説明

エレベータシステム

【課題】乗りかごまたはカウンターウエイトの位置および速度を正確に算出することができ、これにより乗りかごまたはカウンターウエイトを安全に制御することができるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステムは、エレベータの乗りかご12と、乗りかご12を昇降路11内で昇降させる巻上機32と、乗りかご12にメインロープ25を介して連結されたカウンターウエイト18とを有している。また乗りかご12またはカウンターウエイト18の加速度を検出する加速度センサ16a、16bが設けられ、加速度センサ16a、16bに制御装置26が接続され、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12またはカウンターウエイト18の加速度を2回積分することにより、乗りかご12またはカウンターウエイト18の位置を正確に算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗りかごと、乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムに係り、とりわけ加速度センサによって乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度を検出するエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータシステムを図9に示す。図9において、乗りかご12の速度が異常であることは調速機(ガバナ装置)27によって検知される。乗りかご12の速度がある一定値を超えことをガバナ装置27が検知した場合、乗りかご12下部に設けられた安全装置(セフティ)30a、30bが作動し、安全装置30a、30bがガイドレール14a、14bを掴んで乗りかご12を停止させるようになっている。また巻上機32に巻上機制動装置(ブレーキ)35が連結されている。この巻上機制動装置35が閉じられている際に、万一乗りかご12が動き出した場合、メインロープ25を掴んで乗りかご12を停止させるためのロープブレーキ39が設けられている。
【0003】
ところで、従来のエレベータシステムにおいて、巻上機32のモータ21の回転数をモータ21に設けられたモータパルスジェネレータ22が検出することより乗りかご12の位置を算出している。しかしながら、メインロープ25の伸びやすべり、または巻上機32のシーブ20が磨耗してシーブ径が減少することも生じうる。この場合、モータ21の回転数に基づいて乗りかご12の位置を算出しようとしても、算出された乗りかご12の位置と実際の乗りかご12の位置との間にずれが生じる可能性がある。
【0004】
一方、引用文献1および引用文献2には、エレベータの乗りかご内に加速度センサを設置する技術が示されている。
【特許文献1】特開平11−248732号公報
【特許文献2】特開平9−315716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、加速度センサによって乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度を検出することにより、乗りかごまたはカウンターウエイトの位置および速度を正確に算出することができ、これにより乗りかごまたはカウンターウエイトを安全に制御することができるエレベータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置とを備え、前記制御装置は、前記加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を2回積分することにより、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置を算出することを特徴とするエレベータシステムである。
【0007】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を検出する加加速度センサと、前記加加速度センサに接続された制御装置とを備え、前記制御装置は、前記加加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を3回積分することにより、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置を算出することを特徴とするエレベータシステムである。
【0008】
本発明は、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置を更に備え、前記制御装置は、算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置に基づいて前記乗りかごを停止させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0009】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記制御装置は、前記加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を1回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度を算出し、この乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機を減速させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0010】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を検出する加加速度センサと、前記加加速度センサに接続された制御装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記制御装置は、前記加加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を2回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度を算出し、この前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機を減速させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0011】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機の減速度を低下させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0012】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を検出する加加速度センサと、前記加加速度センサに接続された制御装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を1回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を算出し、この前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機の減速度を低下させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0013】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置と、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記モータを止めて、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0014】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を検出する加加速度センサと、前記加加速度センサに接続された制御装置と、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を1回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を算出し、この前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記モータを止めて、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0015】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置と、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる予備制動装置とを備え、前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて、更に前記予備制動装置を動作させることにより、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0016】
本発明は、エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を検出する加加速度センサと、前記加加速度センサに接続された制御装置と、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置と、前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる予備制動装置とを備え、前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を1回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を算出し、この前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて、更に前記予備制動装置を動作させることにより、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステムである。
【0017】
本発明は、前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を2回積分することにより算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置と、前記モータの回転数に基づいて算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置との差を算出することを特徴とするエレベータシステムである。
【0018】
本発明は、前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加加速度を3回積分することにより算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置と、前記モータの回転数に基づいて算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置との差を算出することを特徴とするエレベータシステムである。
【0019】
本発明は、前記加速度センサは、前記乗りかごに設けられていることを特徴とするエレベータシステムである。
【0020】
本発明は、前記加加速度センサは、前記乗りかごに設けられていることを特徴とするエレベータシステムである。
【0021】
本発明は、前記加速度センサは、前記カウンターウエイトに設けられていることを特徴とするエレベータシステムである。
【0022】
本発明は、前記加加速度センサは、前記カウンターウエイトに設けられていることを特徴とするエレベータシステムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、加速度センサ(加加速度センサ)から送信された乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度(加加速度)を2回(3回)積分することにより、乗りかごまたはカウンターウエイトの位置を算出するので、巻上機のシーブが磨耗してシーブ径が減少した場合であっても、乗りかごまたはカウンターウエイトの位置を正確に算出することができる。
【0024】
また、本発明によれば、制御装置は、算出した乗りかごまたはカウンターウエイトの位置に基づいて乗りかごを停止させる。これにより、乗りかごの戸開時に乗りかごまたはカウンターウエイトが所定位置から基準値を超えて移動した場合に、乗りかごまたはカウンターウエイトを安全に停止させることができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、制御装置は、加速度センサ(加加速度センサ)から送信された乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度(加加速度)を1回(2回)積分することにより乗りかごまたはカウンターウエイトの速度を算出し、この乗りかごまたはカウンターウエイトの速度に基づいて巻上機制動装置を制御することにより、巻上機を減速させる。これにより、乗りかごまたはカウンターウエイトの速度が基準値を超えた場合に、乗りかごまたはカウンターウエイトを安全に減速または停止させることができる。
【0026】
さらにまた、本発明によれば、制御装置は、乗りかごまたはカウンターウエイトの非常制動時に、加速度センサ(加加速度センサ)からの乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度(加加速度)に基づいて巻上機制動装置を制御することにより、巻上機の減速度を低下させる。これにより、乗りかごまたはカウンターウエイトの減速度が基準値を超えた場合に、乗りかごまたはカウンターウエイトを緩やかに減速させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0027】
さらにまた、本発明によれば、制御装置は、巻上機制動装置を動作させる乗りかごまたはカウンターウエイトの非常制動時に、加速度センサ(加加速度センサ)からの乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度(加加速度)に基づいてモータを止めて、巻上機を停止させる。これにより、非常制動時に乗りかごまたはカウンターウエイトを確実に停止させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0028】
さらにまた、本発明によれば、制御装置は、巻上機制動装置を動作させる乗りかごまたはカウンターウエイトの非常制動時に、加速度センサ(加加速度センサ)からの乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度(加加速度)に基づいて、更に予備制動装置を動作させることにより、巻上機を停止させる。これにより、乗りかごまたはカウンターウエイトの非常制動時に乗りかごまたはカウンターウエイトを確実に停止させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0029】
さらにまた、本発明によれば、制御装置は、乗りかごまたはカウンターウエイトの加速度を2回積分することにより算出した乗りかごまたはカウンターウエイトの位置と、モータの回転数に基づいて算出した乗りかごまたはカウンターウエイトの位置との差を算出する。したがって、通常のメンテナンスでは判断しにくいシーブの溝の磨耗やロープクリープ(巻上機のモータの回転数に基づいて算出した乗りかごの位置と実際の乗りかごの位置とがずれる現象)等が生じたか否かを容易に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
ここで、図1は、エレベータシステムの全体を示す図であり、図2は、巻上機を示す正面図である。また図3は、図2のA方向矢視図であり、図4は、乗りかごを示す斜視図である。また、図5は、カウンターウエイトを示す図であり、図6は、エレベータシステムの接続関係を示す図である。
【0031】
まず、図1乃至図6により、エレベータシステムの構成について説明する。
図1に示すように、エレベータシステム10は、各階の乗り場15aを有する建屋15内に設けられた昇降路11と、一対のガイドレール14a、14bに案内されて昇降路11内を昇降する乗りかご12とを有している。また乗りかご12に、メインロープ25を介してカウンターウエイト18が連結されている。このカウンターウエイト18は、乗りかご12と連動して昇降路11内を昇降するものである。また乗りかご12の前面に、左右方向に開閉する一対のドア12L、12Rが設けられ、乗りかご12の下部にはガイドレール14a、14bと係合して乗りかご12を非常停止させる安全装置30a、30bが設けられている。
【0032】
昇降路11の頂部には機械室24が設置されている。この機械室24内には後述する制御装置26が設けられ、またメインロープ25が架け渡されたそらせシーブ23が配設されている。
【0033】
また、機械室24内にエレベータのガバナ装置27が設けられている。このガバナ装置27はガバナシーブ28を有し、ガバナシーブ28にガバナロープ29が巻装されている。このガバナロープ29は、ガイドレール14a、14bの下方に設けられたガバナテンショナ34にも巻装されている。またガバナロープ29は、乗りかご12の背面に固定されている。
【0034】
一方、機械室24内には、乗りかご12およびカウンターウエイト18を昇降路11内で昇降させる巻上機32が設置されている。
【0035】
図2に示すように、巻上機32は、メインロープ25が巻装されたシーブ20と、シーブ20に連結され、シーブ20を軸20a中心に回転駆動させるモータ21と有している。またモータ21に、モータ21の回転数を検出して制御装置26に送信するモータパルスジェネレータ22が取付けられている。
【0036】
また図3に示すように、シーブ20の軸20aに円盤状のブレーキドラム31が固定されている。このブレーキドラム31の周囲に、巻上機32のシーブ20に当接して巻上機32を減速させる2つの巻上機制動装置(ブレーキ)35a、35bが設けられている。
【0037】
次に、図4および図5により加速度センサについて説明する。
図4において、加速度センサ16aは、乗りかご12の下面に設けられた下梁13に設けられている。加速度センサ16aは、乗りかご12が上下方向へ移動する際の加速度を検出する機能を有し、検出した加速度を制御装置26へ送信可能となっている。なお加速度センサ16aは、直接的には乗りかご12の加速度を検出するものであるが、上述したように乗りかご12とカウンターウエイト18とがメインロープ25を介して連結されているので、間接的にカウンターウエイト18の加速度(乗りかご12の加速度と向きが反対になる)を検出することもできる。このような加速度センサ16aとしては、公知のものを用いることができる。
【0038】
一方、図5において、カウンターウエイト18は、複数のウエイト17と、これらのウエイト17を上方から係止する一対のウエイトおさえ19a、19bとを有している。加速度センサ16bは、最上段のウエイト17の上部であってウエイトおさえ19a、19bの間に設けられている。この加速度センサ16bは、カウンターウエイト18が上下方向へ移動する際の加速度を検出する機能を有し、検出した加速度を制御装置26へ送信可能となっている。なお加速度センサ16bは、直接的にはカウンターウエイト18の加速度を検出するものであるが、上述した加速度センサ16aと同様、間接的に乗りかご12の加速度(カウンターウエイト18の加速度と向きが反対になる)を検出することもできる。このような加速度センサ16bとしては、加速度センサ16aと同様に公知のものを用いることができる。
【0039】
ところで、上述したように、乗りかご12とカウンターウエイト18とは連動しているので、乗りかご12側の加速度センサ16aとカウンターウエイト18側の加速度センサ16bのうちいずれか一方が設けられていれば、乗りかご12の加速度およびカウンターウエイト18の加速度を両方とも検出することができる。しかしながら、万一メインロープ25が切断された場合のことを考慮すると、乗りかご12側の加速度センサ16aおよびカウンターウエイト18側の加速度センサ16bが両方とも設けられていることが好ましい。
【0040】
次に、図6により上述したエレベータシステムの制御装置について更に説明する。
図6において、制御装置26に、加速度センサ16a、16bおよびモータパルスジェネレータ22が接続されている。このうち加速度センサ16a、16bは、乗りかご12の加速度およびカウンターウエイト18の加速度をそれぞれ制御装置26に送信する。一方、モータパルスジェネレータ22は、モータ21の回転数を制御装置26に送信する。
【0041】
制御装置26は、上昇加速防止装置36および戸開走行防止装置37を介して巻上機制動装置35a、35bおよびモータ21に接続されている。すなわち制御装置26からの制御信号は、上昇加速防止装置36を介して巻上機制動装置35a、35bおよびモータ21に送信され、あるいは戸開走行防止装置37を介して巻上機制動装置35a、35bおよびモータ21に送信される。
【0042】
また、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を1回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度を算出し、さらにこの速度を1回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を算出する機能を有している。また制御装置26は、モータパルスジェネレータ22から送信されたモータ21の回転数の信号に基づいて、乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を算出する機能も有している。
【0043】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず、制御装置26は、エレベータの通常運転時において、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を2回積分することにより、乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を常時算出する。
【0044】
次に、乗りかご12は、各階の乗り場15aに停止し、乗りかご12のドア12L、12Rが開となるともに、巻上機32の巻上機制動装置35a、35bが作動する。
【0045】
この際、仮に乗りかご12の位置が、乗り場15aのフロアレベルから基準値を超える位置になったとする。この場合、制御装置26は、算出した乗りかご12の位置に基づいて乗りかご12およびカウンターウエイト18を停止させる。すなわち制御装置26は、制御信号を戸開走行防止装置37へ送信し、次いで戸開走行防止装置37は、安全装置30a、30bを作動させて乗りかご12およびカウンターウエイト18を非常停止させる。これにより乗りかご12へ乗降する乗客が挟まれる事故を確実に防止することができ、安全性を高めることができる。なお、制御装置26は、カウンターウエイト18の位置を算出し、このカウンターウエイト18の位置に基づいて乗りかご12およびカウンターウエイト18を非常停止させることもできる。
【0046】
このように本実施の形態によれば、制御装置26は、算出した乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置に基づいて乗りかご12およびカウンターウエイト18を停止させる。これにより、乗りかご12の戸開時に乗りかご12およびカウンターウエイト18が所定位置から基準値を超えて移動した場合に、乗りかご12およびカウンターウエイト18を安全に停止させることができる。
【0047】
第2の実施の形態
次に図1乃至図6により本発明の第2の実施の形態について説明する。
図1乃至図6は、本発明によるエレベータシステムの第2の実施の形態を示している。第2実施の形態において、制御装置による制御内容が異なるのみであり、他は第1の実施の形態と同一である。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分について詳細な説明は省略する。
【0048】
図1乃至図6において、制御装置26は、エレベータの通常運転時に、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を1回積分することにより、乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度を常時算出する。
【0049】
この際、仮に乗りかご12の速度が基準値を超えたとする。この場合、制御装置26は、算出した乗りかご12の速度に基づいて巻上機制動装置35a、35bを制御し、巻上機32を減速または停止させる。すなわち制御装置26は、制御信号を上昇加速防止装置36へ送信し、次いで上昇加速防止装置36は、巻上機制動装置35a、35bを作動させて巻上機32を減速または停止させる。したがって、乗りかご12およびカウンターウエイト18も減速または停止する。
【0050】
なお、制御装置26は、カウンターウエイト18の位置を算出し、このカウンターウエイト18の速度に基づいて巻上機32を減速または停止させても良い。また乗りかご12が機械室24へ衝突することを確実に防止するため、上昇加速防止装置36は、乗りかご12が上昇する場合にのみ巻上機制動装置35a、35bを作動させ、乗りかご12が下降する場合には巻上機制動装置35a、35bを作動させなくても良い。
【0051】
このように本実施の形態によれば、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を1回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度を算出し、この乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度に基づいて巻上機制動装置35a、35bを制御することにより、巻上機32を減速または停止させる。これにより、乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度が基準値を超えた場合に、乗りかご12およびカウンターウエイト18を安全に減速または停止させることができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、実際の乗りかご12の速度を正確に検出することができるので、ガバナ装置27の回転数を検出するガバナパルスジェネレータが不要となり、エレベータシステムのコストを削減することができる。
【0053】
第3の実施の形態
次に図1乃至図6により本発明の第3の実施の形態について説明する。
図1乃至図6は、本発明によるエレベータシステムの第3の実施の形態を示している。第3実施の形態において、制御装置による制御内容が異なるのみであり、他は第1の実施の形態と同一である。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分について詳細な説明は省略する。
【0054】
図1乃至図6において、制御装置26は、エレベータの通常運転時に、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を常時監視している。
【0055】
次に、乗りかご12およびカウンターウエイト18が非常制動される場合を想定する。この非常制動の際、2つの巻上機制動装置35a、35bは、いずれも巻上機32のシーブ20に当接して巻上機32を減速させる(図3参照)。
【0056】
この間、制御装置26は、加速度センサ16a、16bからの乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度に基づき、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を上回った場合(すなわち加速度が一定の基準値(<0)を下回った場合)、巻上機制動装置35a、35bを制御する。これにより、巻上機32の減速度を低下させ、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度を低下させる。
【0057】
すなわち制御装置26は、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を上回った場合、巻上機制動装置35a、35bに制御信号を送信する。これにより、2つの巻上機制動装置35a、35bのうちいずれか一方を開放させ、巻上機32の減速度を低下させる。このようにして、乗りかご12内の乗客に衝撃および不快感を与えずに、乗りかご12を停止させることができる。
【0058】
このように本実施の形態によれば、制御装置26は、乗りかご12およびカウンターウエイト18の非常制動時に、加速度センサ16a、16bからの乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度に基づいて巻上機制動装置35a、35bを制御することにより、巻上機32の減速度を低下させる。これにより、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を超えた場合に、乗りかご12およびカウンターウエイト18を緩やかに減速させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0059】
第4の実施の形態
次に図1乃至図6により本発明の第4の実施の形態について説明する。
図1乃至図6は、本発明によるエレベータシステムの第4の実施の形態を示している。第4実施の形態において、制御装置による制御内容が異なるのみであり、他は第1の実施の形態と同一である。第4の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分について詳細な説明は省略する。
【0060】
図1乃至図6において、エレベータの通常運転時に、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を常時監視している。
【0061】
次に、乗りかご12およびカウンターウエイト18が非常制動される場合を想定する。この非常制動の際、2組の巻上機制動装置35a、35bは、いずれも巻上機32のシーブ20に当接して巻上機32を減速させる(図3参照)。
【0062】
この間、制御装置26は、加速度センサ16a、16bからの乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度に基づき、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を下回った場合(すなわち加速度が一定の基準値(<0)を上回った場合)、巻上機制動装置35a、35bの効きが不十分であると判断してモータ21を止める。これにより、巻上機32を停止させ、乗りかご12およびカウンターウエイト18を停止させる。
【0063】
すなわち制御装置26は、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を下回った場合、モータ21へ制御信号を送信しモータ21のダイナミックブレーキを作動させる。すなわちモータ21内の回路を短絡してモータ21を停止させ、これにより巻上機32を停止させる。
【0064】
このように本実施の形態によれば、制御装置26は、巻上機制動装置35a、35bを動作させる乗りかご12およびカウンターウエイト18の非常制動時に、加速度センサ16a、16bからの乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度に基づいてモータ21を止めて、巻上機32を停止させる。これにより、非常制動時に乗りかご12およびカウンターウエイト18を確実に停止させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0065】
第5の実施の形態
次に図1乃至図7により本発明の第5の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、本発明によるエレベータシステムの第5の実施の形態を示している。第5実施の形態において、制御装置による制御内容が異なるのみであり、他は第1の実施の形態と同一である。第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分について詳細な説明は省略する。
【0066】
図7は、図3のB方向矢視図である。図7に示すように、ブレーキドラム31の周囲に、2つの巻上機制動装置35a、35bに加えて、更に1つの予備制動装置38が設けられている。この予備制動装置38は、制御装置26に接続されている。
【0067】
エレベータの通常運転時に、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を常時監視している。
【0068】
次に、乗りかご12およびカウンターウエイト18が非常制動される場合を想定する。この非常制動の際、2組の巻上機制動装置35a、35bがいずれも巻上機32のシーブ20に当接して巻上機32を減速させる。
【0069】
この際、制御装置26は、加速度センサ16a、16bからの乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度に基づき、乗りかご12およびカウンターウエイト18の減速度が基準値を下回った場合(すなわち加速度が一定の基準値(<0)を上回った場合)、巻上機制動装置35a、35bの効きが不十分であると判断し、更に予備制動装置38を動作させる。これにより、巻上機32を停止させ、乗りかご12およびカウンターウエイト18を確実に停止させる。
【0070】
このように本実施の形態によれば、制御装置26は、巻上機制動装置35a、35bを動作させる乗りかご12およびカウンターウエイト18の非常制動時に、更に予備制動装置38を動作させることにより巻上機32を停止させる。これにより、非常制動時に乗りかご12およびカウンターウエイト18を確実に停止させることができ、エレベータの安全性を向上させることができる。
【0071】
第6の実施の形態
次に図1乃至図6および図8により本発明の第6の実施の形態について説明する。
図1乃至図6および図8は、本発明によるエレベータシステムの第6の実施の形態を示している。第6実施の形態において、制御装置による制御内容が異なるのみであり、他は第1の実施の形態と同一である。第6の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分について詳細な説明は省略する。
【0072】
図1乃至図6において、制御装置26は、加速度センサ16a、16bから送信された乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を2回積分することにより、乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を算出する。また制御装置26は、モータパルスジェネレータ22から送信されたモータ21の回転数の信号に基づいて、乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を算出する。
【0073】
その後、制御装置26は、このようにして加速度を2回積分することにより算出した乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置と、モータ21の回転数の信号に基づいて算出した乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置との差を算出する。
【0074】
ところで、図8は、シーブ20の垂直断面図である。図8に示すように、シーブ20の長手方向に沿って各メインロープ25を保持する溝20b1、b2、・・・が形成されている。
【0075】
図8に示すように、メインロープ25がシーブ20の溝20b1、b2、・・・内を長期間摺動することにより、シーブ20の溝20b1、b2、・・・が摩耗することが考えられる(仮想線)。
【0076】
これに対して、制御装置26は、乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を2回積分することにより算出した乗りかご12の位置と、モータ21の回転数に基づいて算出した乗りかご12の位置との差を算出するので、乗りかご12またはカウンターウエイト18の位置にずれが生じたか否かを判断することができる。したがって、通常のメンテナンスでは判断しにくいシーブ20の溝20b1、b2、・・・の磨耗やロープクリープ(巻上機32のモータ21の回転数に基づいて算出した乗りかご12の位置と実際の乗りかご12の位置とがずれる現象)等が生じたか否かを容易に判断することができる。
【0077】
変形例
なお、上述した各実施の形態において、加速度センサ16a、16bに代えて加加速度センサを用いても良い。この場合、制御装置26は、加加速度センサから送信された加加速度を1回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の加速度を算出し、加加速度を2回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の速度を算出し、加加速度を3回積分することにより乗りかご12およびカウンターウエイト18の位置を算出する。その他の構成は上述した各実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、エレベータシステムの全体を示す図。
【図2】図2は、巻上機を示す正面図。
【図3】図3は、図2のA方向矢視図。
【図4】図4は、乗りかごを示す斜視図。
【図5】図5は、カウンターウエイトを示す図。
【図6】図6は、エレベータシステムの接続関係を示す図。
【図7】図7は、図3のB方向矢視図。
【図8】図8は、シーブの垂直断面図。
【図9】図9は、従来のエレベータシステムを示す図。
【符号の説明】
【0079】
10 エレベータシステム
11 昇降路
12 乗りかご
14a、14b ガイドレール
15 建屋
16a、16b 加速度センサ
18 カウンターウエイト
20 シーブ
21 モータ
22 モータパルスジェネレータ
24 機械室
25 メインロープ
26 制御装置
27 ガバナ装置
29 ガバナロープ
30a、30b 安全装置
31 ブレーキドラム
32 巻上機
35a、35b 巻上機制動装置
36 上昇加速防止装置
37 戸開走行防止装置
38 予備制動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を2回積分することにより、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置を算出することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置を更に備え、
前記制御装置は、算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置に基づいて前記乗りかごを停止させることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項3】
エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置と、
前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、
前記制御装置は、前記加速度センサから送信された前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を1回積分することにより前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度を算出し、この前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機を減速させることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項4】
エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置と、
前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、
前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記巻上機制動装置を制御することにより、前記巻上機の減速度を低下させることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項5】
エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置と、
前記巻上機を減速させる巻上機制動装置とを備え、
前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、
前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて前記モータを止めて、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項6】
エレベータの乗りかごと、前記乗りかごを昇降路内で昇降させる巻上機と、前記乗りかごにメインロープを介して連結されたカウンターウエイトとを有するエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置と、
前記巻上機を減速させる巻上機制動装置と、
前記制御装置に接続され、前記巻上機を減速させる予備制動装置とを備え、
前記制御装置は、前記巻上機制動装置を動作させる前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの非常制動時に、前記加速度センサからの前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度に基づいて、更に前記予備制動装置を動作させることにより、前記巻上機を停止させることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項7】
前記巻上機は、前記メインロープが巻装されたシーブと、前記制御装置に接続されるとともに前記シーブを駆動させるモータとを有し、
前記制御装置は、前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの加速度を2回積分することにより算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置と、前記モータの回転数に基づいて算出した前記乗りかごまたは前記カウンターウエイトの位置との差を算出することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記加速度センサは、前記乗りかごに設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記加速度センサは、前記カウンターウエイトに設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−220904(P2009−220904A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64245(P2008−64245)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】