説明

コンデンサ装置の製造方法

【課題】高容量でかつ絶縁抵抗が確保されたコンデンサ装置を製造することのできるコンデンサ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】積層された複数のコンデンサ350a、350b、350cから構成されるコンデンサ積層体450に貫通孔470P、470Gを形成する貫通孔形成工程と、貫通孔形成工程の後、貫通孔470P、470Gに、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、デスミア工程の後、貫通孔470P、470Gに、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコンデンサを内蔵した配線基板などのコンデンサ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化の要求に伴い、電子機器を構成する電子部品の実装効率を高めることが要望されている。そのため、実装効率を高めるため、コンデンサを内蔵した配線基板が特許文献1に開示されている。
【0003】
しかし、この公報に開示された配線基板では、配線基板に内蔵されたコンデンサの高容量化と絶縁抵抗の確保とを両立することは困難である。
【0004】
なぜなら、コンデンサを高容量化しようとすると、コンデンサの誘電体層を薄くすることになるが、誘電体層を薄くすれば、コンデンサの絶縁抵抗が低下する。一方、コンデンサの絶縁抵抗を確保しようとすると、誘電体層を厚くすることになるが、これではコンデンサの容量を大きくできない。
【0005】
また、誘電体層と電極とを交互に積層して形成された複数のコンデンサを内蔵する配線基板が特許文献2に開示されている。この公報に開示された配線基板は、誘電体層の厚さをコンデンサの絶縁抵抗を得るために必要な厚さとし、複数のコンデンサを配置することで、全体としての容量を大きくしている。
【0006】
もっとも、この公報に開示された配線基板では、一つのコンデンサに欠陥があれば、コンデンサ積層体全体に欠陥が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−191559号公報
【特許文献2】特開2004−228190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、高容量でかつ絶縁抵抗が確保されたコンデンサ装置を製造することのできるコンデンサ装置の製造方法を提供することを目的とする。また、コンデンサを積層したコンデンサ積層体を内蔵する配線基板の歩留まりを確保することのできるコンデンサ装置の製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコンデンサ装置の製造方法は、積層された複数のコンデンサから構成されるコンデンサ積層体に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔形成工程の後、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るコンデンサ装置の製造方法は、誘電体層と、前記誘電体層を挟んで対向する第1電極と第2電極と、を有するコンデンサを作成する、コンデンサ作成工程と、前記コンデンサを、接着剤を介して積層することでコンデンサ積層体を作成する、コンデンサ積層体作成工程と、支持板上に、第1の外部端子と第2の外部端子を有する第1の外部接続端子を形成する第1の外部接続端子形成工程と、前記第1の外部接続端子と支持板上に複数の樹脂絶縁層と複数の導体回路を交互に積層するビルドアップ工程と、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層に、前記コンデンサ積層体を埋設させる埋設工程と、前記コンデンサ積層体に、前記第1電極又は前記第2電極同士を貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、前記シードメタル形成工程の後、前記シードメタル上にメッキして、前記貫通孔に金属導体を充填させることで、前記第1電極同士を電気的に接続する第1のヴィア導体と、前記第2電極同士を電気的に接続する第2のヴィア導体と、を作成するヴィア導体作成工程と、前記第1のヴィア導体と電気的に接続している第3の外部端子と、前記第2のヴィア導体と電気的に接続している第4の外部端子と、を作成する第2の外部接続端子形成工程と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るコンデンサ装置の製造方法は、誘電体層と、前記誘電体層を挟んで対向する第1電極と第2電極と、を有するコンデンサを作成する、コンデンサ作成工程と、前記コンデンサを、接着剤を介して積層することでコンデンサ積層体を作成する、コンデンサ積層体作成工程と、支持板上に、第1の外部端子と第2の外部端子を有する第1の外部接続端子を形成する第1の外部接続端子形成工程と、前記第1の外部接続端子と支持板上に複数の樹脂絶縁層と複数の導体回路を交互に積層するビルドアップ工程と、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層に、前記コンデンサ積層体を埋設させる埋設工程と、前記コンデンサ積層体に、前記第1電極又は前記第2電極同士を貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、前記シードメタル形成工程の後、前記シードメタル上にメッキして、前記貫通孔に金属導体を充填させることで、前記第1電極同士を電気的に接続する第1のヴィア導体と、前記第2電極同士を電気的に接続する第2のヴィア導体と、を作成するヴィア導体作成工程と、前記複数の樹脂絶縁層のうち、前記支持板とは反対側に位置する最上層の樹脂絶縁層上に第3の外部端子と第4の外部端子を有する第2の外部接続端子を形成する第2の外部接続端子形成工程と、前記支持板を除去する支持板除去工程と、を備え、前記第1の外部端子と前記第3の外部端子は前記第1のヴィア導体と電気的に接続していて、前記第2の外部端子と前記第4の外部端子は前記第2のヴィア導体と電気的に接続している、ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るコンデンサ装置の製造方法は、
単層コンデンサに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔形成工程の後、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、
前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高容量でかつ絶縁抵抗が確保されたコンデンサ装置を製造することができる。また、コンデンサを積層したコンデンサ積層体を内蔵する配線基板を製造する場合には、その歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンデンサ装置(配線基板)の断面図である。
【図2A】第1電極と誘電体層と第2電極とを積層させる、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2B】第1電極と第2電極とをずれた位置にさせる、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2C】コンデンサを積層させてコンデンサ積層体を作成する、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2D】接着剤を介在させてコンデンサを積層させたコンデンサ積層体を示す、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2E】ベース基板の上に樹脂絶縁層を積層する、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2F】樹脂絶縁層にコンデンサ積層体を埋設させる、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2G】コンデンサ積層体が埋設された樹脂絶縁層を示す、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2H】樹脂絶縁層にコンデンサ積層体を積層させる、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2I】樹脂絶縁層にさらに第2の樹脂絶縁層を積層する、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2J】コンデンサ積層体にヴィア導体のための貫通孔を設ける、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2K】実施形態1に係る配線基板のコンデンサ積層体を上面から説明する図である。
【図2L】実施形態1に係る配線基板のコンデンサ積層体を上面から説明する図である。
【図2M】第2の樹脂絶縁層に導体パターンを設ける、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2N】誘電体層のダメージに起因したコンデンサ電極間の短絡現象を説明する図である。
【図2O】誘電体層のダメージに起因したコンデンサ電極間の短絡現象を説明する写真である。
【図2P】湿式のデスミア処理により製造されたコンデンサ装置の例を説明する図である。
【図2Q】湿式のデスミア処理により製造されたコンデンサ装置の例を説明する写真である。
【図2R】乾式のデスミア処理により製造されたコンデンサ装置の例を説明する図である。
【図2S】乾式のデスミア処理により製造されたコンデンサ装置の例を説明する写真である。
【図2T】さらに第3の樹脂絶縁層を積層する、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2U】第3の樹脂絶縁層に導体パターンを設ける、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2V】ソルダーレジストに複数の開口部を設ける、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2W】半田バンプを介してICチップが実装される、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図2X】ベース基板の下面にも樹脂絶縁層を設ける、実施形態1に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るコンデンサ装置(配線基板)の断面図である。
【図4A】コンデンサ積層体にヴィア導体のための貫通孔を設ける、実施形態2に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図4B】コンデンサ積層体及び樹脂絶縁層の上面に導体パターンを設ける、実施形態2に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図4C】さらに第2の樹脂絶縁層を設ける、実施形態2に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図4D】ベース基板の下面にも樹脂絶縁層を設ける、実施形態2に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図5】第1電極及び第2電極の開口部にヴィア導体が形成されているコンデンサ積層体を示す、実施形態3に係るコンデンサ装置(配線基板)の断面図である。
【図6A】実施形態3に係る配線基板のコンデンサ積層体を格子状に貫通するヴィア導体を説明する図である。
【図6B】実施形態3に係る配線基板のコンデンサ積層体を千鳥状に貫通するヴィア導体を説明する図である。
【図7A】第1電極と誘電体層と第2電極とを積層させる、実施形態3に係る配線基板のコンデンサ単体を説明する図である。
【図7B】第1電極及び第2電極がパターニングされた、実施形態3に係る配線基板のコンデンサ単体を説明する図である。
【図7C】実施形態3に係る配線基板のパターニングされたコンデンサを第1電極側から説明する平面図である。
【図7D】実施形態3に係る配線基板のパターニングされたコンデンサを第2電極側から説明する平面図である。
【図7E】パターニングされたコンデンサを積層させてコンデンサ積層体を作成する、実施形態3に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図7F】パターニングされたコンデンサを、接着剤を介在させて積層させるコンデンサ積層体を示す、実施形態3に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図7G】パターニングされたコンデンサを積層させたコンデンサ積層体を樹脂絶縁層に埋設させる、実施形態3に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図7H】パターニングされたコンデンサを積層させたコンデンサ積層体に貫通孔を設ける、実施形態3に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図7I】パターニングされたコンデンサを積層させたコンデンサ積層体にヴィア導体及び導体パターンを設ける、実施形態3に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るコンデンサ装置(配線基板)の断面図である。
【図9A】実施形態4に係る配線基板の製造工程において、樹脂絶縁層を支える支持板を説明する図である。
【図9B】実施形態4に係る配線基板の製造工程において、支持板の上にメッキレジストを形成する工程を説明する図である。
【図9C】実施形態4に係る配線基板の製造工程において、支持板の上に形成されたメッキレジストに複数の開口部を形成する工程を説明する図である。
【図9D】メッキレジストの開口部に外部端子を形成する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9E】支持板の上に第1の樹脂絶縁層を形成する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9F】支持板の上に形成された第1の樹脂絶縁層に貫通孔を形成する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9G】第1の樹脂絶縁層の上面に導体パターンを形成する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9H】第1の樹脂絶縁層の上に第2の樹脂絶縁層を形成する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9I】第2の樹脂絶縁層にコンデンサ積層体を埋設させる、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9J】コンデンサ積層体が埋設された第2の樹脂絶縁層を説明する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9K】コンデンサ積層体が埋設された第2の樹脂絶縁層に貫通孔を設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9L】第2の樹脂絶縁層にヴィア導体及び導体パターンを設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9M】第2の樹脂絶縁層の上に第3の樹脂絶縁層を設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9N】第3の樹脂絶縁層に貫通孔を設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9O】第3の樹脂絶縁層にヴィア導体及び導体パターンを設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9P】第3の樹脂絶縁層の上にソルダーレジストを設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9Q】ソルダーレジストに設けられた複数の開口部に外部端子を設ける、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図9R】支持板をエッチングにて除去する、実施形態4に係る配線基板の製造工程を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態4に係る配線基板の変形例を示す図である。
【図11】ベース基板の下方に設けられた樹脂絶縁層にもコンデンサ積層体を埋設する、実施形態5に係るコンデンサ装置(配線基板)の断面図である。
【図12】単層コンデンサを有するコンデンサ装置の例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の具体的一実施態様における配線基板の第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る配線基板900は、第1の樹脂絶縁層200aと、第1の樹脂絶縁層200aを支えるベース基板100と、第1の樹脂絶縁層200aに埋設されたコンデンサ積層体450と、を有する。
【0017】
第1の樹脂絶縁層200aの上には第2の樹脂絶縁層200bが設けられている。第2の樹脂絶縁層200bの上には第3の樹脂絶縁層200cが設けられている。
【0018】
コンデンサ積層体450の上面は第1の樹脂絶縁層200aの上面にあり、コンデンサ積層体450の上面と第1の樹脂絶縁層200aの上面とは面一になっている。
【0019】
コンデンサ積層体450は、コンデンサ350a、350b、350cを接着剤340を介して積層したものである。接着剤340は、絶縁性樹脂であり、例えばエポキシ樹脂である。
【0020】
コンデンサ積層体450の厚みは、例えば、30μm〜100μmである。100μmよりも厚いとコンデンサ積層体450を樹脂絶縁層200aに埋没させることが困難となるおそれがあるからであり、一方、30μmよりも薄いと構造が微細となりすぎて配線基板の製造効率を阻害する可能性がありうるからである。
【0021】
コンデンサ350a、350b、350cは、それぞれ、誘電体層330と、平板状の第1電極310と、第2電極320とを有する。第1電極310と第2電極320とは、同一サイズの直方体の平板導体から形成される。第1電極310と第2電極320とは互いに電極の平面方向に所定距離シフトしており、一部において重なっている。第1電極310と第2電極320とは、例えば、長さ0.2mm〜8mmで、幅0.1mm〜8mmで、厚み3μm〜15μmである。第1電極310と第2電極320とは銅で形成されている。
【0022】
誘電体層330の厚みは例えば0.5μm〜10μmである。誘電体層330の厚みを0.5μmよりも小さくするとコンデンサの絶縁抵抗が悪くなる可能性があるからであり、一方、10μmよりも大きくするとコンデンサの高容量化が満足できる値とならないおそれがあるからである。
【0023】
コンデンサ350同士の距離、例えば、コンデンサ350aの第2電極320とコンデンサ350bの第1電極310との距離(即ち、接着剤340が形成する接着剤層の厚み)は、例えば2〜12μmである。2μmよりも小さいとコンデンサ350間に充填される接着剤340の量が不十分となり、コンデンサ350同士の接着力が弱くなる可能性があるからである。また、接着剤340の厚みが薄いと、コンデンサ間(350aと350b間や350bと350c間)で絶縁抵抗が小さくなる可能性があるからである。一方、12μmよりも大きくなると、コンデンサ積層体450の厚みが増大することで配線基板の微細な配線構造を阻害するおそれがあるからである。
【0024】
誘電体層330は、セラミック製の誘電体層である。誘電体層330は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)で形成される。なお、誘電体層330には、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂に誘電性フィラーを含有するものを用いることができる。熱可塑性樹脂は例えばポリエステル、熱硬化性樹脂は例えばフェノール樹脂を使用できる。誘電性フィラーは例えばチタン酸ストロンチウム(SrTiO)で形成される。
【0025】
ヴィア導体411が、コンデンサ350a、350b、350cのそれぞれの第1電極310同士を電気的に接続している。また、ヴィア導体412が、コンデンサ350a、350b、350cのそれぞれの第2電極320同士を電気的に接続している。
【0026】
ベース基板100の上には複数の導体パターン(導体回路)421(421P、421G、421S)が設けられ、第2の樹脂絶縁層200bの上には複数の導体パターン423(423P、423G、423S)が設けられている。第3の樹脂絶縁層200cの上には複数の導体パターン425(425P、425G、425S)が設けられている。
【0027】
そして、ヴィア導体411は、導体パターン421Pと導体パターン423Pとを電気的に接続している。ヴィア導体412は、導体パターン421Gと導体パターン423Gとを電気的に接続している。ヴィア導体412に接続している導体パターン423Gはグランドラインに接続され、ヴィア導体411に接続している導体パターン423Pは電源ラインに接続される。ヴィア導体441Pは、導体パターン423Pと導体パターン425Pとを電気的に接続している。ヴィア導体441Gは、導体パターン423Gと導体パターン425Gとを電気的に接続している。
【0028】
ベース基板100の厚みは、200μm〜800μmである。ベース基板100は、例えばガラスエポキシ樹脂で構成される。ガラスエポキシ樹脂は、ガラスフィラーが添加されたエポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させたものである(ガラスエポキシ基板)。
【0029】
第1の樹脂絶縁層200a、第2の樹脂絶縁層200b、第3の樹脂絶縁層200cの厚みは、例えば40μm〜120μmである。樹脂絶縁層200a、200b、200cは、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂から構成される。樹脂絶縁層は、ガラス、アルミナ、炭酸バリウムなどの無機粒子と熱硬化性樹脂とからなっていてもよい。ガラスエポキシ基板にて、ガラスクロスが2枚重なったガラスエポキシ基板でもよい。
【0030】
配線基板900は、例えば、電気信号を導体パターン421S等を介して伝達する等の各種の電気信号処理を行うことができる。
【0031】
また、配線基板900は、コンデンサ積層体450が樹脂絶縁層200a内に設けられているので、省スペース化を達成しながら、ノイズをデカップリングすることができる。
【0032】
また、配線基板900に実装されるICチップの近くにコンデンサを形成できるので、ICへの電源供給の遅延を防止できる。
【0033】
また、樹脂絶縁層200aに内蔵されたコンデンサ積層体450は、コンデンサ350を積層させたものである。そのため、各コンデンサ350の誘電体層330の厚みを所定の厚さに保つことで、各コンデンサ350の絶縁抵抗値を一定程度に維持しつつ、かつ、複数のコンデンサ350を積層しているからコンデンサ積層体450全体としてコンデンサ容量の増大化を達成することができる。だから、コンデンサ容量の高容量化とコンデンサの高絶縁性化とを両立させることができる。
【0034】
また、平板状の第1電極310と、第1電極310から電極の面方向にシフトした位置にある第2電極320と、誘電体層330とで、コンデンサ350を形成している。このように、各コンデンサ350の第1電極310と第2電極320とをずらして交互に形成しているから、各コンデンサ350a、350b、350cの第1電極310同士を電気的に接続するヴィア導体411と第2電極320同士を電気的に接続するヴィア導体412とを設けることが容易となる。だから、第1電極310と第2電極320とが対向している領域にヴィア導体を形成しなくて良いので、電極面積を大きくでき、コンデンサの高容量化を達成できる。さらには、コンデンサの電極を貫通するヴィア導体の数を少なくすることができるから、ヴィア導体の熱膨張に起因する誘電体層へのクラック発生を極力抑制できる。
【0035】
さらに、コンデンサ積層体450は、コンデンサ350を積層して形成される。そのため、コンデンサ積層体450を形成するにあたり、あらかじめ、各コンデンサ350の絶縁抵抗値を検査し、絶縁抵抗が良好である良品のコンデンサ350ばかりを選別して積層できる。だから、コンデンサ積層体450全体としても良品のものを得ることができ、コンデンサ積層体450の絶縁信頼性を確保できる。仮に、電極と誘電体層とを交互に積層することでコンデンサ積層体を形成するならば、あらかじめ、各コンデンサ部の絶縁抵抗が良好であるか検査することは困難である。そのため、コンデンサ積層体の絶縁信頼性を製造段階で確保することは困難である。
【0036】
そして、樹脂絶縁層200aに内蔵されたコンデンサ積層体450は、コンデンサ350を樹脂等の接着剤340を介在させて積層している。接着剤340に使用される樹脂の熱膨張係数と樹脂絶縁層200aの熱膨張係数とは同じ値の材料を使うことも可能であり、そのため、コンデンサ積層体450全体の熱膨張係数は、樹脂絶縁層200aの熱膨張係数に近づけることができる。だから、コンデンサ積層体450に熱が加わったとしても、樹脂絶縁層200aとコンデンサ積層体450との界面で亀裂が発生する可能性は低い。ゆえに誘電体層330にクラックが入りにくい。
【0037】
(本発明の第1の実施形態に係る配線基板の製造方法)
まず、厚さ5μmの銅からなる第1電極310に、BaTiOからなる高誘電体材料をドクターブレード等の印刷機を用いて、厚さ5〜10μmの薄膜状に印刷して未焼成層を形成する。なお、さらに薄い誘電体層(0.5〜5μm)を形成するには後述するゾル―ゲル法やスパッタ法等を用いることができる。
【0038】
次に、未焼成層を真空中またはNガス等の非酸化雰囲気で600〜950℃の温度範囲で焼成し、誘電体層330とする。その後、スパッタ等の真空蒸着装置を用いて誘電体層330の上に銅からなる金属層を形成し更にこの金属層上に電解メッキ等で銅を5μm程度足すことにより、第2電極320を形成する。このようにして、図2Aに示すように、BaTiOで形成される誘電体層330を、銅で形成された第1電極310と第2電極320とで挟むコンデンサが得られる。
【0039】
次に、図2Bに示すように、塩化第二銅エッチング溶液を用いてエッチング処理により、第1電極310及び第2電極320の必要部分以外を除去することで、第1電極310と第2電極320とを面方向(即ち、水平方向)にずれた位置になるように形成してコンデンサ350の単体を設ける。かかる場合、誘電体層330の上下にある第1電極310と第2電極320との重なりは0.4〜1.0cm程度であるように、第1電極310と第2電極320とを水平方向にずらす。また、エッチング処理により、第1電極310にアライメントマーク710を形成し、また、第2電極320にアライメントマーク720を形成する。
【0040】
次に、図2Cに示すように、コンデンサ350a、350b、350cを鉛直方向に3個積層する。コンデンサ350a、350b、350cを積層する際には、コンデンサ350同士の間に接着剤としてのエポキシ樹脂を介在させる。単体のコンデンサ350a、350b、350c同士は、各コンデンサに設けられているアライメントマーク710若しくはアライメントマーク720を基準にして位置合わせがなされる。
【0041】
そして、図2Dに示すように、3個のコンデンサ350a、350b、350cを、それぞれのコンデンサの間に接着剤340を介在させた状態でコンデンサ積層体450を得る。
【0042】
次に、図2Eに示すように、アライメントマーク730が形成してあるベース基板(コア基板)100上に、真空ラミネーターを用いて熱硬化性の樹脂フィルムを温度50〜170℃、圧力0.4〜1.5MPaというラミネート条件で貼り付ける。ベース基板100上には、導体パターン421(421P、421G、421S)が形成されている。ベース基板は厚さ0.6mmのガラスエポキシ基板である。貼り付ける際の熱硬化性の樹脂フィルムは半硬化状態であるが、硬化することで第1の樹脂絶縁層(下層の樹脂絶縁層)200aとなる。樹脂フィルムとしては例えば味の素社製のABF−45SHを2枚用いることができる。
【0043】
次に、図2Fに示すように、コンデンサ積層体450を半硬化状態の第1の樹脂絶縁層200a上に位置合わせして積層する。両者の位置合わせは、コンデンサ積層体450のうちコンデンサ350aにあるアライメントマーク710と、ベース基板100のアライメントマーク730とをカメラで認識して行う。若しくは、コンデンサ積層体450のうちコンデンサ350cにあるアライメントマーク720と、ベース基板100のアライメントマーク730とをカメラで認識して行う。アライメントマーク710とアライメントマーク720とはいずれか一方だけが設けられていても良いし、また、ともに設けられていても良い。
【0044】
その後、図2Gに示すように、0.4MPa、170℃、2時間のプレス条件で真空プレスして、コンデンサ積層体450を第1の樹脂絶縁層200aに埋設させるとともに、第1の樹脂絶縁層200aを硬化させる。コンデンサ積層体450は、コンデンサ積層体450の上面と第1の樹脂絶縁層200aの上面とが面一になるように、第1の樹脂絶縁層200aに埋設される。
【0045】
なお、コンデンサ積層体は、図2Hに示すように、コンデンサ350cの一部を埋設させた状態にて第1の樹脂絶縁層200aに積層させることも可能である。かかる場合においても、コンデンサ積層体450のコンデンサ350cに設けられたアライメントマーク720若しくはコンデンサ350aに設けられたアライメントマーク710と、ベース基板100の上に設けられたアライメントマーク730とを、コンデンサ積層体450と第1の樹脂絶縁層200aとの位置あわせのための目印とする。
【0046】
次に、図2Iに示すように、第2の樹脂絶縁層(上層の樹脂絶縁層)200bを形成する。具体的には、第1の樹脂絶縁層200a及びコンデンサ積層体450上に真空ラミネーターを用いて樹脂フィルムを温度50〜170℃、圧力0.4〜1.5MPaというラミネート条件で貼り付ける。樹脂フィルムは例えば味の素社製のABF−45SHを用いることができる。その後、170℃で2時間熱処理することにより樹脂フィルムは硬化して第2の樹脂絶縁層200bを形成する。
【0047】
次に、図2Jに示すように、炭酸ガスレーザで、第2の樹脂絶縁層200b、第1の樹脂絶縁層200a及びコンデンサ積層体450を貫通し、ベース基板100上の導体パターン421(電源用の導体パターン421P、グランド用の導体パターン421G、信号用の導体パターン421S)に到達する貫通孔470(470P、470G、470S)を設ける。
【0048】
貫通孔470Pは、電源用の導体パターン421Pに到達する電源用貫通孔である。貫通孔470Gは、グランド用の導体パターン421Gに到達するグランド用貫通孔である。貫通孔470(470P、470G、470S)の直径は20〜100μmである。なお、貫通孔470(470P、470G、470S)は炭酸ガスレーザではなく、ドリルで設けることも可能である。ここで、貫通孔470(470P、470G、470S)の位置は、ベース基板100のアライメントマーク730、コンデンサ積層体450におけるコンデンサ350aのアライメントマーク710、コンデンサ積層体450におけるコンデンサ350cのアライメントマーク720のいずれか1つをカメラ若しくはX線で認識して決定される。
【0049】
平面図である図2K及び図2Lで示されるように、第1電極310と第2電極320の重なり部分でコンデンサが形成される。図2Kに示すように、第1電極310と第2電極320とは横方向にのみずれていることも可能であるし、また図2Lに示すように、第1電極310と第2電極320とは横方向及び縦方向にずれていることも可能である。なお、第1電極310と第2電極320とが重なっている部分は斜線で示している。第1電極310と第2電極320とは、互いに面方向に平行にずれていて、重ならない部分が存在している。重ならない部分に、貫通孔470Pと470Gが形成されている。このように、第1電極310と第2電極320が対向する部分には、貫通孔470P、470Gが形成されていないので、第1電極310と第2電極320とが対向する面積を大きくすることができる。電源用貫通孔470Pは、第1電極310(電源用電極)と接しているが、第2電極320(グランド用電極)とは接していない。グランド用貫通孔470Gは、第2電極320と接しているが、第1電極310とは接していない。
【0050】
図2Jに示すように、貫通孔470P、470G以外に信号用の導体パターンに到達する信号用貫通孔470Sが形成される。信号用貫通孔470Sは、コンデンサ積層体450が存在しない領域に形成される。
【0051】
次に、第2の樹脂絶縁層200bの表面と貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面とに(特に導体パターン421S、421P、421G、421やコンデンサ積層体450の電極等の導体回路に)、乾式のデスミア処理を施す。このデスミア処理は、例えば九州松下製のドライデスミア装置を使用して、O及びCFを反応ガスとするドライエッチング(例えばプラズマエッチングや反応性イオンエッチング等)により行う。反応ガス中にCFを混ぜることで、樹脂絶縁層に含まれるガラスフィラーが除去されやすくなる。ドライエッチングに用いられるガスとしては、OとCFの混合ガス以外にArガスやOガスを用いることができる。
【0052】
次に、第2の樹脂絶縁層200bの表面と貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面とに、乾式法によりシードメタル(例えば銅)を形成する。このシードメタル形成工程では、例えばキヤノンアネルバ製のインライン式スパッタリング装置を使用して、スタッパリング法により、厚さ0.1μmのニッケル(Ni)層を形成し、その上に、さらに厚さ0.5μmの銅(Cu)を積層して、2層構造のシードメタルを形成する。なお、スパッタリング装置としては、例えばマグネトロンスパッタ装置、3極スパッタリング装置、イオンビームスパッタ装置など、任意のものを用いることができる。また、乾式法としては、上記スタッパリング法のほか、例えば常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマ励起CVD法、光励起CVD法等のCVD法や、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法等の、スタッパリング法以外のPVD法なども採用することができる。
【0053】
次に、上記シードメタルを利用して、第2の樹脂絶縁層200bの表面と貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面に無電解メッキ膜(無電解銅メッキ膜)を形成する。その後、無電解メッキ膜上に電解メッキ膜(電解銅メッキ膜)を形成する。スパッタリング膜上に電解メッキ膜を形成してもよい。続いて、電解メッキ膜上にエッチングレジストを形成する。その後、露光・現像工程を経て、エッチングレジストをパターン化する。なお、このように樹脂層上のパターンを形成する部分及び貫通孔メッキを保護する部分をレジストで覆うフォトリソグラフィ手法はテンティング法と呼ばれる。そしてエッチングレジストが形成されていない部分の電解メッキ膜と無電解メッキ膜をエッチング除去することで、図2Mに示すように、導体パターン423(電源用の導体パターン423P、グランド用の導体パターン423G、信号用の導体パターン423S)とヴィア導体411、412、413を形成する。
【0054】
なお、ヴィア導体411、412、413を形成する方法として、湿式のデスミア処理の後、銅メッキ膜を形成する方法も考えられる。例えば図2Nに示すように、銅からなる第1電極1004(上部電極)と、ニッケルからなる第2電極1002(下部電極)と、BST等の高比誘電率膜(high k)からなる誘電体層1003と、から構成されるコンデンサ1005と、絶縁層1001中の導体パターン1000と、を電気的に接続するため、絶縁層1001及びコンデンサ1005に、炭酸ガスレーザにより貫通孔1006を形成し、KMnO溶液等の処理液により湿式のデスミア処理を施した後、銅メッキ膜1007を形成する。こうすることで、コンデンサ1005の第1電極1004と導体パターン1000とを電気的に接続することができる。
【0055】
しかしこの場合、図2Oの写真に示すように、デスミア処理により誘電体層1003と絶縁層1001との間に隙間が生じたり、誘電体層1003が絶縁層1001から剥離(lift off)したりすることが懸念される。その場合、後工程のメッキ処理で、誘電体層1003と絶縁層1001との間にメッキが析出して、第1電極1004と第2電極1002とが短絡(short failure)することが懸念される。
【0056】
これに対し、本実施形態では、乾式のデスミア処理の後、乾式法(例えばスタッパリング法)によりシードメタルを形成し、さらに続けて、銅メッキ膜を形成することで、誘電体層1003のダメージを軽減し、コンデンサ電極間の短絡を抑制するようにしている。こうすることで、良好な電気特性が得られる。
【0057】
図2P及び図2Qに、前者の手法(湿式のデスミア処理)により製造されたコンデンサ装置の例を、図2R及び図2Sに、後者の手法(乾式のデスミア処理)により製造されたコンデンサ装置の例を、それぞれ示す。図2Qの写真と図2Sの写真との比較から明らかなように、前者の手法よりも後者の手法の方が、誘電体層1003(BST)のダメージが軽減され、ひいてはコンデンサ電極(Cu−Ni)間の短絡も抑制されるようになる。
【0058】
ヴィア導体411は、電源用のヴィア導体であり、図2Mに示すように、コンデンサ350a、コンデンサ350b、コンデンサ350cの第1電極310同士を電気的に接続している。また、ヴィア導体412は、グランド用のヴィア導体であり、図2Mに示すように、コンデンサ350a、コンデンサ350b、コンデンサ350cの第2電極320同士を電気的に接続している。
【0059】
電源用のヴィア導体411は、ベース基板100上の電源用の導体パターン421Pと第2の樹脂絶縁層200b上の電源用の導体パターン423Pとを接続している。また、グランド用のヴィア導体412は、ベース基板100上のグランド用の導体パターン421Gと第2の樹脂絶縁層200b上のグランド用の導体パターン423Gとを接続している。
【0060】
次に、図2Tに示すように、第2の樹脂絶縁層200bと導体パターン423(423P、423G、423S)上に第3の樹脂絶縁層200cを形成する。第3の樹脂絶縁層200cの材質は、第2の樹脂絶縁層200b及び第1の樹脂絶縁層200aと同じである。
【0061】
次に、第3の樹脂絶縁層200cに炭酸ガスレーザにて貫通孔を形成する。なお、貫通孔はドリルで形成することも可能である。
【0062】
次に、第3の樹脂絶縁層200cの表面に触媒による表面処理を行う。触媒による表面処理の後、基板の表面に無電解メッキ膜を形成する。その後、無電解メッキ膜上にメッキレジストを形成する。続いて、メッキレジストに露光・現像処理を行って、メッキレジストをパターンニングする。そしてメッキレジストの非形成領域に電解メッキ膜を形成する。メッキレジスト剥離後、電解メッキ膜間の無電解メッキ膜を除去することで、図2Uに示すように、無電解メッキ膜と該無電解メッキ膜上に設けられている電解メッキ膜とからなる最外の導体パターン425(最外の電源用の導体パターン425P、最外のグランド用の導体パターン425G、最外の信号用の導体パターン425S)を設ける。
【0063】
次に、第3の樹脂絶縁層200cと最外の導体パターン425(425P、425G、425S)上にソルダーレジスト700を形成する。その後、図2Vに示すように、ソルダーレジスト700に、導体パターン425(425P、425G、425S)の一部を露出させる開口部を設けてパッド427(電源用のパッド(第1の外部端子)427P、グランド用のパッド(第2の外部端子)427G、信号用のパッド427S)を形成する。開口部により露出している部分がパッド427(427P、427G、427S)となる。
【0064】
図2Vに示すように、第1電極310と電源用のパッド427Pは、ヴィア導体411と導体パターン423Pとヴィア導体441Pを介して接続されている。また、第2電極320とグランド用のパッド427Gとは、ヴィア導体412と導体パターン423Gとヴィア導体441Gを介して接続されている。
【0065】
次に、パッド427(427P、427G、427S)上に、耐食性ある金属膜を形成した。金属膜としては、例えばNi、Au、Pd、Ag、Pt等からなる膜を形成することができる。本実施の形態では、Ni膜、Pd膜、Au膜の順で形成する。なお、金属膜は1層であっても複数の金属膜からなってもよい。例えば、パッド上にNi膜、Au膜の順に形成することができる。
【0066】
次に、金属膜上に半田ペーストを印刷する。その後、リフローして半田バンプ429を設けることで、図1に示した配線基板900を得ることができる。
【0067】
そして、ICチップ800を実装する場合は、図2Wに示すように、半田バンプ429を介してICチップ800の実装を行う。
【0068】
なお、本実施形態ではベース基板100の一方の面にのみ、樹脂絶縁層、導体パターン及びヴィア導体を形成しているが、図2Xに示すように、ベース基板100の両面に樹脂絶縁層、導体パターン及びヴィア導体を形成することも可能である。
【0069】
また、樹脂絶縁層200a、200b、200cの表面、導体パターンの表面、第1電極310の表面、第2電極320の表面は粗化することが好ましい。また、ICチップ800を、配線基板900の表面に搭載する際は、コンデンサ積層体450とICチップ800との間の距離を近くすることが好ましい。
【0070】
(本発明の具体的一実施態様における配線基板の第2の実施形態)
第1の実施形態では、樹脂絶縁層200は、第1の樹脂絶縁層200aと第2の樹脂絶縁層200bと第3の樹脂絶縁層200cとから形成された。第2の実施形態に係る配線基板900は、図3に示すように、第1の実施形態と異なり、樹脂絶縁層200は、第1の樹脂絶縁層200aと第2の樹脂絶縁層200bとから形成される。
【0071】
また、コンデンサ積層体450の最上層に位置する電極は、コンデンサ350aの第1電極310と該第1電極310上の電源用の導体パターン423Pとが一体となって形成されている。そのため、第2の実施形態に係る配線基板900では、コンデンサ積層体450の表層にある電極の厚さが第1の実施形態に係る配線基板900よりも厚い。そのため、コンデンサ積層体450の剛性が増す。だから、コンデンサ積層体450の誘電体層にクラックが入りにくくなる。
【0072】
図3に示すように、電源用のパッド(第1の外部端子)427Pと各コンデンサ350a、350b、350cの第1電極310とは、ヴィア導体441Pと導体パターン423Pとヴィア導体411とを介して、電気的に接続している。グランド用のパッド(第2の外部端子)427Gと各コンデンサ350a、350b、350cの第2電極320とは、ヴィア導体441Gと導体パターン423Gとヴィア導体412とを介して、電気的に接続している。
【0073】
第2の樹脂絶縁層200bの上には、最外の電源用の導体パターン425Pと、最外のグランド用の導体パターン425Gと、最外の信号用の導体パターン425Sとが設けられている。
【0074】
ソルダーレジスト700に、導体パターン425(425P、425G、425S)の一部を露出させる開口部を設けて、パッド427(電源用のパッド(第1の外部端子)427P、グランド用のパッド(第2の外部端子)427G、信号用のパッド427S)が形成されている。
【0075】
(本発明の第2の実施形態に係る配線基板の製造方法)
次に、第2の実施形態に係る配線基板の別の製造方法を示す。
【0076】
まず、図2Aから図2Gまでは、上述した配線基板の製造方法と同様である。
【0077】
次に、図2Gまでの工程で作成した基板に、図4Aに示すように、貫通孔470(コア基板上の電源用導体パターンに到達している貫通孔470P、コア基板上のグランド用導体パターンに到達している貫通孔470G、コア基板上の信号用導体パターンに到達している貫通孔470S)を形成する。第1の実施形態に係る製造方法では、第2の樹脂絶縁層200bにも同時に貫通孔を形成したが、本実施形態に係る製造方法では、コンデンサ積層体450と第1の樹脂絶縁層200aを貫通する貫通孔を形成するだけであるから、孔加工が容易となり、歩留まりが向上する。
【0078】
次に、貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面、特に導体パターン421S、421P、421G、421やコンデンサ積層体450の電極等の導体回路に、乾式のデスミア処理を施す。
【0079】
次に、貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面に、乾式法によりシードメタル(例えば銅)を形成する。続いて、そのシードメタルを利用して、シードメタル上に電解メッキ膜を形成する。貫通孔が電気メッキ膜で充填される。同時に、絶縁層200aとコンデンサ積層体上にも電解メッキ膜が形成される。
【0080】
次に、図4Bに示すように、テンティング法で、グランド用のヴィア導体412、電源用のヴィア導体411、信号用のヴィア導体413と、導体パターン423(電源用の導体パターン423P、グランド用の導体パターン423G、信号用の導体パターン423S)を形成する。
【0081】
図4Bに示すように、コンデンサ積層体450の最上層に位置する電極は、コンデンサ350aの第1電極310と該第1電極310上の電源用の導体パターン423Pとが一体となって形成される。ここで、コンデンサ積層体450の最上層に位置する電極とは、実装されるICチップ800に近い側に位置するコンデンサ積層体450の表層の電極である。また、第1電極310上の電源用の導体パターン423Pは、無電解メッキ膜と該無電解メッキ膜上の電解メッキ膜とから形成される。
【0082】
ヴィア導体412は、コンデンサ350a、コンデンサ350b、コンデンサ350cの第2電極320同士を接続する。また、ヴィア導体412は、ベース基板100上のグランド用の導体パターン421Gと第1の樹脂絶縁層200a上のグランド用の導体パターン423Gとを接続している。
【0083】
ヴィア導体411は、コンデンサ350a、コンデンサ350b、コンデンサ350cの第1電極310同士を接続する。また、ヴィア導体411は、ベース基板100上の電源用の導体パターン421Pと第1の樹脂絶縁層200a上の電源用の導体パターン423Pとを接続している。
【0084】
次に、図4Cに示すように、第1の樹脂絶縁層200a、コンデンサ積層体450及び導体パターン423(423P、423G、423S)の上に、第2の樹脂絶縁層200bを形成する。そして、第2の樹脂絶縁層200bに貫通孔を形成する。そして、貫通孔を形成した基板の表面に触媒により表面処理を行う。
【0085】
触媒による表面処理の後、基板の表面に無電解メッキ膜を形成する。その後、無電解メッキ膜上にメッキレジストを形成する。続いて、メッキレジストに露光・現像処理を行い、メッキレジストをパターンニングする。そしてメッキレジストの非形成領域に電解メッキ膜を形成する。メッキレジスト剥離後、電解メッキ膜間の無電解メッキ膜を除去することで、無電解メッキ膜と無電解メッキ膜上の電解メッキ膜とからなる導体パターン425(425P、425G、425S)を形成する。次いで、第1の実施形態と同様に、ソルダーレジスト700、パッド427、半田バンプ429を形成することで、図3に示した配線基板900が得られる。
【0086】
本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、第1の実施形態に比べ、樹脂絶縁層を1層少なく製造できるので簡易なコストで配線基板900を製造することが可能である。
【0087】
なお、上述の実施形態ではベース基板100の一方の面にのみ、樹脂絶縁層、導体パターン及びヴィア導体を形成しているが、図4Dに示すように、ベース基板100の両面に樹脂絶縁層、導体パターン及びヴィア導体を形成することも可能である。
【0088】
(本発明の具体的一実施態様における配線基板の第3の実施形態)
図5に、本発明の第3の実施形態を示す。第3の実施形態では、第1の実施形態と異なり、第1電極310と第2電極320とは電極の面方向に互いにずれていない。そして、第1電極310には複数の第1開口部311が設けられ、第2電極320には複数の第2開口部322が設けられている。
【0089】
そして、複数の第1のヴィア導体411が、第2開口部322を第2電極320に非接触で貫通しながら、第1電極310同士を電気的に接続する。また、複数の第2のヴィア導体412が、第1開口部311を第1電極310に非接触で貫通しながら、第2電極320同士を電気的に接続する。
【0090】
このように、複数の第1のヴィア導体411及び複数の第2のヴィア導体412が、コンデンサ積層体450を貫通している。そのため、第3の実施形態に係る配線基板900では、複数の第1のヴィア導体411及び複数の第2のヴィア導体412が、接着剤340の変形を抑制することが可能となり、コンデンサ積層体450の耐クラック性が向上しやすい。
【0091】
即ち、各コンデンサ(350a、350b、350c)の誘電体層330と、各コンデンサ(350a、350b、350c)を接着している接着剤340との熱膨張係数が異なる場合、コンデンサ積層体450が、温度変化を受けると、誘電体層330に、反り、ねじれ、曲げなどの力がかかる。それらの力を受けると、セラミック製の誘電体層330は、薄く、しかも脆いため、クラックが入りやすい。しかしながら、本実施形態では、複数の第1のヴィア導体411及び複数の第2のヴィア導体412が、コンデンサ積層体450を貫通することで、各コンデンサ(350a、350b、350c)を物理的につなぎ止めているから、接着剤340の変形を抑制することが可能となる。そのため、誘電体層330にかかる反り、ねじれ、曲げなどの力が小さくなる。
【0092】
図6A、図6Bに示すように、電源用のヴィア導体411とグランド用のヴィア導体412は格子状または千鳥状に配置されていることが好ましい。隣接する電源用のヴィア導体411間の間隔は略同一である。隣接するグランド用のヴィア導体412間の間隔は略同一である。
【0093】
(本発明の第3の実施形態に係る配線基板の製造方法)
まず、図7Aに示すように、第1電極310と、第2電極320と、第1電極310及び第2電極320で挟まれた誘電体層330と、からなるコンデンサ350を作成する。コンデンサ350の作成は実施形態1と同様に行う。
【0094】
次に、図7B、第1電極310側からコンデンサ350を見る平面図である図7C、及び、第2電極320側からコンデンサ350を見る平面図である図7Dに示すように、第1電極310と第2電極320をパターニングする。この時、同時にアライメントマーク710、720も形成する。
【0095】
第1電極310には、開口部311が形成されていて、その開口部311内に、グランド用のヴィア導体412が形成される。第1電極310とグランド用のヴィア導体412は非接触である。第2電極320には、開口部322が形成されていて、その開口部322内に、電源用のヴィア導体411が形成される。第2電極320と電源用のヴィア導体411は非接触である。
【0096】
次に、図7Eに示すように、先の工程で得られたコンデンサ350を3組準備し、接着剤340を介して積層する。コンデンサ350a、350b、350cは、各コンデンサ350のアライメントマーク710、720に基づいて位置あわせされる。
【0097】
次に、図7Fに示すように、コンデンサ350a、350b、350cと各コンデンサ間に配置された接着剤340とからなるコンデンサ積層体450を作成する。コンデンサ積層体450の作成は、真空プレスで行う。真空プレスの条件は、温度50〜170℃、圧力0.4〜1.5MPaである。
【0098】
コンデンサ積層体450を構成する各コンデンサの開口部311は、コンデンサ積層体450を貫通するヴィア導体412により、第1電極310と第2電極320とがショートしないようにするため、断面方向で略同一位置に形成されている。即ち、図7Fに示すように、コンデンサ350a、350b、350cに形成されている開口部311は断面方向で重なった位置に設けられている。
【0099】
コンデンサ積層体450を構成する各コンデンサの開口部322は、コンデンサ積層体450を貫通するヴィア導体411により、第1電極310と第2電極320とがショートしないようにするため、断面方向で略同一位置に形成されている。即ち、図7Fでは、コンデンサ350a、350b、350cに形成されている開口部322は断面方向で重なった位置に設けられている。
【0100】
次に、図7Gに示すように、第1の樹脂絶縁層200aに、コンデンサ積層体450を埋設する。
【0101】
次に、図7Hに示すように、貫通孔470(470P、470G、470S)を形成する。貫通孔470(470P、470G、470S)は、コンデンサ積層体450と第1の樹脂絶縁層200aを貫通し、ベース基板100の導体パターン421(421P、421G、421S)に到達している。貫通孔470(470P、470G、470S)の形成位置は、ベース基板100のアライメントマーク730、コンデンサ積層体450に形成されているアライメントマーク710、720のいずれか1つに基づいてレーザ加工で形成する。
【0102】
電源用の貫通孔470Pは、第1電極310と誘電体層330とを貫通する。また、電源用の貫通孔470Pは、第2電極320の開口部322内に形成されており、開口部322の内壁とは非接触である。
【0103】
グランド用の貫通孔470Gは、第2電極320と誘電体層330とを貫通する。また、グランド用の貫通孔470Gは、第1電極310の開口部311内に形成されており、開口部311の内壁とは非接触である。
【0104】
次に、貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面、特に導体パターン421S、421P、421G、421やコンデンサ積層体450の電極等の導体回路に、乾式のデスミア処理を施す。
【0105】
次に、貫通孔(470S、470P、470G、470)の内壁面に、乾式法によりシードメタル(例えば銅)を形成する。続いて、そのシードメタルを利用して、シードメタル上に電解メッキ膜を形成する。貫通孔が電気メッキ膜で充填される。同時に、絶縁層200aとコンデンサ積層体上にも電解メッキ膜が形成される。
【0106】
次に、図7Iに示すように、グランド用ヴィア導体412、電源用ヴィア導体411、信号用ヴィア導体413と、導体パターン423(電源用の導体パターン423P、グランド用の導体パターン423G、信号用の導体パターン423S)をテンティング法で形成する。導体パターン423(電源用の導体パターン423P、グランド用の導体パターン423G、信号用の導体パターン423S)は、無電解メッキ膜と該無電解メッキ膜上の電解メッキ膜とからなる。
【0107】
コンデンサ積層体450の最上層の電極は、コンデンサ350aの第1電極310と電源用の導体パターン423P(第1電極310上の無電解メッキ膜と該無電解メッキ膜上の電解メッキ膜)とが一体となって形成されている。コンデンサ積層体450の最上層の電極とは、実装されるICチップに近い側に位置するコンデンサ積層体450の表層の電極である。
【0108】
次に、ヴィア導体と導体パターン形成後、図4C、図4Dに示す工程を経て、図5に示すような配線基板を得る。
【0109】
(本発明の具体的一実施態様における配線基板の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る配線基板900を図8に示す。第4の実施形態に係る配線基板900は、第1の実施形態に係る配線基板900と異なり、ガラスクロスやガラス繊維等の心材を有しているベース基板(コア基板)100が設けられていない。そのため、全ての絶縁層を樹脂絶縁層(樹脂フィルム)とすることができる。ゆえに、コンデンサ内蔵基板を薄くすることができる。第4の実施形態に係る配線基板900によれば、外部の電源と配線基板に内蔵されるコンデンサ積層体450との間の距離や、配線基板900の表面に実装されているチップコンデンサ(図示省略)とコンデンサ積層体450との間の距離を短くできる。
【0110】
(本発明の第4の実施形態に係る配線基板の製造方法)
まず、図9Aに示すように、支持板150を準備する。支持板150は例えば銅板である。なお、支持板150の材質は、銅板以外に、ニッケル板、アルミニウム板、鉄板等の金属板を用いることも可能である。
【0111】
次に、図9Bに示すように、メッキレジスト160を支持板150の上に形成する。
【0112】
次に、図9Cに示すように、露光・現像工程を行って、メッキレジスト160をパターニングすることにより、メッキレジスト160に複数の開口部を設ける。
【0113】
次に、図9Dに示すように、設けたメッキレジスト160の開口部に金メッキ膜911、ニッケルメッキ膜912、銅メッキ膜913の順で電解メッキを行い、第1の外部接続端子600(電源用の外部端子(第1の外部端子)600P、グランド用の外部端子(第2の外部端子)600G、信号用の外部端子600S)を形成する。同時に、支持板150上にアライメントマーク(第1のアライメントマーク)621を形成する。なお、金メッキ膜911とニッケルメッキ膜912との間にパラジウム膜を形成することも可能である。
【0114】
次に、図9Eに示すように、メッキレジスト160を剥離し、そして樹脂フィルム(第1の下部樹脂絶縁層)400dを形成する。この第1の下部樹脂絶縁層(最下層の樹脂絶縁)400dは、図8に示すように、コンデンサ積層体450を内蔵する第1の樹脂絶縁層400aの下部にある。図9Eに示すように、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)は、第1面と第1面とは反対側の第2面を有する最下層の樹脂絶縁層(第1の下部樹脂絶縁層)に埋設されている。また、第1の外部接続端子600の表面は、最下層の樹脂絶縁層の第1面と略同一平面に位置している。
【0115】
次に、図9Fに示すように、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)に到達する貫通孔を第1の下部樹脂絶縁層400dに形成する。
【0116】
次に、図9Gに示すように、セミアディティブ法で、第1の下部樹脂絶縁層400dの上面(外部端子が形成されている面とは反対面)に第1の導体パターン610(電源用の第1の導体パターン610P、グランド用の第1の導体パターン610G、信号用の第1の導体パターン610S)を形成する。
【0117】
同時に、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)と第1の導体パターン610(610P、610G、610S)とを接続する第1のヴィア導体611(電源用の第1のヴィア導体611P、グランド用の第1のヴィア導体611G、信号用の第1のヴィア導体611S)を形成する。このとき、第2のアライメントマーク622も同時に形成する。
【0118】
電源用の第1のヴィア導体611Pは、第1面側の電源用の外部端子600P(電源用の第1の外部端子)と電源用の第1の導体パターン610Pとを接続している。グランド用の第1のヴィア導体611G(グランド用の第1の外部端子)は、第1面側のグランド用の外部端子600Gとグランド用の第1の導体パターン610Gとを接続している。信号用の第1のヴィア導体611S(信号用の第1の外部端子)は、第1面側の信号用の外部端子600Sと信号用の第1の導体パターン610Sとを接続している。
【0119】
次に、図9Hに示すように、第1の導体パターン610(610P、610G、610S)と第1の下部樹脂絶縁層400d上に第1面と第1面とは反対側の第2面を有する樹脂フィルム(第1の樹脂絶縁層400a)を形成する。第1の樹脂絶縁層400aの形成には、例えば味の素社製のABF−45SHを2枚重ねて積層することができる。第1の樹脂絶縁層の第1面が、第1の下部樹脂絶縁層の第2面上に積層される。
【0120】
次に、図9Iに示すように、コンデンサ積層体450を第1の樹脂絶縁層400a上に位置合わせして積層する。コンデンサ積層体450の積層位置は、例えば第1の樹脂絶縁層400a上に形成された第2のアライメントマーク622とコンデンサ積層体450のアライメントマーク720を用いて決定することができる。なお、コンデンサ積層体450は、第1の実施形態と同様な作成方法で形成できる。
【0121】
次に、図9Jに示すように、コンデンサ積層体450を第1の樹脂絶縁層400aの第2面側に埋設する。コンデンサ350aの第1電極の表面と第1の樹脂絶縁層の第2面とは、略同一平面に位置している。コンデンサ積層体450の埋設方法は、図2Gで説明した方法と同様である。
【0122】
次に、図9Kに示すように、貫通孔を形成する。
【0123】
次に、貫通孔の内壁面、特に導体パターン610S、610P、610G、610やコンデンサ積層体450の電極等の導体回路に、乾式のデスミア処理を施す。
【0124】
次に、貫通孔の内壁面に、乾式法によりシードメタル(例えば銅)を形成する。続いて、そのシードメタルを利用して、シードメタル上に電解メッキ膜を形成する。貫通孔が電気メッキ膜で充填される。同時に、絶縁層400aとコンデンサ積層体上にも電解メッキ膜が形成される。
【0125】
次に、図9Lに示すように、ヴィア導体(第2のヴィア導体)651(電源用の第2のヴィア導体651P、グランド用の第2のヴィア導体651G、信号用の第2のヴィア導体651S)を作成する。また、第2の導体パターン650(電源用の第2の導体パターン650P、グランド用の第2の導体パターン650G、信号用の第2の導体パターン650S)を作成する。
【0126】
電源用の第2のヴィア導体651Pは、コンデンサ積層体450の各コンデンサ350a、350b、350cの第1電極310同士を接続している。さらに、ヴィア導体651Pは、電源用の第2の導体パターン650Pと電源用の第1の導体パターン610Pとを接続している。
【0127】
グランド用の第2のヴィア導体651Gは、コンデンサ積層体450の各コンデンサ350a、350b、350cの第2電極320同士を接続している。さらに、ヴィア導体651Gは、グランド用の第2の導体パターン650Gとグランド用の第1の導体パターン610Gとを接続している。
【0128】
信号用の第2のヴィア導体651Sは、信号用の第2の導体パターン650Sと信号用の第1の導体パターン610Sとを接続している。
【0129】
電源用の第1のヴィア導体611Pと導体パターン610Pとヴィア導体651Pとを介して、各コンデンサ350a、350b、350cの第1電極310と第1の外部端子600Pとは電気的に接続している。また、グランド用の第1のヴィア導体611Gと導体パターン610Gとヴィア導体651Gとを介して、各コンデンサ350a、350b、350cの第2電極320と第2の外部端子600Gとは電気的に接続している。
【0130】
次に、図9Mに示すように、第2の導体パターン650(650P、650G、650S)と第1の樹脂絶縁層400aの上に樹脂フィルム(第2の樹脂絶縁層)400bを形成する。
【0131】
次に、図9Nに示すように、第2の樹脂絶縁層(最上層の樹脂絶縁層)400bに貫通孔を形成する。
【0132】
次に、図9Oに示すように、第2の樹脂絶縁層400b上に第3の導体パターン660(電源用の第3の導体パターン660P、グランド用の第3の導体パターン660G、信号用の第3の導体パターン660S)を形成する。
【0133】
同時に、第2の導体パターン650(650P、650G、650S)と第3の導体パターン660(660P、660G、660S)とを接続する第3のヴィア導体661(電源用の第3のヴィア導体661P、グランド用の第3のヴィア導体661G、信号用の第3のヴィア導体661S)を形成する。
【0134】
電源用の第3のヴィア導体661Pは、電源用の第3の導体パターン660Pと電源用の第2の導体パターン650Pとを接続している。グランド用の第3のヴィア導体661Gは、グランド用の第3の導体パターン660Gとグランド用の第2の導体パターン650Gとを接続している。信号用の第3のヴィア導体661Sは、信号用の第2の導体パターン650Sと信号用の第3の導体パターン660Sとを接続している。これらの接続は、例えば、セミアディティブ法で形成することができる。
【0135】
次に、図9Pに示すように、第2の樹脂絶縁層400bと第3の導体パターン660(660P、660G、660S)との上に、ソルダーレジスト700を形成する。
【0136】
次に、図9Qに示すように、ソルダーレジスト700に複数の開口部を設ける。その開口部は、第3の導体パターン660(660P、660G、660S)を部分的に開口している。開口部により露出している第3の導体パターン660(660P、660G、660S)の部分が第2の外部接続端子670(670P、670G、670S)となる。第2の外部接続端子は、第2の樹脂絶縁層(最上層の樹脂絶縁層)400b上に形成されていて、電源用の第2の外部接続端子(第3の外部端子)670P、グランド用の第2の外部接続端子(第4の外部端子)670Gと信号用の第2の外部接続端子670Pとからなる。
【0137】
次に、第2の外部接続端子670(670P、670G、670S)上に、ニッケルメッキ膜912、パラジウムメッキ膜914、金メッキ膜911の順でメッキを行い、3層からなる金属膜を形成する。金属膜は、金メッキ膜1層でも、ニッケルメッキ膜とニッケルメッキ膜上の金メッキ膜2層でもよい。
【0138】
次に、図9Rに示すように、支持板150を塩化第2銅エッチング液でエッチング除去する。このとき、第2の外部接続端子670(670P、670G、670S)及び第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)に金属膜が形成されていることで、外部接続端子はエッチング除去されることなく、支持板150を除去できる。支持板150を除去することで、第1の外部接続端子600の外部端子面(金属膜の露出部分)は露出される。
【0139】
その後、第2の外部接続端子670(670P、670G、670S)の外部端子面(金属膜の露出部分)に第2の半田バンプ、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)の外部端子面に第1の半田バンプを形成することで、図8に示した配線基板900が得られる。
【0140】
なお、第1の半田バンプを介して、ICチップなどの電子部品を搭載してもよい。第2の半田バンプを介して、他の基板(マザーボード)と接続してもよい。また、図8では、第1の外部接続端子の外部端子面と、第2の外部接続端子の外部端子面に半田バンプが形成されているが、第2の外部接続端子の外部端子面に半田バンプ、第1の外部接続端子の外部端子面に半田を介して、導電性ピンを搭載(実装)してもよい。第1の外部接続端子の外部端子面に半田バンプ、第2の外部接続端子の外部端子面に半田を介して、導電性ピンを搭載(実装)してもよい。ICチップの搭載は、配線基板の上面側でも下面側でも構わないが、ICチップは、外部端子からコンデンサまでの距離(基板の断面方向の距離)が短い側のコンデンサ内蔵基板の表面に搭載することが好ましい。
【0141】
本実施の形態では、樹脂絶縁層(樹脂フィルム)は3層であるが、図9Mから図9Oの工程を繰り返すことで4層以上の多層化は可能である。
【0142】
また、第1の下部樹脂絶縁層400d下面に、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)を露出させる開口を有するソルダーレジストを形成することも可能である。
【0143】
図10に示す配線基板900は、図8に示された配線基板900と異なり、第1の外部接続端子とコンデンサ積層体が同一の樹脂絶縁層に埋設されている例である。図10に示す配線基板900は、第1面と第1面とは反対側の第2面を有する第1の樹脂絶縁層(最下層の樹脂絶縁層)400aと第1面と第1面とは反対側の第2面を有する第2の樹脂絶縁層(最上層の樹脂絶縁)400bとの二層構造である。第1の樹脂絶縁層400aの第2面側にはコンデンサ積層体450が埋設されている。コンデンサ350aの第1電極の表面と最下層の樹脂絶縁層の第2面とは、略同一平面に位置している。一方、第1の樹脂絶縁層400aの第1面側(配線基板900の第1の表面)には、第1の外部接続端子600が埋設されている。第1の外部端子の表面と最下層の樹脂絶縁層の第1面とは、略同一平面に位置している。最下層の樹脂絶縁層の第2面上に最上層の樹脂絶縁層の第1面が積層されている。第2の樹脂絶縁層400bの第2面上には、電源用の第2の外部接続端子(第3の外部端子)670P、グランド用の第2の外部接続端子(第4の外部端子)670Gと信号用の第2の外部接続端子670Pとからなる第2の外部接続端子670が形成されている。また、第2の樹脂絶縁層400bには、ヴィア導体が形成されている。
【0144】
この図10に示す配線基板900の製造方法は、まず、図9A乃至図9Eに示す工程を行う。その後、図9I乃至図9Rに示す工程を行い、メッキレジスト160を除去し、第1の外部接続端子600(600P、600G、600S)に第1の半田バンプを形成することで、図10に示した配線基板900が得られる。
【0145】
なお、第4の実施形態の配線基板は、第3の実施形態と同様に、第1電極と第2電極が面方向にずれていないコンデンサを接着剤で積層したコンデンサ積層体を内蔵してもよい。
【0146】
(本発明の具体的一実施態様における配線基板の第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態に係る配線基板900は、第1の実施形態に係る配線基板900と異なり、図11に示すように、ベース基板100の上に樹脂絶縁層200aが、下には下部樹脂絶縁層270dが、設けられている。そして樹脂絶縁層200aにはコンデンサ積層体450aが埋設されており、下部樹脂絶縁層270dにはコンデンサ積層体450bが埋設されている。
【0147】
このように構成することで、ベース基板100の上におけるノイズ軽減のみならず、ベース基板100の下においてもノイズの軽減を効率的に図ることができる。
【0148】
この配線基板900の製造方法は、例えば、図2Wの後に、ベース基板100の下面に、下部樹脂絶縁層270dを設けて、その下部樹脂絶縁層270aにコンデンサ積層体450bを埋設させることで作成することが可能である。
【0149】
(本発明におけるその他の実施の形態)
上述の実施の形態では、コンデンサ積層体450は、コンデンサ350a、350b、350cを3個積層させて形成した。もっともこれに限定されない。コンデンサ積層体450は、例えば2個又は4個〜30個あるいはそれ以上のコンデンサを接着剤340を介在させて積層させることができる。
【0150】
上述の実施の形態では、誘電体層330は、チタン酸バリウム(BaTiO)で形成された。もっともこれに限定されない。誘電体層330は、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タンタル(TaO、Ta)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ジルコン酸ニオブ鉛(PNZT)、チタン酸ジルコン酸カルシウム鉛(PCZT)及びチタン酸ジルコン酸ストロンチウム鉛(PSZT)のいずれか又はこれらの混合物を使用することも可能である。
【0151】
上述の実施の形態では、誘電性フィラーとしてチタン酸ストロンチウム(SrTiO)を用いた。もっともこれに限定されない。誘電性フィラーは、例えば、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、チタン酸ネオジム(NdTi)等を用いることが可能である。
【0152】
また、上述の実施の形態では、樹脂絶縁層(樹脂フィルム)を構成する樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。もっともこれに限定されない。樹脂絶縁層を構成する樹脂として、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリケトン、ポリアセタール等を単独で若しくはエポキシ樹脂と組み合わせて使用できる。
【0153】
また、上述の実施の形態では、第1電極310及び第2電極320を形成する金属として銅を用いた。しかし、電極の材料は、これに限定されない。第1電極310及び第2電極320を形成する金属としては、例えば白金、金、ニッケル、スズ、銀等を単独で若しくは任意の組合せで混合して用いることが可能である。さらには、第1電極310と第2電極320とで、それぞれ異なる種類の金属を用いることも可能である。
【0154】
もっとも、電極におけるマイグレーションを抑制する上では、負の電荷を蓄積する電極(負極)をニッケルで、正の電荷を蓄積する電極(正極)を銅で形成することが有効である。このように、負極を形成する導体材料を、正極を形成する導体材料よりもイオン化傾向が大きい導体材料にすることで、電極、特に正極を形成する金属のマイグレーション現象が起こりにくくなる。そのため、コンデンサ部の絶縁抵抗の低下を抑制又は防止することが可能になる。その他、負極をニッケルで、正極をスズで形成したものなどであっても、負極を形成する導体材料のイオン化傾向が、正極を形成する導体材料のイオン化傾向よりも大きくなる条件を充足するものであれば、上記効果と同様又は準ずる効果が得られる。
【0155】
さらに、負極及び正極は単層に限られず、例えば負極、正極の少なくとも一方が2以上の異なる種類の導体材料からなる複数層で形成されている場合であっても、イオン化傾向の大きい金属を負極に、イオン化傾向の小さい金属を正極に、それぞれ配置することで、マイグレーション現象の発生を抑制することができる。
【0156】
また、上述の実施の形態では、銅からなる第1電極310の上に高誘電体材料を印刷し、焼成して誘電体層330を形成し、その後、スパッタ等の真空蒸着装置を用いて誘電体層330の上に銅からなる金属層を形成して第2電極320を形成して、コンデンサを作成した。もっともこれに限定されない。
【0157】
即ち、以下の工程により、コンデンサを作成することも可能である。まず、ジエトキシバリウムとビテトライソプロポキシドチタンを、脱水したメタノールと2−メトキシエタノールとの混合溶媒に溶解し、室温の窒素雰囲気下で3日間攪拌してバリウムとチタンのアルコキシド前駆体組成物溶液を調整する。次いで、この前駆体組成物溶液を0℃に保ちながら攪拌し、あらかじめ脱炭酸した水を0.5マイクロリットル/分の速度で窒素気流中で噴霧して加水分解する。このようにして作成されたゾルーゲル溶液をフィルターを通すことで、析出物等をろ過する。得られたろ過液を厚さ12μmの銅からなる第1電極310の上にスピンコートする。その後850℃に保持された電気炉中に挿入して焼成を行うことで誘電体層330を得る。そして誘電体層330の上にスパッタ等の真空蒸着装置を用いて銅層を形成し更にこの銅層上に電解メッキ等で銅を10μm程度足すことにより、第2電極320を得ることができる。
【0158】
上述のコンデンサ積層体を有するコンデンサ装置のほか、例えば図12に示すように、単層コンデンサ350dを有するコンデンサ装置なども考えられる。こうしたコンデンサ装置は、配線基板を小型化したりコンデンサの実装効率を高めたりする上で有利である。この種のコンデンサ装置を製造する場合も、乾式のデスミア処理の後、乾式法によりシードメタルを形成し、さらに続けて、銅メッキ膜を形成することで、誘電体層のダメージを軽減し、コンデンサ電極間の短絡を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明のコンデンサ装置の製造方法は、コンデンサを内蔵した配線基板などの製造に適している。
【符号の説明】
【0160】
100 ベース基板
200 樹脂絶縁層
310 第1電極
320 第2電極
330 誘電体層
340 接着剤
350 コンデンサ
411 ヴィア導体
412 ヴィア導体
413 ヴィア導体
414 ヴィア導体
421 導体パターン
423 導体パターン
425 導体パターン
450 コンデンサ積層体
710 アライメントマーク
720 アライメントマーク
730 アライメントマーク
900 配線基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数のコンデンサから構成されるコンデンサ積層体に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔形成工程の後、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、
前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、
を備える、
ことを特徴とするコンデンサ装置の製造方法。
【請求項2】
前記乾式のデスミア処理は、ドライエッチングによるものである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項3】
前記乾式のデスミア処理は、O及びCFを反応ガスとするドライエッチングである、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項4】
前記シードメタル形成工程における前記乾式法は、スパッタリング法又は蒸着法である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項5】
前記貫通孔形成工程は、レーザ又はドリルによるものである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項6】
前記貫通孔形成工程よりも前に、
誘電体層と、正の電荷を蓄積する第1電極と、前記誘電体層を挟んで前記第1電極に対向し、負の電荷を蓄積する第2電極と、を有するコンデンサを作成するコンデンサ作成工程と、
前記コンデンサ作成工程により作成された複数のコンデンサを、接着剤を介して積層して、前記コンデンサ積層体を作成するコンデンサ積層体作成工程と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項7】
前記シードメタル形成工程の後、前記シードメタルにメッキして、前記貫通孔に金属導体を充填させることで、前記第1電極同士を電気的に接続する第1のヴィア導体と、前記第2電極同士を電気的に接続する第2のヴィア導体と、を形成するヴィア導体作成工程と、
前記第1のヴィア導体と電気的に接続している第1の外部端子と、前記第2のヴィア導体と電気的に接続している第2の外部端子と、を形成する外部端子作成工程と、
を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1電極は、第1導体材料からなり、前記第2電極は、前記第1導体材料よりもイオン化傾向が大きい第2導体材料からなる、
ことを特徴とする請求項6に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1導体材料は銅であり、前記第2導体材料はニッケルである、
ことを特徴とする請求項8に記載のコンデンサ装置の製造方法。
【請求項10】
誘電体層と、前記誘電体層を挟んで対向する第1電極と第2電極と、を有するコンデンサを作成する、コンデンサ作成工程と、
前記コンデンサを、接着剤を介して積層することでコンデンサ積層体を作成する、コンデンサ積層体作成工程と、
支持板上に、第1の外部端子と第2の外部端子を有する第1の外部接続端子を形成する第1の外部接続端子形成工程と、
前記第1の外部接続端子と支持板上に複数の樹脂絶縁層と複数の導体回路を交互に積層するビルドアップ工程と、
前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層に、前記コンデンサ積層体を埋設させる埋設工程と、
前記コンデンサ積層体に、前記第1電極又は前記第2電極同士を貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、
前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、
前記シードメタル形成工程の後、前記シードメタルにメッキして、前記貫通孔に金属導体を充填させることで、前記第1電極同士を電気的に接続する第1のヴィア導体と、前記第2電極同士を電気的に接続する第2のヴィア導体と、を作成するヴィア導体作成工程と、
前記第1のヴィア導体と電気的に接続している第3の外部端子と、前記第2のヴィア導体と電気的に接続している第4の外部端子と、を作成する第2の外部接続端子形成工程と、
を備える、
ことを特徴とするコンデンサ装置の製造方法。
【請求項11】
誘電体層と、前記誘電体層を挟んで対向する第1電極と第2電極と、を有するコンデンサを作成する、コンデンサ作成工程と、
前記コンデンサを、接着剤を介して積層することでコンデンサ積層体を作成する、コンデンサ積層体作成工程と、
支持板上に、第1の外部端子と第2の外部端子を有する第1の外部接続端子を形成する第1の外部接続端子形成工程と、
前記第1の外部接続端子と支持板上に複数の樹脂絶縁層と複数の導体回路を交互に積層するビルドアップ工程と、
前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層に、前記コンデンサ積層体を埋設させる埋設工程と、
前記コンデンサ積層体に、前記第1電極又は前記第2電極同士を貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、
前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、
前記シードメタル形成工程の後、前記シードメタルにメッキして、前記貫通孔に金属導体を充填させることで、前記第1電極同士を電気的に接続する第1のヴィア導体と、前記第2電極同士を電気的に接続する第2のヴィア導体と、を作成するヴィア導体作成工程と、
前記複数の樹脂絶縁層のうち、前記支持板とは反対側に位置する最上層の樹脂絶縁層上に第3の外部端子と第4の外部端子を有する第2の外部接続端子を形成する第2の外部接続端子形成工程と、
前記支持板を除去する支持板除去工程と、
を備え、
前記第1の外部端子と前記第3の外部端子は前記第1のヴィア導体と電気的に接続していて、前記第2の外部端子と前記第4の外部端子は前記第2のヴィア導体と電気的に接続している、
ことを特徴とするコンデンサ装置の製造方法。
【請求項12】
単層コンデンサに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔形成工程の後、前記貫通孔に、乾式のデスミア処理を施すデスミア工程と、
前記デスミア工程の後、前記貫通孔に、乾式法によりシードメタルを形成するシードメタル形成工程と、
を備える、
ことを特徴とするコンデンサ装置の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図2P】
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【図2R】
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【図2T】
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【図2U】
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【図2V】
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【図2W】
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【図2X】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図9K】
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【図9L】
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【図9M】
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【図9N】
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【図9O】
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【図9P】
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【図9Q】
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【図9R】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図2O】
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【図2Q】
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【図2S】
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【公開番号】特開2010−87499(P2010−87499A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205324(P2009−205324)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】