説明

コンテナの内容物を検証するための多段システム

多段式工程は、船積みコンテナ内の放射線、爆発物および特殊な物質を検出し、特定する。工程は、分散ネットワーク上のノードとして構成された放射線センサを利用する。工程は、ノードから放射線データを収集する。放射線データは、コンテナおよびその内容物に関連する。収集された放射線データは、水面、陸上、空気、地面および他の構造物などに関連して動的に変化するバックグラウンド放射線データに従って動的に調整される。工程は、存在する1つまたは複数の同位元素を特定するために、収集され調整されたデータを同位元素を表すスペトクトル画像と比較する。特定された同位元素は、それらが表す可能性のある物質と一致する。コンテナ内に含まれる物質の特定を立証するため、またはコンテナ内の認可されない物質を検出および/または特定するために、可能性のある物質は、コンテナの積み荷目録と比較される。隠蔽されている物質、爆発物および他のタイプの物質を特定するのに、中性子パルス装置を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に船積みコンテナの内容物の検出システムに関し、より詳細には、放射線および/または中性子放出物質、爆発物および高濃度ウランなど特殊な物質など、コンテナ内の危険物質を検出および特定し、さらにコンテナ内に通常生じる放射線物質を特定するための非侵襲のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、橋形クレーンアーム上に搭載されるものなど船積みコンテナを検証するために、放射線、中性子、爆発物および特殊な物質の検出システムを実現しようとする現在の試みは、存在する同位元素を特定する時間が限られている。船積みコンテナ内に保持される放射線物質を検出し特定するための放射線センサシステムは、存在し得る全ての同位元素のタイプを明確に特定するのに必要な暴露時間を持たない場合がある。存在する同位元素を検出し特定する時間が制限されることは、内容物の正当性を評価する能力に影響を与える恐れがある。現在の船積みコンテナ検出システムによって与えられる制限された時間は、例えば、橋形クレーンと共に使用する場合、放射線、中性子、爆発物および特殊な物質の検出システムの商業的な実行可能性に悪影響を及ぼし、コンテナを手動で調べることになり、結果として、商取引の流れに対するマイナスの影響となる。
【0003】
したがって、上記に考察される従来技術による問題を克服する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6847731号
【特許文献2】米国特許第11/624,121号
【特許文献3】米国特許出願第11/624,089号
【特許文献4】米国特許出願第11/363,594号
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態によると、多段式検出システムおよび方法は、ガンマおよび中性子放射線を検出し、放射線物質が検出される際の付加的なデータ捕獲時間、およびさらなる分析のための第2の位置を提供する。橋形クレーンのスプレッダバー上に搭載されたガンマおよび中性子検出器は、船積みコンテナ内の放射線物質の有無の最初の特定を行う。スプレッダバーは、典型的には船積みコンテナを分析するために、放射線センサに30秒までの近接近を与える。捕獲された放射線データは、特定の同位元素特定について分析される。分析を完全にするためにシステムがより多くのデータを要求する場合、追加のデータ捕獲が可能なように、スプレッダバーと船積みコンテナとの接触が延長される。さらに、船積みコンテナが、存在する特殊な同位元素を判定するのにさらなる分析時間を要する場合、本発明の一実施形態は、標的コンテナをさらに分析することができるように配備された放射線センサの配列で構成される第2の放射線分析位置を提供する。本発明は、放射線物質が検出され、橋形クレーンの通常の動作の流れでは、完全な分析ができない場合、一実施形態により、これらの船積みコンテナの放射線分析のために時間を延長することができる。付加的に、本発明の一実施形態は、橋形クレーンで行われる分析の他に、分析のための付加的な時間が必要とされる場合、第2の放射線分析位置を提供する。別の実施形態は、標的の船積みコンテナが、スプレッダバーから第2の放射線分析位置に移動する際、これを追跡し監視するステップを提供する。
【0006】
放射性物質が、船積みコンテナ内に隠されているかどうかを検証するために、例えば、船積みおよび移動コンテナを持ち上げるのに使用されるクレーン組立体を備えた、同位元素感知および特定システムをコンテナに連結して配備することができる。典型的には、コンテナクレーンは、船積みコンテナに係合する巻上機連結装置を含む。同位元素感知および特定システムは、クレーン巻上機連結装置上(または、スプレッダアーム上)に搭載され、コンテナ内に存在する同位元素の検出および特定のために、スペクトル分析を行うコンピュータシステムに詳細な放射線スペクトルデータを提供する1つまたは複数のガンマおよび中性子検出器で構成される。一般的な物品の中には、多くの常態で存在する放射線物質が存在し、放射線検出システムに謝った警報を生成させる。
【0007】
この行程の第1段階は、コンテナ内の放射線物質の有無を検出することである。第2段階は、存在する固有の同位元素を特定することである。この第2段階は、30秒以内に完了されてよく、これは、船積みコンテナが船に移動または船から移動する際、橋形クレーンのスプレッダバーが船積みコンテナに装着される一般的な時間である。これらの例に関して、存在する同位元素を特定するために放射線データを収集するのに付加的な時間が必要とされる場合、スプレッダバーが船積みコンテナに接続される時間を延長することができる。これは、多様な方法で実現することができる。例えば、スプレッダバーの動作を遅くすることができる、または所定に位置に配置された後、スプレッダバーを一定の延長時間コンテナに接続したままにすることができる。
【0008】
存在する固有の同位元素を特定することによって、システムがまた、同位元素が表す物品または物質のタイプを特定することが可能になる。特定された同位元素を表す可能性のある物品のリストによって、放射線物質の存在が、コンテナ内の推測される物質と適合するかどうか判定するために、システムは、特定された物品または物質と、船積みコンテナ積み荷目録との比較を行うことができる。1)コンテナ内の同位元素を特定するステップ、2)同位元素が表す物品または物質を特定するステップ、および3)特定された物品と対照させて積み荷目録の内容物を検証するステップの工程により、商取引の流れにマイナスの影響を与えることなく、コンテナを効率よく検証することが可能になる。
【0009】
別の実施形態によると、高濃度ウラン、爆発物、または他の物質など隠蔽された物質が存在するかどうか判定する目的で活動分析を行うために、スプレッダバー上に中性子パルス装置が配置される。
【0010】
別の実施形態によると、放射線センサシステムは、放射線物質が検出され、存在する固有の同位元素を判定するのにさらなる分析が必要とされる場合、船積みコンテナをさらに分析するために配備された第2の位置を有する。この第2の位置と、スプレッダバー放射線センサ位置を併せたものが、一体式放射線分析システムの全部分である。各放射線分析システムは、マルチ−ノードシステムのノードとして構築される。スプレッダバーセンサから取得されたデータは、船積みコンテナ内容物の分析のために、第2の位置で取得されたデータと併せて使用される。船積みコンテナは、それがスプレッダバー位置から第2の位置へ移動する際に監視される。船積みコンテナは、CCTVカメラ、または無線周波数特定装置など無線追跡装置を使用することによって監視されてよい。
【0011】
別の実施形態によると、放射線センサ位置は、中央監視局によって監視される。この中央監視局は、港の地図、橋形クレーンの配置、第2の位置の配置、ビデオカメラ、および標的の船積みコンテナが港を横切って第2の位置へ移動する際の船積みコンテナの位置を示す双方向グラフィックディスプレイを含んでよい。
【0012】
別の実施形態によると、システム上の各ノードに関する放射線センサは、検出されたガンマエネルギーレベルおよびスペトクトデータを収集および分析し、次いで、このデータをスペトクトル分析エンジンに送るプロセッサシステムに接続される。各ノードからのデータは、個々の検出器データまたは検出器グループデータの分析を可能にするために、個別にアドレス指定され、スペトクトル分析エンジンに送られる。分析エンジンは、船積みコンテナ内容物の分析に使用するために、複数のノードからのデータを組み合わせることができる。
【0013】
プロセッサシステムおよびデータ収集システムは、収集されたスペトクトルデータを使用してヒストグラムを形成する目的で中性子センサ装置の配列から信号を収集するために、各ノードのセンサに電気的に結合される。ヒストグラムは、存在する同位元素を特定する目的で、スペトクトル分析システムによって使用される。
【0014】
一実施形態によるスペトクトル分析システムは、情報処理システム、および収集されたデータを分析し、存在する同位元素を特定するソフトウェアを含む。スペトクトル分析ソフトウェアは、特定された同位元素のマルチ確認を行う2つ以上の方法で構成される。2つ以上の同位元素が存在する場合、システムは、存在する各同位元素の比を特定する。例えば、コンテナ検証システムの一実施形態によるスペトクトル分析ソフトウェアにおいて、スペトクトル分析に使用することができる方法の例は、1)米国特許第6,847,731号に記載されるマージン設定(Margin Setting)法、および2)LINSCAN法(スペトクル法の線形分析)および/または以下に詳細に考察される「Advanced Pattern Recognition Systems for Spectral Analysis」の名称で、2007年1月17日に出願された米国特許出願第11/624,121号に記載される進歩的ピーク検出法(Advanced Peak Detection method)を含み、その集合的全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
一実施形態による情報処理システムのユーザインターフェースは、検出された放射線スペクトルおよび特定された同位元素の図式図を提供する。ユーザインターフェースにより、メンテナンス状況、検出された放射線および特定された同位元素を迅速に特定するために、中でも、個々の検出器、検出器グループ、個々のセンサおよびセンサグループ、個々のノードおよび複数のノードの組み合わせをユーザが見て確認することが可能になる。
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本明細書は、新規であるとみなされる本発明の特徴を定義する特許請求項で完結するが、同様の参照番号が繰り返されている図面と併せて以下の記載を考慮することから、本発明は、よりよく理解されると考えられる。開示される実施形態は、単に本発明の例示であり、種々の形態で具現化することができることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定と解釈されるべきではなく、単に特許請求項の基礎として、実際の任意の適切な詳細な構造において本発明を多様に採用することを当業者に教示するための典型的な基礎として解釈すべきである。さらに、本明細書で使用される用語およびフレーズは、限定を目的するものではなく、本発明の記載を理解可能にすることが目的である。
【0017】
本明細書で使用される用語「a」または「an」は、1つ、または2つ以上と定義される。本明細書で使用される用語「複数」は、2つ、または3つ以上と定義される。本明細書で使用される用語「別の」は、少なくとも第2のまたはそれ以上のものとして定義される。本明細書で使用される用語「含む(including)」および/または「有する(having)」は、備える(comprising)(すなわち、開放言語)として定義される。本明細書で使用される用語「結合される」は、必ずしも直接的、または必ずしも機械的にではないが、接続されることを定義する。本明細書で使用される用語「プログラム」「コンピュータプログラム」「ソフトウェアアプリケーション」などは、コンピュータシステムを実行するように設計された指示の1シーケンスとして定義される。プログラム、コンピュータプログラムまたはソフトウェアアプリケーションは、サブルーチン、関数、プロシージャー、オブジェクトメソッド、オブジェクトインプリメンテーション、実行可能なアプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オフジェクトコード、共用ライブラリ/動的ロードライブラリおよび/またはコンテナシステム上で実行するように設計された他の指示シーケンスを含んでよい。本明細書で定義されるデータ記憶手段は、コンピュータがそこからデータを読むことを可能にし、コンピュータが再びデータを読むことができるように記憶されたデータを保存する多くの異なるタイプのコンピュータ読み取り可能媒体を含んでよい。このようなデータ記憶手段は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、バッテリバックアップRAM、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、DVDおよび他の永続的記憶媒体などの不揮発性メモリを含むことができる。しかしながら、さらに、RAM、バッファ、キャッシュメモリおよびネットワーク回路などの揮発性記憶装置も、本発明の多様な実施形態により、このようなデータ記憶手段として機能するように補償される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、一実施形態により、船積みコンテナの内容物に対して多段式の放射線検証工程を行うことによって、従来技術の問題を克服する。検証工程の各段階で収集された放射線センサデータは、検査中のコンテナ内に存在する固有の同位元素の検出および特定を可能にするのに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による、センサ筐体内にセンサを備えたクレーンアーム組立体(またはスプレッダバー)に近接したコンテナを記載する図である。
【図2】第2の放射線検証位置の簡素化された線図である。
【図3】本発明の一実施形態によるデータ収集および分析システムの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による中央監視局の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、クレーンスプレッダバーのプッシュプルバー構造内に配備された放射線センサを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるクレーンスプレッダバーのメインボディ周辺に配備された放射線センサを示す図である。
【図7】複数のバックグラウンド放射線環境作用を示す図である。
【図8】動的バックグラウンド放射線作用補償を示す図である。
【図9】動的バックグラウンド放射線作用補償に有効な式である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態による非侵襲のコンテナ内容物の検出および検証システムは、検査中のコンテナの空洞に進入する必要なしに動作する。システムは、ガンマおよび中性子検出用の一体式のデジタルセンサを使用し、およびコンテナ内の物質の固有の同位元素を特定するスペクトル分析力を備えた複数の放射線センサシステムを含み得る。多段式システムは、第2の検証局に送られた標的コンテナを監視し追跡するステップを提供する。多段式システムは、情報を統一することができるように、スプレッダバー位置と、第2検証位置間のネットワーク接続を可能にする。このような多段式システムはまた、コンテナ内の爆発物および特殊な物質の検出および特定を含むことができる。このような特殊な物質は、高濃度ウランを含んでよい。
【0021】
本発明の一実施形態は、船積みコンテナの内容物に対して放射線検出および同位元素特定を行うために、橋形クレーンのスプレッダバー上に配備された放射線センサを含む。港でコンテナが船へ移動する、または船から移動する際、スプレッダバーは、およそ30秒間船積みコンテナに接続される。多段式放射線検証システムにより、スプレッダバーが船積みコンテナに接続されている間、通常30秒以内で船積みコンテナ内の内容物の放射線検出および分析が可能になる。また多段式システムにより、放射線物質が、存在する同位元素を特定するのに最初の30秒の分析では十分な時間が与えられないことが認められた際、スプレッダバーが、船積みコンテナに接続されたままでいるために、延長時間を与えることが可能になる。さらに、多段式放射線検証システムは、付加的時間が、スプレッダバーで与えられた延長時間を超える必要がある場合、船積みコンテナを継続して分析するために第2のセンサ位置を使用する。船積みコンテナは、スプレッダバー位置から第2の位置へ移動する際、追跡されてよい。追跡および監視装置の例は、CCTVカメラ、無線周波数特定装置など無線追跡技法を含む。
【0022】
本発明の一実施形態によると、クレーンアーム組立体搭載型センサシステムは、放射線センサ位置の分散ネットーク内にノードを備えてよい。このようなシステムの例は、「System Integration Module for CBRNE Sensors」の名称で、2007年1月17日に出願された米国特許出願第11/624,089号に記載され、その全教示が参照により組み込まれる。
【0023】
本発明の一実施形態によると、クレーンアーム(スプレッダバー)搭載型放射線センサシステムは、検出、および船積みコンテナ内で検出された放射線物質に対する第1段階の同位元素特定に使用される。このようなシステムの例は、「Container Verification System for Non-Invasive Detection of Contents」の名称で、2006年2月27日に出願された米国特許出願第11/363,594号に記載され、その全教示が参照により組み込まれる。
【0024】
センサ集信機ユニットは、グループ内の複数のセンサを接続する、およびスペトクトル分析のために、中央プロセッサへの効率的な接続を可能にするために使用されてよい。この構成は、一体式マルチチャネル分析器、高圧電源、電圧方式および通信インターフェースで構成されるセンサインターフェースユニット(SUI)を利用することができる。このSIU構成は、中央プロセッサに接続する目的で、複数のセンサを、集信機ユニットを使用して集中通信チャネルに組み込む。通信集信機は、各センサグループに対してアドレス指定された個別のIPを与える。集信機ユニットの例は、センサ接続のための複数のUSBポートを提供し、バックホールのために、USBポートをイーサネット(登録商標)接続部に集結させる装置である。
【0025】
グループ内の複数のセンサを接続し、スペトクトル分析のために中央プロセッサへの効率的な接続を可能にするために、内蔵プロセッサユニットが使用されてよい。この構成は、一体式のマルチチャネル分析器、高圧電源、電圧方式および通信インターフェースで構成されるセンサインターフェースユニット(SIU)を利用することができる。このSIU構成は、複数のセンサをサポートし、中央プロセッサに接続するために1つまたは複数の通信チャネルを形成する内蔵プロセッサに接続される。内蔵プロセッサは、各センサ用にアドレス指定された個別のIPを与える。
【0026】
本発明の別の実施形態によると、スプレッダバーが船積みコンテナに接続される時間は、さらなる分析および放射線データ取得を可能にするために延長されてよい。
【0027】
本発明の別の実施形態によると、スプレッダバーが船積みコンテナに接続される時間は、さらなる分析、および放射線データ取得を可能にするために延長されてよい。
【0028】
本発明の別の実施形態によると、さらなる分析および放射線データ取得を可能にするために、放射線検証システムの別のノードとして、第2の放射線検証システムを配備することができる。
【0029】
本発明の別の実施形態によると、標的の船積みコンテナは、第2の放射線検証システムに移動する際、追跡または監視されてよい。
【0030】
ここで、1つのノードがクレーン組立体のスプレッダバー上に搭載され、別のノードが、第2の放射線検証位置として配備された多段式放射線検出および特定システムの一例を記載する。また、システムの作動の過程の一例を記載する。
【0031】
図1に示されるような、クレーンアーム(スプレッダバー)上に配備された放射線検出および特定システム102は、多段式放射線検証システムの第1および第2段階を行う。図1は、異なるセンサ筐体101、110に関する、例としての設置位置を示す。例えば、クレーン組立体、または他の船積みコンテナ運搬操作部に接続して配備された、放射線検出および特定システムの例示の実施形態の特定の進歩的特徴および利点を以下で考察する。しかしながら、読み手は、放射線およびセンサ技術を理解していることが推測される。
【0032】
図1および2を参照して、マルチノード放射線検証システムの一例が示される。システムは、スプレッダバーノード(図1に示される)および図2に示される第2の放射線検証ノード202を含む。トラック220は、コンテナ222内に積み荷215を収容するコンテナ222を搬送する。内容物215をさらに分析することができるように、コンテナ222の片側または両側に複数の放射線センサ202が配備される。配電局203が、センサに電力を供給する。通信分配モジュール204が、複数の放射線センサ202と、分配ネットワーク210間で信号を結合し、これは、図3にさらに記載される。コンテナの積み荷215が、スプレッダバー段階で疑わしいと断定されると、コンテナ222は、さらなる分析のために、スプレッダバー位置(図1に示される)から第2の検証位置(図2に示される)に追跡され、移動される。この例において、第2の検証位置は、トラックを使用してコンテナ222の片側または両側に配備された複数の放射線センサ202までコンテナ222を移動させることによって、コンテナ222を配置するステップを含む。
【0033】
図3を参照すると、この例では、データ収集システム310は、ケーブル布線、無線通信リンクおよび/または他の通信リンク305によって、各センサユニット内の各ガンマ放射線センサ装置301および中性子センサ装置302、および各中性子パルスセンサ装置303に通信式に結合される。データ収集システム310は、放射線センサユニット301、302から、および中性子パルス装置303からの信号を収集するデータ通信インターフェース324を備えた情報処理システムを含む。収集された信号は、この例では、放射線を検出した各センサ装置からの詳細なスペトクトルデータを表す。
【0034】
データ収集システム310は、モジュール式の設計であり、具体的には、放射線検出および特定、または爆発物および特殊な物質の検出および特定のためのデータ収集に使用することができる。
【0035】
データ収集システム310は、ローカルコントローラおよびモニタシステム312に通信式に結合される。ローカルシステム312は、コンピュータと、メモリと、記憶装置と、モニタ上のディスプレイおよびキイボードまたは他のユーザ入力/出力装置などユーザインターフェース314とを含む情報処理システムを備える。この例において、ローカルシステム312はまた、マルチチャネル分析器330およびスペトクトル分析器340を含む。
【0036】
マルチチャネル分析器(MCA)330は、多くの信号チャネル分析器(SCA)で構成された装置を備える。信号チャネル分析器は、個々の放射線検出器301、302から受信したアナログ信号の問い合わせを行い、受信信号の固有のエネルギー範囲が、信号チャネルによって特定された範囲に等しいかどうかを判定する。受信したエネルギーが、SCA内である場合、SCAカウンタが更新される。経時的に、SCAカウントは累積される。特定の時間間隔で、マルチチャネル分析器330は、多数のSCAカウントを含み、これは、結果としてヒストグラムを形成する。ヒストグラムは、存在する放射線のスペトクトル画像を表す。一実施例によるとMCA330は、何千ものSCAおよびカウンタに匹敵するコンピュータメモリを併せ持つアナログデジタル変換器を使用し、これは、極めてより効果的でありより安価である。
【0037】
ヒストグラムは、スペトクトル分析システム340によって、検査中のコンテナ内に含まれる物質中に存在する同位元素を特定するのに使用される。情報処理システム312が果たす機能の1つは、検査中のコンテナ内に含まれる1つまたは複数の同位元素、爆発物または特殊な物質を特定する目的で、スペトクトル分析器340によって実施されるスペトクトル分析である。放射線検出に関して、スペトクトル分析器340は、存在する放射線の1つまたは複数のスペトクトル画像を、同位元素データベース322内に蓄積された1つまたは複数のスペトクトル画像350によって表される既知の同位元素と比較する。各同位元素に関するスペトクトルデータの複数の変動を捕らえることによって、存在する放射線の1つまたは複数のスペトクトル画像と比較することができる多くの画像が存在する。同位元素データベース322は、特定されるべき各同位元素の1つまたは複数のスペトクトル画像350を保持する。これらの複数のスペトクトル画像は、多様なレベルのスペトクトル放射線データ取得を表し、このため、1つまたは複数のセンサから取得可能な異なる量のスペトクトルデータを使用して、同位元素を比較および特定することができる。センサから取得されたデータが少なかろうと(または多かろうと)、スペトクトル分析システム340は、特定されるべき各同位元素に関して、センサから取得した放射線データを1つまたは複数のスペトクトル画像と比較する。これは、センサから取得した画像データを、特定されるべき可能性のある同位元素それぞれのスペトクトル画像データに適合する信頼度および効率を有意に高める。1つまたは複数の可能性のある同位元素が、センサによって検出された放射線内に存在すると判定されると、情報処理システム312は、同位元素混合体を、検査中のコンテナ内に存在し得る可能性のある物質、物品および/または製品と対照させて比較することができる。付加的に、積み荷目録データベース315は、検査されるべき各コンテナの内容物の詳細な記載を含む。積み荷目録315は、コンテナ内に含まれる可能性のある物質、物品および/または製品が、検査中の特定のコンテナに関する積み荷目録内に記載された推測される認可された物質、物品および/または製品と適合するかどうかを判定するために、情報処理システム312によって照会されてよい。本発明の一実施形態によるこの適合工程は、過去のいずれのコンテナ内容物監視工程と比較しても、著しく効率的であり信頼可能である。
【0038】
一実施形態によるスペトクトル分析システム340は、情報処理システム、および収集されたデータを分析し存在する同位元素を特定するソフトウェアを含む。スペトクトル分析ソフトウェアは、特定された同位元素のマルチ確認を行う2つ以上の方法で構成される。2つ以上の同位元素が存在する場合、システムは、存在する同位元素の比を特定する。例えば、コンテナ内容物検証システムの一実施形態によるスペトクトル分析ソフトウェアにおいて、スペトクトル分析のために使用することができる方法の例は、1)米国特許第6,847,731号に記載されるマージン設定法、および2)LINSCAN法(スペトクル法の線形分析)および/または「Advanced Pattern Recognition Systems for Spectral Analysis」の名称で、2007年1月17日に出願された米国特許出願第11/624,121号に記載される進歩的ピーク検出法を含み、その集合的全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
爆発物および/または特殊な物質に関連する収集データの分析に関して、スペトクトル分析器340および情報処理システム312は、検査中の船積みコンテナに関連する蓄積された積み荷目録データを、推測される爆発物および/または放射線物質に変換し、その後、特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質を、推測される爆発物および/または放射線物質と比較することによって、特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質を積み荷目録315と比較する。システムが、コンテナに関する積み荷目録に全く適合しないと判断した場合、その後、特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質は、認可されない。システムは、次いで、システム管理者に警告状況に対する注意を促し、適切な行動を取るように情報を提供することができる。
【0040】
バックグラウンド放射線センサ作用の除去
動的バックグラウンド
海港でのバックグラウンド放射線、およびより具体的には、陸上、海、船をわたって、また異なる高度で移動するコンテナに関連して変化するバックグラウンドは、放射線検出および同位元素特定に対する特有の課題を有する。 本発明の一実施形態によると、この問題は、変化するバックグラウンド作用を補償するために使用される動的バックグラウンド法の使用によって対処される。この方法は、主要なバックグラウンドデータに対して、継続するバックグラウンド更新データを適用する。特定の用途に関する適切な動的バックグラウンドを実現するために、バックグラウンド更新データに対して異なる重量および間隔を変えることができる。例示の式を以下に示し、これはまた図9に示される。
Bi(X) =Ai(X) *アルファ+Bi-1(X) *(1-アルファ)(1)

Bi(X) =Ai(X) *アルファ+Bi-1(X) *(1-アルファ)
新規の動的バックグラウンド
バックグラウンドのスナップショット
学習率
事前のバックグラウンド

図7に示されるように、バックグラウンド放射線作用は、スプレッダバーに配置されたセンサおよび/または変化するバックグラウンドに対する位置に配置されたセンサなどの、センサが体験し得る変化するバックグラウンド環境によって変化し得る。例えば、スプレッダバーのセンサは、水上、船上、地面の上高く、地面の上低く、または船の中にあってよい。これらの異なるバックグラウンド環境は、放射線検出および同位元素特定に影響を与える可能性がある。空からの放射線は、典型的には最も多量であり、スプレッダバーの移動中、常態を維持する。また、スプレッダバーのセンサは、典型的には、検査中のコンテおよびスプレッダバーによって、地面、水面および船上から来る大半のバックグラウンド放射線から保護されるべきである。したがって、変化するバックグラウンド作用を補償するために、今までにない新規の手法は、メインバックグラウンドデータに対して継続するバックグラウンド更新データを適用する。
【0041】
図8に示されるように、動的バックグラウンドは、初期のバックグラウンドと増分バックグラウンドとで構成される。本発明の一実施形態によって、放射線データが分析のために収集され処理され、メインバックグラウンドデータに対する継続バックグラウンド更新データを使用することによって、収集データからバックグラウンド環境作用を差し引くことができる。例えば、水面、陸上、空気、地面および他の構造物に対して動的に変化するバックグラウンド放射線データに従って、収集された放射線データを動的に調整することができる。この動的バックグラウンド補償手法は、動的バックグラウンド捕獲に関する速度および感度の向上、収集データの処理におけるメモリ効率、および可変システムパラメータに調整し特定の用途に向けるための可撓性の利点を有する。さらに、情報処理システムは、スプレッダバーの通常の作動および移動におけるバックグラウンド作用の変化を予想するなど、データ収集の際、センサの配置に使用される特定の工程を学習することができる。付加的に、動的バックグラウンド補償手法は、変化するバックグラウンド環境の作用の継続する差分減算(differential subtraction)を行うことができる。この手法は、分析データの品質を向上させ、より優れた、またより信頼できる放射線検出および同位元素特定につながる。
【0042】
本発明の代替の実施形態によると、収集データに対する変化するバックグラウンド作用を除去するのに、複合的なバックグラウンド分析手法を使用することができる。一実施例において、GPS検出器が、クレーンスプレッダバーなど可動センサをサポートする構造体に機械的に結合され、収集データを処理する情報処理システムに(スプレッダバーの)継続する位置データを提供する。スプレッダバーの位置は、例えば、スプレッダバーのセンサが体験したバックグラウンド環境のタイプを示すことができる。GPS検出器は、よく知られた様式で作動し、地理的位置情報および高度情報の両方を提供することができる。例えば、地面または海面の上のスプレッダバーの高度を知ることで、スプレッダバーのセンサが体験するバックグラウンド作用のタイプを示すことができる。高度情報および/または地理的位置情報は、例えば、スプレッダバーに近接する構造体の予測地図およびバックグラウンド環境と対照させて比較することができる。これらの推測されるバックグラウンド環境は、例えば、分析するのにより適切でより信頼可能なデータを提供するために、収集データから差し引くことができるバックグラウンド作用と一致し、これは、より優れた、またより信頼可能な放射線検出および同位元素特定につながる。変化するバックグラウンドおよび収集データに対する対応するバックグラウンド作用を追跡するために、システムによって、機械装置および/または電気装置および/または手動のデータエントリを含めた代替の位置検出装置を使用することができる。
【0043】
情報処理システムによる高度情報および/または地理的位置情報の別の利用は、放射線データを収集するために使用される装置の作動および作用を制御するためである。例えば、活動分析を行う目的で、スプレッダバーにまたは橋形クレーン上に配備されたセンサシステム内に含まれる中性子パルスによって装置によって、中性子パルスを生成することができ、中性子パルスに続くガンマフィードバックが、高濃度ウラン、爆発物または不正薬物などコンテナ内に隠蔽された放射線物質を特定することができる。しかしながら、特定のシステムの実装は、地面および/または海面上の特定の地理的領域および/または高度に対する中性子パルス装置の作動を制限する場合がある。例えば、クレーンおよび/またはスプレッダバーが、クレーン操作者キャビンに、または通常人が占拠するような保護領域に近接近するとき、中性子パルス装置を非作動状態のままに制御することができる。上記に考察するように、データ分析の速度および信頼度を向上させつつ、異なる動作環境への適応性および動的調整は、過去には利用不可能であった本発明の有意な利点である。
【0044】
ユーザインターフェース314により、サポートまたは管理者が、ローカルシステム312を作動させ、放射線検出および同位元素の特定、および/またはクレーンアーム組立体(または、スプレッダバー)などフレーム構造体の上に配備されたセンサユニット301、302および303の収集によるRF信号の検出の状況を監視することが可能になる。
【0045】
ユーザインターフェース314は、例えば、収集された受信戻り信号、または検査中の船積みコンテナ内で特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質、または検査中の船積みコンテナ内に含まれる、任意のシステムが特定した認可されない爆発物および/または特殊な物質、またはそれらのいずれかの混合物の表示を使用者に提示することができる。
【0046】
データ収集システムはまた、例えば、ネットワーク316を介して、遠隔制御および監視システム318に通信式に結合されてよい。遠隔システム318は、コンピュータと、メモリと、記憶装置と、モニタ上のディスプレイおよびキイボードまたは他のユーザ入力/出力装置などユーザインターフェース320とを有する情報処理システムを備える。ネットワーク316は、任意の数のローカルエリアネットワークおよび/または広域ネットワークを有する。それは、有線および/または無線通信ネットワークを含むことができる。このネットワーク通信技術は、従来技術でよく知られる。ユーザインターフェース320により、離れて位置するサポートまたは管理者が、ローカルシステム312を作動させ、例えば、クレーンアーム組立体(またはスプレッダバー)上のフレーム構造体の上に配備されたセンサユニット301、302および303の収集によって、船積みコンテナ検証の状況を監視することが可能になる。中央監視システムは、船積みコンテナが第2の位置に移動される際、CCTVカメラ(350)または船積みコンテナ追跡システム(355)を使用することにより、船積みコンテナの位置を表示することができる。
【0047】
中性子パルス装置は、活動分析を行うためにスプレッダバー上または橋形クレーン上に配備されたセンサシステム内に含まれてよく、ガンマフィードバックが、高濃度ウラン、爆発物または不正薬物など隠蔽された放射線物質を特定する。
【0048】
図4を参照すると、マルチノード放射線検証システムの一例は、データネットワーク(405)によって相互接続された、複数のスプレッダバー放射線検証システム(401)および第2の放射線検証ノード(404)、操作センタ(408)、コンテナ追跡システム(410)およびCCTV(402)カメラを含む。いくつかのケースにおいて、ターミナル周辺のコンテナを移動させるのに、フォークリフトトラックが使用される。フォークリフトトラック(420)は、スプレッダバーを装備し、無線放射線検証ノードとして構成されてよい。
【0049】
図5を参照して、放射線センサがプッシュプルバー内に設置されたスプレッダバーの一例が示される。図5では、1つまたは複数の放射線センサが、プッシュプルバー501内に組み込まれる。放射線センサは、衝撃吸収コネクタ511を備えた箱の中に封入される。ガンマセンサ512は、ユニットの下側で箱の中に緩衝取付け(shock mounted)される。1つまたは複数のガンマセンサは、662kevで7%以上のセンサ解像度を有する。中性子センサ514およびサポート電子機器513が、箱の頂部側に設置される。プッシュプルバー501に対する、1つまたは複数の放射線センサ、すなわち、ガンマセンサ512、中性子センサ514およびサポート電子機器513の代替の取り付け構成は、本考察を鑑みて当業者には明白となるはずである。
【0050】
図6を参照して、放射線センサがメインユニット601内に設置されたスプレッダバーの一例が示される。図6の例では、放射線センサは、メインユニット601内に組み込まれる。放射線センサは、衝撃吸収コネクタ611を備えた箱の中に封入される。ガンマセンサ612は、ユニットの下側で箱の中に緩衝取付けされる。中性子センサ613およびサポート電子機器614が、箱の頂部側に設置される。メインユニット601に対する、1つまたは複数の放射線センサ、すなわち、ガンマセンサ612、中性子センサ613、およびサポート電子機器614の代替の取り付け構成は、本考察を鑑みて当業者には明白となるはずである。
【0051】
中央監視局からなど、システムを遠隔式に作動させることによって、限定された人数の管理者によって、多数の場所を安全に監視することができる。図1の例に示されるように、クレーンアーム組立体からなど、コンテナ運搬動作を監視する以外に、コンテナ分析のための初期の検出および特定段階に備えて、多くの多様な用途を採用することができることが明白であろう。例えば、フォークリフトトラック搭載型センサユニットが、遠隔監視システムと通信することにより、港、鉄道、協同一貫輸送局、および船、飛行機、トラック、倉庫および他の輸送環境で、および本考察を鑑みて当業者が理解するであろう運搬する多量の積み荷を有する他のこのような場所で、大量の積み荷を移動させ運搬することが可能になる。
【0052】
付加的に、放射線および爆発物以外を監視するために、システム監視機能を組み合わせることができる。他のタイプの危険要素に適切なセンサおよび検出器を、本発明の代替の実施形態による放射線センサユニットおよび監視システムと組み合わせることによって、放射線検出を併用して、これらの他のタイプの危険要素を監視することができる。
【0053】
本発明の好ましい実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせにおいて実現することができる。本発明の好ましい実施形態によるシステムは、1つのコンピュータシステムにおける集中様式で、または異なる要素が複数の相互接続されたコンピュータシステムじゅうに広がる分散様式で実現することができる。任意の種類のコンピュータシステム、または本明細書に記載の方法を実施するように適合された他の装置が適応される。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合わせは、ロードされ実行されると、それが、本明細書に記載の方法を実施するように、コンピュータシステムを制御するコンピュータプログラムを備えた汎用コンピュータシステムであってよい。
【0054】
本発明による一実施形態はまた、本明細書に記載の方法を実行することが可能な全ての機能を備え、コンピュータシステム内にロードされる際、これらの方法を実施することができるコンピュータプログラム製品に組み込まれてよい。本文脈におけるコンピュータプログラム手段またはコンピュータプログラムは、情報処理能力を有するシステムが、直接、または以下のa)別の言語、符号、または表記法への変換、およびb)異なる物質形態での再生のいずれか、またはこれら両方の後で、特定の機能を果たすようにすることを目的とした、いずれかの言語、符号、または表記法での1セットの指示の任意の表現を意味する。
【0055】
各コンピュータシステムは、1つまたは複数のコンピュータ、およびコンピュータが、データ、指示、メッセージまたはメッセージパケット、およびコンピュータ読取り可能媒体からの他のコンピュータ読取り可能情報を読むことを可能にする、少なくとも1つのコンピュータ読取り可能媒体を含んでよい。コンピュータ読取り可能媒体は、ROM、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の永続的記憶媒体などの不揮発性メモリを含んでよい。付加的にコンピュータ読取り可能媒体は、例えば、RAM、バッファ、キャッシュメモリおよびネットワーク回路などの揮発性記憶装置を含んでよい。さらに、コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータが、このようなコンピュータ読取り可能情報を読み取ることを可能にする有線ネットワークまたは無線ネットワークを含む、ネットワークリンクおよび/またはネットワークインターフェースなど一時的ステート媒体におけるコンピュータ読取り可能情報を有することができる。
【0056】
本発明の特定の実施形態を開示してきたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。本発明の範囲は、したがって、特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲が、本発明の範囲内の任意のおよび全てのこのような用途、修正形態および実施形態を包含することを目的とするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段式放射線検出および特定システムであって、
橋形クレーンに機械的に結合され、検査中の船積みコンテナに近接して配置され得るフレーム構造体の上に集合的に搭載された1つまたは複数のガンマセンサおよび1つまたは複数のソリッドステート中性子センサを備える、前記橋形クレーン上に配備された放射線センサシステムと、
前記橋形クレーン上に配備された前記放射線センサシステムから離れて位置し、前記船積みコンテナ内で検出された放射線物質を分析するために1つまたは複数のセンサを備える第2の放射線センサ位置と、
放射線センサネットワーク上の個々のノードとして、前記橋形クレーン放射線センサシステムおよび前記第2の放射線センサ位置に通信式に結合する分配ネットワークと、
橋形クレーン上の前記放射線センサからの放射線データを収集するために、前記橋形クレーン上に配備された前記放射線センサに通信式に結合された第1デジタルデータ収集システムと、
第2の放射線検証位置で前記放射線センサから放射線データを収集するために、前記第2の放射線検証位置に配備された前記放射線センサに通信式に結合された第2デジタルデータ収集システムと、
前記収集された放射線データのヒストグラムを作成するために、前記第1および第2のデジタルデータ収集システムに通信式に結合されたマルチチャネル分析システムと、
前記ネットワーク上の1つまたは複数のノードから取得した前記データを使用して、放射線を検出し、前記検出された放射線に関連する1つまたは複数の同位元素を特定する目的で、前記収集された放射線データおよび前記ヒストグラムを受信し分析するために、前記マルチチャネル分析システムおよび前記第1および第2のデジタルデータ収集システムに通信式に結合されたスペトクトル分析システムと、
前記スペトクトル分析システムによって使用する同位元素スペトクトルを表すデータを蓄積するための第1データ蓄積手段であって、前記第1データ蓄積ユニット内に蓄積された1つまたは複数のスペトクトル画像が、各同位元素を表し、前記スペトクトル分析システムに通信式に結合される第1データ蓄積手段と、
それらが表す可能性のある物質または物品を判定する目的で、前記特定された1つまたは複数の同位元素を分析するために、前記スペトクトル分析システムに通信式に結合された情報処理システムと、
検査中の前記コンテナに関連する積み荷目録を表すデータを蓄積するための第2データ蓄積手段であって、検査中の前記コンテナ内に含まれる認可されない物質または物品が存在するかどうかを判定するために、前記判定された可能性のある物質または物品を、検査中の前記コンテナに関連する前記積み荷目録と比較することをさらに目的とする前記情報処理システムに通信式に結合された第2データ蓄積手段とを備えるシステム。
【請求項2】
放射線分析の第1段階が、前記橋形クレーンのスプレッダバー上に配備されたセンサからの前記船積みコンテナ内の放射線物質の検出で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
放射線分析の第1段階が、放射線入り口上に配備されたセンサからの前記船積みコンテナ内の放射線物質の検出で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
放射線分析の第2段階が、前記橋形クレーンのスプレッダバー上に配備されたセンサからの前記船積みコンテナ内の前記放射線物質の特定で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
放射線分析の第2段階が、検査中の前記船積みコンテナ内の前記放射線物質をさらに特定するために、前記センサから付加的データが収集される場合、時間を延長するために、前記橋形クレーンのスプレッダバー上に配備されたセンサを、前記船積みコンテナに近接近して維持するステップで構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
放射線分析の第2段階が、前記船積みコンテナがさらなる分析のために移動される場合の前記第2の放射線センサ位置の使用で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
放射線分析の第2段階が、フォークリフトトラック上に配備されたセンサによって、検査中の前記船積みコンテナに対して行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記スペトクトル分析システムが、コンピュータプログラム製品上でソフトウェアを使用することによって、放射線を検出し、前記検出された放射線に関連する1つまたは複数の同位元素を特定するために、前記収集データおよび前記ヒストグラムを分析し、前記ソフトウェアが、
米国特許第 6,847,731号に記載されるマージン設定法と、
米国仮特許出願第60/759,331号に記載されるスペトクトル法の線形分析(LISCAN法)を含めた、前記スペトクトル分析システムのための動作を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つまたは複数のガンマセンサが、一体式のアナログインターフェースと、アナログデジタル変換器とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数のガンマセンサが、 662kevで7%以上の解像度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数のソリッドステート中性子センサが、一体式のアナログインターフェースと、アナログデジタル変換器とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
バックグラウンド環境からのバックグラウンド放射線作用を補償する目的で収集された放射線データを調整するために、情報処理システムが、前記デジタルデータ収集システムと通信式に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記情報処理システムが、変化するバックグラウンド放射線作用に従って、前記収集された放射線データを動的に調整する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記情報処理システムが、複数のバックグラウンド放射線作用分析に従って、前記収集された放射線データを調整する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
爆発物、特殊な物質および他の物質を検出および特定するシステムであって、
中性子パルス生成器と、
前記中性子パルスの結果として、前記船積みコンテナ内の物質から生成されたガンマまたは他の放射線信号を特定するための1つまたは複数の放射線センサと、
前記中性子パルスの結果として、受信した戻り信号を収集するために、前記1つまたは複数の放射線センサに通信式に結合されたデータ収集システムと、
検査中の前記船積みコンテナの空洞内の物質を検出する目的で、前記収集された受信戻り信号を分析し、その中の可能性のある爆発物および/または特殊な物質を特定するために、前記データ収集システムに通信式に結合されたスペトクトル分析および情報処理システムと、
検査中の前記船積みコンテナに関連する積み荷目録を表すデータを蓄積するためのデータ蓄積手段であって、検査中の前記船積みコンテナ内に含まれる認可されない爆発物および/または特殊な物質が存在するかどうか判定するために、前記特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質を、検査中の前記船積みコンテナに関連する前記積み荷目録と比較することをさらに目的とする前記スペトクトル分析および情報処理システムと通信式に結合されたデータ蓄積手段とを備えるシステム。
【請求項16】
前記収集された受信戻り信号の表示と、
検査中の前記船積みコンテナ内の前記特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質と、
前記システムが特定した、検査中の前記船積みコンテナ内に含まれる認可されない爆発物および/または特殊な物質のうちの少なくとも1つを使用者に提示するために、前記スペトクトル分析および情報処理システムに通信式に結合されたユーザインターフェースをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記特殊な物質が、高濃度ウランを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記スペトクトル分析および情報処理システムが、検査中の前記船積みコンテナに関連する前記積み荷目録を、推測される爆発物および/または放射線物質に変換し、次いで、前記特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質を、前記推測される爆発物および/または放射線物質と比較することによって、前記特定された可能性のある爆発物および/または特殊な物質を前記積み荷目録と比較する、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
検査中の前記コンテナの前記内容物を感知するのに使用されるセンサシステムが、爆発物、放射線物質、隠蔽物質、化学および/または生物学的物質の検出および特定のために、核共鳴、ガンマ線撮像および他の進歩的技術に基づく、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
中央プロセッサに戻る集結された通信パスのために、スプレッダバー内に配備されたセンサのグループを接続するのにセンサ集信機が使用され、前記センサ集信機が、各センサのセンサインターフェースユニットに接続される、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
高濃度ウラン、爆発物および不正薬物などの物体からのガンマフィードバックによって活動分析を行うために、センサシステム内の一体型モジュールとして中性子パルス生成装置が実装される、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
船積みコンテナ内の高濃度ウラン、爆発物および不正薬物などの物体からのガンマフィードバックによって活動分析を行うために、前記中性子パルス生成装置が、橋形クレーンのスプレッダバーまたはフォークリフトに近接して配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
内蔵プロセッサが、スプレッダバーに配備されたセンサのグループを接続するのに使用され、センサが中央プロセッサと通信するのをサポートし、前記内蔵プロセッサが、各センサのセンサインターフェースユニットに接続される、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
バックグラウンド環境からの変化するバックグラウンド放射線作用を補償する目的で、収集された放射線データを動的に調整するために、情報処理システムが、前記デジタルデータ収集システムに通信式に結合される、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
1つまたは複数のコンテナ内の放射性物質を検出および特定する方法であって、
コンテナの外側およびコンテナに近接して配置された少なくとも1つのフレーム構造体上に据えられた複数の放射線センサによって、前記複数の放射線センサに近接して配置された前記コンテナおよびその内容物に関連する放射線データを表す少なくとも1つのスペトクトルデータセットを収集するステップと、
前記コンテナおよびその内容物に関連して前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットをスペトクトル分析するステップと、
前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットの前記スペトクトル分析に基づいて、前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定するステップと、
前記特定された1つまたは複数の同位元素の1つまたは複数に関連する物質を特定するステップと、
特定された前記物質を、前記コンテナ内にあると断言された1セットの物質を記載する、前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録と比較するステップと、
特定された前記物質と、前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録との前記比較に関連する1セットの比較結果をメモリに記憶するステップとを含む方法。
【請求項26】
前記複数の放射線センサが、
1セットのガンマセンサと、
1セットのソリッドステート中性子センサとのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのスペトクトルデータセットに対応し、各ヒストグラムが前記コンテナに関連する放射線の様々なスペトクトル画像を表す、1セットのヒストグラムを提供するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定する前記ステップが、
前記ヒストグラムのセット内の各ヒストグラムを、各スペトクトル画像が1つの同位元素を表す複数のスペトクトル画像と比較するステップと、
各ヒストグラムの前記比較に基づいて、前記ヒストグラムのセット内のヒストグラムの少なくとも一部に実質的に適合する前記複数のスペトクトル画像のそれぞれを特定するステップと、
前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定するステップであって、前記特定された同位元素のそれぞれが、前記ヒストグラムのセット内のヒストグラムの少なくとも一部に実質的に適合する少なくとも1つの特定されたスペトクトル画像によって表されるステップとをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記物質を特定するステップが、
前記特定された1つまたは複数の同位元素を、事前定義された1つまたは複数の同位元素の任意の組み合わせを有することが知られている、複数の物質、複数の物品および複数の製品のうちの少なくとも1つに関連する事前定義された1つまたは複数の同位元素と比較するステップと、
前記特定された1つまたは複数の同位元素の前記比較に基づいて、前記特定された1つまたは複数の同位元素を有し、前記コンテナの前記内容物内にあると思われる少なくとも1つの物質、物品または製品を特定するステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記スペトクトル分析するステップが、
前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセット内の放射線データを、一定の周波数範囲および関連する収集された中性子カウントにわたってスペトクトル分析するステップであって、前記放射線データの分析において、収集されたゼロ以外の中性子カウントが、前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセット内の前記放射線データから、前記収集されたゼロ以外の中性子カウントに対応する放射線を差し引いたものに一致するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定する前記ステップが、
前記コンテナおよび前記コンテナ内の前記内容物に関連する複合スペトクトル画像を表すヒストグラム内のスペトクトル画像をスペトクトル分析するステップと、
各スペトクトル画像が1つの同位元素を表す複数のスペトクトル画像を、前記ヒストグラム内の前記スペトクトル画像の少なくとも一部と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記ヒストグラム内の前記スペトクトル画像の少なくとも一部に実質的に適合する前記複数のスペトクトル画像から第1のスペトクトル画像を特定するステップと、
前記ヒストグラム内の前記スペトクトル画像から前記特定された第1のスペトクトル画像を差し引き、その結果、前記ヒストグラム内の残りのスペトクトル画像となるステップと、
前記複数のスペトクトル画像内の各後続のスペトクトル画像に対して、前記比較、特定、および差し引くステップを繰り返すステップであって、各後続のスペトクトル画像が、前記ヒストグラム内の前記残りのスペトクトル画像の少なくとも一部において特定された後、次いで、前記ヒストグラム内の前記残りのスペトクトル画像から差し引かれるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットをスペトクトル分析する前記ステップの前に、前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットから、動的に変化する複数のバックグラウンド放射線データの1つを差し引くステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
中の放射性物質を検出および特定するために、1つまたは複数のコンテナから収集されたスペトクトルデータを動的に調整する方法であって、
前記コンテナの周辺の異なるバックグラウンド環境に対応する動的に変化する複数のバックグラウンド放射線データを提供するステップと、
前記複数の放射線センサによって、前記複数の放射線センサに近接して配置された前記コンテナおよびその内容物に関連する放射線データを表す少なくとも1つのスペトクトルデータセットを収集するステップと、
動的に変化する複数のバックグラウンド放射線データのうちの1つに従って、前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットを動的に調整するステップとを含む方法。
【請求項34】
前記動的に調整するステップが、
動的に変化する前記複数のバックグラウンド放射線データのうちの1つを選択するステップと、
前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットから、動的に変化する前記複数のバックグラウンド放射線データのうち前記選択されたものを差し引くステップとをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
動的に調整された前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットをスペトクトル分析するステップと、
動的に調整された前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットの前記スペトクトル分析に基づいて、前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定するステップと、
前記特定された1つまたは複数の同位元素の1つまたは複数に関連する物質を特定するステップと、
特定された前記物質を、前記コンテナ内にあると断言された物質のセットを記載する、前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録と比較するステップと、
特定された前記物質を、前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録との前記比較に関連する比較結果のセットをメモリに記憶するステップとをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
異なるバックグラウンド環境が、
水面と、
陸上と、
空気と、
地面と、
他のコンテナのうち少なくとも1つを有する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
1つまたは複数のコンテナ内の放射性物質を検出および特定するシステムであって、
コンテナの外側およびコンテナに近接して配置された少なくとも1つのフレーム構造体上に据えられた複数の放射線センサであって、前記複数の放射線センサに近接して配置された前記コンテナおよびその内容物に関連する放射線データを表す少なくとも1つのスペトクトルデータセットを収集するように適合された複数の放射線センサと、
前記複数の放射線センサに通信式に結合された情報処理システムであって、
前記コンテナおよびその内容物に関連する前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットのスペトクトル分析、
前記収集された少なくとも1つのスペトクトルデータセットの前記スペトクトル分析に基づいた、前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素の特定、
前記特定された1つまたは複数の同位元素の1つまたは複数と関連する物質の特定、
特定された前記物質と、前記コンテナ内にあると断定された物質のセットを記載する、前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録との比較、および
特定された前記物質と前記コンテナに関連する少なくとも1つの積み荷目録との前記比較に関連する比較結果のセットのメモリへの記憶に適合された情報処理システムとを少なくとも備えるシステム。
【請求項38】
前記情報処理システムが、
前記少なくとも1つのスペトクトルデータセットに対応し、各ヒストグラムが、前記コンテナに関連する放射線の異なるスペトクトル画像を表す、1セットのヒストグラムの提供にさらに適合される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記情報処理システムが、
前記ヒストグラムのセット内の各ヒストグラムを、各スペトクトル画像が1つの同位元素を表す複数のスペトクトル画像と比較するステップと、
各ヒストグラムの前記比較に基づいて、前記ヒストグラムのセット内のヒストグラムの少なくとも一部に実質的に適合する前記複数のスペトクトル画像のそれぞれを特定するステップと、
前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を特定するステップであって、前記特定された同位元素のそれぞれが、前記ヒストグラムのセット内のヒストグラムの少なくとも一部に実質的に適合する少なくとも1つの特定されたスペトクトル画像によって表されるステップとによって、前記コンテナ内の前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素の特定にさらに適合される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記情報処理システムが、
前記特定された1つまたは複数の同位元素を、事前定義された1つまたは複数の同位元素の任意の組み合わせを有することが知られている、複数の物質、複数の物品および複数の製品のうちの少なくとも1つに関連する事前定義された1つまたは複数の同位元素と比較するステップと、
前記特定された1つまたは複数の同位元素の前記比較に基づいて、前記特定された1つまたは複数の同位元素の1つまたは複数を有し、前記コンテナの前記内容物内にあると思われる少なくとも1つの物質、物品または製品を特定するステップとによって、前記特定された1つまたは複数の同位元素の1つまたは複数に関連する物質の特定にさらに適合される、請求項37に記載のシステム。
【請求項41】
コンテナ内の内容物に関連する同位元素を特定する方法であって、
コンテナの外側およびコンテナに近接して配置された複数の放射線センサによって、前記コンテナおよびその内容物に関連する放射線データを表すスペトクトルデータセットを収集するステップと、
同位元素特定のために、ガンマスペトクトルおよび中性子の存在の両方を使用して、前記収集されたスペトクトルデータセットから前記コンテナの前記内容物に関連する1つまたは複数の同位元素を順次特定するステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−511153(P2010−511153A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538533(P2009−538533)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/085578
【国際公開番号】WO2008/118219
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(508144897)イノベイティブ アメリカン テクノロジー, インコーポレイテッド (4)
【出願人】(509147662)
【Fターム(参考)】