説明

ガス化システム

ガス化システムは、廃棄物をガス化して可燃ガスを生成するガス化炉(1)とガス化炉(1)でガス化によって生成されたチャー及び/又はタールを燃焼する燃焼炉(2)を備える。ガス化システムは、燃焼炉(2)から排出される燃焼ガスをガス化炉(1)と燃焼炉(2)に戻すリターンラインも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般廃棄物、産業廃棄物、廃プラスチックなどの各種廃棄物やバイオマス、あるいは、石炭、固形化燃料(RDF)などの可燃性原料をガス化炉又はガス化室でガス化し、ガス化により発生した可燃性有価ガスを回収するガス化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物等の焼却技術としてガス化溶融炉が開発されている。ガス化溶融炉は、廃棄物をガス化して可燃性ガスにし、可燃性ガスをガス化後直ちに高温燃焼させる燃焼させるガス化装置を有している。高温燃焼には、灰の溶融による減容化、無害化、燃焼効率改善、すなわち焼却灰中の未燃分減少や低空気比運転による排ガス量減少などの利点がある。
【0003】
しかしながら、エネルギー利用という観点では従来の焼却炉と同様に全て熱に変換してしまうため効率に限界があり、保存できるエネルギーを生産することもできないという問題があった。
【0004】
上記のようなことから、最近では、ガス化装置で発生したガス(以後「生成ガス」と称する)を燃焼させてしまうのではなく、あくまでも「ガス」として利用する技術が開発されるようになった。製品ガスはガスタービンやガスエンジン、燃料電池などの発電装置の燃料や液体燃料合成の原料に使用する。
【0005】
製品ガスを利用した発電と熱回収による発電とを組み合わせたコージェネレーションシステムは、エネルギー利用効率を改善するものであり、廃棄物分野だけではなく火力発電分野においても高効率石炭火力発電技術として開発が進められている。また、液体燃料合成の原料として製品ガスを利用する技術は、従来捨てられていたエネルギー資源から、保存できるエネルギーを生み出すことができるため、エネルギー安定供給の確保と総合的な危機管理を含む将来のエネルギーセキュリティーに貢献する技術となる。
【0006】
固定炭素が多い石炭や木質系バイオマス等の原料をガス化装置でガス化した場合、固定炭素を多く含むチャーが発生する。該チャーは燃焼速度が揮発性ガスと比較して極端に遅いため、ガス化装置内に蓄積される。該ガス化装置内に蓄積されたチャーは、操業上問題となることが多い。例えばガス化装置が流動層炉で構成されている場合は、チャーは比重が流動媒体より軽いため流動層表面に蓄積される。従って、不燃物を抜き出すため炉底から流動媒体の抜き出しを行ってもチャーは抜けず、流動媒体ばかり抜けて炉内がチャーベッド化し、すなわち炉内に多量のチャーが蓄積した流動層となり、チャーの粒径が大きいため流動不良となって操業停止に至る場合がある。
【0007】
チャー燃焼速度とガス燃焼速度との関係は、チャー燃焼速度≦ガス燃焼速度の関係にあるから、通常はチャーの燃焼より先にガスの燃焼によって酸素を消費する。従って、チャーの蓄積量を抑えるためにチャーの燃焼量を増加させようとして酸素を吹き込んでも、可燃ガスが燃焼してしまう。すなわち、可燃性ガスのエネルギーを必要以上に熱に変換してしまう。むろん酸素を吹き込んだ分、炉内温度は上昇するため、温度上昇によるチャー燃焼効率の改善効果もあるが、チャー燃焼速度に与える影響はあまり大きくない。
【0008】
上記のようにガス化装置とは別に、チャー燃焼装置を設け、ガス化装置からチャーを抜き取って燃焼させることにより、次のようなメリットが生じる。
(1)ガス化装置とは独立したチャー燃焼に適した条件(燃焼温度や滞留時間など)での燃焼が可能である。
(2)チャー燃焼を目的として投入した酸素で製品ガスとなるガスを燃焼させてしまうことがない。
(3)可燃性ガスがチャー燃焼ガスによって希釈されることがない。したがって、高カロリーガスを取り出せる。
(4)製品としての価値が高い可燃性ガスと、価値の低い燃焼ガスをそれぞれ独自に利用できる。
(5)原料が石炭や木質系バイオマスなどのように固定炭素の多い場合、多量に排出されるチャーを抜き出して廃棄した場合、原料をそのまま完全燃焼させる場合よりもエネルギー利用率が低くなる。チャー燃焼装置でチャーを燃焼してその熱を、ガス化装置や劣化触媒再生装置の熱源などとして利用することで原料のエネルギー利用率が改善される。
【0009】
チャーのガス化速度が遅いため、単位時間あたりのチャーのガス化量を増やそうとすると、炉床容積を非常に大きくしなければならない。このため、チャーを全量ガス化させて製品ガスとするのは難しい。したがって、固定炭素の多い原料のガス化においては、炭素転換率(燃料中のカーボンがガスに転換される割合)がよく評価の基準となる。しかしながら、容易にガス化されない或いはガスになりにくい固定炭素については、ガス化できなくとも上記のようにチャー燃焼装置を設けて燃焼させることにより、そのエネルギーは熱として利用できる。
【0010】
従来のガス化によるコージェネレーションの考え方では、チャーの燃焼による燃焼排ガスは、その顕熱を蒸気で回収し発電することもできる。しかしながら、比較的低温度でのガス化ガスを製造する場合は、チャーの燃焼による燃焼排ガスは、ボイラなどで熱回収するよりも、製品ガスのガス化および熱分解用の触媒の再生に必要な熱源として利用して、ガス化室をより低温で運転する方がエネルギー利用率が高くなる。
【0011】
各種廃棄物やバイオマスをガス化して可燃性有価ガスを回収するガス化装置と、ガス化装置で残渣として発生するチャーやタールを燃焼させる燃焼装置を備えた従来型ガス化システムでは、燃焼装置から排出される燃焼ガスは大気へ放出されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、一般廃棄物、産業廃棄物、廃プラスチックなどの各種廃棄物やバイオマス、あるいは、石炭、固形化燃料(RDF)などの可燃性原料をガス化して可燃性有価ガスを回収するガス化炉又はガス化室と、ガス化炉又はガス化室で残渣として発生するチャーやタールを導入して燃焼させる燃焼炉又は燃焼室を備えたガス化システムを提供することを目的としている。ガス化システムは、燃焼炉又は燃焼室から排出される燃焼ガスを燃焼炉又は燃焼室とガス化炉又はガス化室に戻すことにより、大気中に排ガスを放出することがなく、無煙突とすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、可燃物をガス化して可燃ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉におけるガス化によって生成されたチャー及び/又はタールを燃焼する燃焼炉とを備えたガス化システムが提供される。ガス化システムは、前記燃焼炉から排出される燃焼ガスを前記燃焼炉と前記ガス化炉に戻すリターンラインを備えている。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、統合型ガス化炉を備えたガス化システムが提供される。統合型ガス化炉は、可燃物をガス化して可燃ガスを生成するガス化室と、前記ガス化室におけるガス化によって生成されたチャー及び/又はタールを燃焼する燃焼室とを備えている。ガス化システムは、前記燃焼室から排出される燃焼ガスを前記燃焼室と前記ガス化室に戻すリターンラインを備えている。
【0015】
本発明によれば、ガス化システムから排ガスが大気中に放出されることがないため、大気を汚染させることがない。また、ガス化システムから排ガスが大気中に放出されることがないため、排ガス処理施設を簡素化することができる。さらに、大気中に排ガスを放出することがないため無煙突とすることができ、クリーンなシステムを実現することができる。
【0016】
前記燃焼炉又は燃焼室へ戻す燃焼ガスに酸素を加えてもよい。前記ガス化炉又はガス化室に蒸気または不活性ガスを加えてもよい。前記燃焼ガスを前記ガス化炉又はガス化室以降の部分へ供給してもよい。前記ガス化炉又はガス化室へ戻す燃焼ガス中の酸素濃度を5%以下としてもよい。前記ガス化炉又はガス化室の温度を350〜950℃としてもよい。前記燃焼炉又は燃焼室の温度を600〜1000℃としてもよい。
【0017】
ガス化システムは、前記ガス化炉又はガス化室におけるガス化によって生成された可燃ガスの一部を利用して灰を溶融する溶融炉をさらに備えていてもよい。この場合に、前記溶融炉から排出された燃焼ガスを前記燃焼炉又は燃焼室へ戻してもよい。
【0018】
ガス化システムは、前記燃焼炉又は燃焼室から排出される燃焼ガスに水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔をさらに備えていてもよい。ガス化システムは、前記ガス化炉又はガス化室から排出される可燃ガスのラインに設けられたスクラバと、前記燃焼炉又は燃焼室から排出される燃焼ガスに前記スクラバから排出される水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔とをさらに備えていてもよい。
【0019】
ガス化システムは、前記燃焼炉又は燃焼室から排出される燃焼ガスと、前記燃焼炉又は燃焼室および前記ガス化炉又はガス化室に戻す燃焼ガスとの間で熱交換を行なう流動化ガス加熱器をさらに備えていてもよい。ガス化システムは、前記ガス化炉又はガス化室から排出される可燃ガス中のタール分解を行なう高温炉をさらに備えていてもよい。
【0020】
前記ガス化炉又はガス化室は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であってもよい。前記燃焼炉又は燃焼室は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であってもよい。
【0021】
ガス化システムは、前記ガス化炉又はガス化室から排出される可燃ガスを冷却して、可燃ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えていてもよい。ガス化システムは、前記燃焼炉又は燃焼室から排出される燃焼ガスを冷却して、燃焼ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えていてもよい。
【0022】
本発明の上述した目的ならびにその他の目的および効果は、本発明の好ましい実施形態を一例として図示した添付図面と照らし合わせれば、以下に述べる説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係るガス化システムについて図1〜図10を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明のガス化システムの原理を説明する概略図である。図1に示すガス化システムは、流動層を有するガス化炉1と燃焼炉2とから構成されている。図1において、各種廃棄物やバイオマスなどの可燃物はガス化炉1に供給され、各種廃棄物やバイオマスはガス化(熱分解)されて可燃ガスとチャーが生成される。ガス化炉1内でのガス化(熱分解)により発生した可燃性有価ガスは、動力回収やエネルギー回収に利用され、あるいは化学合成用の原料として利用される。ガス化(熱分解)で発生した残渣であるチャーやタールは、燃焼炉2に導入されて、燃焼炉2に供給される酸素によって燃焼される。燃焼炉2内での燃焼により発生した顕熱は、ガス化炉1のガス化熱源として利用される。燃焼炉2に導入されたチャーやタールの主成分は炭素であるので、燃焼炉2内での燃焼によって、COを主成分とする燃焼ガスが発生する。
【0025】
燃焼炉2で発生した燃焼ガスの一部は、燃焼炉2の流動化ガスとして戻され、残りの燃焼ガスは、ガス化炉1の流動化ガスとして戻される。燃焼炉2で発生した燃焼ガスを燃焼炉2とガス化炉1へ戻すためにブースター3を用いる。ブースター3を利用することから、燃焼炉2の後段に、燃焼ガスを冷却するための熱交換器4と燃焼ガス中のダストを除去するための集塵装置5が設置されている。燃焼炉2に戻された燃焼ガスは、燃焼炉2の流動媒体を流動化させる機能と、酸素を希釈させて局所燃焼を回避する機能を果たす。燃焼炉2において、チャーやタールを流動層内で燃焼させるのに適した流動化状態になるように、燃焼炉2に戻す燃焼ガスの量が調整される。
【0026】
燃焼炉2には、チャーやタールを安定燃焼させるために燃焼に必要な理論酸素量よりも、わずかに多い量の酸素を供給する。燃焼炉2に供給する酸素が多すぎると、燃焼ガス中の酸素濃度が高くなり、それがガス化炉1に戻った際に、可燃ガスの一部を燃焼させて、可燃ガスの品質(カロリー)が低下するので好ましくない。燃焼ガス中の酸素濃度は、5%以下、好ましくは1%以下であることが望ましい。上述したように、燃焼炉2から排出される燃焼ガスの一部は燃焼炉2に戻される。燃焼炉2に戻す燃焼ガスの量は、燃焼炉2の流動化と、酸素希釈に適切な量に調整される。残りの燃焼ガスはガス化炉1に供給される。すなわち、燃焼炉2からは、燃焼ガスは大気に放出されない。燃焼ガスは、煙突から大気放出されないので、COが含まれていてもかまわない。例えば、燃焼温度が低いことにより、局所的不完全燃焼により、COが生じてもかまわない。ガス化炉1に供給する燃焼ガスは、ガス化炉1の流動媒体を流動化させる機能を果たす。流動媒体は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0027】
ガス化炉1に供給する燃焼ガス量が、ガス化炉1の流動化ガスとして適切な量よりも多いときには、すなわち、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合には、過剰分をガス化炉1の流動層以降の部分へ供給してもよい。例えば、ガス化炉1のフリーボードに戻してもよい。
【0028】
しかしながら、燃焼ガスをフリーボードに戻す場合、燃焼ガスは冷却されておりフリーボード温度より低いため、フリーボード温度が低下して、タールの熱分解速度が遅くなる。したがって、可燃性有価ガス中タール濃度が増加して、タール付着トラブル等が生じる場合には、燃焼ガスをガス化炉1をバイパスさせて、ガス化炉1の後段の生成ガスが冷却されたところに供給するのがよい。ガス化炉1に供給する燃焼ガス量が、ガス化炉1の流動化ガスとして適切な量よりも多いときには、すなわち、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合には、過剰分の燃焼ガスを吸着するなどの手段により固定化することで、COを固定化することもできる。本発明のガス化システムにおける燃焼ガスは、通常の燃焼炉、焼却炉、ボイラ、ガス化溶融炉などの排ガスと比べて、CO濃度が高い。すなわち、本発明のガス化システムにおける燃焼ガスは、窒素を含まず、かつ、水分濃度が低い。このため、本発明のガス化システムにおける燃焼ガスは、COを固定化する場合に有利である。燃焼ガスの過剰分が多く、生成ガスを希釈しすぎてしまう場合には、生成ガスラインに、炭酸ガスを吸収するCaO、MgO、KOなどの触媒を有する触媒充填塔または二酸化炭素を吸収する湿式ガス吸収塔を設けて二酸化炭素を吸収させることによって、生成ガスの可燃ガス濃度を高くすることも有効である。
【0029】
ガス化炉1に供給する燃焼ガス量が、ガス化炉1の流動化ガスとして適切な量よりも多いときには、すなわち、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合には、燃焼ガスを冷却して、燃焼ガス中の水分を凝縮させることで、ガスボリュームを減らして、生成ガスの可燃ガス濃度を高くすることも有効である。すなわち、廃棄物の発熱量が小さい場合、廃棄物中の水分の蒸発と熱分解・ガス化に必要な熱を燃焼炉での燃焼熱で賄うためには、原料中の可燃分を多く燃焼炉で燃焼させる必要があり、そのため燃焼ガスの発生量が多くなる。例えば、図2に示すように、ブースター3の手前にガス冷却装置を設けることで、燃焼ガスを冷却して、燃焼ガス中の水分を凝縮させて系外に除去して、ガスボリュームを減らし、生成ガスの可燃ガス濃度を高くすることができる。すなわち、水分が多くて低発熱量の廃棄物等の原料でも、本発明のガス化システムを実施することができる。
【0030】
また、図2の生成ガスのラインにスクラバ(ガス冷却装置)を設けることにより、生成ガスを冷却して、生成ガス中の水分を凝縮させて系外に除去して、ガスボリュームを減らし、生成ガスの可燃ガス濃度を高くすることもできる。すわわち、低発熱量の廃棄物等の原料でも、本発明のガス化システムを実施することができる。
【0031】
ガス化炉1に供給する燃焼ガス量が、ガス化炉1の流動化ガスとして適切な量よりも少ないときには、すなわち、廃棄物の発熱量が大きく、燃焼量が少ない場合には、ガス化炉1の流動化ガスが不足する傾向があるので、このような場合には流動化ガスの不足分を補うために蒸気(水蒸気)または窒素、COなどの不活性ガスを供給してもよい。すなわち、廃棄物の発熱量が大きい場合、廃棄物中の水分の蒸発と熱分解・ガス化に必要な熱を燃焼炉での燃焼熱で賄うためには、原料中の可燃分の少しを燃焼炉で燃焼させればよく、そのため燃焼ガスの発生量は少なくなる。ガス化炉1の流動化ガス量を蒸気で補う場合に、その蒸気は高品質の蒸気を用いる必要はない。つまり、循環している燃焼ガス系に水噴霧することで蒸気を作り出しても良い。そうすれば、燃焼ガスラインから回収すべき熱量が減少するので熱交換器4を小さくすることができる。燃焼炉2から排出されるガス中にスクラバ排水を噴霧して蒸気を生成してもよい。その場合、排水中の汚染物は乾灰となってバグフィルタ等の集塵装置5で捕集される。廃棄物から水分を除去する脱水式供給装置からの廃水や廃棄物ピットからの廃水など種々のプロセスから排出される廃水を燃焼炉2から排出されたガスに噴霧してガスを冷却してもよい。
【0032】
また、ガス化炉1の流動化ガスを加熱すれば、燃焼炉2における燃焼量を減らすことができ、原料発熱量が高い場合と同じ効果を得ることができ、条件によっては、熱交換器4をなくすことも可能である。ガス化炉1と燃焼炉2の流動層に触媒粒子を混在させても良い。触媒粒子は、ガス化炉1内の還元雰囲気かつ低温雰囲気において、タール分解や有害物質除去の機能を果たす。触媒粒子は、MgO、酸化鉄、Al、ゼオライト、CaOやNiやCoなどの貴金属を有する触媒を含んでいてもよい。触媒粒子は、燃焼炉2内の酸化雰囲気かつ高温雰囲気において、触媒粒子の劣化した機能を回復するための再生が行われる。
【0033】
図3は、本発明のガス化システムの第1実施形態を示す概略図である。図3に示すように、本実施例のガス化システムは、統合型ガス化炉11を備えており、この統合型ガス化炉11は、ガス化室12と燃焼室13とを備えている。ガス化室12に廃棄物(可燃物)が供給され、廃棄物はガス化(熱分解)されて、可燃ガスとチャーが生成される。ガス化(熱分解)で発生した残渣であるチャーやタールは燃焼室13に導入されて、燃焼室13に供給される酸素によって燃焼される。ガス化室12の流動層の温度は350〜950℃である。ガス化室12には、流動化ガスとして、燃焼室13からの燃焼ガスが供給される。適切な流動化状態になるように燃焼ガス量を調節する。適切な流動化状態とは、次の条件が満たされている状態を意味する。すなわち、原料が流動層内で流動媒体と混合し、均一に分散されていること、流動層の温度が均一であること。十分な量の流動媒体が循環されていることである。
【0034】
ガス化室12には、廃棄物の発熱量が大きく、燃焼量が少ない場合に、流動化ガスとして、燃焼ガスの他に蒸気または窒素、COなどの不活性ガスが供給されることもある。適切な流動化状態になるように蒸気量または不活性ガス量を調節する。ガス化室12のフリーボードには、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合に燃焼室13からの燃焼ガスを供給してもよい。ガス化室12を出た生成ガスはサイクロン等の集塵装置14で除塵される。集塵装置14を出た生成ガスは、スクラバ15に入り、冷却され、酸性ガス、タールなどの有害物質が除去される。スクラバ15を出た生成ガスは、燃料ガス等として利用される。スクラバからの排水は、排水処理設備16で処理される。
【0035】
ガス化室12で廃棄物がガス化(熱分解)した残渣であるチャーやタールが燃焼室13に導入される。燃焼室13の流動層の温度は600〜1000℃である。燃焼室13を出た燃焼ガスは、ボイラ17に入り、冷却されて、燃焼ガス中のダストの一部が除去される。ボイラ17における熱回収で生成された蒸気は、蒸気タービン発電設備18に供給され発電を行なう。ボイラ17を出た燃焼ガスは、バグフィルタ19に入り集塵される。バグフィルタ19を出た燃焼ガスは、ブースター20を経て、ガス化室12と燃焼室13に戻される。
【0036】
燃焼室13には、酸素、酸素富化空気、空気、酸素と蒸気の混合ガスなどの酸素含有ガスが供給される。燃焼室13には、流動化ガスとして、ブースター20からの燃焼ガスが供給される。流動化状態が適切で、かつ、燃焼ガス中の酸素濃度が、5%以下、好ましくは1%以下になるように、燃焼室に供給する酸素量と燃焼ガス量を調節する。
【0037】
ガス化室12と燃焼室13の流動層に触媒粒子を混在させても良い。触媒粒子は、ガス化室12内の還元雰囲気かつ低温雰囲気において、タール分解や有害物質除去の機能を果たす。触媒粒子は、MgO、酸化鉄、Al、ゼオライト、CaOやNiやCoなどの貴金属を有する触媒を含んでいてもよい。触媒粒子は、燃焼室内の酸化雰囲気かつ高温雰囲気において、触媒粒子の劣化した機能を回復するための再生が行われる。
【0038】
生成ガスラインのサイクロン等の集塵装置14と、燃焼ガスラインのボイラ17およびバグフィルタ19で集塵された灰は、灰貯留槽21に蓄えられる。灰貯留槽21に蓄えられた灰を溶融スラグ化するために、溶融炉22をオプションとして付加的に設けても良い。溶融炉22には、灰貯留槽21に蓄えられた灰、生成ガスラインの燃料ガスの一部、燃焼ガスラインのブースター20を出た後の燃焼ガスの一部(生成ガスの希釈が必要な場合)が供給されるとともに酸素が供給される。溶融炉22で燃料ガスが燃焼し、灰溶融温度まで昇温されて、灰が溶融スラグ化される。溶融炉22の温度は、1000〜1400℃、好ましくは1200℃以上とすることができる。溶融スラグ化された灰は系外に排出される。溶融炉22を出た燃焼ガスは、燃焼室13に戻される。あるいは、溶融炉22を出た燃焼ガスを別途、従来方式のガス処理設備(不図示)でガス処理を行ってもよい。例えば、このような従来方式のガス処理設備は、燃焼ガスの温度を下げるボイラのような熱回収装置と、燃焼ガス中の塩化水素やダイオキシンを除去するための消石灰や活性炭などの吸着剤を燃焼ガスに噴霧する吸着剤噴霧装置と、ガス中の粒子を捕集するバグフィルタと、燃焼ガス中の窒素化合物を除去するための脱硝触媒塔と、煙突とを有している。
【0039】
従来型のガス化溶融炉に比べて、溶融炉に導入されるガス量が少ないことから、溶融炉がコンパクトになる。統合型ガス化炉11から出た灰は灰貯留槽21に貯留することができるため、溶融炉が運転停止時も本ガス化システムは運転可能であり、稼働率を重視する場合に本ガス化システムは有効である。
【0040】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0041】
図4は、本発明のガス化システムの第2実施形態を示す概略図である。図4に示すように、本実施例のガス化システムは、統合型ガス化炉11を備えており、この統合型ガス化炉11は、ガス化室12と燃焼室13とを備えている。ガス化室12に廃棄物(可燃物)が供給され、廃棄物はガス化(熱分解)されて、可燃ガスとチャーが生成される。ガス化(熱分解)で発生した残渣であるチャーやタールは燃焼室13に導入されて、燃焼室13に供給される酸素によって燃焼される。ガス化室12の流動層の温度は350〜950℃である。ガス化室12には、流動化ガスとして、燃焼室13からの燃焼ガスが供給される。適切な流動化状態になるように燃焼ガス量を調節する。
【0042】
ガス化室12には、廃棄物の発熱量が大きく、燃焼量が少ない場合に、流動化ガスとして、燃焼ガスの他に蒸気または窒素、COなどの不活性ガスが供給されることもある。適切な流動化状態になるように蒸気量または不活性ガス量を調節する。ガス化室12のフリーボードには、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合に燃焼室13からの燃焼ガスが供給されることもある。ガス化室12を出た生成ガスはサイクロン等の集塵装置14で除塵される。集塵装置14を出た生成ガスは、スクラバ15に入り、冷却され、酸性ガス、タールなどの有害物質が除去される。スクラバ15を出た生成ガスは、燃料ガス等として利用される。
【0043】
ガス化室12で廃棄物がガス化(熱分解)した残渣であるチャーやタールが燃焼室13に導入される。燃焼室13の流動層の温度は600〜1000℃である。燃焼室13を出た燃焼ガスは、ガス冷却器23に入り、冷却されて、燃焼ガス中のダストの一部が除去される。ガス冷却器23においては、スクラバ15から排出された排水が噴霧されて、燃焼ガスが冷却されるとともに蒸気が生成される。廃棄物から水分を除去する脱水式供給装置からの廃水や廃棄物ピットからの廃水など種々のプロセスから排出される廃水を燃焼室13から排出されたガスに噴霧してガスを冷却してもよい。スクラバ15においては、必要な量の補給水が供給される。ガス冷却器23を出た燃焼ガスおよび蒸気は、バグフィルタ19に入り集塵される。バグフィルタ19を出た燃焼ガスおよび蒸気は、ブースター20を経て、ガス化室12と燃焼室13に戻される。
【0044】
燃焼室13には、酸素、酸素富化空気、空気、酸素と蒸気の混合ガスなどの酸素含有ガスが供給される。燃焼室13には、流動化ガスとして、ブースター20からの燃焼ガスが供給される。流動化状態が適切で、かつ、燃焼ガス中の酸素濃度が、5%以下、好ましくは1%以下になるように、燃焼室に供給する酸素量と燃焼ガス量を調節する。
【0045】
ガス化室12と燃焼室13の流動層に触媒粒子を混在させても良い。触媒粒子は、ガス化室12内の還元雰囲気かつ低温雰囲気において、タール分解や有害物質除去の機能を果たす。触媒粒子は、MgO、酸化鉄、Al、ゼオライト、CaOやNiやCoなどの貴金属を有する触媒を含んでいてもよい。触媒粒子は、燃焼室内の酸化雰囲気かつ高温雰囲気において、触媒粒子の劣化した機能を回復するための再生が行われる。
【0046】
生成ガスラインのサイクロン等の集塵装置14と、燃焼ガスラインのガス冷却器23およびバグフィルタ19で集塵された灰は、灰貯留槽21に蓄えられる。灰貯留槽21に蓄えられた灰を溶融スラグ化するために、溶融炉22をオプションとして付加的に設けても良い。溶融炉22には、灰貯留槽21に蓄えられた灰、生成ガスラインの燃料ガスの一部、燃焼ガスラインのブースター20を出た後の燃焼ガスの一部(生成ガスの希釈が必要な場合)が供給されるとともに酸素が供給される。溶融炉22で燃料ガスが燃焼し、灰溶融温度まで昇温されて、灰が溶融スラグ化される。溶融炉22の温度は、1000〜1400℃、好ましくは1200℃以上とすることができる。溶融スラグ化された灰は系外に排出される。溶融炉22を出た燃焼ガスは、燃焼室13に戻される。あるいは、溶融炉22を出た燃焼ガスを別途、従来方式のガス処理設備(不図示)でガス処理を行ってもよい。
【0047】
第2実施形態においては、燃焼ガスラインに設けたガス冷却器によって、流動化ガス中に蒸気を供給できる。したがって、図3に示すようなボイラが不要となる。ガス冷却器用の水は上水を用いる必要がなく、スクラバ排水を用いても良い。
【0048】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0049】
図5は、本発明のガス化システムの第3実施形態を示す概略図である。図5に示すように、本実施例のガス化システムは、統合型ガス化炉11を備えており、この統合型ガス化炉11は、ガス化室12と燃焼室13とを備えている。ガス化室12に廃棄物(可燃物)が供給され、廃棄物はガス化(熱分解)されて、可燃ガスとチャーが生成される。ガス化(熱分解)で発生した残渣であるチャーやタールは燃焼室13に導入されて、燃焼室13に供給される酸素によって燃焼される。ガス化室12の流動層の温度は350〜950℃である。ガス化室12には、流動化ガスとして、燃焼室13からの燃焼ガスが供給される。適切な流動化状態になるように燃焼ガス量を調節する。
【0050】
ガス化室12には、廃棄物の発熱量が大きく、燃焼量が少ない場合に、流動化ガスとして、燃焼ガスの他に蒸気または窒素、COなどの不活性ガスが供給されることもある。適切な流動化状態になるように蒸気量または不活性ガス量を調節する。ガス化室12のフリーボードには、廃棄物の発熱量が小さく、燃焼量が多い場合に燃焼室13からの燃焼ガスが供給されることもある。ガス化室12を出た生成ガスはサイクロン等の集塵装置14で除塵される。集塵装置14を出た生成ガスは、スクラバ15に入り、冷却され、酸性ガス、タールなどなどの有害物質が除去される。スクラバ15を出た生成ガスは、燃料ガス等として利用される。
【0051】
ガス化室12で廃棄物がガス化(熱分解)した残渣であるチャーやタールが燃焼室13に導入される。燃焼室13の流動層の温度は600〜1000℃である。燃焼室13を出た燃焼ガスは、流動化ガス加熱器24を経由してガス冷却器23に入り、これら流動化ガス加熱器24およびガス冷却器23において燃焼ガスは冷却される。ガス冷却器23においては、スクラバ15から排出された排水が噴霧されて、燃焼ガスが冷却されるとともに蒸気が生成される。ガス冷却器23を出た燃焼ガスおよび蒸気は、バグフィルタ19に入り集塵される。バグフィルタ19を出た燃焼ガスおよび蒸気は、ブースター20を経て流動化ガス加熱器24に供給され、流動化ガス加熱器24において燃焼ガスと熱交換を行って加熱された後にガス化室12と燃焼室13に戻される。
【0052】
燃焼室13には、酸素、酸素富化空気、空気、酸素と蒸気の混合ガスなどの酸素含有ガスが供給される。燃焼室13には、流動化ガスとして、ブースター20からの燃焼ガスが供給される。流動化状態が適切で、かつ、燃焼ガス中の酸素濃度が、5%以下、好ましくは1%以下になるように、燃焼室に供給する酸素量と燃焼ガス量を調節する。
【0053】
ガス化室12と燃焼室13の流動層に触媒粒子を混在させても良い。触媒粒子は、ガス化室12内の還元雰囲気かつ低温雰囲気において、タール分解や有害物質除去の機能を果たす。触媒粒子は、MgO、酸化鉄、Al、ゼオライト、CaOやNiやCoなどの貴金属を有する触媒を含んでいてもよい。触媒粒子は、燃焼室内の酸化雰囲気かつ高温雰囲気において、触媒粒子の劣化した機能を回復するための再生が行われる。
【0054】
生成ガスラインのサイクロン等の集塵装置14と、燃焼ガスラインのガス冷却器23およびバグフィルタ19で集塵された灰は、灰貯留槽21に蓄えられる。灰貯留槽21に蓄えられた灰を溶融スラグ化するために、溶融炉22をオプションとして付加的に設けても良い。溶融炉22には、灰貯留槽21に蓄えられた灰、生成ガスラインの燃料ガスの一部、燃焼ガスラインのブースター20を出た後の燃焼ガスの一部(生成ガスの希釈が必要な場合)が供給されるとともに酸素が供給される。溶融炉22で燃料ガスが燃焼し、灰溶融温度まで昇温されて、灰が溶融スラグ化される。溶融炉22の温度は、1000〜1400℃、好ましくは1200℃以上とすることができる。溶融スラグ化された灰は系外に排出される。溶融炉22を出た燃焼ガスは、燃焼室13に戻される。あるいは、溶融炉22を出た燃焼ガスを別途、従来方式のガス処理設備(不図示)でガス処理を行ってもよい。
【0055】
本実施例によれば、流動化ガス加熱器24において流動化ガスを加熱することができるため、ガス化炉11において燃焼される原料(廃棄物)の燃焼量が低減できるとともに、供給される酸素の供給量も低減できる。この場合、原料が特に低発熱原料の場合に有効である。なお、燃焼室13に供給する流動化ガスの酸素濃度を高めても同様の効果を得ることができる。
【0056】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0057】
図6は、本発明のガス化システムの第4実施形態を示す概略図である。図6に示すガス化システムは、図5に示すガス化システムにおける集塵装置14とスクラバ15との間に高温炉25を設けたシステムである。集塵装置14を出た生成ガスは高温炉25に導入される。高温炉25には、酸素、酸素富化空気、空気、酸素と蒸気の混合ガスなどの酸素含有ガスが供給され、高温炉25に供給された生成ガスが部分燃焼される。この場合、高温炉25における炉内温度は900〜1400℃、好ましくは1200℃程度まで上昇し、生成ガス中のタールが熱分解されて、水素、一酸化炭素および低分子の炭化水素に分解される。高温炉25においては、生成ガス中の一酸化炭素やメタンなどの炭化水素と水蒸気との反応(例えばシフト反応)が進行するため、生成ガスの組成が変化する。したがって、生成ガスを水素を多く含むガスにすることができる。このような反応を促進するために、高温炉25に水蒸気を供給するようにしてもよい。このように、高温炉25は、生成ガスの組成を調整する機能を有しているので、高温炉25の条件を調整することにより、書房の組成の燃料ガスを得ることができる。生成ガス中の灰はその一部が高温炉25において除去される。特に、高温炉25の温度が1200℃以上の場合には、生成ガス中に含まれる灰は高温炉25内で溶融され、溶融スラグとなる。溶融スラグは高温炉25の下部に設けられた水槽に落下し、粒状スラグとなる。粒状スラグはコンベヤで高温炉25から排出される。高温炉25の温度が1200℃未満の場合には、灰分は高温炉25で溶融しない。このような場合には、灰分は高温炉25内で慣性集塵により回収され、高温炉25の底部から排出される。排出された灰分は、灰貯留槽21に輸送されて貯留される。
【0058】
そして、高温炉25から排出された生成ガスはスクラバ15に導入される。スクラバ15に入る生成ガスの温度を下げるために、スクラバ入口部のガス流路において水を噴霧するか、あるいは、高温炉25とスクラバ15の間に、水噴霧式冷却装置やボイラなどのガス冷却装置を設けてもよい。なお、高温炉25の炉壁には水冷管が設けられており、ここで水が加熱されて蒸気となり、生成された蒸気はガス化室12の流動化ガスとして利用しても良い。その他の構成は、図5に示す第3実施形態のガス化システムと同様である。なお、図6に示す第4実施形態における高温炉25は、第1、第2、および第3実施形態においても使用することができる。
【0059】
第4実施形態によれば、高温炉25を設けたことにより、ガス化炉11で触媒を用いなくても、高温熱分解によりタールを除去することができる。生成ガス中の一酸化炭素やメタンなどの炭化水素と水蒸気との反応が促進されるため、生成ガスの組成を変え、水素を多く含むガスを得ることができる。また、灰を捕集あるいはスラグとして回収することができる。さらに、ガス化室12で用いられる触媒粒子のタール分解機能の長寿命が期待できない場合に、ガス化室12で生成されたタールを高温炉25で確実に分解することができるため、ガス化室の触媒粒子の長寿命が期待できない場合のフェイルセーフとしての機能を有する。
【0060】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0061】
図7は、本発明の第5実施形態に係るガス化システムのガス化炉を示す概略図である。このガス化炉は2塔循環式ガス化炉によって構成されている。図7に示すように、2塔循環式ガス化炉は、ガス化炉31とチャー燃焼炉32の2炉(塔)から構成され、ガス化炉31とチャー燃焼炉32の間で流動媒体やチャーを循環し、ガス化に必要な熱量を、チャー燃焼炉32におけるチャーの燃焼熱によって加熱された流動媒体の顕熱でガス化炉31に供給しようとするものである。簡便化のため、図7は、ガス化炉31とチャー燃焼炉32のガスルートのみを示しているが、実際にはガス化システムは図3〜6にて示した他の経路も有している。
【0062】
この2塔循環式ガス化炉においては、廃棄物(可燃物)がガス化炉31に供給され、廃棄物がガス化(熱分解)され、可燃性ガスとチャーが生成される。ガス化炉31は、350〜950℃の流動層を有している。ガス化炉31で生成した生成ガスに同伴したチャーおよび流動媒体はサイクロン33に導入され、ここで固気分離がなされ、チャーおよび流動媒体はチャー燃焼炉32に戻される。サイクロン33によってダストの一部が除去された生成ガスは、燃料ガスとして利用される。一方、ガス化炉31におけるガス化(熱分解)により生成された残渣としてのチャーとタールは、燃焼炉32に導入され、燃焼炉32に供給された酸素によりチャーとタールが燃焼される。燃焼炉32は、600〜1000℃の流動層を有している。チャー燃焼炉32から排出される燃焼ガスに同伴した流動媒体はサイクロン34に導入され、ここで固気分離がなされ、流動媒体はガス化炉31に戻される。サイクロン34から排出された燃焼ガスは、乾燥機35を介してガス化炉31に供給される。乾燥機35においては、原料となるバイオマス等の廃棄物が燃焼ガスによって乾燥される。チャー燃焼炉32には酸素が導入されるとともに、チャー燃焼炉32から排出された燃焼ガスの一部が導入される。一方、ガス化炉31にはチャー燃焼炉32から排出された燃焼ガスの一部が供給される。この場合、流動化ガスが不足する場合にはガス化炉31に蒸気または窒素、COなどの不活性ガスが供給される。
【0063】
第5実施形態においては、ガス化炉31で発生した生成ガスを燃焼させる必要がないことから、生成ガスの発熱量を高く維持できるという特徴がある。本2塔循環式ガス化炉を用いたガス化システムにおいても、燃焼ガスが大気に放出されることがなく、無煙突のシステムとすることができる。
【0064】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0065】
図8は、本発明のガス化システムの第6実施形態を示す概略図である。図8は、触媒(例えばAlなど)を利用してガス改質(タール分解)することを特徴とするガス化システムである。本システムは劣化した触媒の再生熱にチャー燃焼熱を利用するように構成されたものである。ガス化炉71において原料をガス化するのに伴って発生するチャー(未燃炭素分)を燃焼させる燃焼炉72を設け、該燃焼炉72でチャー燃焼により発生する燃焼排ガスの熱を触媒再生熱として触媒再生装置73に供給するようにしたものである。原料は、350〜950℃のガス化炉71に供給され、原料がガス化(熱分解)され可燃性ガスおよびチャーが生成される。ガス化炉71で原料のガス化により発生した可燃ガスがガス改質装置74に導入されて、ガス改質(タール分解)される。ガス改質装置74は、600〜950℃の触媒層を有している。ガス化炉71におけるガス化(熱分解)により生成された残渣としてのタールとチャーは、650〜1000℃の燃焼炉72に導入され、タールとチャーは燃焼炉72に供給された酸素により燃焼される。簡便化のため、図8は、ガス化炉71と燃焼炉72のガスルートのみを示しているが、実際にはガス化システムは図3〜6にて示した他の経路も有している。
【0066】
ガス改質装置74中の触媒は、ガス化炉71からの生成ガスを改質(タール分解)すると炭素質の析出等により、触媒機能がいくばくか劣化する。ガス改質装置74の触媒は、ガス化炉71に供給される。ガス化炉71に供給された触媒は、ガス化炉71でガス化(熱分解)で生成した生成ガスを改質(タール分解)すると炭素質の析出等により、触媒機能がかなり劣化する。ガス化炉71の触媒は触媒再生装置73に供給される。触媒再生装置73は該触媒機能の劣化した触媒を燃焼炉72からの燃焼排ガスで700〜1000℃に加熱再生し、再生した触媒を再びガス改質装置74に投入する。
【0067】
燃焼炉72には酸素が供給されて、チャーが燃焼される。燃焼炉72でチャーが燃焼して発生した燃焼ガス(酸素を含む)は触媒再生装置73に入り、燃焼ガスの熱により触媒が再生される。触媒再生装置73から排出される排ガスはガス改質装置74、ガス化炉71、燃焼炉72に供給される。以上の構成により、ガス化システムから排ガスが大気放出されないことから、無煙突とすることができる。
【0068】
さらに、ガス化室12で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0069】
図9は、本発明のガス化システムの第7実施形態を示す概略図である。図9は、統合型ガス化炉の別の構成を示したものである。統合型ガス化炉は、ガス化室81、捕集装置82、燃焼室83を併せ持つことにより構成されている。簡便化のため、図9は、ガス化室81と燃焼室82のガスルートのみを示しているが、実際にはガス化システムは図3〜6にて示した他の経路も有している。ガス化室81は、350〜950℃の流動層炉である。燃焼室83は、600〜1000℃の流動層炉である。ガス化室81には廃棄物(可燃物)が層内供給され、ガス化室81において廃棄物のガス化(熱分解)、および生成ガスの分解・改質が行われる。ガス化室81内で生成されたチャーやタールは流動媒体とともに燃焼室83に流入する。燃焼室83の下部には濃厚流動層または高速流動層が形成されている。そして、燃焼室83の下部が濃厚流動層である場合には、濃厚流動層上部から流動化ガスを供給することによって燃焼室83上部を高速流動層とする。燃焼室83には燃焼に必要な酸素を含むガスを供給する。燃焼室内で発生した燃焼ガスは流動媒体とともに捕集装置82へ流入し、飛散粒子の捕集と燃焼ガスの分離を行なう。
【0070】
図9に示す捕集装置82は、遠心力集塵を利用したサイクロン集塵装置である。ここで分離された燃焼ガスは、一部(燃焼室83の流動化と、酸素希釈に適切な量)を燃焼室83に戻し、残りの燃焼ガスをガス化室81に流動化ガスとして供給する。流動化ガスとしてガス化室81に供給される燃焼ガスが過剰となる場合は、その分をガス化室81のフリーボードに供給する。流動化ガスとしてガス化室81に供給される燃焼ガスが不足する場合は、蒸気または窒素、COなどの不活性ガスを供給する。すなわち、図9の統合型ガス化炉からは燃焼ガスは大気に放出されない。一方、捕集された飛散粒子はループシールを介してガス化室81へ流入する。ループシールの飛散粒子のマテリアルシール効果により、生成ガスと燃焼ガスの混合を避けることができる。また、ループシール部の飛散粒子は流動化させてもよく、ループシール部の流動化ガスには蒸気または窒素、COなどの不活性ガスを用いるほうが望ましい。
【0071】
またガス化室81における媒体粒子の少なくとも一部を触媒粒子とする場合、ガス化室81内の高速流動層部で原料の熱分解ガス化により生成したガスを分解・改質し、この過程で触媒粒子表面に析出した炭素等は燃焼室83にて燃焼除去され触媒粒子は再生される。なお、燃焼室83にはオイル等の補助燃料を供給してもよい。
【0072】
さらに、ガス化室81で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0073】
図10は、本発明のガス化システムの第8実施形態を示す概略図である。図10に示すガス化システムは、ガス化炉91と燃焼炉92と熱回収炉93を有するガス化システムである。簡便化のため、図10は、ガス化炉91と燃焼炉92と熱回収炉93のガスルートのみを示しているが、実際にはガス化システムは図3〜6にて示した他の経路も有している。ガス化炉91は、350〜950℃の流動層炉である。燃焼炉92は、600〜1000℃の流動層炉である。熱回収炉93は、流動層炉である。ガス化炉91に廃棄物が供給されてガス化(熱分解)により可燃ガスが生成され、熱分解残渣としてチャーが生成される。可燃ガスは燃料ガスとして利用される。チャーは流動媒体とともに燃焼炉92に供給される。燃焼炉92には酸素が供給され、ガス化炉91から供給されたチャーがここで燃焼される。燃焼炉92から排出される燃焼ガスは、燃焼炉92とガス化炉91と熱回収炉93に戻される。ガス化炉91から燃焼炉92に供給された流動媒体と同量の流動媒体が熱回収炉93に供給される。熱回収炉93には層内伝熱管が配置してあり、層内伝熱管において水が加熱されて蒸気が生成される。燃焼炉92から熱回収炉93に流動化ガスとして供給された燃焼ガスは、熱回収炉93から排出されて燃焼炉92に戻される。燃焼炉92から熱回収炉93に供給された流動媒体と同量の流動媒体が熱回収炉93からガス化炉91に供給される。ガス化炉91の流動化ガスとして燃焼炉92から排出された燃焼ガスが戻される。ガス化炉91の流動化ガスとして燃焼炉92から排出される燃焼ガスが不足する場合には、水蒸気(蒸気)または窒素やCOなどの不活性ガスをガス化炉91に供給する。以上の構成により、燃焼ガスを大気に放出しない無煙突のガス化システムとすることができる。
【0074】
第8実施形態においては、ガス化システムから排ガスが大気中に放出されることがないため、大気を汚染させることがない。また、ガス化システムから排ガスが大気中に放出されることがないため、排ガス処理施設を簡素化することができる。さらに、大気中に排ガスを放出することがないため無煙突とすることができ、クリーンなシステムを実現することができる。
【0075】
さらに、ガス化炉91で生成したガス中に含まれる塩素化合物や硫黄化合物等を吸収除去し、生成ガスを精製するためにカルシウム化合物などの吸収触媒を媒体粒子の少なくとも一部とすることで排出される生成ガス中の有害成分濃度を低減することができる。
【0076】
これまで本発明の一実施形態について図示および説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変が可能であることは容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、一般廃棄物、産業廃棄物、廃プラスチックなどの各種廃棄物やバイオマス、あるいは、石炭、固形化燃料(RDF)などの可燃性原料をガス化炉又はガス化室でガス化し、ガス化により発生した可燃性有価ガスを回収するガス化システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のガス化システムの原理を説明する概略図である。
【図2】本発明のガス化システムの変形例の原理を説明する概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るガス化システムのガス化炉を示す概略図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。
【図10】本発明の第8実施形態に係るガス化システムを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃物をガス化して可燃ガスを生成するガス化炉と、
前記ガス化炉におけるガス化によって生成されたチャー及び/又はタールを燃焼する燃焼炉と、
前記燃焼炉から排出される燃焼ガスを前記燃焼炉と前記ガス化炉に戻すリターンラインと、
を備えたことを特徴とするガス化システム。
【請求項2】
前記燃焼炉へ戻す燃焼ガスに酸素を加えることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項3】
前記ガス化炉に蒸気または不活性ガスを加えることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項4】
前記燃焼ガスを前記ガス化炉以降の部分へ供給することを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項5】
前記ガス化炉へ戻す燃焼ガス中の酸素濃度が5%以下であることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項6】
前記ガス化炉の温度を350〜950℃とすることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項7】
前記燃焼炉の温度を600〜1000℃とすることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項8】
前記ガス化炉におけるガス化によって生成された可燃ガスの一部を利用して灰を溶融する溶融炉をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項9】
前記溶融炉から排出された燃焼ガスを前記燃焼炉へ戻すことを特徴とする請求項8記載のガス化システム。
【請求項10】
前記燃焼炉から排出される燃焼ガスに水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項11】
前記ガス化炉から排出される可燃ガスのラインに設けられたスクラバと、
前記燃焼炉から排出される燃焼ガスに前記スクラバから排出される水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項12】
前記燃焼炉から排出される燃焼ガスと、前記燃焼炉および前記ガス化炉に戻す燃焼ガスとの間で熱交換を行なう流動化ガス加熱器をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項13】
前記ガス化炉から排出される可燃ガス中のタール分解を行なう高温炉をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のガス化システム。
【請求項14】
前記ガス化炉は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項15】
前記燃焼炉は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であることを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項16】
前記ガス化炉から排出される可燃ガスを冷却して、可燃ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項17】
前記燃焼炉から排出される燃焼ガスを冷却して、燃焼ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。
【請求項18】
可燃物をガス化して可燃ガスを生成するガス化室と、
前記ガス化室におけるガス化によって生成されたチャー及び/又はタールを燃焼する燃焼室とを有する統合型ガス化炉と、
前記燃焼室から排出される燃焼ガスを前記燃焼室と前記ガス化室に戻すリターンラインと、
を備えたことを特徴とするガス化システム。
【請求項19】
前記燃焼室へ戻す燃焼ガスに酸素を加えることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項20】
前記ガス化室に蒸気または不活性ガスを加えることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項21】
前記燃焼ガスを前記ガス化室以降の部分へ供給することを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項22】
前記ガス化室へ戻す燃焼ガス中の酸素濃度が5%以下であることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項23】
前記ガス化室の温度を350〜950℃とすることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項24】
前記燃焼室の温度を600〜1000℃とすることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項25】
前記ガス化室におけるガス化によって生成された可燃ガスの一部を利用して灰を溶融する溶融炉をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項26】
前記溶融炉から排出された燃焼ガスを前記燃焼室へ戻すことを特徴とする請求項25記載のガス化システム。
【請求項27】
前記燃焼室から排出される燃焼ガスに水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項28】
前記ガス化室から排出される可燃ガスのラインに設けられたスクラバと、
前記燃焼室から排出される燃焼ガスに前記スクラバから排出される水を噴霧する水噴霧式ガス冷却塔と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項29】
前記燃焼室から排出される燃焼ガスと、前記燃焼室および前記ガス化室に戻す燃焼ガスとの間で熱交換を行なう流動化ガス加熱器をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項30】
前記ガス化室から排出される可燃ガス中のタール分解を行なう高温炉をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載のガス化システム。
【請求項31】
前記ガス化室は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項32】
前記燃焼室は、硅砂および触媒粒子の少なくとも1つを含む流動媒体を有する流動層炉であることを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項33】
前記ガス化室から排出される可燃ガスを冷却して、可燃ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のガス化システム。
【請求項34】
前記燃焼室から排出される燃焼ガスを冷却して、燃焼ガス中の水分を除去するガス冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のガス化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−528974(P2007−528974A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519243(P2006−519243)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010870
【国際公開番号】WO2005/010436
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】