説明

カチオン性柔軟仕上げ剤活性物質を有する小袋入り組成物を含む単一区画単位用量布地処理製品

本発明は、単一区画水溶性小袋に含有された非水性液体布地処理組成物を含む、単位用量布地処理製品に関する。小袋の内部空間が、(A)布地処理組成物の5重量%超過の、少なくとも1つの界面活性剤を含む洗浄系と;(B)以下から成る群:(i)陰イオン性界面活性剤とカチオン性アンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1である、少なくとも1つのカルボニル官能基を含むカチオン性アンモニウム系柔軟化化合物;(ii)0.2meq/g〜5.0meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーガム類;及び(iii)これらの混合物、から選択される少なくとも1つの布地柔軟化活性物質を含む布地柔軟化系とを含有する。
本発明は、更に、そのような組成物の製造方法、及び単一区画水溶性小袋を介して布地洗浄効果及び布地柔軟化効果を処理される布地に付加するためのそのような化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体布地処理組成物を放出する単位用量製品に関する。特に、本発明は、扱いが容易な単位用量系によりもたらされる布地洗浄効果及び布地柔軟化効果を提供する、単一区画小袋入り非水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
布地洗浄/柔軟化製品は、顆粒、液体、錠剤、及び小袋のような数多くの形態で供給される。それぞれの形態は、それ自体の利点及び欠点を有する。
【0003】
近年、布地洗浄又は柔軟化活性物質を含有する水溶性小袋が普及してきた。一般に、小袋は、ポリビニルアルコールフィルムのような水溶性フィルムで囲まれた非水溶性液体組成物を含む。これらは、従来の組成物の形態と比較すると、適量に分けるのに都合がよく、扱いが容易であり、ほとんど汚すことがないので、このような製品は利点を有する。EP339707(ユニリーバ(Unilever))は、PVAフィルム中に含有された非水性洗剤組成物を開示する。PCT国際公開特許WO01/81520(コルゲート(Colgate))は、洗浄サイクル単一区画単位用量柔軟剤組成物を開示する。
【0004】
しかし、この2つの手法のどちらも洗浄効果と柔軟化効果の両方を同時に提供しない。PCT国際公開特許WO01/85888は、布地柔軟化効果をもたらし、界面活性剤を5重量%以下含む、単位用量組成物を開示する。この系の不利な点は、低含有量の界面活性剤に起因する低いクリーニング性能である。
【0005】
また、従来技術は、単位用量系を提供し、これは、布地洗浄効果と布地柔軟化効果を同時に提供する。しかし、陰イオン性界面活性剤を含む洗浄系及びカチオン性布地柔軟化活性物質を含む布地柔軟化系の相溶性の問題により、PCT国際公開特許WO02/08380(ピー・アンド・ジー(P&G))の手法は、第1区画が洗剤組成物を含み、第2区画が布地柔軟化組成物を含む、2重区画小袋に関する。
【0006】
2重区画単位用量系は、製造することが容易ではなく、特に経済的な方法において容易ではないことが、当該技術分野において周知である。従って、本発明の目的は、洗浄及び布地柔軟化効果の点において優れた性能を付与する、単一区画単位用量非水性液体布地処理組成物を提供することである。
【0007】
この目的を達成するために、陰イオン性界面活性剤と布地柔軟化活性物質との不相溶性の問題、特に布地柔軟化活性物質がカチオン性布地柔軟化活性物質の場合の問題を克服する必要がある。本発明は、低カチオン電荷密度を有するカチオン性布地柔軟化活性物質を使用するか、又は陰イオン性界面活性剤とカチオン性柔軟剤とのモル比が高い組成物の使用、或いはこれらの組み合わせによりこの問題の解決策を提供する。
【0008】
カチオン性柔軟仕上げ剤を水溶性フィルムの小袋に入れることに関わる別の問題は、カチオン性柔軟剤とポリビニルアルコール含有フィルムの典型的には負電荷表面との相互作用である。この難点も、低カチオン電荷密度を有するカチオン性布地柔軟化剤を使用するか、又は陰イオン性界面活性剤とカチオン性柔軟剤とのモル比が高い組成物の使用、或いはこれらの組み合わせにより克服された。
【0009】
更に、従来技術の単位用量製品は、水との接触において急速かつ完全に溶解することに関して欠点を有する。そのため、本発明の別の目的は、引き出し、洗濯ドラム、又は洗濯された衣服に過剰な残留物を残さないように、急速かつ完全に分解することができる、小袋入り組成物を提供することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
驚くべきことに、現在、本発明の小袋入り組成物が、極めて良好なクリーニング性能及び極めて良好な布地柔軟化性能を実証し、特に柔軟化性能を実証することが見いだされた。加えて、本発明の小袋入り組成物が、より良好な溶解度及び/又はより低い残留物形成を実証することが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、単一区画水溶性小袋に含有された液体布地処理組成物の形態の、単位用量製品に関する。それぞれの小袋の内部空間が、以下を含む:
(A)布地処理組成物の5重量%超過の、少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む洗浄系;及び
(B)以下から成る群から選択される少なくとも1つの布地柔軟化活性物質を含む布地柔軟化系:
(i)陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1である、少なくとも1つのカルボニル官能機を含むカチオン性アンモニウム系柔軟化化合物;
(ii)0.2meq/g〜5.0meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーガム類;及び
(iii)これらの混合物。
【0012】
水溶性小袋は、典型的には組成物と直接接触する。
【0013】
本発明の単位用量製品の製造方法、及び単一区画水溶性小袋を介して布地を処理し、従って布地洗浄効果及び布地柔軟化効果を付与するための本発明の単位用量製品の使用も本発明の主題である。本明細書における単位用量製品の製造方法は、布地洗浄系と布地柔軟化系を別個に調製し、その後2つの系を組み合わせることに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書における小袋は、典型的には、容積空間を封入し、本明細書で記載される材料で作製される、閉鎖構造である。小袋は、布地処理組成物を含有し、それは組成物が少なくとも部分的に液体である限り、あらゆる好適な形態であることができる。組成物は、布地洗浄系と布地柔軟化系を含まなければならない。以下に、これらの要素を更に詳細に説明する。
【0015】
小袋及びその容積空間は、組成物を、例えば、洗濯中に小袋が水に接触する前に小袋から組成物を放出することのないように保持するために適しているあらゆる形態、形状及び材料であることができる。厳密な手法は、例えば、小袋内の組成物の種類及び量、小袋が単一区画水溶性小袋である限りにおいて、組成物を保持、保護及び送出又は放出するために小袋に必要な特質に左右される。好ましくは、小袋は、球状を有する。
【0016】
小袋は、必要とされる操作、例えば、1度の洗濯に適した本明細書の組成物の単位用量を含有するか、又は例えば、洗濯するものの汚れの大きさ及び/又は程度によって使用する量を変えられる、より大きな柔軟性を消費者に与える部分用量だけを簡便に含有するような大きさであってよい。
【0017】
(1,単一区画水溶性小袋)
小袋は典型的には水溶性フィルムから作られる。好ましい水溶性フィルムはポリマー材料、好ましくはフィルムに形成されるポリマー類である。フィルムの形態の材料は、当該技術において既知の、例えば、ポリマー材料のキャスト法、吹き込み成型、押し出し又は吹き込み押し出しによって得られる。
【0018】
本明細書で使用される水溶性フィルムは、典型的に、最大孔径が50μmであるガラスフィルターを使用した以下に示す方法によって測定した時、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又はさらには少なくとも95%の溶解度を有する。すなわち、
区画及び/又は小袋の材料の水溶解度を決定する重量法は以下の通りである。
【0019】
材料50g±0.1gを400mlビーカーに加え、その重量を測定し、蒸留水245ml±1mlを加える。これを、600rpmにセットした電磁攪拌器で30分間激しく攪拌する。次いで、混合物を、上記で定義した孔径(最大50μm)を有する組立式定性ガラス濾過器を通してろ過する。回収したろ液から従来のいずれかの方法によって水を乾燥させ、残ったポリマーの重量を測定する(それが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度又は分散度の率を計算することができる。
【0020】
水溶性フィルム及び好ましくは全体としての小袋は、得られる小袋が少なくとも部分的に延伸されるように、小袋の形成中及び/又は閉鎖時に延伸されることが好ましいことがある。これは小袋の容積空間を閉じ込めるのに必要なフィルムの量を減らすためである。フィルムを延伸すると、フィルムの厚さが減少する。延伸の程度は、フィルムの厚さの減少によってフィルムの延伸の量を示す。例えば、フィルムを延伸することによって、フィルムの厚さを正確に半分にすれば、その時、延伸されたフィルムの延伸度は100%である。また、延伸されたフィルムのフィルム厚が正確に未延伸フィルムの4分の1になるようにフィルムを延伸すれば、その時、延伸度はちょうど200%である。通常及び好ましくは、厚さ、従って延伸度は、形成及び閉鎖方法により、小袋全体にわたって不均一である。
【0021】
小袋を延伸する別の利点は、小袋の形状を形成する及び/又は小袋を閉鎖する時、延伸動作が小袋を不均一に延伸し、結果として不均一な厚さを有する小袋を生じることである。これにより本明細書の水溶性小袋の溶解を制御することができる。
【0022】
好ましくは、小袋は、延伸された水溶性フィルムで形成された小袋の厚さ変動が10%〜1000%、好ましくは20%〜600%、又はさらには40%〜500%又はさらには60%〜400%となるように延伸される。これはいかなる方法でも、例えば、適切なマイクロメータを使用して測定できる。好ましくは小袋は延伸された水溶性フィルムから作製され、フィルムは、40%〜500%、好ましくは40%〜200%の延伸度を有する。
【0023】
フィルムは好ましくは、1μm〜200μm、より好ましくは15μm〜150μm、さらにより好ましくは30μm〜100μmの厚さを有する。
【0024】
好ましくは、布地処理組成物は水に送出される組成物であり、従って小袋及びそれらの区画は、小袋が水中に置かれたとき、又はその直後に内容物が放出されるように設計される。従って、区画を有する小袋が水溶性の材料で形成されていることが好ましい。1つの好ましい実施形態においては、構成成分は水と小袋入り組成物の接触後、3分以内、さらに好ましくは2分以内、又はさらには1分以内に水中に放出される。
【0025】
一般に、小袋は、従来の単位用量洗濯製品における使用に好適なあらゆる材料から作製することができる。しかし、特定のポリマー及び/若しくはコポリマー及び/又はそれらの誘導体が好ましいことが見いだされた。好ましいポリマー、及び/若しくはコポリマー、及び/又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド類、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、セルロースアミド類、ポリビニルアセテート類、ポリカルボン酸類及び塩、ポリアミノ酸類又はペプチド類、ポリアミド類、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー類、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)のような天然ゴム類、並びにこれらの混合物から選択される。より好ましくは、ポリマーは、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類、及びこれらの混合物、最も好ましくはポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、フィルムにおけるポリマーの濃度は、例えば、PVAポリマーでは少なくとも60%である。
【0026】
ポリマーはいかなる重量平均分子量、好ましくは約1000〜1,000,000、さらには10,000〜300,000、さらには15,000〜200,000、さらには20,000〜150,000を有することができる。
【0027】
ポリマーの混合物も用いることができる。これは、区画又は小袋の適用及び必須要件に応じて、区画又は小袋の機械的及び/又は溶解特性の制御において特に有益であることができる。例えば、ポリマー類の混合物が小袋区画の材料に存在することが好ましい場合があり、それによって1つのポリマー物質がその他のポリマー物質より、より高い水溶性を有する、及び/又は1つのポリマー物質がその他のポリマー物質より、より高い機械的強度を有する。異なった重量平均分子量を有する、ポリマーの混合物、例えば、10,000〜40,000、好ましくはおよそ20,000の重量平均分子量のPVA又はそれらのコポリマーと、約100,000〜300,000、好ましくはおよそ150,000の重量平均分子量のPVA又はそれらのコポリマーとの混合物を使用することが好ましい。
【0028】
また、有用なものは、例えば、典型的に1〜60重量%のポリラクチド及びおよそ40〜99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールの混合によって達成される、ポリラクチド及びポリビニルアルコールのような加水分解的に分解可能であり水溶性のポリマーブレンドを含む、ポリマーブレンド組成物である。
【0029】
フィルムに存在するポリマーは、フィルムの溶解度を改善するために60%〜98%加水分解され、好ましくは80%〜90%加水分解されていることが好ましいことがある。
【0030】
最も好ましいフィルムは、PVAポリマーを含み、米国、インディアナ州ガリー(Gary,Indiana,US)のモノソール社(Monosol LLC)より販売されている登録商標M8630として既知のフィルムと同様の特性を有するPVAポリマーを含むフィルムである。別の好ましいフィルムは、ドイツ、メールス47445、カールツァイス通り43(Carl-Zeiss-Strasse 43,47445 Moers,DE.)のアイセロ・ケミカル・ヨーロッパ社(Aicello Chemical Europe GmbH,)より販売されている登録商標PT−75として既知のものである。
【0031】
本明細書のフィルムは、ポリマー又はポリマー物質以外の他の添加物成分を含んでもよい。例えば、可塑剤、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びそれらの混合物、付加的な水、崩壊補助剤を加えることが有益であることがある。本明細書の組成物が洗剤組成物である場合、フィルム自体が洗浄水に放出されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤を含むことが有用であることがある。
【0032】
本明細書の小袋は、布地処理組成物を含み、典型的に組成物は、小袋の容積空間中に含有される。
【0033】
(2,布地処理組成物)
別途明記しない限り、本明細書の百分率は、全て、小袋フィルム形成材料を除く最終組成物の重量%である。
【0034】
小袋は液体布地処理組成物を含有する。用語「液体」は、組成物が、注入されうるような流体粘度を有する必要があることを意味する。布地処理組成物は、従来の液体又はゲルの形態であることができる。
【0035】
布地処理組成物は、布地処理組成物の5重量%超過の少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む布地洗浄系、並びに(i)陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1である、少なくとも1つのカルボニル官能基を含むカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物;(ii)0.2meq/g〜5.0meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーガム類;及び(iii)これらの混合物、から成る群から選択される少なくとも1つの布地柔軟化活性物質含む布地柔軟化系、を含有しなければならない。
【0036】
(2.1,布地洗浄系)
本発明で使用される組成物の1つの必須要素は、布地洗浄系である。一般に、界面活性剤は、布地処理組成物の5重量%超過、好ましくは10重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%の濃度で存在する。そのような布地洗浄系は、少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む。本発明の好ましい実施形態において、洗浄系は、非イオン性、カチオン性、双極性及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択される洗浄性界面活性剤を更に含み、下記で詳細に記載される。本発明のより好ましい実施形態では、この洗浄系において界面活性剤全体の少なくとも50重量%が、非アルコキシル化陰イオン界面活性剤を含み、洗浄系において界面活性剤全体の50重量%未満がアルコキシル化界面活性剤を含む。本発明のさらにより好ましい実施形態では、全界面活性剤の少なくとも50重量%が非アルコイル化(non-alkoylated)陰イオン界面活性剤であり、全界面活性剤の50重量%未満がアルコキシル化界面活性剤である洗浄系界面活性剤系が、少なくとも1つのカルボニル官能基を有するカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物を含む布地柔軟化系と組み合わされて使用される。本発明の別のさらにより好ましい実施形態では、この洗浄系において界面活性剤全体の少なくとも75重量%が、非アルコキシル化陰イオン界面活性剤を含み、洗浄系において界面活性剤全体の25重量%未満がアルコキシル化界面活性剤を含む。本発明の最も好ましい実施形態では、全界面活性剤の少なくとも75重量%が非アルコイル化陰イオン界面活性剤であり、全界面活性剤の25重量%未満がアルコキシル化界面活性剤である洗浄系界面活性剤系が、少なくとも1つのカルボニル官能基を有するカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物を含む布地柔軟化系と組み合わされて使用される。
【0037】
(a)陰イオン性界面活性剤−原則的にどんな陰イオン性界面活性剤でも本発明の目的に適している。しかし、下記で記載されている特定の陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
【0038】
好ましくは、少なくとも陰イオン性界面活性剤が存在し、好ましくは、少なくともスルホン酸界面活性剤、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸であるが、その塩の形態も使用してよい。好ましくは、少なくとも陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤が布地洗浄系に存在する。
【0039】
陰イオン性界面活性剤(1つ又は複数)は、好ましくは、布地処理組成物の少なくとも7.5重量%の濃度で存在する。より好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、布地処理組成物の10重量%、又はさらには少なくとも15重量%、又はさらには22.5重量%の濃度も存在する。
【0040】
本明細書における使用に適切な陰イオン性スルホネート又はスルホン酸界面活性剤には、C〜C20、より好ましくはC10〜C16、より好ましくはC11〜C13アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルエステルスルホネート類、C〜C22第一級又は第二級のアルカンスルホネート類、スルホン化ポリカルボン酸の酸及び塩の形態、及びそれらのいずれかの混合物が挙げられるが、好ましくはC11〜C13アルキルベンゼンスルホネート類が挙げられる。
【0041】
本発明の組成物の洗浄系における使用に好適な陰イオン性サルフェート塩又は酸には、直鎖又は分岐鎖C〜C22アルキル又はアルケニル部分、より好ましくはC12〜C18アルキルを有する、一級及び二級のアルキルサルフェート類が挙げられる。
【0042】
極めて好ましいものはβ−分枝状アルキルサルフェート界面活性剤又は市販材料の混合物であり、(界面活性剤又は混合物の)重量平均の分枝率が少なくとも50%又はさらに少なくとも60%又はさらに少なくとも80%又はさらに少なくとも95%である。これらの分枝状サルフェート界面活性剤は、粘土が存在する場合、特に粘土が5%以上存在する場合に、さらに良好な粘度特性を提供することが見いだされている。
【0043】
唯一のサルフェート界面活性剤は、そのような分岐率の高いアルキルサルフェート界面活性剤であることがおそらく好ましく、すなわち唯一の種類の市販されている分枝状アルキルサルフェート界面活性剤が存在する可能性があり、その際、重量平均の分岐率は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%若しくはさらに少なくとも80%、又はさらに少なくとも90%である。好ましいものは、例えばコンデア(Condea)より入手可能なイサルケム(Isalchem)である。
【0044】
中鎖分枝状アルキルサルフェート類又はスルホネート類も、本発明の洗浄系における使用に好適な陰イオン性界面活性剤である。好ましいものは、中鎖分枝状アルキルサルフェート類である。好ましい中鎖分枝状一級アルキルサルフェート界面活性剤は、次式で表される。
【化1】

【0045】
これらの界面活性剤は直鎖一級アルキルサルフェート主鎖(すなわち、硫酸化した炭素原子を含む最長の直鎖炭素鎖)を有し、好ましくは12〜19個の炭素原子を含み、それらの分枝状一級アルキル部分は、好ましくは全体で少なくとも14個であり、好ましくは20個以下の炭素原子を含む。これらのサルフェート界面活性剤の1種以上を含む本発明のそれらの組成物又は構成成分において、分枝状一級アルキル部分の炭素原子の平均総数は、好ましくは14.5〜17.5の範囲内である。このように、洗浄系は、好ましくは最長の直鎖炭素鎖が12個以上の炭素原子又は19個以下の炭素原子を有する、少なくとも1つの分枝状一級アルキルサルフェート界面活性剤化合物を含み、分枝を含む炭素原子の総数は、少なくとも14個でなければならず、さらに分枝一級アルキル部分の炭素原子の平均総数は14.5〜17.5の範囲内である。
【0046】
好ましいモノメチル分枝状一級アルキルサルフェート類は、3−メチルペンタデカノールサルフェート;4−メチルペンタデカノールサルフェート;5−メチルペンタデカノールサルフェート;6−メチルペンタデカノールサルフェート;7−メチルペンタデカノールサルフェート;8−メチルペンタデカノールサルフェート;9−メチルペンタデカノールサルフェート;10−メチルペンタデカノールサルフェート;11−メチルペンタデカノールサルフェート;12−メチルペンタデカノールサルフェート;13−メチルペンタデカノールサルフェート;3−メチルヘキサデカノールサルフェート;4−メチルヘキサデカノールサルフェート;5−メチルヘキサデカノールサルフェート;6−メチルヘキサデカノールサルフェート;7−メチルヘキサデカノールサルフェート;8−メチルヘキサデカノールサルフェート;9−メチルヘキサデカノールサルフェート;10−メチルヘキサデカノールサルフェート;11−メチルヘキサデカノールサルフェート;12−メチルヘキサデカノールサルフェート;13−メチルヘキサデカノールサルフェート;14−メチルヘキサデカノールサルフェート;及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0047】
好ましいジメチル分枝状一級アルキルサルフェート類は、2,3−メチルテトラデカノールサルフェート;2,4−メチルテトラデカノールサルフェート;2,5−メチルテトラデカノールサルフェート;2,6−メチルテトラデカノールサルフェート;2,7−メチルテトラデカノールサルフェート;2,8−メチルテトラデカノールサルフェート;2,9−メチルテトラデカノールサルフェート;2,10−メチルテトラデカノールサルフェート;2,11−メチルテトラデカノールサルフェート;2,12−メチルテトラデカノールサルフェート;2,3−メチルペンタデカノールサルフェート;2,4−メチルペンタデカノールサルフェート;2,5−メチルペンタデカノールサルフェート;2,6−メチルペンタデカノールサルフェート;2,7−メチルペンタデカノールサルフェート;2,8−メチルペンタデカノールサルフェート;2,9−メチルペンタデカノールサルフェート;2,10−メチルペンタデカノールサルフェート;2,11−メチルペンタデカノールサルフェート;2,12−メチルペンタデカノールサルフェート;2,13−メチルペンタデカノールサルフェート;及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
本明細書の陰イオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩又はこれらの混合物の形態で存在する。本発明のさらにより好ましい実施形態において、本明細書の陰イオン性界面活性剤は、それらのモノ−、ジ−若しくはトリアルキルアンモニウム塩又はこれらの混合物の形態で存在する。本発明の最も好ましい実施形態において、本明細書の陰イオン性界面活性剤は、それらのモノエタノールアンモニウム塩の形態で存在する。
【0049】
(b)非イオン性界面活性剤−原則的に、あらゆる非イオン性界面活性剤が、本発明の洗浄系における使用に適している。しかし、本明細書の以下で記載されている特定の非イオン性界面活性剤がより好ましい。
【0050】
本質的にあらゆるアルコキシル化非イオン性界面活性剤を本明細書の組成物に含むことができる。エトキシル化及びプロポキシル化非イオン性界面活性剤が好ましい。好ましいアルコキシル化界面活性剤は、アルキルフェノール類の非イオン性縮合物、非イオン性エトキシル化アルコール類、非イオン性エトキシル化/プロポキシル化脂肪族アルコール類、及びこれらの混合物の類から選択することができる。
【0051】
極めて好ましいものは、非イオン性アルコキシル化アルコール界面活性剤であり、1〜75モルのアルキレンオキシド、特に約50モル又は1〜15モル、好ましくは11モルまでの、特にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含む、脂肪族アルコールの縮合生成物が極めて好ましい非イオン性界面活性剤である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖又は分枝鎖、一級又は二級であることができ、一般的には6〜22個の炭素原子を含有する。特に好ましいものは8〜20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコールとアルコール1モルについて2〜9モル及び特に5又は7モルのエチレンオキシドの縮合生成物である。
【0052】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類は組成物に含まれる非常に好ましい非イオン系界面活性剤であり、特に構造式RCONRZを有するものが好ましく、式中、Rは、H、C〜C18、好ましくはC1〜Cヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ、又はこれらの混合物であり、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC若しくはCアルキル、最も好ましくはCアルキル(すなわち、メチル)であり;Rは、C〜C31ヒドロカルビル、好ましくは直鎖C〜C19若しくはC〜C19アルキル又はアルケニル、より好ましくは直鎖C〜C17アルキル又はアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキル又はアルケニル、或いはこれらの混合物であり;そしてZは、鎖に少なくとも3つのヒドロキシルが直接結合している直鎖ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はこられのアルコキシル化誘導体(好ましくは、エトキシル化又はプロポキシル化されている)である。Zは、好ましくは、還元型アミノ化反応における還元糖から誘導され、より好ましくは、Zはグリシチルである。
【0053】
(c)カチオン性界面活性剤−原則的にあらゆるカチオン性で洗浄性の、好ましくは非柔軟化の界面活性剤が本発明の洗浄系における使用に適している。しかし、本明細書の以下で記載されている特定のカチオン性界面活性剤がより好ましい。
【0054】
好ましいものは、カチオン性アルコキシル化界面活性剤であり、特に、C〜C18N−アルキル鎖を有するモノ−及びビス−アルコキシル化四級アミン、例えば、下記の一般式Iを有するものである:
【化2】

式中、Rは、6〜18個の炭素原子、好ましくは6〜16個の炭素原子、最も好ましくは6〜14個の炭素原子を含有するアルキル又はアルケニル部分であり;R及びRは、互いに独立して、1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基であり、好ましくはメチルであり、最も好ましくは、R及びRの両方が、メチル基であり;Rは、水素(好ましい)、メチル、エチル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;Xは、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸塩、及びこれらの混合物のような、電気的中性を提供する陰イオンであり;Aは、アルコキシ基、特にエトキシ、プロポキシ、ブトキシ基及びこれらの混合物であり;そしてpは、0〜30、好ましくは2〜15、最も好ましくは2〜8である。
【0055】
カチオン性ビスアルコキシル化アミン界面活性剤は、好ましくは下記の一般式IIを有する:
【化3】

式中、Rは、8〜18個の炭素原子、好ましくは10〜16個の炭素原子、最も好ましくは10〜14個の炭素原子を含有するアルキル又はアルケニル部分であり;Rは、1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチルであり;R及びRは、独立して変化でき、水素(好ましい)、メチル、エチル及びこれらの混合物から成る群から選択され;Xは、塩素、臭素、硫酸メチル、硫酸塩、及びこられの混合部のような、電気的中性を提供するのに十分な陰イオンである。A及びA’は、独立して変化することができ、それぞれC〜Cアルコキシ、特にエトキシ、(すなわち、−CHCHO−)、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から選択され、pは1〜30、好ましくは1〜4であり、そしてqは1〜30、好ましくは1〜4であり、最も好ましくはp及びqの両方が1である。
【0056】
本明細書の洗浄系で使用することができるカチオン性界面活性剤の他の適切な群は、カチオン性エステル界面活性剤である。コリンエステル界面活性剤を含む好適なカチオン性エステル界面活性剤は、例えば、米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号及び同第4,260,529号に開示されている。
【0057】
(d)両性及び双極性界面活性剤−本明細書の洗浄系における使用に好適である両性及び双極性洗浄性界面活性剤には、毛髪柔軟化又は他のパーソナル柔軟化洗浄における使用が知られているものが挙げられる。そのような両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、好ましくは、布地処理組成物の0.0重量%〜20重量%、好ましくは約0.5重量%〜5重量%の範囲である。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)に記載されている。
【0058】
本発明の洗浄系における使用に好適である両性の洗浄性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤であって、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含有し、1つがカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのような陰イオン性基を含有する界面活性剤が挙げられる。本発明における使用に好適である両性洗浄性界面活性剤には、ココアンホ酢酸塩、ココアンホ二酢酸塩、ラウロアンホ酢酸塩、ラウロアンホ二酢酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
本発明の洗浄系における使用に好適である双極性イオンの洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、それには、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載される界面活性剤であって、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含有し、1つがカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのような陰イオン性基を含有する界面活性剤が挙げられる。ベタインのような双極性イオンが本発明に適している。
【0060】
更に、次の式:R(EO)(PO)(BO)N(O)(CHR’)2・qHO(I)を有するアミンオキシド界面活性剤も、本発明の組成物内への組み込みに適している。Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖であり得る比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8〜20個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含有でき、より好ましくはC12〜C16一級アルキルである。R’は、短鎖部分であり、好ましくは水素、メチル、−CHOH、及びこれらの混合物から成る群から選択される。x+y+zが0でない場合、EOはエチレンオキシ、POはプロピレンオキシ、BOはブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤類は、C12〜14アルキルジメチルアミンオキシドで表される。
【0061】
この組成物における使用に好適なその他の陰イオン性、双極性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)の乳化剤と洗剤(Emulsifiers and Detergents)、1989年年鑑、M.C.出版社(M.C.Publishing Co.)より出版、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号;同第2,438,091号;同第2,528,378号に記載されている。
【0062】
(e)これらの混合物:上記構成成分の混合物は、どのような割合でも製造することができる。
【0063】
(2.2,布地柔軟化系)
本発明の布地処理組成物の第2の必須要素は、布地柔軟化系である。好ましくは、布地柔軟化系は、布地処理組成物の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.1重量%〜15重量%、最も好ましくは0.5重量%〜10重量%の濃度で存在する。布地柔軟化系は、(i)陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1である、少なくとも1つのカルボニル官能基を含むカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物;(ii)0.2meq/g〜5.0meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーガム類;及び(iii)これらの混合物から成る群から選択される、少なくとも1つの布地柔軟化活性物質を含む。
【0064】
(a)少なくとも1つのカルボニル官能基を含むカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物 − 四級アンモニウム布地柔軟化活性化合物
(1)好ましい四級アンモニウム布地柔軟化活性物質化合は下記式を有し、
【化4】

又は下記式を有し:
【化5】

式中、Qは下記式を有するカルボニル単位であり、
【化6】

各R単位は、独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり、好ましくはメチル又はヒドロキシアルキルであり;各R単位は、独立して、直鎖又は分岐鎖C11〜C22アルキル、直鎖又は分枝鎖C11〜C22アルケニル、及びこれらの混合物であり、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり;Xは、柔軟仕上げ剤活性物質及び補助剤成分と適合性のある陰イオンであり;添字mは1〜4、好ましくは2であり;添字nは1〜4、好ましくは2である。
【0065】
好ましい布地柔軟仕上げ活性物質の例は、下記式を有する四級化されたアミン類の混合物であり、
【化7】

式中、Rは好ましくはメチルであり;Rは少なくとも11個の原子、好ましくは少なくとも15個の原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルケニル鎖である。上記の布地柔軟仕上げ剤の例においては、−OCR単位は、通常はトリグリセリド源から誘導される脂肪族アシル単位を表す。トリグリセリド源は、好ましくは、タロー、部分水素添加タロー、ラード、部分水素添加ラード、植物油及び/又は部分硬化植物油、例えば、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツオイル、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米糠油など、及びこれらの油の混合物から誘導される。
【0066】
本発明の好ましい布地柔軟化活性物質は、ジエステル及び/又はジアミド四級アンモニウム(DEQA)化合物であり、ジエステル類及びジアミド類は下記式を有し、
【化8】

式中、R、R、X、及びnは、上記で式(1)及び(2)について本明細書で定義したものと同一であり、Qは次式を有する。
【化9】

【0067】
上記の対イオンX(−)は、柔軟剤と適合性のあるいかなる陰イオンでもあり得るが、好ましくは強酸の陰イオン、例えば、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩、硝酸塩など、より好ましくは塩化物又は硫酸メチルである。また陰イオンは、あまり好ましくはないが二価の電荷を有することもでき、その場合、X(−)は、基の半分を表す。
【0068】
タロー及びキャノーラ油は、本発明においてR単位として使用するために好適な脂肪族アシル単位の好都合であり、安価な供給源である。以下は、本発明の組成物における使用に好適な四級アンモニウム化合物類の非限定的な例である。以後、本明細書で使用する時、用語「タロイル(tallowyl)」とは、R単位がタロートリグリセリド源から誘導され、脂肪族アシル単位の混合物であることを示す。同様に、カノリル(canolyl)の用語は、キャノーラ油から誘導される脂肪酸アシル単位の混合物を指すのに使用する。
【表1】

【0069】
四級アンモニウム柔軟化化合物のその他の例は、メチルビス(タローアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート及びメチルビス(水素添加タローアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートであり、これらはウィトコ・ケミカル社(Witco Chemical Company)からそれぞれバリソフト(Varisoft)(登録商標)222及びバリソフト(Varisoft)(登録商標)110の商品名で入手可能である。特に好ましいものは、N,N−ジ(カノリル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド及びN,N−ジ(カノリル−オキシ−エチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートである。
【0070】
以上で記載したように、R単位は好ましくはメチルであるが、好適な布地柔軟仕上げ活性物質は、表Iの上述の例における用語「メチル」を次の単位に置き換えることによって表わされる:エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、ブチル、イソブチル、及びt−ブチル。
【0071】
表Iの例において、対イオンXは、臭化物イオン、硫酸メチルイオン、ギ酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、及びこれらの混合物で好適に置換することができる。実際、陰イオンXは、単に、正電荷を有する四級アンモニウム化合物類の対イオンとして存在するにすぎない。本発明の範囲は、いずれかの特定の陰イオンに限定されるものではない。
【0072】
本明細書に記載され、本明細書の組成物の調製に使用でき、望ましい不飽和度を有する他のDEQAカチオン性捕捉剤類、及びそれらの合成は、PCT国際公開特許WO98/03619に記載されており、良好な凍結/解凍回復性を有する。
【0073】
また、式(1)及び(2)の活性物質の混合物を調製してもよい。
【0074】
(2)本明細書で使用される他の好適な四級アンモニウム布地柔軟化化合物は、下記式を有するジアミノアルコキシル化四級アンモニウム塩であり:
【化10】

式中、nは1〜5に等しく;Rは、少なくとも11個の原子、好ましくは少なくとも15個の原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル鎖であり;R及びRは、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこられの混合物から選択され;そしてAは、上記と同義である。
【0075】
本明細書の前記で開示した柔軟剤化合物の種類のうちで好ましいものは、ジエステル又はジアミド四級アンモニウム布地柔軟化活性化合物(DEQA)である。
【0076】
(b)カチオン性グアーガム類−カチオン性グアーガム類は、本発明の布地柔軟化系に存在することができる。グアーガム類は、分岐状多糖類である。これらは、1,4−結合β−D−マンノピラノシル単位の直鎖であるマンナン主鎖を有し、この他の単位は(平均的に)1,6−結合α−D−ガラクトピラノシル単位で置換されている。ほとんどの多糖類のように、グアーガムは、糖単位1つ当たり3つの遊離ヒドロキシル基を含有し、これは多くの化学薬品と反応することができる。カチオン性グアーガムを作製する慣用の手順には、1)グアーガムとプロピレンオキシドを縮合してヒドロキシプロピルグアーを得ること;2)ヒドロキシプロピルグアーを適切なカチオン性剤と反応させてカチオン性グアーガムを形成すること、が含まれる。市販されているカチオン性グアーガムには、デラウェア州ウィルミングトン(Wilmington,Delaware)のハーキュレス社(Hercules Incorporated)からのN−ハンス(Hance)3196及びN−ハンス(Hance)3000のようなN−ハンス(Hance)グアーガム誘導体、フランス、オーベルビリエ(Aubervilliers,France)のロデア(Rhodia)からのジャガー・エクセル・アンド・ジャガー(Jaguar Excell and Jaguar)C−13を含む。カチオン性グアーガムの理想的な構造は、下記の構造式で示される。
【化11】

【0077】
カチオン性グアーガムの分子量は、少なくとも10,00、好ましくは少なくとも50,000である必要がある。本発明で使用されるカチオン性置換度は、0.01〜1.00、好ましくは0.02〜0.50の範囲であるべきである。本発明の組成物における使用に好適であるグアーガムの電荷密度は、一般にpH3〜pH9の範囲、好ましくはpH4〜pH8である、組成物の使用が意図されるpHで、0.2meq/g〜5.0meq/g、好ましくは0.25meq/g〜3meq/g、より好ましくは0.3meq/g〜2meq/gである。
【0078】
(c)これらの混合物−上記構成成分の混合物は、どのような割合でも作製することができる。
【0079】
(好ましい実施形態)
好ましくは、本発明の布地処理組成物は、小袋容積空間内に含有される。
【0080】
液体布地処理組成物は一般に非水性である。本発明の目的のため、組成物は、非水性であり、含有する場合は、布地処理組成物の15重量%未満、好ましくは2重量%〜10重量%、より好ましくは3重量%〜8重量%、最も好ましくは3.5重量%〜6重量%の水である。これは布地処理組成物全体の重量による水全体に基づく。
【0081】
液体組成物はいかなる方法によっても作製することができ、通常その成分に応じていかなる粘度を有することもできる。液体組成物は、20s−1の速度で測定すると、好ましくは0.0001m/s(100センチポアズ)〜0.1m/s(100,000センチポアズ)、より好ましくは0.0002m/s(200センチポアズ)〜0.05m/s(50,000センチポアズ)、さらにより好ましくは0.00025m/s(250センチポアズ)〜0.01m/s(10,000センチポアズ)、最も好ましくは0.003m/s(300センチポアズ)〜0.001m/s(1,000センチポアズ)の粘度を有する。本明細書の液体組成物は、ニュートン性又は非ニュートン性であることができる。
【0082】
液体組成物は好ましくは、0.8kg/l〜1.3kg/l、好ましくはおよそ1.0〜1.1kg/lの密度を有する。
【0083】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのビルダーが存在する。より好ましくは、少なくとも1つの水溶性ビルダーが存在し、さらにより好ましくは、少なくとも1つの脂肪酸ビルダーが存在する。本発明の組成物への組み込みに好適な最も好ましいビルダーは、クエン酸である。
【0084】
また好ましいものは、酵素の存在であり、また好ましくは予備形成された過オキソ酸のような漂白剤の組み込みであってよい。
【0085】
液体組成物は、好ましくは着色剤若しくは染料及び/又はパールエッセンス剤を含む。
【0086】
また、極めて好ましいものは、香料、増白剤、緩衝剤(好ましくは5.5〜9、より好ましくは6〜8にpHを維持する)、及び泡抑制剤、防しわ剤である。
【0087】
上記の全ての組成物において極めて好ましいものは、追加の溶媒の存在であり、これは、好ましくは有機溶媒、より好ましくは1つ以上の遊離ヒドロキシ基を有するC1〜C20直鎖、分岐状、環状、飽和及び/又は不飽和のアルコール類;アミン類、アルカノールアミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機溶媒である。さらにより好ましい溶媒は、モノアルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体、グリセロール類、グリコール類、及びこれらの混合物であり、例えば、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、モノエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類及びこれらの混合物であり、最も好ましい溶媒は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びこれらの混合物から選択される。
【0088】
本発明において使用される組成物は、溶媒を、布地処理組成物の0.1重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは12重量%〜40重量%、最も好ましくは15重量%〜30重量%の濃度で含む。
【0089】
(補助剤成分)
(a)ビルダー化合物
本発明による組成物は、好ましくは水溶性ビルダー化合物を含有し、典型的には洗剤組成物中に、組成物の1重量%〜60重量%、好ましくは3重量%〜40重量%、最も好ましくは5重量%〜25重量%の濃度で存在する。
【0090】
適切な水溶性ビルダー化合物には、水溶性モノマーのカルボキシレート類若しくはその酸形態、或いはポリカルボン酸が2個以下の炭素原子で互いに離れている少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含むホモポリマー又はコポリマーのポリカルボン酸若しくはそれらの塩類、及びいかなる前述の混合物も挙げられる。
【0091】
好ましいビルダー化合物としては、シトラート、タータラート、スクシネート、オキシジスクシネート、カルボキシメチルオキシスクシネート、ニトリロトリアセテート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0092】
非常に好ましくは、おそらく一種以上の脂肪酸及び/又は所望によりそれらの塩(好ましくはナトリウム塩)が洗剤組成物に存在することであろう。これが布地のさらに改良された柔軟性及び洗浄性を提供し得ることが見出された。好ましくは、組成物は、組成物の2重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%、最も好ましくは10重量%〜25重量%で脂肪酸又はその塩を含む。好ましいものは、特にC12〜C18飽和及び/又は不飽和、直鎖及び/又は分岐状の脂肪酸であるが、好ましくはそのような脂肪酸の混合物である。非常に好ましいものは、飽和及び不飽和脂肪酸の混合物であることが見出され、例えば好ましいものは、ナタネ由来脂肪酸とC16〜C18初留揮発分全除去(topped whole cut)脂肪酸の混合物、又はナタネ由来脂肪酸とタローアルコール由来脂肪酸の混合物、パルミチン、オレイン、脂肪アルキルコハク酸、及びこれらの混合物である。
【0093】
本発明の組成物は、ホスフェート含有ビルダー物質を含んでもよい。好ましくは、2%〜40%、より好ましくは5%〜30%、より好ましくは10%〜25%の濃度で存在する。水溶性ホスフェートビルダー類の適切な例は、アルカリ金属トリポリホスフェート類、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのピロホスフェート、ナトリウム及びカリウム及びアンモニウムのピロホスフェート、ナトリウム及びカリウムのオルトホスフェート、重合度が6〜21の範囲であるナトリウムポリメタ/ホスフェート、並びにフィチン酸の塩である。
【0094】
本発明による組成物は部分的に可溶性又は不溶性のビルダー化合物を含有してよく、典型的には洗剤組成物中に、組成物の0.5重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜50重量%、最も好ましくは8重量%〜40重量%の濃度で存在する。
【0095】
好ましくは、クラリアント(Clariant)から入手可能なSKS−6のようなアルミノシリケート類及び/又は結晶性層状シリケート類である。
【0096】
しかしながら、配合の観点から、かかるビルダーは液体中で過剰に分散又は沈殿した物質をもたらすか、又は過剰な工程又は分散助剤を必要とするので、液体組成物においてはそのようなビルダーを含まないことが好ましいであろう。
【0097】
(b)構造剤
本発明の組成物は、好ましくは構造剤を含み、それは、典型的には布地処理組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.15重量%〜15重量%、より好ましくは0.2重量%〜5重量%で存在する。構造剤は、本明細書の布地ケア組成物類を安定化させ、本明細書の布地処理組成物類が凝集する及び/又はクリーム状になることを防止するのに役立つ。
【0098】
好ましくは、構造剤は結晶性ヒドロキシル含有構造剤であり、更により好ましくはトリヒドロキシステアリン、水素添加油又はこれらの変更形態である。
【0099】
理論により限定されることは意図せずに、結晶性ヒドロキシル含有安定剤は、「糸状構造系」を形成する剤の非限定的な例である。本明細書で使用される時、「糸状構造系」は、材料が合わされたとき合体する及び/又は相分離する傾向を減少させる、化学網状組織を提供することができる1つ以上の剤を含む系を意味する。その1つ以上の試薬の例には、結晶性ヒドロキシル含有安定剤及び/又は硬化ホホバが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、糸状構造系は、マトリックスの冷却持に繊維状の、又はもつれた糸状の網目構造をその場で形成すると考えられている。糸状構造系は、1.5:1、好ましくは少なくとも10:1〜200:1の平均アスペクト比を有する。
【0100】
標準的なボトルから組成物を注ぐことを可能にする、中程度の剪断範囲(5s−1〜50s−1)における粘度が0.002m/s(2000cSt)以下となるように糸状構造系を作ることができるが、0.1s−1における製品の低剪断粘度は、少なくとも0.002m/s(2000cSt)とすることができ、より好ましくは0.02m/s(20,000cSt)より大きくすることができる。糸状構造系の調製方法は、PCT国際公開特許WO02/18528に開示されている。
【0101】
結晶性ヒドロキシル含有安定剤は、脂肪酸、脂肪エステル、又は脂肪石鹸水不溶性ワックス様物質とすることができる。
【0102】
本発明による結晶性ヒドロキシル含有安定剤は、好ましくはヒマシ油の誘導体、とりわけ硬化ヒマシ油誘導体である。例えば、ヒマシワックスである。
【0103】
結晶性ヒドロキシル含有試剤は、典型的には、以下からなる群から選択される。
【0104】
i)
【化12】

(式中、Rは−C(O)Rであり、RはR又はHであり、RはR又はHであり、Rは独立して、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC10〜C22アルキル又はアルケニルである)
ii)
【化13】

(式中、
【化14】

は上記i)に定義される通りであり、
MはNa、K、Mg++又はAl3+、又はHである)、及び
iii)これらの混合物。
【0105】
あるいは結晶性ヒドロキシル含有安定剤は、以下の式を有することができる:
【化15】

式中
(x+a)は11〜17であり;(y+b)は11〜17であり;そして
(z+c)は11〜17である。好ましくは、x=y=z=10である及び/又はa=b=c=5である。
【0106】
市販されている結晶性のヒドロキシル含有安定剤としては、レオックス社(Rheox,Inc)からのチキシン(THIXCIN)(登録商標)が挙げられる。
【0107】
(c)香料
極めて好ましいものは、好ましくは少なくとも1つの構成成分がコーティング剤及び/又は担体物質、好ましくは香料を運ぶ有機ポリマー若しくは香料を運ぶアルミノケイ酸塩、又は香料を内包するカプセル剤、例えば、デンプン若しくはその他のセルロース系物質のカプセル剤を含む、香料構成成分である。本発明者らは、香料が本発明の組成物中の布地により効率的に堆積することを見いだした。
【0108】
好ましくは、本発明の小袋組成物は、0.01%〜4%、より好ましくは0.1%〜2%の香料を含む。
【0109】
(d)漂白剤
また本明細書の組成物は、所望により、0.005重量%〜10重量%の漂白剤を含んでもよい。漂白剤は、過水和物漂白剤として存在してもよく、例えば、過炭酸の塩、特にナトリウム塩、及び/又は有機過オキソ酸漂白剤前駆体、及び/又は遷移金属漂白剤触媒、特にMn又はFeを含むものであってよい。小袋又は区画がPVAのような遊離ヒドロキシ基を有する物質から形成される際、好ましい漂白剤は過炭酸塩を含み、いかなる過ホウ酸塩又はホウ酸塩をも含まないことが好ましいことがわかった。ホウ酸塩及び過ホウ酸塩が、これらのヒドロキシ含有物質と相互作用し、物質の溶解を減少させ、また機能性低下をもたらすこともわかった。
【0110】
無機過水和物塩は、好ましい過酸化物源である。無機過水和物塩の例としては、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過珪酸塩が挙げられる。無機過水和物塩は通常アルカリ金属塩である。アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書で好ましい過水和物である。
【0111】
本明細書の組成物は好ましくは、過オキソ酸又はそのための前駆体(漂白剤活性化剤)を含み、好ましくは有機過オキソ酸漂白剤前駆体を含む。組成物は、本明細書で定義される少なくとも2つの過オキソ酸漂白剤前駆体、好ましくは少なくとも1つの疎水性過オキソ酸漂白剤前駆体と少なくとも1つの親水性過オキソ酸漂白剤前駆体とを含むことが好ましい。前駆体と過酸化水素の供給源とのその場での反応によって、有機過オキソ酸が発生する。好ましくは、疎水性過オキソ酸漂白剤前駆体は、オキシベンゼンスルホン酸基、好ましくは、NOBS、DOBS、LOBS及び/又はNACA−OBSを有する化合物を含む。親水性過オキソ酸漂白剤前駆体は、好ましくはTAEDを含む。
【0112】
アミド置換アルキル過オキソ酸前駆体化合物も本明細書に使用できる。好適なアミド置換型漂白剤活性化剤化合物は、EP−A−0170386に記載されている。
【0113】
組成物は予備形成有機過オキソ酸を含有してもよい。好適な分類の有機過オキソ酸化合物がEP−A−170,386に記載されている。その他の有機過オキソ酸には、ジアシルペルオキシド類及びテトラアシルペルオキシド類、特に、ジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシテトラデカン二酸、及びジペルオキシヘキサデカン二酸が挙げられる。モノ−及びジペルアゼライン酸、モノ−及びジペルブラシル酸、並びにN−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸も、本明細書での使用に適している。
【0114】
(e)泡抑制系
組成物は、組成物の10重量%未満、好ましくは0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜8重量%、最も好ましくは0.05重量%〜5重量%の濃度で泡抑制剤を含む。好ましくは、泡抑制剤は石鹸、パラフィン、ワックス又はこれらの任意の組み合わせのどれであってもよい。泡抑制剤が泡抑制シリコーンである場合、組成物は好ましくは0.005重量%〜0.5重量%の泡抑制シリコーンを含む。本明細書の使用に適した泡抑制系は、例えば、シリコーン消泡化合物及び2−アルキルアルカノール消泡化合物を含む、本質的にいかなる既知の消泡化合物を含んでもよい。
【0115】
他の適切な消泡化合物としては、モノカルボキシル脂肪酸類及びそれらの可溶性塩類が挙げられ、上記ビルダーで記載された通りである。これらの物質は1960年9月27日、ウェインセントジョン(Wayne St.John)に発行の米国特許第2,954,347号に記載されている。泡抑制剤として用いられるモノカルボキシル脂肪酸及びその塩は典型的には、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子のヒドロカルビル鎖を有する。適切な塩類としては、特にナトリウム塩だけでなくカリウム塩のようなアルカリ金属塩類が挙げられる。
【0116】
(f)酵素
本明細書の組成物に有用なその他の好ましい成分は、1つ以上の酵素である。
【0117】
好適な酵素としては、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、デキストラナーゼ、トランスフェラーゼ、ラッカーゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ、又はこれらの混合物から成る群から選択される酵素が挙げられる。洗剤組成物は一般に、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼのような従来の適用可能な酵素の反応混液を含む。
【0118】
酵素は一般に、洗剤組成物に、該組成物の0.0001重量%〜2重量%、好ましくは0.001重量%〜0.2重量%、より好ましくは0.005重量%〜0.1重量%の濃度で組み入れられる。
【0119】
上記の酵素は、例えば、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源のように好適ないかなる起源であってもよい。起源は更に、中温性又は好極端性(好冷性、好低温栄養性、好温性、好圧性、好アルカリ性、好酸性、好塩性など)であることができる。このような酵素の精製された形態又は精製されていない形態を用いてもよい。現在では、本発明の洗剤組成物の性能効率を最適化するためにタンパク質/遺伝工学的技術を介して野生型酵素を修飾することは一般的な方法である。例えば、その変異型は、通常遭遇するそのような組成物の成分への酵素の適合性が高まるようにデザインされてもよい。あるいは、その変異型は、酵素変異型の最適なpH、漂白剤又はキレート剤の安定度、触媒活性などが特定の洗浄用途に合わせて作製されるようにデザインされてもよい。液体洗剤中の酵素安定について、界面活性剤の適合性のための漂白剤安定度及び表面の荷電に関しては、酸化に敏感なアミノ酸に注意を集中させるべきである。このような酵素の等電点は、いくつかの荷電アミノ酸の置換によって変更してもよい。その酵素の安定度は、例えば、追加した塩架橋及びキレート剤の安定度を増加するための強化した金属結合部位を作製することによって更に強化されてもよい。更に酵素は、化学的又は酵素的に修飾(例えば、PEG化(PEG-ylation)、架橋)してもよく、及び/又は不動化することができ、すなわち担体に結合した酵素を適用できる。
【0120】
洗剤組成物に組み込まれる酵素は、いかなる好適な形態であることもでき、例えば、液体、カプセル化物、小球、顆粒など、又は現段階での先行技術に基づく他のいかなる形態であることもできる。
【0121】
(g)有機ポリマー化合物
本明細書の組成物は、また所望により0.005重量%〜10重量%の有機ポリマー化合物を含んでよい。本発明の組成物に含むのに有用な追加の非アルコキシル化有機ポリマー化合物としては、水溶性有機ホモポリマー性又はコポリマー性のポリカルボン酸又はその塩が挙げられ、そのポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子で互いに分離されている少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含む。後者のタイプのポリマーはGB−A−1,596,756に開示されている。そのような塩類の例は、分子量が1000〜5000のポリアクリレート及びそれらの無水マレイン酸とのコポリマーであり、そのようなコポリマーは分子量が2000〜100,000、特に40,000〜80,000である。
【0122】
本明細書の組成物への組み込みに好適なその他の有機ポリマー化合物として、セルロース誘導体が挙げられる。
【0123】
(h)移染防止剤
本明細書における組成物は、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜0.5重量%の高分子染料移行抑制剤も含んでもよい。上記ポリマー染料移行阻害剤は、好ましくはポリアミン−N−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー又はこれらの組み合わせから選択され、これらのポリマーは架橋ポリマーであり得る。
【0124】
(i)増白剤
本明細書において組成物は、また所望により、0.005重量%〜5重量%の蛍光増白剤を含んでもよい。
【0125】
好ましい増白剤としては、チバ−ガイギー社(Ciba−Geigy Corporation)により商標名チノパール(Tinopal)−UNPA−GXで市販品として販売されている、4,4’,−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸及び二ナトリウム塩、チバ−ガイギー社により商標名チノパール5BM−GXで市販品として販売されている、4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム塩、チバ−ガイギー社により商標名チパノール−DMS−X及びチノパールAMS−GXで市販品として販売されている、4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−モルフィリノ−s−トリアジン−2−イル)アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸、ナトリウム塩が挙げられる。
【0126】
(j)アルコキシル化アミン、イミン、アミド、イミド化合物
組成物は、所望により、少なくとも2つのアルコキシル化アミン、イミン、アミド又はイミド基を有する、1つ以上のアルコキシル化化合物を含んでよい。
【0127】
好ましいものは、少なくとも2つのアルコキシル化アミン基を有する化合物である。
【0128】
アルコキシル化基は、1つ以上のアルコキシラートを有してよく、典型的には1つを超えるアルコキシラートであり、よってアルコキシラートの鎖又はポリアルコキシル化基を形成する。
【0129】
化合物は、2つのアルコキシル化基又は鎖を有してもよく、好ましくは少なくとも4、又はさらに少なくとも7、又はさらに少なくとも10、又はさらに少なくとも16である。好ましくは、アルコキシル化基が、(それぞれ独立して)少なくとも5、より好ましくは少なくとも8、好ましくは少なくとも12、好ましくは最大80まで、又はさらに50まで、又はさらに25までの平均アルコキシル化度を有するポリアルコキシル化基であることである。
【0130】
(ポリ)アルコキシル化は、好ましくは(ポリ)エトキシル化及び/又は(ポリ)プロポキシル化である。従って、好ましくは、アルコキシル化基が、ポリエトキシル化基又はポリプロポキシル化基又は(ポリ)エトキシル化/(ポリ)プロポキシル化基であることである。
【0131】
好ましくは、これらの化合物が、そのような基を有するポリマーであることであってよい。本明細書で使用される場合、ポリマーは、主鎖を形成する反復モノマー単位を2つ以上有する化合物である。本明細書のアルコキシル化ポリマーは、好ましくは、アルコキシル化基がポリマーの主鎖の一部ではないが、主鎖を形成する単位におけるアミン、イミン、アミド若しくはイミドのアルコキシル化基であるか、又は主鎖に化学的に結合している側基のアルコキシル化基であるものである。
【0132】
前記アルコキシル化化合物は、好ましくは、ポリアミド、ポリイミド、又はより好ましくはポリアミン、若しくはポリイミン(polyime)化合物であり、ここでこれらのアミド、イミド、アミン又はイミン単位は、反復単位の鎖を形成する、ポリマーの主鎖として存在する。好ましくは、これらのポリマーは、少なくとも3、又はさらに4、又はさらに5個のアミド、イミド、アミン又はイミン単位を有する。ここで、アミン又はイミンのうちの幾つかのみがアルコキシル化されていることが、好ましいことがある。
【0133】
主鎖が、また、アルコキシル化されていてもよいアミド、イミド、アミン又はイミン基を含有する側鎖も有することが、好ましいことがある。
【0134】
好ましいものは、200から50,000まで、好ましくは20,000まで、又はさらには10,000まで、又はさらには350から5000まで、又はさらには2000まで、又はさらには1000までの重量平均分子量を有する化合物である。
【0135】
好ましくは本明細書の組成物(以下でより詳細に記載されている)は、(組成物の重量で)0.5%〜15%、より好ましくは0.8%〜10%、より好ましくは1.5%〜8%、より好ましくは2.0%、又はさらには2.5%、又はさらには3%〜6%の前記アルコキシル化化合物を含む。本明細書の組成物は、好ましくは規定された化合物の混合物を含んでよい。
【0136】
極めて好ましいものは、好ましくはエトキシル化鎖1つ当たり15〜25の平均エトキシル化度を有し、1000〜2000ダルトンの分子量を有する、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)である。また極めて好ましいものは、エトキシル化テトラエチレンペンタイミン類である。
【0137】
(k)キレート剤
本明細書の組成物は、例えば、2つ以上のホスホン酸若しくはホスホネート基、又は2つ以上のカルボン酸若しくはカルボキシレート基、又はそれらの混合物を有する、キレート剤を含むことができる。キレート剤は、本明細書では、重金属イオンを優先的に封鎖する(キレートする)ように作用する構成成分を意味するが、これらの構成成分はまた、カルシウム及びマグネシウムをキレートする能力を有してもよい。
【0138】
キレート剤は一般に、本明細書における組成物の1重量%から、好ましくは2.5重量%から、3.5重量%から、又はさらには5.0重量%から、又はさらには7重量%からであり、好ましくは20重量%まで、又はさらには15重量%まで、又はさらには10重量%までの濃度で存在する。
【0139】
本明細書で極めて適切な有機ホスホネート類は、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート類)、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシビスホスホネート類及びニトリロトリメチレンホスホネート類である。上記の種類の中で好ましいものは、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミントリ(メチレンホスホネート)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)及びヒドロキシ−エチレン1,1ジホスホネートである。
【0140】
本明細書の使用に適したその他のキレート剤としては、ニトリロ三酢酸及びエチレンジアミノ四酢酸、エチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、エチレンジアミン二グルタル酸、2−ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸などのポリアミノカルボン酸又はそれらのあらゆる塩が挙げられる。とりわけ好ましいものは、エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸(EDDS)又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、若しくはその置換アンモニウム塩、又はそれらの混合物である。グリシナミド−N,N’−二コハク酸(GADS)、エチレンジアミン−N,N’−二グルタル酸(EDDG)及び2−ヒドロキシプロピレンジアミン−N,N’−二コハク酸(HPDDS)もまた適切である。
【0141】
2つ以上のカルボキシレート類又はカルボン酸基を持つ適切なキレート剤には、コハク酸、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸及びフマル酸の酸又は塩の形態、並びにエーテルカルボキシレート類及びスルフィニルカルボキシレート類が挙げられる。3つのカルボキシ基を含有するキレート剤には、特にシトレート類、アコニトレート類及びシトラコネート類の酸又は塩の形態並びにコハク酸誘導体が挙げられる。好ましいカルボキシレートキレート剤は、分子1つ当り3つまでのカルボキシ基を含有するヒドロキシカルボキシレート類、特にシトレート類及びクエン酸類である。
【0142】
4つのカルボキシ基を含有するキレート剤には、オキシジスクシネート類、1,1,2,2−エタンテトラカルボキシレート類、1,1,3,3−プロパンテトラカルボキシレート類及び1,1,2,3−プロパンテトラカルボキシレート類、スルホスクシネート誘導体の塩及び酸の形態が挙げられる。
【0143】
極めて好ましいものは、少なくとも1つのオルガノホスホネート又はホスホン酸、また少なくとも1つのジ−又はトリ−カルボキシレート又はカルボン酸が存在することである。極めて好ましいのは、少なくともフマル酸(又は塩)及びクエン酸(又は塩)及び1つ以上のホスホネート類が存在することである。好ましい塩はナトリウム塩である。
【0144】
極めて好ましいのは、組成物が、水に加えて、水溶性小袋材料に対する可塑剤、例えば上述の可塑剤の1つ、例えばグリセロールを含むことである。このような可塑剤は、組成物のその他の成分に対する溶媒であること及び小袋材料に対する可塑剤であることの二重の目的を有することができる。
【0145】
(l)ヒドロトロープ
別の極めて好ましい任意の成分は、ヒドロトロープである。ヒドロトロープを本発明の小袋組成物内に包含することは、溶解性を更に向上することができるが見いだされた。ヒドロトロープは、わずかに可溶性のある特定の有機化合物の溶解度を増加する能力がある物質である。本明細書で使用されるヒドロトロープの記載は、界面活性剤化学(Surfactant Science)、第67巻「液体洗剤(Liquid Detergents)」の第2章、表題「ヒドロトロピー(Hydrotropy)」で見いだすことができる。
【0146】
好ましくは本明細書の組成物は、組成物の0.01重量%〜15重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.25重量%〜7重量%、さらにより好ましくは更に0.5重量%〜5重量%でヒドロトロープを含む。
【0147】
好ましいヒドロトロープは、ナトリウムクメンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート、ナトリウムナフタレンスルホネート、ナトリウムp−トルエンスルホネート、及びこれらの混合物から選択される。特に好ましいものは、ナトリウムクメンスルホネートである。ヒドロトロープのナトリウム形態が好ましいが、そのカルシウム形態、アンモニウム形態、アルカノールアンモニウム形態、及び/又はC〜Cアルキル置換されたアンモニウム形態もまた使用可能である。
【0148】
(m)更なる柔軟化活性物質
本発明の組成物は、所望により追加の布地柔軟化活性物質を含んでよい。これらの追加の柔軟剤は、布地処理組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは1.5重量%〜10重量%の量で存在することができる。
【0149】
(i)布地柔軟化粘土は、所望により、追加の布地柔軟化材料として本発明の布地柔軟化系に存在することができる。好ましい粘土類は、スメクタイト型のものである。
【0150】
スメクタイト型粘土類は、布地柔軟化成分として洗剤組成物において広く使用されている。これらの粘土のほとんどが、少なくとも50meq/100gのカチオン交換容量を有する。
【0151】
スメクタイト粘土類は、アルミノケイ酸塩又はマグネシウムケイ酸塩からなる、3層膨張性材料として記載されることができる。
【0152】
スメクタイト型粘土類には2つの明確な部類があり、第1の部類では、シリケート結晶格子中に酸化アルミニウムが存在し、スメクタイト類の第2の部類では、シリケート結晶格子中に酸化マグネシウムが存在する。
【0153】
このようなスメクタイト類の一般式は、酸化アルミニウム型及び酸化マグネシウム型の粘土に対し、それぞれ、Al(Si(OH)及びMg(Si)(OH)である。水和物水の範囲は、粘土が付される加工によって変わりうる。更に、Hと同様に、Na、Ca2+のような金属カチオンが水和物水中に共存して、電気的中性をもたらすことができる一方で、スメクタイト類の結晶格子中で鉄及びマグネシウムによる原子置換を起こすことができる。
【0154】
支配的又は独占的に吸収される1つのカチオンに基づいて粘土を区別するのが慣例である。例えば、ナトリウム粘土は、吸収されるカチオンが大部分ナトリウムである。このような吸収されたカチオンは、水溶液中に存在するカチオンとの平衡交換反応に関与するようになることができる。このような平衡反応において、例えば、1当量の溶液カチオンが1当量のナトリウムを置換し、そして粘土カチオン交換容量を粘土100g当たりのミリ当量(meq/100g)として測定することは慣例である。
【0155】
粘土のカチオン交換能は、アンモニウムイオンによる交換、その後の滴定、又はメチレンブルー法による電気透析を含む数種の方法で測定することができ、すべてグリムシャウ(Grimshaw)著、「粘土の化学と物理学(The Chemistry and Physics of Clays)」、インターサイエンス・パブリッシャー社(Interscience Publiser,Inc.)の264〜265頁(1971)完全に記載されている。粘土鉱物のカチオン交換能は、粘土の膨張可能な特性、言いかえれば、格子構造により少なくとも部分的に決定される粘土の電荷のような因子に関係する。粘土のイオン交換能は、2meq/カオリナイト100g〜150meq/100gの範囲で、モンモリロナイト種の特定の粘土では、さらに大きい範囲で幅広く変化する。イライト粘土は、範囲の低い部分で、すなわち、およそ26mew/イライト粘土の平均100gのイオン交換能を有する。
【0156】
イライト及びカロリナイト粘土は、それらの相対的に低いイオン交換能と共に、本発明の布地処理組成物の布地柔軟化系において有用ではないと決定された。実際、そのようなイライト及びカロリナイト粘土は、粘土汚れの主要な構成成分を構成する。しかし、およそ50meq/100gのイオン交換能を有するノントロナイト;70meq/100gを超えるイオン交換能を有するサポナイトのようなスメクタイト類は、本発明の布地処理組成物の布地柔軟化系において有用な布地柔軟化活性物質であることが見いだされた。
【0157】
本明細書におけるこの方法のために慣用的に使用されるスメクタイト粘土類は、全て市販されている。そのような粘土類としては、例えば、モンモリロナイト、ボルコンスコイト、ノントロナイト、ヘクトライト、パノナイト、サウコナイト、及びベルミクライトが挙げられる。本明細書の粘土類は、「フーラークレイ(fooler clay)」(ブラック・ヒル(Black Hills)の主なベントナイト又はモンモリロナイト(monmorillonite)鉱脈の上の比較的薄い鉱脈で見つかる粘土)のような商品名、並びにニュージャージー州エリザベスのジョージア・カオリン社(Georgia Kaolin Co.)からのチキソゲル(Thixogel)#1(また、「チキソ−ジェル(Thixo-Jell)」)、及びゲルホワイト(Gelwhite)GP;イリノイ州スコーキー(Skokie,Illinois)のアメリカン・コロイド社(American Colloid Co.)からのボルクレー(Volclay)BC及びボルクレー(Volclay)#325;インターナショナル・ミネラルズ・アンド・ケミカルス(International Minerals and Chemicals)からのブラック・ヒル・ベントナイト(Black Hills Bentonite)BH450;及びR.T.バンダービルト(Vanderbuilt)からのビーガム(Veegum)PRO及びビーガム(Veegum)Fのような様々な商標で入手可能である。前述の商品名及び商標で得られるこのようなスメクタイト型鉱物は、様々な別個の鉱物の存在の混合物を含むことができることを認識すべきである。このようなスメクイト鉱物の混合物は、本明細書における使用に好適である。
【0158】
本明細書における使用に好ましいものは、約0.2〜0.6の層電荷に相当する、50〜100meq/10gのイオン交換容量を有するモンモリロナイト粘土類である。
【0159】
非常に好適なものは、天然由来であり、下記の式一般式を有する粒子の形態のヘクトライトである:
[(Mg3−xLi)Si4−yMeIII10(OH2−z)]−(x+y)(x+y)/nMn+
式中、MeIIIは、Al、Fe、若しくはBであるか;又はy=0であり;Mn+は、一価(n=1)又は二価(n=2)の金属イオンであり、例えば、Na、K、Mg、Ca、Sr、及びこれらの混合物から成る群から選択される。上記の式中、(x+y)の値は、ヘクトライト粘土の層電荷である。そのようなヘクトライト粘土は、好ましくはそれらの層電荷特性に基づいて選択され、すなわち少なくとも50%は0.23〜0.31の範囲である。さらに好適なものは、少なくとも65%が0.23〜0.31の範囲である層電荷分布を有するような天然由来のヘクトライト粘土である。
【0160】
本発明の組成物に好適なヘクトライト粘土は、その柔軟化の活性が優れていることから、好ましくはナトリウム粘土であるべきである。
【0161】
ナトリウム粘土は天然に産出するものであるか、又はナトリウム粘土に転換するために処理された天然に産出するカルシウム粘土である。カルシウム粘土を本発明の組成物に使用する場合、カルシウム粘土をナトリウム粘土に転換するためにナトリウム塩を組成物に加えることができる。好ましくは、そのような塩は炭酸ナトリウムであり、典型的には粘土の全量の5%までの濃度で加える。
【0162】
本発明の組成物に好適なヘクトライト粘土類の例には、米国ニュージャージー州のNLケミカルズ(Chemicals)からのベントン(Bentone)EW及びマカリオド(Macaliod)、並びにインダストリアル・ミネラル・ベンチャーズ(Industrial Mineral Ventures)からのヘクトライト類が挙げられる。
【0163】
別の好ましい粘土は有機親和性の粘土であり、好ましくはスメクタイト粘土であって、交換可能なカチオンの少なくとも30%、又はさらに少なくとも40%、又は好ましくは少なくとも50%、又はさらに少なくとも60%は、好ましくは長鎖の有機カチオンと置換する。このような粘土は、疎水性の粘土とも呼ばれる。
【0164】
有機親和性スメクタイト粘土は優れた柔軟化効果を提供するが、それらは液体組成物の粘度を増加させ得る。従って、これらの有機親和性粘土がどのぐらい使用できるかということは、組成物の粘度要求条件に左右される。
【0165】
これらの有機親和性の粘土は、洗剤組成物に取入れる前に形成される。従って、例えば、通常のスメクタイト粘土のカチオン、又はそれらの一部は、さらに材料を処理して本発明の洗剤を形成する前に長鎖有機カチオンと置換され、本明細書にある有機親和性スメクタイト粘土を形成する。
【0166】
有機親和性粘土は、好ましくは小板の形態であるか又はラス形の粒子である。好ましくは、そのような小板の幅と長さの比率は、少なくとも1:2、好ましくは少なくとも1:4、又はさらに少なくとも1:6、又はさらに少なくとも1:8である。
【0167】
本明細書で使用される時、長鎖有機カチオンは、少なくとも6個の炭素原子、しかし典型的には少なくとも10個の炭素原子、好ましくは少なくとも12個の炭素原子、又は本発明の特定の実施形態では、少なくとも16個、又はさらに少なくとも18個の炭素原子を有する少なくとも1つの鎖を含むいかなる化合物でもあり得る。好ましい長鎖有機カチオンは、本明細書で以下に説明される。
【0168】
本明細書の粘土において好ましい有機親和性粘土類は、スメクタイト粘土類であり、好ましくは下記の式の有機カチオンを1つ以上含有する、ヘクトライト粘土類及び/又はモンモリロナイト粘土類である:
【化16】

式中、Rは、R、R−CO−O−(CH、R−CO−NR−、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機ラジカルを表し、ここでRは、12〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、又はアルキルアリール基であり、ここでRは、水素、C〜Cアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキルであり、好ましくは−CH、又は−C、又は−Hであり;nは、整数であり、好ましくは2又は3と等しく;Rは、R又はC〜Cアルキル、アルケニル若しくはヒドロキシアルキル、好ましくは−CH又は−CHCHOH、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機ラジカルを表し;R及びRは、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキル、好ましくは−CH、−CHCHOH、又はベンジル基、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機ラジカルであり;Rは、12〜22個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基、及びこれらの混合物であり;Rは、好ましくは−OH、−NHCO−R、及び−OCO−R及びこれらの混合物である。
【0169】
きわめて好ましいカチオンは、2つのC16〜C28又はさらにC16〜C24のアルキル鎖を有する四級アンモニウムカチオンである。極めて好ましいものは、天然脂肪族アルコール類より誘導された1つ又は好ましくは2つのアルキル基を有する1つ以上の有機カチオンであり、そのカチオンは、好ましくはジココイルメチルベンジルアンモニウム、ジココイルエチルベンジルアンモニウム、ジココイルジメチルアンモニウム、ジココイルジエチルアンモニウム、及びこれらの混合物、さらに好ましくはジタロージエチルアンモニウム、ジタローエチルベンジルアンモニウム、及びこれらの混合物、最も好ましくはジタロージメチルアンモニウム、ジタローメチルベンジルアンモニウム、及びこれらの混合物より選択される。有機カチオンの混合物が存在していることが極めて好ましい。
【0170】
極めて好ましいものは、レオックス/エレメンティス(Rheox/Elementis)から入手可能なベントンSD−1(Bentone SD-1)(登録商標)及びベントンSD−3(Bentone SD-3)(登録商標)のような有機親和性粘土である。
【0171】
粘土類は、その布地柔軟化性能が当該技術分野において周知である。一般に粘土類は、通常、水性懸濁液として加工される。しかし、布地柔軟化粘土類の水性懸濁液の使用は、最終組成物が水溶性小袋で囲まれている場合は許容されず、その理由は、存在する水分が、早期であり、従って不必要な、小袋材料の溶解を、すなわち消費者が小袋を洗濯機内に置く前に、少なくとも部分的に引き起こし、従って洗浄サイクルで利用可能な処理組成物を失うことになり、及び/又は消費者の家を汚すことになるためである。この技術的な問題を克服するために、本発明は、粘土類を純粋な化合物としてか、又はプレミックスとして加えることを提案する。これらのプレミックスは、粘土と溶媒、好ましくは非水性溶媒とを含む。大多数の粘土の溶解特性のため、プレミックスは、おおよそ、それぞれの溶媒中の粘土のスラリー、又は分散体、又は懸濁液、又エマルションである。溶媒は、好ましくは有機溶媒であり、より好ましくは、有機溶媒は、1つ以上の遊離ヒドロキシ基を有するC〜C20直鎖、分枝状、環状、飽和又は不飽和のアルコール類;アミン類;アルカノールアミン類;及びこれらの混合物から成る群から選択される。さらにより好ましい溶媒には、モノアルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体、グリセロール類、グリコール類、及びこれらの混合物、例えば、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、モノエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、及びこれらの混合物が含まれ、最も好ましい溶媒は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明の好ましい実施形態において、布地柔軟化粘土類及び溶媒類を含むプレミックスは、組成物中の全ての成分の適切な分散又は溶解という点における加工の問題を克服するために使用される。
【0172】
(ii)非電荷で中性の布地柔軟化シリコーン類は、追加の布地柔軟化材料として本発明の布地柔軟化系に所望により存在することができる。
【0173】
シリコーンポリマー類の特定の例は、「シリコーン界面活性剤(Silicone Surfactants)、編集:R.M.ヒル(Hill)、界面活性剤科学シリーズ(Surfactant Science Series)第86巻、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、1999」に開示されている。
【0174】
好ましくは、シリコーンポリマーは、下記の式(I)〜(III)を有する非イオン性窒素無含有シリコーンポリマーから選択される:
【化17】

−(RSiO−[(RSiO]−[(R)(R)SiO−Si(R−R(II);
【化18】

及びこれらの混合物、
式中、Rは、独立して、1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐状、又は環状、置換又は非置換のアルキル基;2〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐状、又は環状、置換又は非置換のアルケニル基;6〜20個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;7〜20個の炭素原子を有する、置換又は非置換のアルキルアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、及び置換又は非置換のアリールアルケニル基、並びにこれらの混合物から成る群から選択され;各Rは、独立して、1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐状、又は環状、置換又は非置換のアルキル基;2〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐状、又は環状、置換又は非置換のアルケニル基;6〜20個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;7〜20個の炭素原子を有する、置換又は非置換のアルキルアリール基、置換又は非置換のアリールアルキル、及び置換又は非置換のアリールアルケニル基から成る群から選択され、そして下記の一般式(IV)を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基を形成し:
−(CHO(CO)(CO)(IV)
ここで少なくとも1つのRは、ポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)コポリマー基であり、そして、各Rは、独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、アセチル基、及びこれらの混合物から成る群から選択され、添字wは、式(I)及び(III)の窒素無含有シリコーンポリマーの粘度が、2・10−6/s(2センチストーク)〜1m/s(1,000,000センチストーク)であるような値を有し;aは、1〜50であり;bは1〜50であり;nは1〜50であり;cの合計は(全てのポリアルキレンオキシ側基において)1〜100の値を有し;dの合計は0〜14であり:c+dの合計は5〜150の値を有する。
【0175】
より好ましくは、窒素無含有シリコーンポリマーは、上記の式(II)〜(III)を有する直鎖非イオン性窒素無含有シリコーンポリマーから選択され、ここで、Rは、メチル、フェニル、フェニルアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;Rは、メチル、フェニル、フェニルアルキル、及びこれらの混合物から成る群から、並びに上記で定義された一般式(IV)を有する基及びこれらの混合物から選択され;Rは、上記と同義であり;そして添字wは、式(III)の窒素無含有シリコーンポリマーの粘度が、0.01m/s(10,000センチストーク)〜0.8m/s(800,000センチストーク)であるような値を有し;aは1〜30であり、bは1〜30であり、nは3〜5であり、cの合計は6〜100であり、dの合計は0〜3であり、そしてc+dの合計は7〜700である。
【0176】
最も好ましくは、窒素無含有シリコーンポリマーは、上記の式(III)を有する直鎖非イオン性窒素無含有シリコーンポリマーであって、ここで、Rは、メチルであり、そして添字wは、式(III)の窒素無含有シリコーンポリマーの粘度が、0.06m/s(60,000センチストーク)〜0.7m/s(700,000センチストーク)、より好ましくは0.1m/s(100,000センチストーク)〜0.48m/s(480,000センチストーク)であるような値を有するポリマー、並びにこれらの混合物から選択される。
【0177】
用語「非置換」は、Rが炭素と水素の元素のみを含有することを意味する。用語「置換」は、Rが、炭素と水素、及びハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、酸素、硫黄、リンから成る群から選択される選択される1つ以上のヘテロ原子、及び/又はアルキルエーテル類、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基のような1つ以上の官能基、並びにこられの混合物を含むことを意味する。
【0178】
シリコーン類はそれらの布地柔軟化性能が当該技術分野において周知である。通常、これらのシリコーン類は、水中のエマルションとして添加される。布地柔軟化粘土類について上記で述べたように、布地柔軟化シリコーン類の水性エマルションの使用は、最終組成物が水溶性小袋内に入れられる場合には許容されない。この技術的な問題を克服するために、本発明は、本発明における使用に好適な布地柔軟化シリコーン類を、シリコーンと溶媒を含むプレミックスとして添加するか、又は溶媒をなにも用いずに純粋な化合物としてシリコーン類を添加するか、のいずれかを提案する。布地柔軟化シリコーン類がプレミックスとして添加される場合、プレミックスは、おおよそ、溶媒中のシリコーンのスラリー、又は分散体、又は懸濁液、又はエマルションである。溶媒は、好ましくは、非水性溶媒であり、より好ましくは有機溶媒であり、さらにより好ましくは、1つ以上の遊離ヒドロキシ基を有するC〜C20直鎖、分枝状、環状、飽和及び/又は不飽和のアルコール類;アミン類、アルカノールアミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機溶媒である。好ましい溶媒は、モノアルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体、グリセロール類、グリコール類、及びこられの混合物であり、例えば、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、モノエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、及びこれらの混合物である。最も好ましくは溶媒は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明の好ましい実施形態において、布地柔軟化シリコーン類と溶媒類を含むプレミックスは、組成物中の全ての成分の適切な分散又は溶解という点における加工の問題を、克服するために使用される。
【0179】
式(II)の窒素無含有シリコーンポリマーの非限定的な例は、コネチカット州ダンベリーのOSIスペシャリティー社(Specialties Inc.)のウィトコ・ディビジョン(Division of Witco)から入試可能なシルウェット(Silwet)(登録商標)化合物である。式(I)及び(II)の窒素無含有シリコーンポリマーの非限定的な例は、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのシリコーン(Silicone)200フルイッド(Fluid)(登録商標)シリーズである。
【0180】
(iii)カチオン性シリコーンポリマー類は、本発明の布地柔軟化系に、追加の布地柔軟化材料として、カチオン性グアーガムに加えて、又はカチオン性グアーガムと布地柔軟化剤としてのアンモニウム系柔軟化剤に加えて、所望により存在することができる。
【0181】
好適なカチオン性シリコーンポリマー類は、出願人の同時係属PCT国際公開特許WO02/18528で開示されている。
【0182】
カチオン性シリコーン類は、それらの布地柔軟化性能が当該技術分野において周知である。通常、これらのカチオン性シリコーン類は、水中のエマルションとして添加される。布地柔軟化粘土類について上記で述べたように、布地柔軟化カチオン性シリコーン類の水性エマルションは、最終組成物が水溶性小袋内に入れられる場合には許容されない。この技術的な問題を克服するために、本発明は、本発明における使用に好適な布地柔軟化カチオン性シリコーン類を、カチオン性シリコーンと溶媒を含むプレミックスとして加えるか、又は溶媒なしで純粋な化合物としてカチオン性シリコーンを加えるか、のいずれかを提案する。布地柔軟化カチオン性シリコーン類をプレミックスとして加えるとき、プレミックスは、おおよそ、溶媒中のシリコーンのスラリー、又は分散体、又は懸濁液、又はエマルションである。溶媒は、好ましくは非水性溶媒、より好ましくは有機溶媒、さらにより好ましくは、1つ以上の遊離ヒドロキシ基を有するC〜C20直鎖、分岐状、環状、飽和及び/又は不飽和アルコール類;アミン類、アルカノールアミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機溶媒である。好ましい溶媒類は、モノアルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体、グリセロール類、グリコール類、及びこれらの混合物であり、例えば、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、モノエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、及びこれらの混合物である。最も好ましい溶媒類は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明の好ましい実施形態において、布地柔軟化カチオン性シリコーン類と溶媒類を含むプレミックスは、組成物中の全ての成分の適切な分散又は溶解という点における加工の問題を克服するために使用される。
【0183】
(他の任意成分)
本明細書の組成物に含まれるのに適する他の任意成分には、色素、白濁剤、酸化防止剤、殺菌剤、中和剤、緩衝剤、相抑制剤、増粘剤、及び充填剤塩が挙げられ、硫酸ナトリウムが好ましい充填剤塩である。
【0184】
(単位用量製品の使用)
本発明の単位用量製品は、洗濯物の洗浄及び柔軟化に有用である。典型的には、単位用量製品は自動洗濯機の計量分配引き出し、あるいはドラムに加えられる。好ましくは、小袋は、水中で溶解又は分解して、洗剤成分を洗浄サイクルで放出する。
【0185】
好ましくは、単位用量製品は、布地洗浄系の洗剤成分を全て、及び洗浄サイクルにおいて布地処理適用に使用される布地柔軟化成分の全てを含む。しかしいくつかの洗剤成分は、小袋に含まれず、洗浄サイクルで別個に添加されることが好ましいこともある。加えて、小袋によって保持される組成物以外の1つ以上の布地処理組成物は、前記組成物が、そのような洗濯工程中に前処理、主処理、後処理、又はこれらの組み合わせとして使用されるように、洗濯工程中に使用されることができる。
【0186】
本発明の単位用量製品は、低及び高温の洗浄温度(例えば、低温は5℃〜40未満、高温は40℃〜95℃)、低及び高水位(例えば、低水位ではクリースサイクル、高水位ではウールサイクル)、短及び長時間の洗浄時間(例えば、短時間の洗濯では5分〜50分未満、長時間の洗濯では50分〜180分)、及び少量及び大量の洗濯物の存在(例えば、洗濯機が洗濯物で「詰め込まれている」場合)に好適な布地処理組成物を提供する。
【0187】
(布地処理組成物の調製方法)
本発明で使用される布地処理組成物は、あらゆる好適な方式で調製することができ、一般にあらゆる順番で混合又は添加することができる。しかし、そのような組成物を作製する好ましい方法がある。
【0188】
第1工程は、全ての布地洗浄成分をあらゆる好適な方法で組み合わせることにより、布地洗浄系を調製することに関する。第2工程は、全ての布地柔軟化成分をあらゆる好適な方法で組み合わせることにより、布地柔軟化系を調製することに関する。第3工程は、布地洗浄系と布地柔軟化系との組み合わせに関する。布地柔軟化系は、典型的には、適切な溶媒中の柔軟仕上げ剤活性物質のスラリー、分散体、懸濁液、又はエマルションとして、布地洗浄系に加えられるか、又は逆もまた同様である。
【0189】
この本発明の布地処理組成物の調製方法は、好ましくは従来の高剪断攪拌法を使用して実施される。これによりすべての成分が最終組成物中に正確に分散又は溶解することを確実にする。
【0190】
本発明の液体組成物、特に液体洗剤組成物は、好ましくは安定剤を含み、特に好ましいものはトリヒドロキシステアリン又は硬化ヒマシ油、例えば、チクシン(Thixcin)(登録商標)として市販されている種類のものである。安定剤を本組成物に添加する場合、それは好ましくは組成物の一つ以上の添加剤又は非シリコーン成分を有する別の安定剤プレミックスとして導入される。
【0191】
小袋は、例えば、PCT国際公開特許WO02/08380A1;同WO01/858981;同WO02/08376A1;同WO01/79417A1;及び同WO01/83661A1で開示されている、あらゆる常法により作製及び充填されうる。
【0192】
(効果)
本発明の単位用量製品は、極めて良好な洗浄性能及び極めて良好な布地柔軟化性能を実証することが見いだされた。加えて、本発明の単位用量製品、良好な溶解度及び/又は低い残留物形成を示すことが見いだされた。
【0193】
理論に束縛されることはないが、以前の液体布地洗剤組成物の成分の不相溶性の問題は、陰イオン性界面活性剤とカチオン性布地柔軟化活性物質との相互作用に起因して起こると考えられてきた。この相互作用は、本発明において、低カチオン電荷密度を有するカチオン性布地柔軟化活性物質を使用することによるか、又は陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1であるカチオン性アンモニウム系柔軟化化合物を使用することにより、減少及び/又はさらには取り除かれる。少なくとも3:1の陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤のモル比は重要であり、それは、陰イオン性界面活性剤とカチオン性柔軟剤との錯体がそのような比率で形成されると考えられるためである。更に、1当量の陰イオン性界面活性剤と1当量のカチオン柔軟剤がイオン対錯体を形成すると考えられている。少なくとも2:1の陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤のモル比が十分であるべきであるが(1当量の陰イオン性界面活性剤とカチオン性アンモニウム系柔軟仕上げ剤がイオン−イオン対錯体を形成し、第2の当量が洗浄を行うために利用可能であり得る)、過剰量の少なくとも追加の1当量の陰イオン性界面活性剤が必要であることが見いだされた。従って、陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比は、少なくとも3:1である必要があり、それにより少なくとも1当量の陰イオン性界面活性剤が、布地洗浄剤として機能を果たすために残ることになる。陰イオン性界面活性剤と柔軟仕上げ剤とのイオン対錯体が、依然として柔軟仕上げ剤として機能を果たし、それにより本発明の布地処理組成物は、布地洗浄効果と布地柔軟化効果の両方を提供することになる。布地洗浄効果は、洗浄系を通して、例えば、存在する陰イオン性界面活性剤を通して、また追加的に、存在する追加の更なる界面活性剤、例えば、非イオン性、カチオン性、双極性及び両性界面活性剤を通して提供される。布地柔軟化効果は、カチオン性アンモニウム系柔軟仕上げ剤、又はカチオン性グアーガム、又はこれらの混合物のいずれかを含む布地柔軟化系を通して提供される。
【0194】
また驚くべきことに、陰イオン性界面活性剤とカチオン性アンモニウム系柔軟仕上げ剤のモル比が最終組成物において高いほど、性能が向上することが見いだされた。
【0195】
また、ポリビニルアルコール含有フィルムの負電荷表面による、例えば、布地洗浄系及び/又は布地柔軟化系のいずれかからのあらゆるカチオン種の間の不相溶性という先行技術の問題が解決されたことに留意すべきである。理論に束縛されるものではないが、これら2つの構成成分の群の間の相互作用は、低カチオン電荷密度を有するカチオン性布地柔軟化活性物質を使用することによるか、又は陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1であるカチオン性アンモニウム系柔軟化化合物を使用することにより、減少及び/又は取り除かれると考えられる。
【実施例】
【0196】
以下の非限定的な例は、本発明を例示するものである。別途明記しない場合、百分率は重量によるものである。
【0197】
(実施例I)
一片のプラスチックを一時的な底部として作用させるために型に設置する。型は、円筒形からなり、直径45mm及び深さ25mmを有する。1mm厚のゴム層が型の端の周囲に存在する。型は真空を適用するために型材中に幾つかの孔を有する。一時的な底部を置いて型の深さを12mmとする。一片のモノソール(Monosol)M−8530フィルムをこの型の上部に置き、その場所に固着する。真空を適用してフィルムを型の中に引っ張り、フィルムを引っ張って型の内部表面と一時的な底部とをぴったり重ね合わせる。液体布地処理組成物50mlを型に注ぎ込む。次いでモノソール(Monosol)M−8530フィルムの第2の片を、液体構成成分が入っている型の上部にわたって置き、型の端のゴム環上に、内径46mmの平面金属の環状片を適用し、中程度の圧力下で金属を加熱して、2片のフィルムを一緒に加熱封止することにより第1のフィルム片に封止して、液体構成成分を含む区画を形成する。金属環は、典型的には、135℃〜150℃の温度で加熱され、最大5秒間適用される。
【0198】
(実施例II−XII)
小袋は、実施例Iで記載された方法で製造され、各小袋の封入容量内には、下記の組成物のうちの1つが入る。
【表2】

【表3】

(1):分子量=326g/mol;
(2):N,N−ジ(カノリルオキシエチル)−N−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルススルフェート、分子量=785g/mol;
(3):米国デラウェア州ウィルミングトンのハーキュレス社(Hercules Incorporated)からのN−ハンス(Hance)3196;
(4)ニュージャージー州エリザベスのジョージア・カオリン社(Georgia Kaolin Co.)のゲルホワイト(Gelwhite)GP;
(5):粘度0.1m/s(100,000センチストーク)のポリジメチルシロキサン、ダウ・コーニング(Dow Corning)のシリコーン(Silicone)200フルイッド(Fluid)(登録商標)シリーズ;
(6):PCT国際公開特許WO02/18528の構造2bと同様のカチオン性シリコーン構造であり:(i)では、R、R=CHであり、R=(CHであり、X=CHCHOHCHであり、a=0であり;b=1であり;c=150であり;d=0であり;カチオン性ニ価部分:ii(a)では、R、R、R、Rは全てCHであり、そしてZは(CHである。A=50モル%アセテート、50モル%ラウレートであり、m=2であり;ポリアルキレンオキシドアミン部分(iii)は、−NHCH(CHCH[OCH(CH)CHr−[OCHCH38.7−[OCHCH(CH)]−NH−であり、ここでr+z=6.0であり;カチオン性一価部分iv(i)は、R12、R13及びR14が全てメチルであることを有する。カチオン性ニ価部分(ii)と、ポリアルキレンオキシドアミン部分(iii)と、カチオン性一価アミン部分(iv)のモル分率は、それぞれ0.8、0.1及び0.1であり、これはオルガノシリコーン−遊離部分の全体のモル分率として表わされる。カチオン性シリコーンは、イソプロパノール中に72.1重量%溶液として存在する。
【0199】
実施例II〜XIの単位用量製品は、全て、布地が中に入れられ、その後常法により洗濯される自動洗濯機のドラムに加えた場合において、優れた布地洗浄及び布地柔軟化性能を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一区画水溶性小袋に含有されている非水性液体布地処理組成物を含む単位用量布地処理製品であって、前記小袋の内部空間が:
(A)前記布地処理組成物の5重量%を超える、少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む洗浄系;及び
(B)以下から成る群から選択される少なくとも1つの布地柔軟化活性物質を含む布地柔軟化系:
(i)陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤とのモル比が少なくとも3:1である、少なくとも1つのカルボニル官能基を含むカチオン性アンモニウム系布地柔軟化化合物;
(ii)0.2meq/g〜5.0meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーガム類;及び
(iii)これらの混合物、
を含有する単位用量布地処理製品。
【請求項2】
前記洗浄系において、前記界面活性剤が、前記布地処理組成物の10重量%〜80重量%、好ましくは20重量%〜60重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項3】
前記洗浄系が、非イオン性、カチオン性、双性イオン性、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を更に含む、請求項1又は2に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項4】
前記洗浄系において、界面活性剤全体の少なくとも50重量%が非アルコキシル化陰イオン性界面活性剤を含み、界面活性剤全体の50重量%未満が、アルコキシル化界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項5】
前記洗浄系において、界面活性剤全体の少なくとも75重量%が非アルコキシル化陰イオン性界面活性剤を含み、界面活性剤全体の25重量%未満が、アルコキシル化界面活性剤を含む、請求項4に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項6】
前記布地柔軟化系において、前記布地柔軟化活性物質が、前記布地処理組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%から15重量%、より好ましくは0.5重量%から10重量%の濃度で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項7】
陰イオン性界面活性剤とアンモニウム系柔軟仕上げ剤の前記モル比が、少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、より好ましくは少なくとも10:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項8】
前記カチオン性グアーガム類が、0.25meq/gと3.0meq/gの間、好ましくは0.3meq/gと2.5meq/gの間、より好ましくは、0.3と2meq/gの間の電荷密度を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項9】
前記布地処理組成物中の含水率が、前記布地処理組成物の15重量%未満、好ましくは2重量%と10重量%の間、より好ましくは3重量%と8重量%の間、最も好ましくは3.5重量%と6重量%の間である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項10】
前記布地処理組成物が、非水性溶媒、好ましくは有機溶媒、より好ましくは、1つ以上の遊離ヒドロキシ基を有するC〜C20直鎖、分枝状、環状、飽和及び/又は不飽和アルコール類;エーテル類、ポリエーテル類、アミン類、アルカノールアミン類;並びにこれらの混合物から成る群から選択され、所望により、総濃度が前記布地処理組成物の15重量%未満の低量の水を含む、有機溶媒を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項11】
前記非水性溶媒が、モノアルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体、グリセロール類、グリコール類、及びこれらの混合物、好ましくは、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、モノエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、及びこれらの混合物、より好ましくは1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項10に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項12】
前記非水性溶媒が、前記布地処理組成物の0.1重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは12重量%〜40重量%、最も好ましくは15重量%〜30重量%の濃度で存在する、請求項10または11に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項13】
前記布地処理組成物が、少なくとも1つの脂肪酸又はその塩及びこれらの混合物を、好ましくは前記布地処理組成物の2重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%、最も好ましくは10重量%〜25重量%の濃度で更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項14】
前記布地処理組成物が、以下から成る群から選択される追加の布地柔軟化剤:
(i)布地柔軟化粘土;
(ii)非荷電で中性の布地柔軟化シリコーン;
(iii)カチオン性グアーガム類が存在する場合は、カチオン性シリコーンポリマー;及び
(iv)これらの混合物、
を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項15】
前記布地処理組成物が、安定剤を更に含み、これが、好ましくは結晶性、ヒドロキシル含有安定剤、より好ましくはトリヒドロキシステアリン類、水素添加油類又はその誘導体から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項16】
前記小袋が、ポリビニルアルコール(PVC)に基づくポリマー、及び/又はコポリマー、及び/又はターポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド類、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、セルロースアミド類、ポリビニルアセテート類、ポリカルボン酸類及び塩、ポリアミノ酸類又はペプチド類、ポリアミド類、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー類、多糖類、好ましくはデンプン、ゼラチン、キサンタン、カラゴム及び他の天然ゴム類;並びにこれらの混合物を含み、より好ましくは前記ポリマーが、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類;並びにこれらの混合物、最も好ましくはポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);並びにこれらの混合物から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品の製造方法であって、前記方法が、前記布地洗浄系と前記布地柔軟化系を別個に調製する工程、及びその後での前記系を組み合わせる工程を含む、方法。
【請求項18】
洗濯される布地を処理するため、並びに単一区画水溶性小袋を介して布地洗浄効果及び布地柔軟化効果を付与するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の単位用量布地処理製品の使用。

【公表番号】特表2006−520823(P2006−520823A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562370(P2004−562370)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040962
【国際公開番号】WO2004/056958
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】