説明

カーボンブラック、その製造方法及びその使用

本発明は、0.05Bq/gよりも大きいC−14含量及び0.7未満の凝集体粒度分布の比ΔD50/Dmodeを有するカーボンブラックに関する。前記カーボンブラックは、カーボンブラック原料の熱酸化的な熱分解又はサーマルクラッキングにより製造され、前記カーボンブラック原料が、再生可能なカーボンブラック原料を含有し、かつ前記熱分解反応/クラッキング反応の際に不足量の酸素が存在している。前記カーボンブラックは、ゴム及びゴム混合物、プラスチック、印刷インキ、インキ、インクジェットインキ、トナー、ラッカー、塗料、紙、接着剤、電池、ペースト、ビチューメン、コンクリート及び他の建築材料において及び冶金学における還元剤として使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンブラック、その製造方法並びにその使用に関する。
【0002】
欧州特許(EP)第0792920号明細書、欧州特許(EP)第0982378号明細書、米国特許(US)第5516833号明細書及び国際公開(WO)第92/04415号からは、狭い凝集体粒度分布を有するファーネスブラックが知られている。
【0003】
公知のカーボンブラックの欠点は、低い割合のC−14であり、これは少ない割合又は無割合の再生可能でない原料を示唆する。
【0004】
本発明の課題は、再生可能原料由来の高いC−14含量を有し、狭い凝集体粒度分布と高いモジュラスとを有するカーボンブラックを提供することである。
【0005】
本発明の対象は、カーボンブラックであって、前記カーボンブラックは、0.05Bq/gよりも大きい、好ましくは0.10Bq/gよりも大きい、特に好ましくは0.15Bq/gよりも大きい、極めて特に好ましくは0.25Bq/gよりも大きいC−14含量を有し、かつ凝集体粒度分布の比ΔD50/Dmodeは、0.7未満、好ましくは0.65未満、特に好ましくは0.6未満であることにより特徴付けられている。
【0006】
C−14含量は、次のように測定される:
1.試料分解(Probenaufschluss)
試料分解は、最適な測定条件を作り出すために、分析物である炭素(14C及びC安定)を、妨害するかもしれない他の物質から分離し、かつできるだけ多くの炭素をできるだけ小さな体積に濃縮するという目的を有する。そのためには、カーボンブラックは、過剰量の酸素と共に石英ガラス管中で燃焼され、そうして二酸化炭素へ変換される。
【0007】
2.放射化学的精製
この二酸化炭素は、カセイソーダ液中に炭酸塩として溶解される。溶液体積は一方ではまだ多すぎ、かつ低レベルLSC用のシンチレーションカクテルは高すぎるpH値に耐えられないので、測定試料の調製のために炭酸塩をBaCO3を用いて沈殿させる。
【0008】
3.LSC Quantulus 1220を用いた14Cの活性測定
沈殿をろ過し、かつ20mL測定容器(LSCバイアル)中へ移す。BaCO3 約1.5g以下を測定容器中へ移すことが有意義であることが判明している、それというのも、さもなければ自然に前記バリウム化合物中に存在するウラン崩壊系列もしくはトリウム崩壊系列からの放射性核種が、測定結果を著しくゆがめることになるかもしれないからである。空試験値として、沈殿させたBaCO3を有しない使用される溶液を利用する。結果をゆがめることになるかもしれない付加的な炭素を持ち込まないために、溶液のためには、二回蒸留水を使用する。測定試料を、シンチレーションカクテルQSA 約14mLと混ぜる。その後、試料及びシンチレーションカクテルからなる混合物を激しく振盪し、かつLSC Quantulus-1220中で測定する。測定は約180分の冷却時間を伴いかつ1000分の測定時間で行われる。
【0009】
凝集体粒度分布は、ISO 15825規格、第1版、2004-11-01に従い測定され、その際に次の修正が適用される:
1.ISO 15825規格の箇条4.6.3における補足:Dmodeは、質量分布曲線(mass distribution curve)に基づく。
【0010】
2.ISO 15825規格の箇条5.1における補足:装置BI-DCP Particle Sizer及び付属する評価ソフトウェアdcplw32、バージョン3.81を使用し、全て、Brookhaven Instruments Corporation社、750 Blue Point Rd., Holtsville, NY, 11742から入手可能である。
【0011】
3.ISO 15825規格の箇条5.2への補足:超音波制御装置GM2200、音響変換器UW2200並びにソノトロードDH13Gを使用する。超音波制御装置、音響変換器及びソノトロードは、Bandelin electronic GmbH & Co. KG社, Heinrichstrasse 3-4, D-12207 Berlinから入手可能である。その際、超音波制御装置で次の値に調節される:パワー%=50、サイクル=8。これは、100ワットの調節公称出力及び80%の調節パルスに相当する。
【0012】
4.ISO 15825規格の箇条5.2.1への補足:超音波時間を4.5分に規定する。
【0013】
5.ISO 15825規格の箇条6.3に記載される定義とは相違し、"界面活性剤"は次のように定義される:"界面活性剤"は、Fluka社の型式ノニデット(Nonidet) P 40 Substituteのアニオン界面活性剤であり、Sigma-Aldrich Chemie GmbH, Industriestrasse 25, CH-9471 Buchs SG, Switzerlandから入手可能である。
【0014】
6.ISO 15825規格の箇条6.5に記載されるスピン液の定義とは相違し、スピン液は次のように定義されている:スピン液の製造のために、Flukaの界面活性剤ノニデットP 40 Substitute(箇条6.3)0.25gを、脱塩水(箇条6.1)で1000mlにする。引き続き、溶液のpH値を、0.1mol/l NaOH溶液で9〜10に調節する。スピン液は、その製造後長くとも1週間で使用されるべきである。
【0015】
7.ISO 15825規格の箇条6.6に記載される分散液の定義とは相違し、分散液は次のように定義されている:分散液の製造のために、エタノール(箇条6.2)200ml及びFlukaの界面活性剤ノニデットP 40 Substitute(箇条6.3)0.5gを脱塩水(箇条6.1)で1000mlにする。引き続き、溶液のpH値を、0.1mol/l NaOH溶液で9〜10に調節する。分散液は、その製造後長くとも1週間で使用されるべきである。
【0016】
8.ISO 15825規格の箇条7への補足:ペレット化されていない又はペレット化されたカーボンブラックを専ら使用する。
【0017】
9.ISO 15825規格の箇条8.1、8.2、8.3における指示を、次の指示によりまとめて置き換える:カーボンブラックをめのう乳鉢中で軽く粉砕する。カーボンブラック20mgを、ついで、30mlクランプシールびん(Rollrandflaeschchen)(直径28mm、高さ75mm、壁厚1.0mm)中で、分散溶液(箇条6.6)20mlと混ぜ、かつ冷浴(16℃±1℃)中で4.5分の期間に亘って(箇条5.2.1)超音波(箇条5.2)で処理し、それで分散溶液中に懸濁させる。超音波処理後に、試料を、遅くとも5分後に遠心機中で測定する。
【0018】
10.ISO 15825規格の箇条9への補足:カーボンブラックの導入すべき密度の値は、1.86g/cm3である。導入すべき温度についての温度は、箇条10.11により測定する。スピン液のタイプについては、オプション"水性"を選択する。それで、スピン液の密度については、0.997(g/cc)の値となり、かつスピン液の粘度については、0.917(cP)の値となる。光散乱校正は、ソフトウエアdcplw 32において選択可能なオプション:ファイル=carbon.prm; Mie-Correctionを用いて行われる。
【0019】
11.ISO 15825規格の箇条10.1への補足:遠心機速度は、毎分11000回転に規定されている。
【0020】
12.ISO 15825規格の箇条10.2への補足:エタノール(箇条6.2)0.2cm3の代わりに、エタノール(箇条6.2)0.85cm3を注入する。
【0021】
13.ISO 15825規格の箇条10.3への補足:スピン液(箇条6.5)を正確に15cm3注入する。引き続き、エタノール(箇条6.2)0.15cm3を注入する。
【0022】
14.ISO 15825規格の箇条10.4の指示は、完全に割愛する。
【0023】
15.ISO 15825規格の箇条10.7への補足:データ記録の開始直後に、遠心機中のスピン液をドデカン(箇条6.4)0.1cm3で覆う。
【0024】
16.ISO 15825規格の箇条10.10への補足:測定曲線がベースラインに1時間以内に再び達しない場合には、測定を、測定期間の正確に1時間後に中断する。変更された遠心機回転数での再スタートを行わない。
【0025】
17.ISO 15825規格の箇条10.11への補足:指示に記載された測定温度を算出する方法の代わりに、コンピュータプログラムへ入力すべき測定温度Tを、次のように算出する:
T=2/3(Te−Ta)+Ta、
ここで、Taは、測定前の測定チャンバ内の温度を表し、かつTeは、測定後の測定チャンバ内の温度を表す。温度差は、4℃を超えてはならない。
【0026】
凝集体粒度分布の粒子のフラクション>150nmは、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、特に好ましくは3質量%未満であることができる。
【0027】
フラクション>150nmは、150nmよりも大きいストークス径を有する凝集体の質量割合を表し、かつ同様に前記のISO 15825規格により凝集体粒度分布から得られる。
【0028】
ΔD50値及びDmodeは、同様に前記のISO 15825規格により凝集体粒度分布から得られる。
【0029】
比D75%/25%は、3.50又はそれ未満、好ましくは2.50又はそれ未満、極めて特に好ましくは1.40又はそれ未満であることができる。比D75%/25%は、前記のISO 15825規格により凝集体粒度分布から得られる。
【0030】
本発明によるカーボンブラックは、プラズマブラック、ガスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラック又はファーネスブラックであることができる。
【0031】
本発明によるカーボンブラックは、10〜400m2/g、好ましくは40〜300m2/g、特に好ましくは70〜200m2/gのBET表面積を有することができる。BET表面積の値は、ASTM D 6556-04規格に従い測定される。
【0032】
本発明によるカーボンブラックは、狭い一次粒子分布を有することができる。この一次粒子分布は、ASTM D 3849 - 02に従い測定される。この試験の範囲内で、値DV、体積を介して平均した粒子直径と、値DN、算術平均の粒子直径とが測定される。一次粒子分布の比DV/DNは、1.14未満、好ましくは1.12未満、特に好ましくは1.11未満であることができる。
【0033】
本発明によるカーボンブラックは、2〜11、好ましくは5〜10、特に好ましくは6〜10のpH値を有することができる。pH値は、ASTM D 1512-05規格に従い測定される。
【0034】
本発明によるカーボンブラックは、20ml/100g〜200ml/100g、好ましくは30ml/100g〜170ml/100g、特に好ましくは40ml/100g〜140ml/100gのOAN値を有することができる。OAN吸収量は、ASTM D 2414-00規格に従い測定される。
【0035】
本発明によるカーボンブラックは、20ml/100g〜160ml/100g、好ましくは30ml/100g〜140ml/100g、特に好ましくは50ml/100g〜120ml/100gの24M4−OAN値を有することができる。24M4−OAN吸収量は、ASTM D 3493-00規格に従い測定される。
【0036】
本発明によるカーボンブラックは、10%〜250%、好ましくは50%〜200%、特に好ましくは80%〜150%のティント(Tint)値を有することができる。ティント値は、ASTM D 3265-05規格に従い測定される。
【0037】
本発明によるカーボンブラックは、10mg/g〜400mg/g、好ましくは40mg/g〜300mg/g、特に好ましくは70mg/g〜200mg/gのヨウ素価を有することができる。ヨウ素価は、ASTM D 1510-06規格に従い測定される。
【0038】
本発明によるカーボンブラックは、10m2/g〜250m2/g、好ましくは15m2/g〜200m2/g、特に好ましくは20m2/g〜180m2/gのCTAB値を有することができる。CTAB値は、ASTM D 3765-04規格に従い測定される。
【0039】
本発明によるカーボンブラックは、10m2/g〜250m2/g、好ましくは15m2/g〜200m2/g、特に好ましくは20m2/g〜180m2/gのSTSA値を有することができる。STSA値は、ASTM D 6556-04規格に従い測定される。
【0040】
本発明によるカーボンブラックは、0.2〜2.5、好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.2〜1.5の揮発性成分の割合を有することができる。揮発性成分の割合は、DIN 53552規格に従い測定される。
【0041】
本発明によるカーボンブラックは、0.01%〜0.15%、好ましくは0.02%〜0.1%、特に好ましくは0.04%〜0.07%のトルエン可溶性成分の割合を有することができる。トルエン可溶性の成分の割合は、ASTM D 4527-04規格に従い測定される。
【0042】
本発明によるカーボンブラックは、60%〜100%、好ましくは70%〜100%、特に好ましくは80%〜100%の425nmでの透過値を有することができる。この透過値は、ASTM D 1618-04規格に従い測定される。
【0043】
本発明によるカーボンブラックは、5%〜100%、好ましくは10%〜100%、特に好ましくは20%〜100%の355nmでの透過値を有することができる。この透過値は、ASTM D 1618-04規格に従い測定される。
【0044】
本発明によるカーボンブラックは、1%〜100%、好ましくは10%〜100%、特に好ましくは20%〜100%の300nmでの透過値を有することができる。この透過値は、ASTM D 1618-04規格に従い測定される。
【0045】
本発明によるカーボンブラックは、0%〜2.5%、好ましくは0.05%〜2.0%、特に好ましくは0.1%〜1.5%の硫黄含量を有することができる。硫黄含量は、ASTM D 1619-03規格に従い測定される。
【0046】
本発明のさらなる対象は、カーボンブラック原料の熱酸化的な熱分解又はサーマルクラッキング(thermisch-oxidative Pyrolyse oder thermische Spaltung)による本発明によるカーボンブラックの製造方法であって、前記方法は、前記カーボンブラック原料が、再生可能なカーボンブラック原料を含有し、かつ前記カーボンブラック原料の熱分解反応/クラッキング反応の際に不足量の酸素が存在していることにより特徴付けられている。
【0047】
不足量の酸素は、熱酸化的な熱分解又はサーマルクラッキングの際に、カーボンブラック原料からCO2への化学量論的な反応に必要とされるよりも少ない酸素が存在しているか又は酸素が存在していないことを意味する。
【0048】
本発明によるカーボンブラックは、0.1〜2.0、好ましくは0.3〜1.7、特に好ましくは0.4〜1.4、殊に好ましくは0.4〜1.15のC/H比を有するカーボンブラック原料を用いて、製造されることができる。C/H比は、ASTM D 5373-02規格及びASTM 5291-02規格に従い、Hekatech製の元素分析器EuroEA 3000 / HTOを用いて測定される。
【0049】
前記反応は、熱分解温度又はクラッキング温度を下回る温度への冷却により停止されることができる。
【0050】
再生可能なカーボンブラック原料は、バイオガス、なたね油、大豆油、パーム油、ひまわり油、堅果由来の油又はオリーブ油であることができる。
【0051】
本発明による方法は、ファーネスブラック反応器中で実施されることができる。
【0052】
本発明による方法は、反応器軸に沿って燃焼帯域、反応帯域及び停止帯域を有するファーネスブラック反応器中で、酸素を含有するガス中での燃料の完全燃焼により前記燃焼帯域中で熱い廃ガスの流れを発生させ、かつ前記廃ガスを前記燃焼帯域から前記反応帯域を経て前記停止帯域へ導通させ、前記反応帯域中でカーボンブラック原料を前記熱い廃ガスへ混入し、かつ水の噴霧により前記停止帯域中でカーボンブラック形成を停止させることによって、実施することができる。
【0053】
前記カーボンブラック原料は、>0.001質量%、好ましくは≧0.1質量%、特に好ましくは≧25質量%、殊に好ましくは≧99質量%の再生可能なカーボンブラック原料を含有することができる。前記カーボンブラック原料は、再生可能なカーボンブラック原料からなることができる。
【0054】
前記カーボンブラック原料は、ラジアルランス及び/又はアキシアルランスを用いて注入されることができる。再生可能なカーボンブラック原料は、固体、液状又はガス状であることができる。固体の再生可能なカーボンブラック原料は、前記カーボンブラック原料中に分散されていることができる。液状のカーボンブラック原料は、圧力、蒸気又は圧縮空気により噴霧されることができる。
【0055】
前記カーボンブラック原料は、再生可能なカーボンブラック原料と、液状の脂肪族又は芳香族の、飽和又は不飽和の炭化水素又はそれらの混合物、コールタール由来の留出物又は石油留分の接触分解の際もしくはナフサ又は軽油のクラッキングによるオレフィン製造の際に生じる残油との混合物であることができる。
【0056】
前記カーボンブラック原料は、再生可能なカーボンブラック原料と、ガス状のカーボンブラック原料、例えばガス状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素、それらの混合物又は天然ガスとの混合物であることができる。
【0057】
本発明による方法は、特定の反応器ジオメトリーに限定されていない。本方法はむしろ、多様な反応器タイプ及び反応器サイズに適合されることができる。
【0058】
カーボンブラック原料噴霧器として、純粋な圧力噴霧器(一流体噴霧器)並びに内部混合又は外部混合を伴う二流体噴霧器が使用されることができる。
【0059】
本発明によるカーボンブラックは、充填剤、補強充填剤、紫外線安定剤、導電性カーボンブラック又は顔料として使用されることができる。本発明によるカーボンブラックは、ゴム及びゴム混合物、プラスチック、印刷インキ、インキ、インクジェットインキ、トナー、ラッカー、塗料、紙、接着剤、電池、ペースト、ビチューメン、コンクリート及び他の建築材料において使用されることができる。本発明によるカーボンブラックは、冶金学における還元剤として使用されることができる。
【0060】
本発明のさらなる対象は、ポリマー混合物であって、前記ポリマー混合物は、少なくとも1つのポリマーと、本発明による少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することにより特徴付けられている。
【0061】
ポリマーは、プラスチック又はゴムであることができる。
【0062】
ポリマーは、
デンプン及び次のものとのデンプンブレンド:ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、セルロース製品、例えば酢酸セルロース(CA)、バルカンファイバー、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース及びセルロースアセトブチラート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノアート、例えばポリヒドロキシ酪酸(PHB)、リグニン、キチン、カゼイン、ゼラチン、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、
ポリアミド、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンテレフタラート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシブチラート−コ−ヒドロキシアロネート、ポリヒドロキシブチラート−コ−ヒドロキシヘキサノアート、ポリラクチド、アクリロニトリル−ブタジエンポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリラートプラスチック(ABA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン、アクリロニトリル−(エチレン−プロピレン−ジエン)−スチレン(AEPDMS)ポリマー、アクリロニトリル−メタクリル酸メチルポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリラートポリマー、アセトプロピオン酸セルロース、セルロース−ホルムアルデヒドポリマー、クレゾール−ホルムアルデヒドポリマー、炭素繊維プラスチックもしくは炭素繊維強化プラスチック、カルボキシメチルセルロース、シクロオレフィンコポリマー、クロロプレンゴム、カゼイン−ホルムアルデヒドポリマー、三酢酸セルロース、ジアリルフタラートポリマー、エチレン−アクリル酸ポリマー、エチレン−ブチルアクリラートプラスチック(EBA)、エチルセルロース、エチレン−エチルアクリラートポリマー、エチレン−メタクリル酸ポリマー、エポキシドポリマー、エポキシ樹脂エステル、エチレン−プロピレンポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー、エチレン−酢酸ビニル(EVA)ポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、ペルフルオロ−エチレン−プロピレンポリマー、フラン−ホルムアルデヒドポリマー、繊維強化プラスチックの総称、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、ガラス繊維強化プラスチックの総称、高密度のポリエチレン(PE−HD)、布積層板、液晶ポリマー(Liquid-Crystal-Polymer)、メチル−メタクリラート−ブタジエン−スチレンポリマー、メチル−メタクリラート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、メチルセルロース、中密度のポリエチレン(PE−MD)、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒドポリマー、α−メチルスチレン−アクリロニトリルプラスチック、ニトリルゴム、ニトロセルロース、Non Crimp Fabricsポリマー、天然ゴム、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアクリラート、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリアリールアミド、ポリブテン、ポリブチルアクリラート、1,2−ポリブタジエン、ポリブテンナフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリシクロヘキセンジメチレンシクロヘキサンジカルボキシラート、ポリカルボジイミド、ポリカプロラクトン、ポリシクロヘキセンジメチレンテレフタラート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジアリルフタラート、ポリジシクロペンタジエン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン(CPE)、低密度のポリエチレン(LDPE)、低密度の線状のポリエチレン(LLDPE)、超高モル質量のポリエチレン(UHMWPE)、ごく低密度のポリエチレン(VLDPE)、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンナフタラート、ポリエチレンオキシド、エチレン−プロピレンポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリエステルウレタン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルウレタン、フェノール−ホルムアルデヒド、ペルフルオロアルコキシルアルカン、ポリイミド、ポリイソブチレン、ポリイソシアヌラート、ポリケトン、ポリメタクリルイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリ−N−メチルメタクリルイミド、ポリ−4−メチルペンテン(1)、ポリ−α−メチルスチレン、ポリオキシメチレン;ポリホルムアルデヒド、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、発泡性ポリプロピレン(EPP)、高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスチレン、発泡性ポリスチレン(EPS)、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリウレタン(PU)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリビニルブチラート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルポリマー、塩素化されたポリ塩化ビニル(CPVC)、高耐衝撃性ポリ塩化ビニル、可塑剤不含のポリ塩化ビニル(UPVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリロニトリルポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンポリマー、スチレン−無水マレイン酸(SMA)ポリマー、スチレン−α−メチルスチレンポリマー、飽和ポリエステル、尿素−ホルムアルデヒドポリマー、超高分子量を有するポリエチレン、不飽和ポリエステル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニル−エチレンポリマー、塩化ビニル−エチレン−メチルアクリラート(VCEMA)ポリマー、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニルポリマー、塩化ビニル−メチルアクリラート(VCMA)ポリマー、塩化ビニル−メタクリル酸メチルポリマー、塩化ビニル−オクチルアクリラート(VCOA)ポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンポリマー、ビニルエステル樹脂及び架橋ポリエチレン
であることができる。
【0063】
本発明のさらなる対象は、ゴム混合物であって、前記ゴム混合物は、少なくとも1つのゴムと、本発明による少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することにより特徴付けられている。
【0064】
本発明によるカーボンブラックは、使用されるゴムの量を基準として、10〜150質量%、好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは60〜80質量%の量で、使用されることができる。
【0065】
本発明によるゴム混合物は、シリカ、好ましくは沈降シリカ及び熱分解シリカ、並びに天然に存在する鉱物質充填剤、ケイ酸塩質充填剤、石灰様充填剤又は石灰含有充填剤を含有することができる。本発明によるゴム混合物は、オルガノシラン、例えばビス(トリアルコキシシリルアルキル)オリゴスルフィド又はビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド、例えばビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド又はビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、又はメルカプトシランを含有することができる。
【0066】
メルカプトシランは、一般式I
【化1】

で示される化合物であることができ、
ここで、R1は、同じか又は異なり、かつアルキルポリエーテル基−O−(R4−O)m−R5、C1〜C12−アルキル基又はR6O−基であり、ここでR4は、同じか又は異なり、分枝鎖状又は非分枝鎖状の、飽和又は不飽和の、2結合性の脂肪族C1〜C30炭化水素基、好ましくはCH2−CH2、CH2−CH(CH3)、−CH(CH3)−CH2−、CH2−CH2−CH2又はこれらの混合物であり、mは、平均して1〜30、好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜15、極めて特に好ましくは3〜10であり、R5は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも12個の炭素原子からなり、かつ非置換又は置換の、分枝鎖状又は非分枝鎖状の1結合性のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であり、かつR6は、H、メチル、エチル、プロピル、C9〜C30の分枝鎖状又は非分枝鎖状の1結合性のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又は(R73Si基であり、ここでR7は、C1〜C30の分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、
2は、分枝鎖状又は非分枝鎖状の、飽和又は不飽和の、脂肪族、芳香族又は混合脂肪族/芳香族の2結合性のC1〜C30炭化水素基であり、かつ
3は、H、CN又は(C=O)−R8であり、ここでR8は、分枝鎖状又は非分枝鎖状の、飽和又は不飽和の、脂肪族、芳香族又は混合脂肪族/芳香族の1結合性のC1〜C30、好ましくはC5〜C30、特に好ましくはC5〜C20、極めて特に好ましくはC7〜C15、非常に好ましくはC7〜C11の、炭化水素基である。
【0067】
本発明によるゴム混合物は、本発明による少なくとも1つのカーボンブラック、沈降シリカ又は熱分解シリカ、天然に存在する鉱物質充填剤、ケイ酸塩質充填剤、石灰様充填剤又は石灰含有充填剤及びオルガノシランを含有することができる。
【0068】
本発明によるゴム混合物は、ゴム助剤を含有することができる。
【0069】
本発明によるゴム混合物の製造のためには、天然ゴムに加えて、合成ゴムも適している。好ましい合成ゴムは、例えばW. Hofmann, Kautschuktechnologie, Genter Verlag, Stuttgart 1980に記載されている。これらは、とりわけ、
・ポリブタジエン(BR)、
・ポリイソプレン(IR)、
・スチレン/ブタジエンコポリマー、例えばエマルションSBR(E−SBR)又は溶液SBR(L−SBR)、好ましくは、全ポリマーを基準として1〜60質量%、特に好ましくは2〜50質量%のスチレン含量を有する、
・クロロプレン(CR)、
・イソブチレン/イソプレンコポリマー(IIR)、
・ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(NBR)、好ましくは、全ポリマーを基準として5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%のアクリロニトリル含量を有する、
・部分水素化又は完全水素化されたNBRゴム(HNBR)、
・エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)又は
・付加的に官能基、例えばカルボキシ基、シラノール基又はエポキシ基を有する前記のゴム、例えばエポキシ化NR、カルボキシ官能化NBR又はシラノール官能化(−SiOH)もしくはシロキシ官能化(−Si−OR)SBR、
並びにこれらのゴムの混合物
を含む。
【0070】
乗用車用タイヤトレッドの製造のためには、−50℃を上回るガラス温度を有するアニオン重合L−SBRゴム(溶液SBR)並びにそれらのゴムとジエンゴムとの混合物が特に使用されることができる。
【0071】
本発明によるゴム混合物は、ゴム工業において知られている、別のゴム助剤、例えば反応促進剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン劣化防止剤、加工助剤、可塑剤、粘着付与剤、噴射剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、遅延剤、金属酸化物並びに活性剤、例えばジフェニルグアニジン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、アルコキシを末端基とするポリエチレングリコール又はヘキサントリオールを含有することができる。
【0072】
前記ゴム助剤は、とりわけ使用目的に応じた常用の量で使用されることができる。常用の量は、ゴムを基準として、例えば0.1〜50質量%の量である。
【0073】
架橋剤として、硫黄、有機硫黄供与体又はラジカル形成剤が利用されることができる。本発明によるゴム混合物は、さらにまた加硫促進剤を含有することができる。
【0074】
適した加硫促進剤の例は、メルカプトベンズチアゾール、スルフェンアミド、グアニジン、チウラム、ジチオカルバマート、チオ尿素及びチオカーボネートである。
【0075】
前記加硫促進剤及び架橋剤は、ゴムを基準として、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の量で、使用されることができる。
【0076】
前記ゴムと、前記充填剤、場合によりゴム助剤及び前記オルガノシランとのブレンドは、常用の混合装置、例えばロール、密閉式混合機及び混練押出機中で、実施されることができる。通常、そのようなゴム混合物は、密閉式混合機中で製造され、その際にまず最初に1つ又はそれ以上の連続した熱機械的な混練段階において、前記ゴム、本発明によるカーボンブラック、場合により前記シリカ及び前記オルガノシラン及び前記ゴム助剤は、100〜170℃で混入される。その際、個々の成分の添加順序及び添加時点は、得られる混合物特性に決定的な影響を及ぼすことができる。こうして得られたゴム混合物は、ついで通常、密閉式混合機中で又はロール上で40〜120℃で前記架橋化学薬品と混ぜられ、かつ次のプロセス工程、例えば成形及び加硫のためのいわゆる原料混合物に加工される。
【0077】
本発明によるゴム混合物の加硫は、80〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で、場合により10〜200バールの圧力下に、行われることができる。
【0078】
本発明によるゴム混合物は、成形体の製造、例えば空気入りタイヤ、タイヤトレッド、ケーブルジャケット、ホース、駆動ベルト、コンベヤーベルト、ロールカバー、タイヤ、靴底、パッキンリング、形材(Profilen)及び減衰要素の製造に適している。
【0079】
本発明のさらなる対象は、プラスチック混合物であって、前記プラスチック混合物は、少なくとも1つのプラスチックと、本発明による少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することにより特徴付けられている。
【0080】
プラスチックは、例えばPE、PP、PVA又はTPE’sであることができる。本発明によるプラスチック混合物は、ケーブル、管、繊維、フィルム、特に農業用フィルム、工業用プラスチック及び射出成形品の製造に使用されることができる。
【0081】
本発明のさらなる対象は、インキであって、前記インキは、本発明による少なくとも1つのカーボンブラックを含有することにより特徴付けられている。
【0082】
本発明のさらなる対象は、印刷インキであって、前記印刷インキは、本発明による少なくとも1つのカーボンブラックを含有することにより特徴付けられている。
【0083】
本発明によるカーボンブラックは、高いC−14割合、ひいては再生可能な原料由来の炭素の高い割合の利点を有する。それにより、化石燃料CO2排出が減少される。さらなる利点は、狭い凝集体粒度分布及びそれと結び付いた高いモジュラスである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】カーボンブラック反応器の縦断面図。
【実施例】
【0085】
例1(カーボンブラック製造):
本発明による一連のカーボンブラックは、図1に示されたカーボンブラック反応器中で製造される。
【0086】
図1は、ファーネス反応器の縦断面図を示す。このカーボンブラック反応器は、燃焼室を有し、この燃焼室中で、カーボンブラック用オイル(Russoele)の熱分解のための熱いプロセスガスが、過剰量の空気酸素の供給下での天然ガスの燃焼により発生される。
【0087】
燃焼空気及び燃料の供給は、開口部1を経て燃焼室の正面壁中で行われる。燃焼室は、狭窄部へ円錐形で延びている。カーボンブラック原料は、狭窄部中でラジアルランス3を経て及び/又は軸方向にランス2を経て注入される。狭窄部を移動した後に、反応ガス混合物は、反応室中へ膨張する。
【0088】
停止帯域中で、急冷水ランス4を経て水が噴霧される。
【0089】
使用される反応器の寸法は、次のリストから読み取ることができる:
燃焼室の最大直径:220mm
狭窄部までの燃焼室の長さ:556mm
燃焼室の円錐部の長さ:256mm
狭窄部の直径:44mm
狭窄部の長さ:100mm
反応室の直径:200mm
急冷水ランスの最大位置1) 6160mm
1) 狭窄部への入口の前から測定(+:入口の後ろ −:入口の前)。
【0090】
カーボンブラックの製造のために、燃料として、天然ガスと、91.3質量%の炭素含量及び7.87質量%の水素含量を有するカーボンブラック用オイルとが使用される。
【0091】
本発明によるカーボンブラックを製造するための反応器パラメーターは、第1表に記載されている。5つの異なるカーボンブラックが製造される(カーボンブラックR1〜R5)。製造条件は、特に、狭窄部中で注入されたカーボンブラック原料の量に関して、相違する。
【0092】
【表1】

【0093】
製造されたカーボンブラックのカーボンブラック分析特性は、次の規格に従い決定され、かつ第2表に記載されている:
CTAB表面積:ASTM D-3765
ヨウ素価:ASTM D 1510
STSA:ASTM D 6556
BET:ASTM D 6556
OAN吸収量:ASTM D 2414-00
24M4−OAN吸収量:ASTM D-3493-00
pH値:ASTM D 1512
透過:ASTM D 1618-04
硫黄割合:ASTM D 1619-03
トルエン可溶性成分割合:ASTM D 4527-04
揮発性成分:DIN 53552
ティント:ASTM D 3265-05。
【0094】
ΔD50値は、ピーク高さの1/2での凝集体粒度分布曲線の幅である。Dw値は、凝集体粒度分布の質量平均値である。Dmode値は、最大頻度(凝集体粒度分布曲線のピーク最大値)での凝集体粒度である。D75%/25%比は、累積−質量凝集体粒度分布を基準として、粒子が小さい方から75%かつ大きい方から25%のときの粒子直径と、粒子が小さい方から25%かつ大きい方から75%のときの粒子直径との比から計算される。
【0095】
【表2】

【0096】
例2(ゴム技術試験):
ゴム混合物に使用される配合表は、次の第3表に記載されている。その場合に、単位phrは、使用される原料ゴム100部を基準とした質量割合を意味する。
【0097】
ゴム混合物及びそれらの加硫物の一般的な製造方法は、書籍:"Rubber Technology Handbook", W. Hofmann, Hanser Verlag 1994に記載されている。
【0098】
【表3】

【0099】
ポリマーKrynol 1712は、Bayer AGの23.5%のスチレン含量を有する油展E−SBRである。前記ポリマーは、オイル37.5phrを含有し、かつ51のムーニー粘度(ML 1+4/100℃)を有する。
Rhenogran DPG-80は、Bayer AGのエラストマー結合されたDPGであり、Rhenogran TBBS-80は、Bayer AGのエラストマー結合されたTBBSであり、かつRhenogran S-80は、Bayer AGのエラストマー結合された硫黄である。
【0100】
前記ゴム混合物は、密閉式混合機中で第4表中の混練手順に相応して製造される。
【0101】
【表4】

【0102】
第5表には、ゴム試験のための方法がまとめられている。
【0103】
【表5】

【0104】
第6表は、ゴム技術試験の結果を示している。前記混合物は、レオメーター試験のt95%で、しかし170℃で30min以下で加硫される。
【0105】
【表6】

【0106】
第6表の結果は、本発明によるカーボンブラックが、より狭い凝集体粒度分布(ΔD50/Dmode)及びより高い補強(モジュラス)を有することを示している。
【0107】
第6表の結果は、再生可能なカーボンブラック原料であるなたね油を、再生可能でないカーボンブラック原料と多様にブレンドして使用することにより、本発明によるカーボンブラックが製造されることができ、
・本発明によるカーボンブラックが、参考と比較してより狭い凝集体粒度分布により特徴付けられており、かつタイヤトレッドにおける使用の際に、タイヤ摩耗の減少、ひいてはタイヤのより長期の耐久性をもたらし(タイヤの延長された寿命、ひいてはCO2の減少)、かつ
・本発明によるカーボンブラックが、参考と比較して明らかにより低いストラクチャー24M4−OANにもかかわらず、類似した高い補強を有する(類似した高い300%モジュラス)
ことを示している。
【0108】
再生可能なカーボンブラック原料であるなたね油を、再生可能でないカーボンブラック原料と多様にブレンドして使用することにより、CO2収支は改善されることができる。
【符号の説明】
【0109】
1 開口部、 2 ランス、 2 ラジアルランス、 4 急冷水ランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックであって、
C−14含量が0.05Bq/gよりも大きく、かつ凝集体粒度分布の比ΔD50/Dmodeが0.7未満であることを特徴とする、カーボンブラック。
【請求項2】
C/H比が0.1〜2.0である、請求項1記載のカーボンブラック。
【請求項3】
カーボンブラック原料の熱酸化的な熱分解又はサーマルクラッキングによって請求項1記載のカーボンブラックを製造する方法であって、
前記カーボンブラック原料は、再生可能なカーボンブラック原料を含有し、かつ前記カーボンブラック原料の熱分解反応/クラッキング反応の際に、不足量の酸素が存在している
ことを特徴とする、請求項1記載のカーボンブラックの製造方法。
【請求項4】
前記反応を、熱分解温度又はクラッキング温度を下回る温度に冷却することにより停止させる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記反応を、反応器軸に沿って燃焼帯域、反応帯域及び停止帯域を有するファーネスブラック反応器中で実施し、
前記燃焼帯域中で熱い廃ガスの流れを、酸素を含有するガス中での燃料の完全燃焼により発生させ、かつ前記廃ガスを、前記燃焼帯域から前記反応帯域を経て停止帯域へ導き、カーボンブラック原料を前記反応帯域中で熱い廃ガス中へ混入し、かつカーボンブラック形成を前記停止帯域中で水の噴霧により停止させる、請求項3又は4記載の方法。
【請求項6】
ゴム及びゴム混合物、プラスチック、印刷インキ、インキ、インクジェットインキ、トナー、ラッカー、塗料、紙、接着剤、電池、ペースト、ビチューメン、コンクリート及び他の建築材料において及び冶金学における還元剤としての、請求項1又は2記載のカーボンブラックの使用。
【請求項7】
ポリマー混合物であって、
少なくとも1つのポリマーと、請求項1記載の少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することを特徴とする、ポリマー混合物。
【請求項8】
ゴム混合物であって、
少なくとも1つのゴムと、請求項1記載の少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することを特徴とする、ゴム混合物。
【請求項9】
プラスチック混合物であって、
少なくとも1つのプラスチックと、請求項1記載の少なくとも1つのカーボンブラックとを含有することを特徴とする、プラスチック混合物。
【請求項10】
インキであって、
請求項1記載の少なくとも1つのカーボンブラックを含有することを特徴とする、インキ。
【請求項11】
印刷インキであって、
請求項1記載の少なくとも1つのカーボンブラックを含有することを特徴とする、印刷インキ。
【請求項12】
空気入りタイヤ、タイヤトレッド、ケーブルジャケット、ホース、駆動ベルト、コンベヤーベルト、ロールカバー、タイヤ、靴底、パッキンリング、形材及び減衰要素を製造するための、請求項7記載のゴム混合物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2012−505939(P2012−505939A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531456(P2011−531456)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063171
【国際公開番号】WO2010/043562
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(511004139)エボニック カーボンブラック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Carbon Black GmbH
【住所又は居所原語表記】Rodenbacher Chaussee 4, D−63457 Hanau, Germany
【Fターム(参考)】