説明

コンクリート用化粧型枠

【課題】軽量で、転写性、リサイクル性等に優れ、コンクリート表面への凹凸模様の転写成形に複数回転用が可能な、コンクリート用化粧型枠を提供する。
【解決手段】コンクリート表面に凹凸模様を転写成形するための転写面4を備えた合成樹脂発泡体3の外周における、少なくとも上記転写面4が、水溶媒系樹脂エマルジョンからなる樹脂塗膜5によって被覆されている、コンクリート用化粧型枠1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋等の建築物の基礎コンクリート(土台)やコンクリート壁等を型成形する際に用いる化粧型枠に関するものであって、詳しくは、コンクリート表面に凹凸模様を転写成形するための転写面を備えた、合成樹脂発泡体製の、コンクリート用化粧型枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家屋等の建築物の基礎コンクリート(土台)やコンクリート壁等のコンクリート表面に、美観等を高めるため凹凸模様を形成する場合、例えば、図2に示すような化粧型枠(化粧マット)10を用い、それの凹凸模様転写面13をコンクリート表面へ転写させる方法が行われる。上記化粧型枠10は、通常、発泡スチロールや硬質のウレタン発泡体やウレタンエラストマー等で形成されており、その一方の面は、上記のように凹凸模様転写面13に形成され、他方の面は、平坦な背面14に形成されている。さらに、上記化粧型枠10表面の少なくとも凹凸模様転写面13には、気泡を殆ど有しないスキン層12が形成されており、これによって、上記凹凸模様転写面13は優れた表面平滑性を有している。
【0003】
このような化粧型枠10を用いた、コンクリート壁等の表面への凹凸模様転写成形は、具体的には、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、施工現場で、上記化粧型枠10の凹凸模様転写面13に離型剤を塗布する。つぎに、これを、図3に示すように、別途準備した型枠16と、正面対設状態で配置し、さらに、上記化粧型枠10と型枠16との間の、側方の開口と底部の開口とを、別途準備した板材17で塞ぐ(側方の板材は図示せず)。その後、セメントと水とを混練してなるコンクリート材料15を調製し、これを、上記化粧型枠10と型枠16との間の空隙に、その上部開口から流し込み、そのまま、上記コンクリート材料15を養成硬化させる。このようにして、コンクリート材料15を打設硬化させた後、図4に示すように、化粧型枠10等を取り外すことにより、上記化粧型枠10の凹凸模様が転写され、凹凸模様が形成されたコンクリート板18が得られるようになる。なお、基礎コンクリート(土台)の表面への凹凸模様の転写形成には、通常、上記のような底部の板材17は使用されないが、上記の方法に準じて転写形成が行われる。
【0004】
しかしながら、上記のように化粧型枠10の凹凸模様転写面13に離型剤を塗布した場合であっても、例えば、その離型剤が水溶性のものにあっては工事中の降雨等によって流出脱落して効果が低下し、油性のものにあっては火災の危険や型枠自体の材質によっては型枠表面を浸食する等の問題がある。また、上記離型剤は、水溶性、油性ともに型枠の脱型解体時にコンクリートに残存してコンクリート表面を汚すばかりでなく、剥離した型枠を転用する際に、その都度、離型剤を再塗布する必要がある等の問題もある。さらに、離型剤は、通常、スプレー等の手段にて塗布されるが、塗布時に液垂れを生じると、型枠の凹凸表面に均一に付着されず局部的に剥離効果が異なった化粧型枠となり、その剥離効果の不充分な個所では、コンクリート打設硬化後に化粧型枠10を剥離解体する際に、化粧型枠10が細かく破砕されて四方に飛散する等の問題もある。このことから、上記化粧型枠10は、通常、一回限りの使用で廃棄処分されている。
【0005】
上記のような問題を解決するため、近年、上記化粧型枠10の凹凸模様転写面13に、ポリウレタン樹脂の塗膜を形成し、これにより化粧型枠10自体の離型性を高め、離型剤の使用を省くという技術が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−267434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ポリウレタン樹脂塗膜を形成する際、従来使用のウレタン(三井東圧社製のリムスプレーF−1000等)の吹付けでは、充分に満足できるような剥離効果は得られず、しかも、その剥離効果が持続するのも、転写回数3回程度までが限界であったことから、改善の余地がある。また、上記のウレタンの吹付けにより形成される塗膜は、吹付け量を多くして塗膜の厚みを分厚くしないと、ピンホールが発生するおそれがあるため、2〜5mm程度の厚みに形成されるが、これにより、化粧型枠の重量が増加して取扱い性が悪くなったり、さらに化粧型枠の凹凸面の転写用の意匠が制約をうけたりする。そのため、上記塗膜が形成された化粧型枠は、持ち運び性や、正確な転写性が要求される家屋等の建築物の基礎コンクリート用の化粧型枠には不向きである。また、ウレタンの吹付けでは、吹付け時に注意しないと、ウレタンの硬化発熱により基材の発泡体を溶かしてしまう可能性もある。
【0007】
また、上記のように繰り返し転用できる化粧型枠の場合、その型枠の転写回数の限度に関して、表面外観だけでは限界を判断しづらく、限度を超えて転写をしてしまい、結果として、コンクリート表面の外観不良を起こしてしまうといった問題も生じる。なお、上記化粧型枠は、通常、その使用後、型枠の一端から他端に向かって、表面の塗膜を剥離させて、基材の発泡体をリサイクル(例えば所定寸法に切断して商品の運搬箱に利用する等)することが行われるが、ウレタンの硬化発熱により基材の発泡体との部分的な融着が生じていると、剥がすことができにくく、発泡体を壊してしまう事態を招く。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、軽量で、転写性、リサイクル性等に優れ、コンクリート表面への凹凸模様の転写成形に複数回転用が可能な、コンクリート用化粧型枠の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のコンクリート用化粧型枠は、コンクリート表面に凹凸模様を転写成形するための転写面を備えた、合成樹脂発泡体製の化粧型枠であって、上記合成樹脂発泡体外周の少なくとも上記転写面が、水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜によって被覆されているという構成をとる。
【0010】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、上記特許文献1に開示のポリウレタン樹脂塗膜が形成された化粧型枠では、ポリウレタン塗料がバルク状で粘度が高いため、塗膜厚みを減らすことが困難であることに鑑み、水溶媒系樹脂エマルジョン塗料を用いることを試みた。その結果、上記エマルジョン塗料によって合成樹脂発泡体からなる化粧型枠を被覆(少なくともコンクリート打設面となる上記転写面を被覆)すると、薄膜で離型性を発揮するうえ、補強効果も発揮することを見いだした。さらに、上記エマルジョン塗料は、溶剤系の材料でないため、基材である発泡体を溶かしてしまうこともない。これにより、発泡体を侵すことなく塗膜厚みを減らすことができ、軽量化を実現できると同時に、上記転写面の凹凸意匠を、細かく正確にコンクリート打設面に再現することができ、さらに従来よりも格段に転用回数を増やすことができるようになることを突き止め、本発明に到達した。なお、上記転写面の凹凸模様が大きい場合等、更なる離型性が求められる場合に、従来では水系の離型剤しか使用できなかったが、上記エマルジョン塗料の塗膜により、どの様なコンクリート用離型剤であっても(たとえガソリン系のものであっても)制約なく使用可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明のコンクリート用化粧型枠は、合成樹脂発泡体製の化粧型枠の転写面に、コンクリートとの剥離性が良好な水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜を形成しているため、従来のように水溶性や油性の離型剤を用いた場合にみられたコンクリート表面への汚損等の問題もなく、また、その塗膜の厚みも、薄くする(0.1〜0.4mm程度)ことが可能であるため、その型枠の凹凸意匠を忠実にコンクリート表面へ転写することが可能となる。また、上記のように、塗膜の厚みを薄くすることにより、化粧型枠の軽量化および低コスト化を図ることもできる。さらに、化粧型枠の転写面上の樹脂塗膜を発泡体から剥がす際、発泡体を壊すことなく容易に剥がせるため、発泡体をリサイクルに供することが可能である。そして、本発明のコンクリート用化粧型枠は、繰り返し転用し、その耐久使用に限界が来ると、型枠の水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜にブリスター現象が発生(水ぶくれ状態のブツブツの発生)するため、見た目に使用限界が解りやすく、誤った過度の使用をすることが無いといった作用効果も有する。
【0012】
特に、上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が、一液型水系アクリル−ウレタン系共重合樹脂エマルジョンや一液型水系アクリル系樹脂エマルジョンを用いて形成されていると、外観性等の点でより優れるようになる。
【0013】
また、合成樹脂発泡体製型枠の外周の全面にわたって上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が形成されていると、発泡体の発泡倍率が高い(40倍程)場合にみられる長期保存時の寸法変形が抑えられるようになる。
【0014】
さらに、本発明の化粧型枠を、建築物の基礎コンクリート(土台)の外表面の転写に用いる場合には、型枠が軽量であるため、現場作業性が良く、また、土台のように高さが低いものに対しても、凹凸模様の転写形成を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明のコンクリート用化粧型枠は、合成樹脂発泡体製の化粧型枠の転写面(コンクリート打設面)に、水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜を形成している。ここで、図1は、上記コンクリート用化粧型枠の一例であり、図において、1はコンクリート用化粧型枠であり、3は合成樹脂発泡体であり、4は転写面であり、5は樹脂塗膜(水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜)である。
【0017】
上記合成樹脂発泡体3の材料としては、例えば、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、エポキシフォーム等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。上記発泡体の発泡倍率は、特に限定はないが、家屋等の建築物の基礎コンクリート用の化粧型枠は大型であるため、持ち運びにおいて軽量化が求められることから、発泡倍率を8倍以上とすることが好ましい。より好ましくは、発泡倍率を12〜40倍とすることである。すなわち、このような発泡倍率とすることにより、強度と軽量化とのバランスに優れるようになる。そして、上記合成樹脂発泡体3には、その転写面4に、コンクリート表面に付形される凹凸意匠が形成されている。上記凹凸意匠は、発泡体を型成形する際に金型、木型等によって設けても、刃物や熱線カッター等の工具を用いた切削加工や接着等の手段により形成してもよい。特に、上記転写面4に、気泡を殆ど有しないスキン層が形成されていると、優れた表面平滑性が得られるため好ましい。
【0018】
上記樹脂塗膜5の形成材料は、水溶媒系の樹脂エマルジョンである。上記水溶媒系の樹脂エマルジョンは、具体的には、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、メラミン系、酢酸ビニル系、フェノール系、シリコーン系等の水溶媒系樹脂エマルジョンが用いられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、上記樹脂塗膜5が、一液型水系アクリル−ウレタン系共重合樹脂エマルジョン、一液型水系アクリル系樹脂エマルジョンを用いて形成されていると、外観性等の点でより優れるようになる。なお、一液型水系アクリル−ウレタン系共重合樹脂エマルジョンや、一液型水系アクリル系樹脂エマルジョンは、乾燥性に優れることから、短時間での成膜性の点でも有利である。また、上記樹脂塗膜5の形成材料の固形分は、30〜60%とすることが、短時間での成膜性の点において好ましい。
【0019】
そして、上記樹脂塗膜5は、その形成材料を調製したものを、合成樹脂発泡体3の転写面4に、ディッピング、吹きつけ、スプレー法等の各種方法によって塗工し、乾燥させることにより形成する。なお、図1においては、樹脂塗膜5は、転写面4の外周にのみ形成されているが、本発明では、これに限定されず、例えば、合成樹脂発泡体3外周の全周を被覆するように形成してもよい。このように、発泡体型枠の外周の全面にわたって上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が形成されていると、発泡体の発泡倍率が高い(40倍程)場合にみられる、長期保存時の寸法変形(泡形成ガスの揮散に起因する収縮変形)が抑えられるようになる。
【0020】
そして、上記樹脂塗膜5の厚みは、好ましくは0.1〜0.4mmの範囲である。すなわち、上記塗膜5の厚みが0.1mm未満であると、塗膜にピンホールが発生し易く、型枠を硬化したコンクリート表面より剥離解体する際に破壊されて剥離性が損なわれるおそれがあり、逆に、上記塗膜5の厚みが0.4mmを超えると、発泡体の凹凸を忠実に表現できないことや塗膜のコストが大きくなる等の問題が生じるおそれがあるからである。
【0021】
なお、本発明のコンクリート用化粧型枠1を用いてのコンクリート表面への凹凸模様転写成形は、従来の化粧型枠を、上記本発明の化粧型枠1に代えること以外は、従来と同様の手順で行われるものであり、図3〜4に示す方法に準じて行われる。なお、上記化粧型枠1の転写面は、その樹脂塗膜5により充分な離型性を有するが、上記転写面の凹凸模様が大きい場合等、更なる離型性が求められる場合には、必要に応じ、上記樹脂塗膜5の上から、従来公知の離型剤を塗布してもよい。上記離型剤は、水系の離型剤に限定されず、どの様なコンクリート用離型剤であっても(たとえガソリン系のものであっても)よい。
【0022】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【実施例1】
【0023】
所定の凹凸模様の転写面が形成された、発泡スチロール(発泡倍率12倍)製の化粧型枠を準備した。つぎに、その転写面上に、一液型水系アクリル−ウレタン系共重合樹脂エマルジョン(大都産業社製、ダイトサイザーDT−160、粘度:50mPa・s、固形分:43%)を、スプレー法により4回に分けて5分おきに塗布し、厚み0.15mmの樹脂塗膜を形成し、目的とする化粧型枠を作製した(図1参照)。
【実施例2】
【0024】
上記実施例1と同様の形状の発泡スチロール(発泡倍率40倍)製化粧型枠を準備し、その外周全面に、一液型水系アクリル樹脂エマルジョン(大都産業社製、ダイトサイザーDT−161B、粘度:200mPa・s、固形分:48%)を、ディッピングにより4回に分けて5分おきに塗布し、厚み0.15mmの樹脂塗膜を形成し、目的とする化粧型枠を作製した。
【実施例3】
【0025】
上記実施例1と同様の形状の発泡スチロール(発泡倍率12倍)製化粧型枠を準備し、その転写面上に、二液型水系エポキシ樹脂エマルジョン〔大都産業社製、主剤:ダイトサイザーDT−119W50(粘度:20mPa・s、固形分:50%),硬化剤:ダイトクラールD−4035〕を、スプレー法により4回に分けて5分おきに塗布し、厚み0.15mmの樹脂塗膜を形成し、目的とする化粧型枠を作製した(図1参照)。
【実施例4】
【0026】
上記実施例1と同様の形状の発泡スチロール(発泡倍率12倍)製化粧型枠を準備し、その転写面上に、二液型水系エポキシ樹脂エマルジョン〔大都産業社製、主剤:ダイトサイザーDT−119W50(粘度:20mPa・s、固形分:50%),硬化剤:ダイトクラールD−4036〕を、スプレー法により4回に分けて5分おきに塗布し、厚み0.15mmの樹脂塗膜を形成し、目的とする化粧型枠を作製した(図1参照)。
【0027】
〔比較例1〕
その転写面上に、樹脂塗膜を設けなかった。それ以外は、実施例1と同様にし、目的とする化粧型枠を作製した。
【0028】
〔比較例2〕
樹脂塗膜の材料として、二液反応硬化型ウレタン樹脂(三井東圧化学社製、リムスプレーF−1000)を用い、厚み1mmの塗膜形成を行った。それ以外は、実施例1と同様にし、目的とする化粧型枠を作製した。
【0029】
このようにして得られた化粧型枠を用い、下記の基準に従い、その特性評価を行った。また、その化粧型枠における樹脂塗膜の引張強度および伸び率も、JIS K6251に準じて測定した。そして、これらの結果を、後記の表1に示した。
【0030】
〔転写性〕
各化粧型枠の凹凸模様の転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料(セメントと水とを混練したもの。pH:12〜14)を打設し、ついで、コンクリート材料を養生,硬化させ、その後、上記化粧型枠等を取り外した(図2、図3参照)。そして、コンクリート板表面(凹凸模様面)の転写が、細かく正確に行われているかを、目視により観察した。
【0031】
〔転用性〕
上記転写後の化粧型枠の転写面を目視し、破損やへたりがみられず、転用(再使用)可能であるものを○と評価し、破損等により化粧型枠の転用が不可能であるものを×と評価した。
【0032】
〔リサイクル性〕
化粧型枠の転写面上の樹脂塗膜を発泡体から剥がした際、発泡体を壊すことなく容易に剥がせ、発泡体をリサイクルに供することが可能となったものを○、発泡体から剥がすのが困難であったものを×と評価した。
【0033】
〔限界転写回数〕
上記転写を複数回行い、その化粧型枠の転用回数の限界を測定した。すなわち、コンクリート板の表面(凹凸模様面)を目視し、発泡スチロールの飛散(化粧型枠の破片)が確認されたときの転用回数を示した。
【0034】
【表1】

【0035】
上記表の結果から、実施例の化粧型枠は、いずれも、転写性に優れ、転用性、リサイクル性が高く、限界転写回数も、比較例に比べると、はるかに多いことがわかる。なお、実施例2の化粧型枠は、発泡体の発泡倍率を高く(40倍)しており、通常であれば、経時による発泡体の収縮変形が生じやすいが、発泡体の外周の全面にわたって上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜を形成していることから、30日放置した後であっても、発泡体の収縮変形が全くみられなかった。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のコンクリート用化粧型枠の一実施例を示す説明図である。
【図2】従来のコンクリート用化粧型枠の一例を示す説明図である。
【図3】上記コンクリート用化粧型枠を用いての模様成形法を示す説明図である。
【図4】コンクリート板を離型しているところを示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 コンクリート用化粧型枠
3 合成樹脂発泡体
4 転写面
5 樹脂塗膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート表面に凹凸模様を転写成形するための転写面を備えた、合成樹脂発泡体製の化粧型枠であって、上記合成樹脂発泡体外周の少なくとも上記転写面が、水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜によって被覆されていることを特徴とするコンクリート用化粧型枠。
【請求項2】
上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、メラミン系、酢酸ビニル系、フェノール系およびシリコーン系からなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂の水溶媒系エマルジョンを用いて形成されている請求項1記載のコンクリート用化粧型枠。
【請求項3】
上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が、一液型水系アクリル−ウレタン系共重合樹脂エマルジョンまたは一液型水系アクリル系樹脂エマルジョンを用いて形成されている請求項2記載のコンクリート用化粧型枠。
【請求項4】
上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜の厚みが、0.1〜0.4mmの範囲に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンクリート用化粧型枠。
【請求項5】
合成樹脂発泡体製型枠の外周の全面にわたって上記水溶媒系樹脂エマルジョン塗膜が形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンクリート用化粧型枠。
【請求項6】
建築物の基礎コンクリートに用いられる請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンクリート化粧型枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−156916(P2008−156916A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347404(P2006−347404)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【出願人】(504241297)株式会社ビュープランニング (8)
【Fターム(参考)】