説明

コンテンツ記録装置、コンテンツ配信システムおよび制御プログラム

【課題】映画等のコンテンツの記録媒体の販売と同時に、高品質なコンテンツを提供することができ、価格を低く抑えることができ、さらに、確実に著作権保護を図る。
【解決手段】通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体104に記録するコンテンツ記録装置10であって、配信サーバからコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得部101と、記録媒体104に固有のメディアIDを記録媒体104から抽出し、鍵発行サーバ14に対して、メディアIDを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバ14から鍵情報を取得する鍵情報取得部102と、取得したコンテンツデータおよび鍵情報を記録媒体104に記録する記録部103と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体に記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、VOD(Video On Demand)によるコンテンツの配信サービスが行なわれている。VODでは、ストリーミング方式とダウンロード方式とがある。ストリーミング方式は、音声や動画などのマルチメディアファイルを転送・再生する方式の一種であり、ファイルをダウンロードするのと同時に再生をすることにより、待ち時間の短縮を図ったものである。また、ダウンロード方式とは、他のコンピュータから転送されたファイルを受信する方式である。ダウンロード方式では、受信した後でファイルを再生する。また、ダウンロード方式には、EST(Electric Sell Through)も知られている。
【0003】
また、特開2006−331410号公報(特許文献1)には、コンテンツのダウンロード方法が提案されている。この方法は、記録媒体をネットワーク対応機器に接続し、通信ネットワークを介して、ネットワーク対応機器とサーバとの間で接続を確立する。そして、ネットワーク対応機器を介して、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する。これらの動作の少なくとも1つは、記録媒体上に提供され、記録媒体がネットワーク対応機器に接続された後に起動され、または起動可能であるアプリケーションにより管理されている。
【特許文献1】特開2006−331410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、VODでは、コンテンツの配布時期に制度上の制限が課せられており、新作映画等の場合、コンテンツの記録媒体(例えば、DVD)が販売されてから3ヶ月〜6ヶ月を経過しないとVODによるコンテンツの配信をすることができない。このため、新作映画等を期待している視聴者にとっては、魅力の少ないシステムとなっている。また、ハリウッド等の海外のコンテンツ提供者からは承認が得られているものの、非常に高額となっている。さらに、国内では、限られたコンテンツ提供者の限られたコンテンツしか提供することができないため、視聴者の選択の幅が狭くなっている。
【0005】
一方、ESTでは、映画等のコンテンツのDVDの販売と同時にコンテンツを提供することができ、海外のコンテンツ提供者からも承認が得られているが、国内では、VODと同様に、限られたコンテンツ提供者の限られたコンテンツしか提供することができないため、視聴者の選択の幅が狭くなっている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、映画等のコンテンツの記録媒体の販売と同時に、高品質なコンテンツを提供することができ、価格を低く抑えることができ、さらに、確実に著作権保護を図ることができるコンテンツ記録装置、コンテンツ配信システムおよび制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のコンテンツ記録装置は、通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体に記録するコンテンツ記録装置であって、配信サーバからコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得部と、前記記録媒体に固有のメディアIDおよびMKB(Media Key Block)を前記記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、前記メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、前記鍵発行サーバから鍵情報を取得する鍵情報取得部と、前記取得したコンテンツデータおよび鍵情報を前記記録媒体に記録する記録部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように、記録媒体に固有のメディアIDおよびMKBを記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバから鍵情報を取得し、その取得したコンテンツデータおよび鍵情報を記録媒体に記録するので、確実に著作権保護を図ることができる。その結果、視聴者が、通信ネットワークを経由してコンテンツを購入し、そのコンテンツを、パーソナルコンピュータ(またはDVDレコーダ)を介して記録媒体(例えば、DVD)に直接書き込むサービスを実現することが可能となる。これにより、VODとは異なり、映画等のコンテンツの記録媒体(例えば、DVD)の販売と同時にコンテンツを提供することが可能となり、従来には存在しなかった全く新しい視聴スタイルを提案することが可能となる。また、市販のDVDのようにプレスや物流コストがかからないため、廉価で提供することができると共に、DVD化されていない未販売のコンテンツも配信することが可能となり、視聴者のコンテンツを選択する幅を広げることができる。
【0009】
(2)また、本発明のコンテンツ記録装置において、情報を画面に表示する表示部と、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定する判定部と、を備え、前記表示部は、前記判定の結果を表示することを特徴としている。
【0010】
このように、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定し、判定の結果を表示するので、視聴者のコンテンツ記録装置が、コンテンツを取得するための最新の環境となっているかどうかを把握し、それを視聴者へ報知することが可能となる。なお、判定部は、記録部に装填されているDVDがCPRMに対応するものであるかどうかの判定を行なっても良い。
【0011】
(3)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合、前記表示部は、エラー表示を行ない、前記コンテンツデータ取得部は、コンテンツデータの取得を停止することを特徴としている。
【0012】
このように、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合、エラー表示を行ない、コンテンツデータの取得を停止するので、視聴者のコンテンツ記録装置が、最新の環境となっていない場合は、コンテンツデータの取得ができなくなるため、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となる。
【0013】
(4)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合、前記表示部は、コンテンツ取得可能表示を行ない、前記コンテンツデータ取得部は、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得することを特徴としている。
【0014】
このように、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合、コンテンツ取得可能表示を行ない、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得するので、コンテンツデータの取得条件が整って初めてコンテンツデータの取得が可能となる。これにより、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となると共に、適法な手順を踏んだ視聴者は、本サービスの利益を享受することが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記表示部は、前記記録部がコンテンツデータを前記記録媒体に記録している最中に、コンテンツデータの再生時間、作品名、記録所要時間の推移の少なくとも一つを表示することを特徴としている。
【0016】
このように、記録部がコンテンツデータを前記記録媒体に記録している最中に、コンテンツデータの再生時間、作品名、記録所要時間の推移の少なくとも一つを表示するので、視聴者はコンテンツデータの内容や所要時間等、さらに記録の状況などを知ることができる。
【0017】
(6)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記コンテンツデータ取得部は、前記配信サーバから取得したコンテンツデータの全部または一部を、一時的に格納する格納部を備え、前記格納部に格納されたコンテンツデータの全部または一部が、前記記録部に記録され次第、その記録されたコンテンツデータの全部または一部を前記格納部から削除することを特徴としている。
【0018】
このように、配信サーバから取得したコンテンツデータの全部または一部を、いわゆる「一次キャッシュ」として、一時的に格納するので、通信ネットワークを介するコンテンツデータの取得速度と、記録媒体への書き込み速度が異なる場合であっても、その速度差を吸収して不都合を回避することができる。特に、コンテンツデータの取得速度が、記録媒体への書き込み速度よりも大きい場合、通信が滞ることも予想されるが、コンテンツデータを一時的に格納することによって、このような不都合を回避することができる。また、格納されたコンテンツデータの全部または一部が、記録部に記録され次第、その記録されたコンテンツデータの全部または一部を格納部から削除するので、一時的に格納されたコンテンツデータが不正に利用されることを防止することが可能となる。
【0019】
(7)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記コンテンツデータ取得部は、前記配信サーバからのコンテンツデータの取得が中断した場合は、再度、前記配信サーバからコンテンツデータの取得を行なうことを特徴としている。
【0020】
このように、配信サーバからのコンテンツデータの取得が中断した場合は、再度、前記配信サーバからコンテンツデータの取得を行なうので、コンテンツデータの全てを確実に取得することができる。コンテンツデータの取得の再開については、中断した箇所からコンテンツデータの取得を再開しても良いし、最初から取得しなおしても良い。また、コンテンツデータの取得が中断した場合、上記格納部に一時的に格納されたコンテンツデータの全部または一部を削除しても良い。これにより、重複した記録動作を回避したり、一時的に格納されたコンテンツデータが不正に利用されたりすることを防止することが可能となる。
【0021】
(8)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記記録部は、コンテンツデータの記録が完了したときは、配信サーバに対してコンテンツデータの記録完了を通知することを特徴としている。
【0022】
このように、コンテンツデータの記録が完了したときは、配信サーバに対してコンテンツデータの記録完了を通知するので、配信サーバは、コンテンツデータが適式に取得されたことを把握することができる。
【0023】
(9)また、本発明のコンテンツ記録装置において、前記記録媒体は、CPRM対応メディアであることを特徴としている。
【0024】
このように、記録媒体は、CPRM対応メディアであるので、著作権保護を十分に図ることが可能となる。
【0025】
(10)また、本発明のコンテンツ配信システムは、請求項1から請求項9のいずれかに記載のコンテンツ記録装置と、コンテンツデータを前記コンテンツ記録装置へ提供する配信サーバと、前記コンテンツ記録装置から取得したメディアIDおよびMKB(Media Key Block)に基づいて、鍵情報を生成し、生成した鍵情報を前記コンテンツ記録装置へ提供する鍵発行サーバと、を備えることを特徴としている。
【0026】
このように、記録媒体に固有のメディアIDおよびMKBを記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバから鍵情報を取得し、その取得したコンテンツデータおよび鍵情報を記録媒体に記録するので、確実に著作権保護を図ることができる。その結果、視聴者が、通信ネットワークを経由してコンテンツを購入し、そのコンテンツを、パーソナルコンピュータ(またはDVDレコーダ)を介して記録媒体(例えば、DVD)に直接書き込むサービスを実現することが可能となる。これにより、VODとは異なり、映画等のコンテンツの記録媒体(例えば、DVD)の販売と同時にコンテンツを提供することが可能となり、従来には存在しなかった全く新しい視聴スタイルを提案することが可能となる。また、市販のDVDのようにプレスや物流コストがかからないため、廉価で提供することができると共に、DVD化されていない未販売のコンテンツも配信することが可能となり、視聴者のコンテンツを選択する幅を広げることができる。
【0027】
(11)また、本発明のコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ記録装置からコンテンツ購入要求を受信したときに、課金処理を行なう課金サーバを更に備えることを特徴としている。
【0028】
このように、コンテンツ記録装置からコンテンツ購入要求を受信したときに、課金処理を行なうので、コンテンツを配信するビジネスを実現することが可能となる。
【0029】
(12)また、本発明のコンテンツ配信システムにおいて、前記課金サーバは、前記コンテンツ記録装置によるコンテンツデータの取得の履歴を記録することを特徴としている。
【0030】
このように、課金サーバは、コンテンツ記録装置によるコンテンツデータの取得の履歴を記録するので、コンテンツデータの取得を確実に把握することができると共に、履歴情報を統計的に処理することでき、マーケティング戦略に役立てることが可能となる。
【0031】
(13)また、本発明の制御プログラムは、通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体に記録する制御プログラムであって、コンテンツデータ取得部において、配信サーバからコンテンツデータを取得する処理と、鍵情報取得部において、前記記録媒体に固有のメディアIDおよびMKB(Media Key Block)を前記記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、前記メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、前記鍵発行サーバから鍵情報を取得する処理と、記録部において、前記取得したコンテンツデータおよび鍵情報を前記記録媒体に記録する処理と、判定部において、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定する処理と、表示部において、前記判定結果を画面に表示する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが実行し得る命令群として構成したことを特徴としている。
【0032】
このように、記録媒体に固有のメディアIDおよびMKBを記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバから鍵情報を取得し、その取得したコンテンツデータおよび鍵情報を記録媒体に記録するので、確実に著作権保護を図ることができる。その結果、視聴者が、通信ネットワークを経由してコンテンツを購入し、そのコンテンツを、パーソナルコンピュータ(またはDVDレコーダ)を介して記録媒体(例えば、DVD)に直接書き込むサービスを実現することが可能となる。これにより、VODとは異なり、映画等のコンテンツの記録媒体(例えば、DVD)の販売と同時にコンテンツを提供することが可能となり、従来には存在しなかった全く新しい視聴スタイルを提案することが可能となる。また、市販のDVDのようにプレスや物流コストがかからないため、廉価で提供することができると共に、DVD化されていない未販売のコンテンツも配信することが可能となり、視聴者のコンテンツを選択する幅を広げることができる。また、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定し、判定の結果を表示するので、視聴者のコンテンツ記録装置が、コンテンツを取得するための最新の環境となっているかどうかを把握し、それを視聴者へ報知することが可能となる。
【0033】
(14)また、本発明の制御プログラムにおいて、前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合に、前記表示部において、エラー表示を行なう処理と、前記コンテンツデータ取得部において、コンテンツデータの取得を停止する処理と、を更に含むことを特徴としている。
【0034】
このように、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合、エラー表示を行ない、コンテンツデータの取得を停止するので、視聴者のコンテンツ記録装置が、最新の環境となっていない場合は、コンテンツデータの取得ができなくなるため、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となる。なお、上記判定処理では、記録部に装填されているDVDがCPRMに対応するものであるかどうかの判定を行なっても良い。
【0035】
(15)また、本発明の制御プログラムにおいて、前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合に、前記表示部において、コンテンツ取得可能表示を行なう処理と、前記コンテンツデータ取得部において、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得する処理と、を更に含むことを特徴としている。
【0036】
このように、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、記録部が記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合、コンテンツ取得可能表示を行ない、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得するので、コンテンツデータの取得条件が整って初めてコンテンツデータの取得が可能となる。これにより、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となると共に、適法な手順を踏んだ視聴者は、本サービスの利益を享受することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、記録媒体に固有のメディアIDおよびMKBを記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバから鍵情報を取得し、その取得したコンテンツデータおよび鍵情報を記録媒体に記録するので、確実に著作権保護を図ることができる。その結果、視聴者が、通信ネットワークを経由してコンテンツを購入し、そのコンテンツを、パーソナルコンピュータ(またはDVDレコーダ)を介して記録媒体(例えば、DVD)に直接書き込むサービスを実現することが可能となる。これにより、VODとは異なり、映画等のコンテンツの記録媒体(例えば、DVD)の販売と同時にコンテンツを提供することが可能となり、従来には存在しなかった全く新しい視聴スタイルを提案することが可能となる。また、市販のDVDのようにプレスや物流コストがかからないため、廉価で提供することができると共に、DVD化されていない未販売のコンテンツも配信することが可能となり、視聴者のコンテンツを選択する幅を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。ユーザ端末10は、コンテンツ記録装置として機能し、コンテンツデータを取得して、その取得したコンテンツデータをDVD(記録媒体)に記録する。本実施形態における記録媒体は、後述するCPRM対応のメディアを用いる。例えば、DVD−RWまたはDVD−RAMである。但し、本発明は、これらに限定されるわけではなく、CPRM対応のメディアであれば、他の形態のメディアを使用することができる。
【0039】
WEBサーバ11は、ユーザ端末10が通信ネットワークを介して情報を送受信するサービスを提供する。配信サーバ12は、種々のコンテンツデータを格納するデータベースを備えており、ユーザ端末10からの要求に応じてコンテンツデータを配信する。課金サーバ13は、ユーザ端末10から、コンテンツ購入要求を受信したときに、課金処理を行なう。具体的には、ユーザが画面に表示されている「購入ボタン」を押下したときに、課金処理が行なわれる。また、課金サーバ13は、ユーザ端末10によるコンテンツデータの取得(購入)の履歴を記録する。鍵発行サーバ14は、ユーザ端末10が行なう鍵発行要求に含まれているメディアIDおよびMKB(Media Key Block)に基づいて、鍵情報を生成し、生成した鍵情報をユーザ端末10へ提供する。メディアIDは、DVDに固有のものであるが、MKBは固有のものではなく、ロット単位で同一のものである。ユーザ端末10、WEBサーバ11、配信サーバ12、鍵発行サーバ13、および課金サーバ13は、例えば、インターネットなどの通信ネットワーク100を介して相互に情報の送受信を行なうことができるように構成されている。
【0040】
図2は、ユーザ端末10の概略構成を示すブロック図である。コンテンツデータ取得部101は、配信サーバ12からコンテンツデータを取得する。鍵情報取得部102は、DVD(記録媒体)104に固有のメディアIDおよびMKBを、DVD104から抽出し、鍵発行サーバ14に対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なう。そして、鍵発行サーバ14から鍵情報を取得する。
【0041】
記録部103は、コンテンツデータ取得部101が取得したコンテンツデータおよび鍵情報取得部102が鍵情報を、DVD104に記録する。この記録部103は、具体的には、パーソナルコンピュータとしてのユーザ端末10が備えるDVDドライブ、またはDVDレコーダと、これらのデバイスに対してコンテンツデータをDVDに書き込む制御を行なうDVD書き込みプログラム(以下、「DVD書き込みアプリケーション」と呼称する。)とから構成されている。表示部105は、例えば、液晶ディスプレイから構成され、情報を画面に表示する。
【0042】
判定部106は、記録部103において、動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、記録部103がDVD104に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定する。また、記録部103に装填されているDVDがCPRMに対応するものであるかどうかの判定も行なう。判定部106は、具体的には、パーソナルコンピュータと、環境チェックプログラム(以下、「PC環境チェックアプリケーション」と呼称する。)とから構成される。通信インタフェース107は、通信ネットワークを介して情報を送受信する。これらの構成要素は、制御バス108によって相互に接続されている。
【0043】
上記のPC環境チェックアプリケーションは、以下の機能を有する。
(1)PCアプリケーションインストール機能
本発明に係るサービスのポータルサイトから、アプリケーションが実行できる機能を提供する。また、ユーザ端末10のオペレーティングシステムおよびDVDドライブが、本サービスを受けるための規定要件を満たしているかどうかをチェックする。
(2)ユーザ環境チェック機能
アプリケーションのインストール後に、ユーザ端末10の環境の変更等により、サービス利用付加となる事態を防止するため、ユーザ端末10のオペレーティングシステムのチェック、DVDドライブのチェック等の予め指定されたチェックを行なう。
(3)ファームウェアバージョンアップ機能
常に最新バージョンをユーザ端末10の環境で起動させるために、指定サーバと判別チェックを行ない、ファームアップ要否を判断して、ファームアップ更新を行なう。
【0044】
また、上記のDVD書き込みアプリケーションは、以下の機能を有する。
(1)DVDメディアチェック機能
ユーザ端末10(パーソナルコンピュータ)が備えるDVDドライブに挿入されているDVDメディアが、本発明に係るサービスに適用できるものであるかどうかをチェックする。本発明に係るサービスに適用できるDVDメディアは、例えば、DVD−RWまたはDVD−RAMである。但し、本発明は、これらに限定されるわけではない。
(2)メディア初期化機能
DVDメディア内のデータの有無の判別を行ない、初期化する必要があれば、ユーザ(視聴者)の操作を契機として、初期化を行なう。
(3)CPRM鍵発行サーバとの連携機能
CPRM(Copy Protection for Recordable Media)とは、DVD−VIDEOで採用されているCSS(Content Scramble System)の暗号化強度を高めると共に、ライセンス違反機器の無効化機能をサポートする記録可能メディア用の著作権保護技術のことである。本機能は、DVDドライブに挿入されているDVDメディアに対応したチケットを生成し、鍵情報発行サーバへ送信し、ダウンロード(取得)しようとしているコンテンツデータの鍵情報を取得する。この取得した「コンテンツ鍵」には適切なセキュリティ対策が施されている。
(4)コンテンツ情報取得機能
指定サーバ(配信サーバ12)に対してコンテンツデータのダウンロード要求を行なう。
(5)DVD書き込み機能
DVDメディアに対して鍵情報の書き込みを行ない、指定サーバからCPRM for Networkdownloadに対応した通信でダウンロードされたコンテンツデータを順次書き込む。DVDメディアに書き込む途中で中断した場合、中断した箇所より再開する。コンテンツデータのダウンロード速度とDVDメディアへの書き込み速度の相違を吸収するため、一度キャッシュして書き込みを行なう。なお、DVDメディアに書き込む途中で中断した場合は、キャッシュしたコンテンツデータを削除する。コンテンツデータの書き込みが完了したら、書き込み結果情報を、指定サーバへ通知する。
(6)通信暗号化機能
ユーザ端末10と鍵発行サーバ14との通信において、ID、パスワード、鍵情報等のセキュリティに関する情報は、適切な暗号化をして通信を行なう。
(7)通信再送機能
例えば、アプリケーションが通信するブロードバンドルータのポートが閉じられたような場合、適切に再送を行なう。
(8)GUI表示機能
DVDメディアへの書き込みの進捗状況を進捗バー等により画面表示する。
(9)コンテンツ試写機能
課金処理を行なわず、コンテンツの視聴を可能とさせるものである。前提条件としては、本機能を発揮するためには、ユーザ端末10が通信ネットワークに接続されていること、およびユーザ端末10に市販のDVD再生ソフトウェアがインストールされていることを要する。また、DVD書き込み機能において、DVDメディアにはコンテンツ鍵を書き込まず、DVD再生ソフトウェアのメモリに書き込むものとする。また、指定サーバからCPRM for Networkdownoadに対応した通信でダウンロードしたコンテンツデータをDVDメディアに順次書き込む。DVDメディアの再生を行なう場合、ユーザ端末10内のDVD再生ソフトウェアから指定した情報の取得を行ない、DVDメディア情報と共に指定サーバに鍵認証を要求し、認証結果を取得する。問題なく鍵認証が行なわれた場合は、DVD再生ソフトウェアで試写を行なう。
(10)追っかけ再生機能
DVDメディアにコンテンツデータの書き込みを行ないながら、同時にDVD再生ソフトウェアで再生する。
【0045】
図3は、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作を示す図である。通信ネットワーク(インターネット)100に接続可能なユーザ端末10は、WEBサーバ11を介して、情報を送受信することが可能である。ユーザ端末10において、ブラウザ(例えば、インターネットエクスプローラ:以下、「IE」と呼称する。)により、コンテンツ一覧が表示される。ユーザが押下可能なサムネイル画像を押下する(クリックする)と、ActiveXが起動する(1)。次に、PC環境チェックアプリケーションの存在をチェックし(2)、PC環境チェックアプリケーションがユーザ端末10内に存在しない場合は、その旨のメッセージとアプリケーションをダウンロードするためのURLを表示する(3)。一方、PC環境チェックアプリケーションがユーザ端末10内に存在する場合は、コンテンツ詳細画面が表示される(5)。なお、ActiveXは、OSがWindows(登録商標)XP/Windows(登録商標)VISTAであるか、および、IE6以上であるかどうかについても確認している。
【0046】
ユーザが購入手続ボタンを押下(クリック)すると、購入手続要求が実行される(5)。課金サーバ13において、「.dvdc」ファイルのダウンロード要求が実施され(6)、課金サーバ13からユーザ端末10に「.dvdc」ファイルが転送される(7)。ユーザ端末10では、PC環境チェックアプリケーションが起動し(8)、起動後に「.dvdc」ファイルを削除する。PC環境チェックアプリケーションは、次のことをチェックする。すなわち、
(a)ドライブチェック処理を実施して、エラーの場合は、異常結果のURLをIEに送信する(9)。その結果、ドライブについてのエラーメッセージが画面に表示される。
(b)バージョンチェック処理を実施して、エラーの場合は、異常結果のURLをIEに送信する(9)。その結果、バージョンについてのエラーメッセージが画面に表示される。
(c)上記(a)、(b)の処理が正常に終了した場合は、コンテンツ購入確認画面のURLをIEに送信する(10)。その結果、コンテンツ購入確認画面が表示される。例えば、購入ボタン、再ダウンロードボタン、または再購入ボタンなどが表示される。
【0047】
ユーザが、コンテンツ購入確認画面において、購入ボタンを押下(クリック)すると、WEBサーバ11に対して課金要求が行なわれる(11)。また、課金サーバ13において、課金処理が行なわれる(12)。この課金処理が正常に終了しない場合は、エラーである旨のデータが返送され(13)、ユーザ端末10でそれが表示される(14)。一方、課金処理が正常に終了した場合は、「.dvdc」ファイルのダウンロード要求が実施され(15)、課金サーバ13からユーザ端末10に「.dvdc」ファイルが転送される(16)。ユーザ端末10では、DVD書き込みアプリケーションが起動し(16)、起動後に「.dvdc」ファイルを削除する。DVD書き込みアプリケーションは、次の動作を行なう。すなわち、メディアチェックを行ない、必要に応じて初期化をする。その後、コンテンツデータの要求を行なう(19)。
【0048】
配信サーバ12からコンテンツデータを取得すると、取得したコンテンツデータをDVDメディアに書き込む(20)。次に、鍵発行要求を行なう(21)。DVDメディアからメディアIDおよびMKBを抽出し(22)、WEBサーバ11を経由して、鍵発行サーバ14に対して鍵発行要求を実施する(23)(24)(25)。鍵発行サーバ14は、ユーザ端末10から取得したメディアIDおよびMKBに基づいて、コンテンツ鍵を生成し、ユーザ端末10へ返送する(26)(27)(28)。ユーザ端末10は、鍵情報を取得すると(29)、取得した鍵情報をDVDメディアに書き込む(30)。書き込みが正常に終了すると、ユーザ端末10は、書き込み結果を、WEBサーバ11を介して課金サーバ13へ通知する(31)。課金サーバ13では、購入履歴データベースに書き込み結果を記録し(32)、書き込み結果完了を、WEBサーバ11を介してユーザ端末10へ通知する(34)。これにより、ユーザ端末10のアプリケーションの動作は終了する。
【0049】
図4は、PC環境チェックアプリケーションの動作を示すフローチャートである。まず、PC環境チェックアプリケーションが起動すると、画面にポップアップでメッセージを表示する。例えば、「お客様のPCが本サービスに対応しているかチェックを行います。焼き込みを行うDVDドライブにCPRM対応のDVDメディアを入れて下さい。複数台ドライブがある場合は、焼き込みを行いたいドライブにのみDVDメディアを入れて下さい。」といったメッセージを表示する。
【0050】
ユーザが画面に表示されているOKボタンを押下(クリック)すると、「DVD書き込みアプリケーション」が、最新バージョンであるかどうかを判断する(ステップS1)。最新バージョンでない場合は、Web画面において、バージョンNG画面を表示する(ステップS2)。ステップS1において、最新バージョンである場合は、次に、nを「DVD−RW、またはDVD−RAM対応のドライブ数」として(ステップS3)、nが正であるかどうかを判断する(ステップS4)、nが正でない場合は、DVD−RW、またはDVD−RAM対応のドライブが無いこととなるため、Web画面において、ドライブNG画面を表示する(ステップS5)。ステップS4において、nが正である場合は、n番目のドライブにメディアが挿入されているかどうかを判断する(ステップS6)。n番目のドライブにメディアが挿入されていない場合は、n=n−1として(ステップS7)、nが正であるかどうかを判断する(ステップS8)。nが正でない場合は、「CPRM対応のメディアを入れて下さい。」といったメッセージを画面に表示して(ステップS9)、キャンセルボタンが押下された場合は、ステップS5へ遷移して、Web画面において、ドライブNG画面を表示する。一方、OKボタンが押下された場合は、ステップS15へ遷移する。ステップS15では、n=DVD−RW、またはDVD−RAM対応ドライブ数として、ステップS6へ遷移する。なお、記録部(ここではDVDドライブ)に装填されているDVDがCPRMに対応するものであるかどうかの判定を行なっても良い。また、ここでは、記録媒体として、DVD−RWまたはDVD−RAMを例にとって説明しているが、本発明は、これらに限定されないため、記録部に装填または装着されている記録媒体が、CPRMに対応したものであるかどうかを判定しても良い。
【0051】
ステップS8において、nが正である場合は、ステップS6へ遷移し、再度判断を行なう。ステップS6において、n番目のドライブにメディアが挿入されている場合は、メディアがDVD−RW、またはDVD−RAMであるかどうかを判断する(ステップS10)。メディアが、DVD−RW、またはDVD−RAMでない場合は、「DVD−RW、またはDVD−RAMを入れて下さい。」とのメッセージを表示し(ステップS11)、キャンセルボタンが押下された場合は、ステップS5に遷移して、Web画面において、ドライブNG画面を表示する。一方、ステップS11において、OKボタンが押下された場合は、ステップS15へ遷移する。
【0052】
ステップS10において、メディアが、DVD−RW、またはDVD−RAMである場合は、ドライブとメディアがCPRMに対応したものであるかどうかを判断する(ステップS12)。ドライブとメディアがCPRMに対応したものでない場合は、その旨を報知するメッセージを表示して(ステップS13)、キャンセルボタンが押下された場合は、ステップS5に遷移して、Web画面において、ドライブNG画面を表示する。一方、OKボタンが押下された場合は、ステップS15に遷移する。
【0053】
ステップS12において、ドライブとメディアがCPRMに対応したものである場合は、Web画面において、コンテンツ購入確認画面へ遷移する(ステップS14)。
【0054】
図5は、DVD書き込みアプリケーションの動作を示すフローチャートである。DVD書き込みアプリケーションが起動すると、まず、DVD−RW、またはDVD−RAM対応ドライブの存在チェックを行ない、GUI画面に表示する。次に、GUI画面に書き込み可能なドライブを表示する(ステップT1)。このとき、ユーザが開始ボタンを押下すると次のステップへ遷移する。次に、メディアがDVD−RW、またはDVD−RAMであるかどうかを判断し(ステップT2)、DVD−RW、またはDVD−RAMでない場合は、「DVD−RW、またはDVD−RAMを入れて下さい。」というメッセージを表示し(ステップT3)、キャンセルボタンが押下された場合は、ステップT1へ遷移し、OKボタンが押下された場合は、ステップT2へ遷移する。
【0055】
ステップT2において、メディアがDVD−RW、またはDVD−RAMである場合は、メディアがCPRMに対応したものであるかどうかを判断し(ステップT4)、CPRMに対応していない場合は、「CPRM対応のメディアを入れて下さい。」とのメッセージを表示し(ステップT5)、キャンセルボタンが押下された場合は、ステップT1へ遷移し、OKボタンが押下された場合は、ステップT2へ遷移する。一方、ステップT4において、メディアがCPRMに対応したものである場合は、メディアの中にデータが入っているかどうかを判断する(ステップT6)。メディアの中にデータが入っている場合は、コンテンツIDが一致しているか、不一致であるかを判断する(ステップT7)。一致している場合は、前回の書き込み後からコンテンツデータをメディアに書き込む(ステップT8)。一方、コンテンツIDが不一致である場合は、ステップT9へ移行する。
【0056】
ステップT6において、メディアの中にデータが入っていない場合は、初期化するかどうかを判断する(ステップT9)。このステップは、ユーザに対して選択させる画面を表示することにより行なう。初期化しない場合は、「DVDメディアを入れ替えてから、再度開始ボタンを押して下さい。」といったメッセージを表示し(ステップT10)、ステップT1へ遷移する。一方、ステップT9において、初期化する場合は、初期化処理を行ない(ステップT11)、その後でコンテンツIDをDVDへ書き込む(ステップT12)。次に、コンテンツデータを先頭からDVDへ書き込む(ステップT13)。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、DVDに固有のメディアIDおよびMKBをDVDから抽出し、鍵発行サーバに対して、メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、鍵発行サーバから鍵情報を取得し、その取得したコンテンツデータおよび鍵情報をDVDに記録するので、確実に著作権保護を図ることができる。その結果、視聴者が、通信ネットワークを経由してコンテンツを購入し、そのコンテンツを、パーソナルコンピュータ(またはDVDレコーダ)を介してDVDに直接書き込むサービスを実現することが可能となる。これにより、VODとは異なり、映画等のコンテンツのDVDの販売と同時にコンテンツを提供することが可能となり、従来には存在しなかった全く新しい視聴スタイルを提案することが可能となる。また、市販のDVDのようにプレスや物流コストがかからないため、廉価で提供することができると共に、DVD化されていない未販売のコンテンツも配信することが可能となり、視聴者のコンテンツを選択する幅を広げることができる。また、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、記録部がDVDに対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定し、判定の結果を表示するので、ユーザ端末10が、コンテンツを取得するための最新の環境となっているかどうかを把握し、それを視聴者へ報知することが可能となる。
【0058】
さらに、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または記録部がDVDに対してコンテンツデータを記録可能でない場合、エラー表示を行ない、コンテンツデータの取得を停止するので、ユーザ端末10が、最新の環境となっていない場合は、コンテンツデータの取得ができなくなるため、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となる。
【0059】
また、判定の結果、記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、記録部がDVDに対してコンテンツデータを記録可能である場合、コンテンツ取得可能表示を行ない、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得するので、コンテンツデータの取得条件が整って初めてコンテンツデータの取得が可能となる。これにより、不正または違法なコンテンツの視聴が回避され、著作権保護を確実に図ることが可能となると共に、適法な手順を踏んだ視聴者は、本サービスの利益を享受することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】ユーザ端末10の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作を示す図である。
【図4】、PC環境チェックアプリケーションの動作を示すフローチャートである。
【図5】DVD書き込みアプリケーションの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10 ユーザ端末
11 WEBサーバ
12 配信サーバ
13 課金サーバ
14 鍵発行サーバ
100 通信ネットワーク
101 コンテンツデータ取得部
102 鍵情報取得部
103 記録部
105 表示部
106 判定部
107 通信インタフェース
108 制御バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体に記録するコンテンツ記録装置であって、
配信サーバからコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得部と、
前記記録媒体に固有のメディアIDおよびMKB(Media Key Block)を前記記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、前記メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、前記鍵発行サーバから鍵情報を取得する鍵情報取得部と、
前記取得したコンテンツデータおよび鍵情報を前記記録媒体に記録する記録部と、を備えることを特徴とするコンテンツ記録装置。
【請求項2】
情報を画面に表示する表示部と、
前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定する判定部と、を備え、
前記表示部は、前記判定の結果を表示することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合、
前記表示部は、エラー表示を行ない、
前記コンテンツデータ取得部は、コンテンツデータの取得を停止することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合、
前記表示部は、コンテンツ取得可能表示を行ない、
前記コンテンツデータ取得部は、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記記録部がコンテンツデータを前記記録媒体に記録している最中に、コンテンツデータの再生時間、作品名、記録所要時間の推移の少なくとも一つを表示することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
前記コンテンツデータ取得部は、前記配信サーバから取得したコンテンツデータの全部または一部を、一時的に格納する格納部を備え、
前記格納部に格納されたコンテンツデータの全部または一部が、前記記録部に記録され次第、その記録されたコンテンツデータの全部または一部を前記格納部から削除することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
前記コンテンツデータ取得部は、前記配信サーバからのコンテンツデータの取得が中断した場合は、再度、前記配信サーバからコンテンツデータの取得を行なうことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項8】
前記記録部は、コンテンツデータの記録が完了したときは、配信サーバに対してコンテンツデータの記録完了を通知することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項9】
前記記録媒体は、CPRM対応メディアであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載のコンテンツ記録装置と、
コンテンツデータを前記コンテンツ記録装置へ提供する配信サーバと、
前記コンテンツ記録装置から取得したメディアIDおよびMKB(Media Key Block)に基づいて、鍵情報を生成し、生成した鍵情報を前記コンテンツ記録装置へ提供する鍵発行サーバと、を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項11】
前記コンテンツ記録装置からコンテンツ購入要求を受信したときに、課金処理を行なう課金サーバを更に備えることを特徴とする請求項10記載のコンテンツ配信システム。
【請求項12】
前記課金サーバは、前記コンテンツ記録装置によるコンテンツデータの取得の履歴を記録することを特徴とする請求項11記載のコンテンツ配信システム。
【請求項13】
通信ネットワークを介して取得したコンテンツデータを記録媒体に記録する制御プログラムであって、
コンテンツデータ取得部において、配信サーバからコンテンツデータを取得する処理と、
鍵情報取得部において、前記記録媒体に固有のメディアIDおよびMKB(Media Key Block)を前記記録媒体から抽出し、鍵発行サーバに対して、前記メディアIDおよびMKBを含む鍵発行要求を行なって、前記鍵発行サーバから鍵情報を取得する処理と、
記録部において、前記取得したコンテンツデータおよび鍵情報を前記記録媒体に記録する処理と、
判定部において、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであるかを判定すると共に、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能であるかどうかを判定する処理と、
表示部において、前記判定結果を画面に表示する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが実行し得る命令群として構成したことを特徴とする制御プログラム。
【請求項14】
前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在せず、若しくはそのプログラムが最新のものでない場合、または前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能でない場合に、
前記表示部において、エラー表示を行なう処理と、
前記コンテンツデータ取得部において、コンテンツデータの取得を停止する処理と、を更に含むことを特徴とする請求項13記載の制御プログラム。
【請求項15】
前記判定の結果、前記記録部の動作を制御するプログラムが存在し、かつそのプログラムが最新のものであって、前記記録部が前記記録媒体に対してコンテンツデータを記録可能である場合に、
前記表示部において、コンテンツ取得可能表示を行なう処理と、
前記コンテンツデータ取得部において、ユーザの操作を契機として、配信サーバからコンテンツデータを取得する処理と、を更に含むことを特徴とする請求項13記載の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−77346(P2009−77346A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246762(P2007−246762)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】