説明

サスペンション構造

【課題】各部品の寸法公差の累積によるばらつきを吸収できるようにする。
【解決手段】車軸を軸支する第1部材と、第1の軸支手段を介して第1部材の上側を軸支する第2部材と、第2の軸支手段を介して第1部材の下側を軸支する第3部材と、第1及び第2部材と締結する第4部材とを有し、第1及び第2の軸支手段の揺動軸がテーパ状に形成され、第4部材に、第2部材締結用のボルト穴24,26と、第3部材締結用のボルト穴28,30とが形成され、ボルト穴24,26のうち、キングピン軸LKPに近い側のボルト穴24の穴径の公差が最小となるように形成され、キングピン軸LKPから遠い側のボルト穴26が、キングピン軸LKPの軸方向には許容される最小公差の縦穴径と、キングピン軸LKPの径方向に対しては縦穴径よりも大きな横穴径とを有する長穴に形成され、ボルト穴28,30の公差がボルト穴24の公差よりも大きく設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のフロントサスペンション構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のサスペンションは、各種のアーム類やステアリングナックルなどの複数の部材をボルトやボールジョイントによって相対移動可能に相互連結して構成されている。
例えば、特許文献1には、図6に示すように、車軸101を支持するナックル102とサスペンションアーム103とを上下の2点でボールジョイント104,105を介して接続した構成が開示されている。なお、この場合には、上下のボールジョイント104,105のベアリング104a,105aの中心を結ぶ線がキングピン軸LKP(操舵輪の回転軸)となる。
【0003】
ところで、これらの各サスペンション部材は、設計上或いは製造上の公差を含んでいるため、このような公差が累積すると寸法にばらつきが生じる。このようなばらつきが生じると、サスペンション部材の組み付け時にボールジョイント104,105に必要以上の負荷が加わり好ましくない影響(例えば耐久性能の低下)を与えることになる。
これに対し、図6に示す構成では、上下ボールジョイント104,105のスタッド104b,105bを2箇所ともテーパ状に形成しており、これによりボールジョイント104,105の軸心合わせの精度を高め、キングピン軸LKPの位置決め精度を高めるようにしている。
【0004】
しかし、この場合にはキングピン軸方向の公差ばらつきが大きくなることが考えられる。そこで、この技術では、図6に示すように、上側ボールジョイント104のべアリング104aにばね106を設けこのばね106の付勢力により軸方向のばらつきを吸収する構造が提案されている。
【特許文献1】特開2000−161340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の技術では、ばね反力のばらつきによるボールジョイント104,105の回転トルクのばらつきが生じたり、部品点数増加によるコスト増を招いたりするおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、コスト増を招くことなく各部品の寸法公差の累積によるばらつきを吸収できるようにした、サスペンション構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、請求項1に係る本願発明は、車両の車軸を回転可能に支持する第1部材と、該車両のストラットに固設され、第1の軸支手段を介して該第1部材の上端側を揺動自在に軸支する第2部材と、第2の軸支手段を介して該第1部材の下端側を揺動自在に軸支する第3部材と、該第1部材と該第2部材とをボルトにより締結する板金状の第4部材とを有し、該第1及び該第2の軸支手段の揺動軸がいずれも先端に向かって小径となるようなテーパ状に形成されたサスペンション構造において、該第4部材に、該第2部材を締結するための第1及び第2ボルト穴と、該第3部材を締結するための第3及び第4ボルト穴とが形成され、該第1及び該第2ボルト穴のうち、該第1及び該第2の軸支手段の揺動軸の中心を結ぶキングピン軸に近い側に形成された該第1ボルト穴の穴径の公差が、機械加工上許容される最小の公差となるように形成され、且つ、該キングピン軸から遠い側に形成された該第2ボルト穴が、該キングピン軸方向に対しては機械加工上許容される最小公差の縦穴径を有するとともに、該キングピン軸の径方向に対しては該縦穴径よりも大きな横穴径を有する長穴形状に形成され、該第3及び該第4ボルト穴が、いずれも該第1ボルト穴の穴径の公差よりも大きい公差を有して形成されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載のサスペンション構造は、上記請求項1記載の構成に加えて、先端側が該第3部材に対して揺動可能に接続されるとともに、基端側が該車両に対して揺動可能に接続されるロアアームをさらにそなえていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のサスペンション構造によれば、コスト増を招くことなく各部品の寸法公差の累積によるばらつきを吸収できるという利点がある。また、各軸支手段に対し、取り付け時のばらつきに起因する負荷が作用しなくなり、軸支手段の回転トルクの低下を図ることができ、これにより耐久性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面により、本発明の一実施形態に係るサスペンション構造について説明すると、図1〜図5はいずれもその要部構成としての前輪左側のサスペンションを示す模式図であって、図1は車両斜め前方から見た模式的な分解斜視図、図2は同じく車両斜め前方から見た模式図、図3及び図4はいずれも車両後方から見た模式図、図5はその要部を構成する一部品を示す模式図である。なお、本実施形態では前輪左側のサスペンションを用いて説明するが、サスペンションは左右対称に構成されており、右側サスペンションも左側サスペンションと同様に構成されている、このため、以下では右側サスペンションの構成については説明を省略する。
【0010】
図1〜図3に示すように、本サスペンションは、主にストラット2、ナックル(第1部材)4、ロアアーム6、アッパハウジング(第2部材)8、ロアハウジング(第3部材)10及びダンパフォーク(第4部材)20から構成されている。
ストラット2はショックアブソーバ(緩衝装置)としての機能とサスペンションアーム(支柱)としての機能を兼用する部材であって、後述するアッパハウジング8を介してナックル4の上側を支持している。ここでストラット2自体は公知のものであって、ストラット外筒の内部に形成されたシリンダに図示しないピストンが設けられるとともに、シリンダ内にオイルが充填されて構成されている。そして、サスペンションに入力が作用すると、ピストンがオイルの抵抗を受けながらシリンダ内を進退することにより入力が緩衝されるようになっている。
【0011】
ナックル4はドライブシャフト18及びハブ(車軸)19を回転自在に支持する部品であって、その上端部がアッパハウジング8に取り付けられるとともに、下端部がロアハウジング10に取り付けられている。
また、ナックル4にはナックルアーム4aが形成され、このナックルアーム4aにタイロッド12が接続されている。これにより、ドライバの操舵力が図示しないステアリングギアボックスからタイロッド12を介してナックル4に伝達されてナックル4が回動し、車輪が操舵されるようになっている。
【0012】
また、図4に示すように、ナックル4の下面にはボールジョイント(第2の軸支手段)14が設けられている。このボールジョイント14は、主に基端側に形成された球状のベアリング部14aと、先端側に形成されたスタッド部(揺動軸)14bとから構成されている。また、スタッド部14bは先端に向けて小径となるようなテーパ状に形成されるとともに、最先端部にオネジが形成されている。
【0013】
そして、ベアリング部14aがナックル4の下面に回動可能に埋設されるとともに、スタッド部14bが下方に向けて突出するように取り付けられている。
一方、ナックル4の上方にベアリング(第1の軸支手段)16が設けられている。このベアリング16もオネジが形成された先端側のスタッド(揺動軸)16bを有している。また、図4に示すように、スタッド部16bはやはり先端に向かうほど小径となるようなテーパ状に形成され、スタッド部16bはその先端が上方に突出するように構成されている。なお、ナックル4は予めアセンブリ化されており、ボールジョイント14はピンチボルト14cで締結され、ベアリング16はナックル4に圧入されて一体化している。
【0014】
また、ボールジョイント14及びベアリング16の中心を結ぶ線がサスペンションのキングピン軸(転舵軸又は操舵軸)LKPとなる。
また、各スタッド部16b,14bは、それぞれアッパハウジング8及びロアハウジング10に接続されており、これにより、ナックル4が上下から揺動自在に狭持されるようになっている。
【0015】
このうち、アッパハウジング8は予めストラット2の外筒に溶接等により固着されており、ストラット2よりも車両外側にナックル4のベアリング16を接続するためのボス部8aが形成されている。
このボス部8aは図4にも示すように、ベアリング16のスタッド部16bのテーパ形状に対応した形状に形成されており、このボス部8aにスタッド部16bを挿入するとともに、上部をナット42で締結することにより、ベアリング16の軸心合わせが行われるようになっている。
【0016】
また、ロアハウジング10にも、ボールジョイント14のスタッド部14bのテーパ形状に対応した形状のボス部10aが形成されており、このボス部10aにスタッド部14bを挿入することにより、ボールジョイント14の軸心合わせが行われるようになっている。
また、図1〜図3に示すように、ロアハウジング10はボルト6cを介してロアアーム6に回動可能に接続されている。また、ロアアーム6は、車両の中心側端部(基端部)において、車両の長手方向に略沿う回動中心軸を有する前側基端部6aと、車両の鉛直方向に中心軸を有する後側基端部6bとを備え、これらの基端部6a,6bに図示しないブッシュ類が圧入されている。そして、これらの基端部6a,6bの中心軸に沿ってボルトを挿通してナット等で締結することにより、ロアアーム6が図示しない車体又はサスペンションフレームに取り付けられるとともに、前側基端部6aの回動中心軸を中心とした揺動が許容されるようになっている。
【0017】
一方、ロアアーム6の先端側にも前側基端部6aの回動中心と略平行な中心軸(即ち車両長手方向に延在する中心軸)を有する先端側接続部6dが形成されており、この接続部6dにも図示しないブッシュが圧入されている。そして、図1に示すように、この接続部6dとロアハウジング10とをボルト6cにより締結することで、ロアハウジング10及びナックル4が上下動可能にロアアーム6に接続されるようになっている。
【0018】
また、図示するように、アッパハウジング8とロアハウジング10とはダンパフォーク20を介して接続されている。ダンパフォーク20は本実施形態においてはドライブシャフト18よりも前方に配設される前側ダンパフォーク20fと、ドライブシャフト18よりも後方に配設される後側ダンパフォーク20rとにより構成されている。なお、これらのダンパフォーク20f,20rは形状も含め略同様に構成されたものであり、後側のダンパフォーク20rにスタビライザを接続するためのブラケットが溶着されている点、及び前後のダンパフォーク20f,20rが左右対称形状に形成されている点以外は同様に構成されている。したがって、以下では2つのダンパフォーク20f,20rについて、特に区別をしない限り単にダンパフォーク20と記す。
【0019】
ところで、本実施形態においては、アッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3つ構成要素が一体となって一つの部材として機能するものであり、これらの3つの部材を一体化した要素をサポートという。
ここで、サポートをアルミ等により一体に形成することも考えられるが、本実施形態ではコストや重量並びに組み付け作業性を考慮して、上述のようにアッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3部材に分割しており、さらにダンパフォーク20を前後2枚に分割することで、ドライブシャフト18との干渉を避けながらサポートして十分な強度を確保しているのである。
【0020】
つまり、サポートを一体成型品とした場合には、十分な剛性を得るためには大型してしまい重量が増大してしまうほか、コスト増を招くことになる。また、重量増は、ばね下重量の増大となり操安性にも影響することになる。さらには、サポートを一体成型した場合は、ドライブシャフト18を通すための穴部を設ける必要が生じるが、サスペンションを組み付ける際にサポートにドライブシャフト18を通すための作業が必要になり作業性が低下する。
【0021】
そこで、本実施形態ではサポートをアッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3つ構成要素に分割することで、軽量化を図るとともに組み付け作業性の向上を図り、上記の課題を解決しているのである。
以下、ダンパフォーク20について説明すると、本実施形態においてはダンパフォーク20は板金をプレス成形して形成されたものであって、図5に示すように、アッパハウジング8を締結するために形成された第1及び第2ボルト穴24,26と、ロアハウジング10を締結するために形成された第3及び第4ボルト穴28,30とを有している。
【0022】
そして、上方に形成された2つのボルト穴24,26のうち、車両外側(キングピン軸LKPに近い側)の第1ボルト穴24が組み付け作業時における基準穴となっており、アッパハウジング8及びロアハウジング10の組み付け時にはこの基準穴(第1ボルト穴)24を用いて一番最初に締結作業が行われる。このためこの基準穴24の穴径の寸法公差は機械加工で許容される最小の寸法公差内となるように管理されている。これにより、この基準穴24にボルト32(図1,図3及び図4参照)を挿通すると、穴24とボルトとの間には隙間(アソビ)が生じることなく、ダンパフォーク20の基準位置が決定される。
【0023】
また、車両内側(キングピン軸LKPから遠い側)の第2ボルト穴26は、横方向に広い長穴形状に形成されている。具体的には、第2ボルト穴26は、縦方向(キングピン軸LKPの軸方向)においては基準穴24と同様に機械加工で許容される最小の寸法公差で形成され、一方、横方向(キングピン軸LKPの径方向)には、明らかに縦方向の穴径よりも大きな寸法に形成されている。なお、横方向の穴径は例えば縦方向の穴径の1.2倍程度に設定されている。
【0024】
そして、このように構成することにより、第2のボルト穴26は、ボルト34(図3及び図4参照)を挿通したときに、縦方向には隙間のほとんど生じないタイトな状況となり、横方向には隙間が生じるルーズな状況となる。
これは、主にナックル4のキングピン軸方向のズレを抑制するためである。つまり、上述したように、本実施形態ではナックル4のボールジョイント14及びベアリング16のスタッド部14b,16bはテーパ状に形成されており、このスタッド部14b,16bを介してナックル4がアッパハウジング8及びロアハウジング10に取り付けられているが、スタッド部14b,16bがテーパ状に形成されていると、軸心位置を精度良くあわせるには都合がよいが、キングピン軸方向の寸法精度を確保するのは困難となる。
【0025】
そこで、上述のように、基準穴としての第1ボルト穴24については、穴径の寸法公差は機械加工で許容される最小の寸法公差とするとともに、第2ボルト穴26は、キングピン軸方向においては基準穴24と同様に機械加工で許容される最小の寸法公差で形成するとともにキングピン軸LKPの径方向には、縦方向の穴径よりも大きな寸法に形成することで長穴としているのである。
【0026】
これにより、キングピン軸方向における取り付け位置のばらつきを規制し、位置決め精度が向上する。また、キングピン軸方向の位置を規制することで生じるキングピン径方向のズレが第2ボルト穴26の長穴形状により吸収されるのである。
一方、下方に形成された第3及び第4ボルト穴28,30はいずれも挿通されるボルト径に対して僅かに大きい穴径に設定されている。具体的には、これらのボルト穴28,30の穴径の寸法公差は比較的大きく設定されており、少なくとも基準穴24の寸法公差よりも大きな寸法公差に設定されている。
【0027】
これにより、第1及び第2ボルト穴24,26での締結により生じた、ばらつき或いは寸法のズレがこの第3及び第4ボルト穴30の寸法公差で吸収されるようになっている。
本発明の一実施形態に係るサスペンション構造は上述のように構成されているので、その組み付け時の手順及びその作用を説明すると以下のようになる。まず、本サスペンションの組み付け手順について説明すると、予めナックル4にドライブシャフト18を挿通させ、ロアアーム6をボルトで締結した状態にしておき、ボールジョイント14,ベアリング16のスタッド部14b,16bについてはナット40,42で締結する。
【0028】
そして、ロアハウジング10及びアッパハウジング8と、ダンパフォーク20とをボルトで締結する。このとき、まず第1ボルト穴24及び第2ボルト穴26にボルト32,34を通し、アッパハウジング8に対するダンパフォーク20の位置決めを行うとともに、第3ボルト穴28及び第4ボルト穴にボルト36,38を通し、ダンパフォーク20に対するロアハウジング10の位置決めを行う。
【0029】
次に、第1ボルト穴24のボルト32をナット44で締結し、その後第2のボルト穴26のボルト34をナット46で締結する。これにより、ダンパフォーク20がアッパハウジング8に対して高い精度で取り付けられる。そして、第3ボルト穴28及び第4ボルト穴30に通したボルト36,38をナット48,50で締結する。これにより、キングピン軸LKPの軸方向および径方向のズレは、第2ボルト穴26,第3ボルト穴28及び第4ボルト穴30により吸収されることになる。
【0030】
したがって、ボールジョイント14,ベアリング16に対し、寸法公差のばらつきに起因する負荷が作用しなくなり、耐久性の向上及び回転トルクの低下を図ることができる。
また、本サスペンション構造では、車両走行時にタイヤから横力が入力された場合には、以下のような作用を奏する。すなわち、図5に示すように、タイヤ接地面からの入力は、ダンパフォーク20の下側を入力点とし、第2ボルト穴26を中心とするモーメントMとして作用することになる。この場合、ダンパフォーク20は上側が固定の片持ち梁とみなすことができ、モーメントMは第2ボルト穴26を中心にダンパフォーク20を曲げるようなモーメントとして作用する。
【0031】
しかし、上述したように、第1ボルト穴24はタイトな寸法公差で形成されるとともに、第2ボルト穴26は縦方向にタイトな寸法公差で形成されているため、ダンパフォーク20が基準穴24を中心にずれる(或いは回転する)のを防止することができる。また、第3及び第4ボルト穴28,30近傍は、モーメントの入力が小さいため、ボルトと穴との間に隙間が形成されていても、上述のようなズレを防止することができる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態の一例について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば上述では、本発明を車両のフロントサスペンションに適用した場合について説明したが、リアサスペンションに適用しても良い。また、第1の軸支手段としてボールジョイントを適用してもよい。また、実施形態中においては基準穴として第1ボルト穴24を適用したが、第1ボルト穴24,第2ボルト穴26のどちらの穴を基準穴に適用してもよい。また、その他の細部についても本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係るサスペンション構造の要部構成を示す図であって、前輪左側のサスペンションを車両斜め前方から見た模式的な分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るサスペンション構造の要部構成を示す図であって、前輪左側のサスペンションを車両斜め前方から見た模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るサスペンション構造の要部構成を示す図であって、前輪左側のサスペンションを車両後方から見た模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るサスペンション構造の要部構成を示す図であって、前輪左側のサスペンションを車両後方から見た模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るサスペンション構造の要部を構成する一部品としてのダンパフォークを示す模式図である。
【図6】従来技術について説明するための図である。
【符号の説明】
【0034】
2 ストラット
4 第1部材(ナックル)
6 ロアアーム
8 第2部材(アッパハウジング)
10 第3部材(ロアハウジング)
14 ボールジョイント(第2の軸支手段)
14b 揺動軸(スタッド部)
16 ベアリング(第1の軸支手段)
16b 揺動軸(スタッド部)
18 ドライブシャフト
19 ハブ(車軸)
20 第4部材(ダンパフォーク)
20f 前側ダンパフォーク
20r 後側ダンパフォーク
24 第1ボルト穴
26 第2ボルト穴
28 第3ボルト穴
30 第4ボルト穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車軸を回転可能に支持する第1部材と、
該車両のストラットに固設され、第1の軸支手段を介して該第1部材の上端側を揺動自在に軸支する第2部材と、
第2の軸支手段を介して該第1部材の下端側を揺動自在に軸支する第3部材と、
該第1部材と該第2部材とをボルトにより締結する板金状の第4部材とを有し、
該第1及び該第2の軸支手段の揺動軸がいずれも先端に向かって小径となるようなテーパ状に形成されたサスペンション構造において、
該第4部材に、該第2部材を締結するための第1及び第2ボルト穴と、該第3部材を締結するための第3及び第4ボルト穴とが形成され、
該第1及び該第2ボルト穴のうち、該第1及び該第2の軸支手段の揺動軸の中心を結ぶキングピン軸に近い側に形成された該第1ボルト穴の穴径の公差が、機械加工上許容される最小の公差となるように形成され、且つ、該キングピン軸から遠い側に形成された該第2ボルト穴が、該キングピン軸方向に対しては機械加工上許容される最小公差の縦穴径を有するとともに、該キングピン軸の径方向に対しては該縦穴径よりも大きな横穴径を有する長穴形状に形成され、
該第3及び該第4ボルト穴が、いずれも該第1ボルト穴の穴径の公差よりも大きい公差を有して形成されている
ことを特徴とする、サスペンション構造。
【請求項2】
先端側が該第3部材に対して揺動可能に接続されるとともに、基端側が該車両に対して揺動可能に接続されるロアアームをさらにそなえている
ことを特徴とする、請求項1記載のサスペンション構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−107511(P2009−107511A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282763(P2007−282763)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】