説明

タキサン誘導体の合成のためのコンバージェントプロセス

本発明は、タキサン誘導体が含まれる生物学的に活性な化合物の合成に有用な新規化合物と、これらのタキサン誘導体とその中間体の製造用のコンバージェントプロセスに概ね向けられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、タキサン誘導体が含まれる生物学的に活性な化合物の合成に有用な新規化合物と、これらのタキサン誘導体とその中間体の製造用のコンバージェントプロセス(convergent processes)に広く向けられる。
【0002】
背景技術
様々なタキサン化合物は、抗腫瘍活性を示すことが知られている。この活性の結果として、タキサンは、科学及び医学の学会においてますます注目を集めてきて、例外的に有望な癌化学療法剤のファミリーであるとみなされている。例えば、パクリタキセル及びドセタキセルのようなタキサンは、いくつかの異なる種類の腫瘍の化学療法治療へ承認されている。パクリタキセルは、以下のようなタキサン骨格の式及び記数系を有する、天然に存在するタキサンジテルペノイドである:
【0003】
【化1】

【0004】
パクリタキセルは、化学療法剤として有望と思われるため、化学者は、パクリタキセルや他の強力なタキサン類似体を合成しようとして、実質的な時間及び資源を費やしてきた。パクリタキセル又は他のタキサンの部分合成の直截的な実施には、キラルな非ラセミの側鎖及び誘導体、豊富な天然供給源のバッカチンIII又は密接に関連したジテルペノイド物質、そしてこの2つの単位を結び付ける有効な手段が必要とされる。おそらく、パクリタキセルの最も直接的な合成は、以下の式:
【0005】
【化2】

【0006】
のバッカチンIII及び10−デアセチルバッカチンの側鎖:
【0007】
【化3】

【0008】
との縮合であろう。
しかしながら、これら2つの単位のエステル化又はカップリングは、バッカチンIIIと10−デアセチルバッカチンIIIの両方のC−13ヒドロキシル基が半球状のタキサン骨格の立体的に妨害される窪み領域内に位置しているために困難である。
【0009】
側鎖をタキサン骨格へカップリングして、最終的にパクリタキセルを生成する代替法が様々な特許で開示されてきた。例えば、「タキソールの製造法(Process for Preparing Taxol)」と題して1990年5月8日に Denis et al. へ発行された米国特許第4,929,011号は、一般式:
【0010】
【化4】

【0011】
[式中、Pは、ヒドロキシル保護基である]の(2R,3S)側鎖酸の一般式:
【0012】
【化5】

【0013】
[式中、Pは、ヒドロキシル保護基である]のタキサン誘導体との縮合からのパクリタキセルの半合成について記載する。引き続き、この縮合生成物を製造処理して、P及びP保護基を外す。Denis et al. では、保護化バッカチンIIIとのカップリングのために、パクリタキセルのC−13側鎖、(2R,3S)3−フェニルイソセリン誘導体をPで保護する。バッカチンIII骨格上のP保護基は、例えば、トリメチルシリル又はトリアルキルシリル基である。
【0014】
パクリタキセルの代替的な半合成法が Swindell et al. への米国特許第5,770,745号に記載されている。Swindell et al. は、一般式:
【0015】
【化6】

【0016】
[式中、Rは、アルキル、オレフィン系又は芳香族系、又はPhCHであり、Pは、ヒドロキシル保護基である]を有する側鎖との縮合による、バッカチンIII骨格からのパクリタキセルの半合成について開示する。
【0017】
Sisti et al. への米国特許第5,750,737号には、パクリタキセルの半合成の別の方法が見出される。この特許では、式:
【0018】
【化7】

【0019】
のC7−CBZバッカチンIIIを式:
【0020】
【化8】

【0021】
のC3−N−CBZ−C2−O−保護化(2R,3S)−3−フェニルイソセリン側鎖でエステル化して、脱保護化とC3’Nベンゾイル化を続けて、パクリタキセルを生成する。
【0022】
抗腫瘍活性を明示することが見出された別のタキサン化合物は、ドセタキセルとして知られる化合物である。この化合物はまた、その登録がサノフィ・アベンティス(Sanofi Aventis)により所有されている、商標TAXOTERE(登録商標)で販売されている。ドセタキセルは、以下の構造:
【0023】
【化9】

【0024】
を有する。
上記の構造で注目されるように、ドセタキセルは、フェニルイソセリン側鎖のC3’窒素位置にあるt−ブトキシカルボニル(t−Boc)基と、C10位にあるフリーヒドロキシル基を除けば、パクリタキセルに類似している。パクリタキセルと同様に、ドセタキセルの合成は、半球状のタキサン骨格の窪み領域内に位置する、バッカチンIII骨格中の妨害されたC13ヒドロキシルの故に難しい。ドセタキセルと関連化合物のいくつかの合成については、Journal of Organic Chemistry: 1986, 51, 46; 1990, 55, 1957; 1991, 56, 1681; 1991, 56, 6939; 1992, 57, 4320; 1992, 57, 6387; 及び 1993, 58, 255 において報告されて;Holton へ1991年5月14日に発行された米国特許第5,015,744号も、そのような合成について記載する。ドセタキセルの合成についての追加の技術については、例えば、Sisti et al. への米国特許第5,688,977号と Sisti et al. への米国特許第6,107,497号に考察されている。
【0025】
パクリタキセルとドセタキセルの両方により明示される有望な抗腫瘍活性のために、さらなる研究により、タキサンファミリー内の類似体及び誘導体には、増加した生物学的活性、多剤耐性(MDR)を発現した癌細胞に抗する有効性、より少ないか又はさほど重篤でない副作用、改善された溶解特性、よりよい治療プロフィール、等のような改善された特性を有する、新しくてより優れた薬物をもたらす可能性があることが示されてきた。
【0026】
パクリタキセルとドセタキセルを合成するための既存の手順には長所があるが、これらの抗癌化合物とそれらの誘導体を良好な収率で製造するための改善された化学的方法へのニーズが依然としてある。本発明は、これらのニーズを満足させることへ向けられる。
【0027】
例示的な態様の要約
本発明により、タキサン、タキサン類似体、及びそれらの誘導体を生成することに使用の方法について記載する。1つの側面では、本明細書において、より少ない数の化学及び機械的処理の工程が必要とされる、所望の生成物を高い全体収率で提供して、所望の生成物をより高い化学純度で提供する、化合物10
【0028】
【化10】

【0029】
の製造の新規で効率的なコンバージェント合成を提供する。
1つの態様では、式1の化合物の選択的な酸化により化合物を製造するための方法を提供する。特に、9,10−ジケトバッカチン誘導体
【0030】
【化11】

【0031】
を製造するための方法を提供し、該方法は、9−ケトアルコール
【0032】
【化12】

【0033】
をCuClと塩基の存在下に接触させることを含んでなる。上記方法の1つの変法(variation)において、塩基は、アミン塩基である。別の変法において、アミン塩基は、TEAであり、この方法は、有機溶媒又は溶媒の混合物において行う。上記の方法の別の変法において、溶媒の混合物は、EtOHとEtOAcを含み、この方法を室温未満で行って、所望の生成物を約5時間未満、3時間未満、又は1時間以下で生成する。この方法の別の別法において、この反応は、MeOH、IPAC、THF、EtOAc、及びこれらの混合物において行ってよい。上記のどの特別な変法でも、この方法により、2a2bの混合物が少なくとも95:5の比率と少なくとも85%の収率で得られる。特別な変法では、2a2bの混合物を粗製の反応混合物の蒸解(digestion)によりさらに精製してもよく、2aだけを少なくとも80%の収率で得る。
【0034】
1つの側面では、図2に示すように、9−ケトアルコールを選択的に酸化して、9,10−ジケトンを生成する。このジケトンは、ジケト、2a及び2bの混合物として入手してよい。この方法の1つの変法では、2つの異性体、2a及び2bを分離して2aを得ても、この異性体の混合物をそのまま分離せずに後続の工程に使用してもよい。この混合物は、誘導化して対応の保護化アルコールを生成してよく、いくつかの適用可能なアルコール保護基が、例えば、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(2007)に開示されている。
【0035】
1つの特別な方法では、7,13−ジシリルエーテルを生成するために、この混合物をTES−OTf(トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリルエステル)、ピリジン、及びNMPで処理することによって、この混合物を誘導化して、トリエチルシリルエーテルのような対応する保護化シリルエーテルを生成する。所望されるならば、このシリル化工程の前に、カラムクロマトグラフィー及び結晶化が含まれる、当該技術分野で知られている様々な方法を使用して、所望されない異性体2bを所望の異性体2aより分離してよい。あるいは、異性体2a及び2bの混合物を出発の混合物として使用する場合は、入手した対応するジシリルエーテルのエピマー異性体を、当該技術分野で知られている標準手順を使用して分離してよい。しかしながら、異性体2bは、異性体2aより遅い速度でジTESエーテルを生成するので、それ故に、この反応条件は、ジエーテルの生成に有利になるように調整してよい。
【0036】
【化13】

【0037】
別の態様では、9,10−ジオールバッカチン誘導体
【0038】
【化14】

【0039】
の製造用の反応を提供し、該方法は、2a及び2bの混合物として、又は単一異性体2aとしての9,10−ジケトバッカチン誘導体
【0040】
【化15】

【0041】
をシリル化試薬と接触させてジシリルエーテルを生成すること;及び、ジシリルエーテルの9,10−ジケトンを還元剤で還元して9,10−ジオールバッカチン誘導体を生成することを含んでなる。上記方法の1つの変法において、シリル化試薬は、TES−OTfとピリジン中のNMPであり、ジシリルエーテルは、少なくとも収率97%で生成される。上記方法の別の変法において、シリル化試薬はTES−OTfと溶媒の存在又は非存在中のピリジンである。この方法の別の変法において、この反応は、MeOH、IPAC、THF、EtOAc、及びこれらの混合物において行ってよい。この方法のある変法において、使用するシリル化試薬は、対応するジTMSエーテルを生成するTMS−OTfである。上記方法の別の変法において、還元試薬はLiBHであり、還元反応をTHF/エタノール溶媒において実施して、9,10−ジオールを90%より高い収率で得る。この還元反応の特別な変法において、使用する還元試薬は、THFのようなエーテル中のNaBH、CaBH、LiAlH、K−SELECTRIDE、及びKS−SELECTRIDEからなる群より選択される。上記の方法では、ジシリルエーテルと9,10−ジオールのいずれも、検出可能なモノシリル化生成物のない、ジシリル化生成物として入手される。
【0042】
ジシリルエーテルは、対応する9,10−ジオールへ還元してよい。還元は、有機溶媒中のNaBHを使用するように、ヒドリド還元剤を使用して実施してよい。上記の1つの方法では、溶媒又はTHF/EtOHのような溶媒混合物中のLiBHを使用してジケトンの還元を実施して、ジオールを生成してよい。この反応は、室温で、又は室温未満で、又は約20℃〜約−10℃で、より好ましくは約0℃で、DCM/EtOH、等のような溶媒の組合せの他の変法を用いて実施してよい。この方法の別の変法において、この反応は、DCM、MeOH、IPAC、THF、EtOAc、及びこれらの混合物において行ってよい。
【0043】
本明細書に記載の方法をバッカチン誘導体上の特定の置換基の変化とともに使用して、以下の化合物を製造することができる:
【0044】
【化16】

【0045】
【表1】

【0046】
別の態様では、アリリデンアセタール、バッカチン誘導体
【0047】
【化17】

【0048】
の製造の方法を提供し、該方法は、ジオールをアシル化試薬と接触させて10−アシル化アルコール
【0049】
【化18】

【0050】
を生成すること、TES基の選択的加水分解により対応するテトラオール
【0051】
【化19】

【0052】
を生成すること;及び、化合物の7,9−ジオールのアセタール化によりアリリデンアセタールを得ることを含んでなる。上記の方法の1つの変法において、アシル化試薬は、IPAC中のAcO、TEA、及びDMAPであり、選択的加水分解は、水性メタノール中の酢酸を用いて実施する。この方法の別の変法において、この反応は、IPAC、THF、EtOAc、及びこれらの混合物において行ってよい。この方法の特別な変法では、このアシル化反応により、10−アシル化アルコールを85%より高い収率で得る。この方法の別の変法では、化合物の7,9−ジオールのアセタール化を極性又は非極性の溶媒中のアクロレインジエチルアセタール又はアクロレインジメチルアセタールを用いて実施して、アリリデンアセタールと、TFA、TFA/TFAA、CSA、及びCDSAからなる群より選択される酸を得る。上記の方法の特別な変法において、非極性溶媒は、トルエン、キシレン、又はDCMである。上記の方法の別の側面では、選択的加水分解とアセタール化の反応工程を実施して、中間化合物の単離を伴わずにアリリデンアセタールを生成する。
【0053】
別の態様では、上記の方法を使用する、実質的に純粋なジアステレオ異性体7a又は7b、又はジアステレオ異性体7a及び7bの混合物としてのアリリデンアセタールバッカチン誘導体7a又は7b
【0054】
【化20】

【0055】
の製造の上記方法の変法を提供する。上記に記載する具体的な反応条件及び試薬は、一方のジアステレオ異性体が他のものに対して有利になるように変更してよく、反応条件は、ジアステレオ異性体の混合物を所望のように得るように変更してよい。上記方法の1つの側面において、該方法は、実質的に純粋なジアステレオ異性体7aを90%より高い収率で提供する。
【0056】
別の態様では、以下の式:
【0057】
【化21】

【0058】
を含んでなる化合物を提供する。
図3では、無水酢酸、TEA、DMAP、及びIPACのようなアシル化剤を使用して、ジオールを対応する10−アシル化アルコールへ変換する。TES基の選択的加水分解は、例えば、MeOH/HO中、又はIPAc/MeOH中のAcOHを使用して実施してよく、テトラオールを得る。好ましくは、トルエンのような有機溶媒中のアクロレインジエチルアセタールとTFAを氷浴中で使用する、化合物の7,9−ジオールのアセタール化により、アリリデンアセタールを良好な収率で得る。同様に、アセタール化は、有機溶媒中のアクロレインジメチルアセタールを使用して実施してもよい。この方法の1つの変法では、中間体テトラオールの単離を伴わずに、アリリデンアセタールを10−アシル化アルコールより製造する。
【0059】
この方法の別の変法では、ジオールのアセチル化と後続の加水分解により、10−アシル化アルコールの単離を伴わずに、テトラオールを製造する。
なお別の態様では、化合物10
【0060】
【化22】

【0061】
の製造の方法を提供し、該方法は、アリリデンアセタールを側鎖
【0062】
【化23】

【0063】
[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成して、Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]とカップリングした中間化合物
【0064】
【化24】

【0065】
を形成するためのカップリング反応条件の下で接触させて、化合物を生成することを含んでなる。化合物の後続の加水分解により、化合物10を生成する。該方法の1つの変法において、カップリング反応条件は、アリリデンアセタールを側鎖とPiv−Cl、TEA、DMAP及びTHF、又はPiv−Cl、NMM、DMAP及びTHFにおいて化合物を生成するのに十分な量の時間の間接触させることを含み、それを加水分解して化合物10を90%より高い収率で生成する。NMMとDMAPに加えて、DABCO、ピリジン、DBN、DBU、等が含まれる、他のアミン塩基も利用してよい。図3に例示するように、アリリデンアセタールの酸8aとのカップリングにより、カップリングした生成物9aを得る。脱保護化により、化合物10を良好な収率で得る。
【0066】
別の態様では、式
【0067】
【化25】

【0068】
[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成する]を含んでなる化合物を提供する。化合物の1つの変形において、Rは水素であり、Rは、シリルエーテルのようなヒドロキシル保護基、又はアセテート、フェノキシアセテート、等のような塩基不安定エステルである。
【0069】
該方法の別の側面では、アリリデンアセタールの酸とのカップリング反応により、カップリングした生成物を得て、これを単離せずに、そのN,O−アセタールを本明細書に提供するようにそのまま加水分解して、生成物の化合物10を良好な収率で得る。この加水分解は、メタノール中の塩酸のようなアルコール中の酸を、約−25℃〜25℃、又は約−10℃〜−20℃、好ましくは約−15℃のような低温で使用して実施してよい。この一般手順は、それぞれ対応する異性体9a又は9bを生成する、出発の異性体8a(2,4−ジメトキシ異性体)又は8b(2,6−ジメトキシ異性体)のいずれかを使用して利用してよい。図1を参照のこと。
【0070】
図3に示すように、酸8bを化合物とのカップリング反応に利用する場合、生じる生成物9bは、カップリングした生成物として生成される。
N,O−アセタール8bは、所望の生成物を良好な収率で得るために、図4に例示する手順に従って製造してよい。同様に、N,O−アセタール異性体8aも、生成物を良好な収率で得るために、図4に例示する手順に従って製造してよい。図4において中間体1213、及び14を製造する方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる Journal of Organic Chemistry, 2001, 66, 3330-3337 に開示されている。
【0071】
上記により、化合物10の製造の方法を提供し、該方法は:図1に示すように、a)ケトアルコールの選択的酸化により化合物2aを得ること;b)1,7,13−トリヒドロキシ化合物2aの保護化により化合物を得ること;c)化合物の選択的還元によりジオールを得ること;d)ジオールを誘導化してエステルを生成すること;e)この保護化エーテルの脱保護化によりテトラオールを生成すること;f)テトラオールのアセタール化によりアセタール化合物を生成すること;g)化合物の化合物8aとのカップリングにより化合物9aを得ること;及びh)化合物9aの脱保護化により化合物10を生成することを含んでなる。
【0072】
上記の別の側面において、化合物10の製造の方法を提供し、該方法は:図2及び3に示すように、a)ケトアルコールの選択的酸化により化合物を得ること;b)1,7,13−トリヒドロキシ化合物の保護化により化合物を得ること;c)選択的還元によりジオールを得ること;d)ジオールを誘導化してエステルを生成すること;e)このシリルエーテルの脱保護化によりテトラオールを生成すること;f)テトラオールのアセタール化により化合物を生成すること;g)化合物の化合物8aとのカップリングにより化合物9aを得ること;及びh)化合物9aの脱保護化により化合物10を生成することを含んでなる。該方法の1つの変法では、選択的酸化をCuCl、TEA、EtOAc、及びEtOHを用いて実施する。特別な変法において、1,7,13−トリヒドロキシ化合物2aの保護化は、TES−OTf、ピリジン、及びNMPを用いて−10〜50℃で実施する。別の変法では、化合物の選択的還元をTHF/EtOH中のLiBHを使用して実施して、ジオールを生成する。上記方法のなお別の変法において、9,10−ジオールを誘導化してエステルを生成することは、無水酢酸、TEA、DMAP、及びIPACを使用して実施する。上記方法のなお別の変法において、シリルエーテルを保護化してテトラオールを生成することは、酢酸、IPAc/MeOH、又は酢酸/MeOH/水を使用して実施する。別の変法において、テトラオールのアセタール化による化合物の生成では、DCM又はトルエン及びTFA中のアクロレインジメチルアセタール又はアクロレインジエチルアセタール類似体を使用する。該方法の1つの側面では、化合物の化合物8aとのカップリングにより化合物9aを得ることを、PIV−Cl、TEA、DMAP、及びTHFを用いて実施する。該方法の別の側面では、化合物の化合物8bとのカップリングにより化合物9bを得ることを、PIV−Cl、TEA、DMAP、及びTHFを用いて実施する。該方法の1つの変法において、化合物9aの脱保護化により化合物10を生成することは、MeOH中のHClを使用して実施する。1つの変法において、化合物9bの脱保護化により化合物10を生成することは、MeOH中のHClを使用して実施する。上記方法のある変法において、該方法には、2、3、4、5又は6の単離工程が必要とされる。1つの変法において、化合物は、化合物2a及び2bの混合物である。別の変法では、化合物2a及び2bの混合物を、単離も精製も伴わずに使用する。本明細書に使用するように、中間生成物の反応混合物からの「単離」工程の省略は、その「粗製」又は非精製型で得られる中間生成物を、この方法をその中で実施した溶媒を伴うか又は伴わずに、後続の工程で使用して、中間生成物の単離及び/又は精製を必要とせずに良好な収率で所望の生成物を得てよいことを意味する。そのような単離及び/又は精製の工程又は手順の欠落は、特にこの反応を生産又は製造スケールで実施する場合、サイクル時間、スループット、及びコストを処理することにおいて著しく有利である。
【0073】
中間体(複数でもよい)の所望の純度と本方法に使用する処理変数に依存して、本明細書に記載の中間体は、後続の単数又は複数の反応工程へ処す前に、1以上の処理工程において単離及び/又は精製してよい。この方法の特別な側面では、所望の純度、利用する試薬、及び反応条件に依存して、反応生成物(又は中間体)の後続の単数又は複数の反応工程を単離及び/又は精製を伴わずに1以上の後続の反応へ処して、最後には最終生成物の化合物10を入手する。所望される場合、中間体及び/又は生成物の精製は、カラムクロマトグラフィー、結晶化、蒸留、等が含まれる、当該技術分野で知られた様々な方法、又はこの方法の組合せを使用して実施してよい。
【0074】
化合物10を生成する、この2工程のカップリング反応及び加水分解は、化合物10を高収率で得るために、化合物を様々な側鎖の酸と側鎖の酸塩と、そして様々な選択されるカップリング剤及び反応条件とともに使用して実施してよい。
【0075】
【化26】

【0076】
別の態様では、化合物
【0077】
【化27】

【0078】
[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成する]を製造するための方法を提供し;該方法は、式の化合物を側鎖化合物及びカップリング試薬と:
【0079】
【化28】

【0080】
[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成して;Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる。上記方法の特別な変法において、側鎖化合物は化合物であり、ここでRとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成して;Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である。
【0081】
上記の方法の1つの変法において、該方法は、式9c及び9d
【0082】
【化29】

【0083】
[式中、RとRは、上記に定義される通りである]のジアステレオ異性体化合物を単一のジアステレオ異性体として、又は2つのジアステレオ異性体の混合物として提供する。
【0084】
別の変法において、カップリング試薬は、アルキル、アリール又はアリールアルキル酸無水物;二炭酸エステル;アルキル、アリール又はアリールアルキルハロホルメート;アルキル、アリール又はアリールアルキル酸ハロゲン化物;クロロスルホネート、スルホン酸無水物、アルキル、アリール、アリールアルキルイソシアネートからなる群より選択される。別の変法において、カップリング条件は、THF又はトルエン又はこれらの混合物、NMM、及びDMAPを含む。なお別の変法において、カップリング試薬は、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される。上記方法のなお別の変法において、カップリング試薬は、無水安息香酸、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、及び二炭酸ジt−ブチルからなる群より選択される。別の変法では、カップリング反応からの生成物をさらに加水分解して、化合物10を90%より高い収率で生成する(ここでRとRは、水素である)。
【0085】
上記方法の別の側面では、脱保護化(又は加水分解)により化合物10aを単一のジアステレオ異性体として、化合物10bを単一のジアステレオ異性体として、又は化合物10を両方のジアステレオ異性体10a及び10bの混合物として得る:
【0086】
【化30】

【0087】
側鎖の活性化アシルカップリング反応を使用する上記の方法において、生成される化合物には:
【0088】
【化31】

【0089】
が含まれる。
上記の方法において、カップリング反応に使用してよい側鎖には:
【0090】
【化32】

【0091】
が含まれる。
本明細書にまた提供するのは、式:
【0092】
【化33】

【0093】
[式中:
は、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、C−Cアルキル、アリールCHO−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
それぞれのP10は、独立して、Hであるか、又は電子供与性又は電子吸引性の置換基であり;
Yは:
【0094】
【化34】

【0095】
であり;そして
Xは、置換又は未置換のC−C12アルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される]を含んでなる側鎖化合物である。
【0096】
10でのフェニル置換基の非限定的な代表例には:フェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−ブロモフェニル、等が含まれる。
【0097】
本明細書にまた提供するのは、式:
【0098】
【化35】

【0099】
[式中:
は、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、C−Cアルキル、アリールCHO−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素であるか、又はBOM、Bn、P、及びヒドロキシル保護基からなる群より選択され;
は、Hであるか、又はPとPは、PとPが付く窒素及び酸素と一緒に、置換又は未置換の環式C−Cアルキル、C−C10アルケニル又はアリールアセタール、又はベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
10は、Hであるか、又はC−Cアルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
Yは:
【0100】
【化36】

【0101】
であり;
Xは、置換又は未置換のC−C12アルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;そして
X’は、置換又は未置換のアリール及びヘテロアリールより選択される]を含んでなる側鎖化合物を提供する[但し、Yが、H、Li、Na、又はKであり、R10が、イソブチル又はフェニルであるとき、PとPは、PとPが付く窒素及び酸素と一緒になって、環式ベンジリデンN,O−アセタール、環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール、環式3,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール、又は環式4−メトキシベンジリデンアセタールにならない]。
【0102】
上記化合物の1つの変形において、Rは、BOM、Bn、P、及びヒドロキシル保護基からなる群より選択される。別の変形において、PとPは、PとPが付く窒素及び酸素と一緒に、置換又は未置換の環式C−Cアルキル、C−C10アルケニル又はアリールアセタール、又はベンジリデンN,O−アセタールを形成する。上記化合物の別の変形において、R10は、C−Cアルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される。
【0103】
化合物20
【0104】
【化37】

【0105】
[式中:
は、Hであるか、又はそれらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
は、Hであるか、又はBOM、Bn、及びヒドロキシル保護基からなる群より選択され;
10は、H、C−Cアルキル、C−C10アルケニル、又はアリールであり;
11は、オキソ、PO−、C−CアルキルCOO−、又はアリールCOO−であり;
12は、オキソ、α−OR12’、β−OR12’、C−CアルキルCOO−、又はアリールCOO−であり;
13は、−R13’、α−OP、β−OP、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、TPS、及びBnからなる群より選択され;
14は、C−CアルキルCO又はPhCO;−OCOCH、C−CアルキルCOであり;
15は、C−CアルキルCO又はPhCOであり;
ここでR12’とR13’は、それらが付く酸素原子と一緒に、環式C−Cアルキルアセタール、環式C−C10アルケニルアセタール、又は環式アリールアセタールを形成し;
それぞれのPは、独立して、ヒドロキシル保護基である]を製造するための方法であって、該方法は、式21の化合物を側鎖化合物22及びカップリング試薬と:
【0106】
【化38】

【0107】
[Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物20を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる。
【0108】
上記の特別な変法において、環式アセタールは、6員環式アセタールである。上記の方法の1つの変法では、側鎖化合物22において、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;そしてMは、Hであるか又はNa又はKであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はフェニルである。この方法の別の変法において、カップリング試薬は、酸無水物、二炭酸エステル、クロロホルメート、酸ハロゲン化物、クロロスルホネート、スルホン酸無水物、アルキルイソシアネート、アリールイソシアネートからなる群より選択される。別の変法において、カップリング条件は、THF又はトルエン又はこれらの混合物、並びにNMM及びDMAPを含む。該方法の特別な変法において、カップリング試薬は、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される。
【0109】
上記方法の特別な変法において、カップリング試薬は、無水安息香酸、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、及び二炭酸ジt−ブチルからなる群より選択される。上記方法のなお別の変法では、カップリング反応からのカップリング生成物をさらに加水分解して、化合物20を90%より高い収率で生成し、ここでRとRは水素である。この方法の別の変法では、化合物21において、R11は、α−OAc−であり;R12は、α−OR12’であり、そしてR13は、−R13’であり(ここでR12’とR13’は、それらが付く酸素原子と一緒に環式アリルアセタールを形成する);R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキルであり;対応する置換生成物20を生成する。この方法の別の変法では、化合物21において、R11は、PO−(ここでPは、CBzである)であり;R12は、オキソであり;R13は、CBzであり;R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はアリールであり、対応する置換生成物20を生成する。
【0110】
この方法の別の変法では、化合物21において、R11は、β−OAcであり(ここでPは、CBzである);R12は、オキソであり;R13は、CBzであり;R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキルであり;対応する置換生成物20を生成する。
【0111】
化合物30
【0112】
【化39】

【0113】
[式中:
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アリールC−Cアルコキシ、アリールC−CアルコキシCH−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素であるか、又はP、C−CアルキルCO、PhCO、アリールC−Cアルキル、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、及びTPSからなる群より選択され;
10は、Hであるか、又はC−Cアルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
11は、オキソ、α−OP、β−OP、C−CアルキルCOO−、アリールCOO−からなる群より選択されるか、又はPとPは、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の5員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
12は、オキソ、PO−、α−OR12’、β−OR12’、C−CアルキルCOO−、及びアリールCOO−からなる群より選択されるか、又はP−と−P13’は、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の6員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
13は、−P13’、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、TPS、ヒドロキシル保護基からなる群より選択されるか、又は−P13’と−Pは、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の6員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
14は、C−CアルキルCO、PhCO、及びR18CO−からなる群より選択され(ここでR18は、C−Cアルキル、C−Cアルキルアリール、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される);
15は、C−CアルキルCO、PhCO、及びR19CO−からなる群より選択され(ここでR19は、C−Cアルキル、C−Cアルキルアリール、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される);
16は、水素であるか、又はR17と一緒に、環式炭酸エステル(−OCOO−)又は環式アセタール(−O−CH−O−)を形成し;
17は、水素、−OHであるか、又はR16と一緒に、環式炭酸エステル(−OCOO−)又は環式アセタール(−O−CH−O−)を形成し;
は、水素であるか、又はRとPは、それらが付く酸素及び窒素原子と一緒に未置換又は置換の5員環式ベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
は、ヒドロキシル保護基であり;
は、水素であるか、又はC−CアルキルCO、PhCO、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS及びTPS、ヒドロキシル保護基からなる群より選択されるか、又はPとP−は、それらが付く酸素原子と一緒に、5員環式のアルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
は、水素であるか、又はC−CアルキルCO、PhCO、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、及びTPSからなる群より選択される]を製造するための方法であって、該方法は、式31の化合物を側鎖化合物32及びカップリング試薬と:
【0114】
【化40】

【0115】
[Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物30を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる。本明細書に述べるように、該方法に利用し得る特定のヒドロキシル保護基には、例えば、TBS、CBz、Bn、BOM、PMB、Troc、トリクロロエチル、アリル、アロック(alloc)、フェノキシアセテート、メトキシアセテート、フェニルアセテート、エトキシエチル、ブトキシエチル、THP、他の環式及び非環式アセタール、及びオルトエステルが含まれる。
【0116】
上記方法の別の変法において、カップリング試薬は、酸無水物、二炭酸エステル、クロロホルメート、酸ハロゲン化物、クロロスルホネート、スルホン酸無水物、アルキルイソシアネート、アリールイソシアネートからなる群より選択される。別の変法において、カップリング条件は、THF又はトルエン又はこれらの混合物、NMM及びDMAPを含む。この方法の特別な変法において、カップリング試薬は、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される。
【0117】
上記に引用される手順に使用してよい同等の保護基は、有機合成の当業者に知られている。そのような保護基と、そのような基の合成における使用は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts「有機合成の保護基(Protective groups in Organic Synthesis)」第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(2007)が含まれる、様々なテキストに見出すことができる。
【0118】
標準の手順、化学変換、及び関連の方法が当業者にはよく知られていて、そのような方法及び手順は、例えば、「フィーザーの有機合成試薬(Fiesers' Reagents for Organic Synthesis)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク州ニューヨーク(2002);「有機反応(Organic Reactions)」1-66巻、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク州ニューヨーク(2005); March J.:「先端有機化学(Advanced Organic Chemistry)」第6版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク州ニューヨーク; 及び R. C. Larock:「有機変換総覧(Comprehensive Organic Transformations)」ウィリー・VCHパブリッシャーズ、ニューヨーク(1999)のような標準文献に記載されている。本明細書に引用するすべてのテキスト及び参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
定義:
本明細書において他に具体的に述べなければ、使用する用語の定義は、有機合成と製薬科学の技術分野において利用される標準の定義である。
【0120】
本明細書に使用するように、用語「アシル」は、単独で、又は組合せにおいて、カルボン酸基の−OHが他の置換基(RCO−)に置き換わっている酸基を意味する。そのようなアシル基の例には、例えば、アセチル(CHCO−)、ベンゾイル(CCO−)、等のようなC−C10アルキルCO−、アリールCO−が含まれる。
【0121】
用語「アルキル」は、単独で、又は組合せにおいて、1〜10の炭素原子を有する、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基(例、C1−12アルキル又はC−C12アルキル)を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、等が含まれる。
【0122】
用語「アルケニル」は、単独で、又は組合せにおいて、1以上の炭素−炭素二重結合を有して2〜約18の炭素原子を有する、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、1,4−ブタジエニル、等が含まれる。
【0123】
用語「アリール」は、単独で、又は組合せにおいて、置換されていてもよい芳香族環を意味する。用語アリールには、単環系の芳香族環、多価芳香族環、及び多環系の環系が含まれる。多価芳香族及び多環系の環系は、2〜4の環、より好ましくは2の環を含有してよい。アリール基の例には6員の芳香族の環系が含まれ、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びアントリルの環系が含まれる。本出願のアリール基は、一般に5〜6の炭素原子を含有する。
【0124】
用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基を意味し、ここで用語アルキルは、上記のように定義される。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、等が含まれる。
【0125】
ある分子構造上の置換基についての「アルファ」又は「α」の明示は、その置換基が紙面の下に付くか、又は破線として示されることを意味する。
ある分子構造上の置換基についての「ベータ」又は「β」の明示は、その置換基が紙面の上に付くか、又はくさび線として示されることを意味する。
【0126】
用語「バッカチン」又は「バッカチン誘導体」は、タキサン骨格の13位にある側鎖がヒドロキシ基であるタキサン誘導体を意味して、これらの誘導体は、文献において、タキサン骨格の三環系の環上の置換基の性質に依存して、バッカチン又は「バッカチンI〜VII」、等としばしば呼ばれる。
【0127】
用語「ジアステレオ異性体」は、2以上の不斉炭素原子を含有する化合物に存在する4以上の異性体のあらゆる群を意味する。互いの立体異性体であるが、鏡像異性体ではない化合物がジアステレオ異性体と呼ばれる。
【0128】
「電子供与基」は、誘電効果及び/又は共鳴効果により電子を供与する能力を有する基又は置換基を意味する。電子供与基の例には、−OH、−OCH、−OCHCH、−NH、−NHCH、アルキル基、等が含まれる。
【0129】
「電子吸引基」は、誘電効果及び/又は共鳴効果により電子を吸引する能力を有する基又は置換基を意味する。電子吸引基の例には、−NO、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−COOH、−CN、等が含まれる。
【0130】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子であり、残りが炭素原子である5若しくは6の環原子のある環式芳香族基を意味する。ヘテロアリール基には、例えば、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、及びテトラゾールを含めてよい。ヘテロアリールには、例えば、二環系又は三環系のヘテロアリール環も含まれる。これらの二環系又は三環系のヘテロアリール環には、ベンゾ[b]フラン、ベンゾイミダゾール、キナゾリン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、キノリジン、インドール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾピラゾール、及びインドリジンが含まれる。二環系又は三環系のヘテロアリール環は、親分子へ、ヘテロアリール基そのもの、又はそれへ縮合しているアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクロアルキル基のいずれを介して付いてもよい。ヘテロアリール基は、置換されていても、未置換であってもよい。
【0131】
本明細書に使用するように、句「保護基」は、潜在的に反応性の官能基を望まれない化学変換より保護する一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、及び、アルデヒドのアセタールとケトンのケタールが含まれる。保護基化学の分野が概説されている(Greene, T. W. ;Wuts, P. G. M.「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第4版;ウィリー:ニューヨーク、2007)。本明細書に使用するように、本出願に開示する化合物中で利用し得る特定のヒドロキシル保護基には、TBS、CBz、Bn、BOM、PMB、Troc、トリクロロエチル、アリル、アロック、フェノキシアセテート、メトキシアセテート、フェニルアセテート、エトキシエチル、ブトキシエチル、THP、他の環式及び非環式アセタール、及びオルトエステルが含まれる。ヒドロキシル基の保護用の例示のシリル基には、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリル)、NDMS(2−ノルボルニルジメチルシリル)、TMS(トリメチルシリル)、及びTES(トリエチルシリル)が含まれる。例示のNH保護基には、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、及びトリフェニルメチルが含まれる。ある化合物やある保護基の加水分解に対する鋭敏な性質のために、どの特別な化合物においても、どの特別な反応プロセス又は処理工程でも使用し得る特別な保護基の賢明な選択がある。追加の代表的なヒドロキシル保護基には、アセチル、ブチル、ベンゾイル、ベンジル、ベンジルオキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、アリル、ホルミル、等も含まれる。
【0132】
用語「タキサン」、「タキサン誘導体」、及び「タキサン類似体」、等は、Taxus brevifolia(タイヘイヨウイチイ)より直接又は半合成的に誘導される抗腫瘍剤の群に関連する化合物を意味するために相互交換可能的に使用される。そのようなタキサンの例には、パクリタキセル及びドセタキセルとそれらの天然誘導体、並びにそれらの合成又は半合成誘導体が含まれる。
【0133】
例えば、C1−10アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、等が含まれる、本出願に記載される基又は官能基は、未置換であっても、1又は2の置換基によりさらに置換されていてもよい。特定の置換基には、例えば、アミノ、チオ、ハロ(ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヨード)、オキソ、ヒドロキシル、ニトロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルC(=O)−、等を含めてよい。
【0134】
実施例
I.10 DAB III()の酸化:
乾燥EtOAc(300mL)で濯いでN下に保持した4L反応フラスコに乾燥EtOAc(1250mL)を入れた。撹拌を開始して、乾燥した(100g,0.184モル)を加えた。USP EtOH(800mL)の添加を続けて、この反応混合物を−1.3℃(内部温度)へ冷やした。無水CuCl(86.4g,3.5当量)を加えて、フラスコの側面からの固形物を無水EtOH(450mL)との混合物へ洗浄した。この反応混合物を−13℃以下へ冷やして、無水TEA(90mL,3.5当量)をゆっくり加えた。反応は、HPLC/TLCによりモニタリングした。1時間で、反応は完了と判定された(が5%未満)。
【0135】
TFA(36mL)を加えて反応物を冷やして、撹拌を15分間続けた。この反応混合物を10Lのロータリーエバポレーション(rotovap)フラスコへ移した。この反応フラスコへEtOAc(500mL)とEtOH(300mL)を加え、2分間撹拌して、このロータリーエバポレーションフラスコの内容物へ先の濯ぎ液を加えて、さらなる蒸留が生じなくなるまで(80分)、これを40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させた。残渣へ酸性化エタノール(300mL)を加えて、生じるスラリーを2Lロータリーエバポレーションフラスコへ移した。第一のロータリーエバポレーションフラスコを第二のそれへ酸性化EtOH(400mL)で濯いだ。再び、さらなる蒸留が生じなくなるまで(1時間)、この混合物を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させた。このロータリーエバポレーションフラスコへ酸性化エタノール(305mL)を加えて、この混合物を40℃のロータリーエバポレーションで10分間撹拌した。次いで、このフラスコの内容物を5℃へ冷やして、濾過した。このロータリーエバポレーションフラスコを冷たい(2℃)酸性化エタノール(300mL)で濯ぎ(2回)、この濯ぎ液をフィルターへ完全に移して、固形物を洗浄した。この固形物を真空オーブン中に45℃で一晩乾燥させて、2aを得た。HPLC面積%=91.3%。収量=96.72g。
【0136】
II.2aのテシル化によるの生成:
10Lロータリーエバポレーションフラスコ中の2a(96.72g,0.1783ミリモル)へ酢酸エチル(3000mL,30mL/g)を加えた。この溶液を40℃のロータリーエバポレーションで元の容量のほぼ半分まで蒸発させた(蒸留量=1680mL)。残存した溶液へトルエン(1000mL,10mL/g)を加えて、これを40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させて、最後に固形物を入手した(45分)。この固形物をトルエン(1000mL,10mL/g)に懸濁させて、この懸濁液を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させて(約1時間)、固形物を乾燥させた。この固形物を、機械撹拌子、熱電対、滴下漏斗、及びN気流(すでに5分間パージした)が装着した2Lフラスコへ移した。このロータリーエバポレーションフラスコ中の固形物を反応フラスコ中へ無水ピリジン(292mL,3mL/g)で濯いで、撹拌を開始した。溶解したときも撹拌を続けて、フラスコの内容物を−20℃へ冷やした。この反応混合物へトリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(120.9mL,3.0当量)をゆっくり加えて、反応物の内部温度を−10℃以下に維持した。TES−OTfの添加が完了した後で、この反応混合物をそのまま−5.8℃へ温めて、撹拌を続けた。TES−OTfの添加から30分後にサンプリングを開始して、HPLC/TLCのために30分間隔で続けた。2%未満のモノTES誘導体が残っていることをHPLC/TLCが示した2時間の時点で、この反応は完了と判定された。
【0137】
この反応混合物を−17.5℃へ冷やした。メタノール(19.3mL,0.2mL/g)を加えてこの反応物を冷やして、この反応混合物を5分間撹拌した。この混合物をそのまま周囲温度へ温めながら、MTBE(500mL)を撹拌しながらゆっくり加えて、この混合物を分液漏斗へ移した。反応フラスコに残存している残渣を追加のMTBE(200mL,2mL/g)とともに分液漏斗へ洗い込んでから、水(250mL,2.5mL/g)と飽和NHCl溶液(250mL,2.5mL/g)を加えた。この混合物を撹拌して、層を分離させた。有機層を真新しい容器へ移した。水層へはMTBE(250mL,2mL/g)を加えた。これを撹拌して、層を分離させた。第二の有機層を第一の有機層へMTBE(100mL)で洗い込んで、この合わせた層へ水(200mL,2mL/g)を加えた。この混合物を撹拌して、層を分離させた。有機層を2Lのロータリーエバポレーションフラスコへ移して、40℃で蒸発させて、残渣とした。この残渣へn−ヘプタン(500mL,5mL/g)を加えて、この溶液を再び40℃で蒸発させて、残渣とした。n−ヘプタン(1000mL,約10mL/g)を再び加えて、この溶液をその容量の半分へ蒸発させた(蒸留量=375mL)。n−ヘプタン(300mL,約2.5mL/g)を加えて、この溶液をロータリーエバポレーションにおいて40℃で35分間撹拌した。次いで、撹拌を約2.5時間続けながら、この溶液を−15.7℃へ冷やした。この溶液を濾過した。フラスコに残る固形物を冷たい(5℃未満)n−ヘプタン(100mL)で濾過漏斗へ濯ぎ、すべての固形物を採取し、真空オーブン中に一晩乾燥させて、111.2gのを得た。HPLC面積%純度=93.4%。
【0138】
III.の還元によるの製造:
4L反応フラスコ中のTHFの撹拌溶液(560mL,5mL/g)へN下に(111g,0.144モル)に続いて無水エタノール(560mL,5mL/g)を加えた。この混合物を撹拌して固形物を溶かしてから、−12℃へ冷やした。THF中2M LiBH(72mL)をゆっくり加えて、反応温度(温度=−11.9〜−9.7℃)を制御した。この反応混合物を撹拌して、30分間隔でHPLC/TLC用にサンプリングした。追加のTHF中2M LiBH(72mL,1.0当量)を反応フラスコへゆっくり導入して(温度=−9.6℃〜−7.1℃)、撹拌を30分間続けた。3回目のTHF中2M LiBH(36mL,0.5当量)の添加を先の添加と同じやり方で行ったが(温度=−7.6℃〜−6.7℃)、浴温は、LiBH溶液の添加後は15℃へ、そして10分後には12.5℃へ調整した。最終のLiBH添加から1時間後、反応は完了と判定した(モノ還元生成物がに対して3%以下)。
【0139】
この反応混合物を−10.8℃へ冷やして、EtOH中10%酢酸アンモニウム(560mL)をゆっくり加えて、泡立ちを慎重に落ち着かせて、溶液の温度を−3℃以下に制御した。この反応混合物を2Lのロータリーエバポレーションフラスコへ移して、反応フラスコ中の残渣をロータリーエバポレーションフラスコへEtOH(250mL)で濯いで、ロータリーエバポレーションフラスコの内容物を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させてオイルとした。この残渣へメタノール(560mL)を加えた。滴下漏斗と機械撹拌子の装着した5Lフラスコへ水(1700mL)を加えて、激しく撹拌した。生成物を沈殿させるために、水を含有するこのフラスコへ先の反応混合物のメタノール溶液(748mL)をゆっくり加えた。生じる混合物を濾過して、固形物を水(650mL)で洗浄した。この水の一部を使用して、沈殿フラスコに残っている固形物を濾過漏斗へ洗い込んだ。固形物を真空オーブンに45℃で一晩入れて、139.5gのやや湿った非均質性の生成物、を得た。HPLC面積%純度=92.8%。
【0140】
IV.のアセチル化/脱保護化によるの製造:
アセチル化:2Lロータリーエバポレーションフラスコ中の(138g,0.178モル)へIPAc(1400mL,10mL/g)を加えた。この溶液を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させて、オイルとした。この手順を繰り返した。次いで、この残留オイルへ乾燥IPAc(550mL)を加えて、ロータリーエバポレーションフラスコの内容物を、機械撹拌子、滴下漏斗、熱電対、及びN気流が装着した1L反応フラスコへ移した。ロータリーエバポレーションフラスコは、IPAc(140mL)で反応フラスコへ洗い込んだ。反応フラスコの内容物へDMAP(8.72g,0.4当量)、無水TEA(170mL,7当量)、及び無水酢酸(100.6mL,6当量)を加えて、この混合物を撹拌して35℃へ加熱した。撹拌と35℃までの加熱を続けながら、反応を1時間間隔でHPLC/TLCによりモニタリングした。
【0141】
の非存在により示されるように(全3時間)、反応の完了後すぐに、この反応混合物を19.7℃へ冷やして、飽和塩化アンモニウム溶液(552mL)を加えた。15分間撹拌後、この混合物を分液漏斗へ移し、層を分離させて、水層を除去した。この有機層へ水(280mL)を加えて、この混合物を4分間撹拌した。層を再び分離させて、水層を除去した。有機層を2Lロータリーエバポレーションフラスコへ移して、分液漏斗の残留内容物をIPAc(200mL)でロータリーエバポレーションフラスコへ洗い込んだ。この混合物を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発乾固させて、約124gのを薄黄色い油状のフォームとして得た。
【0142】
脱保護化:(124g)を含有するロータリーエバポレーションフラスコへメタノール(970mL,7mL/g)を加えた。HPLC/TLC用のサンプリングを開始して、1時間間隔で続けた。この/メタノール溶液を3L反応フラスコへ移して、撹拌を開始した。ロータリーエバポレーションフラスコの残留内容物をメタノール(400mL)で反応フラスコへ洗い込んだ。酢酸(410mL,3mL/g)と水(275mL,2mL/g)を加えて、この反応混合物を50℃まで加熱して、撹拌した。温度を50℃と55℃の間に維持しながら、この反応について、出発材料の消失、モノTES中間体の生成及び消失、及び生成物、の生成を1時間間隔でHPLC/TLCによりモニタリングした。
【0143】
完了後すぐに(約9時間)、この反応混合物を室温へ冷やして、10Lロータリーエバポレーションフラスコへ移した。n−ヘプタン(2X1370mL,1X1000mL)とIPAc(2X1370mL,1X1500mL)への溶媒交換を実施した。このロータリーエバポレーションフラスコへIPAc(280mL,2mL/g)とシリカ(140g,1g/g)を加えて、さらなる蒸留が生じなくなるまで内容物を40℃のロータリーエバポレーションで蒸発させて、自由浮遊性の固形物を得た。この乾燥シリカ混合物をシリカパッド(7cmカラム、280gシリカ)上へロードし、2:1 n−ヘプタン/IPAc(500mL,2mL/gシリカ)で条件付けて、すべての不純物がTLCにより示されるように除去されるまで、2:1 n−ヘプタン/IPAc(2mL/gシリカ、全量3400mL)で4回、そして1:1 n−ヘプタン/IPAc(全量3020mL,2mL/gシリカ)で4回洗浄した。それぞれの洗液(約840mL)を別の分画として採取して、TLCにより分析した。次いで、シリカパッドを水性EtOAc(EtOAc中1%水、1% AcOH)(全量3950mL,2mL/gシリカ)と1:1 MeOH/EtOAcで5回洗浄して、各洗液(約840mL)を別の分画として採取した。生成物は、分画11〜15とともに溶出された。HPLC/TLCにより示されるようにを含有する分画を合わせ、ロータリーエバポレーションフラスコへ移して、40℃のロータリーエバポレーションで蒸発乾固させた。フラスコ中の残渣を溶かして、最初はIPAc(1055mL)とn−ヘプタン(550mL)で、2回目はIPAc(830mL)とn−ヘプタン(410mL)で蒸発乾固させた。次いで、この残渣へIPAc(500mL)を加えて、この溶液を2L丸底フラスコへ移して、n−ヘプタン(140mL)を加えた。生じる溶液をロータリーエバポレーションで蒸発させ、40℃の真空オーブンで乾燥させて、をフォームとして得た。このフォームを溶かすために、このフラスコへIPAc(160mL)に続いてトルエン(800mL)を加えた。この溶液を、溶媒の半分が除去されて固形物が形成されるまで、50℃の真空下にロータリーエバポレーションで蒸発させた。フラスコの内容物を1.5時間撹拌して21℃へ冷やした。この固形物を90cm濾過漏斗において#54 Whatman濾紙で濾過してトルエン(165mL)で洗浄し、真空オーブンへ移し、40℃で乾燥させて、62.6gのを得た。HPLC面積%=96.9%。
【0144】
VI.アセタール形成:から
(25g、42.4ミリモル)を含有する3L反応フラスコへトルエン(375mL)を加えて、この反応混合物を約−15℃へ冷やした。TFA(9.8mL,3.0当量)をゆっくり加えた。これにアクロレインジエチルアセタール(8.7g)の添加を続けて、反応をHPLCによりモニタリングすると、最後にはが3%未満残った。
【0145】
シリカ(25g)と水(25%)を混合することによって水和シリカを調製して、KCO(17.6g,3.0当量)の水溶液(1mL/g )を50gのシリカと混合することによって「塩基性化シリカ」混合物を調製した。
【0146】
反応完了後すぐに、この反応混合物へ水和シリカを加えて、温度を5℃以下に維持しながら、これを30〜45分間撹拌した。次いで、温度を5℃以下に、pHを5より高く維持することを続けながら、この混合物へ塩基性化シリカを加えた。約15分間撹拌後、この混合物を濾過した。シリカを約20mL/gのトルエンで洗浄して、濾液を合わせて濃縮した。残渣を1mL/gのトルエンで約4時間蒸解した。生じる固形物を濾過し、80:20 トルエン/ヘプタンで洗浄して、25gのを得た。HPLC面積%=98%。量的収率=66%。
【0147】
VII.から化合物10の製造:
1L反応フラスコ(THF(500mL)で濯いだ)において撹拌中のTHF(300mL,8mL/g)へ(35.7g,0.0570モル)を加えた。この反応混合物へ精製済みの8a(30.9g,1.25当量)を加えて、NMM(11.5mL,1.8当量)、DMAP(2.77g,0.4当量)、及びTHF(75mL,2mL/g)の添加を続けた。フラスコの底よりNを泡立てながら、この混合物を撹拌して混合して、固形物を溶かした。次いで、この反応混合物へピバロイルクロリド(11.5mL,1.6当量)をゆっくり加えた。この反応混合物を温めて、撹拌を続けて、Nをフラスコの底より泡立て続けながら、温度を38℃±4℃に維持した。この反応混合物について、ピバロイルクロリドの添加後30分より始めて30分間隔で、出発材料の消費とカップリングしたエステル、9aの生成をHPLC/TLCにより分析した。
【0148】
1時間後、反応が完了したと判定して、この反応混合物を2℃へ冷やした。MeOH中0.5N HCl(280mL,約20mL/mL NMM)を加えて、この反応混合物のpHを1.5〜1.9に維持した。この反応混合物を2℃±2℃で撹拌して、HPLC/TLCにより30分間隔で9aの消費と10の生成、そしてアクロレインアセタールが加水分解した副生成物をモニタリングした。2時間で完了後すぐに、この反応物を5%重炭酸ナトリム水溶液(300mL)で冷やして、IPAc(185mL,5mL/g)を加えた。この反応混合物を2Lロータリーエバポレーションフラスコへ移して、反応フラスコを60mL IPAcで2回ロータリーエバポレーションフラスコへ濯ぎ入れた。この混合物を40℃の真空で蒸発させて、最終的にオイルと水の混合物を入手した。このオイル及び水の混合物へIPAc(200mL)を加えて、フラスコの内容物を分液漏斗へ移した。この反応フラスコをIPAc(100mL)で分液漏斗へ濯ぎ入れて、分液漏斗の内容物を撹拌して、層を分離させた。水層を除去した。有機層へ水(70mL)を加えて、撹拌後、層を分離させて、水層を除去した。有機層をロータリーエバポレーションフラスコへ移し、40℃の真空で蒸発させてフォームとし、これを真空オーブンで乾燥させて、64.8gの粗製の10を得た。HPLC面積%=45.5%。
【0149】
VIII.精製手順:
順相クロマトグラフィー:6”Varian DACカラムにKromasil(5Kg,10μm,100A[オングストローム]順相シリカゲル)を充填した。50cmのベッド長さにより、9Lの空カラム容量(eCV)を得た。このカラムは、再生されていて(1eCV 80:20 waMTBE:MeOH)、再平衡化されていた(1eCV waMTBE,1eCV 65:35 n−ヘプタン:waMTBE)。
【0150】
粗製の10(64.70g)をMTBE(180mL)に溶かして、約40℃まで加熱した。この溶液へn−ヘプタン(280mL)をゆっくり加えた。このロード溶液を、FMI「Q」ポンプを使用して、カラム上へ詰め込んだ。次いで、このカラムを800mL/分の65:35 n−ヘプタン:waMTBEで溶出させた。34Lの前操作(forerun)(約3.8eCV)に続いて24分画(それぞれ500mL)を採取した。分画1〜23を合わせて、ロータリーエバポレーター(rotovapor)で濃縮乾固させた。残渣を真空オーブンに一晩乾燥させて、41.74gの10を得た。HPLC面積%=99.4%。
【0151】
最終精製:順相プールをUSP EtOH(6mL/g)に溶かして、3回濃縮乾固させた。生じる残渣をUSP EtOH(2mL/g)に溶かした。このエタノール溶液を、激しく撹拌しながら、水(脱イオン、20mL/g)へゆっくり滴下した。生じる固形物を真空濾過して、冷たい脱イオン水で洗浄した。この固形物を40℃の真空オーブンで一晩乾燥させて、38.85gの10を得た。HPLC面積%=99.5%。
【0152】
IX.8bの製造
丸底フラスコにおいて、NMO(10.5g,75.2ミリモル)をACN(200mL)とともに撹拌して溶液を得た。この溶液へ、撹拌しながら、10% NaIO水溶液(165mL,76.4ミリモル)、追加のACN(50mL)、及び脱イオン水(50mL)を加えた。TPAP(504mg,1.4ミリモル)を加えて、その後で溶液16(15.0g,38.3ミリモル、0.5g/mLACN)を周囲条件でほぼ1分の経過にわたって加えた。約50分後、この反応混合物へ追加のACN(50mL)、NMO(10.0g,71.7ミリモル)、及び10% NaIO水溶液(82mL,38.0ミリモル)を加えて、完了へ推進した。反応が完了した後で、この撹拌中の反応混合物へIPAc(300mL)と水(200mL)を加えた。この混合物を真空濾過して沈殿した試薬を除去してから、それを分画した。水相を2回(1回目はIPAで、次いで2:1 n−ヘプタン/IPAcで)戻し抽出した。それぞれの抽出の後で、有機相を合わせた。
【0153】
有機相がやや酸性であることを確かめた後で、それを15% Na水溶液に続いて水、最後は塩水で洗浄した。この単離した有機相を45℃でロータリーエバポレーションにより濃縮して、9.82gの粗製の8bを得た。この粗製オイルをカラムクロマトグラフィーにより精製して、5.0gの8bを得た。
【0154】
X.8bへのカップリングによる10の生成:
8bと無水カップリングすること:
2首の10mL丸底フラスコを加熱して水分を消失させてから、N雰囲気下にそのまま冷やした。このフラスコへ(125mg,0.2ミリモル)、THF(1.25mL)、4−メチルモルホリン(40μL,0.36ミリモル)、DMAP(10.9mg,0.009ミリモル)、8bナトリウム塩(110mg,0.254ミリモル)、そして最後にトリメチルアセチルクロリド(40μL,0.319ミリモル)を加えた。この反応混合物を40℃でN下に撹拌した。約2時間後、追加の4−メチルモルホリン(11μL,0.01ミリモル)、8bナトリウム塩(41mg,0.1ミリモル)、及びトリメチルアセチルクロリド(13μL,0.1ミリモル)を加えて無水中間体の生成を促進して、これをへカップリングした。さらに約2時間後、4−メチルモルホリン(11μL,0.010ミリモル)、トリメチルアセチルクロリド(13μL,0.104ミリモル)、及び8bナトリウム塩(42mg,0.1ミリモル)を加えた。1.5時間以上後に、この反応物を−20℃の冷凍庫へ一晩入れた。翌朝、撹拌を再開して、この反応物を45℃まで2時間加熱した。追加の4−メチルモルホリン(22μL,0.02ミリモル)及びトリメチルアセチルクロリド(25μL,0.201ミリモル)を加えた。さらに2時間の撹拌により、約90%の完了に至る反応を生じた。
【0155】
冷却するために、この反応混合物を熱源より外して、撹拌しながらそのまま室温へ冷やして、MTBE(2mL)に続いて水(1mL)を加えた。この混合物を分画して、有機相を塩水(40μL)で洗浄した。この有機相を40℃で濃縮して、粗生成物をピンク色のフォームとして得た。
【0156】
このピンク色のフォームをMTBE(500μL)へ溶かして、約−20℃で撹拌中のn−ヘプタン(5mL)へ滴下して、ピンク色の沈殿を得た。この混合物を真空濾過し、固形物を真空オーブン中に40℃で一晩乾燥させて、LC/MSにより示されるように、所望のカップリングしたエステル(82mg)を得た。このカップリングしたエステル9bを、極性が増加するIPAc/n−ヘプタン系で溶出させる、順相シリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。LC/MSにより確かめたように、ほぼ26mgの精製カップリング・エステル9bを回収した。
【0157】
9bの脱保護による10の生成:
カップリングしたエステル9b(15mg,0.001ミリモル)をTHF(1mL)へ溶かした。この溶液の250μLアリコートをTHFで1:1希釈した。この溶液を氷浴上に約0℃で撹拌した後で、HCl(MeOH中0.5N,25μL)を加えた。反応をLC/MSによりモニタリングして、それにより10の生成が示された。
【0158】
VIII.カップリング反応:化合物10からの製造:
多様なカップリング試薬を使用する、化合物の化合物IIとのカップリング:
【0159】
【化41】

【0160】
(100mg)及びII(120mg,1.75当量)を含有する4つの反応フラスコのそれぞれへ無水THF(2mL)に続いてDMAP(8mg,0.4当量)とNMM(44μL,2.0当量)を加えた。表1に示すように、これら4つの反応混合物のそれぞれへ異なるカップリング試薬(2.0当量)を加えた。この反応混合物を室温で1.5時間撹拌すると、反応物、及びは、HPLC分析により完了と判定された。これらの反応混合物のそれぞれを5mL容量のフラスコへ移して、THFで希釈した。この溶液のそれぞれの試料(25μL)を取り出し、1mL ACNで希釈して、0.5μLをHPLC−MSに注入した。収率は、カップリングしたエステルの外部標準に対して計算した。
【0161】
1.5時間後、反応物には、が依然として存在していた。追加のII(1.75当量)、NMM(2.5当量)、及びクロロギ酸ベンジル(6.0当量)をこの反応混合物へ導入して、反応を続けて進行させた。生成した主たる不純物は、側鎖のベンジルエステルに一致する質量を有した。一晩撹拌後、反応物を5mL容量のフラスコへ移して、上記のようにサンプリングした。この4つの反応の収率結果を表1に要約する。
【0162】
上記の方法を利用するある手順において、側鎖IIは、ナトリウム塩、アルカリ金属(例えば、Li又はKが含まれる)塩であっても、側鎖IIは、カルボン酸(即ち、−COOH)であってもよい。
【0163】
表1:代表的なカップリング試薬を用いたカップリングの収率
【0164】
【表2】

【0165】
カップリング試薬を用いた、化合物の側鎖IIとのカップリング:
代わりのカップリング試薬を用いる追加の反応を実施した。この反応には、化合物を50mgスケールで利用した。反応混合物をサンプリングして、反応量は、カップリング・エステルの外部標準に対する収率計算のために推定した。この反応を完了へ推進するために、追加の努力は払わなかった。カップリングしたエステルIIIをもたらしたカップリング試薬を表2に報告する。
【0166】
表2.カップリング生成物IIIをもたらすカップリング試薬
【0167】
【表3】

【0168】
化合物の側鎖8bとのカップリング:
【0169】
【化42】

【0170】
トリメチルアセチルクロリドを使用する側鎖8bのカップリングと、in situ 脱保護化により成功裡に化合物10を生成した。側鎖8bが側鎖IIと同様に機能することを確かめるために、代わりのカップリング試薬を用いた追加の試験を行った。これらの試験反応は、化合物を50mgスケールで実施した。反応条件と試料調製は、先のカップリング反応と同じであった。化合物の側鎖8bとのカップリングの結果を表3に報告する。
【0171】
表3.の側鎖8bとのカップリング
【0172】
【表4】

【0173】
化合物の側鎖へのカップリング
カップリング試薬についての多様な選択で実証された、本発明のカップリング方法論の成功により、このカップリング反応における他の保護化側鎖の使用を検討することにした。このうちの1つである、側鎖は、BOMで保護された2’−OH基を有する。
【0174】
【化43】

【0175】
側鎖(ナトリウム塩、1.75当量)を無水THF(1mL)に含有する2つの反応フラスコのそれぞれへDMAP(4mg,0.4当量)とNMM(16μL,1.8当量)を加えた。この反応混合物へ化合物(50mg)をトルエン(1mL)溶液として加えた。反応へはトリメチルアセチルクロリド(18μL,1.8当量)を加えて、反応へは無水安息香酸(33mg,1.8当量)を加えた。反応フラスコを水浴(80℃)へ移して、THFを除去した。THFの除去に続いて、追加のトリメチルアセチルクロリド(1.8当量)を反応へ導入して、追加のNMM(1.8当量)を両方の反応混合物へ導入した。これらの反応混合物を室温へ冷やして、一晩撹拌した。
【0176】
反応(トリメチルアセチルクロリド)は、化合物の完全な消費を示して、反応(無水安息香酸)は、化合物の約90%の消費を示した。反応の間に生成した生成物は、カップリングしたエステルに一致する質量ピークを示した。このエステル生成物の2’−エピ異性体の生成の証拠はなかった。
【0177】
側鎖の化合物VIとのカップリング:
先の反応(反応と反応)の結果は、VIとのカップリング反応を促進した。
【0178】
【化44】

【0179】
3種の異なるカップリング試薬:無水安息香酸(反応)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(反応)、及びトリメチルアセチルクロリド(反応)を使用して、3種の反応を実施した。この反応は、トルエン中に室温で実施した。この反応を完了へ推進するために、追加の努力は払わなかった。2’−エピマーVIIの生成の証拠はなかった。これらの反応の結果を表4に報告する。この結果により、酸無水物と酸クロリドが、様々な側鎖の異なる13−OHバッカチン誘導体とのカップリング反応におけるカップリング試薬として有効に使用し得ることが明らかである。
【0180】
表4.側鎖の化合物VIとのカップリング
【0181】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】図1は、化合物10の製造法の1つの態様の概略図を示す。
【図2】図2は、化合物の製造法の1つの態様の概略図を示す。
【図3】図3は、化合物10の製造法の別の態様の概略図を示す。
【図4】図4は、化合物8bの製造法の1つの態様の概略図を示す。
【図5】図5は、化合物9bの製造法の1つの態様の概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
9,10−ジケトバッカチン誘導体
【化1】

を製造するための方法であって、9−ケトアルコール
【化2】

をCuClと塩基の存在下に接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
塩基がアミン塩基である、請求項1の方法。
【請求項3】
アミン塩基がTEAであり、有機溶媒又は溶媒の混合物において行う、請求項2の方法。
【請求項4】
溶媒の混合物がEtOHとEtOAcを含み、室温未満で行って所望の生成物を3時間未満で生成する、請求項3の方法。
【請求項5】
2a2bの混合物を少なくとも95:5の比と少なくとも85%の収率で得る、請求項1の方法。
【請求項6】
9,10−ジオールバッカチン誘導体
【化3】

の製造の方法であって、2a及び2bの混合物、又は2aの単一異性体としての9,10−ジケトバッカチン誘導体
【化4】

をシリル化試薬と接触させてジシリルエーテル
【化5】

を生成すること、及びこのジシリルエーテルの9,10−ジケトンを還元剤で還元して9,10−ジオールバッカチン誘導体を生成することを含んでなる、前記方法。
【請求項7】
シリル化試薬がTES−OTfとピリジン中のNMPであり、ジシリルエーテルを少なくとも97%で生成する、請求項6の方法。
【請求項8】
還元試薬がLiBHであり、還元反応をTHF/エタノール溶媒中で実施して9,10−ジオールを90%より高い収率で得る、請求項6の方法。
【請求項9】
アリリデンアセタールバッカチン誘導体
【化6】

の製造の方法であって、ジオールをアシル化試薬と接触させて10−アシル化アルコール
【化7】

を生成すること;TES基の選択的加水分解により対応するテトラオール
【化8】

を生成すること;及び化合物の7,9−ジオールのアセタール化によりアリリデンアセタールを得ることを含んでなる、前記方法。
【請求項10】
アシル化試薬がIPAC中のAcO、TEA、及びDMAPであり、選択的加水分解は、水性メタノール中の酢酸を用いて実施する、請求項9の方法。
【請求項11】
化合物の7,9−ジオールのアセタール化を、アリリデンアセタールを提供するための非極性溶媒中のアクロレインジエチルアセタール又はアクロレインジメチルアセタールと、TFA、TFA/TFAA、CSA、及びCDSAからなる群より選択される酸を用いて実施する、請求項9の方法。
【請求項12】
選択的加水分解及びアセタール化の工程を実施して、化合物の単離を伴わずにアリリデンアセタールを提供する、請求項9の方法。
【請求項13】
選択的アシル化及び選択的加水分解を実施して、中間化合物の単離を伴わずにテトラオールを生成する、請求項9の方法。
【請求項14】
式:
【化9】

の10−アシル化アルコールを含んでなる化合物。
【請求項15】
式:
【化10】

のテトラオールを含んでなる化合物。
【請求項16】
式:
【化11】

のアリリデンアセタールを含んでなる化合物。
【請求項17】
化合物10
【化12】

の製造の方法であって、アリリデンアセタールを側鎖
【化13】

[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成して、Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]とカップリング反応条件の下で接触させて、カップリングした中間化合物
【化14】

を生成すること;及び、化合物を加水分解して化合物10を生成することを含んでなる、前記方法。
【請求項18】
カップリング反応条件が、アリリデンアセタールを側鎖とPiv−Cl、TEA、DMAP及びTHF、又はPiv−Cl、NMM、DMAP及びTHFにおいて化合物を生成するのに十分な量の時間の間接触させることを含み、それを加水分解して化合物10を95%より高い収率で生成する、請求項17の方法。
【請求項19】

【化15】

[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成するか、又はここでRは水素であり、Rは、ヒドロキシ保護基である]を含んでなる化合物。
【請求項20】
化合物
【化16】

[式中、RとRは、水素であるか、又はそれらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成する]を製造するための方法であって;
の化合物を側鎖化合物及びカップリング試薬と:
【化17】

[式中、RとRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成して;Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項21】
化合物をさらに加水分解して化合物10
【化18】

を生成する、請求項20の方法。
【請求項22】
加水分解した化合物が化合物10a
【化19】

である、請求項21の方法。
【請求項23】
加水分解した化合物が化合物10b
【化20】

である、請求項21の方法。
【請求項24】
側鎖が化合物であり、
とRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;そして
Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である、請求項20の方法。
【請求項25】
カップリング試薬が、アルキル、アリール又はアリールアルキル酸無水物;二炭酸エステル;アルキル、アリール又はアリールアルキルクロロホルメート;アルキル、アリール又はアリールアルキル酸ハロゲン化物;クロロスルホネート、アルキル又はアリールスルホン酸無水物;アルキルイソシアネート;アルキル、アリール又はアリールアルキルイソシアネート;及び、スルホン酸無水物からなる群より選択される、請求項20の方法。
【請求項26】
カップリング条件が、THF又はトルエン又はこれらの混合物、並びにNMM及びDMAPを含む、請求項25の方法。
【請求項27】
カップリング試薬が、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される、請求項25の方法。
【請求項28】
カップリング試薬が、無水安息香酸、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、及び二炭酸ジt−ブチルからなる群より選択される、請求項25の方法。
【請求項29】
カップリング反応からの生成物をさらに加水分解して、化合物10を90%より高い収率で生成する(ここでRとRは、水素である)、請求項25の方法。
【請求項30】
化合物20
【化21】

[式中:
は、Hであるか、又はそれらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
は、Hであるか、又はBOM、Bn、及びヒドロキシル保護基からなる群より選択され;
10は、H、C−Cアルキル、C−C10アルケニル、又はアリールであり;
11は、オキソ、PO−、C−CアルキルCOO−、又はアリールCOO−であり;
12は、オキソ、α−OR12’、β−OR12’、C−CアルキルCOO−、又はアリールCOO−であり;
13は、−R13’、α−OP、β−OP、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、TPS、及びBnからなる群より選択され;
14は、C−CアルキルCO又はPhCO;−OCOCH、C−CアルキルCOであり;
15は、C−CアルキルCO又はPhCOであり;
ここでR12’とR13’は、それらが付く酸素原子と一緒に、環式C−Cアルキルアセタール、環式C−C10アルケニルアセタール、又は環式アリールアセタールを形成し;
それぞれのPは、独立して、ヒドロキシル保護基である]を製造するための方法であって、式21の化合物を側鎖化合物22及びカップリング試薬と:
【化22】

[Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物20を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項31】
側鎖が化合物22であり;
とRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;そして
Mは、Hであるか又はNa又はKであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はフェニルである、請求項30の方法。
【請求項32】
カップリング試薬が、酸無水物、二炭酸エステル、クロロホルメート、酸ハロゲン化物、クロロスルホネート、スルホン酸無水物、アルキルイソシアネート、及びアリールイソシアネートからなる群より選択される、請求項30の方法。
【請求項33】
カップリング条件が、THF又はトルエン又はこれらの混合物、並びにNMM及びDMAPを含む、請求項30の方法。
【請求項34】
カップリング試薬が、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される、請求項30の方法。
【請求項35】
カップリング試薬が、無水安息香酸、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、及び二炭酸ジt−ブチルからなる群より選択される、請求項30の方法。
【請求項36】
カップリング反応からのカップリング生成物をさらに加水分解して、化合物20を95%より高い収率で生成する(ここでRとRは、水素である)、請求項30の方法。
【請求項37】
化合物21において、R11は、α−OAc−であり;R12は、α−OR12’であり、そしてR13は、−R13’であり(ここでR12’とR13’は、それらが付く酸素原子と一緒に環式アリルアセタールを形成する);R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして
化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキルである、対応する置換生成物20を生成するための、請求項30の方法。
【請求項38】
化合物21において、R11は、PO−(ここでPは、CBzである)であり;R12は、オキソであり;R13は、CBzであり;R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして
化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はアリールである、対応する置換生成物20を生成するための、請求項30の方法。
【請求項39】
化合物21において、R11は、β−OAcであり;R12は、オキソであり;R13は、CBzであり;R14は、CHCOであり;R15は、PhCOであり;そして
化合物22において、Mは、Naであり;Rは、Hであり、Rは、BOMであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はアリールである、対応する置換生成物20を生成するための、請求項30の方法。
【請求項40】
化合物30
【化23】

[式中:
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アリールC−Cアルコキシ、アリールC−CアルコキシCH−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素であるか、又はP、C−CアルキルCO、PhCO、アリールC−Cアルキル、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、及びTPSからなる群より選択され;
10は、Hであるか、又はC−Cアルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
11は、オキソ、α−OP、β−OP、C−CアルキルCOO−、アリールCOO−からなる群より選択されるか、又はPとPは、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の5員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
12は、オキソ、PO−、α−OR12’、β−OR12’、C−CアルキルCOO−、及びアリールCOO−からなる群より選択されるか、又はP−と−P13’は、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の6員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
13は、−P13’、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、TPS、ヒドロキシル保護基からなる群より選択されるか、又は−P13’と−Pは、それらが付く酸素原子と一緒に、未置換又は置換の6員環式アルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
14は、C−CアルキルCO、PhCO、及びR18CO−からなる群より選択され(ここでR18は、C−Cアルキル、C−Cアルキルアリール、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される);
15は、C−CアルキルCO、PhCO、及びR19CO−からなる群より選択され(ここでR19は、C−Cアルキル、C−Cアルキルアリール、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される);
16は、水素であるか、又はR17と一緒に、環式炭酸エステル(−OCOO−)又は環式アセタール(−O−CH−O−)を形成し;
17は、水素、−OHであるか、又はR16と一緒に、環式炭酸エステル(−OCOO−)又は環式アセタール(−O−CH−O−)を形成し;
は、水素であるか、又はRとPは、それらが付く酸素及び窒素原子と一緒に未置換又は置換の5員環式ベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
は、ヒドロキシル保護基であり;
は、水素であるか、又はC−CアルキルCO、PhCO、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS及びTPS、ヒドロキシル保護基からなる群より選択されるか、又はPとP−は、それらが付く酸素原子と一緒に、5員環式のアルキル、アルケニル、又はアリールアセタールを形成し;
は、水素であるか、又はC−CアルキルCO、PhCO、アリールC−CアルコキシCH−、TES、TMS、iPrDMS、TBDMS、MDiPrS、TBDPS、及びTPSからなる群より選択される]を製造するための方法であって、式31の化合物を側鎖化合物32及びカップリング試薬と:
【化24】

[Mは、Hであるか又は、Li、Na、及びKからなる群より選択されるアルカリ金属である]化合物30を生成するのに十分なカップリング条件の下で接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項41】
側鎖が化合物32であり;
とRは、それらが付く窒素及び酸素と一緒に環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール又は環式2,6−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタールを形成し;そして
Mは、Hであるか又はNa又はKであり;そしてR10は、C−Cアルキル又はフェニルである、請求項40の方法。
【請求項42】
カップリング試薬が、酸無水物、二炭酸エステル、クロロホルメート、酸ハロゲン化物、クロロスルホネート、スルホン酸無水物、アルキルイソシアネート、及びアリールイソシアネートからなる群より選択される、請求項40の方法。
【請求項43】
カップリング条件が、THF又はトルエン又はこれらの混合物、並びにNMM及びDMAPを含む、請求項40の方法。
【請求項44】
カップリング試薬が、無水安息香酸、無水フェノキシ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水酢酸、無水へキサン酸、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸トリクロロエチル、クロロギ酸メチル、4−ニトロフェニルクロロホルメート、ベンゾイルクロリド、2−メトキシベンゾイルクロリド、2−クロロ−2,2−ジフェニルベンゾイルクロリド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、4−ニトロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、フェノキシアセチルクロリド、4−クロロメチル−ベンゾイルクロリド、アセチルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、ヘキサノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トシルクロロチオノホルメート、フェニルイソシアネート、及びp−トルエンスルホン酸無水物からなる群より選択される、請求項40の方法。
【請求項45】
カップリング試薬が、無水安息香酸、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、及び二炭酸ジt−ブチルからなる群より選択される、請求項40の方法。
【請求項46】
カップリング反応からのカップリング生成物をさらに加水分解して、化合物30を95%より高い収率で生成する(ここでPとRは、水素である)、請求項40の方法。
【請求項47】
式:
【化25】

より選択される化合物。
【請求項48】
式:
【化26】

[式中、Mは、Hであるか、又はLi、Na、及びKからなる群より選択される金属である]より選択される化合物。
【請求項49】
式:
【化27】

[式中:
は、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、C−Cアルキル、アリールCHO−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
それぞれのP10は、独立して、Hであるか、又は電子供与性又は電子吸引性の置換基であり;
Yは:
【化28】

であり;そして
Xは、置換又は未置換のC−C12アルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される]を含んでなる化合物。
【請求項50】
式:
【化29】

[式中:
は、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、C−Cアルキル、アリールCHO−、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素であるか、又はBOM、Bn、P、及びヒドロキシル保護基からなる群より選択され;
は、Hであるか、又はPとPは、PとPが付く窒素及び酸素と一緒に、置換又は未置換の環式C−Cアルキル、C−C10アルケニル又はアリールアセタール、又はベンジリデンN,O−アセタールを形成し;
10は、Hであるか、又はC−Cアルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
Yは:
【化30】

であり;
Xは、置換又は未置換のC−C12アルキル、C−C10アルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され;そして
X’は、置換又は未置換のアリール及びヘテロアリールより選択される]を含んでなる化合物[但し、Yが、H、Li、Na、又はKであり、R10が、イソブチル又はフェニルであるとき、PとPは、PとPが付く窒素及び酸素と一緒になって、環式ベンジリデンN,O−アセタール、環式2,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール、環式3,4−ジメトキシベンジリデンN,O−アセタール、又は環式4−メトキシベンジリデンアセタールにならない]。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−531446(P2009−531446A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502976(P2009−502976)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/007687
【国際公開番号】WO2007/126893
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(504191419)タペストリー ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】