説明

タイヤ製造装置およびタイヤ製造方法ならびにそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダー

【課題】グリーンタイヤの内面とブラダーとの間に残存したエアを効果的に排出できるタイヤ製造装置、タイヤ製造方法、タイヤ加硫成形用ブラダーを提供すること。
【解決手段】ブラダー14は、トレッド部成形領域1402、サイドウォール部成形領域1404、ビード部成形領域1406、取り付け部領域1408を有している。ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、トレッド部成形領域1402、サイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さに比べて大きい。ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に大きくなる。取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さは、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造装置およびタイヤ製造方法ならびにそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダーに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ製造装置の用いられる例えばセクショナルモールドタイプのタイヤ成形用金型は、タイヤのトレッド部に対応する複数のセクターと、タイヤの両側のサイドウォール部に対応する一対のサイドプレートと、タイヤの両側のビード部に対応する一対のビードリングなどを備えている。
そしてタイヤの加硫成形時、開かれた各セクターの内側にグリーンタイヤを位置させ、各セクターおよび一対のサイドプレート、一対のビードリングを閉じ、高温、高圧の加硫媒体を供給してグリーンタイヤの内側からブラダーを膨張させ、加硫媒体および金型によりグリーンタイヤを加熱することが行われる。
このタイヤの加硫成形時、グリーンタイヤの内面とブラダーとの間にエアが残存すると、エアが残存した箇所に光沢が生じるなどタイヤ内面の外観不良が生じる。
そこで、従来では、ブラダーの外周面にエア抜き溝を設け、このエア抜き溝により残存したエアを外部に逃がすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−6019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、タイヤの加硫成形時にグリーンタイヤの内面とブラダーとの間に残存したエアを排出する技術の改良に関わるものであり、本発明の目的は、グリーンタイヤの内面とブラダーとの間に残存したエアを効果的に排出できるタイヤ製造装置およびタイヤ製造方法ならびにそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明は、タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側から、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有するブラダーを膨張させてグリーンタイヤを加硫成形するタイヤ製造装置において、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側に、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域とを有するブラダーを位置させ、前記ブラダーの内側に加硫媒体を供給して前記ブラダーを膨張させ、前記ブラダーを前記グリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤの製造方法において、前記ブラダーを前記グリーンタイヤの内面に当接させる際に、まず、トレッド部成形領域をグリーンタイヤに当接し、次に、サイドウォール部成形領域をグリーンタイヤに当接し、最後に、ビード部成形領域をグリーンタイヤに当接するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有し、タイヤ成形用金型の内側に配置されたグリーンタイヤの内側から膨張させ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用ブラダーであって、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、タイヤの加硫成形時、ブラダーを膨張させると、まず、トレッド部成形領域がグリーンタイヤに当接し、次に、サイドウォール部成形領域がグリーンタイヤに当接し、最後に、ビード部成形領域がグリーンタイヤに当接する。したがって、グリーンタイヤの内面とブラダーとの間に残存したエアを、グリーンタイヤの外部に効果的に排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】タイヤ成形用金型にグリーンタイヤが配置され、その内側にブラダーが配置されたタイヤ製造装置の部分の断面図である。
【図2】実施の形態のブラダーの一部の断面図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のタイヤ製造装置およびタイヤ製造方法ならびにそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダーの実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、タイヤ製造装置10は、タイヤ成形用金型12、タイヤ加硫成形用ブラダー14を含んで構成されている。
タイヤ成形用金型12はセクショナルモールドタイプでタイヤ軸が鉛直方向に向けてセットされるものであり、タイヤ成形用金型12は、上下一対のサイドプレート16と、セクター18と、上下一対のビードリング20と、上下一対のブラダークランプ22とを備えている。
上下一対のサイドプレート16は、タイヤのサイドウォール部を成形するためのものである。
セクター18は、タイヤのトレッド部を成形するためのものであり、上下一対のサイドプレート16の径方向外側に配置され、周方向に複数分割されている。
上下一対のビードリング20は、タイヤのビード部を成形するためのものであり、上下一対のサイドプレート16の径方向内側に配置されている。
上下一対のブラダークランプ22は、上下一対のビードリング20と協働してブラダー14の内端を固定するものである。本実施の形態では、ブラダー14の上側の内端は、上下に移動可能な上側のブラダークランプ22と補助リング24とにより挟み込まれて固定されている。
【0009】
タイヤ加硫成形用ブラダー14は環状を呈しており、図2に示すように、ブラダー14はトレッド部成形領域1402と、サイドウォール部成形領域1404と、ビード部成形領域1406と、取り付け部領域1408とを有している。
トレッド部成形領域1402は、タイヤのトレッド部の内面に当接される領域である。
サイドウォール部成形領域1404は、タイヤのサイドウォール部の内面に当接される領域である。
ビード部成形領域1406は、タイヤのビード部の内面に当接される領域である。
取り付け部領域1408は、ビードリング20を介してブラダークランプ22により挟み込まれる領域であり、端部にブラダークランプ22により挟み込まれる膨出部1410が形成されている。
【0010】
トレッド部成形領域1402およびサイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さはほぼ均等の厚さで形成されている。
ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、トレッド部成形領域1402およびサイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さに比べて大きい。
また、ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成されている。
また、取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さT1は、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている。
ここで、ブラダー14の断面高さHとは、取り付け部領域1408の端部を基準とし、取り付け部領域1408の端部からトレッド部成形領域1402までの高さをいう。
なお、ブラダー14には従来公知の様々な材料が使用可能である。
【0011】
また、図2、図3に示すように、サイドウォール部成形領域1404の表面からビード部成形領域1406の表面にわたってエア抜き溝30が延在形成されている。本実施の形態では、エア抜き溝30は取り付け部領域1408の表面まで延在している。
エア抜き溝30の深さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている。
また、エア抜き溝30の幅は、トレッド部成形領域1402側のエア抜き溝30A部分の幅が最も広く、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている。
エア抜き溝30は、図3に示すようにタイヤ径方向に延在し、サイドウォール部成形領域1404およびビード部成形領域1406の周方向に並べられて複数設けられ、エア抜き溝30A部分の幅方向の両端が互いに接するように設けられている。なお、エア抜き溝30は、サイドウォール部成形領域1404およびビード部成形領域1406の周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
【0012】
次に、作用、効果について説明する。
タイヤの加硫成形工程において、図1に示すように、開かれた各セクター18の内側にグリーンタイヤTを位置させ、上下一対のビードリング20を閉じ、上下一対のブラダークランプ22によりブラダー14の内端を固定し、上下一対のサイドプレート16および各セクター18を閉じ、高温、高圧の加硫媒体を供給してグリーンタイヤTの内側からブラダー14を膨張させ、ブラダー14をグリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ、加硫媒体および金型によりグリーンタイヤTを加熱することが行われる。
この場合、グリーンタイヤTの内側からブラダー14を膨張させると、ブラダー14の厚さが上記のように形成されているため、トレッド部成形領域1402とサイドウォール部成形領域1404が膨張し、グリーンタイヤTの内面に、まずトレッド部成形領域1402が当接する。次にグリーンタイヤTの内面にサイドウォール部成形領域1404が当接し、そして、ビード部成形領域1406が膨張し、グリーンタイヤTの内面に最後にビード部成形領域1406が当接する。
したがって、グリーンタイヤTの内面とブラダー14との間に残存するエアを、トレッド部成形領域1402から取り付け部領域1408側に向けて移動させ、それらの間からタイヤ成形用金型12の外部に効率良く逃がすことが可能となり、タイヤ内面の外観不良を抑制する上で有利となり、タイヤの商品価値を高める上で不利となる。
【0013】
特に、グリーンタイヤTのトレッド部とサイドウォール部との境の部分であるショルダー部は、曲率半径の小さい曲線で形作られているため、従来では、この部分の全域にブラダー14が当接しずらく、エアが残存し易かったが、本実施の形態によれば、まずトレッド部成形領域1402が当接した後にこの部分を含むサイドウォール部成形領域1404が当接するため、ショルダー部の内側に残存するエアを取り付け部領域1408側に向けて効率良く移動させることができ、タイヤ成形用金型12の外部に効率良く逃がすことが可能となる。
なお、残存したエアのタイヤ成形用金型12の外部への放出は、例えば、取り付け部領域1408とビードリング20の間、およびビードリング20とブラダークランプ22との間の隙間などからなされる。
【0014】
また、本実施の形態では、サイドウォール部成形領域1404の表面からビード部成形領域1406の表面にわたってエア抜き溝30が延在形成されているため、グリーンタイヤTの内面とブラダー14との間に残存するエア、特に、ショルダー部の内側に残存するエアをタイヤ成形用金型12の外部により効率良く逃がすことが可能となり、タイヤ内面の外観不良を抑制する上でより一層有利となる。
また、ブラダー14はグリーンタイヤTに対してまずトレッド部成形領域1402が当接し、次に、サイドウォール部成形領域1404が当接し、最後にビード部成形領域1406が当接し、しかも、エア抜き溝30の深さは、深さが取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成され、ショルダー部にブラダー14が当接する箇所ではエア抜き溝30の容量が最も大きく形成されているため、トレッド部およびショルダー部の内側に残存するエアをエア抜き溝30内に多く取り入れ易く、エアをタイヤ成形用金型12の外部により効率良く逃がす上でより一層有利となる。
また、エア抜き溝30の幅も、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成され、ショルダー部にブラダー14が当接する箇所ではエア抜き溝30の容量が更に大きく形成されるので、トレッド部およびショルダー部の内側に残存するエアをエア抜き溝30内により多く取り入れ易く、エアをタイヤ成形用金型12の外部により効率良く逃がす上でより一層有利となる。
【0015】
なお、上述の実施の形態では、タイヤ成形用金型12がセクショナルモールドタイプの場合について説明したが、本発明は、タイヤの幅方向に2分割された2ピースモールドタイプのものなど、その他の形式のタイヤ成形用金型12にも無論適用可能である。
【実施例】
【0016】
タイヤサイズ205/55Rの試験タイヤを、表1の仕様に基づく従来のタイヤ成形用金型(従来例1、2)と、実施例1〜6のタイヤ成形用金型12、比較例1〜4のタイヤ成形用金型を用いてそれぞれ10本ずつ試作し、評価した。なお、実施例1〜6および比較例1〜4の試験タイヤは、ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、トレッド部成形領域1402およびサイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さに比べて大きく、また、ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成されている。
【0017】
【表1】

【0018】
評価は、残存したエアーで生じるタイヤ内面の外観不良を目視による外観検査にて行った。
エア抜き溝30を有していない実施例1〜3および従来例1、比較例1、2を比較すれば、取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さT1が、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲内の実施例1〜3は、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲外の従来例1、比較例1、2に比べてタイヤ内面の外観不良を大幅に改善できることが明らかである。
また、エア抜き溝30を有している実施例4〜6および従来例2、比較例3、4を比較すれば、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲内の実施例4〜6は、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲外の従来例2、比較例3、4に比べてタイヤ内面の外観不良を大幅に改善できることが明らかである。
したがって表1から明らかなように、本発明のタイヤ製造装置10、タイヤ製造方法、タイヤ加硫成形用ブラダー14によれば、タイヤ内面の外観不良を抑制する上で有利となり、タイヤの商品価値を高める上で有利となる。
【符号の説明】
【0019】
10……タイヤ製造装置、12……タイヤ成形用金型、14……タイヤ加硫成形用ブラダー、1402……トレッド部成形領域、1404……サイドウォール部成形領域、1406……ビード部成形領域、1408……取り付け部領域、16……サイドプレート、18……セクター、20……ビードリング、22……ブラダークランプ、30……エア抜き溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側から、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有するブラダーを膨張させてグリーンタイヤを加硫成形するタイヤ製造装置において、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている、
ことを特徴とするタイヤ製造装置。
【請求項2】
前記サイドウォール部成形領域の表面から前記ビード部成形領域の表面にわたってエア抜き溝が延在形成され、
前記エア抜き溝の深さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ製造装置。
【請求項3】
前記エア抜き溝の幅は、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載のタイヤ製造装置。
【請求項4】
タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側に、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域とを有するブラダーを位置させ、前記ブラダーの内側に加硫媒体を供給して前記ブラダーを膨張させ、前記ブラダーを前記グリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤの製造方法において、
前記ブラダーを前記グリーンタイヤの内面に当接させる際に、まず、トレッド部成形領域をグリーンタイヤに当接し、次に、サイドウォール部成形領域をグリーンタイヤに当接し、最後に、ビード部成形領域をグリーンタイヤに当接するようにした、
ことを特徴とするタイヤの製造方法。
【請求項5】
タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有し、タイヤ成形用金型の内側に配置されたグリーンタイヤの内側から膨張させ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用ブラダーであって、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている、
ことを特徴とするタイヤ加硫成形用ブラダー。
【請求項6】
前記サイドウォール部成形領域の表面から前記ビード部成形領域の表面にわたってエア抜き溝が延在形成され、
前記エア抜き溝の深さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載のタイヤ加硫成形用ブラダー。
【請求項7】
前記エア抜き溝の幅は、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載のタイヤ加硫成形用ブラダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−250407(P2012−250407A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124044(P2011−124044)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】