説明

センサ付き車輪用軸受

【課題】 軸受のシール性能を低下させることなくセンサを取付けることのできるセンサ付き輪用軸受を提供する。
【解決手段】 車輪用軸受は、外方部材と内方部材の対向し合う複列の転走面間に転動体を介在させてなる。内方部材外周面の両列の転走面間にエンコーダを設け、エンコーダに対向する回転検出用センサ22を設ける。センサ22は、ハーネス接続用のコネクタ23aを有するセンサボディ部23と、先端にセンサ素子24aが設けられたセンサヘッド部24を有する。センサヘッド部24は、外方部材の径方向に貫通するセンサ取付孔15内に挿入する。センサヘッド部24の基端外周に、センサ取付孔15の内周面に接する環状の弾性シール25を取付ける。センサ取付孔15の外側開口周縁に座繰り状段差部16を設け、その座面16aに前記センサボディ部23を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転検出装置などのセンサを内蔵したセンサ付き車輪用軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のセンサ付き車輪用軸受として、図7に示すように、固定輪となる外方部材51と回転輪となる内方部材52との間に複列の転動体55を介在させ、隣り合う転動体列の中間位置に回転輪となる内方部材52の回転を検出する回転検出装置60を設けたものが知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示されたセンサ付き車輪用軸受では、回転輪となる内方部材52の周面に取付けられたセンサターゲットとなるエンコーダ58と、固定輪となる外方部材51に取付けられ前記エンコーダ58の回転を検出するセンサ59とで回転検出装置60が構成されている。前記センサ59は、前記エンコーダ58と対面するように、前記外方部材51に設けられて径方向に貫通する取付け孔61に装着される。前記センサ59からは配線コード62が引き出されて、車輪用軸受が組み込まれる自動車等における車体側の制御装置等に接続される。
【特許文献1】特開平11−72116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成のセンサ付き車輪用軸受では、配線コード62が外部に引き出された構造であるため、配線コード62が搬送や取り扱いの邪魔にならないように、煩雑な梱包を行わなければならない。
【0004】
そこで、このような構成のセンサ付き車輪用軸受において、前記配線コードが搬送や取り扱いの邪魔になるのを解消する対策として、配線コード付きとせずに、例えば前記センサにコネクタを直接取付けた構造のものが考えられる。
【0005】
しかし、このようなコネクタ付きのセンサとした場合、車体側から引き出される配線コードのコネクタをセンサのコネクタに接続すると、センサに無理な力が加わり、軸受における前記外方部材の取付け孔とセンサとの嵌合部のシール性能を低下させる恐れがある。すなわち、例えば前記取付け孔とセンサとの嵌合部をシールするために、センサの外周にOリングを装着している場合には、上記したセンサに加わる無理な力によってOリングが偏るなどしてシール性能が低下し、泥水が軸受内部に浸入するなどの恐れがある。
【0006】
この発明の目的は、軸受のシール性能を低下させることなくセンサを取付けることのできるセンサ付き輪用軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のセンサ付き車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と,上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、前記両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記内方部材の外周面に両列の転走面間に位置してエンコーダを設置すると共に、このエンコーダに対向する回転検出用のセンサを設け、このセンサは、ハーネスが接続されるコネクタを有し前記外方部材の外周部に露出して設置されるセンサボディ部と、このセンサボディ部から突出して先端にセンサ素子が設けられ、前記外方部材に両列の転走面間で外周面から内周面に貫通して形成されたセンサ取付孔内に挿入されるセンサヘッド部とを有し、このセンサヘッド部の基端付近の外周に、前記センサ取付孔の外方部材外周面側の開口周縁に座繰り状段差部を設け、この座繰り状段差部の座面に前記センサの前記センサボディ部を設置したことを特徴とする。
この構成によると、センサの上記取付状態で、そのセンサボディ部が外方部材の外部に露出して設置されるので、車体側の制御装置等から引き出されたハーネスをセンサボディ部のコネクタに接続することで、センサ素子と車体側の制御装置等とを電気的に接続できる。このように、回転検出用のセンサがコネクタ付きであることから、センサ付き車輪用軸受をハーネスを有しない構成とすることができ、商品としての取り扱いが容易となり、搬送時の梱包もしやすくなる。
とくに、センサ取付孔における外方部材の外周面側の開口周縁には座繰り状段差部が設けられ、この座繰り状段差部の座面にセンサのセンサボディ部が設置されているので、車体側から引き出されたハーネスを前記コネクタに接続した状態で、センサに無理な力が加わっても、センサ取付孔に対してセンサがぐらつき難い。したがって、センサに無理な力が加わることで、センサヘッド部に取付けられた弾性シールが偏ることがなくて、外方部材におけるセンサ取付部でのシール性能が低下せず、軸受内部に泥水が浸入するのを確実に防止できる。
【0008】
この発明において、前記座繰り状段差部の内周面と前記センサボディ部の外周面との間の隙間を、前記センサヘッド部の外周面と前記センサ取付孔の内周面との間の隙間よりも小さくしても良い。この構成の場合、無理な力が加わった場合のセンサのぐらつきを小さく抑えることができると共に、弾性シールの弾性変形量を大きくでき、それだけ外方部材におけるセンサ取付部でのシール性能を高くできる。
【0009】
この発明において、前記センサ取付孔の前記座繰り状段差部に開口する開口縁に、孔外方に至るに従って大径となる環状の面取り状部を設け、この面取り状部のセンサ取付孔の中心軸に対する傾斜角度を5〜30°としても良い。
このような面取り状部を設けることで、センサのセンサヘッド部をセンサ取付孔に挿入する作業を容易に行うことができる。また、その面取り状部のセンサ取付孔の中心軸に対する傾斜角度を5〜30°とすると、面取り状部がセンサをぐらつかせる原因となることはない。
【0010】
この発明において、前記センサヘッド部と前記センサ取付孔の内面との間にグリースを介在させ、このグリースは、前記内方部材と外方部材間に封入された潤滑用のグリースと同じものとしても良い。
このように、センサのセンサヘッド部とセンサ取付孔の内面との間にグリースを介在させると、外方部材におけるセンサ取付部でのシール性能をさらに高めることができる。また、そのグリースを、内方部材と外方部材の間に封入された潤滑用のグリースと同じものとすると、潤滑用のグリースを汚濁させることもない。
【0011】
この発明において、前記座繰り状段差部の内面と前記センサボディ部との間に、シール剤を介在させても良い。
このように、前記グリースの介在に加えて、前記座繰り状段差部とセンサのセンサボディ部との間にシール剤を介在させた場合には、外方部材におけるセンサ取付部でのシール性能をさらに高めることができる。
【0012】
この発明において、前記車輪用軸受は、前記内方部材が、車輪取付用のハブフランジおよび軸部を有するハブ輪と、このハブ輪の前記軸部のインボード側端の外周に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および前記内輪に、内方部材の各列の転走面が形成されたものであっても良い。
【発明の効果】
【0013】
この発明のセンサ付き車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と,上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、前記両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記内方部材の外周面に両列の転走面間に位置してエンコーダを設置すると共に、このエンコーダに対向する回転検出用のセンサを設け、このセンサは、ハーネスが接続されるコネクタを有し前記外方部材の外周部に露出して設置されるセンサボディ部と、このセンサボディ部から突出して先端にセンサ素子が設けられ、前記外方部材に両列の転走面間で外周面から内周面に貫通して形成されたセンサ取付孔内に挿入されるセンサヘッド部とを有し、このセンサヘッド部の基端付近の外周に、前記センサ取付孔の外方部材外周面側の開口周縁に座繰り状段差部を設け、この座繰り状段差部の座面に前記センサの前記センサボディ部を設置したため、軸受のシール性能を低下させることなくセンサを取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側(図1の左側)と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側(図1の右側)と呼ぶ。
【0015】
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
【0016】
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。車体取付用フランジ1aは、ナックルボルト(図示せず)により円周方向の複数箇所で前記ナックルに締結される。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面17が設けられ、この内輪嵌合面17に内輪10が所定のシメシロを介して圧入嵌合している。さらに、ハブ輪9のインボード側端が内輪10のインボード側端面に加締めてある。ハブ輪9の内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト13の圧入孔14が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部12がアウトボード側に突出している。
【0017】
この車輪用軸受の内部における複列の転走面3,4に挟まれる位置には回転検出装置20が配置される。この回転検出装置20は、エンコーダ21と、このエンコーダ21に対向して配置されるセンサ22とでなる。エンコーダ21は、円環状の芯金21aの外周面に、ゴム磁石を加硫接着してなる多極磁石21bを固定した磁気エンコーダである。多極磁石21bは円周方向に多極に磁化され、交互に磁極S,Nが形成された部材である。多極磁石21bは、プラスチック磁石や焼結磁石であっても良い。このエンコーダ21は、回転側部材である内方部材2の外周面の両列の転走面4間の位置に嵌合して取付けられる。なお、エンコーダ21は、磁気エンコーダに限らず、例えばギヤ状に形成した磁性体であっても良い。
【0018】
センサ22は、ハーネスが接続されるコネクタ23aを有するセンサボディ部23と、このセンサボディ部23から突出して先端にセンサ素子24aが設けられたセンサヘッド部24とでなる。これらセンサボディ部23およびセンサヘッド部24は、樹脂製のケースまたは樹脂モールド体にセンサ構成部品や配線等を内蔵したものである。センサヘッド部24は、円柱状の形状である。このセンサ22は、外方部材1における両列の転走面3間で外周面から内周面に貫通して形成されたセンサ取付孔15内に、前記センサヘッド部24を挿入することで、外方部材1に取付けられる。この取付け状態で、前記センサボディ部23は外方部材1の外周部に露出して設置され、センサヘッド部24の先端のセンサ素子24aは前記エンコーダ21の多極磁石21bの表面に近接して径方向に対向する。センサ素子24aは、エンコーダ21をセンサターゲットとしてその多極磁石21bの磁極変化から内方部材2の回転を検出する。前記センサヘッド部24の基端付近の外周には、前記センサ取付孔15の内周面に接する環状の弾性シール25が取付けられている。弾性シール25はOリング等からなる。
【0019】
図2に拡大断面図で示すように、前記センサ取付孔15の外方部材1外周面側の開口周縁には、座繰り状段差部16が設けられ、この座繰り状段差部16の座面16aにセンサ22のセンサボディ部23が設置される。センサ取付孔15は、断面円形であり、座繰り状段差部16も断面円形とされている。座繰り状段差部16の内周面と、センサに22におけるセンサボディ部23の外周面との間の隙間Aは、センサ22におけるセンサヘッド部24の外周面とセンサ取付孔15の内周面との隙間Bよりも小さく(A<B)されている。
【0020】
また、前記センサ取付孔15の前記座繰り状段差部16に開口する開口縁には、孔外方向に至るに従って大径となる環状の面取り状部15aが設けられている。この面取り状部15aのセンサ取付孔15の中心軸に対する傾斜角度α(図3)は5〜30°とされている。
【0021】
この構成のセンサ付き車輪用軸受によると、回転側部材である内方部材2の外周面の両列の転走面4間に位置するように設けられるエンコーダ21に対向して、回転検出用のセンサ22が固定側部材である外方部材1に設けられており、エンコーダ21をセンサターゲットとして内方部材2の回転がセンサ22により検出される。センサ22は、ハーネスが接続されるコネクタ23aを有するセンサボディ部23と、このセンサボディ部23から突出して先端にセンサ素子24aが設けられたセンサヘッド部24とを有し、外方部材1における両列の転走面3間の位置で外周面から内周面に貫通して形成されたセンサ取付孔15内に前記センサヘッド部24を挿入することで、センサ22が外方部材1に取付けられる。
【0022】
このセンサ22における前記センサヘッド部24の基端付近の外周には、前記センサ取付孔15の内周面に接する環状の弾性シール25が取付けられていて、外方部材1におけるセンサ取付部でのシールが図られる。センサ22の上記取付状態で、そのセンサボディ部23は、外方部材1の外部に露出して設置されるので、車体側の制御装置等から引き出されたハーネスをセンサボディ部23のコネクタ23aに接続することで、センサ素子24aと車体側の制御装置等とを電気的に接続できる。
このように、回転検出用のセンサ22がコネクタ23a付きであることから、センサ付き車輪用軸受をハーネスを有しない構成とすることができ、商品としての取り扱いが容易となり、搬送時の梱包もしやすくなる。
【0023】
とくに、前記センサ取付孔15における外方部材1の外周面側の開口周縁には座繰り状段差部16が設けられ、この座繰り状段差部16の座面16aに前記センサ22のセンサボディ部23が設置されているので、車体側から引き出されたハーネスを前記コネクタ23aに接続した状態で、センサ22に無理な力が加わっても、センサ取付孔15に対してセンサ22がぐらつき難い。したがって、センサ22に無理な力が加わることで、センサヘッド部24に取付けられた弾性シール25が偏ることもないので、外方部材1におけるセンサ取付部でのシール性能が低下せず、軸受内部に泥水が浸入するのを確実に防止できる。
【0024】
また、この実施形態では、図2のように座繰り状段差部16の内周面と、センサ22におけるセンサボディ部23の外周面との間の隙間Aを、センサ22におけるセンサヘッド部24の外周面とセンサ取付孔15の内周面との間の隙間Bよりも小さくしている(A<B)ので、無理な力が加わった場合のセンサ22のぐらつきを小さく抑えることができると共に、弾性シール26の弾性変形量を大きくでき、それだけ外方部材1におけるセンサ取付部でのシール性能を高くできる。
【0025】
また、この実施形態では、センサ取付孔15の座繰り状段差部16に開口する開口縁に、孔外方に至るに従って大径となる環状の面取り状部15aを設けているので、センサ22のセンサヘッド部24をセンサ取付孔15に挿入する作業を容易に行うことができる。また、その面取り状部15aのセンサ取付孔15の中心軸に対する傾斜角度α(図3)を5〜30°としているので、面取り状部15aがセンサ22をぐらつかせる原因となることはない。
【0026】
図5は、この発明の他の実施形態における要部断面図を示す。この実施形態のセンサ付き車輪用軸受では、図1〜図4の実施形態において、センサ22のセンサヘッド部24と、センサ取付孔15の内面との間(図5に符号Cで示す領域)にグリース26が介在させてある。また、このグリース26には、内方部材2と外方部材1の間に封入された潤滑用のグリースと同じものが使用されている。その他の構成は図1〜図4の実施形態と同様である。
【0027】
このように、センサ22のセンサヘッド部24とセンサ取付孔15の内面との間にグリース26を介在させると、外方部材1におけるセンサ取付部でのシール性能をさらに高めることができる。また、そのグリース26には、内方部材2と外方部材1の間に封入された潤滑用のグリースと同じものを使用しているので、潤滑用のグリースを汚濁させることもない。
【0028】
図6は、この発明の他の実施形態における要部断面図を示す。この実施形態のセンサ付き車輪用軸受では、図1〜図4の実施形態において、図5のようにセンサ22のセンサヘッド部24とセンサ取付孔15の内面との間にグリース26を介在させるのに加えて、座繰り状段差部16の内面と前記センサボディ部23との間(図6に符号Dで示す領域)にシール剤27を介在させてある。シール剤27は、例えば流動性のものであっても、また常温で放置することなどで硬化性を持つ流動性のものであっても良い。その他の構成は図1〜図4の実施形態と同様である。
【0029】
このように、前記グリース26の介在に加えて、前記座繰り状段差部16とセンサ22のセンサボディ部23との間にシール剤27を介在させた場合には、外方部材1におけるセンサ取付部でのシール性能をさらに高めることができる。
【0030】
なお、上記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付き車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の一実施形態にかかるセンサ付き車輪用軸受の断面図である。
【図2】同センサ付き車輪用軸受におけるセンサ取付孔および座繰り状段差部とセンサとの隙間の説明図である。
【図3】同センサ付き車輪用軸受におけるセンサ取付孔の面取り状部の傾斜角度αの説明図である。
【図4】同センサ付き車輪用軸受におけるセンサ取付部の拡大断面図である。
【図5】この発明の他の実施形態にかかるセンサ付き車輪用軸受におけるセンサ取付部の拡大断面図である。
【図6】この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付き車輪用軸受におけるセンサ取付部の拡大断面図である。
【図7】従来例の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
15…センサ取付孔
15a…面取り状部
16…座繰り状段差部
16a…座面
21…エンコーダ
22…センサ
23…センサボディ部
23a…コネクタ
24…センサヘッド部
24a…センサ素子
25…弾性シール
26…グリース
27…シール剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、前記両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記内方部材の外周面に両列の転走面間に位置してエンコーダを設置すると共に、このエンコーダに対向する回転検出用のセンサを設け、このセンサは、ハーネスが接続されるコネクタを有し前記外方部材の外周部に露出して設置されるセンサボディ部と、このセンサボディ部から突出して先端にセンサ素子が設けられ、前記外方部材に両列の転走面間で外周面から内周面に貫通して形成されたセンサ取付孔内に挿入されるセンサヘッド部とを有し、このセンサヘッド部の基端付近の外周に、前記センサ取付孔の外方部材外周面側の開口周縁に座繰り状段差部を設け、この座繰り状段差部の座面に前記センサの前記センサボディ部を設置したことを特徴とするセンサ付き車輪用軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記座繰り状段差部の内周面と前記センサボディ部の外周面との間の隙間を、前記センサヘッド部の外周面と前記センサ取付孔の内周面との間の隙間よりも小さくしたセンサ付き車輪用軸受。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記センサ取付孔の前記座繰り状段差部に開口する開口縁に、孔外方に至るに従って大径となる環状の面取り状部を設け、この面取り状部のセンサ取付孔の中心軸に対する傾斜角度を5〜30°としたセンサ付き車輪用軸受。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記センサヘッド部と前記センサ取付孔の内面との間にグリースを介在させ、このグリースは、前記内方部材と外方部材間に封入された潤滑用のグリースと同じものとしたセンサ付き車輪用軸受。
【請求項5】
請求項4において、前記座繰り状段差部の内面と前記センサボディ部との間に、シール剤を介在させたセンサ付き車輪用軸受。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記車輪用軸受は、前記内方部材が、車輪取付用のハブフランジおよび軸部を有するハブ輪と、このハブ輪の前記軸部のインボード側端の外周に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および前記内輪に、内方部材の各列の転走面が形成されたものであるセンサ付き車輪用軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−150428(P2009−150428A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326641(P2007−326641)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】