説明

コネクタ装置及び画像形成装置

【課題】 定着装置と画像形成装置本体とを接続する圧縮コイルバネの外れや変形を抑制することができ、定着装置の着脱を繰り返しても安定した接続を確保することができる。
【解決手段】 定着装置50の凹状部52に、導電性の圧縮コイルバネ36を保持したバネ支持部材30が取り付けられている。圧縮コイルバネ36は、コイル部36B、36Cの中央部に凸状部36Aが形成されている。バネ支持部材30のベース板32に突出部34が立設されており、凸状部36Aで突出部34を挟み込むことで圧縮コイルバネ36が保持される。コイル部36Bは圧縮されて凹状部52の板バネ40に当接している。定着装置50を画像形成装置本体200の収容部262に装着すると、コイル部36Cが板バネ264に当接して圧縮され、板バネ40と板バネ264が圧縮コイルバネ36により電気的に接続される。凸状部36Aで突出部34を挟み込むことで、圧縮コイルバネ36の変形や外れが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して着脱可能に配置されたユニットと装置本体とを接続して給電を行うコネクタ装置、及びこのコネクタ装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の画像形成装置では、感光体などの像担持体を帯電し、レーザー光を照射して像担持体表面に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置で可視化して粉体トナーからなるトナー像を形成する。そして、トナー像を用紙などの記録媒体に転写した後、記録媒体上のトナー像を定着装置によって定着することによって画像を形成する。
【0003】
上記定着装置は、回転体の内部にヒーターを内蔵した加熱ローラと、この加熱ローラに記録媒体を圧接させる加圧ローラとを備えている。そして、加熱ローラと加圧ローラとの間にトナー像を形成した記録媒体を通過させ、トナー像を加熱及び加圧により溶融して記録媒体上に定着させる。この定着装置は、画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットとして構成されており、寿命等で交換する場合や、搬送される記録媒体のジャム処理を行う際に、画像形成装置本体から取り外せるようになっている。そして、ユニットを画像形成装置本体の開口部に装着したときに、ユニットと画像形成装置本体とを接続して一方から他方へ電力を供給する給電手段が設けられている。
【0004】
この給電手段としては、例えば、着脱可能なユニットに板バネを設けており、ユニットを画像形成装置本体に装着したときに板バネを圧縮させて画像形成装置本体の給電プレートに接触させて電気的接点を確保している。
【0005】
このような給電手段では、着脱可能なユニットと画像形成装置本体とを接続するために、スクリュー等による固定式の接続構造が作れず、板バネと給電プレートとの間の精度が必要となる。また、板バネの圧接力では給電プレートとの安定した接続が得られにくく、また、ユニットの着脱の繰り返しにより、板バネが変形し易いという不具合がある。
【0006】
この対策として、例えば、ユニットの端子にコイルバネを取り付け、コイルバネの伸縮方向にユニットを移動させて装置本体の給電プレートに接触させるようにした給電装置が提案されている。しかし、この給電装置では、コイルバネの長さが必要なため、ユニットの着脱によりコイルバネの変形や外れ等の原因となる。
【0007】
一方、他の給電装置として、装置本体のコネクタ部に凹状部を設け、この凹状部内にコイルバネを配設し、ユニットの凸状端子を凹状部内に差し込んで、コイルバネを圧縮させて接続する構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この給電装置では、凹状部からコイルバネが突出しないため、ユニットの着脱時のコイルバネの変形はある程度抑えられる。しかし、ユニットの凸状端子と装置本体の凹状部の形状や、ユニットの差込み方向が限定され、ユニットの装着時の位置精度が要求されると共に、ユニットの着脱構造が制限されるという問題がある。
【特許文献1】実開昭63−182063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、装置本体に着脱されるユニットと装置本体とを接続する際に、バネ部材の変形や外れを抑制し、ユニットの着脱を繰り返しても安定した接続が得られるコネクタ装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係るコネクタ装置は、装置本体にユニットが着脱可能に配置され、前記ユニットの装着時に前記ユニットと前記装置本体との間を電気的に接続して給電を行うコネクタ装置であって、前記ユニットの装着時に前記ユニット側の接続対象物と前記装置本体側の接続対象物とに当接可能な導電性の圧縮コイルバネを備え、前記圧縮コイルバネの中間部分を支持する支持部材を前記ユニットに設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、導電性の圧縮コイルバネの中間部分を支持する支持部材がユニットに設けられている。ユニットの装着時には、圧縮コイルバネがユニット側の接続対象物と装置本体側の接続対象物とに当接することで、ユニットと装置本体とが電気的に接続される。圧縮コイルバネの中間部分が支持部材に支持されているので、ユニットの着脱を繰り返しても、ユニット側の接続対象物と装置本体側の接続対象物との間で圧縮コイルバネの外れや変形を防止できる。このため、給電不良を抑制することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明に係るコネクタ装置は、請求項1に記載のコネクタ装置において、前記圧縮コイルバネの中央部に巻き間隔を広げて凸状部を形成し、前記凸状部で前記支持部材を挟み込んだことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、圧縮コイルバネの中央部に巻き間隔を広げて凸状部を形成し、この凸状部で支持部材を挟み込むことで、圧縮コイルバネを支持部材にしっかりと保持できる。このため、ユニットの着脱を繰り返しても、圧縮コイルバネの外れや変形を防止でき、給電不良を抑制することが可能となる。また、圧縮コイルバネの凸状部で支持部材を挟み込むことで、狭い部分にコネクタ装置を取り付けることができ、省スペース化が可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明に係るコネクタ装置は、請求項2に記載のコネクタ装置において、前記支持部材は、前記ユニットに支持されるベース板と、前記ベース板から立設する立壁とを備え、前記立壁に前記凸状部を挟み込むことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、ユニットにベース板が支持されており、ベース板から立設する立壁に圧縮コイルバネの凸状部を挟み込んでいる。ユニットを装置本体に装着すると、圧縮コイルバネがベース板でガイドされると共に、立壁に挟み込んだ圧縮コイルバネが圧縮されて装置本体側の接続対象物に当接される。これにより、ユニット側の接続対象物と装置本体側の接続対象物との間で圧縮コイルバネの外れや変形を防止でき、給電不良を抑制することが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明に係るコネクタ装置は、請求項3に記載のコネクタ装置において、前記立壁の両面には、前記圧縮コイルバネへ挿入される円柱体が突設されていることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、立壁の両面に形成された円柱体に圧縮コイルバネが挿入されているので、ユニットの着脱を繰り返しても、圧縮コイルバネの外れや変形をより確実に防止できる。
【0017】
請求項5に記載の発明に係るコネクタ装置は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコネクタ装置において、前記支持部材の周りに、前記圧縮コイルバネの直進動作をガイドする壁部を設けることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、支持部材の周りに設けた壁部によって圧縮コイルバネの直進動作がガイドされるので、圧縮コイルバネの位置がずれたり、外れることをより確実に防止できる。
【0019】
請求項6に記載の発明に係る画像形成装置は、前記装置本体が画像形成装置本体で、前記ユニットが記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置であり、前記画像形成装置本体と前記定着装置との間に請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコネクタ装置を設けることを特徴としている。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、画像形成装置本体と定着装置との間に請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコネクタ装置が設けられているので、定着装置側の接続対象物と画像形成装置本体側の接続対象物との間で圧縮コイルバネの外れや変形を防止でき、給電不良を抑制することが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記支持部材が前記定着装置の筐体に対して取り外し可能であることを特徴としている。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、支持部材が定着装置の筐体に対して取り外し可能であるので、支持部材を定着装置の筐体に取り付けることで、容易に圧縮コイルバネを取り付けることができる。このため、圧縮コイルバネを定着装置の筐体に取り付けるために、狭い範囲に圧縮コイルバネを差し込んでいく必要がなくなり、組み立て性が改善される。また、圧縮コイルバネ及び支持部材の交換が容易であり、メンテナンス性が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユニットと装置本体とを電気的に接続する圧縮コイルバネの外れや変形を抑制することができ、ユニットの着脱を繰り返しても安定した接続を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係るコネクタ装置及び画像形成装置の最良の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1には、第1実施形態のコネクタ装置10を適用した画像形成装置11が示されている。
【0026】
この画像形成装置11には、画像形成装置本体200に対して着脱可能なユニットからなる定着装置50が配設されており、この定着装置50と画像形成装置本体200とを電気的に接続して給電を行うコネクタ装置10が設けられている。画像形成装置本体200には、支軸202Aを中心に回動する開閉カバー202が設けられており、この開閉カバー202を開放して画像形成装置本体200の中に定着装置50が装填されるようになっている。定着装置50が画像形成装置本体200に装填されると、これと同時にコネクタ装置10が連結され、画像形成装置本体200の電源部250から定着装置50へ給電が可能となるとともに、定着装置50の装填完了が検知される。このコネクタ装置10については後述する。画像形成装置本体200に定着装置50が装填された後は、開閉カバー202を閉じることで画像形成装置11が作動可能な状態になる。
【0027】
また、画像形成装置本体200には、画像形成部を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ204が設けられている。このプロセスカートリッジ204の内部には、一定方向に回転する感光体ドラム216が設けられている。この感光体ドラム216の周囲には、回転方向上流側から、感光体ドラム216を帯電する帯電ローラ218と、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する現像ローラ220と、感光体ドラム上の現像されたトナー像を用紙に転写する転写ローラ222とが配設されている。さらに、感光体ドラム216の回転方向における転写ローラ222の下流側には、転写後の感光体ドラム表面を清掃するクリーニング部材224が設けられている。また、画像形成装置本体200には、帯電ローラ218と現像ローラ220との間で、感光体ドラム216に像光を照射する露光装置214が設けられている。
【0028】
画像形成装置本体200の下部には、用紙を収容する給紙カセット206,208が外部に引き出し可能に配設されており、この給紙カセット206,208の用紙の取り出し位置には、用紙を一枚ずつ取り出して搬送する給紙ローラ205がそれぞれ設けられている。さらに、給紙ローラ205から供給される用紙を感光体ドラム216と転写ローラ222との対向位置に搬送する搬送ローラ210,211と、搬送ローラ212,213が設けられている。用紙の搬送方向における転写ローラ222の下流側には定着装置50が装填されており、さらに定着装置50の下流側には、定着後の用紙を排出する排紙トレイ230が設けられている。定着装置50は加熱ローラ14と加圧ローラ16との間で用紙上のトナー像を定着させるものである。
【0029】
このような画像形成装置11では、感光体ドラム216が帯電ローラ218により帯電され、露光装置214から像光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ220によって現像され、感光体ドラム216上にトナー像が形成される。
【0030】
一方、給紙カセット206又は給紙カセット208から給紙ローラ205により用紙が供給され、搬送ローラ210,211と搬送ローラ212,213によって感光体ドラム216と転写ローラ222との対向位置に搬送される。そして、感光体ドラム216上のトナー像が転写ローラ222によって用紙上に転写され、さらに定着装置50の加熱ローラ14と加圧ローラ16との間で加熱加圧されることによってトナー像が溶融して用紙上に画像が定着される。その後、画像が形成された用紙は排紙トレイ230に排出される。
【0031】
次に、コネクタ装置10が設けられた定着装置50について説明する。
【0032】
図1及び図2に示すように、定着装置50は、略直方体形状とされた筐体12を有しており、筐体12には、加熱ローラ14及び加圧ローラ16が回転可能に軸支されている。そして、加熱ローラ14と加圧ローラ16は、互いの周面が対向して、所定の圧力で圧接(ニップ)された状態となるように構成されている。すなわち、加圧ローラ16が荷重スプリング18により、加熱ローラ14側へ付勢されている。
【0033】
また、定着装置50には、加熱ローラ14と加圧ローラ16とで構成される用紙の搬入口と搬出口が幅方向に沿って設けられており、搬送路232を通って案内された用紙は、搬入口から搬入され、加熱ローラ14と加圧ローラ16とで構成されるニップ部を通過して、搬出口から搬出される。
【0034】
加熱ローラ14は、表層に低摩擦係数の離型層(例えばPFAチューブ)を設けた中空の芯金(例えば鉄又はアルミニウム素管)からなり、内部にはヒーター(図示省略)が配置されている。加圧ローラ16は、ステンレス又は鉄製の芯金に、耐熱弾性体層(例えばシリコーンスポンジ、アスカー硬度:40度)が設けられており、表層には低摩擦係数の離型層(PFAチューブなど)が設けられている。
【0035】
また、定着装置50の背面部には、従動ギア20が設けられており、画像形成装置本体200の駆動ギア(図示省略)と噛合することにより、加熱ローラ14が回転する。これにより、用紙はニップされた状態で搬送され、用紙にトナー像が定着されるようになっている。
【0036】
定着装置50の背面部には、定着装置50と画像形成装置本体200とを電気的に接続して給電を行うためのコネクタ装置10が配設されている(図1参照)。定着装置50は、コネクタ装置10を介して定着装置50を画像形成装置本体200の電源部250に接続されており(図1参照)、加熱ローラ14のヒーター(図示省略)が所定の温度に上昇して、搬送される用紙上のトナー像を溶融させる構成となっている。また、加熱ローラ14と対向する筐体12の背面部には、加熱ローラ14の異常温度上昇を防止するサーモスタット24が設けられており、コネクタ装置10から加熱ローラ14内に配置されたヒーター(図示省略)へサーモスタット24を介して通電するための配線26が接続されている。
【0037】
図3に示すように、コネクタ装置10は、筐体12に対して取り付け、及び取り外し可能なバネ支持部材30を備えている。図4に示すように、バネ支持部材30には、導電性の圧縮コイルバネ36の軸方向と平行にベース板32が設けられており、ベース板32のほぼ中央部にこのベース板32と直角方向に突出部34が立設されている。圧縮コイルバネ36は、中央部の巻き間隔を広げて凸状部36Aを形成しており、凸状部36Aの左右でコイル部36B、36Cが分かれている。突出部34の先端の中央部より縁部側には、凸状部36Aを係止可能な溝部34Aが形成されている。そして、突出部34を圧縮コイルバネ36の凸状部36Aで挟み込んで、溝部34Aに凸状部36Aを挿通して係止させる。これにより、圧縮コイルバネ36がバネ支持部材30の突出部34にしっかりと保持される。
【0038】
図3に示すように、筐体12には、バネ支持部材30が取り付け可能な凹状部52が形成されている。図4(A)に示すように、バネ支持部材30には、ベース板32とほぼ平行にスナップフィット38が設けられており、このスナップフィット38の係止部38Aが凹状部52に形成された突起部53に係止されることで、バネ支持部材30が凹状部52に取り付けられている。スナップフィット38は樹脂製で、その弾性変形を利用して突起部53に係止させる。また、係止部38Aを弾性変形させて突起部53から外すことで、バネ支持部材30を凹状部52から取り外すことができる。これにより、バネ支持部材30と圧縮コイルバネ36の交換が可能であり、メンテナンス性が向上する。
【0039】
図5(A)に示すように、凹状部52には、定着装置50の接続対象物である金属製の板バネ40が設けられており、板バネ40には、図示しない配線が接続されている。スナップフィット38の係止部38Aを突起部53に係止させてバネ支持部材30を凹状部52に取り付けると(図4参照)、ベース板32が凹状部52に接触し、圧縮コイルバネ36のコイル部36Bが圧縮されて板バネ40と当接する。一方、圧縮コイルバネ36のコイル部36Cはフリーの状態であり、筐体12からコイル部36Cの先端が突出している(図3参照)。
【0040】
図6(A)に示すように、画像形成装置本体200には、定着装置50が装着される収容部260が設けられている。この収容部260内で、筐体12の背面側と対向する壁面262には、圧縮コイルバネ36のコイル部36Cと同位置に、画像形成装置本体200の接続対象物である金属製の板バネ264が設けられている。この板バネ264には、電源部250(図1参照)から給電するための配線(図示省略)が接続されている。
【0041】
次に、本実施形態のコネクタ装置10の作用について説明する。
【0042】
図6(A)、(B)に示すように、定着装置50を画像形成装置本体200の収容部260に装着する際には、収容部260に設けられた両側の案内部材261に沿って定着装置50が挿入される。定着装置50は、画像形成装置本体200の収容部260に装着された後、画像形成装置本体200の開閉カバー202を閉めることにより、その内面に設けられた略直方体形状の弾性押圧部材203に押圧され、壁面262側に少し摺動して固定される。
【0043】
定着装置50を画像形成装置本体200の収容部260に装着する際には、図5(A)、(B)に示すように、定着装置50の圧縮コイルバネ36は矢印A方向(軸方向)に挿入され、コイル部36Cが板バネ264に当接して圧縮される。つまり、圧縮コイルバネ36の凸状部36Aで突出部34を挟み込んだ状態でコイル部36Cが圧縮されて板バネ264に当接し、定着装置50の板バネ40と画像形成装置本体200の板バネ264とが圧縮コイルバネ36により電気的に接続される。これにより、画像形成装置本体200の電源部250からコネクタ装置10の圧縮コイルバネ36を介して定着装置50へ給電が行われる。
【0044】
このようなコネクタ装置10では、バネ支持部材30の突出部34を圧縮コイルバネ36の凸状部36Aで挟み込むことで、突出部34に圧縮コイルバネ36がしっかりと保持される。また、コイル部36Cは、ベース板32でガイドされている。このため、定着装置50を画像形成装置本体200の収容部260へ着脱することを繰り返し行っても、圧縮コイルバネ36の外れや変形を防止でき、給電不良を抑制することができる。また、バネ支持部材30の突出部34を圧縮コイルバネ36に凸状部36Aで挟み込み、バネ支持部材30を凹状部52に取り付けることで、狭い部分にコネクタ装置10を取り付けることができる。このため、コネクタ装置10の省スペース化が可能である。
【0045】
また、図7に示すように、突出部34の両面に、コイル部36Bとコイル部36Cの内側に挿入される円柱体44を設けても良い。この円柱体44でコイル部36Bとコイル部36Cがガイドされるので、圧縮コイルバネ36の外れや変形をより確実に防止でき、安定した給電が可能となる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態のコネクタ装置について説明する。
【0047】
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0048】
図8に示すように、このコネクタ装置60では、圧縮コイルバネ36の両側に壁部62A、62Bを有する角型U字状のベース部62が設けられている。このベース部62に突出部34が形成され、圧縮コイルバネ36が保持されている。壁部62A、62Bの上部には、圧縮コイルバネ36を覆う板状片64が設けられており、圧縮コイルバネ36のコイル部36B、36Cの先端より内側がベース部62と板状片64で取り囲まれている。
【0049】
このようなコネクタ装置60では、圧縮コイルバネ36の周りに壁部62A、62Aを備えたベース部62と板状片64を設けることで、圧縮コイルバネ36の直進動作がガイドされる。このため、定着装置50の着脱を繰り返しても、圧縮コイルバネ36の直進動作がベース部62の壁部62A、62A及び板状片64でガイドされ、圧縮コイルバネ36の位置がずれたり、外れることが防止される。このため、給電不良を抑制することができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、定着装置50と画像形成装置本体200とを電気的に接続するためにコネクタ装置10を設けたが、この構成に限定されるものではない。装置本体に着脱可能なユニットと装置本体とを接続する構成であれば、本発明のコネクタ装置を適用可能である。例えば、プロセスカートリッジと画像形成装置本体、現像ユニットと画像形成装置本体との接続部にも本発明のコネクタ装置を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタ装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタ装置を備えた定着装置を示す斜視図である。
【図3】コネクタ装置が装着された定着装置を示す部分斜視図である。
【図4】コネクタ装置を構成するバネ支持部材を示す斜視図及び断面図である。
【図5】定着装置を画像形成装置本体に装着する際に、コネクタ装置の圧縮コイルバネが画像形成装置本体に接続される過程を示す断面図である。
【図6】定着装置を画像形成装置本体に装着する過程を示す斜視図である。
【図7】コネクタ装置のバネ支持部材の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るコネクタ装置を示す断面図及び平面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 コネクタ装置
11 画像形成装置
12 筐体
14 加熱ローラ
16 加圧ローラ
30 バネ支持部材(支持部材)
32 ベース板
34A 溝部
34 突出部(立壁)
36 圧縮コイルバネ
36A 凸状部
36B コイル部
36C コイル部
38 スナップフィット
40 板バネ(接続対象物)
44 円柱体
50 定着装置
52 凹状部
60 コネクタ装置
62 ベース部
62 円柱体
62A 壁部
64 板状片(壁部)
200 画像形成装置本体
250 電源部
264 板バネ(接続対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体にユニットが着脱可能に配置され、前記ユニットの装着時に前記ユニットと前記装置本体との間を電気的に接続して給電を行うコネクタ装置であって、
前記ユニットの装着時に前記ユニット側の接続対象物と前記装置本体側の接続対象物とに当接可能な導電性の圧縮コイルバネを備え、前記圧縮コイルバネの中間部分を支持する支持部材を前記ユニットに設けたことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記圧縮コイルバネの中央部に巻き間隔を広げて凸状部を形成し、前記凸状部で前記支持部材を挟み込んだことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記ユニットに支持されるベース板と、前記ベース板から立設する立壁とを備え、
前記立壁に前記凸状部を挟み込むことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記立壁の両面には、前記圧縮コイルバネへ挿入される円柱体が突設されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記支持部材の周りに、前記圧縮コイルバネの直進動作をガイドする壁部を設けることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記装置本体が画像形成装置本体で、前記ユニットが記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置であり、前記画像形成装置本体と前記定着装置との間に請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコネクタ装置を設けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材が前記定着装置の筐体に対して取り外し可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−57759(P2007−57759A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242288(P2005−242288)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】