説明

オキサジアゾール誘導体

本発明は、一般式(I)の化合物(ただし、R1、R2、Ra、Rb、W、Q、Sは、請求項1に与えた意味を持つ)に関する。この化合物は、例えば自己免疫性疾患(例えば多発性硬化症)の治療に役立つ。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】

(式中、
R1、R2は、H、Hal、CF3、OCF3、CN、NO2、OH、A、OAを表わし、
Sは、COOR3、SO2NH2、CON(R3)2、Zのいずれかであり、
Qは、X(CH2)m、(CH2)mX(CH2)m、単結合のいずれかを表わし、
Xは、-O-、-NR3-、-COO-、-CONR3-のいずれかであり、
Wは、CHまたはNであり、
Raは、Ar、Het、NA2、NO2のいずれかであるか、R1またはR2がHalである場合、またはQが(CH2)mX(CH2)mである場合には、OAでもあり、
RbはA、Hal、OCF3、(CH2)nOH、(CH2)nOA、CN、NO2、N(R3)2、(CH2)nSO2N(R3)2、SO2N(R3)2、(CH2)nNR3SO2A、(CH2)nSO2A、(CH2)nN(SO2A)2、NR3CON(R3)2、NR3COA、NR3SO2N(R3)2のいずれかであるか、R1またはR2がHalである場合には、CF3、OR3でもあり、
Aは、1〜12個の炭素原子を持つ分岐鎖アルキルまたは直鎖アルキル(ただし、1又は複数個のHal、OR3、COOR3、CN、N(R3)2、Hetのいずれかで置換されていてもよく、1又は複数個の隣接していないCH2基が、O、NR3、CO、Sのいずれかによって、および/または-CH=CH-基、-C≡C-基、3〜7個の炭素原子を持つシクロアルキレン基によって置換されていてもよい)であるか、3〜7個の炭素原子を持つシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキレンを表わし、
Zは、1〜12個の炭素原子を持つ分岐鎖アルキルまたは直鎖アルキル(ただし、1又は複数個のOR3、COOR3、CON(R3)2、CN、SO2A、N(R3)2、Hetのいずれかで置換されている、および/または1又は複数個の隣接していないCH2基は、-O-、-COO-、-NR3-、-NBoc-、-CO-、-S-、-SO2-のいずれかによって、および/または-CH=CH-基、-C≡C-基、3〜7個の炭素原子を持つシクロアルキレン基によって置換されている)であるか、3〜7個の炭素原子を持つシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキレンを表わし、
Halは、F、Cl、Br、Iのいずれかであり、
Arは、単環または二環の飽和炭素環、不飽和炭素環、芳香族炭素環のいずれかであって炭素原子を6〜14個持つものを表わし、この炭素環は、Hal、および/またはA、および/またはOR3、および/またはN(R3)2、および/またはNO2、および/またはCN、および/またはCOOR3、および/またはCF3、および/またはOCF3、および/またはCON(R3)2、および/またはNR3COA、および/またはNR3CON(R3)2、および/またはNR3SO2A、および/またはCOR3、および/またはSO2N(R3)2、および/またはSOA、および/またはSO2A、および/またはフェニル、および/またはピリジル、および/または-[C(R3)2]n-COOR3、および/または-O[C(R3)2]n-CON(R3)2で一置換、または二置換、または三置換されて、このAr基をこの分子の残部と結合している原子に隣接する少なくとも1つの原子が上記置換基のうちの1つを有するようにされていてもよく、
Hetは、単環または二環の飽和複素環、不飽和複素環、芳香族複素環のいずれかであって1〜4個のN原子、および/またはO原子、および/またはS原子を持つものを表わし、この複素環は、Hal、および/またはA、および/または-[C(R3)2]n-Ar、および/または-[C(R3)2]n-シクロアルキル、および/またはOR3、および/またはCF3、および/またはOCF3、および/またはN(R3)2、および/またはNR3CON(R3)2、および/またはNO2、および/またはCN、および/または-[C(R3)2]n-COOR3、および/または-[C(R3)2]n-CON(R3)2、および/またはNR3COA、および/またはNR3SO2A、および/またはCOR3、および/またはSO2N(R3)2、および/またはSOA、および/またはフェニル、および/またはピリジル、および/またはSO2Aで一置換、または二置換、または三置換されて、このHet基をこの分子の残部と結合している原子に隣接する少なくとも1つの原子が上記置換基のうちの1つを有するようにされていてもよく、
R3は、HまたはAであり;2つのR3基が合わさって、これらの基が結合する原子とで環を形成してもよく、
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8のいずれかであり、
mは、1、2、3、4、5、6、7、8のいずれかである)と、
その薬理学的に許容可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中には、これらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)。
【請求項2】
構造式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IE)、(IF)、(IG)、(IH)、(IJ)、(IK):
【化2】

【化3】

(ただし、R1、R2、R3、Ra、Rb、Q、S、Wは請求項1で定義した通りであり、
DはR2またはQ-Sを表わし、
EはR1を表わし、
Gは、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アミド基、アミン基、シアノ基、アルコール基のいずれかで終わる直鎖または分岐鎖の炭素を表わし、任意に1または2個の酸素原子および/または窒素原子、1-CONR3-基、またはC3〜C6シクロアルキルを含んでおり、
Z'はArまたはHetを表わし、
Rxは、Hal、A、OR3、N(R3)2、NO2、CN、COOR3、CF3、OCF3、CON(R3)2、NR3COA、NR3CON(R3)2、NR3SO2A、COR3、SO2N(R3)2、SOA、SO2A、フェニル、ピリジル、-[C(R3)2]n-COOR3、-O[C(R3)2]n-CON(R3)2のいずれかを表わし(ただしnは請求項1で定義した通りである)と、
構造(IL):
【化4】

(ただしR2は請求項1で定義した通りであり、KはAを表わし、Lは-(CH2)mX(CH2)mS(ここにmとSは請求項1で定義した通りである)を表わし、Xは-NR3-、-COO-、-CONR3(ここにR3は請求項1で定義した通りである)のいずれかを表わす)を持つ、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
Arが、以下の基:
【化5】

の一方を表わす(ただし、X1とX2は、互いに独立に、F、Cl、-OCH3、-CH3、-C2H5、-CF3、-OCF3、-O-イソプロピル、-O-イソブチル、-OCH2CN、-OCH2シクロプロピル、-CH2OH、-CH2O-イソプロピル、-CH2O-イソブチル、-CH2OCH2シクロプロピル、-CH2NMe2、-CH2OC2H5、-NHCOMe、-NHCOEt、-NHSO2NMe2、-NHSO2プロピル、-CH2モルホリン、-CH2ピロリジン、-CH2NHMe、-SO2Me、-CH2SO2Me、-C≡C-CH2OMe、-(CH2)3OMe、-O(CH2)2OMe、-CO2H、-OH、-NO2、-CN、-NHSO2CH3、および/またはフェニル、ピリジル、ピペリジン、モルホリンのいずれかを表わす)、請求項1または2に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
Hetが、以下の基:
【化6】

【化7】

のうちの1つを表わす(ただし、X1、X2、R3は、請求項1〜3で定義した通りである)、請求項1または2に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項5】
QSが、-COOR3、-CON(R3)(CH2)nCO2R3、-CONR3(C3〜C6シクロアルキル)CO2R3、-CH2N(R3)(CH2)nCO2R3、-CH2NR3(C3〜C6シクロアルキル)CO2R3、-CH2O(CH2)nCO2R3、-CH2O(C3〜C6シクロアルキル)CO2R3、-O(CH2)nCO2R3、-O(C3〜C6シクロアルキル)CO2R3(ただしnとR3は上に定義した通りである)を表わす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項6】
以下のグループ1〜195:
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

で表わされる請求項1に記載の一般式(I)の化合物と、その薬理学的に許容可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中には、これらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)。
【請求項7】
GTPγSの中でのS1P1受容体への結合に関するEC50が約5μM未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項8】
a)一般式(A)の化合物:
【化49】

(ただし、W、Ra、Rbは上に示したのと同じ意味を持ち、TはOHまたは離脱基(Cl、Br、I、イミダゾリル、ペンタフルオロフェノキシなど)である)、またはクロロギ酸イソブチルと一般式(A)(ただしTはOHである)の反応生成物を、一般式(B)の化合物:
【化50】

(ただし、R1、R2、Q、Sは請求項1に示したのと同じ意味を持つ)と、適切な塩基(アミンであるTEA、DIEA、NMMなど)の存在下で反応させ、TがOHの場合には、適切な縮合試薬(EDCなど)の存在下で反応させ、得られた生成物を環化し、
任意に一般式(I)の塩基または酸をその塩の1つに変換する操作を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物および/またはその薬理学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中にはこれらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)を含み、任意に賦形剤および/またはアジュバントも含む医薬組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物および/またはその薬理学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中にはこれらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)と、少なくとも1種類の別の活性成分とを含む医薬組成物。
【請求項11】
(a)請求項1〜10のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物および/またはその薬理学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中にはこれらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)の有効量と、
(b)別の薬活性成分の有効量の
別々のパックからなるセット(キット)。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物と、その薬理学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中にはこれらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)を用いてスフィンゴシン 1-リン酸に関係する疾患の治療および/または予防のための薬を調製する方法。
【請求項13】
スフィンゴシン 1-リン酸に関係する上記疾患が、過剰な免疫応答に関係する自己免疫性の疾患または症状である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物と、その薬理学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩、立体異性体(その中にはこれらのもののあらゆる比率の混合物が含まれる)を用いて免疫調節の異常の治療および/または予防のための薬を調製する方法。
【請求項15】
上記免疫調節の異常が、自己免疫性炎症性疾患または慢性炎症性疾患であり、その疾患の選択が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、筋萎縮側索硬化症(ALS)、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、自己免疫性筋炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、グレーブス眼症、骨髄移植の拒絶、臓器移植の拒絶、移植片宿主病、臓器または組織の移植、移植によって生じる移植片宿主病、自己免疫症候群(関節リウマチ、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎など)、感染後自己免疫疾患(リウマチ熱、感染後糸球体腎炎など)、炎症性皮膚疾患、過増殖性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性水腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、アクネ、限局性脱毛症、角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に関係するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮性異栄養症、角膜白斑、眼類天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、フォークト-小柳-原田症候群、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性喘息または難治性喘息、遅発性喘息、気道過敏性、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患や血栓症によって起こる血管の損傷、虚血性腸疾患、壊死性腸炎、熱傷に伴う腸の損傷、小児脂肪便症、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、真性赤血球系無形成症、再生不良性貧血、低形成貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、顆粒球減少症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光線過敏性、皮膚T細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、動脈硬化症、アテローム性硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発性動脈炎、心筋症、強皮症、シェーグレン症候群、脂肪症、好酸球性筋膜炎、歯肉の損傷、歯根膜の損傷、歯槽骨の損傷、歯のセメント質の損傷、糸球体腎炎、抜け毛の予防および/または毛根の供給および/または発毛と毛の成長の促進による男性型脱毛症または老人性脱毛症、筋ジストロフィ、膿皮症、セザリー症候群、アディソン病、保存、移植、虚血性疾患の際に起こる虚血-再灌流の傷、内毒素性ショック、偽膜性腸炎、薬または放射線によって起こる大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺-酸素または薬によって起こる中毒症、肺がん、肺気腫、白内障、シデローシス、色素性網膜炎、老年性黄斑変性、硝子体瘢痕化、角膜アルカリ熱傷、多形性紅斑皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚炎、セメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染によって起こる疾患、加齢によって起こる疾患、発癌によって起こる疾患、癌の転移によって起こる疾患、高山病によって起こる疾患、ヒスタミンまたはロイコトリエン-C4放出によって起こる疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、肝臓部分切除、急性肝臓壊死、毒素によって起こる壊死、ウイルス性肝炎、ショック、酸素欠乏症、B型ウイルス性肝炎、非A型/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症肝不全、晩発性肝不全、“慢性時急性”肝不全、化学療法効果の増大、サイトメガロウイルス感染症、HCMV感染症、エイズ、がん、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染症、喘息からなるグループの中からなされる、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2010−540592(P2010−540592A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527449(P2010−527449)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063180
【国際公開番号】WO2009/043889
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(309025524)メルク セローノ ソシエテ アノニム (49)
【Fターム(参考)】