説明

スイッチ遠隔操作機構

【課題】スイッチ本体や操作本体に対して連結ケーブルを容易且つ正確に取り付けることができるスイッチ遠隔操作機構を提供する。
【解決手段】スイッチレバー111を第1,第2スイッチケース11,210から突出してなるスイッチ本体10と、操作レバー341を第1,第2操作体ケース310,400から突出してなる操作本体300と、両端にスイッチ本体10のスイッチレバー111と操作本体300の操作レバー341とを連結する連結ケーブル501とを具備する。操作本体300の押圧操作レバー333を押圧することに連動してスイッチ本体10内のスイッチ機構50を遠隔操作する。連結ケーブル501の両端部に連結ケーブル501を収納するケーブル保持ケース370を取り付ける。ケーブル保持ケース370はスイッチ本体10及び操作本体300に対してスナップイン係合にて取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチを内蔵したスイッチ本体を遠隔操作するスイッチ遠隔操作機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチを内蔵したスイッチ本体と、このスイッチ本体を操作する操作本体とを連結ケーブルで連結し、前記操作本体によって前記スイッチ本体を遠隔操作するスイッチ遠隔操作機構がある。この種のスイッチ遠隔操作機構によれば、スイッチ本体と操作本体とをそれぞれ最適な個所に設置することができるので好適である。
【0003】
一方このスイッチ遠隔操作機構を電子機器に設置する場合、スイッチ本体と操作本体とが連結ケーブルによって連結されているので、例えば連結ケーブルを電子機器内の狭い隙間に通さなければならないような場合、その設置が困難になるという問題があった。このため従来、スイッチ本体と操作本体と連結ケーブルとを別々に分離しておき、電子機器内に設置したスイッチ本体や操作本体に対してその後で連結ケーブルを取り付けることができる構造のものも考えられているが、さらにその取り付けが容易且つ正確・安価に行える構造のものが求められていた。
【特許文献1】実公昭56−16016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、スイッチ本体や操作本体に対して連結ケーブルを容易且つ正確に取り付けることができる安価なスイッチ遠隔操作機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の発明は、スイッチケースと、スイッチケース内にスライド移動自在に収納されるスイッチ移動体と、スイッチケース内に設置され前記スイッチ移動体のスライド移動によってオンオフ操作されるスイッチ機構とを有し、前記スイッチ移動体のスライド移動に連動するスイッチレバーを前記スイッチケースから突出してなるスイッチ本体と、操作体ケースと、操作体ケース内にスライド移動自在に収納される押圧部とを有し、前記押圧部のスライド移動に連動する操作レバーを前記操作体ケースから突出してなる操作本体と、前記スイッチ本体と前記操作本体とを連結し、内蔵する移動ケーブルの両端をそれぞれ前記スイッチレバーと操作レバーとに連結することで前記押圧部の移動に連動してスイッチ移動体をスライド移動させてスイッチ機構を遠隔操作する可撓性を有する連結ケーブルと、前記操作本体又はスイッチ本体の何れかに設置され前記押圧部を操作体ケースに押し込んだ位置でロックすると共に再度の同一方向への押圧によって前記ロックを解除するプッシュロック機構と、を具備し、前記連結ケーブルの少なくとも一方の端部に連結ケーブルを収納するケーブル保持体を取り付け、このケーブル保持体は、このケーブル保持体を取り付ける前記スイッチ本体または操作本体に対してスナップイン係合にて取り付けられる構造となっていることを特徴とするスイッチ遠隔操作機構にある。
【0006】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ遠隔操作機構において、前記スイッチ機構は、スイッチケースに固定される共通固定端子片と、スイッチケースに固定され固定接点を有する固定端子片と、共通固定端子片に対して回動自在に係合され且つ前記スイッチ移動体の移動によって回転駆動される回転子と、回転子に対して回動自在に係合され且つ可動接点を有する可動接触片と、可動接触片と共通固定端子片間を弾発することで前記共通固定端子片と回転子と可動接触片間の係合状態を維持すると同時に回転子の回転位置に応じて可動接触片の可動接点と固定端子片の固定接点間をオンオフさせる圧縮バネとを具備して構成され、前記スイッチレバーが前記スイッチケースから突出する面の反対側の面から、前記共通固定端子片の端子部と固定端子片の端子部とを突出させたことを特徴とするスイッチ遠隔操作機構にある。
【0007】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスイッチ遠隔操作機構において、前記移動ケーブルには前記スイッチ本体のスイッチレバーと前記操作本体の操作レバーとをそれぞれ挿通して係止するレバー係止孔を設け、一方前記ケーブル保持体は、前記移動ケーブルの上下を挟んだ状態で一体化される第1,第2ケース部を具備すると共に、これに第1,第2ケース部の前記移動ケーブルのレバー係止孔の上下に位置する部分にそれぞれレバー挿通孔を設けて構成されていることを特徴とするスイッチ遠隔操作機構にある。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、連結ケーブルに取り付けたケーブル保持体を、スイッチ本体または操作本体に対してスナップイン係合にて取り付ける構造としたので、その取り付けがワンタッチで容易に行える。このため例えばスイッチ本体や操作本体をそれぞれ電子機器の所望の場所に設置した後に、電子機器内の狭い隙間などを通した連結ケーブルの端部を容易にこれらスイッチ本体や操作本体に取り付けることができ、スイッチ遠隔操作機構の設置作業が容易且つ正確に行えるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、電源スイッチとして用いて好適な構造のスイッチ機構を構成することができる。同時に回路基板上に載置されるスイッチケースの面(端子部を突出する側の面)の反対側の面に連結ケーブルを取り付けることとなるので、スイッチレバーへの連結ケーブル取付時に回路基板が邪魔にならず、連結ケーブルのスイッチ本体への取り付け作業が容易になる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、ケーブル保持体を構成する第1,第2ケース部にそれぞれレバー挿通孔を設け、その内部に移動ケーブルのレバー係止孔を配置したので、ケーブル保持体をスイッチ本体や操作本体にスナップイン係合にて取り付ける際は、スイッチ本体のスイッチレバーや操作本体の操作レバーを前記レバー挿通孔とレバー係止孔に挿通するだけで良くなり、連結ケーブルのスイッチ本体や操作本体への取り付け作業が容易になる。またケーブル保持体は移動ケーブルの上下を第1,第2ケース部で挟持するだけの構造なので、ケーブル保持体を薄く構成でき、このケーブル保持体を電子機器内の狭い隙間に容易に通すことができ、また安価に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態にかかるスイッチ遠隔操作機構1を上側から見た全体斜視図、図2はスイッチ遠隔操作機構1を下側から見た全体斜視図、図3はスイッチ遠隔操作機構1の分解斜視図である。なお以下の説明において、「上」とは下記するスイッチ本体10からこのスイッチ本体10に取り付けるケーブル保持体570側を向く方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0012】
図1〜図3に示すようにスイッチ遠隔操作機構1は、内部に下記するスイッチ機構50を収納してなるスイッチ本体10と、前記スイッチ機構50を操作する操作本体300と、前記スイッチ本体10と操作本体300間を連結する連結ケーブル体500と、を具備して構成されている。連結ケーブル体500の両端には、連結ケーブル体500をスイッチ本体10と操作本体300にそれぞれスナップイン係合にて取り付けるケーブル保持体570,570が取り付けられている。以下各構成部品について説明する。
【0013】
図4はスイッチ本体10及びこれに取り付けられる連結ケーブル体500のケーブル保持体570の部分の概略断面図、図5,図6はスイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を上側から見た分解斜視図であり、図5はその上側の部品、図6はその下側の部品を示す図、図7,図8はスイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を下側から見た分解斜視図であり、図7はその上側の部品、図8はその下側の部品を示す図である。これらの図に示すようにスイッチ本体10は、第1スイッチケース11内にスイッチ機構50とスイッチ移動体110とを収納し、その上に第2スイッチケース210と取付板230とを取り付けて構成されている。
【0014】
第1スイッチケース11は合成樹脂の一体成形品であり、上面が開放された略矩形状の箱型に形成され、上面側の凹部が収納部12になっている。収納部12は中央に設けたスライド移動方向A(図6のスイッチ移動体110の部分参照)に向かう分離壁13によって2つの室に分離されており、一方の室をスイッチ機構設置室15としている。分離壁13は略平板状で、収納部12の底面から立設している。第1スイッチケース11の底面のスイッチ機構設置室15の下面側には、図8に示すように一対のスリット状の端子挿通孔19,21が設けられている。スリットの向きはスライド移動方向Aである。両端子挿通孔19,21はスライド移動方向Aに所定距離離れ、且つスライド移動方向Aに直交する方向に少しずれた位置に設けられている。第1スイッチケース11のスライド移動方向Aに平行な外周側壁11a,11cの上辺の両端近傍の内側位置(4ヶ所)には、スライド移動方向Aに向かって延びる切り欠きからなるガイド溝27が設けられている。また一対の外周側壁11a,11cの外面の所定位置にはそれぞれ一対ずつ突部29,31の間に係止溝33を設けている(図6,図8において奥側の一対の係止溝33は記載されていない)。またもう1つの外周側壁11bにも2つの突部35,37の間に係止溝39を設けている。
【0015】
スイッチ機構50は図6,図8に示すように、何れも金属板からなる、共通固定端子片60と固定端子片70と回転子80と可動接触片90と圧縮バネ100とを具備して構成されている。共通固定端子片60は略棒形状の端子部61の上に略矩形状のケース取付部62を設け、さらにその上に他部品係止部63を設けて形成されている。他部品係止部63はケース取付部62の上辺の一端近傍から帯状に上方向に突出した後に略直角に固定端子片70から離れる方向に屈曲し、さらに上方向に屈曲して延びる形状に形成されており、これらの屈曲によって形成される2つの凹状の角部にそれぞれ係止溝65,67を設けている。
【0016】
固定端子片70は略棒形状の端子部71の上に略矩形状のケース取付部72を設け、さらにその上に連結部75を介して固定接点設置部73を接続して形成されている。固定接点設置部73は略矩形平板状であり、連結部75の部分を略直角に折り曲げることで、端子部71の面に対して略直交するように配置され、その上面中央には固定接点77が取り付けられている。
【0017】
回転子80は中央に開口81が設けられた基部83と、基部83の一端部(下端部)両側辺からそれぞれ突出して略直角に屈曲することで対向させてなる一対のアーム形状の回動操作片85と、基部83の他端部(上端部)両側辺からそれぞれ突出して略直角に屈曲することで対向させてなる一対の略L字形状の係止部87と、両回動操作片85の間の辺の中央部分を上方向に切り起こしてなる舌片状の係止突片89とを具備して構成されている。回動操作片85の先端部部分は押圧部85a、係止部87の略直角の凹部の部分は係合部87aとなっている。
【0018】
可動接触片90は略長方形状であって中央に開口91が形成された基部93と、基部93の一端部に形成された略矩形状の可動接点取付部95と、可動接点取付部95の下面中央に取り付けられる可動接点97と、可動接点取付部95を設けた側の開口91の内周辺によって形成されるバネ係止部98と、可動接点取付部95を設けた反対側の開口91の内周辺によって形成される回転子係止部99と、を具備して構成されている。
【0019】
圧縮バネ100は、略矩形状の板バネを逆U字状に屈曲させて構成されており、その両端部にそれぞれ係止部101,103を設けている。
【0020】
スイッチ移動体110は合成樹脂を一体成形することによって略矩形状に形成されており、その外形寸法は、前記第1スイッチケース11の収納部12内にすっぽり収納されてスライド移動方向Aにスライド移動できる外形寸法に形成されている。スイッチ移動体110の上面中央には上方向に突出する柱状のスイッチレバー111が設けられ、また上面4隅の外周部分には左右に張り出す小突起状のガイド突起113が突設され、また上面4隅の上面には上方向に突出する小突起からなる当接部115が設けられている。ガイド突起113は前記第1スイッチケース11のガイド溝27に挿入される寸法に形成されている。スイッチ移動体110の下面中央にはスライド移動方向Aに向かって直線状に延びる凹状のレール係合部117が設けられている。レール係合部117は前記第1スイッチケース11の分離壁13にぴったり係合して分離壁13をレールとしてスイッチ移動体110をスライド移動方向Aに向けてスライド移動自在に支持するものである。またレール係合部117の一方の側(前記第1スイッチケース11のスイッチ機構設置室15に対向する側)の下面にはスライド移動方向Aに向かって延びる凹状のスイッチ機構収納部119が設けられている。スイッチ機構収納部119内の対向する左右両側面(図8では一方の側面のみが示されている)には、薄板状に突出する一対ずつの押圧突部129,131が設けられ、両押圧突部129,131の間の隙間を上記回転子80の押圧部85aを挿入する押圧部挿入部133としている。また押圧突部129の最も下方向に張り出している部分は可動接触片当接部135となっている。
【0021】
なおこの実施形態に用いている第1スイッチケース11は、もともと1つの第1スイッチケース11内に2組のスイッチ機構50を収納する双極用の第1スイッチケースであったものをそのまま利用して、1組のスイッチ機構50を収納する単極用の第1スイッチケースとしているため、分離壁13によって分離された一方の室が空室のままとなっている。従って前記空室となっているもう一方の室にも前記と同一構成のスイッチ機構50を設置すれば、双極用のスイッチ機構50を有するスイッチ本体10を構成することができる。また単極用のスイッチ機構50の場合、前記空室を省略し、幅寸法を小型化した第1スイッチケース11を構成することもできる。
【0022】
第2スイッチケース210は合成樹脂を略矩形の平板状に成形して構成されており、その外形寸法形状は前記第1スイッチケース11の外形寸法形状と略同一である。第2スイッチケース210の略中央には前記スイッチ移動体110のスイッチレバー111をスライド移動自在に貫通するレバー挿通部211が設けられ、また前記第1スイッチケース11の係止溝39に対向する一側辺には下方向に向かって屈曲する略T字状の係止片213が設けられている。
【0023】
取付板230は平板状の金属板を下面が開放された略箱型に折り曲げて構成されており、スライド移動方向Aを向く2つの対向する側辺の下端辺にはそれぞれ2つの二股状の係止部231が設けられ、また取付板230の上面中央にはその全幅に亘る貫通孔からなる略矩形状のレバー通過部233が設けられ、また取付板230上面のレバー通過部233の両側にはそれぞれ2つと1つの略矩形状の小穴からなる係止孔235が設けられ、さらに取付板230上面の外周辺の内のスライド移動方向Aに直交する2つの外周辺とレバー通過部233に面する内周辺の内のスライド移動方向Aに直交する2つの内周辺にはそれらの辺を下方向に同一高さ寸法折り曲げてなるスペース形成用突部237が設けられている。
【0024】
次にスイッチ本体10を組み立てるには、まず第1スイッチケース11のスイッチ機構設置室15内に共通固定端子片60と固定端子片70を収納し、それぞれの端子部61,71を第1スイッチケース11の端子挿通孔19,21に挿入して第1スイッチケース11の底面からその外部に突出させ、これら共通固定端子片60のケース取付部62と固定端子片70のケース取付部72とを第1スイッチケース11の底面に固定する。次に共通固定端子片60のケース取付部62の上に回転子80を配置してその際図9に示すように回転子80の係止突片89を共通固定端子片60の係止溝65に係合し、次に回転子80の両回動操作片85の間に可動接触片90を配置してその際図9に示すように可動接触片90の回転子係止部99を回転子80の係合部87aに係合し、次に可動接触片90の上に圧縮バネ100を配置してその際図9に示すように圧縮バネ100の一方の係止部101を可動接触片90のバネ係止部98に係止すると共に他方の係止部103を可動接触片90の開口91を通してその下側に位置する共通固定端子片60の係止溝67に係止する。
【0025】
これによってスイッチ機構50は図9に示すように、第1スイッチケース11に固定される共通固定端子片60と、第1スイッチケース11に固定され固定接点77を有する固定端子片70と、共通固定端子片60に対して回動自在に係合される回転子80と、回転子80に対して回動自在に係合され且つ可動接点97を有する可動接触片90と、可動接触片90と共通固定端子片60間を弾発することで共通固定端子片60と回転子80と可動接触片90間の係合状態を維持する圧縮バネ100とを具備する構造に構成されている。なおこのとき図9に示すように固定接点77と可動接点97とは所定距離離間して位置している。またこのとき可動接触片90はその長手方向がスライド移動方向Aとほぼ平行になるように配置されている。
【0026】
次に図6に示すスイッチ移動体110を第1スイッチケース11の収納部12内に収納する。そのときスイッチ移動体110のレール係合部117に第1スイッチケース11の分離壁13を挿入することでスイッチ移動体110をスライド移動自在に支持する。このとき同時に各ガイド突起113が各ガイド溝27に係合される。さらにこのとき図9に示すようにスイッチ機構50を構成する回転子80の一対の押圧部85aはそれぞれスイッチ移動体110の一対の押圧部挿入部133内に挿入されており、またスイッチ移動体110の一対の可動接触片押圧部135は可動接触片90の可動接点取付部95の左右両端近傍の上面に当接して可動接点取付部95がこの位置よりも上方向に移動しないようにしている。
【0027】
次に第1スイッチケース11上を覆うように第2スイッチケース210を被せ、そのとき第2スイッチケース210のレバー挿通部211にスイッチレバー111を挿通し、同時に係止片213を係止溝39に係止する。そして第2スイッチケース210の上に取付板230を載置して取付板230の左右一対ずつの係止部231を第1スイッチケース11の係止溝33に挿入し、各係止部231の先端を突部29,31の下面側に折り曲げれば、図3に示すスイッチ本体10が完成する。
【0028】
次に図11は操作本体300及びこれに取り付けられる連結ケーブル体500のケーブル保持体570の部分の概略断面図、図12は操作本体300(ケーブル保持体570を含む)を上側から見た分解斜視図、図13は操作本体300(ケーブル保持体570を含む)を下側から見た分解斜視図である。これらの図に示すように操作本体300は、第1操作体ケース310内に押圧部330とプッシュロック機構370とを収納し、その下に第2操作体ケース400を取り付けて構成されている。
【0029】
第1操作体ケース310は金属板を略箱型形状に折り曲げて上面310aと両側面310b,310cと前面310dを設け、これによってその下面側に操作体収納部319を形成し、また側面310b,310cの前面310d側の端辺から略矩形状の取付面310e,310fを突出し両者が開く方向に略90°折り曲げて構成されている。上面310aには下記する押圧部330のスライド移動方向B方向に向かって長尺な略矩形状のガイド孔311と、一対の小孔からなる係止孔313とが設けられている。両側面310b,310cの下辺からは下方向に向かって突出する一対ずつの係止片315が設けられている。各係止片315は二股状で2本1組となっている。取付面310e,310fにはそれぞれ円形の開口からなる取付孔317が設けられている。なお前記一対の係止孔313には、図12,13に示す連結ピン押え板320が取り付けられる。連結ピン押え板320は薄板帯状であって両端を上方向に略直角に折り曲げ、さらにその先端に設けた舌片状の係止部321を外方に向けて略直角に折り曲げて構成されており、前記両係止部321を前記第1操作体ケース310の一対の係止孔313にその下面側から挿入して係止し、これによって連結ピン押え板320は第1操作体ケース310の内部に取り付けられる。前面310dにはその下辺から切り欠かれる矩形状のレバー挿通部323が設けられ、その下辺のレバー挿通部323の両側からは小突起状の係止部325が突設されている。
【0030】
押圧部330は合成樹脂の一体成形品であり、前記第1操作体ケース310の操作体収納部319にスライド移動自在に収納される寸法形状に形成された略矩形状の摺動部331と、摺動部331の外周側面からスライド移動方向Bに向けて突出する略矩形柱状の押圧操作レバー333とを具備して構成されている。摺動部331の上面には、前記第1操作体ケース310のガイド孔311に挿入される小突起からなるガイド突起335と、押圧操作レバー303の根元部分に形成されるカム溝機構337とが設けられ、また摺動部331の下面には凹部339が設けられ、凹部339の底面中央からは下方向に向かって操作レバー341が突出して設けられている。操作レバー341は摺動部331の下面よりも下方向まで突出している。また摺動部331から押圧操作レバー333にわたる位置には、上下に貫通する挿通孔343が設けられ、また押圧操作レバー333の左右両側面には上下に切り欠かれる溝からなる挿通溝345が設けられている。
【0031】
カム溝機構337は下記する連結ピン371及び弾発バネ380及びバネ受け板390と共にプッシュロック機構370を構成する部分である。このカム溝機構337は従来公知の各種プッシュロック用のカム溝機構(代表的にはハート型カム溝機構)であり、その内部に形成されるカム溝(環状溝)内を下記する連結ピン371のカム係合部375が定められた1方向にループ状に移動していくものである。即ち、カム係合部375はロック解除時は図11に示す非ロック位置a1に位置し、カム係合部375に対して押圧部330がスライド移動方向A(図11の左方向)に移動してその後前記移動を解除することでロック位置a3にロックされ、再び押圧部330を前記スライド移動方向A(図11の左方向)に移動するとカム係合部375はロックが解除されて元の非ロック位置a1に戻る構造になっている。
【0032】
プッシュロック機構370は前述のように、前記カム溝機構337と連結ピン371と弾発バネ380とバネ受け板390とによって構成されている。連結ピン371は金属棒の両端を同一方向に略直角に折り曲げ、その一端をカム係合部375、他端を軸支部377としている。弾発バネ380はこの実施形態では円筒形状のコイルバネ(圧縮コイルバネ)によって構成されている。バネ受け板390は金属製矩形平板を略コ字状に形成することで下方向に開放された開口部391を有し、開口部391の下端両側部分から下方向に向かって小突起状の取付部393を突設して構成されている。
【0033】
第2操作体ケース400は合成樹脂を略平板矩形状に成形して構成されており、そのほぼ中央にはスライド移動方向Bに向かって延びて前記操作レバー341を挿通するレバー挿通部401が設けられ、レバー挿通部401の周囲の所定位置には、3つの係止孔403と、4つの取付孔405と、2つの位置決め孔407とが設けられている。また第2操作体ケース400の一辺(スライド移動方向Bに直交する一方の辺)中央からは長尺帯状の連結ピン取付片409が突出し、その根本部分を上方向にほぼ直角に折り曲げ、その先端部分をさらに直角に折り曲げ、折り曲げた先端側の部分に前記連結ピン371の軸支部377を回動自在に挿入軸支する小孔からなる連結ピン軸支部411を設けている。
【0034】
操作本体300を組み立てるには、まず第2操作体ケース400上に押圧部330を載置し、その際第2操作体ケース400の連結ピン取付片409を押圧部330の挿通孔343に挿入する。次に連結ピン371の軸支部377を第2操作体ケース400の連結ピン軸支部411に回動自在に挿入すると同時にカム係合部375を押圧部330のカム溝機構337に係合する。次に押圧部330上に第1操作体ケース310を被せ、その際第1操作体ケース310の各係止片315を第2操作体ケース400の各取付孔405に挿入して2股状の各係止片315の各先端部分を第2操作体ケース400の下面で折り曲げることで両者間を固定する。このとき押圧部330のガイド突起335は第1操作体ケース310のガイド孔311に挿入され、また押圧部330の押圧操作レバー333は第1操作体ケース310のレバー挿通部323から外部に突出し、また押圧部330の操作レバー341は第2操作体ケース400のレバー挿通部401に挿通されその下面から突出する。そして前記押圧操作レバー333に弾発バネ380を挿入してその一端を第1操作体ケース310の前面310dに当接し、その他端側をバネ受け板390で押圧しながら、バネ受け板390の開口部391の内側辺を押圧操作レバー333の挿通溝345に挿通してバネ受け板390の一対の取付部393を押圧操作レバー333の下面で両者が接近する方向に折り曲げて固定すれば、図3に示す操作本体300が完成する。
【0035】
次に連結ケーブル体500は、図3に示すように、連結ケーブル501の両端にケーブル保持体570,570を取り付けて構成されている。両ケーブル保持体570,570は同一の部品である。連結ケーブル501は例えば図5,図12に示すように、帯状に細長い形状の可撓性を有する金属板製であってその両端近傍にそれぞれ略矩形状の小孔からなるレバー係止孔503aを設けてなる移動ケーブル503と、梯子形状(一対の長尺な側辺505a間を多数の連結辺505bで連結した形状)で金属板製の可撓性を有するケーブル保持体505と、合成樹脂材またはゴム状弾性材製の可撓性を有する扁平チューブからなる保護被覆507とを具備して構成されている。そして移動ケーブル503をケーブル保持体505の連結辺505bに互い違いに通した上でケーブル保持体505を保護被覆507で覆えば、連結ケーブル501が構成される。
【0036】
ケーブル保持体570は、前記連結ケーブル501(その移動ケーブル503とケーブル保持体505の端部)の上下を挟んだ状態で一体化される第1,第2ケース部571,590を具備して構成されている。なお連結ケーブル501両端の一対のケーブル保持体570は同一のものであるが、連結ケーブル501に対して上下逆方向に取り付けられているので、以下の説明において用いる「上下」は、図12に示す状態での上下を言うものとする。第1ケース部571は合成樹脂を略平板矩形状に成形して構成されており、そのほぼ中央には移動ケーブル503の移動方向に向けて長尺で略矩形状の上下に貫通するレバー挿通孔573が設けられ、また第1ケース部571の上面の前記第2操作体ケース400の各位置決め孔407に対向する位置には位置決め孔407を係合する2つの位置決め突起575が上方向に向けて突設され、第1ケース部571外周の前記第2操作体ケース400の各係止孔403に対向する位置には各係止孔403に係止される3つの係止爪577が上方向に向けて突設され、また第1ケース部571上面の前記ケーブル保持体505の端部に対向する位置には上方向に突出する4つの小突起からなる保持体係止部579が上方向に向けてマトリクス状に突設されている。各係止爪577は弾性を有していて先端に爪部を設け、前記各係止孔403に挿入される際は撓むことでいわゆるスナップイン係合される。4つの保持体係止部579は前記ケーブル保持体505端部の連結辺505bによって仕切られる2つの開口の両側近傍内に2つずつ挿入・係止されてケーブル保持体505を固定するものである。また第1ケース部571の外周4箇所には凹状の係止部挿通部581が設けられている。
【0037】
第2ケース部590は金属板を略矩形状に形成して構成されており、前記第1ケース部571のレバー挿通孔573に対向する位置にはレバー挿通孔573とほぼ同一形状のレバー通過孔591が設けられ、また前記第1ケース部571の位置決め突起575に対向する位置には位置決め突起575を挿通する切り欠き(凹部)からなる係合挿通部592が設けられ、また前記第1ケース部571の4つの保持体係止部579にそれぞれ対向する位置にはこれらを挿通する挿通部593が設けられ、また前記第1ケース部571の各係止部挿通部581に対向する位置には舌片状に突出して下方向に折り曲げられる係止片595が設けられている。
【0038】
図3に示す連結ケーブル体500を組み立てるには、まず第1ケース部571を連結ケーブル501端部の移動ケーブル503及びケーブル保持体505の下面側に配置し、その際第1ケース部571の各保持体係止部579をケーブル保持体505端部の連結辺505bによって仕切られる2つの開口の両側近傍内に2つずつ挿入する。そして第1ケース部571上に第2ケース部590を載置して第2ケース部590の各係止片595を第1ケース部571の各係止部挿通部581に挿通し、各係止片595の先端を第1ケース部571の下面側に折り曲げる。このとき第1ケース部571の各保持体係止部579は第2ケース部590の各挿通部593に挿入され、第1,第2ケース部571,590内にケーブル保持体505の端部が固定され、また第1,第2ケース部571,590のレバー挿通孔573,591内に移動ケーブル503のレバー係止孔503aが位置している。またこのとき第1ケース部571の各位置決め突起575は第2ケース部590の各係合挿通部592に挿入されその上側に突出し、また第1ケース部571の各係止爪577は第2ケース部590の外周を通過してその上側に突出する。これによって連結ケーブル501の端部へのケーブル保持体570の取り付けが完了する。このようにして連結ケーブル501の両端にそれぞれ上下逆向きのケーブル保持体570,570を取り付ければ、図3に示す連結ケーブル体500の組み立てが完了する。
【0039】
そして図3において、スイッチ本体10は例えば図示しない回路基板上に設置されてその端子部61,71が回路基板に設けた取付孔を貫通して半田付けなどによって電気的・機械的に回路基板に取り付けられる。一方操作本体300は例えば図示しない電子機器の外装ケース近傍のシャーシにその取付孔317を用いて取り付けられ固定される。そしてスイッチ本体10の上面に連結ケーブル体500の一方のケーブル保持体570を載置し、その際ケーブル保持体570の各係止爪577をスイッチ本体10の各係止孔235にスナップイン係合にてワンタッチで取り付ける。このときスイッチ本体10のスイッチレバー111は第1,第2ケース部571,590内に露出している移動ケーブル503のレバー係止孔503aに挿入・係合される。次に操作本体300の下面に連結ケーブル体500の他方のケーブル保持体570を設置し、その際ケーブル保持体570の各係止爪577を操作本体300の各係止孔403にスナップイン係合にてワンタッチで取り付ける。このとき操作本体300の操作レバー341は第1,第2ケース部571,590内に露出している移動ケーブル503のもう一方のレバー係止孔503aに挿入・係合され、これによって図1,図2に示すスイッチ遠隔操作機構1が完成する。なお例えば予め一方のケーブル保持体570を取り付けたスイッチ本体10を回路基板上に取り付けておき、別途シャーシに単独で取り付けた操作本体300に他方のケーブル保持体570を取り付けるなどの手順によってスイッチ遠隔操作機構1を組み立ててもよい。
【0040】
そして現在、連結ピン371のカム係合部375が図11に示す非ロック位置a1にあるとする。このときスイッチ機構50は図9に示すように、圧縮バネ100の弾発力によって可動接触片90は可動接点97方向(前方)に向けて押し出すように弾発され、回転子80は図9に示す右方向に回転してその押圧部85aがスイッチ移動体110の押圧部挿入部133の押圧突部129側の側面に当接する。このとき可動接触片90の回転子係止部99は上昇位置にあり、また可動接点取付部95の上面はスイッチ移動体110の可動接触片当接部135に当接し、可動接点97は固定接点77から離れており、両端子部61,71間はオフになっている。つまりこのとき回転子80は係止突片89を中心に右回転方向に付勢され、可動接触片90は回転子係止部99を中心に左回転方向に付勢されている。
【0041】
次に図11に示す押圧部330の押圧操作レバー333を弾発バネ380の弾発力に抗して図11に示す矢印B1方向に押圧すれば、押圧部330は第1操作体ケース310内に押し込まれ、同時に操作レバー341によって移動ケーブル503全体が矢印B1方向に移動する。これによって図4に示すスイッチレバー111が移動ケーブル503によって駆動され、スイッチレバー111とともにスイッチ移動体110が矢印A1方向に移動する。そしてスイッチレバー111が図9に示す左方向(矢印A1方向)に移動していくと、前記押圧部85aが押圧突部129側の側面に押圧されて回転子80は圧縮バネ100の弾発力に抗して係止突片89を中心に左回りに回転してゆき、これによって前記可動接触片90の回転子係止部99の位置が下降し、所定の位置以下に下降すると、可動接触片90には前記圧縮バネ100による付勢力の方向が回転子係止部99を中心に左回転方向から右回転方向に変換され、これによって可動接触片90は右回転して可動接触片当接部135への当接が解除されるとともに可動接点97は固定接点77に当接し、スナップアクションにてスイッチがオンする。さらにもう少しスイッチ移動体110が左方向(矢印A1方向)に移動すると圧縮バネ100による回転子80への付勢力の方向も右回転方向から左回転方向に変換され、その瞬間に回転子80は自動的に左回転し、図10に示す状態になり、この状態に安定して保持される。このとき連結ピン371のカム係合部375は図11に示すロック位置a3にあるので、押圧部330及びスイッチ移動体110はこの位置に保持される。
【0042】
次に図11に示す押圧操作レバー333を図11に示す左方向(矢印B1方向)に押圧して少し移動した後に押圧操作レバー333への押圧を解除すると前記ロックが解除されて弾発バネ380の弾発力によって押圧部330は図11に示す右方向(矢印B2方向)に移動を始め、同時に図10に示すスイッチ移動体110も右方向(矢印A2方向)へ移動を始め、回転子80の押圧部85aがスイッチ移動体110の押圧部挿入部133の押圧突部131側の側面に押圧されて右回転してゆき、可動接触片90の回転子係止部99の位置が上昇し、所定の位置以上に上昇すると、回転子80に対する圧縮バネ100の付勢力の方向が左回転方向から右回転方向に変換され、略同時に可動接触片90に対する圧縮バネ100の付勢力の方向が右回転方向から左回転方向に変換され、これによって可動接触片90は図9に示す状態に戻り、可動接点97が固定接点77から離間して、スナップアクションにてスイッチがオフする。このとき連結ピン371のカム係合部375は図11に示す元の非ロック位置a1に戻る。
【0043】
以上説明したようにスイッチ遠隔操作機構1は、スイッチケース(第1,第2スイッチケース)11,210と、スイッチケース11,210内にスライド移動自在に収納されるスイッチ移動体110と、スイッチケース11,210内に設置され前記スイッチ移動体110のスライド移動によってオンオフ操作されるスイッチ機構50とを有し、前記スイッチ移動体110のスライド移動に連動するスイッチレバー111を前記スイッチケース11,210から突出してなるスイッチ本体10と、操作体ケース(第1,第2操作体ケース)310,400と、操作体ケース310,400内にスライド移動自在に収納される押圧部330と、押圧部330を操作体ケース310,400に押し込んだ位置でロックすると共に再度の同一方向への押圧によって前記ロックを解除するプッシュロック機構370とを有し、前記押圧部330のスライド移動に連動する操作レバー341を前記操作体ケース310,400から突出してなる操作本体300と、前記スイッチ本体10と前記操作本体300とを連結し、内蔵する移動ケーブル503の両端をそれぞれ前記スイッチレバー111と操作レバー341とに連結することで前記押圧部330の移動に連動してスイッチ移動体110をスライド移動させてスイッチ機構50を遠隔操作する可撓性を有する連結ケーブル501と、を具備し、連結ケーブル501の両端部に連結ケーブル501を収納するケーブル保持体570を取り付け、このケーブル保持体570は、このケーブル保持体570を取り付けるスイッチ本体10及び操作本体300に対してスナップイン係合にて取り付けられる構造となっている。
【0044】
このように構成したので、ケーブル保持体570のスイッチ本体10と操作本体300への取り付けがワンタッチで容易に行える。このため例えばスイッチ本体10や操作本体300をそれぞれ電子機器の所望の場所に設置した後に、電子機器内の狭い隙間などを通した移動ケーブル503の端部を容易にこれらスイッチ本体10や操作本体300に取り付けることができ、スイッチ遠隔操作機構1の設置作業が容易且つ正確に行えるようになる。
【0045】
なおこのスイッチ遠隔操作機構1においては、プッシュロック機構370を操作本体300に設置したが、その代りにプッシュロック機構370をスイッチ本体10に設置しても良い。またプッシュロック機構370の内のカム溝機構337と連結ピン371をスイッチ本体10に、弾発バネ380とバネ受け板390を操作本体300に分散して設置しても良い。
【0046】
またこのスイッチ遠隔操作機構1においては、スイッチ機構50が、スイッチケース11,210に固定される共通固定端子片60と、スイッチケース11,210に固定され固定接点77を有する固定端子片70と、共通固定端子片60に対して回動自在に係合され且つスイッチ移動体110の移動によって回転駆動される回転子80と、回転子80に対して回動自在に係合され且つ可動接点97を有する可動接触片90と、可動接触片90と共通固定端子片60間を弾発することで共通固定端子片60と回転子80と可動接触片90間の係合状態を維持すると同時に回転子80の回転位置に応じて可動接触片90の可動接点97と固定端子片70の固定接点77間をオンオフさせる圧縮バネ100とを具備して構成され、スイッチレバー111がスイッチケース11,210から突出する面の反対側の面から、共通固定端子片60の端子部61と固定端子片70の端子部71とを突出させた構成となっている。このように構成すれば、電源スイッチとして用いて好適な構造のスイッチ機構50を構成することができる。同時に回路基板上に載置されるスイッチケース11,210の面(端子部61,71を突出する側の面)の反対側の面に連結ケーブル501を取り付けることとなるので、スイッチレバー111への連結ケーブル501取り付け時に回路基板が邪魔にならず、連結ケーブル501のスイッチ本体10への取付作業が容易になる。
【0047】
またこのスイッチ遠隔操作機構1においては、移動ケーブル503にスイッチ本体10のスイッチレバー111と操作本体300の操作レバー341とをそれぞれ挿通して係止するレバー係止孔503aを設け、一方ケーブル保持体570は、移動ケーブル503の上下を挟んだ状態で一体化される第1,第2ケース部571,590を具備すると共に、第1,第2ケース部571,590の移動ケーブル503のレバー係止孔503aの上下に位置する部分にそれぞれレバー挿通孔573,591を設けて構成されている。このように構成すれば、ケーブル保持体570をスイッチ本体10や操作本体300にスナップイン係合にて取り付ける際は、スイッチ本体10のスイッチレバー111や操作本体300の操作レバー341をレバー挿通孔573,591とレバー係止孔503aに挿通するだけで良くなり、連結ケーブル501のスイッチ本体10や操作本体300への取り付け作業が容易になる。またケーブル保持体570は移動ケーブル503の上下を第1,第2ケース部571,590で挟持するだけの構造なので、ケーブル保持体570を薄く構成でき、このケーブル保持体570を電子機器内の狭い隙間に容易に通すことができ、また安価に構成できる。
【0048】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記スイッチ機構50の構造や、プッシュロック機構370の構造等を他の異なる各種構造としてもよい。またスイッチ本体10と操作本体300と連結ケーブル体500のそれぞれの組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0049】
また上記実施形態では連結ケーブル501として、帯状で細長い形状の移動ケーブル503を用い、これをケーブル保持体505にて保持する構造としたが、連結ケーブルとして他の各種構成のものを用いても良い。例えばカメラのレリーズ釦を操作するレリーズケーブルがある。即ち例えば移動ケーブルを1本の線材からなる小円柱形状で構成し、更にそれを覆う1本の線材からなる円筒形状の筒を有し、その筒の内部に前記移動ケーブルを移動可能に組み込んだ連結ケーブル等であっても良い。
【0050】
また上記実施形態では連結ケーブル501の両端にケーブル保持体570を取り付けたが、一方の端部にのみケーブル保持体570を取り付け、このケーブル保持体570をスイッチ本体10又は操作本体300の一方に対してのみスナップイン係合にて取り付ける構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】スイッチ遠隔操作機構1を上側から見た全体斜視図である。
【図2】スイッチ遠隔操作機構1を下側から見た全体斜視図である。
【図3】スイッチ遠隔操作機構1の分解斜視図である。
【図4】スイッチ本体10及びこれに取り付けられる連結ケーブル体500のケーブル保持体570の部分の概略断面図である。
【図5】スイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を上側から見た分解斜視図(上側の部品)である。
【図6】スイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を上側から見た分解斜視図(下側の部品)である。
【図7】スイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を下側から見た分解斜視図(上側の部品)である。
【図8】スイッチ本体10(ケーブル保持体570を含む)を下側から見た分解斜視図(下側の部品)である。
【図9】スイッチ機構50の動作説明図である。
【図10】スイッチ機構50の動作説明図である。
【図11】操作本体300及びこれに取り付けられる連結ケーブル体500のケーブル保持体570の部分の概略断面図である。
【図12】操作本体300(ケーブル保持体570を含む)を上側から見た分解斜視図である。
【図13】操作本体300(ケーブル保持体570を含む)を下側から見た分解斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 スイッチ遠隔操作機構
10 スイッチ本体
11 第1スイッチケース(スイッチケース)
50 スイッチ機構
60 共通固定端子片
61 端子部
70 固定端子片
71 端子部
77 固定接点
80 回転子
90 可動接触片
97 可動接点
100 圧縮バネ
110 スイッチ移動体
111 スイッチレバー
210 第2スイッチケース(スイッチケース)
300 操作本体
310 第1操作体ケース(操作体ケース)
330 押圧部
341 操作レバー
370 プッシュロック機構
400 第2操作体ケース(操作体ケース)
500 連結ケーブル体
501 連結ケーブル
503 移動ケーブル
503a レバー係止孔
570 ケーブル保持体
571 第1ケース部
573 レバー挿通孔
590 第2ケース部
591 レバー挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチケースと、スイッチケース内にスライド移動自在に収納されるスイッチ移動体と、スイッチケース内に設置され前記スイッチ移動体のスライド移動によってオンオフ操作されるスイッチ機構とを有し、前記スイッチ移動体のスライド移動に連動するスイッチレバーを前記スイッチケースから突出してなるスイッチ本体と、
操作体ケースと、操作体ケース内にスライド移動自在に収納される押圧部とを有し、前記押圧部のスライド移動に連動する操作レバーを前記操作体ケースから突出してなる操作本体と、
前記スイッチ本体と前記操作本体とを連結し、内蔵する移動ケーブルの両端をそれぞれ前記スイッチレバーと操作レバーとに連結することで前記押圧部の移動に連動してスイッチ移動体をスライド移動させてスイッチ機構を遠隔操作する可撓性を有する連結ケーブルと、
前記操作本体又はスイッチ本体の何れかに設置され前記押圧部を操作体ケースに押し込んだ位置でロックすると共に再度の同一方向への押圧によって前記ロックを解除するプッシュロック機構と、を具備し、
前記連結ケーブルの少なくとも一方の端部に連結ケーブルを収納するケーブル保持体を取り付け、このケーブル保持体は、このケーブル保持体を取り付ける前記スイッチ本体または操作本体に対してスナップイン係合にて取り付けられる構造となっていることを特徴とするスイッチ遠隔操作機構。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ遠隔操作機構において、
前記スイッチ機構は、スイッチケースに固定される共通固定端子片と、スイッチケースに固定され固定接点を有する固定端子片と、共通固定端子片に対して回動自在に係合され且つ前記スイッチ移動体の移動によって回転駆動される回転子と、回転子に対して回動自在に係合され且つ可動接点を有する可動接触片と、可動接触片と共通固定端子片間を弾発することで前記共通固定端子片と回転子と可動接触片間の係合状態を維持すると同時に回転子の回転位置に応じて可動接触片の可動接点と固定端子片の固定接点間をオンオフさせる圧縮バネとを具備して構成され、
前記スイッチレバーが前記スイッチケースから突出する面の反対側の面から、前記共通固定端子片の端子部と固定端子片の端子部とを突出させたことを特徴とするスイッチ遠隔操作機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスイッチ遠隔操作機構において、
前記移動ケーブルには前記スイッチ本体のスイッチレバーと前記操作本体の操作レバーとをそれぞれ挿通して係止するレバー係止孔を設け、
一方前記ケーブル保持体は、前記移動ケーブルの上下を挟んだ状態で一体化される第1,第2ケース部を具備すると共に、これに第1,第2ケース部の前記移動ケーブルのレバー係止孔の上下に位置する部分にそれぞれレバー挿通孔を設けて構成されていることを特徴とするスイッチ遠隔操作機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−33952(P2010−33952A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196413(P2008−196413)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】