説明

コネクタ装置

【課題】コネクタ同士の嵌合・離脱を繰り返してもクリック感の低下を抑えることができるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】レセプタクルコネクタ3のレセプタクルコンタクト5に、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7とが嵌合したときにプラグコネクタ7のプラグコンタクト9の接触部92を受け容れるばね部52を設けた。プラグコンタクト9の接触部92に突起921を設けた。ばね部52に、両コネクタ3,7が嵌合するときに突起921に押圧される補助接触部521を設けた。両コネクタ3,7が嵌合したときに突起921を受け容れる凹部522を補助接触部521に隣接させてばね部52に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタ装置に関し、特にコネクタ同士を嵌合したときにクリック感を得ることができるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタ同士(ソケットとヘッダ)を嵌合したときにクリック感を得ることができるコネクタ装置が知られている(下記特許文献参照)。
【0003】
このコネクタ装置は一方のコネクタであるソケットとこのソケットに嵌合可能な他方のコネクタであるヘッダとを備えている。
【0004】
ソケットに保持されたコンタクトには係合段部が設けられ、ヘッダに保持されたコンタクトには前記係合段部に対応する係合突部が設けられている。
【0005】
ソケットとヘッダとを嵌合したとき、係合段部と係合突部とが係合するので、クリック感が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−203139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
係合段部を有するソケット側のコンタクトと係合突部を有するヘッダ側のコンタクトとはいずれも金属で形成されており、ソケットとヘッダとの嵌合・離脱を繰り返すと、係合段部と係合突部とが摩耗し、クリック感が悪く(弱く)なる。
【0008】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はコネクタ同士の嵌合・離脱を繰り返してもクリック感の低下を抑えることができるコネクタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため請求項1の発明は、第1接続対象物に実装される第1コネクタと、この第1コネクタに嵌合可能であり、第2接続対象物に実装される第2コネクタとで構成されるコネクタ装置において、前記第1コネクタが、第1コンタクトと、この第1コンタクトを保持する第1ハウジングとを備え、前記第2コネクタが、第2コンタクトと、この第2コンタクトを保持する第2ハウジングとを備え、前記第2コンタクトが、前記第2ハウジングに保持される第2保持部と、この第2保持部に連なる第2接触部とを有し、前記第1コンタクトが、前記第1ハウジングに保持される第1保持部と、この第1保持部に連なり、前記コネクタ同士を嵌合したときに前記第2接触部を受け容れる第1ばね部と、この第1ばね部に連なり、前記コネクタ同士を嵌合したときに前記第2接触部に接触する第1接触部とを有し、前記第2コネクタは、前記コネクタ同士の嵌合開始時に前記第1ばね部をその復帰力に抗して押圧し、前記第1ばね部を前記第1接続対象物側へ押し込む押圧部を有し、前記第1ばね部は、前記コネクタ同士の嵌合開始時に前記押圧部に押圧される被押圧部と、前記コネクタ同士の嵌合完了までに前記押圧部を受け容れて前記第1ばね部に対する前記押圧部の押圧状態を解除する押圧部受容部と、この押圧部受容部と前記第1接触部とを連結する連結部とを有し、前記押圧部により前記被押圧部が押圧された時、前記連結部の少なくとも一部が前記第1接続対象物に当接し、前記押圧部の前記押圧状態が解除された時には、前記第1ばね部が移動して前記第1接続対象物と前記連結部の少なくとも一部との前記当接が解除されることを特徴とする。
【0010】
上述のように第1コネクタの第1ばね部の押圧部受容部が第2コネクタの押圧部を受け容れて第1ばね部の被押圧部に対する押圧部の押圧状態を解除した時、連結部と第1接続対象物との当接が解除され、第1ばね部を第1接続対象物から遠ざけるので、第1ばね部が復帰動作するときにクリック感が生じる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載のコネクタ装置において、前記押圧部受容部の前記第1接続対象物に最も近い部分から前記第1接続対象物までの距離は、前記連結部の前記第1接続対象物に最も近い部分から前記第1接続対象物までの距離よりも大きいことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のコネクタ装置において、前記第1ばね部がほぼ円弧状であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記第2コンタクトが、前記コネクタ同士の嵌合完了時に前記被押圧部に接触する延長接触部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記第1ハウジングが、前記第1ばね部を収容し、前記第1ばね部に対する前記押圧部の前記押圧状態が解除されたとき、前記第1ばね部の復帰動作を許容して前記第1ばね部を前記第1接続対象物から遠ざける収容部を有し、前記収容部が、前記コネクタ同士の嵌合・離脱方向へ貫通していることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記押圧部が、前記第2接触部に一体に形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記押圧部が、前記第2ハウジングに一体に形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記押圧部が、前記第2ハウジングに設けられた金属部材であることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載のコネクタ装置において、前記押圧部が突起6であり、前記押圧部受容部が弓状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、コネクタ同士の嵌合・離脱を繰り返してもクリック感の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態のコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが分離している状態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタの斜視図である。
【図3】図3は図2に示すレセプタクルコネクタのレセプタクルコンタクトの斜視図である。
【図4】図4は図3に示すレセプタクルコンタクトの側面図である。
【図5】図5は図1に示すコネクタ装置のプラグコネクタを裏返した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は図1に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが分離している状態を示す断面図である。
【図7】図7は図1に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合した状態を示す断面図である。
【図8】図8は図7のA部の拡大図である。
【図9】図9は図1に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合している状態を示す斜視図である。
【図10】図10はこの発明の第2実施形態のコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが分離している状態を示す断面図である。
【図11】図11は図10に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合している状態を示す断面図である。
【図12】図12は図10に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタのレセプタクルコンタクトの斜視図である。
【図13】図13は図12に示すレセプタクルコンタクトの側面図である。
【図14】図14はこの発明の第3実施形態のコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが分離している状態を示す断面図である。
【図15】図15は図14に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合している状態を示す断面図である。
【図16】図16はこの発明の第4実施形態のコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが分離している状態を示す断面図である。
【図17】図17は図16に示すコネクタ装置のレセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、コネクタ装置1はレセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7とを備える。
【0023】
図1、図2に示すように、レセプタクルコネクタ3はレセプタクルハウジング4とレセプタクルコンタクト5とを有する。レセプタクルコネクタ3はプリント基板(第1接続対象物)21(図7参照)に実装される。
【0024】
レセプタクルハウジング4はほぼトレイ状であり、底板部41と壁部42a,42b,42c,42dと嵌合凸部44とを有する。レセプタクルハウジング4は例えば合成樹脂で一体成形されている。
【0025】
底板部41はほぼ矩形である。底板部41には複数の孔411が2列に等間隔に形成されている。孔411は矩形である。
【0026】
壁部42a,42b,42c,42dは底板部41の四辺に沿って一連に形成されている。互いに平行な壁部42a,42cには複数の溝421が等間隔に形成されている。プラグコネクタ7のレセプタクルコネクタ3に対する嵌合・離脱方向Dに沿って溝421は延び、孔411に通じている。
【0027】
嵌合凸部44はほぼ直方体状であり、底板部41の中央部に形成されている。嵌合凸部44の壁部42a,42cと対向する2つの面にはそれぞれ複数の溝441が等間隔に形成されている。溝441は孔411に通じている。
【0028】
嵌合凸部44は壁部42a,42b,42c,42dで囲まれており、嵌合凸部44と壁部42a,42b,42c,42dとの間にはプラグハウジング8が挿入される空間47が存在する。特許請求の範囲の請求項5の収容部はこの実施形態では空間47(特に嵌合凸部44と壁部42a,42cとの間の空間)と溝441と孔411とで構成される。この収容部はレセプタクルハウジング4に形成される空間部であり、ばね部52を収容し、ばね部52に対する後述のプラグコンタクト9の突起921の押圧状態が解除されたとき、ばね部52の復帰動作を許容してばね部52をプリント基板21(図7参照)から遠ざける空間部である。したがって、収容部の構成要素は空間47と溝441と孔411とに限定されない。
【0029】
図3、図4に示すように、レセプタクルコンタクト5は保持部(第1保持部)51とばね部(第1ばね部)52と接触部(第1接触部)53と連結部54と端子部55とを有する。レセプタクルコンタクト5は導電性及び弾性を有する金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。
【0030】
保持部51は圧入突起部511を有する。圧入突起部511はレセプタクルハウジング4の溝421に圧入される。これにより、保持部51はレセプタクルハウジング4に保持される。
【0031】
ばね部52はほぼ円弧状であり、連結部54を介して保持部51に連なっている。ばね部52は、補助接触部(被押圧部)521と、補助接触部521に嵌合・離脱方向Dで隣接配置された凹部(押圧部受容部)522と、連結部523とを有する。補助接触部521は嵌合開始時に後述するプラグコネクタ7のプラグコンタクト9の突起921に押圧される。凹部522は弓状であり、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7とが嵌合したとき、突起921を受け容れる。連結部523は凹部522と接触部53とを連結する。ばね部52の一部は、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7とが嵌合したとき、レセプタクルハウジング4の底板部41の孔411(図7参照)を通じてレセプタクルハウジング4の底面から突出し得る。
【0032】
接触部53はばね部52に連なっている。接触部53はレセプタクルハウジング4の嵌合凸部44の溝441に嵌合・離脱方向Dへ移動可能に収容されている。連結部54は保持部51とばね部52とを連結している。端子部55は保持部51に連なっている。端子部55はプリント基板21(図7参照)に半田付けされる。
【0033】
図1、図5に示すように、プラグコネクタ7はプラグハウジング8とプラグコンタクト9とを有する。プラグコネクタ7はプリント基板(第2接続対象物)22(図7参照)に実装される。
【0034】
プラグハウジング8はほぼトレイ状であり、底板部81と壁部82a,82b,82c,82dとを有する。プラグハウジング8は例えば合成樹脂で一体成形されている。
【0035】
底板部81はほぼ矩形である。壁部82a,82b,82c,82dは底板部81の四辺に沿って一連に形成されている。
【0036】
図5、図6、図7に示すように、プラグコンタクト9は保持部(第2保持部)91と接触部(第2接触部)92と端子部93とを有する。プラグコンタクト9は導電性及び弾性を有する金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。プラグコンタクト9の一部がいわゆるモールドイン成型法によってプラグハウジング8に埋め込まれている。
【0037】
保持部91はプラグハウジング8に保持されている。
【0038】
接触部92は保持部91に連なる。接触部92はほぼJ字形であり、壁部82a,82cの内面から外面に巻き付いている。接触部92は突起(押圧部)921と突起921に隣接する延長接触部922とを有する。突起921は突起状であり、壁部82a,82cの外面に位置している。延長接触部922は嵌合・離脱方向Dへ延び、プラグハウジング8の壁部82a,82cの外面に位置する。延長接触部922はレセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7との嵌合完了時、補助接触部521に接触する。
【0039】
端子部93は保持部91に連なっている。端子部93はプリント基板22(図7参照)に半田付けされる。
【0040】
レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ7との嵌合開始時、プラグコンタクト9の押圧部921がレセプタクルコンタクト5の補助接触部521に接触して補助接触部521を押圧する。
【0041】
補助接触部521が押圧部921に押圧されると、ばね部52が弾性変形して下方へ移動し、連結部523の少なくとも一部がプリント基板21に当たる。連結部523の少なくとも一部がプリント基板21に当接するとばね部52のバネが硬くなる。
【0042】
その後、プラグコンタクト9の押圧部921がレセプタクルコンタクト5の補助接触部521を乗り越えて凹部522に受容されると、押圧部921と補助接触部521との押圧状態が解除され、ばね部52はその復帰力によって上方へ移動する。このとき、プリント基板21に当接していたばね部52が上方へ移動して、連結部523とプリント基板21との当接が解除される。作業者は、押圧部921が補助接触部521を乗り越えたときにバネが硬くなっているためクリック感を感じるとともに、押圧部921と補助接触部521との押圧状態が解除されてばね部52が上方へ移動したときにもクリック感を感じる。
【0043】
この実施形態によれば、クリック感が押圧部921と補助接触部521との押圧状態が解除されたときに生じるだけでなく、両コネクタ3,7の嵌合完了時にばね部52がその復帰力によって上方へ移動したとき(プリント基板21に当接していたばね部52が上方へ移動して、連結部523とプリント基板21との当接が解除されたとき)にも生じるので、たとえ押圧部921と補助接触部521とが摩耗したとしても押圧部921が補助接触部521を押圧できる限りクリック感を感じることができる。したがって、両コネクタ3,7の嵌合・離脱の繰返しによるクリック感の低下は抑制される。
【0044】
図10、図11、図12、図13に基づいて第2実施形態のコネクタ装置201を説明する。
【0045】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、第1実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。
【0046】
第1実施形態では、図7に示すように、凹部522のプリント基板21に最も近い部分522aからプリント基板21までの距離と、連結部523のプリント基板21に最も近い部分523aからプリント基板21までの距離とは、ほぼ等しい。
【0047】
これに対し、第2実施形態では、図10、図11に示すように、凹部522のプリント基板21に最も近い部分522a´からプリント基板21までの距離は、連結部523のプリント基板21に最も近い部分523a´からプリント基板21までの距離よりも大きい。
【0048】
第1実施形態では、レセプタクルコンタクト5の部分522aから部分523aまでの直線部分がプリント基板21の実装面とほぼ平行であるのに対し、第2実施形態では、レセプタクルコンタクト205の部分522a´から部分523a´までの直線部分がプリント基板21の実装面に対して傾いている。
【0049】
第2実施形態によれば、プリント基板21との当接箇所(部分523a´の箇所で当接)が第1実施形態に比べて、より明確になるので、押圧部921と補助接触部521との押圧状態が解除されたときのクリック感がより明確になる。
【0050】
図14、図15に基づいて第3実施形態のコネクタ装置301を説明する。
【0051】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、第1実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。なお、第3実施形態のコネクタ装置301のレセプタクルコネクタ203は第2実施形態のコネクタ装置201のレセプタクルコネクタ203と同じである。
【0052】
第1実施形態では、プラグコンタクト9の接触部92は壁部82a,82cの内面から外面にまで延び、接触部92は突起921を有するが、第3実施形態では、プラグコンタクト309の接触部392はプラグハウジング308の壁部382a,382cの外面まで延びていない。接触部392は押圧部及び延長接触部を有していない。その代わりに、プラグハウジング308の壁部382a,382cの外面に押圧部として突起11aを有する金属部材11が固定されている。金属部材11の突起11aの機能は第1,2実施形態のプラグコンタクト9の突起921の機能と同じである。
【0053】
第3実施形態によれば、第1、2実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0054】
図16、図17に基づいて第4実施形態のコネクタ装置401を説明する。
【0055】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、第1実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。なお、第4実施形態のコネクタ装置401のレセプタクルコネクタ203は第2実施形態のコネクタ装置201のレセプタクルコネクタ203と同じである。
【0056】
第1実施形態では、プラグコンタクト9の接触部92は壁部82a,82cの内面から外面にまで延び、接触部92は突起921を有するが、第4実施形態では、第3実施形態と同様に、プラグコンタクト409の接触部492はプラグハウジング408の壁部482a,482cの外面まで延びていない。接触部492は押圧部及び延長接触部を有していない。その代わりに、プラグハウジング308の壁部382a,382cの外面に押圧部として突起482d,482eが形成されている。突起482d,482eの機能は第1、第3実施形態のプラグコンタクト9の突起921,11aの機能と同じである。
【0057】
第4実施形態によれば、第1、2実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0058】
なお、上述の実施形態では、ばね部52,252はほぼ円弧状に形成されているが、ばね部52,252は必ずしも円弧状に限られない。
【0059】
また、上述の実施形態では、押圧部が突起921,482d,482e,11aであるが、押圧部の形状は,例えば、半球状、楔状等でもよい。
【0060】
なお、上述の実施形態では、凹部522は弓状であるが、凹部522の形状は弓状に限られず、例えば、L字形、U字形等でもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、レセプタクルコネクタ3,203のレセプタクルハウジング4には孔411が形成され、結果的にばね部52,252を収容する収容部が、低背化を実現できるように、空間47と溝441と孔411とで構成される貫通孔になっているが、収容部が貫通孔である必要はない。例えばレセプタクルハウジングの底板部に孔が形成されていなくとも、即ち、ばね部52,252が押圧されたときに収容部の底部に連結部523の少なくとも一部が当接すれば良く、ばね部52,252に対する突起921,482d,482eの押圧状態が解除されたとき、ばね部52,252の復帰動作を許容してばね部52,252をプリント基板21から遠ざけることができる空間部がレセプタクルハウジングに収容部として存在すればよい。
【符号の説明】
【0062】
1,201,301,401 コネクタ装置
3,203 レセプタクルコネクタ(第1コネクタ)
4 レセプタクルハウジング(第1ハウジング)
47 空間
411 孔
441 溝
5 レセプタクルコンタクト(第1コンタクト)
51 保持部(第1保持部)
52,252 ばね部(第1ばね部)
521 補助接触部(被押圧部)
522 凹部(押圧部受容部)
523 連結部
53 接触部(第1接触部)
7,307,407 プラグコネクタ(第2コネクタ)
8,308,408 プラグハウジング(第2ハウジング)
9 プラグコンタクト(第2コンタクト)
91 保持部(第2保持部)
92 接触部(第2接触部)
921,482d,482e 突起(押圧部)
11 金属部材
11a 突起(押圧部)
D 嵌合・離脱方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続対象物に実装される第1コネクタと、この第1コネクタに嵌合可能であり、第2接続対象物に実装される第2コネクタとで構成されるコネクタ装置において、
前記第1コネクタが、第1コンタクトと、この第1コンタクトを保持する第1ハウジングとを備え、
前記第2コネクタが、第2コンタクトと、この第2コンタクトを保持する第2ハウジングとを備え、
前記第2コンタクトが、前記第2ハウジングに保持される第2保持部と、この第2保持部に連なる第2接触部とを有し、
前記第1コンタクトが、前記第1ハウジングに保持される第1保持部と、この第1保持部に連なり、前記コネクタ同士を嵌合したときに前記第2接触部を受け容れる第1ばね部と、この第1ばね部に連なり、前記コネクタ同士を嵌合したときに前記第2接触部に接触する第1接触部とを有し、
前記第2コネクタは、前記コネクタ同士の嵌合開始時に前記第1ばね部をその復帰力に抗して押圧し、前記第1ばね部を前記第1接続対象物側へ押し込む押圧部を有し、
前記第1ばね部は、前記コネクタ同士の嵌合開始時に前記押圧部に押圧される被押圧部と、前記コネクタ同士の嵌合完了までに前記押圧部を受け容れて前記第1ばね部に対する前記押圧部の押圧状態を解除する押圧部受容部と、この押圧部受容部と前記第1接触部とを連結する連結部とを有し、
前記押圧部により前記被押圧部が押圧された時、前記連結部の少なくとも一部が前記第1接続対象物に当接し、前記押圧部の前記押圧状態が解除された時には、前記第1ばね部が移動して前記第1接続対象物と前記連結部の少なくとも一部との前記当接が解除される
ことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記押圧部受容部の前記第1接続対象物に最も近い部分から前記第1接続対象物までの距離は、前記連結部の前記第1接続対象物に最も近い部分から前記第1接続対象物までの距離よりも大きい
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1ばね部がほぼ円弧状であることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第2コンタクトが、前記コネクタ同士の嵌合完了時に前記被押圧部に接触する延長接触部を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第1ハウジングが、前記第1ばね部を収容し、前記第1ばね部に対する前記押圧部の前記押圧状態が解除されたとき、前記第1ばね部の復帰動作を許容して前記第1ばね部を前記第1接続対象物から遠ざける収容部を有し、前記収容部が、前記コネクタ同士の嵌合・離脱方向へ貫通している
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記押圧部が、前記第2接触部に一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記押圧部が、前記第2ハウジングに一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記押圧部が、前記第2ハウジングに設けられた金属部材である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記押圧部が突起であり、前記押圧部受容部が弓状である
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−257602(P2010−257602A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103193(P2009−103193)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】