説明

ガスエンジン制御装置

【課題】ガスエンジン制御装置において、排気圧センサー等を用いずにNOx低減のための燃料ガス供給量調整弁の開度補正を短時間でかつ精度良く行う。
【解決手段】瞬時エンジン回転数n1・n2・n3の1サイクルの平均をエンジン回転数Nとし、瞬時エンジン回転数n1・n2・n3とエンジン回転数Nとのエンジン回転数差に基づく実燃焼変動値PIVを、エンジン負荷Lに基づく目標燃焼変動値PIVmに収束するように燃料ガス供給量調整弁35の開度GVMを調整する開度調整手段200と、を有するガスエンジン制御装置1において、所定時期t_intにおいて、前記燃料ガス供給量調整弁35の開度GVMを強制的に増加又は減少させ、前記目標燃焼変動値PIVmへの収束過程における前記開度GVMの極大値及び極小値に基づいて、開度補正値GVM_rvを算出する開度補正手段300を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスエンジン制御装置、詳しくは吸気経路へ合流する燃料ガス供給経路に設けられる燃料ガス供給量調整手段のNOx低減のための開度補正制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスエンジンは、空気と燃料ガスとの混合気を燃焼室に供給するエンジンとして公知である。また、ガスエンジンの空燃比を希薄限界に制御することによって、NOx低減を実現する希薄燃焼制御も公知である。燃料ガス供給量調整弁は、空燃比を制御するため、燃料ガス供給経路に設けられる燃料ガス供給量調整手段である。例えば、特許文献1は、ガスエンジン制御装置において、排ガス経路中に設けた排気圧センサーに基づいて失火しない程度の希薄燃焼となるように燃料ガス供給量調整弁の開度を設定する希薄燃焼制御方法を開示している。
【特許文献1】特開10−131795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の希薄燃焼制御方法では、高価な排気圧センサーが必要であるため、製品コストが嵩むことになる。また、ガスエンジンの吸気経路は、例えばエアクリーナーの目詰まり等の経年劣化によって、吸気流量が低下する。そのため、燃料ガス供給量調整弁は、吸気流量の低下に伴う燃料ガス供給量の開度補正を行う必要がある。さらに、例えばエンジン駆動式ヒートポンプに搭載されるガスエンジンの開度補正は、現地設置後でも適宜に行われる。そのため、燃料ガス供給量の開度補正は、短時間で行うことが望まれる。
そこで、解決しようとする課題は、ガスエンジン制御装置において、排気圧センサー等を用いずにNOx低減のための燃料ガス供給量調整弁の開度補正を短時間でかつ精度良く行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、吸気経路へ合流する燃料ガス供給経路に設けられ、該吸気経路への燃料ガス供給量を調整する燃料ガス供給量調整手段と、1燃焼サイクルにおける各気筒の燃焼行程での瞬時エンジン回転数とエンジン回転数とのエンジン回転数差に基づく燃焼変動値を、前記エンジン負荷に基づく目標燃焼変動値に収束するように前記燃料ガス供給量調整手段を調整する開度調整手段と、を有するガスエンジン制御装置において、所定時期において、前記燃料ガス供給量調整手段の開度を強制的に増加又は減少させ、前記目標燃焼変動値への収束過程における前記開度の極大値及び極小値に基づいて、開度補正値を算出する開度補正手段を備えるものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のガスエンジン制御装置において、前記開度補正手段は、目標燃焼変動値への収束過程の開度の極大値及び極小値について重み係数を乗じた内分値に基づいて開度補正値を算出するものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1又は2記載のガスエンジン制御装置において、前記開度補正手段は、目標燃焼変動値への収束過程の開度の極大値及び極小値を2回ずつ検出し、これら2つの極大値及び2つの極小値に基づいて開度補正値を算出するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、燃料ガス供給量調整手段の開度を強制的に増加又は減少させることによって、開度の極大値と極小値の見極めが短時間に行え、かつ開度補正値の算出精度を向上することができる。つまり、排気圧センサー等を用いずに燃料ガス供給量調整弁の希薄燃焼維持のための開度補正を短時間でかつ精度良く行うことができる。これによって、NOx低減を図ることができる。
【0010】
請求項2においては、目標燃焼変動値への収束過程の開度の極小値又は極大値に重み付けをすることで、極小値を重くすることで希薄燃焼重視、或いは極大値を重くすることで失火防止重視の選択ができる。
【0011】
請求項3においては、2つの極大値及び2つの極小値に基づいて開度補正値を算出することで、開度補正の時間短縮と精度向上を両立する上で最適な制御を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係るガスエンジン制御装置及びガスエンジンの構成を示す構成図、図2は同じくガスエンジン制御装置の構成を示すブロック図、図3は同じくPIVマップを示すグラフ図である。
図4は同じく開度調整制御を示すブロック図、図5は同じく開度補正制御を示すフロー図、図6は同じく開度補正制御の時系列変化を示すチャート図である。
【0013】
まず、図1を用いて、本発明のガスエンジン制御装置1の制御対象であるエンジン2について、簡単に説明する。
本実施例において、エンジン2は、エンジン駆動式ヒートポンプに搭載されるものとする。
本実施例のエンジン2は、天然ガス等の気体状の燃料ガスを用いる3気筒のガスエンジンであって、図示される気筒を含めて3つの気筒を備えている。
エンジン2は、吸気経路、燃料ガス供給経路、エンジン本体、排気経路を備えて構成されている。
吸気経路は、外部から取り込む空気と燃料ガスとを後述するミキサ3により混合して生成した混合ガスを供給する吸気配管11及び空気中に含まれる塵挨等を除去するエアクリーナー12によって構成されている。
エンジン本体は、混合ガスを燃焼させるための空間である燃焼室21a、シリンダヘッド21において開閉動作を行うことにより吸気配管11と燃焼室21aとを連通又は遮断する吸気バルブ23、燃焼室21aに供給された混合ガスを燃焼させるために火花を発生する点火プラグ22、燃焼室21aに供給された混合ガスが燃焼し、膨張することにより上下方向に摺動するピストン25、ピストン25の往復運動により回転運動するクランク軸26、並びにシリンダヘッド21において開閉動作を行うことにより排気配管13と燃焼室21aとを連通または遮断する排気バルブ24、を備えて構成されている。
排気経路は、燃焼室21aで混合ガスが燃焼することにより生成する排気ガスをエンジン2の外部に排出する排気配管13によって構成されている。
【0014】
燃料ガス供給経路としてのミキサ3は、燃料ガスを吸気配管11の内部に供給する第一燃料ガス供給配管31、第一燃料ガス供給配管31から燃料ガスの一時的増量を行う開閉式燃料弁32、開閉式燃料弁32をバイパスして第一燃料供給配管31に接続する第二燃料供給配管34、第二燃料供給配管34を通過する燃料ガス量すなわち混合ガスに含まれる燃料ガス量を調整する燃料ガス供給量調整手段としての燃料ガス供給量調整弁35、第一燃料供給配管31内の燃料ガスと吸気空気との間に差圧を生じさせ、該燃料ガスを第一燃料供給配管31から吸気配管11に供給するベンチュリ33、並びに混合ガスの供給量を調整するスロットル弁36、を備えて構成されている。なお、開閉式燃料弁32は、燃料ガスを一時的に増量する制御を組み込まない場合には省略される。
【0015】
次に、図1及び図2を用いて、ガスエンジン制御装置1について、詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、ガスエンジン制御装置1は、主に燃料ガス供給量調整弁35、エンジン回転数センサー132、高圧センサー131、各種演算を行うElectronic Control Unit(以下ECUと称する)150等を含んで構成されている。エンジン回転数検出手段としてのエンジン回転数センサー132は、クランク軸26と同期回転する歯車の所定角度毎のパルス信号を計測可能なセンサーである。本発明においては、1燃焼サイクル(クランク軸26の2回転)相当のパルス数計測時間に基づいてエンジン回転数Nを算出している。一方で、気筒毎の燃焼行程相当のパルス数計測時間に基づいて当該気筒の瞬時エンジン回転数n1、n2、n3を算出している。
エンジン負荷検出手段としての高圧センサー131は、エンジン駆動式ヒートポンプの圧縮機の吐出圧力(高圧圧力HP)を検出する。そして、図示しない圧縮機による冷媒の断熱圧縮仕事を算出する。エンジン負荷検出手段としては、その他にエンジン冷却水温度やエンジン潤滑油温度、圧力を検出して、これらと負荷との相関関係から算出しても良い。
ECU150は、後述する開度調整手段200及び開度補正手段300としての機能を有するコントローラ100、並びに記憶部120を含んで構成されている。
【0016】
また、図3を用いて、燃焼変動値を表すPIVマップ50について、詳細に説明する。
PIVマップ50は、エンジン回転数Nとエンジン負荷Lに対応した目標希薄燃焼域に相当する目標燃焼変動値PIVmをプロットしたものである。ここで、PIVマップ50は、予めECU150に含まれる記憶部120に記憶されているマップである。
ここで、各気筒の燃料供給量が理論空燃比に近い程、エンジン回転数Nとその気筒の燃焼行程の瞬時エンジン回転数n1、n2、n3との回転数差が小さく、希薄燃焼域では回転数差が大きくなるという、相関があり、この回転数差に基づく関数を燃焼変動値としている。
すなわち、燃焼変動値が大きい程、希薄燃焼域でNOx発生量を低減でき(但し、失火し易い)、燃焼変動値が小さい程、理論空燃比に近く、NOx発生量が増加(但し、失火し難い)する。目標燃焼変動値PIVmは、失火しない限界近傍の希薄燃焼域に相当するように選定される。
【0017】
ここで、図4を用いて、開度調整制御について、詳細に説明する。
コントローラ100は、開度調整手段200として、燃料ガス供給量調整弁35の開度調整制御を行う機能を有している。
目標エンジン回転数設定部(Nm演算部)102、目標燃焼変動値算出部(PIVm算出部)103、開度演算部(GVM演算部)101、及び燃焼変動値演算部(PIV演算部)105は、開度調整手段200としてのコントローラ100のそれぞれの機能である。
まず、Nm演算部102は、高圧圧力HPに基づいて算出される圧縮機での冷媒の断熱圧縮仕事であるエンジン負荷Lに基づいて、目標エンジン回転数Nmを算出する。次に、PIVm算出部103は、目標エンジン回転数Nm及びエンジン負荷Lに基づいて記憶部120のPIVマップ50より目標燃焼変動値PIVmを算出する。一方、PIV演算部105は、エンジン回転数Nと各気筒の燃焼行程での瞬時エンジン回転数n1・n2・n3とのエンジン回転数差に基づく実燃焼変動値PIVを演算する。ここで、GVM演算部101は、偏差ΔPIVから、燃料ガス供給量調整弁開度GVM(以下、開度GVM)を演算する機能を有する。ここで、偏差ΔPIVとは、目標燃焼変動値PIVmと実燃焼変動値PIVとの偏差である。
【0018】
ここで、図5及び図6を用いて、開度補正制御について、詳細に説明する。
コントローラ100は、開度補正手段300として、燃料ガス供給量調整弁35の開度補正制御を行う機能を有する。
【0019】
まず、図5を用いて、S110〜S150について、詳細に説明する。なお、以下の開度補正制御において、エンジン回転数Nは所定回転数に固定される。
まず、コントローラ100は、エンジン2の積算運転時間が所定時期t_intに到達したかどうかを判定する(S110)。ここで、所定時期t_intは、現地設置後又はメンテナンス後から起算する積算運転時間である。
次に、コントローラ100は、積算運転時間が所定時期t_intに到達したならば、開度GVMをGVM演算部101による開度指令値に所定量強制増加させ(S120)、サンプリング数n及び極値数mの設定を1とする(S130)。ここで、サンプリング数nは、開度補正制御開始から開度GVMをサンプリングした回数を表している。つまり、GVM(n)は、コントローラ100がn回目にサンプリングした開度GVMである。また、極値数mは、極大値及び極小値を併せて極値としたときに、現在検出しようとする極値が開度補正制御開始から何番目の極値であるかを表している。本実施例のように制御当初に開度GVMを強制増加し、すなわち、燃料ガスを増加し、極値数mの初期値を1とする場合は、極値数mが奇数のときに開度GVMの極小値が出現し、偶数のときに開度GVMの極大値が出現する。
なお、開度GVMを所定量強制減少させて、すなわち、燃料ガスを減少し、極値数mの初期値を1とする場合は、極値数mが奇数のときに開度GVMの極大値が出現し、偶数のときに開度GVMの極小値が出現する。
次に、コントローラ100は、上述したように開度調整手段200によって、実燃焼変動値PIV(S140)を算出し、目標燃焼変動値PIVmに収束するように開度GVM(n)を算出する(S150)。
【0020】
ここで、図6を用いて、開度補正制御における開度GVM及び実燃焼変動値PIVの時系列変化について、詳細に説明する。
図6は、横軸を時間(s)、縦軸下側を実燃焼変動値PIV並びに縦軸上側を開度GVMとして表されている。また、図6において、実線は開度GVMの時系列変化を表しており、破線は実燃焼変動値PIVの時系列変化及び目標燃焼変動値PIVmを表している。S120において、開度GVMを所定量強制増加させたため、実燃焼変動値PIVは急激に減少する。コントローラ100は、急激に減少する実燃焼変動値PIVを目標燃焼変動値PIVmに復帰させようとして、開度GVMを減少させる。
このようにして、開度GVM及び実燃焼変動値PIVは、互いに増加及び減少を繰り返して目標燃焼変動値PIVmに向かって収束する。開度補正制御は、このときの開度GVMの極大値及び極小値に基づいて、開度補正を行う制御である。
【0021】
次に、図5を用いて、S210〜S360について、詳細に説明する。
S210〜S360において、コントローラ100は、開度GVMを所定量強制増加させてからの開度GVM(n)について、それぞれ2つの極大値GVMmax1・GVMmax2及び極小値GVMmin1・GVMmin2を算出する(図6参照)。
S210は、これから決定しようとするGVM(n)が極小値に向かう過程であるか、極大値に向かう過程であるかを判断するステップである。上述したように、極値数mが奇数であれば、これから決定しようとするGVM(n)は極小値であり、極値数mが偶数であれば、極大値である。
S220は、GVM(n)がGVM(n−1)より大きい、すなわち極小値であるかを判定するステップである。S250は、GVM(n)がGVM(n−1)より小さい、すなわち極大値であるかを判定するステップである。
S240、S270は、GVM(n)が極小値、極大値に到達するまで、サンプリング数nを増加して、再度S140に戻るためのステップである。
S230及び260は、極大値(又は極小値)が、開度補正制御開始からそれぞれ1番目か2番目かを判定するステップである。
S310、320は、現在のGVM(n)を1番目の極小値GVMmin1、2番目の極小値GVMmin2とするステップである。他方、S330、340は、現在のGVM(n)を1番目の極大値GVMmax1、2番目の極大値GVMmax2とするステップである。
S350は、極大値(又は極小値)を検出したならば、極値数mを1増加するステップである。S360は、極値数mが4より大きいかを判定し、4より大きければ極値の検出を終了し、S410へ移行するステップである。すなわち、極小値、極大値をそれぞれ、2回ずつ検出した段階でS130から開始した極値検出ステップを終了する。
【0022】
次に、図3を用いて、S410〜S430について、詳細に説明する。
まず、コントローラ100は、極大値GVMmax1・GVMmax2の平均より、平均極大値GVMmaxを算出する(S410)。同時に、コントローラ100は、極小値GVMmin1・GVMmin2の平均より、平均極小値GVMminを算出する(S410)。
次に、コントローラ100は、重み係数Wにより平均極小値GVMminと平均極大値GVMmaxのW対1−Wの内分値を開度更新値GVM_rnとして算出する(S420)。
次に、コントローラ100は、開度更新値GVM_rnから前回の開度補正制御において算出した開度更新値GVM_rnを差し引いた開度補正値GVM_rvを算出する(S430)。開度更新値GVM_rnは絶対量であり、前回更新値との差分を今回の更新値とするのである。
【0023】
このようにして、燃料ガス供給量調整弁35の開度GVMを強制的に増加又は減少させることによって、開度GVMの極大値GVMmax1・GVMmax2と極小値GVMmin1・GVMmin2の見極めが短時間に行え、かつ開度補正値GVM_rvの算出精度を向上することができる。つまり、排気圧センサー等を用いずに燃料ガス供給量調整弁35の希薄燃焼維持のための開度補正を短時間でかつ精度良く行うことができる。
また、実燃焼変動値PIVを吸気経路の経年劣化による吸気流量の低下に係らず目標燃焼変動値PIVmに収束できるため、NOx発生量の低減が可能となる。
さらに、補正値算出に用いる極大値及び極小値をそれぞれ2回ずつまでの検出に留めることで、時間短縮と精度向上を両立する上で最適な制御を実行できる。
さらに、平均極小値GVMmin又は平均極大値GVMmaxに重み付けをすることで、平均極小値GVMminに重みを付ける希薄燃焼重視、或いは平均極大値GVMmaxに重みを付ける失火防止重視の選択ができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係るガスエンジン制御装置及びガスエンジンの構成を示す構成図。
【図2】同じくガスエンジン制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】同じくPIVマップを示すグラフ図。
【図4】同じく開度調整制御を示すブロック図。
【図5】同じく開度補正制御を示すフロー図。
【図6】同じく開度補正制御の時系列変化を示すチャート図。
【符号の説明】
【0025】
1 ガスエンジン制御装置
2 エンジン
3 ミキサ
12 エアクリーナー
35 燃料ガス供給量調整弁
50 PIVマップ
100 コントローラ
120 記憶部
150 Electronic Control Unit(ECU)
200 開度調整手段
300 開度補正手段
N エンジン回転数
L エンジン負荷
PIV 実燃焼変動値
PIVm 目標燃焼変動値
GVM 燃料ガス供給量調整弁開度(開度)
n サンプリング数
m 極値数
GVMmax1 極大値
GVMmax2 極大値
GVMmax 平均極大値
GVMmin1 極小値
GVMmin2 極小値
GVMmin 平均極小値
W 重み係数
GVM_rn 開度更新値
GVM_rv 開度補正値


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
吸気経路へ合流する燃料ガス供給経路に設けられ、該吸気経路への燃料ガス供給量を調整する燃料ガス供給量調整手段と、
1燃焼サイクルにおける各気筒の燃焼行程での瞬時エンジン回転数とエンジン回転数とのエンジン回転数差に基づく燃焼変動値を、前記エンジン負荷に基づく目標燃焼変動値に収束するように前記燃料ガス供給量調整手段を調整する開度調整手段と、
を有するガスエンジン制御装置において、
所定時期において、前記燃料ガス供給量調整手段の開度を強制的に増加又は減少させ、前記目標燃焼変動値への収束過程における前記開度の極大値及び極小値に基づいて、開度補正値を算出する開度補正手段を備えることを特徴とするガスエンジン制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のガスエンジン制御装置において、
前記開度補正手段は、目標燃焼変動値への収束過程の開度の極大値及び極小値について重み係数を乗じた内分値に基づいて開度補正値を算出することを特徴とするガスエンジン制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のガスエンジン制御装置において、
前記開度補正手段は、目標燃焼変動値への収束過程の開度の極大値及び極小値を2回ずつ検出し、これら2つの極大値及び2つの極小値に基づいて開度補正値を算出することを特徴とするガスエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−228572(P2009−228572A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75776(P2008−75776)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】