説明

シグマ受容体阻害剤

本発明はシグマ受容体に対し薬理学的活性を有する化合物、より詳細には式(I)のピラゾール誘導体、そのような化合物の調製方法、それらを含む薬学的組成物、ならびに治療および予防のための、特に精神病または疼痛の処置のためのその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はシグマ受容体に対し薬理学的活性を有する化合物に関し、より詳細にはいくつかのピラゾール誘導体に関し、そのような化合物の調製方法に関し、それらを含む薬学的組成物に関し、治療法および予防法での、具体的には精神病または疼痛の処置のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
新たな治療薬の探索は、ここ数年、標的の疾患と関連するタンパク質およびその他の生体分子の構造のさらなる理解により大いに支援されている。これらのタンパク質のうちの1つの重要なクラスが、シグマ受容体、つまりオピオイドの不快性、幻覚性および心臓刺激性の効果に関連し得る中枢神経系(CNS)の細胞表面受容体である。シグマ受容体の生物学および機能の研究から、シグマ受容体リガンドがジストニアおよび遅発性ジスキネジーなどの精神病および運動性疾患、ならびにハンチントン舞踏病またはトゥレット症候群と関連する運動障害の処置で、それにパーキンソン病の処置で有用になり得るという証拠が提示されている(Walker, J.M. et al, Pharmacological Reviews, 1990, 42, 355(非特許文献1))。公知のシグマ受容体リガンドのリムカゾールは、精神病の処置で臨床的に効果を示すことが報告されている(Snyder, S.H., Largent, B.L.J. Neuropsychiatry 1989, 1, 7(非特許文献2))。シグマ結合部位は(+)-SKF 10047、(+)-シクラゾシン、および(+)-ペンタゾシンなどの、ある種のアヘン剤ベンゾモルファンの右旋性異性体に、同じくハロペリドールなどの一部の催眠剤に選択的な親和性を有する。シグマ受容体は少なくとも2つのサブタイプを有し、このサブタイプはこれらの薬理活性薬物の立体選択的異性体により選別することができる。SKF 10047はシグマ-1部位にナノモルの親和性を有し、シグマ-2部位にマイクロモルの親和性を有する。ハロペリドールは両サブタイプに類似の親和性を有する。内因性シグマリガンドは知られていないが、プロゲステロンがそれらの1つであると提唱されている。推定されるシグマ部位媒介性の薬物効果には、グルタミン酸受容体機能、神経伝達物質応答、神経防護作用、挙動、および認知の調節がある(Quirion, R. et al. Trends Pharmacol. Sci., 1992, 13:85-86(非特許文献3))。ほとんどの研究は、シグマ結合部位(受容体)がシグナル伝達カスケードの原形質膜要素であることを暗示している。選択的シグマリガンドであると報告されている薬物が抗精神病薬として評価されている(Hanner, M. et al. Proc. Natl. Acad. Sci., 1996, 93:8072-8077(非特許文献4))。CNS、免疫系および内分泌系におけるシグマ受容体の存在により、そのリガンドがこの3系を結び付けるものとして働き得る可能性が示唆されている。
【0003】
シグマ受容体のアゴニストまたはアンタゴニストの潜在的治療用途を考慮して、選択的リガンドを発見することに大いなる努力が向けられてきた。したがって、先行技術では種々のシグマ受容体リガンドについて開示している。
【0004】
国際特許出願番号WO 91/09594(特許文献1)は全体として、広範なクラスのシグマ受容体リガンドについて記述しており、そのうちのいくつかは、置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシまたはアルコキシアルキル置換基を環N原子に有する4-フェニルピペリジン、-テトラヒドロ-ピリジンまたは-ピペラジン化合物である。アリールおよびヘテロアリールという用語は、いくつかのそのような置換基の言及により定義されている。
【0005】
欧州特許出願番号EP 0 414 289 A1(特許文献2)は全体として、選択的シグマ受容体拮抗活性を有するとされている、炭化水素基でピペリジンN原子にて置換された1,2,3,4-テトラヒドロ-スピロ[ナフタレン-1,4'-ピペリジン]および1,4-ジヒドロ-スピロ[ナフタレン-1,4'-ピペリジン]誘導体のクラスについて開示している。炭化水素という用語は、前記特許の中で定義されているように、可能な全ての直鎖状、環式、ヘテロ環式などの基を網羅している。しかしながら、ピペリジン窒素原子に炭化水素置換基としてベンジル、フェネチル、シクロアルキルメチル、フリル-もしくはチエニルメチルまたは低級アルキルもしくはアルケニルを有する化合物しか具体的には開示されていない。これらの化合物は200 nMを超える効力でシグマ部位からトリチウム化ジ-トリルグアニジン(DTG)を移動させることが記述されている。特に好ましい化合物として、1'-ベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロ-スピロ[ナフタレン-1,4'-ピペリジン]が言及されている。
【0006】
欧州特許出願番号EP 0 445 974 A2(特許文献3)は全体として、対応するスピロ[インダン-1,4'-ピペリジン]およびスピロ[ベンゾシクロヘプテン-5,4'-ピペリジン]誘導体について記述している。この場合もやはり、これらの化合物が200 nMを超える効力でシグマ部位からトリチウム化ジ-トリルグアニジン(DTG)を移動させることが記述されているだけである。
【0007】
欧州特許出願番号EP 0 431 943 A2(特許文献4)は、ピペリジンN原子で置換され、不整脈治療剤としておよび心臓ポンプ機能障害に有用であると主張されている極めて広範なクラスのスピロピペリジン化合物に関する。前記出願にはいくつかの化合物が例示されており、そのうちの大部分がスピロ環式環系の中にオキソおよび/またはスルホニルアミノ置換基を含んでいる。残りの化合物のうち、大部分はスピロ中心に結合された別の極性置換基を有しおよび/またはそれらはピペリジンN原子の置換基中にいくつかの極性置換基を有する。シグマ受容体に対する化合物の効果の暗示または示唆は与えられていない。
【0008】
シグマ受容体に対し薬理学的活性を有する化合物であって、効果的でもあり選択的でもあり、良好な「薬物可能性」の特性、すなわち、投与、分布、代謝および排泄に関連する良好な薬学的特性を有する化合物を見出す必要性が依然として存在している。
【0009】
【特許文献1】国際特許出願番号WO 91/09594
【特許文献2】欧州特許出願番号EP 0 414 289 A1
【特許文献3】欧州特許出願番号EP 0 445 974 A2
【特許文献4】欧州特許出願番号EP 0 431 943 A2
【非特許文献1】Walker, J.M. et al, Pharmacological Reviews, 1990, 42, 355
【非特許文献2】Snyder, S.H., Largent, B.L.J. Neuropsychiatry 1989, 1, 7
【非特許文献3】Quirion, R. et al. Trends Pharmacol. Sci., 1992, 13:85-86
【非特許文献4】Hanner, M. et al. Proc. Natl. Acad. Sci., 1996, 93:8072-8077
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明者らは今回、シグマ受容体の特に選択的な阻害剤であるピラゾール誘導体のファミリーを発見した。この化合物は、5、6または7個の炭素原子を有するシクロアルキル環と縮合されるピラゾール基を供与する。
【0011】
1つの局面では、本発明は式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物を対象とする:

式中で
R1が水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より選択され;
R2が水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリールアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より選択され;
R3およびR4が水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より独立して選択され、または一緒になって、R3およびR4が3〜6置換もしくは非置換の員環を形成し;
R5およびR6が水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より独立して選択され、またはR5およびR6が一緒になって環中3〜7個の原子を有する置換もしくは非置換ヘテロシクリルを形成し;
nが0、1および2より選択され;
mが0、1、2、3および4より選択され;
破線-----が単結合または二重結合のいずれかであり;
但し、R1がフェニルであり、R2がHであり、破線-----が二重結合であり、mが1であり、ならびにR5およびR6が2,5-ジオキソピロリジンまたは5-エトキシ、2-オキソ-ピロリジンを形成する場合、R3およびR4が両方とも同時にHまたはメチルではないという条件である。
【0012】
1つの態様では、R2が好ましくは水素またはアルキル;より好ましくは水素である。mが1または2であることも、およびnが0または1であることも好ましい。加えて、R3およびR4が両方とも水素またはアルキル;より好ましくは両方とも水素またはメチル;および最も好ましくは両方とも水素であることも好ましい。さらに、R1が置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクリルおよび置換または非置換アリール;より好ましくは置換または非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換アリールおよび芳香族ヘテロ環;ならびに最も好ましくはメチル、t-ブチル、シクロヘキシルおよびフェニルにより形成される群より選択されることが好ましい。加えて、とりわけR2が水素であり、mが1でありおよびnが1である場合;さらにとりわけR3およびR4が両方とも水素である場合;ならびにさらにとりわけR1が置換または非置換フェニルである場合、R5およびR6が一緒になって環中3〜7個の原子を有する置換または非置換ヘテロシクリル、具体的にはモルホリン-4-イル、2,6-ジメチルモルホリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、4-フェニルピペリジン-1-イル、3-フェニルピペリジン-1-イル、4-ベンジルピペラジン-1-イル、4-フェニル-ピペラジン-1-イル、2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル、アゼパン-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ(tetrahidro)-イソキノリン-2-イル、ピロリジン-1-イル、3-フェニル-ピロリジン-1-イル、イソインドリン-2-イルまたはイミダゾール-1-イルを形成することも好ましい。良好な結果はR5がベンジルであり、R6がメチルである場合に得られる。
【0013】
R1〜R6、n、mおよび破線-----に対する上記の態様および好ましい実施形態を組み合わせて、さらに好ましい化合物を与えることができる。
【0014】
別の局面では、本発明は式(I)の化合物またはその塩、異性体もしくは溶媒和物の調製方法を対象とする。
【0015】
別の局面では、本発明は、上記に定義される化合物または薬学的に許容されるその塩、鏡像異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物、および薬学的に許容される担体、補助剤または媒体を含む薬学的組成物を対象とする。
【0016】
さらなる局面では、本発明はシグマ媒介性の疾患または状態、すなわち、下痢、リポタンパク質障害、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、肥満、片頭痛、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、緑内障、学習障害、記憶障害および注意障害、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物ならびにコカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む化学物質に対する中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、脳梗塞、ストレス、がん、精神病状態、特にうつ病、不安、または統合失調症;炎症、自己免疫疾患の処置のための医用薬剤の製造における上記に定義の化合物の使用、または薬理学的ツールとしてのまたは抗不安薬もしくは免疫抑制剤としての使用を対象とする。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明の典型的な化合物は、シグマ受容体を効果的かつ選択的に阻害する。式(I)の化合物の上記の定義において、以下の用語は記載の意味を有する。
【0018】
「アルキル」とは、炭素および水素原子からなる、不飽和を含まない、1〜8個の炭素原子を有する、および単結合により分子の残部に結合される直鎖状または分枝状の炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルなどを指す。アルキルラジカルはアリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオなどのような1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい。アリールにより置換される場合、本発明者らはベンジルおよびフェネチルなどの、「アラルキル」ラジカルを有する。
【0019】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ1つまたは複数の不飽和結合を有するアルキルラジカルを指す。
【0020】
「シクロアルキル」とはシクロヘキシルまたはアダマンチルなどの、飽和されているまたは部分的に飽和されている、ならびに炭素および水素原子のみからなる安定な3〜10員の単環式または二環式ラジカルを指す。本明細書において特に明記されない限り、「シクロアルキル」という用語はアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニルなどのような、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよいシクロアルキルラジカルを含むよう意図される。
【0021】
「アリール」とは、別個のおよび/または融合されたアリール基を含む複数の環ラジカルを含む、単一および複数の環ラジカルを指す。典型的なアリール基はフェニル、ナフチル、インデニル、フェナントリルまたはアントリルラジカルなど、1〜3個の分離環または融合環および6〜約18個の炭素環原子を含む。アリールラジカルはヒドロキシ、メルカプト、ハロ、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシル、アルコキシカルボニルなどのような、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい。
【0022】
「ヘテロシクリル」とは、炭素原子ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子からなる、芳香族または非芳香族の、安定な3〜15員環ラジカル、好ましくは1個または複数個のヘテロ原子を有する4〜8員環、より好ましくは1個または複数個のヘテロ原子を有する5または6員環を指す。本発明の目的で、ヘテロ環は芳香族であっても、飽和されていてもまたは部分的に飽和されていてもよく、同様に単環式、二環式または三環式の環系であってもよく、これには融合された環系が含まれてもよく;およびヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は任意で酸化されてもよく;窒素原子は任意で四級化されてもよく;およびヘテロシクリルラジカルは部分的もしくは完全に飽和されていても、または芳香族であってもよい。そのようなヘテロ環の例としては、アゼピン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、フラン、イソチアゾール、イミダゾール、インドール、ピペリジン、ピペラジン、プリン、キノリン、チアジアゾール、テトラヒドロフラン、クマリン、モルホリン;ピロール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、イミダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。本明細書において特に明記されない限り、「ヘテロシクリル」という用語はヒドロキシ、メルカプト、ハロ、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシル、アルコキシカルボニル、スルホニル、スルホニルアミノ、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ、アルキルアリールスルホニルアミド、アシルアミノ、アセトアミドなどのような、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよいヘテロシクリルラジカルを含むよう意図される。
【0023】
「アルコキシ」とは、Raが例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど、上記に定義されるアルキルラジカルである式-ORaのラジカルを指す。
【0024】
「アルコキシカルボニル」とは、Raが例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルなど、上記に定義されるアルキルラジカルである式-C(O)ORaのラジカルを指す。
【0025】
「アルキルチオ」とは、Raが例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオなど、上記に定義されるアルキルラジカルである式-SRaのラジカルを指す。
【0026】
「アミノ」とは、任意で四級化されてもよい、式-NH2、-NHRaまたは-NRaRbのラジカルであって、式中でRaおよびRbが独立して、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノなど、上記に定義されるアルキルラジカルであるラジカルを指す。
【0027】
「ハロ(halo)」または「ハロ(hal)」とは、ブロモ、クロロ、ヨードまたはフルオロを指す。
【0028】
本発明の化合物における置換基への本明細書での言及は、1つまたは複数の適当な基、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードなどのハロゲン;シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アシルなどのようなC1〜6アルカノイル基などのアルカノイル;カルボキシアミド;1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子、およびより好ましくは1〜3個の炭素原子を有する基を含むアルキル基;1つまたは複数の不飽和結合、および2〜約12個の炭素または2〜約6個の炭素原子を有する基を含む、アルケニルおよびアルキニル基;1つまたは複数の酸素結合、および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有するアルコキシ基;フェノキシなどのアリールオキシ;1つまたは複数のチオエーテル結合、および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルチオ基;1つまたは複数のスルフィニル結合、および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルフィニル基;1つまたは複数のスルホニル結合、および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルホニル基;1つまたは複数のN原子、および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基などのアミノアルキル基;6個またはそれ以上の炭素を有する炭素環式アリール、特にフェニルまたはナフチルおよびベンジルなどのアラルキルにより、1つまたは複数の利用可能な位置で置換され得る特定部分を指す。特別の定めのない限り、置換されていてもよい基は、基の置換可能な各位置に置換基を有することができ、各置換は他とは独立している。
【0029】
本発明は、一般式Iの化合物であって、式中R1がメチルであり、R3=R4=R2=H、R5=R6=メチル、n=2、m=0および破線が二重結合である化合物に相当する、EP 276 834 A号に開示の合成中間体を含まない。本発明は、一般式Iの特定の化合物であって、式中R5およびR6が一緒になって5-エトキシ、2-オキソピロリジン(2-oxopirrolidin)または5,2-ジオキソピロリジン(5,2-dioxopirrolidin)基を形成する化合物に相当する、Indian Journal of Chemistry, Section B, 1980, 19b, 243-45に開示の合成中間体も含まない。
【0030】
式(I)に該当する本発明の特定の個々の化合物は、以下に記載される化合物を含む:
1. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
2. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
3. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
5. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
6. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
7. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
8. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
9. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
10. 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
11. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール、
12. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
13. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
14. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
15. (E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
16. (E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
17. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
18. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾール、
19. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
20. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
21. 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリン、
22. 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリンシュウ酸塩、
23. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
24. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
25. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
26. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
27. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
28. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
29. 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
30. 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
31. 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
32. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
33. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
34. 2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリン、
35. 2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリンシュウ酸塩、
36. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
37. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
38. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
39. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
40. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
41. 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
42. 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール二シュウ酸塩、
43. 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリン、
44. 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリンシュウ酸塩、
45. 4-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
46. cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
47. cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
48. cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
49. cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
50. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
51. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
52. N-ベンジル-2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
53. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールのジアステレオ異性体混合物、
54. N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
55. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
56. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
57. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
58. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
59. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
60. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
61. N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
62. N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩、
63. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
64. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
65. 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
66. 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
67. cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
68. cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
69. N-ベンジル-2-(1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
70. 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾール、
71. 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
72. 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
73. (+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
74. (+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
75. (-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
76. (-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
77. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
78. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
79. (E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミン、
80. (E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩、
81. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
82. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
83. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾール、
84. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
85. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
86. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
87. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
88. (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
89. (E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
90. (E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
91. (E)-4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
92. (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
93. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
94. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
95. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
96. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾール、
97. 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
98. 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
99. 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
100. 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
101. 4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
102. 4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
103. N-ベンジル-2-(1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
104. 1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
105. 1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
106. (-)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
107. (+)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
108. N-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)-N-メチルシクロヘキサンアミン、
109. 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
110. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
111. N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
112. 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)-1H-インダゾール。
【0031】
シュウ酸塩が記載されているが、その他の薬学的に許容される塩もこの好ましい化合物群の一部を形成する。
【0032】
特に明記されない限り、本発明の化合物は同様に、1つまたは複数の同位体濃縮原子の存在が異なるだけの化合物を含むよう意図される。例えば、水素の重水素もしくは三重水素による置換、または炭素の13C-もしくは14C-濃縮炭素または15N-濃縮窒素による置換を除いて本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
【0033】
「薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ」という用語は、任意の薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、または受容者への投与によって本明細書において記述される化合物を(直接的にまたは間接的に)供与できるその他任意の化合物を指す。しかしながら、薬学的に許容されない塩も、薬学的に許容される塩の調製において有用となり得るため、本発明の範囲内に入ることを理解されたい。塩、プロドラッグおよび誘導体の調製は、当技術分野において公知の方法により行うことができる。
【0034】
例えば、本明細書において提供される化合物の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成される。一般的に、そのような塩は、例えば、これらの化合物の遊離酸形または遊離塩基形を、化学量論的な量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中またはその2つの混合物中で反応させることにより調製される。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、アセトンまたはアセトニトリルのような非水溶媒が好ましい。酸付加塩の例としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸付加塩、ならびに例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩およびp-トルエンスルホン酸塩などの有機酸付加塩が挙げられる。アルカリ付加塩の例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、マグネシウム、アルミニウムおよびリチウム塩などの無機塩、ならびに例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、グルカミンおよび塩基性アミノ酸塩などの有機アルカリ塩が挙げられる。
【0035】
特に好ましい誘導体またはプロドラッグは、そのような化合物が患者に投与される場合に、本発明の化合物の生物学的利用能を(例えば、経口的に投与された化合物が血中により容易に吸収されることを可能にすることで)増大するもの、または親種に比べて生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を促進するものである。
【0036】
式(I)の化合物のプロドラッグである任意の化合物は、本発明の範囲内である。「プロドラッグ」という用語は、その最も広い意味で用いられており、インビボで本発明の化合物に変換される誘導体を包含する。そのような誘導体は当業者には容易に思い浮かぶはずであり、分子中に存在する官能基に応じて非限定的に、本化合物の以下の誘導体を含む:エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩スルホン酸エステル、カルバミン酸塩、およびアミド。ある作用化合物のプロドラッグを生成する周知の方法の例は、当業者に公知であり、例えば、Krogsgaard-Larsen et al.「Textbook of Drug design and Discovery」Taylor & Francis (april 2002)において見出すことができる。
【0037】
本発明の化合物は遊離化合物としてまたは溶媒和物として結晶性の形態であってもよく、両形状とも本発明の範囲内であることが意図される。溶媒和の方法は当技術分野で一般的に公知である。適当な溶媒和物は薬学的に許容される溶媒和物である。特定の態様では、溶媒和物は水和物である。
【0038】
式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、好ましくは、薬学的に許容される形態または実質的に純粋な形態である。薬学的に許容される形態とは、とりわけ、希釈剤および担体などの通常の薬学的添加物を除いて薬学的に許容される純度を有すること、ならびに通常の投与量レベルで有毒と考えられる材料を含まないことを意図する。原薬の純度は、好ましくは50%を超える、より好ましくは70%を超える、最も好ましくは90%を超える。好ましい態様では、それは式(I)の化合物の95%、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの95%を超える。
【0039】
上記の式(I)により表される本発明の化合物は、キラル中心の存在に応じて鏡像異性体または二重結合の存在に応じて、異性体(例えば、Z、E)を含むことができる。単一の異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体およびその混合物は、本発明の範囲に入る。
【0040】
上記に定義される式(I)の化合物は利用可能な合成手順により得ることができる。例えば、それらは式(II)の化合物:

(式中R1〜R4、mおよびnが式(I)で上記に定義される通りであり、Xが離脱基、好ましくは塩素またはピリジニウムである)
の、式(III)の化合物:

(式中R5およびR6が式(I)で上記に定義される通りである)
とのカップリングにより調製することができる。
【0041】
式(II)および(III)の化合物の反応は、以下に限定されることはないが、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性溶媒中にて、K2CO3などの無機塩基の存在下で行われることが好ましい。式(III)の化合物は市販されており、または従来法により調製することができる。
【0042】
以下のスキームI〜VIは式(I)の化合物を調製するための一部の方法を例証している。
【0043】
方法A:
式(I)の化合物、具体的には式(Ia)の化合物は、スキームIにより記述される合成過程によって得ることができる。

【0044】
方法Aにしたがい、式(VII)の化合物は文献から公知の方法によって調製される。例えば、Schenone, P., Mosti, L. Menozzi, G., J. Heterocyclic Chem., 1982, 19, 1355-1361;Peet, N.P., Letourneau, E., Heterocycles, 1991, 32, 41-72;Mosti, L., et al Il Farmaco, 1988, 43,763-774;Trehan, I.R. et al Indian Journal of Chemistry, Section B, 1980, 19b, 243-45を参照されたい。
【0045】
方法Aにしたがい、式(VIII)の化合物はメタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、もしくは酢酸などの溶媒中Pd-CまたはPtO2などの触媒の存在下での接触水素化により、式(VII)の前駆物質から調製される。同様に、n=0およびR1=Hである場合の式(VIII)の化合物は、JP 5765369 A2に開示の方法によって調製することができる。
【0046】
方法Aにしたがい、式(IX)の化合物は、-78℃〜溶媒の還流温度とできる適切な温度で、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはトルエンなどの不活性溶媒中での水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムを用いたエステル基の還元により式(VIII)の中間体から調製される。
【0047】
最後に、方法Aにしたがい、式(IIa)の化合物は、室温と溶媒の還流温度の間であり得る適切な温度で、トルエンなどの不活性溶媒中での塩化チオニルとの反応による塩素などの離脱基へのヒドロキシ基の変換により、式(IX)の化合物から調製される。
【0048】
方法B:
式(I)の化合物、具体的には式(Ib)の化合物は、スキームIIにより記述される合成過程によって得ることができる。

【0049】
方法Bにしたがい、式(X)の化合物は文献から公知の方法によって調製される。例えば、Trehan, I.R. et al Indian Journal of Chemistry, Section B, 1980, 19b, 243-45を参照されたい。
【0050】
方法Bにしたがい、式(IIb)の化合物は0℃〜室温の温度でピリジン中での塩化トシルとの式(X)の化合物の反応により調製される。
【0051】
方法Bにしたがい、式Ibの化合物はアセトニトリル中での式R5R6NH (III)のアミンとの式IIbの化合物の反応により調製される。
【0052】
方法C:
式(I)の化合物、具体的には式(Ib)の化合物は、スキームIIIにより記述される合成過程によって得ることができる:

【0053】
方法Cにしたがい、式(XI)の化合物は式(VI)の化合物から始めて周知の方法によって調製される。例えば、Mosti, L. et al., Il Farmaco, 1988, 43, 763-774を参照されたい。
【0054】
方法Cにしたがい、式(XII)の化合物は、テトラヒドロフラン、トルエン、または塩化メチレンなどの不活性溶媒中での、および-78℃〜室温の適切な温度での水素化ジイソブチルアルミニウムを用いたシアノ基の還元により式(XI)の化合物から調製される。
【0055】
最後に、方法Cにしたがい、式(Ib)の化合物はシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)または水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)などの還元剤の存在下、メタノールまたはエタノールなどの溶媒中での、および0℃〜室温の適切な温度での式R5R6NH (III)のアミンとの式(XII)のアルデヒドの還元的アミノ化により調製される。
【0056】
方法D:
式(I)の化合物、具体的には式(Ib)の化合物は同様に、スキームIVにより記述される合成過程によって得ることができる。

【0057】
方法Dにしたがい、式(XIII)の化合物は、水およびメタノールまたはエタノールなどのアルコールの混合物中での、ならびに室温〜溶媒の還流温度の適切な温度でのNaOH、KOHまたはLiOHなどの塩基を用いたエステル基の加水分解により、式(VII)の化合物から調製される。
【0058】
方法Dにしたがい、式(XIV)の化合物は塩化メチレン、テトラヒドロフランまたはN,N-ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中での、および0℃〜室温の適切な温度での、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたはN-メチルモルホリンなどの塩基の存在下、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプレニル、またはクロロギ酸イソブチルなどのクロロギ酸アルキルとの式(XIII)の化合物の反応、それに続いて式R5R6NH (III)のアミンを用いた処理により調製される。式(XIV)の化合物は同様に、N,N'-ジシクロヘキシル(dicycloohexyl)カルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボニル基を活性化する反応性物質の存在下で、式(XIII)の化合物および式R5R6NH (III)のアミンから調製することができる。この反応は同様に、1-ベンゾトリアゾールまたはN-ヒドロキシスクシンイミドの存在下で、カルボジイミドを用いて行うことができる。式(XIV)の化合物は同様に、N,N'-カルボニルジイミダゾールの存在下で、式(XIII)の化合物および式R5R6NH (III)のアミンから調製することができる。
【0059】
方法Dにしたがい、式(Ib)の化合物は、水素化アルミニウムおよびリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤との反応により、またはテトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウムおよび水素化ホウ素ナトリウムを用いて、2段階で式(XIV)の化合物から調製される(E. Cereda, et al., Tetrahedron Letters, 21, 4977-4980, 1980)。
【0060】
方法E:
式(I)の化合物、具体的には式(Ia)の化合物は、スキームVにより記述される合成過程によって得ることができる。

【0061】
方法Eにしたがい、式(Ia)の化合物はメタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミドまたは酢酸などの溶媒中、Pd-CまたはPtO2などの触媒の存在下での接触水素化により、式(Ib)の化合物から調製される。
【0062】
方法F:
式(I)の化合物、具体的には式(Ia)の化合物は、スキームVIにより記述される合成過程によって得ることができる。

【0063】
方法Fにしたがい、式(XV)の化合物は水およびメタノールまたはエタノールなどのアルコールの混合物中での、ならびに室温と溶媒の還流温度の間であり得る適当な温度での、NaOH、KOHまたはLiOHなどの塩基を用いたエステル基の加水分解により、式(VIII)の化合物から調製される。
【0064】
方法Fにしたがい、式(XVI)の化合物は、N,N'-カルボニルジイミダゾールの存在下で、式(XV)の化合物および式R5R6NH (III)のアミンから調製される。式(XVI)の化合物は同様に、塩化メチレン、テトラヒドロフランまたはN,N-ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中での、および0℃〜室温とできる温度での、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたはN-メチルモルホリンなどの塩基の存在下、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプレニルまたはクロロギ酸イソブチルなどのクロロギ酸アルキルとの式(XV)の化合物の反応、それに続いて式R5R6NH (III)のアミンを用いた処理により調製することができる。式(XVI)の化合物は同様に、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボニル基活性化試薬の存在下で、式(XV)の化合物および式R5R6NH (III)のアミンから調製することができる。この反応は同様に、1-ベンゾトリアゾールまたはN-ヒドロキシスクシンイミドの存在下で、カルボジイミドを用いて行うことができる。
【0065】
方法Fにしたがい、式(Ia)の化合物は水素化アルミニウムおよびリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤との反応により、またはテトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウムおよび水素化ホウ素ナトリウムを用いて、2段階で式(XVI)の化合物から調製される。
【0066】
得られた反応生成物は、必要に応じて、結晶化、クロマトグラフィーおよび粉砕などの従来法により精製することができる。本発明の化合物の上記調製方法が立体異性体の混合物を生ずる場合、これらの異性体を分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離することができる。キラル中心が存在するならば、化合物をラセミ体で調製することができ、または個々の鏡像異性体を鏡像体選択的合成もしくは分解により、調製することができる。
【0067】
好ましい薬学的に許容される形態の1つは、薬学的組成物中の結晶性の形態を含む、結晶性の形態である。塩および溶媒和物の場合、さらなるイオン部分および溶媒部分は同様に、無毒性でなければならない。本発明の化合物は異なる多形性の形態を与えることができ、本発明は全てのそのような形態を包含することが意図される。
【0068】
本発明の別の局面は、シグマ受容体媒介性の疾患を処置または予防する方法に関し、この方法は式(I)の化合物またはその薬学的組成物の治療的有効量を、そのような治療の必要性がある患者に投与する段階を含む。処置され得るシグマ媒介性の疾患の中には、下痢、リポタンパク質障害、片頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、認知障害、コカイン依存、遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、脳梗塞、うつ病、ストレス、がん、疼痛、特に神経障害性疼痛もしくはアロディニア、または精神病状態がある。本発明の化合物は同様に、薬理学的ツールとして、または抗不安薬もしくは免疫抑制剤として利用することができる。
【0069】
本発明はさらに、患者への投与のため、薬学的に許容される担体、補助剤または媒体とともに本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体を含む薬学的組成物を提供する。
【0070】
薬学的組成物の例としては、経口、局所、もしくは非経口投与のための、任意の固体(錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤など)または液体(溶液、懸濁液または乳濁液)組成物が挙げられる。
【0071】
好ましい態様では、薬学的組成物は、固体または液体のいずれかの経口形態である。経口投与に適した剤形は、錠剤、カプセル剤、シロップまたは溶液であり得、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントもしくはポリビニルピロリドン;増量剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールもしくはグリシン;打錠用滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;崩壊剤、例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは微結晶性セルロース;またはラウリル硫酸ナトリウムなどの薬学的に許容される湿潤剤のような、当技術分野において公知の従来の賦形剤を含むことができる。
【0072】
固体の経口組成物は配合、充填または打錠の従来法により調製することができる。反復配合操作を用いて、大量の増量剤を使った組成物の全体に活性剤を分配させることができる。そのような操作は当技術分野において慣行されている。錠剤は、例えば、湿式または乾式造粒により調製することができ、通常の薬学的実践において周知の方法により、特に腸溶コーティングを用いて、任意でコーティングされてもよい。
【0073】
薬学的組成物は同様に、適切な単位投与剤形の無菌の溶液、懸濁液または凍結乾燥品など、非経口投与に適合させることができる。膨張性薬剤、緩衝剤または界面活性剤などの、十分な賦形剤を使用することができる。
【0074】
記述の製剤は、スペイン国および米国薬局方ならびに類似の参照テキストの中で、記述または言及されているものなどの、標準的な方法を用いて調製することができるであろう。
【0075】
本発明の化合物または組成物の投与は、静脈内注入、経口用調製物、ならびに腹腔内および静脈内投与などの、任意の適当な方法によるものであり得る。患者にとっての利便性および処置される疾患の慢性的な特徴から、経口投与が好ましい。
【0076】
一般的に、本発明の化合物の有効な投与量は、選択される化合物の相対的効力、処置される障害の重症度および病人の体重に依存するであろう。しかしながら、活性化合物は、通常、1日に1回または複数回、例えば、1日に1、2、3または4回、0.1〜1000 mg/kg/日の範囲の典型的な総日用量で投与されるであろう。
【0077】
本発明の化合物および組成物をその他の薬物とともに用いて、併用療法を提供することができる。その他の薬物は同じ組成物の一部を形成することができ、または同じ時間でのまたは異なる時間での投与のため別個の組成物として提供することができる。
【0078】
以下の例は本発明のさらなる例証としてのみ与えられており、それらは本発明の限定の定義と解釈されるべきではない。
【0079】
実施例
実施例1
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(1)の合成
段階1:2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチルの合成

Pd-C (150 mg, 10%)を(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸エチルのE/Z 異性体混合物(1,6 g, 5.67 mmol)のEtOH 50 mL溶液に加え、得られた溶液を18時間Parr水素化装置中にて窒素雰囲気下(50 psi)で撹拌する。反応混合物を窒素でパージし、セライトを通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチル(1.60 g, 5.63 mmol, 99%, 油状物)を得る。

【0080】
段階2:2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)エタノールの合成

2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチル(1.40 g, 5.79 mmol)のTHF 5 mL溶液を室温でTHF 20 mL中の水素化アルミニウム(alumminium)リチウム撹拌懸濁液(300 mg, 7.9 mmol)に加える。混合物を撹拌しながら室温で18時間維持し、その後で1時間還流する。混合物を氷およびNaOH (10%)で加水分解し、セライトを通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2-(4,5,6,7- テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)エタノール(1.10 g, 4.55 mmol, 79%, 油状物)を得る。

【0081】
段階3:4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールの合成

塩化チオニル(4 mL)を室温で2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)エタノール(516 mg, 2.13 mmol)のトルエン25 mL溶液にゆっくり加える。反応混合物を90℃で2時間加熱する。溶媒を減圧で除去する。粗精製物を酢酸エチルに希釈し、NaHCO3溶液で2回洗浄する。溶媒を次に減圧で蒸発させて、4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(423 mg, 1.62 mmol, 76%, 油状物)を得る。

【0082】
段階4:4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールの合成

4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(423 mg, 1.62 mmol)、K2CO3 (336 mg, 2.43 mmol)、モルホリン(0.42 mL, 4.87 mmol)および触媒量のKIのDMF 20 mL混合物を18時間還流まで加熱する。溶媒を減圧で除去し、粗精製物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、有機相を減圧で蒸発させる。得られた粗精製物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(384 mg, 1.23 mmol, 76%, 油状物)を得る。

【0083】
実施例2:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(2)

HO2CCO2H.2H2O (156 mg, 1.23 mmol)を4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(380 mg, 1.22 mmol)のアセトン4 mL溶液に加え、4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(318 mg, 0.79 mmol, 65%, 白色の固形物)を得る。
m.p.=150-151℃。

【0084】
実施例3:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)-エチル)-1H-インダゾール(3)の合成
段階1:1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-オンの合成

1-(3,4-ジクロロフェニル)ヒドラジン塩酸塩(6.78 g, 31.8 mmol)および無水酢酸ナトリウム(2.60 g, 31.8 mmol)のn-BuOH (20 mL)混合物を2-((ジメチルアミノ)メチレン)シクロヘキサン-1,3-ジオン(5.32 g, 31.8 mmol)のn-BuOH (100 mL)および酢酸(5 mL)溶液にゆっくり加える。得られた混合物を2時間還流まで加熱し、TLCにより反応の追跡を行う。溶媒を減圧で蒸発させ、残留物をAcOEtに希釈し、H2Oで洗浄する。溶媒を次に蒸発させ、粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-オン(5.0 g, 17.79 mmol, 56%, 橙色の固形物)を得る。

【0085】
段階2:(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸エチルのE/Z異性体混合物の合成

水素化ナトリウム(428 mg, 60%懸濁液, 10.6 mmol)懸濁液を窒素雰囲気下でホスホノ酢酸トリエチル(2.40 g, 10.6 mmol)のTHF (40 mL)溶液に加え、10分間室温にまで維持する。次に、1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-オン(1.0 g, 3.56 mmol)を先の溶液に加え、混合物を18時間還流し、TLCで反応の追跡を行う。溶液を水に注ぎ入れ、その後AcOEtで抽出する。有機相を次に減圧で蒸発させて凝固油状物を得、この粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸エチルのE/Z異性体混合物(1.2 g, 3.41 mmol, 96%, 橙色の固形物)を得る。

【0086】
段階3:2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチルの合成

PtO2 (30 mg)を(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸エチル(1.5 g, 4.27 mmol)のE/Z異性体混合物の酢酸(25 mL)溶液に加える;混合物を撹拌しながら1 H2 atmの圧力下で維持する。サンプルを次に抽出し、1H NRMを行う。次いで混合物をろ過し、AcOEtで希釈し、H2Oで洗浄し、飽和NaHCO3溶液で洗浄する。溶媒を次に減圧で蒸発させ、2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチル(1.0 g, 2.83 mmol, 純度66%, 油状物)を得る。

【0087】
段階4:2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)エタノールの合成

DIBALH (1 M)のトルエン(13 mL, 13.0 mmol)溶液を、-65℃未満の温度に反応を維持しながら、N2雰囲気下-75℃で冷却された2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチル(1.83 g, 5.2 mmol)の乾燥Cl2CH2 20 mL溶液にゆっくり加える。得られた混合物を撹拌しながら30分間-70℃で維持し、TLCにより反応の追跡を行う。次に、温度を0℃にまで上昇させ、冷水10 mLを加え、その間に温度を0℃で維持する。沈殿物を形成させ、これをろ過し、Cl2CH2で洗浄する。有機相を水で2回洗浄し、乾燥し、減圧下で蒸発させる。得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)エタノール(1.06 g, 3.41 mmol, 66%, 油状物)を得る。

【0088】
段階5:4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-インダゾールの合成

塩化チオニル(4 mL)を室温で2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)エタノール(512 mg, 1.65 mmol)のトルエン20 mL溶液にゆっくり加える。反応混合物を90℃で2時間加熱する。溶媒を減圧で除去する。粗精製物を酢酸エチルに希釈し、NaHCO3溶液で2回洗浄する。溶媒を次に減圧で蒸発させて、4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-インダゾール(462 mg, 1.40 mmol, 85%, 油状物)を得る。

【0089】
段階6:1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールの合成

4-(2-クロロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-インダゾール(235 mg, 0.71 mmol)、K2CO3 (99 mg, 0.71 mmol)、4-フェニルピペリジン(97 mg, 0.71 mmol)および触媒量のKIのDMF 5 mL混合物を18時間還流まで加熱する。溶媒を減圧で除去し、粗精製物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、有機相を減圧で蒸発させる。得られた粗精製物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(146 mg, 0.32 mmol, 45%, 油状物)を得る。

【0090】
実施例4:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(4)の合成

HO2CCO2H.2H2O (40 mg, 0.32 mmol)を1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(140 mg, 0.31 mmol)のアセトン4 mL溶液に加え、1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(125 mg, 0.23 mmol, 74%, 白色の固形物)を得る。
m.p.=133-134℃。
【0091】
実施例5:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(5)の合成
方法D:
段階1:2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸のE/Z混合物の合成

H2O (15 mL)および10% NaOH (3 mL, 7.5 mmol)を2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸エチルのE/Z混合物(2.06 g, 7.31 mmol)のエタノール(30 mL)溶液に加え、3時間還流し、TLCによって反応を追跡する。エタノールを減圧下で蒸発させ、1 N HClで酸性化し、形成された沈殿物をろ過し、H2Oで洗浄し、乾燥し、2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸のE/Z (85/15)混合物(1.37 g, 5.39 mmol, 74%)を得る。

【0092】
段階2:(E/Z)-4-(2-(1-フェニル-6,7-ジヒドロ-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)アセチル)-モルホリンの合成

トリエチルアミン(0.054 mL, 0.39 mmol)およびクロロギ酸エチル(0.037 mL, 0.30 mmol)を、0℃にまで冷却された2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)酢酸のE/Z混合物(100 mg, 0.39 mmol)のCH2Cl2 (5 mL)溶液に加え、0℃で45分間撹拌する。次いで、モルホリン(0.034 mL, 0.39 mmol)を加え、TLCによって反応を追跡する。溶液を希NaOHで洗浄し、有機相を分離し、乾燥し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4-(2-(1-フェニル-6,7-ジヒドロ-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)アセチル)モルホリンのE/Z混合物(80/20) (40 mg, 0.12 mmol, 32%)を得る。

【0093】
段階3:(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールの合成

4-(2-(1-フェニル-6,7-ジヒドロ-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)アセチル)-モルホリンのE/Z混合物(398 mg, 1.23 mmol)を、0℃にまで冷却されたLiAlH4 (129 mg, 3.70 mmol)のTHF (10 mL)混合物に加える。反応の温度を室温にまで増大させ、4時間撹拌し、次いで反応物を30分間還流する。混合物を氷浴中で冷却し、氷を加える。不溶性の固形物をろ過し、AcOEtで洗浄する。有機相をH2Oで洗浄し、乾燥し、減圧下で蒸発させ、4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールのE/Z混合物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(118 mg, 0.38 mmol, 31%)および4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールのE/Z混合物(80.2 mg, 0.26 mmol, 21%)を得る。(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールの1H NMRスペクトル(300 MHz, CDCl3)は、方法Aによって得られたものと一致する。
【0094】
化合物(5)のさらなる合成:
段階1:1-[2-(1-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-イリデン)-エチル]-ピリジニウムトルエン-4-スルホン酸塩の合成

塩化p-トルエンスルホニル(210 mg, 1.10 mmol)を、0℃にまで冷却された(E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エタノール(etanol) (254 mg, 1.05 mmol)のピリジン10 mL溶液に加える。反応をTLCにより追跡する。次に、溶媒を蒸発させ、粗精製物をCHCl3で希釈し、NaHCO3の希釈溶液で洗浄する。有機相を減圧で蒸発させて、1-[2-(1-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロインダゾール-4-イリデン)-エチル]-ピリジニウムトルエン-4-スルホン酸塩(300 mg, 0.63 mmol, 60%, 黄色の固形物)を得る。
【0095】
段階2:(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールの合成

1-[2-(1-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-イリデン)-エチル]-ピリジニウムトルエン-4-スルホン酸塩(290 mg, 0.63 mmol)およびモルホリン(180 mg, 1.5 mmol)のアセトニトリル15 mL混合物を4時間還流し、TLCにより反応を追跡する。溶媒を次に蒸発させ、粗精製物を酢酸エチルに希釈し、水で3回洗浄する。次いで、有機相を減圧下で蒸発させる。このようにして得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィー(cgromatography)により精製し、(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(110 mg, 0.36 mmol, 57%, ベージュ色の固形物, m.p=114-116℃)を得る。

【0096】
以下の化合物を同様の方法で調製する。
【0097】
実施例6:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール(6)

【0098】
実施例7:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(7)

(45 mg, 0.10 mmol, 59%, クリーム色の固形物, m.p.=148.0-149.8℃)。
【0099】
実施例8:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(8)

【0100】
実施例9:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(9)

(47 mg, 0.10 mmol, 36%, 白色の固形物, m.p.=124-125℃)。
【0101】
実施例10:
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(10)

【0102】
実施例11:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール(11)

【0103】
実施例12:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(12)

(148 mg, 0.29 mmol, 74%, 白色の固形物, m.p.=133-135℃)。
【0104】
実施例13:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(13)

【0105】
実施例14:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(14)

(50 mg, 0.13 mmol, 48%, 白色の固形物, m.p.=185-188℃)。
【0106】
実施例15:
(E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(15)

【0107】
実施例16:
(E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(16)

(15 mg, 0.04 mmol, 80%, 白色の固形物, m.p.=171-173℃)。
【0108】
実施例17:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(17)

【0109】
実施例18:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾール(18)

【0110】
実施例19:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(19)

(18 mg, 0.04 mmol, 36%, 白色の固形物, m.p.=155-157℃)。
【0111】
実施例20:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(20)

【0112】
実施例21:
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリン(21)

【0113】
実施例22:
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリンシュウ酸塩(22)

(25 mg, 0.06 mmol, 40%, 白色の固形物, m.p.=217-218℃)。
【0114】
実施例23:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(23)

【0115】
実施例24:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(24)

【0116】
実施例25:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(25)

(46 mg, 0.10 mmol, 67%, 白色の固形物, m.p.=178-181℃)。
【0117】
実施例26:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(26)

【0118】
実施例27:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(27)

【0119】
実施例28:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(28)

【0120】
実施例29:
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(29)

(50 mg, 0.09 mmol, 60%, 白色の固形物, m.p.=183-184℃)。
【0121】
実施例30:
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(30)


【0122】
実施例31:
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(31)

(98 mg, 0.25 mmol, 71%, ベージュ色の固形物, m.p.=159,0-161,8)。
【0123】
実施例32:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(32)

【0124】
実施例33:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(33)

(150 mg, 0.31 mmol, 76%, 白色の固形物, m.p.=177-80℃)。
【0125】
実施例34:
2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリン(34)

【0126】
実施例35:
2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリンシュウ酸塩(35)

(35 mg, 0.08 mmol, 33%, 灰色がかった固形物, m.p.=195-197℃)。
【0127】
実施例36:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール(36)

【0128】
実施例37:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール(37)

【0129】
実施例38:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール(38)

【0130】
実施例39:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール(39)

【0131】
実施例40:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(40)

(21.5 mg, 0.06 mmol, 33%, 白色の固形物, m.p.=134.2-136℃)。
【0132】
実施例41:
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(41)


【0133】
実施例42:
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール二シュウ酸塩(42)

(149 mg, 0.26 mmol, 87%, 白色の固形物, m.p.=215-218℃)。
【0134】
実施例43:
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリン(43)

【0135】
実施例44:
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリンシュウ酸塩(44)

(47.9 mg, 0.11 mmol, 58%, ベージュ色の固形物, m.p.=200.5-203.0℃)。
【0136】
実施例45:
4-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(45)

【0137】
実施例46:
cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ-[c]ピラゾール(46)

【0138】
実施例47:
cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ-[c]ピラゾールシュウ酸塩(47)

(193 mg, 0.46 mmol, 68%, 白色の固形物, m.p.=160.2-161.5℃)。
【0139】
実施例48:
cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(48)

【0140】
実施例49:
cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(49)

(150 mg, 0.35 mmol, 61%, 白色の固形物, m.p.=186.6-190.0℃)。
【0141】
実施例50:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール(50)

【0142】
実施例51:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(51)

(48.6 mg, 0.10 mmol, 25%, 白色の固形物, m.p.=170.5-173.6℃)。
【0143】
実施例52:
N-ベンジル-2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(52)


【0144】
実施例53:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールのジアステレオ異性体混合物(53)

(128 mg, 0.35 mmol, 65%, 油状物)。
【0145】
実施例54:
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(54)

【0146】
実施例55:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(55)

【0147】
実施例56:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(56)

(146.9 mg, 0.34 mmol, 60%, 灰色がかった固形物, m.p.=195.7-200.0℃)。
【0148】
実施例57:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(57)

【0149】
実施例58:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(58)

(77.5 mg, 0.19 mmol, 40%, 白色の固形物, m.p.=117.3-120.5℃)。
【0150】
実施例59:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール(59)

【0151】
実施例60:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾールシュウ酸塩(60)

(51 mg, 0.14 mmol, 45%, 灰色がかった固形物, m.p.=150-151℃)。
【0152】
実施例61:
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(61)

【0153】
実施例62:
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩(62)

(42.6 mg, 0.11 mmol, 37%, 白色の固形物, m.p.=140.2-141.7℃)。
【0154】
実施例63:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール(63)

【0155】
実施例64:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(64)

(22 mg, 0.06 mmol, 30%, 白色の固形物, m.p.=137.7-139.3℃)。
【0156】
実施例65:
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール(65)

【0157】
実施例66:
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(66)

(67 mg, 0.16 mmol, 70%, 白色の固形物, m.p.=148-151℃)。
【0158】
実施例67:
cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール(67)

【0159】
実施例68:
cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(68)

(86 mg, 0.19 mmol, 63%, 白色の固形物, m.p.=164-169℃)。
【0160】
実施例69:
N-ベンジル-2-(1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(69)


【0161】
実施例70:
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾール(70)

【0162】
実施例71:
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(71)

(55 mg, 0.12 mmol, 40%, 灰色がかった固形物, m.p.=176-179℃)。
【0163】
実施例72:
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(72)

【0164】
実施例1のキラル分離
ラセミ化合物4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(実施例1)の鏡像異性体分離はDaicelのChiralpak AS、粒径10ミクロン(microm)の25×2 cmカラムを用い、キラルセミ分取HPLCにより行う。使われる移動相は、13 mL/分の流速で容量比95/5のn-ヘキサン/エタノールである。
化合物のデータ:
- 第1ピーク:保持時間=11.5分(実施例73および74)。
【0165】
実施例73
(+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール
油状物, [α]D20 +4.3 (c=1, CHCl3), ee > 99.9%。
【0166】
実施例74
(+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩
102 mg, 白色の固形物, m.p.= 175-176℃, [α]D20 + 1.7 (c=1, MeOH), ee 99.5%。
- 第2ピーク:保持時間=13.2分 (実施例75および76)。
【0167】
実施例75
(-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール
油状物, [α]D20 -5.8 (c=1, CHCl3), ee > 98.4%。
【0168】
実施例76
(-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩
104 mg, 白色の固形物, m.p.= 175-176℃, [α]D20 -1.3 (c=1, MeOH), ee > 98.4%)。
【0169】
実施例77:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(77)

(127 mg, 0.32 mmol, 16.7%, 白色の固形物, p.f.=156-157℃)。
【0170】
実施例78:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(78)

(82 mg, 0.21 mmol, 29.1%, 白色の固形物, p.f.=188-189℃)。
【0171】
実施例79:
(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-エチルエタンアミン(79)の合成

【0172】
方法C:
段階1:(E)-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトアルデヒドの合成

1 M水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン(0.7 mL, 0.7 mmol)溶液を、0℃にまで冷却された(E)-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトニトリル(120 mg, 0.51 mmol)の塩化メチレン(5 mL)溶液にゆっくり加え、この温度で3時間維持し、TLC反応を追跡する。水および0.5 N HCl溶液ならびに不溶性の固形物をろ過する。混合物を塩化メチレンに希釈し、水で洗浄し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄する。この相を減圧下で除去し、得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(E)-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトアルデヒド(74.5 mg, 0.31 mmol, 61%, 油状物)を得る。

【0173】
反応が2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトニトリルのE/Z異性体混合物を用いて行われる場合、2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトアルデヒドのE/Z異性体混合物が得られる。
【0174】
段階2:(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミンの合成

0℃にまで冷却された(E)-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトアルデヒド(299 mg, 1.25 mmol)およびN-ベンジルメチルアミン(0.18 mL, 1.38 mmol)のメタノール(20 mL)溶液を20分間撹拌放置する。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(213 mg, 3.39 mmol)を0℃で加え、その後これを室温にまで増大させ、TLC反応を追跡する。溶媒を減圧で蒸発させ、酢酸エチルに希釈し、水で洗浄し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミン(158 mg, 0.46 mmol, 36%, 油状物)を得る。

【0175】
反応が2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4H-インダゾール-4-イリデン)アセトアルデヒドのE/Z異性体混合物を用いて行われる場合、N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミンのE/Z異性体混合物が得られる。

【0176】
実施例80:
(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩(80)

(118 mg, 0.27 mmol, 59%, p.f.=107-108℃, 黄色の固形物)。
【0177】
実施例81:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(81)

【0178】
実施例82:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(82)

(40 mg, 0.09 mmol, 37%, p.f.=133-136℃, 黄色の固形物)。
【0179】
実施例83:
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾール(83)

【0180】
実施例(Ejemplo)84;
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(84)

(59 mg, 0.12 mmol, 51%, p.f.=129-130℃, 白色の固形物)。
【0181】
実施例85:
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(85)

【0182】
実施例86:
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(86)

(66 mg, 0.14 mmol, 54%, p.f.=170-172℃, 白色の固形物)。
【0183】
実施例87:
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール(87)

(42 mg, 0.11 mmol, 48%, 帯黄色の油状物)。
【0184】
実施例(Ejemplo)88;
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩(88)

【0185】
実施例89:
(E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(89)

【0186】
実施例90:
(E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(90)

(34.2 mg, 0.09 mmol, 10.6%, p.f.=163-164℃, 帯黄色の固形物)。
【0187】
実施例91:
(E)-4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(91)

【0188】
実施例92:
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール(92)

【0189】
実施例93:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(93)の合成

方法E:
Pd-C (100 mg, 20%)を4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールのE/Z 異性体混合物(324 mg, 1.01 mmol)のEtOH 75 mL溶液に加え、得られた溶液を18時間Parr水素化装置内にて窒素雰囲気中(45 psi)で撹拌する。反応混合物を窒素でパージし、セライトを通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール(130 mg, 0.40 mmol, 40%, 油状物)を得る。

【0190】
実施例94:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩(94)

(55 mg, 0.13 mmol, 33%, p.f.=201-203℃, ベージュ色の固形物)。
【0191】
実施例95:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(95)

(75 mg, 0.19 mmol, 68%, p.f.=166-169℃, ベージュ色の固形物)。
【0192】
実施例96:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾール(96)

【0193】
実施例97:
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(97)

(48 mg, 0.12 mmol, 52%, p.f.=168-172℃, 灰色がかった固形物)。
【0194】
実施例98:
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(98)

【0195】
実施例99:
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩(99)

(45 mg, 0.11 mmol, 58%, p.f.=198-206℃, 灰色がかった固形物)。
【0196】
実施例100:
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(100)

【0197】
実施例101:
4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール(101)

【0198】
実施例102:
4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(102)の合成
方法F:
段階1:2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸の合成

水1 mlに溶解されたLiOH・H2O (120 mg, 2.85 mmol)を2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸エチル(808 mg, 2.85 mmol)のメタノール(20 mL)溶液に加え、室温で1時間撹拌し、TLCによって反応を追跡する。メタノールを減圧下で蒸発させ、残留物を水に懸濁し、希HClで酸性化し、パルプを形成させ、これを酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥し、減圧で蒸発させ、2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸(410 mg, 1.59 mmol, 53%, 固形物)を得る。

【0199】
段階2:1-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)アセチル)アゼパンの合成

CDI (63.2 mg, 0.39 mmol)を、氷浴中で冷却された2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)酢酸(100 mg, 0.39 mmol)のCH2Cl2 (20 mL)溶液に加え、45℃にまで2.5時間加熱する。次いで、これを0℃にまで冷却し、アザシクロヘプタン(38.7 mg, 0.39 mmol)を加え、45℃で1時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、AcOEtに希釈し、希HClで洗浄する。有機相を乾燥し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)アセチル)アゼパン(45 mg, 0.13 mmol, 33%, 油状物)を得る。

【0200】
段階3:4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールの合成

1-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)アセチル)アゼパン(60 mg, 0.18 mmol)の無水THF (2 mL)溶液を、0℃にまで冷却されたLiAlH4 (20 mg, 0.53 mmol)の無水THF (10 mL)懸濁液にゆっくり加える。混合物を3時間還流し、TLCによって反応を追跡する。混合物を冷却し、水およびNaOH溶液を加え、沈殿物をろ過し、AcOEtで洗浄する。有機相を分離し、水で洗浄し、乾燥し、4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール(36 mg, 0.11 mmol, 63%, 油状物)を得る。

【0201】
実施例103:
N-ベンジル-2-(1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(103)

【0202】
実施例104:
1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(104)

【0203】
実施例105:
1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩(105)

(36 mg, 0.08 mmol, 37%, p.f.=122-124℃, 白色の固形物(solido))。
【0204】
実施例61のキラル分離
ラセミ化合物N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(61) (257 mg)のキラル分離は、Chiralpak AD-H, 5 μm t.p., 252 cmのDaicelカラムを用い、キラル(quiral)セミ分取HPLCにより行う。用いられる移動相は、17 mL/分の流速でn-ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(容量比90/10/0.2)である。
化合物のデータ:
第1ピーク:保持時間=9.7分(実施例106)。
【0205】
実施例106:
(-)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン
97.1 mg, 油状物, [α]D20 -9.1 (c=1, MeOH), ee (鏡像体過剰率) > 99.9%。
第2ピーク:保持時間=12.9分(実施例107)。
【0206】
実施例107:
(+)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン
96.9 mg, 油状物, [α]D20 +8.2 (c=1, MeOH), ee (鏡像体過剰率) > 99.9%。
【0207】
実施例108:
N-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)-N-メチルシクロヘキサンアミン(108)

【0208】
実施例109:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール(109)

【0209】
実施例110:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(110)

【0210】
実施例(111):
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン(111)

【0211】
実施例112:
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール(112)

【0212】
生物学的活性の実施例
本発明のいくつかの代表的な化合物をシグマ(シグマ-1およびシグマ-2)阻害剤としてのその活性について試験した。以下のプロトコルに従った。
【0213】
シグマ-1
脳膜の調製およびσ1受容体の結合アッセイは若干の変更を加えながら、記述(DeHaven-Hudkins et al., 1992)のように行った。簡単に言えば、Kinematica Polytron PT 3000を用い、モルモット脳を15000 r.p.m.で30秒間10容量(w/v)の50 mM Tris-HCl, 0.32 Mスクロース, pH 7.4中でホモジナイズした。ホモジネートを4℃にて10分間1000 gで遠心分離し、上清を回収し、再び4℃にて15分間48000 gで遠心分離した。ペレットを10容量のTris-HCl緩衝液(50 mM, pH 7.4)に再懸濁し、37℃で30分間インキュベートし、4℃にて20分間48000 gで遠心分離した。この後に、ペレットを新たなTris-HCl緩衝液(50 mM, pH 7.4)に再懸濁し、使用まで氷上にて保存した。
【0214】
各アッセイ試験管には、1 mLのアッセイ終容量および組織正味重量およそ30 mg/mLの組織終濃度に対し[3H](+)-ペンタゾシン10 μL (終濃度0.5 nM)、組織懸濁液900 μLが含まれた。非特異的な結合は、終濃度1 μMのハロペリドールの添加により規定した。Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルタ[少なくとも1時間0.5%ポリエチレンイミン溶液に予め浸漬された]越しの急速ろ過による反応の終結前に、全ての試験管を37℃で150分間インキュベートした。次いで、フィルタを冷Tris-HCl緩衝液(50 mM, pH 7.4) 4 mLで4回洗浄した。シンチレーションカクテルの添加後に、サンプルを一晩平衡化させた。結合した放射能の量はWallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンタを用い、液体シンチレーション分光により測定した。タンパク質濃度はLowry et al. (1951)の方法によって測定した。
【0215】
参考文献
DeHaven-Hudkins, D. L., L.C. Fleissner, and F. Y. Ford-Rice, 1992, Characterization of the binding of [3H](+)pentazocine to σ recognition sites in guinea pig brain, Eur. J. Pharmacol. 227, 371-378.
Lowry, O.H., N.J. Rosebrough, A.L. Farr, and R.J. Randall, 1951, Protein measurement with the Folin phenol reagent, J. Biol. Chem, 193, 265.
【0216】
シグマ-2
σ2受容体の結合試験は若干の変更を加えながら、記述(Radesca et al., 1991)のように行った。簡単に言えば、Potter-Elvehjemホモジナイザー(500 r.p.m.で10ストローク)を用い、シグマ受容体I型(シグマ-1)ノックアウトマウス由来の脳を組織正味重量1 g当たり320 mMスクロース含有10 mM Tris-HCl, pH 7.4 (Tris-スクロース)氷冷緩衝液10 mLの容量中でホモジナイズした。次いで、ホモジネートを4℃にて10分間1000 gで遠心分離し、上清を確保した。ペレットを1 g当たり2 mLのTris-スクロース氷冷緩衝液中でボルテックスすることにより再懸濁し、再び1000 gで10分間遠心分離した。合わせた1000 gの上清を4℃にて15分間31000 gで遠心分離した。ペレットを1 g当たり3 mLの10 mM Tris-HCl, pH 7.4中でボルテックスすることにより再懸濁し、懸濁液を25℃で15分間保持した。31000 gで15分間の遠心分離の後、ペレットを1 g当たり10 mM Tris-HCl pH 7.4 1.53 mLの容量に、Potter-Elvehjemでの穏やかなホモジナイゼーションにより再懸濁した。
【0217】
アッセイ試験管には、0.5 mLのアッセイ終容量に対し[3H]-DTG 10 μL (終濃度3 nM)、組織懸濁液400 μL (1 g当たり50 mM Tris-HCl, pH 8.0 5.3 mL)が含まれた。非特異的な結合は、終濃度1 μMのハロペリドールの添加により規定した。Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルタ[少なくとも1時間0.5%ポリエチレンイミン溶液に予め浸漬された]越しの急速ろ過による反応の終結前に、全ての試験管を25℃で120分間インキュベートした。フィルタを冷Tris-HCl緩衝液(10 mM, pH 8.0) 5 mL容量で3回洗浄した。シンチレーションカクテルの添加後に、サンプルを一晩平衡化させた。結合した放射能の量はWallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンタを用い、液体シンチレーション分光により測定した。タンパク質濃度はLowry et al. (1951)の方法によって測定した。
【0218】
参考文献
Radesca, L., W.D. Bowen, and L. Di Paolo, B.R. de Costa, 1991, Synthesis and Receptor Binding of Enantiomeric N-Substituted cis-N-[2-(3,4-Dichlorophenyl)ethyl]-2-(1-pyrrolidinyl)ciclohexylamines as High-Affinity σ Receptor Ligands, J. Med. Chem. 34, 3065-3074.
Langa, F., Codony X., Tovar V., Lavado A., Gimenez E., Cozar P., Cantero M., Dordal A., Hernandez E., Perez R., Monroy X., Zamanillo D., Guitart X., Montoliu L1., 2003, Generation and phenotypic analisis of sigma receptor type I (Sigma1) knockout mice, European Journal of Neuroscience, Vol. 18, 2188-2196.
Lowry, O.H., N.aJ. Rosebrough, A.L. Farr, and R.J. Randall, 1951, Protein measurement with the Folin phenol reagent, J. Biol. Chem, 193, 265.
【0219】
結果を下表Iで要約する。
【0220】
【表I】


() 10-6 Mでの試験化合物(compopund)により置換された放射能標識化合物の%。
【0221】
機械的アロディニアの発生でのカプサイシンに対する効果
このモデルではvon-Freyフィラメントが使われる。このモデルは神経障害性疼痛、アロディニアなどの影響または症状を試験するためのモデルである。
【0222】
このモデルの利益:
・実験動物へのカプサイシン1 μgの注射は急性疼痛、続いて痛覚過敏/アロディニアをもたらす。
・カプサイシン誘発性の急性疼痛および痛覚過敏に関わる機構は、比較的よく知られている(それぞれ、主に末梢侵害受容器の活性化および脊髄ニューロンの増感)。
【0223】
図1はvon Freyフィラメントでの全試験の試験プロトコルを示している。馴化後、図1にしたがいマウスを最初に試験化合物(または対照の溶媒)で処理した。次いで、カプサイシン1 μg (1% DMSO)をその肢に注射し、処置肢での疼痛の発現を引き起こす。次いで、処置肢を機械的刺激で処理し、肢が回避されるまでの待ち時間を測定する。
【0224】
この薬理試験を利用し、実施例2、58、62および77による化合物は明らかな抗アロディニア効果を示した。32 mg/kgの投与量で、少なくとも50%の鎮痛が達成され、さらに最も強力な化合物として実施例58による化合物は2 mg/kgで100%の無痛覚に達した。
【0225】
40 mg/kg PRE084 (周知のシグマアゴニスト)を適用することで、これら4種全ての試験化合物の効果に拮抗することができたことから、観測の効果がシグマ結合によるものであったことが確実となった。
【0226】
温熱性痛覚過敏の発生でのカラギナンに対する効果
いくつかの化合物を同様に、カラギナン誘発性の温熱性痛覚過敏マウスモデルでの抗侵害受容活性について評価した。このモデルでは、肢へのカラギナン注射の2時間後に、Hargreaves et al. (1988)により記述されている方法にしたがい、足底試験を用いて温熱性痛覚過敏を評価した。実施例58および62の化合物。
【0227】
図2は全試験の試験プロトコルを示し、相違がカプサイシンに代わるカラギナンの使用やvon Freyフィラメントに代わるHargreaves測定の使用にあることを示している。
【0228】
両化合物ともこのモデルで活性が高く、実施例58による化合物は10 mg/kgでほぼ90%および2.5 mg/kgで60%の無痛覚を示した。実施例62による化合物は、40 mg/kgで90%、10 mg/kgで75%および2.5 mg/kgで40%の無痛覚を示した。
【0229】
40 mg/kg PRE084の適用により、両化合物の効果に拮抗することができた。
【0230】
坐骨神経
さらに、機械的アロディニアの顕著な阻害が同様に、神経障害性疼痛の坐骨神経部分結紮マウスモデル(Seltzer et al., 1990)において30 mg/kg s.c.での実施例62による化合物で証明された。von Frey試験を用いて、外科処置から11〜13日後の機械的アロディニアを評価した。
【0231】
参考文献
Hargreaves K, Dubner R, Brown F, Flores C, Joris J. "A new and sensitive method for measuring thermal nociception in cutaneous hyperalgesia." Pain 1988;32:77-88.
Seltzer Z, Dubner R, Shir Y. "A novel behavioral model of neuropathic pain disorders produced in rats by partial sciatic nerve injury." Pain 1990;43:205-218.
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1】von Freyフィラメントでの全試験の試験プロトコルを示している。
【図2】全試験の試験プロトコルを示し、相違がカプサイシンに代わるカラギナンの使用やvon Freyフィラメントに代わるHargreaves測定の使用にあることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物:

式中で
R1が水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より選択され;
R2が水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリールアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より選択され;
R3およびR4が水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より独立して選択され、または一緒になって、R3およびR4が3〜6置換もしくは非置換の員環を形成し;
R5およびR6が水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルにより形成される群より独立して選択され、またはR5およびR6が一緒になって環中3〜7個の原子を有する置換もしくは非置換ヘテロシクリルを形成し;
nが0、1および2より選択され;
mが0、1、2、3、4より選択され;
破線-----が単結合または二重結合のいずれかであり;
但し、R1がフェニルであり、R2がHであり、破線-----が二重結合であり、mが1であり、ならびにR5およびR6が2,5-ジオキソピロリジンまたは5-エトキシ、2-オキソ-ピロリジンを形成する場合、R3およびR4が両方とも同時にHまたはメチルではないという条件である。
【請求項2】
R2が水素またはアルキル;好ましくは水素であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
mが1または2であることを特徴とする、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
nが0または1であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
R3およびR4が両方とも水素またはアルキル;より好ましくは両方とも水素またはメチル;および最も好ましくは両方とも水素であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
R1が置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクリルおよび置換または非置換アリール;好ましくは置換または非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換アリールおよび芳香族ヘテロ環により形成される群より選択され;ならびにより好ましくはメチル、t-ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルより選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
R5およびR6が一緒になって環中3〜7個の原子を有する置換または非置換ヘテロシクリル、特にモルホリン-4-イル、2,6-ジメチルモルホリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、4-フェニルピペリジン-1-イル、3-フェニルピペリジン-1-イル、4-ベンジルピペラジン-1-イル、4-フェニル-ピペラジン-1-イル、2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル、アゼパン-1-イル、1,2,3-4-テトラヒドロ(tetrahidro)-イソキノリン-2-イル、ピロリジン-1-イル、3-フェニルピロリジン-1-イル、イソインドリン-2-イルまたはイミダゾール-1-イルを形成することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
以下である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物、または任意の薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
(E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリン、
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリンシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリン、
2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリンシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール二シュウ酸塩、
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリン、
1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリンシュウ酸塩、
4-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
N-ベンジル-2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールのジアステレオ異性体混合物、
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
N-ベンジル-2-(1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
(+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
(+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
(-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミン、
(E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチルエタンアミンシュウ酸塩、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、もしくは
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
(E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
(E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(E)-4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
(E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールシュウ酸塩、
1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
N-ベンジル-2-(1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールシュウ酸塩、
(-)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
(+)-N-ベンジル(bencyl)-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
N-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)-N-メチルシクロヘキサンアミン、
4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物またはその塩、異性体もしくは溶媒和物の調製方法であって、式(II)の化合物:

(式中R1〜R4、mおよびnは、請求項1に定義される通りであり、Xが離脱基、好ましくは塩素またはピリジニウムである)
の、式(III)の化合物:

(式中R5およびR6は、請求項1に定義される通りである)
とのカップリングを含む方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、異性体もしくは溶媒和物、および薬学的に許容される担体、補助剤または媒体を含む、薬学的組成物。
【請求項11】
医用薬剤の製造における請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項12】
医用薬剤がシグマ受容体媒介性の疾患または状態の処置または予防用である、請求項11記載の使用。
【請求項13】
疾患が、下痢、リポタンパク質障害、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、肥満、片頭痛、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、緑内障、学習障害、記憶障害、および注意障害、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物、ならびにコカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む化学物質に対する中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、脳梗塞、ストレス、がん、精神病状態、特にうつ病、不安、または統合失調症;炎症、自己免疫疾患である請求項12記載の使用、または薬理学的ツールとしてもしくは抗不安薬もしくは免疫抑制剤としての、請求項11記載の使用。
【請求項14】
疾患が、疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛、またはアロディニアおよび/もしくは痛覚過敏を含むその他の疼痛状態である、請求項12記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−510768(P2008−510768A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528776(P2007−528776)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009377
【国際公開番号】WO2006/021463
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507064628)
【Fターム(参考)】