説明

エナンチオピュアな化合物の製造方法

活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオピュアな化合物の、前記化合物のエナンチオマーの混合物から出発する製造方法であって、
(a)前記エナンチオマーの混合物及びエナンチオピュアなアミノ酸に基づく試薬を含む反応媒体であって、当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのアミノ基が保護基によって保護されており、且つ当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのカルボキシル基が活性化されている反応媒体を、前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基と、前記活性化されているカルボキシル基との反応を引き起こすのに適切な条件に付して、カルボニル結合を形成し;
(b)得られたジアステレオマーの混合物を分離操作に付し、本質的にジアステレオマーからなる少なくとも1つのフラクションを得て;
(c)前記フラクションの少なくとも一部を、前記保護基が本質的に安定な条件下で前記カルボニル結合の開裂段階に付し;及び
(d)エナンチオピュアな化合物及び少なくとも1つのアミノ基が前記保護基によって保護されている前記アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体が回収される、
方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、エナンチオピュアな化合物の製造方法に関する。
【0002】
エナンチオピュアな化合物の製造は、医薬、化学及び生物工学産業において非常に重要な問題である。これは、同一の組成を有する化学物質の2種のエナンチオマーが、根本的に異なる生物学的活性を有し得るためである。従って、エナンチオマーを分離し、且つ医薬、化学及び生物工学生成物のエナンチオマー純度を分析することのできる有用な分離剤及び技術を有するのが望ましい。例えばエナンチオマーのラセミ混合物から出発して、所望のエナンチオマーの調製用スケールにおける製造を可能にする有用な方法を有するのが特に望ましい。
【0003】
欧州特許出願公開第206,283号明細書は、(S)-N-トシルプロリンクロライドによる誘導体化、それに続く種々の分離操作による7,8-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-4H-[1,4]ベンゾキサジンエナンチオマーの分離を開示している。
特にエナンチオピュアな化合物の収率及び純度及び本方法の全経済的側面に関して経済的な方法で、大量のエナンチオピュアな化合物、特にエナンチオピュアなアミノ酸の製造を可能にする有用な方法を有するのが望まれた。
本発明は、これらの問題を克服することを目的とする。
【0004】
従って、本発明は、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオピュアな化合物の、前記化合物のエナンチオマーの混合物から出発する製造方法であって、
(a)エナンチオマーの混合物及びエナンチオピュアなアミノ酸に基づく試薬を含む反応媒体であって、当該試薬におけるアミノ酸の少なくとも1つのアミノ基が保護基によって保護されており、且つ当該試薬におけるアミノ酸の少なくとも1つのカルボキシル基が活性化されている反応媒体を、前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基と、前記活性化されているカルボキシル基との反応を引き起こすのに適切な条件に付して、カルボニル結合を形成し;
(b)得られたジアステレオマーの混合物を分離操作に付し、本質的にジアステレオマーからなる少なくとも1つのフラクションを得て;
(c)前記フラクションの少なくとも一部を、前記保護基が本質的に安定な条件下で前記カルボニル結合の開裂段階に付し;及び
(d)前記エナンチオピュアな化合物及び少なくとも1つのアミノ基が前記保護基によって保護されている前記アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体を回収する、
方法に関する。
【0005】
驚くべきことに、本発明の方法が、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオマーの調製として、良好な結果を得るのを可能にすることが見出された。本発明の方法は特に経済的であり、エナンチオピュアな化合物の分離のために必要なエナンチオピュアな試薬の消費を、容易に再利用することのできる保護されているアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体の回収によって制限することができる。
【0006】
“アミノ酸”という用語は、本発明では、少なくとも1つのアミノ基、特にNH2基、及び少なくとも1つのカルボキシル基を含む任意の化合物を意味すると意図される。本発明で用いられるアミノ酸は、少なくとも1つの不斉炭素を含むキラルなアミノ酸である。使用され得るのは、本質的に天然又は合成起源の良く知られた任意のキラルなアミノ酸である。
“カルボニル結合”という用語は、本発明では、特にカルボニル基の炭素原子と、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含む化合物の原子との間の結合を意味すると意図される。
【0007】
本発明の試薬の例は、例えば、以下の天然アミノ酸:
アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、セリン、イソセリン、ホモセリン、トレオニン、アロトレオニン、メチオニン、エチオニン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、グルタミン及びシトルリン、
に基づく。
非天然エナンチオマーも用いることができる。
【0008】
本発明の試薬の基礎として用いることのできる合成起源のアミノ酸の例は、例えば、以下のアミノ酸:
(1-ナフチル)アラニン、(2-ナフチル)アラニン、ホモフェニルアラニン、(4-クロロフェニル)アラニン、(4-フルオロフェニル)アラニン、(3-ピリジル)アラニン、フェニルグリシン、ジアミノピメリン酸(2,6-ジアミノヘプタン-1,7-ジオン酸)、2-アミノ酪酸、2-アミノテトラリン-2-カルボン酸、エリスロ-β-メチルフェニルアラニン、トレオ-β-メチルフェニルアラニン、(2-メトキシフェニル)アラニン、1-アミノ-5-ヒドロキシインダン-2-カルボン酸、2-アミノヘプタン-1,7-ジオン酸、(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)アラニン、エリスロ-β-メチルチロシン又はトレオ-β-メチルチロシン、
を含む。
【0009】
“エナンチオピュアなアミノ酸”という用語は、本質的に1種のエナンチオマーからなるキラルなアミノ酸を意味すると意図される。エナンチオマー過剰率(ee)は:
ee(%)=100×(x1-x2)/(x1+x2)
(式中、x1>x2であり、x1及びx2は混合物におけるエナンチオマー1又は2の各含有量を表す。)、
として定義される。
用いるのは一般的に、99%以上のエナンチオマー過剰率を有するエナンチオピュアなアミノ酸である。好ましいのは、99.5%以上のエナンチオマー過剰率を有するエナンチオピュアなアミノ酸である。特に好ましい方法では、用いるのは、99.9%以上のエナンチオマー過剰率を有するエナンチオピュアなアミノ酸である。
任意のエナンチオピュアなアミノ酸を、本発明の試薬の基礎として用いることができる。好ましくは、エナンチオピュアなアミノ酸は、天然又は合成起源の上記アミノ酸から選択される。特に好ましい方法では、エナンチオピュアなアミノ酸は、プロリン、グルタミン酸及びピログルタミン酸から選択され、これらは任意に置換されている。ピログルタミン酸が特に好ましい。具体例では、当該試薬は(2S)-ピログルタミン酸に基づく。
【0010】
本発明の方法では、当該試薬の少なくとも1つのアミノ基が、保護基によって保護されている。
アミノ官能基のための保護基の非限定的な例として、挙げられ得るのは特に、アルキル又はアラルキルタイプの置換又は非置換基、例えばベンジル、ジフェニルメチル、ジ(メトキシフェニル)メチル又はトリフェニルメチル(トリチル)基、アシルタイプの置換又は非置換基、例えばホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル又はフタロイル基、アラルキルオキシカルボニルタイプの置換又は非置換基、例えばベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、2-(p-ビフェニルイル)イソプロピルオキシカルボニル、2-(3,5-ジメトキシフェニル)イソプロピルオキシカルボニル、p-フェニルアゾベンジルオキシカルボニル、トリフェニルホスホノエチルオキシカルボニル又は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アルキルオキシカルボニルタイプの置換又は非置換基、例えばtert-ブチルオキシカルボニル、tert-アミルオキシカルボニル、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル又は2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル基、又はシクロアルキルオキシカルボニルタイプの基、例えばシクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル又はイソボルニルオキシカルボニル基である。
【0011】
保護基は、しばしばスルホニル基、特にアルキルスルホニル又はアリールスルホニル基、好ましくはアリールスルホニル基である。
スルホニル基、特に(ヘテロ)アリールスルホニル基が、エナンチオピュアなアミノ酸のN-スルホニル誘導体の特に効果的な回収を可能にし、エナンチオピュアな化合物の定量的且つ本質的にラセミ化の起こらない回収を可能にすることが見出された。
当該試薬に用いられる典型的なアリールスルホニル基は6〜24個の炭素原子を含み、例えばベンゼンスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラセニルスルホニル、フルオレニルスルホニル及びアントラキノニルスルホニル基から選択され、これらは任意に置換されている。具体例は、p-トルエンスルホニル(トシル)、メシチレンスルホニル又はメトキシトリメチルフェニルスルホニル基から選択される。p-トルエンスルホニル基が好ましい。
【0012】
本発明の方法では、当該試薬の少なくとも1つのカルボキシル基が活性化されている。
活性化されている基は、例えば酸ハロゲン化物又は無水物である。挙げられ得るのは、酸ハロゲン化物の中で、酸フッ化物、酸塩化物及び酸臭化物である。使用されるのは、好ましくは酸塩化物である。
【0013】
第一の実施態様では、予め活性化されているカルボキシル基を含む試薬が、そのままで本発明の方法に用いられる。
第二の実施態様では、当該試薬のカルボキシル基が、現場で、すなわち反応媒体に存在する活性化化合物によって活性化される。そのような方法の例は、任意に共活性化剤(coactivant)、例えばHOBT(ヒドロキシベンゾトリアゾール)と共にDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)によるカルボキシル基の活性化である。
【0014】
本発明の方法で用いられる試薬は、本質的に知られている方法によって各エナンチオピュアなアミノ酸から得ることができる。例えば、対応するスルホニルハロゲン化物との反応によってスルホニル基を導入することができる。カルボキシル基は、例えばPCl5との反応によって酸塩化物に転化させることができる。
本発明の方法では、本発明の試薬が、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオマーを少なくとも含む混合物と反応する。
活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基は、しばしば任意にモノアルキル化されているアミノ基、ヒドロキシル基又はチオール基である。
この場合、アミド、エステル又はチオエステル結合が、カルボニル結合としてそれぞれ得られる。
【0015】
活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基がアミノ基のときは、用いるのは都合よくは、この基を含む化合物のペルシリル化されている誘導体であり、これは例えば欧州特許出願公開第184,243号明細書に開示されている手順によって得ることができる。
本発明の方法で分離することのできる活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオマーは、一般的にアミノ酸、第一級又は第二級アミン、ペプチド、アルコール、ヒドロキシ酸又はチオールである。本発明の方法は、アミノ酸、例えば上記の天然又は合成起源のアミノ酸のエナンチオマーを分離するのに良好な結果を与える。
【0016】
第一の特に好ましい実施態様では、本発明の方法をエナンチオピュアなα-アミノ酸の製造に適用する。
第二の特に好ましい実施態様では、本発明の方法をエナンチオピュアなβ-アミノ酸の製造に適用する。本発明の方法は、アミノ基とカルボキシル基の間により大きな距離を示す他のアミノ酸、例えばγ-、δ-又はε-アミノ酸の製造に用いることもできる。本発明の方法は、環式又は非環式アミノ酸の製造に好適であり、アミノ基がヘテロ環内に存在していることを可能とする。
本発明の方法で得ることのできるβ-アミノ酸の具体例は、例えば、β-ホモバリン、β-ホモフェニルアラニン、β-ホモフェニルグリシン、β-ホモ(3'-ピリジル)グリシン、β-ホモアラニン、ε-トリフルオロアセチル-β-ホモリシン、β-ホモリシン、β-ホモアスパラギン酸、β-ホモプロリン及び2-ピペリジン酢酸から選択される。
【0017】
本発明の方法は、イミノ酸のエナンチオマーの混合物を分離するのに良好な結果も与える。“イミノ酸”という用語は、少なくとも1つのNHR基(式中、Rは有機基、例えばアルキル又はアリール基を表す)、及び少なくとも1つのカルボキシル基を含む任意の化合物を意味すると意図される。
イミノ酸は、脂肪族、例えば式HOOC-CnH2n-NHRでn>1、例えば2〜12にすることができ、このC-H結合は、例えば官能基又はハロゲンによって置換することができる。この場合、Rは好適には、C1〜C4アルキル基又は任意に置換されているフェニルから選択される。N-メチルバリンは、そのような脂肪族イミノ酸の例である。
【0018】
イミノ酸は、ヘテロ環に組み込まれている第二級アミン基を含むこともできる。この場合、イミノ基を含む環は、一般的に3、4、5、6又は7個の原子、好ましくは5、6又は7個の原子で形成される。ヘテロ環は置換されていてもよく、及び/又は縮合環系の一部であってもよい。
そのようなヘテロ環式イミノ酸は、例えば、プロリン、ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸)、モルホリン-3-カルボン酸、ピペラジン-2-カルボン酸、1-チア-4-アザシクロヘキサン-3-カルボン酸、α-メチルプロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、バイカイン(1,2,3,5-テトラヒドロピリジン-2-カルボン酸)、シス-4-ヒドロキシピペコリン酸、トランス-5-ヒドロキシピペコリン酸、1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-1-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ヒドロキシイソキノリン-3-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、及び1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-カルボン酸からなる群に属するものである。
【0019】
第三の特に好ましい実施態様では、本発明の方法を、エナンチオピュアなアルコールの製造に適用する。アルコールは、好ましくは第一級又は第二級アルコールである。
アルコールが第一級アルコールの場合、それはしばしば2-又は3-位に不斉中心を含む。
アルコールは、アリール基などの置換基、二重結合又は好ましくは三重結合、脂環式基及び好ましくはヘテロ環基、上記の官能基又はハロゲンを含むことができる。第一級アルコールの特別な例は、(任意に置換されている)フェニルエタノール、1-オクチン-3-オール及び1-ブチン-3-オールから選択される。
特別な実施態様では、アルコールはアミノアルコールである。この場合、アミノ基は好適には、水酸基に関して1-、2-又は3-位、好ましくは1-又は2-位に存在する。アミノ基は、置換基として又はヘテロ環に組み込まれて存在することができる。アミノアルコールの特別な例は、2-ヒドロキシピペリジン及び2,2'-ピペリジンエタノールから選択される。
【0020】
本発明の方法では、用いられるエナンチオマーの混合物が、好ましくはラセミ混合物である。それは、エナンチオマーの1種が濃縮されている混合物にすることもでき、これは例えば立体選択性反応によって得ることができる。
本発明の方法の段階(a)では、操作はしばしば塩基性反応媒体で行われる。操作は、好ましくは少なくとも1種の塩基の存在下で行われる。第三級アミン塩基、例えばそれぞれ1つの塩基性官能基を含むトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン、又は2つの塩基性官能基を含むN,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミンが、塩基として特に好適である。トリエチルアミンが好ましい。
用いられる塩基の量は、適切な場合には、試薬の量及び塩基の塩基性官能基の数に依存する。塩基性官能基に対する試薬のモル比は、一般的に少なくとも1である。この比は一般的にせいぜい2である。1の比が良好な結果を与える。
【0021】
本発明の方法の段階(a)は、一般的に溶媒系で行われ、そこにおいてエナンチオマー及び試薬の混合物が十分な可溶性を有し、且つ活性化されたカルボキシル基と反応することのできる官能基が十分な求核性を有して、前記基と反応する。例えば、少なくとも1種の極性有機溶媒を含む系が、溶媒系として好適である。用いることのできる極性有機溶媒は、例えば脂肪族又は脂環式エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又は1,4-ジオキサン、並びに脂肪族エステル、例えば好ましくは酢酸エチル、脂肪族第二級アミド、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド又は、例えばN-メチルピロリドン、又はアセトニトリルである。
【0022】
用いられる試薬の量は、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる有機化合物の官能基の数に依存する。用いられるのは一般的に、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基当たり、少なくとも1モル当量の試薬である。用いられるのは一般的に、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基当たり、せいぜい10モル当量の試薬である。用いられるのはほとんどの場合、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基当たり、せいぜい5モル当量の試薬である。用いられるのは好ましくは、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基当たり、せいぜい3モル当量の試薬である。特に好ましい方法では、用いられるのは、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基当たり、1.1〜2.5モル当量の試薬である。
【0023】
本発明の方法では、試薬がエナンチオマーを含む混合物と反応する時間が、一般的に10時間以下である。ほとんどの場合、この時間は5時間以下である。好ましくは、この時間は3時間以下である。良好な結果が、15分以上の時間で得られる。実際には、30分以上の時間が一般的に適用される。30〜90分の時間が高度に好適である。
段階(a)で、試薬が少なくとも有機化合物のエナンチオマーを含む混合物と反応する温度は、一般的に50℃以下である。ほとんどの場合、この温度は30℃以下である。この温度は一般的に-30℃以上である。ほとんどの場合、この温度は-10℃以上である。
【0024】
本発明の方法の段階(b)では、段階(a)から生じるジアステレオマーの混合物を、分離操作に付し、本質的にジアステレオマーからなる第一のフラクションを少なくとも得る。ジアステレオマーの混合物の分離に用いることのできる分離操作は、それ自体知られている。挙げられ得るのは、例えば、蒸留、結晶化及びガス又は液体クロマトグラフィー操作である。これらの操作の中で、結晶化及び液体クロマトグラフィー操作、例えばアルミナ又はシリカなどの固体吸着剤におけるクロマトグラフィーが好ましい。シリカが、固体吸着剤として特に好ましい。
特に、N-スルホニル試薬から出発して得られるジアステレオマーは、シリカ、特にグラフトされていないシリカにおけるクロマトグラフィーによって良好な予備分離の結果を与える。
【0025】
本発明の方法の別の形態では、得られたジアステレオマーの混合物を、予備的な精製をせずに分離操作に付す。本発明の方法及び試薬は、ジアステレオマーの粗混合物を単離せず、予備的な精製をすること無く分離操作を行うことができる。
段階(b)によって、本質的にジアステレオマーからなる少なくとも1種のフラクションが得られる。一般的に、このフラクションのジアステレオマー過剰率は、90%以上である。ジアステレオマー過剰率は、しばしば95%以上である。好ましくは、それは97%以上である。約99%以上のジアステレオマー過剰率を達成するのも可能である。
特に段階(a)で用いられるエナンチオマーの混合物がラセミ混合物であるとき、段階(b)で、しばしば上記のジアステレオマー過剰率を示す本質的に別のジアステレオマーからなる第二のフラクションを得ることもでき、これは化合物の他のエナンチオマーを得ることを可能にする。
【0026】
本発明の方法の段階(c)では、少なくとも一部の第一のフラクションを、保護基が本質的に安定な条件下で、カルボニル結合の開裂段階に付す。
例えば、開裂段階として加水分解又は加アルコール分解反応を行うことができる。加水分解段階が好ましい。
特に用いられるのがスルホニル保護基を含む試薬であるとき、保護されているエナンチオピュアなアミノ酸誘導体又は放出されるエナンチオピュアな化合物のラセミ化を実質的に引き起こすこと無く、ジアステレオマーのカルボニル結合を選択的に開裂できることが見出された。
【0027】
“保護基が本質的に安定である条件”という用語は、特にアミノ基の脱保護度(フラクションの保護基の最初の量に関して不利益に変化された保護基の量)が20%以下である条件を意味すると意図される。この程度は、しばしば10%以下である。好ましくは5%以下である。1%以下の脱保護度が特に好ましい。
開裂段階は、一般的に60℃以上の温度で行われる。この温度は、しばしば70℃以上である。80℃以上の温度が好ましい。この開裂段階は一般的に150℃以下の温度で行われる。この温度はしばしば130℃以下である。120℃以下の温度が好ましい。
開裂段階は、一般的に1bar(大気圧)以上の圧力で行われる。2bar以上の圧力が好ましい。開裂段階は、一般的に30bar以下の圧力で行われる。5bar以下の圧力が好ましい。
【0028】
段階(c)の第一の採り得る形態では、開裂反応が酸性媒体で行われる。この別の形態では、カルボニル結合がアミド結合であるときに特によく適する。
この形態では、使用されるのが都合よくは、無機酸、例えば硫酸、リン酸又はハロゲン酸、例えばフッ化水素酸及び塩酸の水溶液である。塩酸が好ましい。
適切な場合では、鉱酸の水溶液の規定度が、一般的に少なくとも1Nである。この規定度はしばしば少なくとも2Nである。好ましくは少なくとも3Nである。鉱酸の水溶液の規定度は、一般的にせいぜい8Nである。この規定度は、しばしばせいぜい6Nである。好ましくはせいぜい4Nである。
【0029】
段階(c)の第二の採り得る形態では、開裂反応がアルカリ性媒体で行われる。この形態では、カルボニル結合がエステル又はチオエステル結合であるときに特によく適する。
この別の形態では、使用されるのが都合よくは、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸ナトリウムの水溶液である。
この別の形態では、開裂反応が、一般的に少なくとも9、好ましくは少なくとも11のpHで行われる。この別の形態では、開裂反応が一般的にせいぜい13、好ましくはせいぜい12のpHで行われる。
エステル又はチオエステル、特にチオエステルを、中性又は酸性水性媒体で任意に開裂することもできる。
【0030】
本発明の方法の段階(d)では、エナンチオピュアな化合物及び少なくとも1種のアミノ基が保護基で保護されているアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体が回収される。
回収は、例えば段階(b)に関連して上記した分離技術で行うことができる。好ましい別の形態では、少なくとも1つのアミノ酸基が保護されているアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体が、例えば段階(a)で上記した溶媒を用いる抽出操作によって回収される。
良好な結果が、極性溶媒、特にエステル、好ましくは酢酸エチルを用い、特にN-スルホニル誘導体で得られた。N-スルホニル誘導体、特にN-アリールスルホニル誘導体は、必要に応じて結晶化によって容易に精製することができる。
試薬は、回収されたアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体から出発して、例えば上記の活性化方法によって再生することができる。回収されたアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体は、例えば任意に精製及び/又は活性化後に段階(a)に従った製造用反応に、再利用及び/又は再循環することができる。
【0031】
N-スルホン化されているピログルタミン酸の好ましい場合では、アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体が、対応するN-スルホン化されているグルタミン酸にすることができ、これは例えばPCl5で行われる活性化工程中に環化することができる。
本発明の方法の別の形態では、段階(b)によって、少なくとも1種の他のジアステレオマーを含む少なくとも第二のフラクションがさらに回収され、そのフラクションを段階(c)に従った開裂操作に付し、アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体の追加量、及び任意に、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基を含む化合物の他のエナンチオマーが濃縮されているフラクションがさらに回収される。
【0032】
本発明の方法及び試薬は、エナンチオマーの予備用又は分析用分離に用いることができる。この方法及び試薬は、エナンチオマーの予備用分離に高度に好適である。
本発明は、エナンチオピュアなグルタミン酸又はピログルタミン酸に基づく試薬の使用にも関し、活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1つの官能基を含むエナンチオピュアな化合物の製造のために、当該試薬のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ基は上記のスルホニル保護基で保護されており、且つ当該試薬のアミノ酸の少なくとも1つのカルボキシル基は上記のように活性化されている。
この試薬は、エナンチオピュアな化合物の経済的な調製として特に良好な結果を与えた。
【0033】
以下の例は、本発明を説明することを意図するが、それを限定しない。
【0034】
例1
(2S)-1-トシルピログルタミルクロライド
48.2g(0.15mol、1当量)のNα-トシル-L-グルタミン酸を、400mLのエチルエーテルに溶解させた。この反応媒体を0℃の窒素下に置いた。続いて、94.9g(0.45mol、3当量)のPCl5を0℃で加えた。この反応媒体を室温下で15〜20時間攪拌した。
その後、過剰なPCl5を焼結したガラスフィルターを通して濾過し、750mLの石油エーテルをその濾液に加えた。この混合物を冷蔵庫に入れ、白色固体が沈殿した。それを濾過によって回収した(収率:80%)。
【0035】
例2.1
3-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-3-フェニル-β-アラニン
【化1】

91mmolのペルシリル化されているD/L-3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸の130ml酢酸エチル溶液を、本出願人企業の欧州特許出願公開第184,243号明細書と類似する手順によって調製した。
25.6g(83mmol、1当量)の(2S)-1-トシルピログルタミルクロライドを、130mLの酢酸エチルに溶解させた。この溶液を0℃の窒素下に置いた。続いて、シリル化されているアミノ酸の溶液を加え、12.7g(125mmol、1.5当量)のトリエチルアミンの40mL酢酸エチル溶液も加えた。約30分後、反応を停止した。この媒体を200mLの5%KHSO4水溶液、続いて200mLの5%NaCl水溶液、及び最後に200mLの水で洗浄した。
その有機相をエバポレートしてオイルを得て、これをまずエチルエーテルに溶解して固体を沈殿させ、ブフナー漏斗で濾過した。この固体を再びエチルエーテルに溶解させ、濾過した後、オーブンで乾燥及び粉砕し、31gの粉末を得た(収率:86%)。
【0036】
例2.2
3-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-3-メチル-β-アラニン
【化2】

手順は例2.1と一致するが、反応は600mmolのDL-3-メチル-β-アラニンから出発して行った。得られた収率は76%であった。
【0037】
例2.3
2-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-3-メチル酪酸
【化3】

手順は例2.1と一致するが、反応は70mmolのDL-バリンから出発して行った。得られた収率は84%であった。
【0038】
例2.4
3-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-プロリン
【化4】

手順は例2.1と一致するが、反応は70mmolのDL-プロリンから出発して行った。得られた収率は84%であった。
【0039】
例2.5
1-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-(2'-(β-ヒドロキシエチル))-1-ピペリジン
手順は本質的に例2.1と一致するが、反応は90mmolのペルシリル化されている2-(β-ヒドロキシエチル)ピペリジンの100mL酢酸エチル溶液から出発し、100mL酢酸エチルに溶解している81.8mmolの試薬と反応させ、及びKHSO4による洗浄をNaHCO3による洗浄に置き換えて行った。得られた収率は79%であった。
【0040】
例3.1
3-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-3-フェニル-β-アラニンのジアステレオマーの分離
例2.1によって得られた30gの保護されている3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸のジアステレオマー混合物を、シリカゲルのMPLC(固定相:Porasil 15-20μm、移動相:酢酸エチル+0.1%酢酸)によって分離し、98.7%のd.e.(ジアステレオマー過剰率)で9gのジアステレオ異性体(tr=4.30分)及び96.3%のd.e.で15gの他のジアステレオ異性体(tr=4.55分)を得た。
【0041】
例3.2
3-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-3-メチル-β-アラニンのジアステレオマーの分離
例2.2で得られた17gの保護されている3-アミノ酪酸(tr=3.00及び3.25分)のジアステレオマー混合物を、逆相HPLC(固定相:Chromasil C18、移動相:水/アセトニトリル/酢酸勾配)によって分離し;5.7gのジアステレオ異性体を97.7%のd.e.で、及び6.5gの他のジアステレオ異性体を92.7%のd.e.で得た。
【0042】
例3.3
1-[5-(5S)-(1-トシル)-(2-ピロリドニル)]アセトアミド-(2'-(β-ヒドロキシエチル))-1-ピペリジンのジアステレオマーの分離
例2.5で得られた22.5gの保護されている2-(β-ヒドロキシエチル)ピペリジンのジアステレオマー混合物を、カラムクロマトグラフィー(固定相:Kromasil Sil 16μm、移動相:3体積%イソプロパノールの酢酸イソプロピル溶液)によって分離し;4.5gのジアステレオ異性体を98.9%のd.e.でtrが7.1分、及び8.5gの他のジアステレオ異性体を93.9%のd.e.でtrが5.4分が得られた。
【0043】
例4.1
エナンチオピュアな3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸の単離及びNα-トシル-L-グルタミン酸の回収
例3.1により回収されたtr=4.30分で3.3gのジアステレオ異性体フラクションを、120℃のオートクレーブで16時間、100mLの4N塩酸で処理した。これにより、2.2gのNα-トシル-L-グルタミン酸を、酢酸エチルによる抽出で回収することができた(収率:95%)。
水相にある3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸を、Dowex AG 50 W NH4+樹脂のクロマトグラフィーの後、その中性の形態で単離した。1.0gのD異性体が、98.4%のエナンチオマー過剰率で単離された(収率:79%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオピュアな化合物の、前記化合物のエナンチオマーの混合物から出発する製造方法であって、
(a)前記エナンチオマーの混合物及びエナンチオピュアなアミノ酸に基づく試薬を含む反応媒体であって、当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのアミノ基が保護基によって保護されており、且つ当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのカルボキシル基が活性化されている反応媒体を、前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基と、前記活性化されているカルボキシル基との反応を引き起こすのに適切な条件に付して、カルボニル結合を形成し;
(b)得られたジアステレオマーの混合物を分離操作に付し、本質的にジアステレオマーからなる少なくとも1つのフラクションを得て;
(c)前記フラクションの少なくとも一部を、前記保護基が本質的に安定な条件下で前記カルボニル結合の開裂段階に付し;及び
(d)前記エナンチオピュアな化合物及び少なくとも1つのアミノ基が前記保護基によって保護されている前記アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体が回収される、
方法。
【請求項2】
前記活性化されているカルボキシル基が、酸ハロゲン化物又は無水物、好ましくは酸塩化物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記カルボキシル基が、現場で活性化される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記保護基が、スルホニル基、特にアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、好ましくはアリールスルホニル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記試薬が、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、セリン、イソセリン、ホモセリン、トレオニン、アロトレオニン、メチオニン、エチオニン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、グルタミン、シトルリン、(1-ナフチル)アラニン、(2-ナフチル)アラニン、ホモフェニルアラニン、(4-クロロフェニル)アラニン、(4-フルオロフェニル)アラニン、(3-ピリジル)アラニン、フェニルグリシン、ジアミノピメリン酸(2,6-ジアミノヘプタン-1,7-ジオン酸)、2-アミノ酪酸、2-アミノテトラリン-2-カルボン酸、エリスロ-β-メチルフェニルアラニン、トレオ-β-メチルフェニルアラニン、(2-メトキシフェニル)アラニン、1-アミノ-5-ヒドロキシインダン-2-カルボン酸、2-アミノヘプタン-1,7-ジオン酸、(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)アラニン、エリスロ-β-メチルチロシン及びトレオ-β-メチルチロシンからなる群から選択されるエナンチオピュアなアミノ酸に基づく、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記試薬が、(2S)-ピログルタミン酸に基づく、請求項5記載の方法。
【請求項7】
段階(a)が、塩基の存在下且つ-30〜+50℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
段階(b)が、結晶化操作又はクロマトグラフィー操作である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基が、任意にモノアルキル化されているアミノ基、ヒドロキシル基又はチオール基から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記カルボニル結合がアミド結合であり、且つ前記開裂反応が酸性媒体で行われる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
用いられるのが、1〜8Nの規定度を示す無機酸、好ましくは塩酸の水溶液である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記開裂反応が、60〜150℃の温度で行われる、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基を含む化合物が、アミノ酸である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記アミノ酸がβ-アミノ酸である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記カルボニル結合がエステル又はチオエステル結合であり、且つ前記開裂反応がアルカリ性媒体で行われる、請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記開裂反応が、8〜12のpHで行われる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記開裂反応が、60〜120℃の温度で行われる、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基を含む化合物が、アルコールである、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
段階(b)によって、少なくとも1種の他のジアステレオマーを含む少なくとも1種の第二のフラクションがさらに回収され、当該フラクションを段階(c)に従った開裂操作に付し、前記アミノ酸のエナンチオピュアな誘導体の追加量、及び任意に、前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる官能基を含む化合物の他のエナンチオマーに富むフラクションがさらに回収される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
試薬が、前記回収されたアミノ酸のエナンチオピュアな誘導体から出発して再生される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
エナンチオピュアなグルタミン酸又はピログルタミン酸に基づく試薬の使用であって、当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのアミノ基がスルホニル保護基によって保護されており、且つ当該試薬における前記アミノ酸の少なくとも1つのカルボキシル基が活性化されていて、前記活性化されているカルボキシル基と反応することのできる少なくとも1種の官能基を含むエナンチオピュアな化合物を製造するための、使用。

【公表番号】特表2007−527404(P2007−527404A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525828(P2006−525828)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052094
【国際公開番号】WO2005/023838
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) (252)
【Fターム(参考)】