説明

シェーディング補正方法、欠陥検出方法、欠陥検出装置、欠陥検出装置の制御方法プログラム

【課題】表示デバイスの表示欠陥検出工程においてシェーディング除去の精度を高め、表示欠陥を高精度に検出できるシェーディング補正方法、欠陥検出方法、欠陥検出装置、その制御方法プログラムを提供すること。
【解決手段】欠陥検出装置は、撮像画像中の部分画像が中間部画像であるか周辺部画像であるかのエリア情報を判定し(ST21)、部分画像中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にある適用画素か否かを判定し(ST22)、中間部画像に対応した中間部画像用平滑フィルタと周辺部画像に対応した周辺部画像用平滑フィルタとからエリア情報に基づいて選択した平滑フィルタを部分画像の適用画素に適用する(ST23)ことで、部分画像中の着目画素の背景輝度値を算出して背景画像を生成する。この背景画像と撮像画像との差分をとることで、撮像画像からシェーディングを適切に除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の画像表示デバイスやその応用製品であるプロジェクタ等の製造における検査工程において、画像表示デバイスの表示欠陥を精度よく検出するためにシェーディングを除去するシェーディング補正方法、欠陥検出方法、欠陥検出装置、その制御方法プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TFT(Thin Film Transistor)等の液晶パネル(画像表示デバイス)の表示外観検査において、液晶パネルに表示される画像に現れる表示欠陥(例えば、シミ、ムラ、スジなど)を画像処理で検出する場合、CCDカメラ等の撮像装置で画像表示デバイスやその表示画像を撮像して画像データを取得し、その画像データに基づいて表示欠陥を検出している。
CCDカメラで取得した画像データには、液晶パネルに照射される光束の照明ムラやレンズ等による画像の周辺光量の低下等に起因するシェーディングが含まれている。このため、表示欠陥の検出精度を向上させるには、画像データ中の欠陥成分以外の成分(シェーディング)の除去(シェーディング補正)が必要である。
そして、画像処理を用いてシェーディング補正を行う方法として、以下の技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、検査対象となる液晶パネルに表示された画像をCCDカメラで撮像することで取得した画像データ(検査画像データ)から、予め作成しておいた背景画像データとの差をとるシェーディング補正を採用している。ここで、背景画像データは、できるだけ欠陥の少ない検査対象ではない液晶パネルに表示される画像をCCDカメラで撮像することで画像データを複数取得し、複数の画像データを平均化したものである。
一方、特許文献2に記載の技術では、検査画像データと、検査画像データから生成したシェーディング補正パターン(背景画像データ)との差をとるシェーディング補正を採用している。ここでは、シェーディングのゲインを求めるとともに、適宜な演算によってシェーディング補正パターンを生成し、このシェーディング補正パターンに基づいてシェーディング補正を行う方法が用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−168103号公報
【特許文献2】特開2004−272077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、背景画像データは、検査対象とは異なる液晶パネルに表示された画像を撮像することで取得されたものでり、検査画像データの取得時と液晶パネルの設置位置が微小にずれていた場合には、対応する画素の位置が微小にずれてしまう。このため、検査画像データと背景画像データとの差をとった場合には、対応する画素間で差をとることができず、検査画像データからシェーディングを適切に除去することができない。すなわち、表示欠陥を精度よく検出できないという問題がある。
一方、特許文献2に記載の技術では、画像中央部と画像周辺部とのシェーディングのゲインを求め、このゲインを画像周辺部の輝度値に掛けることで画像中央部と画像周辺部との輝度差を補正した背景画像データを生成しているものの、このように算出したゲインを一律に掛けてしまうと、画像周辺部に表示欠陥があった場合には、この欠陥成分も含んだ背景画像データが生成され、この背景画像データとの差分をとった検査画像データから欠陥成分を除去してしまうこととなる。このため、特許文献2に記載の技術においても、表示欠陥を精度よく検出することができず、特に、画像周辺部におけるシェーディング補正の精度が低下してしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、表示デバイスの表示欠陥検出工程においてシェーディング除去の精度を高め、表示欠陥を高精度に検出できるシェーディング補正方法、欠陥検出方法、欠陥検出装置、その制御方法プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシェーディング補正方法は、検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像と、前記撮像画像から生成した背景画像と、の差分をとることで前記撮像画像からシェーディングを除去するシェーディング補正方法であって、前記撮像画像の中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定工程と、前記部分画像中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定工程と、前記中間部画像に対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像に対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の予め準備した平滑フィルタから前記エリア情報に基づいて平滑フィルタを選択するとともに、選択した平滑フィルタを前記部分画像の前記適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出工程とを備え、前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として前記エリア情報判定工程、前記適用画素判定工程および前記背景輝度値算出工程を実行して前記背景画像を生成することを特徴とする。
【0008】
本発明では、撮像画像から背景画像を生成し、これらの撮像画像と背景画像との差分をとることでシェーディングを除去することにより、撮像画像と背景画像との間で表示デバイスの画素位置がずれることがなく、互いに対応する画素間で差分をとることができるとともに、照明の条件のばらつき等の影響も排除してシェーディングカーブを合致させることもでき、撮像画像からシェーディングを適切に除去することができる。従って、微小なコントラストである表示欠陥を精度よく検出することができる。
また、エリア情報判定工程によって部分画像が中間部画像であるか周辺部画像であるかを判断するとともに、周辺部画像に対しては、周辺部画像用平滑フィルタを適用することで、検査対象部よりも外側の検査非対象部の影響を適切に評価したシェーディング補正が実行できる。
さらに、適用画素判定工程によって所定輝度範囲外の画素、つまり表示欠陥の可能性がある画素や、非透過部あるいは非発光部である検査非対象部を除外し、適用画素のみに平滑フィルタを適用することで、背景画像に欠陥成分が含まれることなく、この背景画像と撮像画像との差分をとった差分画像から欠陥成分を除去してしまうことが防止できる。ここで、部分画像中の適用画素のみに平滑フィルタを適用する際には、各適用画素と平滑フィルタの係数を掛け合わせて合計値を求めてから、適用画素に対応した平滑フィルタの係数値の和で合計値を除することで、着目画素の背景輝度値を適切に算出することができる。
従って、検査対象部の周辺部や表示欠陥の可能性がある部分におけるシェーディング除去精度を高めることができ、表示欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0009】
本発明において、前記エリア情報判定工程では、前記部分画像が前記検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部および右縦辺部のいずれの位置の周辺部画像か、または前記部分画像が前記検査対象部の上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の四隅いずれの位置の周辺部画像かのエリア情報を判定し、前記周辺部画像用平滑フィルタは、前記上辺部および下辺部の周辺部画像に対応した第1周辺部画像用平滑フィルタと、前記左縦辺部および右縦辺部の周辺部画像に対応した第2周辺部画像用平滑フィルタと、前記四隅の周辺部画像に対応した第3周辺部画像用平滑フィルタと、を含んだ少なくとも3種類が予め準備され、前記背景輝度値算出工程では、前記上辺部および下辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記第1周辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記左縦辺部および右縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に第2周辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記四隅の周辺部画像の前記適用画素に第3周辺部画像用平滑フィルタを適用して各々の周辺部画像における前記着目画素の背景輝度値を算出することが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、部分画像が検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部のいずれの位置のものかを判定し、この判定した部分画像の位置に応じて第1〜第3の周辺部画像用平滑フィルタを選択して適用することで、検査対象部の周辺部におけるシェーディング除去精度をさらに高めることができる。
【0011】
本発明において、前記第1周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から上側および下側に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成され、前記第2周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から左側および右側に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成され、前記第3周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から径方向に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成されていることが好ましい。
ここで、強調処理とは、対象とする画素の輝度値の重み付けを強める、つまり大きな係数をかける処理を意味し、弱調処理とは、強調処理するフィルタ値よりも小さなフィルタ値(係数)をかけることで、対象とする画素の輝度値の重み付けを弱める処理を意味する。
【0012】
このような構成によれば、検査対象部における上辺部および下辺部の周辺部画像に対して適用する第1周辺部画像用平滑フィルタが、着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素、つまり上辺部および下辺部における検査対象部と検査非対象部との境界線に沿った適用画素に対して、その輝度値の重み付けを強める処理をするとともに、境界線から離れた適用画素ほど輝度値の重み付けを弱める処理をすることとなる。従って、輝度変化の大きい検査対象部と検査非対象部との境界部分における背景輝度値を精度よく算出することができ、生成される背景画像を用いたシェーディング除去の精度をより一層向上させることができる。
また、第2周辺部画像用平滑フィルタでは、第1周辺部画像用平滑フィルタと略同様に、着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素、つまり左縦辺部および右縦辺部における検査対象部と検査非対象部との境界線に沿った適用画素に対して、その輝度値の重み付けを強める処理をすることで、境界部分(検査対象部の左右縦辺部)における背景輝度値を精度よく算出することができる。
さらに、第3周辺部画像用平滑フィルタでは、第1および第2周辺部画像用平滑フィルタと略同様に、着目画素、つまり上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部における検査対象部と検査非対象部との境界線が交差する位置の適用画素に対して、その輝度値の重み付けを強める処理をするとともに、境界線の交差位置から離れた適用画素ほど輝度値の重み付けを弱める処理をすることで、交差位置(検査対象部の四隅)における背景輝度値を精度よく算出することができる。
【0013】
また、本発明では、前記エリア情報判定工程では、前記部分画像が前記検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部および右縦辺部のいずれの位置の周辺部画像か、または前記部分画像が前記検査対象部の上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の四隅いずれの位置の周辺部画像かのエリア情報を判定し、前記周辺部画像用平滑フィルタは、前記上辺部の周辺部画像に対応した上辺部画像用平滑フィルタと、前記下辺部の周辺部画像に対応した下辺部画像用平滑フィルタと、前記左縦辺部の周辺部画像に対応した左縦辺部画像用平滑フィルタと、前記右縦辺部の周辺部画像に対応した右縦辺部画像用平滑フィルタと、前記上左隅部の周辺部画像に対応した上左隅部画像用平滑フィルタと、前記上右隅部の周辺部画像に対応した上右隅部画像用平滑フィルタと、前記下左隅部の周辺部画像に対応した下左隅部画像用平滑フィルタと、前記下右隅部の周辺部画像に対応した下右隅部画像用平滑フィルタと、を含んだ少なくとも8種類が予め準備され、前記背景輝度値算出工程では、前記上辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記上辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記下辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記下辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記左縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記左縦辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記右縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記右縦辺部画像用平滑フィルタを適用し、前記上左隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記上左隅部画像用平滑フィルタを適用し、前記上右隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記上右隅部画像用平滑フィルタを適用し、前記下左隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記下左隅部画像用平滑フィルタを適用し、前記下右隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記下右隅部画像用平滑フィルタを適用して各々の周辺部画像における前記着目画素の背景輝度値を算出する構成でもよい。
【0014】
この際、本発明では、前記上辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から下側に離れた画素ほど弱調処理し、前記左右に並ぶ各画素よりも上側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記下辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から上側に離れた画素ほど弱調処理し、前記左右に並ぶ各画素よりも下側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記左縦辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から右側に離れた画素ほど弱調処理し、前記上下に並ぶ各画素よりも左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記右縦辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から左側に離れた画素ほど弱調処理し、前記上下に並ぶ各画素よりも右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記上左隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から下側かつ右側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも上側の画素および左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記上右隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から下側かつ左側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも上側の画素および右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記下左隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から上側かつ右側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも下側の画素および左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、前記下右隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から上側かつ左側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも下側の画素および右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、前述の第1〜第3の周辺部画像用平滑フィルタに替えて8種類の周辺部画像用平滑フィルタを用いて各々の周辺部画像における着目画素の背景輝度値を算出することで、背景輝度値の算出精度をより一層向上させることができる。
ここで、例えば上辺部画像用平滑フィルタにおいて着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素よりも上側の画素を除外処理するとは、検査対象部の上辺よりも上側の検査非対象部に対応した部分の輝度値を0(ゼロ)にする処理を意味する。従って、生成される背景画像から検査非対象部の影響を除外することができる。
【0016】
本発明では、前記エリア情報判定工程では、予め準備した上辺部判定用パターンフィルタ、下辺部判定用パターンフィルタ、左縦辺部判定用パターンフィルタ、右縦辺部判定用パターンフィルタ、上左隅部判定用パターンフィルタ、上右隅部判定用パターンフィルタ、下左隅部判定用パターンフィルタ、下右隅部判定用パターンフィルタからなる8種類のパターンフィルタを用い、各パターンフィルタを前記部分画像に適用して前記エリア情報を判定することが好ましい。
このような構成によれば、検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の各位置に対応した8種類のパターンフィルタを用いてエリア情報を判定することで、周辺部画像が検査対象部のいずれの位置の画像であるかを精度よく判定することができ、前記各種の平滑フィルタの適用を適正に実行することができる。
【0017】
一方、本発明の欠陥検出方法は、検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出方法であって、前記表示デバイスを撮像して撮像画像を取得する撮像画像取得工程と、前記撮像画像から背景画像を生成する背景画像生成工程と、前記撮像画像と前記背景画像との差分をとることで前記撮像画像からシェーディングを除去した差分画像を生成するシェーディング補正工程と、前記差分画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出工程とを備え、前記背景画像生成工程は、前記撮像画像の中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定工程と、前記部分画像中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定工程と、前記中間部画像に対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像に対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の予め準備した平滑フィルタから前記エリア情報に基づいて平滑フィルタを選択するとともに、選択した平滑フィルタを前記部分画像の適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出工程とを備えるとともに、前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として前記エリア情報判定工程、前記適用画素判定工程および前記背景輝度値算出工程を実行して背景画像を生成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の欠陥検出装置は、検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出装置であって、前記表示デバイスに光束を照射する光源装置と、前記表示デバイスを介した光束を撮像する撮像装置と、前記表示デバイスおよび前記撮像装置を駆動制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記表示デバイスを駆動して検査画像を表示させる画像表示制御部と、前記表示デバイスに表示された検査画像を前記撮像装置に撮像させて撮像画像データを取得する画像データ取得部と、前記撮像画像データから背景画像データを生成する背景画像データ生成部と、前記撮像画像データと前記背景画像データとの差分をとることで前記撮像画像データからシェーディングを除去した差分画像データを生成するシェーディング補正部と、前記差分画像データに基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出部と、各種データを記憶するデータ記憶部とを備え、前記背景画像データ生成部には、前記撮像画像データの中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定部と、前記部分画像データ中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定部と、前記エリア情報に基づいて前記データ記憶部から読み出した平滑フィルタデータを前記部分画像データの適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出部とが設けられ、前記データ記憶部には、前記中間部画像データに対応した中間部画像用平滑フィルタデータと、前記周辺部画像データに対応した周辺部画像用平滑フィルタデータとを含んだ少なくとも2種類の平滑フィルタデータが記憶されていることを特徴とする。
【0019】
以上のような本発明の欠陥検出方法および欠陥検出装置によれば、前述のシェーディング補正方法と同様に、表示デバイスの欠陥検出工程において、検査対象部の周辺部や表示欠陥の可能性がある部分におけるシェーディング除去精度を高めることができ、表示欠陥の検出精度を向上させることができる。
また、データ記憶部に、前記第1〜第3の周辺部画像用平滑フィルタや、検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の各位置に対応した8種類の平滑フィルタ、あるいは検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の各位置に対応した8種類のパターンフィルタデータ等を記憶させておけば、これらの平滑フィルタやパターンフィルタを演算により算出する必要がなく、記憶しておいた平滑フィルタやパターンフィルタを読み出すだけで各部分画像に適用することができ、平滑化やパターンマッチングの処理を迅速に実行させることができる。
【0020】
一方、本発明の欠陥検出装置の制御方法プログラムは、前記いずれかの欠陥検出装置を駆動制御するものであって、前記欠陥検出装置を構成する制御装置に、撮像画像データの中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報の判定と、前記部分画像データ中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かの判定、および所定輝度範囲内にあると判定した適用画素の記録と、前記中間部画像データに対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像データに対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の平滑フィルタから前記エリア情報に基づいた平滑フィルタの選択と、前記選択した平滑フィルタを前記部分画像データの前記適用画素に適用することによる前記着目画素の背景輝度値の算出と、前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として背景輝度値を算出することによる前記背景画像の生成と、を実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、前述のシェーディング補正方法、欠陥検出方法および欠陥検出装置と同様に、表示デバイスの欠陥検出工程において、検査対象部の周辺部や表示欠陥の可能性がある部分におけるシェーディング除去精度を高めることができ、表示欠陥の検出精度を向上させることができる。そして、CPUを備えたコンピュータ等を制御装置に用い、このコンピュータで当該制御方法プログラムが実行されるようにすれば、各工程の処理速度を高めて欠陥検出処理全体を迅速に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔欠陥検出装置の構成〕
図1は、欠陥検出装置1の構成を示す図である。
欠陥検出装置1は、検査対象である画像表示デバイスとしての液晶パネル10の表示外観検査を行い液晶パネル10の表示欠陥を検出する装置である。この欠陥検出装置1は、図1に示すように、光学系2と、スクリーン3と、撮像装置としてのCCDカメラ4と、パネル制御装置5と、制御装置6とを備える。
【0023】
ここで、検査対象となる液晶パネル10は、透過型の液晶パネルであり、例えば、TFT基板と対向基板との間に液晶分子が密閉封入された構成を有し、光学系2からの光束を透過させる画像表示部11と、この画像表示部11の外周を囲んで設けられ光束を透過させない外周フレーム部12とを有して構成されている。そして、液晶パネル10は、例えば、欠陥検出装置1内のパネル設置部(図示略)に設置した状態でパネル制御装置5と電気的に接続し、パネル制御装置5によりTFT基板と対向基板との間に所定の電圧値(0Vも含む)の電圧が印加されることで液晶分子の配設状態を変化させ、入射光束を透過若しくは遮断することにより所定の光学像を形成する。なお、本実施形態では、液晶パネル10は、電圧を印加しない(電圧値が0V)状態において、入射光束を遮断して黒表示を実施するノーマリーブラックモードで構成されている。また、液晶パネル10としては、電圧を印加しない状態において、入射光束を全て透過して白表示を実施するノーマリーホワイトモードで構成しても構わない。
【0024】
光学系2は、光源から射出された光束を液晶パネル10に照射し、液晶パネル10を介した光束をスクリーン3に向けて拡大投射する光学系である。この光学系2は、図1に示すように、光源装置21と、光源装置21から射出された光束を集光して液晶パネル10に照射する集光レンズ22と、液晶パネル10にて形成された光学像をスクリーン3に向けて拡大投射する投射レンズ23とを備える。
これらのうち、光源装置21は、具体的な図示は省略するが、放電発光を実施する光源ランプと、光源ランプから射出された光束を反射するリフレクタとを備える。そして、光源ランプから放射された光束は、リフレクタにて集光レンズ22に向けて射出される。
なお、光源装置21としては、放電発光型の光源装置に限らず、LED(Light Emitting Diode)素子、レーザダイオード、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
【0025】
スクリーン3は、投射レンズ23により拡大投射された光学像(表示画像)を反射して投影する反射型スクリーンとして構成されている。なお、スクリーン3としては、反射型スクリーンに限らず、入射した光学像を透過して投影する透過型スクリーンとして構成してもよい。
【0026】
CCDカメラ4は、制御装置6による制御の下、スクリーン3の投射面を撮像し、撮像した画像に応じた信号を制御装置6に出力する。このCCDカメラ4は、具体的な図示は省略するが、エリアセンサであるCCDと、光束を集光してCCDに照射する集光レンズと、制御装置6による制御の下、CCDによる入射光束の受光時間を変更可能とするシャッター等を備える。
なお、CCDカメラ4のCCDは、液晶パネル10の解像度以上の解像度を有しているものが好ましい。
パネル制御装置5は、制御装置6による制御の下、液晶パネル10に所定の電圧値の電圧を印加し、液晶パネル10に所定の光学像を形成させる。
【0027】
図2は、制御装置6の概略構成を示すブロック図である。
制御装置6は、例えば、所定のプログラムを読み込んで実行するCPU(Central Processing Unit)等を備えたコンピュータで構成され、欠陥検出装置1全体を制御する。この制御装置6は、図2に示すように、制御部61と、メモリ62とを備える。
制御部61は、メモリ62に記憶された制御プログラムにしたがって所定の処理(欠陥検出処理)を実行する部分であり、画像表示制御部611と、画像データ取得部612と、背景画像生成部613と、シェーディング補正部614と、欠陥検出部615等を備えて構成されている。
【0028】
画像表示制御部611は、メモリ62に記憶された液晶パネル10に印加する電圧値に関する電圧値情報を読み出し、電圧値情報に基づく検査用電圧値で液晶パネル10を駆動させるための所定の制御信号をパネル制御装置5に出力する。そして、パネル制御装置5は、画像表示制御部611から出力された制御信号にしたがって、検査用電圧値で液晶パネル10を駆動し、液晶パネル10に検査画像を形成させる。
なお、本実施形態では、検査用電圧値としては、液晶パネル10が50%の透過率で光束を透過して検査画像(中間の階調値であるグレー画像)を形成するように駆動させる電圧値に設定されている。
【0029】
画像データ取得部612は、液晶パネル10にて検査画像が形成されている際に、CCDカメラ4に所定の制御信号を出力してCCDカメラ4にスクリーン3の投射面(検査画像を含む)を撮像させる。また、画像データ取得部612は、CCDカメラ4から出力される電気信号を入力してコンピュータにて読取可能な信号(デジタル信号)に変換し、画素毎に画素値(輝度値)に関する情報を含んだ検査画像データ(撮像画像データ)Pを取得する。そして、画像データ取得部612は、取得した検査画像データPをメモリ62に記憶させる。
取得した検査画像データPは、図3にも示すように、液晶パネル10の画像表示部11に対応する検査対象部P1と、液晶パネル10の外周フレーム部12に対応する検査非対象部P2とが含まれた画像データとして記憶されている。
【0030】
背景画像生成部613は、画像データ取得部612にて取得されてメモリ62に記憶された検査画像データPから背景画像データP’(図12参照)を生成する。この背景画像生成部613は、エリア情報判定部613Aと、フィルタ適用画素判定部613Bと、背景輝度値算出部613Cとを備える。
エリア情報判定部613Aは、検査画像データPの中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像データQが検査対象部P1のみで構成された中間部画像データQ1であるか、検査非対象部P2を含んで構成された周辺部画像データQ2であるかのエリア情報を判定し、メモリ62に記憶させる。ここで、部分画像データQは、例えば、9×9の81個の画素から構成された画像データであり、その中央の画素を着目画素としたものである。そして、エリア情報の判定は、後述するパターンフィルタによるパターンマッチングにより実施する。
フィルタ適用画素判定部613Bは、部分画像データQ中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定し、メモリ62に記憶させる。
背景輝度値算出部613Cは、エリア情報に基づいてメモリ62から読み出した平滑フィルタデータ(後述)を部分画像データQに適用して着目画素の背景輝度値を算出する。
そして、背景画像生成部613は、検査画像データPにおける検査対象部P1の全画素をそれぞれ着目画素として背景輝度値を算出し、この背景輝度値に基づく背景画像データP’を生成し、生成した背景画像データP’をメモリ62に記憶させる。
【0031】
シェーディング補正部614は、背景画像データP’と検査画像データPとを対応する画素毎に差分をとる(シェーディング補正)。そして、シェーディング補正部614は、シェーディング補正を実施することで、光源装置21から射出された光束の照明ムラや光学系2を構成する各レンズ22,23による画像の周辺光量の低下等に起因するシェーディング(表示欠陥成分以外の成分)を除去した差分画像データRを生成する。このシェーディング補正部614は、差分画像データ生成部614Aを備える。
差分画像データ生成部614Aは、メモリ62に記憶された背景画像データP’と検査画像データPとにおける互いに対応する画素毎に各画素値の差分をとり、差分画像データRを生成し、生成した差分画像データRをメモリ62に記憶させる。
【0032】
欠陥検出部615は、メモリ62に記憶された差分画像データRを読み出し、差分画像データRに基づいて、表示欠陥を強調する一般的な欠陥強調処理を実施し、シミ、ムラ、スジなどの表示欠陥に相当する画素位置を特定する。
メモリ62は、所定の制御プログラム、制御部61にて処理を実行するための情報、および制御部61にて処理されたデータ等の他に、パターンフィルタデータ621と、平滑フィルタデータ622とを記憶する。
【0033】
パターンフィルタデータ621には、図4に示すような8種類(パターンA〜パターンH)のパターンフィルタが格納されている。これらのパターンフィルタPT1〜PT8は、部分画像データQに対応した9×9の81個の係数から構成され、検査対象部P1の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部のいずれかの位置における部分画像データQにマッチし、この部分画像データQがいずれの位置の周辺部画像データQ2であるかをエリア情報判定部613Aが判定する。すなわち、各パターンフィルタPT1〜PT8と部分画像データQの対応する各画素値とを掛け合わせた場合に、マッチするパターンフィルタPT1〜PT8を掛けた場合の合計値が他のパターンフィルタPT1〜PT8を掛けた合計値よりも大きくなることで、いずれの位置の周辺部画像データQ2であるかが判定できるようになっている。一方、エリア情報判定部613Aは、各パターンフィルタPT1〜PT8と部分画像データQの対応する各画素値とを掛け合わせた合計値が、所定の閾値よりも小さくなる場合には、この部分画像データQを中間部画像データQ1と判定する。
【0034】
上辺部判定用パターンフィルタPT1は、上から4行目までの各係数が全てマイナス値(-1/36 )に設定され、上から5行目の係数が全て0(ゼロ)に設定され、上から6行目から9行目までの各係数が全てプラス値( 1/36 )に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
下辺部判定用パターンフィルタPT2は、上辺部判定用パターンフィルタPT1とは逆に、上から4行目までの各係数が全てプラス値( 1/36 )に設定され、上から5行目の係数が全て0(ゼロ)に設定され、上から6行目から9行目までの各係数が全てマイナス値(-1/36 )に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
左縦辺部判定用パターンフィルタPT3は、左から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/36 )に設定され、左から5列目の係数が全て0(ゼロ)に設定され、左から6列目から9列目までの各係数が全てプラス値( 1/36 )に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
右縦辺部判定用パターンフィルタPT4は、左縦辺部判定用パターンフィルタPT3とは逆に、右から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/36 )に設定され、右から5列目の係数が全て0(ゼロ)に設定され、右から6列目から9列目までの各係数が全てプラス値( 1/36 )に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
【0035】
上左隅部判定用パターンフィルタPT5は、上から4行目までの各係数および左から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/56 )に設定され、下から4行目まででかつ右から4列目までの係数(右下の係数)が全てプラス値( 1/16 )に設定され、残りの係数が0(ゼロ)に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
上右隅部判定用パターンフィルタPT6は、上左隅部判定用パターンフィルタPT5と左右対称に構成され、上から4行目までの各係数および右から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/56 )に設定され、下から4行目まででかつ左から4列目までの係数(左下の係数)が全てプラス値( 1/16 )に設定され、残りの係数が0(ゼロ)に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
下左隅部判定用パターンフィルタPT7は、上左隅部判定用パターンフィルタPT5と上下対称に構成され、下から4行目までの各係数および左から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/56 )に設定され、上から4行目まででかつ右から4列目までの係数(右上の係数)が全てプラス値( 1/16 )に設定され、残りの係数が0(ゼロ)に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
下右隅部判定用パターンフィルタPT8は、下左隅部判定用パターンフィルタPT7と左右対称に構成され、下から4行目までの各係数および右から4列目までの各係数が全てマイナス値(-1/56 )に設定され、上から4行目まででかつ左から4列目までの係数(左上の係数)が全てプラス値( 1/16 )に設定され、残りの係数が0(ゼロ)に設定されたフィルタ配列を有して構成されている。
【0036】
一方、平滑フィルタデータ622には、図5〜図7に示すような9種類の平滑フィルタが格納されている。9種類の平滑フィルタF1〜F9のうち、平滑フィルタF1〜F8は、前記パターンフィルタPT1〜PT8によって判定された上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の各位置における周辺部画像データQ2に対して平滑化を行うもので、平滑フィルタF9は、中間部画像データQ1に対して平滑化を行うものである。そして、平滑フィルタF1〜F9は、部分画像データQに対応した9×9の81個の係数から構成されており、背景輝度値算出部613Cにて、平滑フィルタF1〜F9の各係数が対応する部分画像データQの各画素に掛け合わされる。平滑フィルタF9は、9×9の全ての係数が同じ係数値( 1.0)に設定され、中間部画像データQ1の各画素に重み付けすることなく、平滑化するフィルタ配列を有して構成されている。
【0037】
そして、検査対象部P1の上辺部の周辺部画像データQ2に対応した上辺部画像用平滑フィルタF1は、上から4行目までの各係数が全て0(ゼロ)に設定され、上から5行目の各係数が最大の値( 5.0)に設定されるとともに、上から6行目から9行目の各係数が5行目の係数よりも小さくかつ下の行ほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.7)ようなフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、上辺部画像用平滑フィルタF1における上から5行目の中央の係数は、周辺部画像データQ2の着目画素に対応したものであり、最大の値に設定された上から5行目の各係数は、着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理する(重み付けを強める)ように設定されている。そして、上辺部画像用平滑フィルタF1における上から6行目から9行目の各係数は、着目画素を含んで左右に並ぶ各画素(5行目の各画素)から下側に離れた画素ほど弱調処理する(重み付けを弱める)ように設定され、上から1行目から4行目までの0の係数は、着目画素よりも上側の画素、つまり検査非対象部P2側の画素を除外処理するように設定されている。
【0038】
検査対象部P1の下辺部の周辺部画像データQ2に対応した下辺部画像用平滑フィルタF2は、上辺部画像用平滑フィルタF1と上下対称なフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、下辺部画像用平滑フィルタF2は、周辺部画像データQ2の着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理するように設定され、着目画素を含んで左右に並ぶ各画素から上側に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも下側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
また、検査対象部P1の左縦辺部の周辺部画像データQ2に対応した左縦辺部画像用平滑フィルタF3は、上辺部画像用平滑フィルタF1を反時計回りに90°回転させたフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、左縦辺部画像用平滑フィルタF3は、周辺部画像データQ2の着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理するように設定され、着目画素を含んで上下に並ぶ各画素から右側に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも左側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
また、検査対象部P1の右縦辺部の周辺部画像データQ2に対応した右縦辺部画像用平滑フィルタF4は、左縦辺部画像用平滑フィルタF3と左右対称なフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、右縦辺部画像用平滑フィルタF4は、周辺部画像データQ2の着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理するように設定され、着目画素を含んで上下に並ぶ各画素から左側に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも右側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
【0039】
一方、検査対象部P1の上左隅部の周辺部画像データQ2に対応した上左隅部画像用平滑フィルタF5は、上から4行目までの各係数および左から4列目までの各係数が全て0(ゼロ)に設定され、中央の1つの係数(5行目−5列目)が最大の値( 5.0)に設定されるとともに、この中央の係数よりも下側かつ右側の各係数が右下に向かうほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.1)ようなフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、上左隅部画像用平滑フィルタF5における中央の係数は、周辺部画像データQ2の着目画素に対応したものであり、着目画素を強調処理する(重み付けを強める)ように設定されている。そして、上左隅部画像用平滑フィルタF5における中央の係数よりも下側かつ右側の各係数は、着目画素よりも右下の径方向に離れた画素ほど弱調処理する(重み付けを弱める)ように設定され、上から4行目および左から4列目までの0の各係数は、着目画素よりも上側および左側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
【0040】
検査対象部P1の上右隅部の周辺部画像データQ2に対応した上右隅部画像用平滑フィルタF6は、上左隅部画像用平滑フィルタF5と左右対称なフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、上右隅部画像用平滑フィルタF6は、周辺部画像データQ2の着目画素を強調処理するように設定され、着目画素よりも左下の径方向に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも上側および右側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
また、検査対象部P1の下左隅部の周辺部画像データQ2に対応した下左隅部画像用平滑フィルタF7は、上左隅部画像用平滑フィルタF5と上下対称なフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、下左隅部画像用平滑フィルタF7は、周辺部画像データQ2の着目画素を強調処理するように設定され、着目画素よりも右上の径方向に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも下側および左側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
また、検査対象部P1の下右隅部の周辺部画像データQ2に対応した下右隅部画像用平滑フィルタF8は、下左隅部画像用平滑フィルタF7と左右対称なフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、下右隅部画像用平滑フィルタF8は、周辺部画像データQ2の着目画素を強調処理するように設定され、着目画素よりも左上の径方向に離れた画素ほど弱調処理するように設定され、着目画素よりも下側および右側の画素(検査非対象部P2側の画素)を除外処理するように設定されている。
【0041】
〔欠陥検出方法〕
次に、上述した欠陥検出装置1による欠陥検出方法を図面に基づいて説明する。
図8は、欠陥検出方法を説明するフローチャートである。
なお、以下では、液晶パネル10を欠陥検出装置1におけるパネル設置部(図示略)に設置した状態とし、液晶パネル10とパネル制御装置5とが電気的に接続されているものとする。
作業者は、制御装置6の操作部(図示略)を操作し、液晶パネル10の欠陥検出を実行する旨の設定入力を実施する。そして、制御装置6の制御部61は、操作部から出力される操作信号に応じて、メモリ62に記憶された制御プログラムを読み出し、制御プログラムにしたがって、以下に示すように、液晶パネル10の欠陥検出処理を実行する。
【0042】
先ず、制御部61は、光源装置21を点灯させ、光源装置21から射出された光束を液晶パネル10に導入し、制御部61の画像表示制御部611は、液晶パネル10に検査画像を表示させる制御信号をパネル制御装置5に出力する。この処理によってスクリーン3には、液晶パネル10を透過した検査画像が投影表示される。この状態において、制御部61の画像データ取得部612は、CCDカメラ4に所定の制御信号を出力してCCDカメラ4にスクリーン3の投射面を撮像させ検査画像データPを取得する(処理ST1:検査画像データ取得工程)。そして、画像データ取得部612は、取得した検査画像データPをメモリ62に記憶させる。
処理ST1の後、制御部61の背景画像生成部613は、メモリ62に記憶された検査画像データPを読み出し、この検査画像データPに基づいて背景画像データP’を生成する(処理ST2:背景画像生成工程)。
【0043】
図9は、背景画像生成工程ST2を説明するフローチャートである。
処理ST2では、先ず、背景画像生成部613のエリア情報判定部613Aは、メモリ62に記憶されたパターンフィルタデータ621を読み出し、パターンフィルタデータ621に格納されたパターンフィルタPT1〜PT8を、部分画像データQに適用する。具体的には、エリア情報判定部613Aは、図10に示すような任意の着目画素を中心とする9×9の部分画像データQにおける各画素の輝度値(図中の数値)に対し、図4に示す各パターンフィルタPT1〜PT8の対応する係数を掛け合わせるとともに、掛け合わせた値を合計する。この合計値は、以下の表に一例を示すように、一つの部分画像データQに対し、各パターンフィルタPT1〜PT8ごとに算出される。
これに続いてエリア情報判定部613Aは、各画素の輝度値と係数とを掛け合わせた合計値が、所定の閾値(例えば、0.5)を超えるか否かを判定するとともに、合計値が閾値よりも小さい場合には、当該部分画像Qを中間部画像データQ1と判定する。一方、合計値が閾値を超えた場合には、当該部分画像Qを周辺部画像データQ2と判定するとともに、合計値が最大となるパターンフィルタPT1〜PT8を判別し、その最大となるパターンフィルタに対応する位置と、周辺部画像データQ2の位置とを関連づけて、エリア情報としてメモリ62に記憶させる(処理ST21:エリア情報判定工程)。
【0044】
以上のように処理ST21では、部分画像データQが中間部画像データQ1であるか周辺部画像データQ2であるかが判定されるとともに、周辺部画像データQ2である場合には、検査対象部P1の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部のいずれの位置の画像であるかが判定される。具体的には、図10に部分画像1として例示する部分画像データQの場合において、パターンAである上辺部判定用パターンフィルタPT1を適用したときの合計値(0.932785)が、閾値を超えかつ最大であることから、検査対象部P1の上辺部(パターンA)の周辺部画像データQ2であると判定される。また、図10に部分画像2として例示する部分画像データQの場合において、パターンEである上左隅部判定用パターンフィルタPT5を適用したときの合計値(0.877976)が、閾値を超えかつ最大であることから、検査対象部P1の上左隅部(パターンE)の周辺部画像データQ2であると判定される。一方、図10に部分画像3として例示する部分画像データQの場合において、各パターンフィルタPT1〜PT8(パターンA〜パターンH)を適用したときの合計値が、閾値を超えないことから、中間部画像データQ1(外周以外)であると判定される。
【0045】
【表1】

【0046】
処理STST21の後、背景画像生成部613のフィルタ適用画素判定部613Bは、部分画像データQの各画素の輝度値に基づいてフィルタ適用画素を判定し、判定したフィルタ適用画素の位置情報をメモリ62に記憶させる(処理ST22:フィルタ適用画素判定工程)。
この処理ST22では、部分画像データQの各画素の輝度値からそれらの平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値よりも小さな輝度値である下限閾値と平均輝度値よりも大きな輝度値である上限閾値とを設定し、これらの下限閾値と上限閾値との間(所定輝度範囲内)に各画素の輝度値があるか否かを判定する。そして、下限閾値と上限閾値との間に収まる輝度値を有した画素をフィルタ適用画素として判定する。具体的には、図10の部分画像1であれば、算出された平均輝度値(79.0)に対し、下限閾値を平均輝度値−20(59.0)に設定し、上限閾値を平均輝度値+40( 119.0)に設定した結果、図11の部分画像1において、ハッチングで示す画素がフィルタ適用画素として判定される。また、図10の部分画像2であれば、算出された平均輝度値(61.9)に対し、下限閾値を平均輝度値−20(41.9)に設定し、上限閾値を平均輝度値+40( 101.9)に設定した結果、図11の部分画像2において、ハッチングで示す画素がフィルタ適用画素として判定される。また、図10の部分画像3であれば、算出された平均輝度値( 127.9)に対し、下限閾値を平均輝度値−20( 107.9)に設定し、上限閾値を平均輝度値+40( 167.9)に設定した結果、図11の部分画像3において、ハッチングで示す画素がフィルタ適用画素として判定される。
【0047】
処理ST22の後、背景画像生成部613の背景輝度値算出部613Cは、メモリ62に記憶された部分画像データQのエリア情報、フィルタ適用画素の位置情報、および平滑フィルタデータ622とを読み出し、平滑フィルタデータ622に格納された平滑フィルタF1〜F9をエリア情報に応じて選択し、選択した平滑フィルタを部分画像データQのフィルタ適用画素に適用する(処理ST23:平滑フィルタ適用工程)。
具体的には、背景輝度値算出部613Cは、部分画像データQが中間部画像データQ1である場合には、平滑フィルタF9を選択し、部分画像データQが周辺部画像データQ2である場合には、平滑フィルタF1〜F8のうち、周辺部画像データQ2の位置に応じた平滑フィルタを選択する。そして、部分画像データQにおけるフィルタ適用画素と、これらの画素位置に対応した平滑フィルタF1〜F9の係数とを掛け合わせてるとともに、掛け合わせた値を合計する。さらに、掛け合わせたフィルタ適用画素の輝度値と平滑フィルタF1〜F9の係数との合計値を、掛けた平滑フィルタF1〜F9の係数の和で除することで、部分画像データQにおける着目画素の背景輝度値を算出する。
そして、背景画像生成部613は、検査画像データPにおける検査対象部P1の全画素をそれぞれ着目画素とし、この着目画素を中心とする部分画像データQに対して上記ST21〜ST23の各工程を繰り返して全画素の背景輝度値を算出し、この背景輝度値に基づく背景画像データP’を生成し、生成した背景画像データP’をメモリ62に記憶させる。
【0048】
以上のような処理ST2の後、制御部61のシェーディング補正部614は、以下に示すように、シェーディング補正を実施する(処理ST3:シェーディング補正工程)。
図12は、シェーディング補正工程ST3を説明するための図である。
具体的に、図12(A)は、処理ST1において画像データ取得部612にて取得した検査画像データPを示している。図12(B)は、処理ST2において背景画像生成部613にて生成された背景画像データP’を示している。図12(C)は、処理ST3において差分画像データ生成部614Aにて生成された差分画像データRを示している。また、図12において上方側の図は、検査画像データP、背景画像データP’、および差分画像データRに基づく各画像を示している。図12において下方側の図は、上方側の図における所定の水平ラインHL上での画素毎の輝度値(画素値)を示している。すなわち、横軸が画素位置を示し、縦軸が輝度値を示している。
【0049】
処理ST3では、差分画像データ生成部614Aは、メモリ62に記憶された検査画像データPおよび背景画像データP’を読み出し、対応する画素毎に、検査画像データPの各画素値から背景画像データP’の各画素値の差分をとり、差分画像データRを生成する。そして、差分画像データ生成部614Aは、生成した差分画像データRをメモリ62に記憶させる。
そして、シェーディング補正工程ST3により、図12(C)に示すように、シェーディングが除去された差分画像データRが生成される。
【0050】
処理ST3の後、制御部61の欠陥検出部615は、メモリ62に記憶された差分画像データRを読み出し、差分画像データRに基づいて、表示欠陥成分を強調する一般的な欠陥強調処理を実施し、表示欠陥である画素位置を特定する(処理ST4:欠陥検出工程)。
例えば、欠陥検出部615は、所定のフィルタを用い、差分画像データRにおける画素毎に、注目する画素に対して水平方向および垂直方向に位置する各画素の画素値を積算する。そして、欠陥検出部615は、画素毎に積算された各積算値を予め設定された閾値と比較することで、表示欠陥成分である画素位置を特定する。
【0051】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、検査画像データ取得工程ST1にて取得した検査画像データPに基づき、背景画像生成工程ST2にて検査画像データPから背景画像データP’を生成し、シェーディング補正工程ST3にて検査画像データPと背景画像データP’との差分をとって差分画像データRを生成してシェーディングを除去することにより、検査画像データPと背景画像データP’との間で画素位置がずれることがなく、互いに対応する画素間で差分をとることができるとともに、照明の条件のばらつき等の影響も排除してシェーディングカーブを合致させることもでき、検査画像データPからシェーディングを適切に除去することができる。従って、微小なコントラストである表示欠陥を精度よく検出することができる。
【0052】
また、背景画像生成工程ST2において、エリア情報判定工程ST21にて部分画像データQが中間部画像データQ1であるか周辺部画像データQ2であるかを判断するとともに、平滑フィルタ適用工程ST23にて周辺部画像データQ2に対しては、周辺部画像用の平滑フィルタF1〜F8を適用することで、検査対象部P1の外周部におけるシェーディング補正の精度を向上させることができる。
さらに、背景画像生成工程ST2のフィルタ適用画素判定工程ST22において、下限閾値と上限閾値との間に収まらない輝度値を有した画素を除外することで、表示欠陥の可能性がある画素や、非透過部あるいは非発光部である検査非対象部P2の画素をフィルタ適用画素から除外することで、背景画像データP’に欠陥成分が含まれることなく、この背景画像データP’と検査画像データPとの差分をとった差分画像データRから欠陥成分を除去してしまうことが防止できる。
【0053】
また、平滑フィルタ適用工程ST23において、周辺部画像データQ2が検査対象部P1の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部のいずれの位置の画像であるかに応じて、8種類の平滑フィルタF1〜F8から適宜選択した平滑フィルタを適用することで、検査対象部P1と検査非対象部P2との境界部分を強調した背景画像データP’を生成することができ、検査対象部P1の外周部におけるシェーディング除去精度をさらに高めることができる。
【0054】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
第2実施形態は、平滑フィルタの構成が前記第1実施形態と相違し、欠陥検出装置1の構成や、欠陥検出方法等は第1実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
図13は、第2実施形態の平滑フィルタF11〜F14を示す図である。
4種類の平滑フィルタF11〜F14は、メモリ62に記憶された平滑フィルタデータ622に格納されており、これらのうち、平滑フィルタF11〜F13の3種類(第1〜第3の平滑フィルタ)は、前記パターンフィルタPT1〜PT8によって判定された上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の各位置における周辺部画像データQ2に対して平滑化を行うもので、平滑フィルタF14は、前記平滑フィルタF9と同一のものであり、中間部画像データQ1に対して平滑化を行うものである。
【0055】
第1平滑フィルタF11は、検査対象部P1の上辺部および下辺部の周辺部画像データQ2に対応したものであり、上から5行目の各係数が最大の値( 5.0)に設定されるとともに、上から4行目までの各係数が5行目の係数よりも小さくかつ上の行ほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.7)ように設定され、上から6行目から9行目の各係数が5行目の係数よりも小さくかつ下の行ほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.7)ように設定されたフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、第1平滑フィルタF11における上から5行目の中央の係数は、周辺部画像データQ2の着目画素に対応したものであり、最大の値に設定された上から5行目の各係数は、着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理する(重み付けを強める)ように設定されている。そして、第1平滑フィルタF11における上から4行目までの各係数、および上から6行目から9行目の各係数は、着目画素を含んで左右に並ぶ各画素(5行目の各画素)から上側および下側にそれぞれ離れた画素ほど弱調処理する(重み付けを弱める)ように設定されている。
【0056】
第2平滑フィルタF12は、検査対象部P1の左縦辺部および右縦辺部の周辺部画像データQ2に対応したものであり、左から5列目の各係数が最大の値( 5.0)に設定されるとともに、左から4列目までの各係数が5列目の係数よりも小さくかつ左の列ほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.7)ように設定され、右から4列目までの各係数が5列目の係数よりも小さくかつ右の列ほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.7)ように設定されたフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、第2平滑フィルタF12における左から5列目の中央の係数は、周辺部画像データQ2の着目画素に対応したものであり、最大の値に設定された左から5列目の各係数は、着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理する(重み付けを強める)ように設定されている。そして、第2平滑フィルタF12における左から4列目までの各係数、および右から4列目までの各係数は、着目画素を含んで上下に並ぶ各画素(5列目の各画素)から左側および右側にそれぞれ離れた画素ほど弱調処理する(重み付けを弱める)ように設定されている。
【0057】
第3平滑フィルタF13は、検査対象部P1の上左隅部、上右隅部、下左隅部および上右隅部の周辺部画像データQ2に対応したものであり、上から5行目で左から5列目(中央)の係数が最大の値( 5.0)に設定されるとともに、この中央の係数よりも径方向外側に向かうほど徐々に小さな値になる(4.4〜0.1)ようなフィルタ配列を有して構成されている。すなわち、第3平滑フィルタF13における中央の係数は、周辺部画像データQ2の着目画素に対応したものであり、着目画素を強調処理する(重み付けを強める)ように設定され、着目画素よりも径方向外側に離れた画素ほど弱調処理する(重み付けを弱める)ように設定されている。
【0058】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて以下の効果がある。
また、周辺部画像データQ2が検査対象部P1の上辺部、下辺部、左縦辺部、右縦辺部、上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部のいずれの位置の画像であるかに応じて、3種類の平滑フィルタF11〜F13から適宜選択した平滑フィルタを適用することで、検査対象部P1と検査非対象部P2との境界部分を強調した背景画像データP’を生成することができ、少ない平滑フィルタであっても検査対象部P1の外周部におけるシェーディング除去精度をさらに高めることができる。
【0059】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、周辺部画像データQ2用の平滑フィルタとして8種類の平滑フィルタF1〜F8、または3種類の平滑フィルタF11〜F13を予め準備したが、平滑フィルタの数やそのフィルタ配列は特に限定されず、隅部を含めた上辺部および下辺部用の平滑フィルタと縦辺部用の平滑フィルタとからなる2種類の平滑フィルタを適用してもよい。さらに、周辺部画像データQ2に対して4種類〜7種類の平滑フィルタを適用してもよく、9種類以上の平滑フィルタを適用してもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、部分画像データQが検査対象部P1のいずれの位置の画像であるかのエリア情報を判定する方法として、パターンフィルタPT1〜PT8を適用するとともに閾値を用いたが、エリア情報の判定は、パターンマッチングによるものに限られず、その他の適宜な方法が採用可能である。
また、前記実施形態では、部分画像データQとして、9×9の81個の画素から構成された画像サイズを採用したが、これに限らず、部分画像のサイズとしては、3×3や5×5、7×7などの任意の画像サイズが採用可能である。
また、前記実施形態において、パターンフィルタや平滑フィルタに用いた係数は、一つの例示であり、これらのフィルタの係数は、任意に設定することができる。
【0061】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の欠陥検出装置の構成を示す図。
【図2】前記欠陥検出装置における制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】前記欠陥検出装置で撮像した撮像画像を示す図。
【図4】前記制御装置に記憶されたパターンフィルタを示す図。
【図5】前記制御装置に記憶された平滑フィルタを示す図。
【図6】前記制御装置に記憶された平滑フィルタを示す図。
【図7】前記制御装置に記憶された平滑フィルタを示す図。
【図8】前記欠陥検出装置における欠陥検出方法を説明するフローチャート。
【図9】前記欠陥検出方法における背景画像生成手順を説明するフローチャート。
【図10】前記背景画像生成手順における部分画像を説明するための図。
【図11】前記部分画像におけるフィルタ適用画素を説明するための図。
【図12】前記欠陥検出装置におけるシェーディング補正工程を説明するための図。
【図13】第2実施形態の平滑フィルタを示す図。
【符号の説明】
【0063】
1…欠陥検出装置、10…液晶パネル(表示デバイス)、21…光源装置、4…CCDカメラ(撮像装置)、6…制御装置、61…制御部、62…メモリ(データ記憶部)、611…画像表示制御部、612…画像データ取得部、613…背景画像生成部、614…シェーディング補正部、615…欠陥検出部、613A…エリア情報判定部、613B…フィルタ適用画素判定部、613C…背景輝度値算出部、621…パターンフィルタデータ、622…平滑フィルタデータ、F1〜F9,F11〜F14…平滑フィルタ、PT1〜PT8…パターンフィルタ、P…検査画像データ(撮像画像)、P1…検査対象部、P2…検査非対象部、P’…背景画像データ(背景画像)、Q…部分画像データ(部分画像)、Q1…中間部画像データ(中間部画像)、Q2…周辺部画像データ(周辺部画像)、R…差分画像データ(差分画像)、ST1…検査画像データ取得工程、ST2…背景画像生成工程、ST21…エリア情報判定工程、ST22…フィルタ適用画素判定工程、ST23…平滑フィルタ適用工程、ST3…シェーディング補正工程、ST4…欠陥検出工程。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像と、前記撮像画像から生成した背景画像と、の差分をとることで前記撮像画像からシェーディングを除去するシェーディング補正方法であって、
前記撮像画像の中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定工程と、
前記部分画像中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定工程と、
前記中間部画像に対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像に対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の予め準備した平滑フィルタから前記エリア情報に基づいて平滑フィルタを選択するとともに、選択した平滑フィルタを前記部分画像の前記適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出工程とを備え、
前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として前記エリア情報判定工程、前記適用画素判定工程および前記背景輝度値算出工程を実行して前記背景画像を生成することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシェーディング補正方法において、
前記エリア情報判定工程では、
前記部分画像が前記検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部および右縦辺部のいずれの位置の周辺部画像か、または前記部分画像が前記検査対象部の上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の四隅いずれの位置の周辺部画像かのエリア情報を判定し、
前記周辺部画像用平滑フィルタは、
前記上辺部および下辺部の周辺部画像に対応した第1周辺部画像用平滑フィルタと、
前記左縦辺部および右縦辺部の周辺部画像に対応した第2周辺部画像用平滑フィルタと、
前記四隅の周辺部画像に対応した第3周辺部画像用平滑フィルタと、
を含んだ少なくとも3種類が予め準備され、
前記背景輝度値算出工程では、
前記上辺部および下辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記第1周辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記左縦辺部および右縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に第2周辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記四隅の周辺部画像の前記適用画素に第3周辺部画像用平滑フィルタを適用して各々の周辺部画像における前記着目画素の背景輝度値を算出することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項3】
請求項2に記載のシェーディング補正方法において、
前記第1周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から上側および下側に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記第2周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から左側および右側に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記第3周辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から径方向に離れた画素ほど弱調処理するフィルタ配列を有して構成されていることを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項4】
請求項1に記載のシェーディング補正方法において、
前記エリア情報判定工程では、
前記部分画像が前記検査対象部の上辺部、下辺部、左縦辺部および右縦辺部のいずれの位置の周辺部画像か、または前記部分画像が前記検査対象部の上左隅部、上右隅部、下左隅部および下右隅部の四隅いずれの位置の周辺部画像かのエリア情報を判定し、
前記周辺部画像用平滑フィルタは、
前記上辺部の周辺部画像に対応した上辺部画像用平滑フィルタと、
前記下辺部の周辺部画像に対応した下辺部画像用平滑フィルタと、
前記左縦辺部の周辺部画像に対応した左縦辺部画像用平滑フィルタと、
前記右縦辺部の周辺部画像に対応した右縦辺部画像用平滑フィルタと、
前記上左隅部の周辺部画像に対応した上左隅部画像用平滑フィルタと、
前記上右隅部の周辺部画像に対応した上右隅部画像用平滑フィルタと、
前記下左隅部の周辺部画像に対応した下左隅部画像用平滑フィルタと、
前記下右隅部の周辺部画像に対応した下右隅部画像用平滑フィルタと、
を含んだ少なくとも8種類が予め準備され、
前記背景輝度値算出工程では、
前記上辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記上辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記下辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記下辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記左縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記左縦辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記右縦辺部の周辺部画像の前記適用画素に前記右縦辺部画像用平滑フィルタを適用し、
前記上左隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記上左隅部画像用平滑フィルタを適用し、
前記上右隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記上右隅部画像用平滑フィルタを適用し、
前記下左隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記下左隅部画像用平滑フィルタを適用し、
前記下右隅部の周辺部画像の前記適用画素に前記下右隅部画像用平滑フィルタを適用して各々の周辺部画像における前記着目画素の背景輝度値を算出することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項5】
請求項4に記載のシェーディング補正方法において、
前記上辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から下側に離れた画素ほど弱調処理し、前記左右に並ぶ各画素よりも上側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記下辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の左右に並ぶ各画素を強調処理し、前記左右に並ぶ各画素から上側に離れた画素ほど弱調処理し、前記左右に並ぶ各画素よりも下側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記左縦辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から右側に離れた画素ほど弱調処理し、前記上下に並ぶ各画素よりも左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記右縦辺部画像用平滑フィルタは、前記着目画素および着目画素の上下に並ぶ各画素を強調処理し、前記上下に並ぶ各画素から左側に離れた画素ほど弱調処理し、前記上下に並ぶ各画素よりも右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記上左隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から下側かつ右側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも上側の画素および左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記上右隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から下側かつ左側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも上側の画素および右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記下左隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から上側かつ右側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも下側の画素および左側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成され、
前記下右隅部画像用平滑フィルタは、前記着目画素を強調処理し、前記着目画素から上側かつ左側の径方向に離れた画素ほど弱調処理し、前記着目画素よりも下側の画素および右側の画素を除外処理するフィルタ配列を有して構成されていることを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のシェーディング補正方法において、
前記エリア情報判定工程では、
予め準備した上辺部判定用パターンフィルタ、下辺部判定用パターンフィルタ、左縦辺部判定用パターンフィルタ、右縦辺部判定用パターンフィルタ、上左隅部判定用パターンフィルタ、上右隅部判定用パターンフィルタ、下左隅部判定用パターンフィルタ、下右隅部判定用パターンフィルタからなる8種類のパターンフィルタを用い、各パターンフィルタを前記部分画像に適用して前記エリア情報を判定することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項7】
検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
前記表示デバイスを撮像して撮像画像を取得する撮像画像取得工程と、
前記撮像画像から背景画像を生成する背景画像生成工程と、
前記撮像画像と前記背景画像との差分をとることで前記撮像画像からシェーディングを除去した差分画像を生成するシェーディング補正工程と、
前記差分画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出工程とを備え、
前記背景画像生成工程は、
前記撮像画像の中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定工程と、
前記部分画像中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定工程と、
前記中間部画像に対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像に対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の予め準備した平滑フィルタから前記エリア情報に基づいて平滑フィルタを選択するとともに、選択した平滑フィルタを前記部分画像の適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出工程とを備えるとともに、
前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として前記エリア情報判定工程、前記適用画素判定工程および前記背景輝度値算出工程を実行して背景画像を生成することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項8】
検査対象の表示デバイスの表示画像を撮像して取得した撮像画像に基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
前記表示デバイスに光束を照射する光源装置と、
前記表示デバイスを介した光束を撮像する撮像装置と、
前記表示デバイスおよび前記撮像装置を駆動制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記表示デバイスを駆動して検査画像を表示させる画像表示制御部と、
前記表示デバイスに表示された検査画像を前記撮像装置に撮像させて撮像画像データを取得する画像データ取得部と、
前記撮像画像データから背景画像データを生成する背景画像データ生成部と、
前記撮像画像データと前記背景画像データとの差分をとることで前記撮像画像データからシェーディングを除去した差分画像データを生成するシェーディング補正部と、
前記差分画像データに基づいて前記表示デバイスの表示欠陥を検出する欠陥検出部と、
各種データを記憶するデータ記憶部とを備え、
前記背景画像データ生成部には、
前記撮像画像データの中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報を判定するエリア情報判定部と、
前記部分画像データ中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かを判定して所定輝度範囲内にあると判定した適用画素を記録する適用画素判定部と、
前記エリア情報に基づいて前記データ記憶部から読み出した平滑フィルタデータを前記部分画像データの適用画素に適用して前記着目画素の背景輝度値を算出する背景輝度値算出部とが設けられ、
前記データ記憶部には、
前記中間部画像データに対応した中間部画像用平滑フィルタデータと、前記周辺部画像データに対応した周辺部画像用平滑フィルタデータとを含んだ少なくとも2種類の平滑フィルタデータが記憶されていることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の欠陥検出装置を駆動制御する欠陥検出装置の制御方法プログラムであって、
前記欠陥検出装置を構成する制御装置に、
撮像画像データの中で任意の着目画素を含む所定サイズの部分画像が、前記表示デバイスの検査対象部の画像のみで構成された中間部画像であるか、前記検査対象部外側の検査非対象部の画像を含んで構成された周辺部画像であるかのエリア情報の判定と、
前記部分画像データ中の各画素ごとの輝度値が所定輝度範囲内にあるか否かの判定、および所定輝度範囲内にあると判定した適用画素の記録と、
前記中間部画像データに対応した中間部画像用平滑フィルタと前記周辺部画像データに対応した周辺部画像用平滑フィルタとを含んだ少なくとも2種類の平滑フィルタから前記エリア情報に基づいた平滑フィルタの選択と、
前記選択した平滑フィルタを前記部分画像データの前記適用画素に適用することによる前記着目画素の背景輝度値の算出と、
前記検査対象部の複数の画素をそれぞれ着目画素として背景輝度値を算出することによる前記背景画像の生成と、
を実行させることを特徴とする欠陥検出装置の制御方法プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−3063(P2008−3063A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175744(P2006−175744)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】