説明

サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤及び痩身剤

【課題】天然物の中からサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する物質を見出し、それを有効成分とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤を提供する。
【解決手段】ヒマラヤンラズベリー抽出物がサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用並びに痩身作用を有することを利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内における重要な情報伝達物質であるサイクリックAMPを分解するサイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を阻害し、ひいては体脂肪を減少させる痩身剤、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飽食や運動不足等の生活習慣が原因となって体脂肪が増加し、それにより肥満を伴う成人病が増加している。肥満は、高脂血症や動脈硬化等の成人病の原因になるため、美容の面で問題となるばかりでなく、健康の面でも大きな問題となる。動物性脂肪の摂取過多による肥満を伴う高脂血症や動脈硬化等の成人病を予防するには、脂肪代謝を促進し生体内に過剰に蓄積された脂肪をエネルギーとして利用すればよい。生体内の脂肪を分解するためには、サイクリックAMPの役割が重要となる。サイクリックAMPは生体内に存在するトリグリセリドリパーゼを活性化し、活性化されたリパーゼによって脂肪が脂肪酸とグリセロールとに分解される。しかし、サイクリックAMPホスホジエステラーゼが活性化されるとサイクリックAMPの分解が誘発され、トリグリセリドリパーゼの活性化が阻害される。
【0003】
そのため、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの活性を阻害することにより細胞内におけるサイクリックAMPが増量し、脂肪の分解を促進することができるものと考えられる。したがって、サイクリックAMP分解酵素であるサイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制してサイクリックAMP濃度の低下を防止すれば、生体内に蓄積された脂肪をエネルギーとしてさらに利用できるはずである。
【0004】
このような考えに基づき、本出願人らは、すでにサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有するものとして、独脚金、小良姜及びサイコの抽出物(特許文献1参照)、ピーナツ渋皮抽出物(特許文献2参照)、ショウガ科マンゴージンジャーの抽出物(特許文献3参照)、ツベイモシドI(特許文献4参照)、等を開示している。
【特許文献1】特開2003−261457号公報
【特許文献2】特開2004−26719号公報
【特許文献3】特開2005−104886号公報
【特許文献4】特開2006−56855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、安全性の高い天然物の中からサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する物質を見出し、それを有効成分とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、ヒマラヤンラズベリー抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヒマラヤンラズベリー抽出物を有効成分として含有し、安全性に優れたサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、ヒマラヤンラズベリーの抽出物を有効成分として含有する。
【0009】
なお、本発明において、前記「抽出物」には、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【0010】
前記ヒマラヤンラズベリー(学名:Rubus ellipticus、別名:オニイチゴ、中国名:切頭懸鉤子)とは、バラ科に属し、新鮮な果実は香りがあり食用にされている。ヒマラヤンラズベリーはヒマラヤから東南アジア、中国東南部で自生又は栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0011】
抽出原料として用いるヒマラヤンラズベリーの構成部位は、特に限定されるものではなく例えば、葉部、茎部、花部、樹皮、根部、種皮、果実、果核又はこれらの混合部位を抽出原料として用いることができるが、これらの中でも根部を抽出原料として用いることが好ましい。
【0012】
ヒマラヤンラズベリー抽出物に含有されるサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用又は痩身作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、ヒマラヤンラズベリーからサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用又は痩身作用を有する抽出物を得ることできる。
【0013】
例えば、ヒマラヤンラズベリーを乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕して抽出溶媒に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記ヒマラヤンラズベリーは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0014】
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
【0015】
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0016】
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、該親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
【0017】
なお、前記水と親水性有機溶媒との抽出溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
【0018】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り得に限定はされず、常法に従って行うことができる。具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料としてのヒマラヤンラズベリーを投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。
【0019】
得られたヒマラヤンラズベリー抽出物は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0020】
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。得られた抽出液はそのままでサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。
【0021】
また、前記ヒマラヤンラズベリー抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、化粧料などに配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0022】
以上のようにして得られるヒマラヤンラズベリー抽出物は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有しているため、その作用を利用してサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤の有効成分として用いることができる。
本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、ヒマラヤンラズベリー抽出物のみからなるものであってもよいし、ヒマラヤンラズベリー抽出物を製剤化したものであってもよい。
【0023】
ヒマラヤンラズベリー抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、矯臭剤等に用いることができる。ヒマラヤンラズベリー抽出物は、他の組成物(例えばクリーム、ローション、乳液、パックなどの基礎化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、浴用剤、貼付剤等として使用することができる。なお、本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、必要に応じて、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用又は痩身作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
【0024】
本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、ヒマラヤンラズベリー抽出物が有するサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通じて、たるみ・むくみ等の皮膚症状を予防・改善することができる。ただし、本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、これらの用途以外にもサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0025】
なお、本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0027】
(製造例1)ヒマラヤンラズベリー抽出物の製造
ヒマラヤンラズベリーの根部の粗粉砕物100gを80%エタノール1Lに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った。その後ろ過し、残渣を得、この残渣を再び50%エタノール1Lに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った。2度の抽出により得られたろ液を合わせ、40℃で減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥して該抽出物を得た。抽出物の収率は表1のとおりであった。
【0028】
[表1]
植 物 抽出物収率(質量%)
ヒマラヤンラズベリー抽出物 9.5
【0029】
(試験例1)サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用試験
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物について、下記の方法によりサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の試験をした。
【0030】
5mMの塩化マグネシウムを含有するトリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アルプミン溶液0.1mLおよびサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、さらに50%DMSOを用いて所定濃度で溶解した試料溶液(製造例1)0.05mLを加え、37℃で5分間プレインキュベーションした。次いでサイクリックAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間インキュベーションした。 沸騰浴中で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃で3500rpm遠心分離し、上清中の反応基質・5′−AMPを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。試料溶液を添加せずに同様の酵素反応と反応基質の分析を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時の反応基質量の比率より、試料のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率を求めた。
【0031】
試料溶液の試料濃度を段階的に減少させて上記の測定を繰り返し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの活性を50%阻害する試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表2に示す。
【0032】
[表2]
植 物 50%阻害試料濃度(μg/mL)
ヒマラヤンラズベリー抽出物 55.3
【0033】
表2の結果から分かるように、ヒマラヤンラズベリー抽出物は良好なサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を示すことが確認された。
【0034】
(試験例2)痩身作用試験
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物について、下記の方法により脂肪分解促進率を測定し痩身作用試験をおこなった。
【0035】
ロッドベルの方法〔Rodbell M.,J.Biol.Chem.,239,375(1964)〕により、ウィスター系雄性ラット(体重150〜200g)の副睾丸脂肪組織からコラゲナーゼ溶液を用いて遊離脂肪細胞を調製した。遊離脂肪細胞懸濁液90μLに、最終試料濃度が12.5μg/mLとなるよう調製した牛血清アルブミンを含むハンクス緩衝液10μLを加え、37℃にて90分間反応した。反応後、反応液中に遊離した脂肪酸をNEFA C−テストワコーで測定した。
【0036】
脂肪分解促進率は、試料無添加時の値を100%として算出した。その結果を表3に示す。
【0037】
[表3]
植 物 脂肪分解促進率(%)
ヒマラヤンラズベリー抽出物 114.9±2.0
【0038】
表3の結果から分かるように、ヒマラヤンラズベリー抽出物は脂肪細胞中の脂肪の分解を促進することが確認された。
【0039】
〔配合実施例1〕 ジェル
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 3.0g
ジメチルポリシロキサン 5.0g
グリセリン 2.0g
1,3−ブチレングリコール 5.0g
ポリエチレングリコール1500 3.0g
ポリエチレングリコール20000 3.0g
オクタン酸セチル 3.0g
クエン酸 0.01g
クエン酸ナトリウム 0.1g
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
アスコルビン酸グルコシド 2.0g
酢酸トコフェロール 0.1g
α−リノレン酸 0.5g
オウゴンエキス 0.1g
エデト酸三ナトリウム 0.1g
キサンタンガム 0.3g
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−2) 0.05g
寒天末 1.5g
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
(製法)常法に従い、半透明乳化組成物を製造後、30℃以下に冷却してゲル化させ、十分に固まったところでディスパーを用いてゲルを破砕してミクロゲル(平均粒径70μm)とした後、脱気してジェル状製品を得た。
【0040】
〔配合実施例2〕 貼付剤
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 0.5g
ポリアクリル酸 4.5g
ポリアクリル酸ナトリウム 1.5g
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.0g
グリセリン 15.0g
1,3−プロパンジオール 5.0g
水酸化アルミニウム 0.1g
合成ヒドロタルサイト 0.05g
カオリン 6.0g
1−メントール 0.2g
精製水 残部(全量を100gとする)
(製法)常法に従い、ヘンシェルミキサーにより混合攪拌して水性粘着剤組成物を
調製し、これを不織布上に700±100g/m になるように均一に塗布して、
ポリエチレンフィルムのフェンシングを施し、貼付剤を得た。
【0041】
〔配合実施例3〕 錠剤型浴用剤
下記組成の 錠剤型浴用剤を常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 5.0g
硫酸ナトリウム 45.0g
炭酸水素ナトリウム 15.0g
炭酸ナトリウム 5.0g
クエン酸 28.0g
ケイヒ 抽出物 1.0g
シャクヤク 抽出物 1.0g
香料 適量
【0042】
〔配合実施例4〕 粉末状浴用剤
下記組成の 粉末状浴用剤を常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 5.0g
硫酸ナトリウム 45.0g
炭酸水素ナトリウム 46.0g
ホウ砂 2.0g
ブクリョウ 抽出物 1.0g
ショウブ 抽出物 1.0g
香料 適量
【0043】
〔配合実施例5〕化粧水
下記組成の化粧水を常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 3.0g
エタノール 5.0g
P−オキシ安息香酸メチル 0.1g
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.1g
香料 適量
精製水 10.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
グリセリン 2.0g
キサンタンガム 0.02g
油溶性甘草エキス 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0044】
〔配合実施例6〕乳液
下記組成の乳液を常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 1.0g
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0g
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 1.5g
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0g
ステアリン酸 0.5g
ベヘニルアルコール 1.5g
パルミチン酸セチル 0.5g
スクワラン 10.0g
メチルポリシロキサン 0.5g
イチョウ葉 抽出液 0.1g
オウバク 抽出液 0.1g
黄杞 抽出液 0.1g
香料 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
1,3−ブチレングリコール 7.0g
キサンタンガム 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0045】
〔配合実施例7〕クリーム
下記組成のクリームを常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー 抽出物 1.0g
モノミリスチン酸ポリグリセリル 1.0g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0g
水素添加大豆リン脂質 0.5g
ステアリン酸 4.0g
セタノール 2.0g
ベヘニルアルコール 2.0g
パラフィン 3.0g
スクワラン 12.0g
ホホバ油 3.0g
メチルポリシロキサン 0.2g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
シソ 抽出液 0.1g
シナノキ 抽出液 0.1g
ジユ 抽出液 0.1g
香料 適量
1,3−ブチレングリコール 7.0g
キサンタンガム 0.2g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0046】
〔配合実施例8〕パック
下記組成のパックを常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 1.0g
ポリビニルアルコール 15 .0g
ポリエチレングリコール 3 .0g
プロピレングリコール 7 .0g
エタノール 10 .0g
セージ抽出液 0.1g
トウキ抽出液 0.1g
ニンジン抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0047】
〔配合実施例9〕洗浄用化粧水
下記組成の洗浄用化粧水を常法により製造した。
(配合成分)
製造例1のヒマラヤンラズベリー抽出物 1.0g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリセリン 4.0g
ジプロピレングリコール 2.0g
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.7g
エタノール 3.0g
海藻 抽出液 0.1g
クジン 抽出液 0.1g
ジユ 抽出液 0.1g
香料 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
精製水 残部(全量を100gとする)
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤又は痩身剤は有効で安全性にも優れており、脂肪細胞に蓄えられた脂肪を分解すること-によって、たるみ・むくみ等の皮膚症状を予防・改善し、美容上好ましい肌にすることが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒマラヤンラズベリーの抽出物を含有することを特徴とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤。
【請求項2】
ヒマラヤンラズベリーの抽出物を含有することを特徴とする痩身剤。

【公開番号】特開2008−74767(P2008−74767A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256294(P2006−256294)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】