説明

スライドスイッチ

【課題】スライドスイッチにおいて可動接点の磨耗を抑制するとともに、スイッチ全体の小型化を可能にする。
【解決手段】3本の固定接点7をケースボディ3の下壁3b上に1方向に順次離間させて平行に配置する。可動接点30は両側の固定接点7a、7cに向かって延び固定接点と平行な第1接片36a、36bの先端縁を当該固定接点との接触面とし、中央の固定接点7bに対しては当該固定接点を横切る方向の第2接片37の先端折り返し部分を接触面とする。可動接点30のスライド方向に固定接点7a、7cが隣接していないから第1接片36a、36bの磨耗が少なく、固定接点間に分断壁8を設けたことも加わって、磨耗粉による絶縁性低下のおそれがない。また、第1接片36a、36bの接触面は板厚分の細いものであるから、固定接点の幅寸法を小さくして全体サイズを抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定接点と可動接点との摺接によりスイッチ作用を行うスライドスイッチの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドスイッチとして、特開平5−325731号公報に示されたものがある。
これは、図6に示すように、基盤50上に軸穴51を中心とする2列の円弧状の固定接点56、57が軸穴からの半径を異ならせて平行に設けられ、軸穴51を中心として回動する可動盤60(図7参照)に設けた可動接点62(図7参照)が2列の固定接点56、57に接触可能に配置されて1組のスイッチ組とされている。ここでは軸穴51からの半径方向に3組のスイッチ組55A、55B、55Cが設けられ、全体として扇形状をなしたものを示している。
【0003】
1組のスイッチ組55Aを例に挙げると、一方の固定接点56は可動盤の回動範囲の全長(周方向)にわたって連続しているが、他方の固定接点57は周方向にそって分離区間を挟んで例えば第1固定接点57aと第2固定接点57bに分かれている。
図7は可動接点と固定接点の回りの要部断面を示し、図8は可動接点の斜視図である。可動接点62は板片をU字形に折り曲げてその曲げ部63を固定接点56、57に対する接触面とする一方、開放端側にはスプリング受け部64を備えている。可動接点62は基盤50と対向する可動盤60の接点保持部61に保持され、スプリング受け部64と接点保持部61の底壁間に設けられたスプリング65により接触面が固定接点56、57に押圧されるように付勢されている。
【0004】
なお、固定接点56、57は樹脂製の基盤50にモールドされるが、可動接点62の接触面には、固定接点56、57の縁部に発生するおそれのある基盤のバリに乗り上げて固定接点との接触不良を生じるのを避けるため、固定接点56、57の縁部に対応する部位に切欠き67を設けてある。
以上のスイッチ組55によれば、可動盤60の回動により1つの可動接点62が2列の固定接点56、57上を摺接しながらスライドし、例えば一方の固定接点56を可動接点62を介して第1固定接点57aまたは第2固定接点57bと接続する1回路2接点切り替えスイッチが構成される。
【特許文献1】特開平5−325731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したように、可動接点62が摺接する相手方の固定接点が可動接点のスライド線上で第1固定接点57aおよび第2固定接点57bというように複数に分かれている構造では、可動接点62が分離区間を通過する際に少なくとも1回は第1固定接点57aまたは第2固定接点57bの端縁に乗り上げることになるため、可動盤60の1往復の作動において2回は負荷を受けて、可動接点62の磨耗が早期に進み、接触信頼性の確保が困難になるとともに、磨耗粉により固定接点間の絶縁性低下を招いてアークが発生し易くなるなどの問題があった。
【0006】
そこで、可動接点のスライド線上に第1固定接点57aと第2固定接点57bを直列に並べる代わりに、第1固定接点57aと第2固定接点57bを軸穴からの半径を異ならせて配置すれば、可動接点62の各固定接点との接触部位はそれぞれ対応する第1固定接点57aあるいは第2固定接点57bとのみ摺接するから固定接点の端縁への乗り上げも可動盤の1往復において半減させることができる。
しかし、平行に延びる固定接点間ではアークの発生を防止しなければならず、可動接点と固定接点の摺接による磨耗粉の発生も考慮すると、各固定接点間には所定の間隔が必要であり、固定接点の列方向におけるスイッチ全体のサイズが増大するという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、可動接点の磨耗が抑制されるとともに、スイッチ全体の小型化が可能なスライドスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明は、スライドスイッチにおいて、1つの可動接点が摺接すべき複数の固定接点を1方向に順次離間させて平行に基盤上に配置し、可動接点は固定接点の延び方向に平行でかつ選択された固定接点に向かって延びる板部の先端縁を当該固定接点との接触面とする第1の接片を備えるものとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、固定接点が直列配置でなく互いに平行であるため、可動接点の固定接点と摺接する各接片のスライド線上には1つの固定接点しかないから、スライド往復時に固定接点に乗り上げる回数が減り、接触面の磨耗が抑制される。またスライド方向に固定接点が隣接していないから磨耗粉による絶縁性低下のおそれもない。
そして、第1の接片は板部の先端縁を接触面としているので、固定接点の列方向における可動接点および固定接点の幅寸法を小さくでき、固定接点を平行に配置するにもかかわらずスイッチ全体のサイズを小さく抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態は、可動接点を直線移動させるタイプのスライドスイッチに発明を適用したものである。
図1は実施の形態の構成を示す縦断面図である。
スライドスイッチ1は、内部にスイッチ機構を収納するケース2として、樹脂製のケースボディ3と金属または樹脂製のケースキャップ4からなっている。
ケースボディ3はケースキャップ4側の一端が開口し、他端に端壁3aを有している。ケースボディ3内において、下壁3bには軸方向に延びる3本の固定接点7がモールドされている。これらの固定接点7は下壁3b上では互いに離間かつ平行に延びて、後述する可動接点との摺接面を内部空間に露出させている。個別の固定接点の配置については後述する。
図1には省略しているが、露出した固定接点7間には下壁3bから所定高さの分断壁8(後掲の図2、図5参照)が立ち上がっている。
【0011】
3本の固定接点7はそれぞれクランク状に曲げられて端壁3a内を通り、端壁3aの中央付近から後方(外方)へ突き出て、図示しないコネクタとの接続端子となっている。
端壁3aには内部に向けて突出するスプリングガイド15が設けられている。
また、ケースボディ3の上壁3cには後述するスライダブロック21のレール部23に整合するガイド溝9(図2参照)が形成されている。
【0012】
ケースキャップ4はケースボディ3の開口端部に結合するフランジ部5と、フランジ部5からケースボディ3と反対側へ延びるロッド保持部6とからなっている。
フランジ部5はケースボディ3の開口端部を嵌め込む筒部5aを有し、筒部5aの開口縁をケースボディ3とカシメて結合される。
ロッド保持部6の外周には取付け用のネジ6bが形成されている。
ロッド保持部6に形成された軸穴6aにはロッド10が挿通されている。
【0013】
ロッド10はケースボディ3側寄りにフランジ状のストッパ11を備え、ストッパ11を軸穴6aのケースボディ3側開口端面に当接させることにより、ロッド保持部6からロッド先端が外方へ突出する量が規制されるようになっている。
なお、ケースボディ3とフランジ部5の間には、軸穴6aからの水等がケースボディ3内に侵入しないように、シールのため軟性材のベローズ13が設けられている。ベローズ13は、その外周縁をケースボディ3の開口端縁とフランジ部5の間に挟まれるとともに、中心部が後述するスライダブロック21からロッド10方向に延びる突起26とロッド10のストッパ11との間に挟まれている。
【0014】
ケースボディ3内には、スライドユニット20が設けられている。図2はスライドユニットの横断面図である。
スライドユニット20はスライダブロック21と、これに支持された可動接点30を備える。
スライダブロック21は、外形の基本形状が直方体で、図中下方に開口したスプリング受け穴22を有し、上壁には一定幅のレール部23を有している。また左右の側壁にはガイド突起24が設けられている。スライダブロック21の前壁には前述の突起26が突出し、後壁には、図3に示すように、スプリングガイド25が突出している。
【0015】
可動接点30は、図4の斜視図に示すように、板材を折り曲げた接点本体31と、接点本体のベース部32に固定されたスプリングガイド33からなる。
接点本体31は、ほぼ矩形のベース部32の左右の辺縁からそれぞれ直角に上方(上壁3c側)へ延びる連結部34(34a、34b)と、ベース部32の連結部34に隣接して同じ左右の辺の延長部分の辺縁からそれぞれ直角に下方(下壁3b側)へ延びる第1接片36(36a、36b)と、ベース部32における連結部34を挟んで第1接片36と反対側で左右の辺縁に直交する辺縁から直角に下方へ延びる第2接片37とを備えている。
なお、可動接点30をケース2内に配置したとき、上記のベース部32の左右の辺縁は固定接点7の延び方向に平行な辺、上記の左右の辺縁に直交する辺縁は固定接点7を横切る方向の辺となる。
【0016】
連結部34は、矩形の穴35を有しており、穴35のベース部32の面と平行な方向の幅寸法は、スライダブロック21のガイド突起24の幅と整合させてあり、穴35のベース部32の面に垂直な上下方向の寸法はガイド突起24の厚さに対して十分大きい。これにより、可動接点30はガイド突起24を穴35に係合させた状態でスライダブロック21に対して上下方向に相対変位可能である。
第1接片36はそれぞれ下方の先端の板面形状を円弧としてある。
第2接片37は、ベース部32から下方へ延びたあと、逆向きかつ第1接片36から遠のく側へ折り返して、先端がベース部32の高さ近傍で終わっている。折り返し部分38の外周面の最大高さ(ベース部32からの距離)は第1接片36の最大長さと同一に設定してある。
【0017】
連結部34a、34b間の間隔はスライダブロック21の左右幅に整合し、図5に示すように、第1接片36a、36b間の間隔はケースボディ3の3本の固定接点7のうちの両側2本(7a、7c)の各幅の中心間の距離に整合するように設定されている。そして、第2接片37は第1接片36a、36bを両側2本の固定接点7a、7cの各幅の中心に位置させたとき中央の固定接点7bの幅内に位置するように、その幅寸法と位置を設定してある。
【0018】
スプリングガイド33は両連結部34a、34b間の中央位置に配置されている。
スライダブロック21と可動接点30の間には、スライダブロック21のスプリング受け穴22に収納され、可動接点30側ではベース部32のスプリングガイド33に位置決めされて、スプリング40が設けられる。
【0019】
以上のように構成されたスライドユニット20は、スライダブロック21のレール部23をケースボディ上壁3cのガイド溝9に嵌めこむとともに、可動接点30の第1接片36、第2接片37を対応する固定接点上に乗せて、ケースボディ3内に配置される。
なお、固定接点間の分断壁8の所定高さは、固定接点7の幅寸法程度とするが、固定接点上に乗せた可動接点30のベース部32に干渉しない範囲で、できるだけ高いほうが好ましい。
【0020】
ケースボディ3内では、スライダブロック21の上壁がケースボディ3の上壁3cに規制され、スライダブロック21と可動接点30間のスプリング40が所定量圧縮されて、これにより可動接点の第1接片36、第2接片37を固定接点7へ付勢している。
なお、可動接点30の板厚や、第1接片36、第2接片37の先端の円弧径、第2接片の折り曲げ径は、上記スプリング40の付勢力を考慮して、第1接片36、第2接片37と固定接点7間の各面圧を所定範囲に確保できるように選択する。
【0021】
スライドユニット20がケースボディ3の端壁3aから所定距離だけ離間した初期位置において、ストッパ11を軸穴6aの開口端面に当接させたロッド10の後端がスライダブロック21の前壁の突起26に当接している。スライダブロック21の後壁とケースボディ3の端壁3aの間にはそれぞれのスプリングガイド25、15に位置決めされてリターンスプリング16が設けられ、自由状態ではリターンスプリング16の付勢力により上記の初期位置が保持される。図1はこの初期位置の状態を示している。
【0022】
そして、ロッド保持部6から突出したロッド10の先端を押し込むことにより、リターンスプリング16に抗してスライドユニット20を初期位置から後方(ケースボディの端壁3a方向)へスライドさせることができる。スライドユニット20のスライドは固定接点7に対する可動接点30の第1接片36、第2接片37の摺接動作となる。
【0023】
固定接点7(7a、7b、7c)は、図5に示すように、1方向に順次離間させて平行に配置されている。
中央の固定接点7bはスライドユニット20(したがって可動接点30)のスライド範囲の全領域にわたって第2接片37が摺接可能に連続した長さを有している。これを挟む一方の固定接点7aはスライドユニット20のスライド範囲前半の限定された範囲でのみ一方の第1接片36aが摺接可能な長さに設定され、他方の固定接点7cはスライド範囲後半の限定された範囲でのみ他方の第1接片36bが摺接可能な長さに設定されて、両方の第1接片36a、36bが同時には固定接点7aと7cとに接触しないようになっている。
【0024】
以上のように構成されたスライドスイッチ1は、ロッド保持部6の外周に形成されたネジ6bを利用して図示しないブラケットなどに取り付けられ、例えば自動変速機のセレクトレバーに連結された図示しないリンケージにロッド10の先端を臨ませる。
図1に示した初期位置では、図5に実線で示すように、可動接点30の第1接片36aが固定接点7a上に位置し、他方の第1接片36bは固定接点7cの範囲外にある。この結果、可動接点30は第1接片36aと第2接片37を介して固定接点7aと固定接点7bを接続する。
【0025】
次に、自動変速機のセレクトレバーが操作されてリンケージによりロッド10の先端が押され、ロッド10が所定量押し込まれると、可動接点30が図5に仮想線で示す位置へスライドして、第1接片36aが固定接点7aの範囲から外れ、代わりに他方の第1接片36bが固定接点7c上に位置することになる。この結果、可動接点30は第1接片36bと第2接片37を介して固定接点7cと固定接点7bを接続する。
これにより、第2接片37との接続接点が切り替わるので、スライドスイッチ1に接続された制御装置等ではセレクトレバーが特定のポジションへ操作されたことを判断することができる。
【0026】
本実施の形態では、ケースボディの下壁3bが発明における基盤に該当し、スプリング40が第1の付勢手段に、そしてリターンスプリング16が第2の付勢手段に該当する。
また、固定接点7bが常接固定接点に該当し、固定接点7a、7cが切り替え固定接点に該当する。
【0027】
実施の形態は以上のように構成され、3本の固定接点7をケースボディ3の下壁3b上に1方向に順次離間させて平行に配置するとともに、可動接点30は固定接点7の延び方向に平行でかつ両側2本の固定接点7a、7cに向かって延びる第1接片36a、36bの先端縁を固定接点7a、7cとの接触面とするものとした。
したがって、第1接片36のスライド線上にはそれぞれ1つの固定接点しかないから、スライド往復時に固定接点に乗り上げる回数が減り、接触面の磨耗が抑制される。
また第1接片36のスライド方向に固定接点7a、7cが隣接していないから磨耗粉による絶縁性低下のおそれもない。
そして、第1接片36の接触面は板厚分のきわめて細いものであり、固定接点の列方向における可動接点30および固定接点7の幅寸法を小さくでき、これにより、固定接点を平行に配置するにもかかわらずスイッチ全体のサイズを小さく抑えられる。
【0028】
第1接片36は先端の板面形状を弧状としてあるので、固定接点7a、7cの摺接面をケースボディ3の下壁3bの面より高く設定してあっても滑らかに乗り上げることができ、摺接面上でも円滑にスライドする。
また、可動接点30は板材を用いて、第1接片36は矩形のベース部32の辺から折り曲げて形成しているので、簡単なプレス成形により低コストで製作できる。
【0029】
可動接点30のスライド範囲の全域にわたって延びる固定接点7bと摺接する第2接片37は、対向する辺に直角の辺から第1接片36と同方向に折り曲げてその先端を折り返して形成することにより、固定接点7bとの接触面積が大きくなり面圧が小さくなるので、固定接点7bに常接しても高い耐磨耗性を確保できる。
【0030】
また、隣接する固定接点7a、7b、7cの間には、下壁3bから立ち上がる分断壁8が設けられているので、平行に延びる固定接点間の間隔を狭めてもアークが発生せず、あるいは磨耗粉の堆積による絶縁不良を招くこともない。したがって、固定接点の列方向におけるスイッチサイズの一層の小型化が図れる。
【0031】
ケース2内ではまた、スライダブロック21が、そのガイド突起24と可動接点30の連結部34の穴35との係合により、固定接点7の延び方向に可動接点30と一体移動可能とされ、スライダブロック21と可動接点30のベース部32間に設けられたスプリング40により、可動接点30を下壁3b側へ付勢しているので、可動接点の各接片36、37が対応する固定接点に押し付けられて確実な通電が得られる。
【0032】
固定接点7の延び方向と平行にケース2を貫通して、一端がケースの外部へ延び他端がスライダブロック21の一端に当接するロッド10を備えるとともに、スライダブロック21をロッド10側へ付勢するリターンスプリング16を有しているので、ロッド10をその軸方向にストロークさせる直線操作でスイッチ作用を得る簡単構成のスライドスイッチが実現する。
【0033】
実施の形態では平行に延びる3本の固定接点のうち中央の固定接点7bをスライド範囲の全部にわたって連続する常接固定接点とし、その両側の固定接点7a、7cをスライド範囲の一部領域にのみ延びる切り替え固定接点としたが、外側の一方の固定接点を常接固定接点としてもよい。
また、第2接片37は固定接点7を横切る方向の板面をなして先端の折り返し部分38を固定接点との接触面として耐磨耗性を高くしているが、要求仕様によってはこれも第1接片36と同様に固定接点7の延び方向に平行な板面をなして先端縁を固定接点との接触面としてもよい。
【0034】
さらには、固定接点7は3本として、2接点切り替えの例について示したが、これに限定されず、固定接点を互いに平行な4あるいは5本などにするとともに、第1接片36などの数を対応して増すことにより、1回路3あるいは4接点切り替えのスライドスイッチとすることができる。この場合、対応する接片と固定接点とをそれぞれ確実に接触させるために、図2等に示したように固定接点7の摺接面を下壁3b(基盤)の面よりも高くして、固定接点の範囲外に位置する接片が下壁3bに底突きしないようにするのが好ましい。
【0035】
また、実施の形態はロッド10を備えて可動接点30を直線移動させるタイプのスライドスイッチについて説明したが、本発明は従来例と同様に固定接点を円弧状に配置して可動接点を回動させるタイプのスライドスイッチにも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態の構成を示す縦断面図である。
【図2】スライドユニットの横断面図である。
【図3】スライダブロックの外観斜視図である。
【図4】可動接点の斜視図である。
【図5】固定接点の配置を示す図である。
【図6】従来例における固定接点の配置を示す図である。
【図7】従来例における可動接点と固定接点の回りの要部断面を示す図である。
【図8】従来例の可動接点の斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 スライドスイッチ
2 ケース
3 ケースボディ
3a 端壁
3b 下壁(基盤)
3c 上壁
4 ケースキャップ
5 フランジ部
5a 筒部
6 ロッド保持部
6a 軸穴
6b ネジ
7 固定接点
7a、7c 固定接点(切り替え固定接点)
7b 固定接点(常接固定接点)
8 分断壁
9 ガイド溝
10 ロッド
11 ストッパ
13 ベローズ
15 スプリングガイド
16 リターンスプリング(第2の付勢手段)
20 スライドユニット
21 スライダブロック
22 スプリング受け穴
23 レール部
24 ガイド突起
25 スプリングガイド
26 突起
30 可動接点
31 接点本体
32 ベース部
33 スプリングガイド
34、34a、34b 連結部
35 穴
36、36a、36b 第1接片
37 第2接片
38 折り返し部分
40 スプリング(第1の付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固定接点上に可動接点をスライドさせてスイッチ作用を行うスライドスイッチにおいて、
1つの可動接点が摺接すべき複数の固定接点を1方向に順次離間させて平行に基盤上に配置し、
前記可動接点は、前記固定接点の延び方向に平行でかつ選択された固定接点に向かって延びる板部の先端縁を当該固定接点との接触面とする第1接片を備えることを特徴とするスライドスイッチ。
【請求項2】
前記第1接片の先端の板面形状が弧状であることを特徴とする請求項1に記載のスライドスイッチ。
【請求項3】
前記可動接点は板材からなり、前記第1接片は矩形のベース部の辺から折り曲げて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスライドスイッチ。
【請求項4】
前記第1接片は矩形のベース部の対向する辺から同方向に折り曲げて2片形成され、
前記対向する辺に直角の辺からは前記第1接片と同方向に折り曲げられるとともに先端が折り返されて第2接片が形成され、
該第2接片が前記複数の固定接点のうち可動接点のスライド範囲の全域にわたって延びる常接固定接点と摺接し、前記第1接片が可動接点のスライド範囲の一部領域に延びる切り替え固定接点と摺接するように配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のスライドスイッチ。
【請求項5】
隣接する固定接点の間には、基盤から立ち上がる分断壁が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のスライドスイッチ。
【請求項6】
前記可動接点は、下壁を前記基盤とするケース内に収納され、
前記固定接点の延び方向に一体移動可能に前記可動接点と係合したスライダブロックと、
該スライダブロックと可動接点の間に設けられた、可動接点を前記下壁側へ付勢する第1の付勢手段とを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載のスライドスイッチ。
【請求項7】
前記固定接点の延び方向と平行で一端が前記ケースの外部へ延び他端が前記スライダブロックの一端に当接してケースを貫通するロッドと、
前記スライダブロックを前記ロッドへ付勢する第2の付勢手段を有することを特徴とする請求項6に記載のスライドスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−9850(P2010−9850A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166111(P2008−166111)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(390001236)ナイルス株式会社 (136)
【Fターム(参考)】