説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、プログラム

【課題】ユーザが操作を行うべきタイミングを提示するのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係るゲーム装置300は、第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する表示部301と、ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する検知部302と、検知された操作体の状態が、(a)案内画像が第1の位置から第2の位置へ移動する間、第1の状態であり、(b)案内画像が第2の位置から第1の位置へ移動する間、第2の状態であり、(c)案内画像が第1の位置に到達したときに、第2の状態から第1の状態に移行する場合、当該ユーザの操作が成功したと判定する判定部303と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせてユーザが操作する、いわゆる音楽ゲーム(リズムゲーム)が知られている。音楽ゲームは、例えば、画面上に順次表示される案内画像が、基準画像に到達したときに、ユーザがタイミングよく操作をすることにより進行するゲームである(例えば、特許文献1参照)。案内画像が基準画像付近に到達した際に、ユーザが当該案内画像に対応する操作をすることにより、当該案内画像は画面上から消滅する(例えば、特許文献1段落0053乃至0059、図3参照)。特許文献1では、ユーザの入力タイミングに対応付けられたメッセージ(例えば、「GREAT」、「GOOD」等)が画面上に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−222280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、案内画像等を表示する表示範囲が、携帯電話や携帯型のゲーム装置のように限られている場合、複数の案内画像が画面上に表示されると、それぞれの案内画像の表示が小さくなってしまうことがあり、当該案内画像を見づらいと感じるユーザが存在した。一方、通常のリズムゲームでは、操作すべきタイミングをユーザが知る際に画面内の見る位置が大きく移動すると、見づらいことがある。従って、操作すべきタイミングをユーザにわかりやすく提示する技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、表示部と、検知部と、判定部と、を含んで構成される。
【0007】
まず、表示部は、第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する。
【0008】
ここで、第1の位置及び第2の位置は、画面上の任意の位置である。案内画像が、第1の位置と第2の位置との間を移動するため、両位置が一定距離以上離れているのが典型的である。
また、案内画像とは、ユーザに対して操作を促すための任意の画像をいう。
また、所定の速度とは、好ましくは等速度であるが、速度が可変してもよい。また、案内画像が、第1の位置から第2の位置へ移動する速度と、第2の位置から第1の位置へ移動する速度と、が異なってもよい。
【0009】
案内画像は、第1の位置から現れて、所定の経路をたどって、第2の位置まで移動する。案内画像が第2の位置に到達すると、当該案内画像は、所定時間の間、第2の位置に留まり、所定の経路をたどって、第1の位置へ移動する。そして、案内画像が、第1の位置に到達すると、画面上から消える。
【0010】
なお、案内画像が、第1の位置から第2の位置まで移動する経路と、第2の位置から第1の位置まで移動する経路と、は、典型的には同一であるが、異なってもよい。
【0011】
次に、検知部は、ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する。
【0012】
ここで、操作体とは、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置をいい、例えば、タッチパネル、コントローラ、キーボード、マウス等に相当する。
また、第1の状態とは、ユーザからの入力操作がない状態、または、ユーザが指定される入力操作を行っていない状態をいう。また、第2の状態とは、ユーザが指定される入力操作を行っている状態をいう。
【0013】
次に、判定部は、検知された操作体の状態が、
(a)案内画像が第1の位置から第2の位置へ移動する間、第1の状態であり、
(b)案内画像が第2の位置から第1の位置へ移動する間、第2の状態であり、
(c)案内画像が第1の位置に到達したときに、第2の状態から第1の状態に移行する、
場合、当該ユーザの操作が成功したと判定する。
【0014】
画面上には、所定の距離だけ離れた第1の位置と第2の位置とがあり、両位置の間を移動する案内画像が表示される。ユーザは、第1の位置から第2の位置へ移動する案内画像の位置を視認しながら、入力操作を行うタイミングを確認する。そして、当該案内画像が第2の位置に到達した時点において、入力操作が要求される。入力操作の具体例としては、操作体がタッチスクリーンであれば、タッチすること、操作体がボタンであれば、ボタンを押下すること、である。当該時点においてタッチ等が行われると、ユーザの操作が成功したと判定される。
【0015】
次に、案内画像が第2の位置に到達してから第1の位置に到達するまでの間、入力操作の継続が要求される。入力操作の継続の具体例としては、操作体がタッチスクリーンであれば、タッチし続けること、操作体がボタンであれば、ボタンを押下し続けること、である。そして、案内画像が第1の位置に到達した時点において、入力操作の解除、すなわち、タッチの解除やボタン押下の解除、が要求される。当該時点においてタッチの解除等が行われると、ユーザの操作が成功したと判定される。
【0016】
携帯電話や携帯型のゲーム装置のように画面サイズが小さく、表示範囲が制限されるおそれがある場合であっても、ユーザは、タッチ等の操作を行うべき第2の位置と、タッチの解除等の操作を行うべき第1の位置と、の2つの位置に到達する案内画像を視認するだけで、操作を行うべきタイミングを確認することができる。また、案内画像が表示される範囲は、第1の位置と第2の位置との間に限られているため、ユーザの視線の移動を少なくすることができる。
【0017】
このため、本発明によれば、操作すべきタイミングをユーザにわかりやすく提示することができる。また、ユーザの視線の移動を少なくすることにより、操作すべきタイミングをユーザにわかりやすく提示することができる。
【0018】
また、本発明に係るゲーム装置は、出力部を含んで構成することもできる。
【0019】
出力部は、検知された操作体の状態が、第2の状態である間、所定の音声を出力する。
【0020】
ここで、所定の音声は、任意の音量、音程、及び、音色等から構成される音声である。ユーザが、タッチスクリーンをタッチすると音声が出力され、タッチされている間、音声が出力され続ける。そして、タッチが解除されると、音声の出力が停止される。このため、ユーザの操作が成功したと判定される場合、すなわち、案内画像が、第2の位置に到達した時点から当該第2の位置を離れて第1の位置に到達するまでの間、タッチスクリーンをタッチする操作が継続されると、音声が出力される。
【0021】
これにより、ユーザに対して音声を出力させる操作を促すことができる。
【0022】
また、画面並びに操作体は、タッチスクリーンである、ことも可能である。
タッチスクリーンにおいて、
(a)案内画像が移動する範囲をユーザがタッチしている状態は、第2の状態であり、
(b)案内画像が移動する範囲以外をユーザがタッチしている状態、及び、タッチスクリーンをユーザがタッチしていない状態は、第1の状態である。
【0023】
ここで、案内画像が移動する範囲とは、典型的には、第1の位置と第2の位置とで挟まれる領域をいう。画面上において、案内画像が移動する範囲をユーザがタッチすると、当該タッチは、指定される操作として判定される。一方、案内画像が移動する範囲以外、例えば、第1の位置と第2の位置との外周の領域をユーザがタッチしている状態、及び、ユーザがタッチスクリーンをタッチしていない状態は、指定される操作ではないと判定される。
【0024】
これにより、画面上の所定の位置をタッチするようユーザに促すことができる。
【0025】
また、動画像において、第1の位置と案内画像とに挟まれる領域の色彩と、第2の位置と案内画像とに挟まれる領域の色彩と、は異なる、ことも可能である。
【0026】
例えば、第1の位置と案内画像とに挟まれる領域が、第1の色彩で表示され、第2の位置と案内画像とに挟まれる領域が、第2の色彩で表示されるとする。この場合、案内画像が第1の位置から第2の位置へ移動していくと、第1の色彩で表示される領域が増大し、第2の色彩で表示される領域が減少していく。そして、案内画像が第2の位置に到達すると、第1の位置と第2の位置とに挟まれる領域すべてが、第1の色彩で表示される。このため、第1の位置と第2の位置とに挟まれる領域すべてが第1の色彩で表示されるタイミングが、ユーザがタッチを行うべきタイミングとなる。
【0027】
また、案内画像が第2の位置に到達後、当該第2の位置を離れて第1の位置へ移動していくと、第1の色彩で表示される領域が減少し、第2の色彩で表示される領域が増大していく。そして、案内画像が第1の位置に到達すると、第1の位置と第2の位置とに挟まれる領域すべてが、第2の色彩で表示される。このため、第1の位置と第2の位置とに挟まれる領域すべてが第2の色彩で表示されるタイミングが、ユーザがタッチの解除を行うべきタイミングとなる。
【0028】
これにより、色彩の変化により2つの領域が区別され、案内画像の位置が画面上に明確に表示されるため、操作を行うべきタイミングをユーザにわかりやすく提示することができる。
【0029】
また、表示部は、複数の案内画像が移動する動画像を画面に表示する、ことも可能である。
【0030】
例えば、第1の案内画像は、第1の位置と第2の位置との間を移動し、第2の案内画像は、第3の位置と第4の位置との間を移動する。各案内画像は、画面上の任意の2つの位置の間を移動する。画面上には、所定の距離だけ離れた2つの位置の間を移動する案内画像が表示され、当該案内画像の位置により、タッチ等の操作を行うべきタイミングと、タッチ等の解除の操作を行うべきタイミングと、をユーザは認識することができる。
【0031】
これにより、限られた表示範囲においても、操作すべきタイミングをユーザにわかりやすく提示することができる。
【0032】
上記の目的を達成するため、本発明の他の観点に係るゲーム制御方法は、表示部と、検知部と、判定部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、表示工程と、検知工程と、判定工程と、を備える。
【0033】
表示工程では、表示部が、第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する。
【0034】
検知工程では、検知部が、ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する。
【0035】
判定工程では、検知された操作体の状態が、(a)案内画像が第1の位置から第2の位置へ移動する間、第1の状態であり、(b)案内画像が第2の位置から第1の位置へ移動する間、第2の状態であり、(c)案内画像が第1の位置に到達したときに、第2の状態から第1の状態に移行する、場合、判定部が、当該ユーザの操作が成功したと判定する。
【0036】
これにより、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示することができる。
【0037】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記のゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記のゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0038】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】携帯型情報処理装置の外観及び入力操作の一例を示す図である。
【図3A】第2の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図3B】第2の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図4A】案内画像の移動を説明するための図である。
【図4B】案内画像の移動を説明するための図である。
【図4C】案内画像の移動を説明するための図である。
【図4D】案内画像の移動を説明するための図である。
【図4E】案内画像の移動を説明するための図である。
【図5】ゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図6】ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】案内画像の速度変化と鍵盤の表示との関係を示す図である。
【図8A】案内画像の停止時間と音符の種類との関係を示す図である。
【図8B】案内画像の停止時間と音符の種類との関係を示す図である。
【図9A】実施形態2に係る案内画像の移動を説明するための図である。
【図9B】実施形態2に係る案内画像の移動を説明するための図である。
【図9C】実施形態2に係る案内画像の移動を説明するための図である。
【図9D】実施形態2に係る案内画像の移動を説明するための図である。
【図10】案内画像の移動速度が途中で変化した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(実施形態1)
以下に、本発明の実施形態に係るゲーム装置について説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話、音楽プレイヤなどにおいても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0042】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す図である。また、図2に携帯型情報処理装置の外観図を示す。以下、これらの図を参照して説明する。
【0043】
携帯型情報処理装置1は、処理制御部10、コネクタ11、カートリッジ12、無線通信部13、通信コントローラ14、サウンドアンプ15、スピーカ16、マイク17、操作キー18、第1の表示部19、第2の表示部20、タッチパネル21、を備える。
【0044】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10a、画像処理部10b、VRAM(Video Random Access Memory)10c、WRAM(Work RAM)10d、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10e、タッチパネルコントローラ10f、を備える。
【0045】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0046】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0047】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
【0048】
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0049】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部19および、第2の表示部20を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部19に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部20に所定の指示アイコン等を表示する。
【0050】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル21への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部20に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル21上の接触およびその位置等を検出する。
【0051】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0052】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0053】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0054】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0055】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
【0056】
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0057】
マイク17は、ユーザの声等のアナログ信号を受け付け、受け付けた信号は処理制御部10でミキシング等の処理がされる。
【0058】
操作キー18は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された方向キー18aやボタン18b等から構成され、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。操作キー18には、音量を調節するためのボタンや、つまみ等も含まれる。
【0059】
第1の表示部19および、第2の表示部20は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
【0060】
タッチパネル21は、第2の表示部20の前面に重畳して配置され、タッチペン22やユーザの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル21は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル21は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0061】
なお、本実施の形態に係るゲーム装置は、上述した典型的な携帯型情報処理装置1上に実現されるが、一般的なコンピュータや情報処理装置上に実現することもでき、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。一般的なコンピュータや情報処理装置は、上記携帯型情報処理装置1と同様に、CPUコアや、VRAM、WRAM、を備える。また、通信部として、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−Tなどの規格に準拠するNIC(Network Interface Controller)、記憶装置としてハードディスクを有する他、DVD−ROMや、光磁気ディスク等が利用できるようになっている。また、入力装置として、タッチパネルの代わりに、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能させることができる。
【0062】
本実施形態では、オルガンやエレクトーン(登録商標)のような鍵盤楽器において、鍵(キー)を押している間、音声が出力される鍵盤楽器を弾くゲームを例に取り説明する。本実施形態の鍵盤楽器を弾くゲームでは、図2に示すように、第2の表示部20に鍵盤の画像(以下、鍵盤23)が表示される。ユーザが、タッチペン22や指等で、鍵盤23が表示されたタッチパネル21をタッチすると、当該タッチに基づいた処理が行われる。例えば、ユーザが、タッチペン22で、鍵盤23の鍵をタッチすると、タッチされている間、タッチされた鍵に対応した音が出力される。
【0063】
図3A及び図3Bは、第2の表示部20に表示される画面の一例を示す図である。同図に示すように、第2の表示部20には、鍵盤23が表示される。鍵盤23は、典型的には、複数の白鍵の画像(以下、白鍵23a)と複数の黒鍵の画像(以下、黒鍵23b)とから構成される。白鍵23a及び黒鍵23bにおける第1の位置31は、白鍵23a及び黒鍵23b(鍵盤23)の上辺に相当する。また、白鍵23aにおける第2の位置32aは、白鍵の下辺に相当し、黒鍵23bにおける第2の位置32bは、黒鍵の下辺に相当する。鍵の形状が異なるため、白鍵23aと黒鍵23bとでは、第2の位置32a、32bが異なっている。
【0064】
案内画像30は、例えば図3Aに示すように、白鍵23aや黒鍵23b上に表示される線状に形成された画像である。また、案内画像30は、図3Bに示すように、白鍵23aや黒鍵23b上に表示される帯状に形成された帯状画像30a、もしくは、点線内部に示される帯状画像30aの下辺部に相当する線状に形成された画像である。案内画像30は、白鍵23aや黒鍵23b上に表示できる任意の形状及びサイズから形成される画像である。
以下では、案内画像30を、図3Bに示すように、帯状画像30aの下辺部に相当する線状に形成された画像として説明する。
【0065】
ユーザは、操作を促すための案内画像30の位置を確認しながら、適切なタイミングにおいて、タッチ操作、及び、当該タッチ操作の解除を行うことにより、ゲームを進める。図4A〜4Eは、案内画像30の移動を説明するための図である。以下、案内画像30が白鍵23a内を移動する場合について、同図を用いて説明する。
なお、案内画像30が、黒鍵23b内を移動する場合については、白鍵23a内を移動する場合と同様であるため、ここでは省略する。
【0066】
まず、図4Aに示すように、第2の表示部20に鍵盤23が表示される。鍵盤23は、複数の白鍵23aと複数の黒鍵23bとから構成される。ユーザが白鍵23aや黒鍵23bを指等によりタッチすることにより、タッチされた鍵に対応する音が出力される。案内画像30は、第1の位置31から現れて、白鍵23a内を沿って移動する。ここで、移動とは、典型的には、異なる位置の間を直線的に進むことをいう。同図の場合、白鍵23a上に示される第1の位置31と第2の位置32aとの間を、案内画像30が直線的に進んでいく。なお、移動経路は、直線に限られず、波線、ジグザグ線等、任意である。
【0067】
次に、図4Bに示すように、案内画像30は、演奏される楽曲のリズム等に同調して、白鍵23a内を沿って、第1の位置31から第2の位置32aまで移動して行く。案内画像30が第1の位置31から第2の位置32aへと移動することにより、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33が増大していき、第2の位置32aと案内画像30とに挟まれる領域34が減少していく。案内画像30が表示される白鍵23aにおいて、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33は、典型的には白以外の色彩が付される。これにより、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33の色彩と、第2の位置32aと案内画像30とに挟まれる領域34の色彩と、が異なるため、ユーザは案内画像30の位置を明確に把握することができる。
【0068】
案内画像30が移動して、図4Cに示すように、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点、すなわち、第1の位置31と案内画像30とに挟まれるすべての領域33の色彩が変化した時点が、ユーザがタッチ操作を行うタイミングである。ユーザは、鍵盤23の色彩の変化を視認することにより、タッチすべき鍵とタッチすべきタイミングとを把握することができる。タッチペン22等により、色彩が変化した白鍵23aをユーザがタッチすることにより、当該白鍵23aに対応する音声が出力される。例えば、同図に示すように、「ファ」に対応する鍵をタッチすることにより、「ファ」の音が出力される。ユーザがタッチを継続している間、音声が出力される。案内画像30は、所定の時間、第2の位置32aに留まった後、再び移動を開始する。当該所定の時間は、案内画像30の移動速度と音を出力すべき時間の長さとに基づいて決定される。
【0069】
次に、案内画像30が第2の位置32aに到達した後、図4Dに示すように、案内画像30は、第2の位置32aから第1の位置31へ向けて移動を開始する。案内画像30が第2の位置32aから第1の位置31に向けて移動することにより、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33が減少していき、第2の位置32aと案内画像30とに挟まれる領域34が増大していく。案内画像30が、第2の位置32aから離れて、第1の位置31へ移動している間も、タッチペン22等によるタッチの継続が促される。当該タッチが継続されている間、タッチが行われている白鍵23aに対応する音声が出力される。
【0070】
そして、図4Eに示すように、案内画像30が第1の位置31に到達した時点、すなわち、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33の色彩がもとの状態となった時点が、ユーザがタッチ操作を解除すべきタイミングである。ユーザがタッチ操作の解除を行うと、音の出力が停止される。
【0071】
ユーザがタッチを行うべき時間は、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点から、案内画像30が第2の位置32aを離れて第1の位置31の到達した時点までとなる。ユーザがタッチを行うべき時間は、すなわち、音声を出力すべき時間は、音符の種類(例えば、4分音符、全音符)によって異なる。案内画像30は典型的には等速度で移動するため、案内画像30が第2の位置32aに留まる時間を調整することにより、音声を出力すべき時間を変化させることができる。これにより、複数の音符を表現することができる。
【0072】
例えば、全音符を表現する場合には、案内画像30が第2の位置32aに4秒間留まり、また、4分音符を表現する場合には、案内画像30が第2の位置32aに0秒間留まる、というように、音符の種類(すなわち、音を出力すべき時間の長さ)に基づいて、案内画像30が第2の位置32aに留まる時間が決定される。
【0073】
上述する案内画像30の移動処理が繰り返されることにより、ゲームが進行していく。
【0074】
図5は、本実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。以下、本図を参照して説明する。ゲーム装置300は、同図にしめすように、表示部301、検知部302、判定部303、出力部304、記憶部305等を備える。
【0075】
表示部301は、図3A、図3B、及び、図4A〜4Eに示すように、鍵盤23を表示し、当該鍵盤23上に案内画像30を表示して、当該案内画像30が移動する動画像を表示する。表示部301は、第1の位置31から第2の位置32a、32bへ所定の速度で案内画像30が移動し、その後、当該第2の位置32a、32bから当該第1の位置31へ当該所定の速度で当該案内画像30が移動する動画像を画面に表示する。
【0076】
案内画像30が移動する速度は、典型的には等速度であり、案内画像30が、第1の位置31から第2の位置32a、32bへ移動する速度と、第2の位置32a、32bから第1の位置31へ移動する速度と、は等しい。
なお、第1の位置31から第2の位置32a、32bへ移動する速度と、第2の位置32a、32bから第1の位置31へ移動する速度と、が異なってもよい。また、第1の位置31から第2の位置32a、32bへ、また、第2の位置32a、32bから第1の位置31へ、移動している途中において、速度を可変してもよい。
【0077】
また、表示部301は、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33の色彩と、第2の位置32a、32bと案内画像30とに挟まれる領域34の色彩と、が異なるように表示する。当該領域33、34は、任意の色彩で表示される。
【0078】
CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、LDCコントローラ10e、及び、第1/第2の表示部19、20等が協働して動作することにより、表示部301として機能する。
【0079】
検知部302は、ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する。
【0080】
ここで、操作体は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置をいい、例えば、タッチパネル、コントローラ、キーボード、マウス等に相当する。
また、第1の状態とは、ユーザからの入力操作がない状態、または、ユーザが指定の入力操作を行っていない状態をいう。また、第2の状態とは、ユーザが指定される入力操作を行っている状態をいう。
【0081】
例えば、図2等に示すように、操作体がタッチパネル21であるときは、ユーザがタッチペン22等によりタッチパネル21をタッチしていない状態、または、タッチパネル21上に表示される鍵盤23の所定の鍵をタッチしていない状態が、第1の状態である。また、ユーザがタッチペン22等により鍵盤23の所定の鍵(具体的には、案内画像30が表示された鍵)をタッチしている状態が、第2の状態である。
【0082】
CPUコア10a、タッチパネル21、タッチパネルコントローラ10f、及び、操作キー18等が協働して動作することにより、検知部302として機能する。
【0083】
判定部303は、検知された操作体の状態が、
(a)案内画像30が第1の位置31から第2の位置32a、32bへ移動する間、第1の状態であり、
(b)案内画像30が第2の位置32a、32bから第1の位置31へ移動する間、第2の状態であり、
(c)案内画像30が第1の位置31に到達したときに、第2の状態から第1の状態に移行する、場合、当該ユーザの操作が成功したと判定する。
【0084】
判定部303は、案内画像30の位置、及び、操作体の状態に基づいて、ユーザの操作が成功したか否かを判定する。例えば、図4Cに示すように、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点、すなわち、第1の位置31と案内画像30とに挟まれるすべての領域33の色彩が変化した時点が、ユーザがタッチ操作を行うべきタイミングである。当該タイミングにおいて、色彩が変化した案内画像30が表示される鍵、具体的には、同図では「ファ」に対応する白鍵23aを、ユーザがタッチすると、ユーザの操作が成功したと判定される。
【0085】
また、図4Eに示すように、案内画像30が第1の位置31に到達した時点、すなわち、第1の位置31と案内画像30とに挟まれる領域33の色彩がもとの状態となった時点が、ユーザがタッチ操作の解除を行うべきタイミングである。当該タイミングにおいて、色彩がもとの状態で表示される鍵、具体的には、同図では「ファ」に対応する白鍵23aを、ユーザがタッチしている操作を止めると、ユーザの操作が成功したと判定される。
【0086】
CPUコア10a、第2の表示部20、タッチパネル21、及び、タッチパネルコントローラ10f等が協働して動作することにより、判定部303として機能する。
【0087】
出力部304は、検知された操作体の状態が、第2の状態である間、所定の音声を出力する。出力部304は、ユーザがタッチペン22等を用いてタッチパネル21がタッチされると、当該タッチされた鍵に対応する音声を出力し、当該タッチが解除されると、音声の出力を停止する。
【0088】
CPUコア10a、サウンドアンプ15、及び、スピーカ16等が協働して動作することにより、出力部304として機能する。
【0089】
記憶部305は、例えば、ユーザがタッチした鍵、ユーザ操作の成否、操作が行われた時点と操作が行われるべき時点とのずれ等のゲームの進行状態を記憶する。
【0090】
CPUコア10a、及び、RAM 12b等が協働して動作することにより、記憶部305として機能する。
【0091】
次に、本実施形態のゲーム装置300にて実行される処理について説明する。図6は、ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0092】
鍵盤23のどの白鍵23aもしくは黒鍵23bに案内画像30が表示されるかは、楽曲や楽曲のパートによってあらかじめ定められているのが典型的である。ここでは、説明を容易にするために、鍵盤23の「ファ」の音域に相当する白鍵23aに案内画像30が表示される場合について説明する。
【0093】
まず、ゲーム装置300に電源が投入され、ユーザによってゲームが開始されると、図4Aに示すように、CPUコア10aは、第2の表示部20に、当該ゲームで使用される鍵盤23を表示する(ステップS101)。また、CPUコア10aは、所定の楽曲を再生して、当該楽曲をスピーカ16から出力する。
【0094】
なお、表示される鍵盤23の範囲(音域)は任意であり、例えば、1オクターブや3オクターブ等の音域が出力される鍵盤が表示される。
【0095】
次に、CPUコア10aは、再生される楽曲のリズム等に同調するように、第1の位置31に案内画像30を表示し、図4Bに示すように、当該案内画像30が白鍵23a内を沿って、第1の位置31から第2の位置32aへ移動するように表示する(ステップS102)。
【0096】
図7は、案内画像30の速度変化と鍵盤の表示との関係を示す図である。CPUコア10aは、同図に示すように、案内画像30を所定の速度(ここでは、+V)で移動させ、当該案内画像30を移動させることに伴って、第1の位置31と案内画像30とで挟まれる領域33を、所定の色彩を付して表示する。
【0097】
第1の位置31と案内画像30とで挟まれる領域33が、所定の色彩を付して表示されると、第1の位置31と案内画像30とで挟まれる領域33と、案内画像30と第2の位置32aとで挟まれる領域34と、が、明確に区別される。これにより、案内画像30の位置が容易に視認されるため、操作を行うべきタイミングをユーザに対してわかりやすく提示することができる。
【0098】
次に、CPUコア10aは、タッチ操作を検出する(ステップS103)。そして、CPUコア10aは、タッチ操作が検出されている間、当該タッチ操作に対応する音声を出力する。例えば、図4Cに示すように、「ファ」に相当する白鍵23aへのタッチが検出されると、「ファ」の音が出力される。タッチ操作が継続されている間、タッチが行われている鍵に対応する音声が出力され、タッチ操作が解除されると、音声の出力が停止される。
【0099】
次に、CPUコア10aは、移動表示している案内画像30が、第2の位置32aに到達したか否かを判定する(ステップS104)。案内画像30が第2の位置32aに到達したタイミング、すなわち、白鍵23aの全体の色彩が変化したタイミングが、ユーザが操作を行うべきタイミングである。図4Cに示すように、ユーザは、色彩が変化した白鍵23aをタッチ開始することが要求される。
【0100】
案内画像30が第2の位置32aに到達していない場合(ステップS104;No)、CPUコア10aは、案内画像30を移動させる表示を継続する(ステップS102)。
【0101】
一方、案内画像30が第2の位置32aに到達した場合(ステップS104;Yes)、CPUコア10aは、所定の時間、案内画像30を第2の位置32aに留めて表示する(ステップS105)。CPUコア10aは、図7に示すように、案内画像30の移動速度Vを、V=0として案内画像30の移動を停止させて、当該案内画像30を第2の位置32aに留めて表示する。
【0102】
次に、CPUコア10aは、案内画像30が第2の位置32aに到達したタイミングにおいて、タッチ操作が行われたか否かを判定する(ステップS106)。CPUコア10aは、案内画像30を伴う白鍵23aが表示されるタッチスクリーン上の領域が、タッチされている状態であるか否かを検知することにより、判定を行う。
【0103】
案内画像30が第2の位置32aに到達したタイミングに、タッチ操作が行われた場合(ステップS106;Yes)、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作が成功したと判定し、成功を示す旨の表示(例えば、「Good」、「OK」、「○(まる)」等)を出力する(ステップS107)。タッチ操作が行われると、タッチされた鍵に対応する音声が、スピーカ16から出力される。
【0104】
なお、案内画像30が第2の位置32aに到達したタイミングに、タッチ操作が行われた場合であっても、当該案内画像30が表示されていない鍵盤23がタッチされた場合、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作は失敗したと判定する。例えば、図4Cに示すように、鍵盤23の「ファ」の音域に相当する白鍵23a以外の鍵盤23(例えば、「ミ」や「ソ」の音域に相当する白鍵23a)がタッチされている場合、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作が失敗したと判定する。
【0105】
一方、案内画像30が第2の位置32aに到達したタイミングに、タッチ操作が行われていない場合(ステップS106;No)、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作が失敗したと判定し、失敗を示す旨の表示(例えば、「Bad」、「NG」、「×(ばつ)」等)を出力する(ステップS108)。
【0106】
なお、成功及び失敗を示す旨の表示内容は任意であり、出力される表示の位置及びサイズ等も任意である。また、音声や振動によって、成功及び失敗を示す旨を出力することもできる。
【0107】
次に、CPUコア10aは、案内画像30を第2の位置32aから第1の位置31へ移動させるか否かを判定する(ステップS109)。例えば、CPUコア10aは、案内画像30が第2の位置32aに到達してから、所定の時間が経過したか否かに基づいて、判定を行う。
【0108】
案内画像30が第2の位置32aに停止する停止時間T1(s)、音声を出力すべき時間T2(s)、白鍵23aの長さL(cm)、案内画像30の移動速度V(cm/s)、とすると、時間T1は、以下の式(1)から求められる。
T1=T2−(L/V) (1)
【0109】
CPUコア10aは、楽曲の速度、及び、音符の種類等から時間T2を求め、さらに、式(1)に基づいて、時間T1を算出する。そして、CPUコア10aは、案内画像30が第2の位置32aに到達した後、時間T1が経過するまで、案内画像30が第2の位置32aに留まるように表示する。
【0110】
図8A及び8Bは、案内画像30の停止時間と音符の種類との関係を示す図である。例えば、音符の種類が全音符の場合、全音符の長さの音が出力される時間T2が定められている。図8Aに示すように、時間T2は、タッチ開始からタッチ解除までの時間である。時間T2が全音符の長さの音となるように、式(1)に基づいて、時間T1が算出される。そして、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点、すわなち、V=0となった時点から時間T1が経過するまで、案内画像30は、第2の位置32aに留まる。これにより、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点、すなわち、タッチ開始の時点から、当該案内画像30が第1の位置31に到達した時点、すなわち、タッチ解除の時点までの時間が決定されて、全音符の長さの音が出力されるようになる。
【0111】
また、例えば、音符の種類が8分音符の場合、8分音符の長さの音が出力される時間T2が定められている。図8Bに示すように、時間T2は、タッチ開始からタッチ解除までの時間であり、当該時間T2が8分音符の長さの音となるように、式(1)に基づいて、時間T1が算出される。本図の場合では、T1=0であり、案内画像30が第2の位置32aに到達すると、当該第2の位置32aに留まることなく、第1の位置31へ向けて移動する。
【0112】
なお、時間T2は、楽曲の速度に基づいて変化するため、音符の種類が8分音符の場合に、T1=0となるわけではない。時間T1は、楽曲の速度、案内画像30の移動速度、音符の種類等に基づいて、任意に変化し得る。
【0113】
案内画像30を第1の位置31へ移動させない場合、すなわち、案内画像30を第2の位置32aに留める場合(ステップS109;No)、CPUコア10aは、図4Cに示すように、案内画像30を第2の位置32aに表示し続けて(ステップS105)、その後、案内画像30を移動させるか否かを再び判定する(ステップS109)。
【0114】
なお、ステップ109においてNoと判定され、ステップS105〜S108が繰り返される場合、CPUコア10aは、ステップS107、S108の処理を省略することもできる。
【0115】
一方、案内画像30を第1の位置31へ移動させる場合(ステップS109;Yes)、CPUコア10aは、図4Dに示すように、案内画像30が白鍵23a内を沿って、第2の位置32aから第1の位置31へ移動するように表示する(ステップS110)。CPUコア10aは、図7に示すように、案内画像30を−Vの移動速度で移動させる。当該案内画像30の移動に伴い、第1の位置31と案内画像30とで挟まれる領域33を減少する。
【0116】
次に、CPUコア10aは、移動表示している案内画像30が、第1の位置31に到達したか否かを判定する(ステップS111)。案内画像30が第1の位置31に到達したタイミング、すなわち、白鍵23aの全体の色彩が当初の色彩に戻ったタイミングが、タッチを解除すべきタイミングである。
【0117】
タッチ開始のタイミングでは、案内画像30は第2の位置32aに表示される。一方、タッチ解除のタイミングでは、案内画像30は、第2の位置32aから所定の距離だけ離れた第1の位置31に表示される。これは、タッチ開始のタイミングにおいては、まだタッチがなされていないため、第2の表示部20に表示される案内画像30が、タッチペン22やユーザの指によって遮られることはない。しかし、タッチがなされて、タッチが継続されている間は、タッチペン22等により、案内画像30の表示が遮られることが考えられる。そこで、タッチ開始のタイミングを示す第2の位置32aから、所定の距離だけ離れた第1の位置31を、タッチ解除のタイミングとして用いることにより、タッチペン22等により、案内画像30の表示が遮られることなく、ユーザに対して操作を行うべきタイミングを提示することができる。
【0118】
また、所定の距離だけ離れた2つの位置の間を移動させる案内画像30の動画像を画面上に表示するだけで、タッチ開始とタッチ解除との2つのタイミングをユーザに提示することができる。このため、表示範囲が限られた画面であっても、ユーザに対して操作を行うべきタイミングを提示することができる。
【0119】
案内画像30が第1の位置31に到達していない場合(ステップS111;No)、CPUコア10aは、案内画像30を移動させる表示を継続する(ステップS110)。
【0120】
一方、案内画像30が第1の位置31に到達した場合(ステップS111;Yes)、CPUコア10aは、案内画像30が第1の位置31に到達したタイミングにおいて、タッチの解除が行われたか否かを判定する(ステップS112)。CPUコア10aは、案内画像30を伴う白鍵23aが表示されるタッチスクリーン上の領域が、タッチされていない状態であるか否かを検知することにより、判定を行う。
【0121】
案内画像30が第1の位置31に到達したタイミングにおいて、タッチ操作の解除が行われた場合(ステップS112;Yes)、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作の解除が成功したと判定し、成功を示す旨の表示を出力する(ステップS113)。タッチ操作の解除が行われると、タッチされた鍵に対応する音声の出力が停止される。
【0122】
一方、案内画像30が第1の位置31に到達したタイミングにおいて、タッチ操作の解除が行われていない場合(ステップS112;No)、CPUコア10aは、ユーザによるタッチ操作の解除が失敗したと判定し、失敗を示す旨の表示を出力する(ステップS114)。タッチ操作が継続されている間、タッチが行われている鍵に対応する音声が出力される。
【0123】
そして、CPUコア10aは、ステップS101の処理に戻り、ステップS101〜S114の処理を繰り返す。
【0124】
以上の処理により、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示することができる。
【0125】
(実施形態2)
実施形態1では、案内画像30を、図3Bに示すように、帯状画像30aの下辺部に相当する線状に形成された画像として説明した。本実施形態では、案内画像30を、第1の位置31から第2の位置32aまでの長さを有する帯状画像として説明する。なお、上述の実施形態と共通する構成については同じ参照番号を用い説明を省略する。
【0126】
図9A〜9Dは、実施形態2に係る案内画像30の移動を説明するための図である。図9Aに示すように、案内画像30は、第1の位置31から現れて、時間の経過とともに、位置を徐々に変化させながら第2の位置32aに向けて移動する。案内画像30と白鍵23aとが重なり合っている領域35では、案内画像30は、白鍵23aより前面側となるように画面上に表示される。一方、案内画像30と白鍵23aとが重なり合ってない領域36では、案内画像30は画面上に表示されない。案内画像30が第1の位置31から第2の位置32aへと移動していくと、領域35は徐々に増大し、領域36は徐々に減少していく。
【0127】
次に、図9Bに示すように、案内画像30が第2の位置32aに到達した時点、すなわち、案内画像30と白鍵23aとが完全に重なり合って表示される時点が、ユーザがタッチ操作を行うべきタイミングである。
【0128】
次に、案内画像30が第2の位置32aに到達した後、図9Cに示すように、案内画像30は、位置を徐々に変化させながら移動する。案内画像30が第2の位置32aから第1の位置31へと移動していくと、領域35は徐々に減少し、領域36は徐々に増加していく。
【0129】
そして、図9Dに示すように、案内画像30と白鍵23aとが重なり合っている領域35が消滅する時点が、ユーザがタッチ操作の解除を行うべきタイミングである。ユーザは、案内画像30と白鍵23aとが完全に重なり合って表示される時点からタッチを開始し、案内画像30と白鍵23aとが重なり合っている領域35が表示されている間、タッチ操作を継続し、その後、当該領域35が消滅した時点にタッチ操作の解除を行うことにより、当該ユーザの操作が成功したと判定される。
【0130】
上述する案内画像30の移動処理が繰り返されることにより、ゲームが進行していく。
【0131】
案内画像30は、典型的には、白鍵23aの色彩と異なる色彩が付されて表示される。このため、案内画像30と白鍵23aとが重なり合っている領域35を示す画像の色彩と、白鍵23aの色彩とは、異なる色彩で表示されるため、ユーザは、案内画像30の位置を明確に把握することができる。また、案内画像30が移動した位置に応じて、タッチ操作をすべきタイミング、及び、タッチ操作を解除すべきタイミングが、ユーザに対して提示される。このため、ユーザは、案内画像30の位置を視認することにより、操作すべきタイミングを容易に把握することができる。
【0132】
また、第1の位置31と第2の位置32aとの間で表示される案内画像30は、時間の経過とともに、位置が徐々に変化するように表示される。案内画像30が表示される範囲は、第1の位置31と第2の位置32aとの間に限られているため、ユーザの視線の移動を少なくすることができる。
【0133】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示することができる。また、ユーザの視線の移動を少なくすることができる。
【0134】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0135】
案内画像30が、第1の位置31から第2の位置32aへ移動し、その後、第2の位置32aから第1の位置31へ移動する過程において、当該案内画像30の移動速度を途中で変化させることもできる。図10は、案内画像30の移動速度が途中で変化した例を示す図である。本図では、第1の位置31から第2の位置32aへ移動する場合、案内画像30は、+V1の移動速度で移動し、第2の位置32aから第1の位置31へ移動する場合、−V2の移動速度で移動している。同図に示される面積S1と面積S2とが等しければ、案内画像30が移動した距離は等しくなる。案内画像30が移動した距離が鍵盤の長さLと一致する場合、案内画像30は、第1の位置31と第2の位置32aとの間を移動したこととなる。すなわち、S1=S2=L、が満たされれば、任意の移動速度で案内画像30を移動させることもできる。
【0136】
本発明は、キーが押下され続けている間、音声が減衰することなく出力される楽器に適応されるのが典型的であるが、弦楽器(例えば、ギター、バイオリン)、金管楽器(例えば、トランペット、サキソフォン)、打楽器(例えば、太鼓、タンバリン)等、任意の楽器に適応され得る。
【0137】
本発明は、タッチを開始するタイミング、及び、タッチを解除するタイミングの2つのタイミングをユーザに提示する任意の手法に適応され得る。例えば、台の上に登ったり、台の上から降りたりするいわゆる踏み台昇降においては、台の上に足を乗せるタイミングをタッチ開始のタイミングに、台の上から足を下ろすタイミングをタッチ解除のタイミングに、それぞれ対応させることもできる。この場合、台の上に足を乗せ続ける間が、タッチを継続する間に相当する。
また、旗を上げる又は下げる指示に基づいて、旗の上げ下げを行ういわゆる旗あげゲームにおいては、旗を上げるタイミングをタッチ開始のタイミングに、旗を下げるタイミングをタッチ解除のタイミングに、それぞれ相当させることもできる。この場合、旗を上げ続ける間が、タッチを継続する間に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0138】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが操作を行うべきタイミングを提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 マイク
18 操作キー
18a 方向キー
18b ボタン
19 第1の表示部
20 第2の表示部
21 タッチパネル
22 タッチペン
23 鍵盤
23a 白鍵
23b 黒鍵
30 案内画像
30a 帯状画像
31 第1の位置
32a、32b 第2の位置
33 第1の位置と案内画像とに挟まれる領域
34 第2の位置と案内画像とに挟まれる領域
35 案内画像と白鍵とが重なり合っている領域
36 案内画像と白鍵とが重なり合っていない領域
300 ゲーム装置
301 表示部
302 検知部
303 判定部
304 出力部
305 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する表示部と、
ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する検知部と、
前記検知された操作体の状態が、
(a)前記案内画像が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する間、前記第1の状態であり、
(b)前記案内画像が前記第2の位置から前記第1の位置へ移動する間、前記第2の状態であり、
(c)前記案内画像が前記第1の位置に到達したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行する、
場合、当該ユーザの操作が成功したと判定する判定部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記検知された操作体の状態が、前記第2の状態である間、所定の音声を出力する出力部と、をさらに備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記画面並びに前記操作体は、タッチスクリーンであり、
前記タッチスクリーンにおいて、
(a)前記案内画像が移動する範囲を前記ユーザがタッチしている状態は、前記第2の状態であり、
(b)前記案内画像が移動する範囲以外を前記ユーザがタッチしている状態、及び、前記タッチスクリーンを前記ユーザがタッチしていない状態は、前記第1の状態である、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記動画像において、前記第1の位置と前記案内画像とに挟まれる領域の色彩と、前記第2の位置と前記案内画像とに挟まれる領域の色彩と、は異なる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、複数の前記案内画像が移動する動画像を画面に表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
表示部と、検知部と、判定部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、
前記表示部が、第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する表示工程と、
前記検知部が、ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する検知工程と、
前記検知された操作体の状態が、
(a)前記案内画像が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する間、前記第1の状態であり、
(b)前記案内画像が前記第2の位置から前記第1の位置へ移動する間、前記第2の状態であり、
(c)前記案内画像が前記第1の位置に到達したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行する、
場合、前記判定部が、当該ユーザの操作が成功したと判定する判定工程と、を備える、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
第1の位置から第2の位置へ所定の速度で案内画像が移動し、その後、当該第2の位置から当該第1の位置へ当該所定の速度で当該案内画像が移動する動画像を画面に表示する表示部と、
ユーザの操作により第1の状態と第2の状態とのいずれかの状態となる操作体の状態を検知する検知部と、
前記検知された操作体の状態が、
(a)前記案内画像が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する間、前記第1の状態であり、
(b)前記案内画像が前記第2の位置から前記第1の位置へ移動する間、前記第2の状態であり、
(c)前記案内画像が前記第1の位置に到達したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行する、
場合、当該ユーザの操作が成功したと判定する判定部と、して機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−172729(P2011−172729A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38799(P2010−38799)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】