説明

オーバコート装置

【課題】 記録媒体に対して確実なオーバコート処理を行うことができるオーバコート装置を提供する。
【解決手段】 オーバコート装置1は、カードSをヒートローラ19,39によって加圧し、パルスモータ53によってカードSを前方に加圧搬送する。このオーバコート装置1は、加圧搬送中にセンサ8がカードSの後端Sbを検出した後に、加圧搬送中に送出すべき駆動パルス信号の規定の総パルス数(P)を補正し、補正後のパルス数(P+ΔP)をパルスモータ53に送出した後に、カードSの加圧を解除するように制御される。そして、この総パルス数の補正パルス数(ΔP)は、カードSの加圧を開始してから、センサ8が記録媒体の後端Sbを検出するまでに、パルスモータ53に送出された駆動パルス信号のパルス数に基づいて算出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード等の記録媒体の表面にオーバコートフィルムを付するオーバコート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような分野の技術として、特許文献1に開示されたラミネータ装置(オーバコート装置)が知られている。このラミネータ装置は、プラスチックカード等を上下一対のキャリアフィルムと一緒にヒートローラで挟み込んで加圧搬送しながら、キャリアフィルム上のオーバコートフィルムを熱圧着させて、カード表面にオーバコート処理を施す装置である。
【特許文献1】特開2003−291213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような装置によって、カードの前端から後端までオーバコートフィルムを確実に熱圧着させるためには、ヒートローラによる加圧をカードの前端から始め、ちょうどカードの後端まで加圧搬送された時に加圧を解除することが望ましい。このような加圧搬送は、カードの送り量を制御しながら行う必要があり、この送り量は、カード搬送用のパルスモータに対して送出される駆動パルス信号のパルス数に基づいて制御することが考えられる。
【0004】
しかしながら、カードの加圧搬送においては、カードとカード搬送ローラとの間、あるいはカードとヒートローラとの間に滑りが生じることで、パルスモータに送出したパルス数と実際のカードの送り量とが完全に整合しない場合があり得る。このため、上記のようにパルス信号のパルス数に基づいてカードの加圧搬送を制御する際には、加圧解除のタイミングが、カード後端に一致しない場合がある。このようなタイミングずれが発生し、加圧解除のタイミングが早すぎると、キャリアフィルムがカードの後端にまで十分に押し当てられないうちに加圧が解除され、オーバコートがカード後端にまで完全に付されなくなるという不具合が生じる。逆に、加圧解除のタイミングが遅すぎると、カードの後端エッジがヒートローラにより加圧されることで、カードの後端エッジが損傷するという不具合が生じる。この種のオーバコート装置においては、上記のような不具合を抑制し、カード上に確実にオーバコート処理を行うことが望まれていた。
【0005】
本発明は、記録媒体に対して確実なオーバコート処理を行うことができるオーバコート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオーバコート装置は、記録媒体とキャリアフィルムとを、一対のヒートローラで挟み込んで加圧しつつ前方に搬送しながら、キャリアフィルム上のオーバコートフィルムを記録媒体の表面に熱圧着するオーバコート装置において、ヒートローラによる記録媒体の加圧中に当該記録媒体を前方に搬送する媒体搬送用のパルスモータと、記録媒体の搬送路上でヒートローラよりも後方に設けられ、加圧搬送される記録媒体の後端を検出するセンサと、記録媒体の前端において一対のヒートローラによる記録媒体の加圧を開始して、パルスモータに駆動パルス信号を送出ながら記録媒体を前方に加圧搬送し、センサが記録媒体の後端を検出した後に、加圧搬送中に送出すべき駆動パルス信号の規定の総パルス数を補正し、記録媒体の加圧を開始してからの送出パルス数が総パルス数の補正後の値となった後にヒートローラによる記録媒体の加圧を解除するように、パルスモータ及びヒートローラを制御する制御手段と、を備え、総パルス数の補正パルス数は、一対のヒートローラによる記録媒体の加圧を開始してから、センサが記録媒体の後端を検出するまでに、パルスモータに送出された駆動パルス信号のパルス数に基づいて算出されることを特徴とする。
【0007】
このオーバコート装置では、フィルムの熱圧着の際、記録媒体の前端においてヒートローラによる加圧が開始され、パルスモータによって、記録媒体が前方に搬送される。この加圧搬送中においては、パルスモータに対しての駆動パルス信号が制御手段から送出されており、ヒートローラによる記録媒体の加圧開始からのパルス数がカウントされている。そして、加圧開始から記録媒体が前方に搬送されると、記録媒体の後端がセンサに検出されることになる。このとき、加圧開始から記録媒体の後端がセンサに検出されるまでにパルスモータに送出された駆動パルス信号のパルス数が取得され、そのパルス数に基づいて、当該加圧搬送中に最終的に送出すべき規定の総パルス数に対する補正パルス数が算出され、この総パルス数が補正される。そして、加圧開始からのパルス数のカウントが上記補正後の総パルス数の値になるまで駆動パルス信号が送出され、その後、ヒートローラによる記録媒体の加圧が解除される。
【0008】
このようなオーバコート装置における記録媒体の加圧搬送中に、記録媒体と媒体の搬送系との間に滑りが生じた場合、この滑り量は加圧搬送の途中までに送出する実際のパルス数に影響を与える。よって、加圧搬送の途中までの実際のパルス数を取得することにより加圧搬送全体で生じる滑りの影響が予測可能である。つまり、加圧搬送の途中までのパルス数に基づいて、規定の総パルス数を補正するための補正パルス数を算出することにより、加圧搬送全体で生じる滑り量を相殺するように総パルス数を補正することができる。その結果、総パルスの信号を送出し終えて記録媒体の加圧を解除する時点と、記録媒体の後端がヒートローラの位置に到達する時点とを一致させることができる。よって、ちょうど記録媒体の後端まで加圧搬送し終えた時点で、ヒートローラによる加圧を解除することができ、記録媒体に対して確実なオーバコート処理を行うことができる。
【0009】
また、一対のヒートローラによる記録媒体の加圧を開始してから、センサが記録媒体の後端を検出するまでに、パルスモータに送出する駆動パルス信号の規定のパルス数を(q)とし、一対のヒートローラによる記録媒体の加圧を開始してから、センサが記録媒体の後端を検出するまでに、パルスモータに実際に送出された駆動パルス信号のパルス数を(q+Δq)とし、記録媒体の搬送方向の長さを(L)とし、記録媒体の前端がヒートローラの位置にあるときの記録媒体の後端とセンサとの距離を(m)としたとき、総パルス数の補正パルス数(ΔP)は、ΔP=Δq・L/mで算出されると好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のオーバコート装置によれば、記録媒体に対して確実なオーバコート処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るオーバコート装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、オーバコート装置1は、キャリアフィルムA1,A2上に所定の間隔をもって配置された透明なオーバコートフィルムB1,B2を、プラスチック製のカード(記録媒体)Sの上面及び下面に貼り付けるための装置である。このオーバコート装置1は、筐体3内において水平方向に延在するカード搬送路5を備えており、このカード搬送路5には、カードSを挟持して搬送する上下一対の搬送ローラ7a,7b,7c,7dが所定の間隔をもって配置されている。
【0013】
カード搬送路5の上方には、キャリアフィルムA1を繰り出すための供給ローラ11と、キャリアフィルムA1を巻き取るための巻取りローラ13とが配置されている。キャリアフィルムA1は、供給ローラ11側から引き出され、カード搬送路5に沿って配置された前後一対のフィルムガイドローラ15,17に引っ掛けられた状態で、巻取りローラ13に至るようにセットされる。同様に、カード搬送路5の下方には、キャリアフィルムA2を繰り出すための供給ローラ31と、キャリアフィルムA2を巻き取るための巻取りローラ33とが配置されている。キャリアフィルムA2は、供給ローラ31側から引き出され、カード搬送路5に沿って配置された前後一対のフィルムガイドローラ35,37に引っ掛けられた状態で、巻取りローラ33に至るようにセットされる。
【0014】
このキャリアフィルムA1は透明な材料で形成されており、この表面には、カードSとほぼ同じ大きさの透明なパッチ状のオーバコートフィルムB1が、フィルムの搬送方向に等間隔に配列されている。また、キャリアフィルムA1の縁部には、オーバコートフィルムB1の頭出しを可能にするために、不透明な黒色の頭出しマークがオーバコートフィルムB1,B1間に付されている。この頭出しマークは、後述するセンサ21によって検出可能である。また、キャリアフィルムA2もキャリアフィルムA1と同様の構成を有しており、キャリアフィルムA2上にはオーバコートフィルムB2及び頭出しマークが設けられている。
【0015】
また、ガイドローラ15とガイドローラ17との間において、カード搬送路5の上方には、カード搬送路5に対して上下方向に進退自在な従動側のヒートローラ19が配置されている。同様に、ガイドローラ35とガイドローラ37との間において、カード搬送路5の下方には、カード搬送路5に対して上下方向に進退自在な駆動側のヒートローラ39が配置されている。これらのヒートローラ19,39は、図2に示すローラ昇降用モータ51を駆動源とし、歯車機構を介して互いに近接又は離間するように同期して上下し、カードSをキャリアフィルムA1,A2と一緒に挟み込んで加圧するように駆動される。また、ヒートローラ19,39の後方及び前方に一対ずつ設けられた搬送ローラ7b,7cは、互いにタイミングベルト等により同期しながら、パルスモータ53を駆動源として回転し、加圧されたカードSを前方に搬送する。このローラ昇降用モータ51及びパルスモータ53は、制御部(制御手段)55からの駆動制御信号により駆動される。
【0016】
この装置1において、カード搬送路5上における搬送ローラ7bの後方には、フォトインタラプタ型のカードセンサ8が配置されており、このカードセンサ8は、カードSを検出すると共に、制御部55に検出信号を送信する。カード搬送路5を搬送されるカードSは、このセンサ8の発光部と受光部との間で、発光部からの光を遮るような位置を通過する。従って、このセンサ8の位置にカードSが到来した時には、発光部からの光が遮られ始めることでカード前端Saが検出され、カードSが通過した時には、再び発光部からの光が受光部に受光されることでカードSの後端Sbが検出される。このセンサ8は、ヒートローラ19,39よりも後方に配置されており、センサ8とヒートローラ19,39によってカードSが挟み込まれる位置との間の距離は、カードSの搬送方向の長さ(L)よりも短い。
【0017】
以上のような構成に基づいて、カードSの前端Saがヒートローラ19,39の位置まで搬送されると、ヒートローラ19とヒートローラ39とが接近するように上下動し、カードの前端Saが、キャリアフィルムA1,A2と一緒に、ヒートローラ19とヒートローラ39とで挟み込まれ加圧される。この状態でヒートローラ19,39及び搬送ローラ7b、7cの回転によりカードSが前進することで、カードSの上面及び下面にキャリアフィルムA1,A2が押し当てられ、オーバコートフィルムB1,B2がカードSの上面及び下面に熱圧着される。その後、ヒートローラ19,39の下流側で、キャリアフィルムA1,A2がカード搬送路5から離間するので、カードSの上面及び下面にオーバコートフィルムB1,B2が残り、カードSが前進し続ける。そして、オーバコートフィルムB1,B2がカードSの後端Sbまで貼り付けられた後に、ヒートローラ19,39がカード搬送路5から後退し加圧が解除される。
【0018】
カードSのこのような加圧搬送において、カードSの前端Saから後端SbまでオーバコートフィルムB1,B2を確実に熱圧着させるためには、ヒートローラ19,39による加圧をカードの前端Saから始め、カードSがちょうど後端Sbまで加圧搬送された時に加圧を解除することが望ましい。これを実現するために、装置1においては、次に説明するようなオーバコート処理の制御を行っている。
【0019】
以下、図2〜図6を参照しながら、装置1におけるオーバコート処理について説明する。まず、装置1の電源が投入されると(S102)、装置1は、イニシャル処理(S104)を行った後、図2に示すように、カードSを搬送し、センサ8を用いてカードSの前端Saをヒートローラ19,39の位置に頭出しする(S106)。そして、制御部55がローラ昇降用モータ51に駆動信号を送信すると、図4に示すように、ヒートローラ19とヒートローラ39とが接近するように上下動し、カードSの前端Saがヒートローラ19とヒートローラ39とで挟み込まれて、加圧が開始される(S108)。そして、制御部55がパルスモータ53に駆動パルス信号を送信すると、搬送ローラ7b、7cが同期して回転する。こうして、カードSを、ヒートローラ19,39によって加圧しながら前方に搬送しつつ、カードS表面に貼着していくキャリアフィルムA1,A2を、巻取りローラ13,33でそれぞれ巻取っていく(S110)。このカードSの加圧搬送中においては、制御部55が、S108のカードSの加圧開始後にパルスモータ53に送出するパルス数をカウントしており、このカウントによって、後述する加圧解除のタイミングが管理される。
【0020】
このカードSの加圧搬送中においては、カードSの上面にはキャリアフィルムA1のオーバコートフィルムB1が押し当てられ、カードSの下面にはキャリアフィルムA2のオーバコートフィルムB2が押し当てられる。そして、ヒートローラ19,39の下流側で、キャリアフィルムA1とキャリアフィルムA2がカード搬送路5から離間するので、カードSの上面及び下面にオーバコートフィルムB1,B2が貼り付いたまま、カードSは前進し続ける。その結果、オーバコートフィルムB1がカードSの上面に熱圧着され、同様に、オーバコートフィルムB2がカードSの下面に熱圧着されていく。
【0021】
その後、図5に示すように、カードSの上記加圧搬送中において、センサ8がカードSの後端Sbを検出すると(S112)、制御部55は、パルスモータ53に対してその時点までに実際に送出した駆動パルス信号のパルス数を取得する(S114)。なお、カードSの加圧開始(S108)から、カードSの後端Sbの検出(S112)までに、カードSは、カードSの加圧開始時におけるカードSの後端Sbとセンサ8との距離に等しい距離(m)(図4参照)だけ前方に搬送されることになる。
【0022】
ここで取得される取得パルス数は、本来であれば、距離(m)及びパルスモータ53の特性によって求められる規定のパルス数(q)に常に一致するはずである。しかし、カードSとヒートローラ19,39や搬送ローラ7bとの間に滑りが生じると、実際に取得される取得パルス数は、規定のパルス数(q)との間にΔqのズレを含んだ(q+Δq)となる。
【0023】
そして、このような搬送系とカードSとの滑りに起因するパルス数のズレは、この後、カードSの後端Sbがヒートローラ19,39の位置に達するまでの加圧搬送においても同様に蓄積していくことになる。すなわち、この滑りの影響で、カードSの前端Saから後端Sbまでの距離(L)を搬送するために必要な総パルス数にもズレが生じることになる。その結果、距離(L)及びパルスモータ53の特性等によって求められる規定の総パルス数(P)を、パルスモータ53に対して送出したとしても、カードSの後端Sbがヒートローラ19,39の位置まで到達しなかったり、ヒートローラ19,39の位置を通り過ぎたりする場合がある。その結果、ヒートローラ19,39による加圧を解除するタイミングが、カードSの後端Sbに一致しなくなる。
【0024】
そこで、装置1では、上記の取得パルス数(q+Δq)と予め定められた規定パルス数(q)との差(Δq)に基づいて、最終的にカードS全体を搬送するための規定の総パルス数(P)を補正することとしている。具体的には、カードSの搬送中に生じたパルス数のズレが、その搬送距離に比例すると推定し、装置1においては、カードSが距離(L)を搬送される間に生じるパルス数の補正量(ΔP)を、数式ΔP=Δq・L/mを用いて算出することにしている(S116)。すなわち、滑りの影響を相殺しながら、ちょうどカードS全体の長さ(L)を搬送するためには、パルスモータ53にパルス数(P+ΔP)の駆動パルス信号を送出する必要があることを、上式によって予測する。
【0025】
そして、算出された上記補正量(ΔP)に基づき、制御部55は、加圧開始からの総パルス数のカウントが(P+ΔP)になるまで、パルスモータ53に駆動パルス信号を送出し続け、カードSの搬送を継続する。そして、パルス数のカウントが(P+ΔP)になった時(S118)に、制御部55がローラ昇降用モータ51に駆動信号を送信すると、ヒートローラ19とヒートローラ39とが離間するように上下動し、カードSの加圧が解除される(S120)。この場合、パルスモータ53に対して送出される駆動パルス信号の総パルス数は上述のように補正されているので、図6に示すように、ヒートローラ19,39の位置にカードSの後端Sbが達し、後端Sbがちょうど加圧し終えた時に加圧が解除されることになり、カードSの前端Saからちょうど後端SbまでオーバコートフィルムB1,B2が確実に熱圧着されることになる。その結果、オーバコートフィルムB1,B2がカード後端にまで完全に付されないという不具合や、カードSの後端Sbのエッジがヒートローラ19,39により加圧されることによる後端Sbのエッジの損傷という不具合を抑制することができる。
【0026】
その後、オーバコートフィルムB1,B2が貼着されたカードSは、カード搬送路5を更に前方に搬送され、装置1外へ排出される。続いて、装置1は、巻取りローラ13,33の回転によって、次のオーバコートフィルムB1,B2を頭出しする(S122)。そして、次のカードSについてオーバコート処理を行う場合には、S106の処理に戻り、オーバコート処理を継続しない場合には、以上でオーバコート処理を終了する(S124)。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るオーバコート装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のオーバコート装置において、カードが頭出しされた状態を示す正面図である。
【図3】図1のオーバコート装置におけるオーバコート処理を示すフロー図である。
【図4】図1のオーバコート装置において、ヒートローラによるカード前端の加圧が開始された状態を示す正面図である。
【図5】図1のオーバコート装置において、加圧搬送中にカード後端がセンサに検出された状態を示す正面図である。
【図6】図1のオーバコート装置において、ヒートローラによるカードの加圧が解除される直前の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1…オーバコート装置、8…センサ、19,39…ヒートローラ、53…パルスモータ、55…制御部(制御手段)、A1,A2…キャリアフィルム、B1,B2…オーバコートフィルム、S…カード(記録媒体)、Sa…カードの前端、Sb…カードの後端。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体とキャリアフィルムとを、一対のヒートローラで挟み込んで加圧しつつ前方に搬送しながら、前記キャリアフィルム上のオーバコートフィルムを前記記録媒体の表面に熱圧着するオーバコート装置において、
前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧中に当該記録媒体を前方に搬送する媒体搬送用のパルスモータと、
前記記録媒体の搬送路上で前記ヒートローラよりも後方に設けられ、加圧搬送される前記記録媒体の後端を検出するセンサと、
前記記録媒体の前端において一対の前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧を開始して、前記パルスモータに駆動パルス信号を送出ながら前記記録媒体を前方に加圧搬送し、前記センサが前記記録媒体の後端を検出した後に、加圧搬送中に送出すべき前記駆動パルス信号の規定の総パルス数を補正し、前記記録媒体の加圧を開始してからの送出パルス数が前記総パルス数の補正後の値となった後に前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧を解除するように、前記パルスモータ及び前記ヒートローラを制御する制御手段と、を備え、
前記総パルス数の補正パルス数は、
一対の前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧を開始してから、前記センサが前記記録媒体の後端を検出するまでに、前記パルスモータに送出された前記駆動パルス信号のパルス数に基づいて算出されることを特徴とするオーバコート装置。
【請求項2】
一対の前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧を開始してから、前記センサが前記記録媒体の後端を検出するまでに、前記パルスモータに送出する前記駆動パルス信号の規定のパルス数を(q)とし、一対の前記ヒートローラによる前記記録媒体の加圧を開始してから、前記センサが前記記録媒体の後端を検出するまでに、前記パルスモータに実際に送出された前記駆動パルス信号のパルス数を(q+Δq)とし、前記記録媒体の搬送方向の長さを(L)とし、前記記録媒体の前端が前記ヒートローラの位置にあるときの前記記録媒体の後端と前記センサとの距離を(m)としたとき、
前記総パルス数の補正パルス数(ΔP)は、ΔP=Δq・L/mで算出されることを特徴とする請求項1に記載のオーバコート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−321104(P2006−321104A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145835(P2005−145835)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】