コンプレッサ装置
【課題】リリーフバルブから排出される高温度の圧縮空気に起因する火傷等を防止する。
【解決手段】リリーフバルブ7は、シリンダ5から、該シリンダ5の軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端がポンプ室4に通じかつ他端が上板部9U又は下板部9Lに向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部24aを形成した中心孔24を有する円筒状胴部23と、前記中心孔24内に配されて前記弁座部24aを開閉する弁軸25と、この弁軸25を弁座部24aに向かって付勢するバネ体26と、前記中心孔24の他端に取り付いて前記バネ体26を押さえるバネ押さえ27とを具える。円筒状胴部23の周壁に、圧縮空気を排出する開口部28を形成した。
【解決手段】リリーフバルブ7は、シリンダ5から、該シリンダ5の軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端がポンプ室4に通じかつ他端が上板部9U又は下板部9Lに向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部24aを形成した中心孔24を有する円筒状胴部23と、前記中心孔24内に配されて前記弁座部24aを開閉する弁軸25と、この弁軸25を弁座部24aに向かって付勢するバネ体26と、前記中心孔24の他端に取り付いて前記バネ体26を押さえるバネ押さえ27とを具える。円筒状胴部23の周壁に、圧縮空気を排出する開口部28を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクしたタイヤにシーリング剤と圧縮空気とを順次送り込んでパンク修理を応急的に行うパンク応急修理用として好適であり、特にリリーフバルブから排出される高温度の圧縮空気に起因する火傷等を防止したコンプレッサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パンク応急修理用のコンプレッサ装置として、例えば図11に略示するように、収納ケースaに、モータb、該モータbにクランク機構cを介して連結されるピストンdと、このピストンdを往復動可能に収容するシリンダeとを具えるコンプレッサ本体f、及び前記シリンダeに取り付きかつ前記コンプレッサ本体fの過圧を逃がすリリーフバルブgを収納したものが多用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この主のコンプレッサ装置では、軽量かつコンパクトさが強く要求されるため、スペース上、各部材の配置に大きな制約を受ける。例えば、前記シリンダeには、圧力計hに連なるホースi1と、圧縮空気をタイヤ側に供給するホースi2と、前記リリーフバルブgとが連結されるが、このうちホースi1、i2側には広いスペースが必要となる。従って、必然的に、前記リリーフバルブgは、収納ケースaの厚さ方向に沿って、即ち、リリーフバルブgの先端を収納ケースaの下板部a2(又は上板部a1)に向けて配置せざるを得なくなる。このときリリーフバルブgの先端は、下板部a2との間の距離L1が、例えば5mm以下と、下板部a2に非常に近接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−344570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のリリーフバルブgでは、過圧となった高温の圧縮空気を、その先端から排気している。そのため、この排気された高温の圧縮空気が、近接する下板部a2に直接当たりその部分の温度を局部的に高温度に上昇させる。その結果、使用者が知らずに触れたとき驚かせてしまい、装置を手放して落下させたり手をぶつけたりして2次的に怪我や故障を招くなど、安全性の点で改善が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、リリーフバルブを構成する円筒状胴部の周壁に開口部を形成することを基本として、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する収納ケースに直接当てることなく排気でき、収納ケースの局部的な温度上昇を抑えて安全性を高めうるコンプレッサ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、収納ケースに、モータ、該モータにクランク機構を介して連結されるピストンと、このピストンを往復動可能に収容するとともに前記ピストンとの間で空気を圧縮するポンプ室を形成するシリンダとを具えるコンプレッサ本体、及び前記シリンダに取り付きかつ前記コンプレッサ本体の過圧を逃がすリリーフバルブを収納したコンプレッサ装置であって、
前記収納ケースは、両側の側板部と前後の側板部とからなる小高さの周囲壁部の上端、下端を上板部と下板部とで閉じた偏平な矩形箱状を有し、
前記リリーフバルブは、
前記シリンダから、該シリンダの軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端が前記ポンプ室に通じかつ他端が前記上板部又は下板部に向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部を形成した中心孔を有する円筒状胴部と、
前記中心孔内に配されて前記弁座部を開閉する弁軸と、
前記中心孔内に配されて前記弁軸を弁座部に向かって付勢するバネ体と、
前記中心孔の他端に取り付いて前記バネ体を押さえるバネ押さえとを具えるとともに、
前記円筒状胴部の周壁に、前記弁座部と弁軸との間から排気される圧縮空気を排出する開口部を形成したことを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明では、前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられかつ前記他端から一端側にのびるスリットにより形成されることを特徴としている。
【0009】
又請求項3の発明では、前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられる穴からなることを特徴としている。
【0010】
又請求項4の発明では、前記開口部は、開口面積が0.7mm2以上であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は叙上の如く、リリーフバルブを構成する円筒状胴部の周壁に、排気用の開口部を形成している。そのため、前記開口部から、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する収納ケースに直接当てることなくケース内に排出でき、収納ケースが局部的に高温に温度上昇するのを抑え、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のコンプレッサ装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】コンプレッサ本体を示す分解斜視図である。
【図3】コンプレッサ本体の作動状態を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)はリリーフバルブの作動状態を示す断面図である。
【図5】リリーフバルブを示す側面図である。
【図6】開口部の向きを説明する図面である。
【図7】(a)〜(c)は開口部の他の形状を説明する側面図である。
【図8】リリーフバルブの他の例を説明する側面図である。
【図9】遮蔽板を示す断面図である。
【図10】表2において温度測定した位置を説明する図面である。
【図11】(a)〜(c)は従来のコンプレッサ装置の問題点を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態のコンプレッサ装置1は、収納ケース2に、モータMと、該モータMに連結されるピストン3との間でポンプ室4を形成するシリンダ5を有するコンプレッサ本体6と、前記シリンダ5に取り付きかつ前記コンプレッサ本体6の過圧を逃がすリリーフバルブ7とを収納している。
【0014】
前記収納ケース2は、両側の側板部8a、8bと、前後の側板部8c、8dとからなる小高さの周囲壁部8の上端、下端を、それぞれ上板部9Uと下板部9Lとで閉じた横置きの偏平矩形状の箱体として形成される。なお本例では、前記収納ケース2は上下のケース部2A、2Bに分解可能に形成されている。
【0015】
前記モータMとしては、自動車の12V直流電源で作動する市販の種々のDCモータが採用できる。このモータMには、自動車のシガーライターソケットに接続可能な電源プラグ10Aを先端に設けた電源コード10が、前記収納ケース2の上板部9Uに取り付く電源スイッチSWを介して接続されている。このモータMには、その出力軸M1(図2に示す。)とは反対側に、冷却ファンM2が連結されるとともに、該冷却ファンM2が臨む一方の側板部8aには、外気を取り入れる吸気口11が形成される。なお前記吸気口11には、埃や雨の侵入を防止するため、フィルタやルーバー等が配される。
【0016】
次に、前記コンプレッサ本体6は、図2に示すように、前記モータMにクランク機構12を介して連結されるピストン3と、このピストン3を往復動可能に収容するとともに前記ピストン3との間で空気を圧縮するポンプ室4を形成するシリンダ5とを具える。
【0017】
具体的には、モータMには、複数の歯車を組み合わせた周知構造のギヤー減速手段14が接続され、例えばモータ回転数を1/3〜1/8程度に減速して最出力側の歯車である回転体14Aに伝達する。又前記クランク機構12は、前記回転体14Aに固定のクランク12aと、このクランク12aに一端が枢支されるロッド12bとから形成される。なお前記回転体14A自体をクランク12aとして構成することもできる。
【0018】
又前記ロッド12bの他端には前記ピストン3が配される。本例では、前記ロッド12bとピストン3とはFRPからなる一体成形体として形成される。又ピストン3には、図3に示すように、該ピストン3をその軸芯方向に貫通してのびる吸気孔15Aと、この吸気孔15Aをポンプ室側からバネ性を有して閉じる、例えばゴム、合成樹脂、金属等の弾性体などの弁15Bとを用いた吸気弁15が形成される。このピストン3は、前記シリンダ5の内腔内に収納され、該ピストン3との間に、空気を圧縮しうるポンプ室4を形成する。このコンプレッサ本体6は、前記ピストン3がポンプ室4の容積を増加させる向きに後退移動するとき、前記吸気弁15が開いてポンプ室4内に外気を流入させるとともに、前記ピストン3が前進移動するとき、前記吸気弁15を閉じて前記ポンプ室4内の空気を圧縮せしめ、圧力を高める。
【0019】
又前記シリンダ5は、本例では、前記ポンプ室4を形成する円筒状のシリンダ本体16の後端側に、前記ポンプ室4からの圧縮空気を貯留してピストン3による圧力の脈動を抑えるサージタンク室17を形成するサージタンク部18が付設される。
【0020】
前記サージタンク室17は、前記シリンダ本体16の後端を閉じる隔壁16Aに形成される小孔16A1を介して前記ポンプ室4に導通する。又サージタンク部18は、前記シリンダ本体16よりも小径な筒状をなし、本例ではシリンダ本体16に対して前記上板部9U側に芯ズレすることにより、サージタンク部18と下板部9Lとの間のスペースをやや大きなものとしている。
【0021】
そして、前記サージタンク部18の周壁には、圧力計20からの接続ホース21が連結されるニップル状の第1の接続部18a、圧縮空気をタイヤ側に供給する接続ホース22が連結されるニップル状の第2の接続部18b、及びリリーフバルブ7が形成される。なお前記第1、第2の接続部18a、18bは、一方、他方の側板部8a、8bに向かって突出している。これに対して、リリーフバルブ7は、前記下板部9Lに向かって突設される。
【0022】
前記リリーフバルブ7は、図4に示すように、前記サージタンク部18から、シリンダ5の軸芯方向とは直交する向きに一体に突出する円筒状胴部23を具える。この円筒状胴部23の中心孔24は、その一端E1が前記サージタンク室17に通じかつ他端E2が前記下板部9Lに向かって開口しており、又前記一端E1と他端E2との間には、先細コーン状の弁座部24aが形成される。
【0023】
又前記中心孔24内には、前記弁座部24aを開閉する弁軸25と、この弁軸25を弁座部24aに向かって付勢するバネ体26とが配されるとともに、該中心孔24の前記他端E2には、前記バネ体26を押さえるバネ押さえ27が取付られる。本例では、バネ押さえ27が螺着される場合が例示され、このバネ押さえ27が螺進退することにより、リリーフバルブ7のリリーフ圧力を自在に調整しうる。このように、前記リリーフバルブ7は、前記円筒状胴部23と、弁軸25と、バネ体26と、バネ押さえ27とを含んで形成される。
【0024】
ここで、本実施形態のコンプレッサ装置1では、コンパクト化のため、前記リリーフバルブ7は、バネ押さえ27の先端と、これに向き合う下板部9Lとの間の距離L1が例えば5mm以下(本例では3mm)と、前記下板部9Lに非常に近接して配されている。
【0025】
そして本発明では、前記円筒状胴部23の周壁に、前記弁座部24aと弁軸25との間から排気される圧縮空気を排出する開口部28を形成している。
【0026】
この開口部28は、本例では、図4、5に示すように、中心孔24の前記他端E2から一端E1側にのびるスリット29によって形成される。厳密には、前記スリット29のうち、バネ押さえ27の先端27eの位置と、スリット29の先端29eの位置との間で前記開口部28が形成される。このような開口部28を設けることにより、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する前記下板部9Lに直接当てることなく、ケース内に排出でき、収納ケース2の一部が局部的に高温度となって使用者が火傷するのを防ぐことができる。
【0027】
なおリリーフバルブ7と前記側板部8a〜8dとの間においては、比較的スペースに余裕が持てる。そのため、例えば図6に示すように、前記開口部28が、前記側板部8a〜8dのうちでこの開口部28に最も近い側板部(本例では、後の側板部8dに相当)に向かって開口した場合にも、この間の距離L2を、例えば15mm以上に充分確保することは可能であり、前記最も近い側板部8dの温度上昇を低く抑えることができる。従って、前記開口部28の向きは特に規制されることがなく、自在な向きに形成できる。
【0028】
前記開口部28は、必要な排気効率を確保して過圧を確実に逃がすために、その開口面積は0.7mm2以上であることが好ましい。
【0029】
又前記開口部28としては、本例の如くスリット29として形成する他、例えば穴30によって形成しても良く、係る場合、前記穴30の開口形状として、例えば図7(a)〜(c)に示すように、円形、楕円形(長円を含む)、矩形等の種々なものが採用できる。この場合にも穴30の開口面積は0.7mm2以上が好ましい。なお穴30の場合には、前記円筒状胴部23をシリンダ5と一体成形した後、穴加工をする必要が生じるが、スリット29の場合、前記一体成形において同時に形成しうるため、生産効率の観点から好ましい。
【0030】
又本例の場合、前記バネ押さえ27には、従来の如き、排気孔を形成していない。しかし、好ましくはないが、図8に示すように、前記バネ押さえ27にも、前記中心孔24と同方向にのび前記下板部9Lに向かって開口する従来と同様の排気孔31を設け、前記開口部28と排気孔31とで、過圧となった圧縮空気を排気させることもできる。かかる場合にも、圧縮空気が分散され、排気孔31からの流量が減じるため、下板部9Lの温度上昇を抑えることができる。
【0031】
なお本発明とは異なるが、前記開口部28を形成する以外に、リリーフバルブ7からの圧縮空気が、近接する収納ケース(例えば下板部9L)に直接当たるのを防止する手段として、図9に示すように、バネ押さえ27に設ける排気孔31の開口31aと、下板部9Lとの間に、遮蔽板40を設けることが挙げられる。
このとき前記遮蔽板40は、前記排気孔31の中心線jを中心とした、前記開口31aの開口径D1の3倍以上の直径Dyの遮蔽範囲Yを被覆しうる幅Waを有することが必要である。また遮蔽板40と下板部9Lとの間に、1.0mm以上の隙間K1を形成すること、及び開口31aと遮蔽板40との間に、1.0mm以上の隙間K2を形成することも必要である。
【0032】
このような遮蔽板40は、前記開口31aからの圧縮空気が下板部9Lに直接当たるのを防止する。又前記隙間K1によって形成される空気層41が断熱効果を発揮し、前記遮蔽効果と相俟って、下板部9Lの局部的な温度上昇を抑制できる。なお前記隙間K1が1.0mm未満では、断熱効果が不足し温度上昇を充分抑制できなくなる。又前記隙間K2が1.0mm未満では、前記開口31aから圧縮空気が円滑に排気できなくなる。なお隙間K1、K2の上限は、前記距離L1及び隙間K1、K2の下限の制約内で、適宜設定できる。
【0033】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0034】
本発明の効果を確認するため、図1に示す構造をなすコンプレッサ装置を、表1の仕様で形成するとともに、収納ケース表面における、リリーフバルブ周辺の各位置での温度を測定し互いに比較した。なお温度測定位置P1〜P3は、図10に示す。
【0035】
コンプレッサ装置の基本仕様は、以下の通りである。
・定格(12V、10A仕様)、
・吐出量(17リッタ/分)(無負荷時)、
・リリーフ圧(350kPa)、
・収納ケースのサイズ(横幅150mm×縦幅128mm×高さ55mm)、材質(ABS)、肉厚(2mm)
・モータに冷却ファン有り。
【0036】
又コンプレッサ装置では、リリーフバルブからの圧縮空気は、収納ケース内に排気し、収納ケース外には排出していない。又、リリーフバルブに設けた開口部は、図6に示すように、後の側板部に向かって開口しており、開口部から後の側板部までの距離L2は20mmであった。又バネ押さえから下板部までの距離L1(図3)は3.0mmで有り、従来例、及び実施例1では、バネ押さえに、下板部に向かって開口する排気孔を設けている。
【0037】
<試験方法>
タイヤ(195/65R15)に接続し、リリーフ圧350kPaの条件にて30分連続運転した。その時の収納ケース表面の位置P1〜P3(図10)における最高温度を測定し比較した。実験室の室温は23℃。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例は、リリーフバルブの円筒状胴部の周壁に、開口部を形成したため、収納ケース表面の局部的な温度上昇を効果的に抑制しうるのが確認できる。
【0040】
(参考実験)
円筒状胴部の周壁に、開口部を形成するのに代えて、従来のリリーフバルブを用い、図9に示すように、前記排気孔と下板部との間に遮蔽板を表2の仕様にて形成するとともに、そのときの収納ケース表面の位置P1〜P3での温度を測定し、比較した。なお遮蔽板の材質は、収納ケースと同様ABSで形成される。又遮蔽板は、前記遮蔽範囲Yを越える幅Waを有する。又測定方法は上記と同じである。
【0041】
【表2】
【0042】
参考例に示すように、遮蔽板を形成した場合にも、収納ケース表面の局部的な温度上昇を抑制しうるのが確認できる。
【符号の説明】
【0043】
1 コンプレッサ装置
2 収納ケース
3 ピストン
4 ポンプ室
5 シリンダ
6 コンプレッサ本体
7 リリーフバルブ
8 周囲壁部
8a、8b 側板部と
8c、8d 前後の側板部
9L 下板部
9U 上板部
12 クランク機構
23 円筒状胴部
24 中心孔
24a 弁座部
25 弁軸
26 バネ体
27 バネ押さえ
28 開口部
29 スリット
30 穴
M モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクしたタイヤにシーリング剤と圧縮空気とを順次送り込んでパンク修理を応急的に行うパンク応急修理用として好適であり、特にリリーフバルブから排出される高温度の圧縮空気に起因する火傷等を防止したコンプレッサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パンク応急修理用のコンプレッサ装置として、例えば図11に略示するように、収納ケースaに、モータb、該モータbにクランク機構cを介して連結されるピストンdと、このピストンdを往復動可能に収容するシリンダeとを具えるコンプレッサ本体f、及び前記シリンダeに取り付きかつ前記コンプレッサ本体fの過圧を逃がすリリーフバルブgを収納したものが多用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この主のコンプレッサ装置では、軽量かつコンパクトさが強く要求されるため、スペース上、各部材の配置に大きな制約を受ける。例えば、前記シリンダeには、圧力計hに連なるホースi1と、圧縮空気をタイヤ側に供給するホースi2と、前記リリーフバルブgとが連結されるが、このうちホースi1、i2側には広いスペースが必要となる。従って、必然的に、前記リリーフバルブgは、収納ケースaの厚さ方向に沿って、即ち、リリーフバルブgの先端を収納ケースaの下板部a2(又は上板部a1)に向けて配置せざるを得なくなる。このときリリーフバルブgの先端は、下板部a2との間の距離L1が、例えば5mm以下と、下板部a2に非常に近接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−344570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のリリーフバルブgでは、過圧となった高温の圧縮空気を、その先端から排気している。そのため、この排気された高温の圧縮空気が、近接する下板部a2に直接当たりその部分の温度を局部的に高温度に上昇させる。その結果、使用者が知らずに触れたとき驚かせてしまい、装置を手放して落下させたり手をぶつけたりして2次的に怪我や故障を招くなど、安全性の点で改善が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、リリーフバルブを構成する円筒状胴部の周壁に開口部を形成することを基本として、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する収納ケースに直接当てることなく排気でき、収納ケースの局部的な温度上昇を抑えて安全性を高めうるコンプレッサ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、収納ケースに、モータ、該モータにクランク機構を介して連結されるピストンと、このピストンを往復動可能に収容するとともに前記ピストンとの間で空気を圧縮するポンプ室を形成するシリンダとを具えるコンプレッサ本体、及び前記シリンダに取り付きかつ前記コンプレッサ本体の過圧を逃がすリリーフバルブを収納したコンプレッサ装置であって、
前記収納ケースは、両側の側板部と前後の側板部とからなる小高さの周囲壁部の上端、下端を上板部と下板部とで閉じた偏平な矩形箱状を有し、
前記リリーフバルブは、
前記シリンダから、該シリンダの軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端が前記ポンプ室に通じかつ他端が前記上板部又は下板部に向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部を形成した中心孔を有する円筒状胴部と、
前記中心孔内に配されて前記弁座部を開閉する弁軸と、
前記中心孔内に配されて前記弁軸を弁座部に向かって付勢するバネ体と、
前記中心孔の他端に取り付いて前記バネ体を押さえるバネ押さえとを具えるとともに、
前記円筒状胴部の周壁に、前記弁座部と弁軸との間から排気される圧縮空気を排出する開口部を形成したことを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明では、前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられかつ前記他端から一端側にのびるスリットにより形成されることを特徴としている。
【0009】
又請求項3の発明では、前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられる穴からなることを特徴としている。
【0010】
又請求項4の発明では、前記開口部は、開口面積が0.7mm2以上であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は叙上の如く、リリーフバルブを構成する円筒状胴部の周壁に、排気用の開口部を形成している。そのため、前記開口部から、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する収納ケースに直接当てることなくケース内に排出でき、収納ケースが局部的に高温に温度上昇するのを抑え、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のコンプレッサ装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】コンプレッサ本体を示す分解斜視図である。
【図3】コンプレッサ本体の作動状態を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)はリリーフバルブの作動状態を示す断面図である。
【図5】リリーフバルブを示す側面図である。
【図6】開口部の向きを説明する図面である。
【図7】(a)〜(c)は開口部の他の形状を説明する側面図である。
【図8】リリーフバルブの他の例を説明する側面図である。
【図9】遮蔽板を示す断面図である。
【図10】表2において温度測定した位置を説明する図面である。
【図11】(a)〜(c)は従来のコンプレッサ装置の問題点を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態のコンプレッサ装置1は、収納ケース2に、モータMと、該モータMに連結されるピストン3との間でポンプ室4を形成するシリンダ5を有するコンプレッサ本体6と、前記シリンダ5に取り付きかつ前記コンプレッサ本体6の過圧を逃がすリリーフバルブ7とを収納している。
【0014】
前記収納ケース2は、両側の側板部8a、8bと、前後の側板部8c、8dとからなる小高さの周囲壁部8の上端、下端を、それぞれ上板部9Uと下板部9Lとで閉じた横置きの偏平矩形状の箱体として形成される。なお本例では、前記収納ケース2は上下のケース部2A、2Bに分解可能に形成されている。
【0015】
前記モータMとしては、自動車の12V直流電源で作動する市販の種々のDCモータが採用できる。このモータMには、自動車のシガーライターソケットに接続可能な電源プラグ10Aを先端に設けた電源コード10が、前記収納ケース2の上板部9Uに取り付く電源スイッチSWを介して接続されている。このモータMには、その出力軸M1(図2に示す。)とは反対側に、冷却ファンM2が連結されるとともに、該冷却ファンM2が臨む一方の側板部8aには、外気を取り入れる吸気口11が形成される。なお前記吸気口11には、埃や雨の侵入を防止するため、フィルタやルーバー等が配される。
【0016】
次に、前記コンプレッサ本体6は、図2に示すように、前記モータMにクランク機構12を介して連結されるピストン3と、このピストン3を往復動可能に収容するとともに前記ピストン3との間で空気を圧縮するポンプ室4を形成するシリンダ5とを具える。
【0017】
具体的には、モータMには、複数の歯車を組み合わせた周知構造のギヤー減速手段14が接続され、例えばモータ回転数を1/3〜1/8程度に減速して最出力側の歯車である回転体14Aに伝達する。又前記クランク機構12は、前記回転体14Aに固定のクランク12aと、このクランク12aに一端が枢支されるロッド12bとから形成される。なお前記回転体14A自体をクランク12aとして構成することもできる。
【0018】
又前記ロッド12bの他端には前記ピストン3が配される。本例では、前記ロッド12bとピストン3とはFRPからなる一体成形体として形成される。又ピストン3には、図3に示すように、該ピストン3をその軸芯方向に貫通してのびる吸気孔15Aと、この吸気孔15Aをポンプ室側からバネ性を有して閉じる、例えばゴム、合成樹脂、金属等の弾性体などの弁15Bとを用いた吸気弁15が形成される。このピストン3は、前記シリンダ5の内腔内に収納され、該ピストン3との間に、空気を圧縮しうるポンプ室4を形成する。このコンプレッサ本体6は、前記ピストン3がポンプ室4の容積を増加させる向きに後退移動するとき、前記吸気弁15が開いてポンプ室4内に外気を流入させるとともに、前記ピストン3が前進移動するとき、前記吸気弁15を閉じて前記ポンプ室4内の空気を圧縮せしめ、圧力を高める。
【0019】
又前記シリンダ5は、本例では、前記ポンプ室4を形成する円筒状のシリンダ本体16の後端側に、前記ポンプ室4からの圧縮空気を貯留してピストン3による圧力の脈動を抑えるサージタンク室17を形成するサージタンク部18が付設される。
【0020】
前記サージタンク室17は、前記シリンダ本体16の後端を閉じる隔壁16Aに形成される小孔16A1を介して前記ポンプ室4に導通する。又サージタンク部18は、前記シリンダ本体16よりも小径な筒状をなし、本例ではシリンダ本体16に対して前記上板部9U側に芯ズレすることにより、サージタンク部18と下板部9Lとの間のスペースをやや大きなものとしている。
【0021】
そして、前記サージタンク部18の周壁には、圧力計20からの接続ホース21が連結されるニップル状の第1の接続部18a、圧縮空気をタイヤ側に供給する接続ホース22が連結されるニップル状の第2の接続部18b、及びリリーフバルブ7が形成される。なお前記第1、第2の接続部18a、18bは、一方、他方の側板部8a、8bに向かって突出している。これに対して、リリーフバルブ7は、前記下板部9Lに向かって突設される。
【0022】
前記リリーフバルブ7は、図4に示すように、前記サージタンク部18から、シリンダ5の軸芯方向とは直交する向きに一体に突出する円筒状胴部23を具える。この円筒状胴部23の中心孔24は、その一端E1が前記サージタンク室17に通じかつ他端E2が前記下板部9Lに向かって開口しており、又前記一端E1と他端E2との間には、先細コーン状の弁座部24aが形成される。
【0023】
又前記中心孔24内には、前記弁座部24aを開閉する弁軸25と、この弁軸25を弁座部24aに向かって付勢するバネ体26とが配されるとともに、該中心孔24の前記他端E2には、前記バネ体26を押さえるバネ押さえ27が取付られる。本例では、バネ押さえ27が螺着される場合が例示され、このバネ押さえ27が螺進退することにより、リリーフバルブ7のリリーフ圧力を自在に調整しうる。このように、前記リリーフバルブ7は、前記円筒状胴部23と、弁軸25と、バネ体26と、バネ押さえ27とを含んで形成される。
【0024】
ここで、本実施形態のコンプレッサ装置1では、コンパクト化のため、前記リリーフバルブ7は、バネ押さえ27の先端と、これに向き合う下板部9Lとの間の距離L1が例えば5mm以下(本例では3mm)と、前記下板部9Lに非常に近接して配されている。
【0025】
そして本発明では、前記円筒状胴部23の周壁に、前記弁座部24aと弁軸25との間から排気される圧縮空気を排出する開口部28を形成している。
【0026】
この開口部28は、本例では、図4、5に示すように、中心孔24の前記他端E2から一端E1側にのびるスリット29によって形成される。厳密には、前記スリット29のうち、バネ押さえ27の先端27eの位置と、スリット29の先端29eの位置との間で前記開口部28が形成される。このような開口部28を設けることにより、過圧となった高温の圧縮空気を、近接する前記下板部9Lに直接当てることなく、ケース内に排出でき、収納ケース2の一部が局部的に高温度となって使用者が火傷するのを防ぐことができる。
【0027】
なおリリーフバルブ7と前記側板部8a〜8dとの間においては、比較的スペースに余裕が持てる。そのため、例えば図6に示すように、前記開口部28が、前記側板部8a〜8dのうちでこの開口部28に最も近い側板部(本例では、後の側板部8dに相当)に向かって開口した場合にも、この間の距離L2を、例えば15mm以上に充分確保することは可能であり、前記最も近い側板部8dの温度上昇を低く抑えることができる。従って、前記開口部28の向きは特に規制されることがなく、自在な向きに形成できる。
【0028】
前記開口部28は、必要な排気効率を確保して過圧を確実に逃がすために、その開口面積は0.7mm2以上であることが好ましい。
【0029】
又前記開口部28としては、本例の如くスリット29として形成する他、例えば穴30によって形成しても良く、係る場合、前記穴30の開口形状として、例えば図7(a)〜(c)に示すように、円形、楕円形(長円を含む)、矩形等の種々なものが採用できる。この場合にも穴30の開口面積は0.7mm2以上が好ましい。なお穴30の場合には、前記円筒状胴部23をシリンダ5と一体成形した後、穴加工をする必要が生じるが、スリット29の場合、前記一体成形において同時に形成しうるため、生産効率の観点から好ましい。
【0030】
又本例の場合、前記バネ押さえ27には、従来の如き、排気孔を形成していない。しかし、好ましくはないが、図8に示すように、前記バネ押さえ27にも、前記中心孔24と同方向にのび前記下板部9Lに向かって開口する従来と同様の排気孔31を設け、前記開口部28と排気孔31とで、過圧となった圧縮空気を排気させることもできる。かかる場合にも、圧縮空気が分散され、排気孔31からの流量が減じるため、下板部9Lの温度上昇を抑えることができる。
【0031】
なお本発明とは異なるが、前記開口部28を形成する以外に、リリーフバルブ7からの圧縮空気が、近接する収納ケース(例えば下板部9L)に直接当たるのを防止する手段として、図9に示すように、バネ押さえ27に設ける排気孔31の開口31aと、下板部9Lとの間に、遮蔽板40を設けることが挙げられる。
このとき前記遮蔽板40は、前記排気孔31の中心線jを中心とした、前記開口31aの開口径D1の3倍以上の直径Dyの遮蔽範囲Yを被覆しうる幅Waを有することが必要である。また遮蔽板40と下板部9Lとの間に、1.0mm以上の隙間K1を形成すること、及び開口31aと遮蔽板40との間に、1.0mm以上の隙間K2を形成することも必要である。
【0032】
このような遮蔽板40は、前記開口31aからの圧縮空気が下板部9Lに直接当たるのを防止する。又前記隙間K1によって形成される空気層41が断熱効果を発揮し、前記遮蔽効果と相俟って、下板部9Lの局部的な温度上昇を抑制できる。なお前記隙間K1が1.0mm未満では、断熱効果が不足し温度上昇を充分抑制できなくなる。又前記隙間K2が1.0mm未満では、前記開口31aから圧縮空気が円滑に排気できなくなる。なお隙間K1、K2の上限は、前記距離L1及び隙間K1、K2の下限の制約内で、適宜設定できる。
【0033】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0034】
本発明の効果を確認するため、図1に示す構造をなすコンプレッサ装置を、表1の仕様で形成するとともに、収納ケース表面における、リリーフバルブ周辺の各位置での温度を測定し互いに比較した。なお温度測定位置P1〜P3は、図10に示す。
【0035】
コンプレッサ装置の基本仕様は、以下の通りである。
・定格(12V、10A仕様)、
・吐出量(17リッタ/分)(無負荷時)、
・リリーフ圧(350kPa)、
・収納ケースのサイズ(横幅150mm×縦幅128mm×高さ55mm)、材質(ABS)、肉厚(2mm)
・モータに冷却ファン有り。
【0036】
又コンプレッサ装置では、リリーフバルブからの圧縮空気は、収納ケース内に排気し、収納ケース外には排出していない。又、リリーフバルブに設けた開口部は、図6に示すように、後の側板部に向かって開口しており、開口部から後の側板部までの距離L2は20mmであった。又バネ押さえから下板部までの距離L1(図3)は3.0mmで有り、従来例、及び実施例1では、バネ押さえに、下板部に向かって開口する排気孔を設けている。
【0037】
<試験方法>
タイヤ(195/65R15)に接続し、リリーフ圧350kPaの条件にて30分連続運転した。その時の収納ケース表面の位置P1〜P3(図10)における最高温度を測定し比較した。実験室の室温は23℃。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例は、リリーフバルブの円筒状胴部の周壁に、開口部を形成したため、収納ケース表面の局部的な温度上昇を効果的に抑制しうるのが確認できる。
【0040】
(参考実験)
円筒状胴部の周壁に、開口部を形成するのに代えて、従来のリリーフバルブを用い、図9に示すように、前記排気孔と下板部との間に遮蔽板を表2の仕様にて形成するとともに、そのときの収納ケース表面の位置P1〜P3での温度を測定し、比較した。なお遮蔽板の材質は、収納ケースと同様ABSで形成される。又遮蔽板は、前記遮蔽範囲Yを越える幅Waを有する。又測定方法は上記と同じである。
【0041】
【表2】
【0042】
参考例に示すように、遮蔽板を形成した場合にも、収納ケース表面の局部的な温度上昇を抑制しうるのが確認できる。
【符号の説明】
【0043】
1 コンプレッサ装置
2 収納ケース
3 ピストン
4 ポンプ室
5 シリンダ
6 コンプレッサ本体
7 リリーフバルブ
8 周囲壁部
8a、8b 側板部と
8c、8d 前後の側板部
9L 下板部
9U 上板部
12 クランク機構
23 円筒状胴部
24 中心孔
24a 弁座部
25 弁軸
26 バネ体
27 バネ押さえ
28 開口部
29 スリット
30 穴
M モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ケースに、モータ、該モータにクランク機構を介して連結されるピストンと、このピストンを往復動可能に収容するとともに前記ピストンとの間で空気を圧縮するポンプ室を形成するシリンダとを具えるコンプレッサ本体、及び前記シリンダに取り付きかつ前記コンプレッサ本体の過圧を逃がすリリーフバルブを収納したコンプレッサ装置であって、
前記収納ケースは、両側の側板部と前後の側板部とからなる小高さの周囲壁部の上端、下端を上板部と下板部とで閉じた偏平な矩形箱状をなし、
前記リリーフバルブは、
前記シリンダから、該シリンダの軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端が前記ポンプ室に通じかつ他端が前記上板部又は下板部に向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部を形成した中心孔を有する円筒状胴部と、
前記中心孔内に配されて前記弁座部を開閉する弁軸と、
前記中心孔内に配されて前記弁軸を弁座部に向かって付勢するバネ体と、
前記中心孔の他端に取り付いて前記バネ体を押さえるバネ押さえとを具えるとともに、
前記円筒状胴部の周壁に、前記弁座部と弁軸との間から排気される圧縮空気を排出する開口部を形成したことを特徴とするコンプレッサ装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられかつ前記他端から一端側にのびるスリットにより形成されることを特徴とする請求項1記載のコンプレッサ装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられる穴からなることを特徴とする請求項1記載のコンプレッサ装置。
【請求項4】
前記開口部は、開口面積が0.7mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコンプレッサ装置。
【請求項1】
収納ケースに、モータ、該モータにクランク機構を介して連結されるピストンと、このピストンを往復動可能に収容するとともに前記ピストンとの間で空気を圧縮するポンプ室を形成するシリンダとを具えるコンプレッサ本体、及び前記シリンダに取り付きかつ前記コンプレッサ本体の過圧を逃がすリリーフバルブを収納したコンプレッサ装置であって、
前記収納ケースは、両側の側板部と前後の側板部とからなる小高さの周囲壁部の上端、下端を上板部と下板部とで閉じた偏平な矩形箱状をなし、
前記リリーフバルブは、
前記シリンダから、該シリンダの軸芯方向とは直交する向きに突出する円筒状をなし、かつ内部に、一端が前記ポンプ室に通じかつ他端が前記上板部又は下板部に向かって開口するとともに前記一端と他端との間に弁座部を形成した中心孔を有する円筒状胴部と、
前記中心孔内に配されて前記弁座部を開閉する弁軸と、
前記中心孔内に配されて前記弁軸を弁座部に向かって付勢するバネ体と、
前記中心孔の他端に取り付いて前記バネ体を押さえるバネ押さえとを具えるとともに、
前記円筒状胴部の周壁に、前記弁座部と弁軸との間から排気される圧縮空気を排出する開口部を形成したことを特徴とするコンプレッサ装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられかつ前記他端から一端側にのびるスリットにより形成されることを特徴とする請求項1記載のコンプレッサ装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記円筒状胴部に設けられる穴からなることを特徴とする請求項1記載のコンプレッサ装置。
【請求項4】
前記開口部は、開口面積が0.7mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコンプレッサ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−43144(P2011−43144A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193373(P2009−193373)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】
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