説明

サービス提供システム、このサービス提供システムを構成するホストコンピュータ、及びサービス提供方法

【課題】ゲーム機などにおいて、ユーザの記憶媒体に金銭データを記録させることなく、ユーザのサービス利用時間等を有効かつ確実に管理する。
【解決手段】 ユーザが保有する記憶媒体13の過去の使用時期tに基づいて設定された使用可能期間Tを記憶媒体13のIDに関連付けて格納し、ゲーム機2から受信したIDに基づいて検索した使用可能期間Tと現在時刻とに基づいて、その記憶媒体13の使用可否を判定し、ゲーム終了後に受信したIDに従って対象となる記憶媒体13を特定して使用時期tを更新するホストコンピュータ3と、プレイ開始時に記憶媒体13のIDを読み取ってホストコンピュータ3に送信し、使用可の判定結果を受信した場合に、ゲーム制御プログラムを読み出してゲームプレイを開始し、プレイ終了後に、記憶媒体13のIDをホストコンピュータ3に送信して使用時期tを更新させるゲーム機2と、を備えた

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが保有する可搬性記憶媒体から制御用データを読み出してこのユーザにサービスを提供するサービス提供端末と、サービス提供端末が通信回線を介して接続されるホストコンピュータとによって構成されるサービス提供システム、このシステムを構成するホストコンピュータ、及びこのシステムによって実行されるサービス提供方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームセンタ等に設置されている業務用ゲーム機では、プレイヤがプレイ毎に所定額の硬貨や専用のコインなどを投入することでプレイ可能になる。プレイヤは、連続してプレイしたい場合には、予め両替機で紙幣を両替しておいたり、複数枚のメダルを用意しておく必要がある。
【0003】
また、近年では、電車やバス等の公共交通機関の運賃や、パチンコやスロットマシン等のプレイ料金の決済手段として普及しているプリペイドシステムをゲーム機のプレイ料金の支払いに転用することが検討されている。このようなプリペイドシステムを採用した場合、プレイヤは所定額の金銭データが記録された磁気カード(プリペイドカード)を予め購入したり、ICカードや携帯電話の記憶装置に金銭データをチャージ(書込み)しておくことで、所定額の硬貨やメダルを多数用意しなくてもプレイ料金を連続的に支払うことができるようになる。
【0004】
一方で、インターネット等の通信ネットワークを介して家庭のコンピュータや携帯電話などの通信端末装置でゲームデータを受信してプレイできるオンラインゲームも広く普及している。このオンラインゲームのプレイ料金は、プレイヤが予め購入したバーチャルなプリペイドカード(金銭データ)を利用して決済されたり、プレイ時間や回数、通信時間(ホストコンピュータへの接続時間)、ダウンロード数などに応じた金額が携帯電話の通信料金等と合算して課金されている。
【0005】
このような、ゲームプレイ料金の決済については、例えば、以下の特許文献1〜3が参考になる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−102469号公報
【特許文献2】特開2002−210226号公報
【特許文献3】特開2002−239212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記したプリペイドシステムを採用すると、プレイ時間に関係なく、プリペイドカードの残額や電子マネーのチャージ額がなくなるまでプレイし続けることが可能になる。そのため、例えば、親や教師などの管理者が子供や生徒などのプレイヤのプレイ時間や回数などを一定範囲に制限することが困難になる。特に、上記したオンラインゲームにおいては、有料のゲームデータを一度ダウンロードすれば、その後は一切課金されない場合もあるため、プレイヤのプレイ時間や回数の管理はより困難になる。
【0008】
この点は、1日の許容回数や金額(例えば、300円)に見合ったプリペイドカードを買い与えたり、電子マネーに毎日定額をチャージすることで解消できるが、これでは毎日一定額の現金を渡すのと全く同じで、プリペイドシステムの利便性が損なわれる。
【0009】
また、プリペイドカードは、ゲームプレイに関する限りで金銭的価値を有しているため、カードの偽造や改ざん、盗難等の問題がある。それにも拘らず、利用停止などの手段が無いため、不正行為を有効に防止することができない。
【0010】
上記した問題は、ゲーム以外の種々のサービスを提供するサービスシステムにおいても同様である。
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、ゲーム機などのサービス提供機器において、ユーザが携帯する記憶媒体に金銭データを記録させることなく、ユーザのサービス利用時間等を有効かつ確実に管理できるサービス提供システム、このシステムを構成するホストコンピュータ、及びこのシステムによって実行されるサービス提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、ユーザが保有する可搬性記憶媒体から制御用データを読み出してこのユーザにサービスを提供するサービス提供端末と、サービス提供端末が通信回線を介して接続されるホストコンピュータとによって構成されるサービス提供システムであって、前記ホストコンピュータは、前記記憶媒体の過去の使用時期tから第1の期間tの経過後に開始する使用可能期間Tの情報をユーザの識別情報及び/若しくは記憶媒体の識別情報(以下、「識別情報」と称する)に関連付けて格納する使用可能期間格納部と、前記サービス提供端末から受信した識別情報に基づいて当該記憶媒体の使用可能期間Tの情報を前記使用可能期間格納部から検索し、この使用可能期間Tと現在時刻とに基づいて、その記憶媒体の使用可否を判定する使用可否判定手段と、サービスの提供が完了したサービス提供端末から前記識別情報を受信し、この識別情報に従って前記使用可能期間格納部から対象となる記憶媒体を特定して使用時期tを更新する使用時期更新手段と、を備え、前記サービス提供端末は、サービスの利用申込みに際してユーザの記憶媒体に格納された識別情報を読み取って通信回線を介してホストコンピュータに送信する利用申込受付手段と、前記ホストコンピュータの使用可否判定手段から使用可の判定結果を受信した場合に、このサービス提供端末の記憶装置から制御プログラムを読み出してユーザにサービスを提供するサービス提供手段と、サービスの提供後に、この記憶媒体の識別情報を通信回線を介してホストコンピュータに送信して使用時期tを更新させる使用時期更新指示手段と、を備えたことを特徴とするサービス提供システム、このシステムを構成するホストコンピュータ、及びこのシステムによって実行されるサービス提供方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが携帯する記憶媒体(ICカードや携帯電話の記憶装置等)にユーザの識別情報や記憶媒体の識別情報(IDなど)を格納しておき、この記憶媒体を受け付けたサービス提供端末がデータを読み出してホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータは、予め管理者等によって設定された当該記憶媒体やユーザに関する利用可能時期Tが到来しているかに基づいて、サービス提供の可否を判定する。サービス提供端末は、提供可能と判定された場合にだけ当該サービスを提供する。ここで、利用可能時期Tは、記憶媒体の過去の使用時期tから一定期間tの経過後に開始するものであるため、ユーザは、過去の利用時から一定期間を経過しないと再度の利用はできない。そのため、ユーザの使い過ぎを有効かつ確実に抑制できる。またサービス利用料金は、ユーザの管理者がサービス提供事業者に対して支払えば済むため、記憶媒体を決済手段として利用する必要がない。これにより、記憶媒体の改ざんなどの不正行為や盗難の危険性を有効に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。以下においては、サービス提供システムとして、ゲームセンタなどに設置され硬貨や専用コイン、金銭的価値を有するクレジットの情報などを取得してユーザにゲームサービスを提供するサービス提供端末としての複数のゲーム機と、これらのゲーム機が通信ネットワークを介して接続され、ゲームセンタの管理者やゲーム機メーカなどが設置・管理するホストコンピュータとによって構成されるゲームシステムを例示する。このゲーム機は、ゲームプレイヤが操作レバーなどから入力した操作信号に従って制御手段が記憶装置からゲーム制御プログラムや画像・音声などのゲーム基本データを取得してゲームを進行させる、いわゆるアーケードゲームである。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係るゲームシステムの斜視図、図2は、可搬性記憶媒体の斜視図、図3は、ホストコンピュータに内蔵される制御ユニットの機能ブロック図である。図1に符号1で示すゲームシステムは、ゲームセンタなどに設置される多数のゲーム機2とこれらのゲーム機2が専用回線若しくは公衆回線網を介して接続され、ゲームメーカなどが管理するホストコンピュータ3とから構成される。
【0016】
ゲーム機2は、筺体4と、筺体4の前面のフロントパネル5に配置されるディスプレイ6やスピーカ7、演出用のLED照明8などの出力手段や、プレイヤの操作信号の入力を受け付ける入力手段9と、筺体4の下部に内蔵される小型コンピュータやマイクロプロセッサ等で構成される制御ユニット10とを備えている。
【0017】
入力手段9は、ボタン類11や操作レバー12などの周知の入力デバイスと共に、本発明の特徴である記憶媒体13を支持する支持凹部14の底面に配置されるデータ読取り/書込み装置15によって構成される。
【0018】
前記記憶媒体13は、図2に示すように、ゲームキャラクタ型の筺体16と、この筺体16に内蔵されるデータの読み書きが可能なICタグ17とから構成される。このICタグ17は、例えば、バッテリ給電型(アクティブ・タイプ)のRFIDタグであり、送/受信アンテナ、通信制御部、RF信号の送/受信部、メモリなどを備えた周知の構成を備えている。メモリには、プレイヤのID、この記憶媒体13の識別情報(ID)、及びプレイ可能なゲーム機1の種別等の情報が記憶されている。この記憶媒体13は、データ読取り/書込み装置15からの給電を受けると、前記記憶媒体13のID、及びゲーム機種別などの情報を含む所定周波数のRF信号を送信する。
【0019】
なお、ICタグ17として、電力をリーダ/ライタ装置から非接触で受け取るパッシブ・タイプのRFIDタグや、データ読取り/書込み装置15からのタグIDの要求に対してのみ応答する改良型のアクティブRFIDタグなどを採用することもできる。
【0020】
支持凹部14は、プレイヤが記憶媒体13を載置する位置及び向きを合わせ易いように、記憶媒体13の底面の形状及び大きさに合わせて若干くぼんで形成される。
【0021】
前記データ読取り/書込み装置15は、例えば周知のICタグリーダであり、支持凹部14に載置された記憶媒体13を機械的に識別して給電し、前記メモリに記憶された情報を非接触で受信(読み取る)すると共に、読み取った情報を前記制御ユニットに伝送するものである。また、このデータ読取り/書込み装置15は、ゲームプレイの終了時などの所定のタイミングで前記制御ユニット10からプレイ終了時刻などのデータの書込み指令を受信すると、ICタグ17に対して給電とデータ転送を実行する。転送されたデータは、ICタグ17の送/受信部などによってメモリに書き込まれる。
【0022】
次に、図3のブロック図を参照して、ゲーム機2の制御ユニット10の概略構成を説明する。
この制御ユニット10は、筺体4に内蔵された小型コンピュータのCPU22にシステムバス23を介してRAM24、ROMやHDDなどの記憶装置25及び入出力インタフェース(I/F)26が接続されて構成される。入出力I/F26には、前記ディスプレイ6やスピーカ7、演出用のLED照明8などの出力装置、前記データ読取り/書込み装置15、スタートボタン、操作レバー12、コイン投入検知センサなどの入力装置、及びモデムなどの通信デバイス27が夫々接続される。このようなハードウェア構成において、プレイ待機モードでプレイヤが記憶媒体13を支持凹部14に載置してスタートボタン10を押すと、CPU22が記憶装置25からソフトウェアプログラムを読み出してRAM24上に展開して実行させることで、以下に説明するこの発明の機能を奏するようになっている。なお、上記プログラムはCD−ROMなどの記憶媒体から導入することもできる。
【0023】
記憶装置25は、ゲームプレイに必要なゲームキャラクタの画像や背景画像、音声データ、ステージ・アイテム・体力値・ダメージ・強さ・キャラクタタイプなどの各種のテーブル、制御信号などをゲームの種類を示すコードに関連付けて格納するゲームデータ格納部28と、本発明の機能を実現するソフトウェアプログラムを格納するプログラム格納部29とを備えている。何れも、記憶媒体(記憶装置25)の一部に確保された記憶領域である。
【0024】
プログラム格納部29に格納されるソフトウェアプログラムは、具体的には、入力手段9から入力されたプレイヤの操作信号に従って対応するゲーム機制御用データ(ゲームプログラムやゲーム基礎データ等)を記憶装置25から取得してゲームを進行させる従来周知のゲーム進行機能(利用申込受付手段、サービス提供手段)31と、前記データ読取り/書込み装置15が記憶媒体13から読み取った記憶媒体のIDをRAM20に記録するデータ読取り機能32と、読み取った記憶媒体IDとこのゲーム機2のIDとをホストコンピュータ3に伝送するデータ送信機能(利用申込受付手段)33と、ホストコンピュータ3から「使用可否」の判定結果を取得して判定結果に応じた処理をゲーム進行機能31に指示する判定結果受信機能(サービス提供手段)34と、プレイ終了後に前記RAM20に記録した記憶媒体IDとこのゲーム機2のIDとをホストコンピュータ3に伝送して後述する使用時期tを更新させるプレイ終了通知機能(使用時期更新指示手段)35と、を備えている。これらの各機能部31〜35は、実際には独立したソフトウェア、モジュール、ルーチン、若しくはサブルーチンなどであり、上記した各種のハードウェアと協動することで各機能を奏するものである。
【0025】
ここで、判定結果受信機能34は、ホストコンピュータ3から「使用可」の判定結果を受信した場合には、前記ゲーム進行機能31に対してゲームプレイの開始を指示する。一方、「使用不可」の判定結果を受信した場合には、前記ゲーム進行機能31に対して、所定のメッセージや音声で「プレイ不可能」であることを出力させるエラー処理を実行させる。
【0026】
一方、前記ホストコンピュータ3は、図4に示す構成を備えている。
すなわち、このホストコンピュータ3は、CPU42にシステムバス43を介してRAM44、ROMやHDDなどの外部記憶装置45及び入出力インタフェース(I/F)46が接続されている。入出力I/F46には、液晶ディスプレイなどの出力装置47、キーボードやマウスなどの入力装置48、及びモデムなどの通信デバイス49が夫々接続されている。このようなハードウェア構成において、オペレータが入力装置48から各種の指令を入力したり、通信デバイス49を介して指令が伝送されることで、前記CPU42が外部記憶装置45から読み出したプログラムをRAM44にロードして実行させることで、OSと協同して本発明の機能を奏するものである。
【0027】
前記外部記憶装置45は、データ記憶領域とプログラム記憶領域とを備えている。データ記憶領域は、プレイヤのログインパスワードやプレイヤが所有する記憶媒体13のID、プレイ料金の決済方法(前払い、口座引落し、クレジットカードなど)をこのプレイヤのIDに関連付けて格納するユーザ情報格納部50と、各記憶媒体13の使用可能期間Tや有効期間(例えば、発行日から6カ月間、プレイ日時から3カ月間など)を記憶媒体13のIDに関連付けて格納する使用可能期間格納部51とを備えている。なお、記憶媒体13のIDは、プレイヤIDとして設定してもよいし、複数のプレイヤが1の記憶媒体13を共有できるようにしてもよいし、さらに、1人のプレイヤが複数の記憶媒体13を保有できるようにしてもよい。
【0028】
ここで、使用可能期間格納部51に格納される各記憶媒体13の使用可能期間Tは、プレイヤが記憶媒体13を使用してプレイしたプレイ日時tから第1の期間T(例えば、24時間)が経過した始期t(=t+T)から、第2の期間T(例えば、8時間)が経過した終期t(=t+T)として設定される。前記最新のプレイ日時tは、後述するプレイ時期更新機能によって随時更新されるため、使用可能期間T(t〜t)もそれに伴って更新される。なお、図示しないプレイ履歴格納部に、マーケティングやプレイ料金の算出の目的で一定期間内のプレイヤ毎のプレイ履歴を格納する場合には、最新のプレイ日時を基準にして使用可能期間Tを設定する。
【0029】
また、本実施形態では、使用可能期間Tと共に使用可能期間Tにおける使用可能回数nmaxも登録されている。すなわち、使用可能期間Tを長時間に設定すると、その時間内に何度でも繰り返しプレイすることができてしまい、プレイ時間の管理という目的を達成できない。一方で、使用可能期間Tを短く設定すると(例えば、1時間)、各プレイヤが過去のプレイ日時を記憶しておかないとその時間にゲームセンタに行くことができず、プレイを促進できないことになる。そのため、使用可能期間Tは比較的長時間に設定し、その期間内でプレイ回数を制限できることにした。プレイ回数は、プレイヤの属性、ゲームの種類、記憶媒体13の金額、決済方法などに応じて適宜設定できる。
【0030】
さらに、本実施形態では、上記使用可能期間Tをユーザ(プレイヤ)以外の使用権限設定者のIDに関連付けて格納している。この使用権限設定者は、例えば、プレイヤの親や教師、引率者などのプレイヤの管理者、ゲームセンタの経営者やゲーム機2の管理者などである。プレイヤの管理者にとっては、記憶媒体13を与えても、プレイ可能期間Tやプレイ可能回数nmaxが予め設定されているので、金額などを制限することなく、プレイヤが無制限にプレイし続けることを有効に防止できる。また、ゲームセンタの経営者等にとっては、開店時や各種のイベント時に、有効期限やプレイ可能期間Tを設定した記憶媒体13をプレイヤに配布したり、販売することで、イベントへの参加を促したり、ゲーム機2を認知させるための有効なツールとして利用できる。
【0031】
プログラム記憶領域に格納されるコンピュータプログラムは、具体的には、通信制御部52、使用可否判定機能53、使用時期更新機能54、使用回数更新機能55及び使用可能期間登録機能56を備えている。これらの各機能52〜56は、実際には独立したソフトウェア、モジュール、ルーチン、若しくはサブルーチンなどであり、上記した各種のハードウェアやOSと協動することで各機能を奏するものである。
【0032】
通信制御部52は、通信回線を通じて、各ゲーム機2からプレイヤの記憶媒体13のIDとそのゲーム機2のIDとを取得して、他の機能に受け渡すデータ受信機能と、他の機能が処理したデータを記憶媒体13のIDと共に取得し、前記ゲーム機IDで特定されるゲーム機2に送信するデータ送信機能とを備えている。ここで、ゲーム機IDとしては、ゲーム機2の管理者が付与した管理番号、メーカが付与した製造番号、ポート番号などを利用できる。
【0033】
使用可否判定機能53は、通信制御部52から受信した記憶媒体13のIDに基づいて当該記憶媒体13の使用可能期間Tを前記使用可能期間格納部51から検索し、ホストコンピュータ3に内蔵されたカレンダー機能から現在時刻を取得し、現在時刻が、その記憶媒体13の使用可能期間T(始期t〜終期t)に属するかに基づいて記憶媒体の使用可否を判定する機能である。また、本実施形態では、使用可能期間Tに加えて、使用回数nが前記使用可能期間格納部51に登録された使用可能回数nmaxを超えていないか、及び記憶媒体13の有効期間が経過していないか、に基づいて記憶媒体の使用可否を判定することにしている。この判定結果は、通信制御部52を介してゲーム機2に送信される。
【0034】
使用時期更新機能54は、前記通信制御部52を介して、ゲームプレイが終了したゲーム機2から記憶媒体13のIDを受信し、このIDで前記使用可能期間格納部51を検索して対象となる記憶媒体13を特定し、上記と同様に取得した現在時刻をこの記憶媒体13の使用時期tとして登録(更新)する機能である。
【0035】
使用回数更新機能55は、前記通信制御部52を介して、ゲームプレイが終了したゲーム機2から記憶媒体13のIDを受信し、このIDで前記使用可能期間格納部51を検索して対象となる記憶媒体13を特定し、この記憶媒体13の使用回数nに1を加算して更新する機能である。複数のクレジット情報(コインなど)を連続投入して連続プレイが可能なゲーム機2や複数人の同時プレイが可能なゲーム機2においては、プレイ回数のカウントルールを予め設定しておくのが好ましい。これらの場合は、プレイ開始時にプレイモードを取得したり、プレイ終了後にプレイ回数の情報を取得して、その回数を使用回数nに加算して更新する。
【0036】
使用可能期間登録機能56は、上記したプレイヤ以外の使用権限設定者が設定した各記憶媒体13の使用可能期間Tの情報を取得し、使用可能期間Tの情報をこの使用権限設定者のIDに関連付けて前記使用可能期間格納部51に格納する機能である。使用権限設定者は、自宅のPCや携帯電話などの通信端末、若しくはゲームセンタなどに設置された専用端末やゲーム機2からホストコンピュータ3にアクセスし、所定の認証を経た後に記憶媒体13のIDと使用可能期間Tの情報を入力することで使用可能期間Tを登録できる。使用可能期間Tの変更や削除も同様の工程で行うことができる。
【0037】
次に、図5のフローチャートに基づいて、上記した各機能による処理工程を詳細に説明する。
まず、上記した構成において、プレイヤがコインや硬貨を投入し記憶媒体13をゲーム機2の支持凹部14に載置してスタートボタンを押してプレイ開始をリクエストすると(S1)、データ読取り/書込み装置15がこの記憶媒体13から記憶媒体IDを読み取る(S2)。読み取られたデータは、制御ユニット10のCPU22(データ送信機能33)が、ゲーム機1のIDと共に通信デバイス27によってホストコンピュータ3に転送する(S3)。
【0038】
次いで、ホストコンピュータ3の使用可否判定機能53が、通信制御部52から受信した記憶媒体13のIDに基づいて使用可能期間格納部51から当該記憶媒体13の有効期間、使用可能期間T、及び使用可能回数nmaxを夫々検索して、RAM44に記憶させる(S4)。また、この使用可否判定機能53は、コンピュータシステムのカレンダー機能から現在時刻を取得してRAM44に記憶させた情報と比較し、この記憶媒体13の有効期間が経過していないか(S5)、及び使用可能期間Tに属するか(S6)を順次判定する。
【0039】
有効期間及び使用可能期間Tに基づいて、その記憶媒体13の使用可否を判定した結果は、前記通信制御部52によってゲーム機2に送信される(S7)。ゲーム機2の前記判定結果受信機能34は、プレイ可という判断結果を受け取った場合(S8のYES)、ゲーム進行機能31に対してゲームプレイの開始を指示する(S9)。具体的には、ゲーム進行機能31がゲーム機2の記憶装置25からゲーム基礎データ及びゲームプログラムを読み出してゲームデータを生成しゲームプレイを開始する。一方、プレイ不可の判断結果を受け取った場合は(S8のNO)、前記判定結果受信機能34は、ゲーム進行機能31に対して所定のメッセージをゲーム機2のディスプレイ6に表示させるなどのエラー処理を実行させる(S10)。
【0040】
また、ゲームプレイが終了すると、ゲーム機2のプレイ終了通知機能35が記憶媒体のIDとこのゲーム機2のIDとをホストコンピュータ3に送信する(S11、S12)。ホストコンピュータ3は、使用時期更新機能54及び使用回数更新機能55が記憶媒体13のIDで前記使用可能期間格納部51を検索して対象となる記憶媒体13を特定し、使用時期tと使用回数nとを夫々更新する(S13、S14)。
【0041】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態においては、ゲーム開始時にコインや硬貨を投入するようにしているが、記憶媒体13にクレジット情報を識別する情報(設定された1日の利用可能金額、記憶媒体13の価格など)も格納させてプリペイドカードに類似した使い方ができるようにしてもよい。この場合は、前記データ読取り/書込み装置15が記憶媒体13から記憶媒体13のIDと共にクレジット識別情報も読み取り、ホストコンピュータ3から「使用可」の判定結果を受信した場合に、読み取ったクレジット識別情報に従ってプレイを開始する。この場合でも、記憶媒体13に格納されたクレジット識別情報には金銭的価値はなくそのままではプレイできないため、不正行為や盗難などのおそれはない。なお、ゲーム機2がプレイに必要なクレジット識別情報の有無を判断し、存在しない場合や足りない場合はホストコンピュータ3と交信せずに「クレジットが足りません」などのメッセージを表示させてもよい。
【0043】
また、プレイ終了時に記憶媒体13にも前回のプレイ日時tを記録して、プレイヤ自身が次回のプレイ可能時期を判断できるようにしてもよい。この場合でも、記憶媒体13のデータ改ざんなどを防止するため、プレイ日時tはホストコンピュータ3の使用可能期間格納部51に登録しておき、このデータに基づいて記憶媒体13の使用可否を判定するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム機の全体斜視図である。
【図2】図2は、同、記憶媒体の斜視図である。
【図3】図3は、同、ゲーム機の機能ブロック図である。
【図4】図4は、同、ホストコンピュータの機能ブロック図である。
【図5】図5は、同、ゲームプレイを受け付けた場合の処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1…ゲームシステム
2…ゲーム機
3…ホストコンピュータ
4…筺体
5…フロントパネル
6…ディスプレイ
7…スピーカ
8…LED照明
9…入力手段
10…制御ユニット
11…ボタン類
12…操作レバー
13…記憶媒体
14…支持凹部
15…データ読取り/書込み装置
16…筺体
17…ICタグ
22…CPU
23…システムバス
24…RAM
25…記憶装置
26…入出力インタフェース(I/F)
27…通信デバイス
28…ゲームデータ格納部
29…プログラム格納部
31…ゲーム進行機能
32…データ読取り機能
33…データ送信機能
34…判定結果受信機能
35…プレイ終了通知機能
42…CPU
43…システムバス
44…RAM
45…外部記憶装置
46…入出力インタフェース(I/F)
47…出力装置
48…入力装置
49…通信デバイス
50…ユーザ情報格納部
51…使用可能期間格納部
52…通信制御部
53…使用可否判定機能
54…使用時期更新機能
55…使用回数更新機能
56…使用可能期間登録機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保有する可搬性記憶媒体から制御用データを読み出してこのユーザにサービスを提供するサービス提供端末と、サービス提供端末が通信回線を介して接続されるホストコンピュータとによって構成されるサービス提供システムであって、
前記ホストコンピュータは、
前記記憶媒体の過去の使用時期tから第1の期間tの経過後に開始する使用可能期間Tの情報をユーザの識別情報及び/若しくは記憶媒体の識別情報(以下、「識別情報」と称する)に関連付けて格納する使用可能期間格納部と、
前記サービス提供端末から受信した識別情報に基づいて当該記憶媒体の使用可能期間Tの情報を前記使用可能期間格納部から検索し、この使用可能期間Tと現在時刻とに基づいて、その記憶媒体の使用可否を判定する使用可否判定手段と、
サービスの提供が完了したサービス提供端末から前記識別情報を受信し、この識別情報に従って前記使用可能期間格納部から対象となる記憶媒体を特定して使用時期t0を更新する使用時期更新手段と、を備え、
前記サービス提供端末は、
サービスの利用申込みに際してユーザの記憶媒体に格納された識別情報を読み取って通信回線を介してホストコンピュータに送信する利用申込受付手段と、
前記ホストコンピュータの使用可否判定手段から使用可の判定結果を受信した場合に、このサービス提供端末の記憶装置から制御プログラムを読み出してユーザにサービスを提供するサービス提供手段と、
サービスの提供後に、この記憶媒体の識別情報を通信回線を介してホストコンピュータに送信して使用時期tを更新させる使用時期更新指示手段と、を備えた
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1のサービス提供システムであって、
前記サービス提供端末は、金銭若しくは金銭的価値を有するクレジット(以下、「クレジット」と総称する)の情報の入力を受け付けてユーザにゲームサービスを提供するゲーム機であり、
このゲーム機の前記使用時期更新指示手段は、ユーザがクレジット情報を使用してゲームプレイが終了した後に、このゲーム機の識別情報をホストコンピュータに送信してゲームプレイ時期を更新させる
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1のサービス提供システムであって、
前記使用可能期間格納部は、使用可能期間Tの始期t(=t+T)から第2の期間Tが経過した終期t(=t+T)の情報を格納するものであり、
前記使用可否判定手段は、現在時刻が、その記憶媒体の使用可能期間T(始期t〜終期t)に属するかに基づいて記憶媒体の使用可否を判定するものである
ことを特徴とするサービスシステム。
【請求項4】
請求項1のサービス提供システムであって、
前記ホストコンピュータは、さらに、ユーザ以外の使用権限設定者が設定した当該ユーザの記憶媒体の使用可能期間Tの情報を取得し、使用可能期間Tの情報をこの使用権限設定者の識別情報に関連付けて前記使用可能期間格納部に格納する使用可能期間登録手段を備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項5】
請求項1のサービス提供システムにおいて、
前記ホストコンピュータの使用可能期間格納部は、使用可能期間Tと共に当該使用可能期間Tにおける使用可能回数nmaxを登録するものであり、
前記ホストコンピュータは、さらに、サービスの提供が完了したサービス提供端末から前記識別情報を受信し、この識別情報に従って前記使用可能期間格納部から対象となる記憶媒体を特定して使用回数nを更新する使用回数更新手段を備え、
前記使用可否判定手段は、使用可能期間Tが到来しているか、及び使用回数nが使用可能回数nmaxに超えていないか、に基づいて記憶媒体の使用可否を判定するものである
ことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項6】
請求項1のサービス提供機器において、
前記ホストコンピュータの使用可能期間格納部は、記憶媒体の使用可能期間Tと有効期間とを格納するものであり、
前記使用可否判定手段は、使用可能期間Tが到来しているか、及び有効期間が経過していないか、に基づいて記憶媒体の使用可否を判定するものである
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項7】
ユーザが保有する可搬性記憶媒体から制御用データを読み出してこのユーザにサービスを提供するサービス提供端末が通信回線を介して接続され、このサービス提供端末と共にサービス提供システムを構成するホストコンピュータであって、
前記記憶媒体の過去の使用時期tから一定期間Tの経過後に開始する使用可能期間Tの情報をユーザの識別情報及び/若しくは記憶媒体の識別情報(以下、「識別情報」)に関連付けて格納する使用可能期間格納部と、
サービスの利用申込みに際して、前記サービス提供端末から、ユーザの記憶媒体から読み出した前記識別情報を通信回線を通じて取得する識別情報受信手段と、
受信した識別情報に基づいて当該記憶媒体の使用可能期間Tの情報を前記使用可能期間格納部から検索し、この使用可能期間Tと現在時刻とに基づいて、その記憶媒体の使用可否を判定する判定手段と、
判定結果を通信回線を通じてサービス提供端末に送信する判定結果送信手段と
を備えたことを特徴とするホストコンピュータ。
【請求項8】
ユーザが保有する可搬性記憶媒体から制御用データを読み出してこのユーザにサービスを提供するサービス提供端末と、サービス提供端末が通信回線を介して接続されるホストコンピュータとによって構成されるサービス提供システムによって実行されるサービス提供方法であって、
前記ホストコンピュータは、前記記憶媒体の過去の使用時期tから第1の期間tの経過後に開始する使用可能期間Tの情報をユーザの識別情報及び/若しくは記憶媒体の識別情報(以下、「識別情報」)に関連付けて格納する使用可能期間格納部を有し、
この方法は、
前記サービス提供端末の利用申込受付手段が、サービスの利用申込みに際してユーザの記憶媒体に格納された識別情報を読み取って通信回線を介してホストコンピュータに送信する利用申込受付工程と、
前記ホストコンピュータの使用可否判定手段が、サービス提供端末から受信した識別情報に基づいて当該記憶媒体の使用可能期間Tの情報を前記使用可能期間格納部から検索し、この使用可能期間Tと現在時刻とに基づいて、その記憶媒体の使用可否を判定する使用可否判定工程と、
前記サービス提供端末のサービス提供手段が、前記使用可否判定手段から使用可の判定結果を受信した場合に、このサービス提供端末の記憶装置から制御プログラムを読み出してユーザにサービスを提供するサービス提供工程と、
前記サービス提供端末の使用時期更新指示手段が、サービスの提供後に、この記憶媒体の識別情報を通信回線を介してホストコンピュータに送信する使用時期更新指示工程と、
前記ホストコンピュータの使用時期更新手段が、サービスの提供が完了したサービス提供端末から前記識別情報を受信し、この識別情報に従って前記使用可能期間格納部から対象となる記憶媒体を特定して使用時期tを更新する使用時期更新工程と
を実行することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−93259(P2009−93259A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260786(P2007−260786)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】