カメラ及びその制御方法
【課題】ワイヤレスフラッシュ撮影を行うことができるカメラにおいて、各ワイヤレスフラッシュ装置の設定の変更とその効果の確認とを迅速に行うことが可能なカメラ及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】遠隔配置された外部フラッシュ装置200a〜200cを用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、ワイヤレスフラッシュ撮影動作に先立って、カメラ100の背面LCDパネル6に表示される動作条件の設定変更画面上で各外部フラッシュ装置の動作条件が設定される。設定された動作条件はカメラ100からの無線通信によって各外部フラッシュ装置に指示され、この指示に従ってワイヤレスフラッシュ撮影が行われる。ワイヤレスフラッシュ撮影の終了後には、カメラ100の背面LCDパネル6に最新の撮影済み画像が表示され、その後の所定のタイミングにおいて、背面LCDパネル6の表示が動作条件の設定変更画面に切り替わる。
【解決手段】遠隔配置された外部フラッシュ装置200a〜200cを用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、ワイヤレスフラッシュ撮影動作に先立って、カメラ100の背面LCDパネル6に表示される動作条件の設定変更画面上で各外部フラッシュ装置の動作条件が設定される。設定された動作条件はカメラ100からの無線通信によって各外部フラッシュ装置に指示され、この指示に従ってワイヤレスフラッシュ撮影が行われる。ワイヤレスフラッシュ撮影の終了後には、カメラ100の背面LCDパネル6に最新の撮影済み画像が表示され、その後の所定のタイミングにおいて、背面LCDパネル6の表示が動作条件の設定変更画面に切り替わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を行うカメラ及びそのようなカメラの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置の補助照明としてのフラッシュ装置を、該フラッシュ装置に対して遠隔配置された別のフラッシュ装置からの光信号通信制御等による無線通信によって発光制御するワイヤレスフラッシュシステムが知られている。このようなワイヤレスフラッシュシステムを用いた撮影では被写体のライティングを自在に行うことができる。また、近年では、撮像装置としてデジタルカメラが広く使われるようになり、フィルムを現像しなくてもライティングの結果を確認できるのでワイヤレスフラッシュシステムの活用場面はますます増大している。
【0003】
上述のワイヤレスフラッシュシステムの制御をカメラのLCDパネル上で容易に行う方法として、特許文献1の技術が知られている。この特許文献1の技術は、デジタルカメラの内蔵フラッシュ装置によってワイヤレスフラッシュ装置を制御するものであり、ワイヤレスフラッシュ装置の設定をカメラのLCDパネル上で行えるようにしている。
【特許文献1】特開2000−89308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のデジタルカメラでは、撮影結果の予測が難しいワイヤレスフラッシュ撮影においては、まずテスト撮影を行い、そのテスト撮影の結果により複数のワイヤレスフラッシュ装置をそれぞれ独立して設定することが多い。そのため、撮影結果の確認と各ワイヤレスフラッシュ装置の設定とをスムーズに行うことが求められている。しかしながら、上記特許文献1の手法は、フィルムカメラを想定しており、撮影動作後の撮影結果の確認について特に記載されていない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ワイヤレスフラッシュ撮影を行うことができるカメラにおいて、各ワイヤレスフラッシュ装置の設定の変更とその効果の確認とを迅速に行うことができるカメラ及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様のカメラは、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、画像と情報とを選択的に表示する表示手段と、上記表示手段に上記照明装置の動作条件が表示された状態で、該表示された動作条件の設定変更を行う設定手段と、上記撮影動作に先立って、上記設定手段で設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示する通信手段と、上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記設定手段による上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示手段の表示形態を切り替える制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様のカメラの制御方法は、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラの制御方法において、表示装置に上記照明装置の動作条件を表示させた状態で、該表示させた動作条件の設定変更を行い、上記撮影動作に先立って、上記設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示し、上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示装置の表示形態を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワイヤレスフラッシュ撮影を行うことができるカメラにおいて、各ワイヤレスフラッシュ装置の設定の変更とその効果の確認とを迅速に行うことが可能なカメラ及びその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るカメラの外観図である。ここで、図1(a)はカメラの上面斜視図を示し、図1(b)はカメラの背面斜視図を示している。
【0010】
図1(a)及び図1(b)に示すカメラは、例として一眼レフレックスタイプのカメラを示している。即ち、カメラ100は、カメラボディ1と該カメラボディ1に対して着脱自在に構成されたレンズユニット2とを有し、レンズユニット2がカメラボディ1に装着された場合に両者が連携して動作するようになっている。また、本実施形態においては、カメラ100が、後述するワイヤレスフラッシュシステムにおけるマスターフラッシュ装置として機能する。
【0011】
図1(a)及び図1(b)に示すように、カメラボディ1には、内蔵フラッシュ3と、操作部材4a〜4hと、ファインダーユニット5と、背面LCDパネル6が設けられている。
【0012】
内蔵フラッシュ3は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部と、該発光部を発光させるための発光回路等から構成されている。この内蔵フラッシュ3は、通常時はカメラボディ1内に収納され、フラッシュ光を発光させる際に、図1(a)のようにポップアップされる、ポップアップ式の内蔵フラッシュである。
【0013】
操作部材4a〜4hは、ユーザがカメラ100を操作するための各種の操作部材である。ここで、操作部材4aはレリーズボタンであり、半押し操作によってオンする1stレリーズスイッチと全押し操作によってオンする2ndレリーズスイッチの2段スイッチを操作するための操作部材である。1stレリーズスイッチがオンすることによって自動焦点制御(AF)や自動露出制御(AE)等の撮影準備動作が実行される。また、2ndレリーズスイッチがオンすることによって撮影動作が実行される。操作部材4bは電子ダイヤルであり、各種の数値を設定変更する場合等に使用される操作部材である。操作部材4cは十字ボタンであり、上下左右の4つのボタンと中央のOKボタンとで構成されている。十字ボタン4cは、カメラのメニューを開いた際の項目の選択や決定に使用される操作部材である。操作部材4dはISOボタンである。ISOボタン4dは、撮影時の撮像素子のISO感度を変更するための操作部材である。ISOボタン4dは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、ISOボタン4dを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、ISO感度の値を設定可能である。操作部材4eは露出補正ボタンである。露出補正ボタン4eは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、露出補正ボタン4eを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、露出補正値の設定が可能である。操作部材4fはINFOボタンである。INFOボタン4fの操作により、背面LCDパネル6の表示形態(詳細は後述する)を選択できる。操作部材4gはメニューボタンである。メニューボタン4gを押すと背面LCDパネル6上に各種設定のためのメニュー画面を表示させることができる。操作部材4hはパワーボタンである。パワーボタン4hの操作により、カメラ100の電源をオン又はオフさせることができる。
【0014】
ファインダーユニット5は、被写体を観察するための光学式のファインダーユニットである。このファインダーユニット5は、レンズユニット2内部の光学系を通過した光を、カメラボディ1内に設けられたミラーやペンタプリズム等の光学系を利用してアイピース5aを介して観察可能なように構成されている。
【0015】
背面LCDパネル6は、カメラボディ1の背面に設けられ、撮影画像やライブビュー画像の他、メニュー画面や各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。
【0016】
図2は、カメラ100とともに、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムを構成する照明装置(外部フラッシュ装置)の外観図である。この外部フラッシュ装置は、後述するワイヤレスフラッシュシステムにおけるスレーブフラッシュ装置として機能する。
【0017】
図2に示す外部フラッシュ装置200は、フラッシュ本体11を有している。フラッシュ本体11の下部にはホットシュー17が設けられており、このホットシュー17をフラッシュスタンド12に設けられたホットシュー受け部18に係合させることにより、フラッシュ本体11をフラッシュスタンド12に固定させることが可能である。また、フラッシュ本体11をカメラ100のホットシュー受け部に装着することもでき、この場合には、外部フラッシュ装置200を、内蔵フラッシュ3の代わりのフラッシュ発光用の光源として用いることが可能である。
【0018】
また、図2に示すように、フラッシュ本体11には、スレーブセンサー13と、調光センサー14と、モードスイッチ15とが設けられている。さらに、フラッシュ本体11には、発光ユニット16が回動可能に取り付けられている。
【0019】
スレーブセンサー13は、外部フラッシュ装置200をスレーブフラッシュ装置として用いたときに、マスターフラッシュ装置であるカメラ100からの信号フラッシュ光を受光し、受光した信号フラッシュ光を光電変換することにより電気信号を発生させる。
【0020】
調光センサー14は、フラッシュ調光用の調光センサーである。後述するワイヤレスフラッシュシステムにおいては、カメラ側のTTLセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うTTL調光と、外部フラッシュ装置側のセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うフラッシュ側制御調光の2つの調光制御を行うことができる。調光センサー14は、フラッシュ側制御調光の際に利用されるセンサーであり、撮影前に被写体に向けてフラッシュ発光を行うプリ発光時の被写体からのフラッシュ光の反射光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号を発生させる。
【0021】
モードスイッチ15は、外部フラッシュ装置200の動作モードを設定するためのスイッチである。この動作モードには、「TTL」、「M」、「RC」の3つのモードがある。ここで、通常モードである「TTL(Through The Lens)」と「M(Manual)」はフラッシュ本体11をカメラ100に装着して利用する場合の動作モードである。なお、「TTL」は調光制御をカメラ側のTTLセンサーを用いて行う動作モードであり、「M」は調光制御を外部フラッシュ装置200側の調光センサー14を用いて行う動作モードである。さらに、照明装置制御モードである「RC(Remote Control)」は、外部フラッシュ装置200をワイヤレスフラッシュシステムのスレーブフラッシュ装置として用いる場合の動作モードである。
【0022】
発光ユニット16は、外部フラッシュ装置200におけるフラッシュ光の発光部である。この発光ユニット16にはロック解除ボタン16aが設けられている。ロック解除ボタン16aが押されている間、発光ユニット16をフラッシュ本体11に対して回動させることが可能である。ユーザは、ロック解除ボタン16aを押しながら、発光ユニット16を上下左右方向に回動させることで、発光ユニット16の向き、即ちフラッシュ光の発光方向を変えることが可能である。
【0023】
図3は、図1に示すカメラ及び図2に示す外部フラッシュ装置を用いた、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【0024】
図3の例では、マスターフラッシュとなるカメラ100の前方に、被写体OBJが存在している。さらに、この被写体OBJに対し、別々のグループに割り当てられた外部フラッシュ装置200a〜200cをスレーブフラッシュ装置として配置している。これら3つの外部フラッシュ装置のうち、外部フラッシュ装置200aはグループAのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200bはグループBのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200cはグループCのフラッシュ装置である。これらの外部フラッシュ装置は、何れもモードスイッチ15が「RC」に設定されている。
【0025】
このような構成において、各外部フラッシュ装置はカメラ100からの信号フラッシュ光に従って発光制御がなされる。ここで、図3の例では、1つのグループに1つの外部フラッシュ装置が属しているが、1つのグループに複数の外部フラッシュ装置を割り当てても良い。この場合、同じグループに属する外部フラッシュ装置は同一の発光制御がなされる。
【0026】
以下、本実施形態のワイヤレスフラッシュシステムについてさらに説明する。図4は、図1に示すカメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図1と同一の構成については図1と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0027】
図4に示すように、レンズユニット2は、レンズ駆動制御回路101を有している。このレンズ駆動制御回路101は、カメラボディ1のボディ駆動制御回路104からの指示に基づいてレンズユニット2内部に設けられる、不図示のレンズのフォーカスや絞り等の駆動制御を行う。
【0028】
また、図4に示すように、カメラボディ1は、フラッシュ制御回路102と、クロック回路103と、ボディ駆動制御回路104と、TTL調光回路105と、撮像回路106と、画像処理回路107と、記録媒体108とを有している。さらに、ボディ駆動制御回路104には、カメラボディ1の外部に露出配置された操作部材4(図1に示す操作部材4a〜4h)及び背面LCDパネル6が接続されている。
【0029】
フラッシュ制御回路102は、ボディ駆動制御回路104の制御の下で内蔵フラッシュ3の発光制御を行う。
【0030】
クロック回路103は、例えば水晶発振子を用いたクロック発振回路であり、ボディ駆動制御回路104を動作させるためのクロック信号を生成する。一般に、カメラボディ1内では、高精度の時間制御を求められる部分が多いので、クロック回路103を、高価ではあるが精度が高い水晶発振回路等で構成することが望ましい。
【0031】
ボディ駆動制御回路104は、クロック回路103で生成されたクロック信号に従って動作するデジタル回路である。このボディ駆動制御回路104は、操作部材4の操作に対応してカメラボディ1内の各ブロック及びレンズユニット2内のレンズ駆動制御回路101の動作を制御する。さらに、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影を実行する際に、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置へのワイヤレスデータ通信のための発光指示をフラッシュ制御回路102に対して行う。
【0032】
TTL調光回路105は、内蔵フラッシュ3の本発光量を決定するための調光回路である。このTTL調光回路105は、プリ発光(撮影用のフラッシュ発光量を決めるために撮影前に行う少光量の発光)時に、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からのフラッシュ光の反射光を測光する。TTL調光回路105における測光結果に基づいてボディ駆動制御回路104は、内蔵フラッシュ3の本発光量(撮影用のフラッシュ発光量)を決定する。
【0033】
撮像回路106は、撮像素子とその駆動回路等から構成されている。この撮像回路106は、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からの光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号(画像信号)を発生させ、さらに該画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換して画像処理回路107に出力する。
【0034】
画像処理回路107は、画像の撮影時には、撮像回路106で得られる画像データをデジタル画像処理し、記録媒体108に記録させる。また、画像の再生時に、画像処理回路107は、記録媒体108に記録された画像データを読み出し、読み出した画像データから背面LCDパネル6に表示させるためのデータを生成する。
【0035】
図5は、図2に示す外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図2と同一の構成については図2と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0036】
図5に示すように、フラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202と、クロック回路203と、データ検出回路204とを有している。さらに、フラッシュ制御回路202には、フラッシュ本体11の外部に露出配置された調光センサー14及びモードスイッチ15が接続され、データ検出回路204には、スレーブセンサー13が接続されている。
【0037】
フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13や調光センサー14等のセンサーからの情報やモードスイッチ15からの操作に従ってフラッシュの発光等の各種制御を行う。
【0038】
クロック回路203は、フラッシュ制御回路202のデジタル部を動作させるためのクロック信号を生成する。このクロック信号は、スレーブセンサー13で受光した信号フラッシュ光のパルス間隔をデータ検出回路204において測定するための基準クロック信号としても用いる。なお、外部フラッシュ装置200ではカメラ100に比べて高精度の時間制御が必要な機能が少ないため、クロック回路203は例えばセラミック振動子等を用いた安価なものを用いても良い。
【0039】
データ検出回路204は、スレーブセンサー13から出力される信号フラッシュ光のパルス間隔を、クロック回路203のクロック信号を用いてカウントし、該カウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0040】
また、図5に示すように、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。発光回路205は、コンデンサ等から構成されフラッシュ発光部206を発光させるためのエネルギーを蓄積するとともに、フラッシュ制御回路202からの指示に基づいてフラッシュ発光部206を発光させる。フラッシュ発光部206は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部である。
【0041】
図6は、マスターフラッシュ装置として働くカメラ100の背面LCDパネル6の撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。図6に示す表示は、INFOボタン4fを押す毎に切り替えられる。
【0042】
DSP1は通常撮影時の表示である。このDSP1の表示では、通常の撮影で確認することが多い項目(図6の例では、撮影モード、日付、ISO感度、ホワイトバランス設定、フラッシュ設定、画像処理設定、測光モードの設定、測距モードの設定、AF/MF(マニュアルフォーカス)の設定、単写/連写の設定、現在の記録媒体108の種類、画質モードの設定、残り撮影枚数)についての表示を行う。またこの表示がなされている状態で十字ボタン4cにより設定項目を選択及び決定すると、各種項目を表示上で設定変更することが可能である。
【0043】
DSP2は、背面LCDパネル6の表示をオフした状態である。消費電力をセーブする場合やファインダーを覗く際に背面LCDパネル6からの光が邪魔になる場合等には表示をオフさせる。
【0044】
DSP3は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う場合の専用の表示である。このDSP3の表示は、ワイヤレスフラッシュ制御モード(以下、このモードをRCモードとする)が不図示のメニュー画面から選択された場合のみ表示される。このDSP3の表示では、図3に示すグループ毎のスレーブフラッシュの設定(図6の例では、グループ毎の調光モード及びフラッシュ発光量の設定)や高速秒時同調発光(FP)のオン/オフ、ワイヤレスフラッシュ撮影時に用いる通信チャンネル等の各種の動作条件をマトリックス状に表示でき、またDSP1と同様に十字ボタン4cを用いて、DSP3の表示を見ながら各外部フラッシュ装置の動作条件の設定変更を行うことが可能である。
【0045】
上述したように、DSP3の表示は、RCモードが選択された場合のみ、遷移が可能な表示である。RCモードが選択されていない場合にはDSP3の表示はなされず、DSP1とDSP2のみの遷移となる。また、RCモードが選択されている状態では、DSP1、DSP2、DSP3の何れの状態でもワイヤレスフラッシュ撮影を行うことが可能である。
【0046】
以下、ワイヤレスフラッシュ撮影について説明する。図7は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光による無線通信の形態を示す図である。
【0047】
本実施形態では、マスターフラッシュ装置であるカメラ100は1回の撮像について例えば10回発光する。この10回の発光のうち、1回目の発光をSFL1、2回目以後の発光をSFL2、…、SFL10とする。またSFL1とSFL2との発光間隔をT(DT1)とし、以後、順次T(DT2)、T(DT3)、TM1、TM2、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)、TM3、TM4とする。本例では、スレーブフラッシュ装置である外部フラッシュ装置はSFL5に同期してプリ発光を行い、SFL10に同期して本発光を行う。
【0048】
データ検出回路204は、クロック回路203のクロック信号を用いて各発光間隔をカウントし、そのカウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0049】
T(DT1)の期間では通信のチャンネルや高速秒時同調発光のオン/オフ設定等の各グループに共通のデータを送る。続く、T(DT2)、T(DT3)の期間では各グループの発光モード(TTL/AUTO/M)のデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT1、DT2、DT3は、それぞれ3ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.5msを加えた発光間隔で表現されている。
【0050】
また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)の期間では各グループの発光量に対応するデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT4、DT5、DT6はそれぞれ5ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.25msを加えた発光間隔で表現されている。
【0051】
このように、本実施形態では、チャンネルや発光モードに対応するデータを、フラッシュ発光量に対応するデータ又は発光量を決定するためのカメラの絞り値やISO感度のデータよりも少ないビット数で構成し、且つデータの時間分解能を2倍粗く、言いかえれば時間誤差の許容量を2倍に設定している。
【0052】
また、何れのデータも、5msという所定のオフセット時間にそれぞれのデータに対応する時間を加算して構成している。この場合、T(DT1)、T(DT2)、T(DT3)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で8.5ms(データ7の場合)となる。また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で12.75ms(データ31の場合)となる。
【0053】
図8は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムにおいてマスターフラッシュの役割を果たすカメラ100のRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。
【0054】
パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされる等して図8の動作が開始される。まず、パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされると撮影待機状態となる(ステップS801)。この撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104はユーザによりメニューボタン4gが操作されたかを判定している(ステップS802)。ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されるまで撮影待機状態を継続する。
【0055】
一方、ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されると、ボディ駆動制御回路104は背面LCDパネル6にメニュー画面を表示させる。以後は、ユーザの十字ボタン4cの操作に従ってメニュー画面上での各種設定変更動作を実行する(ステップS803)。ユーザによるメニュー項目の選択及び設定の変更がなされた際に、ボディ駆動制御回路104は、ユーザによってRCモードが設定されたかを判定する(ステップS804)。ステップS804の判定において、RCモードが設定されていなければ、ボディ駆動制御回路104は、メニュー画面を開く前の画面を背面LCDパネル6に表示させた後(ステップS806)、撮影待機状態に戻る。一方、ステップS804の判定において、RCモードが設定された場合に、ボディ駆動制御回路104は、図6のDSP3で示した画面を背面LCDパネル6に表示させる(ステップS805)。即ち、ユーザによってRCモードが設定されると、RCモードでしか表示できない専用の表示画面が表示される。
【0056】
図9〜図12は、カメラ100のRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートである。この動作は、RCモードが設定されている際に、レリーズボタン4aが押されて1stレリーズスイッチがオンすることにより実行される。
【0057】
ユーザがレリーズボタン4aを半押しすると1stレリーズスイッチがオンする。これをボディ駆動制御回路104が検知すると、ボディ駆動制御回路104はAF及びAE動作を実行する(ステップS901)。AF及びAE動作の終了後、ボディ駆動制御回路104はユーザのレリーズボタン4aの全押しによって2ndレリーズスイッチがオンされたかを判定する(ステップS902)。ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされるまでは待機する。一方、ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影前に予め設定されている、各外部フラッシュ装置との通信に用いるチャンネル及び発光モードから、DT1、DT2、DT3の値とこれらの値に対応する時間とを確定する(ステップS903)。
【0058】
次に、ボディ駆動制御回路104は、フラッシュ制御回路102を制御して内蔵フラッシュ3を用いた通信用の発光を開始する。このために、まず、SFL1の発光を行う(ステップS904)。SFL1の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT1に対応した時間であるT(DT1)が経過したか判定し(ステップS905)、T(DT1)が経過するまで待機する。ステップS905の判定において、T(DT1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL2の発光を行う(ステップS906)。SFL2の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT2に対応した時間であるT(DT2)が経過したか判定し(ステップS907)、T(DT2)が経過するまで待機する。ステップS907の判定において、T(DT2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL3の発光を行う(ステップS908)。SFL3の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT3に対応した時間であるT(DT3)が経過したか判定し(ステップS909)、T(DT3)が経過するまで待機する。ステップS909の判定において、T(DT3)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL4の発光を行う(ステップS910)。以上で、DT1、DT2、DT3の送信が完了する。
【0059】
次に、ボディ駆動制御回路104はプリ発光指示のためのトリガ発光を行う。即ち、SFL4の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、各外部フラッシュ装置が受信データを判断してプリ発光準備をするのに必要な所定時間T(TM1)が経過したかを判定し(ステップS911)、T(TM1)が経過するまで待機する。ステップS911の判定において、T(TM1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、プリ発光のためのトリガ発光であるSFL5の発光を行う(ステップS912)。SFL5の発光後、各外部フラッシュ装置によってプリ発光が行われる。これを受けて、ボディ駆動制御回路104は、TTL調光回路105により、プリ発光により照明された被写体を測光し(ステップS913)、該測光結果をもとに、本発光時に各外部フラッシュ装置が発光すべき発光量、又はそれに対応する数値(発光量を演算するための絞り値及び被写体距離)を確定する。さらに、その確定値に従って、各外部フラッシュ装置に送信すべきデータDT4、DT5、DT6の値とこの値に対応する時間とを算出する(ステップS914)。
【0060】
DT4、DT5、DT6の算出後、ボディ駆動制御回路104は、各外部フラッシュ装置が次のデータを受信できるように準備するために必要な所定時間T(TM2)が経過したかを判定し(ステップS915)、T(TM2)が経過するまで待機する。ステップS915の判定において、T(TM2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次のSFL6の発光を行う(ステップS916)。このSFL6の発光により、各外部フラッシュ装置の発光制御のためのデータの送信が開始される。
【0061】
SFL6の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT4に対応した時間であるT(DT4)が経過したか判定し(ステップS917)、T(DT4)が経過するまで待機する。ステップS917の判定において、T(DT4)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL7の発光を行う(ステップS918)。SFL7の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT5に対応した時間であるT(DT5)が経過したか判定し(ステップS919)、T(DT5)が経過するまで待機する。ステップS919の判定において、T(DT5)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL8の発光を行う(ステップS920)。SFL8の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT6に対応した時間であるT(DT6)が経過したか判定し(ステップS921)、T(DT6)が経過するまで待機する。ステップS921の判定において、T(DT6)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、データ送信の終了を示す発光であるSFL9の発光を行う(ステップS922)。
【0062】
以上で各外部フラッシュ装置へのデータ送信を終了したので、以後は撮影動作を実行する。SFL9の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、不図示のクイックリターンミラーのミラーアップを開始し(ステップS923)、ミラーアップが完了すると不図示のフォーカルプレーンシャッターの先幕の走行を開始させる(ステップS924)。先幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、先幕の走行が完了したかを判定し(ステップS925)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS925の判定において、先幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、本発光のためのトリガ発光となる発光であるSFL10の発光を行う(ステップS926)。このSFL10の発光に同期して、各外部フラッシュ装置は本発光を実施することになる。
【0063】
SFL10の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、フォーカルプレーンシャッターの後幕の走行を開始させる(ステップS927)。後幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、後幕の走行が完了したかを判定し(ステップS928)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS928の判定において、後幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、撮影が終了したと判断する。そして、ボディ駆動制御回路104は、画像処理回路107により撮像回路106から画像データを読み出し(ステップS929)、画像処理回路107においてデジタル画像処理を実行させる(ステップS930)。画像処理の終了後、ボディ駆動制御回路104は、画像処理後の画像データを記録媒体108に書き込む(ステップS931)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0064】
図13〜図17は、外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートである。なお、図13〜図17の動作は、各外部フラッシュ装置のモードスイッチ15が「RC」に設定された場合に実行される。
【0065】
モードスイッチ15が「RC」に設定されると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13をオンさせて(ステップS1001)、スレーブセンサー13からの信号待ち状態になる(ステップS1002)。ステップS1002の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合、言い換えればカメラ100からの信号フラッシュ光を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL1の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1003)。
【0066】
タイマのカウントスタート後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL2)待ちの状態になる(ステップS1004)。ステップS1004の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL2の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1005)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1006)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT1の値を算出する(ステップS1007)。
【0067】
DT1の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL3)待ちの状態になる(ステップS1008)。ステップS1008の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL3の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1009)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1010)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT2の値を算出する(ステップS1011)。DT2の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL4)待ちの状態になる(ステップS1012)。ステップS1012の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL4の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1013)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1014)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT3の値を算出する(ステップS1015)。以上で、各外部フラッシュ装置は、カメラ100が送信したチャンネルとグループ毎の発光モードのデータの受信を完了する。
【0068】
DT3の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL5)待ちの状態になる(ステップS1016)。ステップS1016の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL5の受光を認識する。この場合、フラッシュ制御回路202は、カメラ100からのプリ発光のトリガ信号と認識するので、直ちにタイマをリセット及びスタートさせ(ステップS1017)、その後にプリ発光を実行する(ステップS1018)。なお、プリ発光時の発光光量は、ある値に予め固定されているものとする。
【0069】
プリ発光の後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL6)待ちの状態になる(ステップS1019)。このSFL6はDT4以降のデータの送信開始を示す発光となる。ステップS1019の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL6の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1020)。その後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL7)待ちの状態になる(ステップS1021)。ステップS1021の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL7の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1022)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1023)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT4の値を算出する(ステップS1024)。DT4の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL8)待ちの状態になる(ステップS1025)。ステップS1025の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL8の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1026)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1027)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT5の値を算出する(ステップS1028)。DT5の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL9)待ちの状態になる(ステップS1029)。ステップS1029の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL9の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1030)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1031)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT6の値を算出する(ステップS1032)。以上で各外部フラッシュ装置は全てのデータを受信したので、フラッシュ制御回路202は、受信した各データのうち、自身に設定されているチャンネル及びグループに対応したデータを採用して本発光時の発光量又はそれに対応するデータを確定する(ステップS1033)。
【0070】
本発光時の発光量を確定した後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL10)待ちの状態になる(ステップS1034)。ステップS1034の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202は本発光を実行する(ステップS1035)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0071】
図18は、上述したようなワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図19は、図18の動作に従う画面遷移の様子を示す図である。
【0072】
まず、カメラ100のメニュー画面上でRCモードが選択された直後等の撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104は、背面LCDパネル6に、図19に示すようにしてDSP3の画面を表示させる(ステップS1101)。この撮影待機状態ではINFOボタン4fを押す毎に図6に示したようにして画面が遷移する。
【0073】
RCモードの撮影待機状態においてボディ駆動制御回路104は、ユーザによるレリーズボタン4aの半押し操作によって1stレリーズスイッチがオンされたかを判定しており(ステップS1102)、1stレリーズスイッチがオンされた場合には図9〜図12に示すようなワイヤレスフラッシュ撮影の動作を実行する(ステップS1103)。ワイヤレスフラッシュ撮影の終了後、ボディ駆動制御回路104は、図19に示すようにして、撮影により得られた画像を背面LCDパネル6に全画面表示させる(ステップS1104)。以下、このような最新の撮影済み画像を背面LCDパネル6に全画面表示させる表示形態を撮影結果確認画像表示1とする。
【0074】
撮影結果確認画像表示1を行った後、ボディ駆動制御回路104は、1stレリーズスイッチが再びオンされたかを判定する(ステップS1105)。ステップS1105の判定において、1stレリーズスイッチがオンされた場合には、直ちに撮影動作に移行するためにステップS1103に戻る。
【0075】
一方、ステップS1105の判定において、1stレリーズスイッチがオンされていない場合に、ボディ駆動制御回路104は、十字ボタン4cのOKボタンが操作されたかを判定する(ステップS1106)。ステップS1106の判定において、OKボタンが操作された場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を中止して、図19に示すDSP3の画面を表示させる(ステップS1107)。即ち、撮影結果確認画像表示1の実行中でも、所定操作で直ちにワイヤレスフラッシュ撮影の各種設定を行うための表示画面を表示させることが可能である。
【0076】
また、ステップS1106の判定において、OKボタンが操作されていない場合に、ボディ駆動制御回路104は、所定時間(例えば2秒)が経過したかを判定する(ステップS1108)。ステップS1108の判定において、所定時間が経過していない場合にはステップS1105に戻る。一方、ステップS1108の判定において、所定時間が経過した時点で、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を中止して背面LCDパネル6に図19に示すDSP3の画面を表示させる。
【0077】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、テスト撮影をしながら各外部フラッシュ装置の動作条件を設定するための設定値を最適化して画像の最適表現を実現するワイヤレスフラッシュ撮影において、最新の撮影済み画像の表示画面とワイヤレスフラッシュ撮影における各種設定を行うための画面とを交互に且つ瞬時に切り替え可能であり、これによって設定値を短い時間内で最適に合わせ込むことが可能である。
【0078】
また、ワイヤレスフラッシュ撮影を実施すると、自動的に撮影結果の確認画像が表示され、その後は所定時間で自動的にワイヤレスフラッシュ制御の設定変更画面に移行するので、表示画面の切替操作を必ずしもユーザが行う必要がない。これにより、ユーザは、撮影や撮影画像の確認、及びワイヤレスフラッシュ撮影に係る各種の設定に専念することができる。
【0079】
また、撮影結果確認画像表示1として、撮影結果を背面LCDパネル6の全画面に表示させているので、撮影画像の全体を撮影画像の全体を素早く且つ詳細に確認することが可能である。
【0080】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、撮影結果確認画面の表示形態が第1の実施形態と異なっている。即ち、第2の実施形態では、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定が変更された場合には、第1の実施形態で説明した撮影結果確認画像表示1に代えて、設定変更前の画像と設定変更後の画像の2枚の画像を同一画面上に表示させる撮影結果確認画像表示2を行う点が第1の実施形態と異なっている。
【0081】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0082】
図20は、第2の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図21は、第2の実施形態において行われる撮影結果確認画像表示2を示す図である。
【0083】
ここで、図20において、図18と同一の動作については図18と同様の参照符号を付すことにより説明を省略し、図18と異なる部分のみ説明する。図20において、撮影待機状態から1stレリーズスイッチがオンされると、カメラ100のボディ駆動制御回路104は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う。ワイヤレスフラッシュ撮影の後、ボディ駆動制御回路104は、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更がなされた後の撮影であったかを判定する(ステップS1301)。なお、初回の撮影については設定変更がなされていない撮影とする。
【0084】
ステップS1301の判定において、設定変更がなされた後の撮影でない場合に、ボディ駆動制御回路104は、図19に示すような最新の撮影済み画像を表示させる撮影結果確認画像表示1を行う(ステップS1104)。一方、ステップS1301の判定において、設定変更がなされた後の撮影である場合に、ボディ駆動制御回路104は、図21に示すような撮影結果確認画像表示2を行う(ステップS1302)。撮影結果確認画像表示2は、設定変更をしながら撮影していく場合の画像表示であり、例えば、設定変更前の画像を左上に縮小表示し、今撮影した画像を大きく表示する。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定を変更して撮影を行った場合に、前の画像との明るさや影の出方の違い等を確認して設定変更の効果を把握することができる。
【0085】
ここで、ステップS1302において、設定変更前後の画像を同時表示した後、設定変更なく再撮影が行われた場合には、ステップS1301をステップS1104に分岐して撮影結果確認画像表示1が行われる。
【0086】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、設定変更をした後の撮影においては、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを同一画面上にて確認できるので、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更の効果確認が容易である。
【0087】
また、設定変更を実施した場合にのみ設定前後の画像の同時表示がされるので、設定変更を実施していない場合にはそのとき撮影した画像を全画面で詳細に確認でき、撮影前の操作に対応して最適な撮影確認画面を見ることができる。
【0088】
なお、第2の実施形態の変形例として、撮影結果確認画像表示1と撮影結果確認画像表示2との切り替えを自動切り替えとせずにユーザの好みで何れかに固定できるようにしても良い。そのようにすると、設定変更の有無によって撮影結果確認画像の表示形態が変わらないので、撮影結果確認画像の表示形態を変更したくないユーザにとっては好適である。
【0089】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、ワイヤレスフラッシュ撮影における外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面の表示形態が第1及び第2の実施形態と異なっている。即ち、第3の実施形態では、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更があった場合には動作条件の設定変更画面上に、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを合わせて表示させ、またそのとき変更された数値を表示させるようにしている。
【0090】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0091】
図22は、第3の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図23は、図22の動作に伴う画面遷移を示す図である。
【0092】
図22においては、図18と異なる部分のみを説明する。カメラ100のメニュー画面上でRCモードが選択された直後等の撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104は、背面LCDパネル6に、図23に示すDSP3又はDSP3Aの画面を表示させる(ステップS1501)。ここで、RCモードが選択された直後は、画像が取得されていないのでDSP3の画面を表示させる。
【0093】
その後、ワイヤレスフラッシュ撮影が行われ画像が取得されると、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を行う。その後、ステップS1106の判定においてOKボタンが押された場合又はステップS1108の判定において所定時間(例えば2秒)が経過した場合に、ボディ駆動制御回路104は、今回の撮影画像が設定変更後に取得されたものかを判定する(ステップS1502)。ステップS1502の判定において、設定変更がなかった場合にはDSP3の画面を表示させた後(ステップS1503)、ステップS1501に戻って撮影待機状態となる。一方、ステップS1502の判定において、設定変更があった場合には図23に示すDSP3Aの画面を表示させた後(ステップS1504)、ステップS1501に戻って撮影待機状態となる。
【0094】
本実施形態においては、ワイヤレスフラッシュ撮影を実施した場合、撮影結果確認画像表示1を行った後、そのときの撮影が設定変更後の撮影の場合のみ、OKボタンの操作や所定時間の経過を受けて、撮影画像と動作条件の設定変更画面とを同一画面上に表示させる。また、この際、DSP3Aでは設定を変更した後の数値がどの項目であるかという表示を例えば参照符号301のようにして行うとともに、設定変更前後の設定値を例えば参照符号302に示すようにして表示させる。
【0095】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更があった場合には動作条件の設定変更画面上に、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを合わせて表示させ、またそのとき変更された数値も表示させるようにしているので、次回の撮影に向けての数値の再設定を容易となる。
【0096】
なお、第3の実施形態の変形例として、DSP3とDSP3Aと自動切り替えとせずにユーザの好みで何れかに固定できるようにしても良い。そのようにすると、設定変更の有無によって動作条件の設定変更画面の表示形態が変わらないので、動作条件の設定変更画面の形態を変更したくないユーザにとっては好適である。
【0097】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、背面LCDパネル6の表示形態に応じてRCモードのオン/オフを自動的に設定する点が第1の実施形態と異なっている。
【0098】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0099】
図24は、第4の実施形態における撮影待機時のカメラ100の背面LCDパネル6の画面遷移の様子を示す図である。図24に示すように、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様にDSP1、DSP2、DSP3の各表示がINFOボタン4fを押す毎に切り替わる。そして、DSP3への切り替わりに応じてRCモードの設定がなされる。
【0100】
以上の第4の実施形態によれば、背面LCDパネル6の表示形態によってRCモードのオン/オフ設定が切り替わるので、RCモードのオン/オフを頻繁に切り替えるユーザにとって便利である。
【0101】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、内蔵フラッシュ3ではなく、外部フラッシュ装置をマスターフラッシュ装置の光源として用いる点が上述した各実施形態と異なっている。
【0102】
図25は、第5の実施形態において、マスターフラッシュ装置の光源となる外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。図25に示す外部フラッシュ装置400も、図5に示す外部フラッシュ装置200と同様に、フラッシュ本体11と発光ユニット16とを有している。外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202と、クロック回路203とを有している。さらに、フラッシュ制御回路202にはフラッシュ本体11の外部に露出配置された背面LCDパネル18及び操作部材19が接続されている。また、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。
【0103】
ここで、図25において、図5と同一の構成については図5と同一の参照符号を付すことで説明を省略し、図5と異なる部分のみについて説明する。背面LCDパネル18は、フラッシュ本体11の背面に設けられ、フラッシュ撮影に係る各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。操作部材19は、電源スイッチや十字ボタン等のユーザが外部フラッシュ装置400を操作するための各種の操作部材である。
【0104】
第5の実施形態においては、図26に示すようにして、外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11の下部に設けられたホットシュー17とカメラ100の上部に設けられたホットシュー受け部7とを係合させることで、カメラ100に外部フラッシュ装置400を装着することができ、これによってカメラ100のボディ駆動制御回路104と外部フラッシュ装置400のフラッシュ制御回路202とが通信自在に接続される。
【0105】
ここで、第5の実施形態においては、データ転送のための信号フラッシュ光の時間制御は、クロック回路203において生成されるクロック信号をフラッシュ制御回路202においてカウントすることで行う。このSFL1〜SFL10の各信号フラッシュ光の発光は、カメラ100のボディ駆動制御回路104からの指示に従って行う。
【0106】
また、第5の実施形態においては、RCモードに設定された外部フラッシュ装置400がカメラ100に装着され、外部フラッシュ装置400の電源がオンされると、カメラ100の動作モードも強制的にRCモードに移行する。このときのワイヤレスフラッシュ撮影の設定は図27のようにして外部フラッシュ装置400の背面LCDパネル18上に表示される設定変更画面上で行うため、図28に示すように、カメラ100の背面LCDパネル6には、RCモードであってもDSP3の表示はなされず、INFOボタン4fを押す毎にDSP1とDSP2の切り替えになる。ただし、現在、カメラの動作モードがRCモードに設定されていることをユーザに示すために、DSP1の表示時には例えば参照符号501で示すようなRCマークを表示させる。
【0107】
なお、ワイヤレスフラッシュ撮影がなされた後の撮影結果確認画像表示は、カメラ100の背面LCDパネル6に行われる。
【0108】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、カメラ100に装着された外部フラッシュ装置400に、外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面を表示できる。これにより、外部フラッシュ装置400に動作条件の設定変更画面を表示させ、カメラ100においてDSP1等のその他の設定変更画面を表示させて、これらの両方を見ながら撮影できる。
【0109】
また、RCモードを使用する場合には外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しさえすれば良く、RCモードをカメラ100のメニュー画面から選択する必要がないのでRCモードと非RCモードとを使い分ける場合に便利である。
【0110】
ここで、図25に示す外部フラッシュ装置400には電池が示されていないが、電池を内蔵させるようにしても良い。外部フラッシュ装置400に電池を内蔵させることにより、フラッシュ発光のための電源を外部フラッシュ装置400内で供給できるため、カメラ100側の電池消耗を抑えることができる。
【0111】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、第5の実施形態の変形例であり、外部フラッシュ装置400側ではなくカメラ側でワイヤレスフラッシュ撮影の設定を行う点が異なっている。
【0112】
図29は、第6の実施形態におけるマスターフラッシュ装置の光源となる外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。図29に示す外部フラッシュ装置400フラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202を有している。さらに、フラッシュ制御回路202にはフラッシュ本体11の外部に露出配置された電源スイッチ20が接続されている。また、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。ここで、図29において図25と異なる部分のみについて説明する。電源スイッチ20は、図30に示すようにして、例えば外部フラッシュ装置400の背面に設けられ、当該外部フラッシュ装置400の電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。
【0113】
第6の実施形態においても、図26に示すようにして、外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11の下部に設けられたホットシュー17とカメラ100の上部に設けられたホットシュー受け部7とを係合させることで、カメラ100に外部フラッシュ装置400を装着することができ、これによってカメラ100のボディ駆動制御回路104と外部フラッシュ装置400のフラッシュ制御回路202とが通信自在に接続される。
【0114】
ここで、第6の実施形態においては、データ転送のための信号フラッシュ光の時間制御を外部フラッシュ装置400側では行わず、カメラ100内のクロック回路103において生成されるクロック信号をボディ駆動制御回路104においてカウントすることで行う。
【0115】
また、第6の実施形態においては、動作条件の設定変更画面の表示をカメラ100側で行うため、外部フラッシュ装置400が背面LCDパネル18を有していなくとも良い。
【0116】
本実施形態の外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しで電源をオンすると、カメラ100がRCモードに設定される。このときの表示形態は図31に示すように、第1の実施形態の図6で示した表示形態とほぼ同様である。ただし、外部フラッシュ装置400の装着によってカメラの動作モードがRCモードに設定されたことをユーザに示すために、DSP1及びDSP3の表示時には例えば参照符号601及び602で示すようなRCマークを表示させる。
【0117】
以上説明したように、第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様に、RCモードを使用する場合には、外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しさえすれば良く、RCモードをカメラ100のメニュー画面から選択する必要がないのでRCモードと非RCモードとを使い分ける場合に便利である。また、外部フラッシュ装置400に背面LCDパネル18等が必要ないので、第5の実施形態に比べて小型で安価なマスターフラッシュ装置を構成できる。
【0118】
ここで、図29に示す外部フラッシュ装置400には電池が示されていないが、電池を内蔵させるようにしても良い。外部フラッシュ装置400に電池を内蔵させることにより、フラッシュ発光のための電源を外部フラッシュ装置400内で供給できるため、カメラ100側の電池消耗を抑えることができる。
【0119】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0120】
例えば、ワイヤレスフラッシュ撮影における外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面は、INFOボタン4fによって切り替えられる画面の他、メニュー画面内にある類似の画面を用いても良い。この場合には、撮影後に自動でメニュー画面内の動作条件の設定変更画面に移行するようにしても良いし、所定操作でその画面に瞬時に移行できるようにしても良い。またマスターフラッシュ装置とスレーブフラッシュ装置の通信手段はキセノン管の閃光発光を利用したフラッシュ装置に限るものではない。例えば、LED等を用いても良い。
【0121】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る外部フラッシュ装置の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【図4】カメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図5】外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図6】マスターフラッシュ装置として働くカメラの背面LCDパネルの撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。
【図7】ワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光による無線通信の形態を示す図である。
【図8】カメラのRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。
【図9】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図10】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図11】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図12】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図13】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図14】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図15】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図16】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図17】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第5図である。
【図18】第1の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図19】図18の動作に従うカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図20】第2の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図21】第2の実施形態において行われる撮影結果確認画像表示2を示す図である。
【図22】第3の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図23】図22の動作に伴うカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図24】第4の実施形態における撮影待機時のカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図25】第5の実施形態における外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図26】第5の実施形態においてマスターフラッシュ装置となる外部フラッシュ装置をカメラに装着して用いたときの様子を示す図である。
【図27】第5の実施形態における撮影待機時のカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図28】第5の実施形態における撮影待機時に外部フラッシュ装置の背面LCDパネルに表示される画面について示した図である。
【図29】第6の実施形態における外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図30】外部フラッシュ装置に設けられる電源スイッチについて示した図である。
【図31】第6の実施形態におけるカメラの背面LCDパネルの撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1、カメラボディ、2…レンズユニット、3…内蔵フラッシュ、4a〜4h,19…操作部材、5…ファインダーユニット、6,18…背面LCDパネル、11…フラッシュ本体、12…フラッシュスタンド、13…スレーブセンサー、14…調光センサー、15…モードスイッチ、16…発光ユニット、17…ホットシュー、20…電源スイッチ、100…カメラ、101…レンズ駆動制御回路、102…フラッシュ制御回路、103,203…クロック回路、104…ボディ駆動制御回路、105…TTL調光回路、106…撮像回路、107…画像処理回路、108…記録媒体、200,400…外部フラッシュ装置、202…フラッシュ制御回路、204…データ検出回路、205…発光回路、206…フラッシュ発光部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を行うカメラ及びそのようなカメラの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置の補助照明としてのフラッシュ装置を、該フラッシュ装置に対して遠隔配置された別のフラッシュ装置からの光信号通信制御等による無線通信によって発光制御するワイヤレスフラッシュシステムが知られている。このようなワイヤレスフラッシュシステムを用いた撮影では被写体のライティングを自在に行うことができる。また、近年では、撮像装置としてデジタルカメラが広く使われるようになり、フィルムを現像しなくてもライティングの結果を確認できるのでワイヤレスフラッシュシステムの活用場面はますます増大している。
【0003】
上述のワイヤレスフラッシュシステムの制御をカメラのLCDパネル上で容易に行う方法として、特許文献1の技術が知られている。この特許文献1の技術は、デジタルカメラの内蔵フラッシュ装置によってワイヤレスフラッシュ装置を制御するものであり、ワイヤレスフラッシュ装置の設定をカメラのLCDパネル上で行えるようにしている。
【特許文献1】特開2000−89308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のデジタルカメラでは、撮影結果の予測が難しいワイヤレスフラッシュ撮影においては、まずテスト撮影を行い、そのテスト撮影の結果により複数のワイヤレスフラッシュ装置をそれぞれ独立して設定することが多い。そのため、撮影結果の確認と各ワイヤレスフラッシュ装置の設定とをスムーズに行うことが求められている。しかしながら、上記特許文献1の手法は、フィルムカメラを想定しており、撮影動作後の撮影結果の確認について特に記載されていない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ワイヤレスフラッシュ撮影を行うことができるカメラにおいて、各ワイヤレスフラッシュ装置の設定の変更とその効果の確認とを迅速に行うことができるカメラ及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様のカメラは、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、画像と情報とを選択的に表示する表示手段と、上記表示手段に上記照明装置の動作条件が表示された状態で、該表示された動作条件の設定変更を行う設定手段と、上記撮影動作に先立って、上記設定手段で設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示する通信手段と、上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記設定手段による上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示手段の表示形態を切り替える制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様のカメラの制御方法は、遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラの制御方法において、表示装置に上記照明装置の動作条件を表示させた状態で、該表示させた動作条件の設定変更を行い、上記撮影動作に先立って、上記設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示し、上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示装置の表示形態を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワイヤレスフラッシュ撮影を行うことができるカメラにおいて、各ワイヤレスフラッシュ装置の設定の変更とその効果の確認とを迅速に行うことが可能なカメラ及びその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るカメラの外観図である。ここで、図1(a)はカメラの上面斜視図を示し、図1(b)はカメラの背面斜視図を示している。
【0010】
図1(a)及び図1(b)に示すカメラは、例として一眼レフレックスタイプのカメラを示している。即ち、カメラ100は、カメラボディ1と該カメラボディ1に対して着脱自在に構成されたレンズユニット2とを有し、レンズユニット2がカメラボディ1に装着された場合に両者が連携して動作するようになっている。また、本実施形態においては、カメラ100が、後述するワイヤレスフラッシュシステムにおけるマスターフラッシュ装置として機能する。
【0011】
図1(a)及び図1(b)に示すように、カメラボディ1には、内蔵フラッシュ3と、操作部材4a〜4hと、ファインダーユニット5と、背面LCDパネル6が設けられている。
【0012】
内蔵フラッシュ3は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部と、該発光部を発光させるための発光回路等から構成されている。この内蔵フラッシュ3は、通常時はカメラボディ1内に収納され、フラッシュ光を発光させる際に、図1(a)のようにポップアップされる、ポップアップ式の内蔵フラッシュである。
【0013】
操作部材4a〜4hは、ユーザがカメラ100を操作するための各種の操作部材である。ここで、操作部材4aはレリーズボタンであり、半押し操作によってオンする1stレリーズスイッチと全押し操作によってオンする2ndレリーズスイッチの2段スイッチを操作するための操作部材である。1stレリーズスイッチがオンすることによって自動焦点制御(AF)や自動露出制御(AE)等の撮影準備動作が実行される。また、2ndレリーズスイッチがオンすることによって撮影動作が実行される。操作部材4bは電子ダイヤルであり、各種の数値を設定変更する場合等に使用される操作部材である。操作部材4cは十字ボタンであり、上下左右の4つのボタンと中央のOKボタンとで構成されている。十字ボタン4cは、カメラのメニューを開いた際の項目の選択や決定に使用される操作部材である。操作部材4dはISOボタンである。ISOボタン4dは、撮影時の撮像素子のISO感度を変更するための操作部材である。ISOボタン4dは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、ISOボタン4dを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、ISO感度の値を設定可能である。操作部材4eは露出補正ボタンである。露出補正ボタン4eは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、露出補正ボタン4eを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、露出補正値の設定が可能である。操作部材4fはINFOボタンである。INFOボタン4fの操作により、背面LCDパネル6の表示形態(詳細は後述する)を選択できる。操作部材4gはメニューボタンである。メニューボタン4gを押すと背面LCDパネル6上に各種設定のためのメニュー画面を表示させることができる。操作部材4hはパワーボタンである。パワーボタン4hの操作により、カメラ100の電源をオン又はオフさせることができる。
【0014】
ファインダーユニット5は、被写体を観察するための光学式のファインダーユニットである。このファインダーユニット5は、レンズユニット2内部の光学系を通過した光を、カメラボディ1内に設けられたミラーやペンタプリズム等の光学系を利用してアイピース5aを介して観察可能なように構成されている。
【0015】
背面LCDパネル6は、カメラボディ1の背面に設けられ、撮影画像やライブビュー画像の他、メニュー画面や各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。
【0016】
図2は、カメラ100とともに、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムを構成する照明装置(外部フラッシュ装置)の外観図である。この外部フラッシュ装置は、後述するワイヤレスフラッシュシステムにおけるスレーブフラッシュ装置として機能する。
【0017】
図2に示す外部フラッシュ装置200は、フラッシュ本体11を有している。フラッシュ本体11の下部にはホットシュー17が設けられており、このホットシュー17をフラッシュスタンド12に設けられたホットシュー受け部18に係合させることにより、フラッシュ本体11をフラッシュスタンド12に固定させることが可能である。また、フラッシュ本体11をカメラ100のホットシュー受け部に装着することもでき、この場合には、外部フラッシュ装置200を、内蔵フラッシュ3の代わりのフラッシュ発光用の光源として用いることが可能である。
【0018】
また、図2に示すように、フラッシュ本体11には、スレーブセンサー13と、調光センサー14と、モードスイッチ15とが設けられている。さらに、フラッシュ本体11には、発光ユニット16が回動可能に取り付けられている。
【0019】
スレーブセンサー13は、外部フラッシュ装置200をスレーブフラッシュ装置として用いたときに、マスターフラッシュ装置であるカメラ100からの信号フラッシュ光を受光し、受光した信号フラッシュ光を光電変換することにより電気信号を発生させる。
【0020】
調光センサー14は、フラッシュ調光用の調光センサーである。後述するワイヤレスフラッシュシステムにおいては、カメラ側のTTLセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うTTL調光と、外部フラッシュ装置側のセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うフラッシュ側制御調光の2つの調光制御を行うことができる。調光センサー14は、フラッシュ側制御調光の際に利用されるセンサーであり、撮影前に被写体に向けてフラッシュ発光を行うプリ発光時の被写体からのフラッシュ光の反射光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号を発生させる。
【0021】
モードスイッチ15は、外部フラッシュ装置200の動作モードを設定するためのスイッチである。この動作モードには、「TTL」、「M」、「RC」の3つのモードがある。ここで、通常モードである「TTL(Through The Lens)」と「M(Manual)」はフラッシュ本体11をカメラ100に装着して利用する場合の動作モードである。なお、「TTL」は調光制御をカメラ側のTTLセンサーを用いて行う動作モードであり、「M」は調光制御を外部フラッシュ装置200側の調光センサー14を用いて行う動作モードである。さらに、照明装置制御モードである「RC(Remote Control)」は、外部フラッシュ装置200をワイヤレスフラッシュシステムのスレーブフラッシュ装置として用いる場合の動作モードである。
【0022】
発光ユニット16は、外部フラッシュ装置200におけるフラッシュ光の発光部である。この発光ユニット16にはロック解除ボタン16aが設けられている。ロック解除ボタン16aが押されている間、発光ユニット16をフラッシュ本体11に対して回動させることが可能である。ユーザは、ロック解除ボタン16aを押しながら、発光ユニット16を上下左右方向に回動させることで、発光ユニット16の向き、即ちフラッシュ光の発光方向を変えることが可能である。
【0023】
図3は、図1に示すカメラ及び図2に示す外部フラッシュ装置を用いた、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【0024】
図3の例では、マスターフラッシュとなるカメラ100の前方に、被写体OBJが存在している。さらに、この被写体OBJに対し、別々のグループに割り当てられた外部フラッシュ装置200a〜200cをスレーブフラッシュ装置として配置している。これら3つの外部フラッシュ装置のうち、外部フラッシュ装置200aはグループAのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200bはグループBのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200cはグループCのフラッシュ装置である。これらの外部フラッシュ装置は、何れもモードスイッチ15が「RC」に設定されている。
【0025】
このような構成において、各外部フラッシュ装置はカメラ100からの信号フラッシュ光に従って発光制御がなされる。ここで、図3の例では、1つのグループに1つの外部フラッシュ装置が属しているが、1つのグループに複数の外部フラッシュ装置を割り当てても良い。この場合、同じグループに属する外部フラッシュ装置は同一の発光制御がなされる。
【0026】
以下、本実施形態のワイヤレスフラッシュシステムについてさらに説明する。図4は、図1に示すカメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図1と同一の構成については図1と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0027】
図4に示すように、レンズユニット2は、レンズ駆動制御回路101を有している。このレンズ駆動制御回路101は、カメラボディ1のボディ駆動制御回路104からの指示に基づいてレンズユニット2内部に設けられる、不図示のレンズのフォーカスや絞り等の駆動制御を行う。
【0028】
また、図4に示すように、カメラボディ1は、フラッシュ制御回路102と、クロック回路103と、ボディ駆動制御回路104と、TTL調光回路105と、撮像回路106と、画像処理回路107と、記録媒体108とを有している。さらに、ボディ駆動制御回路104には、カメラボディ1の外部に露出配置された操作部材4(図1に示す操作部材4a〜4h)及び背面LCDパネル6が接続されている。
【0029】
フラッシュ制御回路102は、ボディ駆動制御回路104の制御の下で内蔵フラッシュ3の発光制御を行う。
【0030】
クロック回路103は、例えば水晶発振子を用いたクロック発振回路であり、ボディ駆動制御回路104を動作させるためのクロック信号を生成する。一般に、カメラボディ1内では、高精度の時間制御を求められる部分が多いので、クロック回路103を、高価ではあるが精度が高い水晶発振回路等で構成することが望ましい。
【0031】
ボディ駆動制御回路104は、クロック回路103で生成されたクロック信号に従って動作するデジタル回路である。このボディ駆動制御回路104は、操作部材4の操作に対応してカメラボディ1内の各ブロック及びレンズユニット2内のレンズ駆動制御回路101の動作を制御する。さらに、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影を実行する際に、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置へのワイヤレスデータ通信のための発光指示をフラッシュ制御回路102に対して行う。
【0032】
TTL調光回路105は、内蔵フラッシュ3の本発光量を決定するための調光回路である。このTTL調光回路105は、プリ発光(撮影用のフラッシュ発光量を決めるために撮影前に行う少光量の発光)時に、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からのフラッシュ光の反射光を測光する。TTL調光回路105における測光結果に基づいてボディ駆動制御回路104は、内蔵フラッシュ3の本発光量(撮影用のフラッシュ発光量)を決定する。
【0033】
撮像回路106は、撮像素子とその駆動回路等から構成されている。この撮像回路106は、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からの光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号(画像信号)を発生させ、さらに該画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換して画像処理回路107に出力する。
【0034】
画像処理回路107は、画像の撮影時には、撮像回路106で得られる画像データをデジタル画像処理し、記録媒体108に記録させる。また、画像の再生時に、画像処理回路107は、記録媒体108に記録された画像データを読み出し、読み出した画像データから背面LCDパネル6に表示させるためのデータを生成する。
【0035】
図5は、図2に示す外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図2と同一の構成については図2と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0036】
図5に示すように、フラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202と、クロック回路203と、データ検出回路204とを有している。さらに、フラッシュ制御回路202には、フラッシュ本体11の外部に露出配置された調光センサー14及びモードスイッチ15が接続され、データ検出回路204には、スレーブセンサー13が接続されている。
【0037】
フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13や調光センサー14等のセンサーからの情報やモードスイッチ15からの操作に従ってフラッシュの発光等の各種制御を行う。
【0038】
クロック回路203は、フラッシュ制御回路202のデジタル部を動作させるためのクロック信号を生成する。このクロック信号は、スレーブセンサー13で受光した信号フラッシュ光のパルス間隔をデータ検出回路204において測定するための基準クロック信号としても用いる。なお、外部フラッシュ装置200ではカメラ100に比べて高精度の時間制御が必要な機能が少ないため、クロック回路203は例えばセラミック振動子等を用いた安価なものを用いても良い。
【0039】
データ検出回路204は、スレーブセンサー13から出力される信号フラッシュ光のパルス間隔を、クロック回路203のクロック信号を用いてカウントし、該カウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0040】
また、図5に示すように、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。発光回路205は、コンデンサ等から構成されフラッシュ発光部206を発光させるためのエネルギーを蓄積するとともに、フラッシュ制御回路202からの指示に基づいてフラッシュ発光部206を発光させる。フラッシュ発光部206は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部である。
【0041】
図6は、マスターフラッシュ装置として働くカメラ100の背面LCDパネル6の撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。図6に示す表示は、INFOボタン4fを押す毎に切り替えられる。
【0042】
DSP1は通常撮影時の表示である。このDSP1の表示では、通常の撮影で確認することが多い項目(図6の例では、撮影モード、日付、ISO感度、ホワイトバランス設定、フラッシュ設定、画像処理設定、測光モードの設定、測距モードの設定、AF/MF(マニュアルフォーカス)の設定、単写/連写の設定、現在の記録媒体108の種類、画質モードの設定、残り撮影枚数)についての表示を行う。またこの表示がなされている状態で十字ボタン4cにより設定項目を選択及び決定すると、各種項目を表示上で設定変更することが可能である。
【0043】
DSP2は、背面LCDパネル6の表示をオフした状態である。消費電力をセーブする場合やファインダーを覗く際に背面LCDパネル6からの光が邪魔になる場合等には表示をオフさせる。
【0044】
DSP3は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う場合の専用の表示である。このDSP3の表示は、ワイヤレスフラッシュ制御モード(以下、このモードをRCモードとする)が不図示のメニュー画面から選択された場合のみ表示される。このDSP3の表示では、図3に示すグループ毎のスレーブフラッシュの設定(図6の例では、グループ毎の調光モード及びフラッシュ発光量の設定)や高速秒時同調発光(FP)のオン/オフ、ワイヤレスフラッシュ撮影時に用いる通信チャンネル等の各種の動作条件をマトリックス状に表示でき、またDSP1と同様に十字ボタン4cを用いて、DSP3の表示を見ながら各外部フラッシュ装置の動作条件の設定変更を行うことが可能である。
【0045】
上述したように、DSP3の表示は、RCモードが選択された場合のみ、遷移が可能な表示である。RCモードが選択されていない場合にはDSP3の表示はなされず、DSP1とDSP2のみの遷移となる。また、RCモードが選択されている状態では、DSP1、DSP2、DSP3の何れの状態でもワイヤレスフラッシュ撮影を行うことが可能である。
【0046】
以下、ワイヤレスフラッシュ撮影について説明する。図7は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光による無線通信の形態を示す図である。
【0047】
本実施形態では、マスターフラッシュ装置であるカメラ100は1回の撮像について例えば10回発光する。この10回の発光のうち、1回目の発光をSFL1、2回目以後の発光をSFL2、…、SFL10とする。またSFL1とSFL2との発光間隔をT(DT1)とし、以後、順次T(DT2)、T(DT3)、TM1、TM2、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)、TM3、TM4とする。本例では、スレーブフラッシュ装置である外部フラッシュ装置はSFL5に同期してプリ発光を行い、SFL10に同期して本発光を行う。
【0048】
データ検出回路204は、クロック回路203のクロック信号を用いて各発光間隔をカウントし、そのカウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0049】
T(DT1)の期間では通信のチャンネルや高速秒時同調発光のオン/オフ設定等の各グループに共通のデータを送る。続く、T(DT2)、T(DT3)の期間では各グループの発光モード(TTL/AUTO/M)のデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT1、DT2、DT3は、それぞれ3ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.5msを加えた発光間隔で表現されている。
【0050】
また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)の期間では各グループの発光量に対応するデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT4、DT5、DT6はそれぞれ5ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.25msを加えた発光間隔で表現されている。
【0051】
このように、本実施形態では、チャンネルや発光モードに対応するデータを、フラッシュ発光量に対応するデータ又は発光量を決定するためのカメラの絞り値やISO感度のデータよりも少ないビット数で構成し、且つデータの時間分解能を2倍粗く、言いかえれば時間誤差の許容量を2倍に設定している。
【0052】
また、何れのデータも、5msという所定のオフセット時間にそれぞれのデータに対応する時間を加算して構成している。この場合、T(DT1)、T(DT2)、T(DT3)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で8.5ms(データ7の場合)となる。また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で12.75ms(データ31の場合)となる。
【0053】
図8は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムにおいてマスターフラッシュの役割を果たすカメラ100のRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。
【0054】
パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされる等して図8の動作が開始される。まず、パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされると撮影待機状態となる(ステップS801)。この撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104はユーザによりメニューボタン4gが操作されたかを判定している(ステップS802)。ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されるまで撮影待機状態を継続する。
【0055】
一方、ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されると、ボディ駆動制御回路104は背面LCDパネル6にメニュー画面を表示させる。以後は、ユーザの十字ボタン4cの操作に従ってメニュー画面上での各種設定変更動作を実行する(ステップS803)。ユーザによるメニュー項目の選択及び設定の変更がなされた際に、ボディ駆動制御回路104は、ユーザによってRCモードが設定されたかを判定する(ステップS804)。ステップS804の判定において、RCモードが設定されていなければ、ボディ駆動制御回路104は、メニュー画面を開く前の画面を背面LCDパネル6に表示させた後(ステップS806)、撮影待機状態に戻る。一方、ステップS804の判定において、RCモードが設定された場合に、ボディ駆動制御回路104は、図6のDSP3で示した画面を背面LCDパネル6に表示させる(ステップS805)。即ち、ユーザによってRCモードが設定されると、RCモードでしか表示できない専用の表示画面が表示される。
【0056】
図9〜図12は、カメラ100のRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートである。この動作は、RCモードが設定されている際に、レリーズボタン4aが押されて1stレリーズスイッチがオンすることにより実行される。
【0057】
ユーザがレリーズボタン4aを半押しすると1stレリーズスイッチがオンする。これをボディ駆動制御回路104が検知すると、ボディ駆動制御回路104はAF及びAE動作を実行する(ステップS901)。AF及びAE動作の終了後、ボディ駆動制御回路104はユーザのレリーズボタン4aの全押しによって2ndレリーズスイッチがオンされたかを判定する(ステップS902)。ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされるまでは待機する。一方、ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影前に予め設定されている、各外部フラッシュ装置との通信に用いるチャンネル及び発光モードから、DT1、DT2、DT3の値とこれらの値に対応する時間とを確定する(ステップS903)。
【0058】
次に、ボディ駆動制御回路104は、フラッシュ制御回路102を制御して内蔵フラッシュ3を用いた通信用の発光を開始する。このために、まず、SFL1の発光を行う(ステップS904)。SFL1の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT1に対応した時間であるT(DT1)が経過したか判定し(ステップS905)、T(DT1)が経過するまで待機する。ステップS905の判定において、T(DT1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL2の発光を行う(ステップS906)。SFL2の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT2に対応した時間であるT(DT2)が経過したか判定し(ステップS907)、T(DT2)が経過するまで待機する。ステップS907の判定において、T(DT2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL3の発光を行う(ステップS908)。SFL3の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT3に対応した時間であるT(DT3)が経過したか判定し(ステップS909)、T(DT3)が経過するまで待機する。ステップS909の判定において、T(DT3)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL4の発光を行う(ステップS910)。以上で、DT1、DT2、DT3の送信が完了する。
【0059】
次に、ボディ駆動制御回路104はプリ発光指示のためのトリガ発光を行う。即ち、SFL4の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、各外部フラッシュ装置が受信データを判断してプリ発光準備をするのに必要な所定時間T(TM1)が経過したかを判定し(ステップS911)、T(TM1)が経過するまで待機する。ステップS911の判定において、T(TM1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、プリ発光のためのトリガ発光であるSFL5の発光を行う(ステップS912)。SFL5の発光後、各外部フラッシュ装置によってプリ発光が行われる。これを受けて、ボディ駆動制御回路104は、TTL調光回路105により、プリ発光により照明された被写体を測光し(ステップS913)、該測光結果をもとに、本発光時に各外部フラッシュ装置が発光すべき発光量、又はそれに対応する数値(発光量を演算するための絞り値及び被写体距離)を確定する。さらに、その確定値に従って、各外部フラッシュ装置に送信すべきデータDT4、DT5、DT6の値とこの値に対応する時間とを算出する(ステップS914)。
【0060】
DT4、DT5、DT6の算出後、ボディ駆動制御回路104は、各外部フラッシュ装置が次のデータを受信できるように準備するために必要な所定時間T(TM2)が経過したかを判定し(ステップS915)、T(TM2)が経過するまで待機する。ステップS915の判定において、T(TM2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次のSFL6の発光を行う(ステップS916)。このSFL6の発光により、各外部フラッシュ装置の発光制御のためのデータの送信が開始される。
【0061】
SFL6の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT4に対応した時間であるT(DT4)が経過したか判定し(ステップS917)、T(DT4)が経過するまで待機する。ステップS917の判定において、T(DT4)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL7の発光を行う(ステップS918)。SFL7の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT5に対応した時間であるT(DT5)が経過したか判定し(ステップS919)、T(DT5)が経過するまで待機する。ステップS919の判定において、T(DT5)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL8の発光を行う(ステップS920)。SFL8の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT6に対応した時間であるT(DT6)が経過したか判定し(ステップS921)、T(DT6)が経過するまで待機する。ステップS921の判定において、T(DT6)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、データ送信の終了を示す発光であるSFL9の発光を行う(ステップS922)。
【0062】
以上で各外部フラッシュ装置へのデータ送信を終了したので、以後は撮影動作を実行する。SFL9の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、不図示のクイックリターンミラーのミラーアップを開始し(ステップS923)、ミラーアップが完了すると不図示のフォーカルプレーンシャッターの先幕の走行を開始させる(ステップS924)。先幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、先幕の走行が完了したかを判定し(ステップS925)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS925の判定において、先幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、本発光のためのトリガ発光となる発光であるSFL10の発光を行う(ステップS926)。このSFL10の発光に同期して、各外部フラッシュ装置は本発光を実施することになる。
【0063】
SFL10の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、フォーカルプレーンシャッターの後幕の走行を開始させる(ステップS927)。後幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、後幕の走行が完了したかを判定し(ステップS928)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS928の判定において、後幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、撮影が終了したと判断する。そして、ボディ駆動制御回路104は、画像処理回路107により撮像回路106から画像データを読み出し(ステップS929)、画像処理回路107においてデジタル画像処理を実行させる(ステップS930)。画像処理の終了後、ボディ駆動制御回路104は、画像処理後の画像データを記録媒体108に書き込む(ステップS931)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0064】
図13〜図17は、外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートである。なお、図13〜図17の動作は、各外部フラッシュ装置のモードスイッチ15が「RC」に設定された場合に実行される。
【0065】
モードスイッチ15が「RC」に設定されると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13をオンさせて(ステップS1001)、スレーブセンサー13からの信号待ち状態になる(ステップS1002)。ステップS1002の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合、言い換えればカメラ100からの信号フラッシュ光を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL1の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1003)。
【0066】
タイマのカウントスタート後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL2)待ちの状態になる(ステップS1004)。ステップS1004の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL2の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1005)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1006)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT1の値を算出する(ステップS1007)。
【0067】
DT1の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL3)待ちの状態になる(ステップS1008)。ステップS1008の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL3の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1009)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1010)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT2の値を算出する(ステップS1011)。DT2の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL4)待ちの状態になる(ステップS1012)。ステップS1012の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL4の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1013)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1014)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT3の値を算出する(ステップS1015)。以上で、各外部フラッシュ装置は、カメラ100が送信したチャンネルとグループ毎の発光モードのデータの受信を完了する。
【0068】
DT3の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL5)待ちの状態になる(ステップS1016)。ステップS1016の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL5の受光を認識する。この場合、フラッシュ制御回路202は、カメラ100からのプリ発光のトリガ信号と認識するので、直ちにタイマをリセット及びスタートさせ(ステップS1017)、その後にプリ発光を実行する(ステップS1018)。なお、プリ発光時の発光光量は、ある値に予め固定されているものとする。
【0069】
プリ発光の後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL6)待ちの状態になる(ステップS1019)。このSFL6はDT4以降のデータの送信開始を示す発光となる。ステップS1019の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL6の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1020)。その後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL7)待ちの状態になる(ステップS1021)。ステップS1021の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL7の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1022)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1023)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT4の値を算出する(ステップS1024)。DT4の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL8)待ちの状態になる(ステップS1025)。ステップS1025の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL8の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1026)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1027)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT5の値を算出する(ステップS1028)。DT5の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL9)待ちの状態になる(ステップS1029)。ステップS1029の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL9の受光を認識し、データ検出回路204内部のタイマの値を読み出す(ステップS1030)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1031)。その後、フラッシュ制御回路202は、データ検出回路204から読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT6の値を算出する(ステップS1032)。以上で各外部フラッシュ装置は全てのデータを受信したので、フラッシュ制御回路202は、受信した各データのうち、自身に設定されているチャンネル及びグループに対応したデータを採用して本発光時の発光量又はそれに対応するデータを確定する(ステップS1033)。
【0070】
本発光時の発光量を確定した後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL10)待ちの状態になる(ステップS1034)。ステップS1034の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202は本発光を実行する(ステップS1035)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0071】
図18は、上述したようなワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図19は、図18の動作に従う画面遷移の様子を示す図である。
【0072】
まず、カメラ100のメニュー画面上でRCモードが選択された直後等の撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104は、背面LCDパネル6に、図19に示すようにしてDSP3の画面を表示させる(ステップS1101)。この撮影待機状態ではINFOボタン4fを押す毎に図6に示したようにして画面が遷移する。
【0073】
RCモードの撮影待機状態においてボディ駆動制御回路104は、ユーザによるレリーズボタン4aの半押し操作によって1stレリーズスイッチがオンされたかを判定しており(ステップS1102)、1stレリーズスイッチがオンされた場合には図9〜図12に示すようなワイヤレスフラッシュ撮影の動作を実行する(ステップS1103)。ワイヤレスフラッシュ撮影の終了後、ボディ駆動制御回路104は、図19に示すようにして、撮影により得られた画像を背面LCDパネル6に全画面表示させる(ステップS1104)。以下、このような最新の撮影済み画像を背面LCDパネル6に全画面表示させる表示形態を撮影結果確認画像表示1とする。
【0074】
撮影結果確認画像表示1を行った後、ボディ駆動制御回路104は、1stレリーズスイッチが再びオンされたかを判定する(ステップS1105)。ステップS1105の判定において、1stレリーズスイッチがオンされた場合には、直ちに撮影動作に移行するためにステップS1103に戻る。
【0075】
一方、ステップS1105の判定において、1stレリーズスイッチがオンされていない場合に、ボディ駆動制御回路104は、十字ボタン4cのOKボタンが操作されたかを判定する(ステップS1106)。ステップS1106の判定において、OKボタンが操作された場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を中止して、図19に示すDSP3の画面を表示させる(ステップS1107)。即ち、撮影結果確認画像表示1の実行中でも、所定操作で直ちにワイヤレスフラッシュ撮影の各種設定を行うための表示画面を表示させることが可能である。
【0076】
また、ステップS1106の判定において、OKボタンが操作されていない場合に、ボディ駆動制御回路104は、所定時間(例えば2秒)が経過したかを判定する(ステップS1108)。ステップS1108の判定において、所定時間が経過していない場合にはステップS1105に戻る。一方、ステップS1108の判定において、所定時間が経過した時点で、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を中止して背面LCDパネル6に図19に示すDSP3の画面を表示させる。
【0077】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、テスト撮影をしながら各外部フラッシュ装置の動作条件を設定するための設定値を最適化して画像の最適表現を実現するワイヤレスフラッシュ撮影において、最新の撮影済み画像の表示画面とワイヤレスフラッシュ撮影における各種設定を行うための画面とを交互に且つ瞬時に切り替え可能であり、これによって設定値を短い時間内で最適に合わせ込むことが可能である。
【0078】
また、ワイヤレスフラッシュ撮影を実施すると、自動的に撮影結果の確認画像が表示され、その後は所定時間で自動的にワイヤレスフラッシュ制御の設定変更画面に移行するので、表示画面の切替操作を必ずしもユーザが行う必要がない。これにより、ユーザは、撮影や撮影画像の確認、及びワイヤレスフラッシュ撮影に係る各種の設定に専念することができる。
【0079】
また、撮影結果確認画像表示1として、撮影結果を背面LCDパネル6の全画面に表示させているので、撮影画像の全体を撮影画像の全体を素早く且つ詳細に確認することが可能である。
【0080】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、撮影結果確認画面の表示形態が第1の実施形態と異なっている。即ち、第2の実施形態では、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定が変更された場合には、第1の実施形態で説明した撮影結果確認画像表示1に代えて、設定変更前の画像と設定変更後の画像の2枚の画像を同一画面上に表示させる撮影結果確認画像表示2を行う点が第1の実施形態と異なっている。
【0081】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0082】
図20は、第2の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図21は、第2の実施形態において行われる撮影結果確認画像表示2を示す図である。
【0083】
ここで、図20において、図18と同一の動作については図18と同様の参照符号を付すことにより説明を省略し、図18と異なる部分のみ説明する。図20において、撮影待機状態から1stレリーズスイッチがオンされると、カメラ100のボディ駆動制御回路104は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う。ワイヤレスフラッシュ撮影の後、ボディ駆動制御回路104は、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更がなされた後の撮影であったかを判定する(ステップS1301)。なお、初回の撮影については設定変更がなされていない撮影とする。
【0084】
ステップS1301の判定において、設定変更がなされた後の撮影でない場合に、ボディ駆動制御回路104は、図19に示すような最新の撮影済み画像を表示させる撮影結果確認画像表示1を行う(ステップS1104)。一方、ステップS1301の判定において、設定変更がなされた後の撮影である場合に、ボディ駆動制御回路104は、図21に示すような撮影結果確認画像表示2を行う(ステップS1302)。撮影結果確認画像表示2は、設定変更をしながら撮影していく場合の画像表示であり、例えば、設定変更前の画像を左上に縮小表示し、今撮影した画像を大きく表示する。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定を変更して撮影を行った場合に、前の画像との明るさや影の出方の違い等を確認して設定変更の効果を把握することができる。
【0085】
ここで、ステップS1302において、設定変更前後の画像を同時表示した後、設定変更なく再撮影が行われた場合には、ステップS1301をステップS1104に分岐して撮影結果確認画像表示1が行われる。
【0086】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、設定変更をした後の撮影においては、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを同一画面上にて確認できるので、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更の効果確認が容易である。
【0087】
また、設定変更を実施した場合にのみ設定前後の画像の同時表示がされるので、設定変更を実施していない場合にはそのとき撮影した画像を全画面で詳細に確認でき、撮影前の操作に対応して最適な撮影確認画面を見ることができる。
【0088】
なお、第2の実施形態の変形例として、撮影結果確認画像表示1と撮影結果確認画像表示2との切り替えを自動切り替えとせずにユーザの好みで何れかに固定できるようにしても良い。そのようにすると、設定変更の有無によって撮影結果確認画像の表示形態が変わらないので、撮影結果確認画像の表示形態を変更したくないユーザにとっては好適である。
【0089】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、ワイヤレスフラッシュ撮影における外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面の表示形態が第1及び第2の実施形態と異なっている。即ち、第3の実施形態では、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更があった場合には動作条件の設定変更画面上に、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを合わせて表示させ、またそのとき変更された数値を表示させるようにしている。
【0090】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0091】
図22は、第3の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時における背面LCDパネル6の表示動作について示すフローチャートである。また、図23は、図22の動作に伴う画面遷移を示す図である。
【0092】
図22においては、図18と異なる部分のみを説明する。カメラ100のメニュー画面上でRCモードが選択された直後等の撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104は、背面LCDパネル6に、図23に示すDSP3又はDSP3Aの画面を表示させる(ステップS1501)。ここで、RCモードが選択された直後は、画像が取得されていないのでDSP3の画面を表示させる。
【0093】
その後、ワイヤレスフラッシュ撮影が行われ画像が取得されると、ボディ駆動制御回路104は、撮影結果確認画像表示1を行う。その後、ステップS1106の判定においてOKボタンが押された場合又はステップS1108の判定において所定時間(例えば2秒)が経過した場合に、ボディ駆動制御回路104は、今回の撮影画像が設定変更後に取得されたものかを判定する(ステップS1502)。ステップS1502の判定において、設定変更がなかった場合にはDSP3の画面を表示させた後(ステップS1503)、ステップS1501に戻って撮影待機状態となる。一方、ステップS1502の判定において、設定変更があった場合には図23に示すDSP3Aの画面を表示させた後(ステップS1504)、ステップS1501に戻って撮影待機状態となる。
【0094】
本実施形態においては、ワイヤレスフラッシュ撮影を実施した場合、撮影結果確認画像表示1を行った後、そのときの撮影が設定変更後の撮影の場合のみ、OKボタンの操作や所定時間の経過を受けて、撮影画像と動作条件の設定変更画面とを同一画面上に表示させる。また、この際、DSP3Aでは設定を変更した後の数値がどの項目であるかという表示を例えば参照符号301のようにして行うとともに、設定変更前後の設定値を例えば参照符号302に示すようにして表示させる。
【0095】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、ワイヤレスフラッシュ撮影の設定変更があった場合には動作条件の設定変更画面上に、設定変更前の画像と設定変更後の画像とを合わせて表示させ、またそのとき変更された数値も表示させるようにしているので、次回の撮影に向けての数値の再設定を容易となる。
【0096】
なお、第3の実施形態の変形例として、DSP3とDSP3Aと自動切り替えとせずにユーザの好みで何れかに固定できるようにしても良い。そのようにすると、設定変更の有無によって動作条件の設定変更画面の表示形態が変わらないので、動作条件の設定変更画面の形態を変更したくないユーザにとっては好適である。
【0097】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、背面LCDパネル6の表示形態に応じてRCモードのオン/オフを自動的に設定する点が第1の実施形態と異なっている。
【0098】
なお、カメラ100や外部フラッシュ装置200の構成及びワイヤレスフラッシュ撮影の動作については第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0099】
図24は、第4の実施形態における撮影待機時のカメラ100の背面LCDパネル6の画面遷移の様子を示す図である。図24に示すように、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様にDSP1、DSP2、DSP3の各表示がINFOボタン4fを押す毎に切り替わる。そして、DSP3への切り替わりに応じてRCモードの設定がなされる。
【0100】
以上の第4の実施形態によれば、背面LCDパネル6の表示形態によってRCモードのオン/オフ設定が切り替わるので、RCモードのオン/オフを頻繁に切り替えるユーザにとって便利である。
【0101】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、内蔵フラッシュ3ではなく、外部フラッシュ装置をマスターフラッシュ装置の光源として用いる点が上述した各実施形態と異なっている。
【0102】
図25は、第5の実施形態において、マスターフラッシュ装置の光源となる外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。図25に示す外部フラッシュ装置400も、図5に示す外部フラッシュ装置200と同様に、フラッシュ本体11と発光ユニット16とを有している。外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202と、クロック回路203とを有している。さらに、フラッシュ制御回路202にはフラッシュ本体11の外部に露出配置された背面LCDパネル18及び操作部材19が接続されている。また、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。
【0103】
ここで、図25において、図5と同一の構成については図5と同一の参照符号を付すことで説明を省略し、図5と異なる部分のみについて説明する。背面LCDパネル18は、フラッシュ本体11の背面に設けられ、フラッシュ撮影に係る各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。操作部材19は、電源スイッチや十字ボタン等のユーザが外部フラッシュ装置400を操作するための各種の操作部材である。
【0104】
第5の実施形態においては、図26に示すようにして、外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11の下部に設けられたホットシュー17とカメラ100の上部に設けられたホットシュー受け部7とを係合させることで、カメラ100に外部フラッシュ装置400を装着することができ、これによってカメラ100のボディ駆動制御回路104と外部フラッシュ装置400のフラッシュ制御回路202とが通信自在に接続される。
【0105】
ここで、第5の実施形態においては、データ転送のための信号フラッシュ光の時間制御は、クロック回路203において生成されるクロック信号をフラッシュ制御回路202においてカウントすることで行う。このSFL1〜SFL10の各信号フラッシュ光の発光は、カメラ100のボディ駆動制御回路104からの指示に従って行う。
【0106】
また、第5の実施形態においては、RCモードに設定された外部フラッシュ装置400がカメラ100に装着され、外部フラッシュ装置400の電源がオンされると、カメラ100の動作モードも強制的にRCモードに移行する。このときのワイヤレスフラッシュ撮影の設定は図27のようにして外部フラッシュ装置400の背面LCDパネル18上に表示される設定変更画面上で行うため、図28に示すように、カメラ100の背面LCDパネル6には、RCモードであってもDSP3の表示はなされず、INFOボタン4fを押す毎にDSP1とDSP2の切り替えになる。ただし、現在、カメラの動作モードがRCモードに設定されていることをユーザに示すために、DSP1の表示時には例えば参照符号501で示すようなRCマークを表示させる。
【0107】
なお、ワイヤレスフラッシュ撮影がなされた後の撮影結果確認画像表示は、カメラ100の背面LCDパネル6に行われる。
【0108】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、カメラ100に装着された外部フラッシュ装置400に、外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面を表示できる。これにより、外部フラッシュ装置400に動作条件の設定変更画面を表示させ、カメラ100においてDSP1等のその他の設定変更画面を表示させて、これらの両方を見ながら撮影できる。
【0109】
また、RCモードを使用する場合には外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しさえすれば良く、RCモードをカメラ100のメニュー画面から選択する必要がないのでRCモードと非RCモードとを使い分ける場合に便利である。
【0110】
ここで、図25に示す外部フラッシュ装置400には電池が示されていないが、電池を内蔵させるようにしても良い。外部フラッシュ装置400に電池を内蔵させることにより、フラッシュ発光のための電源を外部フラッシュ装置400内で供給できるため、カメラ100側の電池消耗を抑えることができる。
【0111】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、第5の実施形態の変形例であり、外部フラッシュ装置400側ではなくカメラ側でワイヤレスフラッシュ撮影の設定を行う点が異なっている。
【0112】
図29は、第6の実施形態におけるマスターフラッシュ装置の光源となる外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。図29に示す外部フラッシュ装置400フラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202を有している。さらに、フラッシュ制御回路202にはフラッシュ本体11の外部に露出配置された電源スイッチ20が接続されている。また、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。ここで、図29において図25と異なる部分のみについて説明する。電源スイッチ20は、図30に示すようにして、例えば外部フラッシュ装置400の背面に設けられ、当該外部フラッシュ装置400の電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。
【0113】
第6の実施形態においても、図26に示すようにして、外部フラッシュ装置400のフラッシュ本体11の下部に設けられたホットシュー17とカメラ100の上部に設けられたホットシュー受け部7とを係合させることで、カメラ100に外部フラッシュ装置400を装着することができ、これによってカメラ100のボディ駆動制御回路104と外部フラッシュ装置400のフラッシュ制御回路202とが通信自在に接続される。
【0114】
ここで、第6の実施形態においては、データ転送のための信号フラッシュ光の時間制御を外部フラッシュ装置400側では行わず、カメラ100内のクロック回路103において生成されるクロック信号をボディ駆動制御回路104においてカウントすることで行う。
【0115】
また、第6の実施形態においては、動作条件の設定変更画面の表示をカメラ100側で行うため、外部フラッシュ装置400が背面LCDパネル18を有していなくとも良い。
【0116】
本実施形態の外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しで電源をオンすると、カメラ100がRCモードに設定される。このときの表示形態は図31に示すように、第1の実施形態の図6で示した表示形態とほぼ同様である。ただし、外部フラッシュ装置400の装着によってカメラの動作モードがRCモードに設定されたことをユーザに示すために、DSP1及びDSP3の表示時には例えば参照符号601及び602で示すようなRCマークを表示させる。
【0117】
以上説明したように、第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様に、RCモードを使用する場合には、外部フラッシュ装置400をカメラ100に装着しさえすれば良く、RCモードをカメラ100のメニュー画面から選択する必要がないのでRCモードと非RCモードとを使い分ける場合に便利である。また、外部フラッシュ装置400に背面LCDパネル18等が必要ないので、第5の実施形態に比べて小型で安価なマスターフラッシュ装置を構成できる。
【0118】
ここで、図29に示す外部フラッシュ装置400には電池が示されていないが、電池を内蔵させるようにしても良い。外部フラッシュ装置400に電池を内蔵させることにより、フラッシュ発光のための電源を外部フラッシュ装置400内で供給できるため、カメラ100側の電池消耗を抑えることができる。
【0119】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0120】
例えば、ワイヤレスフラッシュ撮影における外部フラッシュ装置200の動作条件の設定変更画面は、INFOボタン4fによって切り替えられる画面の他、メニュー画面内にある類似の画面を用いても良い。この場合には、撮影後に自動でメニュー画面内の動作条件の設定変更画面に移行するようにしても良いし、所定操作でその画面に瞬時に移行できるようにしても良い。またマスターフラッシュ装置とスレーブフラッシュ装置の通信手段はキセノン管の閃光発光を利用したフラッシュ装置に限るものではない。例えば、LED等を用いても良い。
【0121】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る外部フラッシュ装置の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【図4】カメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図5】外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図6】マスターフラッシュ装置として働くカメラの背面LCDパネルの撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。
【図7】ワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光による無線通信の形態を示す図である。
【図8】カメラのRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。
【図9】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図10】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図11】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図12】カメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図13】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図14】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図15】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図16】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図17】外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第5図である。
【図18】第1の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図19】図18の動作に従うカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図20】第2の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図21】第2の実施形態において行われる撮影結果確認画像表示2を示す図である。
【図22】第3の実施形態のワイヤレスフラッシュ撮影時におけるカメラの背面LCDパネルの表示動作について示すフローチャートである。
【図23】図22の動作に伴うカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図24】第4の実施形態における撮影待機時のカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図25】第5の実施形態における外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図26】第5の実施形態においてマスターフラッシュ装置となる外部フラッシュ装置をカメラに装着して用いたときの様子を示す図である。
【図27】第5の実施形態における撮影待機時のカメラの背面LCDパネルの画面遷移の様子を示す図である。
【図28】第5の実施形態における撮影待機時に外部フラッシュ装置の背面LCDパネルに表示される画面について示した図である。
【図29】第6の実施形態における外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図30】外部フラッシュ装置に設けられる電源スイッチについて示した図である。
【図31】第6の実施形態におけるカメラの背面LCDパネルの撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1、カメラボディ、2…レンズユニット、3…内蔵フラッシュ、4a〜4h,19…操作部材、5…ファインダーユニット、6,18…背面LCDパネル、11…フラッシュ本体、12…フラッシュスタンド、13…スレーブセンサー、14…調光センサー、15…モードスイッチ、16…発光ユニット、17…ホットシュー、20…電源スイッチ、100…カメラ、101…レンズ駆動制御回路、102…フラッシュ制御回路、103,203…クロック回路、104…ボディ駆動制御回路、105…TTL調光回路、106…撮像回路、107…画像処理回路、108…記録媒体、200,400…外部フラッシュ装置、202…フラッシュ制御回路、204…データ検出回路、205…発光回路、206…フラッシュ発光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、
画像と情報とを選択的に表示する表示手段と、
上記表示手段に上記照明装置の動作条件が表示された状態で、該表示された動作条件の設定変更を行う設定手段と、
上記撮影動作に先立って、上記設定手段で設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示する通信手段と、
上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記設定手段による上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示手段の表示形態を切り替える制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記所定のタイミングは、上記最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させた後、所定時間が経過したタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記所定のタイミングは、上記最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させた後、所定の操作部材が操作されたタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
上記無線通信は、可視光又は赤外光を用いることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項5】
上記通信手段は、上記カメラに内蔵されるフラッシュ装置又は上記カメラに着脱自在の外部フラッシュ装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項6】
遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラの制御方法において、
表示装置に上記照明装置の動作条件を表示させた状態で、該表示させた動作条件の設定変更を行い、
上記撮影動作に先立って、上記設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示し、
上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、
その後の所定のタイミングにおいて、上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示装置の表示形態を切り替える、
ことを特徴とするカメラの制御方法。
【請求項1】
遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラにおいて、
画像と情報とを選択的に表示する表示手段と、
上記表示手段に上記照明装置の動作条件が表示された状態で、該表示された動作条件の設定変更を行う設定手段と、
上記撮影動作に先立って、上記設定手段で設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示する通信手段と、
上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、その後の所定のタイミングにおいて、上記設定手段による上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示手段の表示形態を切り替える制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記所定のタイミングは、上記最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させた後、所定時間が経過したタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記所定のタイミングは、上記最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させた後、所定の操作部材が操作されたタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
上記無線通信は、可視光又は赤外光を用いることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項5】
上記通信手段は、上記カメラに内蔵されるフラッシュ装置又は上記カメラに着脱自在の外部フラッシュ装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項6】
遠隔配置された照明装置を用いて撮影動作を実行可能なカメラの制御方法において、
表示装置に上記照明装置の動作条件を表示させた状態で、該表示させた動作条件の設定変更を行い、
上記撮影動作に先立って、上記設定された上記動作条件を無線通信によって上記照明装置に指示し、
上記撮影動作の終了後に最新の撮影済み画像を上記表示手段に表示させ、
その後の所定のタイミングにおいて、上記照明装置の動作条件の設定変更が可能なように上記表示装置の表示形態を切り替える、
ことを特徴とするカメラの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2009−98296(P2009−98296A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268231(P2007−268231)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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