ガラスフリット付きカバーシートの形成方法及びガラスフリット付きカバーシートを有するガラスパッケージ
ガラスフリットから成るカバーシート(1)を形成する方法では、基材を用意し、最初のフリットビードを基材上に被着させる。しかる後、少なくとも1つの追加のフリットビードを基材上に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードのベースが隣接のフリットビードのベースに接触し、それにより基材上にフリットシールを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の要旨は、一般に、ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシート、特に、フリット付きカバーシートを形成する方法及びフリット付きカバーシートを有するガラスパッケージを形成する方法である。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年7月17日に出願された米国特許出願第61/226,342号明細書の権益主張出願である。この米国特許出願の内容及びこの米国特許出願に記載されている刊行物を含む非特許文献及び特許文献の開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
米国特許第6,998,776号明細書は、放射線吸収ガラスフリットを用いてガラスパッケージをフリット封止する方法を開示している。一般に米国特許第6,998,776号明細書に記載されているように、ガラスフリットを、第1のガラス基材上に閉じられた線をなして(典型的には、額縁の形で)被着して加熱し、それによりフリットを予備焼結する。次に、第1のガラス基材をフリットが第1の基材と第2の基材との間に位置した状態で第2のガラス基材の頂部に載せる。次いで、レーザビームをフリット上で(典型的には、基材のうちの一方又は両方を通って)移動させてフリットを加熱してこれを融解し、基材相互間に気密シールを形成する。
【0004】
このようなガラスパッケージは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置の製造の際に使用される。例示のOLEDディスプレイ装置は、第1の電極材料が被着されたガラス基材、有機エレクトロルミネッセント材料の1つ又は2つ以上の層及び第2の電極材料を有する。有機エレクトロルミネッセント材料の一特徴は、これが水分と酸化の両方の影響を受けやすく、かくして、有機エレクトロルミネッセント材料の劣化を阻止するために有機エレクトロルミネッセント材料を2枚のガラス基材相互間に気密封止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,998,776号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
OLEDディスプレイ装置は、広汎な商品に組み込まれているので、エレクトロルミネッセント材料の長期劣化を阻止するよう適当に封止されたOLEDディスプレイ装置を製造する能力がますます重要になっている。というのは、エレクトロルミネッセント材料の劣化は、OLED装置が組み込まれている商品の機能発揮を損なう場合が多いからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、フリット付きカバーシートを形成する方法が、基材を用意するステップと、最初のフリットビードを基材に被着させるステップとを有する。しかる後、少なくとも1つの追加のフリットビードを基材に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより基材上にフリットシールを形成するようにする。
【0008】
別の実施形態では、ガラスパッケージを形成する方法が、第1の基材及び第2の基材を用意するステップと、第1の基材に最初のフリットビードを被着させるステップとを有するのが良い。次に、第1の基材に第2のフリットビードを被着させて第2のフリットビードの底部が最初のフリットビードの底部に接触して第1の基材上にフレーム状フリットシールを形成するようにするのが良い。次に、フリットシールが第1の基材と第2の基材との間に配置されるよう第1の基材を第2の基材上に位置決めするのが良い。次に、第1のシールを加熱して第1の基材と第2の基材との間にシールを形成するのが良い。
【0009】
別の実施形態では、ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートが、基材に被着された第1のシールを有する。フリットシールは、基材上の封止領域を包囲するのが良い。フリットシールは、1対のテーパした側壁相互間に延びる頂面を有するのが良い。フリットシールの頂面は、少なくとも3つの一次フリット山部を有するのが良い。隣り合う一次フリット山部相互間の間隔は、約1mm以下であるのが良い。
【0010】
追加の特徴及び利点は、次の詳細な説明に記載され、一部は、この説明から当業者には容易に明らかであり又は以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付の図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することにより認識されよう。
【0011】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び特性を理解するための概観又は枠組みを提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を可能にするために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部をなしている。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を記載しており、説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】基材に被着されたフリットシールを有するガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートを示す図である。
【図2A】本明細書において説明する一実施形態としての図1のフリットシールの一部分の拡大図であり、多数のフリットビードを基材に被着させて各フリットビードの底部が隣接のフリット底部の縁部に当接するようにすることによりフリットシールが形成された状態を示す図である。
【図2B】図2Aのフリットシールの断面図であり、図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての隣り合うフリットビードの相対的な向きを示す図である。
【図3A】テーパした形態を有するフリットビードの一実施形態の断面図である。
【図3B】テーパした形態を有するフリットビードの別の実施形態の断面図である。
【図4A】本明細書において説明する一実施形態としての図1のフリットシールの一部分の拡大図であり、多数のフリットビードを透明な基材に被着させて各フリットビードの底部の一部分が隣接のフリットビードの底部の一部分とオーバーラップするようにすることによりフリットシールが形成されている状態を示す図である。
【図4B】図4Aのフリットシールの断面図であり、図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての隣り合うフリットビードの相対的な向きを示す図である。
【図4C】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての図4Aのフリットシールの断面図である。
【図5】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての図1の第1のシールの湾曲部分の拡大図であり、隣り合うフリットビードを中心線半径が増大した状態で被着させて図1のフリットシールの湾曲部分を形成している状態を示す図である。
【図6】図示すると共に本明細書において説明する1つ又は2つ以上の実施形態に従って形成されたフリットシールの複数の断面輪郭形状のグラフ図である。
【図7A】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としてのフリット付きカバーシートがエレクトロルミネッセント素子を有する基材上に位置決めされると共にこれに封着されてディスプレイ装置が形成されている状態を示す図である。
【図7B】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としてのフリット付きカバーシートがエレクトロルミネッセント素子を有する基材上に位置決めされると共にこれに封着されてディスプレイ装置が形成されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、ガラスパッケージを封止する際に用いられるフリット付きカバーシートの種々の実施形態を詳細に参照する。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号は、同一又は類似の部分を示すために図面全体を通じて用いられる。フリット付きカバーシートの一実施形態が図1に示されており、このフリット付きカバーシートは、全体が参照符号100で示されている。フリット付きカバーシートは、主要構成要素として、透明な基材及びフリットシールを有するのが良い。本明細書において、フリット付きカバーシート、フリット付きカバーシートの形成方法及びフリット付きカバーシートを用いてガラスパッケージ、例えばディスプレイ装置又は類似のガラスパッケージを封止する方法について詳細に説明する。
【0014】
図1を参照すると、一実施形態としてのフリット付きカバーシート100が示されている。フリット付きカバーシート100は、主要構成要素として、透明な基材102を有し、この基材102のフリット塗布面106にフリットシール104が被着されている。基材102に関して本明細書で用いられる「透明」という用語は、次の封止作業においてフリット付きカバーシート100に加えられる輻射エネルギーの特定の波長に関し、少なくとも約90%の透過率を有する基材を意味している。例えば、一実施形態では、基材102は、フリットシール104を加熱するために用いられる約750nm〜約950nmの輻射エネルギーの波長について少なくとも約90%の透過率を有する。本明細書において説明する実施形態では、基材102は、例えばコーニング・インコーポレイテッド(Corning, Inc.)により製造されたEAGLE XG(商標)ガラス又は適当な透過率を有する類似のガラス材料で作られたガラス基材であるのが良い。透明な基材102は、主要構成要素として、裏面(図示せず)と反対側に位置決めされたフリット塗布面106を有するのが良い。
【0015】
図1をさらに参照すると、第1のシール104は、基材102のフリット塗布面106上に位置決めされるのが良い。フリットシール104は、フリットシール104が一般に、連続した回路を形成するようそれ自体閉じた線又はバンドの形態をしているフレーム状の形状又はパターンを有し、それにより基材102のフリット塗布面106上の封止領域周りに周囲を定めるよう被着されるのが良い。図1に示されているように、フリットシール104は、フレーム状形状が湾曲した又は丸いコーナー部を有するようフリット塗布面106上に位置決めされるのが良い。図示すると共に本明細書において説明する実施形態では、フリットシール104は、0.5mmを超えるのが良い幅WFS及び約12ミクロン〜約20ミクロンの高さを有する。しかしながら、本明細書において説明する被着方法を用いて幅が0.5mm未満、高さが20ミクロンを超え又は12ミクロン未満であるフリットシールを形成できることは理解されるべきである。
【0016】
一実施形態では、第1のシール104は、ペーストとして被着されるガラスを主成分とするフリット材料である。ペーストは、一般に、ガラス粉末、結合剤(通常、有機)及び/又は揮発性液体ビークル、例えば溶剤を含むのがよい。一実施形態では、フリットシール104は、次の封止作業においてフリットシール104に加えられる輻射エネルギーの波長にマッチし又は実質的にマッチした輻射エネルギーの所定の波長で実質的に光吸収断面を有する耐寒性ガラスフリットで作られている。例えば、ガラスフリットは、鉄、銅、バナジウム、ネオジウム及びこれらの組み合わせを含む群から選択された1種類又は2種類以上の輻射エネルギー吸収イオンを含むのが良い。また、ガラスフリットのCTEがフリット付きカバーシートを後で封着する透明な基材と装置基材の両方のCTEに一層厳密に一致するようにガラスフリットにはガラスフリットの熱膨張率(CTE)を変える充填剤(例えば、反転充填剤又は添加充填剤)をドープするのが良い。理解されるように、ガラスフリットの種々の組成を用いてフリットシールを作っても良い。例えば、適当なフリット組成の幾つかの非限定的な例が米国特許第6,998,776号明細書(発明の名称“Glass Package that is Hermetically Sealed with a Frit and Method of Fabrication”)に開示されており、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0017】
フリットペーストは、押し出し型アプリケータがフリットペーストのビードをノズルを通って基材102上に小出しすることによりフリットシール104を形成するよう基材102に被着されるのが良い。結果的に得られるフリットビードの形状は、一般に、フリットペーストを基材上に小出しするために用いられるノズルのサイズで決まる。例えば、0.6mmの幅WFBを有するフリットビードを被着させるためには、約0.55mmの直径を有するノズルを用いるのが良い。しかしながら、これよりも小さな又は大きなノズルを用いても所望の幅を有するフリットビードを被着させることができることは理解されよう。所望の寸法及びパターンを備えたフリットシールを達成するため、アプリケータは、コンピュータ制御位置決めシステム、例えばロボットアーム又は計算機数値制御(CNC)位置決めシステムに結合されるのが良く、このようなコンピュータ制御位置決めシステムは、フリットペーストをアプリケータから小出ししているときにアプリケータを基材上で操作する。コンピュータ制御位置決めシステムは、アプリケータを所望のパターンのフリットビードの被着を容易にする所定のパターンで巧みに操るようプログラムされるのが良い。
【0018】
図示すると共に本明細書において説明する実施形態では、フリットシール104は、複数個の個々のフリットビードを所望のパターン(例えば、フレーム状パターン又は類似のパターン)で基材102に被着させて各フリットビードが隣接のフリットビードに接触すると共に/或いはこれとオーバーラップし、それにより所望幅のフリットシール104を形成することによって基材102上に形成されるのが良い。例えば、幅WFSを有するフリットシール104を形成するためには、幅WFB<WFSを有する最初のフリットビードを基材102に被着させるのが良い。しかる後、幅WFB<WFSを有する少なくとも1つの追加のフリットビードを基材102に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードが隣接のフリットビードの底部に当接し又はこれとオーバーラップし、それにより所望幅WFSを有するフリットシール104を形成するようにするのが良い。
【0019】
次に図1並びに図2A及び図2Bを参照すると、フリット付きカバーシート100を形成する方法の一実施形態が図示されている。この実施形態では、複数個のフリットビード108a,108bを基材102のフリット塗布面106に被着させて所望の幅を有するフリットシール104aを形成するのが良い。この方法の基本的原理を説明するため、フリットビード108a,108bは、理想化された長方形断面を有するものとして示されており、その結果、フリットビード108a,108bは各々、頂面132a,132bに平行な底部130a,130b及び互いに平行な側部134a,136a及び134b,136bを有するようになっている。各フリットビード108a,108bの底部130a,130bは、一般に幅WFBを有し、幅WFBは、この実施形態では、対応の頂面132a,132bの幅でもある。
【0020】
第1のフリットビード108aは、アプリケータをフリットペーストがアプリケータのノズルから小出しされているときに所定のパターンをなしてフリット塗布面106上で移動させることにより基材102のフリット塗布面106に被着されるのが良い。例えば、本明細書において説明する実施形態では、所望のパターンは、図1に示されているように湾曲した又は丸いコーナー部を備えた長方形のフレーム状パターンである。しかる後、第2のフリットビード108bを第1のフリットビード108aと同様な仕方で基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良い。第2のフリットビード108bは、先行するフリットビード(即ち、第1のフリットビード108a)に隣接して被着されて第2のフリットビード108bの側壁134bが第1のフリットビード108aの側壁136aに直に接触すると共にこれに当接するようにするのが良い。したがって、この実施形態では、第2のフリットビード108bの少なくとも底部130bは、第1のフリットビード108aの対応の底部130aに接触し、その結果、第1のフリットビード108aと第2のフリットビード108bは、一緒になって、フリットシール104aを形成し、従って、フリットシール104aが幅WFS=2・WFBを有するようになっている。
【0021】
種々の幅WFBの2つ又は3つ以上のフリットビードを被着させると所望の幅WFSを有するフリットシールを形成することができることは理解されるべきである。例えば、1.2mmの幅WFSを有するフリットシール104aが望ましい場合、各々の幅が0.6mmの第1及び第2のフリットビード108a,108bを本明細書において説明するように基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良く、その結果、フリットシール104aは、1.2mmの幅を有するようになる。1.5mmの幅を有するフリット幅が望ましい場合、各々の幅が0.5mmの3つのフリットビードを被着させて所望の幅を有するフリットシールを形成するのが良い。したがって、本明細書において説明した仕方で小さな幅の2つ又は3つ以上のフリットビードを被着させることにより所望の幅をもつフリットシールを形成できることは理解されるべきである。
【0022】
本明細書において注目されるように、図2Bに示されたフリットビード108a,108bは、理想化された長方形断面を有している。しかしながら、他の実施形態では、アプリケータにより小出しされるフリットビードは、テーパした形状を有しても良く、それにより、連続して位置するフリットビードが互いに接触すると共にオーバーラップして所望の幅を有するフリットシールを形成することが必要である。
【0023】
例えば、図3A及び図3Bを参照すると、2つの実施形態としてのフリットビード302,330の断面が示されており、この場合、フリットビード302,330は、テーパした形態を有している。一実施形態では、アプリケータにより小出しされたフリットビード302は、頂面310に向かってテーパしている側壁306,308を備えた底部304を有するのが良い。したがって、頂面310は、底部304よりも幅が狭いことは理解されるべきである。図3Aに示された実施形態としてのフリットビード302では、側壁306,308は、丸いコーナー部で頂面310に移行している。図3Bに示された変形実施形態では、フリットビード330は、弓形頂面320に向かってテーパしている側壁306,308を備えた底部304を有している。したがって、アプリケータにより小出しされたフリットビードは、底部から頂面に向かってテーパしている側壁を備えたテーパ形態を有するのが良いことは理解されよう。いずれの実施形態においても、フリットビードの幅WFBは、フリットビードの底部の幅である。
【0024】
次に図1、図4A及び図4Bを参照すると、テーパした形態を有する複数個のフリットビードからフリットシール104bを形成するため、各フリットビードを基材102のフリット塗布面106に被着させて各フリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触してこれとオーバーラップするようにするのが良い。例えば、図4A及び図4Bを参照すると、フリットシール104bが3つの互いにオーバーラップしたフリットビード109a,109b,109cで作られている一実施形態としてのフリットシール104bが示されている。図4Aに示されているように、各フリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部とオーバーラップしている。互いにオーバーラップしているフリットビードの各々は、幅WFBを有すると共に説明の目的上、台形として示されているテーパした断面形状を有している。
【0025】
上述したようにフリットペーストをアプリケータのノズルから小出ししているときにアプリケータを所定のパターンでフリット塗布面106上で移動させることにより最初のフリットビード109aを基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良い。しかる後、少なくとも1つの追加のフリットビードをフリット塗布面106に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードが隣接のフリットビードの底部に接触すると共にこれとオーバーラップするようにする。この例では、第2のフリットビード109bを基材102のフリット塗布面106に被着させて第2のフリットビード109bの底部114bが第1のフリットビード109aの底部114aとOLで示されている量だけオーバーラップするようにする。フリットビード109a,109bのテーパした形態に起因して、説明の目的で図4Bに示されているフリットビード109a,109b相互間のオーバーラップ領域111のガラスフリット材料は、実際に、フリットビード109aの頂面116aとフリットビード109bの頂面116bとの間の領域112に被着され、それにより、第1のフリットビード109aと第2のフリットビード109bとの間に連続した頂面が形成されている。
【0026】
しかる後、第3のフリットビード109cを被着させて第3のフリットビード109cの底部114cが第2のフリットビード109bの底部114bに接触すると共にこれとオーバーラップし、それにより、第3のフリットビード109cと第2のフリットビード109bと第1のフリットビード109aとの間に連続した頂面が形成されるようにするのが良い。この方法は、追加のフリットビードを同様な仕方で被着させ、ついには、フリットシール104bが図4Cに示されているように所望の幅WFSを備えるようにすることにより繰り返されるのが良い。
【0027】
例えば、テーパした断面形状を有すると共に0.6mmの幅WFBを有する5つのフリットビードを被着させることにより2.6mmの幅WFSを有するフリットシールを形成することができる。フリットビードを各フリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触してこれと約0.1mmだけオーバーラップし、それにより2.6mmの幅WFSを有するフリットシールを形成するよう被着させることができる。
【0028】
図示すると共に本明細書において説明する長方形及びテーパした形態のフリットビードの両方の実施形態及び実施例では、フリットビードは、一般に、約1mm以下の幅FBを有するものとして説明され、このようなフリットビードで形成されたフリットシールは、約1mm以上の幅WFSを有する。さらに、オーバーラップが約1mm以下の幅を有するフリットビードと関連して用いられる場合、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップの量は、約0.05mm〜約0.5mmであるのが良い。しかしながら、理解されるべきこととして、これら幅及びオーバーラップ量は、例示であり、本明細書において説明するフリットシールを形成する技術を用いると約1mm以下の幅を有するフリットシールを形成することができ、フリットビードが互いにオーバーラップする場合、オーバーラップ量は、0.05mm未満であっても良く、或いは、約0.5mm以上であっても良い。さらに又、本明細書において説明するフリットシールを形成する技術を約1mm以上の幅を有するフリットビードと関連して用いることも可能であることは理解されるべきである。
【0029】
さらに、図示すると共に本明細書において説明する実施形態及び実施例は、実質的に同一幅の多数のフリットビードを被着させることによるフリットシールの形成に関するが、種々の幅の多数のフリットビードを本明細書において説明する技術の使用により適当な幅のフリットシールを形成するよう被着させることができるということは理解されるべきである。
【0030】
次に図1及び図5を参照すると、本明細書において説明する多パス被着技術を用いてフリットシールをフレーム状の形で被着させてフリットシールが図1に示されているように連続した回路を形成するようそれ自体閉じるようにすることができ、この場合、フリットシール104は、基材102のフリット塗布面106上に丸いコーナー部を備えたフレームを形成する。したがって、フリットシール104を少なくとも1つの湾曲した部分を有するパターンで被着させることができることは理解されよう。フレーム又はパターンの湾曲部分の所望のオーバーラップ(又はオーバーラップのない状態)を維持するため、連続して被着されたフリットビードの各々の曲率半径は、先に被着されたフリットビードとは異なっていても良い。図5を参照すると、フリットシール104bを形成するフリットビードの曲率半径は、フリットビードの中央のところに位置した線、例えば、中心線CL1,CL2,CL3の曲率半径を意味している。所望の曲率半径を有するフリットビードを形成するため、アプリケータをフリットペーストがアプリケータから小出しされているときに対応の中心線の曲率半径をもつ弧を描いて基材上を移動させる。
【0031】
フリットシール104bを基材の内側から基材の縁まで(例えば、フリットビード109aからフリットビード109cまで)形成する場合、連続して被着されたフリットビードの各々は、先のフリットビードの中心線曲率半径よりも大きいフレーム状パターンの湾曲部分の中心線曲率半径を有するのが良い。これとは逆に、フリットシール104bを基材の縁から基材の中央に向かって(例えば、フリットビード109cからフリットビード109aまで)形成する場合、連続して被着されたフリットビードの各々は、先のフリットビードの中心線曲率半径よりも大きい中心線曲率半径を有するのが良い。
【0032】
一実施形態では、フリットシール104bを形成するよう被着された各フリットビードの中心線曲率半径は、フリットビードを被着させているパターンの湾曲部分の内側半径(RI)、各フリットビードの幅(WFB)、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量(OL)及びフリットビードの被着パス回数(P)に基づいて定められる。
【0033】
例えば、3つの互いにオーバーラップしたフリットビード(即ち、P=3)を被着させることにより形成された図5に示されているフリットシール104bを参照すると、フリットシールの最も内側のフリットビード、特にフリットビード109aの中心線曲率半径R1は、次の方程式を用いて計算できる。
【数1】
(1).
【0034】
次のその隣りのフリットビード、即ちフリットビード109bの中心線曲率半径R2は、次のように書き表される。
【数2】
(2).
【0035】
次の隣りのフリットビード109cの中心線曲率半径R3は、次のように書き表される。
【数3】
(3).
【0036】
したがって、上記に基づいて、P個のフリットビードを有するフリットシール中のJ番目のフリットビードの中心線曲率半径RJは、次のように書き表される。
【数4】
(4),
上式において、Jは、1からPまでの整数である(即ち、1個のフリットビードから全ての数のフリットビード)。以下の表1は、内側曲率半径RIが1mmであり、全幅が1.6mmのフリットシールを形成するよう各々が0.6mmの幅WFB及び約0.1mmのオーバーラップ量OLを有する3つの連続して位置するフリットビードの各々の中心線曲率半径の計算値を示している。
【0037】
表1:中心線曲率半径の計算値
【0038】
別の実施形態では、フリットビードが被着されているコーナー部の内側半径(RI)、フリットシールの所望の幅(WFS)、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量(OL)及びフリットシールを構成するフリットビードの個数(P)と関連して上記の方程式(4)を利用して各フリットビードの中心線曲率半径を求めることができる。この実施形態では、各フリットビードの幅WFBをフリットシールの幅WFS、フリットビードの個数P及びオーバーラップ量OLに基づいて計算することができ、従って、次の通りである。
WFB=(WFS/P)+OL{(P−1)/P)} (5)
【0039】
WFBの計算値を方程式(4)に代入し、各フリットビードの中心線曲率半径をJ個のフリットビードの各々について計算することができ、この場合、Jは、1からPまでの整数である。
【0040】
変形例として、フリットビード幅は既知であるが、フリットシールの全幅が未知である場合、方程式(5)は、次のように書き直せる。
【数5】
(6).
方程式(6)を用いて、結果として得られるフリットビードの幅を被着されたフリットビードの幅、個数及びオーバーラップ量に基づいて求めることができる。
【0041】
中心線曲率半径を最終的にフリットシール104bを形成するフリットビードのパターン中の各フリットビードについて計算によりいったん求めると、選択したオーバーラップ量OL及び中心線曲率半径の計算値を用いてフリットビードの各々を基材のフリット塗布面に被着させるのが良く、それにより所望の幅WFSを備えた第1のシール104bが形成される。
【0042】
次に図6を参照すると、本明細書において説明する一実施形態に従って形成されたフリットシールの複数個の断面についてフリット幅とフリット高さの関係のグラフ図が示されている。各々が0.6mmの幅を有する5つのフリットビードを被着させることにより透明な基材上に形成された1.6mmフリットシールから輪郭形状に関する測定値を取った。隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量は、0.1mmであった。フリットシールの互いに異なる断面スライスの輪郭形状をWerth Fixed Bridge Inspector(登録商標)FQ多センサ座標測定機械で計測した。
【0043】
図6に示されているように、フリットシールの頂面は、全体として高さ(例えば、山部の先端部からその隣りの谷部の底まで)約10ミクロン以下の一連の山部と谷部を有するのが良く、従って、フリットシールの頂面は、一般に、フリットシールの幅全体にわたり約±5ミクロンのばらつきを有するようになる。山部は、2つのカテゴリにグループ分け可能である。山部の第1のカテゴリは、フリットシールを構成するフリットビードの外側縁部(例えば、フリットシールの外側縁部)と内側縁部(例えば、隣り合うフリットビードの交差部又はオーバーラップ)の両方のところに形成された一次フリット山部又はピーク402である。一実施形態では、本明細書において説明する技術に従って形成されたフリットシールは、一般に、少なくとも3つの一次フリット山部を有する(即ち、フリットシールは、少なくとも2つのフリットビードを被着させることにより形成される)。山部の第2のカテゴリは、一次フリット山部402相互間に形成される二次山部404である。二次フリット山部404は、一般に高さと幅の両方が一次フリット山部402よりも小さい。
【0044】
隣り合う一次フリット山部402相互間の間隔406を減少させることにより、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着される装置基材との機械的接触具合を向上させることができる。機械的接触具合の向上により、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着された装置基材との熱的結合度が向上し、その結果、封止中に生じる熱が均一に消散する。さらに又、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着される装置基材との機械的結合により、フリット付きカバーシートを装置基材に封着するのに必要な力の大きさは減少する。熱的結合の向上と封止力の減少は、封止される装置基材が、過度の熱及び/又は大きい封止力がエレクトロルミネッセント材料、エレクトロルミネッセント材料に結合されたリード及び/又は他の回路を損傷させる場合のあるディスプレイ装置、例えばOLEDディスプレイに用いられる場合に特に重要である。隣り合う一次フリット山部402相互間の間隔406の減少は、被着されたフリットビードの幅を減少させることによって達成できる。
【0045】
したがって、一実施形態では、本明細書において説明する方法を利用すると、形成されたフリットシールとフリット付きカバーシートが封着された装置基材との機械的接触具合を向上させることができる。所望の機械的及び熱的性質を備えたフリットシールが本明細書において説明した技術を用いて1mm未満の幅を有する複数個のフリットビードを被着させることにより形成でき、その結果、フリットシールの頂面上の隣り合う一次フリット山部相互間の間隔が約1mm以下になる。
【0046】
次に図7A及び図7Bを参照すると、本明細書において説明したように形成されたフリット付きカバーシートを用いて装置基材を封止し、それによりガラスパッケージを形成することができる。図7A及び図7Bに示された実施形態では、フリット付きカバーシート100は、エレクトロルミネッセント素子216及び少なくとも1本の電気リード215が設けられた装置基材218を封止して、ガラスパッケージを形成するよう使用されており、なお、ガラスパッケージは、この実施形態ではディスプレイ装置220である。例えば、エレクトロルミネッセント素子は、OLEDであるのが良い。
【0047】
まず最初に、フリット付きカバーシート100を装置基材218上に位置決めしてエレクトロルミネッセント素子216がフリット付きカバーシート100のフリット塗布面106と装置基材218との間に位置決めされるようにする。フリット付きカバーシート100がこの位置にある状態で、エレクトロルミネッセント素子216をフリットシール104により画定された周囲又はフレーム内に位置決めする。電気リード215は、フリットシール104の下に延びるのが良い。しかる後、フリットシール104を適当な輻射エネルギー222(ブロック矢印で表されている)で照射し、その手段として、フリット付きカバーシート100を通して輻射エネルギー222を差し向ける。幾つかの実施形態では、輻射エネルギー222は、フリットシール104により吸収される波長を有するレーザビームであるのが良い。例えば、適当な波長を有するレーザビームをフリット付きカバーシート100上で移動させてフリットシール104を照射してこれを加熱する。
【0048】
フリットシール104を照射する適当な源及び方法は、加熱して融解されるべきフリット組成並びに封着されているガラスパッケージの特性(例えば、熱に敏感な有機材料がガラスパッケージの製造の際に用いられるかどうか)で決まる。フリットシール104に差し向けられた輻射エネルギーは、フリットシール104を加熱してこれを融解させる。フリットシール104が冷えると、フリットシール104は、カバーシート100を装置基材218及びエレクトロルミネッセント素子216から延びている電気リード215に結合し、それによりフリット付きカバーシート100を装置基材218に封着し、それにより気密封止ガラスパッケージ、例えば、この例ではディスプレイ装置220が構成される。
【0049】
図7A及び図7Bは、ディスプレイ装置、例えばOLEDディスプレイの形成の仕方を示しているが、理解されるべきこととして、本発明において説明したように形成されたフリットシールを備えたフリット付きカバーシートを用いると他形式のガラスパッケージを封止することができる。このようなガラスパッケージとしては、例えば、フリット付きカバーシートで封止された装置基材を有する光起電力装置及び同様に構成されたガラスパッケージが挙げられる。
【0050】
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において説明した実施形態の種々の改造例及び変形例を想到できる。かくして、本発明は、このような改造例及び変形例が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属することを条件として、本明細書において説明した実施形態の改造例及び変形例を含むものである。
【技術分野】
【0001】
本明細書の要旨は、一般に、ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシート、特に、フリット付きカバーシートを形成する方法及びフリット付きカバーシートを有するガラスパッケージを形成する方法である。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年7月17日に出願された米国特許出願第61/226,342号明細書の権益主張出願である。この米国特許出願の内容及びこの米国特許出願に記載されている刊行物を含む非特許文献及び特許文献の開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
米国特許第6,998,776号明細書は、放射線吸収ガラスフリットを用いてガラスパッケージをフリット封止する方法を開示している。一般に米国特許第6,998,776号明細書に記載されているように、ガラスフリットを、第1のガラス基材上に閉じられた線をなして(典型的には、額縁の形で)被着して加熱し、それによりフリットを予備焼結する。次に、第1のガラス基材をフリットが第1の基材と第2の基材との間に位置した状態で第2のガラス基材の頂部に載せる。次いで、レーザビームをフリット上で(典型的には、基材のうちの一方又は両方を通って)移動させてフリットを加熱してこれを融解し、基材相互間に気密シールを形成する。
【0004】
このようなガラスパッケージは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置の製造の際に使用される。例示のOLEDディスプレイ装置は、第1の電極材料が被着されたガラス基材、有機エレクトロルミネッセント材料の1つ又は2つ以上の層及び第2の電極材料を有する。有機エレクトロルミネッセント材料の一特徴は、これが水分と酸化の両方の影響を受けやすく、かくして、有機エレクトロルミネッセント材料の劣化を阻止するために有機エレクトロルミネッセント材料を2枚のガラス基材相互間に気密封止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,998,776号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
OLEDディスプレイ装置は、広汎な商品に組み込まれているので、エレクトロルミネッセント材料の長期劣化を阻止するよう適当に封止されたOLEDディスプレイ装置を製造する能力がますます重要になっている。というのは、エレクトロルミネッセント材料の劣化は、OLED装置が組み込まれている商品の機能発揮を損なう場合が多いからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、フリット付きカバーシートを形成する方法が、基材を用意するステップと、最初のフリットビードを基材に被着させるステップとを有する。しかる後、少なくとも1つの追加のフリットビードを基材に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより基材上にフリットシールを形成するようにする。
【0008】
別の実施形態では、ガラスパッケージを形成する方法が、第1の基材及び第2の基材を用意するステップと、第1の基材に最初のフリットビードを被着させるステップとを有するのが良い。次に、第1の基材に第2のフリットビードを被着させて第2のフリットビードの底部が最初のフリットビードの底部に接触して第1の基材上にフレーム状フリットシールを形成するようにするのが良い。次に、フリットシールが第1の基材と第2の基材との間に配置されるよう第1の基材を第2の基材上に位置決めするのが良い。次に、第1のシールを加熱して第1の基材と第2の基材との間にシールを形成するのが良い。
【0009】
別の実施形態では、ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートが、基材に被着された第1のシールを有する。フリットシールは、基材上の封止領域を包囲するのが良い。フリットシールは、1対のテーパした側壁相互間に延びる頂面を有するのが良い。フリットシールの頂面は、少なくとも3つの一次フリット山部を有するのが良い。隣り合う一次フリット山部相互間の間隔は、約1mm以下であるのが良い。
【0010】
追加の特徴及び利点は、次の詳細な説明に記載され、一部は、この説明から当業者には容易に明らかであり又は以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付の図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することにより認識されよう。
【0011】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び特性を理解するための概観又は枠組みを提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を可能にするために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部をなしている。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を記載しており、説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】基材に被着されたフリットシールを有するガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートを示す図である。
【図2A】本明細書において説明する一実施形態としての図1のフリットシールの一部分の拡大図であり、多数のフリットビードを基材に被着させて各フリットビードの底部が隣接のフリット底部の縁部に当接するようにすることによりフリットシールが形成された状態を示す図である。
【図2B】図2Aのフリットシールの断面図であり、図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての隣り合うフリットビードの相対的な向きを示す図である。
【図3A】テーパした形態を有するフリットビードの一実施形態の断面図である。
【図3B】テーパした形態を有するフリットビードの別の実施形態の断面図である。
【図4A】本明細書において説明する一実施形態としての図1のフリットシールの一部分の拡大図であり、多数のフリットビードを透明な基材に被着させて各フリットビードの底部の一部分が隣接のフリットビードの底部の一部分とオーバーラップするようにすることによりフリットシールが形成されている状態を示す図である。
【図4B】図4Aのフリットシールの断面図であり、図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての隣り合うフリットビードの相対的な向きを示す図である。
【図4C】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての図4Aのフリットシールの断面図である。
【図5】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としての図1の第1のシールの湾曲部分の拡大図であり、隣り合うフリットビードを中心線半径が増大した状態で被着させて図1のフリットシールの湾曲部分を形成している状態を示す図である。
【図6】図示すると共に本明細書において説明する1つ又は2つ以上の実施形態に従って形成されたフリットシールの複数の断面輪郭形状のグラフ図である。
【図7A】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としてのフリット付きカバーシートがエレクトロルミネッセント素子を有する基材上に位置決めされると共にこれに封着されてディスプレイ装置が形成されている状態を示す図である。
【図7B】図示すると共に本明細書において説明する一実施形態としてのフリット付きカバーシートがエレクトロルミネッセント素子を有する基材上に位置決めされると共にこれに封着されてディスプレイ装置が形成されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、ガラスパッケージを封止する際に用いられるフリット付きカバーシートの種々の実施形態を詳細に参照する。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号は、同一又は類似の部分を示すために図面全体を通じて用いられる。フリット付きカバーシートの一実施形態が図1に示されており、このフリット付きカバーシートは、全体が参照符号100で示されている。フリット付きカバーシートは、主要構成要素として、透明な基材及びフリットシールを有するのが良い。本明細書において、フリット付きカバーシート、フリット付きカバーシートの形成方法及びフリット付きカバーシートを用いてガラスパッケージ、例えばディスプレイ装置又は類似のガラスパッケージを封止する方法について詳細に説明する。
【0014】
図1を参照すると、一実施形態としてのフリット付きカバーシート100が示されている。フリット付きカバーシート100は、主要構成要素として、透明な基材102を有し、この基材102のフリット塗布面106にフリットシール104が被着されている。基材102に関して本明細書で用いられる「透明」という用語は、次の封止作業においてフリット付きカバーシート100に加えられる輻射エネルギーの特定の波長に関し、少なくとも約90%の透過率を有する基材を意味している。例えば、一実施形態では、基材102は、フリットシール104を加熱するために用いられる約750nm〜約950nmの輻射エネルギーの波長について少なくとも約90%の透過率を有する。本明細書において説明する実施形態では、基材102は、例えばコーニング・インコーポレイテッド(Corning, Inc.)により製造されたEAGLE XG(商標)ガラス又は適当な透過率を有する類似のガラス材料で作られたガラス基材であるのが良い。透明な基材102は、主要構成要素として、裏面(図示せず)と反対側に位置決めされたフリット塗布面106を有するのが良い。
【0015】
図1をさらに参照すると、第1のシール104は、基材102のフリット塗布面106上に位置決めされるのが良い。フリットシール104は、フリットシール104が一般に、連続した回路を形成するようそれ自体閉じた線又はバンドの形態をしているフレーム状の形状又はパターンを有し、それにより基材102のフリット塗布面106上の封止領域周りに周囲を定めるよう被着されるのが良い。図1に示されているように、フリットシール104は、フレーム状形状が湾曲した又は丸いコーナー部を有するようフリット塗布面106上に位置決めされるのが良い。図示すると共に本明細書において説明する実施形態では、フリットシール104は、0.5mmを超えるのが良い幅WFS及び約12ミクロン〜約20ミクロンの高さを有する。しかしながら、本明細書において説明する被着方法を用いて幅が0.5mm未満、高さが20ミクロンを超え又は12ミクロン未満であるフリットシールを形成できることは理解されるべきである。
【0016】
一実施形態では、第1のシール104は、ペーストとして被着されるガラスを主成分とするフリット材料である。ペーストは、一般に、ガラス粉末、結合剤(通常、有機)及び/又は揮発性液体ビークル、例えば溶剤を含むのがよい。一実施形態では、フリットシール104は、次の封止作業においてフリットシール104に加えられる輻射エネルギーの波長にマッチし又は実質的にマッチした輻射エネルギーの所定の波長で実質的に光吸収断面を有する耐寒性ガラスフリットで作られている。例えば、ガラスフリットは、鉄、銅、バナジウム、ネオジウム及びこれらの組み合わせを含む群から選択された1種類又は2種類以上の輻射エネルギー吸収イオンを含むのが良い。また、ガラスフリットのCTEがフリット付きカバーシートを後で封着する透明な基材と装置基材の両方のCTEに一層厳密に一致するようにガラスフリットにはガラスフリットの熱膨張率(CTE)を変える充填剤(例えば、反転充填剤又は添加充填剤)をドープするのが良い。理解されるように、ガラスフリットの種々の組成を用いてフリットシールを作っても良い。例えば、適当なフリット組成の幾つかの非限定的な例が米国特許第6,998,776号明細書(発明の名称“Glass Package that is Hermetically Sealed with a Frit and Method of Fabrication”)に開示されており、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0017】
フリットペーストは、押し出し型アプリケータがフリットペーストのビードをノズルを通って基材102上に小出しすることによりフリットシール104を形成するよう基材102に被着されるのが良い。結果的に得られるフリットビードの形状は、一般に、フリットペーストを基材上に小出しするために用いられるノズルのサイズで決まる。例えば、0.6mmの幅WFBを有するフリットビードを被着させるためには、約0.55mmの直径を有するノズルを用いるのが良い。しかしながら、これよりも小さな又は大きなノズルを用いても所望の幅を有するフリットビードを被着させることができることは理解されよう。所望の寸法及びパターンを備えたフリットシールを達成するため、アプリケータは、コンピュータ制御位置決めシステム、例えばロボットアーム又は計算機数値制御(CNC)位置決めシステムに結合されるのが良く、このようなコンピュータ制御位置決めシステムは、フリットペーストをアプリケータから小出ししているときにアプリケータを基材上で操作する。コンピュータ制御位置決めシステムは、アプリケータを所望のパターンのフリットビードの被着を容易にする所定のパターンで巧みに操るようプログラムされるのが良い。
【0018】
図示すると共に本明細書において説明する実施形態では、フリットシール104は、複数個の個々のフリットビードを所望のパターン(例えば、フレーム状パターン又は類似のパターン)で基材102に被着させて各フリットビードが隣接のフリットビードに接触すると共に/或いはこれとオーバーラップし、それにより所望幅のフリットシール104を形成することによって基材102上に形成されるのが良い。例えば、幅WFSを有するフリットシール104を形成するためには、幅WFB<WFSを有する最初のフリットビードを基材102に被着させるのが良い。しかる後、幅WFB<WFSを有する少なくとも1つの追加のフリットビードを基材102に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードが隣接のフリットビードの底部に当接し又はこれとオーバーラップし、それにより所望幅WFSを有するフリットシール104を形成するようにするのが良い。
【0019】
次に図1並びに図2A及び図2Bを参照すると、フリット付きカバーシート100を形成する方法の一実施形態が図示されている。この実施形態では、複数個のフリットビード108a,108bを基材102のフリット塗布面106に被着させて所望の幅を有するフリットシール104aを形成するのが良い。この方法の基本的原理を説明するため、フリットビード108a,108bは、理想化された長方形断面を有するものとして示されており、その結果、フリットビード108a,108bは各々、頂面132a,132bに平行な底部130a,130b及び互いに平行な側部134a,136a及び134b,136bを有するようになっている。各フリットビード108a,108bの底部130a,130bは、一般に幅WFBを有し、幅WFBは、この実施形態では、対応の頂面132a,132bの幅でもある。
【0020】
第1のフリットビード108aは、アプリケータをフリットペーストがアプリケータのノズルから小出しされているときに所定のパターンをなしてフリット塗布面106上で移動させることにより基材102のフリット塗布面106に被着されるのが良い。例えば、本明細書において説明する実施形態では、所望のパターンは、図1に示されているように湾曲した又は丸いコーナー部を備えた長方形のフレーム状パターンである。しかる後、第2のフリットビード108bを第1のフリットビード108aと同様な仕方で基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良い。第2のフリットビード108bは、先行するフリットビード(即ち、第1のフリットビード108a)に隣接して被着されて第2のフリットビード108bの側壁134bが第1のフリットビード108aの側壁136aに直に接触すると共にこれに当接するようにするのが良い。したがって、この実施形態では、第2のフリットビード108bの少なくとも底部130bは、第1のフリットビード108aの対応の底部130aに接触し、その結果、第1のフリットビード108aと第2のフリットビード108bは、一緒になって、フリットシール104aを形成し、従って、フリットシール104aが幅WFS=2・WFBを有するようになっている。
【0021】
種々の幅WFBの2つ又は3つ以上のフリットビードを被着させると所望の幅WFSを有するフリットシールを形成することができることは理解されるべきである。例えば、1.2mmの幅WFSを有するフリットシール104aが望ましい場合、各々の幅が0.6mmの第1及び第2のフリットビード108a,108bを本明細書において説明するように基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良く、その結果、フリットシール104aは、1.2mmの幅を有するようになる。1.5mmの幅を有するフリット幅が望ましい場合、各々の幅が0.5mmの3つのフリットビードを被着させて所望の幅を有するフリットシールを形成するのが良い。したがって、本明細書において説明した仕方で小さな幅の2つ又は3つ以上のフリットビードを被着させることにより所望の幅をもつフリットシールを形成できることは理解されるべきである。
【0022】
本明細書において注目されるように、図2Bに示されたフリットビード108a,108bは、理想化された長方形断面を有している。しかしながら、他の実施形態では、アプリケータにより小出しされるフリットビードは、テーパした形状を有しても良く、それにより、連続して位置するフリットビードが互いに接触すると共にオーバーラップして所望の幅を有するフリットシールを形成することが必要である。
【0023】
例えば、図3A及び図3Bを参照すると、2つの実施形態としてのフリットビード302,330の断面が示されており、この場合、フリットビード302,330は、テーパした形態を有している。一実施形態では、アプリケータにより小出しされたフリットビード302は、頂面310に向かってテーパしている側壁306,308を備えた底部304を有するのが良い。したがって、頂面310は、底部304よりも幅が狭いことは理解されるべきである。図3Aに示された実施形態としてのフリットビード302では、側壁306,308は、丸いコーナー部で頂面310に移行している。図3Bに示された変形実施形態では、フリットビード330は、弓形頂面320に向かってテーパしている側壁306,308を備えた底部304を有している。したがって、アプリケータにより小出しされたフリットビードは、底部から頂面に向かってテーパしている側壁を備えたテーパ形態を有するのが良いことは理解されよう。いずれの実施形態においても、フリットビードの幅WFBは、フリットビードの底部の幅である。
【0024】
次に図1、図4A及び図4Bを参照すると、テーパした形態を有する複数個のフリットビードからフリットシール104bを形成するため、各フリットビードを基材102のフリット塗布面106に被着させて各フリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触してこれとオーバーラップするようにするのが良い。例えば、図4A及び図4Bを参照すると、フリットシール104bが3つの互いにオーバーラップしたフリットビード109a,109b,109cで作られている一実施形態としてのフリットシール104bが示されている。図4Aに示されているように、各フリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部とオーバーラップしている。互いにオーバーラップしているフリットビードの各々は、幅WFBを有すると共に説明の目的上、台形として示されているテーパした断面形状を有している。
【0025】
上述したようにフリットペーストをアプリケータのノズルから小出ししているときにアプリケータを所定のパターンでフリット塗布面106上で移動させることにより最初のフリットビード109aを基材102のフリット塗布面106に被着させるのが良い。しかる後、少なくとも1つの追加のフリットビードをフリット塗布面106に被着させて少なくとも1つの追加のフリットビードが隣接のフリットビードの底部に接触すると共にこれとオーバーラップするようにする。この例では、第2のフリットビード109bを基材102のフリット塗布面106に被着させて第2のフリットビード109bの底部114bが第1のフリットビード109aの底部114aとOLで示されている量だけオーバーラップするようにする。フリットビード109a,109bのテーパした形態に起因して、説明の目的で図4Bに示されているフリットビード109a,109b相互間のオーバーラップ領域111のガラスフリット材料は、実際に、フリットビード109aの頂面116aとフリットビード109bの頂面116bとの間の領域112に被着され、それにより、第1のフリットビード109aと第2のフリットビード109bとの間に連続した頂面が形成されている。
【0026】
しかる後、第3のフリットビード109cを被着させて第3のフリットビード109cの底部114cが第2のフリットビード109bの底部114bに接触すると共にこれとオーバーラップし、それにより、第3のフリットビード109cと第2のフリットビード109bと第1のフリットビード109aとの間に連続した頂面が形成されるようにするのが良い。この方法は、追加のフリットビードを同様な仕方で被着させ、ついには、フリットシール104bが図4Cに示されているように所望の幅WFSを備えるようにすることにより繰り返されるのが良い。
【0027】
例えば、テーパした断面形状を有すると共に0.6mmの幅WFBを有する5つのフリットビードを被着させることにより2.6mmの幅WFSを有するフリットシールを形成することができる。フリットビードを各フリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触してこれと約0.1mmだけオーバーラップし、それにより2.6mmの幅WFSを有するフリットシールを形成するよう被着させることができる。
【0028】
図示すると共に本明細書において説明する長方形及びテーパした形態のフリットビードの両方の実施形態及び実施例では、フリットビードは、一般に、約1mm以下の幅FBを有するものとして説明され、このようなフリットビードで形成されたフリットシールは、約1mm以上の幅WFSを有する。さらに、オーバーラップが約1mm以下の幅を有するフリットビードと関連して用いられる場合、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップの量は、約0.05mm〜約0.5mmであるのが良い。しかしながら、理解されるべきこととして、これら幅及びオーバーラップ量は、例示であり、本明細書において説明するフリットシールを形成する技術を用いると約1mm以下の幅を有するフリットシールを形成することができ、フリットビードが互いにオーバーラップする場合、オーバーラップ量は、0.05mm未満であっても良く、或いは、約0.5mm以上であっても良い。さらに又、本明細書において説明するフリットシールを形成する技術を約1mm以上の幅を有するフリットビードと関連して用いることも可能であることは理解されるべきである。
【0029】
さらに、図示すると共に本明細書において説明する実施形態及び実施例は、実質的に同一幅の多数のフリットビードを被着させることによるフリットシールの形成に関するが、種々の幅の多数のフリットビードを本明細書において説明する技術の使用により適当な幅のフリットシールを形成するよう被着させることができるということは理解されるべきである。
【0030】
次に図1及び図5を参照すると、本明細書において説明する多パス被着技術を用いてフリットシールをフレーム状の形で被着させてフリットシールが図1に示されているように連続した回路を形成するようそれ自体閉じるようにすることができ、この場合、フリットシール104は、基材102のフリット塗布面106上に丸いコーナー部を備えたフレームを形成する。したがって、フリットシール104を少なくとも1つの湾曲した部分を有するパターンで被着させることができることは理解されよう。フレーム又はパターンの湾曲部分の所望のオーバーラップ(又はオーバーラップのない状態)を維持するため、連続して被着されたフリットビードの各々の曲率半径は、先に被着されたフリットビードとは異なっていても良い。図5を参照すると、フリットシール104bを形成するフリットビードの曲率半径は、フリットビードの中央のところに位置した線、例えば、中心線CL1,CL2,CL3の曲率半径を意味している。所望の曲率半径を有するフリットビードを形成するため、アプリケータをフリットペーストがアプリケータから小出しされているときに対応の中心線の曲率半径をもつ弧を描いて基材上を移動させる。
【0031】
フリットシール104bを基材の内側から基材の縁まで(例えば、フリットビード109aからフリットビード109cまで)形成する場合、連続して被着されたフリットビードの各々は、先のフリットビードの中心線曲率半径よりも大きいフレーム状パターンの湾曲部分の中心線曲率半径を有するのが良い。これとは逆に、フリットシール104bを基材の縁から基材の中央に向かって(例えば、フリットビード109cからフリットビード109aまで)形成する場合、連続して被着されたフリットビードの各々は、先のフリットビードの中心線曲率半径よりも大きい中心線曲率半径を有するのが良い。
【0032】
一実施形態では、フリットシール104bを形成するよう被着された各フリットビードの中心線曲率半径は、フリットビードを被着させているパターンの湾曲部分の内側半径(RI)、各フリットビードの幅(WFB)、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量(OL)及びフリットビードの被着パス回数(P)に基づいて定められる。
【0033】
例えば、3つの互いにオーバーラップしたフリットビード(即ち、P=3)を被着させることにより形成された図5に示されているフリットシール104bを参照すると、フリットシールの最も内側のフリットビード、特にフリットビード109aの中心線曲率半径R1は、次の方程式を用いて計算できる。
【数1】
(1).
【0034】
次のその隣りのフリットビード、即ちフリットビード109bの中心線曲率半径R2は、次のように書き表される。
【数2】
(2).
【0035】
次の隣りのフリットビード109cの中心線曲率半径R3は、次のように書き表される。
【数3】
(3).
【0036】
したがって、上記に基づいて、P個のフリットビードを有するフリットシール中のJ番目のフリットビードの中心線曲率半径RJは、次のように書き表される。
【数4】
(4),
上式において、Jは、1からPまでの整数である(即ち、1個のフリットビードから全ての数のフリットビード)。以下の表1は、内側曲率半径RIが1mmであり、全幅が1.6mmのフリットシールを形成するよう各々が0.6mmの幅WFB及び約0.1mmのオーバーラップ量OLを有する3つの連続して位置するフリットビードの各々の中心線曲率半径の計算値を示している。
【0037】
表1:中心線曲率半径の計算値
【0038】
別の実施形態では、フリットビードが被着されているコーナー部の内側半径(RI)、フリットシールの所望の幅(WFS)、隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量(OL)及びフリットシールを構成するフリットビードの個数(P)と関連して上記の方程式(4)を利用して各フリットビードの中心線曲率半径を求めることができる。この実施形態では、各フリットビードの幅WFBをフリットシールの幅WFS、フリットビードの個数P及びオーバーラップ量OLに基づいて計算することができ、従って、次の通りである。
WFB=(WFS/P)+OL{(P−1)/P)} (5)
【0039】
WFBの計算値を方程式(4)に代入し、各フリットビードの中心線曲率半径をJ個のフリットビードの各々について計算することができ、この場合、Jは、1からPまでの整数である。
【0040】
変形例として、フリットビード幅は既知であるが、フリットシールの全幅が未知である場合、方程式(5)は、次のように書き直せる。
【数5】
(6).
方程式(6)を用いて、結果として得られるフリットビードの幅を被着されたフリットビードの幅、個数及びオーバーラップ量に基づいて求めることができる。
【0041】
中心線曲率半径を最終的にフリットシール104bを形成するフリットビードのパターン中の各フリットビードについて計算によりいったん求めると、選択したオーバーラップ量OL及び中心線曲率半径の計算値を用いてフリットビードの各々を基材のフリット塗布面に被着させるのが良く、それにより所望の幅WFSを備えた第1のシール104bが形成される。
【0042】
次に図6を参照すると、本明細書において説明する一実施形態に従って形成されたフリットシールの複数個の断面についてフリット幅とフリット高さの関係のグラフ図が示されている。各々が0.6mmの幅を有する5つのフリットビードを被着させることにより透明な基材上に形成された1.6mmフリットシールから輪郭形状に関する測定値を取った。隣り合うフリットビード相互間のオーバーラップ量は、0.1mmであった。フリットシールの互いに異なる断面スライスの輪郭形状をWerth Fixed Bridge Inspector(登録商標)FQ多センサ座標測定機械で計測した。
【0043】
図6に示されているように、フリットシールの頂面は、全体として高さ(例えば、山部の先端部からその隣りの谷部の底まで)約10ミクロン以下の一連の山部と谷部を有するのが良く、従って、フリットシールの頂面は、一般に、フリットシールの幅全体にわたり約±5ミクロンのばらつきを有するようになる。山部は、2つのカテゴリにグループ分け可能である。山部の第1のカテゴリは、フリットシールを構成するフリットビードの外側縁部(例えば、フリットシールの外側縁部)と内側縁部(例えば、隣り合うフリットビードの交差部又はオーバーラップ)の両方のところに形成された一次フリット山部又はピーク402である。一実施形態では、本明細書において説明する技術に従って形成されたフリットシールは、一般に、少なくとも3つの一次フリット山部を有する(即ち、フリットシールは、少なくとも2つのフリットビードを被着させることにより形成される)。山部の第2のカテゴリは、一次フリット山部402相互間に形成される二次山部404である。二次フリット山部404は、一般に高さと幅の両方が一次フリット山部402よりも小さい。
【0044】
隣り合う一次フリット山部402相互間の間隔406を減少させることにより、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着される装置基材との機械的接触具合を向上させることができる。機械的接触具合の向上により、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着された装置基材との熱的結合度が向上し、その結果、封止中に生じる熱が均一に消散する。さらに又、フリットシールとフリット付きカバーシートが封着される装置基材との機械的結合により、フリット付きカバーシートを装置基材に封着するのに必要な力の大きさは減少する。熱的結合の向上と封止力の減少は、封止される装置基材が、過度の熱及び/又は大きい封止力がエレクトロルミネッセント材料、エレクトロルミネッセント材料に結合されたリード及び/又は他の回路を損傷させる場合のあるディスプレイ装置、例えばOLEDディスプレイに用いられる場合に特に重要である。隣り合う一次フリット山部402相互間の間隔406の減少は、被着されたフリットビードの幅を減少させることによって達成できる。
【0045】
したがって、一実施形態では、本明細書において説明する方法を利用すると、形成されたフリットシールとフリット付きカバーシートが封着された装置基材との機械的接触具合を向上させることができる。所望の機械的及び熱的性質を備えたフリットシールが本明細書において説明した技術を用いて1mm未満の幅を有する複数個のフリットビードを被着させることにより形成でき、その結果、フリットシールの頂面上の隣り合う一次フリット山部相互間の間隔が約1mm以下になる。
【0046】
次に図7A及び図7Bを参照すると、本明細書において説明したように形成されたフリット付きカバーシートを用いて装置基材を封止し、それによりガラスパッケージを形成することができる。図7A及び図7Bに示された実施形態では、フリット付きカバーシート100は、エレクトロルミネッセント素子216及び少なくとも1本の電気リード215が設けられた装置基材218を封止して、ガラスパッケージを形成するよう使用されており、なお、ガラスパッケージは、この実施形態ではディスプレイ装置220である。例えば、エレクトロルミネッセント素子は、OLEDであるのが良い。
【0047】
まず最初に、フリット付きカバーシート100を装置基材218上に位置決めしてエレクトロルミネッセント素子216がフリット付きカバーシート100のフリット塗布面106と装置基材218との間に位置決めされるようにする。フリット付きカバーシート100がこの位置にある状態で、エレクトロルミネッセント素子216をフリットシール104により画定された周囲又はフレーム内に位置決めする。電気リード215は、フリットシール104の下に延びるのが良い。しかる後、フリットシール104を適当な輻射エネルギー222(ブロック矢印で表されている)で照射し、その手段として、フリット付きカバーシート100を通して輻射エネルギー222を差し向ける。幾つかの実施形態では、輻射エネルギー222は、フリットシール104により吸収される波長を有するレーザビームであるのが良い。例えば、適当な波長を有するレーザビームをフリット付きカバーシート100上で移動させてフリットシール104を照射してこれを加熱する。
【0048】
フリットシール104を照射する適当な源及び方法は、加熱して融解されるべきフリット組成並びに封着されているガラスパッケージの特性(例えば、熱に敏感な有機材料がガラスパッケージの製造の際に用いられるかどうか)で決まる。フリットシール104に差し向けられた輻射エネルギーは、フリットシール104を加熱してこれを融解させる。フリットシール104が冷えると、フリットシール104は、カバーシート100を装置基材218及びエレクトロルミネッセント素子216から延びている電気リード215に結合し、それによりフリット付きカバーシート100を装置基材218に封着し、それにより気密封止ガラスパッケージ、例えば、この例ではディスプレイ装置220が構成される。
【0049】
図7A及び図7Bは、ディスプレイ装置、例えばOLEDディスプレイの形成の仕方を示しているが、理解されるべきこととして、本発明において説明したように形成されたフリットシールを備えたフリット付きカバーシートを用いると他形式のガラスパッケージを封止することができる。このようなガラスパッケージとしては、例えば、フリット付きカバーシートで封止された装置基材を有する光起電力装置及び同様に構成されたガラスパッケージが挙げられる。
【0050】
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において説明した実施形態の種々の改造例及び変形例を想到できる。かくして、本発明は、このような改造例及び変形例が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属することを条件として、本明細書において説明した実施形態の改造例及び変形例を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリット付きカバーシートを形成する方法であって、
基材を用意するステップと、
最初のフリットビードを前記基材に被着させるステップと、
少なくとも1つの追加のフリットビードを前記基材に被着させて前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより前記基材上にフリットシールを形成するようにするステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記最初のフリットビードの幅は、約1mm以下であり、前記少なくとも1つの追加のフリットビードの幅は、約1mm以下である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記フリットシールの幅は、少なくとも1mmである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記最初のフリットビードの頂面及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの頂面は、±5.0ミクロン未満のばらつきを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、断面が実質的に長方形である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、テーパした形態を有し、
少なくとも1つの追加のフリットビードを被着させる前記ステップは、前記少なくとも1つの追加のフリットビードを該少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部とオーバーラップするよう被着させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの追加のフリットビードの前記底部は、隣接のフリットビードの底部と少なくとも約0.05mmだけオーバーラップする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記フリットシールは、少なくとも3つの一次フリットピークを有し、隣り合う一次フリットピーク相互間の間隔は、約1mm以下である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記フリットシールは、湾曲部分を含むパターンをなして形成される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記パターンの前記湾曲部分の前記フリットシールの内側曲率半径を選択するステップと、
フリットビード幅を選択するステップと、
オーバーラップ量を選択するステップと、
前記パターンの前記湾曲部分における前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの中心線半径を前記内側曲率半径、前記フリットビード幅及び前記オーバーラップ量に基づいて計算するステップと、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードを前記選択されたフリットビード幅及び前記計算された中心線半径で被着させることにより前記パターンの前記湾曲部分を形成するステップとを更に有する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
フリットシール幅を選択するステップを有し、
フリットビード被着パス回数を選択するステップを有し、前記フリットビード被着パスの前記回数は、少なくとも2であり、
前記パターンの前記湾曲部分における前記フリットシールの内側曲率半径を選択するステップを有し、
オーバーラップ量を選択するステップを有し、
前記パターンの前記湾曲部分における前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードのフリットビード幅を前記内側曲率半径、前記フリットシールの全体幅、前記フリットビードの被着パス回数及び前記オーバーラップ量に基づいて計算するステップを有し、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの中心線半径を前記計算されたフリットビード幅及び前記選択された内側曲率半径に基づいて計算するステップを有し、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードを前記計算された中心線半径で被着させることにより前記パターンの前記湾曲部分を形成するステップを有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
ガラスパッケージを形成する方法であって、
第1の基材及び第2の基材を用意するステップと、
前記第1の基材に最初のフリットビードを被着させるステップと、
前記第1の基材に第2のフリットビードを被着させて前記第2のフリットビードの底部が前記最初のフリットビードの底部に接触して前記第1の基材上にフレーム状フリットシールを形成するようにするステップと、
前記フリットシールが前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置されるよう前記第1の基材を前記第2の基材上に位置決めするステップと、
前記第1のシールを加熱して前記第1の基材と前記第2の基材との間にシールを形成するステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、テーパした形態を有し、
少なくとも1つの追加のフリットビードを被着させる前記ステップは、前記少なくとも1つの追加のフリットビードを該少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部とオーバーラップするよう被着させるステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第2のフリットビードと前記最初のフリットビードとの間のオーバーラップ量は、少なくとも約0.05mmである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記フリットシールは、約1mmを超える幅を有する、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記フリットシールを加熱する前記ステップは、輻射エネルギーを前記第1の基材を通って前記フリットシールに差し向けるステップを含み、前記第1の基材は、前記第1のシールに差し向けられた輻射エネルギーの少なくとも1つの波長に対して実質的に透明である、請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記第2の基材は、少なくとも1つのエレクトロルミネッセント素子を含み、前記第1の基材を前記第2の基材上に位置決めすると、前記エレクトロルミネッセント素子は、前記フレーム状フリットシールにより画定された領域内に位置決めされる、請求項12記載の方法。
【請求項18】
ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートであって、前記フリット付きカバーシートは、基材に被着された第1のシールを有し、
前記フリットシールは、前記基材上の封止領域を包囲し、
前記フリットシールは、少なくとも3つの一次フリット山部を備えた頂面を有し、隣り合う一次フリット山部相互間の間隔は、約1mm以下である、フリット付きカバーシート。
【請求項19】
前記フリットシールは、
最初のフリットビードと、
前記基材上に位置決めされた少なくとも1つの追加のフリットビードとから成り、前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより前記基材上に前記フリットシールを形成するようになっている、請求項18記載のフリット付きカバーシート。
【請求項20】
前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部と少なくとも0.05mmだけオーバーラップしている、請求項19記載のフリット付きカバーシート。
【請求項1】
フリット付きカバーシートを形成する方法であって、
基材を用意するステップと、
最初のフリットビードを前記基材に被着させるステップと、
少なくとも1つの追加のフリットビードを前記基材に被着させて前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより前記基材上にフリットシールを形成するようにするステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記最初のフリットビードの幅は、約1mm以下であり、前記少なくとも1つの追加のフリットビードの幅は、約1mm以下である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記フリットシールの幅は、少なくとも1mmである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記最初のフリットビードの頂面及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの頂面は、±5.0ミクロン未満のばらつきを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、断面が実質的に長方形である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、テーパした形態を有し、
少なくとも1つの追加のフリットビードを被着させる前記ステップは、前記少なくとも1つの追加のフリットビードを該少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部とオーバーラップするよう被着させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの追加のフリットビードの前記底部は、隣接のフリットビードの底部と少なくとも約0.05mmだけオーバーラップする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記フリットシールは、少なくとも3つの一次フリットピークを有し、隣り合う一次フリットピーク相互間の間隔は、約1mm以下である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記フリットシールは、湾曲部分を含むパターンをなして形成される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記パターンの前記湾曲部分の前記フリットシールの内側曲率半径を選択するステップと、
フリットビード幅を選択するステップと、
オーバーラップ量を選択するステップと、
前記パターンの前記湾曲部分における前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの中心線半径を前記内側曲率半径、前記フリットビード幅及び前記オーバーラップ量に基づいて計算するステップと、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードを前記選択されたフリットビード幅及び前記計算された中心線半径で被着させることにより前記パターンの前記湾曲部分を形成するステップとを更に有する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
フリットシール幅を選択するステップを有し、
フリットビード被着パス回数を選択するステップを有し、前記フリットビード被着パスの前記回数は、少なくとも2であり、
前記パターンの前記湾曲部分における前記フリットシールの内側曲率半径を選択するステップを有し、
オーバーラップ量を選択するステップを有し、
前記パターンの前記湾曲部分における前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードのフリットビード幅を前記内側曲率半径、前記フリットシールの全体幅、前記フリットビードの被着パス回数及び前記オーバーラップ量に基づいて計算するステップを有し、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードの中心線半径を前記計算されたフリットビード幅及び前記選択された内側曲率半径に基づいて計算するステップを有し、
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードを前記計算された中心線半径で被着させることにより前記パターンの前記湾曲部分を形成するステップを有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
ガラスパッケージを形成する方法であって、
第1の基材及び第2の基材を用意するステップと、
前記第1の基材に最初のフリットビードを被着させるステップと、
前記第1の基材に第2のフリットビードを被着させて前記第2のフリットビードの底部が前記最初のフリットビードの底部に接触して前記第1の基材上にフレーム状フリットシールを形成するようにするステップと、
前記フリットシールが前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置されるよう前記第1の基材を前記第2の基材上に位置決めするステップと、
前記第1のシールを加熱して前記第1の基材と前記第2の基材との間にシールを形成するステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記最初のフリットビード及び前記少なくとも1つの追加のフリットビードは、テーパした形態を有し、
少なくとも1つの追加のフリットビードを被着させる前記ステップは、前記少なくとも1つの追加のフリットビードを該少なくとも1つの追加のフリットビードの底部が隣接のフリットビードの底部とオーバーラップするよう被着させるステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第2のフリットビードと前記最初のフリットビードとの間のオーバーラップ量は、少なくとも約0.05mmである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記フリットシールは、約1mmを超える幅を有する、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記フリットシールを加熱する前記ステップは、輻射エネルギーを前記第1の基材を通って前記フリットシールに差し向けるステップを含み、前記第1の基材は、前記第1のシールに差し向けられた輻射エネルギーの少なくとも1つの波長に対して実質的に透明である、請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記第2の基材は、少なくとも1つのエレクトロルミネッセント素子を含み、前記第1の基材を前記第2の基材上に位置決めすると、前記エレクトロルミネッセント素子は、前記フレーム状フリットシールにより画定された領域内に位置決めされる、請求項12記載の方法。
【請求項18】
ガラスパッケージを封止するフリット付きカバーシートであって、前記フリット付きカバーシートは、基材に被着された第1のシールを有し、
前記フリットシールは、前記基材上の封止領域を包囲し、
前記フリットシールは、少なくとも3つの一次フリット山部を備えた頂面を有し、隣り合う一次フリット山部相互間の間隔は、約1mm以下である、フリット付きカバーシート。
【請求項19】
前記フリットシールは、
最初のフリットビードと、
前記基材上に位置決めされた少なくとも1つの追加のフリットビードとから成り、前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部に接触し、それにより前記基材上に前記フリットシールを形成するようになっている、請求項18記載のフリット付きカバーシート。
【請求項20】
前記少なくとも1つの追加のフリットビードの底部は、隣接のフリットビードの底部と少なくとも0.05mmだけオーバーラップしている、請求項19記載のフリット付きカバーシート。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2012−533505(P2012−533505A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520761(P2012−520761)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042058
【国際公開番号】WO2011/008909
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042058
【国際公開番号】WO2011/008909
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]