説明

シグマ受容体化合物

本発明は、式(I)の化合物、それらの調製、これらの化合物を包含する薬剤、その上にヒトおよび動物の治療用薬剤の製造における利用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、シグマ(σ)受容体に対する薬理活性を有する化合物、そしてより詳細にはあるピラゾール誘導体、当該化合物の調製方法、それらを包含する薬剤、ならびに治療および予防、特に精神病の治療におけるそれらの利用に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
新たな治療薬に関する研究は、近年に至って、標的疾患と関連するタンパク質および他の生体分子の構造の一層の理解によって、非常に助けられている。これらのタンパク質の重要な種類の1つは、オピオイドの不快刺激性、幻覚誘発刺激性および強心性の影響と関連する可能性がある中枢神経系(CNS)の細胞表面受容体であるシグマ(σ)受容体である。シグマ受容体の生物学および機能の研究から、シグマ受容体リガンドが、精神病および運動障害(例えば、筋緊張異常および遅発性ジスキネジア、ハンチントン舞踏病もしくはトゥーレット症候群と関連する運動障害、ならびにパーキンソン病における運動障害)に有用であり得るという根拠が示されている(Walker, J. M. et al, Pharmacological Reviews, 1990, 42, 355)。既知のシグマ受容体リガンドであるリムカゾール(rimcazole)が、精神病の治療に臨床的に効力を示すことが報告されている(Snyder, S. H., Largent, B.L. J. Neuropsychiatry 1989, 1, 7)。シグマ受容体結合部位は、ある種の麻酔剤の右旋性異性体であるベンゾモルファン(例えば、(+)SFK 10047、(+)シクラゾシン、および(+)ペンタゾシン)に対して、およびある鎮静剤(例えば、ハロペリドール)に対しても選択的な親和性を有する。
【0003】
シグマ受容体は、これらの薬理作用薬物の立体選択的異性体によって区別され得る、少なくとも2つの亜類型を有する。SFK 10047は、シグマ 1(σ−1)部位に対してナノモーラーの親和性を有し、かつシグマ(σ−2)部位に対してマイクロモーラーの親和性を有する。ハロペリドールは、両方の亜類型に対して同様の親和性を有する。内在性のシグマリガンドは知られていないが、プロゲステロンがこれらの1つであると示唆されている。考えられるシグマ部位媒介薬物の効力としては、グルタメート受容体の機能、神経伝達物質の応答、神経保護、行動および認識の調節が挙げられる(Quirion, R. et al. Trends Pharmacol. Sci., 1992, 13:85-86)。ほとんどの研究は、シグマ結合部位(受容体)がシグナル伝達カスケードの原形質膜要素であることを暗示している。選択的なシグマリガンドであると報告された薬は、抗精神病薬として評価されている(Hanner, M. et al. Proc. Natl. Acad. Sci., 1996, 93:8072-8077)。CNS、免疫系および内分泌系におけるシグマ受容体の存在は、それが3つの系の間を連結する役割を果たし得る可能性を示唆している。
【0004】
シグマ受容体のアゴニストまたはアンタゴニストの見込みのある治療用途を受けて、多大な努力が選択的なリガンドの発見に向けられている。このようにして、先行技術は、異なるシグマ受容体リガンドを開示している。
【0005】
国際公開第91/09594号パンフレットには、環窒素原子上において任意に置換されたアリール置換基もしくはヘテロアリール置換基、アルキル置換基、アルケニル置換基、アルコキシ置換基、またはアルコキシアルキル置換基を有する、4−フェニルピペリジン化合物、4−テトラヒドロ−ピリジン化合物、または4−ピペラジン化合物であるいくつかのシグマ受容体リガンドの広範な種類について包括的に記載されている。アリールおよびヘテロアリールという用語は、多くの当該置換基を挙げることによって定義される。
【0006】
欧州出願公開第0 414 289 A1号明細書には、選択的なシグマ受容体アンタゴニスト活性を有する炭化水素基と、ピペリジンの窒素原子において置換される、1,2,3,4−テトラヒドロ−スピロ[ナフチレン−1,4’−ピペリジン]誘導体および1,4−ジヒドロ−スピロ[ナフチレン−1,4’−ピペリジン]誘導体の種類について包括的に記載されている。上記特許おいて定義されるときに、炭化水素という用語は、すべての考えられる直鎖状基、環状基、ヘテロ環状基などの範囲に及ぶ。しかし、ピペリジンの窒素原子における置換基として、ベンジル、フェネチル、シクロアルキルメチル、フリル−またはチエニルエチルまたは低級アルキルもしくは低級アルケニルを有する化合物だけが、特に開示されている。上記化合物が、200nMより高い力価になるとシグマ部位からトリチウム化ジトリルグアジニン(DTG)を追い出すことについて述べられている。1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]は、特に好ましい化合物として述べられている。
【0007】
欧州出願公開第0 445 974 A2号明細書には、対応するスピロ[インダン−1,4’−ピペリジン]誘導体およびスピロ[ベンゾシクロヘプテン−5,4’−ピペリジン]誘導体について、包括的に記載されている。この場合もやはり、上記化合物が、200nMより高い力価になるとシグマ部位からトリチウム化ジトリルグアジニン(DTG)を追い出すことについて述べられている。
【0008】
欧州出願公開第0 431 943 A号明細書には、ピペリジンの窒素原子において置換されるスピロピペリジンの非常に広範な種類について述べられており、かつ抗不整脈剤として、および心臓のポンプ機能の低下に対して有用であることについて主張されている。上記出願は、大部分がスピロ環系におけるオキソ置換基および/またはスルホニルアミド置換基を含む、種々の化合物を例証している。残りの化合物の内、大部分がスピロ環に結合したもう1つの極性置換基を有し、および/またはそれらがピペリジンの窒素原子上における置換基におけるいくつかの極性置換基を有する。シグマ受容体に関する上記化合物の影響の示唆または指摘は、示されていない。
【0009】
欧州出願公開第518 805 A号明細書および国際公開第02/102387号パンフレットには、ピペリジン構造またはスピロピペリジン構造を有するシグマ受容体リガンドについて記載されている。
【0010】
当該特許出願に記載されている化合物の化学構造に関して、特にピラゾール基の異なる位置におけるアミノアルコキシ基によって置換されることに関して特徴付けられているピラゾール誘導体を開示する先行技術におけるいくつかの文献がある。
【0011】
米国特許第4,337,263号明細書には、1−アリール−4−アリールスルホニル−3−アミノ プロポキシ−1H−ピラゾールが開示されており、ここで、アミノ基は、モルホリン基、ピペリジン基またはピロリジン基のような窒素環基によって構成され得る。それらは、抗低リポタンパク血症剤または抗低コレステロール血症剤として使用される。
【0012】
仏国特許2301250号明細書には、上述のような化合物(例えば、1,4−ジアリール−3−アミノアルコキシ ピラゾール)と類似の化合物について開示されており、ここで、アミノ基は、ピロリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ヒドロキシピペリジン誘導体、モルホリン誘導体またはピペラジン誘導体を含む。
【0013】
米国出願公開第2003/0144309号明細書には、ジエチルアミノエトキシ基によって置換された3位を有し、かつピリミジン基が4位に存在するピラゾールについて言及されている。それらは、JNK3、LckまたはSrcのキナーゼ活性の阻害剤として使用される。
【0014】
国際公開第02/092573号パンフレットには、SRCおよび他のプロテインキナーゼの阻害剤としての、置換されたピラゾール化合物について記載されている。
【0015】
国際公開第04/017961号パンフレットには、環状アミドと直接に結合したアルコキシ基によって3位が置換された、ピラゾール化合物が開示されている。当該ピラゾール化合物は、患者における性ホルモン関連障害を治療的処置および/または予防に使用される。
【0016】
米国特許第6,492,529号明細書には、炎症性疾患の処置に使用されるピラゾール誘導体について記載されている。これらの化合物の5位には、ある場合にモルホリンエトキシ基と連結された、尿素基が存在する。
【0017】
国際公開第04/016592号パンフレットには、特に環状アミドと直接に結合したアルコキシ基を5位に含む、タンパク質のプレニル化を阻害するピラゾール化合物について言及されている。
【0018】
しかし、これらの文献は、シグマ受容体に対するこれらの化合物の効力について示唆していない。
【0019】
依然として、有効的かつ選択的な、さらに良好な“薬物性能(drugability)”(例えば、投与、分布、代謝および排泄に関する良好な医薬の性質)を有する、シグマ受容体に対する薬理活性を有する化合物を発見する必要がある。
【0020】
〔発明の概要〕
現在、我々は、特にシグマ受容体の選択的な阻害剤である構造的に異なるピラゾール誘導体の一群を見出している。化合物は、窒素と直接に結合したアルコキシ基に至るまでの、3位における置換基によって特徴付けられるピラゾール基をもたらす。
【0021】
1つの局面において、本発明は、式(I)
【0022】
【化1】

(ここで、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のC1−6の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換される、および/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアルキル基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表し;
同一のまたは異なるRおよびRは、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表し;
同一のまたは異なるRおよびRは、
水素原子;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に一置換され得る、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表すか;
任意に少なくとも一置換の単環系もしくは多環系と任意に縮合される、任意に少なくとも一置換のヘテロ環式基を、架橋窒素原子とともに形成し;
Xは、酸素原子;−CH、SH、OH、NH、CF基であるR12を有するCH−R12基;Cl、F、Br、IまたはCNを表し;
Yは(S=O)基を表し;
mは1、2、3または4から選択され;
nは0または1から選択され;
pは0または1から選択され;
sは1、2、3または4から選択され;
かつn+pは1であり;
同一のまたは異なるR、R、R、R10およびR11は、水素原子;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のC1−6脂肪族基;分枝状または非分枝状の少なくとも一置換のC1−6アルコキシラジカル;飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むC1−6アルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換のC1−6アルキル−アリール基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換のC1−6アルキル−ヘテロアリール基を表し;
−(CH−(X)−(Y)−(CH−が直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−基、または直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−(CH)−基を表し得ないという条件を有し;
の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)に導かれる。
【0023】
1つの実施形態において、以下の条件:
nが1であり、かつpが0であり、かつXが、OHであるR12を有するCH−R12基を表す場合に、RおよびRが、任意に少なくとも一置換の単環系もしくは多環系と任意に縮合される、任意に少なくとも一置換のヘテロ環式基を、架橋窒素原子とともに形成するという条件の下にある
が適用される。
【0024】
他の実施形態において、以下の条件:
nが1であり、かつpが0であり、かつXが、OHであるR12を有するCH−R12基を表す場合に、Rが水素であるという条件を有する
が適用される。
【0025】
他の実施形態において、以下の条件:
以下の化合物:
・3−(3’−t−ブチルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−ベンジル−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−イソプロピル−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−(4−イソプロピル−ベンジル)−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−フェニル−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−シクロヘキシル−ピラゾール;
・3−(3’−イソプロパルアミノ−2’−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−フルフリル−ピラゾール;
が除外されるという条件を有する
が適用される。
【0026】
式(I)の化合物のプロドラッグであるあらゆる化合物が本発明の範囲内にある。“プロドラッグ”という用語は、広義の意味において使用され、かつインビボにおいて本発明の化合物に転換されるこれらの誘導体を包含する。当該誘導体は、当業者にとって容易に思い浮かべられ、かつ分子に存在する官能基に応じて制限されることなく、本発明の化合物の以下の誘導体:エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩スルホン酸エステル、カルバミン酸塩、およびアミドを含む。所定の活性化合物のプロドラッグを産生するよく知られる方法の例は、当業者にとって公知であり、かつ例えば、Krogsgaard- Larsen et al. "Textbook of Drug design and Discovery" Taylor & Francis (April 2002)に見られ得る。
【0027】
本発明によれば、“縮合される”という用語は、環または環系がもう1つの間または環系と結び付けられることを意味し、ここで、“環付加”または“アネレート(annelate)”という用語は、この種の結合を示すために当業者によって使用される。
【0028】
本発明によれば、“環系”という用語は、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含み、かつ任意に少なくとも一置換される、飽和、不飽和または芳香族炭素環式の環系を包含する環系を指す。当該環系は、他の炭素環式環系(例えば、アリール基、ナフチル基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基など)と縮合され得る。
【0029】
本発明において呼ばれるときに、シクロアルキルラジカルは、任意に非置換、一置換、または多置換され得る、飽和および不飽和(しかし芳香族ではない)の、環状炭化水素という意味として理解される。これらのラジカルにおいて、例えば、C3−4シクロアルキルは、C−またはC−シクロアルキルを表し、C3−5シクロアルキルは、C−、C−またはC−シクロアルキルを表すなどである。シクロアルキルに関して、またこの用語は、任意に少なくとも1つの炭素が、異種原子、好ましくはS、N、PまたはOによって置換され得る、飽和シクロアルキルを含む。しかし、環に異種原子を有していない、一置換または多置換の(好ましくは一置換の)シクロアルキルはまた、当該シクロアルキルが芳香族系ではない限りにおいて、シクロアルキルという用語に特に該当する。
【0030】
シクロアルキルラジカルに関する例としては、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アセチル、tert−ブチル、アダマンチル、ピロリン、ピロリジン、ピロリジンオン(pyrrolidineone)、ピラゾリン、ピラゾリノン(pyrazolinone)、オキソピラゾリノン(oxopyrazolinone)、アジリジン、アセチジン、テトラヒドロピロール、オキシラン、オキセタン、ジオキセタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、オキサチオラン、オキサゾリジン、チイラン(thiiran)、チエタン、チオラン、チアン(thiane)、ピペリジン、ピペラジンまたはモルホリンが好ましく挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明において定義されるときに、シクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、−SONH、C1−6アルキルまたはC1−6−アルコキシによって、任意に一置換または多置換され得る。
【0032】
本発明において言及されるときに、脂肪族ラジカル/基は、任意に一置換または多置換され、かつ分枝状または非分枝状、飽和または不飽和であり得る。本発明において定義されるときに、不飽和の脂肪族基としては、アルキルラジカル、アルケニルラジカルおよびアルキニルラジカルが挙げられる。本発明に係る好ましい脂肪族ラジカルとしては、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、エチニル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル ブテニル、ブチニル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に係る脂肪族ラジカルにとって好ましい置換基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、−SONH、C1−6アルキルおよび/またはC1−6−アルコキシである。
【0033】
(CH3−6という用語は、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解され;(CH1−4という用語は、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解され;(CH4−5は、−CH−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解される。
【0034】
本発明において言及されるときに、アリールラジカルは、少なくとも1つの芳香族環を有し、環のただ1つにおいてさえ異種原子を有していない環系を意味するものとして理解される。これらのアリールラジカルは、例えば、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、−SONH、C1−6アルキルまたはC1−6−アルコキシを用いて任意に置換され得る。アリールラジカルの好ましい例としては、任意に一置換または多置換され得る、フェニルラジカル、ナフチルラジカル、フルオルアンテニル(fluoranthenyl)ラジカル、フルオレニルラジカル、テトラリニルラジカルまたはインダニルラジカルまたはアントラセニルラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
ヘテロアリールラジカルは、少なくとも1つの芳香族環を有し、かつ窒素、酸素および/または硫黄からなる群からの1つ以上の異種原子を含み得、かつ任意に非置換され得るか、または例えば、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、オキソ、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、−SONH、C1−6アルキルもしくはC1−6−アルコキシによって一置換され得るか、または多置換され得るかのいずれである、ヘテロ環式系を意味するものとして理解される。ヘテロアリールの好ましい例としては、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、ベンズイミドゾール(benzimidzole)、カルバゾールおよびキナゾリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
“ヘテロ環式”という用語は、少なくとも1つの異種原子、好ましくは窒素、酸素および硫黄によって置換され得る少なくとも3つの炭素原子から構成される、飽和、不飽和および/または芳香族の、安定な3員環から15員環の環ラジカルを指す。ヘテロ環式ラジカルは、融合環系を含む、単環系または多環系であり得る。当該へテロ環の例としては、アゼピン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、フラン、イソチアゾール、イミダゾール、インドール、ピペリジン、ピペラジン、プリン、キノリン、チアジアゾール、テトラヒドロフラン、クマリン、モルホリン;ピロール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、イミダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。上記ヘテロ環基は、任意に、完全にもしくは部分的に飽和であり得るか、または芳香族であり得、かつ特に明記しない限り、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、オキソ、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、−SONH、C1−6アルキルもしくはC1−6−アルコキシからなる群から独自に選択される1つ以上の置換基によって、任意に少なくとも一置換される。
【0037】
置換のアルキル−シクロアルキル基、アルキル−アリール基およびアルキル−ヘテロアリール基は、アルキル基、および/またはシクロアルキル基か、アリール基か、ヘテロアリール基かの上において置換されるものとして理解されるべきである。例えば、任意に置換されたアルキル−アリール基は、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基との両方のいずれかの任意の置換を意味している。好ましくは、これらの基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SO、CF、オキソ、カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、−SONH、C1−6アルキルまたはC1−6−アルコキシによって、任意に一置換または多置換される。
【0038】
“塩”という用語は、荷電されかつ対イオン(カチオンまたはアニオン)と共役されているか、溶液中にあるかのいずれかであるイオン形態を想定するか、本発明に従って使用される活性化合物のあらゆる形態を意味するものとして理解されるべきである。また、これによって、活性化合物の他の分子およびイオンとの錯体、特にイオン相互作用を介して錯体化される錯体と理解されるべきである。
【0039】
“生理学的に受容可能な塩”という用語は、本発明に照らして、治療に対して適切に使用される場合に、特にヒトおよび/または動物に対して使用されるか、または適用される場合に、生理学的に許容される(ほとんどの期間において無毒である、特に対イオンが原因にならないことを意味する)、あらゆる塩を意味する。
【0040】
ヒトおよび/または動物に対して使用される場合に、これらの生理学的に受容可能な塩は、カチオンまたは塩基を用いて形成され得、かつ本発明に照らして、本発明に係る使用される化合物の少なくとも1つの塩−たいていは(脱プロトン化された)酸(生理学的に許容される少なくとも1つの(好ましくは無機の)カチオンを有するアニオンのような)−という意味として理解される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩は、特に好ましく、かつまたNHを有するそれらであるが、特に、1ナトリウム塩もしくは2ナトリウム塩、1カリウム塩もしくは2カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩である。
【0041】
また、特にヒトおよび/または動物に対して使用される場合に、これらの生理学的に受容可能な塩は、本発明に照らしてアニオンまたは酸を用いて形成され得、かつ本発明に係る使用される化合物の少なくとも1つの塩−例えば、たいてい窒素上において脱プロトン化されている(生理学的に許容される少なくとも1つのアニオンを有するカチオンのような)−という意味として理解される。これによって、特に、本発明に照らして、特にヒトおよび/または動物に使用される場合に、生理学的に受容可能な酸を用いて形成される塩、すなわち、生理学的に許容される無機酸または有機酸を有する特定の活性化合物の塩であると理解される。特定の酸の生理学的に受容可能な塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸またはクエン酸の塩である。
【0042】
本発明に係る“溶媒和物”という用語は、本発明に係る活性化合物のあらゆる形態(この化合物は、他の分子(たいてい極性溶媒)との非共有結合を介して結合している)、特に水和物およびアルコラート(例えば、メタノレート)という意味として理解されるべきである。
【0043】
本発明の化合物は、遊離化合物としてか、または溶媒和物としての結晶形態であり得、かつ両方の形態が本発明の範囲内にあることが意図される。溶媒和の方法は、当該技術の範囲において一般的に知られている。好適な溶媒和物は、薬学的に受容可能な溶媒和物である。特定の実施形態において、溶媒和物は水和物である。
【0044】
式(I)の化合物またはこれらの塩または溶媒和物は、薬学的に受容可能な形態または実質的に純粋な形態であることが好ましい。薬学的に受容可能な形態によって、とりわけ、通常の添加物(例えば、希釈剤および担体)を除いて、薬学的に受容可能な度合いの純度を有し、かつ用量の度合いにおいて毒性があると考えられる物質を含まないことを意図される。製剤原料に関する純度の度合いは、好ましくは約50%、より好ましくは約70%、最も好ましくは約90%である。好ましい実施形態において、上記純度の度合いは、約95%の本発明の式(I)の化合物または、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
【0045】
また、特に明記しない限り、本発明の化合物は、1つ以上の同位体が豊富な原子の存在下においてのみ異なる化合物を含むことを意図される。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置き換え、または13C−もしくは14C−富化炭素もしくは15N−富化窒素による炭素の置き換えを除いて存在する構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
【0046】
“薬理学的手段”という用語は、本発明に説明される式(I)の化合物がシグマリガンド(例えば、置換されている放射性リガンド)のように他の化合物を試験するモデルとして使用され得、かつまたシグマ受容体と関連する生理学的作用のモデリングに使用され得ることを意味するシグマ受容体に対する特に選択的なリガンドであることによる、本発明の化合物の性質を指す。
【0047】
好ましくは、上述された一般式(I)
(ここで、
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC2−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキルヘテロアリール基を表し;
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CNからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
同一のまたは異なるRおよびRが、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて置換される、非分枝状もしくは分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状もしくは分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和もしくは不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表すか;
または
任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基を、架橋窒素原子とともに形成する)
の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)である。
【0048】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
同一のまたは異なるRおよびRは、水素原子;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;独立して、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOまたはCFからなる群から選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリールを示すか;
または
任意に一置換される、環の構成要素として少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基を、架橋窒素原子とともに形成し;
の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)を指す。
【0049】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
およびRは、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、またはピペラジン、好ましくはモルホリン、ピロリジンまたはピペリジンからなる群から選択される任意に一置換される5員環または6員環を、架橋窒素原子とともに形成する)
の化合物を指す。
【0050】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
mは、1、2、3または4から;好ましくは1または2から選択される)
の化合物を指す。
【0051】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
nは、0または1から、好ましくは1から選択される)
の化合物を指す。
【0052】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
pは、0または1;好ましくは1から選択される)
の化合物を指す。
【0053】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
sは、1、2、3または4;好ましくは1または2から選択される)
の化合物を指す。
【0054】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
xは、酸素原子;−CH、SH、OH、NH、CF基であるR12を有するCH−R12基;Cl、F、Br、IまたはCNを示す)
の化合物を指す。
【0055】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
Xは、酸素原子またはCH−OH基を表す)
の化合物を指す。
【0056】
本発明の他の代替可能な実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
Yは(S=O)基を表す)
の化合物を指す。
【0057】
本発明の好ましい実施形態は、上述された式(I)
(ここで、
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて、任意に少なくとも一置換されるエチル基、プロピル基;n−プロピル基、i−プロピル基;tert−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基またはナフチル基を表し;
が、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるベンジルまたはナフチルからなる群から選択される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
が、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるベンジルまたはナフチルからなる群から選択される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
およびRが、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、任意に少なくとも一置換されるピペリジン基、モルホリン基、ピロリジン基またはピペラジン基を、架橋窒素原子とともに形成し;
Xが、酸素原子、またはOHであるR12を有するCH−R12基を表し;
Yが(-S=O)基を表し;
mが1または2から選択され;
nが0または1から選択され;
pが0または1から選択され;
sが1、2、3または4から選択され;
かつn+pが1である)
の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)を指す。
【0058】
非常に好ましくは、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−モルホリノプロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール、
2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル 2−モルホリン、
1−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)ピペリジン、
4−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)モルホリン
からなる群から選択される、上述された式(I)の化合物、またはそれらのあらゆる受容可能な塩またはそれらの溶媒和物である。
【0059】
本発明の他の局面は、上述のような一般式(I)の化合物の調製方法である。
【0060】
上述した式(I)の化合物は、米国特許第4,337,263号明細書および仏国特許2 472 564号明細書に記載されている方法と類似の利用可能な合成手法によって取得され得る。例えば、それらは、式(II):
【0061】
【化2】

(R、RおよびRは、式(I)において上述した通りである)の化合物を、一般式(III)
の化合物を、式(III):
【0062】
【化3】

(R、R、X、Y、m、nおよびsは、式(I)において上述した通りである)の化合物と縮合することによって調製され得る。
【0063】
式(II)および(III)の化合物の反応は、非プロトン溶媒(これらに限定されないが、例えば、無機塩基(例えば、KCO)の存在下におけるジメチルホルムアミド(DMF))において、60から120℃の範囲にある温度において好ましく実施される。
【0064】
代替可能に、上述したような一般式(I)の化合物は、上述した式(II)(R、RおよびRは式(I)において上述した通りである)の化合物を、式(IV):
【0065】
【化4】

(X、Y、m、n、pおよびsは、式(I)において上述した通りである)の化合物と縮合することによって取得され得る。
【0066】
式(II)および(IV)の化合物の反応は、有機物または無機物(例えば、KCO)の存在下において好ましく実施される。
【0067】
また、中間体化合物(II)は、引用文献に記載されているように調整され得る(L.F.Tietze et al., Synthesis, (11), 1079-1080, 1993; F. Effenberger and W. Hartmann, Chem. Ber., 102(10), 3260-3267, 1969を参照すればよい;両方の文献は、引用によって本明細書に組み込まれる)。また、それは、本特許出願の合成の実施例に見られ得るように、従来の方法によって調整され得る。
【0068】
式(III)および(IV)の化合物は、市販されているか、当業者に公知の従来の方法によって調整され得る。
【0069】
上述したような一般式(I)の化合物を合成する方法の概要は、手順(I)に示される。
【0070】
【化5】

上述したような一般式(I)に化合物は、手順(I)に記載したような2以上の合成経路によって取得され得る。3つのこれらの代替可能な合成の経路は、手順1A、1Bおよび1Cにより詳細に記載されている。これらの経路は、一般式(I)の一部を形成するものとして理解されるべきであり、そしてそれゆえに、上述したような一般式(I)の化合物を取得する一般的な方法を制限するものではない。
【0071】
【化6】

【0072】
【化7】

【0073】
【化8】

上述した過程の間に、感受性の高い基のまたは試薬の保護は、必要であり得る、および/または好ましい。従来の保護基の導入の他に、それらの除去もまた、当業者によく知られる方法によって行われ得る。
【0074】
一般式(II)の化合物自体が、立体異性体、特に鏡像異性体またはジアステレオ異性体の混合物の形態において取得される場合に、当該混合物は、当業者に公知の標準的な手法(例えば、クロマトグラフ法、またはキラル試薬を用いた分画結晶化)によって分離され得る。キラル中心がある場合に、化合物はラセミ形態に調製され得るか、または個々の鏡像異性体が、エナンチオ特異的な合成もしくは分割によって調整され得る。
【0075】
また、一般式(I)の、対応する立体異性体の、または対応するそれらの塩の溶媒和物、好ましくは水和物は、当業者に公知の標準的な方法によって取得され得る。
【0076】
一般式(I)の本発明の化合物の、対応する立体異性体の、または塩の、または溶媒和物またはあらゆるそれらの中間体の精製および単離は、必要に応じて、当業者に公知の従来の方法(例えば、クロマトグラフ法または再結晶化)によって実施され得る。
【0077】
一般式(I)のおよび以下に与えられる化合物、それらの立体異性体、対応する塩ならびに対応する溶媒和物が、シグマ受容体に対する高い親和性を有する(すなわち、それらが、シグマ受容体にとってのリガンドであり、かつ修飾因子(例えば、それらの受容体に対するアンタゴニスト、リバースアゴニストまたはアゴニスト)として作用する)ことについて見出されている。
【0078】
以下に与えられる一般式(I)の化合物、それらの立体異性体、対応するそれらの塩および対応する溶媒和物は、毒物学的に受容可能であり、そしてそれゆえに、薬剤調整にとっての薬学的活性物質として好適である。
【0079】
1つの好ましい薬学的に受容可能な形態は、結晶形態(薬学的組成物に当該形態を含む)である。また、塩および溶媒和物の場合に、付加的なイオン部分および溶媒部分は、無毒性である必要がある。本発明の化合物は異なる多形の形態を示し得、本発明が当該形態のすべてを包含することが意図される。
【0080】
本発明の他の局面は、上述された一般式(I)の化合物の少なくとも1つを含む薬剤に関し、当該化合物は、任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ体もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態であるか、または対応するそれらの塩であるか、または対応するそれらの溶媒和物である;またはそれらのプロドラッグである。
【0081】
本発明の他の局面は、少なくとも1つの上述された一般式(I)の化合物を含む薬剤に関し、当該化合物は、任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ体もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態であるか、または対応するそれらの塩であるか、または対応するそれらの溶媒和物である。
【0082】
本発明の代替可能な実施形態において、薬剤は、少なくとも1つの一般式(I)の化合物を含み、当該化合物は、任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ体もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態であるか、または対応するそれらの塩であるか、または対応するそれらの溶媒和物である。
【0083】
本発明の他の局面は、本発明に係る少なくとも1つの化合物、および任意に1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤の組み合わせの少なくとも1つを含む薬剤である。
【0084】
本発明に係る一実施形態おいて、薬剤は、下痢、リポタンパク障害、偏頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害および注意障害、認識障害、神経編成疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、抑圧、がんまたは精神異常状態、特にうつ病、不安症または精神分裂病;炎症または自己免疫疾患からなる群から選択される1つ以上の病気の予防用および/または処置用である。
【0085】
本発明に係る一実施形態において、薬剤は、高いトリギセリド(trigyceride)の濃度、キロミクロン血症、異常ベータリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク障害、高トリグリセリド血症、散発性の高トリグリセリド血症、遺伝性の高トリグリセリド血症および/または異常ベータポリタンパク質血症からなる群から選択される1つ以上の病気の予防用および/または処置用である。
【0086】
本発明に係る他の実施形態において、痛み、特に神経障害性の痛み、炎症性の痛みか、異痛症および/または痛覚過敏症に関する他の痛覚異常からなる群から選択される1つ以上の病気の予防用および/または処置用である。
【0087】
また、上記薬剤は、上述された一般式(I)の化合物、それらの立体異性体、生理学的に受容可能なそれらの塩または生理学的に受容可能なそれらの溶媒和物の1つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0088】
本発明の他の局面は、シグマ受容体の修飾用の、好ましくは精神病の予防用および/または処置用の薬剤の調整を目的とした、好適な活性物質としての上述された一般式(I)の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)の少なくとも1つと、任意に1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤との利用である。
【0089】
本発明に係る薬剤は、ヒトおよび/または動物、好ましくはヒト(幼児、小児および成人が挙げられる)に対する投与に好適なあらゆる形態であり得、かつ当業者に公知の標準的な手法によって製造され得る。当該薬剤の組成物は、投与経路に依存して異なり得る。
【0090】
本発明の薬剤は、例えば、従来の注射用の液体担体(例えば、水または好適なアルコール)と組み合わせて、親らしく(parentally)投与され得る。従来の注射用の医薬品賦形剤(例えば、分解防止剤、可溶化剤、および緩衝液)は、当該注射用の組成物に含まれ得る。これらの薬剤は、例えば、筋肉内に、腹腔内に、または静脈内に投与され得る。
【0091】
固体の経口組成物(液体の組成物であると好まれる)は、従来の混合方法、充填方法または錠剤化方法によって調整され得る。繰り返しの混合の操作によって、大量の充填剤を採用するそれらの組成物の全体に活性薬を分配され得る。当該操作は、当該技術において従来のものである。錠剤は、例えば、湿式造粒法または乾式造粒法によって調製され得、かつ通常の薬務においてよく知られる方法に従って、特に腸溶性コーティングを用いて、表面を覆われる。
【0092】
記載された調合物は、スペイン薬局方およびアメリカ薬局方および類似の参考書に記載または言及されている方法といった、標準的な方法を用いて調製される。
【0093】
また、本発明に係る薬剤は、1つ以上の生理学的に適合性の担体または賦形剤を固体または液体の形態において含む、経口投与可能な組成物に調合され得る。これらの組成物は、従来の成分(例えば、結合剤、充填剤、滑剤および受容可能な湿潤剤)を含み得る。組成物は、あらゆる都合の良い形態(例えば、錠剤、粒剤、トローチ剤、水性もしくは油性の溶液、懸濁液、乳液、または使用前に水もしくは他の好適な液体媒体を用いて戻す用か、即放用もしくは遅放用の乾燥した粉剤の形態)を取り得る。
【0094】
また、投与に関する液体の経口形態は、ある種の添加剤(例えば、甘味料、香料、防腐剤、および乳化剤)を含み得る。また、経口投与用の非水性液体は、食用に適する油状物を含めて調合され得る。当該液体の組成物は、例えば、単回の投与用量単位のゼラチンカプセル剤に適宜、包まれ得る。
【0095】
また、本発明の組成物は、局所にまたは座剤を介して投与され得る。
【0096】
ヒトまたは動物に対する1日投与量は、個々の種に根拠を有する要因または他の要因(例えば、年齢、性別、体重または疾病の程度など)に依存して異なり得る。ヒトに対する1日投与量は、1日につき1回から数回投与される、1から2000、好ましくは1から1500、より好ましくは1から1000ミリグラムの範囲にある活性物質であり得る。
【0097】
本発明の他の局面は、下痢、リポタンパク障害、偏頭痛、肥満、高いトリギセリド(trigyceride)の濃度、キロミクロン血症、異常ベータリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク障害、高トリグリセリド血症、散発性の高トリグリセリド血症、遺伝性の高トリグリセリド血症および異常ベータポリタンパク質血症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害および注意障害、認識障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、抑圧、がんまたは精神異常状態、特にうつ病、不安症または精神分裂病;炎症または自己免疫疾患を、予防および/または処置する方法を指し、当該方法は、少なくとも1つの上述のような一般式(I)の化合物と、任意に少なくとも1つのさらなる活性物質および/または任意に少なくとも1つの補助剤とを、対象に対して投与することを包含する。
【0098】
本発明の好ましい実施形態は、高いトリギセリドの濃度、キロミクロン血症、異常ベータリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク障害、高トリグリセリド血症、散発性の高トリグリセリド血症、遺伝性の高トリグリセリド血症および/または異常ベータリポタンパク血症を予防および/または処置する方法を指す。
【0099】
本発明は、実施例を用いて以下に例証される。これらの例証は、単にほんの一例について示され、かつ本発明の精神を制限しない。
【0100】
〔実施例〕
(実施例1:1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−モルホリノプロパン−2−オール シュウ酸エステルの合成)
(1)手順1A−段階1。1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(オキシラン−2−イルメトキシ)−1H−ピラゾールの合成
【0101】
【化9】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−オール(0.2g、0.87mmol;実施例1、手順1−段階1Bと同様の方法において調製された化合物)、2−(クロロメチル)オキシラン(0.1g、1.05mmol)、炭酸カリウム(0.36g、2.62mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.13g、0.87mmol)のジメチルホルムアミド(6ml)における混合物が、攪拌しながら、100℃まで4時間に渡って温められた。溶媒は減圧下において乾燥するまで蒸発され、かつ残余物は、水とジクロロメタンとの間に分配した。複合有機層が硫酸ナトリウムを通して乾燥され、ろ過され、かつ減圧下において蒸発されて、合成の次の段階にさらなる精製なしで使用される、暗色の油状物として0.24gの1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(オキシラン−2−イルメトキシ)−1H−ピラゾールを産生した。
H−NMR (CDCI) δ ppm: 7,75 (d, J=2,4Hz, 1 H) 7,7 (d, J=2,6Hz, 1H), 7,45 (d, J=8,8Hz, 1 H), 7,4 (dd, J=2,5 and 8,8Hz, 1 H), 5,95 (d, J=2,6Hz, 1H), 4,55 (dd, J=3,1 and 11 ,7Hz, 1 H), 4,2 (dd, J=6,0 and 11 ,7Hz, 1H), 3,4 (m, 1 H), 2,9 (dd, J=5,0 and 9,1 Hz, 1 H), 2,75 (dd, J=2,7 and 5,0Hz, 1 H)。
【0102】
(2)手順1A−段階2。1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−モルホリノプロパン−2−オールの合成
【0103】
【化10】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(オキシラン−2−イルメトキシ)−1H−ピラゾール(0.23g、0.82mmol)、モルホリン(72mg、0.82mmol)、炭酸カリウム(0.34g、2.47mmol)およびヨウ化ナトリウム(123mg、0.82mmol)のジメチルホルムアミド(6ml)における混合物が、8時間に渡って還流され、かつ溶媒が減圧下において蒸発された。粗製残余物に対して、水およびジクロロメタンが加えられ、水性溶液は、ジクロロメタンを用いて数回、抽出され、かつ複合有機層は、水を用いて洗浄され、硫酸ナトリウムを通して乾燥され、ろ過され、かつ減圧下において乾燥するまで蒸発された。296mgの得られた粗製の暗色の油状物は、シリカゲル上におけるカラムクロマトグラフィー(溶出剤:1:1から1:0までの酢酸エチル/石油エーテルおよび9:1の酢酸エチル/CHOH)によって精製されて、114gの1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−モルホリノプロパン−2−オールを産生した。
【0104】
シュウ酸との塩は、実施例1に記載された方法と同じように調製されて、融点=158−161℃を有する白色の固体を得た。
H−NMR (DMSO−d) δ ppm: 8,45 (d, J=2,8Hz, 1 H), 8,0 (d, J=1 ,9Hz, 1 H), 7,7 (m, 2H), 6,1 (d, J=2,8Hz, 1 H), 4,2 (m, 1 H), 4,1 (m, 2H), 3,6 (bm, 4H), 2,7 (m, 6H)。
【0105】
以下の実施例2−4は、実施例1に使用されたものと同じ合成段階を用いて調製された。
【0106】
(実施例2:1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ))−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−オール シュウ酸エステル
【0107】
【化11】

白色の固体。融点=116−119℃。
H−NMR (CDOD) δ ppm: 8,1 (d, J=2,6Hz, 1H), 7,9 (d, J=2,2Hz, 1H), 7,65 (dd, J=2,2 and 8,9 Hz, 1H), 7,6 (d, J=8,9Hz, 1H)16,0 (d, J=2,6Hz, 1H), 4,5 (m, 1H), 4,3 (m, 2H), 3,4−3,2 (m, 6H), 1,9 (m, 4H), 1,7(m.2H)。
【0108】
(実施例3:1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−オール シュウ酸エステル)
【0109】
【化12】

白色の固体。融点=123.5−129℃。
H−NMR (CDOD) δ ppm: 8,1 (d, J=2,8Hz, 1H), 7,9 (d, J=2,3Hz, 1H), 7,65 (dd, J=2,3 and 8,9 Hz, 1H), 7,55 (d, J=8,9Hz, 1H), 6,0 (d, J=2,8Hz, 1H), 4,4−4,2 (m, 3H), 3,4−3,2 (m, 6H), 2,15 (m, 4H)。
【0110】
(実施例4:1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール ジオキサレート)
【0111】
【化13】

白色の固体。融点=189−192℃。
H−NMR (DMSO−d+ TFA) δ ppm: 8,25 (d, J=2,5Hz, 1 H), 7,9 (bs, 1 H), 7,6 (d, J=8,8Hz, 1 H), 7,5 (d, J=8,8Hz, 1 H), 5,95 (d, J=2,5Hz, 1 H), 4,3 (m, 1H), 4,2(m, 2H), 3,5−3,3 (m + HO, 10H), 2,8 (s, 3H)。
【0112】
(実施例5:2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル 2−モルホリノ エタンスルホン酸エステル)
(1)手順1B−段階1。2(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノールの合成
【0113】
【化14】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−オール(238mg、1.04mmol;実施例1、手順1−段階1Bと同様の方法において調製された化合物)、2−ブロモエタノール(273mg、2.08mmol)、炭酸カリウム(0.43g、3.12mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.16g、1.04mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)における混合物が、乾燥窒素雰囲気下において攪拌しながら、60℃まで一昼夜に渡って温められた。溶媒が減圧下において乾燥するまで蒸発され、かつ残余物が、水とエチルエーテルとの間に分配された。複合有機層は、水を用いて洗浄され、かつ硫酸ナトリウムを通して乾燥され、ろ過され、かつ減圧下において蒸発された。残余物は、45℃において石油エーテルとともに攪拌され、かつ3回デカントされて、乾燥の後に合成の次の段階にさらなる精製なしで使用された258mgの2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノールを産生した。
H−NMR (CDCI ) δ ppm: 7,7 (d, J=2,3Hz, 1 H), 7,65 (d, J=2,7Hz, 1 H), 7,45 (d, J=8,7Hz, 1 H), 7,4 (dd, J=2,3 and 8,7Hz, 1 H), 5,95 (d, J=2,7Hz, 1 H), 4,4 (m, 2H), 4,0 (m, 2H)。
【0114】
(2)手順1B−段階2。2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル 2−モルホリノエタンスルホン酸エステルの合成
【0115】
【化15】

2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノール(154mg、0.53mmol)およびトリエチルアミン(0.22ml、1.58mmol)のジクロロメタン(9ml)溶液に対して、2−モルホリノエタンスルホニルクロライド(0℃においてジクロロメタンにおける0.69mmolの2−モルホリノエタンスルホン酸および1.14mlのシュウ酸ジクロライドから調製された)が加えられ、かつ最終混合物は、室温において一昼夜に渡って攪拌された。水が加えられ、有機層が分離され、かつ水性層がさらに多くのジクロロメタンを用いて抽出された。複合有機層は、NaHCOの飽和水溶液および水を用いて洗浄され、かつ硫酸ナトリウムを通して乾燥した後に、ろ過され、かつ乾燥するまで蒸発されて、222mgの粗製化合物を産生した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:8:2の石油エーテル/酢酸エチル)の後に、固体として94mgの2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル 2−モルホリノエタンスルホネート(アセトン−石油エーテルにおける結晶化の後に融点=120−122℃を有する)が得られた。
H−NMR (DMSO−d) δ ppm: 8,45 (d, J=2,6 Hz, 1 H)1 8,0 (d, J=2,2 Hz, 1 H), 7,7 (m, 2H), 6,1 (d, J=2,6 Hz, 1 H), 4,55 (t, J=3,2Hz, 2H), 4,45 (t, J=3,5Hz, 2H), 3,6−3,5 (m, 6H), 2,65 (t, J=7,6 Hz, 2H), 2,35 (t, J= 4,4 Hz, 4H)。
【0116】
(実施例6:1−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)ピペリジンの合成)
(1)手順1C−段階1。3−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾールの合成
【0117】
【化16】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−オール(229mg、1mmol;実施例1、手順1−段階1Bと同様の方法において調製された化合物)、1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(515mg、2mmol)、炭酸カリウム(0.42g、3mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.15g、1mmol)のジメチルホルムアミド(12ml)における混合物が、乾燥窒素雰囲気下において、室温において一昼夜に渡って攪拌された。無機固体が、ろ過によって除かれ、溶媒が乾燥するまで減圧下において蒸発された。残りの残余物が、水およびエチルエーテルの間に分配された。複合有機層が、水を用いて洗浄され、硫酸ナトリウムを通して乾燥され、ろ過され、かつ減圧下において蒸発された。残余物は、45℃において石油エーテルを用いて攪拌され、かつ3回デカントされて、乾燥の後に、合成の次の段階にさらなる精製なしで使用された466mgの3−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾールを産生した。
H−NMR (CDCI ) δ ppm: 7,75 (d, J=2,2Hz, 1 H), 7,7 (d, J=2,7Hz, 1H), 7,45 (m, 2H), 5,95 (d, J=2,7Hz, 1 H), 4,4 (t, J=4,4Hz, 2H), 4,0−3,8 (m, 4H), 3,5 (t, J=6,4Hz, 2H)。
【0118】
(2)手順1C−段階2。1−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)ピペリジンの合成
【0119】
【化17】

3−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール(0.17mg、0.45mmol)、ピペリジン(62mg、0.72mmol)炭酸カリウム(0.25g、1.8mmol)およびヨウ化ナトリウム(67mg、0.45mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)における混合物が、乾燥窒素雰囲気において、一昼夜に渡って100℃において攪拌された。溶媒が、減圧下において蒸発され、かつ水およびエチルエーテルが加えられた。水性層が有機溶媒を用いて数回、抽出され、かつ複合有機層が、水を用いて洗浄され、硫酸ナトリウムを通して乾燥され、ろ過され、かつ減圧下において乾燥するまで蒸発された。得られた138mgの粗製の暗色の油状物は、シリカゲル上におけるカラムクロマトグラフィー(溶出液:2:8から10:0までの酢酸エチル/石油エーテルおよび9:1の酢酸エチル/CHOH)によって精製されて、油状物として118mgの1−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)ピペリジンを産生した。
H−NMR (DMSO−d) δ ppm: 8,4 (d, J=2,6 Hz, 1 H), 8,0 (d, J=2,2 Hz, 1 H), 7,7 (m, 2H), 6,1 (d, J=2,6 Hz, 1 H), 4,3 (t, J=4,6Hz, 2H), 3,7 (t, J= 4,6 Hz, 2 H), 3,5 (t, J=6,0Hz, 2H), 2,4 (t, J=6,0Hz, 2H), 2,3 (m, 4H), 1 ,45 (m, 4H), 1 ,3 (m, 2H)。
シュウ酸との塩は、実施例1に記載された方法と同様に調整されて、融点=126−128℃を有する白色の固体を得た。
【0120】
以下の実施例7は、実施例6に使用されたものと同じ合成段階を用いて調製された。
【0121】
(実施例7:4−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)モルホリン シュウ酸エステル)
【0122】
【化18】

白色の固体。融点=154−156℃。
H−NMR (DMSO−d) δ ppm: 8,45 (d, J=2,6 Hz, 1 H), 8,0 (d, J=2,0 Hz, 1H), 7,7 (m, 2H), 6,1 (d, J=2,6 Hz, 1 H), 4,3 (t, J=4,6Hz, 2H), 3,8−3,6 (溶媒の水の下に部分的にm, 8H), 2,95 (m, 2H), 2,85 (m, 4H)。
【0123】
(生物学的活性)
本発明のある代表的な化合物は、シグマ(シグマ−1およびシグマ−2)阻害剤としてそれらの活性について試験された。続きの手順は、以下の通りである。
【0124】
シグマ−1
脳膜調製およびσ1−受容体に対する結合アッセイが、いくつかの改良を加えて、(DeHaven-Hudkins et al., 1992)に記載されているように、実施された。要約すると、テンジクネズミの脳が、キネマティカポリトロン(Kinematica Polytron) PT 3000用いて、1分間に1500回転において30秒間に渡って、50mMのTris−HCl、0.32Mのショ糖、pH7.4の10倍量(w/v)にホモジナイズされた。ホモジェネートは、1000gにおいて10分間に渡って4℃において遠心分離され、かつ上清が、48000gにおいて15分間に渡って4℃においてふたたび遠心分離された。ペレットは、10倍量のTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁され、30分間に渡って37℃においてインキュベートされ、かつ48000gにおいて20分間に渡って4℃において遠心分離された。これに続いて、ペレットは、新しいTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁され、かつ使用するまで氷上に保管された。
【0125】
アッセイチューブのそれぞれには、10μLの[H](+)−ペンタゾシン(0.5nMの最終濃度)、1mLの最終アッセイ量およびおよそ30mg組織純量/mLの最終組織濃度になるまで900μLの組織懸濁液を入れた。非特異的結合は、最終濃度が1μMのハロペリドールの添加によって規定された。すべてのチューブは、シュライヒャーアンドシュル(Schleicher & Schuell) GF 3362ガラス繊維フィルタ(事前に少なくとも1時間に渡って0.5%のポリエチレンイミン溶液に浸した)を通して急速ろ過によって反応を停止する前に、37℃において150分間に渡ってインキュベートされた。フィルタは、それから、4mLの冷やしたTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)を用いて4回、洗浄された。シンチレーションカクテルの添加に続いて、試料は放置されて、一昼夜に渡って平衡化された。拘束された放射性の量は、ウォーレスウィンスペクトラル(Wallac Winspectral) 1414液体シンチレーションカウンターを用いた、液体シンチレーション分析によって決定された。タンパク質の濃度は、Lowry et al. (1951 )の方法によって決定された。
【0126】
シグマ−2
σ2−受容体に対する結合調査は、いくつかの改良を加えて、(Radesca et al., 1991)に記載されているように実施された。要約すると、シグマ受容体1型(σ1)ノックアウトマウス由来の脳が、ポッターエルベージェム(Potter Elvehjem) ホモジナイザー(1分間に500回転において10工程)を用いて、10mL/g組織純量の量の、320mMのショ糖を含む10mMの氷冷したTris−HCl、pH7.4(Tris−ショ糖緩衝液)においてホモジナイズされた。ホモジェネートは、それから、1000gにおいて10分間に渡って4℃において遠心分離され、かつ上清が取り除かれた。ペレットは、2mL/gの氷冷したTris−ショ糖緩衝液において、ボルテックスによって再懸濁され、かつ1000gにおいて10分間に渡ってふたたび遠心分離された。1000gの複合上清は、31000gにおいて15分間に渡って4℃において遠心分離された。ペレットは、10mMのTris−HCl、pH7.4の3mL/gにおいてボルテックスによって懸濁され、かつ懸濁液は15分間に渡って25℃に保たれた。31000gにおける15分間に渡る遠心分離に続いて、ペレットは、穏やかなポッターエルベージェムホモジナイズによって、10mMのTris−HCl pH7.4について1.53mL/gの量まで再懸濁された。
【0127】
アッセイチューブに、10μLの[3H]−DTG(3nMの最終濃度)、0.5mLの最終アッセイ量まで400μLの組織懸濁液(50mMのTris−HCl、pH8.0について5.3mL/g)を入れた。非特異的結合は、1μMの最終濃度のハロペリドールの添加によって規定された。すべてのチューブは、シュライヒャーアンドシュル GF 3362ガラス繊維フィルタ(事前に少なくとも1時間に渡って0.5%のポリエチレンイミン溶液に浸した)を通して急速ろ過によって反応を停止する前に、25℃において120分間に渡ってインキュベートされた。フィルタは、冷やしたTris−HCl緩衝液(10mM、pH8.0)の5mLの量を用いて3回、洗浄された。シンチレーションカクテルの添加に続いて、試料は、放置されて、一昼夜に渡って平衡化された。拘束された放射性の量が、ウォーレスウィンスペクトラル 1414 液体シンチレーションカウンターを用いた、液体シンチレーション分析によって決定された。タンパク質の濃度は、Lowry et al. (1951 )の方法によって決定された。
【0128】
参考文献
DeHaven-Hudkins, D. L., L. C. Fleissner, and F. Y. Ford-Rice, 1992, "Characterization of the binding of [3H](+)pentazocine to σ recognition sites in guinea pig brain", Eur. J. Pharmacol. 227, 371-378.
Radesca, L., W. D. Bowen, and L. Di Paolo, B.R. de Costa, 1991 , Synthesis and Receptor Binding of Enantiomeric N-Substituted cis-N-[2-(3,4-Dichlorophenyl)ethyl]-2-(1- pyrrolidinyl)cyclohexylamines as High-Affinity σ Receptor Ligands, J. Med. Chem. 34, 3065- 3074.
Langa, F., Codony X., Tovar V., Lavado A., Gimenez E., Cozar P., Cantero M., Dordal A., Hernandez E., Perez R., Monroy X., Zamanillo D., Guitart X., Montoliu Ll., 2003, Generation and phenotypic analysis of sigma receptor type I (Sigmal ) knockout mice, European Journal of Neuroscience, Vol. 18, 2188-2196.
Lowry, O. H., N.J. Rosebrough, A.L. Farr, and RJ. Randall, 1951 , Protein measurement with the Folin phenol reagent, J. Biol. Chem, 193, 265.。
【0129】
得られた結果のいくつかが表(I)に示されている。
【0130】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(ここで、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のC1−6の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換される、および/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアルキル基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表し;
同一のまたは異なるRおよびRは、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表し;
同一のまたは異なるRおよびRは、
水素原子;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の脂肪族基;非分枝状または分枝状の、任意に少なくとも一置換のアルコキシラジカル;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;シクロアルキル基が任意に一置換され得る、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換の単環系または多環系と縮合され得る、任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;アリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;ヘテロアリール基が任意に少なくとも一置換されるおよび/または単環系もしくは多環系と縮合される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(S=O)−R基;または(C=O)−NR1011基を表すか;
任意に少なくとも一置換の単環系もしくは多環系と任意に縮合される、任意に少なくとも一置換のヘテロ環式基を、架橋窒素原子とともに形成し;
Xは、酸素原子;−CH、SH、OH、NH、CF基であるR12を有するCH−R12基;Cl、F、Br、IまたはCNを表し;
Yは(S=O)基を表し;
mは1、2、3または4から選択され;
nは0または1から選択され;
pは0または1から選択され;
sは1、2、3または4から選択され;
かつn+pは1であり;
同一のまたは異なるR、R、R、R10およびR11は、水素原子;非分枝状または分枝状の、飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換のC1−6脂肪族基;分枝状または非分枝状の少なくとも一置換のC1−6アルコキシラジカル;飽和または不飽和の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むC1−6アルキル−シクロアルキル基;任意に少なくとも一置換のアリール基;任意に少なくとも一置換のヘテロアリール基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換のC1−6アルキル−アリール基;分枝状または非分枝状の、任意に少なくとも一置換のC1−6アルキル−ヘテロアリール基を表し;
−(CH−(X)−(Y)−(CH−が直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−基、または直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−(CH)−基を表し得ないという条件を有し;
nが1であり、かつpが0であり、かつXが、OHであるR12を有するCH−R12基を表す場合に、RおよびRが、任意に少なくとも一置換の単環系もしくは多環系と任意に縮合される、少なくとも一置換のヘテロ環式基を、架橋窒素原子とともに形成するという条件の下にある)
の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)。
【請求項2】
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキルヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状または分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和または不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CNからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
同一のまたは異なるRおよびRが、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて置換される、非分枝状もしくは分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に置換される、非分枝状もしくは分枝状のアルコキシラジカル;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、飽和もしくは不飽和の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いてシクロアルキル基が任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状の、環の構成要素として任意に少なくとも1つの異種原子を含むアルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるヘテロアリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状もしくは非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表すか;
または
任意に少なくとも一置換の、環の構成要素として少なくとも1つの異種原子を含むシクロアルキル基を、架橋窒素原子とともに形成するかのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;SH;NH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて、任意に少なくとも一置換されるエチル基、プロピル基;n−プロピル基、i−プロピル基;tert−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基またはナフチル基を表し;
が、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるベンジルまたはナフチルからなる群から選択される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
が、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、非分枝状または分枝状のC1−6アルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換されるベンジルまたはナフチルからなる群から選択される、分枝状または非分枝状のアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、分枝状または非分枝状のアルキル−ヘテロアリール基を表し;
およびRが、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH、SOもしくはCFからなる群から独自に選択される置換基を用いて任意に少なくとも一置換される、任意に少なくとも一置換されるピペリジン基、モルホリン基、ピロリジン基またはピペラジン基を、架橋窒素原子とともに形成し;
Xが、酸素原子、またはOHであるR12を有するCH−R12基を表し;
Yが(-S=O)基を表し;
mが1または2から選択され;
nが0または1から選択され;
pが0または1から選択され;
sが1または2から選択され;
かつn+pが1であることを特徴とする
化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態、または対応するそれらの塩、または対応するそれらの溶媒和物)であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
mが、1、2、3または4から;好ましくは1または2から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
nが0または1から;好ましくは1から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
pが0または1から;好ましくは0から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
その−(CH−(X)−(Y)−(CH−が、直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−基、または直鎖状の−(CH)−(CH)−(CH)−(CH)−基を表し得ないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
sが、1、2、3または4から;好ましくは1または2から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
およびRが、ピロリジン、モルホリン、ピペリジンまたはピペラジン、好ましくはモルホリン、ピロリジンまたはピペリジンからなる群から選択される、任意に少なくとも一置換の5員環または6員環を、架橋窒素原子とともに形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
nが1から選択され、かつXが、酸素原子;−CH、SH、OH、NH、CF基であるR12を有するCH−R12基;Cl、F、Br、IまたはCNを表すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
nが1から選択され、かつXが、酸素原子またはCH−OH基を表すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−モルホリノプロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−オール、
1−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール、
2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル 2−モルホリン、
1−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)ピペリジン、
4−(2−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エトキシ)エチル)モルホリン
からなる群から選択される化合物(またはそれらのあらゆる受容可能な塩または溶媒和物)であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
一般式(II)
【化2】

(R、RおよびRは、請求項1と一致した意味を有する)の化合物の、一般式(III)
【化3】

(R、R、X、Y、m、n、pおよびsは、請求項1と一致して定義される)の化合物との反応による、式(I)の化合物の調製方法。
【請求項17】
一般式(II)
【化4】

(R、RおよびRは、請求項1と一致した意味を有する)の化合物の、一般式(IV)
【化5】

(X、Y、m、n、pおよびsは、請求項1と一致した意味を有する)の化合物との反応;任意にその後に、一般式(V)
【化6】

(RおよびRは請求項1と一致した意味を有する)を有するアミンとの反応による、式(I)の化合物の調製方法。
【請求項18】
請求項1〜15の1つ以上の項に記載の式(I)の化合物(任意に、立体異性体(好ましくは鏡像異性体またはジアステレオ異性体)の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは少なくとも2つの立体異性体(好ましくは鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体)のあらゆる混合比における混合物の形態であるか、または対応するそれらの塩であるか、または対応するそれらの溶媒和物である)の少なくとも1つを包含する薬剤。
【請求項19】
薬剤の製造における、請求項1〜15の1つ以上の項に記載の一般式(I)の化合物の利用。
【請求項20】
シグマ受容体媒介の疾患または好ましくない健康状態を処置または予防する薬剤の製造における、請求項1〜15の1つ以上の項に記載の一般式(I)の化合物の利用。
【請求項21】
上記疾患が、下痢、リポタンパク障害、偏頭痛、肥満、高いトリギセリド(trigyceride)の濃度、キロミクロン血症、異常ベータリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク障害、高トリグリセリド血症、散発性の高トリグリセリド血症、遺伝性の高トリグリセリド血症および異常ベータポリタンパク質血症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害および注意障害、認識障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、ストレス、がんまたは精神異常状態、特にうつ病、不安症または精神分裂病;炎症、または自己免疫疾患を包含することを特徴とする請求項20に記載の利用。
【請求項22】
上記疾患が、痛み、特に神経障害性の痛み、炎症性の痛みか、異痛症および/または痛覚過敏症に関する他の痛みの状態を包含することを特徴とする請求項20に記載の利用。
【請求項23】
上記疾患が、高いトリギセリドの濃度、キロミクロン血症、異常ベータリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク障害、高トリグリセリド血症、散発性の高トリグリセリド血症、遺伝性の高トリグリセリド血症および異常ベータリポタンパク血症からなる群から選択されることを特徴とする請求項20および21に記載の利用。
【請求項24】
薬理学手段としての、または抗不安薬もしくは免疫抑制剤としての、請求項1〜15の1つ以上の項に記載の一般式(I)の化合物の利用。

【公表番号】特表2009−528318(P2009−528318A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556726(P2008−556726)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001827
【国際公開番号】WO2007/098964
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】