説明

カー・トレイラー連結車を安定化する方法と装置

【課題】
カー・トレイラー連合体の振動の走行状況に最適に適用された減衰が達成される方法と装置を提供すること。
【解決手段】
この発明は、牽引車両とその牽引車両により移動されるトレイラーを包含し、牽引車両が横揺れ運動に関して監視され、牽引車両或いはカー・トレイラー連結車の現実の或いは期待された不安定な走行挙動の検出の際に走行安定化措置が行われるカー・トレイラー連結車を安定化する方法に関し、臨界或いは非臨界状態に関する横揺れ運動を求めて評価し、横揺れ運動の振幅に依存して牽引車両を加速する工程から成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、牽引車両とその牽引車両により移動されるトレイラーを包含し、牽引車両が横揺れ運動に関して監視され、牽引車両或いはカー・トレイラー連結車の現実の或いは予想した不安定な走行挙動の検出の際に走行安定化措置が行われるカー・トレイラー連結車を安定化する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この方法は、特に乗用車と任意のトレイラー、とりわけキャビンカーの組合せから成るカー・トレイラー連結車(トレーラーを備える自動車)における不安定性を、運転者がもは制御できない走行状態が起こる前に検出して、調整することを目的としている。この不安定な状態とは、牽引車両とトレイラーの牽引の際に公知の横揺れ及び逆相状態の増進、並びに回避操作、車線変更、横風、車道凸凹又は運転者による急な操縦要件の場合における高過ぎる横加速度のための過剰な横揺れ状態が始まる状態である。
【0003】
走行速度に応じて、振動が減衰でき、一定のままであり、或いは増強される(不減衰振動)。振動が一定のままであると、カー・トレイラー連結車が臨界速度に到達したことになる。この速度閾値以上では、カー・トレイラー連結車が不安定であり、この閾値以下では、安定している、即ち場合によっては起こり得る振動が減衰する。この臨界速度の大きさは幾何学データ、タイヤ剛性、牽引車両とトレイラーの重量と重量配分に依存する。更に、この臨界速度は、ブレーキをかけた走行時の方が定走行時よりも低い。また、この速度は、加速走行時の方が定走行時よりも高い。
【0004】
これに対応する方法と装置は種々の構成で知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0005】
特許文献6から、牽引車両により牽引されている少なくとも一つのトレイラーに対する横揺れ運動を減衰する装置が知られており、この装置では、トレイラーの回転の瞬間中心の周りの角速度或いは回転の瞬間中心の周りの屈曲角が検出されて差分化され、トレイラーの車輪ブレーキを制御するように考慮されている。角速度用センサーとして、種々の状態におけ加速度計が利用されている。特許文献5は、同様に横揺れ運動を検出する横加速度センサーを備えている。信号の評価に基づいて車両に周期的ヨートルクが加えられる。特許文献4は、横揺れ運動の振動値と位相値に依存して生成される正しい位相のブレーキ作用に対する時点を求めている。
【0006】
総括的に、すべての実施態様の安定化計画は次のように大雑把に要約されることができる:
・センサー情報の評価により横揺れを検出し、この際にセンサーが牽引車両或いはトレイラーに配置されている。
・不安定な状況の検出の際にエンジントルクの減少と牽引車両の車輪ブレーキの圧力生成によって車両がブレーキをかけられる。
・これに加えて或いはこれに代えて、トレイラーから牽引車両へ伝達される力に対抗し、それにより振動を減衰するトルクが牽引車両の垂直軸の周りに伝えられる。
後者はこれに代えて、少なくとも一つの軸における片側ブレーキ作用によって或いはオーバライド操縦の作用によって実施されることができる。
【0007】
車両のブレーキかけの際の一つの問題は、カー・トレイラー連結車の臨界速度がブレーキかけによって減少され、それにより、カー・トレイラー連結車が臨界速度の範囲内にある限り、カー・トレイラー連結車の振動が更に励起されることにある。他方、ブレーキかけによってカー・トレイラー連結車の速度が減少されると、カー・トレイラー連結車が或る時間後に臨界速度範囲を出ている。作用によってなお減少される臨界速度範囲が十分に迅速に再び見捨てられ、それによって振動があまり多くは増強されなく、むしろ迅速に減衰されることは、作用の結果にとって決定的である。記載された問題点は、出来るだけ迅速に実行する高い割合の減速を要求する。高減速は運転者を不安定にさせ、不快のものと見做されることは、そのような高い割合の減速に不利となる。加えて、速い走行速度の際に後退通行が危険とされる。更に、高過ぎる圧力要件が車輪にスリップを発生させ得る。横案内力のスリップと連動した反動は、カー・トレイラー連結車の追加的不安定化をまねき得る。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第19953413号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第19913342号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第19742707号明細書
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第10034222号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願公開第19964048号明細書
【特許文献6】ドイツ特許第19742702号明細書
【特許文献7】ドイツ特許第19515056号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、この発明の課題は、要求された減速並びに車輪個別に要求されたブレーキ圧を状況に応じて分配するので、それによりカー・トレイラー連結車の振動の走行状況に最適に適用された減衰が達成される方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、この発明によると、請求項1による方法と請求項19による装置とによって解決される。
【0010】
この場合には、牽引車両とその牽引車両により移動されるトレイラーを備えるカー・トレイラー連結車を安定化するために、トレイラーでは牽引車両が横揺れ運動に関して監視され、牽引車両とトレイラー連結車の現実の或いは不安定な走行挙動の検出の際に走行安定化措置が作用され、横揺れ運動が臨界的或いは非臨界的走行状態に関して検出されて評価され、牽引車両が横揺れ運動の振幅に依存して減速される。この際に横揺れとは、トレイラーを移動する牽引車両内で実質的に周期的横加速度とヨー速度をもたらすことである。この場合に、厳しい周期的振動が重要ではなく、むしろトレイラーの振り子運動の周期的期間における瞬間的変動が生じ得る。
【発明の効果】
【0011】
この方法は、好ましくは、次の条件を満たす:
・カー・トレイラー組合体が十分に減速され、それによって振動の強力な振幅上昇が生じることができなく、振動が迅速に減衰される。
・調整された減速が検出された振動の強さを測定されて分配され、それによって運転者が作用を客観的に出来るだけ測定されもの或いは快適なものとして受けられ、運転者に誤った作用の感覚が仲介されない。その外に、それにより後退通行の危険性及び後退通行による危険性が最小にされる。
・調整された車輪圧は、車輪の横案内力を減少することなしに、要求された減速が出来るだけ迅速に得られて維持されるように分配される。その外に、一定減速は、振動が追加的に励起されないことを保障する。
・ブレーキ圧発生は、いつも運転者による確実で快適なブレーキが可能であると言う条件を満たす。
・この発明のブレーキ圧発生によるカー・トレイラー連結車を安定化する方法は、追加的ハードウエア技術費用(関係者、センサー)なしに、現ESP駆動安定制御系に機能を実行することを可能とする。
・この方法は、僅かに有効な減速における減速作用の中断によって作用のマイナス効果(カー・トレイラー連結車の追加的不安定化)を阻止する。
・減速作用の短い作動によってESP機能ランプは、短時間のみにも制御され、短い減速作用によって減速インパルスを開始する。運転者は不安定条件を示唆され、逆措置を誘起される。
【0012】
この方法の利点は、横揺れするカー・トレイラー連結車がトレイラーの種類、車両とトレイラーの道路状態、風状態や道路の急傾斜と無関係にいつも正確にブレーキをかけることができるので、振動の減衰が運転者或いは後退通行を不必要に危険とされるか、或いは負荷させることなしに行われることである。
【0013】
この方法の利点は、さらに要求された減速はカー・トレイラー連結車の横揺れが臨界的であるようなことに依存して、選定され得ることである。それにより、運転者と通行の危険性は状況に依存して最小にされ得る。
【0014】
この方法の更に別の利点は、車輪ロック傾向の監視と圧力要件の対応する減少によって横案内力の減少が生じなく、それで安定性と操縦能力が減少されないか、或いは得られたままであることである。
【0015】
さらに、この方法は、好ましくは、運転者がいつも要求された減速を越えてブレーキをかけることができることを許容する。
【0016】
この方法の利点は、さらに専らソフトウエア費用によって各慣用ESP装置に装備され得ることである。
【0017】
臨界的或いは非臨界的走行状態の検出と評価は、好ましくは、牽引車両の走行動力学が少なくとも一つの横値の振幅及び/又は周波数及び/又は車両速度に更に与える影響を与える値を検出され、横揺れ運動の評価が振幅に基づいて実施されるように行われる。
【0018】
この場合に走行動力学は、横値が測定されたヨー角速度及び/又は横加速度及び/又は測定されたヨー角速度と基準或いはモデルヨー角速度の差から検出されるように、ESP走行安定制御系の値を越えて好ましく模写される。好ましくは、この差値の監視と分析によって横揺れするカー・トレイラー連結車、特に乗用車ートレイラー連結車が確実に検出される。その場合に測定されたヨーレイトとモデル基礎基準ヨーレイトとから差値
【0019】
【数1】

【0020】
が発生され、ハンドル状態によって与えられた経路に対して車両の偏差を表す。この差値は単なる所望経路からの偏差であるので、差値の監視によって振動の評価は例えばハンドル旋回角により通過するカーブ経路と無関係に行われる。有利には、差値は摩擦値検出により誘発される信号尖端を切断するために低域通過フィルタをかけられる。実物とモデルヨーレイトの間の調整偏差は追加的にモデルヨーレイト速度に依存して評価される要因によって重量化される。モデルヨーレイト変動が速ければ速いほど、要因が小さくなる、けれども、いつも零より大きい。要因は差値或いは差値信号により乗算されるので、モデルヨーレイトの迅速変動から小さい差値が生じ、それで検出は極端な振動のみの場合に許容されるが、しかし他の場合には回避される。それによって、迅速な(動力学的)操縦運動の際に車両は車両モデルにもはや追従できないので、モデルヨーレイトと測定ヨーレイトの間の差が誤差検出を誘発される信号経過を示す。それによって誤差励起が回避される。
【0021】
この方法と装置は、好ましくは、ESP走行安定制御系に存在する一つのみの検出器を必要とする。
【0022】
さらに、横揺れ運動の時間的経過が考慮され得るので、所定時間にわたる横揺れ運動の変動が評価され、非臨界的或いは臨界的走行挙動に対する経過を模写する検出された傾向が牽引車両の評価及び/又は減速の際に考慮される。
【0023】
好ましくは、カー・トレイラー連結車の安定化は次の工程によって行われる:
牽引車両の所定減速に依存して減速値を検出し、この減速値をモデル基礎減速値と比較し、比較結果に基づいて牽引車両を減速させる。
【0024】
この場合に、好ましくはブレーキ圧を検出するために、カー・トレイラー連結車の実物減速を表す値を監視することである。それ故に、この発明によると、減速値(実物減速)は導入された所定ブレーキ圧或いは長手方向加速度における車輪の回転挙動から検出され、減速要件(目標減速)は横揺れ運動の振幅及び/又は横揺れ運動の傾向に依存して実施される。
【0025】
快適性向上のために及び/又は安定性理由から、牽引車両の減速は減速されない走行への連続的或いは段階的或いは即刻的移行を可能とする基準によって終了されることが企図されている。
【0026】
さらに、牽引車両の操縦性を維持するために、好ましくは、個々の車両車輪の回転挙動が検出されてスリップ或いはロック挙動に関して評価され、一つの車軸における一方の車輪のスリップ或いはロック挙動を検出すると、圧力要件が減少されるか或いは遮断され、そしてスリップ或いはロック傾向がもはや検出されないときに初めて圧力要件が再び遮断されることが企図されている。
【0027】
目的に適って、一つの車軸の両車輪における圧力要件は、スリップ或いはロック傾向がこの車両軸の少なくとも一方の車輪に検出されるときに減少されるか或いは遮断されることである。
【0028】
出来るだけ繰り返す安定化におけるこの方法の快適性を可能とするために、好ましくは、少なくとも一方の車輪のロック挙動を検出すると車輪ブレーキに導入されるブレーキ圧の大きさは、圧力要件が遮断されるときにメモリーにて読み取られることが企図されている。このために、ロック挙動の終了を検出すると車輪ブレーキにブレーキ圧が導入され、ブレーキ圧の読み取られた大きさに一致されるか、或いは一つの要因kred だけ減少される大きさに一致される。迅速に安定な走行挙動に戻すために、ロック挙動の終了を検出する際に導入されたブレーキ圧は連続的に牽引車両の検出された減速値をまねくブレーキ圧に上昇される。
【0029】
好ましくは、安定化作用、制御器のより正確な減速要件を、高い減速が実現され得るような場合に制限し、そして僅かな減速のみが可能である(およそ0.3gより少ない)場合には、作用を阻止することである。この方法の場合に、作用が完全には阻止されない、と言うのは車輪が減速作用によってロック圧水準を得られる前に、可能な減速位置が確認されないからである。それ故に、役立たない減速作用を停止する方法が企図されている。無論、その作用は、カー・トレイラー連結車の追加的不安定化が阻止されるように、適時に停止されなればならない。
【0030】
この方法は、減速作用中にカー・トレイラー連結車の減速を監視する。この減速は、一定時間間隔後に一定閾値(およそ0.25gー0.3g)を得られなかったならば、減速作用が中断される。
【0031】
車両の車輪或いは長手方向加速度の回転挙動に基づいてトレイラーを備える牽引車両の減速値が閾値以下に検出されるときすぐに、好ましくは減速が終了される。
【0032】
この場合に、減速値の算出は、時間遅れで減速作用後に開始され、所定時間間隔にわたり監視されて求めれる。
【0033】
好ましい改良によると、ABSに検出された車両基準速度は、最初に記憶された車両基準速度を最後に検出された車両基準速度と比較し、基準速度の差と時間間隔から車両減速を求める時間間隔の開始にて記憶されている。
【0034】
好ましくは、このカー・トレイラー連結車が次の通行のために危険な減速によりブレーキかけされるときに、次の通行がカー・トレイラー連結車における減速作用を示唆されるので、ブレーキライトの状態依存制御が企図されている。それにより追突事故の危険が最小される。このために、ブレーキペダルの操作と無関係に、光学信号装置、特にブレーキライトが所定基準に基づいて減速作用中に作動される。
【0035】
この場合には、信号装置は減速閾値に依存して作動され、その閾値では、ヒステリヒスは、減速要件が閾値を所定時間に数倍に超過されるか、或いは下回るときに、信号装置の繰り返す作動と非作動を阻止するために一体化されている。
【0036】
好ましくは、信号装置は、車輪に導入されるにちがいない最小ブレーキ圧に依存して作動されることである。
【0037】
ブレーキ圧の圧力調整は、一つの二重回路状ブレーキ圧伝動装置における電気圧力媒体ポンプにより行われ、一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路にブレーキ圧を導入し、一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路にブレーキ圧を維持し、そして一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路におけるブレーキ圧を下降させる工程により行われ、この場合には、一方のブレーキ圧伝動回路の車輪ブレーキ回路を異なるブレーキ圧要件を備える先導と次の車輪ブレーキ回路に分割することが企図され、先導車輪ブレーキ回路はより高いブレーキ圧要件を備える車輪ブレーキ回路として確定され、次の車輪ブレーキ回路のブレーキ圧の導入、維持と下降の工程は先導車輪ブレーキ回路にわたり制御されるか、或いは調整される。
【0038】
好ましい実施態様は従属請求項に挙げられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
この発明の実施例は、図面に図示され、次に詳細に記載されている。
【0040】
図1においてESP制御システム、ブレーキ装置、検知器と通信手段を備える車両が概略的に図示される。四つの車輪は符号15、16、20、21で示されている。各車輪15、16、20、21には、それぞれ一つの車輪センサー22−25が設けられている。信号は、所定基準に基づいて車輪回転数から車両速度vを求める電子制御ユニット28に供給される。さらに、ヨーレイトセンサー26、横加速度センサー27とハンドル角度センサー29は構成要素28と接続されている。その外に、各車輪は一つの個々に制御可能な車輪ブレーキ30−33を有する。これらブレーキは、液圧的に運転され、液圧導管34−37を介して圧力下に生じる液圧流体を受ける。ブレーキ圧は弁ブロック38によって調整されており、その際に弁ブロックは電子制御ユニット28で生成される電気信号により運転者から独立して制御される。ブレーキペダル3によって作動された主シリンダ1を介して、運転者によりブレーキ圧は液圧導管に導入されることができる。主シリンダ或いは液圧導管には、少なくとも一つの圧力センサーPが設けられ、そのセンサーによって運転者のブレーキ願望が検出されることができる。インターフェース(CAN)を介して、電子制御ユニットはエンジン制御装置と接続されている。
【0041】
ブレーキ装置、検知器や通信手段と共に、以下の構成部品を有するESP制御システムによって、
・四つの車輪回転数センサー
・圧力センサー(主シリンダ内のブレーキ圧Pmain
・横加速度センサー(横加速度信号aist ,横傾斜角α)
・ヨーレイトセンサー(
【0042】
【数2】

【0043】
) ・ハンドル角センサー(操縦角δ、操縦角速度
【0044】
【数3】

【0045】

・個々の制御可能な車輪ブレーキ
・液圧ユニット(HCU)
・電子制御ユニット(ECU)
その時々の走行状況に関して且つそれによる出入口条件の決定に関する表示は作動或いは非作動制御状況を実現できる。従って、カー・トレイラー連結車を安定化する方法の一つの主構成要素は走行状況の認識を可能とする一方、別の主構成要素はブレーキシステムとの相互作用を同様に走行安定化制御部の本質的構成要素に利用させる。
【0046】
この発明による方法は、カー・トレイラー連結車の振動の強さの程度を検出するためにESP検知器を利用する。監視すべき信号は、少なくとも一つの横値(ヨーレイト及び/又は横加速度及び/又はモデルヨーレイト)の振幅及び/又は少なくとも一つの横値(ヨーレイト及び/又は横加速度及び/又はモデルヨーレイト)の周波数及び/又は車両速度である。これらの値から状態検出手段により、走行状態がどんな臨界であるかを検出される。その場合に、むしろ非臨界的状態であると、低い割合の減速を必要とし、むしろ臨界的状態であると、高い割合の減速を必要とする。
【0047】
図3は、車両減速要件までのカー・トレイラー連結車の振動を検出の際の論理的フローを簡略化して示す。
【0048】
ESP車両モデル(この出願の構成部材である特許文献7における例えば図1と2による走行安定性制御部及びその記述を参照)で算出されたモデルヨーレイトと測定ヨーレイトのヨーレイト差61(
【0049】
【数4】

【0050】
)から出発して、工程60において差値61がフィルタをかけられる。即ち、差値61は低域通過フィルタを通過するので、極端な尖端が生じない。工程62は、二つの零交差点、最大値、最小振幅と所定初期勾配に基づいて解析される入力信号における半波による検索を包含する。菱形(判定工程)63において、半波が識別されたか否かが問われる。そうでない場合には、工程62に戻され、半波による検索が継続される。半波は前記基準に基づいて検出されたならば、この半波は菱形64においてその妥当性を検査される。そのために、次の基準が問われる:
・半波の最大値は、所定値を超過されなければならない。
・零交差点の間隔(半波長さ)は、有効な周波数範囲内になければならない。
・ヒステリヒス帯域は、所定の時間後に捨てられなければならない。
・第二の波が発見されて以降:
− 半波長さは、その前の半波長さと一致しなければならない。
− 横加速度は、平均すると、所定の値より大きくはない。
− 横加速度は、半波の最大値の時点において同じ符号を有しなければならない。
− 横加速度は、ほぼ同じ期間の半波を有しなければならない。
− モデルヨーレイトは、半波の最大値の時点において同じ符号を有しなければならない。
− モデルヨーレイトは、ある一定値だけ車両ヨーレイトよりも小さくなければならない。
【0051】
これらの基準がすべて満たされれば、半波は有効であり、工程65における半波カウンターが増加される。明らかな振幅の減少(現実の振幅がその前の振幅の僅かにX%だけである)の場合には、カウンターは増加されなく、むしろその値を保持し、それは制御においてより遅れた発進をまねき得る。基準がすべて満たされないならば、工程68において半波カウンターが零に戻される。菱形66においてN個の半波が識別されたか否か判定される。これは工程67にて車両の減速制御を惹起する。
【0052】
この方法の特に好ましい構成は、実物状態に加えて振動の時間的監視を作動させることを備える。現実に非臨界的であるが、傾向上強くなる振動である場合にはより高い減速を必要とし、それと反対に現実に臨界的であるが、減衰する振動である場合にはより低い減速を必要とするか、或いはもはや減衰を必要としない。好ましくは、減速の早期の低下は、カー・トレイラー連結車の最終速度が僅か過ぎなく、それがその他に特に高速道路上でカー・トレイラー連結車と後退通行の危険をまねいただろう。
【0053】
この方法の特に別の好ましい構成は、カー・トレイラー連結車の実物減速を表す信号をブレーキ圧の算出のために監視することを備える。そのような減速信号は、ABS車輪センサー情報から容易に算出されることができる。そのような減速信号によって減速要件は正確に制御されることができる。その場合に、特に好ましくは、外部から作用する力と影響(例えば逆風、カー・トレイラー連結車の負荷状態、トレイラーの種類及び傾斜した車道(下山/登山)は実物減速の帰還によって制御され、それによりいつも所望の減速が調整されることである。
【0054】
この方法の特に別の好ましい構成は、減速要件を制御の終りにより急速に除去しなく、むしろ、徐々に除去すことを備える。それにより、トレイラー連結車の減速の円滑な減少を達成でき、それは快適性を向上させ、運転者に不安感を与える恐れを減少する。
【0055】
この方法の特に別の好ましい構成は、車輪のスリップと減速を監視して、一つの軸における一つの車輪のロック傾向の第一徴候の場合に、軸における圧力要件を減少させるか、或いは遮断させ、ロック傾向がもはや生じないときに初めて、再び増加させるか、或いは設定させることを備える。それによって、横案内力の減少をまねかなく、車両が不安定化されなく、操縦可能のままであることを得る。特に好ましくは、圧力要件の減少は、車両を不安定化させる追加的ヨーモーメントを生成しないために、いつも一つの軸の両車輪において行われる。
【0056】
この方法の特に別の好ましい構成は、ロック傾向の検出の際に現実の車輪圧を対応する車輪にて節約することを備える。車輪がロック傾向をもはや示さないときには、再び設定される圧力要件は、記憶された圧力に、或いは車輪のそれ以上のロック傾向を阻止するために、ある値だけ減少して記憶された圧力に制限される。けれども、摩擦値条件の変更の際に車両に低過ぎるブレーキ効果を防止するために、好ましくは、学習したロック圧水準がゆっくりと再び増加される。それによって、摩擦値の変更の際にこの摩擦値を利用しない恐れなしに、全体として、均一な減速が達成される。
【0057】
この方法の別の好ましい構成は、高い割合の減速が実現される場合に制御器の正確な減速要件を制限し且つほんの僅かな減速が可能である(およそ0.3gより少ない)場合に作用を回避する安定化作用を備える。それにより、トレイラーをもつ車両にブレーキかける際の問題が解決され、その問題はカー・トレイラー組合体の臨界的速度がブレーキかけによって減少するときにいつも生じて、それで振動が再び励起される。ブレーキかけによってカー・トレイラー連結車の速度が減少されるので、最終的に臨界的速度範囲を出る。
【0058】
作用の成功のために、作用によって下降される臨界的速度範囲が、十分に迅速に再び捨てられ、それにより振動があまり増加されなく、むしろ迅速に減衰されることは、決定的なことである。この問題は出来るだけ迅速に受ける高い割合の減速を必要とする。
【0059】
この高い割合の減速はいつもは得られることができない。走行試験では、雪で覆われた道路上でさえカー・トレイラー連結車の振動が生じ得ることが明らかである。この振動が識別されて、車両のブレーキかけが必要とされるならば、ブレーキ圧は低い摩擦値に基いて迅速にロック水準を得る。必要とされた減速は調整されることができない。安定化を達成する代わりに、振動が励起される。
【0060】
それ故に、この方法では、作用が完全には回避されることがない、と言うのは、車輪が減速作用によってロック圧水準を得る前に、可能な減速位置が求めれることができない。それ故に、この方法は役立たない減速作用を終了するならば、作用が停止される。無論、作用は、カー・トレイラー連結車の追加的不安定化が防止されるように初期に停止されなければならない。
【0061】
次に、車両の減速を停止する方法が記載される:
この方法は、減速作用中にカー・トレイラー連結車の減速を監視する。この減速が一定間隔後に一定閾値(およそ0.25gー0.3g)を得ることができないならば、減速作用が停止される。減速は車輪速度信号に基づいて或いは特に好ましくは長手方向加速度センサーにより求められることができる。
【0062】
制御開始の際に減速が最初に振動されなればならないから、好ましくは監視窓を最初に一定間隔で制御開始後に始動する(およそ300ms)。出来るだけ正確な減速測定を得るために、信号はさらに700msの期間にわたりフィルタをかけられる。1000msの後に、所望の減速が達成され得るか否かが決定される。そのために、減速は一定閾値を超過されなければならない。これがそうでないならば、作用が終了される。
【0063】
この発明の特に好ましい構成は、摩擦値が必要とされた減速を許容するか否かを決定するために、車輪のスリップ監視システムを使用する。この場合に、最初1000ms以内に車輪がロック圧限度を超過したときにのみ、作用が終了される。
【0064】
この発明の別の特に好ましい構成は、減速を求める車輪信号の使用の際に車輪信号から生成される基準速度信号に起用される。このABSのために求められた信号は車両速度を意味する。最初300msの経過後に車両速度が記憶される。さらに700msの経過後に記憶された速度と現実の速度との差及び700msの時間差から極めて正確な車両速度が求められることができる。
【0065】
さらに、この方法の別の構成は、乗用車ートレイラー連結車の識別された横揺れによる減速作用中に組合体の予想した高い割合の減速前に後退通行を警報することを備える。作用が活動的になると直ぐに、警報信号としてブレーキライトが作動される。
【0066】
この発明の別の特に好ましい構成として、ブレーキライトが実際に必要であるときに初めて、後退通行を警報するために、減速閾値が超過されるときに、ブレーキライトが最初に作動される。
【0067】
この発明の別の特に好ましい構成として、減速信号が閾値の付近に移動し数倍下回るか或いは超過されるときにブレーキライトの繰り返し作動と非作動を阻止するために、ヒステリヒスが減速閾値に一体化されている。追加的に、ブレーキライトを作動するために、車輪最小圧が少なくとも一つの車輪において必要とされ得る。それは、誤った大きな減速信号だが、現実の僅かな減速の場合には、この信号が圧力信号により納得の行くようにされ、不必要なブレーキライト作動が阻止されると言う利点を有する。車輪圧信号としてセンサー信号或いは算定圧力信号が使用されることができる。
【0068】
この方法の別の特に好ましい構成は、図2と結合して記載されるETR制御システムによって減速要件を実現することを備える。
【0069】
図2に図示された車両用のブレーキ圧伝動装置は、ブレーキペダル3によって作動されるブレーキ力倍増器2を備えるブレーキシリンダ1から成る。ブレーキ圧伝動装置は、二つのブレーキ回路を包含し、その内の一方のみが図示されている。ブレーキシリンダ1には貯蔵容器4が配置されていて、その容器は圧力媒体容積を含有し、ブレーキ解放位置においてブレーキシリンダ1の作業室に接続されている。図示された一方のブレーキ圧伝動回路は、ブレーキシリンダ1の作業室に接続されて分離弁6をもつブレーキ導管5を有し、その分離弁はその休止位置においてブレーキ導管5用の開放通路を形成する。分離弁6は通常には電磁式に作動される。しかし、液圧操作が行われる変動が実行できる。
【0070】
ブレーキ導管5は、それぞれ一つの車輪ブレーキ30、31に導く二つのブレーキ圧導管8、9に分岐する。ブレーキ圧導管8、9は、その休止位置において開放し、操作磁石の励起によって錠止位置において切換られ得るそれぞれ一つの電磁式作動可能な流入弁12、19を含有する。各入口弁12、19に逆止弁13が並列に接続され、その逆止弁はブレーキシリンダ1の方向に開放する。これら車輪ブレーキ回路10、11と並列に所謂逆送回路が接続されていて、その逆送回路は逆送ポンプ46をもつ還流導管45、42、43から成る。車輪ブレーキ30、31は、それぞれ一つの出口弁14、17を介して還流導管42、43を通して還流導管45に接続されて、それで逆送ポンプ46の吸込み側に接続されており、そのポンプの圧力側は分離弁6と入口弁12、19の間の開口点Eにおけるブレーキ圧導管8と接続されている。
【0071】
逆送ポンプ46は、主ピストンポンプとして詳細に図示されていない圧力弁と吸込弁により形成されている。逆送ポンプ46の吸込み側には、ばね54とピストン55をもつケーシング53から成る低圧アキュムレータ50が存在する。
【0072】
低圧アキュムレータ50と逆送ポンプ46の結合部において、予め固定されて逆送ポンプ46に開放する逆止弁44が挿入されている。
【0073】
逆送ポンプ46の吸込み側は、さらに、追加導管52を介して低圧減衰器18と接続され、逆止弁52を介してブレーキシリンダ1と接続されている。その外に、ブレーキ力伝動回路は、車輪ブレーキ回路10、11におけるブレーキ圧要件を評価する電子制御ユニット28を有する。電子制御ユニット28或いは他の電子制御ユニットにおいて、算出された減速要件に基づいて各車輪ブレーキ回路10、11にて車輪ブレーキ回路10、11の評価が必要なブレーキ圧の高さにより行われる。車輪ブレーキ回路10、11は先導或いは次の車輪ブレーキ回路に分割されて、車輪ブレーキ回路、例えば10は、先導車輪ブレーキ回路より高い割合の減速要件により、次の車輪ブレーキ回路より低い割合の減速要件により求められる。車輪ブレーキ回路10、11における減速要件に依存して、カー・トレイラー組合体の安定化制御の場合に電子制御ユニット28において制御値或いは調整値が発生されて、その制御値によって弁12、19、6、17、52と逆送ポンプ46が作動されることができる。この場合に、次の車輪ブレーキ回路10或いは11は先導車輪ブレーキ回路10或いは11によって制御されるか、調整される、即ち液圧圧力媒体は僅かな減速要件による次の車輪ブレーキ回路における圧力発生の際にブレーキ圧要件の高さに次の車輪ブレーキ回路から、或いは次の車輪ブレーキ回路を介して導入される。
【0074】
この場合に、出口位置において電流を通じないと分離弁6が開放し且つ電流を通じないと切換弁51が閉鎖される場合に、駆動信号によって切換弁51が開放され、分離弁6が閉鎖されるときに車輪ブレーキ回路10、11に圧力発生が起こる。この配列では、逆送ポンプ46によってブレーキシリンダ1を介して貯蔵容器4から或いは低圧アキュムレータ50から圧力媒体が車輪ブレーキ回路10、11へ搬送され、それら車輪ブレーキ回路10、11には算出されたブレーキ圧要件に対応して圧力媒体が導入される。圧力媒体は開口点Eを介して例えば先導車輪ブレーキ回路10のブレーキ圧導管8から案内され、次の車輪ブレーキ回路11のブレーキ圧導管9から入口弁12と19を介して車輪ブレーキ30と31へ案内される。減速要件の横揺れ運動の振幅に依存して算出された値が次の車輪ブレーキ回路11に導入されると、入口弁19が切換インパルスによって閉鎖される。圧力媒体は逆送ポンプの徐々に駆動されるエンジンにより減速要件を達成するまで先導車輪ブレーキ回路10に導入され、その後に入口弁12が開放され、切換弁52が閉鎖される。分離弁6が閉鎖されたままである。それで一定圧力が起こる。
【0075】
車輪ブレーキ回路10、11におけるブレーキ圧は、好ましくは入口弁12が開かれるときに、維持される。この場合には、逆送ポンプ46は基礎負荷状態、即ち最低搬送容量及び/又はエネルギー供給及び/又は回転数を備える状態で作動されるので、ポンプピストンは偏心輪により真直ぐになお移動される。圧力媒体容量が低圧アキュムレータ50に貯蔵されていないときに、基礎負荷状態における逆送ポンプ46のこの運転は好ましくはポンプモータのパルス幅変調駆動によって制御される。望まれていない特別な場合には、過剰圧力は、入口弁12が閉じられるから、ブレーキ圧の保持中に先導車輪ブレーキ回路10におけるブレーキ圧の保持中に低圧アキュムレータ50或いは低圧減衰器18からの逆送ポンプの補充供給によって有効に阻止される。入口弁12の閉鎖は、時間応答式切換インパルスによって切換弁52の閉鎖後に減速要件の値を越える圧力の過剰振動が著しいマイナス効果を車輪挙動に与える走行状況において実行される。それに代わって、ブレーキ圧が検出されるか、或いは算出されることができ、入口弁12がブレーキ圧に依存して閉鎖される。低圧アキュムレータ50或いは低圧減衰器18の中味は過圧弁56を介してブレーキシリンダ1と貯蔵容器4へ戻される。
【0076】
先導車輪ブレーキ回路10の圧力降下は分離弁6の開放によって行われるので、圧力媒体は開放入口弁12、分離弁6とブレーキシリンダ1を介して貯蔵容器4へ流入する。分離弁6は制御ユニット28から切換インパルスによって各圧力降下後に閉鎖される。次の車輪ブレーキ回路11では、出口弁17が開き且つ入口弁19が閉じると、圧力媒体は車輪ブレーキ31から低圧アキュムレータ50へ戻される。この作用において、低圧アキュムレータ50は緩衝機能を提供する。
【0077】
ブレーキ圧上昇に対する次の車輪ブレーキ回路11のブレーキ圧要件の修正は、入口弁19の開放によって先導車輪ブレーキ回路から実行され、その減速要件が所定の制御閾値に依存して同様に修正されるか、或いはその際に減少されたブレーキ圧が黙認される。
【0078】
圧力を修正するこの所謂ETR制御(切換弁(EUV)−分離弁ー制御)によってすべての車輪に圧力が生成されて修正されるので、少なくとも二つの車輪でいつもブレーキがかけられる、と言うのは、いつも車輪圧は回路毎に入口/出口弁によって制御されておらず、むしろ切換弁52とポンプ46によって制御され、それにより逆止弁13によってブレーキできるままであるからである。そのような圧力生成方法はすべての慣習的ESPシステムにおいて可能であり、追加的検知手段を必要としない。それと反対に、修正は入口/出口弁によってすべて四つの車輪に特に確実なブレーキかけの検出を必要とした。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ESP制御システムを備える車両を示す。
【図2】この発明によるブレーキ装置の液圧回路を示す。
【図3】トレイラー連結車速度の検出の簡略化されたフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0080】
1.....ブレーキシリンダ
2.....ブレーキ力倍増器
3.....ブレーキペダル
4.....貯蔵容器
5.....ブレーキ導管
6.....分離弁
7.....
8.....ブレーキ圧導管
9.....ブレーキ圧導管
10.....車輪ブレーキ回路
11.....車輪ブレーキ回路
12.....入口弁
13.....逆止弁
14.....出口弁
15.....車輪
16.....圧力流体ポンプ
17.....出口弁
18.....低圧減衰器
19.....入口弁
20.....車輪
21.....車輪
22−25..車輪センサー
26.....ヨーレイトセンサー
27.....横加速度センサー
28.....電子制御ユニット
29.....ハンドル角度センサー
30−33..車輪ブレーキ
34−37..液圧導管
38.....弁ブロック
46.....逆送ポンプ
50.....低圧アキュムレータ
52.....切換弁
53.....ケーシング
54.....ばね
55.....ピストン
56.....過圧弁
60.....工程
61.....差値
62−67..工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両とその牽引車両により移動されるトレイラーを包含し、牽引車両が横揺れ運動に関して監視され、牽引車両或いはカー・トレイラー連結車の現実の或いは予想した不安定な走行挙動の検出の際に走行安定化措置が行われるカー・トレイラー連結車を安定化する方法において、臨界或いは非臨界状態に関する横揺れ運動を求めて評価し、横揺れ運動の振幅に依存して牽引車両を加速する工程から成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
牽引車両の駆動動力学に影響を与え且つ少なくとも一つの横方向量及び/又は車両速度の振幅及び/又は周波数を表す量が求められ、そして横揺れ運動が振幅によって評価されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
横方向量が測定ヨー角速度及び/又は横方向加速度から求められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
横方向量が測定ヨー角速度と基準ヨー角速度との差値から求められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
所定期間にわたる横揺れ運動の変化が評価され、求められた傾向が牽引車両の評価及び/又は減速において考慮されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
牽引車両の所定減速に依存して減速量を求め、モデル化した遅延要件と減速量とを比較し、比較結果に基づいて牽引車両を減速させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項7】
減速量は制御された所定ブレーキ圧において車輪の回転作動から求められ、減速要件は横揺れ運動の振幅及び/又は横揺れ運動の傾向に依存して実施されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
牽引車両の減速が減速されない駆動へ連続的或いは段階的或いは即時的に移行させる基準によって終了されることを特徴とする請求項6或いは請求項7に記載の方法。
【請求項9】
個々の車両車輪の回転作動が検出されてそのスリップ作動或いはロック作動によって評価され、車軸上の車輪のスリップ作動或いはロック作動が検出されるときに圧力要件が減少されるか、或いは無効にされ、そしてスリップ或いはロック状態の傾向がもはや確認されないときにのみ、圧力要件が再び行われることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項10】
スリップ或いはロック状態の傾向がこの車軸の少なくとも一つの車輪において検出されるときに、車軸の両車輪における圧力要件が減少されるか、或いは無効にされることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの車輪の検出されたロック作動において車輪ブレーキに導入されるブレーキ圧の量は、圧力要件が遮断されるときにメモリーに記憶されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項12】
ロック傾向の終了が検出されるとブレーキ圧が車輪ブレーキに導入され、このブレーキ圧はブレーキ圧の記憶量或いはある値だけ減少された量に一致することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ロック傾向の終了が認められるときに導入されたブレーキ圧は牽引車両の求められた減速量を導くブレーキ圧に連続的に増加されることを特徴とする請求項11或いは請求項12に記載の方法。
【請求項14】
トレイラーと一緒の牽引車両の閾値以下の減速値が車輪の回転挙動或いは車両の長手方向加速に基づいて求められるとすぐに、減速が終了されることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項15】
減速値の決定が減速作用に基づいて時間的に遅れて開始され、所定時間間隔を介して監視されて求められることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ABS制御で検出された車両基準速度が間隔の開始において記憶され、開始にて記憶された車両基準速度が終了において求められた車両基準速度と比較され、車両の減速は基準速度と期間の差から求められることを特徴とする請求項14或いは請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ブレーキペダルの操作と無関係に、光学信号装置が所定基準に基づいて減速作用中に作動されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項18】
光学信号装置が車両車輪及び/又はトレーラーのブレーキライトであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
信号発生装置は到達される、或いは超過されるにちがいない減速閾値に依存して作動されることを特徴とする請求項17或いは請求項18に記載の方法。
【請求項20】
信号発生装置は車輪に導入されるにちがいない最小ブレーキ圧に依存して作動されることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
ヒステリヒスが減速閾値に一体化されて、減速指令が所定期間において数回、閾値を超過するか、或いは閾値以下に下降するならば、信号発生装置の繰り返し作動と非作動を阻止することを特徴とする請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
二重回路ブレーキ圧伝動装置において電気圧力流体ポンプによるブレーキ圧の圧力調整を備え、一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路にブレーキ圧を導入し、一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路にブレーキ圧を維持し、一方のブレーキ圧伝動回路の一方及び/又は他方の車輪ブレーキ回路にブレーキ圧を減少させる工程から成り、異なるブレーキ圧要件により一方のブレーキ圧伝動回路の車輪ブレーキ回路を先導と次の車輪ブレーキ回路に分割され、先導車輪ブレーキ回路がより高いブレーキ圧要件により車輪ブレーキ回路として形成されていて、そして次の車輪ブレーキ回路のブレーキ圧を導入して維持して減少させる工程が先導車輪ブレーキ回路によって制御或いは調整されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
車輪ブレーキ(30或いは31)の先導ブレーキ回路(10或いは11)が切換弁(52)の開放によって圧力流体源(4)に接続され、圧力流体は車輪ブレーキ回路に配列された圧力流体ポンプ(46)によって先導と次の車輪ブレーキ回路に導入され、ブレーキ圧(8、9)は分離弁(6)によって圧力流体源から分離されていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
車輪ブレーキの先導ブレーキ回路(10或いは11)が圧力流体アキュムレータ(50)に接続されて切換弁(52)が閉じて、圧力流体は車輪ブレーキ回路に配列された圧力流体ポンプ(46)によって先導と次の車輪ブレーキ回路に導入され、ブレーキ圧(8、9)は分離弁(6)によって圧力流体源から分離されていることを特徴とする請求項22或いは23に記載の方法。
【請求項25】
各車輪ブレーキ回路は入口弁と出口弁(12、19、14、17)を包含し、先導と次の車輪ブレーキ回路のブレーキ圧要件は次の車輪ブレーキ回路の入口弁(19)によって制御され、ブレーキ圧要件による圧力流体ポンプ(16)によって排出された圧力流体は、先導車輪ブレーキ回路の入口弁(12)が開き、先導と次の車輪ブレーキ回路の出口弁(14、17)が閉じる際に制御されることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
次の車輪ブレーキ回路のブレーキ圧要件は、次の車輪ブレーキ回路の入口弁(12或いは19)が開き、圧力流体ポンプが作動或いは受動である際に、先導車輪ブレーキ回路から変化されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
車輪ブレーキ回路のブレーキ圧は、切換弁、分離弁と出口弁が閉じ、先導車輪ブレーキ回路の入口弁(12或いは19)が開き、次の車輪ブレーキ回路の出入口弁が閉じる際に維持されていることを特徴とする請求項22乃至26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
牽引車両とその牽引車両により移動されるトレイラーを包含し、牽引車両が横揺れ運動に関して監視され、牽引車両或いはカー・トレイラー連結車の現実の或いは期待された不安定な走行挙動の検出の際に走行安定化措置が行われるカートレラー組合体を安定化する装置において、速度センサーとヨーレイトセンサー及び/又は横方向加速度センサー及び/又は車輪の回転挙動及び/又はヨーレイト及び/又は横方向加速度及び/又は操縦角度を検出する操縦角度センサーをもつESP走行安定化制御系と、少なくともセンサー信号からモデルヨーレイトを測定する車両モデルと、測定ヨーレイトとモデルヨーレイトとから差値を生成する測定ユニットと、車輪ブレーキにおけるブレーキ圧を制御するESP走行安定化制御系に設けられる牽引車両の減速量をセンサー信号及び/又はモデル基礎量から算出する測定ユニットとを備えることを特徴とする装置。
【請求項29】
測定ユニットは差値の振幅に依存して牽引車両及び/又はトレイラーの減速量を算出することを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
光学信号装置がブレーキペダルの操作に無関係に減速作用中に所定基準によって作動されていることを特徴とする請求項28或いは29に記載の装置。
【請求項31】
光学信号装置は牽引車両及び/又はトレイラーのブレーキライトであることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
作動は、信号装置を作動するために、到達される、或いは超過されるにちがいない減速閾値に依存して行われることを特徴とする請求項30或いは31に記載の装置。
【請求項33】
作動は、信号装置を作動するために、車輪に導入されるにちがいない最小ブレーキ圧に依存して行われることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
減速閾値にヒステリヒスが一体化され、減速要件が閾値を所定時間で数倍に超過するか、或いは下回るときに信号装置の繰り返し作動と非作動を阻止することを特徴とする請求項30乃至33のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−505453(P2006−505453A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502115(P2005−502115)
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050805
【国際公開番号】WO2004/041614
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】