説明

タービン発電機及びそれを備えた冷凍装置

【課題】タービン発電機において、エネルギ損失を低減しつつ、流量を調節可能とする。
【解決手段】タービン発電機(2)は、タービン羽根車(5)と、内部流路(40)が喉部(42)で絞られた複数のノズルとを備えている。複数のノズルは、喉部(42)の開度をニードル弁(9A)で制御することで流量を調節可能な流量可変ノズル(4A)と、流量が固定の流量固定ノズル(4B)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン羽根車及びノズルを備えたタービン発電機、及びそれを備えた冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、流体の運動エネルギを電力に変換して回収するタービン発電機が広く知られている。例えば、特許文献1に示すように、冷凍サイクルを行う冷凍装置に用いられるタービン発電機が知られている。このタービン発電機においては、ケーシング内に流入してくる冷媒をノズルで減圧させることによって圧力エネルギを速度エネルギに変換した後、タービン羽根車に向かって噴射する。タービン羽根車は、流体からの運動エネルギを受けて回転し、発電機を駆動する。こうして、流体の運動エネルギを電力に変換している。
【0003】
ところで、前記タービン発電機のノズルは、流体を減圧させるため、冷凍サイクルにおいて膨張機構の役割を果たすが、一般的な膨張弁のように流量を制御することまではできない。そこで、特許文献1に開示された別の構成では、タービン発電機の上流側に流量を制御するための膨張弁を設けている。こうすることで、流量を調節して、冷媒回路を流れる冷媒の循環量を制御している。このようにタービン発電機の上流側に膨張弁を設ける構成においては、膨張弁とノズルとで段階的に減圧する、即ち、流体の圧力エネルギを速度エネルギに変換することになる。
【0004】
ところが、かかる構成では、膨張弁により圧力エネルギから変換された運動エネルギが、流体が膨張弁からノズルまで流通する間に損失してしまう虞がある。つまり、流量を制御することができるようになっても、その一方で流体のエネルギ損失を生じる虞がある。
【0005】
そこで、本発明者は鋭意研究の結果、ノズルの喉部にノズルの喉部に弁機構を設けて該喉部の開度を調節することによって、エネルギ損失を低減しつつ、流量を調節することができることを見出し、該発明について出願した(特願2008−158858)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−156163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者がさらに鋭意研究を重ねた結果、前記の構成を実現すると、以下のような課題が生じることを見出した。
【0008】
すなわち、ノズルは、入口から喉部に向かって断面積が縮小するように構成されているが、該喉部と出口との断面積比を適切な面積比に設定することで、ノズル効率(=ノズルで変換できたエネルギ/取り得る最大エネルギ)を最適化している。
【0009】
ところが、このようなノズルの喉部に弁機構を設けて、該喉部の開度を絞ると、喉部と出口との断面積比が適切な面積比がずれて、ノズル効率が低下してしまう。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タービン発電機において、エネルギ損失を低減しつつ、流量を調節可能とすることに加えて、ノズル効率の低下を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、弁機構を有して流量を調節可能な流量可変ノズル(4A)と、流量が固定の流量固定ノズル(4B)との2種類のノズルを備えるようにした。
【0012】
具体的には、本発明は、タービン羽根車(5)と、内部流路(40)が喉部(42)で絞られた複数のノズルとを備えたタービン発電機が対象である。そして、複数の前記ノズルは、前記喉部(42)の開度を弁機構(9A)で制御することで流量を調節可能な流量可変ノズル(4A)と、流量が固定の流量固定ノズル(4B)とを含むものとする。
【0013】
前記の構成の場合、前記流量固定ノズル(4B)は、喉部と出口との断面積比が一定であるため、もともと設定されている適切なノズル効率で流体を減圧させることができる。一方、前記流量可変ノズル(4A)は、ノズル効率が変化してしまうものの、前記弁機構(9A)により喉部の開度を制御することによって、流量を調節することができる。そして、この流量可変ノズル(4A)では、喉部(42)に弁機構(9A)を設けることによって、流体を減圧させつつ流量も調節するため、流体の流量調節後、減圧させるまでの間の、流体の速度エネルギの損失を抑制することができる。
【0014】
このように、流体の一部だけでも、流量固定ノズル(4B)を用いて減圧させることによって、全体としてのノズル効率を向上させることができる。すなわち、流量可変ノズルにおいて適切なノズル効率を示すのは所定の開度のときだけであり、その他の開度のときには適切なノズル効率とはならない。そのため、流体を1つの流量可変ノズルのみで減圧させると、大半の運転領域においてはノズル効率が低下した状態での運転となる。それに対して、前記の構成では、流体の一部だけであっても、流量固定ノズル(4B)を流通させることによって、適切なノズル効率で減圧させることができる。残りの流体については流量可変ノズル(4A)を流通させることになるが、流体の一部については適切なノズル効率で減圧させるため、1つの流量可変ノズルのみで流体を減圧させる構成に比べると、全体としてのノズル効率を向上させることができる。
【0015】
そして、流量固定ノズル(4B)だけで構成するのではなく、流量可変ノズル(4A)も備えることによって、エネルギ損失を抑制しつつ流量を調整することができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、流量を所定の閾値未満に調節するときには、前記流量可変ノズル(4A)のみを使用する一方、流量を該閾値以上に調節するときには、前記流量可変ノズル(4A)及び前記流量固定ノズル(4B)を使用するものとする。
【0017】
前記の構成の場合、流量を所定の閾値未満に調節するときには、流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)の両方を用いる必要がないため、流量可変ノズル(4A)を使用することによって、エネルギ損失を低減しつつ流量を調節可能とすることができる。一方、流量を該閾値以上に調節するときには、流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)の両方を用いることで、少なくとも一部の流体に流量固定ノズル(4B)を流通させることによって適切なノズル効率で減圧させることができると共に、残りの流体に流量可変ノズル(4A)を流通させることによって、エネルギ損失を低減しつつ流量を調節可能とすることができる。
【0018】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値は、前記流量固定ノズル(4B)のCv値以上であるものとする。
【0019】
すなわち、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値が流量固定ノズル(4B)のCv値よりも小さい場合は、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値に対応する流量よりも多く且つ流量固定ノズル(4B)のCv値に対応する流量よりも少ない運転領域においては、流量を調節することができない。それに対して、前記の構成では、前記流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値は、前記流量固定ノズル(4B)のCv値以上とすることによって、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値に対応する流量は流量固定ノズル(4B)のCv値に対応する流量よりも多くなるため、流量可変ノズル(4A)の全閉時から、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値に対応する流量と流量固定ノズル(4B)のCv値に対応する流量とを足した流量まで全ての運転領域で流量を調節することができる。
【0020】
第4の発明は、第1の発明において、複数の前記ノズルは、前記流量固定ノズル(4B,4C)を複数含んでおり、前記流量可変ノズル(4A)及び複数の前記流量固定ノズル(4B,4C)のうち使用するノズルを、流量に応じて選択するものとする。
【0021】
前記の構成の場合、流量固定ノズル(4B,4C)を複数備えることによって、流量可変ノズル(4A)によって流量を調節するだけでなく、使用する流量固定ノズル(4B,4C)の組合せを変えることによっても流量を調節することができる。これにより、流量可変ノズル(4A)によって流量を調節しなければならない運転領域を狭めることができる。つまり、流量可変ノズル(4A)を流通させる流体の割合を減少させて、流量固定ノズル(4B,4C)を流通させる流体の割合を増加させることができるため、ノズル全体のノズル効率をさらに向上させることができる。
【0022】
第5の発明は、第4の発明において、複数の前記流量固定ノズル(4B,4C)のCv値は、それぞれ異なるものとする。
【0023】
前記の構成の場合、複数の流量固定ノズル(4B,4C)のCv値をそれぞれ異ならせることによって、流量固定ノズル(4B,4C)の組合せを変えることで、ノズル効率を高く維持したまま、様々な流量に調節することができる。
【0024】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、複数の前記ノズルの少なくとも1つは、前記内部流路(40)の流路径が、前記喉部(42)から出口に亘って一定となるように構成されている。
【0025】
前記の構成の場合、内部流路(40)の流路径が、喉部(42)から出口に亘って一定となるようにノズルを構成することで、喉部(42)において減圧された流体は、昇圧してしまうことなく出口に向かって流動する。
【0026】
第7の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、複数の前記ノズルの少なくとも1つは、前記内部流路(40)が前記喉部(42)から出口に向かって先細形状となるように構成されている。
【0027】
前記の構成の場合、内部流路(40)が喉部(42)から出口に向かって先細形状となるように構成することで、喉部(42)において一旦減圧された流体は、出口に向かってゆっくりとさらに減圧されることとなる。
【0028】
第8の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、複数の前記ノズルの少なくとも1つは、ラバルノズルによって構成されている。
【0029】
前記の構成の場合、内部流路(40)が喉部(42)から出口に向かって先太形状となるようにノズルが構成される。これにより、内部流路(40)における流体の圧力が喉部(42)において勢いよく低下する。
【0030】
第9の発明に係る冷凍装置は、圧縮機(11)と、放熱器(12)と、第1〜第8の何れか1つのタービン発電機(2)と、蒸発器(14)とが配管(10)で接続されて、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備え、前記タービン発電機(2)で発生する電力が少なくとも前記冷凍装置の動力源として使用されるものとする。
【0031】
前記の構成の場合、タービン発電機(2)で発生した電力を冷凍装置の動力源として使用することによって、冷凍装置に外部から供給する電力量を低減することができる。そして、前述の如く、ノズル効率を向上させることによって、タービン効率を向上させることができるため、冷凍装置に外部から供給する電力量をさらに低減することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、流量可変ノズル(4A)に弁機構(9A)を設けることによって、該流量可変ノズル(4A)を通過する流体の流量調節を行うことができると共に、流量可変ノズル(4A)及び弁機構(9A)による流体の減圧と弁機構(9)による流量調節を同時に行うことによって、流体の速度エネルギの損失を抑制することができ、その結果、流体の圧力エネルギをタービンの回転動力に効率良く変換することができ、ひいては、電力に効率良く変換することができる。それに加えて、流量固定ノズル(4B)を備えることによって、一部の流体だけでも適切なノズル効率で減圧させることができるため、全体としてのノズル効率を向上させることができる。
【0033】
第2の発明によれば、使用する流量可変ノズル(4A)と流量固定ノズル(4B)との組合せを適宜変えることによって、広い運転範囲について、エネルギ損失を抑制しつつ流量を調節可能とすることができる。それに加えて、流量固定ノズル(4B)を使用する運転範囲においては、全体のノズル効率を向上させることができる。
【0034】
第3の発明によれば、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値を流量固定ノズル(4B)のCv値以上とすることによって、流量可変ノズル(4A)の全閉時から、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値に対応する流量と流量固定ノズル(4B)のCv値に対応する流量とを足した流量まで全ての運転領域で流量を調節することができる。
【0035】
第4の発明によれば、流量固定ノズル(4B,4C)を複数備えることによって、流量可変ノズル(4A)を流通させる流体の割合を減少させて、流量固定ノズル(4B,4C)を流通させる流体の割合を増加させることができるため、全体のノズル効率をさらに向上させることができる。
【0036】
第5の発明によれば、複数の流量固定ノズル(4B,4C)のCv値をそれぞれ異ならせることによって、流量固定ノズル(4B,4C)の組合せを変えることで、ノズル効率を高く維持したまま、様々な流量に調節することができる。
【0037】
第6の発明によれば、内部流路(40)の流路径が、喉部(42)から出口に亘って一定となるようにノズルを構成することで、喉部(42)において減圧された流体は、昇圧することなく出口に向かって流動する。これにより、喉部(42)において変換された流体の速度エネルギの一部が出口までの間において再び圧力エネルギに変換されること(エネルギ損失)を抑制することができる。よって、流体を出口から十分な速度で噴射させることができる。また、内部流路(40)の喉部(42)から出口までの流路径を一定とすることで、該内部流路(40)を容易に形成することができる。
【0038】
第7の発明によれば、内部流路(40)が喉部(42)から出口に向かって先細形状となるように構成することで、喉部(42)において一旦減圧された流体は、出口に向かってゆっくりとさらに減圧される。これにより、内部流路(40)において流体の圧力エネルギが速度エネルギに効率よく変換され、出口における流体の速度を十分に上昇させることができる。
【0039】
第8の発明によれば、内部流路(40)における流体の圧力を喉部(42)において勢いよく低下させることにより、流体を十分に加速させることができる。
【0040】
第9の発明によれば、タービン発電機(2)の流量可変ノズル(4A)に弁機構(9A)を設けることによって、タービン発電機(2)に冷媒回路における膨張機構の役割を果たさせることができると共に、流量制御を行うこともできる。また、タービン発電機(2)で発生した電力を冷凍装置の動力源として使用することによって、冷凍装置の成績係数を向上させることができる。それに加えて、ノズル効率を向上させることによって、タービン効率を向上させることができるため、冷凍装置の成績係数をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るタービン発電機の構成を示す模式的な縦断面図である。
【図2】図2は、冷媒回路の全体構成を示す配管図である。
【図3】図3は、タービン発電機の構成を示す模式的な横断面図である。
【図4】図4は、使用するノズルの切替タイミングとノズル効率との関係を示す図であって、(A)は流量可変ノズルの切替タイミングを、(B)は第1流量固定ノズルの切替タイミングを、(C)はノズル効率を示す。
【図5】図5は、流量に対する、ノズルの喉部と出口との断面積比及びノズル効率との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、実施形態2に係るタービン発電機を示す横断面図である。
【図7】図7は、使用するノズルの切替タイミングとノズル効率との関係を示す図であって、(A)は流量可変ノズルの切替タイミングを、(B)は第1流量固定ノズルの切替タイミングを、(C)は第2流量固定ノズルの切替タイミングを、(D)はノズル効率を示す。
【図8】図8は、実施形態3に係るタービン発電機を示す模式的な縦断面図である。
【図9】図9は、変形例1に係るノズルを示す縦断面図である。
【図10】図10は、変形例2に係るノズルを示す縦断面図である。
【図11】図11は、ノズルの開き度とタービン効率比の相関を示すグラフである。
【図12】図12(A)及び(B)は、実施形態1に係るタービン発電機への変形例に係るノズルの適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0043】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係るタービン発電機(2)は、図2に示すように、冷凍装置(1)に設けられている。
【0044】
冷凍装置(1)は、電動圧縮機(11)、放熱器(12)、タービン発電機(2)および蒸発器(14)が冷媒配管(10)を介して順に接続された冷媒回路を備え、該冷媒回路を冷媒(例えば、二酸化炭素)が循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されている。
【0045】
タービン発電機(2)は、循環する冷媒から電力を回収するように構成されている。タービン発電機(2)は、図1に示すように、タービン(3)と、該タービン(3)と連結された発電機構(6)と、該タービン(3)及び発電機構(6)を収容するケーシング(7)とを備えている。
【0046】
ケーシング(7)は、円筒形状をしていて、その長手方向の異なる位置に2つの軸受(71,71)を備えている。このケーシング(7)には、冷媒が流入する2つの流入部(72,72)と、冷媒が流出する流出部(73)とが設けられている。2つの流入部(72,72)は、ケーシング(7)内のタービン(3)と略同じ高さであって、周方向における正反対の位置に位置している。2つの流入部(72,72)にはそれぞれ、流入側の冷媒配管(10,10)が接続される第1及び第2接続管(8A,8B)が接続されている。流出部(73)は、ケーシング(7)の底部近傍であって、タービン(3)よりも下方に位置し、流出側の冷媒配管(10)によって蒸発器(14)に接続されている。
【0047】
第1接続管(8A)は、流入部(72)と連通するように、ケーシング(7)の外表面に取り付けられており、その内部に内部流路(80)が形成されている。この内部流路(80)は、屈曲部(83)で屈曲している。詳しくは、内部流路(80)は、鉛直方向に延びて上流端が上方に開口する上流側流路(81)と、上流側流路(81)の下流端と連続し且つ該上流側流路(81)に対して屈曲して水平方向に延びて、下流端がケーシング(7)の流入部(72)において開口する下流側流路(82)とで構成され、上流側流路(81)と下流側流路(82)との接続部が屈曲部(83)となっている。また、この屈曲部(83)には、下流側流路(82)をその長手方向へ下流側とは反対側に延長した延長部(84)が設けられている。そして、延長部(84)の端部には、下流側流路(82)の長手方向であってケーシング(7)とは反対側に開口する開口部(85)が設けられている。
【0048】
そして、上流側流路(81)の上流端には、冷媒配管(10)のうち、冷媒をケーシング(7)に流入させる流入側の冷媒配管(10)が接続されている。一方、下流側流路(82)の下流端には、タービン(3)の後述する流量可変ノズル(4A)が設けられている。また、下流側流路(82)の開口部(85)には、詳しくは後述するニードル弁(9A)が取り付けられている。
【0049】
この第1接続管(8A)が接続部材を構成する。尚、接続部材は、この第1接続管(8A)に限られるものではなく、例えば、内部に内部流路(80)が形成されたブロック状の部材で構成してもよい。
【0050】
第2接続管(8B)は、流入部(72)と連通するように、ケーシング(7)の外表面に取り付けられており、その内部に内部流路(86)が形成されている。この第2接続管(8B)には、電磁弁(9B)が設けられており、電磁弁(9B)を開閉することによって内部流路(86)の開通及び閉鎖が切り替えられる。
【0051】
そして、第2接続管(8B)の上流端には、冷媒配管(10)のうち、冷媒をケーシング(7)に流入させる流入側の冷媒配管(10)が接続されている。一方、第2接続管(8B)の下流端には、タービン(3)の後述する流量固定ノズル(4B)が設けられている。
【0052】
タービン(3)は、回転シャフト(31)と、該回転シャフト(31)に対して固定的に取り付けられて該回転シャフト(31)と一体的に回転するタービン羽根車(5)と、該タービン羽根車(5)に冷媒を噴射する流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)と、該流量可変ノズル(4A)を通過する冷媒の流量を調節するニードル弁(9A)と、該タービン羽根車(5)を収容し且つ流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)を配設するためのハウジング(32)とを備えている。このタービン(3)は、ペルトンタービンであって、流量可変及び流量固定ノズル(4A,4B)により冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換して、該冷媒をタービン羽根車(5)に対して噴射することによって、タービン羽根車(5)を回転させて、回転シャフト(31)を介して回転動力を出力する。
【0053】
タービン羽根車(5)は、水力発電等に利用されるものより極めて小さいものである。具体的には、タービン羽根車(5)は、図3に示すように、円盤状の羽根車本体(51)と該羽根車本体(51)の外周面に設けられた複数の羽根部(52,52,…)とを有している。
【0054】
このタービン羽根車(5)には、回転シャフト(31)が互いの軸心(X)を一致させた状態で回転不能に取り付けられている。つまり、タービン羽根車(5)が回転すると、回転シャフト(31)も同様に回転する。この回転シャフト(31)は、ケーシング(7)内において該ケーシング(7)の長手方向に延びるように配設され、該2つの軸受(71,71)で回転自在に支持されている。尚、軸心(X)が回転軸を構成し、回転シャフト(31)が軸部材を構成する。
【0055】
ハウジング(32)は、図3に示すように、ケーシング(7)の内周面に嵌合した状態で取り付けられており、中央に、タービン羽根車(5)を収容する円筒状の収容空間(33)が形成されている。
【0056】
また、ハウジング(32)には、流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)を配設するための配設孔(34,34)が、ハウジング(32)の外周面から収容空間(33)に開口するように貫通形成されている。配設孔(34,34)は、ケーシング(7)の流入部(72,72)と連通している。つまり、第1接続管(8A)の下流端部に配設されて、流入部(72)を介してケーシング(7)内に臨む流量可変ノズル(4A)は、ハウジング(32)の配設孔(34)に挿通されることになる。また、第2接続管(8B)の下流端部に配設されて、流入部(72)を介してケーシング(7)内に臨む流量固定ノズル(4B)は、ハウジング(32)の配設孔(34)に挿通されることになる。
【0057】
このようにしてハウジング(32)に配設された流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)の軸心は、図3に示すように、羽根車本体(51)の軸心(X)に直交する平面と平行であって、羽根部(52,52,…)の先端を繋ぐ仮想円に対する接線を半径方向内方にオフセットさせた状態となっている。すなわち、流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)は、タービン羽根車(5)の回転方向前方に向かって冷媒を噴射し、噴射される冷媒がタービン羽根車(5)の羽根部(52,52,…)に当たるように配設されている。ただし、流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)はそれぞれ、タービン羽根車(5)の周方向における正反対の位置において冷媒を噴射するように配設されている。
【0058】
流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B)は共に、図1に示すように、内径が下流側に向かって徐々に小さくなっていく縮径部(41)と、該縮径部(41)の下流端に位置し、内径が最も小さくなった喉部(42)と、内径が喉部(42)から下流側に向かって徐々に大きくなっていく拡径部(43)とで構成された内部流路(40)を有する所謂ラバルノズルに構成されている。尚、縮径部(41)及び拡径部(43)の内周面は、内径が徐々に変化するテーパ面となっている。
【0059】
そして、流量可変ノズル(4A)は、ニードル弁(9A)によって流量を調節することができるように構成されている。一方、流量固定ノズル(4B)は、流量を調節することができないが、電磁弁(9B)によって開通と閉鎖とを切替可能に構成されている。
【0060】
ここで、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と流量固定ノズル(4B)のCv値とは等しい値に設定されている。尚、Cv値とは、流路の一方から1PSI(ポンド/平方インチ)の圧力差で15.6℃の水を1分間流したときの流量(ガロン)である。
【0061】
ニードル弁(9A)は、図1に示すように、棒状のニードル(91)と、該ニードル(91)の先端に設けられた弁体(92)と、ニードル(91)の基端に設けられ、該ニードル(91)を進退自在に駆動するアクチュエータ(93)とを備えている。このニードル弁(9)が弁機構を構成する。
【0062】
弁体(92)の先端部にはテーパ面が形成されていて、先端に向かって尖鋭になっている。この弁体(92)のテーパ面の角度は、流量可変ノズル(4A)の縮径部(41)のテーパ面の角度と同じか、それ未満となっている。
【0063】
アクチュエータ(93)は、図示を省略するが、ソレノイドとロータとを有したソレノイド型のアクチュエータであって、ニードル(91)の基端部が接続されている。このアクチュエータ(93)は、ソレノイドを作動させることによってニードル(91)を進退させることができる。
【0064】
このニードル弁(9A)は、ニードル(91)が第1接続管(8A)の開口部(85)から下流側流路(82)内に挿入されて、アクチュエータ(93)が開口部(85)において第1接続管(8A)に取り付けられている。こうすることで、ニードル弁(9A)のニードル(91)は、下流側流路(82)内を該下流側流路(82)の長手方向に延び、弁体(92)が流量可変ノズル(4A)の喉部(42)に位置する。
【0065】
ニードル弁(9A)は、アクチュエータ(93)を作動させてニードル(91)を駆動することによって、弁体(92)を下流側流路(82)内でその長手方向に進退させる。弁体(92)が最も前進したときには、該弁体(92)は喉部(42)に当接し、流量可変ノズル(4A)を全閉状態にする。一方、弁体(92)が最も後退したときには、該弁体(92)は縮径部(41)から引き出された位置に位置し、該流量可変ノズル(4A)を流通する冷媒に影響を与えない。こうして、ニードル弁(9A)は、流量可変ノズル(4A)を通過する冷媒の流量を調節する。
【0066】
発電機構(6)は、回転シャフト(31)に対して固定的に取り付けられて該回転シャフト(31)と一体的に回転するロータ(61)と、該ロータ(61)の外周側に設置されてケーシング(7)に固定されたステータ(62)とを有し、ケーシング(7)内において2つの軸受(71,71)の間に配設されている。ステータ(62)は、図示を省略するが、スロットが形成される固定子鉄心とスロットに配置される固定子コイルとを有する。発電機構(6)は、回転シャフト(31)が回転することでロータ(61)が回転磁界を発生し、その回転磁界によって固定子鉄心の固定子コイルに誘起電圧が生じ電流が流れる。このように、発電機構(6)は、タービン(3)から出力される回転動力を電力に変換して出力する。
【0067】
こうして発電した電力は、電動圧縮機(11)の動力源として利用される。つまり、冷媒の運動エネルギー(膨張エネルギー)が電動圧縮機(11)のために動力回収される。
【0068】
以上のように構成されたタービン発電機(2)の動作について説明する。
【0069】
冷媒回路を循環して放熱器(12)で放熱した冷媒は、流入側の冷媒配管(10)から第1及び第2接続管(8A,8B)に流入する。このとき、ニードル弁(9A)及び電磁弁(9B)の開閉状態が制御されており、冷媒は流量可変ノズル(4A)及び/又は流量固定ノズル(4B)を通過してケーシング(7)に流入する。そして、流量可変ノズル(4A)及び/又は流量固定ノズル(4B)を流通する冷媒は、流通する際に減圧される(膨張する)。これら流量可変ノズル(4A)及び/又は流量固定ノズル(4B)で減圧された冷媒は、タービン羽根車(5)の羽根部(52,52,…)に向かって噴射される。噴射された冷媒の衝撃によって、タービン羽根車(5)が軸心(X)回りに回転する。タービン羽根車(5)が回転すると、該タービン羽根車(5)と一体的に回転シャフト(31)が回転し、さらには、回転シャフト(31)に固定されたロータ(61)が回転する。ロータ(61)が回転すると、回転磁界が発生し、ステータ(62)の固定子コイルに誘導電圧が生じる。こうして、タービン発電機(2)は電力を発生する。尚、タービン羽根車(5)の羽根部(52,52,…)に衝突した冷媒は、ケーシング(7)の流出部(73)からケーシング(7)外へ流出して蒸発器(14)へ流れていく。
【0070】
続いて、ニードル弁(9A)及び電磁弁(9B)の開閉制御について説明する。
【0071】
ニードル弁(9A)及び電磁弁(9B)は、図4(A),(B)に示すように、冷媒回路に流通させる冷媒の流量に応じて、その開度が調節される。
【0072】
詳しくは、制御目標となる所望の流量が所定の閾値V未満である運転領域においては、電磁弁(9B)を閉状態にすることで流量固定ノズル(4B)を閉鎖すると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。このとき、流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度は、冷媒の流量に対して線形的に調節される。
【0073】
ここで、前記閾値Vは、流量可変ノズル(4A)を全開状態としたときの流量に設定されている。つまり、所望の流量が該閾値Vとなるまでは、流量可変ノズル(4A)の開度を調節することで、流量調節を行うことができる。
【0074】
そして、所望の流量が所定の閾値V以上である運転領域においては、電磁弁(9B)を開状態とすることで流量固定ノズル(4B)を開通状態とすると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、流量可変ノズル(4A)と流量固定ノズル(4B)とによって、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。ここで、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と流量固定ノズル(4B)のCv値とが等しいため、所望の流量が所定の閾値Vであるときには、流量固定ノズル(4B)を開通させ且つ、流量可変ノズル(4A)を全閉状態としてもよいし、流量固定ノズル(4B)を閉鎖させ且つ、流量可変ノズル(4A)を全開状態にしてもよい。
【0075】
したがって、本実施形態によれば、冷媒の流量に応じて、流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節すると共に、流量固定ノズル(4B)の開通及び閉鎖を制御することによって、図4(C)に示すように、全体としてのノズル効率を向上させることができる。
【0076】
すなわち、1つの流量可変ノズルだけを備えている構成においては、流量可変ノズルは通常、図5に示すように、最大開度のときにノズル効率が最大となる。詳しくは、ノズルにおいては、ノズルの入口から入った冷媒が減圧し、ノズルの出口における圧力が出口近傍の雰囲気圧力と等しくなる場合を適正膨張といい、その状態となる喉部の断面積と出口の断面積の比を適正面積比という。通常、ノズルは、喉部と出口の断面積比が適正面積比となるように設計されている。それにもかかわらず、ニードル弁によって、ノズルの喉部の開度を絞ると、喉部の断面積が変化し、喉部と出口の断面積比が適正面積比からずれてしまう。その結果、図5に示すように、ノズルの全開時においてはノズル効率が適正であるものの、それ以外の領域、特に開度が小さいときにはノズル効率が著しく低下してしまう。
【0077】
それに対して、複数のノズルを備え、そのうちの少なくとも1つを流量固定ノズル(4B)とし、冷媒回路を流通する冷媒の少なくとも一部を該流量固定ノズル(4B)を用いて減圧させることによって、少なくとも一部の冷媒を高いノズル効率で減圧させることができる。
【0078】
また、複数のノズルのうちの少なくとも1つを流量可変ノズル(4A)とし、流量可変ノズル(4A)の開度を調節することによって、ノズル効率が低下するものの、冷媒回路を循環する冷媒の流量を柔軟に調節することができる。
【0079】
このとき、冷媒の減圧と流量の調節とを同時に行うため、上流側の膨張弁で冷媒の流量を調節した後、下流側のノズルで流体を減圧させる構成と比較して、冷媒の運動エネルギの損失を低減することができる。その結果、冷媒の圧力エネルギをタービン(3)の回転動力に効率良く変換することができ、ひいては、電力に効率良く変換することができる。具体的には、流量可変ノズル(4A)にニードル弁(9)を設けることによって、冷媒の減圧と流量の調節とを同時に行うことができるノズルを実現することができる。また、膨張弁を別体で設ける構成と比較して、流量可変ノズル(4A)とニードル弁(9A)とを一体的に設けることができるため、ニードル弁(9A)を含めたタービン発電機(2)をコンパクトに構成することができる。
【0080】
このように、流量可変ノズル(4A)と流量固定ノズル(4B)とを設けることによって、流量可変ノズル(4A)を流通させる冷媒の流量を可及的に低減させることができると共に、残りの冷媒は適切なノズル効率に設定された流量固定ノズル(4B)を流通させることができるため、全体としてのノズル効率を向上させることができる。こうしてノズル効率を向上させることによって、タービン効率を向上させることができるため、冷凍装置(1)の成績係数を向上させることができる。
【0081】
ここで、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と流量固定ノズル(4B)のCv値を等しくすることによって、流量可変ノズル(4A)の全閉状態に対応する流量から、全開状態の流量可変ノズル(4A)と流量固定ノズル(4B)とに対応する流量まで、冷媒回路を流通する冷媒の流量を連続的に調節することができる。すなわち、所望の流量が流量可変ノズル(4A)の全開時に対応する流量となるまでは、流量固定ノズル(4B)を閉鎖状態としたまま、流量可変ノズル(4A)の開度を調節することによって流量を調節することができ、所望の流量が流量可変ノズル(4A)の全開時に対応する流量と一致するときには、流量固定ノズル(4B)を閉鎖状態にし且つ流量可変ノズル(4A)を全開状態にするか、又は、流量可変ノズル(4A)を全閉状態にし且つ流量固定ノズル(4B)を開通状態にすることによって流量を調節することができ、所望の流量が流量可変ノズル(4A)の全開時に対応する流量を超えるときには、流量固定ノズル(4B)を開通状態としたまま、流量可変ノズル(4A)の開度を調節することによって流量を調節することができる。このような観点からすれば、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値は、少なくとも流量固定ノズル(4B)のCv値以上であればよい。
【0082】
さらに、第1接続管(8A)内に形成された内部流路(80)を上流側流路(81)と下流側流路(82)とで屈曲させて、該上流側流路(81)と下流側流路(82)との屈曲部において第1接続管(8A)に下流側流路(82)と連通する開口部(85)を形成すると共に、該開口部(85)からニードル弁(9A)のニードル(91)を下流側流路(82)内に挿通させ且つニードル(91)先端の弁体(92)が流量可変ノズル(4A)の喉部(42)に到達する状態でニードル弁(9A)を第1接続管(8A)に取り付けることによって、弁体(92)が流量可変ノズル(4A)内を移動可能なニードル弁(9A)をコンパクトに構成することができる。
【0083】
また、第1接続管(8A)において、下流側流路(82)に対して屈曲させた上流側流路(81)をケーシング(7)の長手方向に沿って延設することによって、第1接続管(8A)を含むタービン発電機(2)をコンパクトに形成することができる。さらに、上流側流路(81)をケーシング(7)の長手方向に沿って延設することによって、それに接続される流入側の冷媒配管(10)もケーシング(7)の長手方向に沿って延設されるようになる。その結果、吸入側の冷媒配管(10)も含めて、タービン発電機(2)をコンパクトに形成することができる。
【0084】
さらにまた、冷凍装置(1)においては、タービン発電機(2)の流量可変ノズル(4A)及びニードル弁(9A)並びに流量固定ノズル(4B)及び電磁弁(9B)が冷媒回路における膨張機構の役割を果たすと共に、ニードル弁(9A)及び電磁弁(9B)によって冷媒回路を流通する冷媒の流量制御を行うことができるため、膨張機構を別途設ける必要がなく、冷凍装置(1)の構成を簡易にすることができる。
【0085】
また、タービン発電機(2)で発生した電力を電動圧縮機(11)の動力源として使用することによって、冷凍装置(1)に外部から供給する電力量を低減することができる。その結果、冷凍装置(1)の成績係数を向上させることができる。
【0086】
《発明の実施形態2》
続いて、本発明の実施形態2に係るタービン発電機(202)について説明する。実施形態2に係るタービン発電機(202)は、流量固定ノズルを複数備える点で、実施形態1に係るタービン発電機(2)と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して、説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
【0087】
タービン発電機(202)のタービン(203)は、図6に示すように、1つの流量可変ノズル(4A)と、2つの流量固定ノズル(4B,4C)とを備えている。
【0088】
そして、ケーシング(207)には、3つの流入部(72,72,72)が、タービン(3)と略同じ高さであって、周方向に等間隔を空けた位置に形成されている。
【0089】
これら3つの流入部(72,72,72)には、それぞれ第1〜第3接続管(8A,8B,8C)が接続されている。第1接続管(8A)は、実施形態1と同様の構成であって、流入側の冷媒配管(10)が接続されると共に、流量可変ノズル(4A)及びニードル弁(9A)を配設するためのものである。一方、第2、第3接続管(8B,8C)は、実施形態1の第2接続管(8B)と同様の構成であって、流入側の冷媒配管(10)が接続されると共に、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)及び第1及び第2電磁弁(9B,9C)を配設するためのものである。
【0090】
ハウジング(232)には、ケーシング(207)の3つの流入部(72,72,72)に対応させて、3つの配設孔(34,34,34)が形成されている。つまり、第1接続管(8A)の下流端部に配設されて、流入部(72)を介してケーシング(207)内に臨む流量可変ノズル(4A)は、ハウジング(232)の配設孔(34)に挿通されることになる。また、第2接続管(8B)の下流端部に配設されて、流入部(72)を介してケーシング(207)内に臨む第1流量固定ノズル(4B)は、ハウジング(232)の配設孔(34)に挿通されることになる。さらに、第3接続管(8C)の下流端部に配設されて、流入部(72)を介してケーシング(207)内に臨む第2流量固定ノズル(4C)は、ハウジング(232)の配設孔(34)に挿通されることになる。
【0091】
このようにしてハウジング(232)に配設された流量可変ノズル(4A)並びに第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)の軸心は、羽根車本体(51)の軸心(X)に直交する平面と平行であって、羽根部(52,52,…)の先端を繋ぐ仮想円に対する接線を半径方向内方にオフセットさせた状態となっている。すなわち、流量可変ノズル(4A)並びに第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)は、タービン羽根車(5)の回転方向前方に向かって冷媒を噴射し、噴射される冷媒がタービン羽根車(5)の羽根部(52,52,…)に当たるように配設されている。ただし、流量可変ノズル(4A)並びに第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)はそれぞれ、タービン羽根車(5)の周方向において等間隔を空けた位置に冷媒を噴射するように配設されている。
【0092】
流量可変ノズル(4A)並びに第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)は、実施形態1と同様に、内径が下流側に向かって徐々に小さくなっていく縮径部(41)と、該縮径部(41)の下流端に位置し、内径が最も小さくなった喉部(42)と、内径が喉部(42)から下流側に向かって徐々に大きくなっていく拡径部(43)とで構成された内部流路(40)を有している。
【0093】
そして、流量可変ノズル(4A)は、ニードル弁(9A)によって流量を調節することができるように構成されている。一方、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)は、流量を調節することができないが、それぞれ第1及び第2電磁弁(9B,9C)によって開通と閉鎖とを切替可能に構成されている。
【0094】
ここで、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第1流量固定ノズル(4B)のCv値とは等しい値に設定されている。また、第2流量固定ノズル(4C)のCv値は、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第1流量固定ノズル(4B)のCv値とを足した値となっている。
【0095】
以上のように構成されたタービン発電機(202)の動作について説明する。
【0096】
冷媒回路を循環して放熱器(12)で放熱した冷媒は、流入側の冷媒配管(10)から第1〜第3接続管(8A〜8C)に流入する。このとき、ニードル弁(9A)並びに第1及び第2電磁弁(9B,9C)の開閉状態が制御されており、冷媒は流量可変ノズル(4A)並びに/又は第1及び/若しくは第2流量固定ノズル(4B,4C)を通過してケーシング(7)に流入する。そして、流量可変ノズル(4A)並びに/又は第1及び/若しくは第2流量固定ノズル(4B,4C)を流通する冷媒は、流通する際に減圧される(膨張する)。これら流量可変ノズル(4A)並びに/又は第1及び/若しくは第2流量固定ノズル(4B,4C)で減圧された冷媒は、タービン羽根車(5)の羽根部(52,52,…)に向かって噴射される。噴射された冷媒の衝撃によって、タービン羽根車(5)が軸心(X)回りに回転する。タービン羽根車(5)が回転すると、該タービン羽根車(5)と一体的に回転シャフト(31)が回転し、さらには、回転シャフト(31)に固定されたロータ(61)が回転する。ロータ(61)が回転すると、回転磁界が発生し、ステータ(62)の固定子コイルに誘導電圧が生じる。こうして、タービン発電機(202)は電力を発生する。尚、タービン羽根車(5)の羽根車に衝突した冷媒は、ケーシング(207)の流出部(73)からケーシング(207)外へ流出して蒸発器(14)へ流れていく。
【0097】
続いて、ニードル弁(9A)並びに第1及び第2電磁弁(9B,9C)の開閉制御について説明する。
【0098】
ニードル弁(9A)並びに第1及び第2電磁弁(9B,9C)は、図7(A)〜(C)に示すように、冷媒回路に流通させる冷媒の流量に応じて、その開度が調節される。
【0099】
詳しくは、制御目標となる所望の流量が、流量可変ノズル(4A)の全閉状態に対応する流量である第1閾値V未満である運転領域においては、第1及び第2電磁弁(9B,9C)を閉状態にすることで第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)を閉鎖すると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、流量可変ノズル(4A)だけを用いて、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。このとき、流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度は、冷媒の流量に対して線形的に調節される。
【0100】
そして、所望の流量が、前記第1閾値V以上であって且つ、流量可変ノズル(4A)の全開にし且つ第1流量固定ノズル(4B)を開通させた状態に対応する流量である第2閾値V未満である運転領域においては、第1電磁弁(9B)を開状態とすることで第1流量固定ノズル(4B)を開通させ且つ、第2電磁弁(9C)を閉状態にすることで第2流量固定ノズル(4C)を閉鎖とすると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、流量可変ノズル(4A)と第1流量固定ノズル(4B)とを用いて、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。ここで、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第1流量固定ノズル(4B)のCv値とが等しいため、所望の流量が第1閾値Vであるときには、第1流量固定ノズル(4B)を開通させ且つ、流量可変ノズル(4A)を全閉状態としてもよいし、第1流量固定ノズル(4B)を閉鎖させ且つ、流量可変ノズル(4A)を全開状態にしてもよい。
【0101】
さらに、所望の流量が、前記第2閾値V以上であって且つ、流量可変ノズル(4A)の全開にし且つ第2流量固定ノズル(4C)を開通させた状態に対応する流量である第3閾値V未満である運転領域においては、第2電磁弁(9C)を開状態とすることで第2流量固定ノズル(4C)を開通させ且つ、第1電磁弁(9B)を閉状態にすることで第1流量固定ノズル(4B)を閉鎖とすると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、流量可変ノズル(4A)と第2流量固定ノズル(4C)とを用いて、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。ここで、第2流量固定ノズル(4C)のCv値は、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第1流量固定ノズル(4B)のCv値とを足した値と等しいため、所望の流量が第2閾値Vであるときには、第2流量固定ノズル(4C)を開通させると共に、流量可変ノズル(4A)を全閉状態とし且つ第1流量固定ノズル(4B)を閉鎖してもよいし、第2流量固定ノズル(4C)を閉鎖すると共に、流量可変ノズル(4A)を全開状態とし且つ第1流量固定ノズル(4B)を開通させてもよい。
【0102】
さらにまた、所望の流量が、前記第3閾値V以上である運転領域においては、第1及び第2電磁弁(9B,9C)を開状態とすることで第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)を開通させると共に、ニードル弁(9A)で流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節して、流量可変ノズル(4A)と第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)とを用いて、冷媒回路を流通する冷媒が該所望の流量となるように調節する。ここで、第1流量固定ノズル(4B)のCv値と第2流量固定ノズル(4C)のCv値とを足した値は、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第2流量固定ノズル(4C)のCv値とを足した値と等しいため、所望の流量が第3閾値Vであるときには、第1及び第2流量固定ノズル(4C)を開通させると共に、流量可変ノズル(4A)を全閉状態としてもよいし、流量可変ノズル(4A)を全開状態とし且つ第2流量固定ノズル(4C)を開通させると共に、第1流量固定ノズル(4B)を閉鎖してもよい。
【0103】
したがって、本実施形態によれば、冷媒の流量に応じて、流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節すると共に、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)の開通及び閉鎖を制御することによって、図7(D)に示すように、全体としてのノズル効率を向上させることができる。
【0104】
すなわち、全運転範囲において1つの流量可変ノズルだけで流量を調節する構成では、図7(D)に二点鎖線で示すように、ノズル効率が適正であるのは全開時だけであり、それ以外の領域、特に開度が小さいときにはノズル効率が著しく低下してしまう。
【0105】
それに対して、1つの流量可変ノズル(4A)と複数の流量固定ノズル(4B,4C)で全運転範囲における流量調節を行うように構成することによって、少なくとも一部の冷媒は、ノズル効率が適正な流量固定ノズル(4B,4C)を用いて減圧させることができる。
【0106】
そして、少なくとも1つの流量可変ノズル(4A)を設けて、流量可変ノズル(4A)の喉部(42)の開度を調節すると共に、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)の開通及び閉鎖を制御することによって、冷媒回路を循環する冷媒の流量を広範囲且つ柔軟に調節することができる。
【0107】
また、本実施形態では、実施形態1と異なり、流量固定ノズル(4B,4C)を複数設けることによって、流量可変ノズル(4A)による流量調節だけでなく、使用する流量固定ノズル(4B,4C)の組合せを変えることによっても流量を調節することができる。これにより、流量可変ノズル(4A)によって流量を調節しなければならない運転領域を狭めることができる。つまり、流量可変ノズル(4A)を流通させる流体の割合を減少させて、流量固定ノズル(4B)を流通させる流体の割合を増加させることができるため、全体としてのノズル効率をさらに向上させることができる。
【0108】
さらに、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)のCv値をそれぞれ異ならせることによって、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)の何れを使用するか、例えば、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)の何れを流量可変ノズル(4A)と組み合わせるかで、流量を調節することができる。つまり、ノズル効率を高く維持したまま、様々な流量に調節することができる。
【0109】
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0110】
《発明の実施形態3》
続いて、本発明の実施形態3に係るタービン発電機(302)について説明する。図8に示すように、実施形態3に係るタービン発電機(302)は、1つの流量可変ノズル(4A)と3つの流量固定ノズル(4B〜4D)とを備えている。
【0111】
詳しくは、タービン発電機(302)のタービン(303)は、回転シャフト(31)に対して軸方向に並んで取り付けられた2つのタービン羽根車(5,5)を備えている。そして、ケーシング(7)には、上方のタービン羽根車(5)に臨む2つの流入部(72,72)と、下方のタービン羽根車(5)に臨む2つの流入部(72,72)との合計4つの流入部(72,72,…)が形成されている。これら4つの流入部(72,72,…)には、それぞれ第1〜第4接続管(8A〜8D)が接続されている。第1接続管(8A)は、実施形態1と同様の構成であって、流入側の冷媒配管(10)が接続されると共に、流量可変ノズル(4A)及びニードル弁(9A)を配設するためのものである。一方、第2〜第3接続管(8B〜8D)は、実施形態1の第2接続管(8B)と同様の構成であって、流入側の冷媒配管(10)が接続されると共に、流量固定ノズル(4B〜4D)及び電磁弁(9B〜9D)を配設するためのものである。
【0112】
そして、流量可変ノズル(4A)及び第1流量固定ノズル(4B)が上方のタービン羽根車(5)に向けて配設される一方、第2及び第3流量固定ノズル(4C,4D)が下方のタービン羽根車(5)に向けて配設されている。
【0113】
流量可変ノズル(4A)及び流量固定ノズル(4B〜4D)の構成は、実施形態1,2と同様である。すなわち、流量可変ノズル(4A)は、ニードル弁(9A)によって流量が調節される。また、第1〜第3流量固定ノズル(4B〜4D)は、第1〜第3電磁弁(9B〜9D)によって開通と閉鎖とが切り替えられる。
【0114】
また、流量可変ノズル(4A)の全閉時のCv値並びに、第1及び第2流量固定ノズル(4B,4C)のCv値の関係は実施形態2と同様である。そして、第3流量固定ノズル(4D)のCv値は、流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値と第1流量固定ノズル(4B)のCv値と第2流量固定ノズル(4C)のCv値とを足した値となっている。このように設定することで、実施形態2と同様の手順で、使用するノズルを切り替えることによって、冷媒回路を循環する冷媒の流量を広範な運転領域で、制御できない領域を生じさせることなく、柔軟に調節することができる。
【0115】
《実施形態1〜3の変形例》
前記各実施形態では、各ノズル(4A〜4D)は、内径が下流側に向かって徐々に小さくなっていく縮径部(41)と、該縮径部(41)の下流端に位置し、内径が最も小さくなった喉部(42)と、内径が喉部(42)から下流側に向かって徐々に大きくなっていく拡径部(43)とで構成された内部流路(40)を備えた所謂ラバルノズルによって構成されていた。しかしながら、本発明に係るノズルは、このようなラバルノズルに限られない。
【0116】
例えば、図9に示す変形例1としてのノズル(4X)や図10に示す変形例2としてのノズル(4Y)を前記各ノズル(4A〜4D)の代わりに用いてもよい。
【0117】
具体的には、図9に示すノズル(4X)は、内部流路(40)が、前記各実施形態と同様の縮径部(41)及び喉部(42)と、内径が喉部(42)から出口に亘って一定に形成された等径部(44)とで構成されている。
【0118】
このようなノズル(4X)を用いた場合、内部流路(40)の喉部(42)において減圧された冷媒は、等径部(44)において昇圧することなく出口に向かって流動する。これにより、喉部(42)において変換された冷媒の速度エネルギの一部が出口までの間において再び圧力エネルギに変換されること(速度エネルギ損失)を抑制することができる。よって、冷媒を出口から十分な速度で噴射させることができる。従って、前記ノズル(4X)によれば、冷媒の圧力エネルギをタービン(3)の回転動力に効率良く変換することができる。
【0119】
また、前記ノズル(4Y)によれば、内部流路(40)の喉部(42)から出口までの流路径を一定としているため、該内部流路(40)の加工を容易に行うことができる。
【0120】
一方、図10に示すノズル(4Y)は、内部流路(40)が、前記各実施形態と同様の縮径部(41)及び喉部(42)と、喉部(42)から出口に向かって先細形状となる出口側縮径部(45)とで構成されている。
【0121】
このようなノズル(4Y)を用いた場合、内部流路(40)を流通する冷媒は、喉部(42)において一旦減圧された後、出口に向かってゆっくりとさらに減圧されることとなる。そのため、内部流路(40)において、流体の圧力エネルギが速度エネルギに効率よく変換され、出口における流体の速度を十分に上昇させることができる。従って、前記ノズル(4Y)によっても、冷媒の圧力エネルギを該タービン(3)の回転動力に効率良く変換することができる。
【0122】
以上より、前記各実施形成において用いられていたラバルノズルを前記ノズル(4X,4Y)に変更することによってノズル効率をさらに向上させ、ひいては、タービンの効率を向上させることができる。このことは、図11のノズルの開き角とタービン効率比の相関を示すグラフからも明らかである。
【0123】
尚、ここで、ノズルの開き角とは、ノズルの内部流路(40)の喉部(42)から出口までの部分(拡径部(43)、等径部(44)、縮径部(45))を形成するテーパ面の母線とノズルの軸線との交差角を指す。また、タービン効率比は、開き角が0°(図9参照)のノズル(4X)を用いた場合にタービン発電機において得られる電力を基準(1.0)として、他の開き角のノズルを用いた場合に得られる電力を比率で示したものである。
【0124】
図11より、開き角を低減するに従ってタービンの効率比が向上することが判る。具体的には、例えば、開き角が0°のノズルを用いた場合及び開き角が0°未満の角度αのノズルを用いた場合には、開き角が0°より大きい角度βのノズルを用いた場合よりもタービンの効率が大幅に向上している。
【0125】
以上より、開き角が0°である図9に示すノズル(4X)や開き角が0°未満である図10に示すノズル(4Y)を用いることによって、前記各実施形態のラバルノズルを用いた場合に比べて、冷媒の圧力エネルギを効率良くタービン(3)の回転動力に変換して効率良く電力に変換することができることが判る。
【0126】
尚、前記ノズル(4X,4Y)は、図12(A)に示すように、前記各実施形態における複数のノズルの全てのノズルに適用してもよいが、全てのノズルではなくいずれかのラバルノズル(4A〜4D)の代わりに適用されてもよい。例えば、図12(B)に示すように、前記各実施形態における流量可変ノズル(4A)のみをノズル(4Y)に変更してもよい。
【0127】
《その他の実施形態》
本発明は、前記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0128】
流量可変ノズルと流量固定ノズルの個数は、前記各実施形態に記載の個数に限定されるものではない。そのため、例えば、流量可変ノズルを2つ以上設けてもよく、流量固定ノズルを4つ以上設けることとしてもよい。
【0129】
また、前記実施形態では、タービン発電機(2)で発生する電力を電動圧縮機(11)を駆動するための動力源として使用しているが、これに限られるものではない。例えば、室内機や室外機に設けられたファンを駆動するために使用してもよい。
【0130】
以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上説明したように、本発明は、タービン羽根車及びノズルを備えたタービン発電機、及びそれを備えた冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0132】
1 冷凍装置
2,202,302 タービン発電機
3,203,303 タービン
4A 流量可変ノズル(ノズル、流量可変ノズル)
4B 第1流量固定ノズル(ノズル、流量固定ノズル)
4C 第2流量固定ノズル(ノズル、流量固定ノズル)
4D 第3流量固定ノズル(ノズル、流量固定ノズル)
40 内部流路
42 喉部
5 タービン羽根車
9 ニードル弁(弁機構)
93 アクチュエータ
10 冷媒配管(配管)
11 電動圧縮機(圧縮機)
12 放熱器
14 蒸発器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン羽根車(5)と、内部流路(40)が喉部(42)で絞られた複数のノズルとを備えたタービン発電機であって、
複数の前記ノズルは、前記喉部(42)の開度を弁機構(9A)で制御することで流量を調節可能な流量可変ノズル(4A)と、流量が固定の流量固定ノズル(4B)とを含むことを特徴とするタービン発電機。
【請求項2】
請求項1において、
流量を所定の閾値未満に調節するときには、前記流量可変ノズル(4A)のみを使用する一方、
流量を該閾値以上に調節するときには、前記流量可変ノズル(4A)及び前記流量固定ノズル(4B)を使用することを特徴とするタービン発電機。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記流量可変ノズル(4A)の全開時のCv値は、前記流量固定ノズル(4B)のCv値以上であることを特徴とするタービン発電機。
【請求項4】
請求項1において、
複数の前記ノズルは、前記流量固定ノズル(4B,4C)を複数含んでおり、
前記流量可変ノズル(4A)及び複数の前記流量固定ノズル(4B,4C)のうち使用するノズルを、流量に応じて選択することを特徴とするタービン発電機。
【請求項5】
請求項4において、
複数の前記流量固定ノズル(4B,4C)のCv値は、それぞれ異なることを特徴とするタービン発電機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
複数の前記ノズルの少なくとも1つは、前記内部流路(40)の流路径が、前記喉部(42)から出口に亘って一定となるように構成されていることを特徴とするタービン発電機。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
複数の前記ノズルの少なくとも1つは、前記内部流路(40)が前記喉部(42)から出口に向かって先細形状となるように構成されていることを特徴とするタービン発電機。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
複数の前記ノズルの少なくとも1つは、ラバルノズルによって構成されていることを特徴とするタービン発電機。
【請求項9】
圧縮機(11)と、放熱器(12)と、請求項1乃至8の何れか1つのタービン発電機(2)と、蒸発器(14)とが配管(10)で接続されて、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置であって、
前記タービン発電機(2)で発生する電力が少なくとも前記冷凍装置の動力源として使用されることを特徴とする冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−96175(P2010−96175A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99316(P2009−99316)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】