を示す。図14は、エアバッグクッション252と、エアバッグアセンブリ250をアンカー118に結合するためのエアバッグ保持機構254と、インフレータ256とを含むことができるエアバッグモジュール250の一例を示す。
【0046】
本明細書に記載される例では、エアバッグアセンブリのインフレータは、図9〜図11の例に示すインフレータなどの軸流インフレータ(axial flow inflator)であるべく構成することができ、発生するガスは、インフレータの単一のまたは複数の出口またはオリフィスを通り、図9〜図11の例で矢印Xによって指示される方向の膨張ガスの流れを形成する、実質的に直線方向に強制的に出される。別の例によれば、インフレータは、図12〜14に示すインフレータなどの、放射状流インフレータ(radial flow inflator)であるように構成することができ、発生するガスは、図12〜図14の例で矢印Xによって指示される方向のように、正反対に形状化される出口を通り実質的に半径方向に強制的に出される
【0047】
一例によれば、第2のエアバッグ保持機構の結合装置を含む第2のエアバッグ保持機構は、エアバッグクッションの非膨張可能部分の一部を材料として(または、一部から)形成されるストラップまたは繋ぎ網として構成することができ、シートベルトの帯ひもは、繋ぎ網およびクッションの1つまたは複数の隣合う部分によって形成される開口部を通る(または通過する)ことができ、クッションが帯ひもに対して、帯ひもの長手方向に対して直角の方向に相対的に移動しないように実質的に保持する。この構成は、ベルトループを通過するベルトに類似する。したがってこの帯ひもは、エアバッグクッションを保持するように、繋ぎ網とエアバッグクッションの隣合う(複数の)部分との間を移動することができ、したがって、帯ひもに対するクッションの実質的な移動は、展開中帯ひもに沿ったクッションの摺動に限定することができる。
【0048】
例示的な一実施形態によれば、この第2のエアバッグ保持機構は、図9および12の例に示すなどの、実質的にエアバッグクッションの中央部分内に構成される非膨張可能な部分内に位置決めするように構成することができる。この非膨張可能な部分は、図9および12に示すような円形などの、任意の適切な形状に構成することができる。別の例によれば、この第2のエアバッグ保持機構は、図10および13に示すものなどの、インフレータ連結端部に対向するエアバッグクッションの端部上の非膨張可能な部分内に位置決めするように構成することができる。さらに別の例によれば、この第2のエアバッグ保持機構は、エアバッグクッションの任意の場所に位置決めされる非膨張可能な部分内に位置決めするように構成することができる。当業者は、この第2のエアバッグ保持機構が任意の適切な形状を有するクッションの任意の適切な部分上に位置決めするように構成することができ、この位置は様々な顧客の要求および実装制約に合致するように適応させることができることを認識するであろう。当業者はさらに、エアバッグは任意の数のエアバッグ保持機構を有し、1つまたは2つのそのような機構を含むように限定されないことを認識するであろう。
【0049】
第1の保持機構は、相対的な構造的連結部を形成することができる、例えば、鋼または任意の他の適切な材料から作ることができる。一例によれば、エアバッグアセンブリ300のこの第1の保持機構310は、図15の例に示すように、インフレータを保持するような形状にされる部分304内などの、エアバッグアセンブリのインフレータ312を保持するように形成され、シートベルトの帯ひも314に結合することができる締結機構などによってアンカーブラケット306に連結するように構成され、別の締結機構308などによって車両に搭載されるように構成される、搭載ブラケット(mounting bracket)302を含むことができる。この搭載ブラケット302は、アンカーに結合させるまたは直接結合させることができ、またはアンカーと共にユニットまたは単一の部片として形成することができる。この締結機構は、ボルトなどの1つまたは複数の機械的な締結具であることができ、または任意の適切な締結具であることができる。この締結機構は、例えば、MIG、レーザー、または任意の他の適切な溶接方法によって形成される溶接された継ぎ手であることもできる。一例によれば、このエアバッグクッションは、クッションが実質的に固定される連結位置から乗員の骨盤区域に実質的に向かう方向に展開できるように、第1の保持機構310の搭載ブラケット302に連結することができる。他の例によれば、このエアバッグクッションは、クッションが乗員の骨盤を保護するように連結位置から帯ひもに実質的に沿った方向に展開できるように、シートベルトアセンブリのアンカーブラケットおよび/またはインフレータに連結することができる。
【0050】
図16は、シートベルトの帯ひも332に結合されるハウジング322と、第1の保持機構328とを含むことができるエアバッグアセンブリ320の一例を示す。この第1の保持機構328は、アンカー324を車両に取り付けるための、シートベルト締結具穴326と図16の例に示すボルト331などの1つまたは複数の締結機構330を含むアンカーまたは搭載ブラケット324であることができる。このハウジング322は、プラスチック材料から作ることができ、折り畳まれ、巻かれたエアバッグクッションを覆うように構成することができる。そのハウジング322を含むこのエアバッグアセンブリ320は、エアバッグが格納されている間のエアバッグクッションに対する保護を提供することができ、このハウジング322は、エアバッグの展開で、ほとんどまたは全く遅れなしで適切な、効率的なエアバッグクッション展開を可能にするように、エアバッグクッションの展開中比較的小さな抵抗で裂けるまたは変形するように構成することができる。
【0051】
別の例によれば、このプラスチックハウジング322は、鋼(または他の適切な材料)などの強い材料から作られる補強ブラケットを含むことができ、これは、締結機構を使用してプラスチックハウジング322をアンカー324に連結するのを可能にし、展開中エアバッグクッションの連結部分を保持するのを助けることができる、改善された強度を与える。別の例によれば、このプラスチックハウジングは、プラスチックハウジングの一部を実質的に固定するための一方法として、シートベルトアセンブリの帯ひもへの連結部を形成することができ、これによってエアバッグクッションが実質的に固定される部分から乗員の骨盤に実質的に向かう方向に展開するのが可能になる。
【0052】
エアバッグクッション402と、エアバッグアセンブリ400をアンカー118に結合するための第1のエアバッグ保持機構404と、第2のエアバッグ保持機構406と、インフレータ414とを含むことができるエアバッグアセンブリ400の一例を図17に示す。この第2のエアバッグ保持機構406は、ストラップまたは繋ぎ網408をエアバッグクッション402に連結することによって形成することができ、シートベルトの帯ひも114は、クッションが帯ひもの長手方向に対して直角方向に、帯ひも114に対して相対的に移動することができる距離を減少させることによって、クッション402を保持するように、ストラップ408とクッションの1つまたは複数の隣合う部分によって形成される開口部を通ることができる(通過することができる)。このストラップ408は、任意の方法(例えば、縫い目、接着材、等)を介してエアバッグクッション402に連結することができる。例えば図17に示すように、ストラップ408の両端部は、縫製または他の結合手段などによって主たる連結部410を形成するように、図示の縫い目部分などの、エアバッグクッション402の非膨張可能な部分に連結することができる。
【0053】
図17に示すストラップ408などの、第2のエアバッグ保持機構406のストラップ408は、エアバッグクッション402が帯ひもの長手方向に対して直角方向に、帯ひもに対して相対的に移動することができる距離を適応させるための第2の連結部412をさらに含むことができる。例えば図17に示すなどの、この第2のエアバッグ保持機構406は、所定の距離隔てられる2つの第2の連結部412を含むことができ、それらは帯ひもに対するエアバッグクッションの移動を制限するために使用される帯ひもの幅に基づいて適応させることができる。この第2の連結部412は、縫い目近くのストラップ408の部分をエアバッグクッション402の少なくとも1つのエアバッグパネルの一部に連結する、縫い目(または他の連結方法または手段)を含むことができる。この第2の連結部は、エアバッグ展開中に発生する力に耐えるように構造的に構成することができ、または所定の力で裂けるように構成することができる。さらに、この第2のエアバッグ保持機構は、任意の数の追加の連結部を含むことができる。
【0054】
図18は、エアバッグクッション422と、シートベルトの帯ひも114に結合されるアンカー118にエアバッグアセンブリ420を結合するための第1のエアバッグ保持機構424と、第2のエアバッグ保持機構426と、インフレータ432とを含むことができる、エアバッグアセンブリ420の一例を示す。この第2のエアバッグ保持機構426は、ストラップまたは繋ぎ網428を含むことができる。図18に示す例によれば、ストラップ428の両端部は、主たる連結部430を形成するように、エアバッグクッション422の膨張可能な部分に連結することができる。例えば、ストラップ428の両端部は、エアバッグクッション422の1つのパネルに連結することができ、それによってクッションの展開に影響を与えない。このストラップ428は、2つの隣合うパネルなどの、複数のパネルに(例えば、縫うことによって)連結するように構成することができ、この縫い目は、エアバッグ展開中、クッションの展開またはエアバッグクッション内の空気流に影響を与えるように構成することができる。このストラップ428は、1つの端部をエアバッグクッション422の膨張可能な部分に連結し、別の端部をエアバッグクッション422の非膨張可能な部分に連結するように構成することができる。その上ストラップ428は、2つ以上の端部を有するように構成することができ、各端部はエアバッグクッション422の同様なまたは異なる部分に連結することができる。この主たる連結部430は、エアバッグ展開中に発生する力に耐えるように構造的に構成することができ、第2の連結部426はエアバッグ展開中に発生する力に耐えるように構造的に構成することができ、あるいは所定の力で裂けるように構成することができる。
【0055】
本明細書で開示されるエアバッグアセンブリは、展開のための距離および時間を短縮することによって、ならびに乗員に対する最終の展開位置の信頼性を改善することによって、改善される乗員保護を提供することができる。最終の展開位置のこの信頼性は、帯ひもを再現可能な展開を確実にするための案内部として利用することができる、エアバッグ保持機構を含むことによってさらに改善することができる。本明細書で開示されるエアバッグアセンブリは、最適な骨盤保護を与えるように、乗員の骨盤区域またはH点に近接して本質的に展開するように構成することができる。当業者は、シートベルト搭載エアバッグは乗員の任意の他の部分を保護するために展開するように適応させることができ、骨盤保護を与えることに限定されないことを認識するであろう。このエアバッグアセンブリはさらに、乗員の拘束および保護をさらに改善するように、エアバッグクッションが展開するとき安全ベルトシステムに予張力を加えるように構成することができる。
【0056】
本明細書で使用されるような、用語「ほぼ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、および同様な用語は、本開示の主題に関連する当業者による一般的な、認められた使用法と調和する、広い意味を有するように意図されている。本開示を検討する当業者は、これらの用語は、記載され、特許請求される特定の機構の説明がこれらの機構の範囲を与えられた丁度その数値範囲に限定しないことができるように意図されていることを理解すべきである。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の形式的な、または重要でない改変または変更は、添付の特許請求の範囲に列挙されるような本発明の範囲内であるとみなされることを示していると解釈すべきである。
【0057】
様々な実施形態を説明するために本明細書で使用されるような、用語「例(example)」、「例示的な(exemplary)」は、そのような実施形態は、可能な実施形態の可能な例、表示、および/または図示を示すためのものであり、(そのような用語は、そのような実施形態が必ずしも並はずれたまたは最高の例であることを暗示ためのものでない)ことに留意すべきである。
【0058】
本明細書で使用されるような、用語「連結される(coupled)」、「結合される(connected)」等は、互いに対する直接的なまたは間接的な2つの部材の接合を意味する。そのような接合は、静止的(例えば、永久的)または移動可能(例えば、取り外し可能または開放可能)であることができる。そのような接合は、2つの部材または互いに統合された単一物として一体に形成された2つの部材または2つの部材と任意の追加の中間部材により、あるいは互いに取り付けられた2つの部材または2つの部材と任意の追加の中間部材により達成することができる。
【0059】
本明細書での要素の位置に対する言及(例えば、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上(above)」、「下(below)」、等)は、図内の様々な要素の向きを説明するためにのみ使用される。様々な要素の向きは、他の例示的な実施形態に従って異なることができ、そのような変化は本開示によって包含されることが意図されていることに留意すべきである。
【0060】
様々な例示的な実施形態に示すようなこのエアバッグアセンブリの構造および配置は例示のみであることに留意することが重要である。この開示ではいくつかの実施形態しか詳細に説明しなかったが、この開示を検討する当業者は、多くの改変(例えば、サイズ、寸法、構造、様々な要素の形状および比率、パラメータの値、搭載配置、材料の使用、色彩、向き、等の変更)が本明細書に記載される主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく可能であることを容易に理解するであろう。例えば、一体で形成されるとして示される要素は、複数の部品または要素から構築することができ、要素の位置は逆にするまたはその他の方法で変更することができ、個別の要素の性質または数、または位置は修正し、または変更することができる。任意の工程または方法ステップの順番または順序は、代替の実施形態に従って変更または再順序化することができる。他の置き替え、改変、変更および削除も、様々な例示的な実施形態の設計、動作状態および配置で、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
10 自動車
12 乗客区画
14 側面衝突エアバッグ
16、100 シートシステム
18、102 シートバック
20、118、324 アンカー
22、104 シートクッション
24、108 シートベルトシステム
26、110 バックル機構
28、112、314、332 帯ひも
30、114 第1の端部、膝部分
32、116 第2の端部、肩部分
34、120 引き込み器
36、106 乗員
38、122 Dリング
39、304 部分
130 エアバッグモジュール
132 エアバッグ保持機構
140 エアバッグアセンブリ、
142 エアバッグクッション
144 第1のエアバッグ保持機構
146 第2のエアバッグ保持機構
178 結合装置
148 インフレータ
159 繋ぎ網、ストラップ
184 エアバッグ保持機構
186 アンカー位置
250 エアバッグモジュール
302、324 搭載ブラケット
306 アンカーブラケット
308 締結機構
322 ハウジング
326 シートベルト締結具穴
330 締結機構
331 ボルト
410、430 主たる連結部
412 第2の連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトアンカーと、
前記シートベルトアンカーに結合されるシートベルトと、
前記シートベルトと別個に設けられるように、前記シートベルトアンカーに搭載されるエアバッグとを備える、車両用シートベルトシステム。
【請求項2】
前記エアバッグが、前記車両の乗員の骨盤部分の区域に展開するように構成される側面エアバッグである、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項3】
前記エアバッグが展開されるとき、前記エアバッグが案内部としての前記シートベルトに沿って移動するように、前記エアバッグが前記シートベルトに結合される、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項4】
前記エアバッグが、前記エアバッグの膨張区域内に配置されるエアバッグ保持機構によって前記シートベルトに結合される、請求項3に記載のシートベルトシステム。
【請求項5】
前記エアバッグが、前記エアバッグの非膨張区域に配置されるエアバッグ保持機構によって前記シートベルトに結合される、請求項3に記載のシートベルトシステム。
【請求項6】
前記エアバッグが前記シートベルトに予張力を与えるように、前記エアバッグが展開されるとき前記エアバッグが前記シートベルトに力を加える、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項7】
車両乗員と前記シートベルトの間に前記エアバッグが展開するように、前記エアバッグが、前記シートベルトの内側表面に沿って展開するように構成される、請求項6に記載のシートベルトシステム。
【請求項8】
前記エアバッグが展開されるとき、前記エアバッグが案内部としての前記シートベルトに沿って移動するように、前記エアバッグが前記シートベルトに結合される、請求項6に記載のシートベルトシステム。
【請求項9】
前記エアバッグが、前記エアバッグの膨張区域内に配置されるエアバッグ保持機構によって前記シートベルトに結合される、請求項8に記載のシートベルトシステム。
【請求項10】
前記エアバッグが、前記エアバッグの非膨張区域内に配置されるエアバッグ保持機構によって前記シートベルトに結合される、請求項8に記載のシートベルトシステム。
【請求項11】
前記エアバッグが、前記車両の乗員に面する前記シートベルトの内部表面に対向する、前記シートベルトの外表面に面するように、前記エアバッグが展開するように構成される、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項12】
インフレータをさらに備える、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項13】
前記インフレータが軸流インフレータである、請求項12に記載のシートベルトシステム。
【請求項14】
前記インフレータが放射状流インフレータである、請求項12に記載のシートベルトシステム。
【請求項15】
前記エアバッグが非展開の状態にあるとき前記エアバッグを保持し、前記エアバッグが展開するとき裂けるように構成されるハウジングをさらに備える、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項16】
前記エアバッグを前記シートベルトアンカーに直接結合する搭載ブラケットをさらに備える、請求項1に記載のシートベルトシステム。
【請求項17】
車両の乗員の骨盤部分の区域に展開するように構成される側面エアバッグを備え、
前記側面エアバッグが、少なくとも1つのエアバッグパネルを有するエアバッグとして設けられ、前記側面エアバッグがシートベルトと別個に設けられるように、シートベルトアンカーに搭載するように構成される、車両用エアバッグモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−140300(P2011−140300A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−1997(P2011−1997)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(506166778)ティーケー ホールディングス,インコーポレーテッド (34)
【Fターム(参考)】