説明

キナゾリノン誘導体又はキノキサリン誘導体を有効成分として含む角結膜障害の予防又は治療剤

【課題】新たな角結膜障害の予防又は治療剤を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物又はその塩は、SAMP10を用いた薬理試験において、加齢に伴って発症する角膜障害等に対して優れた予防及び改善効果を発揮するので、ドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損などの角結膜障害の予防又は治療剤として有用である。一般式(I)の式中、


−A


を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する、ドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎などの角結膜障害の予防又は治療剤に関する。
【化1】

【0002】
[式中、A−A
【化2】

を示し、;
【0003】
Xは
【化3】

を示し、;
【0004】
Yは炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
Lは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基を示し、;
1aとR1bは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
【背景技術】
【0005】
角結膜は、眼の表面に位置し、外界とも接していることから外部環境に大きく影響され、障害を受けやすい組織である。角結膜障害は、涙液成分、涙液分泌等の異常により引き起こされる角結膜組織の障害であり、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎等が知られている。その中でも、ドライアイは、涙液の質的又は量的な異常、涙腺機能障害等による涙液分泌異常等により引き起こされる角結膜障害であるが、近年、潜在的な患者を含めて患者数が増加する傾向にあり、特に注目を集めている。現在、ドライアイ等の角結膜障害を対象疾患とした種々の薬剤が上市されているが、角結膜障害、特にドライアイは今後も患者数が増加することが予想され、より効果的な薬剤の開発が望まれている。
【0006】
一方、特許文献1〜4には、一般式(I)に表される化合物が記載されている。特許文献1には、一般式(I)に表される化合物である2−[3−{4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン、5−クロロ−2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オンなどが開示され、これらの化合物がoly(DP−Ibose)olymerase(以下、「PARP」ともいう)阻害作用を有することが示唆されている。また、特許文献2には、一般式(I)に表される化合物である2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミドなどが開示され、特許文献1と同様に、PARP阻害作用を有することが示唆されている。また、特許文献2記載の化合物がパーキンソン病など神経変性疾患に有用であることを記載している。
【0007】
非特許文献1には、パーキンソン病動物モデルにおいて、一般式(I)に表される化合物である2−[3−{4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オンがMPTP(1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)誘発性の黒質線条体のドーパミン性障害に対して保護効果を示したことが報告されている。同様に、非特許文献2にも、一般式(I)に表される化合物である2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミドがMETH(methamphetamine)誘発性の黒質線条体のドーパミン性障害に対して保護効果を示したことが報告されている。また、非特許文献3には、脳虚血/脳再灌流動物モデルにおいて、一般式(I)に表される化合物である5−クロロ−2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オンがNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の枯渇や虚血性の脳障害を抑制したことが報告されている。
【0008】
非特許文献4には、フィブロネクチン処理したウサギ角膜上皮細胞において、転写因子Sp1、Sp3のリン酸化状態の変化を介してPARP−1遺伝子発現が活性化されたことが報告され、該文献の著者は、角膜上皮創傷治癒の細胞増殖期において、PARP−1が何らかの重要な役割を果たしているのではないかと推察している。すなわち、この報告は、PARP−1が角膜上皮創傷治癒に有用であり得ることを示唆しており、少なくともPARP阻害作用の角結膜障害に対する有用性を示唆するものではない。
【0009】
このように、一般式(I)で表される化合物又はその塩について、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎等といった角結膜障害に対する薬理作用を検討する報告はなく、特に、ドライアイに対する予防、改善効果について検討する報告はない。
【特許文献1】国際公開02/48117号パンフレット
【特許文献2】国際公開03/007959号パンフレット
【特許文献3】国際公開03/055865号パンフレット
【特許文献4】国際公開03/063874号パンフレット
【非特許文献1】J. Pharmacol. Exp. Ther., 309, 1067-1078(2004)
【非特許文献2】J. Pharmacol. Exp. Ther., 310, 1114-1124(2004)
【非特許文献3】J. Pharmacol. Exp. Ther., 310, 425-436(2004)
【非特許文献4】Investigative Ophthalmology & Visual Science, 47, 4199-4210(2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、一般式(I)で表される化合物又はその塩に関して、新たな医薬用途を探索することは興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、一般式(I)で表される化合物又はその塩の新たな医薬用途を探索すべく鋭意研究を行ったところ、該化合物が、老化促進モデルマウス(Senescence−Accelerated Mouse)P10(以下、「SAMP10」ともいう)を用いた薬理試験において、加齢に伴って発症する角膜障害に対して優れた予防及び改善効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩(以下、これらを総称して「本化合物」ともいう)の少なくとも1つを有効成分とするドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎などの角結膜障害の予防又は治療剤である。
【化4】

【0013】
[式中、A−A
【化5】

を示し、;
【0014】
Xは
【化6】

を示し、;
【0015】
Yは炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
Lは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基を示し、;
1aとR1bは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
特許請求の範囲及び明細書中で使用される各基は、特許請求の範囲及び明細書全体を通して下記の意味を有するものとする。なお、原子も基の概念に含まれる。
【0016】
『ハロゲン原子』とはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示す。
【0017】
『アルキル』とは炭素原子数1〜6個の直鎖又は分枝のアルキルを示す。具体例としてメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル等が挙げられる。
【0018】
『アルコキシ』とは炭素原子数1〜6個の直鎖又は分枝のアルコキシを示す。具体例としてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ等が挙げられる。
【0019】
『アルキレン』とは炭素原子数1〜8個の直鎖又は分枝のアルキレンを示し、好ましくは炭素原子数1〜6個の直鎖又は分枝のアルキレンを示し、より好ましくは炭素原子数1〜3の直鎖又は分枝のアルキレンを示す。具体例としてメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、メチルメチレン、エチルエチレン、ジメチルエチレン、プロピルエチレン、イソプロピルエチレン、メチルプロピレン等が挙げられる。
【0020】
『アルケニレン』とは炭素原子数2〜8個の直鎖又は分枝のアルケニレンを示し、好ましくは炭素原子数2〜6個の直鎖又は分枝のアルケニレンを示し、より好ましくは炭素原子数2〜4の直鎖又は分枝のアルケニレンを示す。具体例としてビニレン、プロペニレン、ヘキセニレン、ジメチルプロペニレン等が挙げられる。
【0021】
『シクロアルキレン』とは炭素原子数3〜9個のシクロアルキレンを示し、好ましくは炭素原子数3〜7個のシクロアルキレンを示し、より好ましくは炭素原子数3〜5個のシクロアルキレンを示す。具体例としてシクロプロピレン、シクロブチレン(1,2−シクロブチレン、1,3−シクロブチレン等)、シクロペンチレン(1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン等)、シクロヘキシレン(1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン等)等が挙げられる。
【0022】
『シクロアルケニレン』とは炭素原子数3〜9個のシクロアルケニレンを示し、好ましくは炭素原子数3〜7個のシクロアルケニレンを示し、より好ましくは炭素原子数3〜5個のシクロアルケニレンを示す。具体例としてシクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン(1,3−シクロペンタ−1−エニレン等)、シクロヘキセニレン(1,3−シクロヘキサ−1−エニレン等)等が挙げられる。
【0023】
本化合物に幾何異性体又は光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。
【0024】
また、本化合物は水和物又は溶媒和物の形態をとっていてもよい。さらに、本化合物に互変異性体又は多形体が存在する場合には、それらも本発明の範囲に含まれる。
【0025】
(a)本化合物における好ましい例として、一般式(I)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0026】
(a1)Lは単結合、アルキレン基又はシクロアルケニレン基を示し、;及び/又は
(a2)R1aとR1bは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;及び/又は
(a3)Rは水素原子又はハロゲン原子を示し、;及び/又は
(a4)Rは水素原子又はハロゲン原子を示す。
【0027】
すなわち、一般式(I)で表される化合物において、上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0028】
(b)本化合物におけるより好ましい例として、一般式(I)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0029】
(b1)Lは単結合、プロピレン基又はシクロペンテニレン基を示し、;及び/又は
(b2)R1aは水素原子、塩素原子又はアミノカルボニル基を示し、;及び/又は
(b3)R1bは水素原子を示し、;及び/又は
(b4)Rは塩素原子を示し、;及び/又は
(b5)Rは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す。
【0030】
すなわち、一般式(I)で表される化合物において、上記(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び(b5)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0031】
(c)本化合物におけるさらに好ましい例として、一般式(I)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0032】
(c1)Xは4−クロロフェニル基、4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−(4−フロオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−フェニルピペリジン−1−イル基、4−フェニルピペラジン−1−イル基、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル基、1,2,3,4,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル基又は2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル基を示し;及び/又は
(c2)Lは単結合、プロピレン基又は1,3−シクロペンタ−1−エニレン基を示し、;及び/又は
(c3)R1aは水素原子、塩素原子又はアミノカルボニル基を示し、;及び/又は
(c4)R1bは水素原子を示す。
【0033】
すなわち、一般式(I)で表される化合物において、上記(c1)、(c2)、(c3)及び(c4)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0034】
本化合物における最も好ましい例としては、
下記式(II)で示される8−クロロ−2−[3−{4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン(以下、「化合物A」ともいう)、
下記式(III)で示される2−[3−{4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン(以下、「化合物B」ともいう)、
下記式(IV)で示される5−クロロ−2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(V)で示される2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミド、
下記式(VI)で示される2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(VII)で示される2−{3−(4−フェニルピペリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(VIII)で示される2−{3−(4−フェニルピペラジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(IX)で示される2−{3−(1,2,3,4,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(X)で示される2−{3−(2,3,4,9−テトラヒドロ1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
下記式(XI)で示される3−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミド、又は、
下記式(XII)で示される8−クロロ−2−{3−(4−フェニルピペリジン−1−イル)シクロペンタ−1−エニル}キナゾリン−4(3H)−オン、並びに、それらの塩、
が挙げられる。
【化7】

【0035】
【化8】

【0036】
【化9】

【0037】
【化10】

【0038】
【化11】

【0039】
【化12】

【0040】
【化13】

【0041】
【化14】

【0042】
【化15】

【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
また、本発明の他の態様として、下記一般式(I’)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する角結膜障害の予防又は治療剤がある。
【化18】

【0046】
[式中、X’は
【化19】

を示し、;
【0047】
Y’は炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
’は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
’は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
(a’)一般式(I’)で表される化合物における好ましい例として、一般式(I’)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0048】
(a1’)R’は水素原子又は塩素原子を示し、;及び/又は
(a2’)R’は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す。
【0049】
すなわち、一般式(I’)で表される化合物において、上記(a1’)及び(a2’)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0050】
(b’)一般式(I’)で表される化合物におけるより好ましい例として、一般式(I’)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0051】
(b1’)X’は4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−(4−フロオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−フェニルピペリジン−1−イル基、4−フェニルピペラジン−1−イル基、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル基、1,2,3,4,9、10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル基又は2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル基を示し、;及び/又は
(b2’)R’は水素原子又は塩素原子を示す。
【0052】
すなわち、一般式(I’)で表される化合物において、上記(b1’)及び(b2’)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0053】
また、本発明の他の態様として、下記一般式(I”)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する角結膜障害の予防又は治療剤がある。
【化20】

【0054】
[式中、Y”は炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
”は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
”は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
(a”)一般式(I”)で表される化合物における好ましい例として、一般式(I”)で表される化合物において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0055】
(a1”)R”は水素原子又は塩素原子を示し、;及び/又は
(a2”)R”は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す。
【0056】
すなわち、一般式(I”)で表される化合物において、上記(a1”)及び(a2”)から選択される1又は2以上の組合せからなる化合物又はその塩。
【0057】
本化合物は、有機合成化学の分野における通常の方法に従って製造でき、WO02/48117、WO03/007959、WO03/055865又はWO03/063874に記載された方法に基づいても製造することができる。
【0058】
本化合物における『塩』とは、医薬として許容される塩であれば特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等の有機酸との塩等が挙げられる。
【0059】
本発明において、角結膜障害とは、涙液異常、代謝異常、外的傷害等といった種々の要因により角膜や結膜が障害を受けた状態にあるものをいい、例えばドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎などが挙げられる。また、本発明において、ドライアイとは、涙液減少症、眼乾燥症、乏涙症、シェーグレン症候群、乾性角結膜炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、涙腺機能不全、マイボーム腺機能不全、眼瞼炎、VDT(Visual Display Terminal)作業、手術、薬剤、外傷、コンタクトレンズ装用等に伴う角結膜障害、又は当該角結膜障害を伴う症状をいう。
【0060】
本化合物は、必要に応じて、医薬として許容される添加剤を加え、単独製剤又は配合製剤として汎用されている技術を用いて製剤化することができる。
【0061】
本発明の角結膜障害の予防又は治療剤は、経口でも、非経口(点眼、経皮等)でも投与することができる。投与剤型としては、点眼剤、眼軟膏、ゲル剤、皮膚軟膏、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等が挙げられる。これらは汎用されている技術を用いて製剤化することができる。例えば、点眼剤であれば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ−ト、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤等を必要に応じて用い製剤化することができる。pHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよいが、4〜8の範囲が好ましい。
【0062】
眼軟膏であれば、白色ワセリン、流動パラフィン等の汎用される基剤を用いて調製することができる。また、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤であれば、乳糖、結晶セルロ−ス、デンプン、植物油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロ−ス カルシウム、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、マクロゴ−ル、シリコン樹脂等のコ−ティング剤、ゼラチン皮膜等の皮膜剤などを必要に応じて加えればよい。
【0063】
本化合物の投与量は、剤型、投与すべき患者の症状の軽重、年令、体重、医師の判断等に応じて適宜変えることができるが、経口剤の場合、一般には、成人に対し1日あたり0.01〜5000mg、好ましくは0.1〜2500mg、より好ましくは0.5〜1000mgを1回又は数回に分けて投与することができる。また、点眼剤の場合には、0.000001〜10%(w/v)、好ましくは0.00001〜1%(w/v)、より好ましくは0.0001〜0.1%(w/v)の有効成分濃度のものを1日1回又は数回投与することができる。
【発明の効果】
【0064】
後述の薬理試験の項で詳述するように、SAMP10を用いて薬理試験を実施したところ、本化合物である化合物Aの塩酸塩(以下、「化合物A’」ともいう)及び化合物Bは、SAMP10の加齢に伴って発症する角膜障害に対して優れた予防及び改善効果を発揮することが示された。すなわち、本化合物は、ドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎などの角結膜障害の予防又は治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下に、実施例及び製剤例を示すが、これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0066】
[薬理試験]
平井、柴垣らの方法(特願2006−104913)に準じ、SAMP10を用いて、本化合物である化合物A’及び化合物Bの角膜障害に対する効果を評価した。なお、対照動物として、正常老化を示すマウスであるSAMR1を用いた。
【0067】
また、比較化合物として下記式(XIII)で表される2−(ジメチルアミノ)−N−(6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−2−イル)アセトアミド塩酸塩(以下、「PJ−34」ともいう)の効果を評価した。PJ−34はPARP阻害作用を有することが知られている(Biochem Biophys Res Commun. 2007 Jun 8;357(3):596-602)。
【化21】

【0068】
(実験方法)
SAMP10は加齢に伴って角膜障害を発症する。そこで、加齢変化が認められる22週齢時における雌性SAMP10の角膜障害の評価を行い、その後、化合物A’、化合物B、PJ−34又は基剤の投与を開始した。投与開始2週間後の24週齢時に各投与群について再度同評価を行った。同様に、22週齢時における雌性SAMR1の角膜障害の評価を行い、その後、上記基剤の投与を開始し、投与開始2週間後の24週齢時に再度同評価を行った。なお、SAMP10の各群の例数又はSAMR1の例数は、7匹(14眼)又は8匹(16眼)である。
【0069】
(投与方法)
化合物A’、化合物B又はPJ−34を以下のように投与した。
【0070】
化合物A’投与群:
1%(W/V)メチルセルロース水溶液(メチルセルロースを超純水に溶解させて調製)に化合物A’を1mg/mLの濃度で懸濁した溶液を、マウスの体重1gあたり5μLの割合で、雌性SAMP10に1日2回2週間反復経口投与した。
【0071】
化合物B投与群:
1%(W/V)メチルセルロース水溶液に化合物Bを1mg/mLの濃度で懸濁した懸濁液を、マウスの体重1gあたり5μLの割合で、雌性SAMP10に1日2回2週間反復経口投与した。
【0072】
PJ−34投与群:
1%(W/V)メチルセルロース水溶液にPJ−34を1mg/mLの濃度で溶解した懸濁液を、マウスの体重1gあたり5μLの割合で、雌性SAMP10に1日2回2週間反復経口投与した。
【0073】
なお、SAMP10基剤投与群及びSAMR1基剤投与群では、1%(W/V)メチルセルロース水溶液をマウスの体重1gあたり5μLの割合で、雌性SAMP10又は雌性SAMR1に1日2回2週間反復経口投与した。
【0074】
(評価方法)
経口投与開始2週間後、角膜の障害部分をフルオレセインにて染色した。角膜の上部、中間部及び下部のそれぞれについて、フルオレセインによる染色の程度(村上ら、新しい眼科(2004)21, 87-90)を下記の基準に従ってスコア判定し、[式1]に基づき、それらのスコアの合計の平均値から角膜障害の改善率を算出した。化合物A’投与群、化合物B投与群及びPJ−34投与群の改善率を表1に示す。なお、スコアの平均値は各7例又は各8例の平均である。
【0075】
(判定基準)
0:染色されていない。
【0076】
1:染色が疎であり、各点状の染色部分は離れている。
【0077】
2:染色が中程度であり、点状の染色部分の一部が隣接している。
【0078】
3:染色が密であり、各点状の染色部分は隣接している。
【0079】
なお、各スコア間に中間値として0.5を設けた。
【0080】
[式1]
改善率(%)=(A−A)/(A−A)×100
:SAMR1基剤投与群のスコア
:SAMP10基剤投与群のスコア
:SAMP10薬物投与群のスコア
【表1】

【0081】
(結果)
表1から明らかなように、化合物A’及び化合物Bにより、SAMP10の角膜障害をそれぞれ61.5%及び44.9%改善し、PJ−34より優れた改善率を示した。
【0082】
(考察)
上記のSAMP10を用いた薬理試験の結果から明らかなように、化合物A’及び化合物Bは角膜障害を顕著に改善した。特に、化合物A’及び化合物Bが、同じくPARP阻害作用を有するPJ−34と比較して明らかに優れた改善率を示すことは驚くべき結果である。すなわち、化合物A’及び化合物Bに代表される本化合物が、角膜障害に対して優れた改善効果を有することが示された。
【0083】
[製剤例]
製剤例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの製剤例にのみ限定されるものではない。
【0084】
処方例1 点眼剤
100ml中
化合物A 100mg
塩化ナトリウム 800mg
ポリソルベート80 適量
リン酸水素二ナトリウム 適量
リン酸二水素ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
【0085】
滅菌精製水に化合物A及びそれ以外の上記成分を加え、これらを十分に混合して点眼液を調製する。化合物Aの添加量を変えることにより、濃度が0.05%(W/V)、0.3%(W/V)、0.5%(W/V)又は1%(W/V)の点眼剤を調製できる。
【0086】
処方例2 眼軟膏
100g中
化合物B 0.3g
流動パラフィン 10.0g
白色ワセリン 適量
【0087】
均一に溶融した白色ワセリン及び流動パラフィンに、化合物Bを加え、これらを十分に混合して後に徐々に冷却することで眼軟膏を調製する。化合物Bの添加量を変えることにより、濃度が0.05%(W/W)、0.1%(W/W)、0.5%(W/W)又は1%(W/W)の眼軟膏を調製できる。
【0088】
処方例3 錠剤
100mg中
化合物A 1mg
乳糖 66.4mg
トウモロコシデンプン 20mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 6mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0089】
化合物A、乳糖を混合機中で混合し、その混合物にカルボキシメチルセルロースカルシウム及びヒドロキシプロピルセルロースを加えて造粒し、得られた顆粒を乾燥後整粒し、その整粒顆粒にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で打錠する。また、化合物Aの添加量を変えることにより、100mg中の含有量が0.1mg、10mg又は50mgの錠剤を調製できる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本化合物である化合物A’及び化合物Bは、加齢に伴って発症する角膜障害に対して優れた予防及び改善効果を発揮することが示された。すなわち、本化合物は、ドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎などの角結膜障害の予防又は治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する角結膜障害の予防又は治療剤。
【化1】

[式中、A−A
【化2】

を示し、;
Xは
【化3】

を示し、;
Yは炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
Lは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基を示し、;
1aとR1bは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、;
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
【請求項2】
一般式(I)において、
Lは単結合、アルキレン基又はシクロアルケニレン基を示し、;
1aとR1bは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
は水素原子又はハロゲン原子を示し、;
は水素原子又はハロゲン原子を示す、
請求項1記載の予防又は治療剤。
【請求項3】
一般式(I)において、
Lは単結合、プロピレン基又はシクロペンテニレン基を示し、;
1aは水素原子、塩素原子又はアミノカルボニル基を示し、;
1bは水素原子を示し、;
は塩素原子を示し、;
は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す、
請求項1記載の予防又は治療剤。
【請求項4】
一般式(I)において、
Xは4−クロロフェニル基、4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−(4−フロオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−フェニルピペリジン−1−イル基、4−フェニルピペラジン−1−イル基、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル基、1,2,3,4,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル基又は2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル基を示し、;
Lは単結合、プロピレン基又は1,3−シクロペンタ−1−エニレン基を示し、;
1aは水素原子、塩素原子又はアミノカルボニル基を示し、;
1bは水素原子を示す、
請求項1記載の予防又は治療剤。
【請求項5】
一般式(I)で表される化合物が、
・8−クロロ−2−[3−{4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−[3−{4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル}プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン、
・5−クロロ−2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミド、
・2−{3−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−{3−(4−フェニルピペリジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−{3−(4−フェニルピペラジン−1−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−{3−(1,2,3,4,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・2−{3−(2,3,4,9−テトラヒドロ1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル)プロピル}キナゾリン−4(3H)−オン、
・3−(4−クロロフェニル)キノキサリン−5−カルボキサミド、又は、
・8−クロロ−2−{3−(4−フェニルピペリジン−1−イル)シクロペンタ−1−エニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
である請求項1記載の予防又は治療剤。
【請求項6】
下記一般式(I’)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する角結膜障害の予防又は治療剤。
【化4】

[式中、X’は
【化5】

を示し、;
Y’は炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
’は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
’は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項7】
一般式(I’)において、
’は水素原子又は塩素原子を示し、;
’は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す、
請求項6記載の予防又は治療剤。
【請求項8】
一般式(I’)において、
X’は4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−(4−フロオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジル−1−イル基、4−フェニルピペリジン−1−イル基、4−フェニルピペラジン−1−イル基、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル基、1,2,3,4,9、10−ヘキサヒドロベンゾ[f]イソキノリン−2−イル基又は2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2−イル基を示し、;
’は水素原子又は塩素原子を示す、
請求項6記載の予防又は治療剤。
【請求項9】
下記一般式(I”)で表される化合物又はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する角結膜障害の予防又は治療剤。
【化6】

[式中、Y”は炭素原子又は窒素原子を示し、;
破線は単結合又は二重結合を示し、;
”は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基又はアミノカルボニル基を示し、;
”は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項10】
一般式(I”)において、
”は水素原子又は塩素原子を示し、;
”は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示す、
請求項9記載の予防又は治療剤。
【請求項11】
角結膜障害がドライアイである、請求項1〜10のいずれか1記載の予防又は治療剤。
【請求項12】
角結膜障害が、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎又は非感染性結膜炎である請求項1〜10のいずれか1記載の予防又は治療剤。
【請求項13】
投与形態が点眼投与又は経口投与である請求項1〜10のいずれか1記載の予防又は治療剤。
【請求項14】
剤型が、点眼剤、眼軟膏、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤又はカプセル剤である請求項1〜10のいずれか1記載の予防又は治療剤。

【公開番号】特開2009−96804(P2009−96804A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247160(P2008−247160)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】