説明

キーレスエントリシステム

【課題】 携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、携帯機の消費電力を最小限に抑えるキーレスエントリシステムの提供。
【解決手段】 携帯機において、第1アンロックスイッチ11が押下されたときには、第1アンロック信号が電界強度K1にて1回だけ単発で送出される。また、第2アンロックスイッチ13が押下されたときには、第2アンロック信号が電界強度K2にて所定回数だけ断続して送出される。また、ロックスイッチ12が押下されたときには、ロック信号が電界強度K2にて1回だけ単発で送出される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等にキー無しでロック・アンロックを行うキーレスエントリシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車においては、運転者等がキーシリンダに所定のキーによるロック・アンロックを行うことなく、携帯可能な端末機(以下、携帯機)にて所定のスイッチ操作を行うことにより、その操作に応じて送信される所定の電波に応じて、当該自動車に備えられた制御ユニット(以下、車載機)がロック・アンロックを行う、所謂キーレスエントリシステムが普及している。
【0003】また、近年において、例えば特開平6−58029号には、操作者の利便性を向上すべく、携帯機には操作スイッチを設けずに、携帯機より所定の無線信号を常時送信し、その無線信号を車載機が受信したときに、当該車載機が当該無線信号の受信電界強度の大きさに応じてロック・アンロックを行うキーレスエントリシステムが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例においては、例えば操作者が両手に重い荷物を抱えているとき等に操作者の利便性は向上するが、携帯機より無線信号を常時送信しているため、消費電力が問題となる。また、いつも両手に荷物を抱えている訳ではないので、ロック・アンロック操作スイッチが設けられている従来の携帯機で十分なことも多い。
【0005】また、上記の消費電力の問題を解消すべく、例えば特開平9−25752号には、上記の操作スイッチ無しの携帯機に、無線信号の送信をオン・オフ可能なスイッチが設けられたキーレスエントリシステムが提案されている。しかしながら、操作者が当該スイッチをオフにするのを忘れたときにはやはり消費電力が問題であり、逆に、操作者が当該スイッチをオンにするのを忘れていたときには、例えば操作者が両手に重い荷物を抱えているとき等、かえって煩わしいことになる。
【0006】そこで本発明は、携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、携帯機の消費電力を最小限に抑えるキーレスエントリシステムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明に係るキーレスエントリシステムは、以下の構成を特徴とする。
【0008】即ち、携帯機から送出される無線信号の受信電界強度に応じて、車載機がドアロック機構のロック・アンロック動作を制御するキーレスエントリシステムであって、前記携帯機は、無線信号の送出を開始可能なスイッチを備えており、そのスイッチが操作されてから所定時間経過後に該無線信号の送出を停止することを特徴とする。
【0009】好ましくは前記所定時間は、任意に設定可能であるとよい。
【0010】また、例えば前記携帯機は、前記所定時間を設定可能な第2のスイッチを備えており、その第2のスイッチが操作される度に前記所定時間を増加させるとよい。
【0011】また、例えば前記携帯機は、前記車載機から送出される無線信号を受信する受信機を備えており、該携帯機は、受信した無線信号に含まれる設定情報に基づいて前記所定時間を設定するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るキーレスエントリシステムを、一例として自動車に適用した実施形態として図面を参照して詳細に説明する。
【0013】[第1の実施形態]はじめに、本実施形態におけるキーレスエントリシステムのハードウエアについて説明する。
【0014】図1から図3は、本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムの携帯機の外形形状を示す概略図であり、図1の携帯機1は一般的なエンジンキーと一体の形態を有し、図2の携帯機1A及び図3の携帯機1Bはカード型の形態を有する。
【0015】これらの携帯機のうち、携帯機1及び1Aには、第1アンロックスイッチ11、ロックスイッチ12、そして第2アンロックスイッチ13の3つの操作スイッチが設けられており、また、携帯機1Bには、第1アンロックスイッチ11Aとロックスイッチ12とが設けられている。
【0016】各操作スイッチの機能の詳細については後述するが、ここで簡単に説明すると、第1アンロックスイッチ11が押下されると、自動車側にてアンロックが行われ、そのアンロック状態が維持される。また、ロックスイッチ12が押下されると、自動車側ではロック動作が行われ、そのロック状態が維持される。第2アンロックスイッチ13については、図4を参照して後述する。
【0017】尚、本実施形態において、携帯機1及び1Aには、操作者が操作を間違えることを防止すべく、図1R>1及び図2に示すように第1アンロックスイッチ11と第2アンロックスイッチ13とが異なる面に設けられている。携帯機1Bにおいては、操作者の第1アンロックスイッチ11Aの操作状態に応じて、携帯機1及び1Aにおける第1アンロックスイッチ11と第2アンロックスイッチ13との2種類のアンロックスイッチとして機能する。
【0018】また、破線で示すスイッチ14は、後述の第2の実施形態にて利用する設定スイッチであり、第1の実施形態では存在していないものとする。
【0019】図4は、本発明の第1の実施形態において携帯機から第2アンロック信号が送出されているときの車載機の基本的な動作を説明する図であり、同図に示す破線の円の領域内は、車両に搭載された車載機が携帯機から送出される第2アンロック信号を受信可能な領域を模式的に示している。
【0020】当該車両がロック状態のときに、第2アンロック信号を送出している携帯機を持った操作者が当該破線の円内に入ると、第2アンロック信号を受信した車載機は、アンロック動作を行う。一方、アンロック状態のときに、第2アンロック信号を送出している携帯機を持った操作者が当該破線の円内から遠ざかると、車載機は、第2アンロック信号を受信できなくなるためロック動作を行う。
【0021】図5は、本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムのブロック構成図である。
【0022】同図において、携帯機1(1A)は、上記の3種類の操作スイッチ、後述するロック・アンロック動作のための送信処理のプログラムを実行するCPU15、そのプログラムや自携帯機の識別番号(ID)等が予め格納されているROM16、処理結果を一時記憶するRAM17、CPU15の出力データに応じて所定のロック信号及びアンロック信号を所定の送信電界強度で送出する送信機18、外部装置からの受信信号をCPU15が識別可能なデータに復調する受信機19、そして、操作者に携帯機の動作状態を報知するブザー20を備える。また、携帯機1(1A)は、不図示の内蔵電池から供給される電源により駆動される。
【0023】尚、携帯機1Bの構成は、第2アンロックスイッチが設けられていない他は上記の携帯機1(1A)の構成と同様である。
【0024】車載機2は、外部装置からの受信信号をCPU25が識別可能なデータに復調する受信機29、CPU25の出力データに応じて所定の信号を所定の送信電界強度で送出する送信機28、ドアロック機構3を動作させることにより後述するロック・アンロック処理のプログラムを実行するCPU25、そのプログラムやペアとなる携帯機の識別番号(ID)等が予め格納されているROM26、処理結果を一時記憶するRAM27を備える。また、車載機2は、自動車が備える不図示のバッテリから供給される電源により駆動される。
【0025】図6は、本発明の第1の実施形態において携帯機が送信可能な送信信号の構成を示す図である。
【0026】携帯機1及び1AのCPU15は、同図に示すように、第1アンロックスイッチ11が押下されたときに第1アンロック信号、ロックスイッチ12が押下されたときにロック信号、そして第2アンロックスイッチ13が押下されたときに第2アンロック信号を、送信機18を介して送出する。
【0027】携帯機1Bにおいては、第2アンロックスイッチ13が設けられていないため、CPU15は、第1アンロックスイッチ11Aが所定時間より短く押下されたときに第1アンロック信号、同スイッチが当該所定時間より長く押下されたときに第2アンロック信号を送信機18を介して送出する。
【0028】尚、以下の説明においては、携帯機1及び1A(以下、1Aを省略する)を前提として説明し、第2アンロックスイッチ13の押下がなされる場合は、携帯機1Bでは第1アンロックスイッチ11Aが所定時間より長く押下されたものとし、携帯機1Bについての個別の説明は省略する。
【0029】上記の3種類の信号は、何れも所定のスタートビット、携帯機個別の識別番号を表わす携帯機IDビット、ロック動作または後述する2種類のアンロック動作を表わす動作指示ビット、一般的な方式によるパリティビット、所定のエンドビットの各フィールド101から105により構成される。
【0030】次に、上述したハードウエアにおいて実行されるソフトウエアを図7から図9を参照して説明することにより、本実施形態におけるキーレスエントリシステムの動作を説明する。
【0031】図7は、本発明の第1の実施形態において携帯機が送出する無線信号を説明する図であり、携帯機1にて3種類の操作スイッチが押下されたときに送出される無線信号の基本的なパターンを示している。
【0032】同図に示すように、本実施形態における携帯機1は、消費電力を最小限に抑制するため、以下に説明するように、3種類の操作スイッチが押下されたときにだけ、図6を参照して説明した所定の無線信号を送出する。
【0033】図7の■の場合:第1アンロックスイッチ11が押下されたときには、第1アンロック信号が送信電界強度K1にて1回だけ単発で送出される。これは、何れの無線信号も送出されていないときに第1アンロックスイッチ11が押下される状況を考慮すると、操作者が自動車の近傍にて携帯機1を操作している可能性が高いため、このような状況では、K2と比較して電界強度が弱い無線信号を1回だけ送出しても、その無線信号を車載機2が十分受信できるからである。これにより、不必要な電力の消費を抑えることができる。
【0034】図7の■の場合:ロックスイッチ12が押下されたときには、ロック信号が送信電界強度K2にて1回だけ単発で送出される。これは、操作者が自動車の近傍からある程度離れているときにも、防犯の観点からは、K1と比較して電界強度が強い無線信号を送出し、その無線信号により車載機2がより確実にロックを行うべきである。尚、当該信号を1回だけ送出するのは、不必要な電力の消費を抑えるためであるが、より確実にロックを行うためには、複数回送出すればよい。
【0035】図7の■の場合:第2アンロックスイッチ13が押下されたときには、第2アンロック信号が送信電界強度K2にて所定時間(但し、本実施形態では、所定回数(4回)として扱う)だけ断続して送出される。従って、第2アンロック信号を断続して送出するため、連続して送出するのと比較して消費電力を抑えることができる。
【0036】本実施形態では、図7の■のように第2アンロック信号を送出する。従って、車載機の第2アンロック信号の受信範囲内に操作者が位置するときにも、所定回数の当該信号の送出が終了したときには、自動的にロック動作が行われる。
【0037】ここで、当該信号を所定回数だけ断続して送出するのは、例えば、操作者が自動車の近傍からある程度離れている場所から両手で荷物を抱えて近づいてくるとき等、荷物を抱える前に当該スイッチを押下すれば、当該信号が複数回断続して送出されることによってアンロック動作が自動的に行われるため、荷物を抱えたままでのアンロック操作及びアンロック完了後の携帯機の動作停止操作から操作者を開放すること、並びに不必要な電力の消費を抑えることができるからである。
【0038】また、第2アンロック信号の送信電界強度をK1より強いK2とするのは、第2アンロックスイッチ13により第2アンロック信号を送出させるとき、操作者は、携帯機1をポケット等に入れていることが多いと予想され、そのような状況では衣類等によって携帯機1から送出される信号が弱められるため、携帯機1を手に持って操作するであろう図7の■の場合(電界強度K1で送出)と略同様な送信範囲を実現すべく、送信電界強度K2で送出する。
【0039】図7の■の場合:第2アンロックスイッチ13が押下されたことにより第2アンロック信号の送出を開始されたときに、当該信号が所定回数だけ送出される前に第1アンロックスイッチ11が押下されたときには、第1アンロック信号が送信電界強度K2にて1回だけ単発で、または複数回(本実施形態では2回)断続して送出される。これは、第2アンロック信号が送出されているときに第1アンロックスイッチ11が押下されたということは、何らかの状況にあって(例えば、自動車から遠ざかったら自動的にロックされることをはじめは望んでいたが、その後、アンロック状態が維持されるほうが望ましいと考えが変わったとき等)アンロック状態が維持されることを、操作者が望んでいるからである。また、第1アンロック信号を電界強度K1より強いK2で送出するのは、操作者が最初に希望していた状況と、第1アンロックスイッチ11の押下後の状況とでは、送信終了後の状況がロックとアンロックとで異なっており、その相反するアンロック動作をより確実に行うためである。
【0040】図7の■の場合:第2アンロックスイッチ13が押下されたことにより第2アンロック信号の送出を開始されたときに、当該信号が所定回数だけ送出される前にロックスイッチ12が押下されたときには、ロック信号が送信電界強度K2にて1回だけ単発で、または複数回(本実施形態では2回)断続して送出される。これは、第2アンロック信号が送出されているときにロックスイッチ12が押下されたということは、例えば、自動車から遠ざかったら自動的にロックされることをはじめは望んでいたが、その後、直ちにロックがなされるほうが望ましいと考えが変わったことが予想されるからである。また、ロック信号を複数回断続して送出するのは、ロック動作がより確実に行うためである。このとき、消費電力の低減を優先するのであれば、1回だけ単発で送出するか、或いは、ロックスイッチ12が押下される前には第2アンロック信号が押下されており、この信号が所定回数だけ送出された後、または操作者が当該信号の受信範囲の外側に遠ざかってしまったときには何れにしてもロック動作が行われるため、断続して送出中の第2アンロック信号の送出を中止するだけとし、ロック信号は送出しない構成としてもよい。
【0041】図8は、本発明の第1の実施形態における車載機が行うロック・アンロック処理のフローチャートであり、例えば、車載機2の不図示の電源ユニットに自動車のバッテリから電源が供給されることによって開始される。
【0042】同図において、ステップS1:予めROM26に格納されている携帯機1のIDデータを、RAM27に読み込む。
【0043】ステップS2,ステップS3:外部から無線信号を受信したかを検出し(ステップS2)、検出した(YESの)ときにはステップS4に、検出していない(NOの)ときにはステップS21に進む。
【0044】ステップS4,ステップS5:受信した信号のフィールド102(携帯機IDビット)のデータと、ステップS1でRAM27に格納したIDデータとを比較し、それら両方のデータが一致する(YESの)ときにはステップS6に、一致しない(NOの)ときには現在受信している信号は対象とすべき携帯機1からの無線信号ではないのでステップS2に戻る。
【0045】ステップS6:受信した信号に基づいてパリティを算出し、その算出した値が当該信号のフィールド104(パリティビット)のデータに一致するかを判断し、それら両方のデータが一致する(YESの)ときにはステップS7に、一致しない(NOの)ときには現在受信している信号は対象とすべき携帯機1からの無線信号ではないのでステップS2に戻る。
【0046】ステップS7:受信した信号のフィールド103のデータに基づいて、当該信号が、上述した3種類の何れの信号であるかを判断、第1アンロック信号のときにはステップS8に、第2アンロック信号のときにはステップS9に、そしてロック信号のときにはステップS22に進む。
【0047】ステップS8:受信した信号が第1アンロック信号のときには直ちにアンロック動作を行うべきであるため、図4を参照して説明した第2アンロック信号による動作の実行・非実行を表わす識別フラグGを0(非実行)にリセットし、ステップS12に進む。
【0048】ステップS9〜ステップS11:受信した信号が第2アンロック信号のときには識別フラグGを1(実行)にセットし(ステップS9)、受信した無線信号の電界強度を一般的な方法によって算出すると共にその算出した受信電界強度の値が所定値Jより大きいか否かを判断し(ステップS10)、その判断でYESのとき(大きいとき)にはステップS12に、NOのとき(小さいとき)にはステップS23に進む。
【0049】ステップS12:ドアロック機構3にアンロック動作を指示する。
【0050】ステップS13:アンロック動作が行われたことを操作者に報知すべく、一例としてホーンを2回鳴らし(ハザードランプ等を点滅させてもよい)、ステップS2に戻る。
【0051】ステップS21:ステップS3の判断においてNOのときには、識別フラグGが1か否かを判断し、その判断でYES(G=1)のときにはステップS22に進み、NO(G=0)のときにはステップS2に戻る。
【0052】ステップS22:このステップは、受信した信号がロック信号を表わすとき、または図4を参照して説明した第2アンロック信号による動作を現在実行中であるが当該信号を検出できなくなったときの何れかの場合であるため、識別フラグGを0にリセットする。
【0053】ステップS23:ドアロック機構3にロック動作を指示する。
【0054】ステップS24:ロック動作が行われたことを操作者に報知すべく、一例としてホーンを1回鳴らし(ハザードランプ等を点滅させてもよい)、ステップS2に戻る。
【0055】図9は、本発明の第1の実施形態におけるロック・アンロック動作のために携帯機が行う送信処理のフローチャートであり、例えば、携帯機1に不図示の内蔵電池がセットされることにより開始される。
【0056】同図において、ステップS31:第2アンロックスイッチ13が押下されたかを判断し、押下された(YESの)ときにはステップS32に、押下されていない(NOの)ときにはステップS51に進む。
【0057】ステップS32:第1アンロックスイッチ11が押下されたかを判断し、押下された(YESの)ときにはステップS33に、押下されていない(NOの)ときにはステップS38に進む。
【0058】ここで、携帯機1Bの場合は、ステップS31及びステップS32の判断において第1アンロックスイッチ11Aの押下されている時間を検出し、その検出した時間が所定時間より長いか短いかを判断する。
【0059】ステップS33:第1アンロックスイッチ11が押下されたことを操作者に報知すべく、ブザー20を1回鳴らす。
【0060】ステップS34:第1アンロック信号のビット列をRAM17から送信機18に出力する。
【0061】ステップS35:携帯機1から3種類の何れかの信号を送出していることを表わす内部フラグFが1であるかを判断し、YES(F=1)のときにはステップS36に、NO(F=0)のときにはステップS37に進む。
【0062】ステップS36:送信機18から第1アンロック信号を送信電界強度K2にて1回または2回送出し、ステップS42に進む。本ステップは、図7の■の場合に相当する。
【0063】ステップS37:送信機18から第1アンロック信号を電界強度K1にて送出し、ステップS42に進む。本ステップは、図7の■の場合に相当する。
【0064】ステップS38:第1及び第2アンロックスイッチの何れの操作も検出されないときには、ロックスイッチ12が押下されたかを判断し、押下された(YESの)ときにはステップS39に、押下されていない(NOの)ときにはステップS43に進む。
【0065】ステップS39:ロックスイッチ12が押下されたことを操作者に報知すべく、ブザー20を1回鳴らす。
【0066】ステップS40:ロック信号のビット列をRAM17から送信機18に出力する。
【0067】ステップS41:内部フラグF=0のとき(図7の■の場合に相当する)には1回だけ、そして、内部フラグF=1のとき(図7の■の場合に相当する)には2回(上述したように0回または1回としてもよい)だけ、送信機18からロック信号を送信電界強度K2にて送出する。
【0068】ステップS42:内部フラグFを0にリセットし、リターンする。
【0069】ステップS43:内部フラグFが1であるかを判断し、YES(F=1)のときにはステップS55に、NO(F=0)のときにはリターンする。
【0070】ステップS51:第2アンロックスイッチ13が押下されたことを操作者に報知すべく、ブザー20を2回鳴らす。
【0071】ステップS52,ステップS53:内部フラグFを1にセットし(ステップS52)、所定回数だけ断続して送出する第2アンロック信号の送出回数をカウントするカウンタCを0にリセットする。
【0072】ステップS54:第2アンロック信号のビット列をRAM17から送信機18に出力する。
【0073】ステップS55,ステップS56:送信機18から第2アンロック信号を送信電界強度K2にて1回だけ送出し(ステップS55)、カウンタCのカウント値に1を加える(ステップS56)。
【0074】ステップS57,ステップS58:現在のカウンタCのカウント値が所定値Nから例えば5カウント小さい値かを判断し(ステップS57)、YESのとき(カウント値が(N−5)に等しいとき)にはブザー20の断続報知を開始し、NOのとき(カウント値が(N−5)より小さいとき)にはステップS59に進む。
【0075】ここで、カウント値が(N−5)のときにブザー20の断続報知を開始するのは、もうすぐカウント値がNとなって所定回数の第2アンロック信号の送出が終了することを事前に操作者に知らせるためである。このため、第2アンロック信号を断続して複数回送出するのではなく、所定時間の間送出するタイプの携帯機である場合には、その所定時間の経過前例えば3秒程度の時間を設定するように構成すればよい。
【0076】ステップS59:カウンタCのカウント値が所定値N(図7の■ではN=4)であるかを判断し(ステップS59)、YESのとき(カウント値=所定値N)にはステップS60に進み、NOのとき(カウント値<所定値N)には更に第2アンロック信号を送出すべくリターンする。これらステップは、図6の■の場合に相当する。
【0077】ステップS60:内部フラグFを0にリセットする。
【0078】ステップS61:ステップS58でカウンタCのカウント値が所定値Nより5小さい値のときに開始したブザー20の断続報知を終了し、所定回数の第2アンロック信号の送出が終了したことを操作者に報知すべくブザー20を1回鳴らす。
【0079】ステップS62:カウンタCを0にリセットし、リターンする。
【0080】以上のように、携帯機1と車載機2とを動作させることにより、携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、消費電力を抑制することができる。
【0081】<第1の実施形態の変形例1>本変形例1では、携帯機1と車載機2との間のセキュリティを向上すべく、車載機2は、上記のロック・アンロック処理を実行するときに毎回異なる乱数を含むチャレンジ信号を送出する。そのチャレンジ信号を受信した携帯機1は、上記の送信処理を実行するときに、当該信号に含まれる乱数により所定の演算を行って暗号コードを作成し、その作成した暗号コードを含むレスポンス信号を車載機2に送出する。そして、車載機2は、チャレンジ信号として送出した乱数により携帯機1と同様な所定の演算を行って暗号コードを作成し、その作成した暗号コードをレスポンス信号に含まれていた暗号コードと比較し、比較した結果が一致するときのみ今回受信した無線信号は正規の(ペアとなる)携帯機1からの信号と判断してロック・アンロック動作を行う。
【0082】図10は、本発明の第1の実施形態の変形例1におけるチャレンジ信号とレスポンス信号との構成を示す図である。
【0083】同図にしめすように、チャレンジ信号とレスポンス信号は、何れも所定のスタートビット、携帯機個別の識別番号を表わす携帯機IDビット、乱数ビットまたは暗号コードビット、一般的な方式によるパリティビット、所定のエンドビットの各フィールド201から205により構成される。
【0084】図11は、本発明の第1の実施形態の変形例1における車載機の追加処理を示すフローチャートであり、この処理は、図8のステップS11とステップS12との間に追加される。
【0085】同図において、ステップS1001,ステップS1002:乱数ビットをフィールド203に含むチャレンジ信号のビット列をRAM27から送信機28に出力し(ステップS1001)、そのビット列を送信機28にて変調した後送出する。
【0086】ステップS1003,ステップS1004:指定時間が経過するまでに受信機29にレスポンス信号を受信したかを判断し、当該信号を受信したとき(ステップS1003でNO,ステップS1004でYESのとき)にはステップS1004に進む。また、当該信号を受信しないとき(ステップS1003でYESのとき)には図8のステップS23に進む。
【0087】ステップS1005,ステップS1006:ステップS1002でチャレンジ信号として送出した乱数ビットのデータに従って暗号コードを算出し(ステップS1005)、その算出した暗号コードと、受信したレスポンス信号のフィールド203に含まれる暗号コードとが一致するか否かを判断し(ステップS1006)、一致するとき(YESのとき)には図8のステップS12に進んでアンロック動作を行うが、一致しないとき(NOのとき)には図8のステップS23に進んでロックを動作を行う。
【0088】図12は、本発明の第1の実施形態の変形例1における携帯機の追加処理を示すフローチャートであり、この処理は、図9の”P”の部分に追加される。
【0089】同図において、ステップS2001:チャレンジ信号を受信したかを判断し、YESのとき(受信したとき)にはステップS2003に進み、NOのとき(受信しないとき)にはリターンする。
【0090】ステップS2002:受信した信号のフィールド202(携帯機IDビット)のデータと、予め格納している自身のIDデータとを比較し、それら両方のデータが一致する(YESの)ときにはステップS2003に、一致しない(NOの)ときには現在受信している信号は対象とすべき車載機2からの無線信号ではないのでリターンする。
【0091】ステップS2003:ステップS2001で受信したチャレンジ信号のフィールド203に含まれる乱数ビットのデータに従って暗号コードを算出し、その算出したコードを含むレスポンス信号をRAM17から送信機18に出力する。
【0092】ステップS2004:送信機18からレスポンス信号を送信電界強度K2にて送出し、リターンする。
【0093】<第1の実施形態の変形例2>本変形例2では、携帯機1と車載機2との間のセキュリティを向上すべく、第1及び第2アンロック信号に、信号を送信する度にビット配列が異なるローリングビットのフィールドを追加する。
【0094】図13は、本発明の第1の実施形態の変形例2における第1及び第2アンロック信号Bの構成を示す図であり、図6における第1及び第2アンロック信号と異なるのは、ローリングビットのフィールド106が追加されていることである。
【0095】これらローリングビットのビット配列は、携帯機1と車載機2との間で送受信が行われる度に同じように変化している。本変形例において、携帯機1は、自分で算出したローリングビットをフィールド106に含む第1または第2アンロック信号Bを送出し、車載機2は、自分で算出した現在のローリングビットのビット配列と、携帯機1から受信したローリングビットのビット配列とを比較し、比較した結果が一致するときのみ今回受信した無線信号は正規の(ペアとなる)携帯機1からの信号と判断してロック・アンロック動作を行う。
【0096】これらの変形例によれば、携帯機1と車載機2とを動作させることにより、携帯機1の電池切れを確実に防止し、且つ消費電力の抑制すると共に、更に、携帯機1と車載機2との間のセキュリティを向上することができる。
【0097】[第2の実施形態]本実施形態では、第1の実施形態における制御を基本として、第2アンロック信号を断続して送出する回数を、操作者が任意に設定可能に構成する。以下の説明においては、上記の実施形態と重複する説明は省略し、特徴的な部分を中心に説明する。
【0098】図14は、本発明の第2の実施形態におけるキーレスエントリシステムのブロック構成図である。
【0099】同図が第1の実施形態における図5と異なるのは、第2アンロック信号が送出される回数を任意に設定可能な設定スイッチ14が携帯機1に設けられていることと、後述する第2の実施形態のバリエーションにて利用すべく携帯機1にはGPS受信機5が設けられており、車載機2にはカーナビゲーションユニット4が相互通信可能に接続されていることである。従って、他のバリエーションの場合はカーナビゲーションユニット4を接続する必要はない。
【0100】尚、本実施形態では、設定スイッチ14より第2アンロック信号の送出状態を送出回数として設定するが、例えば、連続して押下されている時間に応じて設定する等、当該スイッチの操作状態に応じて時間を設定し、その設定された時間断続して第2アンロック信号を送出するように構成してもよい。
【0101】次に、本実施形態に係る携帯機1の送信処理が第1の実施形態の図9と異なる部分について説明する。
【0102】本実施形態では、ステップS31及びステップS32にて第1及び第2アンロックスイッチの操作を検出する前に、ステップS59で判断する所定値N、即ち第2アンロック信号が送出される回数として、設定スイッチ14を押下されることによる回数設定を検出する。
【0103】そして、ステップS51では、設定スイッチ14により設定された回数だけブザー20を鳴らす、またはその回数をブザーの鳴らし方で(例えば、短く、長く、或いはそれらの組み合わせ等)表現すればよい。このとき、設定スイッチ14により送出回数が一旦設定された後に、更に当該スイッチが押下されて送出回数が増加したときには、送出回数が増加する前のカウンタCのカウント値にその増加分を加算した回数だけブザー20を鳴らせばよい。
【0104】尚、設定スイッチ14の操作としては、例えば1回押下される度に第2アンロック信号の送出回数を1回増やすと共に、当該スイッチが所定回数以上押下されたときには、設定を1回(複数回でもよい)に戻すように構成してもよい。
【0105】また、設定スイッチ14の押下回数に応じて第2アンロック信号の送出回数を決定するのでななく、当該スイッチが押下されている時間に応じて線形にまたは非線型に、当該信号の送出回数を決定してもよい。
【0106】また、携帯機1に小型の液晶表示器を更に設け、その液晶表示器に現在の設定状態を表示するとよい。これにより、操作者は設定回数を容易に確認することができる。
【0107】また、設定スイッチ14より設定するのではなく、カーナビゲーションユニット4の不図示のディスプレイにて送出回数を設定し、その設定された回数を車載機2のCPU25に取り込み、更に送信機28より携帯機1の受信機19に向けて送出することによってCPU15に設定してもよい。これにより、操作者は設定回数を容易に確認することができる。
【0108】また、携帯機1に設定されている送出回数を車載機2に送信し、車載機2は、受信した送信回数をカーナビゲーションユニット4の不図示のディスプレイに表示しても、或いは音声によって報知してもよい。
【0109】具体的な方法を説明すれば、例えば、携帯機1が図1に示したイグニッションキーの形状を有するときには、そのキーにより操作者が車両側のキースイッチに対して行った操作を該キースイッチの出力信号を利用して車載機2にて検出し、車載機2は、検出した操作状態が所定の操作(例えば、キースイッチへのキーの挿入、イグニッションオフ等)であることを検出したとき、携帯機1から無線信号として送出されている送出回数を受信し、その受信した情報をカーナビゲーションユニット4にて表示または音声出力を行えばよい。これにより、操作者は、携帯機1に現在設定されている送出回数を容易に確認することができる。
【0110】このように、本実施形態では、第2アンロックスイッチの操作回数に応じて第2アンロック信号の送出回数を操作者が変更することができるため、操作者は、自身が所望する期間だけアンロック状態を保持することができ、例えば、両手に荷物を抱える前に設定操作を行えば、比較的と遠くから荷物を運んでくるときに自動車のドア近傍に辿り着くまでにロック動作が行われてしまうことを防止することができる。これにより、第1の実施形態における効果に加え、更に利便性を向上することができる。
【0111】<第2の実施形態の変形例1>上記の各実施形態では、操作者が自動車のドア近傍に近づいたとき、或いはドアに手をかけたときに、N回目の第2アンロック信号の送信が終了することにより、アンロック状態からロック状態となる可能性が有り、そのような場合は操作者にとって不愉快なことが予想される。そこで、本変形例では、図15に示す処理を図9の送信処理に追加することにより、送出する際の第2アンロック信号の電界強度K2を縮小補正する。
【0112】図15は、本発明の第2の実施形態としての変形例1における携帯機の追加処理を示すフローチャートであり、この処理は、図9のステップS43のYESの分岐及びステップS54と、ステップS56との間に追加される。
【0113】同図において、ステップS71,ステップS72:設定スイッチ14から設定された所定値NからカウンタCの現在のカウント値を算出した値N1を算出し(ステップS71)、その算出した値N1が例えば4より小さいか否かを判断し(ステップS72)、No(小さい)のときにはステップS55に進み、YES(大きい)のときにはステップS73に進む。
【0114】ステップS74:指定の式(例えば、K2=K2−L(4−N1)、Lは定数)に基づいて、第2アンロック信号送出時の電界強度K2を縮小補正する。
【0115】ステップS55:送信機18から第2アンロック信号を送信電界強度K2にて1回だけ送出する。
【0116】ステップS75:電界強度K2を元の所定の大きさに設定し直し、ステップS56に進む。
【0117】<第2の実施形態の変形例2>本変形例では、携帯機1を携帯している操作者が自動車に近づいているか否かに応じて、第2アンロック信号の送出回数をカウントするカウンタCのカウントアップの度合いを変化させ、利便性を向上する。
【0118】操作者の移動を検出する具体的的な方法としては、携帯機1に更にGPS受信機5を設け、その携帯機にてGPS受信機5により所定周期で検出した位置情報に基づいて携帯機1(操作者)が移動しているか否か、即ち位置情報が変化しているときには移動と判断し、変化していないときには移動していないと判断すればよい。
【0119】また、操作者の移動を検出する他の方法としては、携帯機1にGPS受信機5を設ける代わりに、操作者の移動によって生じる振動を検出する機構として、所謂万歩計と同様な歩行検出機構を備え、その歩行検出機構によって携帯機1(操作者)の移動を検出すればよい。
【0120】図16は、本発明の第2の実施形態としての変形例2における携帯機の追加処理を示すフローチャートであり、この処理は、図9のステップS55とステップS57との間に追加される。
【0121】同図において、ステップS81:携帯機1から受信した信号に含まれる現在位置の変化に基づいて、携帯機1を携帯している操作者が移動しているか否かを検出する。
【0122】ステップS56:ステップS81の判断にてYESのとき(移動しているとき)には、カウンタCに1を加算し、ステップS57に進む。
【0123】ステップS82:ステップS81の判断にてNOのとき(移動していないとき)には、カウンタCに0.5を加算し、ステップS57に進む。
【0124】本変形例2によれば、操作者が移動していないときには、移動しているときと比較してカウンタCのカウント値の増加が半分になるため、何らかの事情により操作者が自動車に近づくまでに時間を要してしまっても、ドアロック機構3がロックされる可能性を低減することができ、利便性が更に向上する。
【0125】尚、第1の実施形態の変形例で説明したチャレンジ信号及びレスポンス信号を送受信する方法、ローリングビットを付加する方法は、第2の実施形態にも適用可能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、携帯機の消費電力を最小限に抑えるキーレスエントリシステムの提供が実現する。
【0127】即ち、請求項1の発明によれば、所定時間経過後に無線信号の送出が停止されるため、携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、携帯機の消費電力を最小限に抑えることができる。
【0128】また、請求項2から請求項6の発明によれば、携帯機の電池切れを確実に防止すると共に、携帯機の消費電力を最小限に抑えることができると共に、操作者が置かれている状況に応じて任意に設定できるため、操作者の利便性を向上することができる。
【0129】また、請求項7から請求項14の発明によれば、操作者の利便性を更に向上することができる。
【0130】また、請求項15の発明によれば、操作者がドアを開けようとしたときにロックされる可能性を軽減でき、操作者の不快感をなくすことができる。
【0131】また、請求項16及び請求項17の発明によれば、操作者がドアに向かって移動しているときに、何らかの事情により遅れてしまったときにも、ロックされる可能性を軽減でき、操作者の利便性を更に向上することができる。
【0132】また、請求項18の発明によれば、設定状態を容易に認識することができ、操作者の利便性を更に向上することができる。
【0133】また、請求項19の発明によれば、無線信号が断続して送出されるため、携帯機の消費電力を更に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムの携帯機の外形形状を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムの携帯機の外形形状を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムの携帯機の外形形状を示す概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において携帯機から第2アンロック信号が送出されているときの車載機の基本的な動作を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるキーレスエントリシステムのブロック構成図である。
【図6】本発明の第1の実施形態において携帯機が送信可能な送信信号の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態において携帯機が送出する無線信号を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における車載機が行うロック・アンロック処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態におけるロック・アンロック動作のために携帯機が行う送信処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態の変形例1におけるチャレンジ信号とレスポンス信号との構成を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の変形例1における車載機の追加処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態の変形例1における携帯機の追加処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態の変形例2における第1及び第2アンロック信号Bの構成を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態におけるキーレスエントリシステムのブロック構成図である。
【図15】本発明の第2の実施形態としての変形例1における携帯機の追加処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態としての変形例2における携帯機の追加処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1A,1B:携帯機,
2:車載機,
3:ドアロック機構,
4:カーナビゲーションユニット,
5:GPS受信機,
11,11A:第1アンロックスイッチ,
12:ロックスイッチ,
13:第2アンロックスイッチ,
14:設定スイッチ,
15,25:CPU,
16,26:ROM,
17,27:RAM,
18,28:送信機,
19,29:受信機,
20:ブザー,

【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯機から送出される無線信号の受信電界強度に応じて、車載機がドアロック機構のロック・アンロック動作を制御するキーレスエントリシステムであって、前記携帯機は、無線信号の送出を開始可能なスイッチを備えており、そのスイッチが操作されてから所定時間経過後に該無線信号の送出を停止することを特徴とするキーレスエントリシステム。
【請求項2】 前記所定時間は、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項3】 前記携帯機は、前記所定時間を設定可能な第2のスイッチを備えており、その第2のスイッチが操作される度に前記所定時間を増加させることを特徴とする請求項2記載のキーレスエントリシステム。
【請求項4】 前記携帯機は、前記所定時間を設定可能な第2のスイッチを備えており、その第2のスイッチが操作されたときのの連続操作時間に応じて前記所定時間を増加させることを特徴とする請求項2記載のキーレスエントリシステム。
【請求項5】 前記携帯機は、前記車載機から送出される無線信号を受信する受信機を備えており、該携帯機は、受信した無線信号に含まれる設定情報に基づいて前記所定時間を設定することを特徴とする請求項2記載のキーレスエントリシステム。
【請求項6】 前記車載機は、カーナビゲーションユニットとの通信が可能であって、前記携帯機に送信すべき設定情報は、前記カーナビゲーションユニットより入手することを特徴とする請求項5記載のキーレスエントリシステム。
【請求項7】 前記携帯機は、前記所定時間が経過して前記無線信号の送出を停止するのに先だって、該無線信号の送出停止を予告する旨の報知を行う第1の報知手段を備えることを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項8】 前記携帯機は、前記所定時間が経過して前記無線信号の送出を停止したときに、該無線信号の送出を停止したことを報知する第1の報知手段を備えることを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項9】 前記第1の報知手段は、音により報知することを特徴とする請求項7または請求項8記載のキーレスエントリシステム。
【請求項10】 前記携帯機は、前記所定時間の設定状態を判別可能に報知する第2の報知手段を備えることを特徴とする請求項2記載のキーレスエントリシステム。
【請求項11】 前記携帯機は、前記所定時間を計時中に更に計時すべき時間を増加可能であることを特徴とする請求項10記載のキーレスエントリシステム。
【請求項12】 前記携帯機は、前記所定時間を計時中に更に計時すべき時間が増加されたときに、増加前の残り時間とその増加された時間とを加算した時間を、前記第2の報知手段により報知することを特徴とする請求項11記載のキーレスエントリシステム。
【請求項13】 前記第2の報知手段は、音により報知することを特徴とする請求項10記載のキーレスエントリシステム。
【請求項14】 前記第2の報知手段は、前記所定時間を表示により報知することを特徴とする請求項10記載のキーレスエントリシステム。
【請求項15】 前記携帯機は、前記無線信号を送出しているとき、その無線信号の送信電界強度を徐々に小さくすることを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項16】 前記携帯機は、GPS受信機と、そのGPS受信機により検出した位置情報に基づいて前記携帯機が移動しているか否かを検出する検出手段とを更に備えており、前記検出手段により移動を検出したときには、前記無線信号の送信時間を延長することを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項17】 前記携帯機は、その携帯機に加えられる振動に基づいて該携帯機が移動しているか否かを検出する検出手段を更に備えており、前記検出手段により移動を検出したときには、前記無線信号の送信時間を延長することを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリシステム。
【請求項18】 前記車載機は、カーナビゲーションユニットとの通信が可能であり、且つ前記携帯機は、無線信号によって現在設定されている前記所定時間を前記車載機に送信可能であって、前記車載機は、イグニッションキーによりキースイッチに所定の操作が行われたときに、前記携帯機から送出される前記所定時間を含む無線信号を受信し、その受信した所定時間を、前記カーナビゲーションユニットに報知させることを特徴とする請求項2記載のキーレスエントリシステム。
【請求項19】 前記携帯機が、前記無線信号を前記所定時間断続して送出する場合において、前記所定時間は、前記断続して送出される無線信号の送出回数として設定可能されることを特徴とする請求項2乃至請求項17の何れかに記載のキーレスエントリシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2000−145224(P2000−145224A)
【公開日】平成12年5月26日(2000.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−322634
【出願日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】