説明

シート送り装置

【課題】 機械的に駆動力の断続制御を行うことにより電気ノイズの影響を排除した給紙装置等のシート送り装置を提供する
【解決手段】 ピックアップローラ21Aに回転力を伝達する第1歯車21D、第1歯車21Dと噛み合う突起状の歯27Aが設けられた変位可能な歯部27、及び電動モータ24と連動して回転する回転部26Bを有し、回転部26Bの回転周期にて歯部27を変位させることにより、歯部27と第1歯車21Dとが噛み合ったときに歯部27を介して回転力が第1歯車21Dに伝達される構成とする。これにより、回転部26Bの回転周期にてピックアップローラ21Aが回転駆動されるので、機械的な制御により間欠的にピックアップローラ21Aを回転させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置されたシートを送り出すシート送り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート載置部に複数枚のシートが載置されている場合には、ピックアップローラ等の給送ローラを間欠的に回転駆動させる必要があることから、例えば、特許文献1に記載の発明では、電磁ソレノイドや電磁クラッチ等の電気部品を用いて給送ローラに伝達される駆動力の断続を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−5641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明では、仮に、電気部品が電気ノイズの影響を受けてしまうと、駆動力の断続制御が不適切となってしまう。
本発明は、上記点に鑑み、機械的に駆動力の断続制御を行うことにより電気ノイズの影響を排除したシート送り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、回転力を発生する駆動源(24)と、載置されたシートを送り出す給送ローラ(21A)と、給送ローラ(21A)に回転力を伝達する歯車(21D)と、歯車(21D)と噛み合う突起状の歯(27A)が設けられ、歯(27A)と歯車(21D)とが噛み合う位置と歯(27A)と歯車(21D)との噛み合いが解除された位置との間で変位可能な歯部(27)と、駆動源(24)と連動して回転する回転部(26B)を有し、回転部(26B)の回転周期にて歯部(27)を変位させる変位機構(26)と、給送ローラ(21A)により送出されたシートに対して予め設定された処理を実行する処理部(5)とを備え、歯部(27)と歯車(21D)とが噛み合ったときに歯部(27)を介して回転力が歯車(21D)に伝達されることを特徴とする。
【0006】
これにより、本発明では、回転部(26B)の回転周期にて給送ローラ(21A)が回転駆動されるので、機械的な制御により間欠的に給送ローラ(21A)を回転させることができる。
【0007】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する第1実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、MPトレイ17を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23において、(a)は噛合ポジション時を示す図であり、(b)は解除ポジション時を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23の斜視図である。
【図6】(a)〜(d)は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の駆動機構23において、(a)は噛合ポジション時を示す図であり、(b)は解除ポジション時を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像読取装置の中央断面図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものであり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
そして、本実施形態は、本発明に係るシート送り装置を画像形成装置の給紙装置に適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0011】
1.画像形成装置の概略構造
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成部5が収納されている。
【0012】
また、本実施形態に係る画像形成部5は、電子写真方式の画像形成部である。画像形成部5は、プロセスカートリッジ7、露光器9、転写ローラ11、及び定着器13等を備える。プロセスカートリッジ7は、現像ユニットをなす。露光器9は、感光ドラム7Aを露光する。転写ローラ11は、感光ドラム7Aに形成された現像剤像を用紙に転写させる。定着器13は、用紙に転写された現像剤像を定着させる。
【0013】
また、給紙カセット15は、画像形成部5に搬送される用紙が積層された状態で収納される給紙トレイである。給紙カセット15は、装置本体、すなわち筐体3に対して着脱可能に装着されている。
【0014】
なお、給紙カセット15に収納されている用紙は、ピックアップローラ15Aにより画像形成部5に向けて搬出された後、分離ローラ15B及び分離パッド15Cにより1枚ずつ分離されて画像形成部5に搬送される。
【0015】
ところで、筐体3の前面側には、給紙カセット15に載置されている用紙以外の用紙を直接的に画像形成部5に供給するための用紙供給口3Aが設けられている。この用紙供給口3Aは、通常使用時には、筐体3に対して揺動可能に組み付けられたマルチパーパス給紙トレイ17により閉塞されている。なお、通常使用時とは、給紙カセット15から用紙を供給する場合等をいう。
【0016】
そして、ユーザによりマルチパーパス給紙トレイ(以下、MPトレイと記す。)17が前面側に開かれると、図2に示すように、用紙供給口3Aが開放される。用紙供給口3Aが開放されると、用紙供給口3Aから用紙を供給することが可能な状態になるとともに、MPトレイ17が用紙供給口3Aに供給される用紙の案内部材として機能する。
【0017】
2.用紙供給口から画像形成部に用紙を給紙するための構造
筐体3内には、図3に示すように、MPトレイ17に載置された用紙を給送するための給送装置21が設けられている。給送装置21は、図1に示すように、ピックアップローラ21A、分離ローラ21B及び図3に示す駆動機構23等から構成されている。
【0018】
ピックアップローラ21Aは、MPトレイ17に載置された用紙に接触して回転することによって用紙を送り出す給送ローラである。分離ローラ21Bは、ピックアップローラ21Aから送り出された複数枚の用紙を1枚ずつに分離して画像形成部5側に送り出すローラである。
【0019】
駆動機構23は、ピックアップローラ21A等に周期的に回転力を供給する機構である。本実施形態に係る駆動機構23は、図3に示すように、電動モータ24、減速機構25、及び変位機構26等を備える。電動モータ24は、回転力を発生する。減速機構25は、複数枚の平歯車等からなる。変位機構26は、ピックアップローラ21Aを周期的に回転させる。
【0020】
すなわち、ピックアップローラ21Aと一体的に回転する回転軸21Cの軸端には、回転力をピックアップローラ21Aに伝達する第1歯車21Dが設けられている。この第1歯車21Dは、減速機構25及び変位機構26を介して伝達された電動モータ24の回転力を受けて回転する。
【0021】
また、変位機構26は、第2歯車26A、及び回転部26B等を備える。第2歯車26Aは、減速機構25の出力歯車25Aと常に噛み合って出力歯車25Aの回転に連動して回転する。回転部26Bは、第2歯車26Aと同軸上に配置されて第2歯車26Aと一体的に回転する円盤状の回転部である。
【0022】
なお、回転部26Bは、その回転軸線が第1歯車21Dの回転軸線と平行となるように、第1歯車21Dの回転軸線と直交する方向、すなわち本実施形態における、前後方向に離れて配置されている。
【0023】
そして、回転部26Bの外周に設定された特定の範囲、すなわち図3の二点鎖線で囲まれた範囲には、第1歯車21Dと噛み合う複数本の突起状の歯27Aが設けられた歯部27が設けられている。この歯部27と回転部26Bとが一体化されて、いわゆる欠歯歯車が構成されている。
【0024】
そして、電動モータ24が回転すると、これに連動して回転部26Bが回転する。したがって、歯部27は、図4(a)に示す歯27Aと第1歯車21Dとが噛み合う位置と図4(b)に示す歯27Aと第1歯車21Dとの噛み合いが解除された位置との間を回転部26Bの回転周期にて回転変位する。
【0025】
このため、ピックアップローラ21Aは、歯27Aと第1歯車21Dとが噛み合ったときのみ回転するので、ピックアップローラ21Aは、回転部26Bの回転周期にて間欠的に回転する。したがって、本実施形態では、電動モータ24が連続的に回転している場合においては、上記の回転周期にて間欠的に用紙が画像形成部5側に送出されていく。
【0026】
そこで、本実施形態では、上記回転周期が、画像形成部5にて実行される画像形成処理に必要な時間となるように、第2歯車26Aの歯数、回転部26Bの直径及び歯部27の歯数等を設定している。
【0027】
具体的には、画像形成部5での画像形成は用紙1枚ずつ実行されることから、用紙に現像剤を転写するに必要な時間を基本として、製品の製造バラツキや安全率等が考慮された時間を加えた時間が上記回転周期となるように設定されている。
【0028】
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、上述のごとく、回転部26Bの回転周期にてピックアップローラ21Aが回転駆動されるので、機械的な制御により間欠的にピックアップローラ21Aを回転させることができる。したがって、電気的なノイズの影響を排除しつつ、ピックアップローラ21Aを間欠的に回転駆動することができる。
【0029】
(第2実施形態)
第1実施形態では、歯部27及び回転部26Bからなる欠歯歯車により第1歯車21Dを間欠的に回転駆動させたが、本実施形態他は、図5に示すように、リンク26Cの先端側に歯部27を設けるとともに、リンク26Cを回転部26Bの回転周期にて揺動させる。このリンク26Cの揺動により、歯27Aと第1歯車21Dとが噛み合う位置(以下、噛合ポジションという。)と歯27Aと第1歯車21Dとの噛み合いが解除された位置(以下、解除ポジションという。)との間を周期的に変位させる。
【0030】
すなわち、本実施形態では、第2歯車26Aは廃止される。また、本実施形態では、図6に示すように、回転部26Bの外周全域には出力歯車25Aと常に噛み合う歯が設けられている。本実施形態では、歯部27は、リンク26Cの状態によらず、常に、回転部26Bと第1歯車21Dとの間に位置している。
【0031】
変位機構26の構成部品であるリンク26Cは、第1歯車21D側から回転部26B側に延びている。リンク26Cは、回転部26Bの回転中心O1から外径側に偏心した位置にて回転部26Bと回転可能に連結されている。
【0032】
そして、リンク26Cの長手方向端部のうち第1歯車21D側には歯部27が設けられている。一方、リンク26Cのうち回転部26Bとの連結部C1を挟んで歯部27と反対側には、リンク26Cの長手方向と平行な方向に延びた長穴状の規制溝26Dが設けられている。この規制溝26Dには、その延び方向に変位可能な規制ピン26Eが挿入されている。
【0033】
なお、規制ピン26Eは、回転部26Bの回転軸線に平行な方向に延びるとともに、画像形成装置1に対して不動である。因みに、回転部26B及び第1歯車21D等も画像形成装置1に対する位置は不動であり、これら歯車26B、21Dは画像形成装置1に対する位置を変えることなく、その位置で回転する。
【0034】
このため、回転部26Bが回転して連結部C1が回転部26Bの回転中心に対して旋回すると、規制ピン26Eは、規制溝26Dに挿入された状態で規制溝26Dの延び方向に沿ってリンク26Cに対して相対変位する。したがって、リンク26Cは、連結部C1を回転中心として回転することが規制された状態で、回転部26Bの回転と連動して連結部C1を揺動軸として揺動する。
【0035】
すなわち、本実施形態に係る変位機構26は、いわゆる揺動スライダクランク機構を構成している。このため、回転部26Bが回転すると、リンク26Cのうち第1歯車21D側に設けられた歯部27は、例えば図6(a)→図6(b)→図6(c)→図6(d)→図6(a)の順に示すように、楕円状又はしずく状の軌跡を描きながら噛合ポジションと解除ポジションとの間を周期的に変位する。
【0036】
したがって、本実施形態においても、歯部27が回転部26Bの回転周期にて噛合ポジションとなるので、電動モータ24が連続的に回転している場合においては、上記の回転周期にて間欠的にピックアップローラ21Aが回転駆動されて用紙が画像形成部5側に送出されていく。
【0037】
本実施形態においても、上記回転周期が、画像形成部5にて実行される画像形成処理に必要な時間となるように、出力歯車25Aの歯数、及び回転部26Bの歯数等を設定している。具体的には、画像形成部5での画像形成は用紙1枚ずつ実行されることから、用紙に現像剤を転写するに必要な時間を基本として、製品の製造バラツキや安全率等が考慮された時間を加えた時間が上記回転周期となるように設定されている。
【0038】
(第3実施形態)
上述の実施形態に係る歯部27は、第1歯車21Dと噛み合う複数本の突起状の歯27Aが設けられていたが、その形状はいわゆる歯車ではなかった。これに対して、本実施形態では、図7に示すように、円盤の全周に歯27Aが設けられた歯車にて歯部27を構成する。本実施形態では、円筒カム26Gを用いて歯部27(以下、本実施形態においては、歯部27を遊星歯車27と呼ぶ。)を噛合ポジションと解除ポジションとの間で周期的に変位させるものである。
【0039】
すなわち、遊星歯車27には、遊星歯車27と同軸上に配置されて遊星歯車27と一体的に回転する歯車27Bが設けられている。歯車27Bは、常に、出力歯車25Aと噛み合っている。そして、遊星歯車27及び歯車27Bは、保持棒26Jの先端側に回転可能に支持された状態で出力歯車25Aの回転中心に対して旋回することができる。
【0040】
円筒カム26Gは、電動モータ24と連動して回転する回転部26Bを構成するものであって、その外周面にはカム溝26Fが形成されている。なお、本実施形態に係る円筒カム26Gは、一対のベベル歯車28Aやウォーム28B等を介して電動モータ24から伝達されてきた回転力を受けて回転する。
【0041】
また、連接棒26Hは、その長手方向一端側が保持棒26Jに回転可能に連結され、他端側にカム溝26Fに挿入された従動節部26Kが設けられた従動部材である。本実施形態では、連接棒26H、円筒カム26G及び保持棒26J等により変位機構26が構成されている。
【0042】
そして、電動モータ24が回転すると、これに連動して円筒カム26G及び遊星歯車27が回転するとともに、図8(a)及び図8(b)に示すように、カム溝26Fに案内されて従動節部26Kが円筒カム26Gの回転軸L1と平行な方向に往復運動する。
【0043】
このため、連接棒26Hも回転軸L1と略平行な方向に往復運動し、保持棒26Jが出力歯車25Aの回転中心を揺動中心として揺動するので、遊星歯車27が噛合ポジションと解除ポジションとの間で周期的に変位する。
【0044】
したがって、本実施形態においても、回転部をなす円筒カム26Gの回転周期にて遊星歯車27が噛合ポジションとなるので、電動モータ24が連続的に回転している場合においては、上記の回転周期にて間欠的にピックアップローラ21Aが回転駆動されて用紙が画像形成部5側に送出されていく。
【0045】
本実施形態においても、上記回転周期が、画像形成部5にて実行される画像形成処理に必要な時間となるように、カム溝26Fの形状等が設定されている。具体的には、画像形成部5での画像形成は用紙1枚ずつ実行されることから、用紙に現像剤を転写するに必要な時間を基本として、製品の製造バラツキや安全率等が考慮された時間を加えた時間が上記回転周期となるように設定されている。
【0046】
(第4実施形態)
上述の実施形態は、画像形成装置の給紙装置に本発明を適用したものであったが、本実施形態は、画像読取装置のオートドキュメントフィーダに本発明を適用したものである。
【0047】
すなわち、画像読取装置100のオートドキュメントフィーダ150は、図9に示すように、積層された原稿を1枚ずつ分離する分離機構151、及び分離機構151にて分離された原稿を読取部103に搬送する搬送機構152等から構成されている。
【0048】
分離機構151は、分離ローラ153、分離パッド154、及び吸入ローラ155等を備える。分離ローラ153は、上下方向に積層された多数枚の原稿のうち積層方向上端に載置された原稿に搬送力を付与する。分離パッド154は、分離ローラ153に対して対向配置されて原稿に所定の搬送抵抗を付与する。吸入ローラ155は、原稿トレイ165に積層された原稿を分離ローラ153に送り出す。
【0049】
そして、本実施形態では、上記した第1〜3実施形態のうちいずれかの実施形態に係る給紙装置と同様な装置にて吸入ローラ155を回転駆動している。これにより、本実施形態においては、電動モータ24が連続的に回転している場合においては、上記の回転周期にて間欠的に吸入ローラ155が回転駆動されて原稿が読取部103側に送出されていく。
【0050】
なお、本実施形態における回転周期は、原稿上に形成された画像を読取部103で読み取るために必要な時間を基本として、製品の製造バラツキや安全率等を考慮して予め設定された時間を加えた時間を回転周期としている。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の第1〜3実施形態では、MPトレイ17用のピックアップローラ21Aの回転駆動に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、給紙カセット15用のピックアップローラ15Aの回転駆動に本発明を適用してもよい。
【0052】
また、第1〜3実施形態に係る画像形成部5は、ダイレクトタンデム方式であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、中間転写方式又はインクジェット方式等の画像形成部であってもよい。
【0053】
また、第2実施形態では、規制溝26D及び規制ピン26Eにて、回転部26Bの回転に連動してリンク26Cが連結部C1周りに回転することを規制する規制部を構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、リンク26Cをその長手方向と直交する方向、つまり幅方向から挟むようにリンク26Cを規制する一対のローラ方式のピン等にて規制部を構成してもよい。
【0054】
また、第2実施形態では、規制溝26Dは、規制ピン26Eの延び方向と平行な方向にリンク26Cを貫通する貫通穴であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、規制ピン26Eの先端側に対向する部位が閉塞された長穴状の溝にて規制溝26Dを構成してもよい。
【0055】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、3A…用紙供給口、5…画像形成部、
7…プロセスカートリッジ、7A…感光ドラム、9…露光器、11…転写ローラ、
15…給紙カセット、15A…ピックアップローラ、
17…MPトレイ(マルチパーパス給紙トレイ)、21…給送装置、
21A…ピックアップローラ、21B…分離ローラ、21C…回転軸、
21D…第1歯車、23…駆動機構、24…電動モータ、25…減速機構、
25A…出力歯車、26…変位機構、26A…第2歯車、26B…回転部、
26C…リンク、26D…規制溝、26E…規制ピン、26F…カム溝、
26G…円筒カム、26H…連接棒、26J…保持棒、26K…従動節部、
27…歯部(遊星歯車)、27A…歯、27B…歯車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力を発生する駆動源と、
載置されたシートを送出する給送ローラと、
前記給送ローラに回転力を伝達する歯車と、
前記歯車と噛み合う突起状の歯が設けられ、前記歯と前記歯車とが噛み合う位置と前記歯と前記歯車との噛み合いが解除された位置との間で変位可能な歯部と、
前記駆動源と連動して回転する回転部を有し、前記回転部の回転周期にて前記歯部を変位させる変位機構と、
前記給送ローラにより送出されたシートに対して予め設定された処理を実行する処理部とを備え、
前記歯と前記歯車とが噛み合ったときに前記歯部を介して回転力が前記歯車に伝達されることを特徴とするシート送り装置。
【請求項2】
前記回転周期は、前記処理部にて実行される処理に必要な時間であることを特徴とする請求項1に記載のシート送り装置。
【請求項3】
前記歯部は、前記回転部の外周に設定された特定の範囲のみに設けられて前記回転部と共に回転し、
さらに、前記歯部と前記回転部とが一体化されて前記駆動源と連動して回転する欠歯歯車が構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート送り装置。
【請求項4】
前記歯部と前記回転部とは、前記回転部の回転軸線に対して直交する方向にずれており、
前記変位機構は、
前記歯部から前記回転部側に延びるとともに、長手方向一端側に前記歯部が設けられ、長手方向他端側が前記回転部に対して揺動可能に連結されたリンク、及び
前記回転部の回転に連動して前記リンクが前記リンクと前記回転部との揺動軸周りに回転することを規制する規制部を有しており、
さらに、前記リンクと前記回転部との揺動軸は、前記回転部の回転軸と平行であって、かつ、前記回転部の回転中心から外径側にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート送り装置。
【請求項5】
前記歯車と前記回転部とは、前記歯車の回転軸線に直交する方向に離れて配置され、
前記歯車の回転軸線と前記回転部の回転軸線とは平行であり、
前記歯部は、前記歯車と前記回転部との間に位置し、
前記変位機構は、
前記歯車側から前記回転部側に延びるとともに、前記歯車側に前記歯部が設けられたリンク、及び
前記回転部の回転軸線に平行な方向に延びて前記リンクに設けられた規制溝に挿入された規制ピンを有しており、
前記リンクは、前記回転部の回転中心から偏心した位置において前記回転部と回転可能に連結されており、
前記規制溝は、前記回転部との連結部を挟んで前記歯部と反対側に形成されて前記リンクの長手方向と平行な方向に延びた長穴状であり、
さらに、前記規制ピンは、前記規制溝に挿入された状態で前記リンクに対して前記長手方向に相対変位可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート送り装置。
【請求項6】
前記処理部は、シートに画像を形成する画像形成部であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート送り装置。
【請求項7】
前記処理部は、シートに形成されている画像を読み取る読取部であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート送り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−28425(P2013−28425A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164713(P2011−164713)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】