説明

ストッパー部材

【課題】 突起部を取付け穴に挿入する際に必要な荷重を低減して、車体フレームへの固定作業を効率的に行うことができるストッパー部材を提供すること。
【解決手段】 突起部3には、スリット状空間が設けられているので、この突起部3を車体フレームBFの取付け穴41に挿入する場合には、突起部3の嵌め込み荷重を低減して、容易に嵌め込むことができる。その結果、突起部3を取付け穴41に挿入する際の作業性の向上を図ることができ、ストッパー部材1を車体フレームBFに固定する固定作業を効率的に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部とその本体部に一体的に形成される突起部とを備えると共に、その突起部を車体フレームの取付け穴に挿入することで車体フレームに固定され、車体フレームとメンバーとを連結するメンバーマウントの軸芯方向の変位を規制するために使用されるストッパー部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のストッパー部材は、車体フレームに設けられた取付け穴に突起部を挿入することで、その車体フレームに固定される。
【0003】
突起部は、車体フレームの取付け穴に挿入される略円柱状の挿入部と、その挿入部の先端側に先細の略円錐形状に形成される係止部とを備え、係止部の底面が挿入部よりも大径とされることで、ストッパー部材が車体フレームに対して固定される。
【0004】
また、このような取付け構造は、ストッパー部材に限らず、他の分野においても知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−293267号公報(図3など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の構成では、取付け穴への突起部の挿入作業が困難であり、作業性が悪いという問題点があった。即ち、この作業は、通常、手作業で行われるところ、係止部は取付け穴よりも大径とされるため、その嵌め込みに極めて大きな荷重が必要となり、作業性が悪化する。
【0006】
一方、嵌め込み荷重を低減して、その作業性を向上させるべく、係止部の最大径を小さくしたのでは、突起部(係止部)が取付け穴から抜け落ち易くなり、ストッパー部材を車体フレームに確実に固定することができなくなる。
【0007】
ここで、突起部(係止部)の先端に細線状体を一体に形成したストッパー部材がある。これによれば、細線状体を先に取付け穴に挿入し、その細線状体を車体フレームの反対側から引っ張ることで、取付け穴への突起部の挿入を補助することができる。
【0008】
しかしながら、このような構成では、細線状体を形成する分だけゴム材料の使用量が増加して、材料コストが嵩むという問題点があった。また、細線状体には、車体フレームの厚み以上の長さが必要となるため、加硫成形時の金型が大型化して、金型コストが嵩むという問題点があった。
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、突起部を取付け穴に挿入する際に必要な荷重を低減して、車体フレームへの固定作業を効率的に行うことができるストッパー部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、請求項1記載のストッパー部材は、本体部とその本体部に一体的に形成される突起部とを備えると共に、その突起部を車体フレームの取付け穴に挿入することで前記車体フレームに固定され、前記車体フレームとメンバーとの間に介装されるメンバーマウントの軸芯方向の変位を規制するために使用されるものであり、前記本体部は、その略中心部に開口され前記メンバーマウントの内筒が挿通される開口部と、その開口部の周縁部から前記本体部の外周縁まで延設されると共に前記車体フレーム側の面に凹設される溝部とを備え、前記突起部は、前記車体フレームの取付け穴に挿入される略円柱状の挿入部と、その挿入部の先端側に先細の略円錐形状に形成されると共に前記挿入部よりも大径の底面を有する係止部と、その係止部の先端側から前記係止部の底面を越える位置まで前記突起部の軸芯方向へ向けてスリットを延設して形成されるスリット状空間とを備えている。
【0011】
請求項2記載のストッパー部材は、請求項1記載のストッパー部材において、前記溝部は、前記開口部の周縁部から前記本体部の外周縁まで略直線状に延設されるものであり、その溝部の延設方向が、前記突起部の軸芯方向視において、前記スリット状空間を形成する前記スリットの長手方向と略平行に構成されている
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のストッパー部材によれば、突起部は、係止部の先端側からスリットを延設して形成されるスリット状空間を備えるので、そのスリット状空間の分だけ係止部が変形するための空間を確保することができる。即ち、スリット状空間を挟んで対向する一対の係止部を互いに近接する方向へ変形させて、突起部全体としての径を縮径させることができる。
【0013】
よって、突起部を車体フレームの取付け穴に挿入する場合には、突起部(係止部)を取付け穴へ嵌め込む際の荷重を低減して、容易に嵌め込むことができるので、その作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【0014】
また、このように、突起部(係止部)を取付け穴へ嵌め込む際の荷重を低減することができれば、その挿入作業性の向上を図りつつも、係止部の底面をより大径に形成することができるので、係止部が取付け穴から抜け落ちることをより抑制することができる。その結果、挿入作業性の向上と、ストッパー部材の車体フレームへの固定の確実化という相反する要求を同時に満足することができるという効果がある。
【0015】
なお、スリットは、係止部の先端部から係止部の底面を越える位置まで延設されているので、スリット状空間を挟んで対向する一対の係止部を互いに近接する方向へより容易に変形させることができる。その結果、係止部の変形による挿入作業性の向上と、それに伴って可能となる係止部の大径化による抜け落ちの抑制という作用をより確実に奏することができるという効果がある。
【0016】
また、突起部にスリット状空間を設けることで、加硫成形用の金型からのストッパー部材の脱型性、特に、突起部の脱型性の向上を図ることができるという効果がある。
【0017】
即ち、従来のストッパー部材では、量産工程における工数軽減と金型構造の簡素化とに鑑み、通常、突起部を金型から軸芯方向へ無理抜きするのが一般的であった。そのため、かかる無理抜き時の作業性の悪化や突起部の破損が問題となっていた。
【0018】
これに対し、本発明のストッパー部材によれば、スリット状空間を中子型で成形するように構成し、中子型を先に取り外してから突起部を金型から無理抜きすることで、スリット状空間を挟んで対向する一対の係止部を互いに近接する方向へ変形させて、突起部を破損させることなく金型から容易に脱型させることができる。
【0019】
ところで、車両の走行などにより、メンバーマウントの外筒が内筒に対して大きく相対変位して、そのメンバーマウントの外筒が軸芯方向に大きく上下動した場合には、メンバーマウントの外筒(又は、その外筒が圧入されるメンバー側の外筒)とストッパー部材との衝突・離間が繰り返される。
【0020】
この場合、従来のストッパー部材では、衝突の際に外筒とストッパー部材との間に押し込められた空気の逃げ道がないため、外筒がストッパー部材から離間する際には、圧縮された空気が急激に開放され、その開放に伴う開放音により異音が発生するという問題点があった。
【0021】
これに対し、本発明のストッパー部材によれば、開口部の周縁部から本体部の外周縁まで延設される溝部を備えているので、外筒の衝突に伴って押し込められた(圧縮された)空気を外部に円滑に逃がすことができ、その結果、圧縮空気の開放音に起因する異音の発生を確実に抑制することができるという効果がある。
【0022】
更に、この溝部は、車体フレーム側の面に凹設されているので、溝部のエッジが外筒のエッジにより直接押圧されることを回避することができる。その結果、応力集中による亀裂の発生を抑制して、ストッパー部材全体としての耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
【0023】
請求項2記載のストッパー部材によれば、請求項1記載のストッパー部材の奏する効果に加え、溝部は、開口部の周縁部から本体部の外周縁まで略直線状に延設されるものであり、その溝部の延設方向が、突起部の軸芯方向視において、スリット状空間を形成するスリットの長手方向と略平行に構成されている。よって、金型を溝部の延設方向(即ち、スリットの長手方向)にスライドさせるだけで、ストッパー部材(突起部)を金型から容易に脱型することができ、スリット状空間を形成するための中子型などを別途用いる必要がない。その結果、金型の構造を簡素化して、金型コストの削減を図ることができるので、その分、ストッパー部材全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例におけるストッパー部材1の使用状態を示す断面図である。まず、図1を参照して、ストッパー部材1の使用状態について説明する。
【0025】
ストッパー部材1は、車体フレームBFとメンバーMとの間に介装されたメンバーマウント10の軸芯方向(図1上下方向)の変位を規制するために使用される部材であり、図1に示すように、突起部3を車体フレームBFの取付け穴41に挿入することで、車体フレームBF上に固定されている。なお、メンバーMには、エンジン(図示せず)が支持されている。
【0026】
メンバーマウント10は、図1に示すように、アルミ合金や鉄の鍛造品などから略円柱状に形成される内筒11と、その内筒11の外周側に同軸状に配置され鉄鋼材料などから形成される外筒12と、それら内筒11及び外筒12を連結すると共にゴム状弾性体から形成される防振基体13とを備えて構成されている。
【0027】
メンバーマウント10は、図1に示すように、メンバーMの圧入穴51内に外筒12を圧入固定すると共に、車体フレームBFの挿入穴42から内筒11の内周側に挿入した締結ボルト(図示せず)の先端にナット(図示せず)を螺号して、内筒11を車体フレームBFに固定する。これにより、メンバーMと車体フレームBFとがメンバーマウント10を介して連結される。
【0028】
このように配置されたメンバーマウント10に対して軸芯方向(図1上下方向)への振動が入力されると、外筒12が内筒11に対して相対的に上下動する。そして、比較的大きな振幅の振動が入力された場合には、メンバーM(圧入穴51の下端)がストッパー部材1へ当接され、これにより、メンバーマウント10の軸芯方向への変位が過大となることを規制すると共に、メンバーMと車体フレームBFとの直接接触に起因する異音の発生を回避することができる。
【0029】
次に、図2及び図3を参照して、ストッパー部材1の詳細構成について説明する。図2(a)は、ストッパー部材1の底面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線におけるストッパー部材1の断面図である。また、図3は、図2(a)のIII−III線におけるストッパー部材1の断面図である。
【0030】
ストッパー部材1は、上述したように、メンバーマウント10の変位を規制するための部材であり、図2に示すように、本体部2と突起部3とがゴム状弾性体から一体的に加硫成形されている。
【0031】
本体部2は、図2に示すように、全体に一定の厚みを有すると共に、軸芯Oを有する略円板状に形成されており、その略中心部には、開口部2aが略円形に開口形成されている。これにより、本体部2は、略円環状に形成される。なお、開口部2aには、メンバーマウント10の内筒11が挿通される(図1参照)。
【0032】
本体部2の底面(車体フレームBF側の面、図2(a)紙面手前側)には、複数本(本実施例では2本)の溝部2bが凹設されている。この溝部2bは、圧縮空気を逃がすための通路となる溝であり、開口部2aの周縁部から本体部2の外周縁まで略直線状に延設されている。なお、2本の溝部2bは、本体部2の軸芯Oを通過する仮想線上に位置するように周方向に略180°離間して配設されている。
【0033】
ここで、車両の走行などにより、メンバーマウント10の外筒12が内筒11に対して大きく相対変位した場合には、メンバーMとストッパー部材1との衝突・離間が繰り返される(図1参照)。
【0034】
この場合、従来のストッパー部材では、衝突の際にメンバーマウントとの間に押し込められた空気の逃げ道がないため、メンバーMがストッパー部材から離間する際には、圧縮された空気が急激に開放され、この開放に伴う開放音により異音が発生するという問題点があった。
【0035】
これに対し、本発明のストッパー部材1によれば、図2に示すように、開口部2aの周縁部から本体部2の外周縁まで延設される溝部2bを備えているので、メンバーMの衝突に伴って押し込められた空気を、溝部2bを介して、外部に円滑に逃がすことができ、その結果、圧縮空気の開放音に起因する異音の発生を確実に抑制することができる。
【0036】
なお、この溝部2bは、車体フレームBF(図1参照)側となる面(図2(a)紙面手前側)に凹設されているので、溝部2bのエッジがメンバーM(圧入穴51の下端面、図1参照)のエッジにより直接押圧されることが回避される。よって、応力集中による亀裂の発生を抑制することができ、その結果、ストッパー部材1全体としての耐久性の向上を図ることができる。
【0037】
また、溝部2bは、図3に示すように、断面視略半円の円弧状に形成されると共に、そのエッジ(本体2の底面との稜線部)も円弧状に湾曲して形成されている。その結果、上記したように、メンバーM(図1参照)によって押圧された場合でも、溝部2b近傍の変形を円滑化して、応力集中による亀裂の発生を抑制することができる。
【0038】
突起部3は、図2に示すように、本体部2の車体フレームBF(図1参照)側となる面(図2(b)上側面)から複数本(本実施例では2本)が突出され、これら2本の突起部3は、本体部2の軸芯Oを通過する仮想線上に位置するように、周方向に略180°離間して配設されている。
【0039】
なお、突起部3が位置する仮想線は、上記した溝部2bが位置する仮想線と略直交する。また、請求項1及び2に記載した突起部3の軸芯方向とは、突起部3の突出方向(図2(b)上下方向)を意味し、本体部2の軸芯O方向と平行である。
【0040】
突起部3は、図2に示すように、挿入部3aと、係止部3bと、スリット状空間3cとを備えて構成されている。挿入部3aは、車体フレームBFの取付け穴41(図1参照)に挿入される部位であり、図2に示すように、略円柱状に形成されている。
【0041】
係止部3bは、車体フレームBFの取付け穴41(図1参照)からの抜け止め機能を担う部位であり、図2に示すように、挿入部3aの先端側(図2(b)上側)において先細の略円錐形状に形成されている。なお、係止部3aの底面3b1は、挿入部3a及び取付け穴41(図1参照)よりも大径に構成されている。
【0042】
スリット状空間3cは、突起部3全体の変形を容易とするための空間であり、図2に示すように、係止部3bの先端部(図2(b)上側)から係止部3bの底面3b1を越え、かつ、挿入部3aの基部(図2(b)下側)に達しない位置まで、突起部3の軸芯方向(図2(b)上下方向)へ向けてスリットを延設することで形成されている。これにより、係止部3bがスリット(スリット状空間3c)を挟んで径方向(図2左右方向)に2分割されている。
【0043】
このように、突起部3にスリット状空間3cを設けたので、このスリット状空間3cの分だけ、係止部3bの変形に要する空間を確保することができる。即ち、スリット状空間3cを挟んで対向する一対の係止部3bを互いに近接する方向へ容易に変形させて、突起部3全体としての径を縮径させることができる。
【0044】
よって、突起部3を車体フレームBFの取付け穴41(図1参照)に挿入する場合には、突起部3(係止部3b)を取付け穴41へ嵌め込む際の荷重を低減して、その嵌め込み(挿入)を容易とすることができるので、突起部3を取付け穴41に挿入する際の作業性の向上を図ることができる
また、このように、突起部3(係止部3b)を取付け穴41へ嵌め込む際の荷重を低減することができれば、その挿入作業性の向上を図りつつも、係止部3bの底面3b1をより大径に形成することができるので、係止部3bが取付け穴41から抜け落ちることをより確実に抑制することができる。その結果、挿入作業性の向上と、ストッパー部材1の車体フレームBFへの固定の確実化という相反する要求を同時に満足することができる。
【0045】
なお、スリットは、図2(b)に示すように、係止部3bの先端部から係止部3bの底面3b1を越える位置まで延設されているので、係止部3bの変形をより容易として、挿入作業性の向上と、それに伴って可能となる係止部3bの底面3b1の大径化による抜け落ちの抑制という作用をより確実に奏することができる。
【0046】
また、スリットの延設長さは、図2(b)に示すように、係止部3bの底面3b1を越え、かつ、挿入部3aの基部(図2(b)下側)に達しない位置までとされているので、突起部3全体としての剛性を確保して、係止部3bの過大な変形を抑制することができる。その結果、取付け穴41(図1参照)への挿入性を確保しつつ、その取付け穴41からの抜け落ち防止もより確実に達成することができる。
【0047】
更に、本発明のストッパー部材1では、突起部3にスリット状空間3cを設けることで、加硫成形用の金型からの脱型性、特に、突起部3の脱型性の向上を図っている。
【0048】
即ち、従来のストッパー部材では、量産工程における工数軽減と金型構造の簡素化に鑑み、通常、突起部3を金型から軸芯方向へ無理抜きするのが一般的であった。そのため、かかる無理抜き時の作業性の悪化や突起部の破損が問題となっていた。
【0049】
これに対し、本発明のストッパー部材1によれば、スリット状空間3cを中子型で成形するように構成し、中子型を先に取り外してから突起部3を本体金型から軸芯方向へ無理抜きすることで、スリット状空間3cを挟んで対向する一対の係止部3bを互いに近接する方向へ変形させて、突起部3を破損させることなく本体金型から容易に脱型させることができる。
【0050】
なお、ストッパー部材1の加硫成形用の金型は、突起部3を軸芯方向へ無理抜きする構成に限られるものではなく、本体部2の径方向(例えば、図2の上下方向)にスライドするスライドタイプで構成しても良い。
【0051】
即ち、本発明のストッパー部材1は、図2(a)に示すように、その底面視において、溝部2bが略直線状に延設されると共に、その溝部2bの延設方向が突起部3のスリット状空間3c(スリット)の長手方向(開口方向、図2(a)上下方向)と略平行に構成されている。
【0052】
よって、金型を溝部2bの延設方向(即ち、スリット状空間3cの長手方向、図2(a)上下方向)にスライドさせる構成とすることができ、この場合には、スリット状空間3cを形成するための中子型などを別途用いる必要がない。よって、金型の構造を簡素化して、金型コストの削減を図ることができ、その分、ストッパー部材1全体としての製品コストの削減を図ることができる。
【0053】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定される物ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0054】
例えば、上記実施例では、メンバーMがエンジンを支持する支持体として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、車輪を支持するサスペンションメンバーとしてメンバーMを構成することは当然可能である。
【0055】
また、上記実施例では、ストッパー部材1にメンバーM(圧入穴51の下端)が当接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ストッパー部材1にメンバーマウント10の外筒12が当接するように構成することは当然可能である。
【0056】
また、上記実施例では、ストッパー部材1が2本の溝部2bと2本の突起部3とを備えて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これらの配設本数を適宜変更することは当然可能である。同様に、これらの配設位置も適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例におけるストッパー部材の使用状態を示す断面図である。
【図2】(a)は、ストッパー部材の底面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線におけるストッパー部材の断面図である。
【図3】図2(a)のIII−III線におけるストッパー部材の断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ストッパー部材
2 本体部
2a 開口部
2b 溝部
3 突起部
3a 挿入部
3b 係止部
3b1 底面(係止部の底面)
3c スリット状空間
10 メンバーマウント
11 内筒
12 外筒
M メンバー
BF 車体フレーム
41 取付け穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部とその本体部に一体的に形成される突起部とを備えると共に、その突起部を車体フレームの取付け穴に挿入することで前記車体フレームに固定され、前記車体フレームとメンバーとの間に介装されるメンバーマウントの軸芯方向の変位を規制するために使用されるストッパー部材において、
前記本体部は、その略中心部に開口され前記メンバーマウントの内筒が挿通される開口部と、その開口部の周縁部から前記本体部の外周縁まで延設されると共に前記車体フレーム側の面に凹設される溝部とを備え、
前記突起部は、前記車体フレームの取付け穴に挿入される略円柱状の挿入部と、その挿入部の先端側に先細の略円錐形状に形成されると共に前記挿入部よりも大径の底面を有する係止部と、その係止部の先端側から前記係止部の底面を越える位置まで前記突起部の軸芯方向へ向けてスリットを延設して形成されるスリット状空間とを備えていることを特徴とするストッパー部材。
【請求項2】
前記溝部は、前記開口部の周縁部から前記本体部の外周縁まで略直線状に延設されるものであり、
その溝部の延設方向が、前記突起部の軸芯方向視において、前記スリット状空間を形成する前記スリットの長手方向と略平行に構成されていることを特徴とするストッパー部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−96093(P2006−96093A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282276(P2004−282276)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】