説明

コンロッドの製造方法及びコンロッド

【課題】冷間鍛造によって高強度、かつ高精度にコンロッドを成形することができるコンロッドの製造方法を提供する。
【解決手段】大端部3と、小端部4と、それらの間に延在するコラム部5と、を有するコンロッド2を冷間鍛造によって製造する方法であって、素材1の中途部を、該素材1より高い強度を有するフローティング部材であるフローティング板8により保持して所定方向に偏芯させつつ、素材1の軸方向に圧縮して据え込み成形を行う据え込み工程S10と、フローティング板8を、素材1の中途部の上下に位置する据え込まれた素材1の間に挟み込みながらコラム部5を形成する挟み込み工程S20と、コラム部5に対して塑性加工を行う塑性加工工程S30と、コラム部5の厚さ方向に圧縮を行うことで、大端部3と小端部4となる部分に所定の形状を付与する形状付与工程S40と、コンロッド2に対して仕上げ加工を行う仕上げ加工工程S50と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度のコンロッドを製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のピストンとクランクシャフトを連結するコンロッドは、クランク軸が連結される大端部と、ピストンピンが連結される小端部と、大端部と小端部を連結するコラム部とから構成されている。また、コンロッドは、ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動へ変換する際に、引張荷重や圧縮荷重等の負荷がかかる部位であるために強度を高めることが求められている。一方、大端部と小端部は、コンロッド成形後に仕上げ加工として機械加工が行われるため、切削性を具備することが求められている。
コンロッドを製造する方法としては、以下のような技術が公知となっている。
【0003】
特許文献1においては、コンロッド用プリフォームを製造するにあたり、コンロッドの大端部を押出し、小端部を押し潰しにより、複数工程にて行うというコンロッド用プリフォームの製造方法が記載されている。
【0004】
特許文献2においては、据え込み加工の前に熱処理調質や燐酸被膜処理をし、複数の連続した据え込み加工により頭付部品を製造する方法が記載されている。
【0005】
特許文献3においては、予備成形材を閉塞鍛造し、通常の型鍛造(バリ出し鍛造)を行う異形棒状部品の製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001−150088号公報
【特許文献2】特開2001−129632号公報
【特許文献3】特開平10−180394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている製造方法においては、一旦、軸部を押し出して細軸を形成してから、押し潰して小端部の体積を確保するときに、座屈や成形限界等の制約で、一度に加工することができず、複数の工程を必要とする。
すなわち、細軸部を押し潰して小端部の体積を確保する際、細軸が座屈しやすいので、大きな荷重を加えることができず、型で拘束しながら押し潰しをすることになるので、工程が増える。このように工程が増えた場合、型磨耗や、温度、摩擦等の影響で、鍛造品の精度が悪化し、最終工程(コンロッドの鍛造)後の完成部品の精度に影響を与える。
【0007】
また、特許文献2に記載されている製造方法においては、据え込み加工工程が複数必要であるのと、途中で熱処理や、燐酸被膜処理が必要であるため、連続での生産が途切れ、生産性が悪い。
すなわち、一般的に据え込み率(初期高さに対する押し込み高さの比)とされる65〜70%程度で加工硬化を行う場合は、ワレが生じやすく、成形限界となるので、熱処理により、軟化させたり、潤滑被膜を付与したりする再処理が必要となる。
【0008】
また、特許文献3に記載されている製造方法においては、閉塞鍛造や、密閉鍛造は、冷間で行うと、鍛造荷重が著しく増え、金型の型寿命を破損や型磨耗により低下させてしまう。さらに、熱間鍛造で実施すると、一般的なバリをともなう型鍛造に比べて金型と素材との接触時間が長くなるので、型寿命が低下し、鍛造荷重も大きい。
すなわち、閉塞鍛造や、密閉鍛造は、1つの工程で所望の型形状に成形できるが、金型と素材との接触面積が大きく、パンチを押す力や、上下型を拘束する力、クッション圧や摩擦に抵抗する力が加わり、鍛造荷重が著しく増大する。そのため、この製造方法の適用は、鍛造プレス能力の制限や、複雑な型構成(磨耗、破損しやすい)を考慮すると、比較的小さな部品に対するものに限られる。
【0009】
そこで、本発明は、冷間鍛造によって高強度、かつ高精度にコンロッドを成形することができるコンロッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、
大端部と、小端部と、それらの間に延在するコラム部と、を有するコンロッドを冷間鍛造によって製造する方法であって、
素材の中途部を、該素材より高い強度を有するフローティング部材により保持して所定方向に偏芯させつつ、前記素材の軸方向に圧縮して据え込み成形を行う据え込み工程と、
前記フローティング部材を、前記素材の中途部の上下に位置する据え込まれた素材の間に挟み込みながら前記コラム部を形成する挟み込み工程と、
前記挟み込み工程により前記フローティング部材が挟み込まれて形成された前記コラム部に対して塑性加工を行う塑性加工工程と、
前記コラム部の厚さ方向に圧縮を行うことで、前記大端部と前記小端部となる部分に所定の形状を付与する形状付与工程と、
前記形状付与工程により形成されたコンロッドに対して仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、
を具備するコンロッドの製造方法である。
【0012】
請求項2においては、
前記請求項1に記載の製造方法により製造されたコンロッドである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、冷間鍛造により低荷重で成形することに加え、コラム部を高強度材で強化することにより、座屈や、疲労強度に優れた高強度コンロッドを得ることができる。
また、冷間鍛造で加工するため、熱間鍛造と比べ鍛造バリが少ないので、通常の熱間鍛造によるコンロッドに比べて、歩留まりが向上し、鍛造品精度も向上する。また、機械加工取りしろが減り、大小端部の切削性は確保されるので、コストを低減できる。
【0015】
請求項2においては、冷間鍛造により低荷重で成形することに加え、コラム部を高強度材で強化することにより、座屈や、疲労強度に優れた高強度コンロッドを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0017】
まず、図5を用いて本発明に係るコンロッドの製造方法により製造されるコンロッドについて説明する。
本実施形態に係るコンロッド2は、主に大端部3と、小端部4と、それらの間に延在するコラム部5と、を有しており、大端部3には、クランク軸(図示せず)が連結され、小端部4には、ピストンピン(図示せず)が連結される。
【0018】
上述したコンロッド2を製造する際において、以下に説明する本発明に係る一実施形態であるコンロッドの製造方法を適用する。
【0019】
次に、図1から図4、図6を用いて本発明に係るコンロッドの製造方法の一実施形態について説明する。
コンロッドの製造方法は、図6に示す如く、主として据え込み工程S10、挟み込み工程S20、塑性加工工程S30、形状付与工程S40及び仕上げ加工工程S50を具備する。以下、各工程について具体的に説明する。
【0020】
最初に、コンロッド2の製造を開始するにあたり、コンロッド2の素材1を準備する。
素材1は、丸棒状である冷間鍛造用の鋼材である。素材1は、後述する成形装置10の所定の位置にセットされて、本発明に係るコンロッドの製造方法により製造されるコンロッド2の素材である。
【0021】
成形装置10は、素材1を用いて冷間鍛造により偏芯据え込み成形を行う装置であり、図1に示すように、主として上型6、下型7、及びフローティング部材(偏芯治具)であるフローティング板8を具備する。上型6と下型7とは、上下に対向して配置され、上下型6・7の間にフローティング板8が配置される。
また、上型6と下型7とは、それぞれが対向する面にテーパ部6aとテーパ部7aとが設けられている。
【0022】
フローティング板8は、扁平な形状であり、素材1よりも高い強度を有する板状部材である。フローティング板8は、所定箇所に開口部8aが開口されており、該開口部8aに素材1を挿入して、素材1の中途部(本実施形態においてはコンロッド2の小端部4となる部分)を保持することが可能である。また、フローティング板8は、素材2を成形装置10にセットする初期状態において、上下型6・7の間の略中間位置に配置されており、成形装置10の上型6が下降するに応じてフローティング板8も下降し、常に上下型6・7の上下方向中間に保持可能であるフローティング機構(図示せず)を有している。また、フローティング板8は、素材1の中途部を保持した状態で、素材1の中心軸方向に対して鉛直方向に移動可能(スライド可能)である。
【0023】
据え込み工程S10は、素材1の中途部を、該素材1より高い強度を有するフローティング部材であるフローティング板8により保持して所定方向に偏芯させつつ、前記素材1の軸方向に圧縮して据え込み成形を行う工程である。
【0024】
すなわち、据え込み工程S10では、図1に示すように、素材1より高い強度を有するフローティング板8により素材の中途部(コンロッド2の小端部4となる部分)を保持して、素材1の中途部を所定方向(座屈させる方向)に偏芯(オフセット)させると同時に、成形装置10の上型6を下降させることで、素材1の中途部を意図的に座屈させつつ、素材の軸方向(上下方向)に圧縮し、偏芯据え込み成形を行う。
据え込み工程S10が終了したら、挟み込み工程S20に移行する。
なお、素材1においては、上述した丸棒状の部材に限定するものではなく、丸棒を粗加工して、形成される大小端部およびコラム部に応じた体積配分をしておくことも可能である。例えば、図7に示すように、成形限界等を考慮して、丸棒状の素材の長手方向中途部にくびれ部分を設けるテーパ状加工を施したテーパ付き丸棒1aを素材として用いることで、テーパ状加工を施さない丸棒の素材1と比べて、低荷重で据え込み成形することが可能である。この場合は、形成される大端部3と小端部4の体積配分を考慮して、テーパ形状を決める。
また、偏芯据え込み時においては、素材1の成形限界までは、押し込まず、コラム部5成形時のリダクション(断面減少率)が60%以下になるような形状にとどめることで、クラック等のワレを防止することができる。
【0025】
挟み込み工程S20は、フローティング板8を、素材1の中途部の上下に位置する据え込まれた素材1の間に挟み込みながら前記コラム部5を形成する工程である。
【0026】
すなわち、挟み込み工程S20では、図2に示すように、成形装置10によりフローティング板8により素材1の中途部(小端部4となる部分)を座屈方向に偏芯させながら、テーパ部6a・7aが設けられた上下型6・7を所定位置まで近接して圧縮することで、フローティング板8を素材1の中途部の上下に位置する据え込まれた素材1(コラム部5の表面層となる部分)に挟み込んでいく。つまり、挟み込み工程S20では、高強度材であるフローティング板8をコラム部5の中間層として一体化するべく挟み込んでいく工程である。
なお、本工程にて、所定の圧縮を付与しながらフローティング板8を挟み込んでいくことで、成形時のワレを少なくすることができる。
挟み込み工程S20が終了したら、塑性加工工程S30に移行する。
【0027】
塑性加工工程S30は、挟み込み工程S20によりフローティング板8が挟み込まれて形成されたコラム部5に対して塑性加工を行う工程である。
【0028】
すなわち、塑性加工工程S30では、図3に示すように、挟み込み工程S20によりフローティング板8が挟み込まれて形成されたコラム部5を有したコンロッド2の中間成形物2aを成形装置10から取り出して、押し出し成形装置20にセットして、コラム部5となる部分について所定の厚さとなるように押し出し成形及び圧延成形による塑性加工を行う。コンロッド2の中間成形物2aの他端部を一端側(図3の右側)へと押し出しながら中間成形物2aのコラム部5を所定の厚さとすると共に、大端部3側の素材体積を確保するように塑性加工を行う。
このように、押し出しや圧延による塑性加工を行うこと、すなわち、圧縮場による塑性加工を行うことにより、成形ワレが生じにくくなる。この場合の断面減少率は60%以下が好ましい。
塑性加工工程S30が終了したら、形状付与工程S40に移行する。
【0029】
形状付与工程S40は、コラム部5の厚さ方向に圧縮を行うことで、大端部3と小端部4となる部分に所定の形状を付与する工程である。
【0030】
すなわち、形状付与工程S40では、図4に示すように、塑性加工工程S30にて加工処理されたコンロッド2の中間成形物2aを据え込み成形を行う成形装置30の上下型11・12の所定位置にセットして、中間成形物2aの厚さ方向に圧縮(据え込み)を行うことで、コンロッド2の両端部である大端部3と小端部4となる部分において、所定の形状となるように形状付与を行う。
なお、本工程においては、形状付与のために据え込み成形としているが、特に限定するものではない。
また、本工程の前工程である据え込み工程S10、挟み込み工程S20及び塑性加工工程S30においては、偏芯据え込みやコラム部5となる部分の押し出し成形を行っているだけであり、大小端部3・4となる部分に対しては加工硬化を施していないので、コンロッド2の厚さ方向への型圧縮により大小端部3・4となる部分の形状付与をより低い荷重で行うことができる。
形状付与工程S40が終了したら、仕上げ加工工程S50に移行する。
【0031】
仕上げ加工工程S50は、形状付与工程S40により形成されたコンロッド2に対して仕上げ加工を行う工程である。
【0032】
すなわち、仕上げ加工工程S50では、形状付与工程S40により形成されたコンロッド2に対して仕上げ矯正(コイニング)を行うことにより、例えば、大端部3と小端部4とを繋ぐコラム部5を断面視略H型となるべく形成することできる。そして、コンロッド2の外周面のバリ取りを行って、図5に示すように、高強度コンロッド2を得ることができる。
なお、図5に示すコンロッド2は、大端部3を半割とした形となっているが、特に限定するものではなく、例えば、成形性に優れた素材を用いれば、大端部を半割とせずに繋がった形として成形することもできる。
上述したコンロッド2の製造方法においては、型鍛造成形のような型による積極的な拘束(密閉)を伴う成形を行わないので、最終的に、通常の型鍛造とは異なり微小なバリがあるにすぎず、仕上げ矯正やバリ取りを容易に行うことができる。
【0033】
(実施例)
次に、上述したコンロッドの製造方法についての実施例を示す。
素材1として、S45C焼鈍材(ビッカース硬さ:HV180)からなるφ25mmの丸棒を使用し、高強度材であるフローティング板8としてベイナイト鋼板(HV400、厚さ8mm)を用いて、上述したコンロッドの製造方法を適用してコンロッド2を製造した。
(各工程における製造条件)
塑性加工工程S30においては、コラム部5の塑性加工はリダクション(断面減少率)40%とし、押し出しにて成形した。
なお、断面積減少率は、低すぎると高強度材との接触面に隙間が残り、高すぎると成形荷重が増大するので、10〜60%程度が望ましい。
形状付与工程S40においては、コラム部5の厚さ方向への圧縮成形は、250トン油圧プレスにて行った後、同じ油圧プレスを用いてコラム部5の厚さ、コラム部5の長さ方向の仕上げ矯正を行い、高強度コンロッド2を得た。
こうして、本発明に係るコンロッドの製造方法によるコンロッド2の静的な座屈強度は、従来の熱間鍛造によるコンロッドと比べて、約10%向上した。
なお、素材1として、Al合金系の焼結丸棒(例えばRSP粉末)を用い、コラム部5の高強度材であるフローティング板8としてベイナイト鋼板(HV400)を用いることで、高強度な軽量コンロッドを製造することもできる。
【0034】
このようにして、金型で密閉させずに、低い荷重で、かつ冷間加工で高強度コンロッド2を製造することが可能となる。
また、偏芯据え込み時にフローティング板8として素材1よりも強度の高い部材を使い、コラム部5に挟んで粗加工する。その後、コラム部5を押し出し、圧延等の塑性加工を行うことにより、コラム部5を長手方向に伸ばすことで、高強度部材であるフローティング板8と素材1とを複合化して高強度コンロッド2を得ることができる。
【0035】
こうして、大端部3と、小端部4と、それらの間に延在するコラム部5と、を有するコンロッド2を冷間鍛造によって製造する方法であって、
素材1の中途部を、該素材1より高い強度を有するフローティング部材であるフローティング板8により保持して所定方向に偏芯させつつ、前記素材1の軸方向に圧縮して据え込み成形を行う据え込み工程S10と、
前記フローティング板8を、前記素材1の中途部の上下に位置する据え込まれた素材1の間に挟み込みながら前記コラム部5を形成する挟み込み工程S20と、
前記挟み込み工程S20により前記フローティング板8が挟み込まれて形成された前記コラム部5に対して塑性加工を行う塑性加工工程S30と、
前記コラム部5の厚さ方向に圧縮を行うことで、前記大端部3と前記小端部4となる部分に所定の形状を付与する形状付与工程S40と、
前記形状付与工程S40により形成されたコンロッド2に対して仕上げ加工を行う仕上げ加工工程S50と、
を具備するコンロッドの製造方法を適用することにより、冷間鍛造により低荷重で成形することに加え、コラム部5を高強度材で強化することにより、座屈や、疲労強度に優れた高強度コンロッド2を得ることができる。
また、冷間鍛造で加工するため、熱間鍛造と比べ鍛造バリが少ないので、通常の熱間鍛造によるコンロッドに比べて、歩留まりが向上し、鍛造品精度も向上する。また、機械加工取りしろが減り、大小端部3・4の切削性は確保されるので、コストを低減できる。
【0036】
また、本実施形態に係るコンロッドの製造方法により製造されたコンロッド2は、冷間鍛造により低荷重で成形することに加え、コラム部5を高強度材で強化することにより、座屈や、疲労強度に優れた高強度コンロッドを得ることができる。
【0037】
つまり、本発明は、コンロッドの製造方法において、偏芯据え込み時に、フローティング板8としてコラム部5より強度の高い部材を使い、コラム部5にそのフローティング板8を挟み、その後、コラム部5を塑性加工する。これにより、座屈や、疲労強度に優れた高強度コンロッド2を得ることができる。さらに、冷間加工による製造方法であるため、バリが少なく歩留まりが向上し、鍛造品精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る据え込み工程を示す模式側面断面図。
【図2】同じく挟み込み工程を示す模式側面断面図。
【図3】同じく塑性加工工程を示す模式側面断面図。
【図4】同じく形状付与工程を示す模式側面断面図。
【図5】コンロッドを示す斜視図。
【図6】コンロッドの製造方法のフローを示す図。
【図7】素材の別実施例を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
1 素材
2 コンロッド
2a 中間成形物
3 大端部
4 小端部
5 コラム部
8 フローティング板
10 成形装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大端部と、小端部と、それらの間に延在するコラム部と、を有するコンロッドを冷間鍛造によって製造する方法であって、
素材の中途部を、該素材より高い強度を有するフローティング部材により保持して所定方向に偏芯させつつ、前記素材の軸方向に圧縮して据え込み成形を行う据え込み工程と、
前記フローティング部材を、前記素材の中途部の上下に位置する据え込まれた素材の間に挟み込みながら前記コラム部を形成する挟み込み工程と、
前記挟み込み工程により前記フローティング部材が挟み込まれて形成された前記コラム部に対して塑性加工を行う塑性加工工程と、
前記コラム部の厚さ方向に圧縮を行うことで、前記大端部と前記小端部となる部分に所定の形状を付与する形状付与工程と、
前記形状付与工程により形成されたコンロッドに対して仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、
を具備することを特徴とするコンロッドの製造方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするコンロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−137248(P2010−137248A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314914(P2008−314914)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】