説明

ゲル化バイオ重合体基材発泡体

【課題】ゲル化バイオ重合体基材発泡体を開示する。
【解決手段】ゲル化発泡体は、架橋バイオ重合体、好ましくは、アルギネート;都合により、ゲル化発泡体の主な部分を形成する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような発泡剤;及び可塑剤、好ましくはグリセリンソルビトール、またはその混合物を含む。発泡体は、軟らかく、そしてしなやかであり、そして高い吸収性を示す。それらを、外傷包帯材料、徐放性送出系、細胞培養、組織粘着を防止するための防御媒体、及び生物吸着性移植片として使用し得る。それらは、特に口腔衛生で種々の個人の手当用途も有し、そして食品用途でも使用し得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル化バイオ重合体発泡体に関する。特に、本発明は、乾燥ゲル化バイオ重合体発泡体を生成する方法、生じた乾燥ゲル化発泡体、及び、例えば、外傷包帯、徐放性送出系、食品用途、及び化粧用途及び口腔衛生のような個人的手当て用途のような生物医学用途での乾燥ゲル化発泡体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ重合体発泡体、特にゲル化アルギネート含有発泡体は、外傷包帯、徐放性送出系、細胞培養、組織粘着を防止するための防御媒体、及び生物吸着性移植片のような用途について説明されてきた。しかし、これらの発泡体は、脆いか、取扱いが困難か、及び/または生成が困難であるかのいずれかであり、凍結乾燥機のような高価な装置を必要とする。
【0003】
外科または外傷包帯の2つの重要な機能は、液体を吸着及び保持する能力、及び外傷部位から外傷の滲出物を吐き出させ、そして移動する能力である。しかし、外傷治癒は、外傷床の湿度を維持することによって増強されるので、外傷包帯は、外傷床を乾燥させることなく、外傷表面から外傷滲出物を吸収し、そして移動させるべきである。さらに、外傷包帯は、包帯の除去が新たに形成された組織に損傷を与えないために、外傷から容易に開放すべきである。
【0004】
Eaglesの[特許文献1]及びBakisの[特許文献2]は、例えば、各々、外傷包帯として使用し得るゲル化多糖発泡体を生成する方法を開示する。しかし、発泡体サイズを越える制御はほとんどないか、またはまったくなく、そして結果物製品は、取扱いが比較的困難である。ポリウレタン発泡体は、外傷包帯としても使用されてきたが、しかしこれらの発泡体は、バイオ材料を含まず、そして結局、移植片に使用するときに、吸収性がない。Eccardの[特許文献3]は、固形重合体発泡体を開示するが、しかしその発泡体の生成は、発泡体を形成するために反応混合物の加熱及び冷却を必要とする。
【特許文献1】米国特許第5,80,777号
【特許文献2】米国特許第5,851,461号
【特許文献3】米国特許公報第2003/0180242号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、バイオ材料を含み、高吸収性を示し、生成及び取扱いが容易であり、そしてその生成のために凍結乾燥機のような高価な装置を必要としないゲル化発泡体についての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、本発明は、乾燥ゲル化発泡体を生成する方法である。乾燥ゲル化発泡体は、軟らかく、そしてしなやかで、なお、高い吸収性及び湿潤強度を示す。その方法は、生理学的pHを示す発泡体を生成し得る。その方法は、ゲル化速度の制御を可能にし、そして機械的に均質な乾燥ゲル化発泡体を生成する。さらに、その方法は、凍結乾燥機のような高価な装置を必要としない。その方法は、
a)以下の成分:
i)アルギネート、ペクチン性物質、カラギーナン、グリコールアルギネート、及びその混合物より構成される群から選択されるゲル形成重合体、
ii)ゲル化剤;
iii)水溶性可塑剤;
iv)任意で、発泡剤;
v)pH調節剤;及び
vi)水;
を含む水性分散液を形成し、
ゲル形成重合体を、水に溶解させ、そしてゲル化剤を水に分散させ;
b)その分散物から発泡体を形成し、そしてゲル化発泡体を形成し;そして
c)ゲル化発泡体を乾燥させて、乾燥ゲル化発泡体を形成する;
工程を含み、乾燥ゲル化発泡体が、可塑剤を優先的に含む。
【0007】
好ましいゲル形成重合体はアルギネートである。好ましいゲル化剤は、炭酸カルシウムである。好ましい水溶性可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、及びその混合物である。存在する場合、好ましい発泡剤は、水溶性重合体形成剤、さらに好ましくはヒドロキシルプロピルメチルセルロースである。好ましいpH調節剤は、グルコース・デルタ・ラクトンである。ゲル化発泡体を乾燥させるのは、周囲温度またはそれより上で行われ得、そして凍結乾燥を必要としない。
【0008】
別の態様では、本発明は、多価陽イオンで架橋されたゲル形成重合体、及び水溶性可塑剤を含む乾燥ゲル化発泡体である。以下に記述される通り、本発明の乾燥ゲル化発泡体は、様々な用途を有する。それらは、外傷包帯として使用され得る。それらは、口腔衛生で、食品及び化粧品用途で、そして有益な剤の送出系としても使用され得る。他の用途は、ここに記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書、実施例、及び請求項中、特に指示されない限り、パーセントは、重量パーセントである。文脈によって示される場合を除き、「ゲル形成重合体」、「ゲル形成バイオ重合体」、「ゲル化剤」、「水溶性可塑剤」、「発泡剤」、「pH調節剤」、「多価陽イオン」、「多価陽イオン」、「共結合剤」、「添加剤」、「有益な剤」、「化粧用剤」、「モイスチャライザー」、及び類似の用語も、これらの材料の混合物に該当する。全ての温度は、特に指示されない限り、℃(摂氏)である。
【0010】
1つの態様では、本発明は、ゲル化剤、水溶性可塑剤;任意で、発泡剤;pH調節剤;及びアルギネート、ペクチン、カガギーナン、グリコールアルギネート、及びそれらの混合物より構成される群から選択されるゲル形成バイオ重合体を使用して、ゲル化乾燥発泡体を形成する方法である。本発明は、ここに開示される通り、これらの乾燥ゲル化発泡体の使用も含む。
【0011】
成分
ゲル形成重合体
ゲル形成重合体は、アルギネート、ペクチン物質、カラギーナン、グリコールアルギネート、及びそれらの混合物から選択される水溶性バイオ重合体である。
アルギネートは、アルギン酸の塩である。海藻から単離されるアルギン酸は、2つのウロン酸:D−マンウロン酸及びL−グルウロン酸からなるポリウロン酸である。マンウロン酸とグルウロン酸の比は、海藻種、植物齢、及び海藻の部分(例えば、幹、葉)のような因子によって変化する。
【0012】
アルギン酸は、水に実質的に不溶性である。それは、ナトリウム、カリウム、及びリチウムのようなアルカリ金属;マグネシウム;アンモニウム;及びメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンのような低級アミンから誘導される置換アンモニウム陽イオンと共に水溶性塩を形成する。それらの塩類は、pH4より上の水性媒体中で溶解性であるが、しかし、pHが約4より低い場合、アルギン酸に変換される。ある種の多価陽イオン、特にカルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、銅(+2)、アルミニウム及びそれらの混合物が、適切な濃度で媒体中に存在する場合、水不溶性アルギネートが形成される。
【0013】
主要な陽イオンがカルシウムである水不溶性アルギン酸塩は、その例が、フクス・ベシクロスス(Fucus vesiculosus)、フクス・スピラリス(Fucus spiralis)、アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)、マクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、アラリア・エスクレンタ(Alaria esculenta)、エクロニア・マキシマ(Eclonia maxima)、レソニア・ニグレスセンス(Lessonia nigrescens)、レソニア・トラベクラタ(Lessonia trabeculata)、ラミナリア・ジャポニカ(Laminaria japonica)、デュルヴィレア・アンタラクチカ(Durvillea antarctica)、ラミナリア・ハイパーボレア(Laminaria hyperborea)、ラミナリア・ロンギクルシス(Laminaria longicruris)、ラミナリア・ディジタタ(Laminaria digitata)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、ラミナリア・クラウストニ(Laminaria cloustoni)、及びサラガスム・エスピー.(Saragassum sp.)である褐藻類の海藻の葉状体及び幹で見られる。天然源からのアルギン酸及びその水不溶性塩、特にアルギン酸ナトリウムの回収の方法は、周知であり、そして例えば、Greenの[特許文献4]及びLe Gloahecの[特許文献5]で記述される。
【特許文献4】米国特許第2,036,934号
【特許文献5】米国特許第2,128,551号
【0014】
アルギネートを、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドと反応させて、グリコールアルギネートを形成し得る。そのグリコールを、カルボキシル基を通してアルギネートと結合させる。一般的には、アルギネートを、プロピレンオキシドと反応させて、プロピレングリコールアルギネート(PGA)を形成する。プロピレングリコールアルギネートの生成は、Strongの[特許文献6]、Pettittの[特許文献7]、及びSteinerの[特許文献8]で開示される。好ましくは、プロピレングリコールアルギネートは、約40%から約95%、さらに好ましくは約70%から約95%までのエステル化の度合いを示す。様々な分子量のプロピレングリコールアルギネートの混合物も、湿潤発泡体に対して高度の安定化をもたらすために使用され得る。
【特許文献6】米国特許第3,948,881号
【特許文献7】米国特許第3,772,266号
【特許文献8】米国特許第2,426,125号
【0015】
ペクチン性物質は、ペクチン及びペクテートを含む。ペクチンは、種々の植物の根、幹、葉及び果実、特にライム、レモン、グレープフルーツ、及びオレンジのような柑橘類の皮で見られる天然に生じる多糖である。ペクチンは、D−ガラクトロン酸から誘導される重合体単位を含む。ペクチンの源によって、D−ガラクトロン酸から誘導される単位の約20〜60%が、メチル基でエステル化される。これらは、高メトキシペクチン及び低メトキシペクチンとして市販で知られており、そして後者は、アミド化ペクチンをも含む。ペクテート(ペクチネート)は、D−ガラクトロン酸から誘導される単位の20%までを有する十分に脱エステル化されたペクチンである。
【0016】
カラギーナンは、赤色海藻から抽出される硫酸化ガラクタンの基に該当する。カラギーナンは、改変(1→3)α−D及び(1→4)β−D−グリコシド連結と結合した線状鎖のD−ガラクトピラノシル単位である。カラギーナンは、部分的に、硫酸化の程度及び位置によって区別され得る。ほとんどの糖単位は、炭素C−2またはC−6で水酸基にエステル化された1つまたは2つの硫酸基を有する。3つの主要な型のカラギーナン、カッパ・カラギーナン、イオタ・カラギーナン、及びラムダ・カラギーナンがある。カッパ・カラギーナンは、強力な堅いゲルを生じる一方で、イオタ生成物で生成されるものは、軟弱で、そして迎合的である。ラムダ・カラギーナンは、水中でゲル化しない。好ましいカラギーナンは、イオタ・カラギーナンである。イオタ・カラギーナンは、D−ガラクトース−4−スルフェート−3,6−無水−D−ガラクトース−2−スルフェートの繰返し単位を有し、そして約25から34%までの硫酸エステル含有率を提供する。
【0017】
好ましいゲル形成重合体は、アルギネートである。アルギネートがゲル形成剤として使用されるとき、水性分散液は、一般に、約0.5重量%から約10重量%まで、好ましくは約1重量%から約6重量%まで、さらに好ましくは約2重量%から約4重量%までのアルギネートを含む。これは、水及び添加剤を除いて、約3重量%から約45重量%まで、好ましくは約6重量%から約37重量%まで、さらに好ましくは約12重量%から約25重量%までのアルギネートを含む乾燥ゲル化発泡体を生じる。適切なアルギネートは、約20,000ダルトンから約500,000ダルトンまでの重量平均分子量を有する。重量平均分子量は、固有の粘度を最初に測定し、その後Martinsenら、「アルギネートの分子量及び分子量分布の測定のための様々な方法の比較[非特許文献1]での通りマーク・ハーウィンク・サクラダ(Mark−Houwink Sakurada)方程式を使用することによって計算され得る。
【非特許文献1】Comparison of Different Methods for Determination of Molecular Weights and Molecular Weight Distribution of Alginates(Carbohydr. Polym.15巻、171〜193頁、1991年)
【0018】
好ましい分子量範囲は、乾燥ゲル化発泡体の用途に依存し得る。300,000ダルトンの分子量のような高分子量アルギネートを使用する場合、生じる発泡体は、乾燥後、容易に再湿潤可能であるか、または再水和可能である。所定の食品及び医薬品用途でのような乾燥ゲル化発泡体が、水または水性媒体中で分解及び/または溶解することが望ましい用途については、約20,000ダルトンから約150,000ダルトン等の低分子量が望ましい可能性がある。乾燥ゲル化発泡体が、外傷包帯用途のような水または他の水性媒体で分解しないことが望ましい用途については、約150,000ダルトンから約500,000ダルトン等の高分子量が望ましい可能性がある。
【0019】
アルギネートは、水中で粘性溶液を形成する。しかし、水性分散液を生成するために高濃度のアルギネートを使用する場合、加工可能な分散液を生成するために、低分子量アルギネート、例えば、300,000の分子量を示すアルギネートの代わりに、150,000の分子量を示すアルギネートを使用する必要性があり得る。加工可能な分散液を生成する高分子量アルギネートは、最高の機械的強度を示す乾燥ゲル化発泡体を生成するために使用されるべきである。しかし、上記された通り、所定の用途について、例えば、水中に容易に分解及び/または溶解する乾燥ゲル化発泡体を生成するために、低分子量を示すアルギネートを使用することが望ましい可能性がある。
【0020】
ゲル化剤
ゲル化剤は、ゲル形成重合体をゲル化する能力のある多価陽イオン、一般的には、二価及び/または三価陽イオン、または多価陽イオンの混合物を含む。適切な多価陽イオンは、例えば、カルシウム(2+)、バリウム(2+)、ストロンチウム(2+)、鉄(2+)、亜鉛(2+)、銅(2+)、及びアルミニウム(3+)を含む。好ましい陽イオンは、二価金属陽イオン、さらに好ましくはカルシウム(2+)陽イオンである。
【0021】
所望の多価陽イオンまたは多価陽イオンの混合物を供する塩または塩の組合せは、生じる組成物が、pH調節剤の添加までゲルを形成する能力がない限り、ゲル化剤として使用し得る。ゲル化剤は、水中で不溶性であり得るが、しかし一般に3以上のpHで、酸性溶液中でゲルを形成する能力のあるイオンを放出する。代わりに、ゲル化剤は、水中で溶解性があるが、しかし、ゲルを形成する能力があるイオンは複雑で、そして酸性条件下でのみ利用可能になる。有用なゲル化剤としては、以下の通りの塩、それらの水和物、及びその混合物が挙げられる:炭酸カルシウム、エデト酸カルシウム・二ナトリウム、シュウ酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、クエン酸三カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸第二銅、炭酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、及びリン酸亜鉛。亜鉛は、外傷治癒に有益であり得、そして、例えば、カルシウムのような別の多価陽イオンと組合わせて使用し得る。国際公開公報WO00/19979号は、銅及び亜鉛を含むゲル化発泡体が、滅菌の有害な影響にいっそう耐えることを開示する。バリウムは、乾燥ゲル化発泡体を、X線に対して実質的に不透過なものとし、その結果、放射線写真法で医療用移植片として使用され得る。
【0022】
好ましいゲル化剤は、多価陽イオンが放出されるとき、緩衝効果を供し、及び/または酸を消費するものでもある。これらとしては、例えば、炭酸水素塩、炭酸塩、及びリン酸塩、好ましくは炭酸塩が挙げられる。特に、アルギネート、ペクチン性物質及びイオタ・カラギーナンのための好ましいゲル化剤は、炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムは、ゲル形成のために必要な陽イオンを提供するのみならず、外傷治癒及び細胞成長のようなある種の用途に望ましい約4から8までの範囲でpHを示すゲル化発泡体をも提供し得る。アルミニウム・イオンは、一般的にカルシウム・イオンとゲル化しないグリコール・アルギネートをゲル化するのに有用である。
【0023】
ゲル化剤の濃度は、生じるゲル化発泡体が、二価陽イオンと反応されないゲル化部位を含む;すなわち、多価陽イオン、または多価陽イオンの混合物は、ゲル形成重合体のゲル化部位の100%を飽和することを必要とするより少ないモル数で存在するように制御され得る。例えば、十分な多価陽イオンが、存在して、利用可能なゲル化部位(アルギネートの場合にはL−グルウロン酸単位、ペクチン性物質の場合にはD−ガラクトウロン酸単位)全てと反応するとき、ゲル形成重合体を飽和させる。
【0024】
アルギネートのゲル化部位を完全に飽和するために必要とされる陽イオンの量は、例えば、二価陽イオンのみが、または三価陽イオンがゲル化に使用される場合、ゲル形成重合体中の2モルのL−グルウロン酸当たり1モルの二価陽イオン、またはアルギネート中の3モルのL−グルウロン酸当たり1モルの三価陽イオンと見なされる。二価陽イオンまたは複数陽イオン、及び三価陽イオンまたは複数陽イオンの混合物が使用される場合、二価陽イオンが2つのゲル化部位を占有し、そして三価陽イオンが3つのゲル化部位を占有するので、アルギネートを飽和するため必要とされる量を決定し得る。従って、これより少ないあらゆる量は、アルギネートのゲル化部位を完全に飽和するのに必要とされるより少ない量であると見なされる。一般的に、添加される陽イオンまたは複数陽イオンは、約10%から200%までを飽和するのに十分である。
【0025】
飽和は、乾燥ゲル化発泡体の用途に依る。ある種の食品及び医薬品用途でのように、乾燥ゲル化発泡体が、水または水性媒体で分解及び/または溶解するのが望ましい用途については、約10%から60%まで、または20%から55%までのような低飽和は、望ましい可能性がある。外傷包帯用途でのように、乾燥ゲル化発泡体が、水または水性媒体で分解しないのが望ましい用途については、約60%から200%まで、または65%から200%までのような高飽和は、望ましい可能性がある。
【0026】
アルギネートでは、多価陽イオンを有するアルギネートの反応によって形成されるゲルの強度は、アルギネートのグルウロン酸含有率(「G含有率」)、並びに、重合体鎖におけるグルウロン酸とマンウロン酸の配列に関連する。アルギネートのG含有率は、少なくとも約30%、好ましくは約40%から約90%まで、そしてさらに好ましくは約50%から約80%までである。例えばレソニア・トラベクラタ(Lessonia trabeculata)から、及びラミナリア・ハイパーボレア(Laminaria hyperborea)の幹から由来するアルギネートは、必要なG含有率を有し、そして本発明のゲル化発泡体を形成するために使用され得る。高G含有率を示す十分に飽和したアルギネートは、最高の機械的強度を示す乾燥ゲル化発泡体を付与する。
【0027】
2つのグルウロン酸単位と、一価陽イオンを加えて、1つのイオン性架橋を作り出すことが要求されることを考慮することによって、これらのG−ブロックと化学量的に反応することが必要とされるカルシウムのような二価陽イオンの量を、各アルギネート型について計算し得る。1%アルギン酸ナトリウム溶液の化学量論的飽和のために必要とされるカルシウムの量は、以下の表で示される:
【0028】
【表1】

【0029】
種々の市販で入手可能なアルギネート、それらの特性、及びそれらの源のリストは、Shapiroの[特許文献9]、表1、欄16、49行から、欄17、18行までに見られる。アルギネートの混合物またはブレンド、例えば様々の分子量及び/またはG含有率のアルギネートは、ゲル形成重合体として使用され得る。
【特許文献9】米国特許第6,334,968号
【0030】
組成物が、2モルのL−グルウロン酸単位当たり1モルの二価陽イオンを含むときに、ゲル化部位の完全な飽和(100%飽和)が起こる。例えば、カルシウムイオンの約15mM溶液は、ラミナリア・ハイパーボレア(Laminaria hyperborea)の幹から抽出されるアルギン酸ナトリウムの1%溶液を100%飽和するために要求され、約12mMカルシウム溶液は、ラミナリア・ハイパーボレア(Laminaria hyperborea)の葉(葉状体)から抽出されるアルギン酸ナトリウムの1%溶液を100%飽和するために要求され、そしてカルシウムイオンの約14mM溶液は、レソニア・トラベクラタ(Lessonia trabeculata)から抽出されるアルギン酸ナトリウムの1%溶液を100%飽和するために要求される。従って、アルギネートを、ゲル形成重合体として使用する場合、ゲル形成組成物は、好ましくは、アルギネート中に存在する2mMのL−グルウロン酸単位当たり0.2から0.9mMまでの二価陽イオン、好ましくはカルシウム(2+)イオンを含む。架橋の範囲は、ゲル形成中に存在する、ゲル化剤、例えば炭酸カルシウムの量、及び/またはpH調節剤、例えばグルコン・デルタ−ラクトンの量を制御することによって制御され得る。架橋の程度も、乾燥のタイミングによって制御され得る。全てのカルシウムが、放出され、そしてアルギネートと反応する前に、乾燥を開始及び完了することによって、架橋は、乾燥工程の前に、より長いゲル化時間と比較して少ない程度に行われる。
【0031】
当業者に明らかである通り、機械的強度は、アルギネート分子量とG含有率、並びに、飽和度、乾燥時間、及びここに記述される他の工程変数の関数である。従って、乾燥ゲル化発泡体の特性は、これらの変数の変動によって特定な用途のために変動及び最適化され得る。さらに、これらの変数のいくつかの異なる組合わせは、所望の特性を示す乾燥ゲル化発泡体を生成し得る。
【0032】
ゲル形成重合体上の全ての部位は、架橋多価陽イオンで飽和されない場合、残りの部位は、非架橋陽イオン、一般的に一価陽イオンによって占有される。Ag(1+)陽イオンのような活性陽イオンは、残りの部位のいくつか、または全てを占有するために使用され得る。Scherrの[特許文献10]は、アルギン酸銀が、火傷、外傷、潰瘍病巣、及び関連病理学的状態の治療のために使用され得る。
【特許文献10】米国特許公報2003/0021832A1号
【0033】
キトサン及びその誘導体のような相補的結合剤(「共結合剤」)、高M−含有量アルギネート、ヒアルロネート、カルボキシメチルセルロース、スターチ、改質スターチ、架橋アルギネートのような改質アルギネート、及びプロピレングリコールアルギネートのようなグリコールアルギネートも添加し得る。これらの水溶性共結合剤は、それら自身、ゲル形成が起こる条件下で水中でゲルを形成しない。例えば、グリコールアルギネート及びラムダ・カラギーナンは、これらが水中でカルシウムイオンとゲルを形成しないので、カルシウムイオンが水中でゲルを形成するために使用されるときに共結合剤として使用する。「改質スターチ」は、環状無水物、特に5から18個までの炭素原子、好ましくは1−オクテニルコハク酸無水物(「OSAN−スターチ」、しばしば、「親油性スターチ」と称される)を含む置換基を含む環状無水物との反応のような、ある程度の化学的修飾を受けたスターチに該当する。置換のおよその量は、約2%から3%までであると報告されている。改質スターチ及びその生成の方法は、Caldwellの米国特許第2,661,349号に開示される。ヒアルロナンは、未硫酸化グルコサミノグリカンであり、そしてその分子量は、それが単離される源によるが、300kDaから200kDaまでの範囲内にある。
【0034】
これらの水溶性共結合剤は、それら自身、ゲル形成が起こる条件下で水中でゲルを形成しない、それらは、強度、粘着、生物活性などのような乾燥ゲル化発泡体に対してある程度有益な特性を付与するために添加され得る。例えば、ヒアルロナンは、化粧効果も供する。高G−含有率を示すゲル形成アルギネートは、高含有率のマヌロン酸(高M−含有率)を示すアルギネートとの組み合わせでゲル化剤として、添加された共結合剤として約70から100%までのMを使用し得る。高M−含有率アルギネートはゲル化しないが、それらは、有益な生物活性特性を示し、そして生じた乾燥ゲル化発泡体にこれらの有益な特性を付与する。
【0035】
水溶性可塑剤
水性分散は、水溶解性可塑剤を含む。可塑剤は、ゲル化発泡体に柔軟性及び軟らかさを供し、その結果生じた乾燥ゲル化発泡体は、軟らかく、そしてしなやかである。さらに可塑剤は、乾燥ゲル化発泡体による水の再吸収を増強する。
【0036】
典型的な可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールのような多価アルコールである。好ましくは、可塑剤は、非毒性であり、そしてゲル形成重合体の溶解性に影響を及ぼさない。エチレングリコール及びポリエチレングリコールのような可塑剤は、アルギネートの溶解性に影響を及ぼす。これは、発泡体の乾燥に有害に影響を及ぼし、脆い発泡体を生成する。好ましい可塑剤としては、ソルビトール及びグリセリンが挙げられる。グリセリン及びソルビトールは、生物適合性であり、そしてアルギネートの溶解性に影響を及ぼさない。
【0037】
可塑剤対ゲル形成重合体の比は、水及び添加剤を除いて、生じたゲル化発泡体が、優勢に可塑剤であるようなものである。水性分散液中の可塑剤対アルギネートの比は、適切には、約10:1から約2:1まで、一般的には約9:1から約2.5:1まで、されに一般的には約8:1から約3:1まで、そしてさらに一般的には、約6:1から約4:1までである。高濃度の可塑剤を有する乾燥ゲル化発泡体は、例えば、外傷包帯用途について要求される通り、軟らかく、そしてしなやかである。高濃度の可塑剤は、乾燥ゲル化発泡体に、粘着性表面を与え得るが、しかし可塑剤濃度を減少させることは、乾燥ゲル化発泡体を硬化させる。好ましくは、水及び添加剤を除いて、乾燥ゲル化発泡体は、優勢に、可塑剤により構成される。一般的に、可塑剤は、水、及びシリカのような添加剤を除いて、50重量%より多く、さらに一般的に55重量%より多くの乾燥ゲル化発泡体を含む。
【0038】
可塑剤は、乾燥ゲル化発泡体中の優勢成分(水及び添加剤を除いて)であるので、乾燥ゲル化発泡体の計算された吸収性(乾燥ゲル化発泡体の吸収/乾燥重量の後の発泡体重量)は、可塑剤濃度が減少するにつれ増大する。乾燥ゲル化発泡体のグラム当たり約10から約17グラムまでの液体、一般的に水性液体の吸収性が観察される。特に、乾燥ゲル化発泡体は、100cmの5mm厚乾燥ゲル化発泡体当たり約50から60gまでの間の液体を吸収する。しかし、100cmの5mm厚発泡体当たり約65gまでの液体を吸収できる発泡体が生成された。
【0039】
発泡剤
発泡剤は、発泡中に助成するために水性分散液中に含まれ得る。存在する場合、発泡剤は、ゲル化が起こるまで続く発泡体を生成するに違いない。この時期は、発泡体形成のために選択された条件によるが、しかし特に、室温で、約半時間またはそれより少ない。発泡剤は、単独材料または発泡中に助成する材料の混合物であり得る。乾燥ゲル化発泡体についての用途によって、発泡剤は、重合発泡剤、界面活性剤、またはそれらの混合物であり得る。
【0040】
表面活性ハイドロコロイドのような重合性発泡剤は、それらが、界面活性剤より生じたゲル化発泡体から濾すことはより困難であるので、一般に、ほとんどの用途のために好ましい。表面活性ハイドロコロイドの例としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、及びプロピレングリコールアルギネートのようなグリコールアルギネートが挙げられる。ある種の用途については、発泡剤に加えて、追加の多糖、例えば、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体を添加することが有利であり得る。
【0041】
重合発泡剤は、好ましくは、水に溶解性があり、その結果、均質なゲル化発泡体が生成される。好ましい水溶性発泡剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ゲル化が起こるまで続く小型気泡を生じる。
【0042】
高濃度のカルシウムを含有する乾燥ゲル化発泡体が、水に浸漬される場合、発泡体構造は、発泡体の架橋の高いレベルにより崩壊しない。しかし、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性発泡剤を含めた発泡体中の可溶性成分は、発泡体の外に拡散する。発泡剤のこの損失は、使用の条件下で溶解性でない発泡剤を使用することによって、例えば、外傷治癒用途で防止され得る。ある種の発泡剤は、体温でゲルを形成し、例えば、メチルセルロースは、35℃より上でゲルを形成する。発泡体が体温にある用途で発泡剤としてメチルセルロースを含む発泡体を使用するとき、メチルセルロースは、ゲル化状態にとどまり、そして発泡体中に残り、そして発泡体の湿潤強度に寄与する。
【0043】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような重合体発泡剤を使用する場合、水性分散液中の重合体発泡剤の濃度は、一般に、約0.5重量%から約6重量%まで、好ましくは約1重量%から約4重量%まで、さらに好ましくは約1.5重量%から約2重量%までである。これは、水及びあらゆる添加剤または発泡体中に存在し得る添加剤を除いて、約3重量%から約37重量%まで、好ましくは約6重量%から約25重量%まで、さらに好ましくは約6重量%から約12.5重量%までの重合体発泡剤を含む乾燥ゲル化発泡体を生成する。
【0044】
所定の用途については、界面活性剤を、添加重合体発泡剤と共に、またはなしに、発泡剤として使用し得る。界面活性剤は、当業者に周知であり、そして例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、及びLaughlinの[特許文献11]に記述される。非イオン性界面活性剤は、典型的に、疎水性有機脂肪族またはアルキル芳香族化合物及び親水性エチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドの縮合産物である。生じるポリエーテル鎖の長さは、疎水性及び親水性特性の間の望ましい平衡を達成するために調節され得る。非イオン性界面活性剤としては、例えば、約5から30モルまでのエチレンオキシドを有するt−オクチルフェノール及びt−ノニルフェノールのような、直鎖または分岐鎖アルキル基中に約8から18個までの炭素原子を含有するアルキルフェノールのエトキシレート、例えば約9.5モルのエチレンオキシドで縮合されたノニルフェノール、約12モルのエチレンオキシドで縮合されたジノニルフェノール;2から100モルまでのエチレンオキシド及び/またはアルコールのモル当たりプロピレンオキシドを有するエトキシ化及びプロポキシル化アルコール、特にC10−20アルコール、特に、約5から30モルまでのエチレンオキシドとの直鎖または分岐鎖配置で約8から18個までの炭素原子を含有する一級アルコールのエトキシレート、例えば、デシルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、またはミリスチルアルコールのエトキレート;約5から30モルまでのエチレンオキシドとの直鎖または分岐鎖配置で8から18個までの炭素原子を含有する二級脂肪族アルコールのエトキシレート;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドとの約8から約20個までの炭素原子を含有する脂肪族アルコールの縮合;ポリエチレングリコール及びポリエチレンオキシド;エトキシル化ひまし油(クレモファー(CREMOPHOR)(登録商標)CO40);エトキシル化水素化ひまし油;エトキシル化ココナツ油;エトキシル化ラノリン;エトキシル化トール油;エトキシル化獣脂アルコール;及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツイーン(TWEEN)(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(ツイーン(TWEEN)(登録商標)40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ツイーン(TWEEN)(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(ツイーン(TWEEN)(登録商標)80)、及びポリオキシエチレンソルビタントリオレート(ツイーン(TWEEN)(登録商標)85)のようなソルビタンエステルのエトキシレートが挙げられる。外傷包帯のような身体への用途については、界面活性剤が、乾燥ゲル化発泡体中に含まれるときに、ソルビタンエステルのエトキシレートのような非イオン性界面活性剤が好ましい。陰イオン界面活性剤の例は、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、及びステアリル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテルスルフェート、及びアンモニウムポリオキシエチレンラウリルエーテルスルフェートである。好ましい陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)である。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムブロミドのような四級アンモニウム塩、及び四量体化ポリオキシエチルアルキルアミンのハライド塩が挙げられる。双極性界面活性剤も使用し得る。
【特許文献11】米国特許第3,929,678号
【0045】
界面活性剤を、重合体発泡剤と共に使用する場合、有用な界面活性剤は、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20界面活性剤のようなソルビタンエステルである。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20界面活性剤のような界面活性剤を、重合体発泡剤と共に使用する場合、乾燥ゲル化発泡体は、約0.05重量%から1.0重量%まで、一般的に0.1重量%から0.5重量%までの界面活性剤を含み得る。しかし、経口手入れ用途のような所定の用途については、例えばラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤を、重合体発泡剤なしで使用する場合、乾燥ゲル化発泡体は、水、及び発泡体中に存在し得るシリカや他の研磨剤または仕上剤のようなあらゆる添加剤または複数添加剤を除いて、約0.5重量%から5.0重量%まで、一般的に1.5重量%から3.0重量%までの界面活性剤を含み得る。
【0046】
pH調節剤
発泡体の生成の間に、pH調節剤を添加して、ゲル化剤から多価陽イオンを放出する。一般的にpH調節剤は、水性分散液中のpHを低下させる。組成物のpHを低下させたとき、多価陽イオンは、利用可能になる。多価陽イオンは、ゲル形成重合体のゲル化部位と反応し、そしてゲル化が起こる。
【0047】
種々の材料、特に、ゲル形成組成物を緩衝する有機酸をゆっくりと発生するものは、pH調節剤として使用され得る。好ましくは、pHは、ゲル形成の間にゆっくりと低下される。従って、pHをゆっくりと低下させるpH調節剤が好ましい。緩衝作用を提供する酸及び/または、化学反応によって酸をゆっくりと発生させる無水物、エステル、アミド、ラクトン、及びラクタムのような酸をゆっくりと発生する材料を、pH調節剤として使用し得る。これらとしては、例えば、乳酸ラクトン、グリコール酸ラクトン、及びグルコノ・デルタ・ラクトンが挙げられる。一方は、酸をゆっくりと発生し、そして他方は、緩衝効果を供する材料の組合わせを使用し得る。
【0048】
好ましいpH調節剤は、グルコノ・デルタ−ラクトン(グルコン酸δ−ラクトン)であるが、しかしpHをゆっくりと低下させる他のpH調節剤も、グルコノ・デルタ・ラクトンに加えて、またはその代わりに使用し得る。クルコノ・デルタ−ラクトン(GDL)は、pHをゆっくりと減少させ、そして非常に制御された方法で起こるゲル化を可能にし、そしてそれは、最適な強度を有する機械的に均質な発泡体の形成を助成する。ゲル形成が、通気の前に起こり、そして発泡が完了した場合、この間じゅうに形成されるゲルは破壊され、その結果、生じた発泡体は、適切な強度を下回る強度を持つ。
【0049】
4から8までの範囲内にあるpHを示す乾燥ゲル化発泡体を生成するpH調節剤対ゲル化剤の比を、使用するのが好ましい。この比は、一般的に約1当量のpH調節剤対1当量のゲル化剤であるか、またはそれより高い。
【0050】
他の成分または添加剤
以下に記述される通り、研磨剤、食品のような添加剤、及び/または医薬上活性な成分(「活性剤」)のような有益な剤及び/または化粧用剤として知られる他の成分は、特定用途のために乾燥ゲル化発泡体に含まれ得る。このように「添加剤」は、ゲル形成重合体、ゲル化剤、可塑剤、発泡剤、共結合剤、pH調節剤、及びゲル化剤から誘導されるカルシウムイオンのようなそこから誘導される成分以外の成分を含む。これらの添加剤の多くを、発泡体の形成の間に水性分散液に添加して、その結果、所望の添加剤または複数添加剤を含有する乾燥ゲル化発泡体が形成される。シリカのような固形添加剤を、このように添加し得る。
【0051】
さらに、乾燥ゲル化発泡体は、親水性及び親油性液体の両方を吸収でき、従って添加剤を、発泡体が形成された後に添加し得る。乾燥ゲル化発泡体を水和しない液体は、毛細管作用により発泡体に吸収され、その結果、別の添加剤を、乾燥させた後に、発泡体に添加し得る。従って、発泡体形成及び乾燥の間の揮発性材料の分解及び損失を避け、そして発泡体形成に有害に影響を及ぼし得る材料を、発泡体が乾燥された後に添加し得る。このような材料の例としては、風味剤及び芳香を含み、そして以下に記述されるもののような、アルコール、油状物、ポリレチレングリコールまたは乾燥ゲル化発泡体を水和させない他の溶媒のような親油性液体中の活性材料の溶液または懸濁液が挙げられる。キトサン、イオタ−カラギーナン、カッパ−カラギーナン、ラムダ−カラギーナン、及びそれらの混合物のような別の重合体を、この技術によって乾燥ゲル化発泡体の表面に添加し得る。カラギーナンは、ゲル形成重合体として使用され得るが、ゲル形成の後、乾燥ゲル化発泡体に添加するときに、添加剤としても使用され得る。C−2ヒドロキシル基が、アミノ基に置換されたセルロースの誘導体としばしばみなされるキトサンは、静電気相互作用により、アルギネートに強力に結合する。
【0052】
水溶性染料または水溶性銀塩のような水含有水溶性成分も、少量で乾燥ゲル化発泡体に添加され得るが、しかし乾燥ゲル化発泡体の水和は、水が発散した後、その外見及び性能を変え得る。
【0053】
ゲル化発泡体生成
ゲル化発泡体の構造は、ゲル形成重合体の重合鎖のゲル化部位のイオン性架橋によって固定される。各イオン性架橋は、様々な重合鎖上に配置される多価陽イオンとゲル化部位の間のイオン性反応によって形成される。重合鎖を連結するイオン性反応は、化学結合、例えば、炭素−炭素結合または炭素硫黄結合が、2つの重合鎖の間に形成される架橋と同じではなく、そして混同されるべきでない。
【0054】
ゲル化発泡体を生成する際に、ゲル化発泡体を形成する成分を、最初に、水中に溶解または分散させる。水性分散液を形成するために使用される水は、ゲル形成重合体を架橋し得るカルシウムのようなイオンを含有すべきでない。分散液を形成するために使用される水を含めたあらゆる源から、カルシウムのような多価陽イオンを架橋すると、ゲル形成重合体を架橋し得るので、脱イオン化または蒸留水が、水性分散液を形成するために好ましい。
【0055】
これらの成分は、あらゆる順序で添加され得るが、一つの方法は、ゲル形成重合体、可塑剤、及びゲル化剤を含有する水性分散液を最初に形成することである。分散液を攪拌して、ゲル形成重合体及び可塑剤を溶解させ、そしてゲル化剤を分散させる。ゲル形成重合体が溶解し、そしてゲル化剤を分散させた後、発泡剤及びpH調節剤を添加する。発泡剤を使用する場合、ゲル形成重合体及び可塑剤が溶解し、そしてゲル化剤が分散された後に添加され得、その結果、これらの材料が水性分散液中に均一に分配されるまで、発泡体は形成されない。
【0056】
代わりに、発泡剤を、ゲル形成重合体、可塑剤、及びゲル化剤を含有する水性分散液に添加し得る。その後、ゲル形成重合体、可塑剤、及びゲル化剤を、低せん断で分散または溶解させ、よって発泡体は形成されない。ゲル形成重合体、可塑剤、及びゲル化剤を、溶解または分散させた後、せん断を増大させて、発泡体を形成する。
【0057】
アルギネートが完全に溶解する前に、pH調節剤を添加する場合、均質な発泡体を形成することが困難である可能性がある。pH調節剤を、ゲル化剤を含有する水性分散液に添加する前に、ゲル化剤の多価陽イオンは、ゲル形成重合体を架橋するのに利用可能でない。結果として、水性分散液は、pH調節剤の不在下でゲル化しない。従って、時期尚早なゲル形成または予備ゲル化を防止するために、ゲル形成重合体及び可塑剤が、溶解し、そしてゲル化剤が、水性分散液中に分散された後、pH調節剤を添加するのが有利である。
【0058】
発泡体の形成の前後に、pH調節剤が添加され得る。1つの方法では、発泡体は、数分間、水性分散液を曝気することによって、pH調節剤以外の全ての成分を含む水性分散液から形成される。pH調節剤を添加し、そして曝気を、さらに数分間継続する。pH調節剤を、粉末として、または溶液中に溶解させ得る。好ましい溶液は、水中の5から25%のグルコノ・デルタ−ラクトン(GDL)である。水が、グルコノ・デルタ−ラクトンをグルコン酸にゆっくりと変換するので、グルコノ・デルタ−ラクトン溶液は、好ましくは、生成の15分以内に、さらに好ましくは5分以内に使用される。pH調節剤を、ゲル化剤を含有する水性分散液に添加したとき、多価陽イオンを可溶化させるか、またはそうでなければ、pH調節剤によって引き起こされたpHにおける減少により、ゲル化部位と反応することが可能になる。好ましくは、pH調節剤は、ゲル形成組成物のpHをゆっくりと低下させる。多価陽イオンのこのゆっくりとした放出は、機械的に均質であるゲル化発泡体を提供する。
【0059】
発泡体がゲル化するための時間は、ゲル化剤の粒子のサイズを変化させることによって制御され得る。粒子が大きすぎる場合、ゲル化時間は、ほとんどの用途について許容できないほど長い可能性がある。小型粒子のゲル化剤を使用する場合、小型粒子は、反応のためのより大きな表面積を有し、そして結果として、多価陽イオンは、いっそう迅速に放出される。従って、ゲル形成は、大型のゲル化剤を使用する場合より比較的さらに迅速に起こる。粒子が、平均で、約0.28μm以下である場合、当初のゲル化時間は、3分未満である。従って、小型粒子の場合例えば型に注がれることによって、発泡体を形作って、最終製品を形成する直前に、pH調節剤を添加すべきである。粒子が、平均して約3.3μmである場合、当初のゲル化時間は、室温で、約20分である。粒子が、平均して、約21μmである場合、当初のゲル化時間は、室温で、約20分である。最大ゲル化のための時間は、ゲル化剤の粒子サイズを制御することによって、約2.5時間から、16時間を越えるまで変化し得る。当業者に明らかである通り、架橋の高い当初速度、続いて架橋のより遅い速度は、大型及び小型粒子の混合物の使用によって達成され得る。
【0060】
発泡体は、水性分散液から形成される。発泡は、周知の方法によって行われ得る。水性分散液を叩解、攪拌、またはそうでなければ機械的に曝気することによって、発泡体を生成し得る。バッチ及び連続の混合及び発泡の両方を行い得る。発泡は、空気のような気体の水性分散液中への導入、及び混合効果を作り出す水性分散液のせん断を伴い得、そしてそれは、分散液中の気泡の以上に微細な分散を生じ得る。発泡の初期段階で、分散液中に流入された気体の総量が少量である場合、気泡は実質的に形状で球状であり得る。分散液中に流入された気体の総量が増大すると、気泡は実質的に多面体形状に変化する可能性があり、そして分散液は、隣接気泡の間で、そして数種の気泡が、互いに非常に密接な近位になるリブまたはスポーク中の薄膜に分配される。結果は、細胞の構造で分散される気体を有する発泡体である。
【0061】
乾燥ゲル化発泡体の密度、吸収性、及び柔軟性は、ブレンド時間を変化させることによって変動され得る。短いブレンド時間は、長期の通気の後に得られる柔軟でそしてふんわりとした発泡体より高い湿潤密度を示すいっそう小型の発泡体を提供する。低い通気時間で生成される発泡体は、よりよい流動特性を示し、そしてそれは、ゲル化発泡体が、型に注がれるべきであるときに有用である。しかし、長期通気時間で生成された低密度を示すゲル化発泡体は、液体をより早く吸収する。曝気の量によって、約0.1g/mlから約0.4g/mlまでの湿潤密度を示す湿潤発泡体を生成し、そしてそれは、乾燥後に、約0.04g/mlから約0.09g/mlまでの密度を示す乾燥ゲル化発泡体を生成し得る。代わりに、発泡体は、当業界で知られる他の方法で生成され得る。例えば、気体を溶液中に吹込むことによって、溶液に真空を使用することによって、または圧力下で、ダイを通して水性分散液を押出すことによって、発泡体を生成し得る。
【0062】
湿潤ゲル化発泡体は、層として、または形作られた物品として注型され得る。例えば、発泡体は、基材上に層として注型され、そしてそれは、織または不織繊維状物品、フィルム、または別の乾燥ゲル化発泡体であり得る。基材は、例えば、綿、麻、絹、ナイロン、ポリエステル、レーヨンのような繊維または撚り糸の集合、アルギネート、ポリラクチド、及びそのブレンドのような多糖、タイベック(TYVEK)(登録商標)紡績結合ポリエチレンのような不織材料、または紙または重合体フィルムのような材料を含み得る。ゲル化発泡体は、約1mmまでの厚みを示す薄い発泡体層として注型し得る。代わりに、ゲル化発泡体は、約30mmまでの厚みを示す厚い発泡体層として注型し得る。外傷包帯として都合のよい乾燥厚は、約2mmから約10mmまで、一般的に約5mmである。代わりに、湿潤ゲル化発泡体は、例えば、皮膚に塗布し、形成し、そしてその場で乾燥させ得る。
【0063】
その形成の後に、ゲル化発泡体を乾燥させる。ゲル化発泡体を、周囲温度で、またはゲル化発泡体をオーブンに入れることによって、または暖かい空気を発泡体上に吹込むことによって、例えば、約40℃から100℃まで僅かに加熱して乾燥し得る。代わりに、乾燥発泡体は、赤外加熱で乾燥させ得る。乾燥は、バッチまたは連続工程で行われ得る。ゲル化発泡体を凍結乾燥させることは不必要である。本発明の利点は、ゲル化発泡体の凍結乾燥が不必要であり、そして好ましくないことである。再水和の後に乾燥ゲル化発泡体の湿潤引張強度を増大させるために、そしてさらに乾燥時間を最小限にするために、室温で、または室温よりほんの僅かに上で発泡体を最初に乾燥させ、その後、乾燥温度を増大させることが有利である。例えば、発泡体を、約1時間、40℃で乾燥させ、その後、約2時間、約60℃で、そしてその後、約1時間、約80℃で乾燥させ得る。
【0064】
予め成形された発泡体を酸で処理することによって、ゲル化発泡体を形成するとき、生じるゲル化発泡体は、ゲル化剤から多価陽イオンを放出し、そして発泡体をゲル化する必要のある酸の拡散のため機械的に均質でない。しかし、本発明の方法は、機械的に均質であるゲル化発泡体を生成する。機械的に均質である、ゲル形成重合体の反応したゲル化部位が、ゲル化発泡体の固相を通して均等に分配されることを意味する。
【0065】
湿潤発泡体の一片を、有機液体、一般的に水と混和性であるか、または水が部分的に溶解性である有機液体、例えばメタノールまたはエタノールのような低級アルコール、またはアセトンのようなケトンに添加することによって、ゲル化発泡体のビーズを形成し得る。特に、浴は、有機液体が、発泡体以外の可塑剤を濾すことを防止するある種の可塑剤も含有する。有機溶媒は、アルギネートを沈殿させ、そしてそれがカルシウムイオンによって架橋されることを防止するので、カルシウムイオンによる架橋の量は、発泡及び有機液体への発泡体の添加の間の時間の長さによって、そして発泡体が有機液体中に残される時間の長さによって制御され得る。
【0066】
バイオ医療用途については、乾燥ゲル化発泡体は、一般に滅菌状態であり、そして滅菌包装物中に含まれる。乾燥ゲル化発泡体は、ガンマ線、蒸気及び加熱滅菌、電子ビーム、またはエチレンオキシドのような化学的滅菌のような当技術分野で知られる滅菌技術を使用して滅菌され得る。
【0067】
乾燥ゲル化発泡体は、包装、輸送及び保存の容易さのために圧縮され得る。乾燥ゲル化発泡体は、重りでそれらの上に圧力を加えることによって、それらの体積を約6分の1まで容易に圧縮し得る。圧縮した乾燥ゲル化発泡体は、未圧縮乾燥ゲル化発泡体と同じ吸収性を示し、そして乾燥ゲル化発泡体を圧縮することは、それらの吸収性を変化させないことを示す。
【0068】
乾燥ゲル化発泡体に穴をあけて、液体が吸収される速度を増大させ得る。穴開き乾燥ゲル化発泡体は、非穴開き発泡体よりいっそう迅速に液体を吸収するが、しかし発泡体によって吸収される液体の量は同じである。
【0069】
同じ及び/または異なる物理特性及び/または化学的成分(異なる活性成分、着色などのような)を有する発泡体の2つまたはそれより多くの層を一緒に積層して、同時に別の非適合性の有益な剤の送出のような、種々の利益を有する多層発泡体を作成し得る。この技術は、有益な剤の所望の放出特徴、所望の質感、吸収プロファイル及び所望の外見で構築するために使用され得る。これは、乾燥ゲル化発泡体の2つまたはそれより多くの層を付着させることによって行われ得る。代わりに、湿潤発泡体の第二層は、湿潤または乾燥発泡体の第一層上に注型し得る。多層を有する発泡体を作成する場合、層間に捕捉され得る着色物品、模様、フィルムまたは形状を添加することが可能である。これらの模様は、乾燥発泡体で目に見えないが、しかし発泡体が液体を吸収し、そして透過性になるとき明らかである。
【0070】
所定の段階のゲル化及び乾燥での発泡体マスは、さらなる乾燥で、種々の形状の「発泡体」本体を供し得る様々な形状で押出し得る。この処理は、個人的及び口腔手入用途のための球状形状の対象物を作るのに特に有用であり得る。
【0071】
産業上の利用性
乾燥ゲル化発泡体の高吸収特性は、オムツ及びサニタリー製品で、そして有害な廃棄物を含めたこぼれたもの及び液体廃棄物を吸収するための製品でのような様々な用途に利用できる。この用途のいくつかでは、材料が毒性でなく、十分に許容され、そして生物分解性であり、そして吸収材料が、排水処理工程を害せず、そしてそれで、汚水廃棄の通常の工程を使用することによって容易に処理され得る。種々の成分を、特定の用途について乾燥ゲル化発泡体に添加し得る。例えば、粉末または顆粒形態で活性炭を、臭いのような、空中から望ましくない化合物を吸収するために添加し得る。
【0072】
乾燥ゲル化発泡体は、外傷包帯として有用である。外傷包帯組合わせは、例えば、高吸収性;高柔軟性;垂直材のガーゼ芯;外傷に対して非粘着性;高い乾燥強度;高い湿潤強度;カルシウム付与;及び非脱離マトリックスを含めた多くの望ましい外傷包帯特性を合わせる。さらに、銀、銀塩、及び/またはキトサンのような抗微生物剤は、包帯に組み込まれ得る。
【0073】
外傷包帯は、外傷と直接接触して置かれる、または外傷に対して実地と同じくらい近い一次包帯である。外傷包帯は、損傷を受けた組織で、そして流動体及び分泌物の制御及び管理が望まれる体内の流動体排液のために使用され得る。包帯は、必要とされる場合、ラップ、テープ、ガーゼまたはパッドのようなあらゆる適切な二次外傷包帯との位置に固定され得る。包帯は、一時的であるが、しかし、治癒した組織に組み込まれない。外傷包帯用途としては、発泡体は、一般的に、約6.0から約8.0まで、さらに一般的に約6.0から約7.0までのpHを示す。
【0074】
外傷包帯は、上に記述される通り、織または不織繊維状物品、フィルムまたは別の乾燥ゲル化発泡体であり得る基材の上に発泡体の層を含み得る。代わりに、乾燥ゲル化発泡体は、支持体なしに外傷包帯として使用され得る。代わりに、発泡体は、未ゲル化状態で外傷の周りに形作られ、そしてその場でゲル化させ得る。
【0075】
包帯は、ゲル化発泡体と基材との間にガーゼ芯層をも含み得る。ガーゼ芯層は、吸収性を供するが、しかしさらに重要には、湿気に、包帯の外傷に面する側から、湿気が通気性裏張りを通して包帯の外に逃げるものである包帯の裏側に移動させる。優れたガーゼ芯特性を示して、その結果、湿気は、できる限り大きな表面積を越えて広がり、従って蒸散を増大させ得るべきである。この層の全体的効果は、ゲル化発泡体から湿気を引き寄せ、従って、外傷が柔らかくなる機会を減少させること、そして包帯の裏張りを通して蒸散を増大させることである。ガーゼ芯層は、望ましい場合、数枚の層(同じであっても、なくともよい)より形成され得るが、しかし、ガーゼ芯層の総厚みは、1mmを越えないことが好ましい。ガーゼ芯層のための適切な材料としては、不織、織及び編込繊維が挙げられる。不織外科用スワブを生成するために従来使用されるもののような、不織粘性繊維が好ましいが、しかし多くの代替繊維、特に他のセルロース性繊維は、それらの場所で使用され得る。
【0076】
外傷治癒を助成するために発泡体形成の前、間、または後に、成長ホルモンまたはポリペプチド成長因子を、乾燥ゲル化発泡体に組み込み得る。銀、銀塩、及びクロロヘキシジンのような静菌剤及び細菌死滅材料;ペニシリンのような抗生物質;アスコルビン酸のようなビタミン類;ププシン及びトリプシンのような酵素;鎮痛剤;及びトンビン及びフィブローゲンのような材料も、発泡体形成の前、間、または後に、乾燥ゲル化発泡体に組み込み得る。
【0077】
乾燥ゲル化発泡体は、細胞培養複製媒体として有用である。複製されるべき細胞は、発泡体中の穴に配置され得る。細胞培養複製媒体は、移植片、一般的に生物吸収性移植片を構築し得る。哺乳類細胞のような培養された細胞は、移植片の穴に配置され得、そしてそれは、その後、ヒトまたは動物の体内で外科的に移植され得る。移植片は、インビボで移植片中及び周囲で細胞成長を促進し得る。
【0078】
乾燥ゲル化発泡体は、後手術組織粘着を防止するために移植され得る生物吸収性防御媒体として役割を果たし得る。
【0079】
乾燥ゲル化発泡体は、徐放性送出系として、または例えば、抗生物質、抗細菌剤、抗真菌剤、消毒剤、抗炎症剤、癌の治療のための剤、栄養剤、生体細胞などのような有益な剤のための送出系として使用され得る。水和されたゲル化発泡体は、水溶性分子に対して低い拡散防御を示し、その結果、水溶性の有益な剤は、水和発泡体の外に迅速に拡散する。送出系は、直接的に取り込まれ得る。あるいは、送出系は、ミルクまたは飲料のような水または水性液体中で予め水和され得るか、または口腔洞に置かれるべき水または水性液体中に部分的に、または完全に溶解され得る。
【0080】
有益な剤は、患者に経皮で投与され得る医薬品または医薬上活性剤であり得る。有益な剤は、発泡の前または間に、水性分散液に含まれ得る。代わりに、例えば、ゲル化発泡体を、有益な剤を含有する、水のような液体に浸漬するか、または液体と共にゲル化発泡体を噴霧することによって、有益な剤を、ゲル化発泡体に組込み得る。有益な剤としては、例えば、抗微生物剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗咳剤、充血除去剤、抗ヒスタミン、排痰剤、抗下痢剤、ヒスタミンII受容体拮抗剤、H2受容体拮抗剤(ブロッカー)、抗酸化剤、プロトンポンブ阻害剤、中枢神経系剤、鎮痛剤、抗パーキンソン病薬剤、麻薬性鎮痛剤、鎮痛−解熱剤、抗真菌剤、心理製薬学上の薬剤、及びこれらの混合物のような医薬上の活性剤が挙げられる。
【0081】
発泡体形成の前または間に、マイクロスフェアを添加することによって、酵素含有マイクロスフェアを、乾燥ゲル化発泡体に組込み得る。Prud’hommeの米国特許第6,268,191号で開示される通りマイクロスフェアの使用は、別の状況では乾燥ゲル化発泡体に組込むのに適切でない剤の徐放に対処する。
【0082】
種々のフォーマットの発泡体が、食品、医薬品、及び個人の手入分野で使用し得る。一般に、発泡体は、それ自身、使用、塗布または食される状態にある製品であり得るか、または早期再水和の後、製品になる製品の「乾燥版」であり得る。例としては、界面活性剤、芳香及び他の適切な活性剤を含有する一片の発泡体は、一方では、または消費者の頭髪では早期再水和の後に液体シャンプーになり得る。あるいは、食用食品成分を含有する発泡体の乾燥片は、熱水または冷水で、再水和後に再構築食品のゲル化片になり得る。
【0083】
食用乾燥ゲル化発泡体は、有益な剤、例えば、抗生物質、抗細菌剤、抗真菌剤、及び微細栄養剤、呼気清涼剤、及びビタミンAのようなビタミン類、鉄のようなミネラル類、及び他の食品補助剤の担体として使用され得る。ヒト消費のために設計された乾燥ゲル化発泡体については、着色剤、風味剤、糖のような甘味剤、及び他の成分も、ゲル化発泡体の形成の前、間または後に添加し得る。
【0084】
薬剤または医薬上活性剤を含有する高いカルシウム濃度(60〜200%飽和)で生成された発泡体は、非溶解の製薬学上の投与形態として機能し得る。それらは、口腔洞で水和されるか、またはそれを摂取する前に水中に予め水和されるかのいずれかであり得る。いずれの方法で、乾燥ゲル化発泡体は、ゲルに、またはジェル様フォーマットに水和され得る。これは、咀嚼を伴って、またはなしに膨張され得る。ゲル様感触は、子供、高齢者、唾液分泌の少ない個人、またはペットのような動物、例えばネコ、または家畜動物のような、錠剤、カプセル剤または類似物のような乾燥経口投与形態を取ることにおいて問題を示す個人、または動物にとって有益であり得る。
【0085】
乾燥ゲル化発泡体は、ナッツ、果物、野菜及びたんぱく質のような新鮮または乾燥食品を封入するために使用され得る。生じた乾燥ゲル化発泡体が、均質な材料であるように見えるように、食品を、一般に、微細に分割する。脱水和材料として販売される食品は、特にこの用途で有用である。食品は、発泡体に組込まれる前に、調理され得る。新鮮な食品は、乾燥工程の間に乾燥し得る。一般的に、食品としては、例えば、ウォールナッツ、ピーカン、及びアーモンドのようなナッツ;ニンジン、豆、ビート、トマト、セロリ、グリーンピース、トウモロコシ、カブ、ジャガイモ、タマネギ、及びコショウのような野菜;リンゴ、桃、梨、プラム、アプリコット、パイナップル、チェリー、クランベリー、レーズン、及びオレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、マンダリンオレンジ、及びキンカンのような柑橘類のような果実;及び大豆タンパク及びカゼインのようなたんぱく質が挙げられる。種々の食品の混合物を使用し得る。ヒト消費のために設計された乾燥ゲル化発泡体については、着色剤、風味剤、糖のような甘味剤、及び他の成分も、ゲル化発泡体の形成の前、間または後に添加し得る。乾燥ゲル化発泡体は、乾燥ゲル化発泡体を含む食品の重量に基づいて、約80%までの食品を含み得る。存在し得る食品の量で下限はないが、食品が存在する場合、乾燥ゲル化発泡体は、一般的に、少なくとも約5重量%、さらに一般的に少なくとも約10重量%の食品を含む。乾燥ゲル化発泡体を含有する食品のpHは、中性付近(約pH7.0)から、約2.0まで、一般的に約3.0までであり得る。
【0086】
食品成分として、乾燥ゲル化発泡体は、朝食用シリアル中の含有物として使用され得る。乾燥ゲル化発泡体片は、水和により、予め決定された形状を得て、そしてそれらは、環、立方体、星型、及びハート型のような飛び出し式模様、そして動物及び漫画のようなさらに洗練された模様として作用し得る。食用乾燥発泡体は、スープのための人工クルトン及びパン片、人工ベリー及び果実片のようなドライミックス食料における成分として、砂糖菓子様子として、そして砂糖菓子ストリップ及びパッドまたはマシュマロ様製品としても使用され得る。
【0087】
発泡体の他の食品用途は、パン、クルトンまたはビスケットに類似の製品であり得て、乾燥食品ミックスのフォーマットとして発泡体は、水和、及び都合により混合により、機能的になる。任意で風味付け及び、または着色された発泡体は、パン製品、酪農、アイスクリーム、飲料水、及び砂糖菓子製品に含まれ得る。発泡体の所定の構造及び適合性特性で、それは、低炭化水素製品に能力を示す。発泡体は、非毒性で、食用であり、そして水中で面白い膨張特性を示すので、発泡体は、子供用のおもちゃとして適切である。おもちゃは、食べられることを意図しても、しなくともよく、そして任意で、含まれる風味剤、着色剤、芳香または感触または膨張特性を改質する成分を有し得る。適切な成分を有する発泡体は、即席飲料製品としても機能し得る。発泡体の用量を、熱いまたは冷たい液体に添加し、そして攪拌により、風味剤、着色剤、感触改質剤、または意図される飲料を形成する他の成分を水和、分散または溶解及び放出する。
【0088】
低カルシウム濃度(10〜60%飽和)で生成された発泡体は、口腔洞、GI管(胃腸管)、鼻及び眼のような体の湿潤部位への有益な剤及び/または医薬上活性剤の送出のための早期崩壊または溶解投与形態として機能し得る。分解の速度を増大するために、150,000未満のような低分子量を示すアルギネートを使用することが推奨される。送出され得る歯科衛生で有用な物質としては、例えば、モノリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、錫を含むフッ化物のようなフッ化物;銀、亜鉛、及びカリウム塩のような活性陽イオンの塩;クロロヘキシジン;トリクロサン;チモール;クロロキシエノール;ヘキサクロロフェン;過酸化カルシウムのような発生期の酸素発生剤;硝酸カリウムのような感度低減剤;及び沈降シリカのような研磨剤が挙げられる。着色剤、風味剤、サッカリンのような甘味剤、及び他の成分も添加し得る。
【0089】
口に入れられたときに、乾燥ゲル化発泡体を、すばやく水和し、そして義歯支持体として長期間口の中で維持するのに、または一晩を含めて可変の時間の間、歯及び口腔洞に、上に記述されるもののような有益な剤を送出するのに適切である。代わりに、ゲル形成重合体が、100%飽和未満、例えば10〜60%飽和のみである場合、乾燥ゲル化発泡体は、口に入れたときに、分解するように生成され得る。
【0090】
乾燥ゲル化発泡体は、食道までの灌流を防止する物理的防御を形成するために使用され得る。予め決定された量の乾燥ゲル化発泡体、または「用量」を使用する。1つの方法では、予め決定された量の乾燥ゲル化発泡体は、胃液及び/または胆汁酸が、食道の下部に通過するのを防止する物理的防御または「胃ラフト」として役割を果たすために経口で摂取される。
【0091】
別の方法では、予め決定された量の中間体飽和(10〜60%)を示すアルギネート発泡体が口に入れられ、それが水和し、そしてその後、飲み込まれる前に部分的に溶解及び部分的に分解する。口内では、中間体飽和を示す発泡体は、これらの発泡体がしばしば行う通り、アルギン酸ナトリウム(カルシウムなし、架橋なし)を有するのみで、そして口を乾燥させないアルギネート発泡体より粘着性が低いか、または歯の詰め物が少ない。しかし、溶解及び分解アルギネートは、ゲル化する能力をなお有する。例えば、この溶液を、塩化カルシウムの溶液に浸漬するときに、ゲルビーズが形成する。分解され、そして部分的にまたは完全に溶解したアルギネートが胃に入るとき、酸は、アルギネートを酸ゲルに変換する。組成物は、酸で活性化したゲル化剤、例えば炭酸カルシウムのようなカルシウム源を含有する場合、ゲル化イオンを、胃に放出させ、そして胃の中に架橋アルギネートゲルを作り出す。炭素塩は、ゲル中に気体を作り出し、そして浮遊ゲルラフトまたは「胃のラフト」を生じ、そしてそれは、食道への灌流を防止する物理的防御として役割を果たし得る。
【0092】
炭酸カルシウムを、過剰量の炭酸カルシウム及び限定量のpH調節剤、例えば、グルコノ・デルタ−ラクトン(GDL)の使用によって、形態形成の間に乾燥ゲル化発泡体に組み込み得て、その結果炭酸カルシウムの一部のみが、pH調節剤との反応を表し得る。カルシウム架橋の量と、ゲル形成反応の間に炭酸カルシウムが存在する範囲との両方は、ゲル形成の間に存在するpH調節剤の量を制御することによって制御され得る。従って、予め決定された量の炭酸カルシウムを含有する発泡体を生成することが可能であり、そしてそれは、胃の中で反応する。キメチジン(タガメット(TAGAMET)(登録商標))、ファモチジン(ペプシジン(PEPSIDINE)(登録商標))、ニザチジン(アキシド(AXID)(登録商標))、及び/またはラニチジン(ザンタック(ZANTAC)(登録商標))のようなH2拮抗剤、及び/またはラベプラゾール(アシフェックス(ACIPHEX)(登録商標))、ランソプラゾール(プレバシド(PREVACID)(登録商標))、オメプラゾール(プリロセック(PRILOSEC)(登録商標))、及び/またはパントプラゾール(プロトニックス(PROTONIX)(登録商標))のようなプロトンポンプ阻害剤のような予め決定された量の他の成分も、ここに記述される方法を使用して乾燥ゲル化発泡体に組み込み得、その結果、胃のラフト及び適切な薬剤の両方を含む単回用量を生成し得る。
【0093】
ある種の口腔手入れ用途のために、研磨剤または仕上剤を、乾燥ゲル化発泡体に組込み得る。適切な研磨剤、または仕上剤は、水溶解性がないか、または非常に低い、一般的に直径約1から40ミクロンまでの粒子サイズを示し、さらに一般的に直径約2から20ミクロンまでを示し、正常な粒子サイズ分布を示し、そして乾燥ゲル化発泡体の形成に影響を及ぼさない微細に分割された水不溶性粉末材料が挙げられる。これらの材料は、過度に研磨しない仕上活性を示す。典型的な研磨剤としては、リン酸二カルシウム・2水和物(一般にリン酸二カルシウムとして知られる)、リン酸三カルシウム、ピロリン酸カルシウム、珪酸カルシウム、及びカルシウム・アルミネートのようなカルシウム基材の仕上剤;メタリン酸ナトリウム;不定形シリカ;結晶質シリカ;沈降シリカ;複合アルミノシリケート;水酸化アルミニウム;アルミノシリケート、ベントナイト、タルク、酸化アルミニウム、シリカ・ヘキセロゲル、及びそれらの混合物が挙げられる。適切な研磨剤は、ゼオデント(ZEODENT)(登録商標)113(J.M.ハバー(J.M.Huber Co.,)、米国メリーランド州バヴァー・ド・グレース(Havre de Grace,Maryland USA))のような非コロイド様シリカである。炭酸カルシウムは、研磨剤として使用し得る。過剰の炭酸カルシウム及び限定量のpH調節剤の使用によって、それを、形態形成の間に乾燥ゲル化発泡体に組込み得て、その結果、存在する炭酸カルシウムの一部のみが、pH調節剤との反応を受ける。風味剤、芳香及び/または着色剤も添加し得る。
口腔手入及び歯科衛生に加えて、乾燥ゲル化発泡体は、頭髪及び/または皮膚に対する化粧用剤のような、有益な剤の用途でのように他の個人の手入用途に有用である。使用の前に、柔らかくそして柔軟である水分解性乾燥ゲル化発泡体を使用する。それらは、例えば、浴またはシャワーの間、使用の望ましい部位への成分の継続送出を提供する一方で、頭髪または皮膚に成分を機械的に送出するゆっくりと分解する基材をも提供し、そして使用の間に部分的または完全な分解及び洗い流しを供する。
【0094】
乾燥ゲル化発泡体は、化粧用剤、すなわち、ヒト皮膚及び/または頭髪に塗布するときに、化粧効果を生じる有益な剤の送出のための系として使用し得る。化粧用剤としては、例えば、水、緩和剤;閉塞剤;モイスチャライザー;湿潤剤;日焼け止め剤、ジヒドロキシアセトンのような日焼け剤;メルカプタン、特にチオグリコール酸カルシウムのようなチオグリコール酸の塩のような頭髪を除去する剤(脱毛剤);剥離剤、例えば、乳酸及びグリコール酸のようなアルファ−及びベータ−ヒドロキシ酸、ベンゾイルペルオキシド、レゾルシノール、たんぱく質分解酵素、レチノール及び外側皮膚層の剥離を引き起こす能力のある他の類似の化合物、微細結晶性セルロースなどが挙げられる。鉱物油のような閉塞剤は、層コメウム(stratum comeum)を越える水不透過性防御の形成により、皮膚からの湿気損失を物理的に防止または減じる。緩和剤及びモイスチャライザーは、層コメウムの外側表面及び上層に水を引寄せ、そして保持する。(層コメウムは、上皮の外側露出層に該当する)。緩和剤は、皮膚用綿に軟化または平滑効果を供し、そして水蒸散の速度及び組成物の厚みを制御する助けになる。
【0095】
一般的に、乾燥ゲル化発泡体中の水溶性可塑剤または複数可塑剤、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、及びPEG−4は、適切な湿潤剤である。典型的な緩和剤は、例えば、ヒアルロナン、ラノリン油;ココナッツ油;カカオ脂;オリーブ油;ボホバ油;ひまし油;ジイソプロピルアジペートのようなエステル、C−C15ベンゾエート、C12−C15アルキルベンゾエートのようなヒドロキシベンゾエートエステル、イソ−ノニル・イソ−ナノエートデオクチルアジペート、オクチルステアレート、ヘキシルラウレート、ココ−カピレート、セタリル・イソノナノエート、イソプロピルミリステート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルドデシル・ネオペンタノエート及びプロピレングリコールイソセテス−3アセテート、デシルオクレート、及びカプリック/カプリックトリグリセリド;シクロメチコーン;ジメトコーン;フェニルトリメチコーン;鉱物油のようなアルカン、ジメチルポリシロキサンのようなシリコーン、及びジカプリルエーテルのようなエーテル;ポリオキシプロピレンブチルエーテル、及びポリオキシプロピレンセチルエーテルである。
【0096】
送出され得る他の化粧用剤としては、例えば、着色染料及び紫外線照射を反射、拡散及び/または吸収する染料が挙げられ、しばしば、微細表面処理済み二酸化チタン及び微細表面未処理及び表面処理済み酸化亜鉛のような物理的日焼け止め剤または無機日焼け止めと称される。二酸化チタンは、鋭錐石、金紅石、または不定形構造を有し得て、そして好ましくは、5nmと150nmの間、好ましくは10nmと100nmの間、そしてさらに好ましくは15nmと75nmの間の平均一次粒子サイズを示す。酸化亜鉛は、好ましくは、5nmと150nmの間、好ましくは、10nmと100nmの間、そしてさらに好ましくは、15と75nmの間の平均一次粒子サイズを示す。乾燥ゲル化発泡体により皮膚に送出され得る、有機日焼け止め剤と称される、紫外線照射を吸収する有機材料としては、例えば、p−アミノ安息香酸(PABA);ベンゾフェノン−1−(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン);ベンゾフェノン−2−(2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン);ベンゾフェノン−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン);ベンゾフェノン−4−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸);ベンゾフェノン−6(2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン);ベンゾフェノン−8(2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン);ベンゾフェノン−12(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン);メトキシシンナメート;エチルジヒドロキシプロピル−PABA;グリセリルPABA;ホモサレート(ホモメチルサリシレート);メラジメート(メンチルアントラニレート);オクトクリレン(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート);オクチルジメチルPABA;オクチノキセート(オクチルメトキシシンナメート);オクチサレート(オクチルサリチレート);アボベンゾン(4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン);エンスリゾン(2−フェニルベンジミダゾール−5−スルホン酸);トロラミンサリチレート(トリエタノールアミンサルチレート);3−(4−メチルベンジリデン)−カンファー;赤色ペトロラタム;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0097】
他の化粧用剤、例えば防水剤、防腐剤、抗酸化剤、香料、着色剤、植物抽出物、吸収剤、調整剤、抗微生物剤、殺昆虫剤、pH調節剤、防腐剤、及び芳香等も、この形態で適用され得る。防水剤としては、例えば、C30−C38オレフィン/イソプロピルマレート/MA共重合体、ジメチコーンコポリオールホスフェート、ジイソステアロイルトリメチロルプロパンシロキシシリケート、キトサン、ジメチコーン、ポリエチレン、PVP、及びポリ(ビニルピロリドン/ビニルアセテート)などのような重合体フィルムを形成する化合物が挙げられる。防腐剤は、微生物混入及び/または酸化を防止する。典型的な防腐剤/抗酸化剤は、例えば、ジアゾリジニルウレア、ヨードプロポニルブチルカルバメート、酢酸ビタミンE(酢酸アルファ−トクフェロール)を含めたビタミンE(アルファ−トコフェロール)及びその誘導体、ビタミンC(アスコルビン酸)、ブチレート化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチレート化ヒドロキシアニソール(BHA)、メチルパラベン、エチルパラベン、n−プロピルパラベン、及びその混合物である。化粧用添加物としては、例えば、香料;及びアロエ、マンサク、キュウリなどのような植物抽出物が挙げられる。上に列挙されるもののような界面活性剤は、例えば、劇場用メイクのようなメイクの除去で助成するために使用され得る。この目的のための有用な界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。皮膚に対して冷却、平滑化、及び湿潤効果を示す活性剤と見なされ得る水は、湿潤発泡体を、湿潤または乾燥膚に塗布することによるか、乾燥発泡体を乾燥膚に塗布することによるか、または乾燥発泡体を、乾燥膚に塗布し、そして皮膚に塗布した後に発泡体を水和させることによるかのいずれかにより、送出され得る。
【0098】
顔に化粧用剤または複数の剤を塗布する都合のよい方法は、乾燥ゲル化発泡体のフェイスマスクを用いることである。フェイスマスクは、早期溶解の乾燥ゲル化発泡体を含み得、その結果、予め決定された時期の後に洗い流し得る。これは、優れたクレンジングを提供するが、しかし化粧法剤は、フェイスマスクが洗い流されるときに皮膚から除去され得る。皮膚から化粧用剤を除去しないことが望ましい場合、ゆっくりとした溶解の乾燥ゲル化発泡体を使用し得る。その後、フェイスマスクは、無傷のままであり、そして好ましくは、1片で剥ぎ取るかまたは除去し得る。フェイスマスクは、湿らした顔に塗布され得る。これは、冷却及び平滑化効果に加えて、望ましい有益な効果を供する。マスクの添加を簡潔にするために、それを、より小さな部分に切断し得る(鼻のために1片、頬のために1つなど)。強力な発泡体は、塗布の前に湿らせ得る。これは、マスクを十分に水和させるのを容易にする。フェイスマスクで使用される発泡体についての適切な湿潤密度は、0.15〜0.30g/cmである。
【0099】
ここに記述される通り、乾燥ゲル化発泡体の湿潤完全性は、制御するカルシウム飽和(架橋)、乾燥ゲル化発泡体の生成の間の通気時間、乾燥ゲル化発泡体を生成するために使用されるアルギネートの型(例えば、上の表を参照)、乾燥ゲル化発泡体を生成するために使用されるアルギネートの分子量、及び乾燥ゲル化発泡体の厚みによって制御され得る。完全性は、孔サイズにもよる。小型粒子サイズの炭酸カルシウムで生成した発泡体は一層ゆっくりとゲル化し、癒着が少なく、そしてより小さな孔を有する。これらは、一般に、大型粒子サイズ及び大型孔サイズの炭酸カルシウムで生成される発泡体より強力である。乾燥ゲル化発泡体の柔軟性は、分子量にもよる。
【0100】
発泡体は、メイク除去または他の洗浄目的のための化粧用剤または他の有益な剤を含有する顔用及び体用ワイプのような他の化粧用途も有し得る。これらの発泡体は、特に、完全であるか、または水和により、ゆっくりと分解する。分解するときに、最終産物は、排水で流し出され得る。研磨剤、溶媒及び都合によりモイスチャライザーを含有する発泡体は、爪の除光剤として使用され得る。適切な活性剤を含有する1片の発泡体は、シャンプー、整髪ゲルまたは発泡入浴剤のような製品の単回用量として機能し得る。このような製品は、正常には、水基材であり、そして管またはボトルで供給される。発泡体基材のフォーマットは、投与が容易であり、軽く、輸送及び移動のためにより都合のよく、そして漏れの危険を有しないであろう。発泡体表面上に付着された着色剤、すなわち、染料及び/または顔料は、湿り気で皮膚/体の部分に移って、「一時的な刺青」を作り出す可能性がある。発泡体パッチは、さらに、溶解して、洗浄または他の化粧上の利益を供することができる。代わりに、発泡体表面に付着した着色剤は、非移行性であり、そして例えば、ブランドロゴまたはバーコードのような指標または識別標識として使用され得る。発泡体に静電気で結合される陰イオン性染料は、特に有用である。発泡体は、家具を洗浄または剥すためにも使用され得る。
【0101】
本発明の有益な特性は、以下の実施例を参照して観察され、そしてそれは本発明を限定しない。
【実施例】
【0102】
用語説明
炭酸カルシウム
エスカール(Eskal)500(粒子サイズ、5.2μm)、エスカール(Eskal)300(粒子サイズ、1.9μm)、エスカール(Eskal)50(粒子サイズ、3.3μm)、及びエスカール(Eskal)20(ドイツ国ハンニガン(Launingen,Germany)のKSL.スタウブテクニカ(Staubtechnik))、
【0103】
炭酸カルシウム
ソカール(SOCAL)(登録商標)P2(粒子サイズ、0.28μm)、ソカール(登録商標)31(粒子サイズ、0.07μm)、ソカール(SOCAL)(登録商標)90A(粒子サイズ、0.24μm)(フランス、ソルバイ、サリン・ド・ギラウド(Solvay,Salin de Giraud, France))
【0104】
炭酸カルシウム
最小純度99%(21.1μm粒子サイズ)(メルク(Merck)、ドイツ国ダーマスタッド(Darmstadt,Germany))
【0105】
カラギーナン
ビスカリン(VISCARIN)(登録商標)TP−206(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
カラギーナン・イオタ
アルコール沈降イオタ・カラギーナン、粘度(20℃での1重量%水性溶液)=153mPs
【0106】
キトサン
キトサン・ヒドロクロリド、F=0.05、240mPas(20℃、1%溶液)(FMCバイオポリマー(FMC Bioplymer)、ノルウエー(Norway))
【0107】
CMC
ナトリウム・カルボキシメチル・セルロース、粘度(4%固形分、25℃)=10から55mPasまで(アルドリッチ(Aldrich)、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,WI,USA))
【0108】
CRT15000PPA CMC
ワオルセルCRT15000PPA(ウルフ・セルロシクス(Wolff Cellulosics)、ドイツ国ワルスロッド(Walsrode,Germany))
【0109】
フルクトース
コーンスウィート(CORNSWEET)(登録商標)フルクトース(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・コーン加工部門(Archer Daniels Midland Corn Processing Division)、米国イリノイ州デカター(Decatur,IL,USA))
【0110】
GDL
リサクトン(LYSACTONE)(登録商標)グルコノ・デルタ−ラクトン;グルコン酸δ−ラクトン(ロケット(Roquetto)、イタリア国アレサンドリア(Alessandria,Italy))
【0111】
グリセリン
アナラー(ANALAR)(登録商標)グリセリン(BDHラボラトリー・サプルズ(BDH Laborratory Supples)、英国プール(Poole,England))
【0112】
HPMC
ファーマコート(PHARMACOAT)(登録商標)603;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、粘度(20℃での1重量%水性溶液)=3mPs(信越化学工業株式会社、日本国東京)
【0113】
ヒアルロナン
ナトリウムヒアルロネート、M2000kDa(株式会社紀文フードケミファ、日本国東京)
【0114】
MCC
アビセル(AVICEL)(登録商標)PH−101、50から100ミクロンまでの平均粒子サイズを示す非コロイド性微細結晶セルロース粉末(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA USA))
【0115】
メチルセルロース
メトロースSM4(信越化学工業株式会社、日本国東京)
【0116】
モデル生理学上流動体
142mM NaCl及び2.5mM CaCl、pH6.9の水性溶液
【0117】
ペクチン
ジェヌLM102AS(コペンハーゲン・ペクチン・ファクトリー・リミテッド(Copenhagen Pectin Factory Ltd.)、デンマーク国リリー・スケンスベッド(Lille Skensved,Denmark))
【0118】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LFR5/60
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1重量%水溶液)=3.7mPs、pH=6.95(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0119】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF10/60
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1%重量水溶液)=33.4mPs、pH=6.12(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0120】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF20/40
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1%重量水溶液)=140mPs、pH=6.32(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0121】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200S
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1%重量水溶液)=302mPs、pH=6.63(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0122】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1%重量水溶液)=424mPs、pH=6.79(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0123】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF200
アルギン酸ナトリウム、粘度(20℃で1%重量水溶液)=316mPs、pH=6.43(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0124】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)TA−250
アルギン酸トリエタノールアミン、粘度(20℃で1%重量水溶液)=197mPs、pH=5.79(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))
【0125】
PVA
ポリビニルアルコール、M=30,000〜70,000g/モル(シグマ(Sigma)、米国セントルイス(St.Louis,USA))
【0126】
PVP
ポリビニルピロリドンK15、M〜10,000g/モル(アルドリッチ・ケミエ(Aldrich Chemie)、ドイツ国スタインバーグ(Steinberg,Germany))
【0127】
サッカリン
シンカル(SYNCAL)(登録商標)サッカリンナトリウム(PMC・スペシャリティー・グループ(PMC Specialties Group)、米国オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH,USA)
【0128】
シリカ
ゼオデント(ZEODENT)(登録商標)113シリカ(J.M.ハーバー(J.M.Huber)、米国メリーランド、ハーバー・ド・グレース(Havre de Grace,MD,USA))
【0129】
SLS
タキサポン(TAXAPON)(登録商標)CP−P95ラウリル硫酸ナトリウム(ヘンケル・メキシカナ(Henkel Mexicana)、メキシコ国デハイダッグ(Dehydag,Mexico))
【0130】
ソルビトールA−625
非結晶性ソルビトール溶液、NF、水性ポリオール溶液、70%ソルビトール(SPIポリオールズ(SPI Polysols)、米国デラウエア州ニュー・キャッスル(New Castle,Delawaere,USA))
トゥッティフルッティ風味剤
【0131】
天然及び人工トゥッティフルッティ型風味剤(シムライズ(Symrise)、米国ニュージャージー州テテルボロ(Terterboro,NJ,USA))
【0132】
ツイーン(TWEEN)(登録商標)20
ポリソルベート20;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(フルカ・ケミ・GmbH(Fluka Chemie GmbH)、スイス国スタインハイム(Steinheim,Switzerland))
【0133】
XL−CMC
AC−DI−SOL(登録商標)、クロスカルメロースナトリウム、NF、Ph.Eur(FMC、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philaderphia,PA,USA))
【0134】
サンプル生成及び試験方法
サンプル生成
特記されることを除いて、以下の標準手段を使用して、サンプルを生成した。アルギネートの水性溶液を生成した。可塑剤、炭酸カルシウム、及び発泡剤を、アルギネート溶液に添加し、そしてホバート混合機を用いて、中程度の速度で、約1分間ブレンドして、均質性を確保した。新たに生成したpH調節剤の水溶液を、その混合物に添加し、そして生じた組成物を、さらに、高速でブレンドして、生じた発泡体の所望の可塑性及び空気含有率によって、1から4分間空気を組込んだ。約400〜450cmを、200gの湿潤発泡体から形成した。その後、湿潤発泡体を、テフロン(TEFLON)(登録商標)樹脂で被覆された型(23cm×23cm×0.8cm)に移し、そして直定規を使用して型の頂点の端から端まで平らにして、均一な発泡体厚みを供した。発泡体を、室温で、約30分間、覆いを取って固定させた。その後、型を、40℃で、強制空気乾燥オーブンに入れ、そして一晩(16時間)乾燥させた。乾燥発泡体は、およそ5mm高さであった。
【0135】
密度
湿潤発泡体密度は、100ml容器を満たすことが要求される湿潤発泡体の重量から決定した。乾燥発泡体密度は、およそ5cm×5cmの乾燥発泡体平方の重量及び体積から測定した。
【0136】
吸収性
示される以外に、5cm×5cmサンプルを、乾燥発泡体から切断し、そして20℃及び66%相対湿度で、少なくとも16時間調整した。発泡体を秤量(乾燥発泡体重量)し、そしてその後、37℃で、モデル生理学的流動体の発泡体重量の少なくとも40倍を含む開放皿に載せた。37℃でその流動体と30±1分接触した後、発泡体サンプルを、ピンセットを使用して握り、流動体から持ち上げ、30±1秒間、流して、そしてその後秤量した(湿潤発泡体重量)。吸収性(g/g)を、乾燥発泡体重量で割った湿潤発泡体重量として計算する。比較の目的のために、吸収性は、面積100cm及び5cm厚である乾燥ゲル化発泡体のサンプルによって吸収される重量として計算された。
【0137】
完全性
完全性は、ゲル化発泡体の湿潤強度の基準である。完全性は、吸収性試験の後、ピンセットで隅により湿潤発泡体を握り、そして流動体から持ち上げることによって測定した。完全性を、0から4までのスケールで等級分けし、そして4は最高であった。ゲル化発泡体を0と等級付けた場合、それは、ピンセットで持ち上げたとき壊れた。
【0138】
柔軟性
柔軟性は、亀裂または破壊なしに変形する乾燥ゲル化発泡体の能力の能力の基準である。柔軟性は、それ自身の上に乾燥ゲル化発泡体を折り畳むことによって、主観的に決定された。柔軟性を、0から4までのスケールで等級分けし、そして4は最も柔軟であった。乾燥ゲル化発泡体を0と等級付けた場合、それは、脆く、そして曲げたとき破壊した。
【0139】
〔実施例1〕
本実施例は、高速ブレンド時間を変化させることによって、様々の密度、柔軟性及び吸収性の発泡体の生成を示す。
【0140】
一般的手段に従って、ゲル化発泡体は、2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF200アルギネート、10%グリセリン、0.3%CaCO(メルク(Merck))、2%HPMC、1.06%GDL、及び平衡脱イオン化水を含有する。通気時間を、表1に示される通り変化させた。生成中に、およそ3分の1の水を、GDL混合物と共に加えた。乾燥ゲル化発泡体は、予備調節しなかった。発泡体についての特性は、表1に示される。
【0141】
【表2】

【0142】
ブレンド時間及び通気の量によって、発泡体の吸収性は、非常に制御された。短いブレンド時間は、長時間の通気の後に得られる柔らかくて、そしてふわふわしたものよりいっそう小型の発泡体を提供した。最小の通気溶液は、流れることに関連した最高の特性を示した(すなわち、発泡溶液を型に注ぐ能力、並びに乾燥後の発泡体表面の平滑さ)。
【0143】
乾燥ゲル化発泡体を圧縮するために必要とされる力は、発泡体密度が減少したとき減少した。低密度を示す乾燥ゲル化発泡体は、液体を早く吸収した一方で、均等に低い密度を示す発泡体は、同様に流動体を維持せず、そして流動体から除去したときに、発泡体からのいっそうの流動体排水を生じた。ある程度高い密度を示す乾燥ゲル化発泡体は、遅い吸収速度を示したが、吸収性として報告されるそれらの流動体結合許容量は、よりよい。発泡体全ては、差異をほとんど、またはまったく示さない許容し得る完全性を示した。最低密度を示す発泡体は、いっそう小型の発泡体よりいっそう透明であり、そしてそれは、流動体吸収の後に、ある程度の目視可能な気泡を含有した。
【0144】
〔実施例2〕
本実施例は、カルシウムとアルギネートの間の濃度及び比を調節することによって発泡体完全性の修飾を示す。一般的手段に従って、GDLとCaCO(メルク(Merck))の一定の比で、異なるカルシウム濃度を使用して、ゲル化発泡体を、2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF200アルギネート、10%グリセリン、0.6%ツイーン(TWEEN)(登録商標)20及び2%HPMCを用いて生成した。シルバーソン混合機を、ホバート混合機の代わりに使用した。4分の高速混合を用いた以外は、ホバート混合機が使用されたときに使用されたものと同じ成分添加の順序を使用した。GDL添加の後の高速混合の最初の1分は、空気の添加なしであった。湿潤発泡体密度を減少させるために、混合しながら、3分間の表面下の気流を使用して、空気を加えた。乾燥ゲル化発泡体は、吸収性の測定の前に、予備調整された。
【0145】
直径約1.2cmのゲル化発泡体ディスクを、室温で、生理食塩水溶液に漬けた代替の吸収性試験を使用した。結果は、表2に表される。
【0146】
【表3】

【0147】
100%カルシウム飽和が、強力なゲル化発泡体及び最高の吸収特性を付与したことが分かった。完全性は、カルシウム飽和が75%に減じたときに乏しくなった。しかし、高い吸収速度が、75%飽和発泡体について観察された。200%飽和の使用が、乏しい吸収許容量を示すいっそう脆い小型化発泡体を付与した。
【0148】
100%カルシウム含有率で生成されたゲル化発泡体は、スポンジ様特性を示し、そして数週間の間、液体中にあった後でさえ同じ特性を維持した。
【0149】
シルバーソン混合機を使用して、50%カルシウム飽和で生成されたゲル化発泡体は、不均一であった。しかし、均一ゲル化発泡体は、ホバート混合機技術を使用して、50%カルシウム飽和で行った。
【0150】
〔実施例3〕
本実施例は、低分子量アルギネートを使用して高固形物含有率を示すゲル化発泡体の生成を示す。ゲル化発泡体を、実施例2のように生成した。配合は、3.6%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF20/40アルギネート、10%グリセリン、0.6%ツイーン(TWEEN)(登録商標)20、2%HPMC、0.41%CaCO(メルク(Merck))、1.44%GDLを平衡脱イオン化水で100%にして使用した。0.36g/mlの密度を示す湿潤発泡体から得た発泡体注型は、0.08g/cmの密度を示す乾燥ゲル化発泡体を付与した。
【0151】
乾燥ゲル化発泡体は、予備調節しなかった。直径約1.2cmのゲル化発泡体を、室温で生理食塩水溶液に浸漬した代替の吸収性試験を使用した。吸収性は、30秒後に11.30g/gであり、5分後に12.07g/gであった。ゲル化発泡体は、4の等級を示す素晴らしい完全性を示した。
【0152】
〔実施例4〕
一般的手段に従って、ホバート混合機、及び2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネート、0.3%CaCO(メルク(Merck))、1.06%GDLの基本配合を使用して、ゲル化発泡体を生成した。表3で表される発泡体を、実施例4−3以外は予備調整なしに、吸収性について試験した。「吸収性(g/100cm)」を、乾燥ゲル化発泡体の5mm厚のサンプルについて計算した。
【0153】
【表4】

【0154】
ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を使用して生成した数個の乾燥発泡体は、触れたときに粘着性表面を有した。低濃度のツイーン(TWEEN)(登録商標)20で生成した実施例4−4は、粘着性でなかった。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を用いて生成した発泡体は、大型孔を有し、そしてそれは、滞留時間が少ないが早い吸収性を提供した。実施例4−5及び4−6での通り、プロタナル(PROTANAL)(登録商標)TA−250アルギネート、トリエタノールアミンアルギネートを用いて生成した発泡体は、僅かに少ない湿潤強度を示した。
【0155】
〔実施例5〕
本実施例は、HPMCによる湿潤構造の安定化を示す。発泡体は、HPMCの量が、0.5%から3.0%まで変化したことを除いて、実施例1での通り、ホバート混合機を使用して生成された。密度及び吸収性は、表4で示される。
【0156】
【表5】

【0157】
0.5%HPMCを含有する発泡体は、高濃度のHPMCで生成したもの比較して、乾燥の間にある程度大きな破壊を示した。0.5%HPMCを含有する乾燥ゲル化発泡体は、高濃度のHPMC(1.0%、1.5%、2.0%、及び2.5%)で生成した他のものと同じくらい柔軟であったが、屈曲または圧縮の後に同じ形状を十分に回復しなかった。3.0%HPMCで生成した乾燥ゲル化発泡体は、圧縮するのにある程度さらなる力を要求した。乾燥ゲル化発泡体の吸収性は、HPMCの量にほんの僅かに依存した。
【0158】
〔実施例6〕
本実施例は、pH調節剤を添加するときのpHを示す。
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネート(100.0g、4%水性溶液)、グリセリン(16.0g)、脱イオン水(50.0g)、HPMC(3.0g)、CaCO(0.6g)(メルク(Merck))を含有する組成物のpHは、8.6であった。2.12gのGDL及び28.3gの脱イオン水の新たに生成した溶液を添加した。生じた組成物を、ホバート混合機を用いて混合して、湿潤発泡体を生成した。ゲル化の前に、湿潤発泡体は、6.3のpHを示した。
【0159】
〔実施例7〕
本実施例は、可塑剤の濃度を変化させることが、乾燥ゲル化発泡体の柔軟性及び吸収性に影響を及ぼすことを示す。
【0160】
一般的手段に従って、乾燥ゲル化発泡体は、2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF200、0.3%CaCO(メルク(Merck))、1.06%GDL、1.5%HPMC、表5で示される量のグリセリン、そして平衡脱イオン化水を含有する組成物から生成する。ホバート混合機を用いて高速でのブレンド時間は、全ての発泡体について2.5分であった。ゲル化発泡体を、40℃で一晩乾燥させた。
【0161】
いくつかの乾燥ゲル化発泡体サンプルを、それらが、66%相対湿度での予備調整なしにオーブンから取り出されたのと同じ日に試験した。乾燥ゲル化発泡体の残りを、ミニグリップ(MINIGRIP)(登録商標)低密度ポリエチレンバッグで密閉した。これらの発泡体は、5日後に最初の日に試験されたものと同じ吸収性を示した。
【0162】
可塑剤濃度が低下されたとき、吸収性は増大した。発泡体の柔軟性は、許容できた。可塑剤を減少させることは、より硬く、そしてしなやかさの少ない発泡体を付与し、そしてそれは、屈曲には大きな力を必要とした。15%のような高濃度のグリセリンは、粘着性の表面を付与し得る。
【0163】
【表6】

【0164】
〔実施例8〕
本実施例は、可塑剤の濃度を変動させること、そして追加の重合体を添加することが、乾燥ゲル化発泡体の吸収性に影響を及ぼすことを示す。
【0165】
表6で示される2%のアルギネート、0.3%CaCO(メルク(Merck))、1.06%GDL、1.5%HPMCの配合物を使用して、乾燥ゲル化発泡体を生成した。表6に示される材料を、配合物に添加した。
【0166】
【表7】

【0167】
〔実施例9〕
本実施例は、CaCO粒子のサイズを変動すると、気泡のゲル化時間及び合着の程度を変化させることを示す。小さい粒子は、高い表面積を示し、そして従って、カルシウムイオンをより早く放出する。
【0168】
シルバーソン混合機を使用して、2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF200、2%HPMC、10%グリセリン、0.6%ツイーン(TWEEN)(登録商標)20、及び0.3%炭酸カルシウムを含有する組成物から乾燥ゲル化発泡体を生成した。約0.07ミクロンから21.1ミクロンまでの平均粒子サイズの範囲にある5つの異なる粒子サイズを使用して、発泡体を生成した。
【0169】
3.3μm炭酸カルシウム粒子及び21.1μm炭酸カルシウム粒子の粒子サイズ分布は、有害な流動体のモジュールを有するベックマン・コールター(Beckman Coulter)LS130レーザー回折装置を使用して測定した。エチルアルコール中の粒子混合物を、8秒間超音波処理して、測定の前に粒子分散を確保した。粒子サイズ体積分布を測定し、そして平均粒子サイズを計算した。メーカーによって供給される粒子サイズを、他の炭素カルシウム粒子について使用した。
【0170】
当初のゲル化時間は、型を振盪するか、または発泡体を穏やかに触れることによって判断すると、GDL添加の後、3分未満から、約30分まで変化した。最大ゲル化までの時間は、1HZの周波数で1mmギャップを有するのこぎり歯状板と、0.005の株との間の2.35gサンプルを用いてストレステック(StressTech)の流量計を使用して、ゲル(発泡体でなく)組成物について20℃で測定されると、2.5時間から16時間より大きくまで変化した。
【0171】
【表8】

【0172】
〔実施例10〕
2つの異なる粒子サイズの炭酸カルシウムを別々に、そしてブレンドで使用して、発泡体を生成した。組成は、表8に示される。
【0173】
微細炭酸カルシウム粒子(例えば、1ミクロンより少ない平均粒子サイズ)を使用したときに、微細炭酸カルシウムを添加し、そしてGDL添加の前に中程度の速度で約3.5分間混合した。微細粒子サイズを示すCaCOを使用して生成した発泡体は、ゲル化発泡体中に小さな孔を有し、そして吸収性は、孔サイズと共に減少した。特性は、表8に示される。実施例2で記述される試験を使用して、吸収性を測定した。
【0174】
【表9】

【0175】
〔実施例11〕
本実施例は、穴開き及び非穴開き乾燥ゲル化発泡体についての時間の関数としてのモデル生理学的流動体の吸収性を示す。
【0176】
8%グリセリン及び1.5%HPMCを使用する以外は、乾燥ゲル化発泡体を、実施例1でのように生成した。1分と35秒のブレンド時間は、0.30g/mlの湿潤発泡体密度を付与した。
【0177】
乾燥ゲル化発泡体を、0.08g/mlの乾燥密度、及び6.5mmの厚みを示す2つの5cm×5cmサンプルに切断した。針を使用して、発泡体の1つに、均等に分布された150穴で穴を開けた。各発泡体を、モデル生理学的流動体に浸漬した。膨張の期間中、発泡体を、モデル生理学的流動体の浴から日常的に取り出し、秤量し、そしてその浴に戻した。秤量の前に、それらを、ピンセットを用いて流動体から持ち上げ、そして15秒間洗い流した。図1は、穴開き発泡体が、非穴開き発泡体より高い当初の吸収性を示すことを示す。
【0178】
乾燥発泡体を、モデル生理学的溶液で飽和させ、そして縦方向に、かみそりブレード板で切断し、それで「封筒」を生成した。pH電極を、この封筒に入れ、そして何ら空気の存在なしに測定したpHは、6.2であった。
【0179】
同じ発泡体の乾燥サンプルを、一対のハサミで小片に切断した(約5〜10mm×1〜2mm)。これらを秤量した。吸収性は、乾燥ゲル化発泡体のg当たり約14gのモデル生理学的溶液であった。短時間の後、ほとんど全ての液体を、吸収させ、そして混合物のpHを、6.2と測定した。
【0180】
〔実施例12〕
本実施例は、乾燥ゲル化発泡体を圧縮することは、その吸収性を減少させないことを示す。
【0181】
実施例11(湿潤密度0.27g/ml)での通り、乾燥ゲル化発泡体を生成した。8つの5cm×5cm片を切断した。ベンチ上に発泡体片を乗せ、そして15秒間、個々の片の頂上に5.0kg重量を添加することによって、4つの断片を、圧縮した。圧縮及び未圧縮発泡体を比較する発泡体厚み及び吸収性データは、以下の表にある。
【0182】
【表10】

【0183】
〔実施例13〕
本実施例は、経口用途での乾燥ゲル化発泡体の使用物を示す。
【0184】
1.5%HPMCを使用する以外、実施例1に従って、発泡体を生成した。0.15g/mlの湿潤発泡体密度を示す湿潤発泡体を、6mm深度型に移した。乾燥ゲル化発泡体は、3mm厚であった。
【0185】
発泡体サンプル1.5cm×5cmを、切断し、そして歯及び歯肉を覆うように唇の下に置いた。発泡体は付着し、そしておよそ3から5分後、十分に水和した。発泡体は、優れた完全性を示し、そして分解または溶解の兆候を示さなかった。発泡体生成は、義歯支持体として長時間、口にとどまるか、または一晩を含める可変の時間、歯及び口腔洞に活性剤を送出するのに適している。
【0186】
〔実施例14〕
アルギネートゲル化部位の50%飽和に対応するCaCO及びGDLの量の半分を、使用する以外は、実施例13でのように、乾燥ゲル化発泡体を生成した。1.5cm×2.5cm片を、3mm厚の発泡体に切断し、そして指先を使用して口腔洞の粘膜根に塗布した。発泡体は、すぐに差し込んで固定した。30〜60秒の期間じゅう、水和する発泡体は、分解し始め、そして最終的に粘膜から放出された。製品は、分解し続け、そして飲み込むか、口から吐き出すか、または洗い流すことが出来た。風味剤、甘味料、活性剤、研磨剤、発泡剤などのような成分は、経口送出または洗浄目的のために発泡体に添加することが出来た。
【0187】
〔実施例15〕
0.5%HPMC及び8%グリセリンを使用する以外は、実施例1でのように、乾燥ゲル化発泡体を生成した。約7から7.5mm厚の発泡体の5cm×5cmサンプルを、モデル生理学的流動体で膨張させた。2回折畳み戻りクリップ(コネクト(Connect)、31mm幅)を、発泡体の対峙側に付着させた。プラスチック製バッグを、クリップの一方に付着させた。発泡体がクリップ周囲を破壊し始めるまで、水を、プラスチック製バッグに満たした。プラスチック製バッグ及びクリップを平衡に載せた。重量は、440gであった。これは、膨張の後これらの発泡体が、非常に強力で、そして少なくとも440gの引張強度を示すことを示す。
【0188】
〔実施例16及び17〕
以下の成分を用いて、乾燥ゲル化発泡体を生成した。全ての成分は、食品及び/または医薬品級のいずれかであった。水中のプロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120の4%溶液100g;30gのソルビトールA−625;5gのHPMC;0.45gのCaCO粒子(ソカール(SOCAL)(登録商標)P2);1.59gのGDL;1gのトゥッティフルッティ風味剤;2.1gの2%サッカリン溶液;及び59.9gの脱イオン水。生じた乾燥ゲル化発泡体中のカルシウムイオンは、75%のアルギネートを飽和させるのに十分である。
【0189】
GDL以外の全ての成分、及び水の3分の1を、11000rpmで、5分間、そして16000rpmでさらに5分間、S25N−25Gローター/スターターを有するウルトラ・ツラックス(ULTRA TURRAX)(登録商標)T25ベーシック(IKA−Werke)を使用して混合して、炭酸カルシウムを分散させた。その後、生じた分散物を、通気するためにホバート混合機を使用してさらに10分間、高速で混合した。その後、残りの水の中で新たに混合したGDLを、添加し、そして混合は、15秒間継続した。その後、湿潤発泡体を、4mm深度の型に移した。型を、約30分間、室温で、維持し、そしてその後、5時間、40℃で、強制空気乾燥オーブンに入れた。
【0190】
同じ手段によって、以下の成分を用いて乾燥ゲル化発泡体を生成した。水中のプロタノール(登録商標)SF120アルギネートの4%溶液100g;30gのソルビトールA−625;5gのHPMC;0.6gのCaCO粒子(ソカール(SOCAL)(登録商標)P2);2.12gのGDL;1gのトゥッティフルッティ風味剤;2.1gの2%サッカリン溶液;及び59.9gの脱イオン水。湿潤発泡体は、3分以内に硬化し始めた。この乾燥ゲル化発泡体中のカルシウムイオンは、100%のアルギネートを飽和させるのに十分である。
【0191】
生じた乾燥ゲル化発泡体の両方が、非常に優れた柔軟性及び完全性を示す。これらの乾燥ゲル化発泡体は、分解または溶解の兆候なしに、長期間、歯に付着する。
【0192】
〔実施例18〕
以下の成分を用いて、乾燥ゲル化発泡体を生成した。全ての成分は、食品及び/または医薬品級のいずれかであった。水中のプロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネートの4%溶液100g;30gのソルビトールA−325;5gのHPMC;0.18gのCaCO粒子(ソカール(SOCAL)(登録商標)P2);0.64gのGDL;1gのトゥッティフルッティ風味剤;2.1gの2%サッカリン溶液;1.4gの沈降シリカ;及び59.7gの脱イオン水。生じた乾燥ゲル化発泡体中のカルシウムイオンは、30%のアルギネートを飽和させるのに十分である。ホバート混合機を用いた混合時間が、湿潤発泡体が型に移される前に、GDLの添加の10分前であり、そしてさらに、GDL添加の20秒後であったこと以外は、実施例16でのように、乾燥ゲル化発泡体を生成した。この発泡体中のカルシウムイオンは、アルギネートの30%を飽和するのに十分である。
【0193】
本実施例で使用された沈降シリカは、有害な流動体のモジュールを有するベックマン・コールター(Beckman Coulter)LS130レーザー回折装置を使用して測定すると、13.0μmの粒子サイズを示した。測定の前に、エチルアルコール中の粒子混合物を、8秒間超音波処理して、測定の前に粒子分散を確保した。
【0194】
湿潤発泡体密度は、0.33g/cmであった。乾燥ゲル化発泡体は、高さ1〜2mmであった。それは、優れた柔軟性及び約0.13g/cmの乾燥発泡体密度を示した。乾燥ゲル化発泡体は、実施例14のより多い多孔性発泡体よりいっそう高い強度を示した。この乾燥ゲル化発泡体は、水中ですぐに溶解する。乾燥ゲル化発泡体の1.5cm×1.5cm片は、舌洗浄剤として使用されるときに、約30から約60秒で溶解する。乾燥ゲル化発泡体の類似の片は、口蓋に載せたときに8分以内に部分的に分解する。
【0195】
〔実施例19〕
以下の成分を用いて、乾燥ゲル化アルギネート発泡体を生成した。脱イオン水中のプロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF20/40アルギネートの4%溶液100g;14.3gのソルビトールSP;3.0gのHPMC;0.18gの炭酸カルシウム(エスカール(Eskal)300);0.64gのGDL;1.17gの8%水性サッカリン溶液;2.0gの沈降シリカ;2.0gのグリセリン及び76.7gの脱イオン水。カルシウムイオンは、30%のアルギネートを飽和させるのに十分である。GDL及び10.0gの脱イオン水を除いた全ての成分を、2分間、シルバーソン混合機を使用して混合して、炭酸カルシウム及びシリカを分散させ、そして均質な分散物を生成した。その後、GDLを残りの水に溶解させ、そしてすぐに添加した。生じた反応混合物を、さらに、ホバート混合機を用いて、通気するまで高速に、1.5分間混合した。0.24g/cmの密度を示す湿潤発泡体を、4mm深度の型に移した。型を、約30分間、室温で保持し、そしてその後、40℃で一晩、強制空気乾燥オーブンに入れた。生じた乾燥発泡体は、2mm厚であった。
【0196】
周囲湿度での乾燥ゲル化発泡体の水分含量を、約10%と見なした。実施例20で示される通り、乾燥ゲル化発泡体を、高湿度チャンバーで平衡にしたときに、11.6%の水分含量を示した。周囲条件で、水分含量は、この値より僅かに少ない。発泡体の含有物は、アルギネート、16.5%;HPMC、12.3%;サッカリン、0.3%;ソルビトール、41.1%;グリセリン、8.2%;シリカ、8.2%;GDL/Ca、3.4%;及び水、10.0%(周囲条件で、概算された)。5mm厚の乾燥ゲル化発泡体の566cm片の一方の表面にポンプ噴霧器を使用して、トゥッティフルッティ風味剤(0.8g)を噴霧した。液体は、乾燥ゲル化発泡体に迅速に貫通し、そして表面は、さらに乾燥して見えた。
【0197】
〔実施例20〕
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF10/60アルギネートを使用し、そしてGDL添加の前にシルバーソン混合機を用いた混合時間が、3分であった以外は、実施例19で記述される通り、アルギネート発泡体を生成した。生じた反応混合物を、35秒間、ホバート混合機で通気した。生じた湿潤発泡体を、6mm深度で、そして566cmの面積を示す型に移し、そしてすぐに、ゲル化なしに、40℃で強制空気オーブンで乾燥させた。湿潤及び乾燥発泡体の組成は、表10に示される。10%の湿度含有量が概算された。
【0198】
【表11】

【0199】
約0.8gのトゥッティフルッティ型風味剤を、乾燥発泡体上に噴霧し、そして吸収させた。
【0200】
発泡体の湿度含有率を測定するために、同じ組成を示す1片の発泡体を、約1cm×2cm片に切断した。その片を、約16時間、66%相対湿度で、湿度チャンバーに載せ、そして秤量した。それらは、その後、105℃で、20時間乾燥させ、そして秤量した。計算された湿度含有率は、11.8%であった。
【0201】
〔実施例21〕
本実施例は、共結合剤としてカルボキシメチルセルロースを含有する乾燥ゲル化発泡体を示す。シリカを、最初に、サッカリンを含有する水に分散させ、そしてカルボキシメチルセルロースを共結合剤として使用したことを除いて、実施例20の手段を繰り返した。アルギネート及びカルボキシメチルセルロース(ウォールセル(Waolcel)CRT15000PPA、ウルフ・セルローシクス(Wolff Cellulosics))を、プロペラ混合機を使用して、この懸濁液に溶解させた。生じた混合物に、ソルビトール、グリセロール、炭酸カルシウム(エスカール(Eskal)20)、及びSLSを添加し、そして生じた混合物を、1分間、中程度の速度で、ホバート混合機を用いて混合した。新たに生成したGDLの水性溶液を添加した。通気を、55秒間、高速で継続した。生じた湿潤発泡体を、340cmの体積を有する6mm深度の型に注ぎ、そして強制空気オーブンで、80℃で、5分間乾燥させた。生じた乾燥ゲル化発泡体の未圧縮厚みは、0.5cmであった。湿潤及び乾燥発泡体の組成は、表12に示される。
【0202】
【表12】

【0203】
実施例21のゲル化発泡体は、実施例20で生成されたゲル化発泡体よりいっそう柔軟性があり、そして強力であった。両方の発泡体は、水に浸漬されたとき、1分未満で同様に分解する。発泡体を、それらの未圧縮厚みより少なくなるまで圧縮し、そして水中で、同じ特性の強度、柔軟性及び分解を保持し得る。
【0204】
〔実施例22〕
本実施例は、共結合剤としてカラギーナンを含有する乾燥ゲル化発泡体を示す。カラギーナン(ビスカリン(VISCARIN)(登録商標)TP−206)を、カルボキシメチルセルロースの代わりに使用し、そしてサッカリンの半分を使用したことを除いて、実施例21の手段を繰り返した。できる限り多くの空気を取り込むために、GDLの添加に続くホバート混合機を用いた混合時間は、1分と15秒であった。本実施例で形成された乾燥ゲル化発泡体と、実施例21で形成された乾燥ゲル化発泡体の間の明らかな差異で、十分に現れたものはなかった。
【0205】
〔実施例23〕
新たに生成した水性GDL溶液の添加の前に、反応混合物を、シルバーソン混合機を用いて、2.5分間、高速で、混合したことを除いて、実施例21の手段を繰り返した。その後、新たに生成した水性GDL溶液を添加し、そしてさらに0.5分間、混合を継続した。生じた乾燥ゲル化発泡体の孔は、実施例21で生成された乾燥ゲル化発泡体のものより小さかった。歯での水和の速度は、実施例21で生成された発泡体のものとほぼ同じであったが、しかし、発泡体は、実施例21で生成された発泡体のものよりいっそうゆっくりと唾液を吸収した。
【0206】
〔実施例24〕
本実施例は、メチルセルロースを含有する乾燥ゲル化発泡体を示す。標準手段に従って、水中の2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネート、8%グリセリン、1.5%メチルセルロース、0.3%炭酸カルシウム(メルク(Merck))及び1.06%GDLを使用することから、乾燥ゲル化発泡体を生成した。生じた乾燥ゲル化発泡体の特性は、表13で示される。
【0207】
【表13】

【0208】
乾燥ゲル化発泡体は、ヒドロキシプロピルセルロースを用いて生成した乾燥ゲル化発泡体より高い乾燥密度を示した。0.24g/mlの湿潤密度を示す発泡体が、モデル生理学的流動体中で30分後に十分に水和しなかった。ゆっくりとした吸収速度に加えて、乾燥ゲル化発泡体は、ヒドロキシプロピルセルロースを用いて生成した乾燥ゲル化発泡体と同様に、圧縮の後に、その元来の形状を回復しなかった。
【0209】
〔実施例25〕
本実施例は、ヒアルロナンを含有する乾燥ゲル化発泡体の生成を示す。標準手段で記述される通り、2%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネート、ヒアルロナンの1.0%溶液(GDLの添加の前に最後に添加した)、1.5%HPMC、8%グリセリン、0.3%炭酸カルシウム(メルク(Merck))及び1.06%GDLを用いて、乾燥ゲル化発泡体を生成した。乾燥ゲル化発泡体中のヒアルロナンの濃度は、0.25%であった。生じた発泡体の生成は、表14で示される。
【0210】
【表14】

【0211】
これらの発泡体は、ヒアルロナンを含有しない発泡体に比べて、乾燥の間に崩壊が少なかった。ヒアルロナンを含有する乾燥ゲル化発泡体は、ヒアルロナンなしで生成された発泡体より皮膚に対して僅かに柔らかかった。生理学的流動体中で浸漬させたとき、水和されたヒアルロナン含有発泡体は、溶解したヒアルロナンの放出により、「滑りやす」かった。
【0212】
〔実施例26〕
本実施例は、発泡体へのキトサンの層の添加を示す。プロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネートを、そのアルギネートとして使用し、そして3倍のGDLを使用したことを除いて、実施例11でのように、発泡体を生成した。
【0213】
2%キトサン及び5%グリセリンの溶液を、乾燥の前にゲル化発泡体に注いだ。溶液の層は、約0.5〜1mmであり、そしてそれは、発泡体に吸収されなかった。発泡体を40℃で、一晩乾燥させ、キトサンのフィルムは、さらに表面上で目視可能であり、そしてそれは、粘着性でもあった。しかし、キトサンの薄層は、発泡体の湿潤強度に影響を及ぼさない。キトサンのフィルムは、水中で発泡体を維持した後なお目視可能である。
【0214】
〔実施例27〕
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200Sアルギネートを使用したことを除いて、実施例11の手段によって、乾燥ゲル化発泡体を生成した。ホバート混合機を用いて2分間、高速混合した後の発泡体の湿潤密度は、0.25g/cmであった。湿潤発泡体を、約2mmの深さの型に注いだ。以下に示される通り、乾燥発泡体を、眼、口及び鼻用の穴を有する顔の形状で切り取った。それは、約1.5mm厚で、0.013g/cmで秤量した。
【0215】
顔の皮膚を濡らし、そしてマスクを適用した。マスクが十分に水和されるまで、ほぼ体温である別の水を、添加した。水和により、マスクの外見は、白色から透明に変化した。マスクを、10分間、顔の上に載せ、そしてここで、全体に、そして1片で除去し得た。マスクの除去の後、皮膚は、発泡体からのグリセリンの放出により柔らかかった。
【0216】
〔実施例28〕
本実施例は、ヒアルロナンを含有するフェイスマスクを示す。0.2%ヒアルロナンを組成物に添加したことを除いて、実施例27に従って、フェイスマスクを生成した。1分間、ホバート混合機を用いた高速での混合により、0.30g/cmの湿潤密度を示す発泡体を得た。乾燥の後、乾燥ゲル化発泡体は、約1.5mm厚であり、そして0.013g/cmの重量を示した。
【0217】
そのマスクを、実施例27でのように皮膚に載せ、そして10分間放置した。マスクは、1片で取り除けなかったが、しかしいくつかの小片で取り除くか、洗い流し得た。ヒアルロナンの粘性溶液を、皮膚に載せ、そしてマスクの除去の後、皮膚に揉み込み得た。皮膚は、この処置の後、湿り気及び柔らかさを感じた。
【0218】
〔実施例29〕
本実施例は、微細結晶性セルロースを含有するフェイスマスクを示す。7.5%MCCを、ある種の水の代わりに使用し、そしてそのアルギネートが、30%飽和されていることを除いて、実施例27での通り、フェイスマスクを生成した。反応混合物を、2.7分間、ホバート混合機を用いて高速で混合した後、0.28g/cmの密度を示す湿潤発泡体を生成した。乾燥後、生じた乾燥ゲル化発泡体は、約1.5mm厚であり、そして0.025g/cmの重量を有した。
【0219】
フェイスマスクを生成し、そして実施例27と同様に皮膚に載せた。5分後、溶解した発泡体で、皮膚に揉み込んだ。微細結晶性セルロースは、剥離剤を作用させた。残渣を水で除去した。皮膚は、この処理後、湿り気及び柔らかさを感じた。
【0220】
〔実施例30〕
本実施例は、部分的に崩壊した発泡体を、カルシウムイオンを含有する水性溶液に添加したときのゲル形成を示す。アルギネートが30%飽和された140mg乾燥ゲル化発泡体を、2g脱イオン水中に部分的に溶解させ、そして部分的に分散させた。ピペットを使用して、懸濁液を、0.1M CaClの溶液にたらした。ゲルビーズがすぐに形成した。
【0221】
カルシウムで50%飽和させた190mg乾燥ゲル化発泡体を用いて、実験を繰り返した。4g脱イオン水で懸濁液を生成し、そしてCaClの同じ溶液にたらした。ゲルビーズがすぐに形成した。しかし、30%カルシウム飽和発泡体から形成したゲルビーズは、強力であった。
【0222】
〔実施例31〕
本実施例は、ミルク及び水中の発泡体の膨張を示す。糖を含有する乾燥ゲル化発泡体は、朝食用シリアルのための含有物及び甘味剤のような種々の食品用途を有する。それらは、コーヒー及び茶のような飲料水にも使用され得る。
【0223】
(1)ロタナル(PROTANAL)(登録商標)SF120アルギネートを使用したことを除いて、実施例11で記述される通り、乾燥ゲル化発泡体を生成した。ホバート混合機を用いた高速でのブレンド時間は、1分と40秒であり、そしてそれは、0.27g/cmの湿潤密度を生じた。生じた乾燥ゲル化発泡体は、0.65cm厚であり、そして0.071g/cmの乾燥密度を示した。この発泡体は、外傷包帯として使用するために適している。
【0224】
(2)一般的手段に従って、乾燥ゲル化発泡体は、プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200Sアルギネート、8%グリセリン、0.45%CaCO、2%HPMC、1.59%GDL、0.22%サッカリン、3.9%フルクトース、11.7%ショ糖、4.55%グルコース及び平衡脱イオン水を含有した。カルシウムは、150%のアルギネートを飽和するのに十分であった。
【0225】
糖を、混合の前に、HPMC及びCaCOと一緒に添加した。2.25分間、高速での混合で、0.24g/cmの湿潤密度を示す発泡体を得た。40℃で一晩乾燥させる前に、30分間、室温で、発泡体を、予備ゲル化した。乾燥ゲル化発泡体は、0.12g/cmの乾燥密度と共に、0.80cm高さであった。
【0226】
(3)水及びミルク中の乾燥ゲル化発泡体の膨張に続いて、2.0cm×2.5cm片の各発泡体を、切り取り、そして秤量した。各発泡体の1片を、水に漬け、そして各発泡体の別の1片を、ミルクに漬けた。膨張の期間じゅう、その1片を、液体から日常的に取り出し、秤量し、そしてその液体に戻した。秤量の前に、各片を、ピンセットで液体から持ち上げ、そして15秒間洗い流させた。
【0227】
図2は、糖を有しない乾燥ゲル化発泡体が、高含有率の糖を有する乾燥ゲル化発泡体より多くの各液体を吸収したことを示す。各発泡体は、ミルクより多くの水を吸収した。糖を有しない発泡体は、1.0cmの厚みでそのように水中で膨張した。他の発泡体の厚みは、増大しなかった。
【0228】
両方の発泡体は、圧縮されたとき(データは示されず)、同じ量の液体を吸収するが、しかし糖を有する発泡体は、よりゆっくりとした吸収速度を示す。ミルク中で膨張した発泡体の感触は、いっそう脆く、そしてそれらを噛むためにいっそう多くの力が使用されるべきである。脆さ/感触は、CaCOの粒子サイズを変化されること、そしてカルシウムの飽和を増大させることによる、ゲル化の速度により変動され得る。
【0229】
上に記述される通りに生成された20%糖を有する発泡体は、100%のアルギネートを飽和させるのに十分なカルシウムで生成された。しかし、この発泡体は、水中で溶解した。これは、ミルク中で膨張したときに150%カルシウム飽和を示す発泡体よりある程度弱くもあった。
【0230】
〔実施例32〕
本実施例は、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を有するか、または有しない乾燥ゲル化発泡体の吸収性を示す。一般的手段に従って、2.5%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200S、4%グリセリン、9%ソルビトール(70%)、1.5%HPMC、0.38%CaCO(メルク(Merck))、1.33%GDL、及び平衡脱イオン水を含有した2つの乾燥ゲル化発泡体を生成した。一方の発泡体は、0.03%ツイーン(TWEEN)(登録商標)20より構成され、そして他方はそうではなかった。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20は、いっそう合着を生じた。乾燥ゲル化発泡体は、約3mm厚であり、そして実施例4の通り、大きな穴が、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を含有しなかった乾燥ゲル化発泡体と比べて、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20含有乾燥ゲル化発泡体で観察された。
【0231】
吸収速度を測定するために、1mlのモデル生理学的溶液を、ピペットを用いて、乾燥ゲル化発泡体の表面に添加し、そして液体全てを吸収するために使用された時間を測定した。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を含有する発泡体のいずれかの表面での吸収の時間は、1秒未満であった。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしで生成されたが、しかし別の状況では、同一の組成及び湿潤密度を有する発泡体は、一般的に、頂部表面については、6から12秒まで、そして底部表面については12から17秒までの吸収時間を示した(表面配向対照は、型に注入することに関する)。
【0232】
ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしの発泡体の顕微鏡検査は、発泡体表面にある細胞が、通常閉じられ、完全な膜を生じることを示した。しかし、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を含有する発泡体については、いくつかの細胞は、開放されており、それで発泡体は、連続表面膜を有しなかった。
【0233】
〔実施例33〕
本実施例は、銀塩が、乾燥ゲル化発泡体に組込まれ、そして放出されて、抗細菌硬化を供し得ることを示す。可変濃度の硝酸銀(メルク(Merck)、ドイツ国ダーマスタット(Darmstadt,Germany))または酢酸銀(フルカ・ケミエ・GmbH(Fluka Chemie GmbH)、スイス国ブッフェ(Buchs,Switzerland))を添加したことを除けば、実施例32での通り、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を用いて、乾燥ゲル化発泡体を生成した。銀塩を、脱イオン水に溶解させ、混合段階の前に添加した。
【0234】
乾燥ゲル化発泡体は、乾燥後に光にさらされと、褐色になった。色完全性は、銀濃度を増大させと共に増大し、そしてその色は、常に均一に分配された。水和のときに、発泡体から放出される銀イオンの量を測定するために、イオン選択的電極を、オリオンEA940イオン測定器(サーモ・オリオン(Thermo Orion)、米国マサチューセッツ州ビバリー(Beverly,MA,USA))と接続した。標準極性を、既知のAgNO濃度の溶液で作成した。およそ2.5cm×2.5cmの2片の発泡体を、秤量し、そして連続攪拌しながら、100.0g脱イオン水と2.0ml ISA(イオン・ストレングス・アジャスター(Ion Strength Adjustor))94011、NaNOの水性溶液)の混合物に添加した。表15は、発泡体が、発泡体中の銀濃度の関数として水和されたときに放出された銀を示す。発泡体中の銀濃度の計算は、所望の発泡体における16%水分含有率の前提に基づいている。
【0235】
【表15】

【0236】
抗部生物効果及び銀イオンの放出を確認するために、外傷で起こる周知細菌、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を使用した。生理食塩水中に懸濁した100μlのこの細菌を、トリプトン・大豆寒天板(オキシオイド,リミデッド(Oxoid Ltd.)、英国ハンプシャ、バシングストーク(Basingstoke,Hampshire,USA))に平板培養した。
【0237】
その後、1cm×1cmの1片の発泡体を、プレートに載せ、そしてそれを、その後、覆い、そして30℃で、インキュベートした。阻害された成長の透明なゾーンは、翌日に発泡体の周囲に見られた。銀を含有しない実施例32によって生成された発泡体の1片を、対照として同じプレートに載せた。発泡体の周囲または下で細菌成長阻害は見られなかった。
【0238】
〔実施例34〕
本実施例は、乾燥ゲル化発泡体へのキトサンの組込みを示す。0.5%キトサン(F=0.47)を、脱イオン水中の8%溶液として添加したことを除いて、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を有する乾燥ゲル化発泡体を生成した。(Fは、アセチル化アミノ基のモル分割である)。GDLの添加の後に、高速45秒での混合の間に、溶液を添加した。混合を、さらに2.5分間継続し、そして0.26g/mlの湿潤密度を示す発泡体を生成した。発泡体は、この低濃度のキトサンで相対的に均質に見え、そしてキトサンを含有しない発泡体と同じ特性の湿潤強度及び完全性を示した。
【0239】
発泡体は、1.0%キトサン添加でも生成し得たが、しかしキトサン−アルギネート沈殿物は、乾燥発泡体で目視可能であり、そして通常と同じくらい多くの空気を組込むことは可能でなかった。0.38g/mlの湿潤発泡体密度を、高速混合の3分後に得た。
【0240】
〔実施例35〕
本実施例は、キトサンを有する発泡体が、抗細菌特性を示すことを示す。実施例34から得られた発泡体の1片は、発泡体を、それが寒天プレートに載せられる前に、生理食塩溶液に浸漬させたことを除いて、実施例33での通り抗細菌特性について評価された。30℃でのインキュベーションの1日後、発泡体片と寒天の間で識別できる細菌の成長はなかった。
【0241】
発泡体を被覆するために使用されるキトサン溶液が、5%のグリセリンと一緒に塩化キトサンの4%溶液(F=0.47)であったことを除いて、実施例26で記述される通り、乾燥ゲル化発泡体を、塩化キトサンで被覆した。乾燥発泡体片を、300μl細菌懸濁液と共に寒天プレートに載せて、発泡体水和を増大させた。30℃でのインキュベーションの1日後、発泡体片と寒天との間の細菌の成長で識別されるものはなかった。しかし、発泡体は、発泡体と直接接触している面積での明白な細菌静止効果を示したが、試験サンプルを囲む明白な(すなわち、細菌不含)領域は、観察されなかった。キトサンは、アルギネートに強力に結合しており、そして発泡体から放出されない。キトサンを含有しなかった実施例32に従って生成された1片の発泡体を、対照として同じプレートに載せた。その発泡体の周囲または下で細菌成長阻害は見られなかった。寒天プレート上に落とされた同じキトサンの8%溶液の液滴により、キトサンの全般的抗細菌効果を確認した。
【0242】
〔実施例36〕
本実施例は、赤外線乾燥を使用して乾燥された発泡体を示す。湿潤発泡体を、実施例32でのように生成したが、メトラー・トレド(Mettler Toledo)HR73ハロゲン・モイスチャーアナライザー赤外乾燥装置(直径:9.5cm、高さ:0.5cm)のために作成したトレイに注型した。テフロン(TEFLON)(登録商標)ホイル(バイタック(BYTAC)(登録商標))を、トレイの底に加えた。100℃の設定での10分の乾燥の後、その水の20%は、注型発泡体から蒸散され、そしてその発泡体は、他の表面上で乾燥を継続するために、換えられるべき十分な完全性を示す。さらなる乾燥の5分後に、その水の別の20%を除去した。発泡体の強度は、例えば、紙の乾燥のような加熱ロールで、さらなる乾燥のために十分であった。
【0243】
〔実施例37〕
本実施例は、どのように乾燥温度及び温度プロファイルが、引張強度測定によって決定される通り、発泡体の生じた湿潤強度に影響を及ぼすかを示す。湿潤強度を維持しつつ、加工時間を最小限にすることが望ましかった。
【0244】
3つの発泡体サンプルを、標準手段で記述される通りの湿潤密度(0.19g/ml)及び高さで生成した。組成は、2.5%プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200S、8.0%グリセリン、1.5%HPMC、0.38%CaCO(メルク(Merck))、1.33%GDL、及び平衡脱イオン水であった。注型発泡体を、熱い空気乾燥の前の30分間、実験室ベンチで、周囲温度で静置させた。一方の発泡体は、40℃で乾燥させ、一方は、60℃、さらにもう一方は80℃で乾燥させた。
【0245】
各発泡体の湿潤完全性を、SMSテクスチャー・アナライザー及びA/TG引張握りで試験した。試験速度は、0.5mm/秒に設定した。乾燥発泡体を、モデル生理食塩水中で浸漬し、そして十分に水和されるまで、その溶液中に維持した。発泡体が試験される前に、溶液のほとんどは、数枚の紙の間に発泡体を載せ、そして手で軽く押すことによって穏やかに搾り出した。湿潤発泡体は、約2〜3mm厚であった。外科用メスを使用して、骨形状に発泡体を切断し、そしてその1片を、分析装置の引張グリップに留めた。その1片は、長さ5cm、末端で幅3.4cm、そして中心で幅2.4cmであった。発泡体を、この形状に切断して、それがグリップに付着したところでなく、発泡体の中間での破損を確保した。発泡体片の各末端のおよそ0.5cmを使用して、それをグリップに留めた。
【0246】
発泡体を伸長させるために使用された力は、時間の関数として測定し、そして破損の前の最大値を読み取った。表16は、3つの異なる発泡体についての引張強度の最大値(試験された5つのサンプルについての平均からの±1偏差)を示す。等しい分散を推定するt−検定(信頼感覚=99%)に基づいた統計学的分析は、発泡体が、湿潤強度で異なることを示す。
【0247】
【表16】

【0248】
0.25g/mlの湿潤密度を示すが、同じ組成を有する別の乾燥ゲル化発泡体を生成し、そして乾燥については可変の時間及び温度条件で加工した。後の乾燥段階で高温と合わせたときに、40℃で1時間は、最終発泡体の所望の最大引張湿潤強度を維持しつつ早い乾燥時間を得るのに十分であった。このデータは、表17に示される。等しい分散を推定するt−検定(信頼感覚=99%)に基づいた統計学的分析は、発泡体が、湿潤強度で異ならないことを示す。
【0249】
【表17】

【0250】
〔実施例38〕
本実施例は、歯磨き剤として使用するのに適切な発泡体を示す。乾燥ゲル化発泡体を、以下の成分を用いて生成した:プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LFR5/60の8%溶液50g、12.3gグリセリン、40.3gソルビトールSP、0.5gHPMC、0.18gCaCO(メルク(Merck))、0.64gGDL、1.5gCRT15000PPA CMC、サッカリンの8%水溶液2.06g、22.64gシリカ、0.8gPVP、1.41gSLS及び42.7g脱イオン水。添加されたカルシウムは、アルギネートの30%を飽和させるのに十分であった。成分全てを、4分間、シルバーソン混合機で混合し、そして340cmの型に充填した。すぐに、発泡体を、一晩60℃で、乾燥させた。7.5gの天然及び人工的スイカ型風味剤(シムライズ(Symrise)、米国ニュージャージー州テターボロ(Teterboro,NJ,USA))(用量当たり、4cm×0.5cmの発泡体)を、絵画用筆で塗り、そして乾燥させた。4cm×0.5cmの強力でそして柔軟性のある発泡体片は、歯に十分に付着した。30秒後、それは、唾液で十分に水和し、そしてブラシがけが始まり得た。PVPをPVAに換え、添加した炭酸カルシウムが、アルギネートの20%を含むのに十分であり、そして赤色着色剤(カラーK7057 D及びC赤色番号33、LCW・インク(LCW Inc.)、米国ニュージャージー州サウス・プレインフィールド(South Plainfield,NJ,USA))の0.005g/ml水溶液0.3gを、混合前に添加したことを除いて、同じ組成を使用して、二次乾燥ゲル化発泡体を、生成した。生じた発泡体は、ピンク色であった。この発泡体の他の特性及び性能は、一次歯磨き剤発泡体と同じであった。
【0251】
〔実施例39〕
本実施例は、口の中での粘着性または過度の粘着性なしに喜ばしい口の感触を与える早期経口溶解のための乾燥ゲル化発泡体を示す。
【0252】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LFR5/60の4%水溶液50g、25gソルビトールSP、2.0gXL−CMC、3.0gHPMC、0.18gCaCO(エスカール(Eskal)300)、0.64gGDL、2.0gCRT15000PPA CMC及び117.2g脱イオン水から乾燥ゲル化発泡体を生成した。添加したカルシウムは、アルギネートの30%を飽和するのに十分であった。均質になるまで溶液を、シルバーソン混合機を用いて、約3分、混合した。その後、発泡体を、さらに、ホバート混合機で1分間混合し、そして0.18g/mlの湿潤密度を得た。発泡体を、高さ約3mmである2つの型に噴霧し、そして一方は40℃で、そして一方は60℃で一晩乾燥させた。40℃で乾燥した発泡体における孔は、60℃で乾燥された発泡体での孔より大きかった。両方の発泡体は、ある程度脆いが、強力であった。
【0253】
〔実施例40〕
本実施例は、アルコール中のアルギネートの沈殿により、発泡体ビーズの形成を示す。湿潤発泡体は、実施例32で記述される通りに生成した。湿潤発泡体を、プラスチック製バッグに入れ、そして底部の角を切断して、約1cmの直径を示す孔を形成した。湿潤発泡体を、孔を通して搾り出し、そして長さ約1.0から1.5cmまでの小片に切断した。その小片を、エタノール中の4%グリセリン及び9%ソルビトールを含有する攪拌浴に落とした。丸型ビーズが形成した。除去されるべき前より長期間、浴中に残る乾燥ビーズは、アルギネート分子の間の架橋の形成よりむしろアルギネートの沈殿により、いっそう水溶性であった。
【0254】
〔実施例41〕
本実施例は、発泡体基材の再構築可能な投与形態を作り出す方法を示す。モデル活性剤(二酸化チタン)を、乾燥ゲル化発泡体に組込み、そして適度の攪拌が、自由に流れる、飲用可能な液体中でモデル活性剤を水和及び分散及び懸濁させる。
【0255】
プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LFR2005の4%水溶液100.0g、280gソルビトールSP、12.0gグリセリン、3.0gHPMC、0.18gCaCO、0.64gGDL、31.4g二酸化チタン、0.04gツイーン(TWEEN)(登録商標)20及び24.7g脱イオン水を含有する乾燥ゲル化発泡体を生成した。添加したカルシウムは、アルギネートの30%を飽和するのに十分であった。全ての成分を、1分間、ホバート混合機で、中程度の速度で、そしてその後、2.5分間、高速で混合した。生じた発泡体は、体積340cmを示し、そしてそれを、すぐに50℃で一晩乾燥させた。生じた乾燥ゲル化発泡体は、8%水分含量で強力で、柔らかく、そしてしなやかであった。2つの1.5×3cm片は、それらを100ml脱イオン水に入れたときに分散し、そして1分間振盪して、0.5g二酸化チタン/100mlの懸濁液を得た。懸濁液は、沈殿なしに少なくとも5分間安定なままであった。
【0256】
〔実施例42〕
本実施例は、二層乾燥ゲル化アルギネート発泡体を示す。発泡体を、実施例32で記述される通り、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を用いるか、または用いないで生成した。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしの発泡体は、発泡体の前に添加された0.005g/mlの着色材料の0.15%の水溶液を含んだ。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしの発泡体を注型し、そして乾燥させた。その後、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を含有する湿潤発泡体を、ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしの乾燥ゲル化発泡体の最頂部に直接注型し、そして乾燥させた。乾燥ゲル化発泡体構造中の2つの発泡体層を堅く付着させ、そして水道水での1日保存の後、接着したままであった。時間をかけて、水溶性着色材料は、水に発泡体から放出された。ゲル化発泡体表面の孔サイズ及び構造は、眼に見えて異なり、そして個々の層の吸収特性は固有のままであった。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20を含有した層は、水がその表面に置かれたときにすぐに水を吸収させた。ツイーン(TWEEN)(登録商標)20なしの層は、その表面に配置された水の液滴を吸収するのに約5秒を必要とした。
【0257】
〔実施例43〕
本実施例は、ペクチンがゲル化剤である乾燥ゲル化発泡体を示す。2%ペクチン、3.5%グリセリン、9%ソルビトールSP、1.5%HPMC、0.2%CaCO(エスカール(Eskal)500)、0.7%GDL、1%CMC(ワルスロッド(Walsrode)CRT15000)及び平衡脱イオン水を含有する湿潤発泡体の200gバッチを生成した。ペクチンのg当たり80mgのカルシウムイオンがある。最初、3%ペクチンの水溶液133.4g、可塑剤、乾燥成分(GDLを除く)及び水の3分の2を、シルバーソン混合機を用いて、ブレンドした。その後、新たに生成したGDLの溶液、そして残りの水を添加した。混合を、1.25分間、ホバート混合機を用いて、高速で継続した。生じた湿潤発泡体は、0.21g/mlの密度を示した。湿潤発泡体を、0.8cmの高さの型に注入し、そして30分間、実験室ベンチで覆いをはずしたままにし、そしてその後、40℃で一晩乾燥させた。生じた乾燥ゲル化発泡体は、高さ0.7cmで、柔らかく、そしてしなやかであった。乾燥ゲル化発泡体を水に移したとき、それは膨張し、そして弱いゲルを得た。
【0258】
〔実施例44〕
本実施例は、イオタ・カラギーナンがゲル化剤である乾燥ゲル化発泡体を示す。1.5%イオタ・カラギーナン、3%グリセリン、9%ソルビトールSP、1.5%HPMC、0.23%CaCO(エスカール(Eskal)500)、0.79%GDL、及び平衡脱イオン水を含有する湿潤発泡体の200gバッチを生成した。存在するカルシウムイオンは、存在するイオタ・カラギーナンの6重量%である。最初に、2%イオタ・カラギーナン、可塑剤、HPMC及びCaCOの水溶液150gを、シルバーソン混合機を使用して均質になるまでブレンドした。その後、混合を、新たに生成したGDLの溶液及び残りの水を添加する前に、1分間、シルバーソン混合機を用いて高速で継続した。混合を、15秒間継続し、そして生じた湿潤発泡体は、0.8cm高の型に注入した。湿潤発泡体は、0.20g/mlの密度を示した。湿潤発泡体を0.8cmの高さの型に注入し、そして30分間、実験室ベンチで覆いをはずしたままにし、そしてその後、40℃で一晩乾燥させた。生じた乾燥ゲル化発泡体は、高さ0.6cmであった。乾燥ゲル化発泡体を水に移したとき、それは膨張し、そして弱いゲルを得た。
【0259】
CaCO及びGDLが除外されることを除いて、同じ成分及び配合を使用して、比較例発泡体を生成した。湿潤発泡体は、0.20g/mlの密度を示した。湿潤発泡体を、0.8cmの高さで、型に注入し、そして30分間、実験室ベンチで覆いをはずしたままにし、そしてその後、40℃で一晩乾燥させた。生じた比較例の乾燥ゲル化発泡体は、大きな孔を有し、そして発泡体高さは、CaCO及びGDLを用いて生成された発泡体についての0.6cmに比較してわずか0.4cmであった。より多くの合着が、乾燥の間に比較例の発泡体で起こったことは明らかであった。比較例の乾燥発泡体を水道水に放したとき、それは膨張しなかった。それは、ゆっくりと水和し、そしてその後溶解した。
【0260】
〔実施例45〕
本実施例は、孔サイズ及びゲル化速度が、発泡体の湿潤強度に影響を及ぼすことを示す。標準手段に従って、4つの発泡体を生成した。組成は、プロタナル(PROTANAL)(登録商標)LF200S、3.0%グリセリン、0.9%ソルビトールSP、0.03%ツイーン(TWEEN)(登録商標)20、1.5%HPMC、0.48%CaCO(表18で示される通り)、1.37%gdl、及び平衡脱イオン水であった。添加したカルシウムは、アルギネートの125%を飽和するのに十分であった。湿潤発泡体の各バッチを分割し、そして4つのトレイ(高さ7mm)に注入した。各バッチから得られる4つの湿潤発泡体を、0、20、40、または60分間、周囲温度で、実験室ベンチで覆いをはずしたままにし、そしてその後、80℃で、空気で強制された乾燥オーブンに移し、そして、サンプルを実験室ベンチに維持させた時間に因り、4から5時間の間乾燥させた。実験室ベンチで0分維持した発泡体を、5時間乾燥させ、そして実験室ベンチ上に60分維持した発泡体を、4時間乾燥させた。乾燥温度を、約4時間の間、35℃に減少させ、そして約7時間、この温度に保持させた。
【0261】
80℃ですぐに乾燥された発泡体は、乾燥前に数回、実験室ベンチで維持したものより小さな孔を有した。メルク(Merck)及びエスカール(Eskal)20 CaCOを用いて生成された発泡体は、4つの異なるゲル化時間の間の目視で異なる孔サイズを示した。実験室ベンチ上での時間について、最大のCaCO粒子を用いて生成された発泡体について、さらなる合着が観察された。乾燥発泡体密度を測定したが、しかし実験室ベンチでの時間によりあらゆる分散は、手のカリパスを使用してこれらの薄い発泡体を測定することが困難であった。エスカール(Eskal)500発泡体は、ある程度しなやかさが不足していたが、しかし皮膚に対して最も柔らかかった。各サンプル群内で、最小の孔を有する発泡体が、最も柔らかかった。
【0262】
乾燥発泡体を、10分間、35〜40℃で、水道水に漬けた。過剰の水を除去し、そして湿潤完全性を、実施例37で記述される通り、SMSテキスチャー・アナライザー及びA/TG引張グリップを用いて測定した。表18は、16個の異なるゲル化乾燥発泡体について損傷前の最大の力(試験された3から6個のサンプルについての平均から±1標準偏差)を示す。
【0263】
発泡体片を水道水に入れたときに、それらは、バッチの間、及び一方のバッチ内の両方で、水和速度で観察可能な差を伴い比較的早く膨張した。最大の孔及び最長のゲル化時間を用いた発泡体が、最も早く膨張した。再水和したメルク(Merck)の発泡体の厚みは、乾燥前に実験室ベンチ上で60分維持した発泡体については、6.0mmであり、そして実験室ベンチ上で0分維持した発泡体については、5.5mmであった。エスカール(Eskal)500を用いて生成され、そして実験室ベンチ上で0分保持された発泡体は、30分後に十分に水和されず、そして4.5mm厚みであった。メルク(Merck)及びエスカール(Eskal)20を用いて生成された乾燥ゲル化発泡体は、それらが非常に弱いので、再水和後、取り扱うのが困難であった。
【0264】
【表18】

【0265】
本発明を記述して、我々は、ここで、以下のもの及びそれらの等価物を主張する。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【図1】穴あき乾燥ゲル化発泡体に対する、そして非穴あき乾燥ゲル化発泡体に対する時間の関数として、モデル生理学的流動体の吸収性を示す。
【図2】糖を含む、及び含まない乾燥ゲル化発泡体に関するミルク及び水の吸収性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下の成分:
アルギネート、ペクチン性物質、カラギーナン、グリコールアルギネート、及びその混合物より構成される群から選択されるゲル形成重合体、
ゲル化剤;
水溶性可塑剤;
任意で、発泡剤;
任意で、添加剤;
pH調節剤;及び
水;
を含む水性分散液を形成し、
ゲル形成重合体を、水に溶解させ、そしてゲル化剤を水に分散させ;
b)その分散物から発泡体を形成し、そしてゲル化発泡体を形成し;そして
c)ゲル化発泡体を乾燥させて、乾燥ゲル化発泡体を形成する;
工程を含み、水及び添加剤を除いて、乾燥ゲル化発泡体が、可塑剤を主に含む乾燥ゲル化発泡体を形成する方法。
【請求項2】
水性分散液が発泡剤を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
水性分散液中の可塑剤対ゲル形成重合体の比が、約10:1から約2:1までである請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項4】
水性分散液中の可塑剤対ゲル形成重合体の比が、約8:1から約3:1までである請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項5】
水性分散液中の可塑剤対ゲル形成重合体の比が、約6:1から約4:1までである請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項6】
水性分散液が、約0.5重量%から約10重量%までのゲル化形成重合体を含む請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
水性分散液が、約1重量%から約6重量%までのゲル化形成重合体を含む請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
水性分散液が、約2重量%から約4重量%までのゲル化形成重合体を含む請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ゲル化形成重合体が、少なくとも30%のG含有率を示すアルギネートである請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
アルギネートのG含有率が、約40%から約90%までである請求項9記載の方法。
【請求項11】
アルギネートのG含有率が、約50%から約80%までである請求項10記載の方法。
【請求項12】
アルギネートが、少なくとも約150,000ダルトンの分子量を示す請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
添加されるゲル化剤の量が、アルギネートのゲル化部位の25%から200%までを飽和するのに十分である請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
添加されるゲル化剤の量が、アルギネートのゲル化部位の50%から100%までを飽和するのに十分である請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
ゲル化剤が、炭酸カルシウムである請求項9から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
水溶性可塑剤が、グリセリン、ソルビトールまたはそれらの混合物である請求項9から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
水性分散液が、発泡剤を含み、そして発泡剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む請求項9から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
水性分散液が、発泡剤を含み、そして発泡剤が、メチルセルロースを含む請求項9から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
発泡剤が、さらに、非イオン性界面活性剤を含む請求項17または請求項18記載の方法。
【請求項20】
pH調節剤が、グルコノ・デルタ・ラクトンである請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
さらに、段階b)の後で、そして段階c)の前に、水と混和性であるか、または水溶性可塑剤を含む水が部分的に可溶性である有機液体の浴に、発泡体を添加し、そして発泡体ビーズを形成する段階を含む請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
水性分散液が、順に、
i)いずれかの順で、ゲル形成重合体、可塑剤、及び任意で発泡剤を水中に溶解させ、そして水中にゲル化剤を分散させ、
ii)水にpH調節剤を添加する段階によって形成され、
発泡体が、工程i)の直後に、または工程ii)の直後に形成されるものである
請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
乾燥ゲル化発泡体が、水及び添加剤を除いて、約0.05重量%から5.0重量%までの界面活性剤を含む請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
水性分散液が、さらに、水溶性銀塩を含む請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
さらに、乾燥ゲル化発泡体に、添加剤を添加する工程を含む請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
添加剤が、着色剤、風味剤、または芳香である請求項25記載の方法。
【請求項27】
添加剤が、キトサンである請求項25記載の方法。
【請求項28】
水性分散液が、添加剤を含む請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
添加剤が、食品である請求項28記載の方法。
【請求項30】
添加剤が、有益な剤である請求項28記載の方法。
【請求項31】
添加剤が、研磨剤である請求項28記載の方法。
【請求項32】
処理が、連続処理である請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
処理が、バッチ処理である請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
請求項1から34までの方法のいずれか1項によって生成される乾燥ゲル化発泡体。
【請求項35】
アルギネート、ペクチン性物質、カラギーナン、グリコールアルギネート、及び多価陽イオンと架橋したその混合物より構成される群から選択されるゲル形成重合体、及び水溶性可塑剤を含み、そして可塑剤対アルギネートの比が、約10:1から約2:1までである乾燥ゲル化発泡体。
【請求項36】
ゲル形成重合体が、アルギネートである請求項35記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項37】
乾燥ゲル化重合体が、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む請求項35または請求項36記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項38】
可塑剤対アルギネートの比が、約8:1から約3:1までである請求項35から37までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項39】
可塑剤対アルギネートの比が、約6:1から約4:1までである請求項35から37までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項40】
水溶性可塑剤が、グリセリン、ソルビトール、またはそれらの混合物である請求項36から40までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項41】
乾燥ゲル化発泡体が、水及び添加剤を除いて、約0.05重量%から5.0重量%までの界面活性剤を含む請求項35から40までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項42】
発泡体が、水及び添加剤を除いて、約55重量%を超える可塑剤を含む請求項35から41までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項43】
さらに、添加剤を含む請求項35から42までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項44】
添加剤が、有益な剤である請求項43記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項45】
添加剤が、食品である請求項43記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項46】
添加剤が、研磨剤である請求項43記載の乾燥ゲル化発泡体。
【請求項47】
基板が、織または不織物品、フィルム、または別の乾燥ゲル化発泡体である、基板上に請求項34から44までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体を含む外傷包帯。
【請求項48】
外傷上に請求項47の外傷包帯を載せることを含む、外傷を処置する方法。
【請求項49】
請求項43の乾燥ゲル化発泡体を含む送出系。
【請求項50】
有益な剤が、化粧用剤である請求項49記載の送出系。
【請求項51】
乾燥ゲル化発泡体が、フェイスマスクである請求項49記載の送出系。
【請求項52】
口腔洞中に請求項49の送出系を入れる工程を含む、口腔洞に有益な剤を送出する方法。
【請求項53】
さらに、口腔洞中に送出系を入れる前に、水または水性液体中で送出系を予備水和するか、または水または水性液体中に送出系を部分的または完全に溶解させる工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
請求項34から42までのいずれかの乾燥ゲル化発泡体を含み、そして発泡体中に付着した細胞を複製する細胞培養複製系。
【請求項55】
請求項34から42までのいずれかの乾燥ゲル化発泡体、及び有益な剤、複製細胞、あるいはそれらの混合物を前記発泡体中に含む、生物吸収性移植片。
【請求項56】
ヒト体内に、請求項55の生物吸収性移植片を移植することを含む方法。
【請求項57】
ヒト体内に移植された請求項34から42までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体を含む生物吸収性防御媒体。
【請求項58】
ヒト皮膚に請求項34から42までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体を塗布し、そして乾燥ゲル化発泡体を少なくとも部分的に水和させる工程を含む、ヒト皮膚に有益な剤を送出する方法。
【請求項59】
さらに、その皮膚から、少なくとも部分的に水和された乾燥ゲル化発泡体を除去する工程を含む請求項58記載の方法。
【請求項60】
有益な剤が、化粧用剤である請求項58または請求項59記載の方法。
【請求項61】
有益な剤が、水溶性である請求項58から60までのいずれか1項記載の方法。
【請求項62】
化粧用剤が、湿潤剤または緩和剤である請求項58から61までのいずれか1項記載の方法。
【請求項63】
湿潤剤または緩和剤が、グリセリン及びヒアルロネートより構成される群から選択される請求項62に記載の方法。
【請求項64】
水性媒体中の予め決められた量の請求項34から42までのいずれか1項記載の乾燥ゲル化発泡体を部分的に溶解及び部分的に分解させ、そして部分的に溶解及び部分的に分解した乾燥ゲル化発泡体と、水との混合物を形成し、発泡体が約10〜60%飽和にあり、
酸で活性化されたゲル化剤、及び部分的に溶解及び部分的に分解した乾燥ゲル化発泡体と水との混合物を胃の中へ入れる工程を含む、食道への灌流を防止する物理的防御を形成する方法。
【請求項65】
部分的に溶解及び部分的に分解した乾燥ゲル化発泡体の混合物が、口の中で形成される請求項64記載の方法。
【請求項66】
乾燥ゲル化発泡体が、H2受容体拮抗剤、プロトンポンプ阻害剤、及び制酸剤より構成される群から選択される、予め決められた量の材料を含む請求項64または65記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−505183(P2007−505183A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525919(P2006−525919)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002849
【国際公開番号】WO2005/023323
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(504369661)エフエムシー バイオポリマー エイエス (14)
【Fターム(参考)】